Google Docsの生みの親、現Box CTOのSam Schillace氏がTechCrunch Tokyo 2014に登壇決定!

11月18日、19日の2日間で開催予定のTechCrunch Tokyo 2014の海外ゲストスピーカーとして、先ほどProduct HuntのRyan Hooverの登壇決定をお知らせしたが、もう1人が正式に決まったのでお知らせしたい。現在、企業向けクラウドストレージを提供していてIPOも噂されるBoxのCTOを務めるSam Schillace氏の登壇だ。

Schillace氏は、今もコードを書くようなバリバリのテクノロジストでありながら、連続起業家としてもシリコンバレーで良く知られた存在だ。後にGoogle Docsとなるプロダクト「Writely」を世に送り出し、それを2006年にGoogleへと売却したスタートアップ「Upstartle」の創業者でCEOという経歴をもつ。2004年にWritelyのプロトタイプと最初のバージョンを作ったのがSchillace氏だ。

Schillace氏のようにテクノロジーバックグランドで大きく成功している起業家は日本では少数派だと思う。Schillace氏は、1991年にPIM(今でいうToDoやカレンダーを兼ね備えたアプリ)を開発するVirteroを創業したのを皮切りに、20年以上ものソフトウェア開発での起業とM&Aによる事業売却を重ねてきた。

1995年には当時Macで人気だったアプリシリーズ「Claris」に対して、後にClaris HomePageとなるホームページ作成ソフトを売却。1996年にはBitcraft社を創業し、CEOとしてサーバサイドJavaScriptエンジンを開発。これをマクロメディアへ売却して、移籍先のマクロメディアではエンタープライズ向け製品を担当していた。しばらくのコンサルタント業などを経て2004年に創業したのがUpstartleだ。Writelyを開発して2年でGoogleへと売却し、GoogleではGoogle Docsだけでなく、GmailやSites、Reader、Blogger、PicasaなどGoogleのプロダクトなどのチームを管轄していたという。また、2011年から2012年にかけては、Google Venturesで投資チームのプリンシパルとしても活躍している。

Ajaxを使ったワープロを2004年に作ったとか、1996年にサーバサイドJavaScriptをやっていたことなど、ちょっと普通じゃない。現在は約140人のエンジニアからなるBoxの開発チームを率いていて、エンタープライズ向けクラウドの未来を構想している。これだけの経験とポジションにいながら、今でもjQueryやiOSのプロジェクトに関わったり、次に手を出すべきプログラミング言語はScalaかCoffeeScriptかというようなテッキーな議論をしたりするそうで、日本にはあまりいないタイプの連続起業家だ。

TechCrunch Tokyoのステージでは、エンジニアとしてのバックグランドを持つ連続起業家という視点から、起業することや、エンタープライズの世界に切り込むこと、そして現在構想しているクラウドの新しい方向性について語っていただく予定だ。

TechCrunch Tokyo 2014まで2カ月弱。まだ海外や国内の豪華ゲストに多数参加いただくことになっているが、詳細は随時お伝えしていく予定だ。参加を検討いただけていた方は、ぜひお早めにチケットをご購入いただければと思う。なお、5枚以上から買える団体チケットや、限定50枚の学割チケットも今なら残っているので是非チェックしてほしい。

おっと、投資家や事業担当者の前でプロダクトをお披露目できる賞金100万円のスタートアップバトルに登壇する企業の応募締め切りは来週の金曜日と迫ってきているので、この週末にでも是非、こちらからお申込みいただければと思う。

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Googleに新ブランド‘Google For Work’が生まれる…一連の生産性ツールのブランドイメージ強化/明確化のため

今朝(米国時間9/2)Googleは同社のサンフランシスコのオフィスで、同社のエンタプライズプロダクトのブランド名を変えて、一連のツールと生産性サービスを’Google for Work’にリネームする、と発表した。

この新しい呼び方は同社のさまざまなビジネスツールをすべてカバーし、そのそれぞれに’for Work’という接尾詞が付く。Drive for Work、Search for Work、などのように。

改名の理由としてGoogleは、すでに好評な各ツールのブランドイメージが向上することと、それぞれのツールの目的が直感的にわかることを挙げている。それはDriveだけど、お仕事(work)用、という具合に。すでにGoogleの教育用ツールやサービスは、このように束(たば)ねられて、独自のブログを持った。

Googleのエンタプライズ方面と生産性ツール(OAソフト)方面の取り組みは、とりわけ、Microsoftとの競合を意識している。Microsoftの新CEO Satya Nadellaが最近掲げたスローガンが、‘生産性とプラットホーム’だが、Googleもまさにそうだろう。BoxやDropbox、Appleなども、この炎の中で自分の剣を鍛えている。

Googleのエンタプライズ担当部長Amit Singhは記者たちに、同社の企業顧客向けクラウドストレージサービスDrive for Workは、新規の登録ユーザが毎週2000名近くある、と語った。そして今ではFortune 500企業の60%がGoogle for Workを有料サービスとして利用しているそうだ。

Googleは、クラウドコンピューティングとクラウドストレージの料金に関して思い切った値下げを行ってきた。同社のデータセンターは巨大だから、コモディティ(日用品)のようなツールは最低の料金で提供できる。Amazonなども同じく料金を下げているので、市場全体としても安値傾向だ。

コモディティ的なクラウドサービスから大きな売上が得られなくなると、エンドユーザ向けのツールやサービスに意識が向かう。でもGoogleは、どっちの市場でも一定のシェアを握りたいようだ。

Singhによると、ITの費用など一部の費用はムーアの法則に従って下降しないが、それは、企業が抱えているレガシーの遺産から発生する費用のせいだ。それらのリソースは昔は会社の経営に貢献したが、今のビジネス環境では重荷になっている。それらを全部捨てて、クラウドサービスに移行した方がコスト的にも良い、とSinghらは主張する。

しかしGoogleの一連の生産性サービスは、今後、Googleの主要な収益源になるのだろうか。この前の四半期の決算報告では、‘その他の売上’が全売上のわずか10%だった。ただし売上成長率は全科目の中で最高、前年同期比で53%増だった。Googleの総売上は前年同期比で22%増だから、‘その他’という科目はちょっとした優等生なのだ。

Google自身が、この分野を重視していることは、確実だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Box、Q1売上はほぼ2倍増、損失は13%増に留まる

今日(米国時間7/7)午後、Boxは修正S-1文書を提出し、会計第1四半期の業績を公表した。この3ヵ月間のBoxは、売上4530万ドル、損失3850万ドルだった。売上は93.6%増加し、損失は13%増に留まった。

つまりBoxは、売上を対前年比2倍近く伸ばしつつ、損失は比較的わずかな増加に抑えた。当然ながら、4500万ドルの売上に対して、3800万ドル以上の損失ということは、未だに売上の2倍近い支出があることを意味しているが、Boxにとってこの数字は昨年より改善されている。

同社のGAAP純損失率は85%で、会計2014年度の112%より下がっている。ちなみに現在のBoxは会計2015年度。

直近の1年間で、Boxは1.24億ドルを売上げ、GAAPベース損失は1.68億ドルだった。

今四半期のBoxの取扱高(*)は4420万ドル、前年同期は2838万ドルだった。[* 売上に課金の未収分を加味したもの]

Boxが損失を抑えることができていれは、上記の数値はもっとよくなっていただろう。しかし同社の成長率は、少なくとも部分的にはその懸念を和げるかもしれない。ちなみに前年度の四半期平均売上は約3100万ドルだった。今年度第1四半期の数字は、2013年第1四半期からは大きく伸じているが、前年平均からの上昇率はそれより小さい。これは、四半期毎の成長率が低いことを示唆している。

Boxは同四半期中に多大な現金を費した。最初のS-1には、2014年1月31日現在1.0885億ドルの現金を保有していると示されていた。3ヵ月後の直近四半期末には、0.7926億ドルだった。最近Boxは、1.5億ドルの資金を上場前にプライベート投資家から調達した。この取引は会計期末後に完了したため上記の数値には含まれていない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


クラウドストレージは空気のように遍在して無料になる

今日(米国時間6/23)は、クラウドストレージの分野でおもしろいことが二つ起きた: MicrosoftはOneDriveを値下げし、無料の容量を増やした。そしてBoxはそのエディティングツールBox Notesをモバイル化した

どちらも、クラウドストレージの最近の市場動向にぴったりフィットしている: それらは、1ギガバイトあたりのストレージの消費者単価ないし顧客単価がゼロに接近していることと、ストレージ企業がストレージという商品基盤の上で生産性ソフト(OAソフト)を多様化しようとしていることだ。

このことに今注目しておく価値があると思うのは、それがストレージサービスがこれから向かっていく方向性を示していると思われるからだ。

クラウドストレージの限界消費者価格は急速に低下し、そのギガバイト単価はますます安くなっている。やがてクラウドストレージは、そこらじゅう至るところにあるもの(ユビキタス)になり、そして無料になる。プラットホーム企業の競合が激しくなるに伴い、無料で容量無制限のクラウドストレージは、オンラインサービスのデフォルトの基盤のようなものになる。

そして彼らはストレージに課金するのではなく、消費者がその上にあるデータで何をするか、に対して課金する。クラウドストレージがますます儲からない商材になっていくとき、では何をすべきか? 新たな付加価値商材の導入、これしかない。そこでBox Notesがモバイルになる。

今から2年後には、容量無制限で無料のクラウドストレージに選択肢がたくさんできる。つまり、数テラバイトの無料ストレージが複数のベンダから提供される。消費者向けの無料のストレージはせいぜい数ギガバイト、というこれまでの常識が、メールサービスの受信容量数メガバイトという過去の常識と同じく、愚かしいものになる。

2004年の、CNETの記事より:

Hotmailは現在、2MBの無料のメール用ストレージを提供している。Yahoo Mailは4MBだ。Gmailは1GBのストレージを提供して、彼らを一挙にみすぼらしくしてしまう。

…という次第だ。

画像: FLICKR/KLEARCHOS KAPOUTSIS; CC BY 2.0のライセンスによる(画像はトリミングした)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


上場を目指すBox、Yコンビネーター出身のStreemを買収

今日(米国時間6/16)午前、クラウドベース・ファイル管理サービスのBoxは、Yコンビネーター出身のストリーミング付クラウドサービス会社、Streemを買収したことを発表した。

Boxは、契約条件を明らかにしていないが、現金と株式の組み合わせによって買収したことをメールで語った。Streemのメンバー4名は、Boxに加わる。Streemのサービスは、Boxのより大きなサービスの一部として組み込まれると、同社がTechCrunchに語った。手続きは現在進行中だ。

最近、Streemは製品開発のために87万5000ドルを調達したところだ。

Boxは、現在上場手続きの最中にある会社で、直近の会計年度売上は、1億ドルを超えている。純粋なクラウドストレージの有償化に失敗し、現在サービスの拡大に向けて作業している。同社、およびそのライバルたちは、市場の現実を踏まえ、垂直、水平両面への製品展開に注力している。

本誌のRon Millerによると、今回の買収はBoxにとって製品ギャップを埋めるためだという。彼の推測では、デスクトップ上でのクラウドファイルのアクセスに関して、ライバルのDropbox、Google Driveに遅れを取っている。おそらくこの契約によってBoxは、クラウド環境よりデスクトップに慣れている、大型企業顧客向けのサービス開発が可能になるだろう。

本買収を発表したブログ記事で、Box CEO Aaron Levieは、「Streemは、クラウドからでもローカルと変わらない速さでコンテンツを利用できる、高度なビデオ・メディア・ストリーミング技術を開発した」と言っている。

Boxは、急成長中の、利益を生んでいない企業であり、直近の会計年度で損失が売上を上回っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Box、大躍進―GEの全社員30万ユーザーのためのクラウド・ストレージ契約を獲得

今朝(米国時間5/8)、Boxは巨大な顧客を獲得したことを発表した。

ゼネラル・エレクトリック(GE)は、全社的クラウドストレージとしてBoxを採用することを決定した。

Boxによると、全世界170カ国、 30万人の社員がこのサービスを利用することになるという。GEはこのクラウドストレージによって社員の共同作業の効率がアップし、モバイル化にもより良く対応できるようになると期待している。

現代の企業はモバイル、ソーシャル、クラウドなどの新しいテクノロジーにビジネス環境を適合させる強い圧力を受けている。GEは社員がさまざまなコンテンツを保存、共有、共同作業するためのプラットフォームとしてBoxを選んだ。

GEとの契約の成立を伝える今朝のブログ記事でCEOのAaron LevieはGEはこれまでも新しいテクノロジーを積極的に採用して組織に変革をもたらしてきたと書いている。GEはiPhoneとiPadを最初に採用したFortune 500企業だった。またGEのCIO、Jamie MillerはIT部門だけでなく全社的な革新のために新しいテクノロジーを採用する旗振り役を長く務めてきた。

2週間ほど前にS-1上場申請書を提出したことに伴って、Boxは情報発信を制限される期間に入った。情報の空白が生じたため、そこをあれやこれやの(たいていは否定的な)推測が埋めることになり、Boxはさんざんな目に合っている。わずか1週間ほどでBoxのイメージはクラウドの寵児から失敗者へと転落してしまった。しかし現実はそのどちらでもないのだろう。

GEとの契約は大成功だが、BoxはすでにSchneider Electricで6万5000ユーザー、P&Gで3万ユーザーの大型契約をすでに得ている。Boxがこの調子で今後も大口ユーザーの獲得に成功するなら、悲観論を撃退して投資家を納得させることができそうだ。

写真 BY FLICKR USER BOB JAGENDORF. USED UNDER CC BY 2.0 LICENSE.

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


クラウドストレージ戦争激化―Microsoft、企業向けOneDriveの容量を25GBからなんと1TBに

クラウドストレージ市場で競争の武器となるのは容量だが、単位容量あたりの料金は今や急速にゼロに近づいている。

Microsoftは企業向けクラウドストレージのOneDrive for Businessについて、これまで1ユーザー当たり25GBだったストレージを1TBと40倍にアップすることを発表した

Microsoftは公式ブログで「十分な競争力がない」とDropboxとBoxをそれと分かる形で批判した。

〔クラウ共有サービスに〕一般ユーザー市場からスタートして最近企業向け市場に参入してきた一部のプロバイダーは、エンタープライズで必要とされるサービスのレベルにまだ十分な理解がない。エンタープライズに特化したプロバイダーも存在するが、提供するサービスの範囲が極めて狭い。急速に変化する企業ニーズに的確、広汎に対応できるサービスのプロバイダはほとんど存在しない。

Dropboxは企業向け市場に力を入れ始めているが、Microsoftは当然ながらこれを放っておけない。実際Dropboxの最近の企業向けプロダクトは非常に良くデザインされている(しかしまだ十分でないという意見もある)。

クラウドストレージのビジネス面は非常に複雑だ。私はBoxのS-1上場申請書についての記事でこう書いた。

財務的圧力は多数のライバルとの競争によってギガバイト当たり単価が急速に低下することによって増大している。Google やMicrosoftのような資金力のある巨大企業が競って料金を引き下げる中、Boxの利益率も低下せざるを得ない。GoogleやMicrosoftが提供するサービスの内容はBoxとは異なる。しかし共同作業機能と編集ツールを含まないクラウドストレージも、クラウドストレージを含まない共同作業機能と編集ツールも、もはや競争力がないというのが新しい現実だ。

Microsoftはとうとうギガバイト当たり単価を事実上ゼロにしてしまった。つまりストレージの提供そのものではビジネスにならない。これはDropboxやBoxのように長年ストレージ容量に課金してきたビジネスモデルにとっては厳しい状況だ。

GoogleとYahooも大幅にストレージ単価を引き下げている。YahooはFlickrで1TBの容量を無料提供している。Googleも最近クラウドストレージの料金を引き下げた

DropboxとBoxはこれに対処しなければならない。また事実、懸命に対処の努力をしている。Microsoftはこの市場を他所ものに明け渡すわけにはいかない。それは急速にクラウド化しつつあるOfficeビジネスの将来を危うくすることになるからだ。Microsoftはエンタープライズ・クラウドストレージ市場を守りぬく決意を固めているはずだ。

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Box、PyConに併せて社内資産のオープンソース化を行う「Box Open Source」を展開中

Boxが公開したBox Open Sourceはすでにチェック済みだろうか。Box内部で活用されていたオープンソース系ツールを、外部の開発者とシェアしようとするものだ。

この試みについてはBoxのブログにも記事が掲載されていて、CEOであるAaron Levieのツイートにて明らかにされた。

共同電話インタビューの席では、Levieおよびテクニカルオペレーション部門のプリンシパルディベロッパーであるBenjamin VanEveryがプロジェクトについての説明を行っていた。曰く、Box Open Sourceに公開したツール群はBoxが開発して何年も利用してきたものであるとのこと。「私たちがBoxで利用してきたツール群で、ぜひいろいろなご意見なども頂きたいと思っています」とVanEveryは言っている。「私たちのメインプロダクトで利用しているものを移植したものもありますし、いつか公開できるようにしようということで開発した便利ツールなども登録しています」。

自社開発のコードをオープンソース化するというのは、Facebook、Microsoft、Google、Netflixなども行っている。オープンソース化することについては2つの目的がある。ひとつは、良質のプロダクトを外部に公開することで、オープンソース文化に寄与しようとする側面だ。そしてその裏面として、外部からの有益なフィードバックが得て、企業としての利益にもつながることもある。

VanEveryによれば、Box Open Sourceは厳格な品質管理基準を採用しており、動作についての確認もしっかり行っているものばかりであるとのこと。細かいテストを経たプロダクトのみを公開しており、品質基準に見合ったテストを経ていないプルリクエストに応じることはないとのこと。「コードの品質を保つために、継続的にビルドの更新も行っていきます」ということだ。

Box Open Sourceのサイトを開いてみると、RotUnicodeFlakyなど、Pythonのプロジェクトが先頭に配置されている。実はBox Open Sourceは、モントリオールで開催されているPyConというプログラミングカンファレンスにあわせて公開されたもので、Pythonを強調するのはその関係もあってのことだ。

今後も、いろいろな言語を使ったツール類を公開していく予定にしているとのこと。「より大きな展開をしていくための、最初の一歩であるととらえていただいて良いと思います。私たちの持つ技術をオープンソース界に提供していくことで、相互に発展していければと考えています」とLevieは述べている。

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(翻訳:Maeda, H


Dropbox、2.5億から4億ドルの巨額資金調達―エンタープライズ市場でライバルを先制攻撃へ

Dropboxは100億ドルの会社評価額で2.5億ドルから4億ドルの資金調達を行ったもようだ。Wall Street JournalRe / codeの記事によれば、 その理由として考えられるのは、Dropboxは昨年ビジネス向けにプロダクトを全面的に作り直しており、今年はこれを売っていく必要があるかという点だ。情報源によれば、Dropboxは現在の過熱気味のベンチャーキャピタル市場とDropboxへの高い関心から最大限有利な資金調達を試みたのだという。

調達した資金は他のテクノロジー企業からトップクラスの人材をスカウトしたり有力スタートアップを買収するのにも役立つ。しかし現在のDropboxにとってもっとも重要なのはBox、Google Drive、Microsoft SkyDrive、Amazon WorkSpacesといった強力なライバルに大企業ユーザーをさらわれる前に先制攻撃してシェアを確保することだ。

Dropboxの急成長

Dropboxは当初個人ユーザー向けの手軽なクラウド・バックアップ・ツールとしてスタートした。「あなたのファイルをどこにでも」がそのキャッチフレーズだった。AK-47を構えた恐竜がサメにまたがり、その背中にハゲワシが止まっているイラストがマスコットだった。Dropboxはサンフランシスコの本社ロビーにわざわざそのTレックスの像を作って飾っていた。この時期のDropboxには企業向けにセキュリティやスケーラビリティーを真剣に売り込むつもりがあったようには見えない。

しかしユーザーにギガバイト単位で無料のストレージを提供する戦略が功を奏し、Dropboxは口コミでテクノロジーに強い個人ユーザーの圧倒的な支持を得るようになった。2012年12月にはユーザーが1億人を突破、その1年後には2億人となった。また明るい社風が幸いしてGoogleのPythonの父であるGoogleのGuido Van RossumFacebookのベテラン・デザイナー、Soleio Cuervo、Rasmus Anderssonなどのビッグネームのスカウトにも成功した。

しかしわれわれは1年前に企業ユーザーから 「Dropboxはにはビジネス利用に必要なアクセス管理やセキュリティ機能がない」という声を聞いていた。つまり社員の誰がどのファイルにアクセスし、ダウンロードしたのかなどを確実にモニタする機能などがまだ欠けていた。.

そこで1年前からDropboxはサービスのアーキテクチャをビジネス利用に耐えるように全面的にアップグレードするという野心的な試みに乗り出した。これはユーザーが同一アカウント内から新しいエンタープライズ向けサービスと従来の個人向けサービスの双方にアクセスできるようにすることを目的としていた。.

2013年11月に共同ファウンダー、CEOのDrew Houstonが新しいDropbox For Businessを発表した。Houstonはここで業務用ファイルとプライベートなファイルの双方に同一アカウントでアクセスできる点や強力なアクセス管理と共有管理機能をアピールした。また社員が辞めたり異動した場合にその社員がアクセスできるすべてのデバイスからファイルを一括削除できる機能も追加された。

このDropbox For Businessは今年前半には一般公開されるという。個人ユーザーには圧倒的な人気を誇るDropboxだが、何千人ものアカウントを必要とする大企業に1人年額175ドルで新サービスを売り込むのは大事業だ。大量のセールス部隊が必要になるだろうし、当然大量の資金が必要になる。

ベンチャーキャピタル市場は過熱状態

Dropboxにとって幸運なことに、PinterestUberの億単位の巨額資金調達をみてもわかるように現在の資金調達の環境はきわめて良いFacebookの株価が復調し、Twitterの大型上場が成功したことも資金市場を過熱させている。一方、Dropboxの内情に詳しい情報源によると、同社はエンタープライズ向けクラウドサービスのライバル、Boxの急成長に極めて警戒を強めており、「鉄は熱いうちに打て」とばかりにこのチャンスを生かして最大限の資金調達を試みたのだという。

Wall Street JournalのDouglas MacMillanRe / code’sの Liz GannesによればDropboxはBlackRockがリードし、既存投資家が参加したラウンドで2億5000万ドルの調達を完了したという。さらにDropboxは大手ミューチュアル・ファンドのFidelityとT.Rowe Pricemayから追加の1億ドルから1.5億ドルを引き出す可能性がある。

この一連の資金調達の結果、Dropbox の調達総額は5億700万ドルから6億57 00万ドルとなる。

金を稼ぐには金を使わねばならぬ

潤沢な資金の確保に成功した後、緊急に必要なのはセールス能力の拡充だ。

これには実績あるセールス担当幹部のスカウトが近道だ。すでに2012年にSalesforceの営業部隊を10年にわたって率いてきたKevin Eganをスカウトしている。また最近ではビジネスソフトの有力ベンダーなどサードパーティーとの提携を強めるためにビジネス開発チームを強化し、Facebookのモバイル提携の責任者、Henri Moissinac、Spotifyの提携業務担当幹部、Tom Hsiehを採用している。

また今回の資金は将軍を雇うだけでなく大量の歩兵を雇うためにも必要だった。Dropboxは2013年に200人から500人へと拡大した。今後はさらに拡大の速度を速めるだろう。

しかしエンタープライズ市場で成功するためには、前述のように、まずBoxとそのカリスマ的リーダー、Aaron Levieと戦わねばならない。Boxのビジネスユーザーはまだ20万社にとどまっているものの、Boxはセキュリティとアクセス管理の面でエンタープライズ・ユーザーから高く評価されている。それがBoxがProcter & Gamble、Nationwide Insurance, LinkedIn, MTVなどのビッグネームとの契約に成功した理由だ。Dropbox(上)とBox(下)のホームページを眺めただけでも両者がどのようなユーザーを主たるターゲットにしているか想像がつくだろう。

DropboxはまたGoogle Driveとも競争しなければならない。Googleは他のエンタープライズ向けサービスとの緊密な統合を約束できるという強みがある。またMicrosoft’s Officeを中心に業務が組み立てられている場合、SkyDriveはには優位性がある。Amazon WorkSpacesはAmazon Web Services(AWS)をバックにしている。Dropboxのような独立のサービスにとってはいずれも手強いライバルだ。

また先週起きたようなシステムダウンを防がなければはビジネスユーザーを遠ざけることになる。

DropboxのCEO、Drew Houston

DropboxはMailboxの買収を買収したが、同時にもっと小さいチームEndorseSnapjoySoldなども傘下に収めてきた。数億ドルの資金を得た以上、M&Aでも積極的な動きが予想される。Dropboxが現在のサービスの穴(たとえば複数ユーザーのリアルタイム共同作業)を企業買収で素早く埋めることができればユーザーにとっての魅力が増すだろう。

昨年われわれはDropboxが2014年に上場すると予測した。しかし上場は時間のかかるわずらわしい手続きであり、共同ファウンダーのHoustonとFerdowsiがニューヨーク証券取引所で取引開始の鐘を鳴らすときに株式市場の情勢がどうなっているかも分からない。Dropboxが現在できるだけ多額の資金を集めているのは賢明な戦略といえる。

[I画像:Ariel Zambelich/WiredJDLasica]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


BoxがiOSアプリを改訂。最新版をダウンロードすれば無料ストレージ50GBが手に入る

今日(米国時間1/15)午前、BoxはiPhoneおよびiPadアプリの新バージョンを公開し、それに伴いこの最新版をダウンロードしたユーザーに50GBの無料ストレージをプレゼントする。Boxの無料プランが10GBであることを考えると、この追加スペースはかなり大きい。アップデートされたアプリは今すぐApp Storeでダウンロードできる。

更新されたアプリには、新しいユーザーインターフェース、100種類以上のファイル・プレビュー、コメント付け、テキスト検索などが加わった。

Boxの発想は単純だ。同社のモバイルアプリをファイルストレージ、ファイル管理、および外出時の協業におけるハブにして欲しいだけだ。これは、同サービスのウェブが、ファイルストレージに留まらず、保存された文書の編集を可能にするBoxNotesなどのアプリを加えて、価値を高めていることとも符合する。

Boxは単なるファイルストレージを越えたい野望を持っている。なぜか? Boxが50GBの無料ストレージを提供すれば、元々わずかなGB当たりの収益価値がさらに下がる。すぐゼロに近づくだろう。つまり、もしBoxがユーザー当たりの売上を伸ばしたければ、今以上のものを提供するしかない。

Boxは新アプリを発表した公式ブログでそれを静かに指摘して、自社サービスについて「今日のiOSデバイスで得られる最高のコンテンツ閲覧と協業体験」と書いている。おっと、Boxはファイルも保存してくれる。

Boxの策略は実に単純だと私は思う。たくさんファイルを保存すればユーザーはそのプラットフォームに定着し、その時点で他のサービスやソリューションをアップセルできる。これは、パソコンと共にハードディスクスペーシが売られ、Microsoftがそこに保存された文書を管理するためにOfficeを売っていた時代に似ている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


モバイル・アプリがポストPC時代のエンタープライズ・ソフトウェアの主役になる条件

編集部注: 本稿筆者のAaron Levieはクラウド・コンテンツ共有サービス、Boxの共同ファウンダー、CEO。Twitterは @levie

週明けに開催されるAppleのWWDCカンファレンスには何千ものデベロッパーが参加する。だが、彼らの会社のほとんどはAppleがiPhoneとAppStoreをオープンするまで存在していなかった。

ところがエンタープライズ向けアプリの市場はほぼ手付かずのままだ。なぜエンタープライズ版のAngry Birds〔に相当するキラー・〕アプリが出現しないのだろうか?

ポストPC時代のエンタープライズはPC時代から激変

70年代後半に始まったPC革命によって幕が開いたPC時代は2007年頃にポストPC時代に転換し始めた。しかし当面、エンタープライズのITは大きく変化しなかった。PC時代にはMicrosoftと大手ハードウェア・メーカーとOracle Siebel、PeopleSoft、Lotusなど少数の巨大ソフトウェア企業を頂点とする寡占的エコシステムが長い時間をかけて確立した。企業IT部門は混乱を嫌い、群小ソフト企業はこのエコシステムに居場所を見つけることができなかった。

他の大規模な変換と同様、PC時代からポストPC時代への変化も一直線に進むものではない。IT部門などバックオフィス業務の大部分は伝統的オフィス環境 で実行される。ところがフロントオフィスの業務が実行される場所はもはやオフィスではない。顧客先、実店舗、空港、飛行機、地下鉄、ホテルなどだ。

医師は診療に必要な画像をiPadのVueMeで確認する。営業担当者は出先から契約書や報告書を送信する。航空会社のパイロットもペーパーレス化する。セールス担当は出先でWebexを使う。 連邦裁判所の判事も訴訟文書をiPadで読む。分散チームはLuaで共同作業する。

エンタープライズ・アプリはiPadsに登場し始めてはいるが、レガシーベンダーの地位を脅かすところまで行っていない

Chris Dixonは「歴史が繰り返すものなら、タブレットにネーティブな生産性アプリがやがて開発されるはずだ」と主張する。しかし、この分野ではMicrosoft、Oracle、SAP、IBMその他のPC時代の主役たちの影は薄い。タブレット・アプリは検索してタップするだけでインストールされてしまう。PC時代のようなベンダーによる囲い込みは効果がなくなった。エンドユーザーはウェブ会議だろうとCADソフトだろうとCRMシステムだろうと、即座に手にすることができる。アプリはあくまでその価値、つまり機能、デザイン、使い勝手、価格などで判断されるようになった。企業向けライセンスで縛り付けておくパラダイムは過去のものだ。

昔だったらインフラの入れ替え、ソフトウェアのライセンス、メンテナンス契約、後方互換性などさまざまなハードルのために変化がエンタープライズ社会に及ぶ速度は遅かった。しかし今日では事情は違う。新プロダクトの採用のカーブは急速だ。Steven SinofskyがD11カンファレンスで述べたように、エンタープライズが求めるものは様変わりしている。

エンタープライズ・アプリ・エコシステムへようこそ

毎年エンタープライズ市場に投じられる金額は膨大だ。正確にいえば2970億ドルにもなる。しかしモバイル・アプリはその中でごくわずかなシェアしか占めていない。BYOD(個人のデバイス持込可)のポリシーが広まり、アメリカの企業社会では多様なデバイスが使われるようになった。しかしソフトウェアの購買パターンはまだ大きく変化していない。モバイル・アプリの市場は何百億ドルにもなっているが、そのほとんどは消費者向けであり、エンタープライズ向けではない。

ここではAngry BirdsやSupercellが年間何億ドルもの金を稼いでいる。コミュニケーションの分野ではWhatsApp、Lineといったスタートアップが破壊的イノベーションをもたらし、キャリヤから何十億ドルもの売上を奪い自らも相当の売上を達成している。

ところがエンタープライズ・アプリはiPadsに登場し始めてはいるが、レガシーベンダーの地位を脅かすところまで行っていない。なぜだろうか?

エンタープライズの場合、消費者向けアプリとは異なるメカニズムが働く。IT部門以外の社員は有料アプリを利用する権限がない。ポストPC時代に入って、スピード、効率、使い勝手の向上が劇的に進んでいるというのに、エンタープライズ・ソフトウェア調達の現場は何一つ変わっていない。

こうした状況を打破するには、デベロッパーがプロダクトを企業に採用させ、料金を得るプロセスを改善する必要がある。つまり現在エンタープライズ・ソフトウェアの導入にあたって必要とされているような煩雑な手続きを大幅に簡素化しなければならない。

消費者、一般ユーザー向け市場ではクチコミの効果が大きい。ユーザーは友だちの使っているアプリに興味を持つ。しかしエンタープライズ市場ではユーザーにアプリを発見してもらうために別のアプローチを取る必要がある。このためにはAndroidやiOSプラットフォームなどのプラットフォーム側がエンタープライズ向けに最適化したセクションを設けてくれることが望まれる。アプリ・デベロッパー側では高いレベルの保証やサポート、SLA(サービス・レベル契約)、堅牢なセキュリティーの提供によってエンタープライズの信頼を得るよう務めなければならない。

こうした条件が揃ったときには、エンタープライズ向けモバイル・アプリに真のポストPC時代にふさわしいイノベーションと市場拡大が爆発的に起こるだろう。.

幸いなことに、ポストPCの各種デバイスの普及は一段と加速している。タブレットが登場したのはわずか3年前だが、今や年間2億台も販売されている。それだけの数が売れるようになるまでパソコンは27年もかかった。モバイル・ソフトウェアの市場も同様のスピードで拡大している。2015年には仕事でモバイル・デバイスを利用する人口は13億人になると予想されている。エンタープライズ・モバイル・アプリのデベロッパーにとっては過去の例を見ない巨大市場が一挙に現れることになる。われわれの挑戦は今始まったばかりだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+