アップルはハイエンドなモジュラー式ノイキャンヘッドフォンを開発中か

Apple(アップル)は、人気の高いボーズやソーニ―の製品のような、オーバーイヤー式のノイズキャンセリング機能付きヘッドフォンと競合する製品を独自に開発していると、Bloomberg(ブルームバーグ)が報告している。AirPodsやAirPods Proに使われているのと同様の技術を搭載するものだという。このヘッドフォンには、パーツを交換可能なデザインも採用されているようだ。たとえば、トレーニングや長時間装着する際など、特定の用途別にカスタマイズ可能なアクセサリーを用意しているという。

この新しいヘッドフォンのプロトタイプデザインは、今年の後半に発表される可能性もある。ただしCOVID-19危機が続いているため、タイミングは定かではない。それにアップルは、いろいろな要因によって予定をあれこれ変更する傾向がある。Bloombergは「レトロな外観」になるとしている。ヘッドバンドから伸びる細いアームに、楕円形のイヤーカップが直接取り付けられたようなものだという。交換可能なパーツとしては、イヤーパッドや、ヘッドバンドのクッションがある。いずれも、磁石を利用してヘッドフォンのフレームに取り付けられるようになっているようだ。

アクティブ・ノイズキャンセル機能やタッチ式のコントロールだけでなく、Siriのサポートも内蔵している。しかしiOSとmacOSのユーザーにとって最も重要なのは、AirPodsシリーズや、アップル製Beats製品の一部のヘッドフォンと同様、複数のデバイスに対し、非常に簡単に接続できることだろう。

アップルはすでにBeatsブランドで、AirPodsと同様にノイキャン機能を内蔵し、複数デバイスへの接続性の高いヘッドフォンを、オーバーイヤータイプとオンイヤータイプの2種類発売している。Bloombergのレポートは、新しいヘッドフォンがBeatsブランドになりそうだとは言っていない。いずれにせよ、カスタマイズできるという特徴は、アップルの既存の製品には見られない新機軸と言える。

Bloombergは以前にも、アップルが、より小型のHomePodスピ−カーを製品ラインナップに加えるのではないかと報告していた。また今週公開された、FCCに対する新たな申請は、完全ワイヤレスのインイヤースポーツイヤフォン、PowerBeats Proの後継機の発売が近づいていることを示している可能性もあるという。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

もうすぐ登場する新型PowerbeatsはProの機能を搭載した安価なネックバンド型

数週間前のリークのあと、今週Apple/BeatsのPowerbeats最新バージョンが登場した。多くの噂が間違えていたことのうち重要な点の1つは、その商品名だ。新製品の商品名は「Powerbeats 4」ではない。少なくとも今のところは。その代わりに、同社はよりシンプルな「Powerbeats」という名前を採用し、ナンバリングルールにある種の乱れが生じている。

この名前が選ばれた理由のひとつは、今回のBluetoothヘッドフォンを定評のあるPowerbeats Proと区別するためだ。新しいモデルは、おなじみのネックバンド型(イヤフォン本体がケーブルで繋がれたデザイン)を踏襲しながら、Proの持つ多くの機能を新たに採用したものだ。

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間違いなく、このデザインの方が好きな人もいる。正直なところ、私はProの方が大好きなのだが、使用していないときにヘッドフォンを首にぶら下げておけることは便利だ。もしその点に惹かれないなら、15時間に伸びたされているバッテリー寿命はどうだろう? もちろん巨大なケースを持ち歩けば、Proは24時間使うことができる。しかし新製品のPowerbeatsにケースはないが、Lightningケーブルで約5分間充電するだけで、1時間の再生が可能となっている。

まだその気にならない? それでは新しいヘッドフォンの価格は、Proが249ドル(約2万6400円)するのに対して149ドル(約1万5800円)となるという点はどうだろうか。正直なところ、ここが一番アピールするポイントだろう。100ドル(約1万600円)の差はかなり大きい。新製品はアップグレードされたデザイン、新しいコンポーネント、ワイヤレス無線のアップデートなどによって、ハイエンドデバイスに近づいたために、プレス資料では、PowerbeatsはPowerbeats 3ではなくProと比較されている。

Proと同様に、イヤーフックを採用しているためフィット感には満足できるものだ。それらはAirPodsよりはかさばるものの、耳の前部にかかる重さをある程度取り除くという、とても良い仕事をしてくれる。またジムでかけたままにする場合でもはるかに優れている。さらに、IPX4の耐水性もある。

ボタンの配置はProと似ているが、左右のボタンは異なっている。右耳側には音量調整と大きな再生ボタンがあり、左耳側には電源、ペアリングボタンがある。この非対称性は、Proには不要の電源ボタンが必要となったためではないかと思う。私はProが採用しているダブルボタンの方が好きだが、それは小さな問題だ。また個人的にはLightningポートよりもUSB-Cポートの方が好きだが、それはAppleのやり方だ。

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新しいPowerbeatsは素晴らしい新製品だが、もし前世代を所有しているなら、積極的に買い替えるほどではないだろう。またProのほうが、価格以外のすべての点において優位性を保っている(残念なことに、アクティブノイズキャンセリングはまだ搭載されていない)。しかし、3月18日に店頭に並べば、149ドル(約1万5800円)の新製品は堅実な売れ筋となるだろう。

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(翻訳:sako)

Beatsはオンイヤー型のSoloヘッドフォンをノイキャン化

Beats(ビーツ)は米国時間の10月15日、オンイヤー型ヘッドフォンSoloシリーズに、定評あるノイズキャンセリング技術を搭載することを発表した。Solo Proは、Solo 3の公式な後継機となるもので、技術的な進化に合わせてブランディングを見直した。

ノイズキャンセリング機能は、2017年に、オーバーイヤー型のStudioシリーズに導入したものと同じ。適応型の技術を採用している。たとえば旅客機内のノイズなど、特定の騒音にチューニングしたものではない。複数のマイクによって環境音を聴取し、自動的に調整する。

私は、Studioシリーズのノイキャン性能には感動すら覚えた。この製品にも同じことが期待できるだろう。Transparency(半透明)ボタンも備え、周囲の音を聞く必要がある場合には、マイクで拾った音をミックスして聞くこともできる。Beatsは、アップルの子会社となっただけあって、内蔵マイクはSiriでの利用に最適化されている。W1やH1というチップを搭載し、新しいオーディオ共有機能も含めてiOS製品との相性も抜群だ。

Beatsによれば、バッテリー寿命は、アクティブノイズキャンセリングまたはTransparencyがオンの場合には最長22時間、それらを使わない場合には最長40時間も持続するという。私も、次にアジアに出かける際には、ぜひテストしたいと考えている。充電端子はLightningポートだ。ちょっとがっかりだが、これもアップル製品なのだ。10分間の充電で最長3時間の再生が可能となる。

発売は10月30日で、価格は300ドル(約3万2600円)だ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

iOS 13のオーディオ共有機能がBeatsヘッドフォンでも来週から使える

オーディオ共有機能は、iOS 13アップデートで使えるようになるうれしい機能の1つだ。この機能により、複数のユーザーが近くにあるデバイスから流れる音楽を共有できるようになる。ヘッドフォンスプリッターを買ったり、あなたのイヤホンの片側を誰かに貸したりといったことの、2019年版のようなものだ。

AirPodsに加えてその他の比較的新しいヘッドフォンでもこの新機能が使えるようになると、Beatsが米国時間9月20日にTechCrunchに教えてくれた。これは、Beatsが数年前にAppleに買収されたことを考えればさほど驚きではない。私が最近愛用しているPowerbeats Proのほか、Studio3 Wireless、BeatsX、Powerbeats3 Wireless、Solo3 Wirelessなど、H1またはW1のチップを搭載するモデルを使用している人にはちょっとしたボーナスだろう。

この機能の使い方は2つある。1つは、ユーザーが2台のiOSデバイスを近くに置き、それぞれに音楽を流す。すると、最初のペアリングプロセスで見られるようなShare Audioのダイアログボックスが現れる。あとはShare Audioをタップするだけでいい。

もう1つは、2つのヘッドフォンを1台のデバイスにペアリングする方法。もしデバイス2台にアクセスしないのであれば、こちらのほうがいいだろう。しかしApple(アップル)の技術を持ってしてもプロダクト間で切り替えるのはちょっとした手間だ。いずれにしろ、長い通勤時にプレイリストをシェアできるというのは素敵なオプションとなる。

この機能は9月23日から利用できる。

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(翻訳:Mizoguchi)

Powerbeats Proは待ち望まれたBluetoothイヤフォンの最高峰

とりあえず今回は、よくない点から先に見ていくことにしよう。

まずなによりも、充電ケースが巨大だ。こればかりはどうしようもない。だんだん暖かくなってきて、ポケット付きのジャケットを着なくなると、どうやって持ち運ぼうかと、ますます悩むことになる。充電ケースのためにもそれなりの金額を払っているわけだからだ、これはよくよく考えてみる必要があるだろう。要は、どれだけの時間外出するのか、ということと、かさばるケースを持ち運ぶことに、どう折り合いをつけるかだ。

価格も問題だ。数年前なら、 250ドル(日本では2万4800円)のワイヤレスイヤフォンは、それほどバカげた価格というわけではなかった。それでも、Apple純正のイヤフォンよりも高いとなれば、もう一度考えてみてもいいかもしれない。

他の部分では、まったく快適なレビューだっただけに、こうした欠点は余計に目立つように感じられる。発表された日から、厳しく評価してみたいとずっと思っていたが、失望を味わうことはなかった。AirPodsPowerbeats Proのどちか1つを選べと言われたら、今ならだいぶ後者に傾いてきたのも事実だ。

Powerbeats Proは、このカテゴリーの製品としてはかなり異色の存在と言える。そしてそれこそが成功の秘訣なのだ。確かに、もはやBeatsの歴史の3分の1以上の期間は、Appleの傘下にあったことになる。しかし同社のフルワイヤレスのヘッドフォンは、サブブランドであることの欠点を最少にしつつ、むしろ最大の効果を発揮した例と言えるだろう。

もちろんAppleが何も関与していなかったというわけではない。その痕跡は確かに散見されるが、ほとんどは間違いなくプラスに作用している。H1チップの採用が、その最たるものだ。最新のAirPodsと同じチップを採用したことで、使いはじめのペアリング手順は、ほとんどケースを開けるだけで完了するほど簡単になっている。その後、大きなウィンドウが開いて、ケースと2つのイヤフォンが、その時点でのバッテリ残量とともに表示される。

もちろん、これはiPhoneの場合だ。言うまでもなく、一般的なBluetoothデバイスと同様、Androidを搭載したスマホともペアリング可能だが、その場合は通常の煩わしい手続きに従わなければならない。ただ残念なのは、Powerbests Proのケースには、Lightningポートしか付いていないこと。私は過去にも、このApple独自のコネクタに対して不満を表明してきた。しかし、そのAppleも、ようやく業界の標準に従ってUSB-Cを採用するに至ったことは、正直ほっとしている。もはや、それは避けられないことだったのだろう。

そして残念ながら、Powerbests Proのケースはまだワイヤレス充電には対応していない。これについては第2世代の製品に期待するしかないだろう。

Powerbests ProがAirPodsに明らかに勝る点を挙げるとすれば、次の3点に集約されるだろう。バッテリーの持続時間、耳掛け式のデザイン、ワイヤレスの作動距離だ。

まずバッテリの持続時間だが、巨大なケースの見返りは、充電によってさらに使用時間を延長できることにあった。Powerbests Proはイヤフォン単体でも、バッテリーは9時間持続する。さらにケースを併用すれば最長24時間の使用が可能となる。実際、バッテリ切れは一度も経験していない。次に国際線に乗る際には、絶対持っていこうとワクワクしている。

そういうわけで、ほとんどの場合はケースを持たずに家を出てもまったく問題ない。ただし、イヤフォン単体では擦れてキズが付きやすそうな感じなので注意が必要だ。私は、可能な限りケースにしまうようにしている。その際、イヤフォンをケースにうまく収めるのにはコツがいる。AirPodsならそんなことはないのだが、最初のうち、何度か位置を調整しないとならなかった。

ケースには、赤、または白に光る小さなライトがあって、充電状態を示すようになっている。ただしイヤフォン本体にはライトはない。そのため、バッテリ残量はiOSの画面で確認する必要がある。

イヤフォン本体のデザインは、万人に適したものとは言えない。ただ、それを言い出せばAidPodsも同じだ。耳かけ型のフックは、ジムで使うには理想的と言えるだろう。ブラックのカラーは、ほとんど目立ないので、着けていることを誰にも気付かれないかもしれない。それより重要なのは、かなり快適であるということ。Appleの関心は、いまだに中身のシリコンチップのほうにあるようで、その結果AirPodsは意見の分かれるものとなっている。これまでのApple製イヤフォンの多くと同様、AirPodsが耳に合わないという人は多い。

取り外し可能なシリコン製のイヤーチップは、4種類のサイズが付属するので、最適なフィット感と同時に高い気密性が確保される。つまり、音漏れも少なくなる。音質は、好みにもよるが、若干高音を強調した味付けとなっているかもしれない。しかし、以前のBeatsの製品のように、欠点を隠すために低音を必要以上に増強しているものよりはずっとマシだ。フルワイヤレスのBluetoothイヤフォンとしては、サウンドの品質はかなり高い方だと言える。

デスクで仕事をしながら、かなり長時間使い続けると、片側の耳が擦れてちょっと痛くなったが、これまでにテストした他のイヤフォンに比べれば、ずっと長い間、特に不快感もなく使い続けることができた。

また、ワイヤレスで動作する距離の長さは印象的だ。iPhoneを机の上で充電したまま、たびたび他の部屋に行くことがあっても、問題なく使い続けることができた。ただし、接続の問題は、いろいろな状況で発生することがあった。片側のイヤフォンから音が出なくなってしまう。しかし、これは残念ながら現状のBluetoothという技術の限界によるものなのだ。その場合、イヤフォンをいったんケースに入れてから取り出せば、自然に問題は解消する。

Powerbests Proは、Appleの姉妹製品に比べると、外観はあまり気にしていないように見える。イメージを重視して創られたと思われるブランドの製品としては、ちょっと皮肉なものに感じられる。しかしそれは、Beatsのブランドとしての成熟を示しているのではないか。AirPodsよりもずっと実用的な製品を作るに至ったのだ。忠実なサブブランドとして、それはいいことだろう。

もし、高い価格と巨大なケースを受け入れられるなら、大多数のユーザーにとって、Powerbeats Proはもちろん買いだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Powerbeats Proは5月10日に発送開始、AirPods 2と同様にH1チップ搭載

Beatsは4月、彼らのAirPodsに対するアンサーを発表した。Powerbeats Proは、長いバッテリー寿命、優れたサウンド、そしてより心地よいフィット感が特徴的。アップルの子会社であるBeats(ビーツ)は5月のリリースを約束していたが、今度はより確かな情報が発表された。

完全にワイヤレスなこのイヤホンは、5月3日の朝に米国とカナダで予約注文が開始されされ、5月10日に発売される予定。

僕はしばらくこのイヤホンを試してきたが、とても気に入っている。硬いプラスチックで作られたAirPodsは誰の耳にでも合うわけじゃないから、Powerbeats Proの「つけ心地のよさ」は評価すべき非常に重要なポイント。加えて、アップルブランドのイヤホンと同じH1チップを搭載しているのも大きな特徴だ。9時間使用できるというバッテリーに関しては色々と言いたいが、詳細はレビューで。

マイナス点を挙げるならば、デカい充電ケースだ。ジョギングに行くのであれば、家に置きっ放しにするだろう。そしてAirPods 2より50ドル高い250ドル(約2.8万円)という値段も、疑問に思う。まあ、結局、アップルにとってはウィンウィンな状況だ。Powerbeats Proは黒が先行的に発売され、白やグリーンは夏に発売予定となっている。

BeatsのフルワイヤレスPowerbeats Proを試してみた

Beats(ビーツ)は、完全なワイヤレス化にかなり時間をかけた。これ以前に、Powerbeatsシリーズの最新モデルだったのは、2016年に登場したPowerbeats3。ちょうど最初のAirPodsと同じ時期の製品だ。Apple(アップル)製のW1チップを採用したもので、iOSとの相性も向上させ、Appleファミリーの一員としてのBeatsの地位を、より強固なものにすることに一役買った。しかしこの製品でも、左右のユニットはケーブルで繋がれていた。

第2世代のAirPodsが発売されてから数週間後、BeatsはいよいよPowerbeats Proを発表した。同社として初のフルワイヤレスのイヤホンとなる。Appleの新製品と比較されることは避けられない。なんだかんだ言っても、AppleとBeatsは、現在1つの大きな家族として円満な関係を築いている。技術を共有し、協力して開発にあたっている。

それでも、さまざまな点で、Beatsは独自のブランドとしての個性を維持している。AirPodsは、Apple流ミニマリスト的な「うまく動く」アプローチを体現するようなハードウェアであるのに対し、Proのデザインは、Beatsが長年アスリートを対象としてイヤフォンを設計してきたことを反映したものとなっている。仮に、LeBron JamesやSerena Williamsのような大物アスリートが、Proの広告キャンペーンに登場したとしても、それほど大きな驚きではないだろう。

今回の新製品が、以前のバージョンと同様、耳に掛けるフックを装備していることも、このヘッドフォンがアスリートをターゲットにしていることで説明がつく。これには、メリットもデメリットある。ユーザーがイヤフォンに何を求めているかによって、その受け取られ方は異なるだろう。少しでも小さなものが欲しい人は、Appleの製品を選んだほうが幸せになれることは間違いない。

かさばる部品があれこれ付いているが、実際に装着してみるとProは非常に快適だ。メガネを掛けたままでも問題ない。交換可能なシリコン製のイヤーチップが付属していることも、この快適さに大いに貢献している。人間工学的なデザインの効果も加わって、私の耳にぴったりとフィットした。私自身は、AirPodsがフィットしなくて苦労したという経験はないが、耳に入る部分が硬いプラスチック製であるだけに、どうしてもAirPodsがフィットしない耳を持つ人がいるのも確かだ。Proは、シリコン製イヤーチップのおかげで、そうした問題とはほとんど無縁だろう。

とは言え、この製品はサイズも大きく形もゴツいことが、大きな欠点として挙げられる。装着しているときには、まったく問題ないのだが、Proを外してしまっておくには大きな充電ケースが必要となる。これは、実際、本当に大きい。少なくとも、ズボンのポケットに入れて持ち歩きたくはないと思うほどは、十分に大きい。このケースの中にイヤフォンをしまうのにも一苦労する。慣れないと、すんなり収まりにくい。この点でも、AirPodsは、するっと滑り込むようにしまうことができる。

もちろん、その大きさにはメリットもある。バッテリ寿命は、スペック上、ヘッドフォン単体で9時間、充電ケースと組み合わせれば24時間と、圧倒的に長い。ということは、朝のランニングに出かける際には、ケースを持って行く必要はないことになる。

Powerbeats Proの音質は、Bluetoothイヤホンとしては非常に優れている。Beatsはこの数年間、歪んでしまうほど増強した低音によって、音質の欠点を過度に補っているという、人聞きの悪いイメージを振り払おうと努力してきた。そして、そのようなイメージは、もはや過去のものとなった。Beatsの音質は大きく進歩した。その効果は、より小さな製品にも反映されている。

今回私は、さまざまなジャンルの曲を、かなり広い範囲からピックアップして聴いてみた。どれも非常に感動的だった。楽器の音の分離は素晴らしく、低音が重厚なヒップホップやダンスミュージックでも、非常にクリアな音が楽しめた。

価格は、この種の製品の相場を塗り替えるものになりそうだ。250ドル(約2万7500円)という価格は、最新のAirPodsより50ドル(約5500円)高く、Galaxy Budsと比べれば100ドル(約1万1000円)も高い。これが市場に受け入れられるかどうか、微妙なところかもしれない。

Powerbeats Proの発売は来月に予定されている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Beatsから新型AirPodsチップ搭載の完全ワイヤレスイヤフォン「Powerbeats Pro」

Apple(アップル)の「AirPods」は業界をリードする完全ワイヤレスイヤフォンだが、同じチップを組み込んだ新製品「Powerbeats Pro」が、同社のBeatsブランドから登場した。

250ドル(約2万8000円)と、AirPods 2よりも50ドル高価なPowerbeats Pro。H1チップを搭載したことで、高速接続や「Hey Siri」など、AirPods 2とほとんど同じ機能を実現している。これは、Appleの開発チームとBeatsが協調したおかげだろう。

Powerbeats ProはミニマルデザインなAirPodsとは異なり、よりプラスチック部品が多用され、耳かけ用のフックを備える。バッテリー駆動時間は長いが、本体サイズはかなり大きい。

Beatsによれば、イヤホンのみの視聴時間は9時間で、大型のキャリングケースを組み合わせれば24時間の使用が可能だ。

Powerbeats Proは音質が向上し、さらに装着感がよい。個人的にAirPodsのフィッティングには問題を感じないが、硬いプラスチックの筐体は柔らかなシリコンチップに比べて、より耳のサイズを選ぶようだ。

Powerbeats ProはAppleの販売網にて、来月から販売が開始される。ハンズオンの感想は後ほどお伝えしよう。

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(文/塚本直樹 Twitter

Appleのオーバーザイヤー型ヘッドホンにノイズキャンセリング搭載か?

面白くなってきた。先週KGIのアナリスト、Ming-Chi Kuoは、Appleが新しいAirPodsとは別にオーバーザイヤー型ヘッドホンを開発中だと報じた 。今日(米国時間3/5)Bloombergは、この情報を確認し、さらにこの新ヘッドホンにノイズキャンセリング機能が内蔵されるのではないかと書いている。

KGIはこの新製品が2018年Q4中、ホリデーシーズンに間に合うように発売されると言った。しかしBloombergは、Appleが発売日を先送りする可能性を示唆している。

AirPodsは成功し、Appleはこの機会を利用して製品ラインを完成したいと思っている。このヘッドホンは小さなAirPodsより音がいいに違いないが、価格も高くなるはずだ —— AirPodsは現在159ドルで販売されている

Beatsブランドのヘッドホンがどうなるかははっきりしない。Appleは2014年にBeats Electronicsを買収した。Appleは音楽ストリーミングサービスで有利なスタートを切りたかった。Beat Musicは最終的にApple Musicになった。

しかし、これはAppleがBeatsのヘッドホンを永久に売らなくなるという意味ではない。具体的には、同社はAppleのワイヤレスチップ、W1を使ったBeatsブランドヘッドホンを複数発表している。これらのヘッドホンはAirPodsに使われているものと同じワイヤレスチップを搭載している。

というわけで、Appleのヘッドホンがまったく新しいデザインなのか、Beatsヘッドホンを再ブランドしただけなのか興味深い。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

W1チップ搭載のPowerbeats3はiPhoneユーザーであれば買い

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Powerbeats3は、一見すると前機種とそれほど変わらないように映る。主にフィット感を向上させるため、細かな変更があちらこちらに加えられているくらいだ。しかし、AppleによるBeats買収の結果生まれたユーザーが喜ぶ新機能は、製品内部に秘められている。

9月のiPhone発表イベントでは、Beatsが来場者の注目を一手に集めることはなかったが、ステージ上で発表自体は行っていた。また、製品が展示されている会場でも、予想通りBeatsの新製品はAppleのイヤホンよりも目立たない場所に置いてあった。それでも新しいBeatsのワイヤレスイヤホンには、AirPodsの最大の売りであるW1チップが搭載されている。

img_2593アップルが自社開発したW1チップによって、6〜12時間は電池が持つとされているほか、Bluetoothイヤホンの最大の問題である接続プロセスが、少なくともAppleユーザーには不要になった。AppleはBeatsのブランディングなどについては関与していないものの、W1チップの搭載は、AppleがBeatsを囲いこむ上で地味だが間違いのない動きだと言える。

Androidユーザーはこれまで通りPowerbeats3の接続にイライラすることになるが、iPhoneユーザーであれば、ほぼ一瞬で接続が完了する。まず、箱からイヤホンを取り出して電源ボタンを押すと、大きな白いポップアップがiPhone上に表示され、接続するかどうか尋ねられる。そして「接続(Connect)」のボタンを押すと、一瞬でイヤホンがiPhoneに接続される。初期設定はこれでほぼ終わりだ。img_2591

Powerbeats3が問題なく接続されると、小さなヘッドホンアイコンがスクリーンのトップ(バッテリーと位置情報アイコンの間)に現れる。Bluetoothの電池アイコンは同じ場所には表示されないが、スクリーンを下から上へスワイプすれば、接続されている全てのAppleデバイスと、それぞれの電池残量が表示されるようになっている。さらにデバイスを一旦解除して再接続すると、電池残量を数字でも確認できる。前述の通り、Androidユーザーにとっては何も変わらないが、接続プロセスがなくなることで、iPhoneユーザーに対するPowerbeats3の魅力はかなり高まるだろう。

音質もBluetoothイヤホンにしては上出来で、ジムへ行くときや通勤中に音楽を聞くにはこれで十分だ。もっと大きくてしっかりしたイヤホン・ヘッドホンが欲しいという人には、200ドルの価格帯であれば他にもたくさんの選択肢がある。しかしPowerbeats3は、移動中に大きなイヤホンやヘッドホンを持ち歩きたくないというときにはぴったりだ。

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耳にかけるフックも安定している。眼鏡のつるが大きくなったような見た目のフックは、しっかりと耳にとまり、ワークアウト中もズレることはない。他の製品に見られるような羽型のものと比べて、扱いやすくストレスのかからない作りのフックで、イヤホンの重心が耳周りに集中していることへの素晴らしい対策だと言える。

フィット感については、恐らくイヤーピースが比較的堅いからか、イヤホンを上手く耳にはめるのに時間がかかった。その後問題なくフィットはしたものの、パッシブノイズキャンセリングの効果を感じられるほど、しっかりとはまるポイントをみつけることはできなかった。また、ケーブルが通されたプラスチックの玉を使えば、首の後ろのケーブルの長さを調節でき、これはJaybirdが採用している方法よりもずっと簡単だ。

公表値の12時間までは電池がもたなかったものの、充電無しでほぼ2日間、普通に音楽を聞くことができた。さらに、電池が切れてしまったとしても、Powerbeats3は高速充電に対応しており、5分間の充電で最大1時間の再生が可能と言われている。もしも心配な人は、MophieのPower Capsuleケースを持っておけば、まず大丈夫だろう。

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コントロールパネルは簡素化されており、ボタンの反応も良好だ。内蔵マイクには改善の余地があるものの、電話を頻繁にかける人であれば、そもそも他のオプションを検討した方が良いだろう。そうはいっても風の強いところを歩いていない限り、ちょっとした会話であれば問題なくこなせる。

価格面については、199ドルも出せば他にもたくさんのオプションがある。例えば新しいJaybird X3であれば、Powerbeats3より50ドルも安い。しかしPowerbeats3には前機種からの改善点が盛り込まれており、さらにはW1チップがiPhoneユーザーをひきつけるだろう。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

AppleがBeatsのスピーカーPill XLをリコール、“発火のおそれあり”

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Appleが、昨年同社が買収したBeatsのBluetoothスピーカー、Pill XLの任意リコールを発表した。このスピーカーは買収前からある製品で、ごくまれに過熱による発火の危険性がある、とAppleは判断した。返品と返金を希望する顧客はAppleのサポートサイトで詳細をお読みいただきたい。

Appleによると、Pill XLを保有する顧客はその使用を直ちにやめるべきであり、該当する顧客は購入価格全額の395ドルを、電子的決済またはApple Storeのクレジットで受け取れる。

下図のように、ハンドルのところに製品名beatspillXLのロゴのあるデバイスが、今回のリコールの対象機である。

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Beatsのいちばん新しいハードウェア製品は、昨年11月に発売されたヘッドフォーンSolo2だ。その発売時期は買収後だが、明らかに買収前から予定にあったはず。したがって現在出回っているBeats製品はすべて、その開発と製造の過程にAppleが関与していない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Appleは近々音楽ストリーミングに参入する―しかしSpotifyなどライバルにもチャンスはある

Appleが大規模な音楽ストリーミング事業を準備中であるのは間違いない。TechCrunchのJosh Constine記者も書いていたように、Appleはテイラー・スウィフトの所属するレコードレーベルBig Machineを買収することさえ検討しているようだ。Dr. DreとBeatsを傘下に収めたAppleがストリーミング・ビジネスに参入すればまさにモンスター級の存在となるだろう。それではSpotifyのような既存のプレイヤーは道端に掃き捨てられてしまうのだろうか?

AppleやFacebook、Googleなどの巨人が新しいテクノロジー分野に興味を示すと、既存の小規模な事業者は逃げるしかない―でなければ踏み潰されてしまう、というのがこれまでの常識だった。

今回もライバルはAppleの動きを慎重に見定める必要があることは確かだ。しかしAppleのストリーミング・サービスの市場制覇がすでに保証されているわけではない。Appleのやることだからといってすべてスラムダンクとなりはしない。

私自身、iPhone、iPad、MacBook Airを所有しているが、だからといって自動的にAppleのストリーミング・サービスに乗り換えようとは思わない。私はこの2年ほど毎日potifyを使っている。昨年は月額10ドルでCMなし、聞き放題のサービスを契約した。聞きたい曲がすべて入っているわけではないが、十分多数の楽曲が聞ける。

Appleがはるかに満足度の高いサービスを提供してくれるのでなければわざわざ乗り換える気にはならない。もしAppleがサービスのプラットフォームにiTunesのソフトウェアを使うのであれば、それは大きな足かせになるだろう。iTunesはAppleの音楽サービスのアキレスの踵ともいうべき弱点だ。私自身は避けられるものなら避けたい。

iTunesストアはまた別の話で、すでに私のクレジットカード情報を保管している。しかしiTunesはわれわれが音楽ファイルをいちいち買っていた時代に構築されたプラットフォームだ。Appleはまずこのプラットフォームを「定額制の聞き放題のストリーミング」に改めることを迫られている。Beatsを32億ドルで買収してからかなりの時間が経つが、この投資から最大の利益を上げるためには音楽ストリーミング・ビジネスへの参入を避けるわけにはいかないだろる。.

シェア獲得の筋道

Appleは一度の大胆なキャンペーンに賭けず、何度かにわけたキャンペーンでシェアを獲得しようとするだろう。傘下のBeats、そしてスーパースターのDr. Dreと音楽界の伝説的プロデューサー、ジミー・アイオヴィンの影響力を最大限に活かすだろう。

同時にAppleは膨大なキャッシュにものを言わせて、ミュージシャンに有利な契約を提示し、料金も低く抑えるかもしれない。Beatsのヘッドフォンをストリーミング・サービスと巧みに組み合わせることも考えられる。

当初から成功できなくても、Appleには無尽蔵の資金があるから、サービスを拡充、運営していくことには何の問題もないはずだ。

Pingという大失敗

ただし、Appleが触れるものは常に黄金に変わるというわけではない。数年前にAppleが音楽ソーシャルネットワーク事業を立ち上げたことを読者は記憶しているだろうか? 覚えていないとしてもやむを得ない。そのPingはごく短命で印象に残らない存在だった。Pingは2010年にスティーブ・ジョブズ自身の華々しいプレゼンと共に立ち上げられた

当時TechCrunchの記者だったM.G. Seiglerはこう書いている。

「(Pingは)FacebookとTwitterとiTunesを合わせたような存在だ。ただし、Facebookでもないし、Twitterでもない。Pingは音楽に特化したソーシャルネットワークだ」とジョブズは説明する。その規模は驚くべきものだ。すでに23ヵ国に1億6000万人のユーザーがいる―iPhoneとiPod touchのiTunesストアの一部としてすでにアプリはインストールずみだ。

だがほとんどのユーザーはPingを無視した。2012年9月にPingは死んだ

Appleの膨大なリソースをもってしてもPingは大失敗に終わった。もちろんAppleはこの失敗から多くの教訓を得ただろうし、ストリーミング・ビジネスの参入の際にそうした教訓が役立つことだろう。

Spotifyその他には依然として優位性がある

根本的な問題は、Appleがいかに努力しようと、それはAppleのサービスだという点にある。Spotify等はクロスプラットフォームのサービスだという点に重要な優位性がある。世界のスマートフォンの80%はAndroidなのだ。

Spotifyはレッドツェッペリンやメタリカなどの有力な独占コンテンツを持つ他に、エージェントを介さず直接契約するミュージシャンを最近、多数ひきつけるようになっている。当然ながらこうしたフリー・ミュージシャンは多数のサービスが競争することを望んでいる。

Spotifyは小規模なストリーミング・サービスを買収することで体質強化を図るだろうと私は予想している。Appleという巨人の参入は市場の集中化を進めることになるだろう。

もうひとつ重要なのは、音楽ストリーミング市場は巨大であり、複数のプレイヤーが存在する余地が十分あるという点だ。Appleが独自のストリーミング・サービスを開始したからといって、その分だけライバルのビジネスが奪われるというものではない。モバイル・サービスの市場全体と同様、ストリーミング・サービスも向こう数年にわたって急成長を続けるはずだ。それに忘れてはならないが、複数のサービスと契約する消費者も決して少なくないだろう。

Appleの参入に関連してひとつだけ確実なのは、プレイヤー間の競争が激しくなるということだ。これは消費者にとって大きな利益となる。消費者はコンテンツ、価格、プラットフォームなどさまざまな要素を考慮して好みのサービスを選ぶことができるようになる。

Appleはストリーミング・サービス参入にあたって、Beatsなど有力なリソースを傘下に持っているが、 Pingの失敗が教えるとおり、腕力だけでは成功できない。ユーザーから選ばれるためにはAppleも他のライバル同様、努力を積み重ねていく必要がある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


アメリカのオンデマンド音楽ストリーミング、対前年比42%アップ―ダウンロード販売は衰退へ

2014年上半期のNielsen音楽市場レポートが発表された。これによると、デジタル音楽の消費チャンネルはダウンロードからオンデマンド・ストリーミングに急速にシフトしつつある。オンデマンド・ストリーミングは対前年同期(上半期)比で42%のアップとなっている。2014年上半期には700億曲がストリーミング再生された。逆に、デジタル楽曲のダウンロードは13%ダウンして5億9360万曲に、アルバムのダウンロードは11.6%ダウンして5380万枚となった。

Nielsenのレポートを読むと、AppleがBeatsを買収したのは賢明だったと思えてくる。つまりiTunesのダウンロード販売モデルは急速に衰退しつつあるからだ。楽曲のオンライン、オフライン販売が低調だったため、ストリーミングを含む音楽産業全体の売上も3.3%ダウンした。

一方、独自の趣味を持った若い層の影響だろうが、アナログ・レコードの販売が対前年比で40%もアップし、400万枚となった。販売を伸ばした物理的媒体はこれだけだった。

アルバムには平均10曲が含まれるとする標準的な換算法を用いると、2014年上半期には11億3100万曲が販売されたことになる。これは2013年同期比で12%のダウン。

これまで長い間YouTubeの音楽ビデオが音楽ストリーミングの主要なチャンネルだったが、Spotifyなどのオンデマンド・オーディオ・ストリーミングの登場で、音楽ストリーミングの成長は50%以上となり、ビデオの35%を大きく上回った。音楽ストリーミングに関してオーディオとビデオはほぼ同規模となり、2014年上半期にはオーディオが336億5000万曲、ビデオが366億4000万曲がストリーミングされた。この成長率が続けば、2014年末にはオーディオ・ストリーミングが音楽ビデオのストリーミングを追い越すことは確実だ。

こちらにNielsenのレポート全文をエンベッドした。

【中略】

この15年で音楽ビジネスはCD販売、Napsterによる海賊天国、iTunesのダウンロード販売、Pandoraのインターネット・ラジオ、YouTubeの音楽ビデオ・ストリーミングを経て、Spotifyのオーディオ・ストリーミング時代を迎えた。合法的なストリーミングが普及したことによって、近くレコードレーベルもこれまでの頑な態度を改め、各種の音楽ディスカバリー・アプリを許可するだろう。誰でも好みの音楽を自由に聞くことができる時代がついに実現しそうだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Beats、Appleへのハードウェア移管でデザイン会社と訣別

今やApple傘下のBeats Electronicsは、Beatsをポップカルチャーと同義語にしたデザイン会社に別れを告げる。ニュースは、Appleによる30億ドルの買収発表後間もなく、Ammunitionのファウンダー、Robert Brunnerのブログで伝えられた。

Ammunitionは、Beats創設時から一緒だった。かつてMonster Cableの仕事を任されていた同社は、ブランドを象徴するヘッドホンらプレーヤーをデザインした。Beats Studio、Beats Pro、およびBeats PillはいずれもAmmunitionのデザインだ。

新しいビジネスチャンスを作るためにデザインができることの限界に挑戦するスタジオにとって、これ以上説得力ある結果は想像できない。私のBeatsとの旅は、2006年にInterscope Recordsで行われた、Jimmy Iovine、Dr. Dreとの小さなミーティングから始まった。あの最初のミーティングの結果生まれたBeatsのデザインが、カルチャーに与えた驚くべき影響を未だに私は信じられない。世界中で何百万人もの音楽を愛する人たちが、街で誇らしげにBeatsを身につけていると思うと、謙虚な気持ちになる。

Brunnerの説明によると、移管は今後数ヵ月のうちに行われる。

今やAppleには、Beatsの今後のブランド、デザインランゲージ、およびアイデンティティーを支える責任がある。もちろん、Apple自身として、30億ドルの投資を間違いなく有効活用する必要がある。


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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


なぜAppleはBeatsを欲しがるのか

世界最強のブランドが別のやはり強力なブランドを買うのは、そんなに驚くべきことではない。Beatsへの巨額な投資に意味があるとすればそれは、オーディオファンたちの馬鹿笑いや一部のApple通たちの不満顔を超えたところの、どこかにある。

まず理解すべきなのは、利益の出にくいハードウェアの世界でBeatsが、ハードウェアスタートアップとして成功していることだ。Beatsの競合他社は、その多くが、せいぜい等外者であり、同社と同じぐらいの知名度のある企業は、ぼくの知るかぎりない。ヘッドフォン市場のローエンドには南極海のオキアミのように多数の企業がうじゃうじゃといるが、彼らは某国製の安物を自己ブランドで高く売っているだけだ。ハイエンドはどうか。AppleはBoseやGradoを買っても良かったかもしれないが、Appleが望むスケールに対応できるのはBeatsだけだ。Beatsなら日産数千台ぐらいは楽勝だし、製品のクォリティもAppleのそのほかのアクセサリ製品と肩を並べうる。

Beatsは、確実に買収されるだろうか? 情報筋は、まだ不確定要素がある、と言っている。つまり明確な否定ではなくて、ゆがんだ微笑を伴う戸惑いだ。情報筋のそんな反応自体が、興味深い。

Beatsは、マーケティングの奇跡だ。同社はパートナーシップの失敗という灰の中から、何度も何度も蘇生してきた。最初はMonster Cable、次はHTC。HPのラップトップのパッケージの中に閉じ込められそうになったが、生きて脱出できた。オーディオのグルを自称する連中からの、執拗なあざけりにも耐えてきた。

一言で言うとBeatsとは、高価な人気ブランドであり、しかし消費者から見て価格と価値はつりあっている。高すぎる感はなく、自分のワードローブのおしゃれアイテムにヘッドフォンも必要なら、それはBeatsになる。なぜか? 皮肉屋はスタイルのせいだ、と言う。現実派はブランドイメージとデザインが良い製品がBeatsのほかにない、と言う。ヤングアダルトやティーンに対するマーケティングがきわめて難しい、と疫病の流行のように言われているこの時代に、Beatsだけはマーケティングに何度も何度も成功している。

Appleが1999年に、MP3プレーヤーでメディアシンクシステムでもあるSoundJam MPを買収したときもやはり、それに重要な意味があるとは思われなかった。同社はデスクトップ用の簡単な音楽プレーヤーを作っていて、市場ではほとんど無名だった。というか1999年には、MP3自体も、あやふやな存在だった。Napsterが1999年6月にローンチしたが、すぐに死んだ。そんなとき、Appleが、そんな二流のMP3プレーヤーアプリケーションを欲しがるとは、誰も思わなかった。

2001年1月1日に、SoundJam MPはiTunes 1.0に変身した。

2013年にBeatsは、高価格のヘッドフォンの市場の64%を専有していた。どんな経営者でも陶酔するようなマーケットシェアだ。昨年の時価総額が10億ドルだったから、30億ドルの買値でも安い。

でもなぜ、AppleはBeatsが必要なのか? 若い音楽ファンをAppleの重要な顧客層の一部にしたいのかもしれない。安定的に売れる製品が、もっとほしいのかもしれない。Lobotの強化バージョンのような、低音が重厚に響くヘッドフォンを、連中は好きなのかもしれない。Dreに会いたいのかもしれない。

でも唯一確実なのは、この買収には明確なねらいがある、ということだ。われわれがまだ、それを知らないだけである。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Apple、ヘッドホンのBeatsを32億ドルで買収へ(FT紙報道)

これはAppleにとって過去最大の買収になるかもしれない。Financial Timesによると、AppleはBeats Electronicsの買収交渉の最終段階にある。Beatsは人気のヘッドホン、Beatsのメーカーであると共に、音楽サービスのBeats Musicを提供している。

もし契約が成立すれば、来週には発表されると同紙は報じている。両社は一部の財務条件でまだ合意していない。

この買収で最も驚かされるのはその規模だ。Appleは買収に関して非常に慎重だった。この会社は、企業を買うために巨額を投じることを好まない。

それは、Appleが買収に消極的という意味ではない。過去18ヵ月間、Appleは24社を買収した。最近の大きい契約は、PrimeSenseの買収だった ― それでもAppleはわずか3.5億ドルしか支払っていない。

直近の収支会見でApple CEO Tim Cookは、理にかなえば買収に多額を投じる用意があると語った。Beatsの買収は理にかなったというわけだ。これは、一連の大型買収の第一弾になるかもしれない ― だとすればAppleにはカルチャーシフトが起きている。

高すぎるヘッドホンは実入りがいい

Beatsブランドの人気は非常に高いため、Appleはオーディオアクセサリーの販売にこのブランドを使い続けるだろう。Appleは、他のデバイスにもBeatsブランドを使うことが可能だ。

Beatsを作ったのは、ラッパーのDr. Dreと、Interscope Geffen A&M Recordsの会長、Jimmy Iovineだ。最初のBeatsヘッドホンは “Beats by Dr. Dre” のブランドで2008年に売り出された。当時、同社の製品はMonster Cableが独占製造していた。この契約は2012年に期限切れとなり、それ以来同社は自社で製品を製造している。

Apple端末にはイヤホンが必ずついてくるが、ここ数年ヘッドホンの人気が高まっている。オーディオマニアはBeatsのヘッドホンを嫌う傾向にあるが、同社は十分な市場シェアを獲得することに成功している。これらのヘッドホンは高すぎると広く考えられているため、これは非常に実入りの良い市場だ。Appleが、ポータブル音楽市場でこの分野を支配することの意味はそこにある。

さらには音楽サービスもある。2012年7月、Beatsは音楽ストリーミングサービスのMogを買収した。後に、Mogのサービス自体は閉鎖された。そして2014年1月、Beats Musicとして再スタートを切った。

Beats Musicは未だに新参であり、ユーザーもごくわずかだ。買収価格が非常に高いのはヘッドホン事業のためであり、音楽サービスではない。

同サービスはSpotifyやRdioという定着したサービスと競合する。追加機能は殆どない。全体的に、ブラウジング体験はずっとビジュアルで、タイポグラフィーとジェスチャーが強調されている。音楽の推奨にも力を入れている。

音楽市場は聞き放題のストリーミングサービスへと確実に移行しつつある

2009年にAppleが別の音楽サービス(Lala)を買収した時、サービスは閉鎖され、開発チームはAppleの他のプロジェクトに配置された。Beats Musicが存続するのか同じように閉鎖されるから不明だ。

しかし、一つ確かなことがある ― Appleは楽曲ダウンロードに深刻な問題を抱えている。音楽市場は聞き放題のストリーミングサービスへと確実に移行しつつある。

米国レコード協会の2013年のレポートによると、ストリーミングは音楽業界で他を圧倒する成長分野であり、前年比39%で伸びている。比較して、ダウンロードは2012年からわずか1.1%しか成長していない。

もしAppleが何も手を打たなければ、Spotifyをはじめとするサービスが同社のシェアを食うだろう。音楽レーベルとの契約がAppleに移管されるかどうかは不明だ。いずれにせよAppleは、どこかの時点でレーベルと再交渉する必要がある。Beatsの買収によって、Appleは音楽ストリーミンプサービスのやり方を知っているチームを迎えることになる。

Appleは既にストリーミングサービスを自身で実験している ― しかし実験は必ずしも成功しなかった。最初はiTunes Matchたった。年間25ドル[日本では3980円]で、最大2万5000曲をクラウドに保存できる。このサービスはパソコン内のMP3とiTunes Storeで購入した曲すべてを同期して、iPhoneやiPadからこのカタログをストリーミングで聞くことができる。非常に便利ではあるが、Appleの音楽ビジネスのモデルを真に変えるものではない。やはり曲は買わなくてはならない。

2013年6月、AppleはiTunes Radioを開始した。くつろいだラジオ体験だ。しくみはPandoraとよく似ている ― 音楽の好みに合わせて自分専用のラジオ曲を作る。しかし聞き放題のストリーミングサービスとは大きく異なる ― 特定の曲を検索して聞くことはできない。

最後に、この買収の敗者が一人いる ― HTCだ。2011年、HTCはBeatsの50.1%を3.09億ドルで買った。後に同社はその持ち株を2回に分けて売り戻した。一度目は480万ドルの純損失、二度目は8500万ドルの利益だった。

しかし、あの持ち株50.1%は今なら16億ドルに値する。換言すれば、HTCはAppleによる買収によって12.9億ドルの利益を上げていたかもしれない。そうなれば、この数年間急速に縮小してきた携帯電話メーカーにとって大きな助けになっただろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook