ノーコードで非技術者でも使えるコンピュータービジョンを提供するMobius

ベルリンのMobius Labsが、同社のコンピュータービジョン訓練プラットフォームの需要増に応えるために、520万ユーロ(約6億8000万円)の資金調達を完了した。このシリーズAの投資ラウンドをリードしたのはVentech VCで、これにAtlantic LabsとAPEX Ventures、Space Capital、Lunar Ventures、および一部のエンジェル投資家が参加した。

ユーザーは同社が提供しているSDKにより、若干の訓練データのあるカスタムのコンピュータービジョンモデルを自分で作ることができる。一般的な類似製品として売られているソフトウェア製品には、ユーザーの特殊なユースケースに応じた細かいカスタム化ができないものが多い。

また同製品は「ノーコード」を謳っており、非技術系のユーザーでも使えるという。

Mobius LabsのプラットフォームはSDKであり、オンプレミスでもオンデバイスでもどちらでもデプロイできる。顧客がクラウドサービスに接続してAIツールを利用する、というタイプの製品ではない。

CEOでチーフサイエンティストのAppu Shaji(アップ・シャジ)氏は、次のように語る。「弊社のカスタム・トレーニング・ユーザー・インターフェースは、極めてシンプルで使いやすく、事前に何らかの技術知識を必要とすることはまったくありません。このところ私たちの目に入ってくるトレンドは、AIから最大の価値を引き出せるのは技術系の人間ではない、ということです。むしろ多いのは、報道やクリエイティブエージェンシーで仕事をしているコンテンツマネージャーや、宇宙企業のアプリケーションマネージャーなどです。日常的に、視像(ビジョン)の最も近いところにいるのが彼らであり、彼らはAIのエキスパートやデベロッパーチームが助けに来るのを待たずに仕事をしています」。

2018年に創業したMobius Labsでは、現在、30社の顧客企業がそのツールを使ってさまざまなユースケースを実装している。その用途は、カテゴリー分類やリコメンデーション、予測、そして一般的に「ユーザーやオーディエンスを彼らのニーズに合った視覚的コンテンツに接続する」ことだ。当然のことながら、報道や放送、ストックフォトなどの利用が多いが、実際には同社ユーザーの業界はもっと多様で、それぞれが同社の成長に寄与している。

ユーザー企業の規模も多彩で、スタートアップや中小企業もいる。ただしメインは、大量のコンテンツを扱うグローバルなエンタープライズだ。そのため、今でもメディアやビデオ関連の利用が最も多い。しかしながらそれでも、現在の同社は地理空間情報や地球観測といった多様な業種をターゲットとして狙っている。

現在の社員数は30名だが、過去1年半で倍増している。今度の資金で、今後1年以内にさらに倍増し、特にヨーロッパと米国を中心に地理空間情報方面の顧客を開拓したい、という。売り上げも前年比で倍増しているが、顧客をより多分野に広げることにより、さらなる増大を狙っている。

「主な対象業種はビジュアルデータの扱い量が多い業種です。ビジュアルデータの扱い量が多いという点では、地理空間情報の分野を逃すべきではありません。しかし、彼らが持つ膨大な量の生のピクセルデータは、写真などと違って他の役には立たないものだけどね」とシャジ氏はいう。

「彼らが私たちのプラットフォームを利用する例として、川に沿った地域の広がりを調べたければ、衛星からデータを集めて、それらを整列しタグづけして分析するだろう。今はそれを、手作業で行っている。私たちが開発した技術を、いわば軽量級のSDKとして使えば、それを衛星上に直接デプロイして、機械学習のアルゴリズムで分析できる。現在、実際に私たちはそのような観測画像分野の衛星企業と一緒に仕事をしています」。

シャジ氏が主な競合他社として挙げるのは、ClarifaiGoogle Cloud Vision APIだ。「どちらも大きくて強い相手ですが、彼らにできないことが私たちにはできます。彼らのソリューションと違い、私たちプラットフォームはコンピュータービジョンの専門家でない人が利用できる。機械学習のモデルの訓練を、技術者でない人が誰でもできるようになれば、コンピュータービジョンに誰もがアクセスでき、理解できます。仕事の肩書はなんでもいい」とシャジ氏はいう。

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「もう1つの重要な差別化要因は、クライアントデータの扱い方です。私たちはソリューションをSDKの形で提供するため、オンプレミスで完全にローカルにクライアントのシステム上で動作します。データが、当社に戻ってくることはありません。私たちの役割は、人々が自分でアプリケーションを構築し、自分たちのものにできるようにすることです」。

コンピュータービジョンのスタートアップはここ数年、買収のターゲットとして人気がある。一部のITサービス企業は「コンピュータービジョン・アズ・ア・サービス」を看板に掲げるスタートアップを買って自分のメニューを増やそうとしている。またAmazonやGoogleのような巨人は、自前のコンピュータービジョンサービスを提供している。しかしシャジ氏によると、この技術は今までとは異なる段階にあり、「大量採用」の準備が整っていると指摘している。

「私たちが提供しようとしているのは、技術者に力をつけるソリューションではなく、クライアント自身がアプリケーションを自分で作れるためのソリューションです」とシャジ氏は現在の競合状況についていう。「私たちのソリューションはオンプレミスで動き、私たちがクライアントデータを見ることはないため、データのプライバシーも完全です。しかも軽量級の使いやすいソリューションであるため、スマートフォンでもラップトップでも、あるいは衛星上でも、さまざまなエッジデバイスにデプロイできます」。

投資家を代表してVentech VCのパートナーStephan Wirries(ステファン・ウィリーズ)氏は次のように語っている。「Mobius LabsのAppuと彼のチームは、コンピュータービジョンの分野では他に類のないものです。そのSuperhuman Visionと呼ばれるプラットフォームは、感動的なほど革新的であり、新しいオブジェクトを見つけるための訓練が比較的簡単にできるし計算効率もいい。今後さまざまな産業がAIによって変わっていく中で、Mobius Labsはヨーロッパのディープテクノロジーの革新的なリーダー兼教育機械にもなることができるだろう。

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画像クレジット:Yuichiro Chino/Getty Images

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Hiroshi Iwatani)

【コラム】「ノーコード」もコード

編集部注:本稿の著者Greg Brockman(グレッグ・ブロックマン)氏は汎用人工知能が全人類に恩恵をもたらすことを使命とする研究・開発企業OpenAIの共同設立者兼CTO。Hadi Partovi(ハディ・パートビ)氏はすべての学生がコンピュータサイエンスにアクセスできるようにすることを目的とした非営利団体Code.orgの創設者兼CEO。

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米国時間8月11日、自然言語をコードに変換する新しいAlシステム「OpenAI Codex」がリリースされ、コンピューターソフトウェアの書き方におけるシフトの始まりが示された。

ここ数年「ノーコード」プラットフォームに関する話題が増えてきているが、これは新しい現象ではない。実際、プログラマブルデバイスの登場以来、コンピューターソフトウェアを「コーディング」する方法において、コンピューター科学者たちは定期的にブレークスルーを生み出してきた。

初期のコンピューターは、キーボードが発明されるまで、スイッチやパンチカードを用いてプログラムされていた。コーディングは数字や機械語を入力する作業から始まり、やがてGrace Hopper(グレース・ホッパー)氏が近代的なコンパイラとCOBOL言語を発明して、プログラミング言語とプラットフォームにおける数十年の革新を先導した。Fortran、Pascal、C、Java、Pythonなどの言語は進化を続け、最新の言語(古い言語を使用して構築)によって、プログラマーはより一層人間的な言語で「コーディング」できるようになった。

言語と並行して、私たちは「ノーコード」プラットフォームの進化を見てきた。1980年代に現れたノーコードの草分け的存在であるMicrosoft Excelを含め、学校や職場などの場所を問わず、視覚的なインターフェイスでコンピューターをプログラムできるようにするプラットフォームだ。スプレッドシートに数式を記述したり、Code.orgやScratchにコードのブロックをドラッグすることで、コンピューターのプログラミング、つまり「コーディング」が実行される。「ノーコード」はコードだ。10年ごとにブレークスルーとなるイノベーションが生まれ、コードを書くのが容易になり、古いコーディング方法が新しいコーディング方法に取って代わられる。

イノベーションの波に乗るように、発表がもたらされた。今回、OpenAlは自然な英語で「コードを書く」まったく新しい方法であるOpenAI Codexを発表した。コンピュータープログラマーは、自分たちのソフトウェアに何をさせたいかを英語で記述することが可能になる。OpenAlの生成Alモデルは、それに対応するコンピューターコードを、ユーザーが選択したプログラミング言語で自動的に生成する。これは私たちが常に望んできたことだ。コンピューターが、プログラミング言語のような複雑な媒介を介さずに、私たちが何をして欲しいのかを理解し、それを実行する。

ただし、これは終わりではなく始まりである。Alが生成したコードによって、あらゆるプログラミングツールやあらゆるプログラミングクラスにおける進化、そして新しいソフトウェアのカンブリア爆発のような変革が想像できる。それはコーディングの衰退を意味するものだろうか?いや違う。プログラマーがコードを理解する必要性を置き換えるものではない。パンチカードからキーボードに移行したときや、グレース・ホッパー氏がコンパイラを発明したときのように、コーディングが格段に容易になり、インパクトが大きくなることで、その重要性が増すことを示唆しているのだ。

実際に、今日のソフトウェアに対する需要はかつてないほど高まっており、今後も増加の一途を辿ることが予想される。この技術が発展するにつれて、Alはコードの生成においてより大きな役割を果たすようになり、ひいてはコンピューター科学者の生産性とインパクトが増幅され、より多くのコンピュータープログラマーがこの分野にアクセスできるようになるだろう。

ドラッグ&ドロップだけでプログラムを作成したり、音声でコードを記述できるようにするツールはすでに存在している。これらの技術やOpenAI Codexのような新しいツールにおける進歩は、ソフトウェアを作る能力の民主化につながるはずだ。その結果、世界中のコードの量とコーダーの数が増えていくだろう。

これはまた、新しい方法でプログラミングを学ぶことが、これまで以上に重要になっていることを意味する。コードを学ぶことで、機会への扉が開かれ、世界的な問題の解決に寄与することもできる。ソフトウェアの開発が容易になり、アクセスしやすくなるにつれて、あらゆる学校のすべての生徒に、技術の利用者になるだけでなく、創造者にもなれる根本的な知識を提供していく必要があるだろう。

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画像クレジット:Luis Cagiao Photography / Getty Images

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(文:Greg Brockman、Hadi Partovi、翻訳:Dragonfly)

技術者はもはや時代遅れ?コーディング不要のツールを開発するBubbleが111億円調達

シリコンバレーでは、コンピュータサイエンスや技術教育の不足が世界のGDPレベルをどの程度押し下げているのかを議論するゲームが盛んに行われている。もし何十万人、何百万人もがコードを書けるようになって、起業家としてアイデアを実現できるようになったら、どれだけ多くのスタートアップ企業が誕生するだろうか?すべての企業で開発者が増えれば、どれだけ多くの官僚的なプロセスを排除できるだろうか?

もちろん、答えは「たくさん」だが、実現までには依然として高い障壁がある。コンピュータサイエンスは難易度の高い分野で、教育現場のカリキュラムにコーディングを導入しようとする議会の積極的な働きかけにもかかわらず、現実の市場ではソフトウェアエンジニアリングの需要が供給を大幅に上回っている。

Bubble(バブル)は、誰もがソフトウェアを開発できるようにして、新たなスタートアップの創出に貢献したいと考えている。同社のプラットフォームでは、コードを書ける人も書けない人も、クリック&ドラッグでデータソースや他のソフトウェアを結びつけることができるフルイドインターフェース(fluid interface、流れるような操作性を持つインターフェース)を使って、誰もがモダンなウェブアプリの構築を始めることができる。

これは大胆な夢だろうか。Bubbleも同様に大胆な賭けに乗ったばかりだ。Bubbleは米国時間7月27日、Insight Partners(インサイトパートナーズ)のRyan Hinkle(ライアン・ヒンクル)氏が主導するシリーズAラウンドで、1億ドル(約111億円)を調達したと発表した。ヒンクル氏は、Insight Partnersで長年マネージング・ディレクターを務め、成熟企業のバイアウトや成長期のSaaS企業を専門としている。

このラウンドの規模を大きいと感じるのは、Bubbleが現在の規模に至るまで、自助努力で長い歴史を歩んできたからだ。共同創業者のEmmanuel Straschnov(エマニュエル・ストラスノフ)氏とJosh Haas(ジョシュ・ハース)氏は、2019年6月にSignalFire(シングルファイヤー)が主導するシードラウンドで650万ドル(約7億2000万円)を調達するまで、7年間にわたって資金調達をせずに製品を開発してきた。興味深いことに、2014年、初めてBubbleに接触してきたベンチャー企業はInsight Partnersだった、とストラスノフ氏はいう。それから7年後、2社は契約を締結した。

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シードラウンドで資金調達して以来、同社は同名のツールの機能を拡充してきた。コーディングを要しない(ノーコード)ツールであるBubbleは、機能が十分でなければ、アプリケーションの開発を妨げてしまう。「私たちのビジネスでは、機能が勝負です」「当社のユーザーは技術者ではありませんが、厳しい目を持っています」とストラスノフ氏は話し、同社がプラグインシステムを導入したことで、Bubbleコミュニティがプラットフォームに独自機能を追加できるようになったことを指摘する。

Bubbleはクリック&ドラッグで動的なウェブアプリを設計できるインターフェースを持つ同社のエディタで(画像クレジット:Bubble)

このプラットフォームの成長と、2020年の新型コロナウイルス感染症のパンデミックはタイミングが一致している。パンデミックの中、人々が先行きの危うい雇用市場の中で、新しいスキルや将来性を求めて奔走していた時期だ。ストラスノフ氏によると、Bubbleの利用者は2020年3月、4月に急増し、過去12カ月間で収益が3倍になったという。

Bubbleは過去8年間、人々が自分のアイデアで起業するのを支援してきた。同社の命題は、(大企業のエンジニアリングチームがゼロからコードを書くような多額の費用をかけずに)Bubbleを利用してたくさんの人が起業して、ベンチャーキャピタルから支援してもらえるようにすることだった。

他社のノーコードツールは企業内アプリの構築に注力しているが、ストラスノフ氏は「まだ市場を拡大する予定はありません。5年前にAWS(Amazon Web Services、アマゾンウェブサービス)やStripe(ストライプ)がやったことと同じことをやろうとしています」と話し、これまでと同様、今も新しい企業に焦点を当てていると説明する。Bubbleは(企業内アプリで)企業を支配しようとするのではなく、設立間もない顧客の成長に合わせて拡大していきたいと考えている。

Bubbleは現在、アプリケーションのパフォーマンスとスケールの要件に応じて、さまざまな価格を設定している(無料版、月額25ドル[約2750円]~のプロフェッショナル版、月額475ドル[約5万2190円]の最上位版)。また、企業価格や、学生向けの特別価格も用意されている。

後者については、Bubbleは新たに調達した資金を使って、教育分野に重点的に投資したいと考えている。使いやすいプラットフォームとはいえ、ウェブアプリのデザインは、初めて使う人、特に技術者ではない人にとっては躊躇するものだ。そこで同社は、多くの学生にこのプラットフォームを利用してもらうために、たくさんのビデオやドキュメントを作成して、大学との提携にも積極的に投資していきたいと考えている。

ノーコードの分野には莫大な投資が行われているが、ストラスノフ氏は「ノーコードのプレイヤーはいずれも競争相手ではありません。本当の競争相手はコードです」と話す。ストラスノフ氏は、ノーコードを謳うスタートアップ企業が増える一方で、Bubbleが手がける特定のニッチ分野に参戦する企業は非常に少なく、同社はそのカテゴリーで魅力的な価値提案を行っている、と確信している。

Bubbleはパンデミック以降人員を倍増。約21人だった従業員は現在は約45人となっている。従業員はニューヨークに多少集中しているが、リモートで業務を行っているので、米国15州とフランスで働く従業員も在籍する。ストラスノフ氏によると、今回の資金を使って製品を拡充するために、技術者を積極的に採用したいと考えている、とのことだ。

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画像クレジット:Bubble

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(文:Danny Crichton、翻訳:Dragonfly)

OpenAIが自然言語AIコーダーのCodexをアップグレード、プライベートベータを開始

OpenAI(オープンエーアイ)は、2021年7月に発表したAIを活用したコーディングアシスタントのCodex(コーデックス)に、すでにいくつかの大きな変更を加えている。現在システムは、平易な英語のコマンドを受け入れ、実際に動作するコードをリアルタイムで出力する。変数に名前をつける必要すらなくゲームやウェブアプリを作成できるようにするのだ。数少ない幸運なコーダーたちは(そしてご想像できるようにノンコーダーたちも)、無償のプライベートベータで提供される新しいCodex APIを使って、その使い心地を試すことができる。

Codexが、OpenAIの多用途言語エンジンであるGPT-3であることはよく知られているが、特に通常の文書ではなくコード生成に向けてのみ訓練されたものである。これにより、コードの行を完成させたり、セクションを完全に生み出したりすることができる。とはいえ、最初発表されたときには、ノンコーダーが実際に対話して利用できるようなものではなかった。

この状況が今回の新しいAPIでは変わった。たとえば「ボールを画面の端で跳ね返らせる」とか「パブリックAPIを使用してそのデータをダウンロードし、日付で並べ替える」といった日常的なリクエストを解釈し、複数のプログラミング言語の1つで実際に動くコードを生成するのだ。

私はOpenAIの共同創業者であるGreg Brockman(グレッグ・ブロックマン)CTOと、CodexのリーダーであるWojciech Zaremba(ボイチェフ・ザレンバ)氏が、簡単なゲームをゼロから作成しながら、舞台裏で何が起こっているのかを説明するライブデモに参加した。

「プログラミングとは、目標を考えて部分へと分割し、そして分割された部分のためのコードを実際に作成していくことです」とブロックマン氏は説明した。Codexの目的は、コーダーが後者よりも前者の部分により多くの時間を費やせるようにすることだ。結局のところ、膨大な量のコードが、他人が以前に行ったことを真似たり完全にコピーしたりしている。もちろんそれも創造的な行為ではあり得る。だが少しばかりのコードのテストのために行うウェブサーバーの展開のような基本的な作業に、想像力を駆使する人はいないだろう。ブロックマン氏はそのことを「次のことを表示するウェブページを作成せよ」といった感じのシンプルな一行で実現してみせた。

画像クレジット:OpenAI

1秒後には、その要求を完全に標準的な方法で実現する10行ほどのJavaScript(ジャバスクリプト)プログラムが生成された。

「これはプログラミングの中でも面倒な部分です」とブロックマン氏はいう。「私はこの種のコードをおそらく数十回以上書きましたが、どのようにやっていたかを正確には覚えていないのです。私はこうしたAPIを正確には知りませんし、覚える必要もないのです。少ないキーストロークや操作手順で、同じことを簡単に行うことができるようになるのです」。

Codexは、基本的にGitHub(ギットハブ)上のすべての公開コードを中心に用いてトレーニングされているので、標準的な作法を熟知している。そこでは、ウェブサーバー、キーボードコントロール、オブジェクト操作、アニメーションなどのコードが何百回も誰かによって書かれているのだ。また、自然言語側ではGPT-3が持つ通常の理解能力が備わっているので「それを小さくしてトリミングして」といってから「それの水平位置を左右の矢印キーで制御せよ」といった場合に「それ(it)」が同じものを指していることをシステムは理解することができる。

また、同システムは数キロバイトに相当する自分自身のコーディングコンテキストを知っているために、準拠する必要のある命名規則、ユーザーの入力が暗示する既存の境界と要求およびその他の情報を認識している。

また、コードコーパスに埋め込まれている一般的知識も認識している。例えばブロックマン氏がシステムに対して「丸石を空から落とせ」と命じたとき、システムは、ほとんどキャンバス上に何も定義されていない状況にも関わらず「空」が何であるかを尋ね返してこなかった。システムは画面の上部から丸石を落としただけでなく、通常の物体のように落下速度を加速させた。これは、他の用途や状況から「落下」と「空」が何を意味するかを最もうまく推測できたからだ。

画像クレジット:OpenAI

数年前に、博士論文のために今回のシステムの機能限定版を作成していたザレンバ氏は、マイクロソフトワード用のCodexプラグインのデモを行いながら「これは、既存のソフトウェアと対話するための新しい方法を提供すると思います」と語った。もちろん、ワードプロセッサの多くのタスクは自動されているが、たとえば奇妙なフォーマットの問題が発生して、100カ所以上の異なる場所を修正したくなった場合はどうだろうか?「すべてのテキストを同じサイズとフォントにして、ダブルスペースをシングルにせよ」と入力すると、迷子になったスタイルを削除し「通常」と見なされる可能性が最も高いサイズとフォントを選択するのだ。そして「すべての見出しを24ポイントで太字にせよ」と入力すると、猛然と処理をこなしてくれるというわけだ。

ここで注意しておきたいのは、この種のことは多くの人にとって便利なことには違いないが、身体障がいなどのためにこれらのことを行えない人にとっては非常に重要だということだ。音声コマンドまたはジョイスティックを使用してワードプロセッサを操作している場合には、上記のような複雑なタスクを実行できれば非常に役立つ。盲目のコーダーは、他の人と同じように、標準のパブリックテストサーバーにパッチを適用できるが、Stack Overflowを探すこと、最適なコード断片の取得、構文の確認、関連する変数の変更などのプロセスは、ほぼ確実に長くなる。

そして、上から指示された構文や慣習の範囲内で作業する人にとっては、ドキュメントをモデルに与えることで、簡単にCodexがそれらを反映するようにすることができる。Codexは、コードをある言語から別の言語に変換して移植することもできる。これは、翻訳エンジンがスペイン語をフランス語に変換するのとほぼ同じやりかただ。

ブロックマン氏は、GPT-3の場合と同様に、これらは可能なことのほんの一部に過ぎず、開発者が思いつくものに驚かされることを望んでいるという(実際、OpenAIはAI Dungeon[AIダンジョン]の登場は予測していなかった)。ベータ版はGPT-3のベータ版と同様に非公開のものとなるが、開発者は自分のプロジェクトを説明して利用を申請することができる。Codexチームがその申請をレビューして招待を決めることになる。最終的にこのAPIは有料の公開APIになる予定だが、そのタイミングと価格はまだ決定されていない。

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カテゴリー:人工知能・AI
タグ:OpenAIベータ版GPT-3コーディングノーコード

画像クレジット:OpenAI

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(文: Devin Coldewey、翻訳:sako)

Wixが月額約2万2000円のノーコードアプリビルダーを公開

米国時間8月10日、Wixが「Branded App by Wix」というビジネスオーナー向けの新しいプロダクトを発表した。ユーザーがコードを書かずにネイティブアプリを開発できるプロダクトだ。上場企業である同社は個人や企業がオンラインプレゼンスを管理するツールを提供しているが、最もよく知られているのはドラッグ&ドロップで作れるウェブサイトビルダーだ。コーディングを学ばなくても誰もがアプリを作れるようにすることで、同社のプラットフォームはそのユーザーフレンドリーなアプローチを広げつつある。

Wixのモバイル、Wixアプリ、製品戦略担当SVPであるRonny Elkayam(ロニー・エルカヤム)氏は次のように述べた。「ユーザーには自社の社名とロゴでブランディングしたネイティブアプリを作るニーズがあります。当社のユーザーの多くは企業で、企業は実際よりも自分たちが大きく見える状況を表現したいと願っています。ネイティブアプリを持っている大企業に続きたいのです」。

Branded App by Wixは月額200ドル(約2万2000円)で、小さい投資ではない。さらにApp Storeで公開するために年額99ドル(約1万1000円)、Google Payには1回限りで25ドル(約2750円)を支払う必要もある。しかしWixによれば、ネイティブのモバイルアプリは結果として企業の売上増加につながる。すでにWixのウェブサイトを開設しているユーザーなら、アプリビルダーによって自社ウェブサイトの内容を自動で統合することができ、アプリ開発が簡単になる。

エルカヤム氏は「レストランがオンラインオーダー用としてウェブサイトにメニューを構成していれば、その同じメニューがアプリに表示されます。アプリ用の構成をする必要はありません。メニューからの購入や注文はダッシュボードに現れます」と説明した。

Wixの2億のユーザーのうち、500万が有料サブスクリプションを利用している。企業向けで最も人気のあるプランは月額27ドル(約3000円)のウェブサイトで、eコマースの機能も利用できる。無料ウェブサイト(機能制限がありWixのロゴが表示される)のユーザーもアプリを作成できる。Branded App by Wixは新しいプロダクトであって、既存のサブスクリプションの追加機能ではない。ビジネスオーナーはアプリのアイコン、レイアウト、コンテンツをカスタマイズできる。これには製品ページ、予約サービス、フォーラムとグループ、チャット機能、ブログ、プッシュ通知などが含まれる。Wixがユーザーのアプリを自動でアップデートして、iOSやAndroidの最新バージョンとの互換性を維持する。

ノーコードアプリ開発分野の競合の1つにBubbleがある。Bubbleの利用は月額29〜529ドル(約3200〜5万8000円)で、ユーザーがプロダクトの使い方やアプリ開発を学べる無料プランもある。しかしBubbleのサービスはウェブベースだ。これに対してWixのアプリはネイティブで、つまりApp StoreやGoogle Playストアからダウンロードできるアプリを作れる。

2020年にWixは3100万の新規ユーザーを獲得した。エルカヤム氏は、コロナ禍でWixの成長が加速したと述べた。同社は米国時間8月11日に第2四半期の業績を発表するが、第1四半期の売上は3億400万ドル(約336億5000万円)で前年同期比41%の増加だった。

数百社のユーザーによるベータテストを経て、Branded App by Wixは全ユーザーを対象に公開された。期間限定の「プレセール」期間中に申し込んだユーザーは、今後永続的に50%オフでこのプロダクトを利用できる。

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マイクロソフトはGPT-3を使い自然言語でコードを書けるようにする

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Wixノーコードアプリ

画像クレジット:Wix.com

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Kaori Koyama)

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i3DESIGN(​アイスリーデザイン)は7月20日、シリーズAラウンドにおいて、第三者割当増資による総額約2億円の資金調達を発表した。引受先はDG Daiwa Ventures、みずほキャピタル。調達した資金は、「開発中の次世代のノーコード開発プラットフォーム(SaaS事業)への投資」「DX支援フレームワーク強化のための投資」「採用の強化」にあてる。

2006年7月設立のi3DESIGNは、渋谷に本社、ウクライナに開発拠点を据えるデジタルサービスの創出支援企業Business×Design×Technologyの連携・融合により、デジタルサービスのデザイン・開発・グロースまでワンストップで提供するという。同社の競争優位性は、エンタープライズ企業が持つ既存ウェブシステムのモダナイゼーション(UI改修、機能改修、SEO対策など)を可能にするUI/UX改善クラウドサービス「flamingo」(フラミンゴ)の知見、UI/UXの知見にあるという。既存システムを活かしつつUI/UXの観点からの改修が可能で、DX推進を行えるとしている。

また「i3DESIGN DX支援フレームワーク」は、自社プロダクトの運用・改善に取り組んできた知見を体系化したもので、エンタープライズ企業からベンチャーまで取引実績は累計200社を超えるそうだ。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:i3DESIGN(企業)ノーコード(用語)資金調達(用語)日本(国・地域)

非プログラマーのために開発された機械学習のノーコードプラットフォーム「Obviously AI」、大日本印刷と提携し日本市場開拓戦略も進める

Nirman Dave(ニーマン・デイヴ)氏が起ち上げた2つのスタートアップは、まったく異なるものだが、どちらもDIYの精神を持っている。1つめは、高校卒業後のギャップイヤーに設立したCircuiTricks(サーキットリックス)という会社で、電子工学や物理学を学生に教えるためのキットを作っていた。そして現在、デイヴ氏は、技術的なバックグラウンドを持たない人でも機械学習モデルの構築とトレーニングができる、ノーコードのAI / MLプラットフォーム「Obviously AI(オビアスリー・エーアイ)」の最高経営責任者を務めている。バークレーに拠点を置くこの会社は、シードエクステンションを行い、ラウンドの総額は2カ月前に発表した360万ドル(約4億円)から470万ドル(約5億2000万円)となった。このエクステンションは、ディープテック分野の投資会社である東京大学エッジ・キャピタル・パートナーズ(UTEC)が主導し、Trail Mix Ventures(トレイル・ミックス・ベンチャーズ)とB-Capital(Bキャピタル)が参加した。

UTECのプリンシパルであるKiran Mysore(キラン・マイソール)氏は、AI / MLやコーディングのバックグラウンドを持たない友人が機械学習モデルを構築するのを手伝っていたときに、Product Hunt(プロダクト・ハント)でObviously AIを見つけたと、TechCrunchに語った。Obviously AIを使用し、他のAutoML製品との比較試験を行った後、マイソール氏は非常に感銘を受け、このスタートアップ企業に連絡を取り、投資ラウンドを主導することになったという。

この1年間、ノーコード / ローコードのスタートアップは多くの注目と、そして資金を集めている。Noogata(ヌーガタ)やAbacus(アバカス)などがその代表例だ。デイヴ氏によると、Obviously AIの適所は、データサイエンスチームを持たない中規模企業、あるいはデータ分析の知識はあってもプログラマーではない人たちのチームだという。

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Obviously AIは「Edge-Sharp AutoML」と呼ばれる独自の技術を用いて、顧客のニーズに合わせてカスタマイズされた機械学習モデルを構築・教育し、顧客の既存のクラウドサービスやデータベースに統合することができる。同社では、マーケティング、ソフトウェア、ダイレクト・トゥ・コンシューマー、フィンテック、保険会社といった分野を中心に、現在3000社以上の顧客を持っており、Obviously AIのモデルにホストされた8万2000以上の予測モデルが、これらの顧客企業で使われている。

新たに追加調達した今回のシード資金は、アジア市場における事業拡大のために使用される。特に日本では、同社の顧客である国内最大級の印刷会社の大日本印刷(DNP)と提携し、市場開拓戦略を進めていく予定だ。

大日本印刷の研究開発マネージャーである下村剛哉氏は、TechCrunchにメールで次のように語った。「大日本印刷では、マーケティングや営業のための最先端の予測分析が非常に重要です。しかし、現在のツールは非常に複雑で、結果が出るまでに数カ月かかります。我々はObviously AIを使うことで、何人かのアナリストをシームレスに起用することができ、わずか数時間で稼働させることができました」。

デイヴ氏が、Obviously AIの共同設立者で最高技術責任者を務めるTapojit Debnath(タポジット・デブナット)氏と出会ったのは、2人ともハンプシャーカレッジの留学生だった頃のことだ。卒業後、2人はベイエリアのスタートアップ企業でインターンシップを始めた。デイヴ氏は、ライブストリーミング・ソフトウェア・プラットフォームを提供するStreamlabs(ストリームラボ)で、データサイエンスのインターンをしていた。

もともとビデオエンコーディングのアルゴリズムを担当するために採用されたデイヴ氏は、会社のマーケティングやセールスチームのために、機械学習モデルの構築にも多くの時間を費やした。小売業向けソフトウェアのスタートアップ企業であるb8ta(ベータ)で機械学習のインターンをしていたデブナット氏も同様の経験をしていた。

2人は、機械学習エンジニアの人材が不足しており、多くの企業が「市民データアナリスト」、つまりデータサイエンスを理解していてもコーディングの経験がない人に頼っているということに気づいた。

Obviously AIの機械学習モデルによるリポートのユーザーインターフェース(画像クレジット:Obviously AI)

「膨大なデータを扱う仕事をしているけれど、自分自身はプログラマーではない人たちがいます。そのような人たちのために、私たちはこのツールを開発しました。その目標は、データを理解し、そのデータを用いて、何時間も何日も待たずに、ソフトウェアを使って本当に速くモデルを構築できるようにすることです」と、デイヴ氏は語っている。

同氏とデブナット氏は、2018年に仕事を辞めてこのスタートアップに取り組み始めた。家賃代わりにAirbnb(エアビーアンドビー)ホストのために雑用をこなしながら、カリフォルニア大学バークレー校のSkyDeck(スカイデック)アクセラレータプログラムに参加し、投資家への売り込み方を学んだ。

デイヴ氏によれば、多くの自動AI / MLソフトウェアプラットフォームは「データセット上でたくさんの異なるアルゴリズムを総当りで実行し、最もパフォーマンスが高いものを選ぶ」という。例えば、100種類のアルゴリズムを実行してから最もパフォーマンスの高いものを選んだりするわけだが、これでは他のアルゴリズムを自動的に構築するのに費やした時間が無駄になってしまう。

Obviously AIのEdge-Sharp AutoMLが異なる点は、データセットに使用できる特定の機械学習モデル群を調べてから、顧客のニーズに合った上位5つのモデルを自動的に候補として挙げ、それらのハイパーパラメータを自動的にチューニングし、予測結果を返すところだ。

Obviously AIの料金プランは、月額75ドル(約8300円)からとなっている。同社の典型的な顧客は、データサイエンスのチームを持たない中規模企業や、あるいはデータサイエンティストが他の仕事に没頭している大企業の小規模なチームだ。

例えば、インドの小規模な小口金融会社では、15人ほどのチームが、どの申請者に融資をするかを手作業で決めていたが、これをAIモデルに切り替えることに決めた。彼らはObviously AIを使って、申請者が債務不履行に陥る可能性や、どれくらいの金額を融資すべきかを自動的に予測するようにした。現在、この会社のアプリではエンド・ツー・エンドでObviously AIが使われており、顧客は申し込み後すぐに融資を受けられる可能性のある金額を知ることができる。

もう1つのユースケースとして、ドイツのモバイルゲーム会社では、変動料金制を導入しようとしていたが、個々のユーザーがゲーム内トークンのような商品に、どのくらいの金額を支払おうとするかを把握する必要があった。彼らはObviously AIを使って、プレイヤーのゲームへの参加状況からそれを予測している。

Obviously AIが調達したシード資金の一部は、より多くのユースケースに対応するために、機械学習の研究開発に使用される予定だ。デイヴ氏によるとObviously AIは、顧客がデータを持っていて、何を予測すべきかがわかっている教師あり学習のユースケースに焦点を当てているという。一方、教師なし学習のユースケースは、顧客がデータセットを持っているが、何を求めているのか正確にはわからない場合で、機械学習モデルを使って、データに興味深いパターンがあるかどうかを判断するものだ。教師なし学習のアルゴリズムは、eコマース・プラットフォームにおける自動分類やレコメンドエンジンなどに使われる。

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カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Obviously AIノーコード資金調達機械学習大日本印刷(DNP)

画像クレジット:Obviously AI

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(文:Catherine Shu、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

グーグルのAirTable対抗ワークトラッキングツール「Tables」がベータを卒業、Google Cloud追加へ

2020年秋、Google(グーグル)の社内インキュベーターであるArea 120は「Tables」というワークトラッキングツールを披露した。そして米国時間6月14日、同社は、Tablesが正式にArea 120を「卒業」してGoogleプロダクトの一員になり、2022年中にGoogle Cloudへ加わると発表した。

Tablesのプロジェクトは、長年のGoogle社員で今はTablesのゼネラルマネージャーであるTim Gleason(ティム・グリーソン)氏が始めた。彼はGoogleに10年間在籍しているが、それ以前から長くテクノロジー業界にいる。グリーソン氏によると、Tablesを思いついたのは彼自身、プロジェクトの追跡管理が苦手だったからだ。複数のチームが、さまざまなドキュメントに分散している複数のノートやタスクを共有して仕事を進めるが、それらのドキュメントはすぐに陳腐化してしまう。

1つのプロジェクトに関連するノートやタスクが、人間が手作業でアップデートするさまざまなドキュメントに記述されているという状態を脱してTablesでは、ボットを使ってプロジェクトのチームメンバーをガイドし管理する。例えば仕事が遅れているときには、スケジュールを調節するためのリマインダーをメールで送らなければならない。新しいフォームが届いたらチャットルームでそれを告知する。一部のタスクを他の人たちのワークキューに移動する。スケジュールが変われば、タスクをアップデートする。これらの雑多な仕事をすべてTablesで管理できるようになる。

Tablesのチームによると、それはいろいろなユースケースでソリューションになりえる。例えばプロジェクト管理はもちろんのこと、ITの運用やカスタマーサービスの追跡、CRM、求人、製品開発など、さまざまな部門で使える。

画像クレジット:Google

このサービスは2020年9月にテストを始めたが、Googleによると、たちまちファンが増えたという。

Google Cloudの最上位管理者であるAmit Zavery(アミット・ザベリー)氏によると、初期の顧客からのフィードバックは好評で、しかもいろいろなプロジェクトで利用されていた。そのことからも、今後の成長性が伺われる。しかしザベリー氏は現在の顧客数を明かしていない。

ザベリー氏によると、パンデミックもTablesの採用の動機になっているだろうという。

彼は、誰もがあわててデジタル化に取り組むようになった現状に対して「新型コロナウイルスで起きたことを見てみれば、私が話を聞いた多くの顧客たちの中でワークトラッキングが大きな関心の的になったこともよく理解できます」という。

在庫管理、ヘルスケアのサプライトラッキング、住宅ローンのワークフローなどが最も多かったユースケースだ。しかし全体としてTablesは、チームが予想した以上に多様な業界で採用された。平均的な姿としては、およそ30名から40名の部、課、事業部などがTablesを使っている。

また、他のサービスからの乗り換えではなく、これまで手作業で行ってきたことをTablesで管理するというタイプのユーザーが最も多い。

「複数の文書に細切れ状態で分散していたり、それらの文書を複数の違う人が持っていたり、という状況はとても多いものです。またそういうところが最もテクノロジーのありがたさを感じてくれます。これからは中央の1カ所に情報が構造化されて集まり、それを確認したりアップデートしながら仕事を進めればいいのです。1つのユースケースやプロジェクトが15種類のスプレッドシートに分散し、それらの構造的関係を誰も知らない、という悲惨な状況が終わるのです」とザベリー氏は説明する。

Tablesの採用が急速に進んだのは、生産性が目に見えて向上したからだ。それには、既存のデータウェアハウスやその他のサービスを統合できることも大きい。現在、TablesはOffice 365やMicrosoft Access、Googleスプレッドシート、Slack、Salesforce、BoxそしてDropboxといった既存サービスをサポートしている。

Area 120からローンチしたプロジェクトは、有料サービスはとても少ない。Tablesはその少ない中の1つで、他にはチケットを販売するFundo、会話的広告プラットフォームのAdLingo、最近GoogleがローンチしたOrion WiFiなどがある。ベータのときは1人の個人がTablesを無料で利用でき、最大100テーブル1000行まで使える。有料プランは月額10ドル(約1100円)で最大1000テーブル1万行までの予定だ。有料になると大型のアタッチメントや、多様なアクション、履歴や共有、フォーム。自動化、ビューなどの高度化がサポートされる。

ただしGoogleによると、ベータ期間の課金はいっさいない。

TablesがGoogle Cloudの正規のプロダクトになれば、Googleのノーコードアプリ構築プラットフォームであるAppSheetと統合されるだろう。こちらも無料のティアがあるので、フリーミアムとしての利用は継続できる。高度な機能を使いたい人は、有料プランにアップグレードできる。AppSheetだけをスタンドアローンで使いたい、というニーズでもOKだ。

GoogleはTablesをWorkspaceにも統合して、ユーザー数をさらに増やすつもりだ。

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それについてザベリー氏は次のように述べている。「TablesはWorkspaceにも統合するつもりです。そのとても大きなユーザーコミュニティも、Tablesのような機能を欲しがっている人たちです。そのコミュニティには、大量のSheetsユーザーもいれば、大量のDriveユーザーもいる。しかも彼らが集めるデータは膨大です。Tablesは、彼らの仕事を自動化しその体験を強化できます」。

画像クレジット:Google

現在、ノーコードでしかもデータベースをスプレッドシートベースで構築するという、企業デジタル化の1つのタイプがブームだ。Tablesは明らかに、このブームに乗ろうとしている。たとえばTablesがリリースされる数日前には、AirTableが1億8500万ドル(約203億7000万円)のシリーズDを完了した。そのときの投資前評価額は、25億8500万ドルだった。

TablesがGoogle Cloudの一員になっても、2022年に完全にCloudのプロダクトとして利用できるようになるまでは、ベータバージョンを無料で使える。Google Cloudプロダクトの正規化とともに、ユーザーはそちらへ移行することになる。

AppSheetの統合を皮切りに今後のTablesはさらに新しい機能を加えていく予定だ。だから今後必ずしも、他のプロダクトに乗り換える必要はない。また、使いやすさやモバイルのサポート、インターネット接続、バックエンドの充実などでも改善していく、と同社は言っている。

正価は未定だが、上述している現在発表されているプランと大きくは変わらないだろう。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:GoogleGoogle CloudノーコードTables

画像クレジット:Google

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

データ専門家でなくてもプロダクトアナリティクスをよりアクセシブルにするJune

プロダクトアナリティクスの専門家でなくても、分析ダッシュボードやレポートの作成が容易にできるようにしたいと考えている新しいスタートアップJuneをご紹介しよう。Juneは、Segmentデータの上に構築されている。多くのノーコードスタートアップと同様に、技術者でなくても使い始められるように、テンプレートとグラフィカルインターフェースを使用している。

共同創業者兼CEOのEnzo Avigo(エンゾ・アビゴ)氏は「現在行っているのはインスタントアナリティクスであり、そのためにSegmentの上に構築しています」と筆者に話してくれた。「それでデータへのアクセスがより迅速になります」。

Segmentは、アナリティクスのためのデータ収集とデータ保存の役割を果たす。その後、Juneでデータを操作することができる。Juneはいずれは、データソースの多様化を計画している。

「当社の長期的なビジョンは、アナリティクス分野のAirtableになることです」とアビゴ氏は語る。

Airtableをご存知の方なら、Juneは見慣れた感じがするかもしれない。同社は、ユーザーがすぐ使い始めるのに役立つテンプレートライブラリを構築している。例えばJuneでは、ユーザーリテンション、アクティブユーザー、顧客獲得ファネル、エンゲージメント、機能の使用状況などを追跡・把握することができる。

画像クレジット:June

テンプレートを選んだら、データソースとテンプレートをマッチングさせてレポートの作成を開始できる。Juneは自動的にチャートを生成し、ユーザーベースをコホートに分類し、重要なメトリックを表示する。ゴールを作成することで、何か良いことや悪いことが起こった際にSlack(スラック)でアラートを受け取ることも可能だ。

上級ユーザーであれば、チーム内の全員が同じツールを使用するようにJuneを使うこともできる。カスタムSQLクエリを作成し、そのクエリに基づいてテンプレートを構築することができるのだ。

同社はPoint Nineが主導して、185万ドル(約2億円)のシードラウンドを調達した。Y Combinator(Yコンビネータ)、Speedinvest、Kima Ventures、eFounders、Base Caseの他、複数のビジネスエンジェルも参加した。

June設立の前は、共同創業者の2人はIntercom(インターコム)に勤務していた。そこで彼らは、分析ツールが多くの人々にとって使いづらいものであることに気づいた。それゆえに(当時の顧客は)アナリティクスに基づいた意思決定を行っていなかったという。

現在何百社もの企業がJuneを利用しており、その数は毎週10%ずつ増加している。今のところ同社の製品は無料だが、将来は使用量に応じて課金する予定だ。

画像クレジット:June

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Juneノーコード資金調達データ分析

画像クレジット:Maddi Bazzocco / Unsplash(Image has been modified)

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(文:Romain Dillet、翻訳:Aya Nakazato)

マイクロソフトはGPT-3を使い自然言語でコードを書けるようにする

2021年のMicrosoft Build開発者会議には例年ほどの大きな驚きはなかったが、開発者がおそらく注目するであろう発表が1つある。Microsoftは同社のノーコード / ローコードサービスであるPower AppsでOpenAIの強力なGPT-3自然言語モデルを使って、話し言葉を最近発表されたPower Fx言語のコードに翻訳する。

しかし我を忘れてはいけない。自然言語だけを使って次のTikTokを開発しようということではないのだ。MicrosoftがやっているのはPower Appsのようなツールでローコードになっている部分の一部をなくすことであり、AIを使って基本的にノーコードのエクスペリエンスにしようともしている。現時点で主眼となっているのはPower Appsの数式で、これはもともとローコードのサービスではあるが、高度なアプリを開発しようと思ったら遅かれ早かれ何らかの数式を書かなくてはならない。

Microsoftのローコードアプリケーションプラットフォーム担当CVPであるCharles Lamanna(チャールズ・ラマンナ)氏は「このような高度なAIモデルを使うことで、まさに私たちがノーコードと呼んでいるものになり、Microsoftのローコードツールはさらに多くの人たちに使われるようになります」と述べた。

実際には、シチズンプログラマーが「find products where the name starts with ‘kids’」(「kids」で始まる名前の製品を見つける)のように書くと、Power Appsが「Filter(‘BC Orders’ Left(‘Product Name’,4)=”Kids”)」とレンダリングする。

MicrosoftはOpenAIに投資しているので、MicrosoftがこのエクスペリエンスにOpenAIのモデルを利用することに決めたのは当然だ。

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画像クレジット:Microsoft

これによってプログラミングが簡単になるが、そうはいってもユーザーは自分が開発しているアプリケーションのロジックを理解する必要があるとMicrosoft自身が強調していることは重要なポイントだ。同社は今回の発表の中で「この機能によって自分が実装しているコードを理解する必要性がなくなるわけではありませんが、プログラミング言語のPower Fxを学んでいる人を支援し、必要な結果を得るための正しい数式を選ぶ助けとなります。高度なアプリ開発へのアクセスが劇的に広がり、ローコードツールの使い方をこれまで以上に短期間でトレーニングできます」と説明している。

ExcelやPowerBI、Googleスプレッドシートなどで利用できる自然言語クエリ機能を使うのと、まったく違うというわけではない。これらも結局のところ、自然言語を数式に翻訳している。おそらくGPT-3はもう少し高度でもっと複雑なクエリを理解できるだろうが、自然言語を数式に翻訳するという点ではそれほど新しくはない。

長期的にはこのようなツールがもっと賢くなって複雑なプログラミングタスクを処理できるようになると見られる。しかし複雑なプログラミングができるようになることは、翻訳の問題よりもずっと高いステップアップだ。概して、クエリが複雑になるほどプログラムをしっかり理解することが必要だ。数式はたいてい自己完結型のステートメントだが「本物の」コードを生成できるようなモデルではもっと多くのコンテクストを処理しなくてはならない。

この新機能は、2021年6月末までに北米のユーザーに対して英語版のパブリックプレビューが公開される。


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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:MicrosoftMicrosoft BuildMicrosoft Build 2021ノーコードローコードPower Apps自然言語処理OpenAI

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Kaori Koyama)

誰でも簡単にAI分析が使えるSaaS「datagusto」が8500万円を調達、創業者「自動調理器のようなツール」

「ドリルを買う人が欲しいのは『穴』である」という格言がある。顧客にとってドリルはあくまでも手段であって、求めるものは穴(結果)ということだ。私たちは、たとえテレビやPC、スマートフォンがどんな仕組みで動いているのかを知らずとも満足に使える。その結果、それらは世界中で数十億人が利用するツールになった。

AIの分野でこれを実現しようとするのが、データを入れるだけで高度なAI分析を行うことができるSaaS型ツール「datagusto(データグスト)」だ。同製品を開発するdatagustoは、2021年5月24日、DEEPCOREEast VenturesゼロワンブースターG-STARTUPからの合計8500万円の資金調達を発表した。

専門知識なしでAIが使える

「これまで企業がAIを活用しようとすると、専門のコンサルタントに依頼したり、データサイエンティストを雇用したりするのが必要で、多大なコストがかかっていました」。そう話すのは、datagustoのCEOであるパー・麻緒氏。「昨今、AIの開発工数を短縮するためのソフトウェアはいろいろ出てきてますが、それらはあくまでもデータサイエンティストのためのツール。専門知識のないビジネスサイドの人間が使いこなすことは難しい」。

この課題を解決するため、ユーザーが専門知識をまったく持たずとも、簡単にAIを使いこなすためのツールがdatagustoだ。パー氏はこれを「具材を入れるだけで料理ができあがる、自動調理器のようなツール」と表現する。同ツールでは、あらかじめパッケージ化された分析テンプレート(同社は「レシピ」と呼ぶ)をクリックすると、誰でも簡単に「何時に荷電すれば受注できるのだろうか?」といった現場の疑問への答えを、データから導出することが可能になる。ユーザーが行うことは、datagustoにより指定されたデータをアップロードすることだけ。

先の例では、荷電時間・受注の有無・荷電先の業種・設立年・荷電担当者など、社内で過去蓄積してきたデータをコピー&ペーストでdatagustoにアップする。あるいは、SalesforceなどのCRMと連携し、自動でのアップロードも今後可能に。AIは、アップロードされた過去のデータから傾向を見出して「○時に荷電するのが最も成功確率が高い」といった形でユーザーに提示する。

datagustoの分析テンプレートは「最適な荷電時間のレコメンド」にとどまらない。「販売個数の予測」「離脱予測」「コンバージョンにつながる見込み客の予測」など、これまで社内に眠ったままだったデータをdatagustoに注入することで、業界や規模を問わず手軽にAI分析を行うことができるようになる。

画像クレジット:datagusto

AIの大衆化を実現する

一方で、datagustoにもトレードオフは存在する。同製品は誰でも簡単に使える分析テンプレートが用意されている反面、他社のAIツールと比較するとカスタマイズできる部分が少ないのだ。しかしパー氏は、その違いこそがdatagustoの強みだと話す。「誰しもが高い自由度や、最高の性能を求めているわけではないと思うんです。例えば他社のAIツールは、車でいうとフェラーリ。馬力があって何でもできるんだけど、数千万円も費用がかかって、使いこなすのが大変。一方でdatagustoは、低燃費で使い勝手が良い『AIツール界のプリウス』みたいな存在を目指しています」。

パー氏のdatagusto創業のきっかけは、アパレルバイヤーとして働く友人からの相談だった。当時、大手外資系コンサルティングファームでデータサイエンティストをしていたパー氏は、海外ラグジュアリーブランドのバイヤーを務める友人から、発注数を決める方法について尋ねられたという。「データ分析の専門知識を持たず、ツールもエクセルしか与えられていない友人にとって、その分析を自身の手で行うことは不可能でした」。一方で、毎月数百万円ものフィーが発生するコンサルサービスは、ビジネスの規模として採算が合わない。同氏は「それだったら、誰にとっても低価格で知識がなくても使えるAIツールを自分がつくろう」と考えた。

2020年4月創業のdatagustoは、同年11月にβ版をリリース。すでにリコー大和ライフネクストなどで試験導入されており、ある営業現場ではアポ率を従来の5%未満から、最大20%にまで上昇させることに成功したという。今回の調達資金をもとに製品開発をすすめ、2021年10月に正式版をリリースする予定で、提供価格は1ユーザーあたり年間10万円〜(予定)。従来のAI開発では、数百万から、大規模であれば数千万円規模の開発費用がかかっていたことを考えると、まさに「AIの大衆化」を実現するプロダクトといえるだろう。

「テレアポ1件をAIで効率化して得られる経済的利益は、微々たるものです。でもこれが数百、数千件と積み重なることで、ビジネスを抜本的に変革させる要因にもなり得ます」とパー氏は目を輝かせる。日本中のビジネスパーソンが、マニュアルを読まずともAIによるデータ分析を使いこなして意思決定を行う。彼女が目指すそんな未来の実現も、そう遠くはないかもしれない。

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カテゴリー:人工知能・AI
タグ:datagusto資金調達日本ノーコードSaaSデータ分析

企業向けノーコードツールの米国展開に向けてベルリンのBryterがさらに72.5億円調達

ノーコードスタートアップ企業が、企業の間で多くの支持を集め続けている。ノーコードを使って、従業員たち(まあ非技術者ではあるもののソフトウェアそのものは毎日利用しているような人たち)が、自分の仕事の反復的な部分を実行させるためのアプリを作っているのだ。そうした従業員たちは仕事の世界では「市民コーダー」とも呼ばれている。

ベルリンを拠点とするBryter(ブライター)は、AIを活用したノーコードの新しいスタートアップだ。これまでに約100社のグローバル企業で、約2000のビジネスアプリケーションやワークフローに利用されているプラットフォームを、構築してきたが、今回そのチャンスをさらに拡大するために、新たな資金調達を発表した。今回BryterがシリーズBとして調達したのは6600万ドル(約72億5000万円)で、この資金は、同社のプラットフォームへの投資と、2020年開設したニューヨークオフィスから始める米国全体に向けての事業拡大に充てられる。CEOで共同創業者のMichael Grupp(マイケル・グラップ)氏はインタビューの中で、今回の資金調達は、同社のツールに対する多くの需要があることを受けて行われたものだと語っている。

Micha-Manuel Bues(ミカ=マヌエル・ビュー)氏ならびにMichael Hübl(マイケル・ヒューベル)氏と、共同で会社を創業したグラップ氏は「2020年はローコード、ノーコードのプラットフォームにとってすばらしい年でした」と語る。「みんなが気づいたのは、ほとんどの人は技術に関心がないということです。人びとはユースケースにしか関心がないのです。仕事を終わらせたいだけなのですから」。彼らのサービスを使う顧客には、欧州のMcDonald’s(マクドナルド)、Telefónica(テレフォニカ)、PwC、KPMG、Deloitte(デロイト)をはじめとして銀行、ヘルスケア、そして製造業などが名を連ねる。

今回のラウンドを主導しているのはTiger Globalで、既存の投資家であるAccel、Dawn Capital、Notion Capital、Cavalry Venturesが参加し、そして数多くの個人投資家たち(たとえばDataDog CPOのAmit Agharwal(アミット・アガルワル)氏、Qilkの元CEOのLars Björk(ラーズ・ビョーク)氏、Seal Softwareの創業者でCEOのUlf Zetterberg(ウルフ・ゼッターバーグ)氏、ServiceNowの元グローバルSVPのJames Fitzgerald(ジェームズ・フィッツジェラルド)氏など)も加わっている。

AccelとDawnが共同して主導した1600万ドル(約17億6000万円)のシリーズAが行われたのは、まだ1年も経っていない2020年6月のことだった。この急速な資金調達ペースは、ノーコード / ローコード両分野への関心の高さを示すものであり(Bryterの企業顧客数はそのときの50社に比べて倍増している)、同時にこの分野のスタートアップたちが鉄は熱いうちに打とうとしていることを示している。

この分野を狙うのは1社だけではない。Airtable(エアテーブル)、Genesis(ジェネシス)、Rows(ロウズ)、Creatio(クリエシオ)、Ushur(アッシャー)など、ここ数カ月の間に資金調達を行った「非技術者のためのハンズオンテック」指向のスタートアップ企業は多い。

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自動化が、このような活動を推進する大きなトレンドとなっている。現在、ナレッジワーカーたちは、ほとんどの時間をアプリで過ごすようになっている。これはパンデミック以前から進んでいた状況だが、パンデミックの中でさらに進んでいる。そうした作業の中には、人の手による作業や評価が必要なものもあるが、ソフトウェアによってそれらの作業の大部分が自動化されてきている。

UiPath(UIパス)、Automation Anywhere(オートメーション・エニウェア)、Blue Prism(ブルー・プリズム)などの企業が大きな役割を果たしているRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は、そうした活動の大きな部分を占めている。特にフォームの読み取りや大量のデータ入力に関しては顕著だ。しかし、RPAが一般的に使用されていない(少なくとも「まだ」使用されていない)、特定のアプリ内での多くの処理や活動が残されている。そしてそういう場所こそが、技術者ではない人たちが、Bryterのようなノーコードツールが非常に有用な役割を果たしてくれることに気づいている場所なのだ。そうしたノーコードツールは、人工知能を利用して、よりパーソナライズされ、しかも拡張性のある自動化を実現してくれる。

「多くのケースで、私たちはRPAのさらに上にサービスを提供しています」とグラップ氏はいう。

同社のプラットフォームが導入されている分野は、コンプライアンス、法務、税務、プライバシーとセキュリティ、調達、管理、人事などで、そこにバーチャルアシスタント、チャットボット、インタラクティブなセルフサービスツールなどが組み込まれているという。これらは人間に代わるものではないが、情報を処理するための特定の作業に必要な人間の時間を削減してくれる。

そのスケーラビリティの高さと、技術的なアーリーアダプターを超えて急速に顧客を獲得できたことが、今回の資金調達の理由だ。Tiger GlobalのパートナーであるJohn Curtius(ジョン・クルティウス)氏はこう語る「Bryterは、顧客の真の痛みを解決できる高品質の製品、大きな市場機会、世界クラスの創業チームなど、一流のソフトウェア企業の特徴をすべて備えています。私たちの調査によれば、Bryter社の顧客からのフィードバックは圧倒的に肯定的なものでした。今後数年間で同社が新たな高みに到達することを期待しています」。

Dawn CapitalのパートナーであるEvgenia Plotnikova(エブガニア・プロットニコバ)氏はこう付け加える「Bryterは2020年爆発的な成長を遂げ、多くの分野やユースケースですばらしい顧客を獲得しました。しかし、これは驚きではありません。パンデミックの影響を受けた世界では、デジタル化は『あれば便利』なものではなく、もはや『必要不可欠』なものなのです」。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Bryterベルリンノーコード資金調達ドイツRPA

画像クレジット:gilaxia / Getty Images

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:sako)

名古屋大学発AIスタートアップのトライエッティングが3.5億円を調達、東急不動産HDと業務提携

名古屋大学発AIスタートアップのトライエッティングが3.5億円を調達、東急不動産HDと業務提携

名古屋大学発AIスタートアップのトライエッティング(TRYETING)は3月30日、第三者割当増資およびデットファイナンス(借入金)による総額約3億5000万円の資金調達を発表した。引受先は、東急不動産ホールディングス(東急不動産HD)が取り組むTFHD Open Innovation Program、エンジェル投資家。デットファイナンスは三菱UFJ銀行から。

また、東急不動産HDグループのDX推進および新規事業創出を目的に、東急不動産HDと業務提携を行ったと発表した。

2016年6月設立のトライエッティングは、多種多様なアルゴリズムを搭載するノーコードAIクラウド「UMWELT」を主とした「知能作業」を自動化する名古屋大学発AIスタートアップ。また自動シフト作成AIクラウド「HRBEST」はじめ、AIを活用した需要予測、在庫生産管理、マテリアルズインフォマティクスなどでも実績を持つという。

東急不動産HDとの業務提携については、UMWELTを活用することで、同グループの様々な業務のDX化およびグループの幅広い事業領域へのAI活用による新規事業創出を目指す。

TFHD Open Innovation Programは、東急不動産HDがベンチャー企業やスタートアップへの支援や協業の体制を充実させ、新たなグループシナジーの創出と渋谷を中心とした街の活性化を加速するために2017年に設立したプログラム。

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カテゴリー:人工知能・AI
タグ:資金調達(用語)トライエッティング(企業)名古屋大学(組織)ノーコード(用語)日本(国・地域)

ノーコードビジネスインテリジェンスサービスのy42が3.2億円のシードラウンドを実施

ベルリンを拠点とするy42(旧称Datos Intelligence)が、現地時間3月22日、La Famiglia VCが主導する290万ドル(約3億2000万円)のシード資金調達を行ったことを発表した。y42はデータウェアハウスを中心としたビジネスインテリジェンスサービスを提供しており、企業がエンタープライズレベルのデータに、表計算ソフトのような手軽さでアクセスできるようすると約束する企業だ。同時に、Foodspring(フードスプリング)、Personio(パーソニオ)、Petlab(ペタラブ)の共同創業者たちも出資している。

2020年に創業されたこのサービスは、100種類以上のデータソースを統合しており、Airtable(エアテーブル)からShopify(ショッピファイ)、Zendesk(ゼンデスク)といった標準的なB2B SaaSツールや、Google(グーグル)のBigQuery(ビッグクエリー)などのデータベースサービスを網羅している。ユーザーは、こうしたデータを変換して視覚化し、データパイプラインを編成し、そのデータに基づいて自動化されたワークフローを起動することができる(売上が下がったときにSlackで通知を送ったり、独自の基準に基づいて顧客にメールを送ったりするといった用途を想像して欲しい)。

類似のスタートアップ企業と同じように、y42は従来分析のために使用されていたデータウェアハウスのコンセプトを拡張し、企業によるそうしたデータの活用を支援する。このサービスの中核は多くのオープンソースで構成されており、例えば同社はGitLabs(ギットラブ)のデータパイプライン構築用プラットフォームMeltano(メルタノ)の開発に貢献している。

y42の創業者でCEOのフン・ダン氏

y42の創業者でCEOのHung Dang(フン・ダン)氏は「私たちは、最高のオープンソースソフトウェアを採用しています。本当に達成したいのは、本当にわかりやすくて、誰もが効率的にデータを扱うことができるツールを作ることなのです」と語る。「私たちは非常にUXにこだわっていますし、自分たちをノーコード / ローコードのBIツールと表現していますが、私たちのサービスはエンタープライズレベルのデータスタックのパワーとGoogle Sheetsのシンプルさを兼ね備えています」。

ベトナム出身のダン氏は、y42以前に、10カ国以上で事業を展開する大手イベント会社を共同創業し、数百万ドル(数億円)規模の売上を達成した(ただし、利益率は非常に低いものだった)が、同時にビジネス分析に的を絞った自身の研究を進めていた。その結果、B2Bデータ分析に特化した2社目の会社を創業することになったのだ。

画像クレジット:y42

彼によれば、イベント会社を創業した際にも、常に製品やデータを重視していたという。「お客様の声を収集し、業務データと統合するためにデータパイプラインを構築していましたが、当時は本当に苦労していました」と彼はいう。「Tableau(タブロー)やAlteryx(アルテリックス)などのツールを使っていたのですが、それらを組み合わせるのはとても難しく、しかもとても高価でした。そこで、その欲求不満から、かなり使える社内ツールを開発し、2016年にはそれを使って、実際の会社を起業することにしたのです」。

彼はその後、その会社をドイツの大手上場企業に売却した。この取引の詳細についてはNDAによって彼から聞き出すことはできなかったが、彼がy42を設立する前にはEventim(イベンティム)に在籍していたという事実から、なんらかの想像は可能だろう。

こうした彼の経歴を考えれば、y42がデータエンジニアの生活を便利にすると同時に、ビジネスアナリストにプラットフォームのパワーを提供することに重点を置いているのは当然のことかも知れない。ダン氏は、y42が新規顧客を獲得した際には、通常コンサルティングを提供しているが、それは顧客が素早いスタートを切ることができるようにするためだという。製品の持つノーコード / ローコードの性質によって、ほとんどのアナリストたちはすぐに使い始めることができる。また、より複雑なクエリの場合には、グラフィカルなインターフェースからy42のローコードレベルに降りて、サービスが提供するSQLの方言でクエリを書くこともできる。

このサービス自体はGoogle Cloud(グーグル・クラウド)上で動作しており、25人のチームが顧客のために1日あたり約5万件のジョブを管理している。現在同社の顧客には、LifeMD(ライフMD)、Petlab(ペットラブ)、Everdrop(エバードロップ)などがいる。

今回の資金調達を行うまでは、ダン氏は自己資金とエンジェル投資家からのある程度の資金で会社を運営していた。しかし、スタートアップ企業と伝統的な企業を結びつけることに特に重点を置いているLa Famiglia VCが、自社をy42にふさわしいと判断した。

LaFamiglia VCのゼネラルパートナーであるJudith Dada(ジュディス・ダダ)氏は「最初に製品デモを見たとき、その優れた分析能力に加えて、y42プラットフォーム上で多くの製品開発が行われていることに驚かされました」と語る。「ますます多くのデータを扱わなければならなくなった結果、組織内のデータサイロが増え、混沌と不正確なデータにつながっています。y42は、データの専門家であるかそうでない人かを問わず、強力な真の単一情報源を提供してくれるのです。昔データサイエンティストやアナリストだった身としては、その頃y42の機能があればよかったのにと思っています」。

ダン氏は、もっと資金を集めることもできたが、この時点ではチームの出資比率をあまり下げたくないと考えたのだと語る。「小さなラウンドですが、このラウンドによって正しい体制を整えざるを得ません。2021年末に予定しているシリーズAでは、10倍の次元の話を進めています」。

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タグ:y42ノーコードローコードドイツ資金調達

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:sako)

企業向けノーコードAIプラットフォームのNoogataがシードラウンドで約13億円を調達

米国時間3月16日、企業向けノーコードAIソリューションを提供する2019年創業のNoogataが、シードラウンドで1200万ドル(約13億円)を調達したと発表した。このラウンドを主導したのはTeam8で、Skylake Capitalが参加した。NoogataはColgateやPepsiCoなどの企業に利用されている。Noogataは現在、eコマース、小売、金融サービスを対象としているが、今回調達した資金で製品開発を推進し新たな業界に拡大したいとしている。

Noogataのプラットフォームでは、事前にほとんどが設計されたAI構築用ブロックが提供され、企業のデータウェアハウス、SalesforceやStripeなどのデータソースといった他社ツールに接続できる。例えばeコマースの販売業者はNoogataプラットフォームからの提案で価格設定を最適化でき、実店舗ではある店舗にどのような品揃えをするかの計画を立てるのに役立つだろう。

画像クレジット:Noogata

Noogataの共同創業者でCEOのAssaf Egozi(アサフ・エゴジ)氏は次のように語る。「データチームはデジタルトランスフォーメーションの中心であり、影響力を持つにはデータチームがデータの価値を自由に利用できることが必要だと確信を持っています。信頼性が高く最新で、関連性があり継続的で説明可能なインサイトや予測にアクセスできなくてはなりません。Noogataは、企業のデータ環境とシームレスに統合してアクション可能なインサイトや予測、提案を生成する、状況に対応できるビジネス向けブロックを提供して、データの価値の可能性を広げます。ユーザーはセルフサービスの分析やデータソリューションでAIを活用して、従来のビジネスインテリジェンスをはるかに超えることができます」。

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最近、この分野のスタートアップが多すぎるほどであることは明らかだ。データの急増、そしてデータウェアハウスの利用により、企業は機械学習ベースで予測をするためのデータを得られるようになった。しかし、人材が足りないことも多い。予測モデルをゼロから作れるデータサイエンティストや開発者が不足しているため、この分野でノーコードやローコードのサービスを構築するスタートアップが増えるのは当然と言えるだろう。例えば資金を潤沢に調達しているAbacus.aiは、Noogataとほぼ同じ市場を対象としている。

Team8のマネージングパートナーであるYuval Shachar(ユバル・シャハー)氏は「Noogataは意思決定のためにクラス最高のノーコードデータ分析プラットフォームを求める巨大な市場のニーズに対応する上で申し分ない位置にいます。同社の革新的なプラットフォームにより、複雑でコストのかかる社内開発や限界のある既製のベンダーソリューションの必要はなくなります。AIを利用してデータの価値を自由に利用できるようにする同社の手腕はゲームチェンジャーです。しかも創業チームは優秀で、私はNoogataが大成功を収めることは間違いないと思っています」と述べている。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Noogata資金調達ノーコード

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Kaori Koyama)

ServiceNowがノーコードワークフローの構築を支援する新機能を追加

今回のパンデミックを乗り切る中で、企業にはトレンドを再考し、加速する必要が生まれている。そのようなトレンドの1つが、各部門のユーザーがエンジニアリングの支援なしで、アプリやワークフローを作成できるようにするノーコードツールへの移行だ。その要求に応えるために、ServiceNow(サービスナウ)が米国時間3月11日、最新リリースの一部として、いくつかの新ツールをリリースした。

ServiceNowのチーフイノベーションオフィサーであるDave Wright(デイブ・ライト)氏は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、多くのチームが分散して作業することを余儀なくされ、その結果、ソフトウェア構築をすべての従業員の手に委ねるというアイデアへと進んだのだと語る。

ライト氏は「このような状況なので、みなさんはこれまでと同じサポートネットワークを持っておらず、分散しているので、普通の人が簡単に使えるレベルのソフトウェアを作成できるようにする必要があります。そして、それを実現できれば、みなさんにシステムを使用してもらうことができます。みなさんにシステムを使用してもらうことで、従業員の方々の生産性とエンゲージメントが向上し始めるのです」と説明する。

この話は、これまでは特にServiceNowプラットフォームが重点を置いている3つの主要な領域(カスタマーサービス、IT、HR)を中心に展開されてきたが、これら3つのカテゴリから踏み出すために、同社は従業員が自分のニーズに合った新しいワークフローを構築するのを支援できるCreator Workflows(クリエイター・ワークフローズ)と呼ばれる新しい分野を開発することを決定した。

同社はこのCreatorを支えるために、AppEngine Studio (アップエンジンスタジオ)とAppEngine Templates(アップエンジンテンプレート)という2つの新しいツールを開発した。これらは、組織全体で人びとが作業する場所を問わず、ノーコードワークフローの構築を支援するために連携して働くものだ。

AppEngine Studioは、ユーザーが自分にとって役立つワークフローを構築するために、必要なコンポーネントをドラッグアンドドロップすることができるメインの開発環境を提供する。AppEngine Templatesは、いくつかの共通タスクのフレームワークを提供することによって、その使いやすさをさらに一歩進める。

今回の新しいリリースには最近買収したLoom Systems(ルーム・システム)とAttivio(アティビオ)の製品も取り込まれている、同社はAttivioを取り込んで、AI Search(AIサーチ)という名のプラットフォーム全体の検索ツールとして再利用している。

「これにより、状況に応じた、普通の人が使いやすい結果を提供することができます。つまり、検索から得られた結果をパーソナライズして、より関連性が高く、実用上価値の高い情報に的を絞った結果を提供できるようになるのです」と彼は述べている。

彼らが買収したもう1つの企業であるLoom Systemsは、ServiceNowにAIOps(AIオプス)コンポーネントと、それを用いてプラットフォーム全体にAIを注入する能力を提供する。買収前にはLoomのCEOで共同創業者だったGab Menachem(ガブ・メナヘム)氏は、ServiceNowの一部になるプロセスは順調に進んでいるという。

「この分野のベンダーは、気がつくとお客様に科学プロジェクトを提供しているような気がします。ServiceNowにおける、2021年の焦点は(Loomを)ワークフローに組み込み、ワークフローを自然なものにすることでした。これにより、働く人たちの生産性が向上し、エンゲージメントが高くなるでしょう。それこそが私たちが焦点を当てていることで、それは私たちのすべてのお客様にとても喜んで貰えましたので、大企業への移行は本当に良いことだったと思います」とメナヘム氏はいう。

この新しいツールは、すでに利用可能だ。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:ServiceNowノーコード人工知能

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(文:Ron Miller、翻訳:sako)

ノーコードの自動化ツールZapierがノーコード教育サービスとコミュニティのMakerpadを初めての企業買収で合併

ノーコードの自動化ツールで知られるZapier(ザピアー)は、ノーコード教育サービスとコミュニティのMakerpad(メイカーパッド)を買収した。取り引きの条件については公表されていない。

TechCrunchでは、その誕生以来ずっとZapierを追いかけてきた。2012年の最初にして唯一の資金調達であった、BessemerやDFJが参加した120万ドル(約1億3000万円)のラウンドもそうだ。それ以来、同社はサービスに高額なプランを追加し、チーム作業向けの機能を構築し、最近ではリモートのみで運用するチームの拡大についてExtra Crunchに語っている。

米国時間3月8日にTechCrunchが行ったインタビューで、ZapierのCEOであるWade Foster(ウェイド・フォスター)氏は、現在同社には400人の従業員が在籍し、2020年夏には、ARR(年間経常収益)が1億ドル(約10億9000万円)のラインを超えたと話した。

Makerpadの合併は、同社にとって初めての企業買収だ。TechCrunchはMakerpadの創設者であるBen Tossell(ベン・トッセル)氏に今回の取り引きの構成について尋ねたところ、新たな親会社の下で「スタンドアローン」部門として運営することになると電子メールで答えてくれた。

今回の取り引きでは、この小さなスタートアップが契約前から取り組んできた事業をひっくり返すようなことは想定されていないようだ。トッセル氏は「Makerpadの究極のビジョンは、できるだけ多くの人に、コードを書かずにソフトウェアが構築できる力を教えること」だ話している。

フォスター氏は、その方向性に異議はないようだ。編集ガイドラインには沿ってもらうが、大幅な独立性をMakerpadには与えるつもりだとTechCrunchに語った。

TechCrunchはトッセル氏に、会社の売却がなぜ今なのかを尋ねた。すると彼は、合併することで、単独では成し得ないノーコードの世界の拡大が可能になるからだと答えた。しかもこの取り引きなら「ベンチャー投資などの別の方法」に比べて「頭を悩ませずに済む」からだとも話していた。

今回の買収は、たった1つのツイートから始まったとも言える。このツイートだ(訳注:Makerpadの会員が最も多く使っているツールの1位がAirtableで2位がZapireというツイートに対するWalter Chen[ウォルター・チェン]氏のリツイート。AirtableとZapierがMakerpadの中心的ユーティリティーになるとチェン氏は話している)。トッセル氏によれば、これを読んだZapierのCEOから接触があり、話が進んで契約に至ったという。フォスター氏は、電話取材の中でこの話を膨らませてくれた。彼はずっと前からトッセル氏の仕事に注目していて、以前にも夕食をともにしたことがあったそうだ。このツイートは彼のSlack(スラック)に場所を変え、トッセル氏とつながると、一気に契約まで進んだという。

両社とも、最近の四半期で急速な成長を遂げている。フォスター氏は、新型コロナ後の世界でスモールビジネスの同社のサービスへの依存度が次第に高まっていることについて詳しく説明してくれた。パンデミックに襲われた後、Zapierには中小企業からの力強い引き合いがあったという。デジタル変革が加速する中、その傾向はしばらく勢いを保つだろう。トッセル氏がTechCrunchに話したところによれば、ノーコードはすでに「想像以上に大きく成長している」とのこと。彼の会社では、ユーザー数は2020年だけでも4倍に増えた。

Zapierは、ノーコードワールドともいえるこの広範なテック系製品の一帯の中で、最も大きな成功を収めた企業だろう。それが現在、コミュニティを引き寄せ、同社サービスにユーザーを直接招き入れることが可能になるだろう。また、おそらく間接的にも、ノーコーダーの集団を時間とともに大きくしていくはずだ。

ここ数カ月間、ノーコード分野は活気に満ちている。その兄弟であるニッチ市場のローコード分野も同じだ。ローコードでは9桁のラウンドも現れている。一部の企業では、ローコードで社内用ソフトウェアを迅速に開発できるようにもなった。ノーコードも、Zapierの9桁の収益に見られるように、独自の成功を収めている。

関連記事:ローコードに注力するOutSystemsが1兆円の評価額で158.8億円を調達

今後の買収についてTechCrunchが尋ねると、フォスター氏は、ドアを閉ざすことはないが、同時に大きく開くわけでもないと、中立的な立場を示した。SPACの可能性を尋ねると、フォスター氏の答えはやや明確になった。「ノー」だ。

この数カ月間で、ノーコード界の重要人物ローコード界の企業創設者と投資家に話を聞いてきた結果として、さらに大きなビジネス市場が、ローコードサービスと、ノーコードツールをいち早く採り入れた小さな企業の周辺に近づいて来るのは確かなようだ。ローコードツールが次第にコーディングから独立し、ノーコードツールの機能性が高まると、この2つの兄弟カテゴリーは融合することになるだろう。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Zapierノーコード買収

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:金井哲夫)

ビジネスアプリのフロントエンド設計を簡単にするKleeenが約4億円を調達

ビジネスアプリケーションのフロントエンド構築は車輪の再発明、つまりすでに存在する技術をまた作ってしまう作業であることが多いが、企業によってニーズがそれぞれ少しずつ異なるため自動化が難しい部分でもある。Kleeenはこの問題を解決しようとする新しいスタートアップで、最近のデータセントリックなアプリケーションに適したユーザーインターフェイスとエクスペリエンスの構築に取り組んでいる。かつてベイエリアでUI / UXスタジオを営んでいたチームが始めたこのサービスを利用すると、ウィザードのようなインターフェイスでアプリの定型的なエレメントを作り、企業のデザイナーや開発者はアプリのカスタムエレメントに集中できる。

米国時間2月23日、KleeenはFirst Ray Venture Partnersが主導するシードラウンドで380万ドル(約4億円)を調達したと発表した。Leslie Ventures、Silicon Valley Data Capital、WestWave Capital、Neotribe Ventures、AI Fund、エンジェル投資家グループもこのラウンドに参加した。Neotribeは150万ドル(約1億5800万円)のプレシードラウンドを主導しており、Kleeenのこれまでの調達金額は530万ドル(約5億5800万円)となった。

画像クレジット:Kleeen

Kleeenの共同創業者でCPO兼プレジデントのJoshua Hailpern(ジョシュア・ハイルパン)氏は筆者に対し、自分が働いていたスタートアップが売却された後にフロントエンドの設計とエンジニアリングに特化したB2Bのデザインスタジオを立ち上げたと述べた。

同氏はこう語る。「何度も同じパターンの繰り返しだと気づきました。顧客のところに行くと『史上最高のアイデアがあるんだ。これとこれとこれをしたい』と言われます。そのようなクールなことをたくさん聞かされ、我々は『そのお手伝いをさせてください』と答えます。しかしその後、結局そうはなりません。プロダクトを作る際に、プロダクトのショーケースがあり、そのプロダクトをサポートするのに必要なパーツがすべて揃っていても、誰かが設定画面を気に入ったからといってそれで契約を取れるわけではないのです」。

何をしようとしているか、ユーザーにとって何が必要かをシステムに伝えられるようにするというのがKleeenの考え方だ。結局、企業が基本的な構成要素に求めることは、多少の違いはあるものの、大きな違いはない。必要なことをシステムに伝えるとKleeenがユーザーインターフェイスとワークフローを生成し、このモックアップを動かすためのサンプルデータも生成する。

おそらく数回反復した後にこの作業が完了すると、KleeenがReactのコードを生成し、開発チームはこのコードを直接扱えるようになる。

画像クレジット:Kleeen

Kleeenの共同創業者でCEOのMatt Fox(マット・フォックス)氏は、同社のプラットフォームをすべての人が何でもできるものにするつもりはないという。

フォックス氏は「ノーコードの分野であらゆるユースケースをカバーしようとする場合、どんなアプリでも作れるということはおそらく優れたアプリは作れないということです。マッチングアプリのBumbleのように左右にスワイプして次の相手を見つけるアプリを作りたい人にとって、我々のアプリケーションプラットフォームは向いていません。我々はデータを集約するワークフローに的を絞っています」と語る。同氏は、情報の分析や監視、そして重要なこととしてその情報に対してアクションを起こすアプリを開発する際にはKleeenが最適だと強調した。アクションを起こすという部分が、一般的なビジネスインテリジェンスプラットフォームとの明確な違いでもある。

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タグ:Kleeen資金調達ノーコード

画像クレジット:Kleeen

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Kaori Koyama)

コード不要でさまざまなeコマースツールを利用可能にするPipe17が約8.5億円調達

eコマース(電子商取引)市場に焦点を当てたソフトウェアを手がけるスタートアップのPipe17は、800万ドル(約8億4600万円)の資金調達を終えたと米国時間2月18日朝に発表した。

Pipe17のサービスは、小規模なeコマース事業者が、コードを書かずにデジタルツールを導入するのに役立つ。このスタートアップのサービスを利用することで、社内にIT機能がないeコマース業者でも、同社の販売プラットフォームを利用して発送したり、POSデータとERPを連携させることが、すぐにできるようになる。

大手物流不動産会社GLPのベンチャー部門であるGLP Capital Partners(GLPキャピタル・パートナーズ)が、この資金調達ラウンドを主導した。

Pipe17の共同設立者であるMo Afshar(モハマド・アフシャール)氏とDave Shaffer(デイヴ・シェーファー)氏が、TechCrunchのインタビューで語った話によると、彼らのスタートアップのアイデアは、eコマース市場を調査したところ、販売プラットフォームに関わる意欲に対し、電子商取引ツールを連携させるためのソフトウェアが比較的不足していることに気づいたところからきているという。Shopify(ショッピファイ)やBigCommerce(ビッグコマース)、Shippo(シッポ)などは優れたプラットフォームだが、eコマース運営の勢いを維持するためには、自社でコードを書くことができなければ、結局はデータをすべて、1つのプラットフォームから別のプラットフォームへ移動させなければならない。そのギャップを埋めるために、彼らはPipe17を開発した。

アフシャール氏によると、Pipe17は接続というレンズを通して、eコマース業者の運営を簡素化したいと考えているという。2人の共同設立者は、簡単な相互互換性こそが、現代のeコマースのソフトウェアに欠けている重要な要素だと考えており、現在のeコマース市場をSplunk(スプランク)やDatadog(データドッグ)が登場する以前のITやデータセンターの世界になぞらえている。

問題を解決するためには別のアプリケーションを購入しなければならないというのが、eコマース業界における一般的な認識だと、共同設立者は説明する。Pipe17は、ほとんどのeコマース企業はおそらく十分なツールを持っているが、それらの既存のツールをコミュニケーションさせる必要があると考えている。

このスタートアップの巧妙なところは、我々がノーコード・ローコードと呼ぶもの、あるいはより高度なノーコードというべきものを構築していることだ。開発者ではない人に、異なるソフトウェアサービス間の接続を視覚的にマッピングするためのインターフェースを提供するのではなく、マッピングする必要がありそうなものをあらかじめ構築するのだ。リンクさせたい2つのeコマースサービスを選ぶだけで、Pipe17はインテリジェントな方法でそれらを接続してくれる。コーディングが苦手な人にとって(おそらく多くの小規模オンラインストア運営者がそうだろう)、これは魅力的なセールスポイントになるだろう。

このスタートアップの顧客ターゲットは、年間売上高が数百万ドルから数億ドル(数億円から数百億円)の販売業者だ。

なぜPipe17は今になって資本を調達したのだろうか?2人の共同設立者は、Plaid(プレイド)やTwilio(トゥイリオ)がそれぞれのニッチで行ったのと同じように、大きな市場を単純化するチャンスは限られているため、今資金を調達することは理に適っていると述べている。アフシャール氏の見解によれば、eコマースの運営はまさに大規模化が進んでいるというが、2020年見られたデジタル販売の成長を考えると、これは議論の余地がない展望だ。

関連記事:新型コロナパンデミックで米国におけるeコマースへのシフトが5年分加速

Pipe17が埋めようとしているニッチには、複数のプレイヤーが存在する。各企業がどれだけ競合するかについては異論があるかもしれないが、Y Combinator(Yコンビネーター)の支援を受けたAlloy(アロイ)は最近、ノーコードのeコマース自動化サービスを構築するために400万ドル(約4億2300万円)の資金を調達した。これはPipe17がやっていることに関わりがある。もし彼らが競争に巻き込まれたら、果たしてどこがトップに立つだろうか。それを見るのは興味深いことになるだろう。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Pipe17eコマースノーコード資金調達

画像クレジット:Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ローコードに注力するOutSystemsが1兆円の評価額で158.8億円を調達

米国時間2月17日、ローコードアプリ開発サービスのOutSystems(アウトシステムズ)が1億5000万ドル(約158億8000万円)の新規資金を調達したと発表した。このラウンドは、Abdiel CapitalとTiger Globalが主導した。注目すべきは、このポルトガルと米国を拠点とするソフトウェア企業にとって、今回のものが最大の資金調達イベントではないことだ。TechCrunchは、OutSystemsが2018年に行った3億6000万ドル(約381億1000万円)のラウンドを取材している。

関連記事:ポルトガルの超高速開発ツールOutSystemsが、KKRならびにゴールドマンサックスから3億6000万ドルを調達

OutSystemsは2001年に設立され、TechCrunchが取り上げているほとんどの会社よりも古い企業だが、今でも非公開企業のままだ。そして同社も、多くのスタートアップ企業と同様に、企業の規模を問わず加速するデジタルトランスフォーメーションの追い風を受けているように見える。

今回OutSystemsは、95億ドル(約1兆円)の評価額の下に、1億5000万ドル(約158億8000万円)相当の自社株をで売却することで、約1.6%の自社株を手放した。もし投資家たちが、同社の将来の業績に確信を抱いていないのならば、こんなわずかな株式をこんな値段で買おうとは思わないだろう。

新たな資金はOutSystemsをIPOに向かう軌道に乗せたと思われるが、同社は上場に関する計画を私たちと話すことを拒んだ。それは思ったよりも早く行われるかもしれない。今回のラウンドはPre-IPO投資の匂いがするし、OutSystemsはその新しい資金調達についての説明の中で、TechCrunchに対してそのモデルを「効率的」だと主張した。最悪でも現金消費は適度に行われていることを示唆している。

TechCrunchは同社に対して、新しい資本を、どのように市場展開(Go-to-market、GTM)と製品開発(R&D)に振り分けるつもりなのかと質問した。OutSystemsのCEOであるPaulo Rosado(パウロ・ロサド)氏は、今回の発表の前の時点ですでに、TechCrunchに対するメールの中で、OutSystemsが「R&DとGTMの両方を着実に増強している」、つまり「成長のための投資をしている」と語っていた。同社は引き続き「効率的な方法で拡大することに注力している」とCEOはつけ加えた。

OutSystemsはローコードアプリ開発に取り組んでいる。これはノーコードプロジェクトに焦点を当てたスタートアップやより成熟した非公開企業たちのやり方とは対照的だ。ノーコードツールにはコードは含まれないが、ローコードサービスには、ビジュアルプログラミングインターフェースとともにある程度のコーディング作業がともなう。

2020年後半に行われたロサド氏へのインタビューでは、彼はTechCrunchに対してノーコードとローコードの違いを、複雑さ(過酷な社内ワークフローに取り組む能力)と拡張性(適応できる能力)の違いとして説明した。

OutSystemsの見解では、ローコードの方が、重要な企業アプリを作成するのには単純に適しているのだ。CEOの説明はこのようなものだ。

ローコードの方がノーコードよりも劣っているわけではありません。ほとんどのノーコードツールがそうなのですが、ノーコードがカバーできる範囲がとても狭い場合には、ビジュアルで行えることを超えた変更要求が出た瞬間に、そこでおしまいになってしまいます。そのときお客様へは「私たちにはできません」とお答えするしかありません。

それがローコードでは解決可能になるのです。もちろん、それはコードで実現しなければなりません。先に進んでコードを追加し、そのコードがノーコードで作られた部分に組み込まれるのです。つまり、ローコードとは、コードに飛び込むこともできるノーコードの能力を意味しているのです。

ノーコードファンはおそらく、使っているツールのコード回避能力が向上すれば、ロサド氏が語るような開発におけるコード必須部分は減少すると主張するだろう。とはいえ、最近の資金調達を見る限り、OutSystemsの市場へのアプローチはうまくいっているように見える。

ラウンドの話に戻って、TechCrunchは、競争力と完全性の両方の意味でのOutSystemsの市場での位置をよりよく理解するために、顧客からのプライシング要求における相対的な強みについてCEOに質問を行った。これに対して彼は、OutSystemsの価格モデルは通常見られるSaaSの価格体系とは異なり「プラットフォームの利用率に基づいています」と答えた。私たちはそれに文句をつけることもできるだろう、何しろ同システムの低価格で行える範囲は狭いのだ、だがOutSystemsが従来のSaaSよりも利用率に重点を置いている点は、Salesforceが開拓したものよりもオンデマンドソフトウェアをより強く思い出させる。最近のSaaS市場で見られる変化を考えると、これは心にとどめておく価値のある違いだと思う。

最後に、OutSystems社が新たな資金を得て挑戦しているローコード市場は、どれほど魅力があるのだろうか?同社CEOによれば、彼らの主な競争相手は、他のスタートアップではなく、「経済が停滞すること」だと語る。これはNetflixがHBOではなく「睡眠」と競合しているのと少し似ている。

TechCrunchは、ノーコードとローコードを長期にわたってカバーしてきた。たとえばOutSystemsの2016年に行われた、5500万ドル(約58億2000万円)のラウンドも取り上げている。最近では、それがノーコードであろうとローコードであろうと、企業向けアプリの需要が加速しているように見える。ここ4~6四半期で、低コード市場のスタートアップたちへの一貫して高い需要がTechCrunchの耳には聞こえている

今のこの状況が、OutSystemsの公開に十分なものかを注視して行きたい。

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:sako)