LINE経由のレンタルも可能な台湾のスクーターシェアWeMoが東南アジア進出へ

台湾の街でおなじみのスクーターは、人口密度の高い都市では車に変わる交通手段となっている。しかしスクーターは大気汚染や駐車スペースの混雑にもつながっている。ここ数年、数社がガソリンで走る従来のスクーターに取って代わる環境に優しいスクーターの開発に取り組んできた。

Gogoroはおそらく国際的には、電動のSmartScooterでよく知られているだろう。SmartScooterは台湾の電動スクーター部門で実際に最もよく売れている。しかし台湾外ではさほど知られていないスクーターシェアリングスタートアップのWeMo(ウィーモ)も2016年のサービス開始以来順調に成長している。今では台湾の3大都市でスクーター7000台超を展開し、毎月100万回の乗車があるという。

WeMoはこのほど、AppWorksがリードするシリーズAで数百万ドルを調達したと発表した。台湾のベンチャーキャピタルファームであるAppWorksにとって初のスマートモビリティへの出資だ。調達した資金はWeMoが現在展開している台北市、新北市、高雄市以外へのサービス拡大、そして海外進出に使われる。海外での展開はまずは東南アジアだ。

WeMoは台湾では、車とスクーターのレンタルサービスのiRent、そしてGogoroが1年前に立ち上げたモビリティシェアリングプラットフォームGoShareと競合する。同社の共同創業者でCEOのJeffrey Wu(ジェフリー・ウー)氏は、WeMoがシェアリング用スクーター向けのスマートテックを作ることにフォーカスしてきて、最初から他社と差異化を図っているとTechCrunchに語った。

Gogoroのが自前の電動スクーターを開発するのとは異なり、WeMoは台湾最大のスクーターブランドの1つ、Kymco(キムコ)と提携している。各スクーターにはWeMoが開発したネットに接続するブラックボックスが装備される。

このブラックボックスによってWeMoは、交通状況や路面の状態、例えば路面のデコボコを感知するなど乗車に関するデータを提供しながら、スクーターのバッテリーを管理できる。こうしたデータは交通インフラの改善のために当局と共有することも可能だ。ブラックボックスはまた、WeMoユーザーのアプリとも接続し、利用できるスクーターの場所の表示や、スクーターのロック解除、交通状況についてのアラート送信ができる。

WeMoはスクーター200台でサービスを開始する1年前の2015年に取り組みを開始した。ウー氏はWeMoを共同創業する前、McKinsey and Company(マッキンゼー・アンド・カンパニー)のコンサルタントだった。「戦略コンサルタントというバックグラウンドに戻ろうとしていた時、私の共同創業者と私は台湾で何かしようと決めた。台湾は過去のビジネスの仕方と異なっていた。というのも、環境を変える多くの異なるマクロトレンドがあったからだ」とウー氏は述べた。

「明らかにシェアリングエコノミー部門はブームになっていて、当時モバイルファーストのテクノロジーが広まりつつあった。しかし我々は輸送部門はかなり長い間変化がないことに気づいた。そして環境に優しい乗り物にシェアリングエコノミーや使ったぶんだけ払うというコンセプトを持って来れれば、より環境に優しく、スマートで、そして便利な交通手段になると考えた」。

ウー氏はまた、道路の両サイドに日々停められている不使用のスクーターを目にして、マーケット機会を嗅ぎとった。スクーターは台湾では最も一般的な交通手段の1つであるにもかかわらず、主要都市で駐輪スペースを探すのは往々にして大変で、これは多くのスクーターが十分に活用されていないことを意味する。

WeMoのスクーターは駐輪場で待機し、ユーザーはアプリで解錠できる。いくつかの料金設定があり、1分ごと、あるいは1時間単位のレートのほか、月額プランもある。アプリは中国語と英語で提供されていて、地元の住民並びに観光客も利用できる。台湾で最も広く使われているメッセージアプリのLINEを通じてアカウントを開いてスクーターをレンタルすることも可能だ。

「新たに調達した資金の一部は、新マーケットへの進出準備として台湾にあるR&Dセンターの拡張に使われる、とウー氏は述べた。同社はハードウェアとソフトウェアのエンジニア最大100人を雇用する計画だ。特に自動運転テクノロジーや車両テレマティクス、機械学習などの分野で経験を持つ人材を求めている。スクーターシェアリングサービスを新マーケットで立ち上げるためにパートナーと協業しながら「モビリティ・アズ・ア・サービス」プラットフォームになることを目指す。

「過去5年間で人々はシェアリングモビリティサービスに慣れてきた。しかし5年前はこの分野はさほど発展してはいなかった。そのため、我々はテクノロジーとアプリケーションを持ち込まなければならなかった。そしていま、モビリティの未来のあるべき姿、輸送部門外に拡大するためにいかにIoTテクノロジーを使うか、ユーザーがこれまで以上に簡単に移動できるよう我々のデータをいかに使うかを模索している」。

画像クレジット:WeMoc

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(翻訳:Mizoguchi

テキサス州はTeslaのCybertruck生産工場誘致に最低15億円の税控除を提示

テキサス州議会は、Tesla(テスラ)とそのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏に工場建設のための新たな優遇措置を提供した。

オースティンを抱えるトラビス郡はTeslaの新工場建設候補地となっているが、郡委員会は、米国時間7月14日に少なくとも1470万ドル(約15億8000万円)相当の固定資産税控除を承認した。10年の期間を考えると、さらに多額になる可能性がある。この優遇措置は、デルバイエ学校区の教育委員会が2020年7月初めに承認した4660万ドル(約49億9000万円)の固定資産税減額に上乗せされる。

この控除承認のニュースを受けて、Teslaの株価は時間外取引で3.5パーセント上昇した。

地元紙オースティン・アメリカン・ステイツマンが最初に伝えたところによれば、この取り決めは新工場建設を期待してTeslaの鼻先にぶら下げられた最新のニンジンだという。そこでは、東海岸市場向けの完全電動トラックCybertruck(サイバートラック)とModel Yが生産されることになっている。

だがもちろん、この取り決めには条件がある。

トラビス郡との合意に従い、Teslaは、最初の5年間で新工場に11億ドル(約1200億円)を投資しなければならない。それと引き換えに、トラビス郡はTeslaが支払うべき固定資産税の70パーセントを払い戻す。Teslaの工場への投資が11億ドルを上回った場合は、払い戻し率は75パーセントに増える。いかなる内容であれ工場への投資が20億ドル(約2100億円)を超えた場合は、Teslaへの固定資産税払い戻し率は80パーセントとなる。

トラビス郡は、もしTeslaが11億ドルを投資すれば、固定資産税の払い戻しを計算に入れても、10年間で880万ドル(約9億4300万円)の税収が新たに加わると見積もっている。

Teslaの投資額が目標に達しなかったとき、またはいずれかの年に求められる雇用者数を下回ったときは、固定資産税の減免は受けられない。またTeslaが契約に違反した場合には、郡には払い戻し金を回収する権限が与えられる。

この優遇策パッケージの承認が早かったのは、地方行政が新規雇用に飢えていることの表れだ。Teslaもそこをよく承知している。Teslaはプレゼンテーションの中で、トラビス郡の失業率について触れていた(Bloomberg記事)。2019年の2.2パーセントから、2020年4月には失業率が12パーセントに跳ね上がっている。

マスク氏は2020年3月に、CybertruckとModel Yクロスオーバーを国内で生産する新巨大工場の建設予定地を「物色」しているとツイートしていた。

当初、Teslaはナッシュビルに目を付けていたが、突然、オースティンの東部とオクラホマ州タルサに切り替わった。オクラホマ州議会は、内容を一般公開しないものの、独自の優遇策パッケージを提示している。

Teslaはテキサス州当局に対して、5000人の雇用を約束している。そのうち25パーセントは「有資格」職で、最低年収7万4050ドル(約790万円)、残りは中間所得職で年収
4万7147ドル(約500万円)が支払われるという。

ネバダ州とニューヨーク州でのTesla工場建設の承認プロセスが何らかの参考になるなら、州による優遇措置もあり得る。例えばTeslaは、Texas Enterprise Fundからの税金で賄われる助成金を求めることもできる。テキサス州にはこの他にも優遇できる方法がある。同州では禁止されている、自動車メーカーが消費者に車を直接販売できる権利だ。

画像クレジット:Kirsten Korosec

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(翻訳:金井哲夫)

フォード・Broncoの自由自在にスマホやドラレコが取り付けられるアクセサリーマウンティングバーがすごい

Ford(フォード)のSUVである2021 Bronco(ブロンコ)は(未訳記事)、オーナーがガジェットをたくさん持っていることを知っている。ダッシュボードの上、フロントガラスの手前にアクセサリーマウンティングバーがある。iPhoneをマウントする。レーダー検知器やGoProやドライブレコーダーなどなんでも取り付ける。これは素晴らしい!他の車も同じようなソリューションを採用してくれることを願うばかりだ。

Ford Broncoには気の利いた仕掛けがたくさんあり、このシンプルなアクセサリーバーがそれを物語っている。フォードは自分たちの顧客をよく知っている。

Jeep Wrangler(ジープ・ラングラー)を見てみよう。まるで無地のキャンバスのように、オーナーはさまざまなアクセサリーや装備品を取り付ける。新しいフェンダーからラック、カメラ、ステッカーにいたるまで、多くのオーナーが自分好みに車をカスタマイズし続ける。

対局にあるのが、トラックやセダンに乗る日常的なオーナーだ。誰もが携帯電話を持っているが、ほとんどの車には携帯電話を置くための専用スペースがない。ドライブレコーダーの価格が下がり、その有用性が認識されるにつれ急速に普及している。多くのドライバーがフロントガラスに設置してしばしば運転時の視界を妨げている。

Broncoのアクセサリーマウンティングバーは多くのドライバーにとって有効だろう。フロントガラスのあちこちに吸盤式マウントを設置するかわりに、フォードが安全だとみなした場所に小さなガジェットをしっかり取り付けることができる。バーの横にはUSBと12Vのソケットもある。

自動車メーカーは長らくガジェットを無視してきた。よくても携帯電話のワイヤレス充電パッドをつけるくらいだが、多くの場合スマートフォンの利用を妨げる場所にある。好むと好まざるとにかかわらず、ドライバーは運転中に地図やメディア再生などのためにスマートフォンを使うので、車は安全に設置できるように設計すべきだ。

このバーはほとんどのモダンな車には似合わないだろうが、同じような発想で他の車向けにデザインされたものが出れば、多くの車に歓迎されるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

テスラが電動SUVのModel Yを値下げ、長距離四輪駆動バリエーションが5万ドルを切る

Tesla(テスラ)がさらに車両価格を下げた。今回は同社が2020年3月に出荷を開始した電動SUVの「Model Y」だ(未訳記事)。同モデルの長距離四輪駆動バリエーションは現在、購入価格が4万9990ドル(約540万円)となっており、以前より3000ドル(約32万円)安くなっている。この値下げは先週末にElectrekが最初にレポートしている

2020年5月にテスラは、セダンのModel SやSUVのModel Xなどの高級車を含むいくつかの車両価格を引き下げた。新しい価格設定は米国の自動車メーカーが新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより経済的な影響を受け、消費者を引き付けようとしていることに由来している。

関連記事:テスラが主要製品を大幅値下げ、Model SとModel Xの無料充電は廃止に

Ford(フォード)やGM、Fiat Chrysler Automobiles(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)といった伝統的な米国の3大自動車メーカーは、ローンの据え置きまたは長期の支払いオプションに加えて金利0%のプランを提供しているが、他の自動車メーカーも新規購入者へのアピールとして、既存の所有者がローンを滞納しないようにするためのインセンティブや支払いプランを発表している。

2020年7月初め、テスラは第2四半期(4月〜6月)に9万650台の車両を出荷したと発表したが、新型コロナウイルスと米国の主要工場の生産が数週間停止したため4.8%の減少となったものの、アナリストの予想を上回っていた。納入台数の大部分(8万50台)はModel 3とModel Yで、残りの1万600台は高級車のModel SとModel Xだった。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Superstrataが3Dプリントで作られたカーボン製ユニボディ自転車Ionの予約注文の受け付けを開始

Superstrata(スーパーストラタ)を見るたびに、どれだけ早く盗まれてしまうのだろうか、とどうしても考えてしまう。それはこの自転車の責任ではない。実際は逆で、そこが長所だ。たぶん、ニューヨークという街に長く住みすぎたために蓄積された経験が、私にそう思わせるのだろう。

SuperstrataのIon(イオン)は、4000ドル(約43万円)の自転車だ。だが、そこらの4000ドルの自転車(何を指しているかは、ここでは省く)とは訳が違う。滑らかな外観も目を引くが、Ionはなんと3Dプリントされたカーボンファイバー素材のユニボディ自転車なのだ。この製造法により、乗る人の体型に合わせたカスタム自転車を作ることが可能になっている。びっくりするような価格ではあるが、1万2000ドル(約130万円)以上もする従来のカーボンファイバー製自転車に比べたら、Ionは安い。

Superstrataブランドで発売されるのは2車種。前述の電動アシスト自転車Ionと、2800ドル(約30万円)の非電動自転車Terra(テラ)だ。どちらもまだ、完全には商品化されていない。現在、クラウドファンディングのIndiegogoで予約注文の受け付けを開始したところだ(キャンペーンはすでに当初の目標額10万ドルの5倍の資金を集めている)。このキャンペーンは、Alabaster(アラバスタ)やMisfit(ミスフィット)の創設者であり、ここ数年の消費者向け電子機器の動向に詳しい人にはお馴染みのSonny Vu(ソニー・ブー)氏が主催している。

画像クレジット:Superstrata

3Dプリント自転車の長所ははっきりしている。同社の説明によると、身長140cmから225cmの人まで車体を対応させることができるという(そこじゃない、均整美などのもっと楽しい面があると指摘される方もいるだろうが、話のポイントはわかってもらえると思う)。Superstrataでは、18の部分の長さを調整してユニボディのフレームを作っている。そうすることで、重量1.3kg(非電動モデルの場合)にも満たないフレームの強度が格段に上がる。同社がTechCrunchに話してくれたところによると、重複のない組み合わせは25万通りにのぼるという。プリントが完了すると、あとは人の手で仕上げられる。

Superstrataは、ただの新しい自転車スタートアップではない。サンフランシスコ湾岸地区を拠点とする積層造形スタートアップであるArevo(アレボ)傘下の新ブランドだ。Superstrataは、Arevoのサービスと複合積層製造技術を製造業界に売り込むためのデモンストレーションの役割も担っていると、ブー氏はTechCrunchに述べた。

その大きな目標を達成するために、Arevoは大規模なシステムを完備したプリント工場をベトナムに建設しているとブー氏はいう。

「ただ何かをプリントして、『ほら、こんなこともできますよ』というだけの話ではありません」とブー氏は最近のインタビューで話してくれた。「名前から色、ブランド、フォント、工業デザイン、ユーザーエクスペリエンスに至るまで製品全体を、B to C(企業対消費者間取引)のすべてを作ろうということです」。

Superstrataの製品がいかに早く開発されたかを自分の目で見て理解してもらえれば、将来の顧客が夢中になってくれるとブー氏は目論んでいる。設計から製品化直前のプロトタイプまで、全工程に要した時間は約2カ月だったとブー氏はいう。その時間の大半は、各自転車ごとに大量のカスタマイズを可能にするためのプリント工程の設計に費やされた。

ブー氏は、Superstrataが自立した高級品メーカーになることを目指しているが、同社は今回の2車種の設計を、自転車の専門家とデザイナーに大きく頼ってきた。賛否が分かれるところだが、デザイン的に興味深い点としてシートチューブを廃止したがある。

「たしかにデザインはちょっと派手なもにになっています」とブー氏はいう。「これも強度を誇示したくて、このようなデザインにしました。もちろん、シートチューブを付けようと思えば付けられました。しかし全体がカーボンファイバーで作られているので、かなりの重量に耐えられるという点を見て欲しいのです」。

注目すべきは、この2車種は大幅なカスタマイズが可能であっても、ハンドルバーや車輪などが固定された閉鎖的システムではないということだ。車輪やその他の部品は他社製品に交換することができる。Superstrataがそうした柔軟性を持たせたのは、いずれにせよハードコアなサイクリストは、余計なものを取り払ってフレームとフォークだけにしてしまうであろうことを想定しているからだ。

今ならさらにお得なポイントがある。どちらの車種も、クラウドファンディングのキャンペーンで早期に支援した人は割引価格で購入することができる。出荷予定は12月となっている。

画像クレジット:Superstrata

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(翻訳:金井哲夫)

EVピックアップトラック開発のRivianが2670億円調達

世界初のEVピックアップトラック販売を目指しているEVメーカーのRivian(リビアン)は、投資管理会社であるT. Rowe Price Associates Incのアドバイスを受けたファンドなどがリードするラウンドで25億ドル(約2670億円)を調達した。

新規投資家のSoros Fund Management LLC(ソロス・ファンド・マネジメント)、Coatue(コーチュー)、Fidelity Management and Research Company(フィデリティ・マネジメント・アンド・リサーチカンパニー)、Baron Capital Group(バロン・キャピタルグループ)そして既存株主のAmazon(アマゾン)とBlackRock(ブラックロック)が管理するファンドも参加した。新たに役員は加わらなかった。

Rivianと同社の創業者でCEOのR.J. Scaringe(R.J. スカーリンジ)氏は上場を避け、代わりに戦略的ファンドとプライベート投資家から資金を調達してきたが、今回の調達は同社にとってこれまでで最大のラウンドだ。一連の投資を通じて28億5000万ドル(約3050億円)を集めた活発な2019年に続く動きだ。今回、Rivianは2019年に相当する額を一度に集めた。

同社は2019年2月に、Amazonがリードした7億ドル(約750億円)の資金調達を発表した。その後、Ford(フォード)による5億ドル(約530億円)の投資を含め、将来のEVプログラムでコラボする約束とともにさらに多くのディールや投資が続いた。Cox Automotive(コックス・オートモーティブ)も9月に3億5000万ドル(約370億円)を投資した。RivianはT. Rowe Price Associates Incのアドバイスを受けたファンドなどがリードし、AmazonやFord、BlackRockが管理するファンドが参加した13億ドル(約1390億円)の資金調達ラウンドを発表して2019年を締め括った。

Rivianはまた2019年に、スケートボードプラットフォームを活用してAmazon向けの配達EVバンを開発していることも発表した。AmazonはEVバン10万台を発注し、2021年から納車が始まる。

Rivianは集中的に資金調達を行っており、これは2021年まで続きそうだ。同社はR1T電動ピックアップトラックとR1S SUVを組み立て、AmazonにEVバン納車するための工場をイリノイ州ノーマルに準備している。

これら3つのプロダクトは(EVバンに限っては直接Amazonへの納車になるが)2021年に販売開始となる見込みだ。R1TとR1Sは2020年に生産が開始される予定だったが、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックで後ろ倒しになっている、と同社は以前述べていた。

「我々はR1TとR1S、そしてAmazonの配達EVバンの立ち上げにフォーカスしている。これらはすべて2021年にローンチされる予定で、当社のチームは生産を増強できるように車両やサプライチェーン、生産システムの準備に注力している。生産にフォーカスできるようにしてくれている強力な投資家に感謝する」とスカーリンジ氏は声明で述べた。

Rivianは困難も抱えていた。Fordとのコラボは棚上げされ、新型コロナで余儀なくされた工場停止はRT1とRS1のプロジェクトの遅延につながった。 2020年初め、Ford傘下のラグジュアリーブランドであるLincoln Motor(リンカーン・モーター)はRivianのスケートボードプラットフォームを活用した新電動車両を生産する計画をキャンセルした。RivianとFordは当時、現状に基づく共同の決断だと述べた。現状とは、主に新型コロナパンデミックを指す。両社はまだ将来共同で車両を開発することを計画している。

画像クレジット: Rivian

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(翻訳:Mizoguchi

フォードの主力ピックアップトラック「2021 F-150」で採用されたテクノロジーのすべて

Ford(フォード)社は木曜日の晩、エレキギターのリフをバックに、ビデオの中から飛び出してくるような演出を用いて、フルモデルチェンジを果たしたF-150トラックの新型車を大々的に発表した。MCにはなんと、あの歯に衣着せぬDenis Leary(デニス・リアリー)を起用した。

もちろん、そんなことはどうでも良いことで、注目すべきは、フラグシップとして、また最も収益を望めるモデルとして、同社が改良を重ね、形にしてきた内容だ。前回のマイナーチェンジから実に6年が経過している。このまったく新しいF-150は、フォードトラックのファンが大いに期待してきた高い性能と豊富なオプションを備えている。例えば、フォードでは11のグリルオプションを提供している。

しかし、今回際立っているのは、組み込まれているテクノロジーと、マイルドハイブリッドを飛び超えて、いきなりフルハイブリッドパワートレインを採用したことだ。

新しいF-150で採用されたすべてのテクノロジーを以下に紹介する。まずは、インテリアと車載インフォテインメントシステムから。

コントロールセンター

ベースバージョンとなる XL には、8インチのセンタータッチスクリーンディスプレイが標準装備される。しかし、XLT 以上のグレードでは、画面を分割できる12インチのディスプレイが装備されている。これにより、ナビゲーション、音楽、トラック機能など、複数の機能を同時に操作できる。

Image Credits: Ford

接続性とOTA

搭載されている機能をサポートする接続性を備えていなければ、そのディスプレイにいったい何の意味があるだろうか。注目に値するのが、F-150には新しいSYNC 4システムと、最大10台のデバイスまで Wi-Fiアクセスを提供できる4G LTE内蔵モデムが搭載されている点である。前の世代より2倍のコンピューティング性能を備えたSYNC 4は、F-150のすべてのモデルに標準装備され、音声制御やリアルタイムマッピングといった機能も備えている。SiriusXMが提供するオンデマンドオーディオコンテンツも利用できる。

またスマートフォンをワイヤレスでApple CarPlayやAndroid Autoに接続できる。

このマストなシステムは、外部に委託せず、自社で製造しているため、無線ソフトウェアアップデートをサポートする。つまり、対象車種にアップグレードがロールアウトされ、運転アシストシステムの追加や改善を行ったり、地図を最新の状態に保ったりすることができる。SYNC 4はAppLinkシステムを介してサードパーティアプリも提供し、Wazeや「Ford+Alexa」と呼ばれるAmazon(アマゾン)社のAlexa(アレクサ)などにも対応する。

オフィス、寝室、それともダイニングルーム?

フォードが仕事のためにトラックで長い時間を過ごす人にターゲットを絞っていることは明白だ。この新しいF-150のセンターコンソールエリアは作業台へと変化する。この作業台は、書類に署名したり、15インチサイズのノートパソコンを使用したり、サンドウィッチを置いたりできるように設計されている。コンソールシフトレバーをうまく格納することによって、この快適な空間を作り出すことに成功した。ドライバーがボタンを押すとシフトレバーが折りたたまれて格納場所に収まり、ノートパスコンを広げるスペースがつくりだされる。

Image Credits: Ford

テールゲートを外に倒すと、物差しやモバイルデバイスを固定でき、カップホルダーや鉛筆収納ケースにもなる別の作業台が現れる。

Image Credits: Ford

発表前に少しリークされていたが、車内後部座席は完全フラットになる。この「マックスリクライニング」シートはほぼ180度倒すことができ、宣伝されている通り、King Ranch(キングランチ)、Platinum(プラチナ)、Limited(リミテッド)などのハイエンドモデルに装備されている。

ハイブリッドシステム

フォードは、F-150 XLからリミテッドまでのモデルで、フルハイブリッドパワートレインとも呼ばれる「PowerBoost」システムを提供している。このシステムは、フォードの3.5リッターV6エンジンと10速トランスミッションを35キロワットの電気モーターと組み合わせることによって実現されている。この電気モーターは、回生ブレーキによるエネルギー回収を利用し、トラックの下部に設置されている 1.5kWhリチウムイオンバッテリーに充電している。

フォードによると、一度の給油でEPA推定航続距離約1126キロメートルを目標としており、少なくとも約5.5トンの牽引が可能である。

電力

このトラックは、「Pro Power Onboard(プロパワーオンボード)」と呼ばれる車載発電機も備えている。オプションのガソリンエンジンで、2.0キロワットの電気出力が可能となる。ハイブリッド F-150では2.4キロワットの電気出力が標準で、オプションで7.2キロワットの出力を選べる。

所有者はキャビンにあるコンセントに差し込んで電源を利用できる。また、荷台には最大4 つの120ボルト20アンペアのコンセントが装備される。7.2キロワットの電源オプションの場合、240ボルト30アンペアのコンセントが備えられている。自動車で移動中に工具のバッテリーを充電することが可能になる。

アシスタント機能が満載

走行時には多くの危険が潜んでいるため、いつも安全に運転するのは容易なことではない。そのためフォードが提供する Co-Pilot 360 2.0システムの一部には運転アシスト機能が含まれている。注目すべき点は、これらの高度な運転アシスト機能はベースモデルの XL から標準装備されていることである。これには、自動緊急ブレーキと歩行者検知を利用した衝突を事前に避けるアシスト機能、ダイナミックヒッチアシストを備えたバックカメラ、ヘッドランプのハイビーム自動切り替え機能、ヘッドランプのオン/オフ自動切り替え機能が含まれる。

フォードはこれまで10個の運転アシスト機能を新たに追加してきた。最も有名なのは、Active Drive Assist(アクティブドライブアシスト)と呼ばれる、ハンズフリー運転機能である。2021年の第3四半期に、全電動式Mustang Mach-E(マスタング・マッハ E)を含む特定の車種にソフトウェアアップデートを介してロールアウトする予定。

ハンズフリー機能は、米国およびカナダの中央分離帯のある、事前に地図に登録されている約16万キロの高速道路で利用できる。モニタリングシステムには、ドライバーが道路に注意を払い続けているかを確認するため、視線や頭の位置を追跡する高度なドライバー顔認識赤外線カメラが含まれる。 DMS は、ドライバーが車線維持モードを選択したときに、ハンズフリーモードで使用される。これは、車線が引かれている道路で機能する。ドライバーが視線を前方から逸らすと、インストルメントクラスターに視覚的に警告が表示される。

ドライバーが左折しようとするときに対向車があればそれを検知する「Intersection Assist,(交差点アシスト)」機能や、縦列駐車や直角駐車を行う際にボタンを押すだけでステアリング、シフトチェンジ、ブレーキ、アクセルを制御する「Active Park Assist 2.0(アクティブ駐車アシスト 2.0)」機能もある。

さらに、「Trailer Reverse Guidance(トレーラーバックガイダンス)」機能や 「Pro Trailer Backup Assist(プロトレーラーバックアップアシスト)」機能もある。これらは新しいものではないが、トラックを運転するものにとってどれも重要な機能である。

関連記事:2020年ベントレー新型フライングスパーは極上の乗り心地とパフォーマンス

カテゴリー:モビリティ

タグ:Ford 自動車 レビュー

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(翻訳:Dragonfly)

Karma AutomotiveがEVプラットフォームの他社再販へ約110億円を調達

Bloomberg(ブルームバーグ)が報じたところによると、Karma Automotiveは外部投資家から1億ドル(約110億円)の資金を調達した。同社は2014年にWanxiang Groupに買収される前に倒産に直面していたFisker Automotiveの生まれ変わりだ。

Karma Automotiveは2019年に最初の電動スポーツセダン 「Revero」 を約500台出荷するなど、以前のFiskerよりも大きな進歩を遂げており、小売価格が14万ドル(約1500万円)前後の 「Revero」 の販売を継続するほか、高馬力の 「GTE」 バージョンやさらに上位顧客向けのスーパーカーの追加を検討している。

Karma Automotiveはまた、商用配送トラックのパートナーと交渉中であり、年内にプロトタイプを開発する予定だという。UPSやFedExのように宅配業者向けの配送車を模索している企業は数多くあり、参入者が殺到しているにもかかわらず、Eコマースの普及により複数のプレーヤーががこの分野で成功するチャンスがある。

Karmaは新規投資を活用し、他の自動車メーカーやOEMにも同社のEVプラットフォームを展開し、最終的には純粋なEVからハイブリッド燃料車へも拡大していくという。要するに、Karmaはあらゆる方法で収益化への道を切り開こうとしているようだが、それが賢明な戦略なのか、あるいは散漫な自暴自棄なのかは、時がたてばわかるだろう。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Lucidが電気自動車の販売・サービス拠点を20カ所に開設

電動セダンのLucid Airは2020年9月9日にデビューする予定だが、米国時間7月8日にLucidはそれらの車を販売し、サービスする計画の詳細を発表した。同社によると、2021年までに20カ所のいわゆる「スタジオ」とよばれるサービス拠点を開設するという。これらの拠点は北米全域に設置され、Tesla(テスラ)の顧客拠点と似たような役割を果たす。

現時点で明かされているスタジオとサービスセンターの所在地は、カリフォルニア州ビバリーヒルズの2拠点、サンノゼ、ウェストパームビーチ、ニューヨーク市、DCメトロエリア、カリフォルニア州ニューアークにあるLucidのシリコンバレー本社だ。

Lucidはこれらの販売店に電話をかけないように注意している。なぜなら、販売会社は州の規制を遵守する必要があるからだ。多くの州では、実店舗をつうじて直接顧客に自動車を販売することを禁じている。その代わり州の規制により、自動車メーカーは第三者、つまり独立したディーラーを利用して取引を行うことが義務付けられている。テスラと同様、Lucidのこれらのロケーションはブランド認知度を高め、顧客のオンライン購入を支援する。

サービスに関しては、Lucidはモバイルサービスプロバイダーや衝突修理センターを含む認定サービスセンターのネットワークを構築している。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

電気自動車開発のFiskerが2022年のSUV生産開始へ向け約54億円調達

電気自動車のスタートアップFisker Inc.(フィスカー・インク)は米国7月8日、5000万ドル(約54億円)を調達したことを明らかにした。同社のラグジュアリーな全電動SUVのエンジニアリング作業を次の段階に進めるのに必要な資金だ。

同社は2022年のFisker Ocean SUV発売を目指している。

今回のシリーズCラウンドは、億万長者のヘッジファンドマネジャー、Louis M. Bacon(ルイス・M・ベーコン)氏のプライベート・インベストメント・ビヒークルMoore Strategic Ventures  LLCがリードした。

「今年初めのCESで初めて車を披露して以来、顧客や投資家からの反応はかなり好意的なものだった」とFisker Inc.の会長でCEOのHenrik Fisker(ヘンリック・フィスカー)氏は声明で述べた。「我々は車の開発や販売に関し、型にはまった業界の考え方に徹底的に挑戦している。今回の資金で2022年までに車両生産を開始するというタイムラインを実行できる」

同社はまた、プロジェクトの推進をサポートする役員も強化している。フィスカー氏は、CTOとしてBurkhard Huhnke(バークハード・ハンケ)氏を迎え入れたと述べた。ハンケ氏はVolkswagen America (フォルクスワーゲン・アメリカ)eモビリティの前副社長で、チップメーカーSynopses(シノプシズ)で自動車担当副社長を務めた。

CTOとしてハンケ氏はロサンゼルスでのR&D作業と、シリコンバレーに新設したフィスカー・イノベーション・ラボの両方に時間を割く。

車会社を設立することは簡単ではない。フィスカー氏に聞くといい。Aston Martin(アストン・マーティン)のV8 VantageやDB9、BMW Z8などを手掛けた著名な車デザイナーであるフィスカー氏は、ラグジュアリーなプラグインハイブリッド電気自動車を生産するためにFisker Automotive(フィスカー・オートモーティブ)というスタートアップを立ち上げた。フラッグシップのFisker Karmaは2008年北米インターナショナル・オートショーでデビューし、2011年に初納車した。しかし同社は数多くの困難に遭い、2012年11月に生産を一時停止し、その1年後に破産することになった。

中国のWanxiang Group(万向集団)が2014年にFisker Automotiveを買収し、Karma Automotive(カルマ・オートモーティブ)という新会社を立ち上げた。ちなみに、財政的に厳しかったKarmaも7月8日に1億ドル(約107億円)を調達したことを発表した。

今回、フィスカー氏はSUVにフォーカスしている。今年1月のCESで正式発表したFisker Oceanの価格は連邦所得税クレジットまたは州のインセンティブ適用前で3万7499ドル(約400万円)〜となっている。

画像クレジット: Fisker Inc.

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(翻訳:Mizoguchi

メルセデス・ベンツの2021年型Sクラスは大型タッチスクリーン搭載でさらにデジタル化

Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)が米国時間7月6日に、次期2021年型Sクラスの予告画像とビデオを公開した。これまでのモデルに見られる物理的なノブやトグルボタンが少なく、デジタル化をさらに打ち出した洗練されたインテリアを強調している。

それらの予告画像、ビデオには、Teslaが自動車業界で流行らせた大型タッチスクリーンが登場する。

しかし、2021年型Sクラスでデビューするはずのメルセデス・ベンツの次世代インフォテインメントシステム「MBUX」に関する情報は乏しい。同社の予告画像や以前に公開されたビデオ写真のリーク(Carscoops記事)によると、大きな縦長のタッチスクリーンがその新しいMBUXシステムの主役のようだ。スクリーンサイズやその機能はまだわからないが、気候制御機能は中央のそのタッチスクリーンにあるようだ。

画像クレジット:Screenshot / Mercedes

そのシステムとSクラスに関する詳細な情報は、数日後に発表される。メルセデス・ベンツが次世代MBUXシステムを披露するのは東部夏時間7月8日午前5時半で、2021年型Sクラスのデジタル化について紹介する一連の詳細情報の一部が公開される。その他のビデオは7月29日と8月12日の公開だ。Sクラスの世界初お目見えは2020年9月の予定となっている。

第1世代となるメルセデス・ベンツのユーザー体験システム(Mercedes-Benz User Experience、MBUX)は2018年1月にテクノロジーのトレードショーCESで発表され、同社のAクラスハッチバックに搭載された。それは従来、最新技術を同社の最高級モデルに搭載してきた同社の出発点であり、Sクラスは一般的に最新かつ最高のテクノロジーを搭載する最初のモデルとなる。2021年型Sクラスに搭載される最新MBUXで、その戦略に回帰しているようだ。

画像クレジット:Screenshot/Mercedes

ダイムラーの取締役であるMarkus Schäfer(マーカス・シェーファー)氏のビデオによると、次世代のMBUXは引き続き、音声を強調するようだ。またビデオによるとメルセデス2021型Sクラスもヘッドアップディスプレイが搭載されるという。

画像クレジット:Mercedes-Benz

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Teslaが中国でCybertruckの予約受付を開始

Tesla(テスラ)は中国の顧客向けに、全電動ピックアップトラッであるのCybertruckの予約を始めた。これは巨大で未来的なトラックに対する市場の関心を測るものだ。

Teslaの中国サイトにある予約ページに、Redditのチャンネルであるr/teslamotorsにユーザーu/aaronhryが最初にポストした。ElectrekもRedditの投稿を報じている(Reddit投稿)。

カリフォルニア州ホーソーにあるのTesla Design Centerで2019年11月にベールを脱いだCybertruckは、2022年後半に生産開始とされていた。それでも何千人もの米国の消費者たちが、100ドル(約1万800円)の前金を払ってこのトラックに殺到した。公式発表の数週間後には、TeslaのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏はTwitterで25万台の予約があったことを発表した(Twitter投稿)。

Teslaは今回、中国の消費者の関心の大きさを測ろうとしている。

中国でも米国でも、予約の何割が実際の売上に結びつくかは予測できない。その答えがわかるのは早くても1年後だろう。Teslaはまだ、その生産拠点すら決めていない。

2020年3月のマスク氏のツイートによると、Teslaはイーストコーストの市場向けにクロスオーバー車のModel YとCybertruckを生産する工場の立地を探しているという。マスク氏は当時、その工場は米国の中心部になるだろう、といっていた。

最初、Telaは候補地としてナッシュヴィルに打診していた。その後同社は、オースチンとタルサに関心を寄せていた。オースチンの話は急速に進み、工場は市の外にできると思われたが(未訳記事)、タルサもTeslaとの話はまだ続いていると主張している。

Teslaによると、Cybertruckには3つの車種がある。シングルモーターで後輪駆動の最安モデルは3万9900ドル(約430万円)で重量3.4トン、航続距離400km以上だ。中位モデルはデュアルモーターで全輪駆動、荷重4.5トン、1回の充電で480km以上走る。価格は4万9900ドル(約540万円)だ。

3つめの上位モデルはモーターを3つ搭載し重量6.3トン、航続距離800km以上となる。このバージョンは「トライモーター(tri motor)」と呼ばれ、価格は6万9900ドル(約750万円)となっている。

画像クレジット:Tesla

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自動運転車向けLiDARセンサーのVelodyneが特別目的買収会社を利用して上場

センサーは自動運転車の商用展開に重要だと広く考えられている。その主要サプライヤーであるVelodyne Lidar(ベロダインライダー)は米国時間7月2日、特別目的買収会社(SPAC)であるGraf Industrial Corp.(グラフ・インダストリアル・コープ)との合併契約を締結した。合併後の会社の時価総額は18億ドル(約1900億円)なる。

同社によると、新規参加の機関投資家やGraf Industrialの既存株主からPIPEs(上場企業への私募増資)により1億5000万ドル(約160億円)を調達した(Velodyne Lidarブログ)。一連の取引の結果、Velodyneの貸借対照表には約1億9200万ドル(約210億円)の現金が計上される。

Velodyneの創業者であるDavid Hall(デイビッド・ホール)氏は、株主であるFord(フォード)、中国の検索エンジンBaidu(バイドゥ)、Hyundai Mobis(ヒュンダイモービス)、Nikon Corp.(ニコン)の持分と合わせ、合併後の会社の株式の80%を保有する。ホール氏はエグゼクティブチェアマンに就任し、Anand Gopalan(アナンド・ゴパラン)氏がCEOとして残る。

合併は2020年第3四半期に完了する見通しだ。Velodyneによると、合併後の会社はNYSE(ニューヨーク証券取引所)で引き続き取引され、企業結合完了後は新しいティッカーシンボルVLDRで取引される。

この取引は、従来のIPOプロセスに代えてSPACを利用する企業の最新例となった。今週初めにオンライン中古車市場のスタートアップであるShift Technologies(シフトテクノロジーズ)が、SPAC Insurance Acquisition Corpとの合併契約を発表した。合併新会社は、米NASDAQ(ナスダック)に新しいティッカーシンボルとともに上場される。Nikola Motor(ニコラモーター)も2020年初めにSPACを通じて公開した。

Velodyneは自動運転車業界で統合が進む中で株式公開することになる。スタートアップ、自動車メーカー、大手テック企業は、資本集約的な自動運転車の開発と展開に長期的な時間軸で取り組むようになった。大企業に飲み込まれたスタートアップがあり、消滅したスタートアップもある。過去18カ月間に自動車メーカーは、より多くの経営資源と労力を乗用車、トラック、SUVにおける高度な運転支援システムに割いている。

関連記事:As autonomy stalls, lidar companies learn to adapt(未訳記事)

LiDAR(ライダー)は、おそらく自動運転車業界で最もプレーヤーが多いサブカテゴリーの1つだ。レーザー光で距離を測定し、非常に正確な車の周辺環境の3Dマップを作成するセンサーだ。自動運転車業界では、センサーはロボタクシーなどの自動運転車を安全に運用するために必要な主要技術だと認識されている。

Velodyneは「KFCバケット」回転レーザーLiDARで最もよく知られている。2004年のDARPA Grand Challenge(米国防高等研究計画局によるロボットカーレース)に出走した車両に取り付けたセンサーの欠陥により設計を見直した。ホール氏は回転レーザーLiDARを開発し、DARPAが主催する自動運転車コンテストに将来出場するチームにセンサーを販売した。KFCバケットは、自動運転車に取り組む企業にとって重要なLiDARセンサーだった。Waymo(ウェイモ)はGoogle(グーグル)の自動運転プロジェクトだった頃、Velodyne LiDARセンサーを2012年まで使用していた。

ただし回転LiDARユニットは高価で、機械的にも複雑だ。これが新しいアプローチを試す新世代のLiDARスタートアップの誕生を促した。今日、自動車メーカーや自動運転車開発企業にセンサーを売り込むLiDAR企業は数十社あり、70社に上るという声もある。彼らはすべてVelodyneを目指している。

こうした新世代の企業がVelodyneにも進化を促している。同社は2020年1月のCES 2020で新しいセンサーを発表した。その中には「VelaDome」、100ドル(約1万800円)の小型LiDARユニット「Velabit」、ソフトウェア製品「Vella」が含まれる。

「LiDARの市場機会について議論の余地はない」とゴパラン氏は1月にTechCrunchの記者Devin Coldewey(デビン・コールドウェイ)に語った。「議論するとすれば、それで何がしたいかだ。他社は、自動運転レベルで2+または3に焦点を合わせている(単純なドライバー支援より上のレベル)。当社はそのアプローチの近道を探している。低いレベルで採用されていない唯一の理由は価格だ。LiDARが100ドル(約1万800円)で手に入るなら、もちろん使うだろう。100ドル未満なら、ドローン、家庭用ロボット、歩道ロボットなど、応用の可能性は計り知れない」。

同社は過去数年間、LiDARのコスト削減とポートフォリオの多様化に重点的に取り組んできた。Velabitは、自動運転車業界以外の顧客を獲得しようとする同社の取り組みの一例にすぎない。小型センサーには自動運転車に必要な機能がない。代わりにVelodyneは、センサーを小型の産業用ロボットへ応用することを検討している。

画像クレジット:Bloomberg

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(翻訳:Mizoguchi

需要増を受けLimeがJumpの電動自転車をロンドンに再配備

Jump(ジャンプ)の自転車がロンドンに戻ってくる。ただし今回オーナーはLime(ライム)だ。

Jumpの自転車を、Uber(ウーバー)が2020年5月に行われた複雑なディールの中でLimeに譲渡して以来、Jump自転車が戻ってくるのは欧州ではロンドンが初めてだ。LimeはUberがリードし、既存投資家Alphabet、Bain Capital Ventures、GVが参加したラウンドで1億7000万ドル(約183億円)を調達した。このディールの一環としてLimeは、Uberが2018年に約2億ドル(約215億円)で買収した電動自転車・スクーター部門のJumpを買収した。

ディールがクローズしたとき、米国にあった何千台ものJumpの自転車は処分され、そしてJumpチーム全体が解体されて従業員400人ほどが職を失った。米国での取引がクローズした数週間後にLimeは欧州でのJump買収をクローズした。これまで、欧州にあるJumpの自転車が米国にあったものと同じ運命をたどるかどうかは明らかにされていなかった。

何千台ものJumpの自転車がベルリンやブリュッセル、リスボン、ロンドン、マドリッド、マラガ、ミュンヘン、パリ、ローマ、ロッテルダムといった欧州の街から撤去された。Limeが自転車を再びこれらすべての街に戻すのはありそうにない。LimeはJumpのスクーターと自転車をロンドン、パリ、ローマ、バルセロナにも再配備する計画だと情報筋は語った。本日7月3日の発表はその第1段階となるようだ。

当面の間、Jumpの自転車はロンドンのUberアプリで利用できる。現在進められているシステムの統合が終われば、Jumpの自転車は今後Limeのアプリに追加されると同社は述べた。展開はまず電動自転車100台で始まり、需要に応じて増やす。価格は解錠に1ポンド(約134円)かかり、その後は利用1分ごとに15ペンス(約20円)となる。自転車はカムデン地区とイズリントン地区に配備されるとのことだ。

自転車に対する需要を受けて、LimeはJumpをサービスに戻した。ロックダウン規制が緩和されて以来、Limeの電動自転車レンタルサービスはこれまでになく利用が増えていると同社は述べた。ユーザーはこれまでよりも長距離を移動し、自転車の利用頻度は増えているという。Limeはまた、2020年6月中旬の週末に4000人超の新規ユーザーを獲得し、1日あたりの利用としては最多を記録した。ロンドンでの電動自転車利用は150万回を超えたとも述べた。

Jump自転車のロンドンへの再導入は、同都市での存在感を高めるためのLimeの幅広い計画の一環だ。今週初め、英国は電動スクーターパイロットプログラムを7月4日土曜日から開始する(未訳記事)と発表した。Limeは英国における同社の電動スクーター利用者に保険を提供するために保険大手Allianz(アリアンツ)と提携した、と述べた。そして2022年3月までの2年間にわたる安全キャンペーンをAllianzと共同でデザインしたことも明らかにしている。

画像クレジット:Lime

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(翻訳:Mizoguchi

フォードがSUVブロンコの復活を記念してディズニー・メディア・ネットワークスとコラボ

Ford(フォード)は、Disney Media Networks(ディズニー・メディア・ネットワークス)と共同で、同社を代表するSUVであるBronco(ブロンコ)の復活を記念するショートフィルムのシリーズを、ABC、ESPN、National Geographic、Huluといった数々のケーブルTVとデジタルメディアで配信する。

新型コロナウイルスによるシャットダウンに後押しされるかたちで打ち立てられたこの戦略は、伝統的にモーターショーや人を招いてのイベントで新車発表を行ってきたフォードの新たな旅立ちとなる。同社は3年以上も前に、長年にわたるユーザーの要望と期待に応えてBroncoを復活させると公表していた。1996年に30年間の生産が終了したこのミドルサイズSUVは、6月にデトロイトでリニューアル開催が予定されていた北米国際自動車ショーで発表されるはずだった。だが、2020年北米国際自動車ショーの主催者から新型コロナのパンデミックを受けて開催中止が伝えられると、新しい戦略を練らなければならなくなった。

Broncoは、米国東部夏時間の7月13日午後8時(日本時間7月14日午前10時)から、ABC、ESPN、National Geographicで放映される最初のCMでデビューすることになる。放映と同時にフォードはBroncoの予約受け付けも開始する。また、同社は新型Broncoの追加情報をYouTube、Facebook、Inetagram、Twitterの各フォードチャンネルで配信する予定だ。

翌日からはHuluのオンデマンド配信でも見られるようになる。

フォードは、この新車発表の物語をDisney CreativeWorks(ディズニー・クリエイティブワークス)と共同制作した。このプロジェクトには、映画監督、シネマトグラファー、写真家、そしてプロクライマーであり、アカデミー賞受賞ドキュメンタリー映画「フリーソロ」の監督としても名高いJimmy Chin(ジミー・チン)氏が参加している。

「フォードのBroncoは、1960年代以来、人々の想像力を鷲掴みにして、遠いアメリカの辺境へと冒険心をそそる象徴的な車です」と、フォードの最高執行責任者であるJim Farley(ジム・ファーレイ)氏は話す。「Broncoの新時代の幕開けとして、私たちは冒険界の英雄ジミー・チンやディズニーの作家たちの大きな力を借りて、Broncoに命を吹き込み、大勢の人たちを荒野に駆り立てることができることを、とても誇りに思っています」

ショートフィルムは、チャンネルごとに内容が異なる。ABCでは、カントリーシンガーのKip Moore(キップ・ムーア)が出演するCMが「CMA Best of Fest」という3時間のカントリー音楽協会主催のコンサート番組で流される。ESPNでは「SportsCenter」という番組で、プロクライマーのBrooke Raboutou(ブルック・ラブトゥ)主演のCMが流される。ジミー・チン監督は、National Geographicチャンネルの「National Parks: Yosemite」という番組で新型Broncoを紹介する。また「チン監督は、National GeographicがInstagramアカウントの『ストーリー』で開催するBroncoをテーマにしたハッシュタグ・チャレンジ・コンテストの審査員も務める」と同社は話している。

画像クレジット:Ford/screenshot

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(翻訳:金井哲夫)

米ウォルマートが160店舗の駐車場をドライブインシアターに

米国時間7月4日の週末を前に、Walmart(ウォルマート)は、同名の映画祭の主催者でも有名なTribeca Enterprises(トライベッカ・エンタープライゼス)との提携を発表し、160店舗を仮設のドライブインシアターに改装する予定だ。

この提携は、すでにロサンゼルス、ニューヨーク、マイアミ、シアトル、アーリントン、テキサスなどの都市にてIMAXとAT&Tの助けを借りてイベントを開催している、Tribeca主導の既存のドライブインシアターの拡張である。The Hollywood Reporterによるとウォルマートとの提携は、前述の都市部以外のコミュニティにもプログラムを拡大するのに役立つ可能性がある。

ウォルマートのドライブインシアターは、新型コロナウイルスの感染が米国で急増し続けている中で、屋内型の映画館に戻ることを警戒しているのは当然のこととして、消滅していた映画カテゴリを復活させるのにも役立ってきた小規模な取り組みに続くものだ。ほとんどの映画館は古い映画に頼ってきたが、ジュラシック・パークは最近、公開から30年近く経った米国で第1位になった。

ウォルマートでの上映は8月から10月に予定されており、映画のセレクションはTribecaが担当する。スケジュールは未定だが、同社が事前に発表したセレクションには以下の映画が含まれている。

  • セレナ
  • ザ・ボディガード
  • ストレート・アウト・タ・コンプトン
  • クリード
  • ジェリー・マグワイア
  • スペース・ジャム
  • ラブ&バスケットボール
  • ビル&テッドの素晴らしい冒険
  • バック・トゥ・ザ・フューチャー
  • ミーン・ガールズ
  • スーパーバッド
  • ガールズ・トリップ
  • ブライズメイズ
  • タラデガ・ナイツ
  • ザ・ファスト・アンド・ザ・フューリアス
  • ゴールドフィンガー
  • カジノ・ロワイヤル
  • インサイド・アウト
  • レゴ・ムービー
  • スパイ・キッズ

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Uberが悲願の東京都内でのタクシーサービスを開始、東京エムケイなどと提携

最近ではUber Eatsの大量のCM放映などでフードデリバリーの会社として知名度を高めているUberだが、悲願、宿願とも言える東京都内でのタクシー配車サービスを開始した。都内ではこれまでハイヤー会社と連携した配車サービスを展開していたが、日の丸リムジン、東京エムケイ、エコシステムの3社との連携でタクシー配車が実現した。

クレジットカードなどでの自動決済や、到着時刻の共有、GPSを用いたリアルタイムトラッキング、割り勘、スポットライトなどの既存機能も利用できる。スポットライトとは、配車依頼したクルマが近づくとアプリ内にカラフルなボタンが表示され、このボタンをタップすると同機能がオンになり、ご自身のスマートフォン画面がカラフルな色に変わる。あとはカラフルな色になったスマートフォンの画面をドライバーに提示すればいい。

タクシー配車サービスは、ソフトバンク系のDiDiが全国規模でサービスの中止を発表するなど事業の選択と集中が進んでいる。首都圏では、日本交通系のMobility Technologies(旧・Japan Taxi)が、横浜を中心にサービスを展開していたDeNA系のMOVを吸収・事業統合するなどシェア争いも激化している。

タクシー配車サービスとしては都内では最後発のUberが、国内外の知名度を生かして既存事業者にどこまで食い込めるのか注目したい。また、国土交通省が4月21日に発表した特別措置で、同省の許可を得たタクシー事業者は食料などを有償で輸送できるようになっている。当初は5月13日で終了予定だったが、現在では9月末までの延長が決まっている。Uber Eatsでも名古屋や広島でタクシーによるフードデリバリーサービスを提供しており、この動きが都内などにも拡がればタクシーの稼働率アップにも貢献するはずだ。

電動自転車シェアのBoltがパリを皮切りに欧州展開へ

配車サービス企業と同様に、Bolt(ボルト)も新型コロナウイルスによる世界規模のロックダウンや経済低迷に苦しんできた。しかし同社は電動自転車のサービスをパリで立ち上げることで新たな収入源を確保しようとしている。Boltは同様のサービスを今年、欧州諸国の首都で展開する計画だ。

過去数週間、パリで展開された唯一の自転車シェアリングサービスは、ドック設置型の普通自転車と電動自転車を扱う公共サービスVélib’(ヴェリブ)だ。Gobee.bike(ゴービーバイク)やObike(オーバイク)、Ofo(オフォ)、Mobike(モバイク)など多くの民間企業もVélib’と競おうと試みたが、これまでのところいずれも失敗に終わっている。

直近の失敗例は、Uber(ウーバー)のマイクロモビリティ子会社Jump(ジャンプ)だ。Limeとの売買取引で、Jumpはパリ、ロンドン、ローマ、ブリュッセル、その他の都市の路上から全ての自転車を撤去した。そうした電動自転車はいまLimeが所有しているが、同社はまだサービスを立ち上げていない(もしリローンチされるならの話だ)。

しかし自転車の人気がないというわけではない。パリの公共の自転車シェアリングサービスはこのところ絶好調で、利用は過去最多に達する勢いだ。人々がBoltの電動自転車を喜んで試そうとするか、様子をみることにしよう。

配車サービスとスクーターに加え、ユーザーは同じBoltアプリから自転車シェアリングサービスにもアクセスできるようになる。他の自転車シェアリングと同じように、ユーザーはQRコードをスキャンして自転車のロックを解錠できる。

値段はというと、Boltは最初のユーザーを引きつけるために可能な限り安く設定しようとしている。ロック解錠料金は設けず、使用1分あたり0.1ユーロ(約12円)とする。

ただ、値段設定に関しては、Vélib’のほうがもっと魅力的だ。電動自転車の30分のレンタルが2ユーロ(約240円)、1カ月乗り放題が8.3ユーロ(約1000円)だ。Boltの場合、20分の利用で2ユーロ。これは解錠代なしでの料金だ。

Boltは35カ国にユーザー3000万人を抱え、欧州の21都市でスクーターサービスを提供している。

画像クレジット: Bolt

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(翻訳:Mizoguchi

テスラは第2四半期に9万台超の車両を出荷、予想より減少幅小さく

Tesla(テスラ)は米国時間7月2日の木曜日、第2四半期(4月〜6月)に9万650台の車両を出荷したと発表したが、これは新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの影響により米国の主要工場での生産停止が数週間続いたため、前年同期比で4.8%の減少となった。

逆風にもかかわらず、予想を上回る数字だった。

出荷車両の大半(約8万50台)はModel 3とModel Yだった。残りの1万600台はより高価な Model SとModel Xだ。テスラは各モデルの出荷台数内訳を提供しておらず、また地域に関する情報も公開していない。

新型コロナウイルスのパンデミックの影響で販売台数が減少すると予想していたアナリストの予想はさまざまで、3万9000台と予想する人もいれば、あるいは8万3000台と予想する人もいた。FactSetの調査によれば、多くのアナリストはテスラが第2四半期に7万2000台を出荷すると予想していた。

今回の発表を受けて、7月2日の朝の時間外取引で株価が9%近く上昇し、1218.21ドル(約13万円)となった。発表の簡単な内訳は以下のとおりだ。

  • 第2四半期に9万650台の車を出荷したが、第1四半期は8万8400台、2019年第2四半期は9万5200台だった。
  • 第2四半期に8万2272台の車両を生産したが、第1四半期は10万3000台、2019年第2四半期は8万7048台だった。

テスラに勤務する複数の関係者によると、第2四半期末までの数週間、従業員に新たな販売目標が課せられたという。同社はまた、中国と北米での車両価格を引き下げた。どちらの戦略も、電気自動車の需要を喚起することが目的だ。

この計画は第2四半期には効果があったようで、アナリストは今年の残りの期間、テスラにより大きな期待をかけるかもしれない。

テスラの株価は7月1日の市場で急上昇し、同社の時価総額は約2080億ドル(約22兆円)に達し、トヨタを抜いて時価総額で世界一の自動車メーカーとなった。CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏が、従業員に販売と生産の目標達成を祝うメールを全社に送ったと報じられたことも、株価を上昇させた。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

テスラが時価総額22兆円超でトヨタを抜く、自動車メーカー世界首位に

米電気自動車メーカーのTesla(テスラ)はこの10年で市場のルーキーから時価総額の点で世界で最も価値の大きい自動車メーカーへと成長した。同社がFord(フォード)とGM(ゼネラルモーターズ)の時価総額を抜いてから随分経つが、1月に時価総額が813億9000万ドル(8兆7000億円)に達したとき、史上最も価値の大きい米国の自動車メーカーになった。

それでも、いくつかの自動車メーカーはなおテスラの先を行っていた。だがそれも本日(米国時間7月1日)までだ。テスラの株価は7月1日の取引開始後、4%近く上昇して 1,129.18ドル(約12万円)となり、過去52週間の最高値を更新した。時価総額は現在2080億ドル(約22兆3000億円)近くに達し、トヨタを抜き世界で最も価値の大きい自動車メーカーとなった。トヨタの時価総額は2027億4000万ドル(約21兆7000億円)だ。

同社の株価は一部のアナリストを困惑させてきた。論争や挫折が続いたにもかかわらず、上昇と下降を続け、その後上昇、上昇、さらに上昇を続けたからだ。世界で最も価値の大きい自動車メーカーとしてのテスラの新しい地位は世界販売台数に見合っていないが、投資家の意欲を弱める材料ではない。テスラは確かに生産と出荷を加速している。2019年には36万7500台の電気自動車を出荷した。前年比50%増だ。より安価なモデル3の販売に大きく支えられ、過去最高を記録した。

トヨタは年間1000万台の車を生産している。

テスラは、投資家が従来の自動車メーカーに当てはめていた法則から逃れた。自動車メーカーというよりはテクノロジー企業として見られている。アナリストの予測はCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏の将来の製品に関する約束に注目しがちだが、それらは決して実現しないかもしれない。出荷台数や生産台数、あるいは売上高などの四半期ごとの実績数値は、ゆっくりした足取りとなっている。

テスラの株価も、新型コロナのパンデミックが自動車業界に及ぼした影響を免れたようだ。テスラでさえ新型コロナ関連の減速と一時的な生産停止を経験したが、投資家は買い続け、株価を押し上げた。

テスラの株価は、7月1日か2日に発表される第2四半期の出荷台数と生産台数がアナリストの期待通りかそれを上回る場合、再び上昇する可能性がある。FactSetによると、アナリストらは第2四半期の販売台数を7万2000台と予想している。

画像クレジット:Tesla

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(翻訳:Mizoguchi