クラウドストレージは空気のように遍在して無料になる

今日(米国時間6/23)は、クラウドストレージの分野でおもしろいことが二つ起きた: MicrosoftはOneDriveを値下げし、無料の容量を増やした。そしてBoxはそのエディティングツールBox Notesをモバイル化した

どちらも、クラウドストレージの最近の市場動向にぴったりフィットしている: それらは、1ギガバイトあたりのストレージの消費者単価ないし顧客単価がゼロに接近していることと、ストレージ企業がストレージという商品基盤の上で生産性ソフト(OAソフト)を多様化しようとしていることだ。

このことに今注目しておく価値があると思うのは、それがストレージサービスがこれから向かっていく方向性を示していると思われるからだ。

クラウドストレージの限界消費者価格は急速に低下し、そのギガバイト単価はますます安くなっている。やがてクラウドストレージは、そこらじゅう至るところにあるもの(ユビキタス)になり、そして無料になる。プラットホーム企業の競合が激しくなるに伴い、無料で容量無制限のクラウドストレージは、オンラインサービスのデフォルトの基盤のようなものになる。

そして彼らはストレージに課金するのではなく、消費者がその上にあるデータで何をするか、に対して課金する。クラウドストレージがますます儲からない商材になっていくとき、では何をすべきか? 新たな付加価値商材の導入、これしかない。そこでBox Notesがモバイルになる。

今から2年後には、容量無制限で無料のクラウドストレージに選択肢がたくさんできる。つまり、数テラバイトの無料ストレージが複数のベンダから提供される。消費者向けの無料のストレージはせいぜい数ギガバイト、というこれまでの常識が、メールサービスの受信容量数メガバイトという過去の常識と同じく、愚かしいものになる。

2004年の、CNETの記事より:

Hotmailは現在、2MBの無料のメール用ストレージを提供している。Yahoo Mailは4MBだ。Gmailは1GBのストレージを提供して、彼らを一挙にみすぼらしくしてしまう。

…という次第だ。

画像: FLICKR/KLEARCHOS KAPOUTSIS; CC BY 2.0のライセンスによる(画像はトリミングした)

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Box、大躍進―GEの全社員30万ユーザーのためのクラウド・ストレージ契約を獲得

今朝(米国時間5/8)、Boxは巨大な顧客を獲得したことを発表した。

ゼネラル・エレクトリック(GE)は、全社的クラウドストレージとしてBoxを採用することを決定した。

Boxによると、全世界170カ国、 30万人の社員がこのサービスを利用することになるという。GEはこのクラウドストレージによって社員の共同作業の効率がアップし、モバイル化にもより良く対応できるようになると期待している。

現代の企業はモバイル、ソーシャル、クラウドなどの新しいテクノロジーにビジネス環境を適合させる強い圧力を受けている。GEは社員がさまざまなコンテンツを保存、共有、共同作業するためのプラットフォームとしてBoxを選んだ。

GEとの契約の成立を伝える今朝のブログ記事でCEOのAaron LevieはGEはこれまでも新しいテクノロジーを積極的に採用して組織に変革をもたらしてきたと書いている。GEはiPhoneとiPadを最初に採用したFortune 500企業だった。またGEのCIO、Jamie MillerはIT部門だけでなく全社的な革新のために新しいテクノロジーを採用する旗振り役を長く務めてきた。

2週間ほど前にS-1上場申請書を提出したことに伴って、Boxは情報発信を制限される期間に入った。情報の空白が生じたため、そこをあれやこれやの(たいていは否定的な)推測が埋めることになり、Boxはさんざんな目に合っている。わずか1週間ほどでBoxのイメージはクラウドの寵児から失敗者へと転落してしまった。しかし現実はそのどちらでもないのだろう。

GEとの契約は大成功だが、BoxはすでにSchneider Electricで6万5000ユーザー、P&Gで3万ユーザーの大型契約をすでに得ている。Boxがこの調子で今後も大口ユーザーの獲得に成功するなら、悲観論を撃退して投資家を納得させることができそうだ。

写真 BY FLICKR USER BOB JAGENDORF. USED UNDER CC BY 2.0 LICENSE.

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Red HatがCephベースのストレージサービスInktankを買収, ビッグデータ時代の超巨大クラウドストレージでトップをねらう

オープンソースソフトウェアのプロバイダRed Hatが、ストレージの市場でAmazonなどと張り合う気のようだ。同社は今日(米国時間4/30)、オープンソースのストレージシステムを開発しているInktankをキャッシュ1億7500万ドルで買収する、と発表した。Red Hatによると、同社はInktankの主製品であるInktank Ceph Enterpriseと同社のGlusterFSによるストレージ製品を併合させる、そして今回の買収により同社は、オブジェクトやブロック、ファイルシステムといった多様な高レベルのストレージシステムを支えるオープンなソフトウェア定義ストレージの、最大のプロバイダになる。

Red HatのEVPでCTOのBrian Stevensは、声明文の中で次のように述べている: “Inktankが作り上げたきわめて活気あるコミュニティを今後も尊重し、ソフトウェア定義ストレージのデファクトのチョイスをよりオープンにしていく仕事に、共に取り組んでいきたい。Inktankは、Cephを軸とする強力なエコシステムを組み立てるという、すばらしい仕事を成し遂げた。今後われわれは彼らと一緒になって、この成功をさらに拡大していきたい。これらの強力でワールドクラスのオープンストレージ技術は、顧客がソフトウェアベースの、スケールアウト*可能なストレージシステムに移行していくときに、無視することのできない能力をを提供するだろう”。〔*: scale-out, 分散化による規模拡大。〕

これは、公開企業であるRed Hatの9つめの買収だ。これまでで最大の買収はミドルウェアのベンダJBossを4億2000万ドルで買ったときだが、Inktankはこれに次ぐ。そのほか、オンラインストレージのGluster、1億3600万ドルも、大きな買収だった。Glusterは、Red Hatの現在のストレージサービスのベースになっていると思われる。

Ceph EnterpriseのベースであるCephは、レガシーのストレージシステムをリプレースするものとして開発されたが、実際にはAmazon S3など既存のストレージサービスに代わるもの、あるいはそれらと競合するものとも見られている。AmazonのS3やElastic Block Storageなどのように、各種のオプションを通じてユーザが構成を決めるのではなく、Cephではサービスプロバイダや企業などのユーザが独自のストレージシステムを組み立てられる。Cephのねらいは、エクサバイト級あるいはそれ以上の巨大なストレージシステム/ファイルシステムを、高いコスト効率で提供することにある。

Inktankの顧客はCisco、CERN、Deutsche Telekomなどで、パートナーはDell、Alcatel-Lucentなどだ。今後彼らは、Red Hatの顧客およびパートナーとしてCeph Enterpriseとの関係を持続する。

サンフランシスコに本社を置くInktankは、2012年の創業以来、およそ1440万ドルの資金を獲得してきた。主な投資家は、(Ubuntuの)CanonicalのファウンダMark ShuttleworthとクラウドホスティングDreamHostのオーナー企業New Dream Networkだ。後者の協同ファウンダSage Weil(Cephのデベロッパの一人)が、InktankのファウンダでCTOだ。

今回の買収によってInktankの主製品がRed HatのRHELなどと最初からセットになって売られる可能性が生じるため、Inktankにとっては大きな成長の機会になる。〔*: Ceph本体は最近のLinuxカーネルにデフォルトで含まれている。〕

Weilは、声明文の中で次のように述べている: “Red Hatとわれわれは、かねてから、オープンソースとオープンスタンダードと顧客の成功へのコミットメントを共有している。この二者がこのたび合体したことは、きわめてエキサイティングな事件である。われわれのオープンストレージテクノロジは、これからのクラウドコンピューティングの時代におけるデータ管理業務にとって、必須の技術になると確信している。Red Hatとの協働により、さらに重要なイノベーションを推進できるようになり、業界全体に大きな貢献を果たしていけるものと信ずる。とくに、OpenStackのような既存及び近未来のデータセンターのアーキテクチャが、オープンストレージのソリューションを統合していくことは確実であり、われわれはその需要にお応えしていきたい”。

Cephという奇妙な名前は、同社の注記によれば、ペットの蛸(たこ)のニックネームだ。社名やプロダクト名は、そこから派生している:

“Ceph”は、ペットの蛸、すなわちcephalopod(頭足動物)によくつけられる名前だ。Cephは最初、弊社のCTO Sage Weilの、UC Santa Cruz(カリフォルニア大学サンタクルーズ校)における博士論文のためのプロジェクトとして始められた。UCSCには前から、Sammyという名のウミウシのペットがいたが、蛸も軟体動物として、大人気のSammyの仲間である。蛸は複数の足を高度に並列で動かすことができるので、このプロジェクトの名前としても合っていた。そしてCephのプロダクトを作っていく企業を作ったときには、蛸が出す“インク”にあやかって、その社名をInktankとした。いわばわれわれInktankの社員一人々々は、Cephが放出するインクの一滴のようなものである。

買収の完了は、2014年5月と予定されている。

画像: Flickr

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クラウドストレージ戦争激化―Microsoft、企業向けOneDriveの容量を25GBからなんと1TBに

クラウドストレージ市場で競争の武器となるのは容量だが、単位容量あたりの料金は今や急速にゼロに近づいている。

Microsoftは企業向けクラウドストレージのOneDrive for Businessについて、これまで1ユーザー当たり25GBだったストレージを1TBと40倍にアップすることを発表した

Microsoftは公式ブログで「十分な競争力がない」とDropboxとBoxをそれと分かる形で批判した。

〔クラウ共有サービスに〕一般ユーザー市場からスタートして最近企業向け市場に参入してきた一部のプロバイダーは、エンタープライズで必要とされるサービスのレベルにまだ十分な理解がない。エンタープライズに特化したプロバイダーも存在するが、提供するサービスの範囲が極めて狭い。急速に変化する企業ニーズに的確、広汎に対応できるサービスのプロバイダはほとんど存在しない。

Dropboxは企業向け市場に力を入れ始めているが、Microsoftは当然ながらこれを放っておけない。実際Dropboxの最近の企業向けプロダクトは非常に良くデザインされている(しかしまだ十分でないという意見もある)。

クラウドストレージのビジネス面は非常に複雑だ。私はBoxのS-1上場申請書についての記事でこう書いた。

財務的圧力は多数のライバルとの競争によってギガバイト当たり単価が急速に低下することによって増大している。Google やMicrosoftのような資金力のある巨大企業が競って料金を引き下げる中、Boxの利益率も低下せざるを得ない。GoogleやMicrosoftが提供するサービスの内容はBoxとは異なる。しかし共同作業機能と編集ツールを含まないクラウドストレージも、クラウドストレージを含まない共同作業機能と編集ツールも、もはや競争力がないというのが新しい現実だ。

Microsoftはとうとうギガバイト当たり単価を事実上ゼロにしてしまった。つまりストレージの提供そのものではビジネスにならない。これはDropboxやBoxのように長年ストレージ容量に課金してきたビジネスモデルにとっては厳しい状況だ。

GoogleとYahooも大幅にストレージ単価を引き下げている。YahooはFlickrで1TBの容量を無料提供している。Googleも最近クラウドストレージの料金を引き下げた

DropboxとBoxはこれに対処しなければならない。また事実、懸命に対処の努力をしている。Microsoftはこの市場を他所ものに明け渡すわけにはいかない。それは急速にクラウド化しつつあるOfficeビジネスの将来を危うくすることになるからだ。Microsoftはエンタープライズ・クラウドストレージ市場を守りぬく決意を固めているはずだ。

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Dropbox、ユーザーの写真すべてを保存・共有するアプリ、Carouselを発表

Dropboxは今朝(米国時間4/9)、サンフランシスコで開催したプレスイベントでユーザーが2億7500万人に達したこを明らかにする同時に、Carouselという野心的なアプリを公開した。これは写真とビデオのアーカイブと共有のためのプラットフォームで、この分野の新たなデフォールト・サービスとなることを狙っている。

アプリはiOS版とAndroid版が用意され、どちらもCarousel.comからアクセスできる。Dropboxによると、このアプリはユーザーが契約しているDropboxの容量の限界まで、いくらでも写真やビデオを保管でき、デスクトップからもiOS、Androidデバイスからも自由にアクセスできる。

Mailboxのファウンダーで、Dropboxの幹部であるGentry UnderwoodがCarouselの発表プレゼンを行った。Underwoodによれば、このアプリを使えば非公開で写真やビデオを共有する場合にメールの添付ファイルのサイズ制限を気にする必要がないという。Carouselアプリの共有ツールはメールアドレスだけでなく電話番号も認識する。また受け取り相手はDropboxのアカウントを持っている必要がない。

DropboxはCarouselを「すべての思い出を一箇所に保存できる」サービスだとしている。アプリから写真を読み出すスピードはデバイスのオリジナルの写真ギャラリーより高速なぐらいだという。

Carouselは非常に巨大なビジネスになりそうだが、一方、高い技術力を持つ巨大企業が写真の保管と共有アプリの分野にはいくつも存在する。CarouselのリリースでDropboxはFacebook、Yahoo、Googleなどのライバルとの直接対決に踏み出したことになる。

アップデート:この記事ではCarouselのストレージ容量について「それぞれのユーザーのDropboxのストレージ容量を上限とする」という意味の記述を加えた。

写真:Flickr Lloyd Morgan CC by-SA 2.0 license

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すべてのクラウドストレージアカウントを一本化してワンドライブのようにアクセスできるCloudGOO

CloudGOOは、最新のAndroidアプリで、その名前はアホみたいだけど、あなたの複数のクラウドストレージサービスのアカウントをすべてまとめて、一つの大きなドライブの仮象を作ってくれる。つまりこのアプリは、複数のクラウドドライブのアカウントを単一のモバイルインタフェイスの下(もと)へ集積し、写真、ビデオ、音楽、ドキュメントなどのアップロード/ダウンロードを、まるで一つのドライブへ/からであるかのように行う。

ほんの数日前にローンチしたこのサービスは、ベルリンに住むデベロッパJared Prestonの作で、彼はこれまで、MicrosoftでWindows Liveを担当、その後、Deutsche Telekomでも仕事をした。

彼の説明によると、Jolicloudなど、そのほかのサービスと違う点は、ユーザのWebサービスを一つの屋根の下に集めて、その一つのインタフェイスの中で、あっちのドライブ、こっちのメディアスペースとユーザをナビゲートさせるのではなく、CloudGOOは、欲しいものがどこにあるかを、ユーザに意識させない。たった一つのドライブを相手にしているような、仮象をユーザに与えるのだ。

Prestonは曰く、“その仮象的な単一ドライブの下に、実際にGoogle DriveとかDropboxなどなどがある。それらの実サービスは、いくつ置いてもよい。アップロードするときは、CloudGOOが勝手に空きスペースを見つけてそこに割り当てる。どこにアップロードされたかなんて、ユーザは気にする必要がない。単純に、その単一のドライブを利用するだけだ”。

このアプリが現在サポートしているクラウドストレージサービスは、Google Drive、OneDrive(元SkyDrive)、Dropbox、Box、SugarSync、そしてAmazonのCloud Driveだ。最初にそれらのアカウントをアプリに教えてやると、それらの契約量と実際の残りスペースの量をアプリが逆に教えてくれる。また、バックアップしたいファイルタイプや、その際にWiFiだけを使う、などをアプリに対して指定する。

アップロード先の決定をCloudGOOにまかせると、上述のようにアプリ自身がストレージスペースの利用を最適化する。あるいは逆に、ファイルタイプ別にアップロード先をユーザが指定してもよい。

このアプリから直接、アイコンをタップして写真や音楽、ビデオ、ドキュメントなどにアクセスできる。またソーシャルサービスやメールで共有したり、それらのファイルをほかのクラウドストレージのアカウントにコピーすることもできる。

オフラインのアクセスもできるが、そのためのキャッシュのサイズはユーザが指定しておく。

CloudGOOは今、Google Playから有料でダウンロードできる。iOSバージョンはAppleの承認待ちだそうだ。

このアプリは、ストレージサービスが入門ユーザ用に無料で提供している容量も、仮象のワンドライブへ取り入れる。それは、Google Driveなら今のところ15GB、Dropboxは2GBからスタートして、友だちなどを新規ユーザとして紹介すると最大16GBまで増える。私もどさくさでついでに。:-P

これまでは、無料アカウントの容量では足りないから有料に鞍替えしていたのだが、こうやって無料を寄せ集めて大容量を作れる。また私などは、ありとあらゆるサービスのユーザになってしまい、ついに、どのファイルがどこにあるか分からなくなってしまうのだが、そんなユーザにも、この仮象ワンドライブ主義はありがたい。CloudGOOは、そう、名前は良くないけど、99セント払ってダウンロードする価値は十分にある。

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Googleのクラウド・コンピューティングとクラウド・ストレージの新料金表

今日(米国時間3/25)サンフランシスコで開催されたGoogleのクラウドプラットフォーム・イベントで、ほとんどすべてのクラウド・サービスの料金の大幅値下げが発表された。また料金体系の簡素化や自動的に適用される長期利用割引などの新しいシステムも導入された。

Google Compute Engineは上の表のように、すべてのサイズ、リージョン、クラスで32%料金が引き下げられた。App Engineの料金も30%引き下げられ、料金体系の簡素化が図られた。

クラウド・ストレージの料金は68%値下げされて1GBあたり月額0.026ドル、DRAストレージの場合は1GBあたり0.02ドルとなった。Googleによれば、この料金は4500TBを専有するユーザーに適用されたいた大口割引よりもさらに安いという。

今日はクラウドSQLやクラウドDBなど、他のクラウド・ストレージの料金についての値下げ発表はなかったが、おそらく近日中にこれらも値下げされるか、あるいは今回値下げされたストレージに統一されるだろう。

長期利用割引を考慮に入れなくても新料金は多くのライバルより安い。予約インスタンスなど一部ではAmazonのEC2の料金をも下回るものとなった。

【中略】

これまでGoogle、Amazon、Microsoftは互いに相手の動向をうかがってクラウドサービスの料金を決めてきた。Googleの大幅値下げ攻勢で、これらライバルも値下げに動くことになるだろう。Amazonは今週サンフランシスコでAWS Summitカンファレンスを開催するが、どういう発表があるか注目だ。

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Google Drive、激値下げ―1TBが月額49.9ドルからなんと月額9.99ドルに

今日(米国時間3/13)、GoogleはGoogle Driveオンライン・ストレージの料金を大幅に値下げした。最初の15GBまで無料なのは従来通りだが、100GBが従来の月額4.99ドルから1.99ドルになった。.

もっと驚きなのは、1TBが月額49.99ドルからわずか9.99ドルに値下げされたことだ。

さらに大容量が必要であれば、10TBが月額99.99ドルでさらに10TB単位で容量を増やせる。つまり30TBなら月額299.99ドルということになる。

ほとんどの個人ユーザーにとって1TBは、たとえ高精細度の写真を大量に保存しているとしても、十分な容量だろう。このストレージはGoogle DriveだけでなくGmail、Google+の写真とも共有される。

新規の契約はこちらから。Googleのによれば、既存のユーザーについては特に新たな手続きすることなしに自動的に新料金が適用されるという。

Googleの今回の料金引き下げはライバル各社に強烈な衝撃となる。たとえば現在Dropboxは100GBについて月額9.99ドルの料金を設定している。. またMicrosoftのOneDriveの有料プランでは最初の7GBが無料、50GBが年額25ドル、100GBが年額50ドルだ。ただしGoogleは私の知る限りでは年額プランは提供していない。

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Dropbox、2.5億から4億ドルの巨額資金調達―エンタープライズ市場でライバルを先制攻撃へ

Dropboxは100億ドルの会社評価額で2.5億ドルから4億ドルの資金調達を行ったもようだ。Wall Street JournalRe / codeの記事によれば、 その理由として考えられるのは、Dropboxは昨年ビジネス向けにプロダクトを全面的に作り直しており、今年はこれを売っていく必要があるかという点だ。情報源によれば、Dropboxは現在の過熱気味のベンチャーキャピタル市場とDropboxへの高い関心から最大限有利な資金調達を試みたのだという。

調達した資金は他のテクノロジー企業からトップクラスの人材をスカウトしたり有力スタートアップを買収するのにも役立つ。しかし現在のDropboxにとってもっとも重要なのはBox、Google Drive、Microsoft SkyDrive、Amazon WorkSpacesといった強力なライバルに大企業ユーザーをさらわれる前に先制攻撃してシェアを確保することだ。

Dropboxの急成長

Dropboxは当初個人ユーザー向けの手軽なクラウド・バックアップ・ツールとしてスタートした。「あなたのファイルをどこにでも」がそのキャッチフレーズだった。AK-47を構えた恐竜がサメにまたがり、その背中にハゲワシが止まっているイラストがマスコットだった。Dropboxはサンフランシスコの本社ロビーにわざわざそのTレックスの像を作って飾っていた。この時期のDropboxには企業向けにセキュリティやスケーラビリティーを真剣に売り込むつもりがあったようには見えない。

しかしユーザーにギガバイト単位で無料のストレージを提供する戦略が功を奏し、Dropboxは口コミでテクノロジーに強い個人ユーザーの圧倒的な支持を得るようになった。2012年12月にはユーザーが1億人を突破、その1年後には2億人となった。また明るい社風が幸いしてGoogleのPythonの父であるGoogleのGuido Van RossumFacebookのベテラン・デザイナー、Soleio Cuervo、Rasmus Anderssonなどのビッグネームのスカウトにも成功した。

しかしわれわれは1年前に企業ユーザーから 「Dropboxはにはビジネス利用に必要なアクセス管理やセキュリティ機能がない」という声を聞いていた。つまり社員の誰がどのファイルにアクセスし、ダウンロードしたのかなどを確実にモニタする機能などがまだ欠けていた。.

そこで1年前からDropboxはサービスのアーキテクチャをビジネス利用に耐えるように全面的にアップグレードするという野心的な試みに乗り出した。これはユーザーが同一アカウント内から新しいエンタープライズ向けサービスと従来の個人向けサービスの双方にアクセスできるようにすることを目的としていた。.

2013年11月に共同ファウンダー、CEOのDrew Houstonが新しいDropbox For Businessを発表した。Houstonはここで業務用ファイルとプライベートなファイルの双方に同一アカウントでアクセスできる点や強力なアクセス管理と共有管理機能をアピールした。また社員が辞めたり異動した場合にその社員がアクセスできるすべてのデバイスからファイルを一括削除できる機能も追加された。

このDropbox For Businessは今年前半には一般公開されるという。個人ユーザーには圧倒的な人気を誇るDropboxだが、何千人ものアカウントを必要とする大企業に1人年額175ドルで新サービスを売り込むのは大事業だ。大量のセールス部隊が必要になるだろうし、当然大量の資金が必要になる。

ベンチャーキャピタル市場は過熱状態

Dropboxにとって幸運なことに、PinterestUberの億単位の巨額資金調達をみてもわかるように現在の資金調達の環境はきわめて良いFacebookの株価が復調し、Twitterの大型上場が成功したことも資金市場を過熱させている。一方、Dropboxの内情に詳しい情報源によると、同社はエンタープライズ向けクラウドサービスのライバル、Boxの急成長に極めて警戒を強めており、「鉄は熱いうちに打て」とばかりにこのチャンスを生かして最大限の資金調達を試みたのだという。

Wall Street JournalのDouglas MacMillanRe / code’sの Liz GannesによればDropboxはBlackRockがリードし、既存投資家が参加したラウンドで2億5000万ドルの調達を完了したという。さらにDropboxは大手ミューチュアル・ファンドのFidelityとT.Rowe Pricemayから追加の1億ドルから1.5億ドルを引き出す可能性がある。

この一連の資金調達の結果、Dropbox の調達総額は5億700万ドルから6億57 00万ドルとなる。

金を稼ぐには金を使わねばならぬ

潤沢な資金の確保に成功した後、緊急に必要なのはセールス能力の拡充だ。

これには実績あるセールス担当幹部のスカウトが近道だ。すでに2012年にSalesforceの営業部隊を10年にわたって率いてきたKevin Eganをスカウトしている。また最近ではビジネスソフトの有力ベンダーなどサードパーティーとの提携を強めるためにビジネス開発チームを強化し、Facebookのモバイル提携の責任者、Henri Moissinac、Spotifyの提携業務担当幹部、Tom Hsiehを採用している。

また今回の資金は将軍を雇うだけでなく大量の歩兵を雇うためにも必要だった。Dropboxは2013年に200人から500人へと拡大した。今後はさらに拡大の速度を速めるだろう。

しかしエンタープライズ市場で成功するためには、前述のように、まずBoxとそのカリスマ的リーダー、Aaron Levieと戦わねばならない。Boxのビジネスユーザーはまだ20万社にとどまっているものの、Boxはセキュリティとアクセス管理の面でエンタープライズ・ユーザーから高く評価されている。それがBoxがProcter & Gamble、Nationwide Insurance, LinkedIn, MTVなどのビッグネームとの契約に成功した理由だ。Dropbox(上)とBox(下)のホームページを眺めただけでも両者がどのようなユーザーを主たるターゲットにしているか想像がつくだろう。

DropboxはまたGoogle Driveとも競争しなければならない。Googleは他のエンタープライズ向けサービスとの緊密な統合を約束できるという強みがある。またMicrosoft’s Officeを中心に業務が組み立てられている場合、SkyDriveはには優位性がある。Amazon WorkSpacesはAmazon Web Services(AWS)をバックにしている。Dropboxのような独立のサービスにとってはいずれも手強いライバルだ。

また先週起きたようなシステムダウンを防がなければはビジネスユーザーを遠ざけることになる。

DropboxのCEO、Drew Houston

DropboxはMailboxの買収を買収したが、同時にもっと小さいチームEndorseSnapjoySoldなども傘下に収めてきた。数億ドルの資金を得た以上、M&Aでも積極的な動きが予想される。Dropboxが現在のサービスの穴(たとえば複数ユーザーのリアルタイム共同作業)を企業買収で素早く埋めることができればユーザーにとっての魅力が増すだろう。

昨年われわれはDropboxが2014年に上場すると予測した。しかし上場は時間のかかるわずらわしい手続きであり、共同ファウンダーのHoustonとFerdowsiがニューヨーク証券取引所で取引開始の鐘を鳴らすときに株式市場の情勢がどうなっているかも分からない。Dropboxが現在できるだけ多額の資金を集めているのは賢明な戦略といえる。

[I画像:Ariel Zambelich/WiredJDLasica]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


クラウドストレージのSugarSync、フリーミアムを捨て有料アカウントモデルへ

SugarSync。クラウドストレージに長く厳しい戦いを続けた剣闘士は、金に走る決断を下した。同社は今日(米国時間12/10)、「有料のみ」のサービスモデルに移行し、無料ストレージを廃止すると発表した。現行ユーザーは引き続きファイルのアクセスが可能で、料金の大幅なディスカウント ― 条件によって最大75% ― が受けられる。

「今後無料ストレージは永久に提供しない」とCEO Mike Grossmanは言った。「SugarSyncはこの分野の他社とは異なり、単なるファイルストレージ以上のことを数多くやっている。今後は、プロシューマーやスモールビジネス向けに、当社独自のマルチ同期機能を通じて過去に類を見ないデータの制御と柔軟性をもったプレミアムサービスを提供する」

これは要するに、ビジネス顧客を増やしたいという意味だ。ライバルのBoxやDropboxGoogle Driveは言うに及ばず ― らは間違いなく一般クラウド市場を埋めつくしている。 SugarSyncがピボットするのはそれが理由だ。

無料アカウントは2014年2月8日に終了するが、ユーザーは90日間5GBまたは30日間60GBのトライアルに登録することができる。しかし、無料ストレージを使い続けさせるのではなく、SugarSyncはできるだけ早くユーザーを収益化しようとしている。

「この分野には無料ストレージを配っている会社がたくさんいるが、殆どの会社は存続できないだろう。われわれはすでに堅牢な財務状態を確保しており、今回の変更は当社の事業をさらに強化するものだ」とGrossmanは言った。数十GBが無料で使えるのが当たり前の時代に、主要プレーヤーによるこの行動は実に興味深い。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


予備キーデータのクラウド保管サービスを展開するKeyMe、複製鍵の1時間配達サービスを開始

8月にKeyMeというスタートアップの記事を掲載した。家の鍵をスキャンして、錠前屋で利用できる形式のデータとして保管しておくというものだった。鍵をなくしてしまったときには、すぐに新しいものを作ることができる。このKeyMeが、ニューヨーク在住者向けに、新しい鍵を1時間以内で届けるという新サービスを展開している。もはや鍵をなくして締め出されるということを心配する必要もなくなるわけだ。

鍵が届くまでの60分間、一緒に住んでいる相方が帰ってくるのをイライラと待ち続ける必要もなく、のんびりと近くのバーなどで過ごしていることが可能になった。

この新サービスを展開するため、KeyMeは車内に鍵を削り出すための機械を持っている錠前屋との提携を行っている。匿名性を担保するため(家の鍵を持っている他人に、正確な住所を教えることには少々問題があるだろう)、住所はだいたいのものしか伝えられない。鍵を準備して近くまできたときに持ち主に連絡し、そしてどこか別の場所で待ち合わせて鍵のやり取りを行う仕組みだ。

「自宅前での受け渡しでは問題になると思うのです」と、ファウンダーのGreg Marshも言っている。

このデリバリーサービスの提供はまずマンハッタンにて行われる。ニューヨーク州内では他4都市でも提供を開始する予定だとのこと。次に対応するのはボストンの予定で、最終的にはアメリカ中で提供していきたいと考えているそうだ。

Marshによると、8月にサービスを開始してから数万件の鍵データが登録されるようになったとのこと。しかも、その中で無視できない数の人が実際に鍵の複製を行っているとのことだ。

「10週間ないし14週間程度の間に、利用者の5%程度の人が閉めだされてしまったという話です。これだけの人が閉めだされてしまっているわけですから、KeyMeのサービスがきっと役立つだろうと思うのです」とMarshは主張している。

確かにそれなりのニーズがあるようだ。ニューヨークのセブン-イレブン5店舗(およびBed, Bath & Beyondも1店舗)には、KeyMeのデータに基いて鍵を作成する機械が設置されている。機械設置店舗は来年にはニューヨーク以外にも広げていく予定なのだそうだ。但し、ハードウェアを設置する必要があるわけで、規模拡大も爆発劇なペースでということにはならないようだ。

KeyMeは鍵の複製マーケットなどでのシェア獲得を目指して活動中だ。今のところは鍵データのクラウド保管サービスの規模拡大を重視していく方針だ。そちらのサービスであれば、利用者の居住地域によらないサービス拡大を目指すことができるからだ。

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(翻訳:Maeda, H


容量無制限のクラウドストレージBitcasaが日本での展開を本格的に開始

2011年の本家TechCrunch Disruptに出場し、実現可能なのか!?と話題になったスタートアップBitcasaが本日から完全に日本語にも対応した上、東京にローカルキャッシュ機能を持ちファイルアップロードのスピードを向上させるなど日本展開を本格的に開始した。

Bitcasaは月額10ドル(年間99ドル)で無制限の容量を手に入れられるクラウドストレージサービスだ。Dropboxの容量が年間99ドルで100GBということを考えると、Bitcasaの気前の良さに驚く。

しかしながら、普段使っているパソコンやスマートフォンの容量を見てみるとパソコンで数百GB、スマートフォンで数十GB程度で(もちろん、職種によっては数TBの人も居ると思うが)、そのうち、クラウドストレージに保存するのは数GBで十分というユーザーも多いだろう。

だが、米国の調査会社ガートナーによると一般世帯のデジタルコンテンツの保存料は2016年までに3.3TBにまで増加すると予想されており、そのデータ量をデバイスを買い替えるごとに転送することは非効率的だと言える。このような将来的な需要も見越してBitcasaは無制限ストレージを構築しているのだろう。

では実際にどのような技術を用いて無制限の容量を実現しているのだろうか。TechCrunch Disrupt出場時にCEOのTony Gaudaが語ったところによれば、参考にしているのはConvergent Encryptionと呼ばれる論文だという(暗号化界では有名らしい)。

(僕を含め)素人には到底理解できない論文であるが、いくつか重要なポイントを抑えておこう。例えば、Bticasaフォルダに映画を保存するとクライアント側でデータを暗号化しクラウドへデータを送る。この時にBticasaは他のユーザーがアップロードしているデータの中で重複したものが無いかをチェックする。もし、重複したものがあれば映画はBticasa上にアップロードされることはなく、重複したものが無ければアップロードされるという仕組みだ(もう少し詳しく知りたい方はこちらの記事を参照していただきたい[1] [2])。

このように重複したデータを排除するとユーザーごとの固有データは25GB程度だとTony Gaudaはいう。彼によるとユーザーのデータの60%は複製であるから、月額10ドルで無制限ストレージを提供できるそうだ。これが低価格の理由というわけだ。

なお、本日から日本、およびアジアでの発売を記念して年間79ドルで利用できるプロモーションコードも用意されている「ASIA20」。Bitcasaはブラウザ、iOS、Android、Windoowsで利用できる。


GoogleのCloud Storage, これからは全データを自動的に暗号化

今日を皮切りに、GoogleのCloud Platform上のユーザデータはすべて自動的に暗号化される。同社のCompute EnginePersistent DisksScratch Disksはすでにデータがすべて暗号化されていたが、同社の今日の発表ではGoogle Cloud Storageのデータもすべて、128ビットのAdvanced Encryption Standardで暗号化される。

今日の発表でGoogleは、次のように説明している: “各オブジェクトのキーも、そのオブジェクトのオーナーに結びつくユニークなキーで暗号化される。さらにこれらのキーは、定期的にローテーションされるマスターキーの集合のどれかを使ってさらに暗号化される”。デフォルトでは、データのキーをGoogleがユーザに代わって管理するが、ユーザはデータをCloud Storageに書き出す前に独自に暗号化してもよい。暗号のセキュリティについて神経質な人は、Googleにキーの保存と管理を任せるのは不安だろう。しかしGoogleは曰く、“Googleが自社の暗号化データに対して用いているものと同じ、強化されたキー管理システムを使って、厳しいキーアクセスコントロールと監査を行う”。

この暗号化は新たに書き込まれるデータに対しては今日から有効だが、前からあるオブジェクトに関しては“今後数か月内に”暗号化を行う、という。

なおAWSのクラウドストレージS3は、2011年ごろから256ビットのAdvanced Encryptionによるサーバサイドの暗号化を提供している。またセキュリティ基準がより厳しい企業や政府機関など向けにAmazonは最近、専用ハードウェア(高価!)によるHardware Security Moduleを導入して、Amazonのクラウドにおける機密データや暗号キーの管理を行っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google Cloud Storage, アップデートでAmazon S3と肩を並べる–Object Lifecycle Managementの導入など

Googleが今日(米国時間7/22)、同社のCloud Storageサービスの新たな機能を3つ発表してAmazonのWeb Services(AWS)に機能的に接近してきた。AWSのS3と同じく、GoogleのCloud StorageもこれからはObject Lifecycle Management(オブジェクトライフサイクル管理)を提供してオブジェクトを削除するタイミングを指定できるようになり、またストレージとCompute Engineの間のレイテンシを減らすためにファイルをどのリージョンに保存するかをデベロッパが指定できるようにした。

以上の機能はまだ実験段階だとGoogleは言っているから、Google Cloud Storageの通常のSLA(サービスレベルアグリーメント)は適用されない。

Googleは曰く、ユーザがDurable Reduced AvailabilityのCloud StorageバケットとCompute Engineのインスタンスを同じリージョンに置くことは、両者が同じ“ネットワークファブリック”を共有することを意味する。これによってレイテンシが減り、きわめてデータ集約的なアプリケーションのための帯域が増大する。Googleが合衆国で提供しているリージョンは複数あり、ユーザは任意に選べる(East 1-3、Central 1、2、West 1)。

しかしながら、Googleによれば、ユーザはこれからもデータを合衆国でホストするかEUでホストするかを任意に指定でき、またデータを複数のリージョンに分けて置くこともできる。ユーザのアプリケーションが、コンテンツの配布が主で、コンピューティングが少ないなら、このやり方のほうが良い、とGoogleは言っている。

Object Lifecycle ManagementによってGoogleは、AWSのユーザにとっては長年おなじみだった機能を提供する。すなわち、デベロッパはファイルの期限切れルールを指定でき、期限切れになったら自動的に削除させられる。これらのルールはGoogleでもAWSの場合と同じく、簡単なXMLドキュメントで管理し、全体的な機能もAmazonのサービスと趣を一にしている。

さて、第三の新機能は、複数の大きなオブジェクトを並列でアップロードするGsutil 3.4により、ファイルのアップロードが速くなったことだ。今回のアップデートでは、複数の大きなファイルを自動的に複数の接続上でアップロードすることにより、TCPのスループットを上げる。この機能は自動的に有効になるので、デベロッパが自分のワークフローをあれこれいじる必要はない。また、並列アップロードでも不十分なぐらいデータが多すぎるときには、ハードディスクをGoogleに送れることを、忘れないようにしよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Googleドライブのパワーユーザー向け高機能デスクトップクライアントのInsyncがいよいよ製品版を公開

Insyncは高機能なGoogleドライブのデスクトップ・クライアントだが、今日(米国時間3/26)、ベータを脱してMac版とWindows版の製品版をリリースした。

アップデートされたクライアントには多数の新機能(もちろんオリジナルのGoogleドライブにもない機能)が追加されている。その中には複数のGoogleアカウントのサポート、フォルダやファイルの選択同期、デスクトップへの通知、Googleドライブ以外のネットワーク・ドライブのサポート、柔軟な共有オプションなどが含まれている。

Insyncはシンガポールとフィリピンに本拠を置くスタートアップだが、当初はGoogleユーザー向けのDropboxに似たサービスを目指していた。当時GoogleドライブはGoogleドキュメントと呼ばれており、まだ本格的なクラウド・ストレージ機能を備えていなかった。しかしその後Googleはドライブにデスクトップクライアントを用意してDropbox風のサービスを自ら提供するようになった。そこでInsyncは方向を変えてGoogleのクライアントにまだない機能を開発し始めた。

「開発中にわれわれは非常に多くの人々がこういう機能を望んでいることに気づいた」と共同ファウンダー、CEOのTerence Puaは語る。 2008年にInsyncを創業するまでPuaはフィリピンのFriendsterを運営していた。

ユーザーのターゲットはGoogleドライブのパワーユーザーで、右クリックでフォルダやファイルの共有を開始できる機能も備えられている。その他フォルダやファイルの選択的同期などパワーユーザーが必要とする機能が多数ある。さらにギークな機能としてこの1.0にはシンボリック・リンクやエイリアス機能が含まれている。Puaは「これによってユーザーはInsyncのフォルダにいちいちドラッグアンドドロップでファイルやフォルダを移動することなくフォルダ階層を保ったままで利用できる」と説明する。

今回発表されたv1.0はMac版とWindows版で、Linux版はまだv0.9だという。しかしこれも近くリリースされる予定だ。Insyncは現在各プラットフォーム合計で数十万人のベータ・ユーザーがおり、その40%はGoogleAppsを利用しているビジネス・ユーザーだという。

今回の製品版のリリースにともなって料金も発表された。すべての機能が利用できるプロ・プランは9.99ドルの1回払い、数週間後に発表予定のビジネス・プランには企業のIT部門が利用状況をひと目で把握でき、社員別のアクセス管理ができるダッシュボードや優先サポート、 高度な検索などの機能が付加される。

Puaは「われわれの目的は単にGoogleドライブのクライアントを開発することではない。高度なクラウド・ストレージ・サービスの構築にある。ドライブのクライアントは第一歩にすぎない」と語る。

Insyncは2011年1月に80万ドルのエンジェル資金を得た。2009年にはad Reid Hoffman(LinkedInのファウンダー、CEO)、Tovio Annus (Skypeの共同ファウンダー)、Joi Ito(ネオテニーのファウンダー)、Santosh Jayaram(Twitterの元ビジネス運営担当副社長)らの投資家から30万ドルの.シード投資を受けている。

共同ファウンダーのMarte Solizaを含めてInsyncの社員は現在9人 で人材を募集中だ。

Insync 1.0はこちらからダウンロードできる

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+