Polestarのコンセプトカー第2弾はドローンを搭載したオープンカー

スウェーデンの高性能電動車ブランドであるPolestar(ポールスター)は、すでに生産が開始されている「Polestar 2」、発表を控えた「Polestar 3」と「Polestar 4」、そしてコンセプトカー「Precept(プリセプト)」の市販モデルとして2024年に登場予定の「Polestar 5」に続く、最新の電気自動車のアイデアを発表した。

画像クレジット:Polestar

「Polestar O2は、スポーツカーの新時代に向けた私たちのビジョンです」と、Polestarのデザイン責任者を務めるMaximilian Missoni(マキシミリアン・ミッソーニ)氏は、現地時間3月2日に発行されたプレスステートメントで述べている。「オープントップドライビングの喜びと、電気モビリティの純粋さをミックスすることによって、1台のクルマで新たな入り混じった感情を解き放ちます」。

このPolestar O2は、Polestar 5と同じ「特注」の接着アルミニウム製ユニボディプラットフォームを採用しており、そのベースとなったPreceptのコンセプトデザインと全体的な類似したスタイルを持つ。Polestarの広報によれば、これは「Polestarの進化するデザイン言語が、強い同族類似性を保ちながら、異なるボディスタイルにどのように適応できるかを示す」ものであるという。つまり、Polestar 5が4ドアの高性能グランドツーリングカーであるのに対し、Polestar O2は同じ基本骨格をベースに作られていながらも、よりコンパクトな2+2シーターのスポーツカーとしてのフィールを提供するということだ。

画像クレジット:Polestar

従来のオープンカーは、ルーフを切り取ることで失われる構造強度を補強するためにフレームが厚く重くなり、やはりルーフがないことで空力的なバランスも崩れてしまうという、どちらかといえば非効率的なクルマであることを考えると、オープンカーのEVとは一体どうなるのだろうと思う人もいるかもしれない。これはすばらしい疑問だ。Polestarはこのクルマの空気抵抗係数を公開していないものの「ホイールとボディサイド上の層流を改善する埋込み型ダクトや、車体後方の乱流を低減するエアブレードとして機能するテールライトなどの隠れたデザイン機能」が、航続距離を最大化するために研究されたものであると断言している。

ホイールベースが短く、補助的なリアシートのみを備えたPolestar O2は、Polestar 2よりもスポーティでアグレッシブなスタンスだ。そしてこのホイール!エクステリアはシャープなラインの習作で、角張ったフェンダーフレアと、広いトランクに格納される鋭角的なガラストップルーフの間に、低く構えたキャビンが収まっている。まるでFord GT40(フォードGT40)とPorsche 718 Spyder(ポルシェ718スパイダー)を合体させ、すべてのカーブをフラットにしたようなルックスだ。ゲーム「Grand Theft Auto」に登場するLos Santos(ロスサントス)の街角で見かけるロードスターのようで、私はファンになった。

画像クレジット:Polestar

インテリアも同様にしなやかで、ハードな部分には熱可塑性モノマテリアルを、ソフトな部分にはリサイクルポリエステルのみを使用しているのが特徴だという。ポリエステルとプラスチックの上に低く座り、屋根を下ろして太陽の光をいっぱいに浴びるという体験は、何ものにも代え難いものだろう。

画像クレジット:Polestar

ドライバーは、Polestar O2に搭載された撮影用ドローンを使って、開放的な冒険を撮影することもできる。Hoco Flow(ホコ・フロー)と共同で開発されたこの自律型カメラ付きドローンは、後部座席の後方に設置されたエアフォイルから発生する負圧領域のお陰で、走行中でも離陸が可能だ。ドローンは最高時速90kmで自動的に追従し、撮影した映像は、車両を駐車した後、中央のインフォテインメントシステムから編集し、ネットに上げて共有することもできる。個人的には、自動車メーカーが二次的な輸送手段を自動車に搭載するなら、電動バギー電動スケートボードが良いと思うのだが、確かに、カメラ付きドローンは最初に何度か飛行した後も、クールで斬新で便利な存在であり続けるだろう。それは同じようにドローンを搭載したRenault KWID(ルノー・クイド)やLexus LF-30 Electric Concept(レクサスLF-30エレクトリック・コンセプト)の成功を見てもわかるというものだ。

画像クレジット:Polestar

Preceptのように、公道を走れるO2が登場することは、おそらくないだろう。代わりにPolestarは、今後3年間で3台のニューモデルの発表を計画しており「それぞれのクルマには、これらのコンセプトカーが提示したアイデアのいくつかを徐々に現実化していく可能性があります」と言っているから、ひょっとしたらいつの日にか、電気自動車の後ろで低空飛行するドローンを見かけることがあるかもしれない。

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者Andrew TarantolaはEngadgetの編集主任。

画像クレジット:Polestar

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(文:Andrew Tarantola、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

キャデラックの新たな自動運転コンセプトは「車輪のついた高級ラブシート」

2021年に6人乗りの自動運転ボックスや乗車可能なドローンのコンセプトを発表したGM(ゼネラルモーターズ)の最新の高級自動運転EVのアイデアは、より地に足の着いたものとなっている。InnerSpaceコンセプトは、外観は未来的なクルマのように見えるが、内部には、我々がこれまで見た中で最も広いスクリーンの1つに囲まれた2人がけのラブシートがある。もちろん、ハンドルやペダルはない。その代わりに、オットマンがビルトインされ、スリッパやブランケットを置くスペースがある。GMが目指すところでは、マニュアル操作の類は必要ない。

ドアが飛び出し、大きなフロントガラスとサンルーフが立ち上がる。クルマに乗り込むことさえもSFの世界のようだ。InnerSpaceのようなコンセプトは、例によってカーデザイナーが未来のクルマの姿を想像し、その力を発揮するための手段だ。確かに大半の人には手が届きそうにもないが、Cadillac(キャデラック)の裕福な顧客層なら、個人用の宇宙船を所有することに興味を持つかもしれない。少なくとも、フルサイズの高級SUVよりは環境にも優しい。

GMのグローバル・アドバンスド・デザイン担当エグゼクティブ・ディレクター、Bryan Nesbitt(ブライアン・ネスビット)氏は声明の中で「電動化と自律走行は、自動車の役割と顧客の乗車体験を根本的に変えるでしょう」と述べている。「私たちは、モビリティをウェルネスの味方として想定し、顧客に究極の贅沢を、そしてパーソナルな時間を奪うのではなく提供し、これらの革新的なコンセプトで行く末を模索しています」。

運転という行為が嫌いだが、運転が必須の場所に住んでいる者として、自動車メーカーがこれらの自動運転コンセプトカーをどのように現実のものにするのか、興味を持っている。そして、このような荒唐無稽なデザインを経て、さらに自動運転ファミリーEVのコンセプトカーが登場するかもしれない。

編集部注:本稿の初出はEngadget

画像クレジット:Cadillac

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(文:Devindra Hardawar、翻訳:Nariko Mizoguchi

ステランティスは28年までにクライスラーをオールEVブランドに変える、コンセプトカーから垣間見えるその未来

Stellantis(ステランティス)が所有する96年の歴史を持つブランドで、今日ではミニバンで有名なChrysler(クライスラー)は、2028年までにオールEVブランドとなる計画だ。

同社は、2つの電気モーターと1回の充電で350マイル(約563km)から400マイル(約643km)走行できるバッテリーを搭載した全輪駆動の電気SUVコンセプトカー「Crysler Airflow Concept」を公開した際に、この発表を行った。

Stellantisは、このコンセプトカーが生産されるかどうかについては言及しなかった。現在のところ、Airflow Conceptは、ブランドの将来のポートフォリオを特徴づけるデザインと技術を披露するためのもののようだ。

Chryslerの新しいEVの未来における最初の実製品は、わずか数年後に登場する。Fiat Chrysler (フィアット・クライスラー)とフランスのPSAグループの合併によって誕生したこのグローバルな自動車メーカーは、2025年までに最初のバッテリー電気自動車を市場に投入することを明らかにしたのだ。

現在、同ブランドの車種は、ミニバンの「Chrysler Pacifica」と「Chrysler Pacifica Hybrid」、セダンの「Chrysler 300」の3車種のみだ。ChryslerブランドCEOのChris Feuell(クリス・フォイエル)氏によると、2017年初頭に市場投入されたプラグインハイブリッドのChrysler Pacifica Hybridは、同ブランドの目指す方向への飛躍台として機能したという。

Crysler Airflow Conceptの内部

Chrysler Airflow Conceptの内装(画像クレジット:Stellantis)

Chrysler Airflow Conceptは、低い車高とツートンカラーのルーフラインにより、空力性能ひいては航続距離を向上させながら、強靭なスタンスを兼ね備えてデザインされたSUVだ。また、ロングホイールベースとワイドトレッドに22インチホイールを組み合わせることで、外観は完成させれている。

パノラマルーフや乗員の好みに応じて変化する照明、クリスタルLED照明で照らされた光刃を含むグリルに結び付けられたChryslerウィングのロゴなど、エクステリアとインテリアの一連の工夫によって、プレミアムSUVを披露することが今回の目的である。

Chrysler Airflow Conceptは、ブランドのウィングロゴをグリルに結びつけ、クリスタルLEDライトで照らされたライトブレードを搭載(画像クレジット:Stellantis)

しかし、Stellantisがブランドのために計画している本当の姿は、Airflowに搭載されているハードウェアとソフトウェアの技術だ。StellantisのチーフデザインオフィサーであるRalph Gilles(ラルフ・ジル)氏が発表の中で述べているように、Airflowは「Stellantisのコネクテッドビークル技術の集大成を、内側と外側から熟考して完成した成果物」なのだ。

それは、いったいどういう意味なのだろうか?Stellantisの考えにおいて、それはコネクティビティ、デジタルコンテンツとサービス、そして先進的なドライバーアシスタンスシステムのことを指す。

このコンセプトには、Stellantisがすでに開発を進めている3つの分野が含まれており、12月には、クルマに搭載されたソフトウェアから年間225億ドル(約2兆6000億円)を生み出し、乗客やドライバーに商品とサブスクリプションを販売する計画の一環として、その概要を発表している。

関連記事:ステランティスが車載ソフトウェアで年間約2.5兆円の収益を上げる計画を発表

まず「STLA Brain」と呼ばれる電気とソフトウェアの基本的なアーキテクチャからだ。このシステムはクラウドと統合されており、車両内の電子制御ユニットを高速データバスで車両中央の高性能コンピュータに接続する。これにより、同社は「無線」で、つまりワイヤレスで車両にソフトウェアをアップグレードすることができるようになるのだ。

この「頭脳」の上に、同社は「SmartCockpit」を追加した。これはFoxconn(フォックスコン)と共同で構築したプラットフォームで、ナビゲーション、音声アシスト、eコマースマーケットプレイス、支払いサービスなどのアプリケーションをドライバーに提供することができる。

最後に、BMWと共同開発した「AutoDrive」と呼ばれる第3の自動運転プラットフォームが、自動車メーカーのソフトウェア計画を完成させることになる。

Chrysler Airflow Conceptの各スクリーンは、デジタルコンテンツにアクセスするためのパーソナライズされた空間だ(画像クレジット:Stellantis)

「頭脳」「スマートコックピット」「自動運転」という、これら3つのプラットフォームは、2024年までにすべてのStellantis新モデルに搭載される予定だ。同社の方向性を示すコンセプトであるAirflowは、これら3つのプラットフォームも搭載している。

頭脳、スマートコックピット、自動運転の3つのプラットフォームを通して何が実現できるのかを示してくれたこのAirflowの車内には、いたるところにスクリーンがあり、ユーザーはアプリやエンターテインメントなど、パーソナライズされたデジタルコンテンツにアクセスすることができる。スクリーンに表示された情報は、スワイプすることですべての乗客と共有することができる。

Airflowの写真は以下のギャラリーで確認してみて欲しい(画像クレジット:Stellantis)。

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画像クレジット:Stellantis

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Akihito Mizukoshi)

BMW、ボタン1つで色が変わるクルマをCESで披露

数週間前に情報をリークした後、BMWはCESで米国時間1月5日、色が変わるクルマを正式に発表した。「BMW iX Flow」と名付けられたこの試作車は、基本的にはBMWがE Inkと協力して開発した電子ペーパーの一種に包まれている。

現在のところ、色の選択肢は黒と白(その間にいくつかの濃さのグレーがある)だけだが、これは時間の経過とともに変わる可能性がある。また、Kindleのスクリーンがコンテンツを変更した後はエネルギーを消費しないように、iX Flowの電子インク技術も、好みの色やデザインを設定した後はエネルギーを消費しない。

画像クレジット:BMW

これは何よりも、ドライバーがクルマの外観をカスタマイズするための選択肢を増やすことを目的としている。E Inkを搭載したBMW iX Flowのプロジェクト責任者であるStella Clarke(ステラ・クラーク)氏は、次のように述べている。「これによりドライバーは、自分の個性のさまざまな側面や変化を楽しんでいることを外に向けて表現し、クルマに乗るたびにそれを再定義する自由を得られます。ファッションやソーシャルメディアチャンネルのステータスと同様に、クルマは日常生活におけるさまざまな気分や状況を表現するものになるのです」。

現時点では、BMWは車体の表面全体が変化する様子を見せているだけだが、電子インクのバンパーステッカーに相当するものや、今のご時世を考えると、クルマの側面にフルサイズの広告が表示されることも容易に想像できる。

画像クレジット:BMW

しかしBMWは、ここには別の動機もあると主張している。例えばドライバーは、暖かい日には熱を吸収する黒い面ではなく、明るい面を選ぶことができるかもしれない(寒い日にはその逆も可能だ)。「これにより、車両の電気システムが必要とするエネルギー量が減り、それに伴って車両の燃料や電気の消費量も減ります」と同社は5日の発表で主張している。「全電気自動車の場合、天候に合わせて色を変えることで、航続距離を伸ばすことができます。インテリアでは、ダッシュボードが熱くなりすぎないようにするなどの効果があり得ます」。

それはいいボーナスではあるが、多くの人が求めているのは、単にスーパーヴィランのように色の変わるクルマではないだろうか。だが、それはすぐには実現しない。今のところ、これはあくまで実験であり、いつ、あるいは市販車に搭載されるかどうかは未定だ。

画像クレジット:BMW

画像クレジット:BMW

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Aya Nakazato)

プレイするハードも台数も問わない夢のAlienware製家庭用ゲームサーバーConcept Nyxは「あくまでも」コンセプトモデル

ここ数年、Dell(デル)および同社のゲーミングブランドであるAlienware(エイリアンウェア)は、将来登場する可能性のあるものとして、コンセプトデバイスの披露を好むようになっている。実際、これは自動車業界をお手本として家電業界全体のトレンドになりつつある。見方によっては、潜在的な未来を垣間見ることができる興味深いものであり、ちょっとした注意をそらすものでもある。

Dellにとって、これはゴールデンタイムにはまだ早い技術に対するコミュニティの関心を測る機会だ。最近のよい例が、Concept UFOだ。Alienwareが2021年の今頃に発表した携帯ゲーム機で、これは現在でもまだコンセプトの域を出ていない。

画像クレジット:Alienware

Concept Nyxは、家庭用サーバーとして動作し、家中どこにでもゲームをストリーミングすることができる。この製品の究極のコンセプトは、どのハードウェアでプレイしているかに関係なく、家庭内で複数のゲームを複数のデバイスに同時にストリーミング配信できるようにすることだ。一方、コントローラーは、スマートテレビやコンピューター、その他のデバイスと接続し、Dellのアプリを通じてゲームをプレイする主要コンタクトとなる。

価格や、複数のゲームを同時にストリーミングするために必要な計算能力など、解決しなければならない問題がいくつかありそうだ。CPUやGPUを大量に搭載すると迅速に駆動するようになるが、家庭のWi-Fiを使ったストリーミングでは現実的ではなさそうだ。

当面のもっと大きな問題は、どれだけの需要があるかということだ。潜在的なユーザーの多くは、すでにゲーミングPCやコンソールに投資しているのではないかと筆者は思う。たとえそうでなかったとしても、このような製品は競争力のある価格でなければならない。家の中で2つ(あるいは4つ)のゲームを同時にストリーミングできるという約束は、ほとんどのシナリオにおいてコンソール2台と同じ価格ではない。

画像クレジット:Alienware

Alienwareはブログ記事で次のように述べている。

私たちは、4つのゲームのストリーミングを同時に駆動する方法、デバイス間のスマート切り替え、どこで購入したかに関係なくすべてのゲームの中央ライブラリからのストリーミングを検討してきました。Concept Nyxは、ゲームをお気に入りの音楽、テレビ番組、映画にアクセスするのと同じくらい簡単にすることを目指しています。各デバイスにインストールされたシンプルなアプリからすべてのゲームに瞬時にアクセスし、家にあるあらゆるデバイスでよりシームレスなゲーム体験ができることを想像してください。ゲーム時間をめぐって家族やルームメイトとケンカすることもありません(食料品や洗濯のことでケンカすることはあります)。バリケードを取り払い、誰もが自分のペースでゲームを楽しめるようになるとしたら、すばらしいことだと思いませんか?

繰り返しになるが、これはあくまでもコンセプトの段階であり、現状ではNyxは市場に出る前に中止となる可能性が高いと思われる。

画像クレジット:Alienware

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

トヨタがスポーツカーやピックアップを含む最新EVコンセプトを公開、2030年までに30車種のEV展開を発表

Toyota(トヨタ自動車)は、2025年までに15車種のバッテリー式電気自動車を投入するという従来の計画をさらに拡大し、2030年までに30車種のバッテリーEVを展開すると発表した。日本時間12月14日に行われた同社の「バッテリーEV戦略に関する説明会」では、将来を予感させるさまざまな種類のEVコンセプトカーが紹介された。

その中には、Ford(フォード)の「F-150 Lightning(F-150ライトニング)」やRivian(リビアン)の「R1T」などと競合する可能性のある電動ピックアップも含まれている。Autoblogでは、トヨタのピックアップEVが、同社の「Tacoma(タコマ)」に非常によく似ていることを指摘している。そこから推測すると、タコマの次期型モデルにはEVバージョンが用意されるのかもしれない。

画像クレジット:Toyota

他にも「SPORTS EV(スポーツEV)」と呼ばれる電動スポーツカーや「FJ Cruiser(FJクルーザー)」を思い出させる「Compact Cruiser EV(コンパクトクルーザーEV)」などのコンセプトカーが披露された。さらに「Micro Box(マイクロボックス)」や「Mid Box(ミッドボックス)」という商用車も用意されるようだ。そしてトヨタは、2021年の夏季オリンピック / パラリンピックで選手の移動に使われた自動運転バス「e-Palette(イーパレット)」を改めて公開した。パラリンピックでは、このEVが視覚障害者の選手と接触する事故が発生したため、同社はその使用を中止している。

さらにハイエンドなモデルとして、トヨタはLexus(レクサス)ブランドのEVコンセプトもいくつか披露した。「Lexus Electrified Sport(レクサス・エレクトリファイド・スポーツ)」は、0-100km/hまで2秒台で加速し、一度の充電で走行可能な航続距離は700kmになるという。その他、クーペ風4ドアセダンの「Lexus Electrified Sedan(レクサス・エレクトリファイド・セダン)」や、高級大型SUVの「Electrified SUV(レクサス・エレクトリファイドSUV)」も公開された。

画像クレジット:Toyota

トヨタは現在、車両の電動化に8兆円を投じることを表明しているものの、EVに関する中期的な予測は比較的保守的だ。同社では2030年までに世界で年間350万台のEV販売を目指すとしているが、これは現在の自動車販売台数の約3分の1に相当する。

これに対しVolkswagen(フォルクスワーゲン)は、2030年までに新車販売台数の半分がEVになり、2040年には主要市場における販売台数のほとんどがEVになると予測している。早くからハイブリッド車の技術を牽引してきたトヨタが、現在はEV市場で他の自動車メーカーに追いつこうとしていると考えれば、EVに関しては比較的控えめな予想を立ててもそれほど驚くことではない。

トヨタは最近、12億9000万ドル(約1467億円)を投じて2025年までにノースカロライナ州にEV用バッテリー工場を建設する計画を発表した。その一方で同社は先月、GMやフォードなど他の自動車メーカーが賛同する、化石燃料を使用する自動車を2040年までに段階的に廃止するという案に合意することを拒否している。しかし、レクサスでは、2035年までに世界で販売する車両のすべてをEVのみにすることを目指している。

編集部注:本記事の初出Engadget

画像クレジット:BEHROUZ MEHRI / Getty Images

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(文:Kris Holt、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

現代自動車が「衛生的なインテリア」を備えた電気自動車SUVのコンセプトカー「SEVEN」を公開

Hyundai(ヒョンデ、現代自動車)は、ロサンゼルスオートショー2021で、新しいSUV型電気自動車のコンセプトカーを発表した。「SEVEN(セブン)」と名づけられたコンセプトカーは、回転式のラウンジシートから、同社が「衛生的」と呼ぶインテリアまで備えている。新型コロナウイルス感染流行が始まってから3年目を迎えた今の時代に、それは相応しい機能といえそうだ。

コンセプトカーというものは、その名のとおり、未来のクルマの可能性を示す創造性と技術の習作だ。だから、モーターショーでコンセプトカーとして発表されたクルマが、将来必ずしも販売店に並ぶとは限らない。しかし、ヒョンデは今回、フルサイズSUVのコンセプトを、実際にディーラーで購入できるプラットフォーム上で実現して見せた。

コンセプト:衛生的なインテリア

完全な自動運転車が、実際に大衆のものとして実現する日に備えて、ラウンジのようなインテリアや360度回転するシートを備えたコンセプトカーを、ヒョンデのみならず多くの自動車メーカーが披露している。だが、SEVENコンセプトのユニークな特徴は、衛生的なインテリア機能にある。

まず「Hygiene Airflow(ハイジーン・エアフロー)」システムが、前席と後席の乗員間の空気の流れを分離する。ルーフレールに設けられたインテークから取り入れた空気が、車内で上から下へ流れ、リアホイール後方のベントから排出されるという仕組みで、ヒョンデでは「バーティカル(垂直)モード」と呼んでいる。これを「ホリゾンタル(水平)モード」、つまり我々が一般的な自動車の換気と考えているモードに切り替えると、空気は前方から後方へと移動する。ヒョンデによると、このシステムは航空機に採用されている先進的なシステムからヒントを得たもので、走行中でも停車中でも作動するという。

画像クレジット:Abigail Bassett

将来的に自動運転車は複数の人々で共有することになるため、ヒョンデは空気の流れを調整するだけでなく、乗客が入れ替わる間に車内を清潔にするコンセプトも披露した。新型コロナウイルスは、呼吸器系の飛沫やエアロゾルを介して感染し、布地を含むあらゆる表面で何時間も生存できるため、ウイルス感染流行時代においては、非常に現実的な懸念といえるだろう。

SEVENには、乗客がクルマから降りた後に実行されるUV-C除菌サイクルが備わっている。UV-C(紫外線C波線)は、空気、水、非多孔質表面を殺菌できる効果があり、新型コロナウイルス感染症の原因ウイルスであるSARS-CoV-2ウイルスを死滅させると、FDA(アメリカ食品医薬品)から報告されている。ただし、UV-C光は目や皮膚を焼く可能性があるため、プログラムを実行する前にすべての乗員を車外に出す必要がある。

垂直エアフローとUV-C殺菌に加えて、ヒョンデは将来のウイルスの拡散をさらに防ぐために、内装に抗菌機能を持つ銅や、衛生加工された生地を使用するなどの興味深い工夫も施している。

さらにSEVENには、乗客の靴の洗浄と消臭を行う「シューケアコンパートメント」も装備されている。

実際の充電と航続距離

 

このSEVENコンセプトは、ヒョンデの電気自動車用プラットフォーム「Electric Global Modular Platform(E-GMP、エレクトリック・グローバル・モジュラー・プラットフォーム)」をベースに作られている。このプラットフォームは、ヒョンデのクロスオーバー電気自動車「Ioniq 5(アイオニック・ファイブ)」をはじめ、KIA(起亜、キア)の新型電気自動車「EV6」など、Hyundai Motor Group(現代自動車グループ)の他の車両にも採用されているものだ。同グループの高級車ブランドであるGenesis(ジェネシス)から将来登場する電気自動車の基盤にもなる。

このプラットフォームでは、400Vと800Vの両方の急速充電に対応できるようになっており、実際に市販されているIoniq 5の場合、350kWのDC急速充電器を使えば20分以内にバッテリーを10%から80%まで充電することができる。ヒョンデによれば、同社が提供する77.4kWhの大型バッテリーパックによって、一度の充電で300マイル(約483km)以上の航続距離を得ることが可能だという。

コンセプトカーはそのほとんどがベーパーウェアではあるものの、ヒョンデのSEVENコンセプトは、想像と現実が融合した興味深いデザインで、同社が考える未来の交通手段を示唆するものになっている。

画像クレジット:Abigail Bassett

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(文:Abigail Bassett、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ボルボが次世代自動車の方向性を示すEVコンセプトカー「Concept Recharge」を発表

Volvo Cars(ボルボ・カーズ)は、2030年までにラインナップを完全に電動化したいと考えている。それを実現するための計画と、次世代の自動車がどのようなものになるのかを、同社は中央欧州時間6月30日に明らかにした。

しかし、ボルボは単独でそれを開発するつもりはない。同社は将来のモデルラインナップを、Northvolt(ノースボルト)やGoogle(グーグル)、Luminar(ルミナー)などのパートナー企業と協力して構築する計画について詳しく説明した。そして同社の次世代電気自動車の「マニュフェスト」として、フラットなフロア、車内に備わる2つのスクリーン、観音開き式のドアを特徴とするコンセプトカー「Concept Recharge(コンセプト・リチャージ)」の画像を初公開した。

Volvo Concept Recharge(画像クレジット:Volvo Cars)

Concept Rechargeのルーフには、Luminar製のLiDARセンサーが搭載されている。これは、2021年6月初めに発表された、ボルボの次期フラッグシップ電動SUVにLuminarのテクノロジースタックが標準装備されるという発表に沿ったものだ。

バッテリーに関しては、ボルボはスウェーデンのバッテリー開発企業であるNorthvoltと共同で、航続距離1000キロメートルを可能にするパックを開発しており、Northvoltがそれを実現すれば、エネルギー密度の面で大きな功績となるだろう。両社は、2026年までに巨大バッテリー工場を欧州に建設することを目指し、新たに50%ずつの出資で合弁会社を設立する。この工場では最大で年間50ギガワット時のバッテリーパックを製造する能力を有するという。また、ボルボは2024年より、スウェーデンのスケレフトーにあるNorthvoltのバッテリー工場から、年間15ギガワット時のバッテリーを調達する予定だ。

将来のボルボの車両は双方向充電が可能になる。これは、EVを移動可能な発電機として使用したり、あるいは車載バッテリーパックに蓄えておいたエネルギーを電力網に放出し、ミニ発電所としての役割を果たせる機能だ。

ボルボは同社独自のOSである「VolvoCars.OS」が、Googleが主導するインフォテインメントシステムや、Linux(リナックス)、QNX、そして車載電子制御ユニット用のAUTOSAR(オートザー)などを含む、基礎的なオペレーティングシステムの「アンブレラシステム」として機能すると述べている。車両には最大100個の電気制御ユニットが搭載されるが、これらはNVIDIA(エヌビディア)と共同で開発した3基のメインコンピューターで構成されるコアコンピューティングシステム上で動作する。

また、ボルボは主力の電気自動車SUVに、Luminarのセンサー群と、ボルボのソフトウェア部門であるZenseact(ゼンセクト)の技術を搭載する計画についても、より詳細に説明した。ボルボの経営陣は、自動運転システムのレベル(米国自動車技術者協会が区分けした自動運転化のレベルを測る尺度)を尋ねる質問には答えず、今後導入する自動運転走行システムについては「要監視」または「監視不要」という言葉で説明したいと述べた。ボルボのシステムでは、ドライバーの監視が必要な「クルーズ」と、監視を必要としない「ライド」という2つのモードに分けられ、将来は監視不要な機能を徐々に導入していくとしている。

将来的にこのシステムは、顧客から大量の運転データを収集することになるが、ボルボはそれを無駄にするつもりはない。同社は、運転自動化機能を利用した顧客から(顧客の同意を得て)収集した情報を処理するデータファクトリーの構築を目指しているという。これらのデータを活用してシステムを改善していき、それを無線アップデートを介して顧客の車両に反映させる予定だ。

「私たちは、この会社を単なる従来型のプレミアムな会社から、急速に成長している新しいプレミアムな電気自動車セグメントのリーダー的な会社へと変えていく必要があります」と、ボルボ・カーズのHåkan Samuelsson(ホーカン・サムエルソン)CEOは語っている。「私たちは内燃機関を理解したように、電池を理解する必要があります」。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:Volvo CarsEVコンセプトモデルLiDAR

画像クレジット:Volvo Cars

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

キャデラックが贅沢な空の旅を提供する1人乗り電動垂直離着陸ドローンのコンセプト公開

GMは米国時間1月12日、Cadillac(キャデラック)ブランドの電動垂直離着陸ドローンのコンセプトを公開した。これは(もし市販化が実現すればの話だが)オーナーが1人だけ贅沢な気分で空中をクルージングするために設計されたものだ。

バーチャルで開催されたCES 2021年で、GMが基調講演を行った際に、自律走行車と一緒に公開されたこの1人乗りのeVTOLは、同社初の空中モビリティに向けた試みだ。これは単なるコンセプトであり、実際の製品になる可能性は低い。しかしこれらのコンセプトは、企業がデザインや製品の方向性を示すものであり、電気自動車や自律走行車に関しては、GMがその技術に投資する意思があることを証明している。

「我々は電気駆動技術と自動運転技術の進歩によって、個人の空の旅が可能になる世界に備えています」と、GMのグローバルデザインを統括するMichael Simcoe(マイケル・シムコー)氏は、そのプレゼンテーションの中で語った。「これは、時間が最も重要であり、利便性が何より優先される瞬間のためにデザインされたコンセプトです」。

画像クレジット:Cadillac

キャデラックのeVTOLコンセプトは、搭載する電気モーターが90kWhの出力を発生し、4つのローターを駆動させ、乗員を屋上から目的地へと運ぶことができる。また、空と空および空と地上間の通信機能も装備している。

シムコー氏によれば、同社はさらに多くのコンセプトを計画しており、その中には「オーナーと特別な人のために設計された豪華な2人乗りの機体で、落ち着いてリラックスしながら、より親密な旅のために演出された多感覚に訴える体験を楽しめる」ものも含まれるという。

このコンセプトは、シムコー氏が説明するように自動運転とキャデラックのラグジュアリー性が「そう遠くない将来に」どのようなものになるのかを世界に示すものだ。

もちろん、これらのコンセプトは、GMがいかに交通機関の未来に本気で取り組んでいるかを伝えるためのものでもあり、その中心は電動化、自動運転技術、コネクテッドカーサービスだと考えられている。

カテゴリー:モビリティ
タグ:GMCadillaceVTOLコンセプトモデルCES 2021自動運転

画像クレジット:Cadillac

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(翻訳:TechCrunch Japan)

呼吸をしているかのように背面カラーが変わるOnePlusの新コンセプトスマホ

2020年1月にOnePlusは、最初のコンセプトスマートフォンを披露した。Concept Oneと名づけられたこの端末は色が変わるガラスを採用し、デバイス背面の「見えないカメラ」を実現した。このコンセプトは実用的というわけではないが、退屈な古いスマートフォンのアップデートという意味では楽しい気分転換だった。

この観点から見ると、今回のOnePlus 8 Tのコンセプトは大差なく、スマートフォンのアップデートという意味では特に便利というわけではない。もちろん、この技術が実際の端末に搭載される保証もない。このコンセプトの技術は実際の機能というよりも、その外観に関わる。

重要なのはECMF(Electronic Color, Material and Finish)と呼ばれる技術だ。これは基本的には、色が変わるスマートフォンを覆うフィルムだ。素材として金属酸化物を含み、電圧をかけると活性化することでガラスを濃い青から薄い銀に変える。

画像クレジット:OnePlus

OnePlusは「デザイナーたちは、トルコのパムッカレ温泉にある多色の流れ出るお湯から発想しました。自然から多くのデザインが完成し、パムッカレや他の自然の要素からインスピレーションを得ることで、より自然かつ直感的で簡単な新しいインタラクション体験を作り出すことができます」と述べている。

コンセプトモデルの技術的な実用性について、OnePlusは着信を知らせるために色を変える機能を提案している。また奇妙なことに、5Gのミリ波技術によりユーザーの呼吸パターンをキャプチャし、「色を同期して変更することで、スマートフォンを効果的なバイオフィードバックデバイスにする」アイディアも登場している。

この技術が実用化するかどうか、注視しておこう。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:OnePlusスマートフォンコンセプトモデル

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter