深夜も爆音サラウンドを楽しめる「Victor EXOFIELD THEATER XP-EXT1」

深夜も爆音サラウンドを楽しめる「Victor EXOFIELD THEATER XP-EXT1」

ヘッドホンでのマルチチャンネル再生は、意外に、というよりかなり難しい。耳を取り囲むように複数のドライバーを設置することが困難という前提に立てば、頭部伝達関数など演算により仮想的な音場を再現(バーチャルサラウンド)するしかなく、現在販売されているサラウンド対応をうたうヘッドホンはその考え方で実現されている。

「EXOFIELD」(エクゾフィールド)をマルチチャンネル再生に発展させた「EXOFIELD THEATER XP-EXT1」

この困難な課題に対し新たなアプローチを試みたのが、JVC KENWOODVictorブランド。同社では耳穴に専用マイクを装着して個人の耳型や頭部の形状、スピーカーやリスニングルームを含むすべての音響特性を特性し、その音場を専用ヘッドホンで再現する「WiZMUSIC」を製品化しているが、そのベースとなる技術「EXOFIELD」(エクゾフィールド)をマルチチャンネル再生に発展させたのだ。

それが「EXOFIELD THEATER XP-EXT1」。測定用マイク内蔵の専用ワイヤレスヘッドホンと頭外定位音場処理を担うプロセッサーユニット、それらをコントロールするスマートフォンアプリで構成され、ヘッドホンでマルチチャンネル再生を実現する。

「EXOFIELD」(エクゾフィールド)をマルチチャンネル再生に発展させた「EXOFIELD THEATER XP-EXT1」

JVC KENWOOD/Victorブランドの「EXOFIELD THEATER XP-EXT1」

ここで留意したいのが、専用ワイヤレスヘッドホンは測定用マイクを内蔵し独自の2.4/5GHz帯デュアルバンドで接続されることを除けば、おおむね通常のステレオヘッドホンということ。

あらかじめ測定しておいた個人専用データ(EXOFIELDデータ)をもとに調整した頭部伝達関数と外耳道伝達関数を使い、プロセッサーユニットで演算処理することにより「自分の耳でマルチチャンネル再生を聴いたときの音」を再現、ヘッドホンに送信しているのだ。

バイノーラル録音した音源をヘッドホンで再生すると類似の効果を得られるが、それを演算により個々人に最適化して再現するといえば理解しやすいだろうか。

Dolby ATMOSやDTS:Xといったイマーシブオーディオ規格に対応

もうひとつのポイントが、Dolby ATMOSやDTS:Xといったイマーシブオーディオ規格に対応していること。対応するチャンネル数は最大7.1.4ch、プロセッサーユニットには3系統のHDMI入力端子を装備、BDプレイヤーやFire TV Stickなどで再生したコンテンツを再生できる。NetflixやAmazon Prime Videoなどの動画ストリーミングサービスは、(契約プランや映画タイトルにもよるが)Dolby ATMOS対応コンテンツを増やしているため、サラウンド音源不足の心配もない。夜中でもサラウンドの爆音で映画を見放題という夢のような環境が手に入るのだ。

簡単な導入作業で、パーソナル・ホームシアターが完成

導入は簡単。プロセッサーユニットとヘッドホンを付属のケーブルで接続し、ヘッドホンを正しい位置に装着し専用アプリで測定を開始する。なにやらパチパチ聴こえるが、それが測定音だ。数分で作業は完了、完成したEXOFIELDデータをプロセッサーユニットに転送すれば準備OK、テレビやBDプレイヤーをHDMIケーブルでプロセッサーユニットに接続し、測定用ケーブルを外したヘッドホンを装着すれば、パーソナル・ホームシアターの完成だ。

測定時にはプロセッサーユニットとヘッドホンを付属のケーブルで接続する

測定時にはプロセッサーユニットとヘッドホンを付属のケーブルで接続する

スマートフォンアプリで測定を開始、そのデータをプロセッサーユニットに転送する

スマートフォンアプリで測定を開始、そのデータをプロセッサーユニットに転送する

扱いは繊細だが

もし「バーチャルサラウンド」を標榜するオーディオ機器を試聴した経験が(何度も)あるのなら、「本当に背後や横から音が聴こえるのか?」と効果を訝しく思うことだろう。それくらいバーチャルサラウンドは難しいし、効果があったとしても人によって程度が違う。耳や頭部の形/音の聞こえ方の個人差は、一律の頭部伝達関数では埋めきれないからだ。

きちんと個々人の聴こえ方を測定するXP-EXT1も、同一人物ですら効果にバラつきが生じる可能性はある。測定時と再生時でヘッドホンの位置が少しでも異なると、プロセッサーユニットが意図した音とズレが生じ、音の反射する方向など様々な要素に影響してしまうからだ。

つまり、ヘッドホンを測定時より少し下に、やや斜めに装着しただけでもサラウンドの効きは変わる。人間の聴覚はさように繊細なもので、それがXP-EXT1というデバイスの扱いの難しさでもある。

幸い、XP-EXT1にはEXOFIELDデータを4つまで登録できる。家族4人がそれぞれのデータを登録するもよし、ヘッドホンの微妙な装着ズレに備えひとりで4つのデータを登録するもよし。映画を見始める前に毎回測定し直すという使い方もアリだろう。

筆者はといえば、測定/装着に慎重だったせいか、映画で効果をはっきりと実感した。

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(音声はDolby ATMOS)冒頭のシーンでは、主人公の脳内に響く心の声がいろいろな方向から聴こえるし、イモータン・ジョーの追跡部隊とのカーチェイスも臨場感たっぷり。

「スターシップ・トゥルーパーズ」(音声はリニアPCM 5.1ch)では、バグズの群れの真っ只中で機関銃を撃ちまくる気分に。スピーカーで聴くリアルサラウンドとはニュアンスの違いがあるにせよ、確かなサラウンド感がある。このコンテンツの場合、5.1chから7.1.4chへアップミックスされる ― XP-EXT1には2chや5.1chを7.1.4chの全方位の音に変換する機能がある ― ことも効果につながっているのだろう。

気になる点がないわけではない。付属のヘッドホンは密閉型でイヤーパッドは分厚く、通気性はいまひとつ。映画1本で平均2時間、装着から30分も経過すると耳もとが気になり始めるのは減点材料といわざるをえない。サラウンドを再現するための演算は専用ヘッドホンを前提とするため、自分好みのヘッドホンに交換できないこともウイークポイントだ。

「サラウンドらしいサラウンドをヘッドホンで楽しめる」という、代えがたい特長

それでもこのXP-EXT1には、「サラウンドらしいサラウンドをヘッドホンで楽しめる」という余人(機?)をもって代えがたい特長がある。

同じEXOFIELD技術を利用する「WiZMUSIC」が、東京・千駄ヶ谷にあるビクタースタジオの音をかなり忠実に再現するほどなのだから(筆者も経験している)、まだまだ伸び代はあるはず。

サラウンドを再現するための演算アルゴリズム、演算を行うプロセッサー、EXOFIELDデータを測定するためのマイク、そして音を出すヘッドホンと検討項目は多いが、願わくはシリーズ化され、ヘッドホンの選択肢も増え、さらにリアルサラウンドへ近づかんことを。

Dolby AtmosやDTS:Xといったイマーシブオーディオ規格に対応

Dolby AtmosやDTS:Xといったイマーシブオーディオ規格に対応。規格名が画面上部に表示される

ユーザデータ(EXOFIELDデータ)は最大4つを保存し、切り替えることができる

ユーザデータ(EXOFIELDデータ)は最大4つを保存し、切り替えることができる

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カテゴリー: ハードウェア
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深夜も爆音サラウンドを楽しめる「Victor EXOFIELD THEATER XP-EXT1」

深夜も爆音サラウンドを楽しめる「Victor EXOFIELD THEATER XP-EXT1」

ヘッドホンでのマルチチャンネル再生は、意外に、というよりかなり難しい。耳を取り囲むように複数のドライバーを設置することが困難という前提に立てば、頭部伝達関数など演算により仮想的な音場を再現(バーチャルサラウンド)するしかなく、現在販売されているサラウンド対応をうたうヘッドホンはその考え方で実現されている。

「EXOFIELD」(エクゾフィールド)をマルチチャンネル再生に発展させた「EXOFIELD THEATER XP-EXT1」

この困難な課題に対し新たなアプローチを試みたのが、JVC KENWOODVictorブランド。同社では耳穴に専用マイクを装着して個人の耳型や頭部の形状、スピーカーやリスニングルームを含むすべての音響特性を特性し、その音場を専用ヘッドホンで再現する「WiZMUSIC」を製品化しているが、そのベースとなる技術「EXOFIELD」(エクゾフィールド)をマルチチャンネル再生に発展させたのだ。

それが「EXOFIELD THEATER XP-EXT1」。測定用マイク内蔵の専用ワイヤレスヘッドホンと頭外定位音場処理を担うプロセッサーユニット、それらをコントロールするスマートフォンアプリで構成され、ヘッドホンでマルチチャンネル再生を実現する。

「EXOFIELD」(エクゾフィールド)をマルチチャンネル再生に発展させた「EXOFIELD THEATER XP-EXT1」

JVC KENWOOD/Victorブランドの「EXOFIELD THEATER XP-EXT1」

ここで留意したいのが、専用ワイヤレスヘッドホンは測定用マイクを内蔵し独自の2.4/5GHz帯デュアルバンドで接続されることを除けば、おおむね通常のステレオヘッドホンということ。

あらかじめ測定しておいた個人専用データ(EXOFIELDデータ)をもとに調整した頭部伝達関数と外耳道伝達関数を使い、プロセッサーユニットで演算処理することにより「自分の耳でマルチチャンネル再生を聴いたときの音」を再現、ヘッドホンに送信しているのだ。

バイノーラル録音した音源をヘッドホンで再生すると類似の効果を得られるが、それを演算により個々人に最適化して再現するといえば理解しやすいだろうか。

Dolby ATMOSやDTS:Xといったイマーシブオーディオ規格に対応

もうひとつのポイントが、Dolby ATMOSやDTS:Xといったイマーシブオーディオ規格に対応していること。対応するチャンネル数は最大7.1.4ch、プロセッサーユニットには3系統のHDMI入力端子を装備、BDプレイヤーやFire TV Stickなどで再生したコンテンツを再生できる。NetflixやAmazon Prime Videoなどの動画ストリーミングサービスは、(契約プランや映画タイトルにもよるが)Dolby ATMOS対応コンテンツを増やしているため、サラウンド音源不足の心配もない。夜中でもサラウンドの爆音で映画を見放題という夢のような環境が手に入るのだ。

簡単な導入作業で、パーソナル・ホームシアターが完成

導入は簡単。プロセッサーユニットとヘッドホンを付属のケーブルで接続し、ヘッドホンを正しい位置に装着し専用アプリで測定を開始する。なにやらパチパチ聴こえるが、それが測定音だ。数分で作業は完了、完成したEXOFIELDデータをプロセッサーユニットに転送すれば準備OK、テレビやBDプレイヤーをHDMIケーブルでプロセッサーユニットに接続し、測定用ケーブルを外したヘッドホンを装着すれば、パーソナル・ホームシアターの完成だ。

測定時にはプロセッサーユニットとヘッドホンを付属のケーブルで接続する

測定時にはプロセッサーユニットとヘッドホンを付属のケーブルで接続する

スマートフォンアプリで測定を開始、そのデータをプロセッサーユニットに転送する

スマートフォンアプリで測定を開始、そのデータをプロセッサーユニットに転送する

扱いは繊細だが

もし「バーチャルサラウンド」を標榜するオーディオ機器を試聴した経験が(何度も)あるのなら、「本当に背後や横から音が聴こえるのか?」と効果を訝しく思うことだろう。それくらいバーチャルサラウンドは難しいし、効果があったとしても人によって程度が違う。耳や頭部の形/音の聞こえ方の個人差は、一律の頭部伝達関数では埋めきれないからだ。

きちんと個々人の聴こえ方を測定するXP-EXT1も、同一人物ですら効果にバラつきが生じる可能性はある。測定時と再生時でヘッドホンの位置が少しでも異なると、プロセッサーユニットが意図した音とズレが生じ、音の反射する方向など様々な要素に影響してしまうからだ。

つまり、ヘッドホンを測定時より少し下に、やや斜めに装着しただけでもサラウンドの効きは変わる。人間の聴覚はさように繊細なもので、それがXP-EXT1というデバイスの扱いの難しさでもある。

幸い、XP-EXT1にはEXOFIELDデータを4つまで登録できる。家族4人がそれぞれのデータを登録するもよし、ヘッドホンの微妙な装着ズレに備えひとりで4つのデータを登録するもよし。映画を見始める前に毎回測定し直すという使い方もアリだろう。

筆者はといえば、測定/装着に慎重だったせいか、映画で効果をはっきりと実感した。

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(音声はDolby ATMOS)冒頭のシーンでは、主人公の脳内に響く心の声がいろいろな方向から聴こえるし、イモータン・ジョーの追跡部隊とのカーチェイスも臨場感たっぷり。

「スターシップ・トゥルーパーズ」(音声はリニアPCM 5.1ch)では、バグズの群れの真っ只中で機関銃を撃ちまくる気分に。スピーカーで聴くリアルサラウンドとはニュアンスの違いがあるにせよ、確かなサラウンド感がある。このコンテンツの場合、5.1chから7.1.4chへアップミックスされる ― XP-EXT1には2chや5.1chを7.1.4chの全方位の音に変換する機能がある ― ことも効果につながっているのだろう。

気になる点がないわけではない。付属のヘッドホンは密閉型でイヤーパッドは分厚く、通気性はいまひとつ。映画1本で平均2時間、装着から30分も経過すると耳もとが気になり始めるのは減点材料といわざるをえない。サラウンドを再現するための演算は専用ヘッドホンを前提とするため、自分好みのヘッドホンに交換できないこともウイークポイントだ。

「サラウンドらしいサラウンドをヘッドホンで楽しめる」という、代えがたい特長

それでもこのXP-EXT1には、「サラウンドらしいサラウンドをヘッドホンで楽しめる」という余人(機?)をもって代えがたい特長がある。

同じEXOFIELD技術を利用する「WiZMUSIC」が、東京・千駄ヶ谷にあるビクタースタジオの音をかなり忠実に再現するほどなのだから(筆者も経験している)、まだまだ伸び代はあるはず。

サラウンドを再現するための演算アルゴリズム、演算を行うプロセッサー、EXOFIELDデータを測定するためのマイク、そして音を出すヘッドホンと検討項目は多いが、願わくはシリーズ化され、ヘッドホンの選択肢も増え、さらにリアルサラウンドへ近づかんことを。

Dolby AtmosやDTS:Xといったイマーシブオーディオ規格に対応

Dolby AtmosやDTS:Xといったイマーシブオーディオ規格に対応。規格名が画面上部に表示される

ユーザデータ(EXOFIELDデータ)は最大4つを保存し、切り替えることができる

ユーザデータ(EXOFIELDデータ)は最大4つを保存し、切り替えることができる

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4G LTE対応で約8万円、性能バランスが絶妙な日本HPの2in1ノート「HP Pavilion x360 14」

4G LTE対応で約8万円、性能バランスが絶妙な日本HPの2in1ノート「HP Pavilion x360 14」

日本HPの「HP Pavilion x360 14-dw0000(WWAN)」は、税抜約8万円というリーズナブルな価格で4G LTEに対応したコンバーチブル型の2in1 PCだ。14型という比較的大型のディスプレイを備えながら本体サイズや重量が抑えられており、気軽に持ち運んで使用することができる。今回は、その実機を試すことができたので、気になる使用感やパフォーマンスを紹介していこう。

4G LTE対応で約8万円、性能バランスが絶妙な日本HPの2in1ノート「HP Pavilion x360 14」

日本HPの「HP Pavilion x360 14-dw0000(WWAN)」は14型IPS液晶パネル(1920×1080ピクセル)を搭載。直販サイトでは、特別価格税抜7万7000円からのモデルと直販価格税抜9万2800円からのモデルを販売

360度回転する14型ディスプレイを搭載し4G LTEに対応

HP Pavilion x360 14は、ディスプレイが360度回転する機構を備えたコンバーチブル型の2in1 PCだ。画面角度を調節することで、通常のクラムシェルノートPCのように使える「ノートブック」、閲覧メインの用途に使いやすい「スタンド」、タッチ操作やペン操作に向いた「タブレット」、新幹線の座席テーブルなどの狭い場所で使うのに便利な「テント」などのモードに切り替えて使用できる。

タブレットモード。タッチ操作やペン操作メインのときに便利

タブレットモード。タッチ操作やペン操作メインのときに便利

写真左がスタンドモードで、写真右がテントモード

写真左がスタンドモードで、写真右がテントモード

ディスプレイは広視野角のIPS液晶パネルが採用されており、ななめから見ても色味や明るさの変化が少なく、どのモードで使うときも画面の表示が見やすい。タッチ操作やペン入力にも対応しており、オプションのアクティブペンを使うことで手書きメモやスケッチなどに活用することも可能だ。

ディスプレイを180度開いたときも画面が見やすい。打ち合わせのときなど、向かい合わせの相手と一緒に画面を見たい場合に便利だ

ディスプレイを180度開いたときも画面が見やすい。打ち合わせのときなど、向かい合わせの相手と一緒に画面を見たい場合に便利だ

スタンドモードでタッチ操作をしているところ。タップしたときの反応もよく、スクロールやピンチなどのジェスチャーによる操作が快適だ

スタンドモードでタッチ操作をしているところ。タップしたときの反応もよく、スクロールやピンチなどのジェスチャーによる操作が快適だ

液晶パネルの周囲のベゼルを細くしたことで本体幅が抑えられており、14型ディスプレイを搭載しながら本体サイズは幅324mm、奥行き221mmと比較的コンパクト。厚みは最薄部18.5mm、最厚部20mmで、質量は約1.65kgとなっている。

自室の机の上に据え置いて使うだけでなく、リビングで家族と一緒に動画を見たり、ソファでリラックスしながらニュースやSNSをチェックしたりという具合に、利用シーンに合わせて気軽に持ち運んで使うことができる。

最近は薄型軽量な製品は珍しくないものの、インターフェイスを省略しているものが多く、周辺機器を利用する際に不便を感じやすい。HP Pavilion x360 14の場合は、本体左側面にUSB Type-A、ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポートが、右側面にnanoSIMカードスロット、SDカードスロット、USB Type-C、USB Type-A、HDMI出力端子、電源コネクタが搭載されており、別途アダプターなどを用意しなくても多彩な周辺機器をつないで使用できる。

本体前面。最薄部18.5mm、最厚部20mmと比較的スリムだ

本体前面。最薄部18.5mm、最厚部20mmと比較的スリムだ

本体左側面にUSB Type-A、ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポートが搭載されている

本体左側面にUSB Type-A、ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポートが搭載されている

本体右側面にnanoSIMカードスロット、SDカードスロット、USB Type-C、USB Type-A、HDMI出力端子、電源コネクターが搭載されている

本体右側面にnanoSIMカードスロット、SDカードスロット、USB Type-C、USB Type-A、HDMI出力端子、電源コネクターが搭載されている

特に税抜約8万円という価格で4G LTEに対応したnanoSIMカードスロットを搭載しているのは評価できるポイント。SIMロックフリーなので大手キャリアのSIMはもちろん、格安SIM(MVNO)なども利用できる。テレワークなどで仕事をする場所が多様化しつつあるが、Wi-Fiがない場所でもネットにつなげられるのは大きなメリットと言えるだろう。

本体右側面のnanoSIMカードスロット。SIMロックフリーで幅広い通信バンドに対応しているため、好みの通信事業者のSIMを利用できる

本体右側面のnanoSIMカードスロット。SIMロックフリーで幅広い通信バンドに対応しているため、好みの通信事業者のSIMを利用できる

第10世代Core i5-1035G1搭載で、普段使いには十分なパフォーマンス

直販サイトで購入できる「スタンダードWWANモデル」の場合、CPUがCore i5-1035G1(1.00GHz/最大3.60GHz)、グラフィックス機能が統合型のインテルUHDグラフィックス、メモリーが8GB(DDR4-3200MHz)、ストレージが256/512GB PCIe SSDという構成になっている。

Core i5-1035G1は、開発コードネーム「Ice Lake」と呼ばれるインテル第10世代Coreプロセッサー。Ice Lake世代のCore i5は、プロセッサー名末尾の数字が大きいほどクロック数やグラフィックス性能がアップしていくが、Core i5-1035G1はその中ではもっともエントリー向けのモデルとなる。とはいえ、最新世代のCPUということもあって基本性能は高い。

実際、CPU性能やPCの総合力をチェックするベンチマークテストでは、普段使いには十分すぎるパフォーマンスという結果になった。グラフィックス系のベンチマークはそれほど高いスコアではないが、写真編集やちょっとした映像編集、軽めのオンラインゲームには対応できる程度の性能を持っていることがわかる。

CINEBENCH R20では、マルチコアが1212pts、シングルコアが428ptsという結果に

CINEBENCH R20では、マルチコアが1212pts、シングルコアが428ptsという結果に

PCの総合力をテストするPCMARK 10では、基本性能を示すEssentials、ビジネスアプリのパフォーマンスを示すProductivity、クリエイティブアプリのパフォーマンスを示すDigital Content Creationのいずれもが快適さの目安となる3000を上回る結果に

PCの総合力をテストするPCMARK 10では、基本性能を示すEssentials、ビジネスアプリのパフォーマンスを示すProductivity、クリエイティブアプリのパフォーマンスを示すDigital Content Creationのいずれもが快適さの目安となる3000を上回る結果に

グラフィックス性能を測る3DMARKでは、ゲーミングPC向けのDirectX 12ベンチマークテスト「Time Spy」が486、同DirectX 11テストの「Fire Strike」が1342、統合型グラフィックス向けDirectX 12テストの「Night Raid」が58733、ミッドレンジPC向けテストの「Sky Diver」が5155という結果に。CPU内蔵のインテルUHDグラフィックスとしては標準的なスコアだ

グラフィックス性能を測る3DMARKでは、ゲーミングPC向けのDirectX 12ベンチマークテスト「Time Spy」が486、同DirectX 11テストの「Fire Strike」が1342、統合型グラフィックス向けDirectX 12テストの「Night Raid」が58733、ミッドレンジPC向けテストの「Sky Diver」が5155という結果に。CPU内蔵のインテルUHDグラフィックスとしては標準的なスコアだ

ドラゴンクエストX ベンチマークソフトはフルHD、標準品質で「快適」という評価

ドラゴンクエストX ベンチマークソフトはフルHD、標準品質で「快適」という評価

ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマークでは、フルHD、標準品質で「普通」という評価になった

ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマークでは、フルHD、標準品質で「普通」という評価になった

ストレージの性能をCrystalDiskMarkでチェックしてみたところ、PCIe接続のSSDを採用しているだけあって、シーケンシャルリード(1MiB Q8T1)が1700MB/s超と高速。実際、OSの起動やアプリの起動、スリープ・休止状態からの復帰が非常にスムーズだった。

SSDは2レーンのPCIe 3.0で接続されている。4レーンのものに比べると半分程度のスピードだが、普段使いには十分すぎるほど高速だ

SSDは2レーンのPCIe 3.0で接続されている。4レーンのものに比べると半分程度のスピードだが、普段使いには十分すぎるほど高速だ

バッテリー駆動時間は公称値で11.5時間となっているが、バッテリーベンチマークソフト「BBench」での計測では7時間10分という結果になった。この計測では、電源モードは「より良いバッテリー」に、明るさは40%に設定し、BBenchは「60秒間隔でのウェブ巡回」と「10秒間隔でのキーストローク」にチェックを入れて満充電状態から電池残量7%で自動休止するまでの時間としている。

これだけ持てば、カフェなどの電源確保が難しい場所で使う場合も比較的安心して作業に集中できるだろう。

付属のACアダプターもコンパクト

付属のACアダプターもコンパクト

仕事にもプライベートにも使いやすいノートPC

このほかHP Pavilion x360 14には、HD動画が撮影できる約92万画素ウェブカメラや、指紋認証センサー、老舗オーディオメーカーと共同開発した高音質なB&O Playデュアルスピーカーなどが搭載されている。

ディスプレイ上部には約92万画素のウェブカメラを内蔵

ディスプレイ上部には約92万画素のウェブカメラを内蔵

パームレストには指紋認証センサーを搭載。パスワード入力なしにログインできるなど、セキュリティ機能も充実している

パームレストには指紋認証センサーを搭載。パスワード入力なしにログインできるなど、セキュリティ機能も充実

音質にこだわったB&O Playデュアルスピーカーを搭載。臨場感あふれるサウンドで動画などを楽しめる

音質にこだわったB&O Playデュアルスピーカーを搭載。臨場感あふれるサウンドで動画などを楽しめる

キーボードは右端にhomeキーやpg up/dnキーなどが配置されているタイプ。国内向けのノートPCでは省かれている場合も多いが、慣れると使いやすくて便利だ。キーピッチは約19×18.7mmあり、かなりタイピングしやすい。キーストロークも約1.5mm確保されていてしっかりとしたクリック感があり、ミスタイプしにくい印象。打鍵音も控えめで、静かな場所でも気になることはなかった。

フルサイズの日本語キーボードを搭載。キーピッチ、キーストロークともに余裕があり、打鍵感もよい。バックライトも内蔵している

フルサイズの日本語キーボードを搭載。キーピッチ、キーストロークともに余裕があり、打鍵感もよい。バックライトも内蔵している

税抜約8万円のリーズナブルな価格ながら4G LTEに対応した日本HPのHP Pavilion x360 14。SIMさえ用意すれば、Wi-Fiやテザリングなしでもネットにつなげらるのは、テレワークに活用したいと考えているユーザーにはとても心強いメリットだろう。

360度回転するディスプレイや指紋認証センサーなどの便利な機能も備えており、利用シーンを選ばないのも魅力的な部分。自宅でも出先でも自由なスタイルでノートPCを使いたいという人には、特にオススメできる製品だ。

「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ」: © 2010 – 2020 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」: © ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.© SUGIYAMA KOBO

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カテゴリー: ハードウェア
タグ: HPHP Pavilion x360レビュー

Rokuが、新しいUltraプレイヤー、2-in-1「Streambar」およびAirPlay 2対応OSを発表

ストリーミングメディアデバイスメーカーであるRokuは、ホリデーシーズンに先駆けてラインナップを強化し、2つの新商品を発表した。1つはハイエンドのRoku Ultraの新型商品で、ドルビービジョンとBluetoothに対応した同社初の製品となる。もう1つはプレイヤーとサウンドバーを組み合わせたデバイス、Roku Streambarだ。さらに、今回のRoku OSソフトウェアの更新では、Apple AirPlay 2とHomeKitのサポートなどの新機能も追加される。

ハードウェアの面では、2つの新製品の発売に伴いデバイスを更新し、市場の穴を塞ぐ戦略を引き続きとっている。

Roku Ultraの改良により、ワイヤレス範囲は50%拡大され、Bluetoothにも対応するようになるという。範囲が拡大されたことで、ストリーミングの品質やエクスペリエンスを損なうことなく、インターネットルーターからさらに離れた場所でもUltraを使用できる。また、Bluetoothが搭載されたことにより、ペアリングしたスマートフォンからRoku Ultra経由で音楽やその他オーディオをテレビにストリーミングできるようになる。

Image Credits: Roku

アップデートされたRoku Ultraは、ドルビービジョンテレビのユーザーの需要に応えるため、Dolby Atmosサウンドとドルビービジョンにも対応した。さらにRokuは、AV1コーデックを追加し、低ビットレートで高品質な動画の視聴を可能にしたことでデバイスの将来性を保証した。

Image Credits: Roku

デバイスと一緒に、HDMIケーブルのほか、Roku Voiceリモコンが同梱される。このリモコンには、テレビの電源と音量ボタン、任意のショートカットボタン、一人での視聴を楽しむヘッドフォン、リモコン紛失時の検索機能が搭載されている。価格は変わらず、99.99ドルでの提供となる。

次にRoku Streambarを紹介しよう。この2-in-1デバイスは、4K HDRストリーミングとプレミアムオーディオの両方に対応する。プレイヤーの特徴を見てみると、卵のパック程の大きさで、Roku Streaming Stick+と同様の機能があり、Amazon AlexaとGoogleアシスタント両方に対応している。サウンドバーは、HDMIケーブルでテレビに接続する。テレビがARCに対応している場合は、HDMIケーブルを差し込めばすぐに音声が送られる。対応していない場合は、同梱の光ケーブルを使えば問題はない。

サウンドバーには、会話やセンターチャンネルをクリアに聞かせるドライバが前面に2つ、側面には、部屋を音で満たすためのドライバが2つと、4つのプレミアムドライバが備えられている。さらにこのデバイスは、コマーシャルの音量を下げる機能、音声の音量を上げる機能、夜間での試聴を最適化する機能などのRokuの機能にも対応している。

Bluetooth、Spotify Connect、Alexa、Googleアシスタントにも対応し、テレビ、サウンド、ストリーミングも声で操作可能だ。

Image Credits: Roku

サウンドバーは主に、Rokuの製品を初めて使うユーザー向けのエントリーレベルデバイス、または新しいテレビで使用するためのオールインワンソリューションとして宣伝されているが、いずれはホームシアターに拡張して楽しむことも可能だ。Rokuによると、後から同社のワイヤレススピーカーやRoku Wireless Subwooferを追加してサラウンドサウンドや低音を楽しむこともできるという。

Image Credits: Roku

今後数週間で、AirPlay 2やHomeKitのサポートを含むいくつかの新機能を前述のデバイスや他の製品で体験できるRoku OS 9.4をインストールできるようになる。AirPlay 2を使うと、Appleデバイスユーザーは個人のコンテンツをそれぞれのライブラリやその他ストリーミングアプリからRokuプレイヤーに直接ストリーミングできる。

この追加機能は、Rokuでサポートしていないストリーミングサービスで特に役立つはずだ。ここ数か月、Rokuは、独自のハブであるThe Roku Channelを介してサブスクリプションチャネルプラットフォームを実行しているためメディア会社との交渉がうまくいっていない。たとえばNBCUとの交渉で、NBCUは、両社が問題を解決する前に、TV EverywhereアプリをRokuから削除すると脅し口論となった。現在でも、新しいストリーミングアプリであるHBO MaxはRokuでは利用できない状態だ。言うまでもなく、このような争いで損をするのはユーザーである。AirPlay 2のサポートは、アプリが利用できないときのための妥当な回避策と言える。

Roku OS 9.4ではHomeKitもサポートされるため、4Kデバイスを選択できるようになる。ユーザーはiPhone、iPad、Mac、Apple Watch、HomePodのHomeアプリやSiriでRokuをコントロールできる。

Image Credits: Roku

今回のアップデートでは、The Roku Channelで115を超える無料のライブチャンネルが視聴できる新しい「ライブテレビ」のタイルがホーム画面に並ぶ予定だ。ユーザーは、音声コマンドを使用する際の役立つヒントをテレビで見ることができ、オプションのサウンドが入った最新のテーマパックを受け取ることができる。テーマパックは、ジャングル、ウェスタン、航海、キッズなどのテーマを連想させ、標準の背景やデザインを置き換えることができる。さらにこのアップデートではその他のパフォーマンスの改善も行われ、The Roku Channelに無料のチャンネルが増え、マルチチャンネルオーディオのサラウンドレベルが改善される。

同社は、iOSとAndroidのスマートフォン向けにThe Roku Channel専用の無料アプリを近日リリースする予定だ。

Roku OS 9.4は、数週間以内に、新しいUltraやStreambarを含むすべての対応プレイヤーでも利用可能となる。Roku TVは来月アップデートされる予定だ。

Rokuのウェブサイトでは新しいプレイヤーの予約注文が可能で、出荷は10月となる。大手小売店やオンラインでも10月に販売を開始する。

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タグ:ガジェット レビュー 動画配信

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(翻訳:Dragonfly)

Ryzen 7 4800H+Radeon RX 5500M搭載、オールAMDのゲーミングノート「Bravo 15」レビュー

Ryzen 7 4800H+Radeon RX 5500M搭載、オールAMDのゲーミングノート「Bravo 15」

いま、AMDがアツイ。

いや、AMD製プロセッサーが物理的に熱いのは今に始まったことではない。ここで指摘しているのは、ユーザーからの視線が熱いということだ。デスクトップPC向けのRyzenシリーズはいうに及ばず、ノートPC向けのRyzenモバイルシリーズは今や搭載機種が入手困難な状況にまで陥っている。メーカーの中にはすでに9月の時点で、出荷は2021年明け以降と公表しているケースもあるほど。欲しくても手に入りにくい状況なのだ。

人気の理由は、高いコストパフォーマンスにある。以下のグラフは、現行世代CPUのベンチマークスコアをまとめたもの(データは筆者計測の平均値)。TDP 45WのグループではRyzen 7 4800HがインテルのCore i7/9 Hシリーズを大きく上回っており、TDP 15WのグループでもRyzenシリーズがCore iプロセッサーUシリーズを上回っている。それでいてPC本体の値段はCore iプロセッサー搭載機種よりも安いとなれば、Ryzen搭載機を選ばない理由がない。

ノートPC向けCPUのベンチマーク結果。Ryzen 5 4600Hについては筆者未計測のためグラフには含めていない

ノートPC向けCPUのベンチマーク結果。Ryzen 5 4600Hについては筆者未計測のためグラフには含めていない

ハイパワーな据え置きノートPCとしてオススメしたい15.6型ノート「Bravo-15」

今回取り上げるエムエスアイコンピュータージャパン(MSI)の「Bravo 15」は、Ryzen 5 4600H/Ryzen 7 4800Hを搭載する15.6型ゲーミングノートPCだ。店頭想定価格はRyzen 5+Radeon RX 5300M搭載の下位モデルで税込13万2800円、Ryzen 7+Radeon RX 5500M搭載の上位モデルで税込15万9800円。ゲーミングノートPCとしては標準的な値段だといっていい。

だがCPU性能で見ると、30万円クラスの機種で使われているCore i9-10885Hを大きく上回っている。もっともBravo 15はGPUがエントリークラスなので、単純に価格だけでハイエンドクラスの機種と比較すべきではない。しかしGPUの性能差やそのほか諸々の要素を差し引いたとしても、なかなか魅力的なモデルに見えるのではないだろうか。

スタンダードノートPC向けのRyzenモバイルUシリーズが入手困難な現在、比較的入手しやすいRyzenモバイルHシリーズを選ぶのはアリだ。ゲーミングノートPCとしてはもちろん、ハイパワーな据え置きノートPCの候補としてもオススメしたい。

今回試用した製品は、エムエスアイコンピュータージャパン(MSI)の15.6型ノートPC「Bravo-15-A4DDR-056JP」。Ryzen 7 4800H+Radeon RX 5500M搭載の上位モデルだ。メモリーは最大64GBを搭載可能

今回試用した製品は、エムエスアイコンピュータージャパン(MSI)の15.6型ノートPC「Bravo-15-A4DDR-056JP」。Ryzen 7 4800H+Radeon RX 5500M搭載の上位モデルだ。メモリーは最大64GBを搭載可能

重厚感のある外観デザインを採用

ゲーミングPCというと、LEDイルミネーションによる派手な外観をイメージする人は多いだろう。確かにデスクトップPCではいまだにその傾向は強いが、最近のノートPCは以前ほど光らなくなっている。コスト削減のためかLEDイルミネーションが受け入れられなかったのかは分からないものの、筆者個人としては落ち着いてゲームをプレーしたいためこの傾向はありがたい。

Bravo 15も、比較的落ち着いた外観デザインを採用している。本体カラーは深みのあるブラックで、表面にはうっすらとしたヘアライン加工。ボディは樹脂製であるものの、重厚感のあるルックスだ。唯一ゲーミングノートPCらしいのは天板のエンブレムと、赤く光るキーボードバックライト程度だろう。この程度の装飾であれば、普通のノートPCとあまり変わらない。

本体カラーはブラック

本体カラーはブラック

天板はヘアライン仕上げ。MSIのエンブレムは鏡面仕上げながらも派手さは控えめだ

天板はヘアライン仕上げ。MSIのエンブレムは鏡面仕上げながらも派手さは控えめだ

パームレストはアルミ製のブラック。キーの側面が赤く塗られている

パームレストはアルミ製のブラック。キーの側面が赤く塗られている

バックライトは赤一色のみで、明るさの調整が可能

バックライトは赤一色のみで、明るさの調整が可能

フットプリントは幅359×奥行き254mm。B4サイズ(幅364×奥行き257mm)よりもわずかに小さい程度

フットプリントは幅359×奥行き254mm。B4サイズ(幅364×奥行き257mm)よりもわずかに小さい程度

公称値では高さは21.7mm、実測では22mm。ゴム足を含めた設置時の高さは26.5mm。やや厚めの印象だ

公称値では高さは21.7mm、実測では22mm。ゴム足を含めた設置時の高さは26.5mm。やや厚めの印象だ

ベゼル幅は左右7.2mm、上部18.6mm、下部25.8mm。左右は細いが上下がやや太い

ベゼル幅は左右7.2mm、上部18.6mm、下部25.8mm。左右は細いが上下がやや太い

重量は公称値で1.96kg、実測で1.949kg。ゲーミングノートPCとしては軽い

重量は公称値で1.96kg、実測で1.949kg。ゲーミングノートPCとしては軽い

付属の電源アダプターは702g。かなり大きい

付属の電源アダプターは702g。かなり大きい

Ryzen 7搭載上位モデルは、144Hzの高リフレッシュレート対応液晶ディスプレイを採用

液晶ディスプレイのサイズは15.6インチで、解像度は1920×1080ピクセル。ゲーミングノートPCとしては、スタンダードなスペックだ。リフレッシュレートはRyzen 7モデルが144Hzで、Ryzen 5モデルが60Hz。リフレッシュレート60Hzというと、テレビや据え置きゲーム機でも使われているので違和感はないが、144Hzでは画面のなめらかさがまったく違う。ゲームで遊ぶ機会が多そうなら、ぜひRyzen 7搭載の上位モデルを選んでいただきたい。144Hzの画面を見たあとで60Hzの画面を見ると、自分が今までカクカクの画面を見ていたことに気が付き、必ず驚くはずだ。

ゲームをプレーしない人にとっても、高リフレッシュレートの画面は効果があるだろう。あくまで筆者の体感と断っておくが、スクロールやウィンドウのドラッグ時に画面がカクカクしないぶん、眼が疲れにくく感じるのだ。普段の作業を快適にこなせるに違いない。

画面サイズは15.6インチで解像度は1920×1080ピクセル

画面サイズは15.6インチで解像度は1920×1080ピクセル

ディスプレイは光沢なしのノングレア。映像は自然な色合いで視野角も広い

ディスプレイは光沢なしのノングレア。映像は自然な色合いで視野角も広い

上位のRyzen 7モデルは144Hzの高リフレッシュレートとAMD FreeSyncに対応。画面の見やすさは上位モデルのほうが格段に上だ

上位のRyzen 7モデルは144Hzの高リフレッシュレートとAMD FreeSyncに対応。画面の見やすさは上位モデルのほうが格段に上だ

標準的なキーボードながら、ややクセがある配列やキーストロークを確認しておきたい

キーボードはテンキーなしの日本語配列だ。配列にややクセがあるものの、ゲームへの影響はほとんど感じられなかった。しかしEnterキー周辺がやや窮屈で、特に右上の「¥」キーと右下の「_(アンダーバー)」キーがかなり小さい。プログラミングなどで多用する人には、少し使いにくい可能性がある。

Bravo 15のキーボード

Bravo 15のキーボード

Enterキー周りがやや窮屈。右端に特殊キーが縦に並んでいるのも特徴的だ

Enterキー周りがやや窮屈。右端に特殊キーが縦に並んでいるのも特徴的だ

キーピッチは19mmで標準的なサイズ、キーストロークは平均1.08mmだった。押した瞬間に固めのクリック感があるものの、ストロークが浅くて若干の物足りなさを感じる。ただしゲームにおいてはアクチュエーションポイント(スイッチの認識点)にまで短時間で達するので、キーの反応に優れる効果があるかもしれない。

手応えは感じられるもののストロークが浅く、わずかに物足りなさを感じる。タイプ音はカタカタと聞こえるがうるさくはなかった

手応えは感じられるもののストロークが浅く、わずかに物足りなさを感じる。タイプ音はカタカタと聞こえるがうるさくはなかった

インターフェースとして、USB 3.2 Gen1×2、USB 3.2 Gen2 Type-C×2採用

周辺機器接続用の端子類はUSB端子が4ポートでうち2ポートがType-C、そのほかは映像出力用のHDMIと1000BASE-T対応の有線LAN、ヘッドホン端子など。種類は多くはないものの、構成としては標準的だといえる。ただしUSB端子が右側面にしかないため、USB接続のゲーミングデバイスを複数使う際はケーブルの取り回しが面倒かもしれない。ひとつもで左側にあれば取り回しが楽になるだけに、この点は少々残念だ。

左側面は電源コネクターとHDMI

左側面は電源コネクターとHDMI

右側面はヘッドホン端子、USB 3.2 Gen1×2、USB 3.2 Gen2 Type-C×2、有線LAN、セキュリティースロット。TypeC端子はデータ通信のみで充電と映像出力は非対応

右側面はヘッドホン端子、USB 3.2 Gen1×2、USB 3.2 Gen2 Type-C×2、有線LAN、セキュリティースロット。TypeC端子はデータ通信のみで充電と映像出力は非対応

ゲーミング性能自体はエントリークラス

ここからはBravo 15のRyzen 7モデルについて、ベンチマーク結果を交えながらパフォーマンスを解説しよう。

CPU性能を軽装するCINEBENCH R20では、ノートPC向けCPUとしては最高クラスの結果となった。同じRyzen 7 4800Hの平均値をやや下回ったものの、大きな影響のない範囲だ。ゲームはもちろん、動画編集やRAW現像、高度なデータ処理などでも活用できるだろう。

CPUの処理性能を計測する「CINEBENCH R20」の結果

CPUの処理性能を計測する「CINEBENCH R20」の結果

ゲーミングノートPC向けCPUとの性能比較

ゲーミングノートPC向けCPUとの性能比較

グラフィックス機能としては、外付けGPU(dGPU)のRadeon RX 5300MまたはRadeon RX 5500Mが使われている。いわゆる「オールAMD」な構成だ。Radeon RX 5500M搭載の試用機で3D性能を計測するベンチマークテストを行なったところ、エントリー(入門)クラス相当の結果となった。ただし同じエントリークラスであるNVIDIAのGeForce GTX 1650よりもパフォーマンスは上で、GeForceシリーズでいえばエントリーとミドルレンジの中間相当をイメージするといいだろう。値段もエントリークラスなので、そのぶんコスパに優れているわけだ。

DirectX 12の処理性能を計測する「3DMark Time Spy」の結果

DirectX 12の処理性能を計測する「3DMark Time Spy」の結果

ゲーミングノートPC向けGPUとの性能比較

ゲーミングノートPC向けGPUとの性能比較

DirectX 11(フルHD)の処理性能を計測する「3DMark Fire Strike」の結果

DirectX 11(フルHD)の処理性能を計測する「3DMark Fire Strike」の結果

ゲーミングノートPC向けGPUとの性能比較

ゲーミングノートPC向けGPUとの性能比較

ゲーム系ベンチマークテストでは、やや重い程度のタイトルであれば問題なくプレー可能という評価が出ている。ただし処理の重いタイトルについては解像度や画質をガッツリ落とさなければ厳しいようだ。

「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」はフルHDの最高画質で平均72.5FPS。処理の重いレイド時には多少カクつくかもしれないので、画質を少し下げれば快適に楽しめるだろう

「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」はフルHDの最高画質で平均72.5FPS。処理の重いレイド時には多少カクつくかもしれないので、画質を少し下げれば快適に楽しめるだろう

「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」は最高画質で「普通」の評価。画質をかなり落とせば、なめらかな動きで楽しめるはずだ

「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」は最高画質で「普通」の評価。画質をかなり落とせば、なめらかな動きで楽しめるはずだ

512GB SSDのアクセス速度計測結果。速度も容量も十分だ

512GB SSDのアクセス速度計測結果。速度も容量も十分だ

夜間にゲームで遊ぶなら、排気音の大きさを意識したい

「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」実行中における本体の熱を計測したところ、ゲームでよく使うWASDキー周りは42度前後だった。温度としてはそれほど高くはないものの、指先にやや熱を感じる。キーボード以外の部分、例えばキーボード上部のスペースや電源アダプターは意外と高温になるため、不用意に触れないほうがいい。

キーボード面の温度

キーボード面の温度

電源アダプターはかなりの高温になるので注意

電源アダプターはかなりの高温になるので注意

簡易騒音計で駆動音を計測したところ、53.4dB(デシベル)とかなりうるさく感じた。「50dB」は「家庭用エアコンの室外機(直近)」、「60dB」は「走行中の自動車内」などと例えられる。ヘッドセットなどを付ければ気にならないものの、深夜は周囲への配慮を意識したほうがいい。

背面側の排気口

背面側の排気口

左側面にも排気口が用意されている

左側面にも排気口が用意されている

なお、標準収録の設定ユーティリティ「MSI Dragon Center」の「Cooler Boost」機能を有効にすると、空冷ファンを最大出力にした状態で利用できる。本体内部は効果的に冷却されるものの、駆動音は59.8dBと非常にうるさい。ここまでになると、部屋の外に音が漏れている可能性が高いので、利用する際は注意が必要だ。

標準収録の設定ユーティリティ「MSI Dragon Center」

標準収録の設定ユーティリティ「MSI Dragon Center」

ゲーム以外でも活用できるハイパワーノートPC

ベンチマーク結果をご覧いただくとお分かりの通り、MSIのBravo 15のCPUパフォーマンスはとにかく素晴らしい。インテルの第10世代Core iプロセッサーは陳腐化してしまったといっていいだろう。これで価格が13~15万円台とは驚きだ。インテルは第11世代で巻き返しを図ると思われるものの、Ryzenシリーズと同等の価格に抑えられるかという点に疑問が残る。あくまでも筆者の予想だが、コストパフォーマンスの面では、しばらくRyzenシリーズが優位なのではないだろうか。

これだけ高性能であれば、ゲーム以外の用途でも活用できる。動画編集はGPU性能が影響するものの、CPU依存が高いRAW現像や高度なデータ処理/数値演算などでは大いに役立つはずだ。CPUパフォーマンスを重視する人は、まずBravo 15からチェックしていただきたい。

Ryzen 7 4800H+Radeon RX 5500M搭載、オールAMDのゲーミングノート「Bravo 15」

「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ」: © 2010 – 2020 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」: © 2016-2019 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. LOGO ILLUSTRATION:©2016 YOSHITAKA AMANO

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Bravo 15AMDRadeon RX 5000MRyzen Mobile 4000レビューMSI

カメラの性能が素晴らしい4万円台のGoogle Pixel 4a、5G対応Pixelを待つ必要なし

Google(グーグル)は低価格帯スマートフォン「Google Pixel 4a」を8月4日に発表、8月20日より販売を開始した。筆者は発表直後にGoogleより製品を借用し、これまで約1カ月使い続けてきた。9月30日に5Gサービスに対応した「Google Pixel 4a(5G)」と「Google Pixel 5」が発表される予定だが、1カ月という節目でPixel 4aの総括的に評価してみる。

Google Pixel 4aのGoogleストア価格は4万2900円

本体以外に、18WのUSB-C電源アダプター、長さ1mのUSB-C-USB-Cケーブル(USB 2.0)、クイックスイッチアダプター、クイックスタートガイド、SIMツールが付属

適材適所なパーツを選んだ絶妙なエントリーモデル

Pixel 4aは、OSにAndroid 10(Android 11にアップデート可能)、SoCにQualcomm Snapdragon 730Gを採用。メモリは6GB、ストレージは128GBを搭載している。ベンチマークを実施してみると現時点のフラッグシップ端末の2分1以下だが、これまで1カ月使ってきてパフォーマンスに不満を感じることは一切なかった。手に収まるコンパクトなPixel 4aで3Dゲームをする気はないので、筆者にとっては必要十分な処理性能だった。

総合ベンチマーク「AnTuTu Benchmark」のスコアが277550、CPUベンチマーク「Geekbench 5」のMulti-Core Scoreが1639、3Dベンチマーク「3DMark」のSling Shot Extreme – OpenGL ES 3.1が2481。AnTuTu Benchmarkのランキングトップのスコアが615289なので、Pixel 4aはその45%の処理性能だ

一方、スマートフォンのユーザー体験を大きく左右するディスプレイには、エントリーにもかかわらず5.8インチ FHD+(1080×2340ドット)のOLEDが採用されている。撮影した写真、YouTube、Netflixなどの動画を鑑賞してみたが、画質に不満はまったくない。リフレッシュレートは60Hzと、Pixel 4の90Hzより劣るが、これもよほどハイレベルなゲーマーでもなければ気にならない領域だ。

OLEDによる階調豊かな画像は立体的にすら感じられる

 

パンチホールディスプレイを採用したPixel 4aは、ディスプレイ上部に前面カメラ、顔認証カメラ、顔認証ドットプロジェクター、顔認証投光イルミネーター、Motion Senseレーダーチップを内蔵するPixel 4よりも全画面感が強い

HDRに対応。YouTubeやNetflixのHDRコンテンツを臨場感豊かな映像で視聴可能だ

最も驚かされたのがカメラ画質。Pixel 4aとPixel 4で撮影した写真を見比べても、違いがまったくわからないのだ。また、望遠カメラは搭載されていないが7倍の超解像ズームが可能で、ディテールも比較的保たれている。

さらなる高倍率ズームが必要なら、超解像ズームの上限が8倍のPixel 4ではなく、50倍ズームなどが可能な他社製スマホを買うべき。しかし、7倍で用が足りるのならPixel 4aで画質に不満を感じることはないはずだ。

背面カメラのスペックは、画素数が1220万画素、F値がf/1.7、視野が77度、画素サイズが1.4μm。手ぶれ補正は光学式と電子式が組み合わされている

標準倍率で撮影(解像度:4032×3024ドット、シャッタースピード: 1/3906、F値:f/1.7、ISO感度:67)

望遠カメラは搭載されていないが、7倍の超解像ズームでも一定の解像度が保たれる(解像度4032×3024ドット、シャッタースピード:1/2611、F値:f/1.7、ISO感度:61)

直射日光下で強い色が入っても、ホワイトバランスはほとんど狂わない(解像度:4032×3024ドット、シャッタースピード:1/5882、F値:f/1.7、ISO感度:68)

複数枚撮影した画像を合成することで、ノイズが少なく明るい画像を生成する「夜景モード」は、Pixel 4と遜色ない品質だ(解像度:4032×3024ドット、シャッタースピード:1/15、F値:f/1.7、ISO感度:227)

一方、Pixel 4から削られた機能としては、ワイヤレス(Qi)充電機能、防水機能、望遠カメラ、顔認証カメラ、Motion Senseによるジェスチャー機能ということになる。生体認証は顔認証より指紋認証のほうが使い勝手がいいと考えているし、Motion Senseは登場当初は物珍しく使ってみたが、いまはまったく利用していない。不便に感じたのはワイヤレス(Qi)充電機能と防水機能に対応していないことぐらい。この2点についてはPixel 5aなどの次期モデルではぜひ搭載してほしいところだ。

指紋認証センサーは背面に設置されている。ディスプレイ内蔵型指紋認証センサーと比べて困るのは、机の上に置いたままロック解除できないことぐらい

Pixel 4a(5G)やPixel 5とは価格を含めて別物

5G回線に対応するPixel 4a(5G)とPixel 5の詳細スペックは現時点ではわからないが、価格だけは6、万0500円からとGoogleストアでアナウンスされている。Pixel 4aとは少なくとも1万7600円の価格差があるわけだ。

現在の5Gサービスにそれだけの金額を支払う価値はないし、Pixel 5はPixel 4を参考にするなら9万円前後の価格が設定されるはず。もちろん急がないなら9月30日の発表会を待ってもいい。しかし、いますぐPixel 4aを購入しても当面の後悔はないはずだ。

いまは4G対応のPixel 4aを買っておいて、5G網が行動範囲で利用できるようになってから、改めて機種変更を検討すればいいだろう

カテゴリー:ハードウェア

タグ:Google Google Pixel スマートフォン レビュー

大変身して一段と使いやすくなったOral-Bのスマート歯ブラシiOシリーズ

「スマート歯ブラシ」というコンセプトに対して「生活用品の中で、IoTのようなアップグレードが一番不要な物なんじゃないの」とからかう人もいるかもしれない。しかし、Oral-B(オーラルB)は近年、Bluetooth搭載やアプリ連動など、電動歯ブラシを継続的にアップグレードし続けている。そして、同社のスマート電動歯ブラシの最新モデルとなるiOシリーズは、実に賢く高性能で、歯をより良く磨き上げ、健康を維持するのに大いに役立ちそうだ。

製品の概要

オーラルBのiOシリーズは、同社の他の電動歯ブラシと比べて、そのデザイン、機能設定、アプリケーションなどにおいて、非常に革新的だ。Braun(ブラウン)との提携により、以前よりはるかに優れた新しいデザインが実現した(詳細は後述)。また、カラーディスプレイには、以前のどのシリーズよりも詳細な情報が視覚的にわかりやすく表示される。また、ワイヤレス充電器も新しくなり、マグネットで固定されるようになった。そして、新しいコンパニオンアプリのガイド機能も大幅に強化され、使っていくうちにアプリがユーザーについて学習していく機能が追加された。

Image Credits: Darrell Etherington

iOシリーズは、その種類によって、付属するアクセサリーや装備が異なる。例えば、シリーズ8の付属品は、電動歯ブラシ、充電器、替えブラシ2個、そしてキャリーケースだ。また、シリーズによって、その機能も異なる。例えば、最も手頃な価格で入手できるシリーズ7には、シリーズ8にある「超やわらかクリーン」ブラッシングモードが付いていないし、舌磨きモードが付いているのは最上位のシリーズ9だけだ。

使い方は至って簡単だ。二つあるボタンのうちの一つを押せば、歯ブラシが自動的にいろいろな磨き方のモードに移り変わる。そして、もう一つのボタンを押すとブラッシングが終了する。力加減によってLEDライトの色が変わるため、適度な圧力で磨けているかどうかが一目でわかる。さらに、30秒に1回、また、歯科医師による推奨時間である2分に達したときに、バイブレーションで知らせる仕組みになっている。

加えて、iOSやAndroidアプリをダウンロードしてiO電動歯ブラシをBluetoothでつなげると、より詳細なフィードバックや、どの歯をどれだけ磨いたかを、わかりやすい図で見せてくれるガイド付き歯磨きモードも使用できる。

Image Credits: Darrell Etherington

デザインと機能

このiO電動歯ブラシの新しい工業的なデザインは、あらゆる面において、従来のオーラルB電動歯ブラシに比べて画期的に改善された。とても使い心地がよく、新しいデザインの交換可能なブラシヘッドは、本体にしっかりと装着できるだけでなく、取り付けもスムースで、本体の流れるような線形を損なわない。筆者がレビューした黒のモデルは、滑らかだが少しテクスチャーのある仕上がりで、大変持ちやすく、肌触りも素晴らしかった。そして、搭載されたティスプレーはフルカラーで明るく、今どのモードを使って磨いているのか、バッテリーの残量がどれくらいなのか、といった点がわかりやすく表示される。磨き終わるとスマイリーフェイスが表示されて、ブラッシング内容の良し悪しがすぐにわかるのもうれしい機能だ。

このモデルは、ビジュアルとバイブレーションによる優れたフィードバックを備えている。見えやすい位置にLEDリングが配置されていて、適度な圧力で磨いているとLEDが緑色に光り、圧力が少しでも強すぎるとすぐに赤になる。筆者は常に強すぎる圧力で磨いてしまう癖があったので、この機能のおかげで、悪い癖は直され、適度な圧力とリズムよく磨けるようになった。

新しい充電器は、従来のオーラルB電動歯ブラシの充電器にあった支柱がなくなり、代わりに、Apple Watch(アップルウォッチ)充電器にも使われているマグネット式が採用されている。そのため、気付かずに触れてしまったときなどには、少し倒れやすくなると思う。けれども、筆者は、このデザインのおかげで、歯ブラシも充電器も以前より清潔に保ちやすいという大きな利点があることに気が付いた。また、この充電器は、カウンターのスペースをあまり取らなくて済む。プラグに差し込むと、液晶ディスプレイにバッテリーレベルが表示される。

Image Credits: Darrell Etherington

前述の通り、もちろんコンパニオンアプリなしでもオーラルBのiOは使える。けれども、アプリには、ガイド付きブラッシングモードや、ブラッシングの追跡機能もあり、日常ケアのルーティン向上に大変効果的である。ガイド付きモードでは、口の中が6つ(上に3つ、下に3つ)に区分され、今どこを磨いているのかが表示される。実際に使ってみて、この機能は精度に少し問題があるように感じたのだが、それでも、どの場所をもっと念入りに磨くべきかというだいたいの見当を付けられる程度には正確に表示された。

このアプリでは、ガイド付き歯磨き機能を使うたびにそのセッション内容から情報が収集され、その情報をもとに、磨き方の具体的な改善方法が提供される。フロスやマウスウォッシュをしたことや、歯茎の出血があったことを自主的にアプリに入力すると、もっと詳細な状況追跡も可能になる。

総合評価

Image Credits: Darrell Etherington

オーラルBのiOシリーズは、シリーズ8が249ドル99セント(約2万6500円)、シリーズ9は299ドル99セント(約3万1800円)と、同社の電動歯ブラシのラインアップの中で最上位のモデルである。梱包内容は、歯ブラシ本体に付いているヘッドに加え、交換用ヘッド2個、つまり合計3個のブラシヘッドと、旅行用携帯ケース、充電器だ(シリーズ9には、合計4個のヘッド、充電トラベルケースが付属しており、電動歯ブラシ自体にも追加のセンサー機能やモードが搭載されている)。それに比べて、一番ベーシックな電動歯ブラシは50ドル(約5300円)程度、もしくはそれ以下で入手できる。

というわけで、このiO電動歯ブラシは、その優れた構造と質の高いブラッシングによって、安価な歯ブラシを使用したよりも口腔内をより清潔にできることは確実である。最高級の電動歯ブラシのためなら余分な支出をいとわない、というのであれば、より清潔な口腔環境を毎日維持していくためのルーティン確立を目指す人にとって、知能的な機能と魅力あふれる人間工学的デザインを兼ね備えたこの製品は、最高に素晴らしいオプションだと思う。

関連記事:ゼンハイザーのオンカメラマイクMKE 200はホームビデオ会議用に最適

カテゴリー:ハードウェア

タグ:Braun レビュー

[原文へ]

(翻訳:Dragonfly)

ゼンハイザーのオンカメラマイクMKE 200はホームビデオ会議用に最適

Sennheiser(ゼンハイザー)が、新しいオンカメラ型指向性マイクをリリースした。このコンパクトなMKE 200(99.95ドル、約1万600円)は、小型でポータブルなパッケージに、たくさんの利便性とパフォーマンスを詰め込んでいる。どこででもVLOG(ビデオログ)を作成するのに最適だし、自宅でのビデオ会議環境に、安価でありながら素晴らしいアップグレードをもたらしてくれる。

基本情報

MKE 200は、カメラのアクセサリーシューに直接取り付けることができる超指向性マイクだ。オンカメラ型のほとんどのショットガンマイクとは異なり、その形状は長いチューブ型ではなく、長さ3インチ(約7.6cm)未満の短いずんぐりしたものだ。軽量かつ小型であり、携帯性を追求するためにウィンドスクリーンとショックマウントは組み込み済だ。

MKE 200の前面には、カメラのマイク入力への安全な接続を可能にする3.5mmオーディオポートがある。付属品として、ゼンハイザーは思慮深くTRS(3極)とTRRS(4極)の両方のケーブルを同梱している。つまり、追加のケーブルを買うことなく、市場に出回っているほぼすべてのDSLR(デジタル一眼レフ)、ミラーレスカメラ、あるいはスマートフォンに接続することができる。

MKE 200は、必要なすべての電力をそのケーブル接続から取り込む(プラグインパワー)。つまり、バッテリーや充電について心配する必要はない。また、屋外での撮影時の風切り音を最小限に抑えるための、ふわふわした外付けウィンドスクリーンと、持ち運び用の柔らかいキャリングポーチも含まれている。

画像クレジット:Darrell Etherington

デザインとパフォーマンス

MKE 200のデザインはシンプルで、この場合はそのシンプルさがとても良い。コンパクトな形状と頑丈な構造により、軽量でありながら耐久性にも優れていると感じさせる。つまり、比較的低コストであることと合わせて、これはあまり深く考えずにバッグに放り込むのに最適なマイクであることを意味している。軽量の機材で屋外に出ていくときにも最適だし、あるいは自宅のZoomやビデオ撮影環境で、内蔵ウェブカムよりも良いカメラを使う際に、どんなに軽いカメラの上に装着するとしても完璧なキットだ。

単一ケーブルを使いバッテリーが不要であるMKE 200の特徴は、アクセサリーシューマウントに固定して、ケーブルを差し込む以外に何も心配する必要がないことを意味している。ゼンハイザーは、このシンプルさをそのパフォーマンスにまで徹底するという優れた仕事も見せてくれる。単に箱から出して、ディフォルトのオーディオ設定のままでつないでも、私のSony製α6400は、素晴らしい音を取り込んでくれた。

ネジ溝が切られた3.5mmステレオコネクタについては、絶対に必要というわけではないものの、ゼンハイザーが高い評価を得ているのはこうした細やかな品質のおかげだ。ネジで固定されることによって、気にする必要のある障害点が1つ少なくなる。そう、ケーブルが誤って何かに引っかかって、カメラ側から抜ける可能性は残るが、マイク側から抜けることはない。

ゼンハイザーが同梱している、ふわふわしたウインドスクリーンは、また別の便利なおまけだ。これはマイクの本体全体を覆う靴下のようなもので、風切り音をうまく除去してくれる。他のマイクメーカーが、しばしば別売りのアクセサリーとして提供しているものを目にすることがあると思う。それが100ドル(約1万6000円)未満の製品に始めから含まれているのは素晴らしい。

まとめ

ゼンハイザーMKE 200は、状況を理解して幅広いカテゴリの顧客ニーズに完全に適した製品を提供する企業による、素晴らしい例だ。100ドル(約1万6000円)未満の本製品は、およそすべてのアマチュアクリエーターのためのツールキットとして、素晴らしくほぼ衝動買いレベルのものといえる。それは、より高価な専用のオンカメラショットガンマイクがカバーできる範囲や、高いオーディオ品質は持っていないかもしれないが、あらゆるVLOGや至近距離でのインタビューアプリケーションのために使えるパワーを提供してくれる。そしてリモートビデオ会議、教育、イベントなどのニーズのためのウェブカメラとして、どんなコンパクトミラーレスやDSLRカメラを使おうとも、完璧な組み合わせを演じてくれるという点で、この発売タイミングは特に絶好のものとなった。

カテゴリー:ハードウェア

タグ:Sennheiser レビュー

画像クレジット:Darrell Etherington

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(翻訳:sako)

あらゆる面で初代を上回りニッチを貫くreMarkable 2

数年前に突然現れたreMarkableは、筆者がそれまで長い間探し求めていたものだった。ただ、デバイス自体は実にすばらしかったのだが、問題がいくつかあり、目玉が飛び出るほど高価だった。初代のreMarkableをベースに作られたreMarkable 2の本体はより美しくスリム化されており、いくつかの重要な新機能が追加されているが、意図的なもの、そうでないものを含め多くの制約はそのまま残されており、それがreMarkable 2をあらためて特殊なデバイスにしている。また今回はコストも大幅に抑えられている。

reMarkableは、PDF、スケッチ、走り書きのメモなど、白と黒(およびグレー)のコンテンツを利用、作成するためのタブレットを目指しており、フル装備のタブレットやラップトップに搭載されているような余分な機能や複雑な機能は一切ない。筆者自身も実際に使ってみたが、確かに、目を通して注釈を付けなければならない大量のコンテンツがあるときにreMarkableを使うと集中力が上がった。また、簡単なメモ取りや、D&Dゲームでのメッセージのやりとり、木工プロジェクトのスケッチなど、他の用途でも便利に使えた。

rM2(本記事ではreMarkable 2をこう呼ぶことにする)は、あらゆる面で間違いなく改善されている。薄さ、速さ、バッテリー効率を含め、rM2のあらゆる機能を以前より向上させ、さらに価格も600ドル(約6万3000円)から400ドル(約4万2000円)に下げるなんてことを、どのように実現できたのだろうか。筆者は正直なところ少し面食らっている。普通ならどこか妥協せざるを得ないはずだ。しかし、今回は違う。

具体的には、rM2で大きく改善された点は以下の通りだ。

  • 一段と薄くなった(初代も6.7mmと薄かったが、さらに4.7mmの薄さに改善。ちなみにiPadの薄さは約6mm)
  • 一段と速くなった。デュアルコアARM CPUを搭載(主に節電が目的)
  • RAMが倍増した(512MBから1ギガバイトに増加)
  • 表示応答速度が21msに半減した(LCD並みの速度)
  • バッテリー持続時間が3倍以上に伸びた(スタンバイ状態では、数日どころか数週間、いや数か月持続可能)
  • スタイラスの一方の端が消しゴムとして使えるようになった。これは便利だ。

新しいデバイス(左)と初代。画像クレジット:reMarkable

 

 

まずは新しいデザインを見てみよう。正直なところ、最初はあまり納得できなかった。初代のソフト感がある白いプラスチックケースはより有機的に感じられたのだが、最新モデルでは左右非対称のクロームがガジェット感を出している。

しかし、目的と対象がはっきりしているこの新しいデバイスを、筆者はだんだん好きになってきた。もちろん今のデザインが左利きより右利きの人に向いているというのもある。初代の3つの巨大なボタンは、その機能を考えると少し大きすぎるのではないかと筆者は感じていた。また、rM2にホームボタンが欲しいと、ときどき思っていたが、新しいジェスチャー(上から下へスワイプ)がそれを解決してくれる。

Image Credits: Devin Coldewey / TechCrunch

クロームストリップ上部の電源ボタンは小さすぎるくらい小さいが、少なくとも誤って押してしまうことはないだろう。USB-C充電ポートは電源ボタンの反対側の底部にある。デバイスを持つときに充電ケーブルが邪魔にならない位置にあるため、使用しながら簡単に充電できる(おそらくその必要はないだろうが)。

本体右側に埋め込まれた強力なマグネットがスタイラスペンをしっかりとホールドするが、そのマグネットは外からは見えない。そして、高級な質感のラバー仕上げが施されたこのスタイラスペンが非常にすばらしいことを付け加えておきたい。新しい消しゴム機能はとても使いやすい。スタイラスペンを探しているなら、間違いなくこれをおすすめする。

Image Credits: Devin Coldewey / TechCrunch

背面にはラバー加工された小さな4つの突起がある。これにより、タブレットが無防備にテーブルの上で滑ってしまうことはなく、フォリオケースにもぴったりと収まる。薄く滑らかなデバイスにこのような突起物があると、少なからず邪魔だと感じる。実用的であることはわかっていたのだが、筆者は最初、これを剝がそうとした。

rM2は全体的に非常にスリム化された。初代よりかなり重い(初代の350グラムに対して400グラム。どちらも最軽量のiPadよりも軽い)とは言え、どう考えても軽量である。ベゼルはデバイスを握ったり位置を変えたりしやすい程度の幅はあるが、その幅は広すぎず、デバイスを邪魔することはない。自分だったらベゼルの幅をもう少し狭くできたかもしれないとも思うが、それは筆者自身の個人的なこだわりのせいだ。

誤解しないでいただきたいのだが、筆者は工業デザインには非常にうるさい人間である。ここで挙げた欠点は、例えば、見苦しいiPhone 11と比べれば、はるかにましである。rM2は初代よりも魅力的なデバイスに仕上がっており、デザイン上の優れた選択の数々を見せるにしても、あえて隠すにしても、非常に良い判断をしていると思う。

Image Credits: Devin Coldewey / TechCrunch

ディスプレーは初代と同じで、画素密度とコントラストの面では、現在の電子書籍リーダーのレベルには達していない。KoboとAmazonの電子書籍リーダーは1インチ当たりのピクセル数が300ピクセルであるのに対し、reMarkableはそれを下回る226ピクセルである。これが重要になる場合も、そうでない場合もある。一部のフォントとペンマークには多くのエイリアシングが見られたが、大きなデバイスほど顔から遠ざけて持つ傾向があるため、エイリアシングはほとんど気にならない。

フロントライトはないが、これは意図的な選択だろう。紙の文書を見るときに使用するのと同じ照明下で作業することを想定しているからだ。それでも文書を読んでいるとき、たまに、フロントライトがあったらいいのにと感じたことがあった。

新しく搭載されているバッテリーが非常に長持ちすることは筆者が保証する。デバイスはまだ1週間ほどしか使っていないため、スタンバイ状態で数か月放置したらどうなるか、まだ語ることはできない。しかし初代は頻繁に充電しなければならず、いつもがっかりさせられていたのに比べて、今回のモデルははるかに長時間、充電なしで使えている。

また電源のオンとオフの切り替えも、はるかに速くなった。初代はスリープ状態に入り、少し遅れてからシャットダウンし、起動にしばらく時間がかかった。rM2はスリープ状態から瞬時にオンになり、完全なオフ状態から約20秒で起動する。幸いにも、初代と同じくらいの頻度で電源をオフにする必要も、自動的にオフになることもない。rM2を多くの人にとって実用的なデバイスにするためには、オン/オフやバッテリー寿命の心配を取り除くことが大いに役立つ。

無限に使える便利なリーガルパッドとPDFツール

筆者の字はひどいが、本来はきれいな字を書けるように設計されているrM2。画像クレジット:Devin Coldewey/TechCrunch

 

rM2は、科学論文、法律文書、報告書などのドキュメント全体のリーダーとして、また事実上無限のページを利用できるという大きなメリットを持つスケッチブックやメモ帳として、最も成功している。

読むことに関しては、操作性は初代のデバイスと大差ない。対応しているファイル形式はかなり少なく、PDFが最適である。ページを流し読みしたり、ペンで注釈を付けたり、テキストを強調表示したりできるが、残念ながらテキスト自体をデジタル的に選択/強調表示するのではなく、半透明のレイヤーでテキストをペイントするだけである。

テキスト検索は簡単で、ナビゲーションもわかりやすいが、スワイプではなくタップして次のページに進むオプションが欲しいところだ。変更はreMarkableアプリ内のドキュメントに同期され、変更されたバージョンを簡単にエクスポートできるが、ここでもテキストを直接選択することはできない。

rM2は以前に比べ画面上での書き心地が格段に良く、Eペーパーデバイスの中ですでにベストな選択肢になっている。フルカラーのイラストについては、当然ながらiPad Proの方がrM2より勝っている。しかしrM2の狙いは、他のタブレットが有する機能を満たすことではなく、意図された機能を確実に提供することにある。

Image Credits: Devin Coldewey / TechCrunch

画面の手触りは初代のreMarkableよりも滑らかになっているが、質感の変更は必ずしも悪いことではない。初代では、そのザラザラした質感のせいで、書いているときに画面を引っかいているようし感じるのがいつも気になっていた。rM2ではそのようなことはないが、触知感がやや劣る。レイテンシーが低くなったことについては、気付くか気付かないかが分かれるところだと思う。初代のreMarkableを含め、筆者がテストした他のどのEペーパーよりもレイテンシーは確かに低くなっている。しかし21ミリ秒のレイテンシーであっても重要であり、書き方や描画の仕方に影響を与える。「紙のように」とはいかないが、これはかなりすごいことだ。

インタビューのときに使用している小さなポケットノートパッドを変えようとは決して思わないが、ミーティングやブレーンストームセッションではrM2を使ってみたいと思う。名前を小さくまとめて書いたり、フローチャートを作ったり、後で調べるためにあれこれメモしたり、上司の顔をいたずら書きしたりできるスペースがとても大きくて使いやすいため、あやうく、もっと会議に参加したいと思ってしまうところだった。思わずそう感じるくらい、本当に使いやすい。

使用しているところを動画で見せると参考になる人もいるとは思うが、実際に操作してみると、その見た目や感覚を感じとるのが動画でも難しいというのが実のところだ。見た目よりもずっと反応が良い。

書いたり描画したりするための頼りになる新機能として、スタイラスの反対側に消しゴムが付いた。消しゴムは自動で機能し、使い心地は本物の消しゴムのようで、ペンメニューにアクセスする手間を省ける。消去するよりも「元に戻す」操作をしたいときがあるが、残念ながら「元に戻す」にはまだメニューを開く必要がある。画面全体がマルチタッチ容量性であることを考えると、2本指で左にスワイプするなどして元に戻したり、何もないスペースで消しゴムをダブルタップしたりできない理由が見つからない。

Image Credits: Devin Coldewey / TechCrunch

手書き認識機能は非常に便利だ。rM2で大量のメモを取る機会はまだないが、混在しているメディアページをコンピューターに転送するときに、いかに時間が短縮されているかがよくわかる。誰かが言ったメールアドレスや名前の入力にそれほど多くの時間を取られることはないが、ボタンを押すだけでコピー&ペーストができるようになるともっと便利だと思う。

確かに転記ミスはあったが、正直なところ、筆者が書く「u」、「n」、「r」、「v」は自分でさえ読み間違えることがある。筆者は引きずるように書く癖があるため、できるだけ低い筆圧でペンを走らせることよりも、表面からペンを持ち上げることに意識を集中する必要があった。

電子書籍リーダーとしては可もなく不可もない

Image Credits: Devin Coldewey / TechCrunch

初代のreMarkableは、電子書籍リーダーやその他の純粋なテキストコンテンツの操作と表示の点では、特に興味を引かれるものではなかった。rM2ではこの点が改善され、非常に便利な新しいタイムシフト機能が追加されているが、まだ競合他社に後れを取っている。

実際のところ、reMarkableは本を読むためのものではない。フルページとして表示されるように作成されたコンテンツ向けにフォーマットされており、それがうまく機能している。独自にテキストの整形を行う必要がある場合は、選択肢が少なくなる。

6つのフォント、1つのフォントにつき6つのサイズ、余白と間隔にそれぞれ3つのオプションがあり、カスタマイズの余地は少ない。書籍の表示に最も向いていそうな2つのテキストサイズは「少し大きすぎる」そして「少し小さすぎる」ように見える一方で、他のサイズは滑稽なほど巨大で、大きな活字の本よりもテキストが大きく表示される。

Image Credits: Devin Coldewey / TechCrunch

筆者がタブレットに読み込んだepubブックのいくつかは、いろいろな点でうまくいかなかった。段落の最初のタブが表示されない、テキスト内のリンクが機能しない、行間が均等でない、段落の一部ではなく大きな空白が表示される、などの問題があった。reMarkableチームは電子書籍のレンダラーとテキストオプションを真剣に検討する必要があり、実際にそうしているが、書く機能や描画機能、そしてもちろん新しいハードウェアへの対応にチームのリソースが費やされてしまったようだ。

新しいChrome拡張機能を使用してWebから集めた記事を表示するときには、同じ問題は発生しない。これらの記事は書式に一貫性があり、雑誌のページのように読むことができて快適だ。2列表示のオプションやページのコード変換方法をカスタマイズする他の手段があればいいのだが、今のところないようだ。しかし筆者は、この点に関してreMarkableに合格点をあげたいと思う。これは開発中の新しい機能であり、かなりうまく動作しているからだ。

残念ながら、Pocket、Simplenote、Evernoteや同じような他の一般的なサービスと統合する見込みはない。良くも悪くも、reMarkableは単独で進むことを選んだのだ。実際、企業としてのreMarkableはデバイスを複雑にしすぎたり、他のものと統合しすぎたりすることを警戒している。なぜなら、余計なものを取り除くことを企業理念としているからだ。このアプローチにより統一された操作性が得られる。しかし、reMarkableが自ら競合する他社製品と同等の優れた機能を提供できなければ、痛手を受けることになる。

Image Credits: Devin Coldewey / TechCrunch

筆者が抱えている深刻な不満の1つは、1つのアカウントで一度に1つのデバイスしかアクティブにできないということだ。そしてこれは、reMarkableの既存顧客を間違いなく困らせる問題だと思う。つまりすでに初代reMarkableを購入している場合、reMarkable 2をセットアップするには、原則的に初代を無効にする必要があるということだ。

これは大きな問題であり、reMarkableがチャンスを逃すことにもつながる。まず、古くからの顧客を実質的に裏切ることは少し残酷だ。おそらく解決策は見つかるだろうが、古いデバイスをアカウントから削除しなければならないという純然たる事実に問題がある。なぜなら、デバイスを2台使用できれば、絶対に便利だからだ。1台は職場、1台は自宅で使用して、2台を同期したり、アカウントをパートナーと共有して文書や手書き文字をやりとりしたりすることを想像してほしい。

この件についてreMarkableに問い合わせたところ、現時点では技術上の制約があるが、複数デバイスのサポートは現在計画中のようである。しかし現在rM2の購入を計画している人にとって、初代のデバイスを使えなくなること、少なくとも同じようには使えなくなること(つまり壊れているわけでもなく単にアカウントと同期しないということ)は、重要な検討事項になる。

希望と夢(そしてハック)

すでに述べたように、reMarkable 2の魅力は、どんな機能を備えているかではなく、何ができるかにある。reMarkableはここ数年、エコシステムがサポートする機能を大幅に拡大し、パフォーマンスを向上させ、ユーザーの要求に応えてきた。reMarkableのチームは熱心で率直なコミュニティを持っているため、筆者が感じる不満のほとんどはすでにチームが知るところとなっており、機能の修正や追加が計画されている。

このような有望なハードウェアを活用するための新しい方法をまとめている健全なハッカーコミュニティもある。もちろん慎重にやらなければ、ハードウェアを不能にしてしまう可能性があるため注意が必要だ。reMarkableが、その基本的な考えからRSSリーダーをデバイスに組み込みたくないのであれば、おそらく誰かがRSSリーダーを作るだろう。筆者はこのデバイスを、慎重に調整されたプラットフォームとしてではなく、汎用のグレースケールコンピューターとして試すことを楽しみにしている。

以前のreMarkableは非常に興味深いデバイスだったが、ローンチ時に広く推奨するのはやや難しかった。しかしここ数年でreMarkableは実績を積み上げ、デバイスの機能も向上して、その地位は強固なものになった。今回のアップグレード版はあらゆる面で強化され、価格も3分の1になったため、以前よりもはるかに自信を持って人にすすめられる。ペーパーレスの世界の探求に興味のある人、集中力を高めたい人、これがかっこいいと思う人は、reMarkable 2をぜひお試しいただきたい。

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(翻訳:Dragonfly)

Samsung Galaxy Note 20 Ultraの実機レビュー

Samsung Galaxy Note 20 Ultraは価格が1399ドル(約14万8000円)のスマートフォンだ。Samsung(サムスン)の標準的な価格と比較しても、ハイエンドの高級デバイスである。このスマートフォンを購入するのはおそらく、飛行機に早めに搭乗して、他の乗客がぞろぞろと後方の座席に向かうのを眺めて優越感に浸るタイプの人だろう。

本記事で取り上げるGalaxy Note 20 Ultraに搭載されている機能のほとんどまたはすべては、最終的には比較的安価なモデルにも搭載されるようになる。しかし、Galaxy Note 20 Ultraは、高いお金を払ってでも他のユーザーより1年早く最新機能を使いたいという人向けのデバイスだ。

その代表的な例が5Gである。昨年のモデルではまだ高級機能だった5Gだが、Noteシリーズでは今や標準となっている(Galaxy Sシリーズでも、6か月後に出る新しいモデルではほぼ間違いなく標準となるだろう)。世界の携帯電話ネットワークは当時まだ5Gに対応していなかったかもしれないが、やはりお金を余計に支払うことをいとわない新しいもの好きの人向けの最新技術だった。

実のところ、Note 20とNote 20 Ultraのどちらも、いや、そういう意味では、S20シリーズのどの製品も、高級スマートフォンであることは間違いない。価格面では400ドル(約4万2000円)の差があるにもかかわらず、Note 20とNote 20 Ultraの大きな違いは片手で数えられるほどしかない。一番の明白な違いは画面だ。本当に高級デバイスかどうかは画面を見ればわかる。Note 20 Ultraの画面は本当に大きい。

ただ、Note 20が6.7インチ(2400×1080)でUltraが6.9インチ(3088×1440)なので、違いはわずかだ。S20シリーズの6.2インチと6.9インチの開きに比べると、差はかなり小さい。最大画面サイズがS20と同じで、しかもNote 20とNote 20 Ultraの画面サイズの違いが比較的小さいのというのは、Noteシリーズ全体にとって結局はマイナスになる。個人的には、ハイエンド機種はスマートフォンの画面サイズという点で限界に近づいているように思える。これは繰り返し言ってきたことだが、今回もそう感じる。

Image Credits: Veanne Cao

サムスンは9年前、Noteシリーズで、当時は不可能だと思われていた5.3インチの画面サイズを実現した。それをさらに6.9インチにまで拡大できたのは、サムソンが画面占有率の改善に尽力してきた成果だ。とはいえ、Ultraの画面は本当に大きい。筆者は片手で握ったときに手の指が完全に回りきらない。手やポケットの大きさにもよるだろうが、正直なところ、ここまでサイズが大きいと、それだけで買うのを控える人もいるだろう。

ここまで大きなスマートフォンを持つ利点は、バッテリー用に広いスペースを確保できることにある。Note 20 Ultraのバッテリー容量は4500mAhだ(Note 20は4000mAh)。悪くないが、S20 Ultraの5000mAhに比べるとかなり小さい。これは、内部面積のかなりの部分を占めるSペンのせいだろう。筆者は1回の充電で24時間以上(28時間近く)使うことができた。「一日中使える」というサムソンのベンチマーク結果を余裕で達成したことになる。

もちろん、結果は人によって異なる。米国では5Gの受信可能地域がまだ限られていることを考えるとなおさらだ。今回サムソンから送られてきたのはVerizon製SIMカードが挿入されたモデルだった(ちなみにVerizonはTechCrunchの親会社)。筆者が住んでいるクイーンズ地区では5Gネットワークに接続できなかったが、週末に歩いて橋を渡り、マンハッタンに入るとすぐに5Gにつながった。もっと理想的な環境であれば、LTEと5Gでバッテリーの消費量をより正確に比較評価できたと思うが、今(2020年)の段階でそのような環境を望むのは無理というものだろう。

Image Credits: Veanne Cao

Note 20とNote 20 Ultraのもう1つの大きな違いは、もちろんカメラだ。カメラモジュールも非常に大きい。デザインに多少の改善が見られるが、正直なところ、これでもまだかなり大きいと感じる。しかし、カメラの機能を考えれば、この大きさも許容範囲だろう。新しいNoteはどちらもトリプルカメラシステムを搭載しいるが、Ultraでは、広角レンズが12メガピクセルではなく108メガピクセルとなっており、これに12メガピクセルの超広角レンズと12メガピクセルの望遠レンズを組み合わせている。

Image Credits: Brian Heater

セットアップはS20 Ultraとほぼ同じだが、いくつか重要な違いがある。初心者でも使いやすいように、TOF(time-of-flight)の代わりにレーザーオートフォーカスが採用されている。もちろん、将来性という点ではTOFのほうが優れている。TOFは、最新のポートレートモード需要に対応できるだけでなく、モバイルソフトウェアにおける拡張現実の重要度が増せば、今後さらに重要な役割を果たすようになるだろう。とはいえ、日常的な写真撮影には、レーザーオートフォーカスのほうがより実用的だと思われる。また、このカメラの設定では、ポートレートモードを有効にしていなくても、リアルで効果的なぼけ味を入れることができ、接写撮影では非常に効果的だ。

Image Credits: Brian Heater

もう1つ、大きく変わった点がある。それは、スペースズーム機能の最高倍率が調整されたことだ。S20 Ultraで初めて導入されたこのスペースズーム機能は、驚異の100倍ズームが可能という謳い文句だった。しかし実際には、100倍に近い拡大率で撮影すると使い物にならず、期待外れだった。ほとんどの写真は抽象的な印象派の作品のようになってしまったからだ。Note 20 Ultraでは、高画質を確保しつつも、より扱いやすい50倍ズームが最高倍率となっている。

Image Credits: Brian Heater

50倍ズームにすることで画質が相当に劣化するリスクはあるが、総合的には100倍ズームよりもはるかに満足できる仕上がりになる。全体として、Note 20 Ultraのズーム機能は素晴らしい出来だ。デフォルトの写真ソフトウェアを使用する場合は、3本木のアイコンのままにして3つの主要カメラを切り替えて使用することをお勧めする。これにより、光学ズームが最大10倍に抑えられる。もちろん、必要に応じて、もっと高い拡大率も使える。

Image Credits: Brian Heater

サムソンは、カメラの品質を上げる方法として、主としてハードウェアの改善に重点を置いてきた。その成果は、撮影される写真を見れば明らかだ。これは、コンピュテーショナルフォトグラフィーによって他社との差別化を図ってきたGoogle(グーグル)のアプローチとは対照的である。Pixelのカメラ自体はかなり良い出来なのだが、高画質ズーム機能ではNoteにかなわない。もちろん、サムソンのアプローチはコストがかかる。このレビューでは、なんと言っても1400ドル(約14万8000円)のスマートフォンの話をしていることを忘れないでほしい。

画面は本当に素晴らしい。個人的には、色が過飽和気味になることがあるように感じるが(特に明るい赤の場合)、これは画面設定で「vivid(鮮やか)」を「natural(自然)」に切り替えるだけで簡単に修正できる。人によっては、「natural(自然)」にすると赤が少しくすんだ感じに見えるかもしれない。いずれにしても、これは単に個人の好みの問題なので、いろいろと試してみることをお勧めする。リフレッシュレートは120Hzに設定されており、流れるような動きを再現できるが、これもバッテリーを節約する必要がある場合は簡単に無効にできる。

指向性マイクは、S20で導入された機能だが、その良さがあまり知られていない。これを使うと、デバイスの位置に基づいて、どの方向から収音するかを決定できる。さらに気が利いているのは、録音時にGalaxy Live Budsをマイクとして使える機能である。これは特に、騒がしい環境で立ったままインタビュー動画を撮るときに便利だ。

Image Credits: Veanne Cao

Note 20はSnapdragon 865+チップ(基本的にはS20に搭載されたフラグシップ製品Snapdragon 865のオーバークロック版)を搭載した最初のデバイスの1つだ。クロック速度が若干向上し、グラフィックパフォーマンスは10パーセント向上している。2020年に、モバイルプロセッサの性能がこれ以上向上することはない。サムソンがMicrosoft(マイクロソフト)と一部のGame Passコンテンツの独占使用契約を締結した点については、もう少し詳細な情報を書く予定だ(個人的には、Bluetooth対応のモバイルXboxコントローラのリリースが本当に待ち遠しい)。

とはいえ、このデバイスで日常的なタスクの大半をこなせる。また、最新のSnapdragon製チップと12GBのRAMの組み合わせにより、クラウドゲーミングにも優れた性能を発揮するだろう。ストレージも128GBと大容量で、512GBまで拡張可能だ。さらには、microSDスロット(S20の2モデルにも搭載されているが、通常のNoteには搭載されていない)を使えば、なんと1TBまで拡張できる。

今後もNoteの新モデルがリリースされるたびにレビューを書くつもりだが、筆者は、Noteデバイスを10年近く使っているものの、スタイラスペン派ではない。それでも、筆者のひどい手書き文字を認識できるこのデバイスの能力にはいつも感心する。ここで特に宣言することでもないが、近いうちにスタイラスペン派に転向するかもしれない。Sペンは洗練されており、この数世代で応答性も大きく向上した。Air Actionsを使用すると、スタイラスペンを画面から離して使える。素晴らしい機能だが、やはり筆者は使わないと思う。もう1つ新しく追加された機能として、Audio Bookmarkがある。これを使うと、作成中のメモに録音音声を同期させることができる。もちろん便利な機能だが、その便利さが際立つのは、今後数世代のうちにライブの文字起こし機能à la Google Recorderが導入されたときだろう。

Image Credits: Veanne Cao

サムソンの主力製品を筆者が半年ごとにレビューする記事をいつもお読みいただいている方は、筆者が次に何を言うか見当がつくかもしれない。今回のNoteの新モデルは、何か重要な変更があるわけではなく、旧モデルの改良版という感じが強い。もしお使いのNoteが2~3年前に購入されたものであれば、慌てて買い換える必要はまったくない。2~3年というのは、モバイル業界のライフサイクルでは同じフェーズに属する期間だ。全体として、アップデートは改良的なニュアンスが強い。

それでも、旧世代のデバイスと同様、Note 20 Ultraは、現時点で入手できる最も優れたモバイルハードウェアである。特にカメラの素晴らしい機能は注目に値する。ただし、いつものことながら、最高のものは高い。1400ドル(約14万8000円)のAndroidスマホを買ってもいいと思えるなら、Galaxy Note Ultraは最高レベルのデバイスだ。

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(翻訳:Dragonfly)

Vue Liteスマートグラスは約1万9000円で音楽や通話、音声アシスタント用スピーカーをテンプルに内蔵

それほど遠くない将来、私たちはみんなスマートグラスをかけるようになるだろう。もっと奇異なことが現実に起きている。ほら、スマートウォッチの出始めのころ、大抵の人は懐疑的に感じていたではないか。Apple Watch(アップリウォッチ)のように、スマートグラスの一般化を加速するにはApple(アップル)の力が必要だとはいわないが、その可能性を排除するのは、あまりにも短絡的だ。

Vue(ビュー)が179ドル(約1万9000円)のLiteを発表した今、この分野は奇妙な待機状態になっている。最初のGoogl Glass(グーグルグラス)は、時代遅れと感じさせるに十分なほどバックミラーのはるか彼方に行ってしまったが、本当に革新的なモデルの登場はまだまだ先に思える。Intel(インテル)は、Vaunt(バント)プロジェクトを断念し、North(ノース)はその第2世代のFocals(フォーカルズ)をGoogle(グーグル)にさらわれる前に潰してしまった。Bose(ボーズ)独自のプロジェクトは、2020年6月にAR部門が閉鎖された後は危機にさらされている。

関連記事:A passive take on smartglasses(未訳記事)

2016年10月に、Vueの最初のスマートグラスを初めて試す機会を得たとき(たしかに、ずいぶん昔だが)、私は大変に興味をそそられた。クラウドファンディングの世界では珍しいことではないのだが、同社は特に遅延に悩まされていた。「遅れについてはお詫びします。もっと予定通りに進められるよう願っています。遅れたことは心苦しく思っていますが、新製品開発においては仕方のないことなのです」と、先日同社はブログ記事に書いていた。

画像クレジット:Brian Heater

どんなに少なく見積もっても、ハードウェア系スタートアップにとって、最初のプロジェクトが最大の難関となるのは必定だ。私がVue Lite(ビュー・ライト)を入手してから1週間ほどになるが、しょっちゅう使っていることも、お伝えしておくべきだろう。少なくともその限りにおいて、この製品は本物だ。以前のモデルよりもシンプルで、そこがありがたい。

スマートグラスに何を求めるかという点においては、少々例外を認めることも必要だ。メインの機能は、直接音を鳴らす左右の低出力スピーカーだ。これは、Vue Pro(ビュー・プロ)に搭載されている高度な骨伝導システムに置き換わるものだ。音量はとても小さいので、ご注意を。しかし耳を覆わないデザインのため、常に周囲の環境に自分を馴染ませることができる。

両側のテンプルには簡単なタッチコントローラーがあり、音楽の再生、電話の応答、音声アシスタントの起動ができる。スピーカー同様にマイクも非力ではあるが、仕事はきちんとしてくれる。私は、メインの音楽デバイスとしてVue Liteを使いたいとは思わない。重要な電話が引っ切りなしにかかってくるような状況を、これで対処しようとも思わない。だが、移動中はこれで十分だ。

画像クレジット:Brian Heater

同社は、クールな充電ケースの代わりに、両方のテンプルに充電用の接点を設けた。バッテリーはそれぞれのテンプルに搭載されているので、個別に充電する必要があるのだ。1回の充電で音楽が聴ける時間は3時間半とされている。Proよりも1時間短い。また、My Glasses(マイ・グラセズ)にあるようなフィットネス用のモニター機能など、いくつかの重要な機能は搭載されなかった。

デザインに関していえば、私にはちょっと四角すぎる感じだが(スタイルは3種類から選べる)、その軽さには納得がいく。処方箋を送ってレンズを入れてもらうこともできる。

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画像クレジット:Brian Heater

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(翻訳:金井哲夫)

オーディオテクニカ意欲作、初の「完全ワイヤレス+ノイズキャンセル」イヤホン「ATH-ANC300TW」

オーディオテクニカ意欲作、初の「完全ワイヤレス+ノイズキャンセル」イヤホン「ATH-ANC300TW」

オーディオテクニカも「TWS+NC」(完全ワイヤレス+ノイズキャンセル)へ参入

現在ワイヤレスイヤホン、Bluetoothイヤホンといえば、左右のハウジングをつなぐケーブルすらない「完全ワイヤレス」(TWS、True Wireless Stereo)タイプがトレンド。そしてイヤホン界隈の次なるトレンドと目されている機能が、環境雑音を低減させる「ノイズキャンセル」(NC、Noise Cancel)。TWSにNCが加われば鬼に金棒、トレンドの最先端といっていい。

しかし、「TWS+NC」の実現には技術的な困難が伴う。一般的なワイヤードイヤホンは、音に関する機構(ドライバー/振動板)とアコースティックな処理を行うための空間がハウジング内部の大半を占めているが、TWSイヤホンはそこにBluetooth SoCを中心とした基板/レシーバー、リチウムイオンバッテリーなどの電源、さらにはタッチセンサーやボタン用の空間が必要になる。そのうえNCとなると、環境雑音を拾うためのマイク、その逆位相の音を生成するための高性能プロセッサも搭載しなければならない。

今回取り上げる「ATH-ANC300TW」は、オーディオテクニカが初めて手がけたTWS+NCイヤホン。数多の制約がある中で、NC性能のみならず音質面でも高い水準に到達した意欲作だ。同社商品企画担当の京谷氏に話を訊きつつ、「オーテクならでは」のTWS+NCイヤホンの実像に迫ってみよう。

オーディオテクニカ初のTWS+NCイヤホン「ATH-ANC300TW」

オーディオテクニカ初のTWS+NCイヤホン「ATH-ANC300TW」。

「ヒアスルー」が耳にしっくりする理由

ATH-ANC300TWは、オーディオテクニカのノイズキャンセル機能を搭載したヘッドホン / イヤホンシリーズ「QUIET POINT」に属す製品。シリーズ初となる完全ワイヤレスタイプにして同社NC技術の粋を集めた意欲作だ。

NCには、「フィードフォワード」と「フィードバック」を併用するハイブリッド方式を採用。フィードフォワードとは、ハウジングの表側に設置したマイクで雑音を拾い、鼓膜に到達したときどのような音になるかを演算により予測、ノイズが最小になるよう逆位相の音を作り出す方式。フィードバックとは、鼓膜に近いハウジングの内側にマイクを設置し、鼓膜に届く直前のノイズを集音して逆位相の音を作る方式だ。それぞれ一長一短あるため、両者を組み合わせるハイブリッド方式はNC性能を引き出すための上策といえる。

しかし、マイクをハウジングの表と内に設置して一丁上がり、というほど甘くはない世界。どのようなマイクを採用するかはもちろん、特にフィードバック側のマイクはハウジングのどこに、どの角度で取り付けるかなどの細かい配慮によってNCの効きは変わってくる。ATH-ANC300TWの場合、マイクは音声通話と「ヒアスルー」機能 ― 外音取り込み機能、再度ボタンをクリックするまで一時的にヒアスルー状態にする「クイックヒアスルー」もある ― にも利用されるため、その使いこなしが製品全体の完成度を左右するというわけだ。

この点についてオーディオテクニカの京谷氏に話を訊くと、「MEMSマイクと呼ばれる小型マイクの中でも、オムニマイク(無指向性マイク)という種類を採用している」とのこと。特定方向からの集音に長けたマイク(ビームフォーミングマイク)も検討したが、そのためには2基以上のマイクを配置する必要があり、イヤホンサイズが大きくなってしまうのだそう。「スペックや周波数特性などを吟味し、高性能小型MEMSオムニマイクを採用することで、小型化と通話性能、ヒアスルー効果の両立を狙った」(京谷氏)というから、まさに計算づくだ。

作り込みの事例として興味深かったのは、そのヒアスルー機能。「目指したのはイヤホンを装着していない感覚。耳内の反響音などの影響もあり、集音した音を通常の出力にただミックスするだけでは聞こえ方が不自然になる」(京谷氏)とのことで、聴感上のテストを繰り返したことが耳にしっくりする聞こえ方につながっているという。しかも、外音を自然な印象で聞かせつつ人の話し声や車内アナウンスが聞き取りやすくなるよう、独自チューニングしたフィルター(音声データに一定の処理を行うソフトウェア)を使っているという。

細かい気配りがオーテク流

ATH-ANC300TWに用意されたNCのモードは、「Airplane」と「On The Go」、「Office/Study」の3種類。NC効果の強弱ではなくパラメーターの違いであり、個人的にはエアコンの風の音すら聞こえなくなる「On The Go」を執筆時に重宝したが、自分の好みと使用シーンに応じて選択すればいいだろう。

それにしても、NCの効果もさることながら自然な聞こえ方がいい。装着してNC機能をオンにすると、すっとノイズが減るが、ガクッと減るのではなくフェードアウトするように減るのだ。ヒアスルー機能もまた然り、周囲の音が一気に入ってきて驚くことがない。

NCモードの切り替えは専用アプリで行う。ヒアスルーはLow/Medium/Highの3レベル

NCモードの切り替えは専用アプリで行う。ヒアスルーはLow/Medium/Highの3レベル。

肝心の音質だが、DLC(Diamond Like Carbon)コーティングが施された5.8mm径ダイナミックドライバーの効果だろう、すっきりとしつつも緻密な印象。NC効果で低域がノイズに埋もれることがないから、透明感ある中高域と本来あるがままのバランスで楽しめる。試聴は主にaptXで接続したAndroidとの組み合わせで行ったが、アコースティックギターは倍音成分が豊富に感じられ、アルペジオのきめ細やかさも好印象だ。

DLCコーティングが施された5.8mm径ダイナミックドライバーを採用

DLCコーティングが施された5.8mm径ダイナミックドライバーを採用。

ところで、ノイズキャンセリングには集音した波形に対し逆位相の音を重ねるアクティブ方式と、イヤホン自体の形状でノイズを遮音するパッシブ方式があり、多くの製品がそのふたつの異なる技術を組み合わせることでNC効果を獲得している。今回取材した京谷氏も、「ノイズキャンセルの効果はパッシブの遮音性ありき。利用するときは装着位置と向き、刺さり具合に注意してほしい」とのこと。イヤホンの試聴会は開催困難な世の中だが、しっかり装着したうえで聴けば、このイヤホンの自然なテイストに気付くはずだ。

対応コーデックはSBC、AACとaptX(画面はAndroid版)。アプリにはキーアサインをカスタマイズする機能も

対応コーデックはSBC、AACとaptX(画面はAndroid版)。アプリにはキーアサインをカスタマイズする機能も。

関連記事:違いのわかる大人の完全ワイヤレスイヤフォン「Technics EAH-AZ70W」

カテゴリー:ハードウェア

タグ:オーディオテクニカ レビュー ノイズキャンセリング

ついに登場した自由な位置に置けるワイヤレス充電器、NomadのBase Station Proをレビュー

アクセサリーメーカーのNomad(ノマド)は、優れた品質の素材と職人技を使い、iOSおよびAndroidデバイス向けに、優れたアクセサリーを提供してきた長い歴史を持っている。このたび同社が、ワイヤレス充電技術のスタートアップAira(アイラ)と提携し、自由位置でのワイヤレス充電を可能にするFreePowerテクノロジーを用いたプレミアプロダクトをデビューさせた。Nomadのこの新しいBase Station Proは229ドル(約2万4400円)は、AiraのFreePowerテクノロジーを搭載した初めての製品である。私はこの1週間で、それがどのように機能するかを確認する機会を得た。

基本情報

NomadのBase Station Proは、最大3台のデバイスを同時に充電できるワイヤレス充電パッドだ。最新のiPhoneモデルや、ほとんどの最新のAndroidスマートフォン、AirPods Proやその他のヘッドフォンなどの多数のアクセサリを含む、すべてのQi対応デバイスで動作する。多くの点で、Apple(アップル)が一度発表したものの、その後キャンセルしたAirPowerマルチデバイス充電器に非常に似ているが、Apple Watchは独自のワイヤレス充電技術を採用しているので、今回の製品では充電することができない。

画像クレジット:Darrell Etherington

Nomad Base Station Proは、長さ9インチ(約23cm)弱、幅は約5.5インチ(約14cm)で、厚さは0.5インチ(約1.3cm)未満だ。印象的なのか内部に18個のコイルがあるため、高い柔軟性を提供している点だ。前述のように、最大3つのデバイスの同時充電をサポートすることが可能で、現在いくつのデバイスが充電中なのかは、側面の3灯のLEDインジケーターで確認することができる。Nomadは本製品にUSB-C-USB-Cケーブルを1本と、それに接続するための30WのUSB-C PD電源アダプターを同梱している。

世の中には多くのマルチデバイスワイヤレス充電器があるが(Nomadもいくつか提供している)、AiraのFreePowerテクノロジーがもたらす真のメリットは、実際に複数のデバイスをパッド上にどのような向きに置いても、自動的に充電できることだ。ほとんどのQi充電器は、充電器内部の1つまたは複数のコイルに対する特定の範囲内に、デバイスを置く必要がある。そして少しでも置き場所がずれると、デバイスが充電されなかったり充電プロセスの効率が大幅に低下してしまう。

デザインとパフォーマンス

Nomad Base Station Proは他のほとんどのワイヤレス充電器よりも大きいが、その表面はすべて使用可能な領域だ。また、Nomad製品の特徴でもあるダークメタルとレザーによる仕上げは、魅力的で実用的だ。単一ケーブルデザインの採用によって、この製品は、雑然とケーブルや複数のUSBアダプターなどを使うよりも、はるかにすっきりとした物理的に魅力的な充電ソリューションになっている。

内部では、AiraのテクノロジーがNomad Base Station Proの心臓部である。充電器内には18個のオーバーラップしたコイルが内蔵されていて、回路基板上には、自由位置での充電を可能にするスマートさを実現するためのコントローラーたちが置かれている。基本的にAiraのテクノロジーは、パッド上に置かれたデバイスが受け入れることができる充電の種類を自動的に検出し、必要な電気をその方向に誘導し、デバイスの内蔵充電コイルとBase Station Pro内にあるコイルアレイの間の磁場を、理想的な電力供給のために最適化する。

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テストしてみたところ、製品は宣伝どおりに機能しパッド上のどの方向やどの場所に置いても、私のiPhone XS Pro Maxを検出した(もちろん、電話側のコイルがパッド上に位置していた場合の話だ)。2台目のiPhoneや、AirPods Pro、Qi対応の充電ケースを使うまた別のイヤホンを追加しても同様に機能した。iPhoneをパッドの表面に沿って移動させることもできて、磁気フィールドはデバイスを見失うことなく充電が続く。

これは魔法のように感じられるが、皮肉なことにこれは、従来のワイヤレス充電器を実際に使う前に私がワイヤレス充電について抱いていたイメージと同じものなのだ。現在の標準的なQiベースの充電は、多少便利ではあるが基本的には固定ドックのようなものだ。ところがAiraのFreePowerテクノロジーは、無造作に置いたデバイスを確実に充電することができる。

まとめ

この技術には注意すべき点がいくつかある。第1に、本製品は公式にはQi認定されていない。だがその理由は、同社の説明によれば、単純に自由位置充電に対する標準が存在しないからだ。彼らは、互換性や熱管理といったQi標準に準拠していることを確認するために、広範なテストを実施しており、またAiraはQi標準を所有し管理しているWireless Power Consortium(WPC)と協力して、自由位置充電をカバーする標準を作成している最中だ。

いずれにせよ私のテストでは問題なく動作し、パッド上のどこにでも配置できる便利さとともに、Qi対応デバイスを確実に充電している。それは大したことではないように思えるかもしれないが、エクスペリエンスは大幅に向上する。これに3台同時充電が加わることで、NomadのBase Station Proはやや高価ではあるが並ぶもののないユニークな存在となる。

一方Airaは、コンシューマー市場および商用市場の多数のパートナーに同社のテクノロジーを提供することなども含んで、FreePowerに対する大きな計画を描いている。例えば、どこでも充電可能なコーヒーショップのカウンターや、充電可能なダッシュボードを備えた車などが、どれほどうまく実現できるかは容易に想像できる。同社は大きな計画を立てているが、今回の製品が何らかの前触れであるとするなら、やがてそれは消費者の日常に大きな利点がもたらされることにつながるだろう。

関連記事:アップルのAirPowerがNomadの新製品Base Station Proとして蘇る?

カテゴリー:ハードウェア

タグ:レビュー

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(翻訳:sako)

AMD Ryzenモバイル搭載を期待したくなる?さらに完成度を高めたデルの13.4型モバイル「New XPS 13(9300)」

完成度を高めさらに小型化した13.4型モバイル「New XPS 13」(9300)

モバイルノートPCを選ぶ際のポイントはいくつかあるが、見た目の良さと持ち運びやすさを重視するならDell(デル)のNew XPS 13(9300)がお勧めだ。アルミ製でシャープなデザインの本体は質感が素晴らしく、その上サイズはA4用紙よりも小さい。機動性と完成度の高さが魅力のモデルだ。

完成度を高めさらに小型化した13.4型モバイル「New XPS 13」(9300)

今回試用したNew XPS 13 プラチナ(UHD+ タッチ・フロスト)。販売価格は税別17~18万円台

驚くほどコンパクトで高品質なボディ

New XPS 13(9300)を手にしてまず目を引くのが、より小型化した本体だ。フットプリント(設置面積)は幅296×奥行き199mmで、サイズ感としてはA4用紙(幅297×奥行き210mm)よりも短辺が1cm短い程度。13インチクラスとしては驚くほど小さい。1代前のモデル(XPS 13 7390)もかなり小さかったのだが、最新モデルでは幅が6mm減っている。ディスプレイが13.3インチから13.4インチへ大型されたにも関わらず、フットプリントは小型化されているのだ。ディスプレイを閉じた状態なら、12インチクラスのノートPCと見間違うかもしれない。

フットプリントは幅296×奥行き199mm。A4用紙よりもひと回り小さい

フットプリントは幅296×奥行き199mm。A4用紙よりもひと回り小さい

12.3インチのSurface Pro 7と変わらない大きさ

12.3インチのSurface Pro 7と変わらない大きさ

狭額縁デザインを採用することで、フットプリントの小型化を実現している

狭額縁デザインを採用することで、フットプリントの小型化を実現している

ディスプレイのベゼル幅は実測で左右4.1mm、上部6.2mm。非常に細い

ディスプレイのベゼル幅は実測で左右4.1mm、上部6.2mm。非常に細い

前面(上)と背面(下)。高さは実測で14.9mm、底面部のゴム足を含めると16.9mmm

前面(上)と背面(下)。高さは実測で14.9mm、底面部のゴム足を含めると16.9mmm

重量は実測で1.274kg

重量は実測で1.274kg

本体の質感も非常に高い。スリムでソリッドなアルミ製のボディは、まるで抜き身の刀を思わせるほどシャープな印象だ。本体カラーは、プラチナシルバーとフロストホワイトの2色。今回試用したのはフロストホワイトのモデルで、透明感のあるさわやかな色合いが特徴だ。パームレストにはグラスファイバー(プラチナシルバーモデルはカーボン)が使われており、ファブリック素材のような手触りが心地よい。全体的な仕上がりは上々で、ほかのモバイルノートPCに比べてワンランク上の高級感がある。

フロストホワイトの本体カラー。光の当たり方によってはライトシルバーのようにも見える

フロストホワイトの本体カラー。光の当たり方によってはライトシルバーのようにも見える

プラチナシルバーのカラー

プラチナシルバーのカラー

防汚処理が施されたグラスファイバーのパームレスト

防汚処理が施されたグラスファイバーのパームレスト

プラチナシルバーのモデルではブラックのカーボンファイバーが使われている

プラチナシルバーのモデルではブラックのカーボンファイバーが使われている

側面はシルバーで、ヘアライン加工が施されている

側面はシルバーで、ヘアライン加工が施されている

底面部の排気口はディスプレイを開くとヒンジで隠れるデザイン

底面部の排気口はディスプレイを開くとヒンジで隠れるデザイン

底面部はシンプルな作り

底面部はシンプルな作り

アスペクト比16:10のディスプレイを採用

XPSシリーズでは2019~2020年にかけて、ディスプレイのアスペクト比を16:10に移行している。New XPS 13(9300)の解像度は1920×1200ドット(FHD+)および3840×2400ピクセル(UHD+)で、一般的な16:9のアスペクト比によりも縦幅が長い。その差はわずかだが、情報量が増えることで作業効率は多少アップするだろう。

液晶ディスプレイのサイズは13.4インチ。アスペクト比16:10、解像度3840×2400ピクセル(UHD+モデル)

液晶ディスプレイのサイズは13.4インチ。アスペクト比16:10、解像度3840×2400ピクセル(UHD+モデル)

UHD+モデルでは文字のドット感がないため文章を読みやすい

UHD+モデルでは文字のドット感がないため文章を読みやすい

映像の色合いは非常に美しい。特に今回試用したUHD+ディスプレイのモデルはコントラストが高く、映像は明るく鮮やかだ。公称値では明るさは500nitで、色域はDCI P3カバー率90%とのこと(FHD+モデルはsRGBカバー率100%)。VESA認定DisplayHDR 400もサポートしているという。映像系のクリエイティブ用途にも利用できるクオリティーだ。

明るく色鮮やかな映像

明るく色鮮やかな映像

軽いタッチ向けのキーボード

キーボードはバックライト対応で、テンキーはなし。標準では日本語配列だが、購入時のオプションで英字配列に変更できる。配列の変更に追加料金は必要ないが、納期の早い「即納」モデルでは英字配列に変更できない点に注意していただきたい。

キーピッチは横19mmで縦18mm。わずかに横長だが、実際に使ってみると違和感はない。配列には一部変則的部分があるものの、概ねクセのない配置・サイズだ。ただしキーストロークが実測で1.1mm程度と非常に浅い。固めのクリック感があるので手応えはしっかり感じられるものの、キーを押している最中に途中で止まるような感覚を覚えた。タイプ感はプチプチとした独特の感触。軽いタッチで入力する人なら違和感はないだろう。

試用機のキーボードは日本語配列。キーピッチは横19mm、キーストロークは約1.1mm

試用機のキーボードは日本語配列。キーピッチは横19mm、キーストロークは約1.1mm

キーボード右上に指紋センサー内蔵の電源ボタン

キーボード右上に指紋センサー内蔵の電源ボタン

インターフェースはThunderbolt 3(USB Type-C)×2のみ

周辺機器接続用の端子類はThunderbolt 3(USB Type-C)×2と3.5mmヘッドホン端子のみだ。このほか、microSDカードスロットを搭載している。ノートPCとしては極端に少ないものの、モバイル用途中心であれば困る場面はないだろう。据え置きで利用するなら、映像出力や有線LAN、フルサイズのUSB端子などに対応したType-Cハブを別途用意したい。

側面の端子類

側面の端子類

Usb Type-C to Type-Aアダプターが付属

Usb Type-C to Type-Aアダプターが付属

付属の電源アダプター。重量は230gで非常にコンパクト

付属の電源アダプター。重量は230gで非常にコンパクト

問題なく使えるパフォーマンス

New XPS 13(9300)ではCPUとして、インテル第10世代(Ice Lake)のCore i5-1035G1またはCore i7-1065G7が使われている。メモリー容量は8/16/32GBで、ストレージは256GB/512GB/1TBの構成だ。グラフィックス機能としてはCPU内蔵のUHD Graphics(Core i5)またはIris Plus Graphics(Core i7)を使用する。

CPU性能を計測するベンチマークテストを試したところ、同じCore i7-1065G7の平均値(1625)を下回る結果となった。ただし筆者が以前に同じスペックの機種でテストを行なったときは「1721」と高いスコアが出ていたので、個体差の影響が現われているのかもしれない。今回の結果的には可もなく不可もなくといったところだ。

CPUの処理性能を計測する「CINEBENCH R20」の結果

CPUの処理性能を計測する「CINEBENCH R20」の結果

PCを使った作業の快適さを計測する「PCMark 10」では、「Essentials(一般利用、目標値4100)」、「Productivity(ビジネス利用、目標値4500)」、「Digital Contents Creation(コンテンツ制作、目標値3450)」のすべてのテストにおいて、快適に使えることを表わす目標値を超えている。ただし個人的には、思ったほどスコアが伸びない印象だ。別の機種ではもっと高い結果が出ているので、試用機の問題や個体差の可能性はある。

「PCMark 10」ベンチマーク結果。「Essentials(一般利用、目標値4100)」、「Productivity(ビジネス利用、目標値4500)」、「Digital Contents Creation(コンテンツ制作、目標値3450)」のすべてのテストにおいて、快適に使えることを表わす目標値を超えている

「PCMark 10」ベンチマーク結果。「Essentials(一般利用、目標値4100)」、「Productivity(ビジネス利用、目標値4500)」、「Digital Contents Creation(コンテンツ制作、目標値3450)」のすべてのテストにおいて、快適に使えることを表わす目標値を超えている

ストレージのアクセス速度は全体的には優秀ではあるものの、シーケンシャルライトがいまひとつな結果だった。とは言え実際に使ったところ特に遅く感じることはなく、キビキビと動作していた。

「CrystalDiskMark」による512GB SSD(PCIe 3.0 x4接続)のアクセス速度

「CrystalDiskMark」による512GB SSD(PCIe 3.0 x4接続)のアクセス速度

バッテリー駆動時間は実測で8時間39分

バッテリー駆動時間は、公称値としては公開されていない。そこで「PCMark 10」を使って最大パフォーマンス時の駆動時間を計測したところ、8時間39分でバッテリー切れとなった。モバイル用としては長くはないものの、これはバッテリー消費が大きいUHD+ディスプレイを搭載しているため。

FHD+モデルであれば筆者が過去に行なった同じテストで11時間50分という結果が出ている。最近の機種としては特別長いわけではないものの、フルパワーで連続8時間または11時間であれば十分といっていい。バッテリー駆動時間を優先するのであれば、UHD+ディスプレイではなくFHD+モデルを選択するようお勧めしたい。

「PCMark 10」の「Battery」-「Modern Office」によるバッテリー駆動時間の計測結果

「PCMark 10」の「Battery」-「Modern Office」によるバッテリー駆動時間の計測結果

デザインと持ち運びやすさ含めた総合面はトップクラス。AMD Ryzenモバイル搭載も期待したくなる?

今回は試用機の個体差による影響のためか、ベンチマークテストの結果はあまり振るわなかった。ほかの個体であれば、高いパフォーマンスを期待していいだろう。

ただし、ノートPC一般において、現在はAMDの第3世代Ryzenモバイルを搭載した機種のほうがベンチマークテストで高い結果が出ており、インテル製CPUは大きく遅れを取っている状況だ。

第3世代Ryzenモバイル4000シリーズ(Renoir)上位のRyzen 7 4700Uであれば、内蔵グラフィックス性能でもCore i7-1065G7を大きく上回っている。その点を考えると、パフォーマンス面ではNew XPS 13(9300)を選ぶメリットは少ない。New XPS 13(9300)自体の完成度が高いだけに、Ryzenモバイル搭載モデルの登場も期待したくなる。

インテル製CPU搭載のメリットとして挙げられるのはThunderbolt 3に対応している点で、外付けのGPUボックスを使えばグラフィックス性能を大きくパワーアップできる。据え置きでクリエイティブな作業で使うのであれば、インテル製CPUを搭載した機種のほうが有利だ。

繰り返しになるが、New XPS 13(9300)の仕上がりの素晴らしさは、数あるモバイルノートPCの中でもトップクラスの出来映えだ。スリムかつコンパクトで、質感が非常に高い点が魅力といえる。優れた映像品質に優れている点も見逃せないだろう。ストレスなく使える高品質なモバイルノートPCを探している人にお勧めできるモデルなのだ。

完成度を高めさらに小型化した13.4型モバイル「New XPS 13」(9300)

カテゴリー:ハードウェア

タグ:Dell レビュー

PC・タブレットとしてより使いやすく格段の進化を遂げた「Surface Pro 7」

マイクロソフト Surface Pro 7

マイクロソフトの「Surface Pro」シリーズは、フル機能のWindowsが動くタブレット型PCだ。ペン入力に対応しており、オプションのキーボード付きカバー「Surfaceタイプカバー」を装着することでノートPCのように使うことができる。今回は、第10世代CoreプロセッサーやUSB Type-Cコネクタ、Wi-Fi 6などを搭載して順当な進化を遂げた最新モデル「Surface Pro 7」の使用感やパフォーマンスをレビューしていこう。

第10世代Core iプロセッサーを採用して性能を強化

Surface Pro 7は、OSにWindows 10 Home 64bit、ディスプレーに12.3インチのタッチ対応液晶パネルを採用し、5MP(500万画素)のフロントカメラとWindows Hello顔認証対応カメラ、8MPのオートフォーカス機能付き背面カメラを搭載する2-in-1 PCだ。

マイクロソフト Surface Pro 7

マイクロソフトのSurface Pro 7。直販価格は税込み10万9780円から。キーボード付きカバー「Surfaceタイプカバー」とSurfaceペンは別売オプションであることに注意

液晶ディスプレーは2736×1824ピクセル(267ppi)と変則的な解像度となっているものの、縦横比が3:2と一般的なノートPCよりも縦方向に広く、電子ブックや電子コミックスなどを見開きで楽しむのに便利だろう。

Surface Pro 7のサイズは292×201×8.5mmとなっており、フットプリント(占有スペース)はA4サイズ(297×210mm)に近い。Surface Pro 7自体の重量はCore i7搭載モデルの場合約790g、別売のSurfaceタイプカバーが約310gとなっており、合計の重量は1kgを超える。

12.3インチのタッチスクリーン(2736×1824ピクセル、267ppi)を搭載。サイズは292×201×8.5mmとなっており、フットプリント(占有スペース)はA4サイズ(297×210mm)に近い

12.3インチのタッチスクリーン(2736×1824ピクセル、267ppi)を搭載。サイズは292×201×8.5mmとなっており、フットプリント(占有スペース)はA4サイズ(297×210mm)に近い

マイクロソフト Surface Pro 7

ディスプレー上部のベゼルにはWindows Hello顔認証対応カメラと5MPのフロントカメラが搭載されている(写真左)。本体背面には8MPのオートフォーカス機能付きカメラを搭載する(写真右)

CPUに第10世代Core i搭載、Wi-Fi 6(11ax)をサポート

前モデルとの大きな違いは、CPUに第10世代のインテルCore iプロセッサーを採用し、無線LANがWi-Fi 5(11ac)からWi-Fi 6(11ax)に、外部端子がMini DisplayPortからUSB Type-Cに変更された点。USB Type-Cは外部映像出力やPower Deliveryにも対応しており、外付けディスプレーに画面を表示したり、モバイルバッテリーなどから給電したりすることも可能だ。

マイクロソフト Surface Pro 7

本体天面(写真上)には電源スイッチとボリューム調節、また本体左側面(写真下)には、3.5mmヘッドフォンジャックが搭載されている

マイクロソフト Surface Pro 7

本体右側面(写真上)には、USB Type-C、USB Type-A、Surface Connectポート、microSDXCカードリーダーが搭載されている。USB Type-Cは映像出力やPower Deliveryにも対応している。本体底面(写真下)には、Surfaceタイプカバーポートがある

直販サイトでは以下のような構成から選択でき、最小構成時の税込み価格が10万9780円、また全部盛りで税込み29万5680円となっている。

  • CPU: Core i3-1005G1/Core i5-1035G4/Core i7-1065G7
  • メモリー容量: 4GB/8GB/16GB
  • ストレージ容量: 128/256/512GB SSDおよび1TB SSD
  • ボディカラー: プラチナ/マットブラック
  • 重量: i3/i5の場合775g(ファンレス仕様)、i7の場合790g(ファン搭載)

Core i3とCore i5を選んだ場合はファンレス仕様となり重量は775gに、Core i7を選んだ場合はファン搭載となり重量は790gになる。いずれもバッテリー駆動時間は公称値で最大10.5時間だ。

今回は、CPUがCore i7-1065G7、メモリーが16GB、ストレージが512GB、ボディカラーがマットブラックという構成で、オプションのSurfaceタイプカバーとSurfaceペンも同時に試せた。

ボディはマグネシウム製だけあって上質な手触りで剛性も高い。背面パネルは下半分がキックスタンドとなっており、無段階で自由な角度に調節できる。Surface Proタイプカバー装着時は、キックスタンドをある程度開くことで膝の上でも十分安定して使用することが可能だった。

本体にSurfaceタイプカバーとSurfaceペンを装着した状態。ノートPCスタイルで使用できる

マイクロソフト Surface Pro 7

マグネシウム製ボディは上質で剛性が高く、使っていて安心感がある。背面下部にはキックスタンドが内蔵されており、角度を調節することで自立させられる

Core i7-1065G7は、4コア8スレッドのプロセッサーでIntel Iris Plusグラフィックスを内蔵したもの。統合型グラフィックスとしては、一般的なインテルUHDグラフィックスよりもかなりパフォーマンスが高い。実際、グラフィックス性能をはかるベンチマークでは、インテルUHDグラフィックスの倍近いスコアが出ており、負荷が中程度のPCゲームなら快適にプレイできるという結果だった。

CINEBENCH R20では、マルチコアが1743pts、シングルコアが431ptsという結果に。一般的な薄型ノートPCに搭載されることの多いCore i7-10510Uよりもマルチコアのスコアは1~2割高い

CINEBENCH R20では、マルチコアが1743pts、シングルコアが431ptsという結果に。一般的な薄型ノートPCに搭載されることの多いCore i7-10510Uよりもマルチコアのスコアは1~2割高い

PCの総合力をテストするPCMARK 10では、基本性能を示すEssentials、ビジネスアプリのパフォーマンスを示すProductivity、クリエイティブアプリのパフォーマンスを示すDigital Content Creationのいずれもが快適さの目安となる3000を軽く上回る結果に

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グラフィックス性能を測る3DMARKでは、ゲーミングPC向けのDirectX 12ベンチマークテスト「Time Spy」が949、同DirectX 11テストの「Fire Strike」が2812、統合型グラフィックス向けDirectX 12テストの「Night Raid」が9970、ミッドレンジPC向けテストの「Sky Diver」が9163という結果に。UHDグラフィックスの倍以上のパフォーマンスだ

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ドラゴンクエストX ベンチマークソフトはフルHD、標準品質で「すごく快適」という評価

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ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマークでは、フルHD、標準品質で「とても快適」という評価

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ストレージの性能をCrystalDiskMarkでチェックしてみたところ、PCIe接続のSSDを採用しているだけあって、シーケンシャルリード(1MiB Q8T1)が2000MB/s超と非常に高速。実際、電源オフの状態からOSが完全に起動するまで10秒とかからないほどで、アプリの起動やスリープ・休止状態からの復帰も高速だった。

SSDは4レーンのPCIe 3.0で接続されているだけあって非常に高速

SSDは4レーンのPCIe 3.0で接続されているだけあって非常に高速

バッテリー駆動時間は公称値で10.5時間となっているが、バッテリーベンチマークソフト「BBench」での計測では9時間23分という結果になった(Surfaceタイプカバーを装着した状態で、電源モードは推奨に、明るさは40%に設定し、BBenchは「60秒間隔でのWeb巡回」と「10秒間隔でのキーストローク」にチェックを入れて満充電状態から電池残量3%で自動休止するまでの時間を計測)。これだけ持てば普段使いには十分すぎるといえるだろう。

付属のACアダプターはコンパクト(写真左)。充電用のUSB Type-Aポートも搭載されている(写真右)

付属のACアダプターはコンパクト(写真左)。充電用のUSB Type-Aポートも搭載されている(写真右)

ペンの描き心地やキーボードの操作感も良好

オプションのSurfaceペンは傾き検知や4096段階の筆圧検知に対応した本格的なもの。純正アクセサリーということもあってSurface Pro 7との相性は抜群で、視差や遅延もほとんどなく滑らかな描き心地を実現している。

別売オプションのSurfaceペンは傾き検知や4096段階の筆圧検知に対応。消しゴムとしても機能するヘッドボタンと、サイドボタンが搭載されている

別売オプションのSurfaceペンは、消しゴムとしても機能するヘッドボタンと、サイドボタンが搭載されている

Surfaceペンは本体左側面にマグネットで吸着する。持ち運びには便利だが、右利きだと着脱する際に持ち手を変えることになるのが少しめんどう

Surfaceペンは本体左側面にマグネットで吸着する。持ち運びには便利だが、右利きだと着脱する際に持ち手を変えることになるのが少しめんどう

実際にざっくりとスケッチして確かめてみたが、筆圧の違いによる濃淡の差や、ペンを傾けたときの線幅の広がりなどが自然で、紙に描くような感覚で操作することができた。ペン先の感触もソフトでカチカチせず、スムーズに線を引くことが可能だった。

Surfaceペンは傾き検知や4096段階の筆圧検知をサポートしており、紙に鉛筆やペンで描くように直感的に扱える

Surfaceペンは傾き検知や4096段階の筆圧検知をサポートしており、紙に鉛筆やペンで描くように直感的に扱える

個人的にはデフォルトのペン先でまったく問題を感じなかったが、別売で3種類のペン先がセットになった「Surfaceペン先」も用意されているので、描き心地にこだわりのある人も安心だ。

Surfaceタイプカバーは一部のキーをのぞき、キーピッチが約19mmあり、キーストロークも十分確保されている。タイプカバー自体が薄いため膝の上などでタイピングすると若干キーボード面のたわみが気になることもあるが、操作に支障をきたすほどではない。打鍵感がよく、長時間のタイピングも快適に行えた。

Surfaceタイプカバー。フルサイズのキーボードとクリックボタン一体型のタッチパッドが搭載されている。パームレストなどは耐水性のあるスウェード調のアルカンターラ素材でできており、肌触りが良く耐久性が高いのが特徴

Surfaceタイプカバー。フルサイズのキーボードとクリックボタン一体型のタッチパッドが搭載されている。パームレストなどは耐水性のあるスウェード調のアルカンターラ素材でできており、肌触りが良く耐久性が高いのが特徴

キーボード部分はバックライトを内蔵しており、暗所でもどのキーかを判別しやすい

キーボード部分はバックライトを内蔵しており、暗所でもどのキーかを判別しやすい

クリックボタン一体型のタッチパッド。細かいカーソル操作もスムーズに行えた

クリックボタン一体型のタッチパッド。細かいカーソル操作もスムーズに行えた

普段使いのタブレットとノートPCを1台にまとめたい人に最適

第10世代Core iプロセッサーやUSB Type-Cポート、Wi-Fi 6を採用し、パフォーマンスと使い勝手がより一層向上したSurface Pro 7。オプションのタイプカバーやペンを一緒に購入すれば、タブレットとしてもノートPCとしても使いやすく、テレワークから趣味のお絵描きまで幅広く活躍してくれるはずだ。

今回はパフォーマンスに優れたCore i7搭載機を試したが、Intel Iris Plusグラフィックスを内蔵しながらファンレスを実現したCore i5搭載機や、普段使いには十分な性能ながら11万円を切る価格を実現した良コスパのCore i3搭載機も魅力的。好みや利用シーンに合わせて、自分に最適な構成を選んでみてほしい。

マイクロソフト Surface Pro 7
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これこそ完璧なワイヤレスイヤホンだーーBang & Olufsenのスポーツ向け新モデル「Beoplay E8 Sport」

Bang & Olufusen(バング&オルフセン)が、高い評価を受けてきた同社の高精度かつ自然なサウンドをスポーツ仕様のデザインに詰め込んだBeoplay E8 Sportを発表した。価格は350ドル(約3万7000円)。IP57認証の防水性能、合計最大30時間のバッテリー駆動時間(1回の充電で最大7時間再生)、外音を取り込める透過モードなど、優れた機能が満載の完全ワイヤレスイヤホンだ。

製品の概要

E8 Sportは、バング&オルフセンがしばらく前から展開している完全ワイヤレスイヤホン「Beoplay E8第三世代」の最新モデルだ。同シリーズで初めてスポーツ仕様の防滴・汗耐性を備えたモデルとなる。だからといって、以前のE8モデルが運動に不向きだというわけではない(筆者も使っている)。しかし、E8 SportはIP57認証の防水性能を備えていて、浅瀬程度の水深であれば30分間、水中で完全防水機能を発揮する。だから、雨の中でジョギングする時も、たくさん汗をかく時も、安心して使えるのだ。

ただし、泳ぐ時には使えない。E8 Sportの防水性能は、製品の耐久性を強化し、望むなら使用後にさっと水で洗えるようにすることが目的だからだ。言ってしまえば「気休め」なのかもしれないが、それでも、あればうれしい機能である。

Image Credits: Darrell Etherington

E8 Sportのイヤーピースの表面はラバー感が前面に出た新しいデザインとなっていて、充電ケースの予備電源バッテリー容量はE8の前継モデルよりやや少ないが(その差はわずか30分程度)、USB-Cケーブルやワイヤレスパッドを使って充電できる。充電ケースのバッテリーで23時間、イヤーピース内蔵のバッテリーだけでも7時間のオーディオ再生が可能だ。

また、各種サイズのシリコン製イヤーチップセットとComply製の形状記憶チップ(Mサイズ)1セットに加えて、ランニングや高強度の運動をする時でも高い装着フィット感を維持できる各種サイズのシリコン製イヤーフィンセットも付属している。Beoplay E8 SportのカラーバリエーションはパステルターコイズのOxygen Blue(オキシジェンブルー)とBlack(ブラック)の2色。さらに、スイスのランニング用品ブランドOn(オン)とコラボした特別エディション「Beoplay E8 Sport On Edition」も発売されている

イヤホンの内部は、スポーツ向けではない他のE8シリーズ標準モデルとほぼ同じだ。つまり、バング&オルフセンが誇るあの高精度で豊かな音質を楽しむことができる。

デザインと性能

バング&オルフセンはE8 Sportで新しいデザインを採用している。他のE8モデルのイヤーピース表面は滑らかだが、E8 Sportは丈夫でラバー感が前面に出た仕上がりとなっている。また、E8のケースがレザー仕上げであるのに対して、E8 Sportのケースはシリコン製だ。さらに、汗でぬれても滑りにくいように、E8 Sportのイヤーピースとケースの表面には浅い溝が刻まれている。

Image Credits: Darrell Etherington

スポーツ仕様とされる多くの他社製品とは異なり、Beoplay Sport E8は控えめで洗練された雰囲気を保っている。イヤーピースは装着時でもまったく目立たず、特にブラックの方は装着していても決して気づかれないのではないかと思う。「オキシジェンブルー」の方は少し目につきやすいが、それでも派手さや華やかさは感じさせないソフトな印象だ。

イヤーピースの左右どちらの表面にも、バング&オルフセンのロゴが刻印されたアルミニウムリングが埋め込まれていて、フェイスプレート部分はタッチセンサー式ボタンの役目も果たしている。全体的に他のE8モデルと異なるデザインであることは一目瞭然だが、それでも、バング&オルフセン製かどうかを疑うほどかけ離れた冒険的なデザインにはなっていない。

性能面では、E8 Sportという名の通り、長時間のバッテリー性能、パッシブ遮音性、並外れてクリアな音声分離機能、抜群の装着フィット感など、スポーツ向けモデルに期待されるあらゆる条件を満たしている。筆者も、30分間のランニングなど、さまざまなシチュエーションで実際に使ってみたが、接続品質も音質も常に最高だった。特に、スポーツ向けワイヤレスイヤホンなのにこれだけ高品質のサウンドを実現できていることに驚いた。他メーカーのスポーツ向けモデルは音質に妥協してベース音が濁ることが多いのだが、E8 Sportではまったくそのようなことはなかった。

それこそE8 Sportが最高の製品たるゆえんである。どんな天候の中でどんな運動をする時でも、家で静かにくつろぐ時でも、極上のサウンドを楽しめる万能イヤホンだ。もし、どんなシチュエーションにも最適なワイヤレスイヤホンを探しているのなら、E8 Sportが文句なしにおすすめだ。

Image Credits: Darrell Etherington

バング&オルフセンのアプリを使えば、好みのサウンドに細かく調整できる。また、イヤーピース表面のタッチセンサーに触れるだけで、音楽再生のコントロールや、外音透過モードへの切り替えが可能だ。そして、これらの操作はすべて、ランニング中でも、電話会議中でも実行できる。さらに、通話時の音質も非常にすばらしい。筆者がテストした時の通話相手は、電話を口元に近づけて話す場合よりもはるかに音質がよく、筆者がプロ仕様のオーディオ機器を使って録音しているポッドキャストの音声品質に近い、とまで言っていた。

総合評価

ワイヤレスイヤホン市場にはすでに無数のプロダクトが存在しており、その数は常に増え続けていて、性能も価格もさまざまだ。バング&オルフセンは現行のE8第三世代でワイヤレスイヤホンとして最高の音質を実現したと筆者は思っている。そして新製品のE8 Sportはその最高音質に加えて、見事な耐久性も備えている。

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(翻訳:Dragonfly)

新しいMac用のマウスとキーボードはロジクールの新製品がおすすめ

Logitech(ロジクール)が、Macユーザーに向けた新バージョンのMXシリーズ周辺機器の他、Appleデバイス用に設計された新たなK380ワイヤレスBluetoothキーボードをリリースした。Logitechの既存のデバイスと比較してこれらの新製品に劇的な変化は見られないが、これは吉報である。同社の周辺機器は既に優秀であったが、同新シリーズはそれらの周辺機器をMacユーザーのデフォルト的チョイスとも言えるようなものへとアップグレードさせたのだ。

MX Master 3 for Mac

Image Credits: Darrell Etherington

既存のMX Master 3にわずかな変化が加えられたのがMX Master 3 for Macだ。新しいスタイルの塗装が主な変更点で、実際には古いバージョンとかなり似ている。Mac専用バージョンもスペックは同様で、最大スクロール速度が毎秒1000行の静かなスクロールホイールや、高速な動きに適したフリーホイールスクロールを可能にするLogitechのMagSpeedテクノロジーなどを搭載している。

MX Master 3 for Macには、非Macバージョンに付属するUSB-A/USB-Cケーブルの代わりにUSB-C/USB-Cコードが同梱されており、ドングル無しのモダンなMacBookコンピューターで使用し充電するにはより便利になっている。フルに充電すれば70日間使用することができ、わずか60秒の充電時間で3時間使用可能だ。このマウスには同社のDarkfieldレーザートラッキングを使用。これにより平均1000dpiの精度を叶え、ほぼ全ての表面での使用が可能となる。また、複数のデバイスを繋げる同社のEasy-Switchテクノロジーにより、MacとiPad間で動作することも可能となる。

既存のMX Master 3ユーザーが気付くであろう主な相違点としては、LogitechのウェブサイトにMX Master 3 for MacがBluetooth接続のみの提供として記載されている点だ。信頼性を高めるためにBluetoothではなく専用のRFネットワークを介して周辺機器を接続する、同社のUnifying USBレシーバーが同梱されていない。MX Master 3 for MacにはLogitechのUnifyingレシーバーが使えるため、これは不思議である。実際に著者も、キーボードのMX Master Keys for Macとセットで梱包されていたUSBドングルを使用して設定している。

Image Credits: Darrell Etherington

MX Master 3 for Macは、非Macバージョンと同様の129.99ドル(約1万4000円)という金額設定となっているにも関わらず、レシーバーが含まれておらずBluetoothマウスとして売り出しているため、これは特筆すべき点である。これには首を傾げるが、同社の製品を長年使用しているユーザーならおそらくUnifyingレシーバーを余分に保有していることだろう。Macバージョンに施されたスペースグレーカラーは実際のMacハードウェアとよりマッチすることも言及しておきたい。

性能面において、MX Master 3 for Macは入手可能なマウスの中でも最高クラスのものと言えるだろう。この上なく快適な使い心地を備え、同社のソフトウェアであるOptionsを用いたコントロールのカスタマイズも可能。なめらかで高精度なトラッキング機能を備え、充電中の使用も可能だ。

MX Keys for Mac

Image Credits: Darrell Etherington

マウスと同様、MacバージョンのMX Keysにおいてもほぼ外観のアップデートとなる。Apple製品と同名の色であるスペースグレーが施され、ワイヤレスおよびバッテリーエレクトロニクスを収納するトップバーとキーはコントラストの効いた黒で仕上げられている。キーレイアウトもMacに特化したものに変更。既存のMX Keysで見られるハイブリッドキーラベルをやめ、専用のコマンドキーとオプションキーの他、ハードウェアのイジェクトキーも完備している。

Mac Master 3と同様に、MX KeysもmacOS、iPadOS、iOSなどのデバイス間で使用することが可能だ。USB-C/USB-Cの充電ケーブルとUnifyingレシーバーがセットになっており、繰り返し言うが、標準のMX Keysに付属するUSB-A/USB-Cケーブルよりも便利である。Bluetoothで最大3つのデバイスに接続することも可能であり、それぞれを切り替えるための専用キーを備えている。

カチカチした感触のメカニカルキーボードを好むユーザーでない限り、優れたパフォーマンスと感触を提供するサードパーティキーボードとしてMX Keysは最善のチョイスだと言えるだろう。手を近づけると自動的に起動するスマートバックライトを備え、使用していないときは自動的にオフになるためバッテリーも長持ちする。プラスチック製ではあるものの、良い意味で重量感のある仕上がりで、デスクにぴったりとフィットする。著者はこのキーボードがリリースされて以来続けて使用しているがトラブルは何一つ起きておらず、耐久性に関しては問題ないと断言できる。

Image Credits: Darrell Etherington

バッテリー寿命に関しては、バックライトをアクティブにした状態で10日間使用可能だ。しかし、バックライトを使用しなければ最大5か月は持つだろう。また前述した通り、付属のUSB-Cケーブルを使用してMacから直接充電するのも簡単だ。これなら充電しながら使用することも可能である。

同製品のカラースキームは素晴らしく、メタル製の雰囲気を醸し出すスペースグレーの表面にいたるまで、Appleのアルミニウム処理の外観にマッチしている。すでにMX Keysを使用している場合、買い換える必要はないだろう。しかし新しいキーボードをお探しなら、オリジナルと同様の129.99ドル(約1万4000円)で購入できる同製品は、Macユーザーにとってこれ以上ない最高のチョイスであること間違いない。

Mac、iPad、iPhone向けのK380 Bluetoothキーボード

K380は、丸いキーと軽いプラスチックのシェルを備えたよりポータブルなキーボードである。Bluetooth接続のみではあるものの、同時に最大3つのデバイスを接続することが可能だ。Macバージョンは白とピンクから選ぶことができ、MXと同様にMac専用のキーを完備している。

Image Credits: Darrell Etherington

macOS、iOS、iPadOS間で使用ができ、シームレスに切り替えることが可能なため、MacやiPad、iPhoneを含めた設定で外出先で作業するには最適である。付属の単4形乾電池2つで作動し、これで約2年間使用できることになっている。

MXシリーズよりもキーストロークはやや浅めだがそれでも素晴らしい仕上がりで、ほぼ無音のため共有スペースなどでの作業にはぴったりだ。価格は49.99ドル(約5300円)となっている。

まとめ

Logitechはこれらのどの製品においてもマウスホイールをアップデートしていない(MX Master 3の最初のリリース時に既にアップデートされている)。しかし変更された点はすべて、Macやその他のAppleデバイスをより快適に使用できるようにするための歓迎すべき改善だ。Apple製品でさえダークカラーの入力デバイスには割増価格が付けられているため、改善に伴う価格変更がなされなかった点は実に素晴らしい。

もし新しい周辺機器を探していて且つMXシリーズを所有していない場合、MXシリーズを選択するのが正解だ。各デバイスに対応し、重くなく耐久性があり、見た目も触り心地も優れたオールインワンキーボードをお探しならMac用のK380をおすすめしたい。

関連記事:自宅のシステムをアップグレードしてくれる、最強のWi-Fi 6ホームネットワーク

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(翻訳:Dragonfly)

自宅のシステムをアップグレードしてくれる、最強のWi-Fi 6ホームネットワーク

Wi-Fi 6が登場した。昨年の主力製品iPhone 11シリーズで採用されたことで注目されたこのWi-Fi 6は、ますます多くのデバイスに搭載されるようになっている。この次世代Wi-Fiテクノロジーによりデバイス間のデータ転送がより迅速に行えるようになる。しかしより重要なのは、システムが、減速や中断なく、接続された複数のWi-Fiデバイスの処理を一度にしやすくなる点だ。モバイルデバイスのバッテリーの消耗を低減することさえできる。

iPhone 11の発売以降、Wi-Fi 6ルーターやメッシュシステムの数は劇的に増え、今や様々な価格帯のあらゆるオプションが揃っている。しかし、Wi-Fi 6を最大限に活用したいと思っている読者には、2つのシステムがお薦めである。異なるアプローチで異なるニーズに応え、ユーザーに必要なあらゆる性能を提供するこれらのシステムをご紹介したい。

Orbi AX6000 Mesh Wi-Fi システム(699.99ドル / 約7万5千円より)

Image Credits: Netgear

Netgear(ネットギア)社製のOrbiラインナップは人気のメッシュオプションである。最新のAX6000シリーズは2または3パック構成でWi-Fi 6ネットワークを提供する。Netgearによると、2パックでも5000スクエアフィート(約460平米)をカバーし、さらにイーサネット接続のモデムから最大2.5Gのインターネット接続をサポートすることが可能だ。

Orbi AX6000には、最高のパフォーマンスを得るためストリーミングやメディア接続を最適化することが可能なNetgearのXテクノロジーが搭載されている。ベースユニットとサテライトの両方に直結用の4ギガビットイーサネットLANポートが備えられているため、すべてのギアを接続するのにイーサネットスイッチが必要になる可能性が低くなる。

実際のテストにおいて、AX6000は極めて信頼のおける、カバー範囲の広いメッシュシステムであることが証明された。著者はベースユニット1台とサテラライト1台を用いた2デバイス構成でテストを行ったが、実際にカバー範囲が広いことを確認できた。AX6000を用いたこのテストでは、屋外で500フィート(約150メートル)もしくはそれ以上の範囲で安定した強力なWi-Fi接続を利用することが可能であった。私の場合、これを湖畔の別荘で設置し、湖に突き出た桟橋までWi-Fiが届くようにしたかったのだが、そういった状況では便利なオプションである。

Orbiのシステムはモバイルアプリで管理することができ、接続された各デバイスの概況が詳細な情報とともに提供される。アプリから接続された各デバイスへのアクセスを一時停止および再開することや、専用ゲストネットワークなどの機能を有効にすることが可能だ。

またNetgearは、ネットワーク上のリアルタイムの脅威を検出し保護するArmorと呼ばれるサービスを提供している。これは別途契約が必要なサブスクリプションサービスだが、Orbiシステムを最初に設置する際に期間限定の無料体験を利用できる。実際に試してみたところ、フィッシングやマルウェアの接続を効果的に検出してブロックするようである。これは継続的な有料アドオンのオプションである。

私が感じたOrbiシステムの真の強みは、比較的リモートな設定で携帯電話ベースのネットワーク接続でシステムを利用した際、パフォーマンスが劇的に改善した点であった。これは、1.5Gbpsネットワークであるホームファイバー接続で使用した場合も同様であったが、信頼性がはるかに低い50Mbpsのモバイル接続が大幅に改善されたため、やや低かった信頼性が、完全に信頼できるものとなった。

またNetgearの製品はアプリやネットワーク管理の点でシンプルである。これにはメリットもデメリットもあるが、ライトユーザーや非技術系ユーザーにとっては利点と言えるのではないだろうか。私が欲しかった高度なオプションの1つとして、例えば2.4Ghzネットワークと5Ghzネットワークを別々のネットワークSSIDで分離して、いくつかのスマートホームデバイスをより簡単に接続できるようにする機能などが欠けていることが分かったが、おそらくほとんどのユーザーはそうした機能を必要としていないだろう。

AmpliFi Alien Wi-Fi 6ルーター(379ドル / 約4万円より)

Image Credits: AmpliFi

一方、AmpliFi(アンプリファイ)社製のAmpliFi Alienルーターは、コマーシャルネットワーク大手Ubiquiti(ユビキティ)による一般消費者向け製品であり、上級ユーザーが望むすべてのカスタマイゼーション機能を提供する。デバイスは379ドル(約4万円)で、スタンドアロンのトライバンドルーターとして機能するが、他のAlienベースステーションと組み合わせてより広い範囲をカバーするメッシュネットワークを形成することもできる。2パックの場合は699ドル(約7万5千円)となる。Orbiとは異なり、AmpliFiのハードウェアには専用のベースステーションやサテライトユニットが存在しない。つまりメッシュ機能が必要なければ、必要に応じて交換し別のネットワークを設定することができるのだ。

AmpliFiのAlienをテストしたところ、これもカバー範囲が大変広く1.5Gbpsの光ファイバー接続機能に最大限アクセスすることができ、極めてよく動作した。長期に渡るテストでは、ネットワークのアップタイムの点で信頼性が申し分がなく、またAmpliFiは性能を向上させるため、継続的にアップデートを行っている。

Ubiquitiを通じ最高の高度ネットワークを提供するという評価を築いているAmpliFiだが、 Alienにも素晴らしいハードウェアスペックを搭載している。これにはカスタムアンテナアレーや、各ベースステーションに装備された2.2GHz 64-bitの専用クアッドコアCPUが含まれる。これは、一部のミッドレンジAndroidスマートフォンよりも優れた処理能力であり、こうしたハードウェアのすべてが、最大のパフォーマンスを実現するため、常にネットワークとデバイスの接続を最適化する作業を行っている。

しかし、こうした機能が搭載されているからといって操作が複雑だということはない 。AmpliFiはUbiquitiによるより身近な一般消費者向けブランドであり、そのことは、シンプルなアプリベースの設定や制御からも見て取れる。AmpliFiアプリは極めて使い勝手がよく、設計も優れており、個々のデバイスビューや制御、ルールの作成、完全な統計レポートなどユーザーがメッシュネットワークシステムに求める全ての機能を備えている。また、ゲストネットワークを設定したり、さまざまな周波数ネットワーク用の個別のSSIDなどより高度な機能を構成したりすることもできる。

またAmplifFi Alienはカラフルな高解像度ディスプレイを備えており、現在のネットワークパフォーマンス、信号の強度、接続されたデバイスの一覧などの情報を一目で確認できる。これらのメニュー、そしてアプリ内メニューは共にOrbiなどの他のオプションに比べ情報密度がやや高いため、テクノロジー全般、特にネットワークテクノロジーに慣れているユーザーには大変適したオプションだと思われる。

1つにつきわずか379ドル(約4万円)という価格で、Alienシステムスは優れた拡張性と柔軟性、および素晴らしいカスタム制御機能を備えている。高度な家庭用Wi-Fi 6ネットワークという観点から見ると、間違いなく他のソリューションより優れたオプションと言える。

まとめ

Wi-Fi 6テクノロジーが一般消費者向けのデバイスに搭載されるようになるにつれ、より多くのWi-Fi 6オプションが市場に登場している。前述のように、価格も次第に手頃になってきている。しかしWi-Fi 6はこの先何年にもわたってネットワーク上のアドバンテージをユーザーにもたらしてくれる投資対象であり、時間とともにベネフィットが増すため、将来を見据えた性能を提供するトップレベルのシステムに投資する価値があるだろう。

Netgear OrbiシステムやAmpliFi Alienは、共に素晴らしい性能と多くの優れた機能を備えており、設定も簡単だ。OrbiのAX6000は一度設定したらそれ以降は手を加えないというユーザーや、継続的な脅威検出を設定するオプションを望むユーザーに向いているだろう。Alienはテクノロジーに精通したパワーユーザーや、複数の場所で使用するためネットワークハードウェアを分割するなど構成を変える機能を必要とするユーザーに向いていると考えられる。

関連記事:Nanoleafの新製品「Hexagon」はまるで生きているように光り、インテリアとの相性も抜群

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(翻訳:Dragonfly)

Nanoleafの新製品「Hexagon」はまるで生きているように光り、インテリアとの相性も抜群

Nanoleaf(ナノリーフ)は、コネクティッド照明パネルによってスマート照明の分野に新しいカテゴリを確立した。その後、スクエア型のCanvas(キャンバス)シリーズを発表し、今回はそれに続き、新しい形状のHexagons(ヘキサゴン)シリーズを追加した。ヘキサゴンはすでに人気製品となっており、現在、次回出荷まで順番待ちになっているが、筆者はヘキサゴンをしばらく使ってみる機会を得た。実際に使ってみると、ユニークで、面白く、大変楽しめるインテリア製品だと感じた。

製品の概要

ヘキサゴンの基本構成は他のナノリーフ製品と変わらない。複数の照明パネルをハードウェアコントローラーとなるコントロールユニットと電源ケーブルが付いたパネルに接続して使う。各パネルに取り付けられた電子コネクターを両面接続モジュールにはめ込んで別のパネルと接続することにより、思い通りのレイアウトに組み上げることができる。パネルは付属の3M製粘着テープで壁に取り付ける。テープはプラスチック製のパッドにあらかじめ付着しているのでパネルから比較的容易に剥がすことができ、壁に傷を付けずに済む。模様替えなどで取り付けをやり直す場合は、新しい3Mのテープを使って貼り直すことができる。よりしっかりと設置したい場合は、ネジを使って取り付けることも可能だ。

パネルにはいくつかの構成がある。7枚のパネルで構成されるスターターキット(約199.99ドル)、3枚の追加パネルが入ったアドオンパック、より大きなパック(13枚と19枚のバンドル)などだ。基本的にパネルは自由に組み合わせることができるが、自由にと言われても困るという人向けに、おすすめの構成が多数用意されている。また、アプリにはAR(拡張現実)機能が搭載されていて、実際に設置する前に実物大のさまざまなモデルを組み上げて壁にプレビュー表示できる。筆者は、開始パネルから終了パネルまでの幅と高さを大まかに決め、あとは自由に組み上げた。出来栄えには大変満足している。

Image Credits: Darrell Etherington

仕様は、各パネルがわずか0.24インチと大変薄く、大きさは9x7.75インチ(約22.8x19.6センチメートル)、パネル1枚当たりの照度は100ルーメン程度なので天井の照明の代わりに使えるほどの明るさはないが、ベッドサイドのランプやその他の部屋のムード照明を置き換えるにはまったく問題ない。

ヘキサゴンは、ベースキットに同梱されているハードウェアコントローラー、モバイルまたはデスクトップアプリ、Amazon Alexa(アマゾン・アレクサ)、Google Assistant(グーグル・アシスタント)、Apple HomeKi(アップル・ホームキット)などのスマートアシスタント等、さまざまな方法で制御できる。どの方法も、パネルを操作するのに便利で使いやすいと感じた。また、個々のパネルにタッチして点灯させることもできる。

ヘキサゴンには、照明が音に反応する音声反応モードも用意されている。アプリに含まれているデフォルトのプログラムを使用してもよいし、ユーザーが作成したプログラムをダウンロードして使うことも、自分でプログラムを作ることもできる。プログラムには、音声反応モードで使用するタイプと、あらかじめ設定されたパターンで点滅するタイプとがある。音声反応モードは、家庭のオーディオ機器で再生された音楽と驚くほどうまく連係動作する。本当にいきいきと動くので、まるで照明パネルが生きているような感じさえしてくるほどだ。

デザイン

Image Credits: Darrell Etherington

ヘキサゴンの個々のパネルは非常に軽量で薄いが、丈夫で耐久性も高い。パネルの表面は、六角形の各頂点を丸めた部分を除いてほぼすべて照明領域になっているため、電源を入れるとより有機的な感じがする。六角形パネルの各辺には背面のコネクタークリップをはめ込むレセプタクルがあり、ここに別のパネルを接続することで、全パネルに電力を供給し、コントロールすることが可能になる。1台のコントローラーで500個のパネルを制御できるため、コントローラーが2台以上必要になることはまずない。また、電源装置1台でパネル21枚に電力を供給できる。電源装置はどのパネルにも接続できるので柔軟な位置決めが可能だ。

ナノリーフの最初の照明パネルは三角形で、その後、四角形の「Canvas(キャンバス)」シリーズが出た。ヘキサゴンは蜂の巣の形状なので、筆者の目には最も有機的に感じられ、工業的ではない柔らかい感じのインテリアにも広くマッチする性質を備えている。

各パネルが発する光は均等で明るく、RGBスペクトル全域にわたって調整できる。同じ白色でも暖色系から寒色系まで広範囲な発色が可能なので、より日常的な用途にも使える。ハードウェアコントローラーを使用すると、標準の白のプリセット(暖色系白色(2700K)、読書灯(4000K)、および白昼白色(5000K)を循環発色させることができる。さらには、アプリを使って、好みの温度と色に制御することも可能だ。

取り付け方法はいたってシンプルなので、一人でも簡単に作業できる。筆者は、壁に大体のレイアウトを作成してからおよそ15分で取り付けと設定を完了した。最初のパネルを地面に対して正確に垂直にするために水準器を使ったが、この作業は必須というわけではない。というのは、各パネルが部屋と周囲の家具等に対して水平になっていなくても、それはそれで何の違和感もないからだ。

パネルはモジュラー形式になっているため、将来、パネルの枚数を増やす場合でも、追加の拡張パックを入手して既存のレイアウトに簡単に追加できる。取り付け部には十分な遊びがあるため、コネクターの1つを取り付け済みのパネルの背後からはめ込んで新しいパネルを接続できるようになっている。

機能

ナノリーフは最初の製品を発表して以来、さまざまな組み込み機能を追加して製品を進化させてきた。代表的な組み込み機能として、オーディオを使ってパネルの照明をダイナミックに変化させる環境音楽モードがある。これはヘキサゴンで筆者が気に入っているモードで、頻繁に使っている。筆者のようにほぼ毎日、Sonos(ソノス)のスピーカーを家中に持ち歩いて音楽を聴いている人間にはうってつけの機能だ。

Image Credits: Darrell Etherington

ハードウェアコントローラーもなかなかよい。アプリ機能をまったく使わず、ヘキサゴンを従来の照明機器と同じように使う場合に用意されたオプションだが、柔軟性も強化されている。明るさの調整、電源のオン/オフ、保存されているさまざまなパターンとシーケンスの循環再生などの操作が可能だ。

アプリベースのコントロールでは、さらに広範な機能が用意されている。標準のダイナミックモードと(サウンドに反応する)Rhythm(リズム)モードなど、事前にインストールされたさまざまなシーンを利用できる上、例えば、シーンの変更などのイベントをスケジュール設定したり、選択したスケジュールについて、イベントの1回実行と反復実行を切り替えたりできる。

組み込みのシーンクリエーターを使用すると、照明ショーをパネル単位でフルカスタマイズし、カスタマイズした内容を保存してコミュニティで共有することもできる。これは自分のイメージ通りにセットアップするには最高の方法だ。シーンクリエーターとスケジューラーを組み合わせれば、色、明るさ、各種効果など、まさに自分のイメージ通りにカスタマイズされたセットアップを思い通りの時間に作動させることができる。

Image Credits: Darrell Etherington

まとめ

ナノリーフのヘキサゴンは、ナノリーフの製品ラインナップを大幅に強化する素晴らしい製品だ。ヘキサゴンは、同社の既存モデルと比べても、より広範な顧客層にアピールする可能性が非常に高い。筆者自身、これほどナノリーフの大ファンになるとは思っていなかった。これまでもナノリーフ製品には少し興味を持ってはいたが、せいぜいその程度だった。だが、ヘキサゴンの電源を入れた瞬間、部屋の空間の美的センスが格段に向上したように感じたのには驚いた。

リズム機能は、まるで電気装飾品が生きて踊っているようで、一般的なパターンはもとより、環境照明モードもすべて、どのような部屋にもよく馴染む。ハイテクおたく的なお仕着せ感もなく、部屋や家具などの雰囲気を壊すこともない。価格は従来の照明に比べれば高めだが、こうしたクールな機能を備えていることを考慮すれば、自分の部屋で自分だけのパーソナルでユニークな感覚を楽しめるという点で、価格に見合うだけの価値は十分にあると思う。

現在、初期先行予約分はすでに売り切れ状態で、再度購入可能になるまで順番待ちとなっている。次回出荷は8月になる見通しだ。

関連記事:Espresso DisplayはMac・PCで使える素晴らしいポータブルディスプレイ

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(翻訳:Dragonfly)

Espresso DisplayはMac・PCで使える素晴らしいポータブルディスプレイ

豪州に本拠を置くハードウェアスタートアップのEspresso Displays(エスプレッソディスプレイ)は、比較的目立たないが機能的な参入品が多く、デザインと品質の向上だけでなく追加機能もあり競合とは一線を画す。Espresso Displayはポータブルで使えるよう、簡易な収納性、マグネットマウンティング、最新のMacとも互換性のあるUSB-Cケーブルによる接続、内蔵スピーカー、2.5mmオーディオ出力を備え、さらにオプションでタッチ機能をつけられる。

基本機能

画像クレジット:Darrell Etherington

Espressoのディスプレイには、13.3インチモデルと15.6インチモデルの2つのサイズがある。ディスプレイ自体は非常に薄く軽量で、厚さは0.2インチ(約5ミリメートル)弱、重さは2ポンド(約0.9キログラム)未満だ。ディスプレイパネルはタッチセンシティビティーを備えており、Macにタッチ機能を有効にするドライバーをインストールすると連携して動く。

ディスプレイはガラスとアルミニウムでできており、非常に高品質に感じられ、MacBookとも合う。側面には2つのUSB-CポートとミニHDMIポートがあり、オーディオ出力用の2.5mmミニステレオジャックがある。USB-Cポートの1つは電源専用、もう1つはディスプレイ接続用で、最近のMacでは可能なケーブル接続のみによる電力供給もサポートしている。

Espressoは4K解像度で、オプションの折りたたみ式ディスプレイスタンドに固定する磁石を利用した独自の組み立てシステムを備える。従来のスタンドやマウンティングアームに取り付けるためのVESAマウントアダプターもある。運ぶときにディスプレイを保護するソフトケースも含まれている。

画像クレジット:Darrell Etherington

同社は現在、Indiegogo(インディーゴーゴー、クラウドファンドングサイト)でディスプレイ生産に必要な資金を調達しているが、大量生産に近づいており、テスト用に筆者に送られたユニットは間違いなく完成品のように感じられた。13インチバージョンは現在249ドル(約2万7000円)だが、一般販売時の小売価格は320ドル(約3万4000円)になる予定。ディスプレイ15の小売価格は350ドル(約3万7000円)となる予定だ。

デザインとパフォーマンス

Espresso Displayは、実際のパネルの画質と色だけでなく、筐体の品質と材料の両方に関しても競合他社より優れている。筆者は最近Amazon(アマゾン)で購入した15.6インチのポータブルディスプレイを使っている。場所を変えて作業したいときにデスクトップを拡張する満足度の高いソリューションではあるが、演色性とプラスチック製の筐体は明らかに平均以下だ。

Espressoのガラスと金属の組み合わせは、筆者のMacBook Proと相性が非常に良いと感じる。Apple(アップル)の出力に合わせて色を調整することはできないが、組み込みのプロファイルは概ね快適で、かなり正確な色が出せる。明るさも十分で、文字や画像を4K解像度と優れたコントラストで鮮明に映し出す。

画像クレジット:Darrell Etherington

また、筆者がAmazonで購入した一般的なディスプレイとは異なり、Espresso Displayの場合、MacBook Proを使うときコードは1本で足りる。一般的なディスプレイではUSB-C接続だけでは十分な電力が得られないため、アダプターを接続する必要がある。Espressoはこの点でも問題なく動作し、付属のUSB-Cケーブルを使用すれば、外出先でも本当にコード1本ですぐにつなげられる。

Espressoはタッチ機能も備えており、グラフィックス作業などに便利。小さなスタイラスが付いているが、単なるWacomの代替品だと考えないでほしい。ペン入力用ではなくマルチタッチ操作用のため筆圧感度は足りない。タッチ機能はマグネットスタンドの(物理的な)柔軟性によってさらに使いやすくなっている。マグネットスタンドは裏返しにして低角度のモードにすると、ディスプレイを使った作業が楽になる。スタンドを上げてiMacのような向きにしたり、文書やコーディングの際に縦向きにするのも簡単だ。

画像クレジット:Darrell Etherington

スタンドはEspresso Displayの魅力の大きな部分だ。どこでも柔軟に作業できる。携帯性のある優れたスタンドソリューションを備えたポータブルディスプレイは他にはまだない。折りたたむと、間違いなく薄いトーストよりも小さい。

4K、60Hzで、ディスプレイパネル自体のパフォーマンスは優れている。備え付けのスクリーンのみでは実現できない、はるかに広い画面を獲得する優れた方法を提供する。

結論

ポータブルディスプレイ市場はますます競合品が増えているが、Espresso Displayは高品質の素材と独自のマグネットマウンティングソリューションにより際立っている。既存の多くの製品は、影響度は異なるがそれなりに妥協やトレードオフを必要とする。Espresso Displayは薄く、軽く、耐久性があり、簡単で柔軟なマウンティングオプションと真のシングルケーブル接続により、優れた画像を提供する。

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画像クレジット:Darrell Etherington

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(翻訳:Mizoguchi