Facebook Messengerが一部の国のMac App Storeに登場

1年前、Facebookは2019 F8デベロッパーカンファレンスで、同社の人気コミュニケーションアプリであるMessengerのデスクトップアプリを提供する計画を発表した。あれから1年たらずたった今、MessengerのmacOS用アプリが公開されはじめた。米国ではまだだが、Messenger for Macはすでに米国以外の一部のMac App Storeに登場している。

TechCrunchはFacebookに、これが米国を含む全世界展開の前兆であるかを尋ねた。同社の広報担当者は、これはまだ完成版ではないと回答した。

「当社はmacOS用Messengeアプリの小規模なテストを一部の市場で実施している」と担当者は答えた。「今はまだユーザーのフィードバックを集めている段階であり、公開時期は決まっていない」。

9to5MaciPhone Hacksがアプリの公開をいち早く報じ、フランスのテック系ニュースサイトであるMacGenerationの記事を参照した。興味のある人は直接フランスのMac App Storeに行けば自分で確認することもできる。

TechCrunchはMessengerがほかのいくつかの市場にも届いていることを確認した。メキシコポーランドオーストラリアなどだ(ほかにもあるかもしれない。本誌はまだ世界中のMac App Storeのリンクをクリックして一つひとつ確認したわけではない)。

デスクトップ版のMessengerアプリは、モバイルアプリとほぼ同じ機能をもち、テキスト以外に音声あるいはビデオのチャットもある。グループのチャット、通話、ビデオチャットも可能だ。ファイルの共有やエモジによるリアクション、反射を避けるためのダークテーマなども、モバイルアプリと同様に利用できる。

アプリの開発に使用されているのはElectronで、Catalystではない。Electronはウェブアプリからデスクトップアプリを作る方法としてよく使われているが、セキュリティー面ではさまざまな意味で堅牢とはいえない。

Mac版アプリの発表は、FacebookがiOS向けにスリム化されて高速になったMessengerアプリを公開した直後のことだった。新しいモバイルアプリは「発見」(Discover)セクションを廃止してインターフェースを簡素化し、Messenger体験をビジネスやアプリではなく、人々やストーリーに改めて方向づけした。

最近Facebookは、コロナウィルス流行を考慮して今年のF8カンファレンスの中止を発表した。これは、もっと待たなければ見ることのなかったニュースや新発表をFacebookから聞けるという意味かもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

米国星占いアプリトップ10の2019年売上は約43.2億円で前年比65%増

不確実な時代になると、人はいつもと違う場所に答えを探しにいく。2019年、多くの米国消費者は答えを星に求めた。正確には占星術、運勢、手相やオンライン占いなどを提供する星占いアプリを利用した。Sensor Tower(センサー・タワー)の最新データによると、米国の2019年星占いアプリトップ10の売上は、前年比64.7%増の4000万ドル(約43億2000万円)だった。2018年には2410万ドル(約26億円)、2016年にはわずか770万ドル(約8億3000万円)だった。

この分野で最大のアプリはAstrology & Palmistry Coachで、年間トップ10売上の35.3%に当たる約1400万ドル(約15億2000万円)を生み出した。

ちなみに2016年以来毎年トップ10入りしているアプリが3つある。2016~2019年に売上を75%伸ばしたZodiac Touch、Psychic Text、およびPurple Oceanだ。

2019年トップ10の新顔はFortuneScope、Horoscope & Palm Master、Astrolineの3つ。うち2つは携帯カメラを使って手相占いを自動化している。2016年にはどのトップアプリにもなかった機能であり、技術に強い若者を引きつけるべくアプリが近代化していることを表している。

投資家もこの市場の可能性に目をつけていた。2019年、トップ10星占いアプリで2番目にダウンロードの多かったCo-Starは、シードラウンドで500万ドル(約5億4000万円)を調達した。ニューヨーク・タイムズで星占いアプリの人気について書かれた記事に登場したSanctuaryPatternはトップ10入りしていない(Patternは明確に星占いアプリとはいえないため今回の対象に入っていない、とSensor Towerは説明している。Sanctuaryは売上で28位、ダウンロード数で21位だった)。

星占い市場の問題は、利用者が限られていることだ。トップアプリの売上は順調に伸びてはいるものの、成長はさほど速くない。2019年に最も多くダウンロードされた星占いアプリトップ10のうち、初めてインストールされたのは1900万回で、2018年からわずか3%しか増えていない。これは2017年から2018年にかけて70.6%成長したのと比べて大きく減速したことも示している。

ダウンロード数で2016年以来連続してトップ10入りしたのはDaily Horoscopeだけだった。2019年に最もダウンロードが多かったアプリはAstrology & Palmistry Coachで33万回だった。

星占いは科学ではないが、この種のアプリを気軽に使う人には比較的無害だ。今日の混沌とした世の中で人々にコントロール感を与え、個人の性格や人生の不確かさと思われるものを星座や惑星の動きと関連付けることによって、人との関わり方に役立てる程度ものだ。ユーザーはアプリを使う中で、立ち止まって自分自身の行動や感情を見つめさせられることで、自分について学ぶこともできるかもしれない。

しかし批評家たちは、星占いアプリを信じることは人々が科学やデータや研究から目をそむけ、ナンセンスなことやときに有害なニセ科学に向かわせる一例に過ぎず、Gwyneth Paltrow(グウィネス・バルトロウ)のブランドGoopが提供する代替医療情報を求める人々と同じだ、と指摘する。

ちなみに星占いは、アプリの分類で「ライフスタイル」というカテゴリーの下にあるサブカテゴリーの1つにすぎない。Sensor Towerは以前、瞑想アプリトップ10は2019年に約213億円の売上達成、前年比52%増というレポートも出している。

画像クレジット:Sensor Tower

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

音声アシスタントの聞き取り精度を大幅に向上させるAudioTelligenceの「音の自動焦点」機能

ケンブリッジ大学の資金援助で設立されたスタートアップAudioTelligence(オーディオテリジェンス)は、「音の自動焦点」機能でシリーズA投資850万ドル(約9億2000万円)を獲得した。

このラウンドはOctopus Ventures(オクトパス・ベンチャーズ)が主導し、以前の投資者であるCambridge Innovation Capital(ケンブリッジ・イノベーション・キャピタル)、Cambridge Enterprise(ケンブリッジ・エンターブライズ)、CEDAR Audio(シーダー・オーディオ)が参加している。

2017年、イギリスのケンブリッジに創設されたこの会社は、周囲の雑音を排除して、人や機械が言葉を正確に聞き取れるようにする「ブラインド信号源」のデータに基づく分離技術を開発した。

雑音の多い場所で音声アシスタントを使うときや、スマートスピーカー、スマートテレビ、セットトップボックスなどの音声認識の精度が、放送の音声と周囲の雑音とで低下してしまう場合など、この技術の商業的な応用範囲は非常に広い。

別の使用事例には、騒がしい場所で音が聞き分けにくくなる補聴器がある。同社はこの問題にも取り組んでいる。事実、この技術の開発を促したそもそもの動機は、いわゆる「カクテルパーティー効果」だ。創設者でCEOのKen Roberts(ケン・ロバーツ)氏は、先週、ビデオ通話で非常に騒がしいカフェでAudioTelligenceの技術をライブでデモンストレーションしてくれた際に、そう話していた。管理された状況でのデモだったからかもしれないが、効果は驚くほど大きかった。

またロバーツ氏は、AudioTelligenceは消費者向けハードウェアを独自に作ることはせず、ライセンス戦略を採用するとも話していた。先日、この技術の能力をCESでデモンストレーションしたところ、OEMやその他のメーカーが大きな興味を示していた(4日間で90社ほどのリードを獲得したようだ)。さらに名前は公表されていないが、あるホームアシスタント・プラットフォームでは、雑音の多い場所での文章の聞き取り能力が22パーセントから94パーセントに跳ね上がったという。

AudioTelligenceの雑音分離技術と既存のソリューションとの違いついて、ロバーツ氏は「適合する」マイクを必要としないため安く簡単に実装できること、そして使用前にユーザーがアルゴリズムを訓練しなくてよいことを挙げている。つまり同社によると、AudioTelligenceなら新しい環境の雑音と新しいユーザーの声をリアルタイムで認識し、同時にその「焦点」を調整するということだ。

おまけにこの技術は、ほぼ遅延なく高性能を発揮してくれる。補聴器を使う際に致命的な問題となる、話し手の口の動きと音声とのズレがほとんどない。

「私たちのソリューションには、補正や訓練の必要がありません」とロバーツ氏。「そのため、既存のデバイスでもソフトウェアを更新するだけで、AudioTelligenceにアップグレードできるのです」

AudioTelligenceでは、今回調達した資金を使って、さらなる「画期的」な製品の開発を行い、技術系企業との新たな提携関係を推進する予定だ。それに伴い、今後3年間で従業員数を3倍に増やすという。

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(翻訳:金井哲夫)

Appleが旧機種の性能抑制をめぐる集団訴訟で和解し約540億円の支払いに合意

米国時間3月2日、Appleは同社が旧機種の性能を意図的に低下させ、顧客が新機種を買ったり新しいバッテリーに交換したりするよう誘導したと主張する裁判の結果、和解金5億ドル(約540億円)を支払うことに合意した。

集団訴訟の内容は米国時間2月28日に開示され、Appleが端末1台あたり25ドル(約2700円)を消費者に支払うよう要求していた。Reuters(ロイター通信)が伝えた

和解には判事の承認が必要であり、カリフォルニア州サンノゼで起こされた本訴訟を裁いたEdward Davila(エドワード・ダビラ)連邦地方判事が担当する。

消費者にとって、25ドル(約2700円)の支払いは少々安く感じるかもしれない。新しいiPhoneは(低価格機で)649~849ドル(約7万〜9万2000円)程度するからだ。総支払額は訴訟の参加人数によって変わるが、和解の条件によるとAppleは少なくとも3億1000万ドル(約335億1000万円)以上支払うことになっている。

Appleは本件について不正行為を認めておらず、裁判に関わる費用と手間を避けるために合意しただけだと語っている。

米国でiOS 10.2.1 以降を搭載したiPhone 6、6 Plus、6s、6s Plus、あるいはSEを所有する人は、誰でも和解の対象になる。2017年12月21日以前にiOS 11.2以降を搭載したiPhone 7および7 Plusを持っていたユーザーも対象になる。

当時一部のApple利用者が、Appleのソフトウェアアップデートをインストールしてから性能が低下したと言い、彼らはAppleのソフトウェアアップデートが意図的に旧機種の性能を低下させ、不必要な新機種へのアップグレードやバッテリーの交換を消費者に促したと主張していた。

Appleの弁護団は、問題の原因は主に利用頻度の高さ、温度変化などによるものであり、同社の技術者はできる限り早く問題に対処しようと努力したと語った。

2020年2月、Appleは同じ問題でフランス政府から罰金2740万ドル(約30億円)を課せられた

当時、TechCrunchは次のように伝えた。

数年前、AppleはiOSのアップデート(10.2.1と11.2)をリリースし、その際、古い機種向けにある新機能を導入した。バッテリーが古い場合に、ピーク時の電力消費に対応できなくなることを恐れて、iOSがピーク時の性能を抑えるというものだ。その結果、iPhoneがピーク時に突然シャットダウンすることがあった。

この機能は技術的には妥当だったが、Appleは一部のデバイスで性能を抑えることをユーザーに知らせなかった。その後、Appleは謝罪して「Battery Health」と呼ばれる新しいソフトウェア機能を導入した。iPhoneのバッテリー最大容量を調べ、そのiPhoneがピーク時の性能を発揮できるかどうかを教えてくれるものだった。

そして、古い機種の性能を抑える機能は問題になった。たとえば、ゲームをしているとiPhoneが遅くなることに気づいたユーザーがたくさん現れた。しかし彼らは、バッテリーを交換すればそれが直ることを知らなかった。所有しているiPhoneが十分使えるのに、新しい機種を買ったユーザーもいた。

3月2日、Appleの株価は復調する市場の中で9%以上上昇した。

画像クレジット:Anthony Kwan/Bloomberg / Getty Images(画像は加工済み)

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

非技術系チームでもアプリの通知を最適化して送れるようにするNotivize

Notivize(ノーティバイズ)という新しいスタートアップは、製品チームにとって、ユーザーのエンゲージメントを高める上で最も重要なツールを直接操作できる方法を提供している。そのツールとは「通知」だ。

同社は、2019年からその製品を一部の顧客に試してもらい、すでに数十万件の通知を送っているという。そして今週、Heroic Ventures(ヒロイック・ベンチャーズ)主導のシード投資50万ドル(約5400万円)を調達したと発表した。

Notivizeの共同創設者Matt Bornski(マット・ボーンスキー)氏は、Applovin(アプラビン)、Wink(ウィンク)などの数々のスタートアップで働いてきた。彼は「スタックの奥底に埋もれた通知の変更にどれだけ時間がかるか、いくらでも語れる」と話している。

ひとつはっきりさせておくが、ボーンスキー氏が言っているのは、予定されたキャンペーンの一環として送られる簡単なマーケティング用メッセージのことではない。ユーザーが実際に応答するような「最も価値のある」通知は、アプリの使用中に発生すると彼は言う。

たとえば、製品を買ってくれた人にSMSメッセージを送るのは、ごく当たり前のことのように思えるが、ボーンスキー氏によれば、そうした通知を実際に作成しようとすれば、通常はエンジニアに新しいコードを書いてもらわなければならないという。

「その昔ながらやり方は、こうです。製品チームは、製品が売れたときに電子メールを送信する、または売れたときにSMSや通知を送る必要があることを仕様書にまとめます。そこへエンジニアチームが加わり、コードを解析して、製品が売れたことを認識する箇所を見極めます」と彼は言う。「私たちが本当にやりたかったのは、そのためのツールキットを『製品チーム』に提供することであり、実現できたと思っています」

そのためNotivizeを利用すれば、製品チームやマーケティングチームのコーディング技術を持たない人でも、「if-then」の条件文を書くことで通知を送信できるようになる。そしてこれは、通知の効果がが最大限になるよう「A/Bテストと、文章、送信のタイミング、チャンネルの最適化も簡便化します」とボーンスキー氏は言う。

彼は、企業がこうしたツールを自社開発することは滅多にないと言う。なぜなら、同社がこのアプリの開発を始めた当時は「市場を試したり、プロダクトマーケットフィットに取り組むためだけに時間と労力を費やすのは合理的ではない」とされていたからだ。しかし後に「深いところから古い物を破り取る」ことの難しさが知られるようになり、企業は、それならNotivizeがすでに作っているものを利用したほうが早いと思うようなった。

またボーンスキー氏は、これは通知のための「配管」を提供するサービスに置き換わろうとはしてないと強調している。事実、NotivizeはSendGrid(センドグリッド)やTwilio(トゥイリオ)と統合して通知を送ることができる。

「通知を送ること自体は『私たちの事業の』コアバリューではありません」と彼は言う。「私たちは、みなさんがお金を払っているもの、送信するものの質を高めているのです」

Notivaizeでは、利用者は月に100件までのメッセージを無料で送信できる。それ以上は、月額14.99ドル(約1620円)からの料金がかかる。

「製品管理とマケティングスタックにおけるローコードとノーコードの確かな潮流は、これからも市場の速度と製品のイノベーションの解放を推し進めます」と、Heroic Venturesの創設者Michael Fertik(マイケル・ファーティック)氏は声明の中で述べている。「いくつかの開発者用プラットフォームに早期の投資をしてきた経験上、Notivizeは、非常に重要ながら複雑な製品ワークフローの管理能力を非技術系チームから引き出す秘策を解明したと明言できます」

OneSignalは無料の通知ツールで7億5000万円を調達(未訳)

画像クレジット:rambo182 / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

Facebookの3Dフォト機能がシングルカメラスマホユーザーでも利用可能に

Facebook(フェイスブック)は2018年に初めて3Dフォトを公開し、その技術的詳細を共有したが、当時はデュアルカメラを搭載した数少ないスマートフォンがなければ、3Dフォトを自分で作ることはできなかった。しかし、米国時間2月28日のアップデートで、1台のカメラしか搭載していないスマートフォンユーザーでも、3Dフォトが利用できるようになった。

覚えていない人や知らない人のために説明すると、3Dフォトは2D画像を分析し、それをたくさんのレイヤーに分割して、iPhoneを傾けたりスクロールしたりすると個別に動くというものだ。私は3Dの大ファンではないし、Facebookも使っていないが、この機能はとてもクールだ。

 

 

問題は、これがデュアルカメラを使用してシステムが距離を判断し、画像を切り分けていることだ。つまり、iPhone SEを含むデュアルカメラでない数多くのスマートフォンでは、この機能は利用できない。

しかしここ数年、フェイスブックのコンピュータービジョンチームは、デュアルカメラを使わずにこれを可能にする手法に取り組んできた。そしてついに彼らは成功。技術的な詳細は、このブログ記事で解説されている。

この進歩により、シングルカメラを搭載した比較的新しいスマートフォンの多くが、この機能を利用できることになる。具体的には、Google(グーグル)のPixelシリーズとiPhone 7以降のシングルカメラ搭載機種がサポートされる。Androidスマートフォンは非常に他機種であるため、どのデバイスがサポートされ、どのデバイスがサポートされないのかを判断するのは難しい。これはスペックシートに記載されていないいくつかの要素によるが、Facebookアプリをアップデートして写真を撮れば、それはわかるだろう。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

MicrosoftのCortanaが多くの一般向けスキルを廃止しビジネスユースに注力

2020年春リリースされるWindows 10の次期バージョンでは、Microsoft(マイクロソフト)のデジタルアシスタントCortanaで、音楽やコネクテッドホームに関する多くの一般向けスキルと、サードパーティーのスキルが失われることになる。これはマイクロソフトがCortanaに力を入れ始めたことと一致しているが、多くのCortanaファンにとっては驚きかもしれない。

マイクロソフトはまた、Android向けのMicrosoft LauncherにおけるCortanaのサポートを4月末までに終了し、通常はリリースから約36カ月後となるサービス終了時期に達した、旧バージョンのWindowsでのサポートも停止する。

2019年にマイクロソフトが説明したように、Cortanaは今やビジネスユーザー向けのサービスだと考えられている。そして新しいCortanaは、同社のOfficeツール群との深い統合など、生産性を重視している。この文脈においては消費者向けサービスでることは重要ではなく、マイクロソフトはその市場をAmazon(アマゾン)やGoogle(グーグル)などに任せている。

新しいCortanaでの体験はすべてMicrosoft 365、つまりOfficeツール、メール、オンラインストレージなどへのアクセスを含むサブスクリプションサービスに向けたものだ。このアシスタントの新機能でカレンダーやMicrosoft To Doのノートといったツールから、データへのアクセスが可能になることは驚くべきものではない。

その一方で、一般向け機能の一部は廃止されるものの、Cortanaはジョークを教えたり、アラームやタイマーを設定したり、Bingから答えを教えたりできるようになると、マイクロソフトは強調している。

現時点では、これらの機能はすべて米国の英語版にのみ適用される。米国外では、プロダクティビティ機能の大部分が将来リリースされる予定だ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

WordPress用ブサイト構築プラットホーム開発のElementorが約15億円調達

WordPressは今やあまりにもありふれているから、このプラットホームを使ってツールやサービスを構築しているスタートアップの大きなエコシステムがあることをつい忘れがちだ。そんなサービスのひとつがElementorで、ここはWordPress上に自分のウェブサイトを作りコンテンツを公開したいと思ってる人たちを助けるグラフィカルなウェブサイト構築プラットホームだ。このツールを使って作られたサイトはすでに400万を超えている。そして今でも半年に100万の新しいサイトが作られている。

同社はイスラエルのテルアビブで2016年に創業した企業で、Lightspeed Venture Partnersが仕切るラウンドで初めての本格的な資金調達を行い、1500万ドル(約16億3400万円)を獲得した 。

LightspeedのパートナーであるTal Morgenstern(タル・モルゲンシュテルン)氏は「Elementorの成長は、コミュニティとオープンソースソフトウェアの力を示す好例だ。創業者はウェブのプロとしての自分たちの問題解決からスタートし、その結果として全世界的でとても複雑なファンベースができてしまった。彼らはElementorを使って、ゼロから自分の本格的なプロダクトを作り上げている。どの数字を見ても、例外的に強力な市場適性を示しており、Elementorの旅の次の章でチームとパートナーできることは最高にハッピーだ」とコメントしている。

Elementorは、デザイナー向けにビジュアルエディターから出来合いのテンプレート集、そして決済やポップアップ、テーマ、WooCommerceによるeコマースサイト作りなどなど、標準的なユースケースのためのウィジェット集まですべてを用意する。多くは無料だが有料ツールもある。それらは1つのサイトなら年間49ドルから、1000サイトまでが年間199ドルだ。

ElementorのCEOであるYoni Luksenberg(ヨニ・ルクセンベルグ)氏は「Elementorの献身的なチームと素晴らしいコミュニティのおかげで、偉大な目標を達成できた。とてもリアルなニーズに応えてきたので3000億ドル市場で大きなシェアを獲得でき、しかも成長が今も続いている。今回の資金調達で、すべてのウェブクリエイターがプロフェッショナルなウェブサイトを容易に作れるという目標に向かう歩みを加速したい」。

同社によると、新たな資金はオペレーションとグローバルなコミュニティの加速に用いたい。2020年には、500回のミートアップを計画している。そしてチームの人数を今の1.5倍する計画を立てている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

「デスクを持たない」製造現場の人員のためのSaaSを提供するCioplenu

ドイツのアウグスブルクを拠点とし、製造現場の「オペレーティングシステム」と彼らが呼ぶソフトウェアを開発するスタートアップであるCioplenu(シオプレヌー)は、このほど420万ユーロ(約5億円)のシード投資を獲得した。このラウンドを主導したのはベルリンに本社を置くCherry Venturesだ。そのほか、2018年にCioplenuのプレシードを主導したミュンヘンの42Capと、3つの非常に著名なエンジェルが参加している。

そのエンジェルとは、先日シリーズB投資で6000万ドル(約65億3600万円)の獲得を発表したScoutbeeの共同創設者Fabian Heinrich(ファビアン・ハインリッシュ)氏、クアドリガ大学デジタルトランスフォーメーション学部の創立者であり教授のChristian Heinrich(クリスティアン・ハインリッシュ)氏、2013年にSAPに15億ドル(約1634億円)でイグジットを果たしたHybrisの共同創設者Moritz Zimmermann(モーリッツ・ジマーマン)氏の3名。

「デスクを持たない」作業員のためのSaaSとも呼ばれるCioplenuは、メンテナンス、新人研修、組み立て、検査など、製造現場の一連の作業をデジタル化するこを目指している。このソフトウェアはあらゆるデバイスに対応し、製造業者が導入している既存のIT製造システムと連携できる。すでに、Bosch(ボッシュ)、Schwan-Stabilo(スワン・スタビロ)、Hirschvogel(ヒルシュフォーゲル)など、10カ国以上の大企業がこれを採用している。

「典型的な製造業の作業場に行くと、10mのキャビネットに紙の計画書や資料や指示書などのファイルがぎっしり詰まっている光景を目にします」とCioplenuの共同創設者でCEOのBenjamin Brockmann(ベンジャミン・ブロックマン)氏は話す。

「今はメンテナンスや検査のほとんどがデジタルで行われていますが、組み立ての指示書は紙に印刷されています。書類の検索や配布は悪夢のような作業で、そこにはリアルタイムのコミュニケーションもなく、分析も一切行われません。そこが企業の巨大な盲点になっているのです」。

「この問題を解決するため、Cioplenuは直感的に使える製造現場のための『オペレーティングシステム』、つまりメンテナンス、検査、組み立てなどの工程にオールインワンで対応できるプラットフォームを構築しているのだ」とブロックマン氏は言う。

「私たちは、マルチメディア書類、計画書、アンケートなどが簡単に作れるエディターと、さまざまなデバイスを使い、デスクを持たない作業員のための操作ソフトウェアを提供しています」と彼は説明する。「企業資源計画を簡単に統合できるため、(製造業者は)素早くデータを収集し整理できます。同時に私たちの分析プラットフォームは、その企業の製造工程の整理を手助けします。簡単なことのようですが、企業がすぐに導入できるようにするために、例えば複雑なアクセス権の管理など、その他多くの複雑も盛り込んでいます」

Cioplenuの顧客は、工業市場の中小企業からボッシュやスタビロなどの大企業とされているが、実際に利用する人は、企業内のさまざまな部門や階層に広がっている。例えば、タブレットを手に製造フロアを歩く品質管理責任者は、そのソフトウェアを使ってデジタル化された計画書のチェックリストを埋めながら書類を作成している。

「どこかが故障すれば、品質管理責任者はその写真を撮り、説明を書き添えて記録できます。外国人の同僚と計画書を共有したいときは、自動翻訳された書類をワンクリックで送ることができます」と同社は話している。

そしてチームリーダーは、整理統合され、異常箇所がハイライトされたすべての報告を受け取る。施設管理者は、概要と、すべて計画通りに進んでいるか否かの分析結果をリアルタイムで入手できる。

「モジュラー形式のため、検査は数ある機能のほんの一部に過ぎないというところが美点です」とCioplenuのCEOは語る。「(私たちのソフトウェアは)組み立て方、機械のトラブルシューティングのやり方などなど、さまざまな従業員教育にも使えます」。

また製品の需要が非常に高いCioplenuは、フランクフルトにふたつめの事業所を開くことになったという。「新しいフランクフルト・オフィスのために、大規模な求人を実施し、社員を3倍に増やす計画です。マーケティング部門と営業部門の拡大が鍵になります」と、このスタートアップのもうひとりの共同創設者Daniel Grobe(ダニエル・グローブ)氏は話していた。

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(翻訳:金井哲夫)

タブを整理するワークスペースを装備したOperaの新しいブラウザー

米国時間2月25日に登場したOperaの新しいウェブブラウザーは、大量に開いたタブのカオスからユーザーを救い出すことを目指している。Operaのデスクトップ用ブラウザーの最新リリース(コードネームR2020)には、「ワークスペース」と呼ぶ新機能が導入された。これにより、ユーザーは、さまざまなコンテキストに応じてタブを整理できる。たとえば、仕事用、余暇の活動、個人のプロジェクト、調査活動、旅行の計画などといったワークスペースに分類できる。

最近では、数十ものタブを開いたままブラウザーを使うユーザーも少なくない。さらには、複数のウィンドウに渡って多くのタブを開いた状態にする場合もあるだろう。ウェブ上での検索と調査結果を、それなりに整理しておくためだ。毎日のようにPCで仕事をしている知的労働者にとっても、1つのブラウザーを仕事と趣味のブラウジングの両方に使っている約66%のアメリカ人にとっても、扱いにくいものになっていると、Operaは言う。

Operaの調査によれば、65%のユーザーが、ブラウザーの状態をもうちょっと整理したいと考えていて、60%はタブをグループ化したいと望んでいることがわかった。

残念ながら、メジャーなブラウザーメーカーは、まだこうした問題に効果的な対策を打ち出していない。ユーザーは仕方なく、独自に効率的な使い方を編み出したり、サードパーティ製のブラウザーアドオンなどを使って対処したりしている。

たとえば、ブラウザー拡張機能のOneTabを利用すれば、開いているタブをまとめて閉じて保存し、後でアクセスできるようになる。ただし、このような拡張機能はブラウザー標準のインターフェースではないので、多くのユーザーはそうしたものが存在することすら知らない。また、こうした拡張機能を使用して整理した場合、タブをどこかに保存したこと自体を忘れてしまいがちだ。そのため、保存したタブを元に戻す代わりに、結局同じページを検索し直すことになってしまう。

Operaのシステムは、開いている多くのタブを管理する手段として、ワークスペースのコンセプトを提示している。新バージョンのブラウザーでは、最大5つのワークスペースを作成し、それぞれ名前を付け、アイコンも設定できる。アイコンにはサイドバーの上部からアクセスできる。その時点でアクティブなワークスペースは、青でハイライト表示される。

リンクを右クリックして別のワークスペースで開いたり、ワークスペース間でタブを簡単に移動することも可能だと、Operaは説明している。これにより、単に整理された状態から始められるだけでなく、整理された状態を維持できる。作業中に複数のコンテキスト間を行ったり来たりする傾向のあるユーザーも安心だ。たとえば、オンラインのスプレッドシートに入力したり、仕事のメールに返信する合間に、数分間だけ個人的なメッセージや、SNSをチェックするといったことは、よくあるだろう。

「ブラウザーのタブを発明したのはOperaです。そして今日では、それらをうまく扱うために、ブラウザーのインターフェースとして何らかのサポートが必要であることを理解しています」と、OperaのPC向け製品のプロダクトディレクター、ジョアンナ・チャジカ(Joanna Czajka)氏は、今回の発表に関する声明の中で述べている。「誰もが、自分の環境をきちんとしたいと考えています。特に余計な作業なしに、そうできるのが理想です。ワークスペースを使えば、新しいツールの使用方法を学ぶ必要もなく、使い始めた瞬間から整理できるのです」。

ワークスペースは、このベータ版ブラウザーの主要な新機能には違いないが、他の追加機能により、たとえばCtrl+Tabのキーボードショートカットを使って、開いているタブを簡単に切り替えることができる。これは、macOSでのアプリの切り替え方法に似ている。また、マウスポインターをタブに合わせると、もし重複しているタブが開いていれば、それがハイライト表示されるという親切な機能も加わっている。

Operaはブラウザーの機能を革新してきたという定評がある。そしてここ最近のリリースでは、さまざまな機能の統合にも力を入れてきた。たとえば、暗号通貨ウォレットの組み込みや、VPN機能などだ。また、トラッキングのブロック機能など、プライバシーの保護に役立つツールも取り入れている。さらには、ゲーマー向けのブラウザー、Opera GXも公開した。しかし今回のリリースほど、ブラウザーのユーザーの日常的なニーズにフォーカスしたものは、これまでに見られなかった。

残念ながら最近では、ブラウザーの乗り換えは、それほど簡単ではなくなっている。マイナーなブラウザーや、ベータ版では、多くのユーザーが依存しているさまざまな拡張機能をサポートしていないことが多いからだ。

にもかかわらずOperaは、同社のブラウザーの利用者数は成長していると主張している。同社製PC用ブラウザーの利用者数は、2018年第3四半期から2019年第3四半期にかけて17%増加し、現在では月間ユーザー数で6800万人以上を数えるという。

新しいOperaのブラウザーは、ここから無料でダウンロードできる

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Firefoxが新たなDoHセキュリティ機能を米国ユーザーに対し標準で有効に

Mozilla(モジラ)は米国内のすべてのFirefoxユーザーに対し、今後数週間のうちに新たなDNS-over-HTTPS(DoH)セキュリティ機能をデフォルトで提供することを認めた。

これはウェブ閲覧をより安全でプライベートなものにすることを目的とした、1年間にわたる新しいセキュリティ機能のテストに続くものだ。

もしHTTPSが有効になっていたとしても、Webサイトにアクセスする際にWebアドレスをコンピュータが読み取れるIPアドレスに変換するDNSクエリは、通常、暗号化されない。DNS-over-HTTPSはDNSクリエの要求を暗号化し、ユーザーを悪意のあるサイトに転送するために傍受、またはハイジャックされることを防ぐ。

これらの暗号化されていないDNSクエリは、ユーザーがアクセスするWebサイトをスヌープ(盗み取る)するためにも使用できる。

DoHはFirefoxに組み込まれ、アプリレベルで動作する。この機能はCloudflareやNextDNSなどのサードパーティプロバイダにDNSクエリを送ることに依存しており、どちらのプロバイダもFirefoxにDoHサービスを組み込み、それを処理する。

しかし、この動きに議論の余地がないわけではない。2019年、あるインターネット業界団体はMozillaによるセキュリティ機能の推進を「インターネットの悪」と呼称した。同団体は、テロリストの画像や児童虐待の画像を見つけるのが難しくなると主張している。一方で、インシデントレスポンスやマルウェアの検出が困難になる可能性があるという警告もあり、セキュリティコミュニティの内部でさえ意見が分かれている。

DoHをデフォルトで有効にする動きは間違いなく抵抗に直面するだろうが、ブラウザメーカーはそれは敬遠されるべき技術ではなかったと主張している。FirefoxはDoHを実装した最初のブラウザとなりGoogle Chrome、Microsoft Edge、Operaなどがその後すぐに続いた。

Firefoxによると、米国外のユーザーもDoHを有効にすることができ、また同様にアメリカ国内のユーザーはDoHを無効にできる。Mozillaはこの機能を、他のDoHプロバイダや地域にも拡大する計画だと述べた。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

DatabricksのLakehouseはデータウェアハウスとデータレイクの良いとこ取り

Databricksが米国時間2月24日、パートナーたちによるData Ingestion NetworkとそのDatabricks Ingestサービスの立ち上げを発表した。目的は、企業が最高のデータウェアハウスと最高のータレイクを1つのプラットホームに結合することで、Databricksはそのコンセプトを「lakehouse(レイクハウス)」と呼んでいる。

同社のレイクハウスのコアにあるものはDelta Lakeで、これはLinux Foundationが管理するDatabricksのオープンソースのプロジェクトであり、データレイクにストレージの層を導入してユーザーがデータのライフサイクルを管理できるようにする。そして、スキーマの強制やログの記録などでデータのクオリティを確保する。DatabricksのユーザーはこれからはIngestion Networkの最初の5つのパートナーであるFivetranとQlik、Infoworks、StreamSets、Syncsortらと共同で自分たちのデータをDelta Lakeに自動的にロードできる。Databricksの顧客は、トリガーやスケジュールに関して何もセットアップしなくてよい。データが自動的にDelta Lakeに入っていく。

Databricksの共同創業者でCEOのAli Ghodsi(アリ・ゴッシ)氏は、次のように説明する。 「これまで企業は、自分のデータを伝統的な構造化データ(定型データ)やビッグデータに分割することを強いられ、それらを別々にBI(ビジネスインテリジェンス)やML(マシンラーニング)のユースケースに使っていた。これではデータがデータレイクやデータウェアハウスの中でサイロに入れられることになり、処理が遅くなるだけでなく部分的な結果ばかりになり、有効な利用ができないほど遅い、または不完全なデータになっていた。Lakehouseパラダイムへの移行にはさまざまな動機があるが、これもその1つだ。つまり、データウェアハウスの信頼性をデータレイクのスケールと結びつけて、あらゆるユースケースをサポートしたいのだ。このアーキテクチャが有効に働くためには、いろんなタイプのデータの取り入れが容易でなければならない。Databricks Ingestは、それを可能にする重要なステップだ」

Databricksのマーケティング担当副社長Bharath Gowda(バラス・ゴウダ)氏も、これによって企業が自分たちの最新のデータを分析することが容易になり、新しい情報が得られたときの反応性も良くなる、という。彼によると、ユーザーは彼らの定型データや非定型データをもっと上手に利用できるようになり、機械学習の良質なモデルを構築したり、データウェアハウスにある部分的なデータでなくすべてのデータに対する従来的な分析も可能になる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

FacebookのCreator Studioにモバイル版が登場

FacebookのCreator Studioにモバイル版が追加された。Creator Studioは、2018年8月に全世界で利用可能になったクリエイターとパブリッシャー向けのインサイトダッシュボードだが、今回、iOSとAndroidの両方のモバイルアプリとして利用できるようになっている。デスクトップ版のCreator Studioと同様に、ユーザーはFacebookのページ全般に渡ってコンテンツのパフォーマンスを追跡し、記事の公開、投稿スケジュールの設定や調整、ファンからメッセージへの返信などが可能となる。

画像クレジット:Getty Images

Facebookの北ヨーロッパのエンターテインメント担当ディレクターAnna Higgs(アンナ・ヒッグス)氏は、先週のVidCon Londonで、Facebookに400万人を超えるフォロワーを持つクリエーターLadbaby(ラドベイビー)氏とともにステージに登場し、新しいアプリ公開のニュースを発表した。

アプリには、クリエーターやパブリッシャーにとって役立つ、メトリックやインサイトのセクションなど、いくつかの重要な領域がある。ここでユーザーは、ページ単位と記事単位のどちらでもインサイト、リテンション、ディストリビューションといったメトリックを分析し、状況に応じて戦略を調整できるようになる。たとえば「動画の1分再生数」、「動画の3秒再生数」、「再生時間」といった、コンテンツのパフォーマンスのメトリックが得られる。さらにコメントや共有、フォロワー数、収益など「エンゲージメント」のメトリックを得ることもできる。

またこのモバイル版アプリでは、すでに公開された投稿と、スケジュールされた投稿の両方を表示することができる。クリエーターはビデオのタイトルや説明の編集など、その場で修正が可能だ。さらに投稿の削除や、期限切れとしての設定、リスケジュール、ドラフト版の公開といったことも可能となる。

「受信箱」セクションでは、ユーザーが外出中でも、受信したメッセージに返信したり、コメントを返したりできる。

クリエーターは、同じセッションの中で、複数のアカウントを切り替えることもできるので、いったんログアウトして、別のユーザーとしてログインし直したりしなくても済む。これは、大規模なソーシャルメディアを管理している人や、複数のクリエーターページのサポートを生業としている人にとっては、ありがたい機能だろう。

このCreator Studioアプリを使って、大きな機会や重要なイベントに際して即効性のある通知を送信することも可能だ。

Facebookが、クリエイターのコミュニティに向けて専用アプリを提供したのは、これが初めてではない。同社は2017年にも、統合された受信箱、分析機能などを持つCreatorアプリを投入していた。しかし、そのアプリは2019年初めごろに廃止され、クリエイターはPages Managerアプリ、またはCreator Studioのデスクトップ版への移行を余儀なくされていた。さらにその前にもFacebookは、あらかじめ認定された有名人や、そのページでのみ利用可能なMentionsアプリを提供していたこともある。

新しいCreator Studioアプリは、廃止されたCreatorアプリをそのまま置き換えるものではない。似たような機能は提供しているが、まったく同じというわけではなく、ユーザーインターフェースも異なっている。また、Instagramの統合機能はなく、新しいコンテンツをアップロードしたり、投稿したりする機能も欠いている。後者は、リリース後のアプリのユーザーレビューが低い原因となっている。また、Pages Monitorアプリとオーバーラップする部分が多すぎるという不満も多く聞かれる。ただし、欠落している機能については、今後Facebookがアプリに機能追加していくに従って搭載されていくものと思われる。

ところで、FacebookのCreator Studioアプリが、同じくクリエーター向けの、YouTubeのサービスに似た名前であることに気づくだろう。YouTube Studioは、2017年にYouTube Creator Studioから名称が変更された。アプリの名前に「Studio」と「Creator」の両方を含むことで、App Storeの検索結果に対して良好な効果が得られるかもしれない。たとえば、誰かが「クリエーター向けのYouTubue Studio」を検索したとき、近い名前のアプリとして表示される可能性が高まるからだ。こうした名前の付け方も、才能あるビデオクリエイターを惹きつけようと躍起になっている両社の競合関係を反映したものだろう。

モバイル版のCreator Studioアプリは、iOS用もAndroid用も無料でダウンロードできる。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

GUIでオーディオシステムを開発するAudio WeaverのDSP Conceptsが16億円相当を調達

DSP ConceptsのソフトウェアであるAudio Weaverは今やTesla、Porsche、GoPro、Braun Audioなど、さまざまな企業が利用している。同社はこのほど、シリーズBで1450万ドル(約16億円)を調達したことを発表した。

CEOのChin Beckmann(チン・ベックマン)氏とCTOのPaul Beckmann(ポール・ベックマン)氏夫妻によると、同社の目標は、企業がオーディオ処理ソフトウェアを開発するために使用する標準的なフレームワークを作ることだ。

チン氏によると「シリーズBの投資家にはこの業界を本気で支援し支持して欲しかったため、その選別には気を使った」とのこと。

そこでこのラウンドはTaiwania Capitalがリードしたが、投資家にはDSP Conceptsに対する戦略的投資家が多く含まれる。シリーズAをリードしたのはみなDSP Conceptsの大型ユーザーの系列であるBMW i Ventures、Innovation Growth VenturesのSony Innovation Growth Fund、MediaTek Ventures、Porsche VenturesそしてARM IoT Fundなどだ。

ポール氏によると、Audio Weaverは、もともとベックマン夫妻がやっていたコンサルティング事業の「秘密兵器」として始まった。オーディオのエンジニアリングプロジェクトの進捗を、一気に超高速化することができる。コンサルティングをしている途中で顧客は必ず「そいつの使い方を今教えてくれないか?」と言われ、夫妻はこのAudio Weaverプラットホームにフォーカスしたスタートアップを立ち上げた。

Audio Weaver - AWE Designer

ポール氏によるとそのソフトウェアは「グラフィカルなブロック図エディター」だ。GUIを使って、オーディオ処理のためのさまざまなソフトウェアモジュールを組み合わせたり、カスタマイズしていく。

「オーディオはそのほかの業界に比べるとまだ石器時代にある。たとえばタッチ画面から使うプロダクトを作るとすると、オーディオはグラフィクスをスクラッチから書く世界、ほかの業界ではとっくにQtのようなGUIフレームワークが使われている」と彼はいう。

またポール氏によると、今でもオーディオエンジニアは手書きでコードを書くという大変な作業を大量に行っているが、Audio WeaverのGUIを使えばパズルのいろんなピースを簡単にまとめることができるし、これまで作って改良し蓄積してきた何百ものモジュールを今の仕事に利用できるようになる。

DSP ConceptsのエンジニアたちはAudio Weaverのプラットホームを使って、GoProで撮った映像から風の音を減らすアルゴリズムの何百ものアイデアを、すべて実際に試せる。そして、最良のアルゴリズムをGoProに渡せばよい。すると同社のチームがそのアルゴリズムを自分たちのソフトウェアに使って、部分的に変えたりもできる。

ベックマン夫妻によると、同社はチップのメーカーとも密接に協力して、彼らのチップセットを使っているデバイスでオーディオのソフトウェアが正しく動くように努めている。

さらに同社のTalkToというモジュールは、Alexaのような音声アシスタントの聴力を超高感度にする。ロックコンサートのような大音量の環境でも、ノイズをすべてキャンセルしてコマンドを聞き取ることができる。下のビデオは、TalkToのデモだ。

DSP Conceptsは、これまでの累計で2500万ドル(約27億9000万円)あまりを調達している。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

元NSAとAmazonのエンジニアが「データのGitHub」を開発中

6か月ほど前、NSA(米国家安全保障局)、Google、それにAmazon Web Servicesに勤務した経験を持つエンジニアやデベロッパーのグループが出し合ったアイデアがある。

画像クレジット:Oleksandr Hruts/Getty Images

データは、デベロッパーやエンジニアが新しい機能を開発し、より優れたイノベーションを実現するために重要な役割を果たす。しかしデータは、非常に機密性が高かったり、入手しにくいものだったりすることが多い。カギが掛けられた状態で厳重に保管され、封印されていたり、規約によって守られていたりする。アクセスの承認を取るのに数週間かかることもある。そこで、上記のエンジニア達は、Gretelを設立した。まだ初期段階のスタートアップだが、デベロッパーが機密性の高いデータをリアルタイムで安全に共有し、協力して作業できるようにすることを目指している。

共同設立者のひとりであるAlex Watson(アレックス・ワトソン)氏は、それは人々が考えているようなニッチな問題ではない、と述べている。デベロッパーは、どんな会社でも、この問題に直面する可能性があるとも言う。デベロッパーはユーザーデータ全体へのフルアクセスは必要としない場合が多い。取り掛かりとして、その一部や、サンプルのデータさえあればいい。多くの場合、本物のユーザーデータのように見えるだけのデータでも十分なのだ。

「まずは、データを安全に共有できるようにすることから始めます」と、ワトソン氏は言う。「データが使えるようになれば、いろいろ可能になるすばらしいユースケースがいくらでもあります」。同氏は、GitHubのように、広く利用されているソースコード共有プラットフォームが、ソースコードへのアクセス性を高め、コラボレーションを容易にするのに役立ったと述べている。「しかし、データについては、GitHubのようなものがないのです」と彼は続けた。

そこでワトソン氏と、ほかの共同創立者であるJohn Myers(ジョン・マイヤーズ)、Ali Golshan(アリ・ゴルシャン)、Laszlo Bock(ラズロ・ボック)の各氏がGretelを考え出したわけだ。

「現在、データセットの匿名化されたバージョンを、デベロッパーが自動的にチェックアウトできるようにするソフトウェアを開発中です」と、ワトソン氏は述べている。このいわゆる「合成データ」は、基本的には、通常の機密性の高いユーザーデータのように見え、同じように扱える人工的なデータだ。Gretelは、機械学習を使用して、名前、住所、その他、顧客識別子などによって構成されるデータを分類し、できるだけ多くのラベルをデータに付加する。ラベル付けされたデータには、アクセスポリシーを適用できる。次に、このプラットフォームは、差分プライバシーを適用する。これは、大量のデータを匿名化するために使用される手法の1つだ。それにより、データを実際の顧客情報に結び付けることはできなくなる。「これは、機械学習によって生成された、完全に偽のデータセットです」とワトソン氏は説明している。

この活動は、すでに注目を集めている。Gretelは、Greylock Partnersが率いるシード投資によって350万ドル(約3億9100万円)のシード資金を集め、このプラットフォームを離陸させることができた。このシード投資には、Moonshots Capital、Village Global、およびいくつかのエンジェル投資家が参加している。

「グーグル(Google)では、デベロッパーがデータに安全にアクセスできるよう、独自のツールを作成する必要がありました。われわれが必要とするツールが存在しなかったからです」と、元グーグルの重役で、現在はGreylockのパートナーのSridhar Ramaswamy(スリドハー・ラマスワミー)氏は述べている。

Gretelでは、実際に使った量に基づいて顧客に課金するという。それは、Amazon(アマゾン)が、クラウドコンピューティングのサービスへのアクセスに価格設定するのと同様の仕組みだ。

「今、これはまさに進行中であり、開発が進んでいるところです」とワトソン氏は述べた。Gretelは、今後数週間でデベロッパーコミュニティとの関係を強化する計画を立てており、6カ月以内には、Gretelを実際に利用できるようにすることを目指しているとのこと。

関連記事:Meet 5 cybersecurity unicorns that could IPO in 2020(未訳)

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

GoogleがAndroid 11最初のデベロッパープレビューを公開

米国時間2月19日にGoogleは、デザートをテーマにした公式リリースの日々を終え、Android 11のデベロッパープレビューを発表した。プレビューは現在Google自身のPixel端末のシステムイメージとして提供されており、Pixel 2以上で利用可能だ。

今のところ、このアップデートをネットワーク経由でインストールする方法はない。通常それは開発の後期段階になってから提供される。こうした早期リリースはそもそも一般ユーザーのためではない。デベロッパーがオペレーティングシステムの最新機能を早くテストできるようにすることが目的だ。

「Android 11では、ユーザーが最新イノベーションを利用できるようにすると同時に、プライバシーとセキュリティーを最優先にし続けることに集中している」とGoogleのエンジニアリング担当VPであるDave Burke(デイブ・バーク)氏は説明した。「機密性の高いデータやファイルのアクセスを管理するための新機能を複数追加し、OSの回復力と安全を高めるためにプラットフォームの重要部分を強化した。Android 11は折りたたみ端末や5G向けの拡張、迷惑電話API、新しいメディアおよびカメラ機能、機械学習などさまざまな新機能をデベロッパーに提供する」。

これまでのGoogleの早期プレビューと異なり、Android 11の初バージョンはかなり多くの新機能が盛り込まれている。バーク氏が言っていたように、5Gが必須とする帯域推測APIや、接続が定額制かどうかをチェックしてアプリが高解像度ビデオを再生できるかどうかを決められる機能も入っている。

GoogleはAndroid 11で、Project Mainlineのアップデート可能モジュールも10個から22個へと増やした。これでGoogleは、デバイスメーカーがOSをフルアップデートすることに頼ることなく、オペレーティングシステムの重要部分をアップデートできるようになる。ユーザーは、Google Play経由で普通にアップデートをインストールするだけでいい。

Android 11が端末の縁までカバーした「ウォーターフォールスクリーン」を標準でサポートし、新しいAPIを使って縁の近くの操作をデベロッパーが利用できるようになることをユーザーは喜ぶだろう。

ほかには、デベロッパーが会話的操作を扱えるようになる。例えば、通知画面に専用の会話セクションを付けたり、チャットバブルのAPI、通知画面から返信するときに画像を挿入する機能などだ。

当然ながら、Googleはプライバシーとセキュリティーの新機能もAndroid 11に追加する。機密性の高いデータのためのワンタイム許可や外部ストレージのデータをOSが扱う方法の変更などで、後者は昨年プレビューされていた。

セキュリティーに関してGoogleは、通常の新リリースにある強化に加えて、生体認証サポートを拡張し、精度のレベルを追加した。

小さな改善はほかにもたくさんある。その中には機械学習アプリの実行を便利にするための機能がいくつかあるが、Googleは、IT部門が強化されたワークプロフィールを使って企業端末を管理するための新機能がAndroid 11に追加された点を強調していた。

このAndroid 11初のデベロッパープレビューは、以前のリリースのときよりも約1カ月早く公開されたので、GoogleはこのOSを正式リリースするまでに少し時間の余裕がある。現在のリリーススケジュール では、デベロッパープレビューを毎月4月まで提供し、その後3回のベータの後2020年Q3に最終リリースが出る予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Photoshop30周年、iPad版にオブジェクト選択ツール機能をの追加

Adobe(アドビ)のPhotoshopは米国時間2月19日に30周年を迎えた。このアプリは写真編集アプリの代名詞となっており、間違いなく多くの回顧がなされるだろう。しかしそれを見越していた同社は本日、デスクトップとモバイルの両方のPhotoshop体験に対して、多くのアップデートを発表した。

今回の目玉機能はおそらく、iPad版Photoshopのオブジェクト選択ツールの追加だろう。もともとiPadアプリにはPhotoshopユーザーがモバイルで使いたいと思うような機能がいくつも欠けていたので人気がないことで知られていた。そしてこれまで、アドビはアプリにいくつかの変更を加え、その詳細に説明してきた。同社によると、現在のアプリレビューの50%が5つ星をつけており、11月以来で100万回以上ダウンロードされている。

そしてiPad版Photoshopには、3カ月前にデスクトップ版で初めて発表された、複雑なシーンで1つまたは複数のオブジェクトを選択して操作できる 「Object Selection」 ツールが導入される。AdobeのSensei AI技術と機械学習を利用することで、ユーザーは選択しようとしている領域の大まかな輪郭を描くだけで、選択プロセスを自由にコントロールできる。

またiPad向けPhotoshopの新しい機能として、文字のコントロールが追加された。これによりトラッキング、行送り、スケール、オールキャップス、スモールキャップス、上付き文字、下付き文字などのフォーマットオプションがサポートされる。

デスクトップ版Photoshopでは、コンテンツ対応の塗りつぶしワークスペースを改善し、さらに浅い被写界深度で写真を撮影する際のボケ効果を模倣したレンズぼかし機能を大幅に改善している。これまではレンズのぼかし機能がCPU上で実行されており、焦点の合っていない前景オブジェクトの周囲にシャープなエッジが表示されて、やや不自然に見えていた。今後、このアルゴリズムはGPU上で動作するようになり、エッジはよりソフトになって、さらに前景のオブジェクトははるかにリアルに見えるようになった。

改善されたコンテンツ対応の塗りつぶしワークスペースでは、複数の塗りつぶしを同時に選択して適用できるようになった。これはまったく革新的な新機能というわけではないが、このツールを頻繁に使用するユーザーにとってはワークフローの改善になる。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

いよいよTwitterがストーリー機能を搭載? テンプレートメーカーChroma Labsを買収

Twitterにストーリー機能が搭載される日が近いのだろうか? それとも、ちょっときれいなツイートを送信するためのツールを入手するだけなのだろうか? Chroma Labsを買収したばかりのTwitterには、いまやどちらに向かう力も備わっている。Instagram Boomerangの発明者であるJohn Barnett(ジョン・バーネット)氏が共同創業したChroma LabsのChroma Storiesアプリを使うと、Instagram StoriesやSnapchatなどに投稿するための、スタイリッシュなレイアウトテンプレートやフレームを使ったコラージュを作ることができる。

TwitterはChroma Storiesをそのまま維持するのではなく、Chroma Labsのチームを製品、デザイン、エンジニアリングのチームへと吸収する。iPhoneのChroma Storiesアプリ はなくなるわけではないが、これ以上更新されることはなく、iOSの次の非互換アップデートまでの動作が期待されるだけだ。

「2018年にChroma Labsを設立したときに、創造性を刺激し、ユーザーが視覚的なストーリーを伝えることを手助けする企業を作り上げようとしました。おかげさまで過去1年間で、世界中のクリエイターたちや企業にChroma Storiesアプリを使って、たくさんのストーリーを作成していただけました」とChroma Labsチームはそのサイトに書いている。「私たちはこの成果を誇りに思っています、そして世界で最も重要なサービスの1つの中で、より大きな規模で私たちのミッションを継続できることを楽しみにしています」

TechCrunchは取引の詳細と買収金額について、Twitterに問い合わせた。Twitterはこれは単なる開発チームの獲得(acquihire)ではなく、(Chroma Storiesは終了するものの)企業そのものの買収であるということを認めた。買収条件の開示は拒否したが、Chroma Labsの7人の従業員全員が移籍すると語っている。チームはTwitterの Conversations部門で作業する予定だ。この取引は公開ディスカッションに役立つ才能、リーダーシップ、専門知識を高めることも目的としているのだ。Twitterの広報担当者は、Chromaが事業を停止しアプリの次のバージョンが制作されないことも認めた。

2018年後半に設立されたChroma Labsは、2019年初頭にシードラウンドを行い、Sweet Capital、Index Ventures、Combine VCを投資家として迎えた。バーネット氏の共同創業者には、Facebook PhotosおよびInstagram StoriesのエンジニアリングマネージャーだったCTOのAlex Li(アレックス・リー)氏や、Oculus RiftとFacebookの拡張現実フィルターのプロダクトデザインマネージャーだったJoshua Harris(ジョシュア・ハリス)氏らが名を連ねている。

Chroma Storiesを使用することで、レトロフィルター、休日をテーマにしたフレーム、おしゃれなコラージュテンプレートから選択を行い、毎日投稿される膨大なストーリーの中で、自分の投稿を特別なものに見せることができる。Sensor Towerは、Chroma Storiesのこれまでのダウンロード数を3万7000回と推定している。高い品質を持つアプリにもかかわらず、それほど熱心に市場に受け入れられていなかったことも、今回のチームのTwitter入りを説明してくれるのかもしれない。

Twitterは、ビジュアルストーリーテリングの最も優れた才能を取り込むことで、テキスト中心のアプリにスパイスを加えることができる。今やTwitterは、ストーリー機能を持たない数少ないソーシャルアプリの1つであり、そのクリエイティブツールは非常に限られている。ツイートに写真をレイアウトするより良い方法の提供は、Twitterをより美しくし取捨選択を楽にしてくれる。これによってTwitterは10代の若者にとってより魅力的なものになり、Snapchatに遅れをとっているユーザー数の増加にも役立つことだろう。

Twitterは、世界の公的発言記録の場となっている。Chroma Labsがもたらす才能によって、Twitterはアートやデザインのリアルタイムギャラリーにもなるかもしれない。

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(翻訳:sako)

Googleはスパイツールとされるアプリ「ToTok」のストア削除を認める

2019年12月のThe New York Timesの報道によれば、人気のメッセージングアプリのToTokは、アラブ首長国連邦(UAE)の政府がユーザーの会話や位置情報、ソーシャル上の繋がりを追跡するために使用しているスパイツールだという。同アプリはGoogle(グーグル)の調査により12月にGoogle Play ストアから削除されたが、2020年1月初めに復活した。そして同社は今回、同アプリを再び削除したことを認めたが、その理由についてはコメントを避けた。

なお、海外テックサイトの9to5Googleは米国時間2月14日の金曜日に、ToTokが再びGoogle Playから削除されたことを初めて報じた。

グーグルは質問に対し、Google Playから同アプリを削除したことを認めた。さらに同社は、このアクションは外部からの指示や要請に応じたものではないと述べた。つまり、アメリカ政府はこの問題に関与しておらず、グーグル自身がアプリ自体を削除することを選択したのである。これは、ポリシー違反の可能性が高い。

The New York Timesの最初の記事によると、ToTokはローンチから数カ月で、中東からヨーロッパ、アジア、アフリカ、北米にてApple(アップル)とグーグルのアプリストアから何百万回もダウンロードされた。匿名の情報筋よれば、このアプリはユーザーの「すべての会話、行動、関係、アポイントメント、サウンド、イメージ」を追跡するために使われたという。

ToTokが削除された時点で、グーグルは同アプリがGoogle Playのポリシー(詳細は不明)に違反していると述べていた。アプリ調査会社のSensor Towerによると、アプリはこれまでに1000万回以上インストールされていたという。

1月にToToTokのウェブサイトは、アプリが再びダウンロード可能になったと発表していた。

Viceによると、Google Playに提出されたアップデート版のアプリには、ユーザーの連絡先リストへのアクセスと同期を許可するための、新しいダイアログが設けられていた。

奇妙なことに、アップデート版のToTokはGoogle Playのチャートに2度とランクインしなかった。

通常、App AnnieやSensor Towerのようなサードパーティーのアプリ調査会社は、非常にランキングの低いアプリも確認できる。例えばApp Annieのチャートは、どのカテゴリーでも1750位までのランキングを追跡している。しかし復活後のToTokは、自国のUAEのストアでさえランクインすることはなかった。

しかし、アプリはダウンロード可能だった。グーグルはこのアプリを先週金曜日の2月14日にPlayストアから削除したことを認めた。

現在、ToTokのウェブサイトには、サードパーティーによるAndroid向けアプリストアにあるアプリのリストが掲載されているが、Google Playは登録されていない。なお、サイトでは直接ダウンロードできるAPKファイルが提供されている。

また、ToTokはiOSでは引き続き利用できなくなっている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Tinderの創設者がセックスのコツを教えるアプリLoverに投資

薬にお金を使ったり、セックス・セラピストを家に招いて気まずい思いをすることなく、ベッドルームで盛り上がりたい? Lover(ラバー)という新しいアプリは、セックスに関する個人的な質問から、性欲に関する知識のチュートリアルを通して、パートナーと時間を過ごすときの最適な刺激を個別に指導してくれる。性医学の臨床心理学者として正式な資格を持つBritney Blair(ブリトニー・ブレア)博士は、Tinderの創設者Sean Rad(ショーン・ラッド)氏をはじめとする投資家たちから500万ドル(約5億5000万円)のシード投資を受け、17日、iOS版のLoverをローンチした。

「楽しんでいるかどうかは別にしても、みんながしていることなのに、セックスがタブー視されるのは不思議です。私たちの健康にとって重要なこの一面について、もっと語り合う時が来たと私たちは考えています」とブレア博士。「Loverによって自信が生まれ、コミュニケーションが促され、パートナーとのつながりが改善され、セックスと性的嗜好に関する意識が高まるものと確信しています」

オーラルセックスの音声ガイド、ベッドでたっぷり楽しむためのビデオ講座、「固くして楽に」といったステップごとのプレイリストなど、Loverのコンテンツの大部分が、最初の7日間は無料で試すことができる。その後は、月額9.99ドル(約1100円)か年額59.99ドル(約6580円)を支払えば、「前戯よりもコアプレイ」や「夢から現実へ」といったテーマごとの教育素材を利用できるようになる。これらの内容は、ユーザーのセックスに関するアンケートを基に推奨される。

「女性のほぼ50パーセント、男性の40パーセントがセックスに不満を抱いています。しかし、ほとんどの人は、その問題が普通のことであり。対処可能であることを知りません」とブレア博士は話してくれた。「ローンチ前のテストでは勃起不全にフォーカスしていましたが、60パーセントのユーザーが、アプリを使って3週間以内に勃起に改善が見られたと報告しています。バイアグラの有効性が65パーセントで、しかも5時間しか効かないことを考えると、すごい結果です」

Ro(ロー)などのデジタル薬局のスタートアップは、バイアグラをはじめとする男性用健康医薬品の処方と販売により、設立後わずか18カ月で5億ドル(約550億円)もの評価額を記録した。Loverは、教育ベースで性的健康へアプローチする新たな市場を見据えている。

Loverの共同創設者(左から)ジャス・バグニエスキー氏、ブリトニー・ブレア博士、ニック・ペンドル氏

ブレア博士は、10年前、スタンフォード大学大学院で、セックスに関する問題が広く存在しているが、学習とコミュニケーションですばやく解決できるという講義を聞いてこの分野に興味を抱いた。彼女は、ヨーロッパ最大の電子商取引企業Zalando(ザランド)のイギリスのマネージャーであり、グルーポンに買収されたCity Dealの創設者でもある現CEOのJas Bagniewski(ジャス・バグニエスキー)氏と手を組んだ。バグニエスキー氏と、その友人でLoverの共同創設者Nick Pendle(ニック・ペンドル)氏は、ヨーロッパでキャスパーに競合するマットレスのメーカーEve Sleep(イブ・スリープ)を立ち上げIPOを果たしている。

彼らの計画は、ブレア博士の教育素材をバグニエスキー氏とペンドル氏が持つ電子商取引の見識と組み合わせるというもの。サブスクリプションと、ゆくゆくはセックストイなどの推奨製品の販売とでLoverに収益をもたらす考えだ。現在、彼らには、Lerer HippeauをはじめManta Ray Ventures、Oliver Samwer(オリバー・ザムビア)氏のGlobal Founders Capital、Fabrice Grinda、Jose Marinからのシード投資500万ドル(約5億5000万円)がある。この資金は、Android版とパートナー同士でベッドの中で遊べるゲームの開発に使われる。

現在、セックスのコツを教えるウェブサイトは無数にある。Loverは、マイヤーズ・ブリッグスタイプ指標のようなアンケートの結果に基づく、個別のコンテンツで差別化を図ろうとしている。これは、ユーザーがどれだけ冒険的で、社交的で、積極的かを尋ねるものだ。それにより、数ページにわたる解説とともに、The Museのような分類結果が示される。たとえば、注目の的でいながら他人に影響を与えたいと思っている、といった性格が露わになる。

そこから、Loverは、ユーザー独自の性的個性をマスターするための、または新たな行動パターンへの発展のためのガイドが示される。また、XConfessions(エックスコンフェッションズ)という別のアプリからコピーしてくる機能もある。ユーザーとそのパートナーの好みを知るためのものだ。ユーザーはアプリを接続させ、「パートナーからロウソクのロウを垂らされたことがある」とか「パートナーは警察官の制服を着る」などの質問に、各自個別に画面をスワイプしてイエス・ノーで答えてゆく。そして2人にマッチするものがあれば、アプリはそれを試してみるよう勧める。

 

全体としてLoverのコンテンツは非常に高品質で、ほとんどの人がセックスの教材にしている素材、つまりポルノよりも思いやりがある。本物の性医学の医師がアプリを監修しているため、Loverには信頼性がある。そのデザインと雰囲気は、ユーザーを自堕落にすることなく、自信を与えてくれる。

それでも、ブレア博士は「人に生活習慣を変えるよう促すのは、難しいことです。もうすでに人々はアプリをスマートフォンに入れてサブスクリプションしてくれていますが、サブスクリプション疲労に陥る恐れもあります」と心配する。効き目がハッキリわかるバイアグラには、人々は疑うことなく金を出す。セックスのコツを教えるサブスクリプションの価値はわかりづらく、インターネット上で無料公開されているものと区別も付きにくい。

もっと多くの人たちに、ズボンだけでなく財布も開いてもらうためには、Loverは有料コンテンツの価値を宣伝し、インターネットのコンテンツに欠落している対話をさらに多く提供する努力が必要だ。しかし、このアプリのアドバイスが忘れられない夜を人々に提供できたなら、その人たちを長期にわたって誘惑し続けることが可能だろう。

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(翻訳:金井哲夫)