事業者向け卸仕入れマーケットプレイス「orosy」のスペースエンジンが1.8億円のプレシリーズA調達

事業者向け卸仕入れマーケットプレイス「orosy」のスペースエンジンが1.8億円のプレシリーズA調達

D2Cブランドやクラフト商品など、通常の卸では入手しにくい独自性の強い商品を簡単に仕入れられる業者向け卸仕入れマーケットプレイス「orosy」(オロシー)を運営するスペースエンジンは7月21日、プレシリーズAラウンドにおいて、第三者割当増資による総額1億8000万円の資金調達を実施したことを発表した。引受先には、SIG Japan Fundをリードインベスターに、Light Street Capitalパートナーのガーラブ・グプタ(Gaurav Gupta)氏、STRIVE、G-STARTUP、そして既存投資家のCoral Capital、ANOBAKA、Plug and Play Japanが参加している。2018年創設以来の累計調達額は3億4000万円となった。

事業者向け卸仕入れマーケットプレイス「orosy」のスペースエンジンが1.8億円のプレシリーズA調達

通常の問屋では扱わない個性的で高感度な商品を、大手小売店舗・地方の個人商店・EC事業者に提供するorosyは、商品提供のほかにも、契約書作成や口座管理、時間のかかる仕入れ作業などを代行し、支払いを1本化してくれるというサービス。現在は、取り扱い商品1万点、利用店舗は500店にのぼっている。今回の資金は、「海外事例を知る投資家から知見を得る」ための取り組み、「orosyの事業成長の核であるテクノロジー強化に向けたエンジニア採用」「サービス認知拡大のためのマーケティング」に使われるという。

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無料「コーヒー診断」で好みのコーヒー豆を届けるサブスク「PostCoffee」運営元が1.5億円を調達

無料「コーヒー診断」で好みのコーヒー豆を届けるサブスク「PostCoffee」運営元が1.5億円を調達

好みのコーヒーを診断しコーヒー豆を届けるサブスクリプション・サービス「PostCoffee」(ポストコーヒー)を運営するPOST COFFEEは7月13日、第三者割当増資による1億5000万円の資金調達を2021年6月に実施したことを発表した。引受先は、既存株主である三井住友海上キャピタル、サムライインキュベートが運営するファンド、これに新規株主としてハリオ商事が加わった。

PostCoffeeは、2020年2月にローンチしたサービス。ベータ版からの会員数は約25倍に増え、オンラインでできる「コーヒー診断」の診断回数は30万回を超えた。2021年6月には、Instagramの「#PostCoffee」タグのついた投稿が1万件を突破している。

提供されるコーヒーはすべてスペシャルティコーヒーで、「常時30種類以上のラインナップ」とのこと。代表取締役の下村領氏は、スタートアップだからこそできる、今まで「コーヒー屋が足を踏み入れることができなかった」領域で、「コーヒーの再定義」に挑戦すると話している。「ライフスタイルを進化させる」というミッションのもと、日常においしいコーヒーを届けることで、生活がより豊かに楽しく進化すると信じているという。

今後は、「デジタルとリアルをシームレスにつなぐプロダクトの機能拡充、新規事業開発、そのための組織体制強化」を進めるとのこと。新たに引受先に加わったハリオとは、「コーヒー周辺器具の商品開発、おうちコーヒーを広めるための協業」を開始すると下村氏は話している。

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EC基幹システム「ecforce」やD2C運営支援を手がけるSUPER STUDIOが18億円調達、事業・人材採用を強化

EC/D2C運営を支援するSUPER STUDIOが第三者割当による18億円の資金調達を実施

ECプラットフォーム「ecforce」(イーシーフォース)のほか、独自ノウハウ・ビッグデータ・AIを活用したD2Cコンサルティングを行うSUPER STUDIO(スーパースタジオ)は6月9日、第三者割当増資による総額18億円の資金調達を発表した。引受先は、ALL STAR SAAS FUND、Pavilion Capital、SMBCベンチャーキャピタル、アカツキ「Heart Driven Fund」、みずほキャピタルの5社。

新型コロナ禍の中、ECやD2Cの需要が高まり、これまでオフラインがメインだった領域にもEC活用が進んでいるという。しかしD2Cでは、ブランディング、マーケティング全般、製造、物流、梱包材の調達などを含むサプライチェーンの構築、コールセンターでの顧客対応など「あらゆる領域のマネージメント」が求められる。「従来のメーカー運営ではあまり重要視されてこなかった要素が事業成功の鍵となることもあり、これらを実現するためには非常に多くの知見と人的資源が必要となります」とSUPER STUDIOは話す。

同社は、これらの要素をワンストップで支援するecforce、さらに「マーケティングからサプライチェーンの構築を運用代行形式で支援」するオペレーティングおよびコンサルティング・サービス「ecforce teams」(イーシーフォース・ティームズ)の提供を行っている。そこでは、D2Cコンサルティングを通して学んだD2Cメーカー運営の経験が活かされている。

今回調達した資金は、「エンジニア / セールスを始めとした全職種で人材採用を強化」「より幅広い顧客へサービス提供するためのシステム基盤の開発」「タクシーサイネージ広告をはじめとしたマーケティング施策」「営業活動やサービス認知拡大施策の実施」を進めるとのこと。

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電動歯ブラシや3Dプリント製マウスピースを安価で提供するシンガポールの審美歯科D2C「Zenyum」

審美歯科をもっと手頃な料金で提供したいと考えるZenyumが、シリーズBで4000万ドル(約43億8000万円)を調達した。これには、非上場の消費者ブランドに投資をしているL Cattertonからの2500万ドル(約27億4000万円)が含まれている。この投資ラウンドに参加したその他の投資家は、Zenyum自身がそのアクセラレーター事業Surgeに参加したSequoia Capital India、RTP Global、Partech、TNB Aura、Seeds CapitalそしてFEBE Venturesなどとなる。L Catteron Asiaの成長投資部門のトップであるAnjana Sasidharan(アンジャナ・サシダラン)氏がZenyumの取締役会に加わる。

これでZenyumの調達総額は5600万ドル(約61億3000万円)になり、これには2019年の1360万ドル(約14億9000万円)のシリーズAが含まれる。発表声明でサシダラン氏は「Zenyumはビジネスモデルを差別化して、競争で優位に立つことができました。成長意欲の強い創業者たちの経営チームも、投資家にとって心強い」と述べている。L Catteronが投資している歯科関連の企業には、他にIdeal Image、ClearChoice、dentalcorp、OdontoCompany、Espaçolaser、そして98point6などがある。

2018に創業された同社の製品には、電動歯ブラシ「ZenyumSonic」や3Dプリントで作った透明なアライナー(マウスピース)「Zenyum Clear」、もっと複雑な矯正が可能な「ZenyumClear Plus」などがある。

創業者でCEOのJulian Artopé(ジュリアン・アルトペ)氏によると、アライナーであるZenyum Clearはその他の矯正器よりも最大で70%安いという。患者の歯の状態や彼らの希望により、これまでは金属製や舌側矯正器、Invisalignのような透明なアライナーなどが使われてきた。Zenyum Clearは約1800ドル(約19万7000万円)、ZenyumClear Plusは2500〜3000ドル(約27万4000〜32万8000万円)弱というお値段だ。

同社の透明アライナーが実質的に低価格なのは、技術力のある歯科医や歯科技工士のパートナーのネットワークがあり、患者があちこちのクリニックを訪ねなくても済むからだ。

患者はまず自分の歯の写真をZenyumに送り、ZenyumClearやZenyumClear Plusが有効かチェックしてもらう。OKなら次は歯科医の面接検査となり、X線検査や3Dスキャンが行われる。その費用90〜130ドル(約9400〜1万2400円)はクリニックへいく。透明アライナーが完成すると、患者は再び歯科医へ行き、装着してもらう。その後歯科医は、Zenyumのアプリを使って患者の歯の状態の改善をモニターする。そのとき歯科医が患者にいうのは、もし問題があったらまた来てくださいということだけだ。

現在、ZenyumClearを利用できる区域はシンガポールとマレーシア、インドネシア、香港、マカオ、ベトナム、タイ、そして台湾だ。

Sequoia IndiaのトップPieter Kemps(ピーター・ケンプス)氏は次のように述べている。「Zenyumの主力市場である東南アジアと香港、台湾には3億の顧客がいます。彼らが美容に費やす可処分所得は日に日に増えています。透明アライナーへの支出も、今よりずっと増えるだろうが、しかし複雑な製品が消費者に選ばれるためには強力な業務実行体制が必要です。その点で優れているのがZenyumです。実行体制は優れており、新製品も強力、NPSもこのクラス最高です。成長力はあるし、経済も好調、シリーズBがそれを証明しています。この先には、もっと大きな商機があることも確実です」。

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カテゴリー:ヘルステック
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画像クレジット:Zenyum

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(文:Catherine Shu、翻訳:Hiroshi Iwatani)

今、米国で盛り上がるD2Cソフトウェア、Z世代のAlloy創業者インタビュー

本稿は毎週月曜日に配信する米国の次世代ブランドやリテールテック、ニューラグジュアリーにフォーカスしたニュースレターとポッドキャスト「Cereal Talk投稿の転載記事となる。

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米国のECソフトウェア事情やAlloyの自動化、そして今流行っているD2C業界のトレンドについてAlloy AutomationのCEOのSara Du(サラ・ドゥ)さんにお話を伺った。

盛り上がる米国D2C業界を支えるソフトウェア

米国ではD2C企業の資金調達が減少気味ではあるが、まだまだ新しいブランドが立ち上がっている。同時にNikeやadidasなど大手小売もD2C化を本格的に行なったり、新型コロナによりECが主流になったことで、ECソフトウェア企業の需要が増加している。

スタート時はShopifyだけを活用しても問題ないかもしれないが、ほとんどのD2C企業が同じソフトウェアを使っているため、優位性をつくるのは難しい。現在、サイトやブランド、ECの体験を改善するツールが出てきているのは、少しでも他社との違いを作り出すためだ。そのため、どのD2Cブランドやオンラインリテーラーも自社に適したテックスタック(複数のテクノロジーの組み合わせ)を構築する必要がある。ただし、ソフトウェアをそれぞれ運営するのは大変なため、ECインフラの連携・自動化の需要が今後高まっていくはずだ。

画像クレジット:Bain Capital Medium

このトレンドは、2020年あたりから米国で盛り上がり始めた。多くのブランドは自動化ツール「Zapier」などを活用していたが、最近だとEC向けの自動化ツールも出てきている。その中でも最も注目されているサービスの1つがEC自動化プラットフォーム「Alloy(アロイ)」だ。Alloyは、Yコンビネーター2020年冬バッチに参加し、2021年2月には、BainCapital(ベインキャピタル)やAbstract Ventures、Color Capital「Shippo」の創業者などから400万ドル(約4億3000万円)の調達を発表。代表のサラ・ドゥさんはなんと20代前半という新世代の起業家だ。

新型コロナ後のD2CスタートアップへのVC投資事情

2018年がD2Cブランドへの資金調達のピークだった。2020年に上場したマットレスブランド「Casper」の株価も大幅に下がったため、D2C業界への投資が減少すると思われていた。実際に下記の図からわかるように、2020年のD2Cブランドへの合計資金調達額(1月〜9月)を見ると、2018年や2019年よりも下がっている。しかし、予期せぬ新型コロナの影響でEC需要が再熱し、投資家がまた興味を持ち始めている。

画像クレジット:Retail Dive

新型コロナの影響で、シリコンバレー全体での資金調達も一時的に止まったが、その後、EC率が大きく上がり、ECインフラを準備していたD2Cブランドが大手小売よりも大幅に伸びた。個人的に投資している低アルコール飲料ブランド「Haus」も前年比で780%成長、フェイクミートを活用したチキンナゲットを提供する「NUGGS」は、800万ドル(約8億7000万円)の売上を達成。そしてNikeなどもD2C戦略へシフトさせたことで2020年では全体売上の35%がD2Cチャネルからのものだった。

Business Insiderによると、過去5年間最も多くのEC系の投資を行なったVCの多くは長期的にEC市場が伸びるため、投資を続けるという。そんな中、ブランドだけではなく、D2Cブランドを支えるツールへの投資にフォーカスし始めている投資家も増えている。

ECインフラのソフトウェア「Shopify」の急成長

D2CやECの成長により、最も活躍したサービスといえばおそらく「Shopify」だろう。EC業界のトップであるAmazonに対抗して、Shopifyが唯一同等レベルのプラットフォームになり得るサービスだと思っている。それと同時に、クリエイターエコノミーの爆発的な成長も味方にし、インフルエンサーや一般の人でも販売を行う需要が増えた。

画像クレジット:Chartr

Amazonが全体のEC市場の39%のシェアを占めている中、Shopifyは2位の9%にまで成長した。その成長は、このまま続いてもおかしくないものだ。D2C企業に詳しいメディア「2PM」によると、トップ460社のD2C企業のうち、58.9%がShopifyを利用しているという。

画像クレジット:Web Smith Twitter

Shopifyの良さは、簡単にオンライン店舗を作れるだけではなく、2020年5月時点では4200アプリと連携している点で、80%の加盟店が第三者のアプリと連携していたと発表している。顧客獲得ツール、購入後の体験サービス、アンケートアプリ、配送サービスなどさまざまなアプリと連携できることによって、D2Cブランドは自分のプロダクトの販売とマーケティングに集中できる。Shopifyの成長により伸びたソフトウェア企業も多い。レビューサービス「Yotpo」やサブスクサービス「ReCharge」などがその代表例だ。3〜4年前と比べて、現在では10倍ほどのECソフトウェア企業が存在している。

画像クレジット:Red Sea Ventures

今回取材したAlloyのサラさんによると、コストを気にするD2C起業家が多いが、ある程度スケールし始めると必ずテックスタックを固める傾向にあるという。人を採用してマニュアルな作業を行うより、月額のSaaSプロダクトで1人で店舗を運営したほうがコスト的にも安いケースも多いため、初期でもソフトウェアを試すユーザーも多い。ただ、扱うソフトウェアが増える一方で、各ツールがバラバラで連携されてないため、全体的にツールを十分活用できている企業は多くないという。それを解決するのが自動化ツール「Alloy」だが、まだ新しい領域だとサラさんは語る。

ハーバード中退から起業、ストリートウェアブランドも運営するZ世代の起業家

画像クレジット:Sara Du

Alloyの創業者サラ・ドゥさんは高校生の時にLAに引っ越し、独学でプログラミングを学び始めた。当時、ハードウェア領域にも興味があり、舌を蓋につけると電気ショックで甘さを感じる「スマートコーヒーカップ」を開発した。これにより、Peter Thiel(ピーター・ティール)氏が行っている超難関といわれる若手起業家育成プログラム「ティール・フェローシップ」に選ばれた。そして、高校を飛び級で卒業し、ティール・フェローシップに採択されていたリーガルアシスタントサービス「Do Not Pay」にジョインした。当時、お金がまったくなかったサラさんは夏の間ひたすら知り合いの家を回り、ソファーで寝てたという。

その後、ハーバード大学に進学するが、そこでは東南アジアの歴史の勉強をした。1年が経ち、スタートアップのエネルギーが恋しくなった彼女は、Snapchatへインターンすることを決め、後に休学。大学時代やSnapchatにいた期間は、後にAlloyを一緒に立ち上げるグレッグさんといろいろなサイドプロジェクトを検証していたそうだ。10個ほどの失敗を続けたが、ずっとAPI連携できる開発者向けサービスには興味があったとサラさんはいう。Zapierをよく使っていたが、それ以外のツールを探した時に「Workato」などの自動化ツールを見つけた。そこで彼女は営業やマーケティングの自動化ツールが存在していると気づいたが、自分の思い描くツールや自分達のECショップを運営している友達や知り合いが求めているサービスが存在しなかったと理解した。サラさんは自分のストリートウェアブランドも運営していたため、ECオーナーとしてのニーズを理解していたのだ。

そこで2人は、誰でも安く使える自動化ツールが必要だと思い、開発を始めた。初期はECフォーカスではなかったが、後にEC向けにシフトした。

Product Huntへ投稿したら、WebflowのCTOから連絡がきた!

つまり、Alloyもサイドプロジェクトとして始まった。会社化したのは、当時Product Huntで働いていた友達が投稿するように薦められたのがきっかけだった。

画像クレジット:Product Hunt

Product Huntに投稿した翌日、好意的なコメントが数百件投稿されていた。その反響を受けて、サラさんはSnapchatでのインターンを辞めることを決意。「最悪、春には学校に戻れるし、インターン時代の給料を貯めていて、月次のバーンも低かったので、割とすぐにAlloyにフルタイムでコミットすることを決めた」と彼女はいう。この投稿から、後にシードラウンドをリードするベインキャピタルのケビン・チャンさんと繋がり、資金調達へ繋がった。そして、もう1人を見ていたのが、WebflowのCTOであるブライアント・チョウさん。たまたま投稿を見てAlloyを知り、エンジェル出資してくれたとのことだ。

著名VCからのフィードバックによるYコンビネーター2020のWinterに合格。Demo Dayはオンラインで、うまくピッチができるか迷いがあり、ステルスでもいたかったAlloyは、Demo Dayでピッチしないことを判断したという。

オンラインストアの運営作業を自動化するAlloy

Alloyは、オンラインストアの運営作業を一元管理して、細かいタスクの自動化を可能にするツールだ。現在、最新ツールがたくさんあり、オンラインストアの運営が複雑に、かつ手作業が多くなっているのが大きな課題だ。Alloyは、オンラインストア運営の作業を自動化し一元管理することができる。

Alloy営業資料から引用

Alloyは具体的に5つのカテゴリーの自動化にフォーカスしている。

  • ロイヤリティ+顧客体験
  • フルフィルメント
  • オペレーション
  • サポート
  • マーケティング

Alloy営業資料から引用

他の自動化ツールでは深いAPI連携がされていないため、Alloyの方が細かいロジックを組めるのが特徴だ。例えば、定期購入販売を簡単に実装できるアプリ「ReCharge」と連携しているが、他社サービスだとReChargeを活用して顧客の定期購入した数に応じてのアクションが行えない。AlloyだとReChargeの定期購入の数まで把握できるため、10回以上定期購入したユーザーが問い合わせした際にプライオリティを付けたり、自動的に特別扱いの顧客メールを送る設定なども可能となる。

以下は在庫切れになった際にSlackへメッセージが飛ぶようにトリガーを作るフローの事例だ。

AlloyはReCharge以外にも90以上のアプリとすでに連携している。競合となるShopify Flowは、Shopify Plusの顧客でないと使えないし、そもそも30〜40ぐらいのアプリしかFlowでは連携されていない。そのため、今のところAlloyほど幅広く、そして深くAPI連携しているEC自動化ツールは存在しない。

Alloy営業資料から引用

Alloyはノーコードで自動化されたフローが簡単にビジュアライズされているため、誰でも簡単に作ることも可能だ。さらにShopify以外にもMagento、Big Commerce、ヘッドレスなど全体のECエコシステムのカバレッジがある。

実際にAlloyを活用している企業には、人気D2CブランドのOpte、Italic、Doe、そして大手ブランドのBaltimore Ravensなどがある。最近は大手ラグジュアリーブランドも使い始めたとサラさんは語る。

Alloy営業資料から引用

OpteはAlloyを活用して、毎週10時間以上手作業で行っていたデータハーベスティング作業を自動化して、年間240万円以上のコストを節約している。

業界を教育しながら長期的成長につながるコンテンツ戦略

まだ米国のD2C業界でも自動化のトレンドは、始まったばかりだ。Alloyは、2020年の多くはコンテンツ制作や教育を行って、ようやく業界が自動化のポテンシャルに気づいたという。特にコンテンツ制作の戦略はおもしろく、Alloyの長期的成長に繋がる試作ともいえる。Alloyには、自動化フローのテンプレを用意している専用サイトがある。各テンプレを「レシピ」と呼んでいて、アプリやカテゴリー(カート落ち、アナリティクス、カスタマーサポートなど)で簡単に検索ができる。

画像クレジット:Alloy Marketplace

これにより、誰でも簡単に自動化フローを作ることが可能になる。現在はより大きいクライアントがAlloyを活用している傾向にあるが、今後はよりセルフサーブにして中小企業でも業務の一部を自動化してより効率よく販売ができるかたちにしたいとサラさんは語る。サイトの「人気レシピ」の多くはベーシックなものだが、自動化しやすい、バリューが最もわかりやすいものとなっている。

画像クレジット:Alloy Marketplace

また、このレシピのマーケットプレイスをさらに価値を与えるために「Social Proof(ソーシャルプルーフ)」を追加したいという。「EC業界での重要要素はSocial Proof、いわゆる他社が何をやっているかを見ることです。だからこそAlloyの初期では、トップティアなShopify Plusブランドや有名D2Cブランドをクライアントとして獲得してきました。今後はItalicなど著名ブランドがどのレシピを使っているかを公開していくことで、業界が自動化のニーズに気づいてくれると思います」。

D2Cブランドのスケールをサポートするテックスタック

米国では、D2Cブランドがスケールし始めると、バックエンドのソフトウェアの管理や連携をするためにエンジニアを採用しているほど最新テックスタックの導入は普通のことだ。Glossierは、サイト製作やECプラットフォームの構築を行っていたデジタルエージェンシー「Dynamo」を5200万ドル(約56億3000万円)で買収し、自社のテック部門を強化した。

社内で数十名のエンジニアを抱えるほどテックスタックが整い始めているD2Cブランドとしては、使えるツールが増えるほど可能性は増えるが、同時に内部システムやロジック構成などが複雑になってくる。だからこそ、Alloyのような自動化ツールが必要になってくる。ECブランド向けにツールを開発しながら他のアプリとの深いAPI連携は、多くのブランドは絶対行わない。AlloyはAPI連携が優位性なブランドとなっている。Zapierも130万ドル(約1億4000万円)の資金調達しか行わなかったのに、50億ドル(約5418億円)の時価総額になった今、これからも「APIのAPI」の概念が他の業界で広がる可能性は高い。今後も注目するべき市場に間違いない。

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タグ:Alloy AutomationeコマースAPIShopifyインタビューD2C

(文:宮武徹郎 / @tmiyatake1、草野美木 / @mikikusano

B2B向けD2Cソリューション「BRANDIT」でファッション業界のDXを推進するBranditが2億円調達

B2B向けD2Cソリューション「BRANDIT」でファッション業界のDXを推進するBranditが2億円調達

自社生産・自社ECにおいてインフルエンサーを起用したD2Cブランド「TRUNC 88」、生産から物流までをワンストップで提供できるB2B向けD2Cソリューション「BRANDIT」を展開するBrandit(ブランディット)は4月12日、シリーズAラウンドにおいて、第三者割当増資による2億円の資金調達を実施したと発表した。同ラウンドにおけるリードインベスターとして大広と資本業務提携を交わし、新たにSMBCベンチャーキャピタル6号投資事業有限責任組合を引受先として迎え入れた。さらに、シード期からの既存株主であるDIMENSIONから3度目のフォローオンによるラウンド調達を実施した。

「顧客価値」を基点にした事業開発やマーケティングサポートを提供する大広が、その実績・ノウハウをさらに発展させ、eコマース事業の中でも特にD2C事業に関しての支援体制を強化・拡充していくことを受け、Branditの事業・ノウハウと掛け合わせることで幅広いクライアントに対するアプローチができると考え、資本業務提携を交わしたという。

D2Cブランドを展開するクライアントに対して、コミュニティ形成や販売支援などのファンマーケティングに基づく設計からEC構築に至るまでのサポート体制を確立し、ソリューション提供における連携を図るとしている。

さらにBranditは、事業拡大における経営体制・組織体制の強化を目的に、CxOを含む人材採用を積極的に行う。

2019年9月設立のBranditは、「Make Next Branding by Fashion Tech.」をビジョンに掲げ、D2CブランドやD2Cソリューション事業を通してファッション業界のDXを推進するスタートアップ企業。D2Cソリューション事業では、BRANDIT production、BRANDIT system、BRANDIT logisticsとして、「生産・EC・在庫管理・マーケティング/分析・ロジスティクス」の一気通貫サービスも実施している。

BRANDIT productionでは、自社オリジナルアイテムの企画・デザインをサポートし、小ロットでの生産による在庫リスクを軽減したアイテムの提案から生産を実現

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カート機能だけでなく、別々のツールで管理していた「受注」「原価」「各チャンネル別手数料」「販売開始日」「配送データ」「出荷売上」などの項目を一括管理できるECシステム「BRANDIT system」を運営

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BRANDIT logisticsでは、商品マスタ登録→商品の入荷→受注データの連携→商品の出荷→出荷データの連携→売上計上→在庫引当後の在庫管理という一連の流れを自動連携させることで大幅に工数を削減

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D2C乳幼児フードブランド「the kindest」を手がけるMiLが3億4000万円を調達

D2C乳幼児フードブランド「the kindest」を手がけるMiLが3億4000万円を調達

厳選食材を使い、高品質にこだわるD2C乳幼児フードブランド「the kindest」(カインデスト)を手がけるMiLは3月15日、総額3億4000万円の資金調達を発表した。引受先は、既存投資家のFutureFoodFund1号投資事業有限責任組合、長友佑都が代表を務めるCuoreなど。

調達した資金は、自社システム構築への投資、子育て領域における専門家の採用強化、サービス開発人材の採用強化に投資し、社内体制強化を図る。

the kindestは、心と身体に「ほんとうにやさしいもの」を届ける乳幼児向けのフードブランド。考える・調べる・つくる時間を、少しでも多く子どもと過ごす時間に当ててほしいと願い開発したという。2019年4月のローンチ以降、販売実績50万食を突破した。

同ブランドでは、子どもの成長に必要な栄養素に関する実証データに基づいた上で、小児科医、管理栄養士、シェフとともに仕入れや商品開発を行っている。着色料や保存料などの不要な添加物を使用せず、厳選した契約農家や工場が生産した安心安全な食材を使った商品を提供している。

2018年1月設立のMiLは、「食×ヘルスケア」を軸にヘルシーでエシカルな世界の実現を目指すスタートアップ。シェフや小児科医などのプロフェッショナルたちとチームを組み、実証データに基づいた商品・サービスの開発を行うthe kindestを展開している。「自分らしい人生を食から実現する」をミッションに掲げ、世界中で注目を集めているSDGsとエシカルへの取り組み、日本が築き上げてきた食文化やクラフトマンシップを大事にしながら、世界を代表するの食品ブランドを目指す。

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オリジナル診断による入浴剤を手がけるセルフケアD2Cブランド「DAY TWO」が3000万円を調達

オリジナル診断による入浴剤を手がけるセルフケアD2Cブランド「DAY TWO」が3000万円を調達

パーソナライズセルフケアブランド「DAY TWO」を運営しているFLATBOYSは2月12日、シードラウンドにおいて、第三者割当増資による総額3000万円の資金調達を発表した。

引受先は、BREW、石橋尚也氏(エンジェル投資家)、長尾卓氏(プロコミットパートナーズ法律事務所 代表弁護士)、野口卓也氏(バルクオム 代表取締役CEO)、渡辺一矢氏(エンジェル投資家)、株式投資型クラウドファンディング「イークラウド」の個人投資家など。

DAY TWOでは今後、ユーザーのセルフケア診断により共有した生活習慣データを基に、独自の成分や処方を製造し、ユーザーの習慣をより快適にするサービス体験を目指す。調達した資金は主に商品開発、マーケティング、人材採用の用途にあてる。

FLATBOYSは、「あなた専属のセラピストを。」をコンセプトに、入浴剤を起点としたD2Cブランド「DAY TWO」を運営。同ブランド第1弾プロダクトとして、パーソナライズ入浴剤「DAY TWO Epsom Salt」を2020年11月にリリースした。

DAY TWO Epsom Saltでは、LINEを利用したアンケートに答えると、心とカラダの状態に合わせて調合した入浴剤を購入できる。入浴剤のメイン素材は、国産100%および食品添加物グレードのエプソムソルトを採用。厚生労働省指定検査機関をはじめ、各専門機関による品質確認検査を経て製品化されているものという。

オリジナル診断による入浴剤を手がけるセルフケアD2Cブランド「DAY TWO」が3000万円を調達

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独Berlin Brands GroupがD2CとAmazon加盟店を約318億円で買収

D2C(消費者直接取引)事業の興隆が直近10年の大きなeコマーストレンドの1つであるなら、D2Cプレイヤーを統合するための巨大な資金を調達するスタートアップの成長は間違いなく2020年のテーマだった。

その最新の動きとして、Berlin Brands Group(ベルリンブランドグループ、BBG)というドイツのスタートアップは中小企業の買収・統合に2億5000万ユーロ(約318億円)を投資する計画であることを発表した。

統合レースにおける競合相手となりそうな企業の多くが、流通とロジスティックでAmazon(アマゾン)のフルフィルメント(配送センター)に頼っているAmazon Marketplaceに主にフォーカスしている一方で、創業者でCEOのPeter Chaljawski(ピーター・チャルジャウスキー)氏は欧州の既存のターゲットマーケットにおいては少し状況は異なる、と話す。

「M&Aマーケットでの米国と欧州の大きな違いの1つは、欧州の方がより細分化されていることです」と同氏は述べた。「米国ではD2CセラーはAmazonをかなり利用しています。欧州では代替の選択肢が多くあります。フランスような一部のマーケットでは消費者はAmazonに対して好意的ですらありません」。もちろんこれは消費者に直接販売し、またすべてのマーケットプレイスを迂回することに加わる要素であり、BBGにとって大きなフォーカスであり続けるエリアだと同氏は述べた。BBGはプロダクトを販売するのに計100のチャンネルを使っている。

BBGはほぼ自力で巨大で儲けの多い事業を構築したという点で、消費者にとって典型的なeコマーススタートアップではない。ベルリンで大きなeコマースプレイヤーであるにもかかわらず、BBGはベルリンで創業された有名なeコマース事業インキュベーターであるRocket Internet(ロケットインターネット)とつながりはない。

買収に割り当てた2億5000万ユーロはBBGの懐から拠出される。TechCrunchが把握しているところでは、同社が成長を続けるために自社外でかなりの額の資金を調達するのに先駆けて行う。BBGは過去に資金を調達しているが(PitchBookによると額は非公開)、今回のものはクローズすれば初の大きなエクイティラウンドになる。

BBGは収益を上げている自前のD2C事業をゼロから構築した。2005年に創業された当初はオーディオ機器を専門とし(チャルジャウスキー氏は過去にDJになるという野望を抱いていた)、いまでは14ブランドの2500ものアイテムを扱っている。順調に成長を続け、28のマーケットで販売している。

BBGがとってきたコングロマリットモデルはさまざまな部門を網羅している。その多くは電化製品(オーディオ機器やフィットネス機器、家電を含む)で、auna、Klarstein、Capital Sportsといったさまざまなブランドの下で販売されている。これまでに1000万点超のプロダクトを販売し、収益を上げていて、2020年の売上高は3億ユーロ(約380億円)だったと同社は話す。

新たな買収ではガーデニング、家庭リビング用品、スポーツ、電化製品、家電のブランドやプロダクトに注力し、50万〜3000万ユーロ(約6300万〜38億円)の売上を目指す。

BBGはほぼオーガニック成長してきた一方で、2020年12月に家庭用品ブランドSleepwiseを買収し、非オーガニックの事業拡大に初めて足を踏み入れた。チャルジャウスキー氏いわく、Sleepwiseは「とてもすてきな毛布」を作っているとのことだ。

すてきな毛布の快適さは、助けになるかもしれない。これまでの成功にかかわらず、多くの難題がBBGを待ち受けている。

まずは競争だ。BBGの戦略変更と買収計画は、この分野における統合が始まろうとしている最中でのものだ。Amazonのようなマーケットプレイスで成功を収めたものの拡大に向けはっきりとした道筋を描けていない小さなブランドを統合するのにひと握りの資金を用意している。

競合相手にはThrasio(最近企業を買収するのに借金で5億ドル=約524億円を調達した)、SellerXHeydayHeroesPerchなどがある。

ファイナンシャルタイムズ紙が2020年12月に報じた記事では、これら企業がこのモデルに基づいて新しいオンライン消費者帝国を築くのに合計で少なくとも10億ドル(約1047億円)を調達したと推測している。

これら企業のビジョンは実に明快だ。次のUnilever、あるいはP&G、Sony(ソニー)を作り出したいのだ。そして実現するために製造やロジスティック、規模の経済、セールス分析、マーケティングにおける新たなイノベーションに新経済モデルやテクノロジーを活用している。

別の難題は、これまで意図的にそしてオーガニックな道をとってきた同社が多くの新ブランド統合でいかに成功し、効率的に統合を行うかだ。そうしたブランドにはカルチャーがあり、事業提携の関係もともなう。

そして3つめの難題は、高品質ブランドのソーシングだ。以前TechCrunchが指摘したように、Amazonを例にとると、そこでは膨大な数のどうしようもないようなものが売られている。卸売サイトを買い取ってAmazonで再販するような人たちの産業も含まれる。これが、多くの販売業者が特定の部門で似たようなプロダクトを販売する1つの理由だ。こうしたマーケットプレイスのセラーは、検索結果の長いリストのトップに自分たちのプロダクトがくるようにSEOやたくさんのレビューのようなものを活用している。消費者にとっては実際にいい買い物ではなくてもだ。つまり、手に入れたいホットな企業を探している企業にとって誤解を招くようなシグナルとなることを意味する。

マーケットプレイスにいかに力を加えるか、そしてどれくらいのブランドやそれらのオーナーがこうしたものを自前で構築するのか。その間のバランスは今後数年興味深いものになりそうだ。Amazonやそれに近い企業は成長を続け、かなり効率的になった。しかし、これはそうした企業がサードパーティにとって使い勝手がいいというより、あまりにもパワフルすぎることをときに意味する。

一方で我々は別の永続的なテーマを目の当たりにしている。スタートアップと大手企業の存在が小規模のプレイヤーがゲームに参戦し続けられるようサポートするためにツールを作り続けているということだ。ここにはShopifyのような大手企業だけでなくGoSiteShogunXentralといった新手のプレイヤーも含まれる。

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タグ:D2CBerlin Brands Groupドイツeコマース

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Nariko Mizoguchi)

オーダースーツなどD2Cブランド展開のFABRIC TOKYOが13.5億円調達、商品開発とテクノロジー投資強化

オーダースーツなどD2Cブランド展開のFABRIC TOKYOが13.5億円調達、商品開発とテクノロジー投資強化

オーダースーツなどのD2Cブランドを展開するFABRIC TOKYO(ファブリック トウキョウ)は12月14日、新たな資金調達ラウンドにおいて、約13.5億円のファーストクローズを完了したと発表した。今回の資金調達はコンバーティブル・エクイティ(CE、J-KISS型新株予約権)発行やデットファイナンスなどを活用し実行。2021年に同ラウンドのセカンドクローズを実施する予定。

引受先は、新規株主としてD2C&Co.、ポーラ・オルビスホールディングス、千葉道場ファンド、Takram、複数の事業会社。またエンジェル投資家として、小泉文明氏(メルカリ会長)、児玉昇司氏(ラクサス創業者)、富島寛氏(メルカリ創業者)およびその他個人投資家。

調達した資金は、商品企画・開発およびテクノロジーへの投資に主に充てる予定。事業の提供価値をより一層強化し、顧客及び取引先工場へ還元していく。

FABRIC TOKYO」は、「Fit Your Life」をブランドコンセプトに、体型だけでなく、顧客それぞれの価値観やライフスタイルにフィットする、オーダーメイドのビジネスウェアを提供するD2Cブランド。

一度来店し、店舗で採寸した体型データがクラウドに保存することで、以降はオンラインからオーダーメイドの1着を気軽に注文できる。リアル店舗も自社で展開し、関東・関西・名古屋・福岡の合計14店舗を運営中。

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タグ:資金調達(用語)D2C(用語)ファッション(用語)FABRIC TOKYO日本(国・地域)

乳幼児向け知育玩具・おもちゃのサブスク「トイサブ!」運営のトラーナが約1億円を調達

乳幼児向け知育玩具・おもちゃのサブスク「トイサブ!」運営のトラーナが約1億円を調達

乳幼児向け知育玩具・おもちゃのサブスクリプションレンタルサービス「トイサブ!」を展開するトラーナは12月7日、既存株主からの追加投資(フォローオン投資)による総額約1億円の資金調達を発表した。引受先は、ANOBAKA、サムライインキュベートの2社が運営する各ファンド。

調達した資金により、4年後の2024年に「トイサブ!」ユーザーを10万名にまで増やすべく、高機能な社内管理システム開発の加速、ユーザーのサービス体験を向上するプロダクトの提供を目指す。また、ユーザーに提供する価値を最大化するために、テックリードエンジニア、プロダクトデザイナーを迎え、テクノロジーとデザインによるサービス価値増強を図る。

システムエンジニアリングへの投資を一層強めていくと共に、既存ユーザーを含めた「親子時間」の当事者である、すべての子どもとともにある人々への認知・関心を届けるマーケティング施策も進めていく。

さらに、同社経営組織をより強固なものにしていくため、経営管理体制の充実への投資を惜しみなく行い、しなやかな組織体制の実現に向けて邁進するとしている。

トイサブ!は、2015年11月より運営を開始した、0歳3ヵ月〜満6歳の乳幼児向け知育玩具・おもちゃのサブスクリプションレンタルサービス。2020年11月時点で約7000名のユーザーが利用しているという。

同サービスでは、最短2ヵ月ごとに乳幼児向け知育玩具・おもちゃ6点(4歳以上はおもちゃ5点)の交換が可能。申し込み時やおもちゃ返却時のアンケートをもとに、同社専属プランナーが各家庭に最適なおもちゃを選定し、成長の著しい乳幼児に定期的におもちゃを届ける。

乳幼児向け知育玩具・おもちゃのサブスク「トイサブ!」運営のトラーナが約1億円を調達

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生理用品D2C「Nagi」が初のポップアップストアを表参道で開催、新色「azuki」先行販売実施

生理用品D2C「Nagi」が初のポップアップストアを表参道で開催、新色「azuki」先行販売実施

BLASTが運営するフェムテックブランド「Nagi」(ナギ)は、初のポップアップストアをオープンすると発表した。期間は2020年12月11日〜13日の3日間限定。開催場所は、東京都渋谷区神宮前5-12-1 マハール表参道1F。

同ストアは、Nagiの世界観を表現した空間で、初めて直接Nagiに触れられる期間限定ショップ。さらにNagiならではのニュアンスカラーである新色「azuki」(アズキ)の先行販売も実施する。

  • 開催日:2020年12月11日〜13日
  • 開催時間:10時〜19時(最終日のみ18時まで)
  • 会場:マハール表参道ビル(東京都渋谷区神宮前5-12-1 マハール表参道1F)

生理用品D2C「Nagi」が初のポップアップストアを表参道で開催、新色「azuki」先行販売実施

Nagiは、1枚でも過ごせる吸水ショーツで、洗うことで何度もくり返し使用できる。standard(スタンダード)タイプは1枚でおよそナプキン3枚分の吸水量(30mL)があり、防臭機能、制菌効果(菌を減らす効果)のある機能素材を使用している。

新色のアズキは、Nagiならではのニュアンスカラー。肌なじみも良く、合わせるアンダーウェアを選ばない。大人っぽいスタイルが好きな方にオススメという。12月11日〜13日のポップアップストアでは先行してアズキを購入可能。また、Nagi公式オンラインストアでは14日18時から購入できる。

生理用品D2C「Nagi」が初のポップアップストアを表参道で開催、新色「azuki」先行販売実施

  • 生産国:日本製
  • 型タイプ:standard / slim / full
  • 税抜価格:standard 5400円 / slim 5250円 / full 5800円
  • サイズ展開:XS / S / M / L / XL
  • standardカラー展開:black / purple / beige / green / azuki
  • slimカラー展開:black / orange / green
  • fullカラー展開:black / blue / orange/ green / azuki

BLASTは「女性をエンパワーメントする」をミッションに掲げる、WOMEN EMPOWERMENT COMPANY。メディアとプロダクト、コミュニティの3軸の事業で女性のライフスタイルをエンパワーする。

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カテゴリー:フェムテック
タグ:D2C(用語)ポップアップストア日本(国・地域)

コーヒー豆サブスク「PostCoffee」運営のPOST COFFEEが資金調達、ポップアップストア開催

コーヒー豆サブスク「PostCoffee」運営のPOST COFFEEが資金調達、ポップアップストア開催

コーヒー豆のサブスクリプションサービス「PostCoffee」運営のPOST COFFEEは12月1日、第三者割当増資による資金調達を2020年11月に実施したと発表した。引受先は、丸井グループ子会社D2C&Co.、三井住友海上キャピタ(MSIVC2020V投資事業有限責任組合)、サムライインキュベート(Samurai Incubate Fund 6号投資事業有限責任組合)、既存株主のセレス。

また同社は、コーヒーボックスのカスタマイズを体験し購入できるポップアップストア(期間限定ストア)の開催を明らかにした。開設場所は渋谷MODI(渋谷モディ) 1F。期間は12月12日~15日。

  • 場所:渋谷MODI(渋谷モディ)1F 〒150-0041 東京都渋谷区神南1-21-3
  • 日時:2020年12月12日~15日
  • 営業時間:11時〜20時

今回の資金調達により、資本業務提携を行ったD2C&Co.をはじめパートナー企業との連携、コーヒーやRTD(Ready To Drink。購入後すぐ飲める飲料)製品の生産・製造体制の強化、マイクロロースターと消費者を結ぶプラットフォームの構築、エンジニア、マネージャークラスの人材採用などを加速し、企業価値を向上させる。

またD2C&Co.との資本業務提携により、渋谷モディでのポップアップストア出店を皮切りに、全国のリアル店舗でも新しいコーヒー体験を提供し、オンラインとオフラインがシームレスにちながったユーザー体験の構築を目指す。

PostCoffeeは、コーヒーの定期便サービス。「ライフスタイルを進化させる」をミッションに、「毎日のコーヒーを、もっと美味しく、スマートに」をビジョンとして、おいしいコーヒーとの出会い、新しいコーヒーライフを提供している。

同サービスでは、10個の質問からなるコーヒー診断により、約15万通りの組み合わせからライフスタイルに合ったコーヒー3種類・淹れ方・頻度・価格を提案。

ユーザー専用のコーヒーボックスとして、診断から導き出された3種類のコーヒー、カスタマイズした砂糖・粉末ミルク・フィルターなどのセットを1ヵ月ごと(または2週間ごと)に送付する。コーヒーがなくなってしまった場合は、追加での注文も可能という。欲しいコーヒーを選んで購入(1280円/150g)すると、最短翌日で届けるという。

2020年2月より正式にサービスを開始したところ、ベータ版(2019年3月〜2020年1月)と比較し、半年で会員登録数が10倍に成長したという。またリリースしてからのコーヒー診断が行われた回数が累計10万回を突破。コロナ禍でのテレワーク推進や巣篭もり消費の影響もあり、自宅でコーヒーを淹れる生活をスタートする方が増えているそうだ。

コーヒー豆サブスク「PostCoffee」運営のPOST COFFEEが資金調達、ポップアップストア開催

今回開催のポップアップストアでは、コーヒー診断をもとに顧客それぞれに合わせたオリジナルのコーヒーボックスを作り、プロのバリスタのレクチャーで試飲や抽出を体験できる(体験には事前予約が必要)。プロのバリスタとコミュニケーションを取ることで、さらなる好みの探求が可能という。

コーヒー豆サブスク「PostCoffee」運営のPOST COFFEEが資金調達、ポップアップストア開催

この際に、PostCoffeeが常時揃えている約30種類のコーヒー豆の中から、自分に合ったコーヒー3種類をセットにしたボックスを作り、持ち帰ることができる。ポップアップストア限定のPostCoffeeオリジナルマグカップ、グラス、おすすめコーヒー3種類のコーヒーボックスなども購入できる(物販は予約不要)。

コーヒー豆サブスク「PostCoffee」運営のPOST COFFEEが資金調達、ポップアップストア開催

コーヒーボックス作成体験(要予約)

  • 予約サイト:「PostCoffee Offline Popup Store 体験予約」で予約
  • 料金:1名あたり税抜1980円。1つの予約につき、2名まで来店可能。代表者のみ事前決済を行い、別途1名は当日店舗で決済
  • 体験時間:45分程度

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カテゴリー:フードテック
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D2Cスタートアップにフレッシュな視点で臨む新しいVC企業The-Wolfpack

新型コロナウイルスによるパンデミックが、消費者市場とレジャー産業そしてメディア企業に大打撃を与えている中で、The-Wolfpackと呼ばれる新しいベンチャー企業は、これらの分野に対してきわめて前向きだ。シンガポールに本社を置く同社は、世界最大の広告とメディア企業の1つであるGroupMのマネージングディレクターたちが創業し、同社のポートフォリオ企業との密接な協力関係を狙っている。社名の由来は、「起業家は狼の群れの仲間であるとき最も栄える」という同社のエコシステム重視の信念にある。

The-WolfpackのデビューファンドであるWolfpack Pioneer VCCは、目標額の500万ドル(約5億2000万円)がすでに全額集まり、8社から10社の消費者直販(D2C)企業に投資される予定だ。同社はすでに第2のファンドの募集を初めており、その目標額は2000万シンガポールドル(約1490万ドル、約15億6000蔓延)あまりだ。また台湾に第2のオフィスを構える計画があり、インドネシアへの進出も予定している。

The-Wolfpackは、ともにGroupMにいたToh Jin Wei(トー・ジン・ウェイ)氏とSimon Nichols(
サイモン・ニコルズ)氏、そしてSunray Woodcraft Constructionの元ディレクターであるTan Kok Chin(タン・コック・チン)氏が創業した。チン氏は以前、Marina Bay SandsやRaffles Hotelそしてシンガポール観光局などのプロジェクトを担当した。

The-Wolfpackはスタートアップに資金を提供するだけでなく、同社のポートフォリオ企業を軸とするエコシステムを作りたいと考えている。それにより彼らを、各種知財のオーナーやデジタルマーケティングのエキスパート、コンテンツ制作者、デザイナーなどと結びつけ、今後オフラインの展開もできるようにしていく。また同社の計画では、互いに組み合わせ販売の可能性がある複数のスタートアップへの投資も構想している。

トー氏によると、The-Wolfpackの公式の企画は2019年の終わりごろスタートしたが、そのとき彼とニコルズ氏は、5年前にGroupMにいるときから考えていた自分たちの事業を立ち上げる気だった。

「狙っているニーズという点では、両社は似通っていた。つまり、D2Cの創業者の支援を熟知している戦略的投資家であることだ」とトー氏は語る。

The-Wolfpackが狙う主な業態は消費者向け企業とレジャー産業とメディア企業の3つだが、いずれもパンデミックの経済的影響が大きい。しかし同時に消費者の習慣も変わりつつあるのだから、そこにはイノベーションの機会もある、とニコルズ氏は語る。

消費者の支出額が落ちても、よりクオリティの高いエンゲージメントの構築を志向しているブランドに、消費者はより惹かれるようになると彼はいう。「この変化をよく理解して正しく対応できるD2Cブランドには、本物のビジネスアドバンテージがある」と彼は主張している。

The-Wolfpackのこれまでの投資はまだどれも完了していないため詳細は明かされないが、同社のデビューファンドが関心を寄せているブランドの一例として、東南アジア進出を狙っているオーストラリアのメイクアップアーティストや、そのエコシステムにオリジナルコンテンツやゲームのチーム、スタジオなどを含むオンラインゲーム企業がある。後者はThe-Wolfpackの支援により、リアルのスタジオを建設して、オフラインでの体験も販売していく予定だ。

「これまでも企業は消費者に語りかけてきたが、これから重要なのは双方向の会話だ。そこにはD2Cのスタートアップにとっても、飛躍的な成長の機会が眠っており、そこが大きな投資機会でもある」とトー氏は信じている。

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カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:The-WolfpackD2C

画像クレジット:The-Wolfpack(共同創業者:Toh Jin Wei, Tan Kok Chin, Simon Nichols)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

「初めて生理が楽しみになった」女性150名の声から生まれた生理用品D2C「Nagi」

「初めて生理が楽しみになった」女性150名の声から生まれた生理用品D2C「Nagi」「ジェンダーギャップ指数」という言葉をご存知だろうか。国際機関の世界経済フォーラム(WEF)が発表している世界各国の男女格差を測るランキングで、最新データ「ジェンダー・ギャップ指数2020」によると、日本は調査対象となった153カ国のうち121位と下位に位置している。

「先進国だと思っていた日本のジェンダーギャップ指数が低いことにとてもショックを受けました。この事実を日本の女性たちに伝えなきゃいけない、と使命感を持ったのが起業のきっかけです」と話すのは、BLAST CEOの石井リナさん。

石井さんは2018年に創業し、女性向けエンパワーメントメディア「BLAST」(ブラスト)を立ち上げ。Instagram(blast.jp)とTwitter(@BLAST___JP)を主戦場に、セックスや社会問題などジェンダーにまつわる情報を発信した。2018年3月には資金調達を実施し、D2C事業に参入。2020年5月に生理用品ブランドの「Nagi」をローンチしている。

「女性にとってポジティブなものを発信していきたい」と語る彼女に、ジェンダーギャップに取り組むようになった背景や生理用品に着目した経緯について話を聞いた。

石井リナ
1990年生まれ。新卒でIT企業に入社し、ウェブ広告のコンサルタントを担当する。その後独立し、SNSコンサルタントとして企業のマーケティング支援に従事。2018年にBLASTを起業し、エンパワーメントメディア「BLAST」を運営。2020年にNagiをローンチする。

欧米の企業やインフルエンサーのSNSを見て、フェミニズムを知った

欧米の企業やインフルエンサーのSNSを見て、フェミニズムを知った石井さんは2013年に新卒でIT企業に入社し、3年ほど働いたのちに退職。フリーランスとベンチャー企業の会社員を兼業しながらSNSマーケティングに携わる。

「ジェンダーについて昔から関心はありましたが、より興味を持ったのは業務の一環として、欧米の企業やメディア、インフルエンサーのSNSを追っていたとき。海外ではダイバーシティやフェミニズム、#MeTooやジェンダーに関する情報が積極的に発信されていることを知ったんです。

一方、2016年当時の日本は、それらの言葉について情報発信している人やメディアも少なく、まだまだ声をあげづらかった。さらに、日本はジェンダーギャップ指数も低いことを知り、危機感を持ちました。日本の女性がジェンダーギャップのある現状を理解し、制約なく自分の意思で生き方を選択できる世の中にしたい。そう思い、多様な選択肢を提案すべくまずはメディア事業を立ち上げました」。

10代~40代の女性150名にヒアリングしてプロダクトに落とし込んだ

10代~40代の女性150名にヒアリングしてプロダクトに落とし込んだ次に着手したのがプロダクト事業。「女性の身近なところから変えていきたい」という思いから、生理用の吸水ショーツを手掛けることに。

「日本と欧米では生理用品の種類やブランドの数が違います。たとえば、欧米では膣内に装着する『月経ディスク』があったり、CBD(カンナビジオール)入りのタンポンも。しかし日本では7割の人が紙ナプキンを選択しています。生理用品の選択肢を増やしたいと思い、海外でも注目されていた吸水ショーツに着目しました」。

10代から40代までさまざまな世代の女性150名にアンケートを実施し、「生理用品に対する課題」や「どのような吸水ショーツが欲しいか」などをヒアリング。加えてInstagramのライブ配信でも意見を集め、プロダクトに落とし込んだ。

「『どのような吸水ショーツが欲しいか』という問いに対しては、『リボンやフリルのついたデザインよりシンプルなものがいい』という意見が多く、希望のデザインにあまりばらつきはありませんでした。一方、『生理用品に対する課題』に対しては、『かゆみ』『漏れ』『におい』『痛み』など様々な意見が。身体のことなので当たり前ですが、人によって課題感がまったく異なることを知ることができました」。

1年半かけて完成したNagiには、ヒアリングをした女性たちの声を数多く反映。生地は30秒で97.2%の水分を吸収できる「速乾シート」、水分を吸収する「吸収シート」、Ag(銀)を配合した「防臭シート」、吸水した水分の漏れを防ぐ「防水シート」の4枚構造となっている。

発売1週間で2000枚が完売。今後は年齢別・目的別のラインを展開していく

発売1週間で2000枚が完売。今後は年齢別・目的別のラインを展開していく2020年5月にローンチするや否や、1週間で2000枚が完売。石井さんたちも予想外の反響で、供給が追いつかず、うれしい悲鳴だったという。

「今までいかに生理でストレスが溜まっていたのかに気づき、『初めて生理が楽しみになった』『ナプキンがないとこんなに快適だと思わなかった』という感想も多く寄せられました」。

「毎月使うものだから、手に取りやすい価格にしたい」という考えのもと、デザインショーツと変わらない5000円台に抑えたのも売り上げが伸びた要因のひとつ。さらに、1人当たりの平均購入数は2枚弱。生理は数日続くため、2枚以上買う人も少なくないという。

2020年の9月と10月には、希望の多かったベージュやブランドカラーのグリーンなどのニューカラーを発売。今後もNagiを主力商品に置き、初潮を迎えた子ども向けや尿もれする方向けなど、年代別、目的別のラインを展開していく予定だ。

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カテゴリー:フェムテック
タグ:ジェンダーギャップ指数生理用品NagiBLASTD2C日本

Quinceが「メーカーから消費者」の新しい小売業モデルのベータ版をローンチ

小売業は今、急速に変わりつつある。D2Cがショッピングを変えた一方で、Quinceは小売業をさらに劇的に変えようとしている。

知られているかぎりではQuinceは、2019年に850万ドル(約9億円)のシード資金を調達しただけだが、男女のアパレルやアクセサリー、ジュエリー、家庭用品といったおよそ700品目の在庫を自前で持つことでサプライチェーンの概念を変えようとしている。

「Last Brand(最後のブランド)」を自称するQuinceは、1年のベータテストを経て「M2C」と呼ばれる新しいモデルをローンチしている。M2Cは「manufacturer to consumer(メーカーから消費者へ)」の略だ。

このモデルでは、必需品のデザインを持って工場に直接出向き、過剰なパターンやブランド品ではなく、需要に応じて毎週ダイナミックに調整する。発注量は、需要次第で各週に変わる。Quinceは、消費者からの注文が入ってくるようになるとメーカーと協力して、個々のSKUの生産量を過不足が生じないよう調節。その後、、工場が直接顧客へ発送する。これまでのように、小売業の流通センターやストアに一旦送って、それをさらに最終目的地へ送る、ということをしない。

品物があまり売れず在庫が残っても、それは発注した小売業の責任であるため、工場がこのモデルに従う必要はないかもしれない。しかしQuinceの共同創業者でCEOのSid Gupta(シド・グプタ)氏によると、この新しいモデルが登場した今が小売業にとって転換期だという。1つのSKUの発注量が10万になるような大きなブランドは、現在パンデミックで苦戦しており、SKUのポートフォリオを縮小している。

工場に残された道は、2つしかない。D2Cブランドに変わるか、それともAmazon(アマゾン)のようなマーケットプレイスで直販するかだ。

「D2Cの需要は非常に細分化されており、ほとんどのD2C企業が小規模だ。効率的な利益を得るのは難しい。しかしアマゾンのようなマーケットプレイスで販売しようとすると、同じような品目で何百何千もの売り手と競合することになる。また、実際に高品質な製品を作っている工場は、従業員に公正な賃金を払い、環境にも配慮しなければならないため、コストが3%か5%高くなるかもしれない」とグプタ氏はいう。

彼によると、アマゾンのユーザーにはそんな工場の努力は伝わらない。効果的な広告を出すことも、工場には難しい。

しかしQuinceのような環境なら、メーカー自身が新しいやり方に取り組むことができる。

一方、Quinceは工場と直接接触することによって、高級品のコストを大幅に下げることができる。たとえばカシミアのセーターなら他店のように150ドル(約1万5800円)以上でなく、50ドル(約5300円)で販売することができる。このようなQuinceの協力工場は現在、全世界に30ほどある。

グプタ氏によると、同社は持続可能性に真剣に取り組んでおり、たとえば素材は有機産品のみ、工程は環境に優しいかなど使用する素材や製造工程、労働者の給与などに基準を設けている。また、ヒットした品目については、工場やその従業員への利益還元も検討している。

2019年秋のシード資金でQuinceは、ベータテストを開始することができ、チームを16名に増員できた。その中には、共同創業者のBecky Mortimer(ベッキー・モーティマー)氏とSourabh Mahajan(スーラーブ・マハジャン)氏がいる。また、従業員の35%は女性、65%はマイノリティだ。

同社の投資家はFounders Fundと8VC、およびBasis Set Venturesだ。

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タグ:QuinceD2C小売ネットショッピング

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ブランド・メーカーや小売などB2C事業者のDXを支援するUPBONDが5000万円を調達

ブランド・メーカーや小売などB2C事業者のDXを支援するUPBONDが5000万円を調達

UPBONDは10月5日、シードラウンドにおいて、第三者割当増資として合計5000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は香港・SOUL CapitalおよびInsight Capital。

UPBONDは、ブランド・メーカーや小売などのB2C事業者に対して、店舗などのオフラインとECなどのオンラインとの融合や、オフラインにおける複数チャネルの融合を同社プラットフォームで実現することをミッションとする企業。

顧客IDの統合、複数ツールの連携、リアルタイムでのデータアクセス、AIによる顧客とのコミュニケーション支援といった改革を実現する戦略とソリューションを一気貫通でリーズナブルに提供するという。

コロナ下において、同社ソリューションのニーズが高まり、早急な開発体制とカスタマーサポートの強化を実現するため資金調達を実施したとしている。

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D2Cブランド向け保証サービスのMulberryが年間経常収益約11億円を視野に

Chinedu Eleanya(チネデュ・エレニャ)氏がMulberry(マルベリー)を消費者直販(D2C)ブランドの保証サービスとして創業してから2年でビジネスは急成長した。

あらゆる人にあらゆる商品を販売するスタートアップブランドの出現により、消費者行動が大きく変わった。この動きに乗じたMulberryは小売業者向けの保証サービスに求められていたひねりを加えた。小売業者は長年にわたり消費者に高額の買い物を快適にしてもらうために保証サービスに頼ってきた。同社の今年これまでのARR(年間経常収益)が1000万ドル(約11億円)に近づきつつあるのは、買い物がオンラインへシフトする傾向によるところが小さくない。

新型コロナウイルスが襲う前の2020年3月の段階で投資家が1000万ドル(約11億円)を同社に投資したがったのはそのためだ。今回のラウンドは、ニューヨークに拠点を置くアーリーステージを対象とする投資会社であるPace Capital(ペースキャピタル)がリードした。既存投資家からの参加者にはFounder Collective(ファウンダーコレクティブ)も含まれる。

その後パンデミックが襲った。エレニャ氏によると、新型コロナウイルスが買い物客(少なくともまだ買い物にお金が使える人)を店頭からオンラインに動かし、保証サービスの必要性が高まった。

エレニャ氏はナイジェリアからニューヨークに移り、Cognical(コグニカル)やZibby(ジビー)などの企業を創業したシリアルアントレプレナーだ。Mulberryとそのオンラインモデルで成功を収めた。

確かに、同社はeコマース保証に取り組む唯一のスタートアップというわけではない。同様のサービスを提供するClyde(クライド)は同じ時期に1400万ドル(約15億円)を調達した(未訳記事)。

だがこの種のオンラインサービス市場は依然として急速に成長しており、エレニャ氏は複数の勝者が生まれる余地があると考えている。「POSが財務にもたらした革新を考えると、延長保証の分野が最も興味深い」と同氏は述べた。

小売という観点からは融資も良いが、より大きくは顧客獲得コストが上昇し続けてしまうという話がある、とエレニャ氏は言う。同氏は、小売業者は顧客を維持することで長期的な価値を最大化する必要があり、その方法はサービスプログラムの提供だと主張する。

「当社は中小の小売業者がこの何でも高くつく環境でも競争できるようアクセスを民主化している」と同氏は語る。

Mulberryはすでに、スマートワークアウトミラーのMirror、コーヒーメーカーのBreville、Casperとはマットレスの競争相手であるNaspar Sleepなどの消費者向けブランドと提携している。

これまでのところMulberryのARRは約100万ドル(約11億円)だが、2020年のARRは1000万ドル(約11億円)に達するペースだとエレニャ氏は述べた。

画像クレジット:Vectomart / Shutterstock

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(翻訳:Mizoguchi

D2C・オンラインブランド専門の卸仕入れサイト「orosy」のベータ版が登場、アカウント審査なしですぐに利用可能に

スペースエンジンは9月7日、買取・委託形式で卸仕入れ取引の効率化を実現する事業者専用の卸・仕入れサイト 「orosy」のベータ版を公開した。これまでアルファ版として約100社のサプライヤー、大手小売店約30社に提供していたが、ベータ版ではバイヤー・店舗アカウントの審査制を廃止し、より使いやすくした。

orosyは、D2C・オンラインブランドを中心とした各種商品のサプライヤーと、販売を希望する小売店舗のマッチングサービス。サプライヤーは、商品の卸価格や条件をorosyに登録することで卸販売をすぐに開始できるのが特徴だ。バイヤー・店舗側はorosy内で商品を検索し、掲載された条件に従って、買取または委託仕入れによって販売できる。掛金はorosyが100%が保証するので、手間やリスクなく卸仕入れの取引が可能なのが特徴だ。

サプライヤーでは、初期費用や月額費用などの固定費はかからず、買取卸が成立した場合に流通総額に対して10%の手数料が徴収されるビジネスモデル。バイヤー・店舗側の初期費用、月額費用もかからない。

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「picki」は、「違いが魅力になる世界をつくる」をビジョンに掲げ、タレント、モデル、アーティストなど、個人のオリジナルアパレルブランドをプロデュースし展開するファッションD2Cプラットフォーム。

調達した資金は、pickiで展開するブランドの拡充、プロデュースするブランドのマーケティングおよびDXの強化、アパレルブランドのM&Aに充てる予定。pickiは、D2Cプラットフォームにとどまらず、ファッション業界におけるデジタルシフトの促進を加速させ、クリエイター個人が持つ世界観やセンスが、アパレル商品を通じて、価値あるものとしてより世間に届くような世界を目指すとしている。

昨今のコロナ渦の影響を受け、従来のオフラインを中心としたアパレルビジネス展開は変化し、ブランドの世界観の表現、消費者への届け方、購入方法など、さらにデジタルが中心になっていく中、今後pickiでは、自社で培ったデジタル・コミュニティを活かしたマーケティング、DXの強化による、ソーシャルを中心としてアパレルブランドを展開していく「ソーシャルネイティブブランド」の創出と、ブランドの拡充、さらにはM&Aも進めていく予定。

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