旅先地域の困りごとを手伝い報酬・寝床・食事を獲得できるマッチングサービス「おてつたび」が資金調達

旅先地域の困りごとを手伝い報酬・寝床・食事を獲得できるマッチングサービス「おてつたび」が資金調達

マッチングプラットフォーム「おてつたび」を運営するおてつたびは12月25日、プレシリーズAにおいて、第三者割当増資による資金調達を発表した。引受先は、リードインベスターのNOW(Founder Foundry 1号投資事業有限責任組合)、栖峰投資ワークス(イノベーションディスカバリー1号投資事業有限責任組合)、地域創生ソリューション(ALL-JAPAN観光立国ファンド投資事業有限責任組合)、kemuri ventures(食の未来1号投資事業有限責任組合)、第一勧業信用組合、フューチャーベンチャーキャピタル(かんしん未来第2号投資事業有限責任組合)、小林俊仁氏。

おてつたびは、旅先における地域の困りごと(人手不足など)をお手伝いすればするほど旅費がリーズナブルになるというサービス。調達した資金により、今後のWITH/AFTERコロナを見据えサービスの拡大および機能追加を積極的に行う。

旅先地域の困りごとを手伝い報酬・寝床・食事を獲得できるマッチングサービス「おてつたび」が資金調達

おてつたびは、日本各地の素敵な地域へ行く人が増えてほしいという想いから生まれたサービスであり、収穫時の農家やハイシーズン時の宿泊施設はじめ地域の人手不足などの困りごとをお手伝いする事で報酬を得ながら旅行をすることが可能になるという。

行きたかった地域に旅行する際ボトルネックになりがちな旅費を軽減できることを特徴としており、旅行者が自分のスキルや得意分野を活かせるとしている。

また、お手伝いを通じて地域の方と関係性を作り、再び同じ地域へ訪れる旅行者も全体の6割と非常に高くなっており、関係人口拡大の一助を担っているという。引き続き人手不足を人と人との出逢いに変え、地域の関係人口(ファン)創りに努めるとしている。

「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域や地域の人々と多様に関わる人々のことを指す(総務省「関係人口ポータルサイト」)。

旅先地域の困りごとを手伝い報酬・寝床・食事を獲得できるマッチングサービス「おてつたび」が資金調達

おてつたびは、「日本各地にある本当にいい人、いいもの、いい地域がしっかり評価される世界を創る」をビジョンに「誰かにとっての”特別な地域”を創出する」をミッションに立ち上げたHR×トラベルテックのスタートアップ企業。現在、おてつたびに登録する旅行者は広告宣伝費を一切かけずに口コミ中心に拡大しており、受入先である農家や旅館といった地域の事業者も全国の自治体や農協、ANAや小田急電鉄、JTBなどの大手企業と連携しながら44道府県まで拡大した。

新型コロナウィルスの影響を受け、短期的には地域へ移動がしにくい状況が続いたものの、東京は4ヵ月連続で転出者が多い転出超過年になっており、地域への注目度は今後益々拡がっていくと考えているとした。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:おてつたび資金調達(用語)マッチングサービス日本(国・地域)

質問ベースで弁護士とスタートアップをマッチングする「ATTIVITA」公開

弁護士を探すためのオンラインサービスといえば、今や老舗となった「弁護士ドットコム」や、トラブル種別に合った弁護士に相談できる「カケコム」など、既にいくつかのサービスが提供されている。そんな中、10月15日に正式リリースされた「ATTIVITA(アッティヴィタ)」は、企業、特に立ち上げから間もないスタートアップが弁護士を探すためのクローズドな会員制プラットフォームだ。

24時間後に一斉公開される回答から弁護士を選択できる

ATTIVITAでは、まず登録企業が匿名で弁護士への相談を投稿。質問から24時間後、それまでに寄せられた複数の弁護士からの回答が、こちらも匿名で表示されるようになる。企業側は回答を比較した上で、適切と思われる弁護士にリクエストを送信する。リクエストは複数の弁護士に送ることが可能だ。リクエストを送信した後は互いの実名が分かるようになり、最終的にはリアルに接点を持つことができる。

また登録済みの会員は、ほかの企業の相談履歴を匿名の状態で閲覧することが可能。相談内容は、業種や従業員数など細かく設定されたカテゴリごとに探せるので、アクティブに質問を投げかける前に自社の悩みと同様の相談がないか、どのように解決すれば良いのかを確認する「企業法務メディア」としても使える。さらに回答した弁護士には、ほかのユーザー企業もリクエストを送信して連絡を取ることが可能だ。

ユーザー企業側は、いずれの機能も無料で利用でき、登録料・手数料は不要。弁護士に直接個別で払う費用だけを負担すればよい。弁護士側は、プラットフォームへの掲載料金を月額制のサブスクリプション費用として支払う。

サービスを運営するATTIVITA代表取締役の鷲尾悠介氏は「相談する方は企業名を知られたくない場合も多く、匿名なら相談しやすい。また弁護士側も匿名であることから、(知名度などではなく)回答内容から適切な弁護士を選択することができる。会員制匿名サービスであることにより、長期的に見てコミュニケーションの質も上がると考えている」と話している。

またATTIVITAは個人向けの相談についてはバッサリと切り捨て、企業法務に特化したB2Bサービスとして展開している。鷲尾氏は「弁護士は基準を持って選んでいる。回答の質も、マッチング精度も上げるため、幅広い領域の中から専門性を持つ人が回答するようにしている」と説明する。

ユーザー企業は登録後、自分の質問以外では誰が回答しているかは特定できないが、弁護士の一覧は見ることができる。リリース時点での登録弁護士は50名以上。「下町ロケット」の神谷弁護士のモデルとして知られる鮫島正洋氏など、スタートアップ界では著名な弁護士も多いと鷲尾氏はいう。

もうひとつ、ATTIVITAの大きな特徴として鷲尾氏が挙げるのが「質問への回答が24時間後に一斉公開されること」だ。ATTIVITAでは24時間後に回答をオープンするため、ユーザー企業だけでなく、弁護士もほかの弁護士がどのような回答をしているかを見ることができない。このため「Yahoo!知恵袋」などのQ&A掲示板サービスでありがちな「誰かが答えたのでもう回答しなくていいや」ということになりにくい。

利用企業の質問をきっかけとしたQ&Aベースでサービスが成り立つことから、「他のサービスより弁護士が意欲的・能動的に回答してくれることが期待できる」と鷲尾氏はいう。

「Q&Aの一斉公開は、回答の速さよりクオリティを重視したもの。優秀な弁護士ほど暇ではないので、回答時間を確保する仕組みとして採用した。ユーザーに比較されるとなれば、弁護士もがんばって良い回答をしようとするはず。とはいえ、期間が長すぎて1週間もかかるとなっても利用者が待てないので、24時間に設定している」(鷲尾氏)

「スタートアップが本業に集中できる環境を提供したい」

鷲尾氏は、前職では弁護士ドットコムで3年1カ月、営業に携わっていた人物。1260人の弁護士と対面で会ってきたという。その中で「弁護士ドットコムは誰もが弁護士を検索できるサービスで、個人間の問題を解決する街の弁護士にとってはよいが、企業法務とはミスマッチがある」と感じていたそうだ。

「個人事業主としての弁護士には、企業の力になりたいという人も多い。また、マッチングサービスではスタートアップ、ベンチャー企業をサポートしたものがない。スタートアップでは、本業に集中するあまり、リーガル対応の優先度が下がりがちだ。例えば契約書のサンプルが載っているサイトからダウンロードして、そのまま使うといったことがよくあるが、これで問題が起きれば結果として本業に影響が出てしまう」(鷲尾氏)

ATTIVITA代表取締役 鷲尾悠介氏

鷲尾氏は「法律は国のルールだ。資金などの面でVCやメンターに相談する起業家は多いのに、法務面では弁護士に相談できていないのはなぜか」と考え、企業が弁護士に相談しやすいプラットフォームづくりを目指して、2018年7月にATTIVITAを創業した。

今後の目標について尋ねると、鷲尾氏は「スタート時点で弁護士登録数50名のところを、半年で100名にしたい。また企業登録数では1年後に1000社を目指す」と答えた。

「スタートアップに『弁護士に会えて良かった』という成功体験を提供し、本業に集中できる世界を実現したい。1年後までには、さまざまな質問と回答を蓄積し、企業法務に関する知見が詰まった法律メディアの立ち上げも計画したい」(鷲尾氏)

ATTIVITAはイタリア語で「活発(Activity)」を意味するという。鷲尾氏は「中長期的には、公認会計士など企業を活性化する専門家と企業とを結び付け、企業が本業に集中できる環境を弁護士以外の領域でも用意したい」と語っている。「より専門家と企業の生産性を上げ、企業に貢献したい。『プロフェッショナルに眠っている潜在的価値を解き放ち、日本から全世界を活性化させる』という当社のミッションに一歩でも近づけるよう、努力していく」(鷲尾氏)

建設職人マッチングのユニオンテック、設立20年目にして米VCから約10億円調達、なぜ?

ユニオンテックは2月18日、シリーズAラウンドとしてDCMベンチャーズを引受先とする9.7億円の第三者割当増資を発表した。大規模な資金調達は、2016年10月のみずほキャピタルからの1億円に続き2回目、同社としては史上最大規模となる。DCMベンチャーズは、米国シリコンバレー発祥のベンチャー・キャピタル(VC)だ。

写真左から、ユニオンテック代表取締役社長の韓 英志氏、同会長の大川祐介氏、DCMベンチャーズでジェネラルパートナーを務める本多央輔氏

設立20年の建設会社が初のシリーズAラウンド資金調達

ユニオンテックは、2000年にクロス職人だった現会長の大川祐介氏がユニオン企画として設立。当初はクロスや床など内装仕上げの工事業を手がけていたが、ショップやオフィスの内装・管理などの空間事業にも進出し、2004年に現社名に変更した。2005年には設計デザイン事業、2009年にはグラフィック・ウェブデザイン事業に進出するなど、さらに事業を拡大。そして2016年には、施工主(ハウスメーカー、設計事務所、工務店)と職人を結びつけるB to Bのマッチングサービス「TEAM SUSTINA」(現・SUSTINA)のサービスを開始。2018年には、個人と職人を結びつけるB to Cの工事マッチングアプリ「CraftBank」の提供を始めた。

ユニオンテックの沿革

同社は2018年9月3日に新体制を発表。代表取締役社長を務めてきた大川氏が代表取締役会長に、代表取締役社長には取締役副社長の韓 英志氏が就任した。韓氏は、リクルートホールディングスでエグゼクティブマネージャーを務め、投資ファンドの設立や海外でのM&Aを手がけていた人物。2018年4月に同社入社後、約9カ月での社長就任となった。

2000年設立で20年目を迎えた同社が、なぜいまごろシリーズAラウンドでの資金調達なのか?代表取締役会長の大川氏と、代表取締役社長韓氏に話を聞いた。

とにかく建設職人の働き方を変えたい

大川氏によると「DCMベンチャーズの人と人脈、そしてなによりもビジョンに共感した」という。今回の資金調達により、DCMベンチャーズでジェネラルパートナーを務める本多央輔氏が社外取締役に就任し、SUSTINAやCraftBankなどのネット事業について協力していく体制が整った。

建設業界の問題点

創業者社長から会長になった大川氏は現在、建設職人の働き方やイメージの改革に取り組んでいる。「建設業界には職人をきちんと評価する仕組みが必要で、ユニオンテックで利用している人事評価システムを他社に開放します」という。同社の職人評価システムは、作業スキルはもちろん、コミュニケーション能力など多岐にわたり、評価ポイントは数十項目におよぶ。この職人評価システムにより「職人は自分の能力を客観的に判断できる。親方は職人の報酬を決める判断材料に使える。そして、第三者からは職人の与信情報にもなる」と大川氏。

大川氏は建設業界の現状について「40〜50代が主力で若手の職人人口が少ない。働き方改革によって若年層の職人を増やしたい」とも語る。建設業界では、施主(発注者)が決めた期間内で工事を終えなければならず、「納期が遅れると賠償問題になることもあり、期日厳守は当たり前。しかし、人手不足や天候不良などの不可抗力もある。そもそもの納期がギリギリだと、ネットなどを駆使して業務を最大限効率化したところで限界があり、結局は職人にしわ寄せが来る。その結果、残業や夜間作業、休日返上などが発生して労働環境がどんどん悪化していく」と大川氏。

このような建設業界の問題点を解決するため、大川氏は2018年に一般社団法人として「日本SHOKUNIN総研」を設立。同団体では、2019年4月に前述の職人評価システムをベースにした建検(建設キャリア検定)を開始、2019年12月に「ベスト職人賞」と呼ぶアワードを開催予定だ。

さらに同団体では、職人同士の定期的なミートアップも実施している。「建設業界ではこれまでも、例えば地域ごとに左官職人の集まりなどは開催されてきました。しかし、ほかの職種の職人と出会うことが少ないので、なかなか仕事が広がらないんです」と大川氏。こういった問題解決のためにミートアップを主催し、建設業界内の異業種人材交流を積極的に進めている。

ユニオンテックとしても、2018年12月にデニム地の新ユニフォームを発表するなど、3K(きつい、危険、汚い)という建設業界のイメージ払拭を目指す。

市場規模は51兆円超、いまアクセルを踏むとき

代表取締役社長の韓氏は「以前(みずほキャピタル)のように金融機関からの調達も考えたが、SUSTINAやCraftBankに先行投資していくうえで長期的なサポートが望めるDCMベンチャーズを選んだ」とコメント。続けて「ユニオンテックの空間事業は年間30数億円の売上があり、現在はそこから出た利益の数億円を毎年ネット事業に投入している。しかし、それではスピードが遅い。建設業界の現状を早急に打破することを目指し、目一杯アクセルを踏むことを決めた」とのこと。DCMベンチャーズは、シードステージ、アーリーステージの投資を中心とするVCで、創業20年を迎える企業に投資するのは異例だ。

「SUSTINAは現在、7000社ほどの大小の建設会社が登録していますが、2019年5月には1万社を目指したい」と韓氏。前述のようにユニオンテックの空間事業の売上は30億円超だが「実はそのうち40%程度が100万円未満の少額案件なんです。そして、資材の発注や職人の招集などは現在でも電話業務が中心なので効率がなかなか上がらない。こうした業務についてもクラウド化による効率化を図りたい」とのこと。

大川氏は「現在のSUSTINAは、急なスケジュール変更や職人不足など『困ったとき』に使われることが多いサービスですが、もっと使いやすいように改良して施工主や職人がいつでも使えるサービスにしたい」とコメント。前述の新ユニフォームの発表時には、建設業界に「カッコイイ」「稼げる」「けっこうモテる」という新しい3K定義への挑戦も宣言。「工事が設計図どおりに進むことはほとんどなく、AIといえども職人の仕事は奪えない」と、建設ラッシュが続く現在における建設職人の重要性を力強く語った。

市場規模51兆円超と自動車業界に次いで巨大な建設業界。仕事は山ほどあるのに、職人が全然足りていない。ユニオンテックは、職人の働き方改革と職人人口の増加を目指し、リアルとネットで事業を推進していく。

建設業界は51兆円超の市場規模

ウェブ制作経験者が人力で最適な紹介を——B2Bマッチング「Web幹事」シード資金5700万円を調達

ウェブ制作会社と制作依頼企業とのマッチングに特化した、BtoBのマッチングプラットフォーム「Web幹事」が今日11月5日、リリースされた。運営するのは2015年4月設立のユーティル。ユーティルは同日、シードラウンドでエンジェル投資家などからの投資や金融機関からの融資を合わせ、総額約5700万円の資金調達を実施したことも明らかにしている。

ユーティルを設立した代表の岩田真氏はジャフコ出身。新卒入社から3年間、投資部に所属し、数億円単位のベンチャー投資に携わっていた人物だ。ユーティル創業から3年間は、ウェブ制作会社として50社以上のウェブを制作してきた。

ビジネスマッチングの仕組み・サービスは既にいろいろ存在していて、アイミツ発注ナビ比較ビズといったマッチングサイトや比較サイト、個人のフリーランスを対象にしたクラウドソーシングサービスなどもある。そうした中で、岩田氏はWeb幹事の特徴を「ウェブ制作に特化しており、制作会社の経験を仲介に生かしている点」と話す。

Web幹事では「制作経験のないカスタマーサポートの担当者が右から左へつなぐ、というのではなく、ウェブ制作の背景や相場観を持った担当者が、適切なマッチングを人力で行っている」という。岩田氏は「一括請求などの仕組みの場合、制作会社のリストがダーッと送られてきて、電話もたくさんかかってくるが、結局ユーザーに制作に関する知識がなく、どこへ発注するか選べない、ということも多い。我々は、1社から2社の最適な制作会社を紹介するので、ユーザーは結果として手間が減ることになる」とWeb幹事の特性について説明する。

ユーザー企業の要件がはっきりせず、そのままでは制作依頼に結びつかないと思われる場合は、「制作会社へつなぐ前に、僕らのところで防いでいる」とのこと。これを完全に人力で行うのは大変ではないか、と聞いたところ、岩田氏は「1時間あれば、大体のクライアントからのヒアリングは完了する」という。ユーティルでは、ユーザー企業からは費用を取らないが、案件成約時に制作会社から10%の報酬を手数料として受け取れるため、十分ビジネスとして成り立つ、という仮説でスタートしたと岩田氏は述べている。

Web幹事は2018年5月より、ステルスでサイトを公開し、サービスインした現在、掲載されているウェブ制作会社は3600社。「ランディングページ制作に強い」「不動産業界に強い」など、さまざまな切り口で制作会社を検索できるようになっている。

利用のトラフィックが増えれば、将来的には制作会社を評価できるよう、口コミなどの機能も取り入れる予定だ、と岩田氏。今回の調達資金は、それらも含めた機能改善や新機能追加のための開発費に充てるという。また、同社が提供する、ウェブ発注に関するユーザー向けコンテンツの充実・強化にも使う、とのことだ。

「Omiai」のネットマーケティング 、新アプリ「QooN」で日本のデーティング市場の開拓目指す

近年国内でも市場規模の拡大と合わせて様々な企業が参入している恋活・婚活マッチングアプリ業界。国内にまだ文化が根付いていなかった2012年に「Omiai」を立ち上げ、現在に至るまでサービスを拡大してきたネットマーケティングは業界の先駆者のような存在と言えるかもしれない。

そのネットマーケティングが6月から新たなサービスを始めているのは知っているだろうか。

今回紹介するデーティングアプリ「QooN(クーン)」がまさにそれなのだけど、ネットマーケティング代表取締役社長の宮本邦久氏が「欧米の市場の伸びなども踏まえると、何年後かにはOmiaiを超える規模のサービスになるかもしれない」と期待を寄せるサービスだ。

6月28日に先行リリースしていたAndroid版に続き、7月26日にはiOS版の提供もスタート。これから日本のデーティングアプリ市場の開拓に向けて、本格的に力を入れていく。

安心かつ安全なデーティングアプリで新たな市場の開拓へ

日本に比べて早くからオンラインマッチングサービスが普及してきたアメリカでは、「Match.com」を始めとする恋活・婚活マッチングアプリに加えて、より気軽に相手を探すことのできるデーティングアプリが盛り上がってきている。

その代表が特徴的なUIでおなじみの「Tinder」。一般的なマッチングアプリが長期的な交際や結婚を見据え、年齢や身長、収入、趣味などの条件で異性を検索するのに対し、デーティングアプリはもっと敷居が低い。Tinderがそうであるように、顔写真と簡単なプロフィールから直感でスワイプをして繋がるのが特徴だ。同サービスの累計マッチング数は200億件に及ぶ。

ネットマーケティングが運営する2つのサービスの関係性もこれと同様だ。Omiaiが恋活・婚活マッチングアプリ、新しく始めたQooNがデーティングアプリに該当する。

QooNのベースとなる機能はTinderに近く、表示される異性の写真を左右にスワイプすることで気軽にアプローチできるというもの。ここにOmiaiの運営を通じて培ってきた安心面や安全面を担保するための機能と、スピーディーに相手と出会えるための仕掛けを取り入れた。

具体的には身分証明書の提出に基づいた厳格な年齢確認と本人確認を始め、24時間365日のメッセージ監視、不正ユーザーの強制退会処分、ユーザーからの違反申告機能といった仕組みを採用。Omiaiと同水準の環境を整えているという。

QooNの独自機能としてはデートに直結することを重視して、直感スワイプのQooNモードに加えて「Qdish(キューディッシュ)「Qtoday(キュートゥデイ)」という2つのマッチング方法を提供する。

Qdishは相手にアプローチする際に、初回のデート先候補として飲食店を一緒に提案するというもの。飲食店のチョイスによって相手の好みや性格などマッチングの参考になる情報がわかる上に、マッチング時には初回のデート先が決まった状態なので会うまでの流れもスムーズだ。

この点はちょうど昨日紹介した「Dine」とコンセプト的に似ている部分もある。ただ詳細を見ていくと、Dineが選べる飲食店を絞っている一方でQdishの場合は全国のさまざまな店舗が対象になっていることを始め、思想や細かい機能面では違う点も多い。

もうひとつのQtodayは当日出会える相手とマッチングする機能。「今日の時間を持て余している人は多い。その人たちが自分の空き時間を上手く活用できるもの」(宮本氏)であり、マッチングしたその日にすぐ会うため、デートまでの間隔が短いのも特徴だ。

またマッチングできるのは21時まで、メッセージのやりとりは22時まで、デートの終了時刻は23時までといった深夜帯での時間制限を設定。Qdishと同じく事前に飲食店を指定して会うような仕組みもある(これについては男性から場所を指定して女性にきてもらう場合)。

「(サービスの性質上)Qtodayは一見不安なイメージをもたれる可能性もある。安心かつ安全なサービスにする上で、たとえばデートは何時に終わるのか、女性に来てもらう場合にはどのお店で会うのかまで前もって決めておくことを必須にしている」(宮本氏)

なお飲酒の可能性を排除する目的で、QdishとQtodayは未成年の利用が不可。また登録とデート相手探しは無料で、カップル成立後のメッセージ送信については男性のみ有料となる。1ヶ月、6ヶ月、12ヶ月単位で購入でき、1ヶ月プランの場合だと税込で3800円だ。

OmiaiとQooNでマッチングサービス国内No.1目指す

宮本氏によると、実は2016年からデーティングアプリへの参入を真剣に検討していたという。上述したようにアメリカを筆頭に世界では恋活・婚活マッチングアプリに加えてデーティングアプリが急速に成長。2015年頃には本格的に新しい潮流が生まれていることを感じ、ここ数年間のホットトピックスとして捉えていたそうだ。

「この2年間は日本でデーティングアプリの市場を切り開いていくにはどのような仕様が適しているのか、ずっと社内で温めてきたと同時に参入のタイミングを図っていた。その中で去年頃から今年にかけて、当社も含めFacebookのアカウントを利用したマッチングサービスが、非Facebookユーザーに対してもサービスを解放する動きが業界内で広がり始めたことが大きい。デーティングアプリは広く全ネットユーザー向けに使われるものだと感じていたので、今がベストタイミングだという結論に至った」(宮本氏)

今後ネットマーケティングではこれまで運営してきたOmiaiと今回リリースしたQooNの2ブランドを通じて、マッチングサービス国内No.1を目指していく方針だ。

6年の歳月を経て少しずつ認知度を高めてきたOmiaiの有料会員数は、2018年3月末の時点で約4万7000人。メインターゲットとなる20〜30代の男性だけでも日本には約1400万人存在し、それを踏まえると「まだまだ少ない」(宮本氏)状態で、市場の伸びとともに今後さらに成長が見込めるという。

「一方で海外の市場を見て入れば、デーティングアプリが恋活・婚活マッチングアプリ以上の規模になってきている。(日本でも)ゆくゆくはデーティングアプリがマッチングサービス全体の中で1番大きなシェアを占めるようになると思っている。QooNはその先導を切れるようなアプリにしていきたい」(宮本氏)

CG業界に特化したマッチングプラットフォーム目指す「CGクラウド」

CGクリエイター向けに3DCG作品投稿サイト「CGクラウド」を提供するTANOsim(タノシム)は7月17日、同サイトをギャラリーサイトとしてフルリニューアルしたと発表。CG業界に特化したマッチングプラットフォームを目指し、さらに機能追加を図っていく。

TANOsimは2016年12月の設立。同社代表取締役社長の森本高廣氏はCG業界で15年の経験を持つ。3DCG制作のアニマでアートディレクターを務めた後、中国・大連で関連会社立ち上げにも参画。そうした中で「離れていても、どこでもいつでもCG制作の仕事を依頼できる環境ができないか」と考えたことが、TANOsim創業のきっかけとなった、と森本氏は話す。

「CG自体は制作に最新の技術を要する。またVR/ARなどの登場で需要も高まっている。ところが、仕事の進め方はアナログなまま。受注発注の仕組みも旧来のままで、クライアントはクリエイターの見つけ方や発注先がわからない。そこで、CGクリエイターのためのプラットフォームを開発しようと考えた」(森本氏)

CGクラウドは、最終的にはクリエイターと制作を依頼したい企業とのマッチングを目指している。「まずはクリエイターが集まれる場を提供したい」ということで、2017年8月にベータ版をリリース。約1年経った今回、各クリエイターの作品が一覧できるギャラリーサイトとしてリニューアルを行った。

CGクラウドのクリエイタープロフィール画面サンプル

クリエイターが作品投稿できるサービスとしてはpixivなどもあるが、森本氏によると「フルCGをアップできるサービスは国内ではCGクラウド以外にない」とのこと。

現在は300名の登録クリエイターに、TANOsimが依頼された仕事をアナログな形で紹介し、実プロジェクトをこなすことで収益を得ているが、「ゆくゆくはクリエイターへの仕事依頼や作品管理ができるプラットフォームとしてCGクラウドを強化し、手数料などで収益を得るビジネスを目指す」と森本氏は語る。

TANOsimでは、2017年8月にEast Venturesデジタルハリウッドから約1500万円、2018年4月には大和企業投資KLab Venture Partnersから約5500万円を資金調達している。日本政策金融公庫からの融資も合わせると、これまでの調達総額は約8500万円となる。

調達により、エンジニア、デザイナー、セールス採用の強化を図っていく、という森本氏。「クリエイターが未来を見られる形を(プラットフォームとして)作っていきたい」と話している。

TANOsim代表取締役社長 森本高廣氏

Thumbtackはオンデマンドサービスマーケットをどのように勝ち取ったのか? ―― 答:すべてを扱うことによって

本日(米国時間5月5日)、サービスマーケットプレイスであるThumbtackが、サンフランシスコのイベントスペースに最高のギグエコノミーワーカー300人を集めて、小さな会議を開催した(ギグエコノミーとはインターネットを介して一時的な仕事を請負う労働形態のこと)。

ほぼ10歳になるこの企業にとって、このイベントは新しい機能の紹介や、週の頭に行われたブランドの再デザインについての説明を行うためのものだった。米国内の各地から自腹で参加したサービスプロフェッショナルたちに加えて、同社のトップエグゼクティブたちも参加した。

それはThimbtackが消費者向けのサービスマーケットプレイスの1つとなるために取った長い道のりの最新の1歩だった。

2008年といえば、世界的な金融危機が米国の経済を引き裂き始めたところだった。ThumbtackやTaskRabbitのような企業の起業家たちは、既に可能性に向けて必死に努力していた。

これが現在、ギグエコノミーとして知られているものの始まりだった。ThumbtackとTaskRabbitに加えて、HandyZaarlyなどの若い企業たちが、サービスの買い手と売り手のための、より良いマーケットプレイスの開拓を試み始めた。結果的に彼らの始めたタイミングは、先見性のあるものだった。

雪の多いボストンの2008年の冬、Kevin Busqueと彼の妻Leahは、やがてTaskRabbitという名前になるマーケットプレイスRunMyErrand(私の用足し)を開発していた、ドッグフードを買うために雪道の中を苦労して出歩かなくても良いようにしたいというのが動機である。

一方、サンフランシスコでは、両親がLogitechの創業者である若き起業家Marco Zappacostaが、仲間の共同創業者たちと共に、プロフェッショナルサービスのためのマーケットプレイスであるThumbtackを、彼らがシェアしていた自宅兼事務所で立ち上げていた。

これらの起業家たちがカリフォルニア北部で事業を開始したとき(ちょうどGoogleやSalesforce.comのような企業への投資を経て、裕福になった後援者たちによる、テクノロジールネッサンスの初期段階だった)、米国の他の地域は苦しみ始めていた。

2008年から2010年までの2年間で、アメリカの失業率は倍増し、5%から10%に上昇した。銀行、保険会社、不動産業者、請負業者、開発業者、小売業者のすべてが縮小したため、プロフェッショナルサービスを提供する人たちは特に深刻な打撃を受けた。最悪なローンや投機的な不動産市場の下で経済が崩壊したために、企業が大規模なレイオフを行っていた。

Thumbtackの創業者たちは、13億ドルの評価額を手に入れ、最後に行った1億ドル以上の資金調達ラウンドにたどり着くまでには、数々の困難を味わった。「チームのことで本当に印象的だったことの1つは、彼らがとても痩せていたことですね。その頃には自宅は出ていましたが、それでも彼らはまだ一緒に食事を作っていました」と語るのは、同社の最も初期の投資家の1人で、数十億ドル規模のベンチャーファームであるFounders Fundのパートナーを務めるCyan Banisterだ。

彼らが実際にお金を使っていたのは食べ物だけでした…そうした点が彼らが贅沢ではなかった事を示すのですが、とにかく使う1ドル1ドルに対して彼らは目的を厳しく吟味していたのです」とBanisterは語った。「彼らは基本的に仕事場で眠り、ソファーの下に転がっているという、典型的なスタートアップストーリーを体現していたのです。最初の何年かはほとんど変わりがありませんでした、私たちはCraigslist(有名な汎用マッチング掲示板サービス)を真似しながら、徐々に注目を集めて行きました」。

Craigslistをより強力にして、マーケットプレイスモデルで置き換えていくというアイデアは、Thumbtackの最も初期の投資家かつ擁護者であり、連続起業家であり、そしてエンジェル投資家でもあるJason Calcanisにアピールした。

ThumbtackのCEO Marco Zappacosta

「Marcoが私にThumbtackを見せてくれた日を、まるで昨日のように覚えています。これを見た私はこう尋ねました『で、何故これを作ったの?』と。それに彼はこう答えたのです『まあ、何かを探しにCraigslistに行ったとしますよね、それが全く運任せだってことはご存じだと思います。投稿してもどうなるかわからない。投稿を読んでも、その人が一体いい人なのか悪い人なのかも良くわからない。レビューがないのですから』」とCalanisは言った。「彼はディレクトリを作っていました。それは現在のアプリで目にするようなワークフローではありませんでしたね、それが変わったのは確か3年目でした。しかし最初の3年間は、彼はディレクトリを作っていたのです。そして、彼は私に人物写真、提供しているサービス、人物紹介が掲載されたディレクトリのページを見せました」。

最初の3年間は、サービスベンダーのリスト作りに費やされていたのだ。これらのベンダーは住所の実在、免許の所有、そしてある種のサービスを必要としている人たち向けの保険加入済であることが確認されていた。Calcanisにとっては、それらの3つの項目が確認されていることが、取引を検証し最初の投資の銃爪を引くために必要なことだった。

「それが、私のエンジェル投資に対する個人的理論が完成した瞬間でした」とCalcanisは語る。

「マーケット至上主義の人もいます、また特定の年代や、文化的集団に対して投資しようとする人もいます、移民の子らとかスタンフォードの学生とか、何でも。私の場合は単に『本当に興味深いプロダクトを作ることができますか?検討しているプロダクトについて決定したことは何ですか?』という問いかけです。そして、私たちがそうした決定事項について議論している際に、相手が世界のためにこのプロダクトを作るべき人間であるかどうかを感じられるか否かなのです。ちょうど、私がMarcoの頭上に大きな看板が浮き上がるような気がしたようなものです。そこにはこう書かれていました『勝者!勝者!勝者!』と」。

確かに、Zappacostaと彼の会社は現在、非公開企業として、成功した10年目を迎えようとしているようだ。Thumbtackは2019年までに黒字に転換する予定であり、過去6ヶ月間に多数の新製品を投入してきた。

彼らの命題は、顧客が求める可能性のある、あらゆるサービスのリストを米国のあらゆる場所で提供するプロダクトを開発するという、一般通念からすると途方もないものだった。HandyやTaskRabbit などの他の企業は、家庭向けの用途に集中していた。しかしThumbtackでは(良いコミュニティの掲示板がそうであるように)、利用者はあらゆるものに関する投稿を目にすることが可能である。たとえば修理工から気功のレッスンやマジシャン、そしてミュージシャンなども、家庭の修繕サービスと共に見ることができて、いまやリストは膨大なものとなっている。

「面白いことに、私たちが昔書いたビジネスプランとドキュメントがあるのですが、私たちがその時にアウトラインを考えたビジョンは、現在社会で求められているものと非常に似通っているのです。その当時私たちは、周囲を素直に眺めてこう考えたのです『私たちは膨大な数の人たちに影響を及ぼす問題を解決したいと思っている。地元のサービスデータベースはとても非効率的だ。頼りになって信頼できる人材を適切な価格でみつけることは本当に困難なのだ』」と同社の共同創業者であるSander Danielsは語った。

「プロフェッショナルにとって最大の関心事は『次はどこでお金を稼ぐことができるのか?、次はどうやって家族のために食べ物を食卓の上に並べれば良いのか?』なのです。そこで私たちは『これこそがリアルな問題だ。これらの人びとをテクノロジーで結びつけられたらどうだろう?周りを見回すと、Amazon、Ebay、Alibabaのようなプロダクトのための世界的マーケットプレイスが既に存在している。それならサービスのための世界的マーケットプレイスが存在しても良いのでは?』と考えたのです。その時に、そんな事を言うのはまるで狂ったように聞こえましたし、今でもそうです。しかしそれこそが私たちの実現したかったことなのです」。

Danielsは、同社が製品の方向性、マネタイズの方法、そして発生する問題に対処するためにやり方を修正してきたことは認めたが、そのビジョンは変わっていないと述べた。

一方、マーケットの他のスタートアップたちは、焦点をシフトしている。実際に、Handyはよりプロフェッショナルなサービスモデルに移行し、TaskRabbitはIkeaによって買収されたため、Thumbtackはその独立性を活かし、サービス提供者と顧客のマッチングをより簡単にする自動化ツールの提供によってそのマーケットプレイスを強化することに賭けることにした。

昨年末には、同社は顧客の要求に対してサービス候補を自動的に選び出してくれるツールを立ち上げた。サービスプロバイダーたちは、顧客が同社のアプリやウェブサイト上で行う検索に対して生み出されたきっかけに対して支払いを行う(訳注:具体的には発行した見積に対して、具体的なコンタクトが顧客側からきたときに1度だけ支払いが発生する、見積の発行自身は無料で、見積後の最初のコンタクト以降のメッセージのやりとりなども無料である)。

Thumbtackは、約1000の専門分野に広がるサービスプロバイダーが提供する、年間およそ10億ドルのビジネスを処理している。

いまや、消費者側のマッチング機能がアップグレードされつつある。今月初めに、同社は(そのウェブサイトとモバイルアプリの新しい外観と共に)Instant Resultsを公開した。これはその20万人のサービスプロフェッショナルの中から最もサービスの要求に対応する30人のプロフェッショナルを選び出すというものである。Zappacostaによれば、それは様々なサイトの上で、最高に評価されたプロフェッショナルたちだということだ。次に大きな規模を持つ、競合相手であるYelpは、年に11万5000件の登録がある。Thumbtackのプロフェッショナルたちは90日単位で区切られている。

価格、場所、ツール、そしてスケジュールでフィルタリングすることで、米国内の誰もがニーズに合ったサービスを見つけることができる。これは、異なる職種にわたり9年間におよそ2500万件のサービスリクエストを処理してきた結果の集大成である。

“buy”(購入)と”sell”(販売)のタブがあった最初のバージョンのThumbtackから、ここに至るまでは長い道のりだった(その頃”buy”サイドではローカルサービスを依頼することが可能で、”sell”サイドではその提供をすることが可能だった)。

「非常に早い時期から…デザインは、ビジネスリスティングディレクトリの従来のモデルを超えて繰り返し改善されてきました。そこでは、消費者が探しているサービスを私たちに伝えることが可能で、私たちはそれを受けて適切な人を探して紹介するのです」とDanielsは言う。「この見積もり依頼の機能は、プロダクトの最初のバージョンから組み込まれてはいました。しかしそれを使おうとしてもあまり上手く働きませんでした。当時はプラットフォームが接続してくれる先のビジネスはありませんでした。沢山のバグがあったと確信していますが、もちろんUIとUXも最悪でした。それが少くとも私が覚えている最初のバージョンです」。

それは最悪だったかもしれないが、120万ドルのエンジェルラウンドを行う程度には魅力的だった。単にプロダクトを開発するためには十分だったのだ。この100万ドル投資は、ベンチャーキャピタルが他の投資家たちと同様に一斉に手を引いた米国の景気後退による「核の冬」の間、会社を生き延びさせた。

「シリーズAラウンドで投資してくれる人たちを探そうと、私たちはひたすら歩き回っていました」とDanielsは語った。「それは会社にとって極めて厳しい時期でした。誰も私たちに投資しようとしなかったので、ほとんどビジネスも終わりかけていたのです」。

これは同社が収益化を始める前の期間の話である、このとき同社は4つの収益モデルを実験しており最終的に最も優れていた収益モデルを選んだ。最初はサービスは無料で、その後ゆっくりと手数料モデルに移行したのだ。その後、同社はサブスクリプションモデルへと移行した。サービスプロバイダーはThumbtackによってもたらされたきっかけに対して、一定の金額を支払うことになった。

「私たちはループを閉じることができませんでした」とDanielsは語った。「手数料モデルが上手く行くには、誰が、いつ、幾らで仕事を請け負ってくれるかがわからなければなりません。こうした情報を収集する方法には、いくつかありますが、最良の方法はプラットフォーム上で支払いを行ってもらうことでしょう。実際2011年と2012年にはプラットフォームに支払い機能を入れました。相当な取引量がありましたが、それぞれ18ヵ月後、そして24カ月後までにはそれらのやりかたを止めることにしました。結局手数料で稼ぐという方法への見切りを付けてしまったということでしょうかね」。

Thumbtackはその骨格を作ることに苦労していたが、その一方でTwitter、Facebook、Pinterestは現金をかき集めていた。創業者たちも同じようなやり方でマーケットにアクセスできると考えていたが、投資家たちは広告ではなく取引が必要な消費者向けのビジネスには興味を持っていなかった。ユーザー生成コンテンツ(UGC)とソーシャルメディアは大流行していたが、Uber Lyft を除いて、マーケットプレイスモデルに対する裁定はまだ下っていなかったのだ。

「その当時、FacebookでもTwitterでもPinterestでもなかった私たちの会社にとって、少くともマネタイズが可能であることを示す、何らかの収益が必要とされていたのです」とDanielsは語る。「私たちは膨大な数のプロフェッショナルに登録してもらう方法を見出し、顧客もまたプラットフォームにやって来るようになりました。これは本当に有望であることを示すサインでした。私たちは『やった、人気が出てきたぞ。本当に収益を挙げられるようになりそうだ』と喜びました。しかし、私たちの経験不足、収益モデルの欠如、おそらくたくさんの理由から、私たちにお金を払おうとするひとはいませんでした」。

Danielsによれば、同社は2011年の秋までは収益モデルに注力していなかった。その後、拒絶に続く拒絶を受け続けて、創業者たちは心配をし始めた。「私たちときたら『うわっ大変だ!』と叫んで、2009年11月には収益化のための様々なテストを始めました、なにしろこの先お金を稼ぐことができないかもしれないのです。すぐにでも請求書に対する支払いを行うための資金を調達する必要があったのです」とDanielsは振り返った。

もう少しで壁に激突しそうになった経験は、会社を恐怖のどん底に突き落とした。彼らはJavelinからの投資をなんとか引き込むことに成功したが、創業者たちは資本注入の有無にかかわらず、ビジネスを機能させるためには適切な収益を見出す必要があると思い知った。一連の検討の末に、彼らは35万ドルを事業継続のためのマジックナンバーとして設定した。

「それが私たちが目指す目標基準でした」とDaniels。「私たちが積極的に様々な収益モデルを試したのはこの期間です。そして最終的に、見積の反応に対して課金することにしました。その期間の終わりにSequoiaが投資し、突如プロフェッショナルの供給と消費者の需要と収益のモデルがすべて一緒になって再び(今度は良い意味で)『うわっ大変だ!』となったわけです」”

適切なビジネスモデルを見つけることは、会社が実を結ばずに終わることから救うための1つの手段だったが、それ以外にも少なくとも論理的に思えるアイデアが1つ存在していた。それは家庭向けの修繕とサービス以外のものにも目を向けるべき、というものだった。

同社の家庭部門は、Google向けにサービスの検索優先度を挙げて、結果を出す技術を習得した企業との競争が激しくなっていた。Danielsによれば、同社は当初家庭部門では全く競争できなかった。

「それが…全くの偶然だったのですが、私たちと同じくらい開発が進んでいて成熟していたイベント企業が存在していなかったのです」とDanielsは語る。「私たちはイベントカテゴリーでは人気が出ました。1000にも及ぶカテゴリーを扱うという戦略的決定のお陰ではありますが、過去5年にわたって私たちが国内で確かに大手イベントサービスプロバイダーの1つであったことは偶然の賜物でした。棚ぼたとまでは言いたくないのですが、私たちはこうして競争の激しくない分野に出会い、十分に競争力を持ちビジネスを育てることができたのです。

単一のカテゴリーや単一の場所でのビジネス構築を狙うのではなく、地理的にもサービス的にも幅広いものを目指すことで、Zappacostaと会社が受け入れられるのには長い時間が掛かることになった、しかし一度成長を始めた際には、遥かに広いスタンスと豊かなデータベースを持つこととなった。

「無邪気さと夢見がちな野心から、私たちはこれらをやり遂げようとしているのです。本当にそれ以上の戦略も複雑さもなかったのです」とDanielsは語る。「対象を広げることを決心したとき、私たちは荒野をさまよっていました。それまでに、これほどのことをしたことはなかったのです」。

同社の観点からみたときに、外界(および潜在的な投資家たち)がそのアプローチについて把握していなかった2つの点が存在していた。1つ目は、完璧なプロダクトを出せば単一のカテゴリではより競争力があった可能性もあるものの、完璧ではなくとも十分に良いプロダクトなら、当時マーケットに存在していた酷いUXの製品よりもましだという点だ。「この十分に良いプロダクトでも大企業を作り上げることは可能です、時間とともにより良いものへとどんどん改善して行けば良いのですから」とDanielsは語る。

2番目の点は、対象を広げることで、1つのカテゴリを対象にしているだけでは決してThumbtackの対象にはならなかったようなものも扱えるようになるということだ。カーペットクリーニングから引越しサービス、家の清掃から、パーティ用のバウンスハウスレンタル(バウンスハウスというのは空気を注入して中で跳ねたりすることのできる大きな仕掛け)至るまで、あらゆるものの組み合わせ販売とアップグレード販売が、より多くの繰り返し利用の機会をもたらした。

繰り返し利用が意味することは、一度に必要なサービス従事者がより沢山必要になるということである。そのとき失業率はまだ歴史的な高水準で推移していた。2011年でさえ、失業率は依然として高いままであったし、2013年までに、失業者数が確実に減ることはなかった。

こうしたギグエコノミーの仕事が、この先変化する時代と足並みを揃えて行くことができるのかどうかには疑問が出されている。失業率が景気後退前の水準に戻った今、果たして人びとは健康保険も退職金もない仕事で働き続けたいものだろうか?だがThumbtackプラットフォームが成長を続け、UberとLyftが減速の兆候を見せないことから、その答は「はい」であるように思える。

「その当時の、そして今も残る私の最大の情熱の1つは、ソフトウェアがどのように、意味のある働き方を生み出すことができるかということに対する興味です」とBanisterはThumbtackの取引に関して語った。「それこそが私が探している基準なのです、つまり、それによって人びとが仕事を見つける方法は変化するのでしょうか?なぜなら私は、現在手にしているプラットフォームを使って、私たちは仕事を創出できる、そしてこれまで存在していなかった種類の仕事をも創出することができると信じているのです」。

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(翻訳:sako)

建設業マッチングアプリ「助太刀」で職人が代金を即日受け取れるサービス開始、セブン銀とも提携

建設業の仕事を受発注できるアプリ「助太刀」を運営する助太刀は、アプリを利用して仕事をした職人が代金を即日受け取れる「即日受取サービス」を5月7日からスタートした。同サービスはセブン銀行子会社のセブン・ペイメントサービスが運営する「現金受取サービス」との提携によるもの。決済にはGMOペイメントゲートウェイのサービスを利用する。

助太刀は建設現場と職人をつなぐマッチングアプリ。職人はアプリに職種と居住地を登録すれば、条件に合った仕事の案件をプッシュ通知で受け取ることができる。また仕事を発注する側の現場監督は、現場ごとの細かい条件を指定することで、適した職人に仕事を依頼できる。

建設業界では、現場で働く職人に仕事の代金が支払われるまでの期間が長い場合が多い。助太刀の即日受取サービスを使えば、その日の仕事が終わった時点で職人が工事代金を発注者に申請し、セブン銀行のATMから即時現金で受け取ることができるようになる。

助太刀は4月に、伊藤忠テクノロジーベンチャーズやジェネシアベンチャーズなどから5億3000万円を調達している。調達を機に同社では、職人と現場のマッチング機能に加えて、職人への支払いに関わるペイメント機能を提供する予定があると言及していた。

猫の飼い主同士をマッチングするnyansが複数のエンジェル投資家から3000万円調達

猫の飼い主同士をマッチングする「nyatching(ニャッチング)」を提供するnyans(ニャンズ)は3月22日、複数のエンジェル投資家を引受先とする総額3000万円の第三者割当増資を実施した。

2月22日の猫の日にサービスローンチしたnyatchingは、猫の飼い主限定のマッチングサービスだ。近所に住む猫の飼い主を探し、家を留守にする際の猫の世話を他のnyatchingユーザーに依頼することなどを目的としている。

サービスローンチ時には本社のある福岡県在住のユーザーを限定に事前登録を開始していたnyatching。ローンチからちょうど1ヶ月の現在、事前登録には数百人のユーザーが登録済みだという。同社は今回の資金調達を期に、東京23区在住のユーザーからの登録を受け付ける。

地域限定で事前登録を実施する意図について、nyans代表取締役の谷口紗喜子氏は「サービス自体がご近所さんでのマッチングを重要視しているため。地域を絞らないと会員が分散されてしまい、ご近所さん同士でのマッチングが図りづらくなることを懸念しており、まずは地域を絞ってサービスを展開する」と話す。全国での展開の時期は未定だという。

プロ写真家に出張撮影を頼めるマッチングサービス「AMI」運営がメルカリなどから資金調達

国内外のプロフォトグラファーが登録するデータベース&撮影予約サービス「AMI」などを運営する、撮影サービスのスタートアップ、aMiは3月15日、メルカリマネックスベンチャーズ、その他エンジェル投資家を引受先とした第三者割当増資等により、シードラウンドでの資金調達を実施したことを明らかにした。調達金額は総額数千万円規模。同時に会社名をFamarryからaMiに変更したことも発表している。

aMiの創業者・藤井悠夏氏はリクルート出身。ゼクシィで営業に携わった後、退職してベトナムのホーチミンとシンガポールでそれぞれ2年弱、ウェディング事業の立ち上げに関わっていた。両都市で盛んだったのが「フォトウェディング」。海外で前撮りするカップルも多く、断崖の上などの絶景やパリのルーブル美術館が夜ライトアップされたタイミングで撮影するといったケースもあるそうだ。

aMi 代表取締役の藤井悠夏氏

そのフォトウェディングの舞台として日本の人気も高まる中、海外のウェディング撮影希望者と日本のフォトグラファーをマッチングする場や集客ツールがない、と藤井氏が気づいたことが同社立ち上げのきっかけだった。開発が始まったのは2014年末のこと。日本に帰国した藤井氏はエンジェル投資家らから投資を受け、まずはフォトグラファーを登録するデータベースを準備し、2015年初夏にはウェディング撮影予約サービス「Famarry(ファマリー)」ベータ版を、同年9月には正式版をリリースした。

その後、フォトグラファー向け管理ツールのリリース、企業向け撮影サービス提供開始を経て、2017年2月にプロフォトグラファー検索と撮影予約ができるサービス、AMIとしてローンチ。同年7月には家族写真の撮影予約サービス「emily(エミリィ)」もローンチしている。

現在は、AMIを軸にフォトグラファーの空き時間の管理やマッチング支援を行い、Famarryとemilyとの連携によって、ニーズが高く件数の多いウェディング写真や家族写真の撮影の仕事を紹介。撮影を希望するユーザーには、従来のスタジオ撮影などよりはリーズナブルな価格で、プロによる撮影サービスを提供している。

今回の調達資金の使途について、藤井氏は「撮影依頼件数をさらに引き上げることを目指し、ユーザー向けのマーケティングを強化する」と話している。「現在、フォトグラファーの登録数は国内外合わせて700名を超えた。撮影のキャパシティーは充実してきたし、システム構築もある程度行ってきたので、これからはフォトグラファーにより多くの仕事を紹介できる体制を用意したい」(藤井氏)

また、フォトグラファーにとってよりスムーズなマッチングができる環境も整えたい、とも藤井氏は述べた。「請求・決済などの事務作業や、撮影データの納品など、フォトグラファーにとって面倒な手間を軽減するための機能強化を考えている。フォトグラファーが多く登録してくれることで、撮影サービスの質も上がり、結果的にはユーザーも増えて満足度が上がると考えている」(藤井氏)。今後は評価システムを導入し、より評判のよいフォトグラファーがきちんと評価、利用されるような仕組み作りも検討している。

今回のラウンドでリード投資家となるメルカリについては、「スキルを広くマッチングするメルカリアッテを提供する彼らにとって、撮影だけに特化してマーケットを開拓し、そこに最適化したサービスを提供する我々のやっていることを評価してもらえたと考えている」と藤井氏は話す。

また「aMiのマッチングサービスはフォトグラファー視点。フォトグラファーにとって、登録していれば仕事が増えるという状態を作りたい。(ユーザー規模の大きな)メルカリと提携することで、仕事が増えれば」と藤井氏は、提携が実現した場合のシナジーにも期待を込める。

藤井氏は「ユーザーにとって良い撮影体験は、フォトグラファーの質で決まる」と話す。同社によれば国内の撮影市場は約1兆円。そのうちのほとんどはBtoBのビジネスである。収益を上げているのは大手フォトスタジオやエージェント、結婚式場などの既存プレイヤー。例えば結婚式の撮影費用で20〜30万円が式場から請求されても、フォトグラファーの手元にはその1割程度が支払われるだけ、というケースも多く、「フォトグラファーにとってはもちろん、ユーザーにとってもアンハッピー」と藤井氏は言う。

「インターネットの力で双方を直接マッチングできれば、フォトグラファーは収入が上がり、ユーザーは満足のいく撮影体験を得ることができる。現状では、子どもの七五三など、家族の節目の写真は大手のフォトスタジオでの撮影が多いが、ネットなら出張撮影の依頼も安くすることが可能。七五三ならお参りのところから撮影してくれるなど、自然な表情の写真も撮れる。私たちは同じ価格で良い撮影体験を提供できていると自負している」(藤井氏)

Instagramの影響もあり、日本でもユーザーの写真に対するこだわりは上がってきている、と藤井氏は言う。「ただ、フォトグラファーに撮影してもらう文化、ということではまだ日本は遅れている。一方、撮影文化が進んだ欧米や東南アジアでも、まだマッチングサービスが台頭している、というほどではない」(藤井氏)

aMiが提供する各サービスには、海外ユーザーもいる。日本人が海外で撮影したい、というアウトバウンドでも、海外からのユーザーが日本で撮影したい、というインバウンドでもマッチングが可能だ。特にアジア圏に関しては、はじめから英語でもサイトを用意していたので、「海外進出というよりは最初から利用があった」と藤井氏は話す。フォトグラファーの派遣を行うサービス自体は、GMOグループが提供する「出張撮影サービス by GMO」やPIXTAの「fotowa」などもあるが、国内外での撮影に対応しているのはaMiの強みと言えるだろう。

「東南アジアについては、タイからの問い合わせが増えている。富良野のラベンダー畑や渋谷のスクランブル交差点など、日本人にもよく知られたスポットだけでなく、山口県や青森県など日本人は知らない土地での撮影についても問い合わせがある」(藤井氏)

一方、日本人の方もInstagramで話題の海外のスポットで撮影したい、という傾向はあるそうだ。「ニューヨークなどからトレンドが始まった、新生児をアーティスティックに撮影する“NEW BORN”フォトなども日本に入ってきているし、今後さまざまなシチュエーションでフォトグラファーに撮影してもらうことは、さらに増えると思う」(藤井氏)

ウェディング、家族といったC向けだけでなく、企業の利用についても藤井氏はニーズを感じている。「UBER EATS、Airbnbなどのサービスの広がりで、レストランの料理や貸し出す部屋の写真などをより良く撮りたい、ということも増えている。Wantedlyなどの採用サイトやメディア取材で掲載する企業や人の写真も同様だ。そうしたネット上のサービスを提供する企業との連携も進めたい」と藤井氏は語っていた。

完全審査制のマッチングアプリ「イヴイヴ」提供元が約1.6億円を調達、“出会いのFacebook”目指す

マッチングアプリ「イヴイヴ」を提供するMarket Driveは12月4日、East Venturesとカラオケのパセラなどを運営するNewtonに加えて、ヘッジファンド1社と複数の個人投資家を引受先とした第三者割当増資により、総額1.65億円を調達したことを明らかにした。

Market Driveは2016年11月2017年2月にもそれぞれ資金調達を実施していて、今回が3回目の調達となる。今後は組織体制やプロモーションを強化するほか、コミュニティ機能やサポーター機能の充実などアプリの改善を進める。またNewtonとは共同で新たな事業の開発も検討していくという。

運営とユーザーによる二重審査を採用するマッチングアプリ

マッチングアプリといえば累計会員数が600万人を超える「Pairs」を筆頭に、サイバーエージェントグループのマッチングエージェントが展開する累計会員数250万人超えの「タップル誕生」、同じく累計会員数が250万人を超える「Omiai」などすでに複数のアプリが乱立している。

同種のアプリも多い中でイヴイヴが重要視しているのが、安心安全に使えるかどうかということ。ユーザーが入会する際に運営側と既存ユーザーによる二重審査を採用しているのもそのためだ。運営側の審査はよくあるが、既存ユーザーの過半数が賛成しないと入会できないという仕様は珍しい。

Market Drive代表取締役社長の伊藤太氏によると、サービス立ち上げ前にマッチングアプリについてヒアリングを重ねたところ「安全面に不安がある」という声が多かったそう。それも踏まえてイヴイヴではユーザーがきちんと自分の情報を登録し、お互いが確認した上で安心して出会える空間を目指している。必須となる年齢確認などとは別に、任意ではあるが本人確認なども行う。

また機能面で特徴的なのがキャラクターの存在とプチ恋機能。イヴイヴでは2人のキャラクターが登場し、ユーザーの恋愛やサービスの使い方をサポートする。機械的なものではなく、ユーザーからの相談にひとつひとつ人力で対応。恋愛のサポートに加えてカスタマーサポート的な役割も果たす。

これは運営メンバーでディスカッションした際にでた「実際の恋愛と同じように、マッチングアプリ内でも恋愛を相談できたりサポートしてくれる存在がいたら使いたい」という声から生まれた機能だ。

もうひとつのプチ恋機能は毎週金曜日の夜21時〜24時の間限定で、すぐにトークできる人だけを探せるというもの。その日ちょうど暇な人とアプリ内のチャットでコミュニケーションをとり、出会いのきっかけを作れる。

意識しているのは「出会いのFacebook」

Market Drive代表取締役社長の伊藤太氏

「『出会いの数×子どもを生みやすい、育てやすい環境の質』を最大化することが少子化への対策になるとした場合に、出会いの数が圧倒的に足りないと考えた」(伊藤氏)

Market Driveの創業は2016年7月。少子化を解決するサービス、そして世界でも通用するようなサービスを作りたいという伊藤氏の思いからスタートした。出会いの数を増やすサービスに取り組むことを決めて、2016年11月にリリースしたのがイヴイヴだ。とはいえ当初は今と少し違い、実際にすぐ出会えることに重きをおいた、相席アプリのようなモデルだったという。

相席アプリではユーザーが同時刻に同じ場所へ集まる必要があり、適切なマッチングを実現する難易度も高くなる。結果的には同エリア内で一定数のユーザーを集めることが難しく、2017年1月に現在のモデルへと形を変えた。

伊藤氏が目指している方向性は「出会いのFacebook」。しっかりとユーザーの情報が登録されていて、その情報をお互いが確認した上でやりとりが進むことを重要視している。今後はコミュニティ機能やサポーター機能もさらに充実させていく予定だ。

当面は日本国内でユーザーを拡大することに注力し、運営体制やプロモーションの強化、アプリの改善に取り組む。並行して「オフライン」でも出会いの数を増やすアプローチを進めていく予定で、調達先のNewtonと新たな取り組みを検討していくという。

見積もりは最短30分、弁護士などトラブル解決の専門家マッチング「カケコム」ベータ版

男女問題やお金のトラブルなどを解決するために専門家の知識が欲しいと思っても、いざ弁護士に相談するとなると、心理的なハードルが高く時間も取れないのでなかなか気軽には相談できない——そんな人も多いのではないだろうか。9月11日にST Bookingがベータ版の提供を開始した「カケコム」は、そうしたトラブルを解決する、弁護士を中心とした専門家と相談者をマッチングするサービスだ。

ST Bookingは元々、日本への留学を望むインバウンド留学生やそのエージェントに向け、学校紹介や海外生活支援、翻訳サービスなどのマッチングを行う留学支援プラットフォーム「ST Booking」を提供してきたスタートアップだ。2016年5月には、総額20万ドルのシード資金調達も行っている。それがなぜ、弁護士のマッチングに主力事業をピボットしたのか。

ST Bookingの創業者で代表取締役社長の森川照太氏は、こう説明する。「留学支援サービスも今でもニーズがあり、意義のあるサービスで、やめるつもりはない。ただ、留学にまつわるサービスで、スタートアップ的な成長を目指すのは難しいと感じた。留学には年に2回のシーズンがあって、それ以外の時期に継続的な盛り上がりがないことや、ユーザーも『2、3年後の留学のために』といった時間軸で情報を探す人が多いからだ」(森川氏)

ST Bookingでは、2016年末からメイン事業をシフトして、カケコムの前身となる、トラブル解決に関する情報を提供するメディア「ジコナラ」をスタート。今回、名称をカケコムに変更するとともに、認定弁護士による見積もりサービスを追加し、トラブル解決の専門家マッチングサービスとしてリニューアルを行った。現在の見積もりサービスは、離婚案件に詳しい弁護士から最短30分で見積りをもらえるという内容になっている。サービスに登録する弁護士はカケコムスタッフが1人ずつ面談し、「累計取り扱い離婚案件50件以上」という基準を満たす場合のみ認定を行っているという。

「弁護士法では、送客ごとに報酬を得ることは禁止されているので、サービスの利用料を月定額で専門家から課金するモデルを採っている。有料会員数を増やして、2019年に2000人登録が目標だ。現在の相談数は月に数十件だが、年内に月100件を目指したい」(森川氏)

弁護士紹介でいえば、有名どころで「弁護士ドットコム」が既に無料の法律相談や弁護士の検索ができるポータルを提供している。また、探偵事務所や興信所探しなら「探偵ドットコム」といったサービスもある。

森川氏は「今までのサービスはディレクトリ検索的で、問題ベースで最適なソリューションが見つけにくいという問題があった。また、結果として条件に合う専門家のリストが表示されても、結局はそのホームページを自分で調べて確認して選択しなければならなかったり、電話やメールでこちらから問い合わせをする必要があったりして、気軽に相談できる状況ではない」と言う。

「そこで、新サービスでは、トラブルの種類別に最適なソリューションをスマホの画面上で手軽に選べて、短時間で専門家とコンタクトできるようにした」(森川氏)

提供中の離婚弁護士の見積もりサービスでは、離婚の原因や弁護士とのやり取りの方法など、相談者が簡単な質問に選択肢で答えて送信すると、適任の弁護士に通知され、弁護士から見積もりが届く。見積もりは無料で、専門家の側からアプローチがあるので、相談者から電話などで連絡するという心理的なハードルもなく、気軽に利用できるという。

今後のベータ版から正式版へのアップグレードに当たっては「サイト上で、専門家とのメッセージのやり取りなどのトランザクションが完結するサービスにしたい」と森川氏は話している。「また、離婚問題に加え、相続や労働問題、交通事故や金銭問題など、いわゆる“一般民事”に関わる専門家のマッチングにジャンルを広げていくつもりだ」(森川氏)

2人の元Google社員が、AIを用いて求職活動のマッチングを行う

2人の元Google社員が、ハイテク産業界の労働者たちに対して、理想の雇用主たちとのインタビューが確実になるようにしようとしている。人工知能を活用するのだ。

この1年ほどの間に、AIは広範な課題に対して適用されてきた。元GoogleのエンジニアだったRichard LiuYunkai Zhouが設立したLeap.aiは、AIがテクノロジー業界の雇用問題を解決することに利用できると考えている。

周知のように、現在のLinkedInは、オンライン求人を代表する体重360キログラムのゴリラだ。しかし、それはとても完璧とは言えない。ほとんどのHR(人事)チームと採用チームは、積み上がるデジタル履歴書を捌くために、終わることのない苦労を続けている。昨年Microsoftに260億ドル以上で売却されたLinkedInの中ではヘッドハンティングオプションが提供されている。しかしそれほほとんどの場合、質というよりは量を担保するもので、このサービスを活用するためには、多大な時間を注ぎ込んで手作業を行う必要がある。

Leap.aiの創業者であるLiu(CEO)とZhou(CTO)は中国からやって来て、もう長い間シリコンバレーに住んでいる。そして彼らは求職者が持つスキルと経験を、彼らの希望と雇用者候補のカルチャーに対してより効率にマッチさせる方法があるに違いないと考えたのだ。

「私はおそらく、私の部門に500人ほどを雇い入れました」とLiuはTechCrunchに語った。彼はGoogleで8年間を過ごし、Project Fi(Googleの格安SIMプロジェクト)のエンジニアリング責任者となった経験をもつ「そこで雇用が難しいことを学びました」。

「学び、協力し、統率力を発揮する能力は、強いアピールポイントとなりますが、それをインタビューから読み取るのは至難の業です。好奇心や動機なども、インタビュープロセスの中では多くを測ることはできません」と彼は付け加えた。

Leap.aiは18カ月前に設立され現在10人のスタッフを擁している。候補者のより完璧なキャリア志向を様々なデータを駆使して組み上げるが、使われるデータとしては例えば、就労履歴、様々な資格やスキルといった普通のものから、個人的興味、この先のキャリアに対する希望などまでが勘案される。そのプロセスの一部には、「理想」の雇用主と自身の理想とする役割のマッピングも含まれる。

そこからシステムは、DropboxやUberなどを含む(Leap.aiの常連客である)雇用者側と、求職者をマッチングする。求職者が働くことを熱望する候補の会社の名前を2つ挙げて貰うことで、Leap.aiは少なくとも1つの企業とのインタビューは保証できると考えている(特に希望対象がスタートアップでGoogleのような巨大企業ではなかった場合)。

なぜなら、企業は自身の文化に合った候補者に本当に価値を置いていて、財務的利益を超えて彼らを採用する意欲があるからだ、とLiuは説明する。

「ご存知のように、LinkedInは(人を集めるという)最初の問題は解決しました。しかしひとりひとりがどのように優れていて、どのように組織にフィットするかは、ずっと難しくて、ずっと価値がある問題なのです」と彼は語った。

Leap.aiサービスはまた、求職側や求人側から収集したデータに基づいて、候補者が働くのに適している場所について個人的な提案を行なうサービスも提供する。

これまでのところ、得られた結果は印象的なものだ。同社は、雇用が成立したときにのみ報酬を受け取るが、Liuは8月には利益が出るようになると述べている。現在までに、提供されたマッチングのうちの70%で、対象企業の(少なくとも)最初のインタビューはパスしている。

現在は、ニューヨーク、ボルダー、オースティン、シアトル、シリコンバレーの候補者に焦点を当てているが、米国内と海外の両方に、その範囲を広げようとしているところだ。これは、現行の50以上の顧客からの要請によって推進されている部分もある。Liuによれば、Leap.aiは現在、インドや中国の会社からの興味が大きく高まっていることを感じているそうだ。この両国の会社の中には、海外から故国に帰り、ハイテクプロジェクトで働きたいと思う海外居住者を探そうと考えるものが増えつつある。

すでにLeap.aiは、そうしたアジア系企業による米国での雇用を支援するための専用機能を構築している他、中国を起点にローカル採用オプションを試す予定だ。

中国でのネットワーク公開の準備は進んでいる。Leap.aiの創業者たちは、Googleの中で腕を磨いた中国人エンジニアとしての地位の他に、中国のトップテクノロジーVCの1つであるZhen Fudから支援を受けている。これはこれまで調達した240万ドルのシード資金の一部を構成している。

「私たちは積極的に中国でのチャンスを模索してはいますが、中国に進出する前に米国で確固たる地位を確立したいと考えいます」とLiu。「創業当初から、米国、中国、インドを目標として置いていました」。

同社の野望は単に雇用を支援するだけではなく、LiuとZhouがGoogleに参加していたときのような、メンターシップを再現することも考えている。すなわち、若い被雇用者たちが、キャリアゴールを設定しその野望を達成するためにステージからステージへの移動を描き出すことを助けるということだ。それは現在の会社の中での新しい役割かもしれないし、どこか外へ出て実現されるものかもしれない。

プロダクトの観点からみれは、これは人びとがずっと一定のキャリアコンパニオンとして使い続けるリソースとなることを意味する。既にスタートアップのアプリは、単なる就職活動を超えて、既にキャリアや個人の開発にむけて焦点を当てていて、この先更に深みが加えられていく予定だ。

「私たちはGoogleで積極的にメンタリングを行ってきました」検索の巨人で10年近く働いていたZhouはそう語る。「長期的観点でのキャリアの成功を助けたいのです」。

その成功の尺度として、同社はスタッフの半分以上を自社のサービスを通して雇用している。そして今は、自分たち以外の世の雇用者と従業員の双方にもメリットを与えられことを望んでいる。

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(翻訳:Sako)

サイバーエージェントのマッチングサービス「タップル誕生」が会員200万人突破、今後の注力分野に

「タップル誕生」のユーザー数推移

「タップル誕生」のユーザー数推移

オンラインで異性との出会いを提供するマッチングサービス。この分野に注力していくと明言しているのがサイバーエージェントだ。1月に開催した2017年9月期第1四半期の決算説明会でもその旨が発表されていたが、早速事業の進捗に関するニュースが飛び込んできた。同社は2月15日、マッチングサービス「タップル誕生」の会員数が200万人を突破したことを明らかにした。また同時にインフォグラフィックス(一部記事でも使用)も発表している。

タップル誕生は2014年にスタートしたスマートフォン向けマッチングサービス。サイバーエージェントグループのマッチングエージェントがサービスを提供している。サービスのユーザーは20代前半の男女が中心。男女比については明らかにしていないが、「競合サービスと同程度」(マッチングエージェント代表取締役社長の合田武広氏)で、課金ユーザーの比率や個別の売上は非公開。

「タップル誕生」のユーザー分布

「タップル誕生」のユーザー分布

タップル誕生では、これまで合計3300万組のマッチングが行われているという。先日エウレカのPairsが500万ユーザー突破を発表したが、その際発表されたマッチング数は3200万組だった。合田氏はこの点について、「タップル誕生はより若い世代にカジュアルな出会いを提供している」と語る。

冒頭にあるように、サイバーエージェントでは今後マッチングサービスを注力分野と考えており、すでにこのタップル誕生のほか、TechCrunchでも紹介した、位置情報を利用したマッチングサービスの「CROSS ME」、顔写真を軸にしたマッチングサービスの「mimi」など4つ(2017年夏にも新サービスを予定しているので合計で5つ)のサービスをグループで展開。「カップリングユニオン」という横断組織を作っているという。売上ベースでは現在タップル誕生がほとんどを占めているが、特にCROSS MEの成長が顕著なのだという。

「2017年度は立ち上げの時期。タップル誕生については業界ナンバーワンをめざす。2018年度には年間売上100億円を目指す」「我々にはAmebloの監視ノウハウなどもあるし、相当キツく(健全な運営を)やっている。実際に自社の社員でもマッチングサービスで結婚している時代。若い人がライトに使っていけば、事業としてゲームのようなポテンシャルは秘めている」(合田氏)

ちなみにこの合田氏、実はサイバーエージェントの内定者仲間とともに、2011年にマッチングサービスの「Pitapat(ローンチ時の名称はFacematch)」を立ち上げており、サイバーエージェントグループにいながらも、ある意味では学生ベンチャーとしてマッチングサービスにチャレンジしていたとも言える人物。当時のサービスはクローズすることになったが、組織も変わり、5年以上を経て、ついに同じ領域でサービスをグロースさせるに至ったというわけだ。

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マッチングエージェント代表取締役社長の合田武広氏

マッチングサービス「CROSS ME」は“すれ違い”をきっかけに出会いを提案する

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pairs」「Omiai」「タップル誕生」といったサービスの躍進も追い風となり、認知が広がっているマッチングサービス。この領域にまた新たなプレーヤーが登場した。サイバーエージェント傘下のプレイモーションは8月23日、マッチングサービス「CROSS ME(クロスミー)」の提供を開始した。

CROSS MEのコンセプトは「すれ違いの恋をきっかけにするアプリ」。アプリをインストールし、FacebookやTwitterアカウント、SMSでの認証をしてユーザー登録をすれば、あとはアプリを立ち上げなくても自動で他のユーザーと「すれ違い」が可能になる。同じタイミングに同じ場所にいた異性ユーザーは「すれ違い」リストに「いつ、どのあたりで、何回すれ違ったか」までが表示される。そのリストの中で気になる異性がいれば「いいね!」を送ることができる。お互いが「いいね!」を送り合えば2人でメッセージをやり取りすることが可能になる。

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位置情報は起動時および基地局の変更時に取得している。位置情報は町名までを取得。実際の「すれ違い」を判定する距離などは非公開で、今後利用動向を見てチューニングしていくという。ユーザーによっては夜間など自分の位置情報を伝えたくない時間帯もあるだろうが、あらかじめ設定しておけば、特定の時間帯に位置情報を送信しない機能も備えている。ユーザー検索機能も用意するが、基本的にはすれ違ったユーザーとのコミュニケーションを前提としているという。

プレイモーション代表取締役の平松繁和氏

プレイモーション代表取締役の平松繁和氏

ターゲットとするのは20代半ばまでの比較的若い世代。「同じ学校ですれ違ったのか、電車に乗る際にすれ違ったのかという偶然にドキドキして欲しい。恋活、婚活といったテーマのマッチングサービスもあるが、恋のきっかけとして利用して欲しい」(プレイモーション代表取締役の平松繁和氏)。若いユーザー層の利用を想定してFacebook以外にTwitterでの認証も導入したという。ただし24時間体制での監視を導入し、安全性を担保するという。

サイバーエージェントグループと言えば、冒頭で紹介したタップル誕生も提供しているが、ターゲットの属性が異なるため(タップルの方が上の世代をターゲットにしている)、競合ではなく補完関係にあるサービスだと説明する。

メッセージを往復する際に男性に料金がかかる。料金は最大で月額3800円だが、22歳の3月になるまでのユーザーに限定して月額600円の「学割」を導入する。今後はまず首都圏に限定してプロモーションを強化していく。

Nianticの「ポケモンGO」が登場して以降、改めて注目を浴びている“位置情報系”のサービス。果たしてマッチングという領域でも新しい価値を生み出せるだろうか。

オンデマンド型の営業員マッチングサービスのUniversal AvenueがシリーズAで1000万ドルを調達

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ストックホルムを拠点とするUniversal Avenueは、現地に住むの営業員を必要な時に必要な人数だけ採用できるサービスを展開するスタートアップだ。普段は顧客企業の手助けをする同社であるが、同社が今回発表したディールは、彼ら自身のためのものだ。現地時間7月11日、Universal AvenueはシリーズAにおいて1000万ドルの資金調達を完了したことを発表した。約1年前に行われた、シードラウンドの「延長戦」で調達した500万ドルなどを合わせると、同社の合計資金調達額は1700万ドルとなる。

今回のラウンドをリードしたのは、Fidelity Internationalの自己勘定投資部門であるEight Roadsだ。他にも、Universal Avenueの既存出資者であるNorthzoneやMOORなども今回のラウンドに参加した。

Universal Avenueの共同創業者兼CEOのJohan Jiljaとの電話インタビューによれば、同社のマーケットプレイスには3つの参加者が存在する。まず第一に、現地に住むセールスパーソンたちだ(同社は彼らを「ブランド・アンバサダー」と呼んでいる)。Universal Avenueを通してセールスの仕事を手に入れ、そこから歩合制の収入を得ることが彼らの目的となる。次に、B2Bのオンライン/デジタル企業だ。SaaSを提供する企業などがその例であり、新しいマーケットへの進出を考えていたり、マーケット調査をしたりする際にUniversal Avenueを利用するのだ。そして最後の参加者は、そのようなデジタル・サービスを購入することでメリットを得る可能性のあるローカルのビジネス・オーナーたちだ。

ほとんどの場合、B2Bのビジネスが対面の営業抜きで相手の意思決定者にアプローチするのは難しい。このことがSaaSを提供する企業やスタートアップがビジネスを拡大する際の足かせとなっており、Universal Avenueはこの問題を解決することを目指しているのだ。

B2Bビジネスが事業を拡大する際、進出先の国や地域に支社を構えたり、地元のエージェンシーにアウトソーシングするという手段が一般的だ。このような方法にはコストやリスクが伴ってしまう一方で、Universal Avenueのオンデマンド・モデルではそのリスクを抑えることが可能なのだ。

Universal Avenueはプラットフォームを利用する顧客企業と、それに見合ったレベルの営業員をマッチさせるためのマーケットプレイスだ。だがLiljaによれば、それぞれのクライアントには専属の営業員がつくようなシステムになっているという。それを考えると、そのようなシステムでは人材を有効活用できず、純粋なオンラインのマーケットプレイスよりもスケーラビリティに欠けるのではないかという意見もありそうだ。しかしLiljaによれば、いったん第一回目のトライアルが終わったあとは、比較的スムースにリピートを獲得することができているという。

新しいマーケットで自らの製品やサービスをテストしようとしている企業に対して柔軟な選択肢を提供しているという点で、Unibersal Avenueが他企業の事業拡大の手助けとなっていることは間違いない。Universal Avenueのユーザーは、顧客を実際に獲得することができて初めて利用料金を支払う必要がある。このオンデマンド・モデルによって、通常であればユーザーが負うべきリスクを代わりにUniversal Avenueが、ひいては歩合制で報酬を得る営業員が背負うことになるからだ。

Universal Avenueは今回調達した資金によってイギリス市場でのさらなる成長を目指すと当時に、今年後半にはアメリカ市場にも進出する予定だとしている。同社はイギリスの他にも、スペイン、ギリシャ、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドでビジネスを展開中で、これまでに顧客としてSpotify BusinessやDripApp、Shopifyなどを獲得している。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website / Twitter /Facebook