Amazonは社員に300万円相当の資金と3カ月ぶんの給料を与えて自営配送企業を育てる

Amazonプライムで翌日配達をするというニュースに続いてAmazonは米国時間5月13日、同社の配達サービスのパートナー事業としてDelivery Service Partnerプログラムを拡大した。Amazonに在籍中の社員が、独自に自分の手荷物配送企業を始められるための奨励事業を展開することになった。昨年始まったこのパートナー事業は、参加者がAmazonの配送配達技術にアクセスでき、実習訓練に参加し、車両のリースや保険などを安く利用できる。社員の場合はさらに1万ドルの奨励資金が付く。

創業資金1万ドルのほかに社員は、軌道に乗るまでの生活資金として、Amazonを辞めたときの給与の3カ月ぶんをもらえる。

Amazonによると、昨年人びとは自分の配送企業をわずか1万ドルの資金で立ち上げることができた。その時点では、退役軍人には既存のスタートアップ支援事業の一環としてその1万ドルを後払いしていた。

今度の奨励事業では同じことをAmazonの一般社員に対して行い、それプラス給与額の3カ月ぶんが付く。かなり手厚い奨励策だ。でもAmazonは配達時間の半減という、思い切った野望を持っているから、これぐらいは当然かもしれない。

配達パートナーになりたい社員は、側面にAmazonのスマイルロゴが描かれているAmazon特注のブルーのデリバリーバンをリースでき、燃料や保険、ブランド入のユニホームも割引料金で提供される。

このパートナー事業の前にはAmazonは、Amazon Flexというクラウドソースの労働力に頼って安い配送コストを確保していた。しかしそういういわゆるギグワーカーたちは、ガソリン価格の変動や保険がないこと、自前の小さな車両しか使えないなどの悪条件により、労使双方にとって不安定性が大きかった。

一方デリバリーパートナーの方は、順調に成長して年俸30万ドルを稼ぎ、車両を40台も持つというところも出てきた。Amazonの昨年の予測では、これらの小企業が全米で数万人のドライバーを雇用する、とされた。

しかしそれは、推計ではなく事実だった。Amazonの今朝の発表では、この2018年6月にスタートしたパートナー事業は、今では200社を超える小企業が参加し、計数千名の地元ドライバーを雇用している。今年は参加企業がさらに数百増えるだろううという。

この社員奨励事業は、Amazonの倉庫における自動化の拡大と時期的に一致している。自動化によって、一部の倉庫労働者が職を失うのだ。今朝のロイターの記事によると、Amazonは現在数千人の労働者が担当している受注品の箱詰め作業を自動化する。こんな人たちの一部も、次の職としてデリバリーパートナー事業がいい候補になるだろう。

Amazonにとって、社員たちを新しい企業に移行させるためのこの投資は、長期的には会社の利益になるだろう。なぜなら同社は現在、USPSやUPS、FedExなどへの依存から卒業して、自分でコントロールできる自前のデリバリーネットワークを持とうとしているからだ。そして短期的には、翌日配達を米国のプライムのデフォルトにするために8億ドルを投じると言われているから、それはデリバリーパートナーにとっても利益になる。

この社員奨励事業は米国に次いで英国、さらにスペインで展開される。

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Ford、自動運転車によるオンデマンド・デリバリーサービスをテスト中

Fordは、スタートアップのPostmatesと組んで、無人オンデマンド・デリバリーサービスのバイロットテストをフロリダ州マイアミおよびマイアミビーチで行う。パイロットプログラムにはCoyo Tacoをを始めとする70社が参加する。

Fordは、複数のロッカーう搭載した車両もテスト中で、これは一回の配達ルートで2箇所以上の顧客に届けるためだ。Postmatesは食料から金物まで何でも扱うためロッカーのサイズも様々だ。

目的は、企業や消費者が自動運転デリバリー車にどう反応するかを見るためだ。店舗側は、アクセスコードをもらって商品を格納する。一方顧客側は、注文した商品が引取可能になったらテキストメッセージでアクセスコードを受け取る。

「自動運転車とのやりとりをできるだけ簡単にすることが目標」とFordはブログに書いた。「Postmatesとの共同作業によって、地域企業がリーチを広げ、顧客にシームレスな体験を提供するための効率の良い配達を実現するために、さまざまな方法をテストしているところだ」。

これは、以前ミシガン州アンアーバーとフロリダ州マイアミで行っていたFordとDominosの提携と似ている。しかし違うのは、複数のロッカーを備えた車両デザインと、タッチスクリーン、音声の両方を使った操作方法だ。各ロッカーにはカップホルダーが2つ設置されていて、飲み物の配達にも対応している。

Fordはこうした専用自動運転車を2021年に正式提供しようとしている。Dominosとのパイロットテストでは、「顧客は到着とともに自動運転車の外側に設置されたスピーカーから流れるピザの取り出し方の説明がよかったと言っている」と、FordのEVP兼国際マーケット担当プレジデントが12月にMediumへの投稿に書いた

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

地上走行配送ドローンの普及は近い―Skypeの共同ファウンダーのスタートアップが実験を拡大

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今のところ空を飛ぶドローンによる配送は現実性というより話題作りで会社をPRするのが主な目的だ。しかし車輪によって歩道をゆっくり走る自動運転ドローンはeコマースの配送手段として意外に早くわれわれの身近に姿を現しそうだ。

ロンドンに本拠を置くStarship Technologiesの共同ファウンダーにはSkypeの共同ファウンダーとして著名なAhti HeinlaとJanus Friisが含まれている。このスタートアップは今月からイギリス、ドイツ、スイスで自動運転配送ドローンの大規模な実用化テストを開始する。

Starshipの小型の車輪走行ロボットは、すでに9ヶ月前から12カ国で試験走行を行ってきた。しかし今回はこのドローンとしては初めて実際に商品を配達する実験を行う。つまり提携企業に対し、実際に配送能力を提供するものだ。世界的に料理配達ネットワークを展開するJust Ea、ロンドンのPronto.co.uk、、ドイツのリテラー、Metro Group、荷物の配送ネットワークのHermesなどがパイロット・プログラムに参加する。テストでは5都市でこれらの企業の実際の顧客にロボットが注文の品を配達する。

ドローンが最初に歩道に登場するのはロンドン、デュッセルドルフ、ベルンになる。このテストが成功すればヨーロッパとアメリカの他の都市にも運用が拡張される。Starship Technologiesのマーケティングとコミュニケーションのマネージャー、Henry Harris-BurlandはTechCrunchのインタビューに対し、「テストは6ヶ月から8ヶ月を予定している。テストの結果にもよるが、われわれは2017年にも全面的な実用化ができるものと期待している」と語った。

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テストの目標についてHarris-Burlandは「いろいろあるが、中でも公衆の反応、テクノロジーの信頼性、人間とのコミュニケーションが重要だ。また食べ物でいえば熱いもの熱く、冷たいものを冷たいまま運べるか、生鮮食品を運べるかなどもテストする」と語った。

私はHarris-Burlandにこのロボットはいたずらやバンダリズムの被害に遭う(残念ながらそういう実例がある)ことはないか、また行き会う人々を驚かせはしないか尋ねてみた。

メールで送られてき回答によると、「ロボットに対する不正な行動は実はごくまれだ。 5000マイルにおよぶテストを繰り返してきたが、これまでに第三者による妨害に遭遇したことは一度もない。しかし多数のドローンが路上を走行するようになれば、いずれは何かが起きる可能性がある。そうした妨害を予防し、対処するテクノロジーを確立することも実用化に向けたテストの目的の一つだ。ロボットには9台のカメラが装備されており、ごく近距離まで常時監視している。正常な運行に障害が生じればオペレーターに直ちに警告が発せられる。いずれにせよロボットは40万以上の人々の間で運用されてきたが、これま問題は起きていない」ということだ。

この先進的ロボットが一般人を驚かせるのではないかという質問に対して、Starship Technologiesでは「ロボットの目的(商品の配送)を広く啓蒙する」ということだ。またHarris-Burlandによれば「広汎なテストを通じてロボットと人間との付き合い方を研究していく」と語った。

「配送実験の初期の段階ではロボットは単独では運用されず、人間のオペレーターが付きそう。これにはいくつかの理由があるが、公衆の反応を観察するのもその一つだ。たとえば門口にロボットが現れたとき注文主はどういう反応を示すか? 注文主が抱くであろう疑問に対して答えるのも付き添いのオペレーターの役割だ。いずにしても世界最初のロボット配達の注文主になるのは大いにクールな経験として喜んでもらえると思う」とHarris-Burlandは付け加えた。

Starship Technologiesではロボットを社会に溶けこませるためにどうしたらよいかなどロボットの実用化にあたって見過ごされがちな点を細部にわたって検討している。こうしたロボットがオペレーターの介入の必要なしに順調かつ効率的に荷物の配送を続けられるとよいと思う。

〔日本版〕ビデオではSkypeの共同ファウンダー、アーティ・ヘインラ〔Ahti Heinla〕がサラ・バー記者にロボットの機能やテスト計画を詳しく説明している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Stuartはeコマースの「最後の1マイル」問題を解決するフレキシブルな配送サービス

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今日(米国時間4/18)正式に運営をスタートさせたStuartはオンデマンド配送サービスだ。パリでの半年間に渡る実験で「何万回もの配送に成功」したと発表している。Stuartはパリより小規模だがロンドンでもプライベート・テストを行ってきた。スペインのバルセロナでもスタートの予定だ。

StuartはClement Benoit(レストランのデリバリーサービスのResto-Inのファウンダーで最近までCEOを務めていた)とBenjamin Chemla (Citycake.frの共同ファウンダー、元CEO。同社はResto-Inが2014年に買収)が2015年に創立した。

このスタートアップはeコマースの「最後の1マイル」というロジスティクス上の難問に画期的な解決法を与えるのが目的だ。同社では優れたテクノロジーと優秀な自転車クーリエの部隊の活用により、カバーする地域での即日配達を実現するという。

ユーザーはStuartをウェブとモバイルアプリで利用できる。これは小規模ビジネスやレストランなどのカジュアルな利用を急速に増加させるために理想的だ。StuartはAPIも公開しており、eコマース・ビジネスの運営者は独自の無印版の即日配送サービスを公開できる。

オンラインとオフラインのコマースの間に存在するギャップを埋めようとするオンデマンド配送サービスは世界中の大都市でありとあらゆる新しいスタートアップと激しい競争を生んでいる。ロンドンのJinnやアメリカのPostmatesなどはi消費者向けアプリで、「オンラインで注文した商品がすぐに届く」ことを目標にしている。レストランの出前など分野を絞ったスタートアップも多い。

StuartはAmazon Primeの配送システムの小規模ビジネスをターゲットにしたローカル版というのが近いだろう。Amazonの場合、商品は郊外のフルフィルメント・センターのようなロジスティクス拠点から配送しなければならないが、Stuartは「最後の1マイル」問題だけに特化しており、活動も特定の年に絞っている。.またStuartはを自転車、手押し車、バンなど多様な配送手段を用意しており、荷物のサイズや重量についての柔軟性が高い。【略】

共同ファウンダーのBenjamin Chemlaは「熱い料理の配送はきわめて限られたピークタイム(つまりランチとディナー)があり、十分な数の配送要員と安定した契約を結ぶのが特に困難な分野だ」と言う。

Stuartは他の種類の配送と同時に料理の配送という課題にも取り組んでおり、パリのピザハット、ロンドンの寿司ショップと共同で実験を行っている。料理、食品の配送サービスでは、Delivery HeroやValk Fleetや Delivery Cubeが運営を停止しているので、Stuartはこれによって生じた真空を利用できるかもしれない。

Stuartのビジネスモデルは他のライバルより堅実で、単に配達の件数をカウントするのではなく、配達ごとに距離、重量、配達手段などによる独自の方式で料金が計算される。これによりそれぞれの配送でコストを回収できるのだという(マーケットのサイズについてはJinnの最近の統計が参考になるだろう)。

Stuartの投資者リストは印象的だ。昨年11月、運営を開始する前に私はStuartが2200万ユーロを調達したことを報じている。このラウンドはフランス大手配送サービスのLe Groupe La Posteの子会社、GeoPostがリードしたもので、他の投資家にはJ.D. Blanc(Allociné)、 J.A. Granjon(Vente-privee.com)、O. Mathiot(PriceMinister)などが含まれる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Amazon、新型Prime Airドローンを公開、今度はハイブリッド設計だ

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Amazonが‘Prime Air’ プロジェクトの魅惑的な最新情報を公開した ― 最初にそのドローンを披露してからちょうど2年後。そう、一部の人がエイプリルフールの壮大なジョークだと思ったあの空飛ぶ配達ドローンだ。高解像度の写真を何枚かと新しいビデオが2本ある。

テレビ番組「トップ・ギア」の元ホスト、ジェレミー・クラークソン(現在Amazonに関する新しいシリーズに取り組み中)が案内するこのビデオは、設計および受取人としての体験について語っている。

ご覧のとおり、Amazonはハイブリッド設計に移行した。前回のモデルよりずっと大きそうだ。こんなのが隣の家に向かって飛んでくるところを想像してほしい。もしれが現実になったら、エイリアン出現のニュース出るのは間違いない。

この新しいPrime Airドローンはもはや単なるクワッドコプターではない。離陸と着陸は今まで通り垂直だが、それ以外は水平飛行モードに切り換わる。ずっと効率が良い。要するに、ヘリコプターと飛行機が半々だ。この新しい設計によってドローンは15(24 km)マイル以上をカバーし、55mph(88km/時)以上で飛べるとAmazonは言っている。ビデオの中でクラークソンは、Amazonが様々な環境と目的に合わせた様々な設計のドローンファミリーを開発していると言っている。

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新ドローンには、少なくともある程度の”sense-and-avoid”[検知して回避する]技術を備えており、目的位置まで来たら、付近の着陸地点を探す。今現在、ユーザーが庭にAmazonログを掲示する等の方法で位置を示せるようだ。ドローンはそこに着陸し、荷物を降ろした後再び飛び立つ。

「このデザインは、長距離を効率良く真っ直ぐ飛び、安全かつ俊敏に着陸することを可能にする。これは数多く開発したプロトタイプの一つだ」とAmazonの広報担当者が本誌に語った。「いつの日か、Prime Air機を見ることが道路の配送トラックを見るのと同じくらい当たり前になるだろう」。

当然ながら、Amazonには、この新デザインをもってしても、乗り越えるべきハードルがまだいくつかある。街中でこの新しいドローンが荷物を運ぶところを見ることはまだ当分ないだろう。しかし、地方や郊外地域ではこの新デザイン機がかなり使るはずだ(もちろん、こいつが自宅の上空を飛んでいるのを撃ち落とす方法についてのコメントは遠慮なく寄せてほしい)。

もしAmazonか、難度の高い検知・回避問題(小さな送電線等)をいくつかでも解決できれば、Prime Airは多くの人の予想よりも早く離陸できるかもしれない(Amazonが来たるべきFAAの商用ドローン規制の範囲内でやれるとして)。

比較のためにお見せすると、旧型のドローンはこんなだった:

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Amazon、ローカルビジネスへ拡大着々―レストランのテイクアウト注文、宅配サービス開始

去る6月にわれわれはAmazonがSeamless、Grubhub、DeliveryHeroのようなレストランのテイクアウト注文と宅配のサービスを準備中だと伝えた。先週末、Amazon Localアプリのアップデートで、そのサービスがリリースされていたことが判明した。

テイクアウト&デリバリー機能は、皆が感謝祭のディナーの残り物をつついていたであろう先週末に静かにリリースされた。「ホリデーシーズンは忙しくなります。われわれがお手伝いします」というのがAmazonの説明だ。

われわれはAmazon Localでいろいろな都市を試してみたが、どうやら現在サービスが実施されているのはシアトルのみのようで、提携レストランは、宅配が20店舗、テイクアウトの注文が110店舗となっている。 Takeout & Deliveryでの注文はすべて既存のAmazonアカウントを通じて決済される。

われわれも含めて多くのメディアが報じているように、Amazonはローカル・コマース・サービス分野で大規模で野心的な将来計画を描いており、特にオンラインからオフラインにサービスを拡張しようとしている。これにはReutersが伝えているようなYelp、Thumbtack、Angie’s Listをひとまとめにしたような総合的ローカル市場が含まれる。これはすでにAmazon Freshとして一部実現しており、単なる生鮮食品の宅配だけでなく、Spotlightという新しいサービスもスタートさせている。これはレストランのテイクアウト料理からカップケーキ、紅茶葉、特製アイスクリームなど各種の「地元の良品」を選んで届けるというものだ。

またAmazonはSquareやPayPalのライバルとなる店頭支払いシステム、Amazon Local Registerローンチしている。

Amazonはこれらのサービスを統合し巨大化することによって消費者とローカルビジネス双方の利便性が高まるようなスケールメリットを狙っているようだ。

たとえば、今回スタートしたテイクアウトとデリバリーのサービスは料金がユーザーのAmazonアカウントから支払われる。Amazonはこのつながりを利用してレストランその他のローカル・ビジネスにLocal Registerを採用するよう説得することができるだろう。

ある情報源によれば、「レストラン向けサービスやレジスター・サービスは手始めだ。今後数ヶ月のうちに更に進化した機能のサービスを他の業種にも拡大していく」ということだ。

ではAmazonはまずどの業種を狙っているのだろう? われわれも6月の記事で指摘しているが、旅行業が次のターゲットだろう。旅行業のニュースブログ、Skiftの先月の記事によれば、Amazonは新年早々にもAmazon Travelを立ち上げるという。当初はホテル予約からスタートするが、フライト予約などに順次サービス範囲を拡張していく計画だということだ。興味深いのは、Amazon Localで所在地をシアトルに設定すると、レストランのテイクアウトと配達だけでなく、「ホテル予約」というタブも表示されることだ。

われわれはAmazonにコメントを求めている。新情報が得られればアップデートする。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Google、ドローン支配を巡りAmazonに挑戦

歯みがき粉がなくなったので今すぐ欲しい? Googleがドローンで届けようとしている。マウンテンビューのIT巨人が今日発表した

GoogleはAmazonに続き、消費者向け配達用ドローン技術を構築していることを発表した。Amazonは、買い物客に小さなパッケージを配達するドローンを開発中であることを以前に発表している。

しかし、両社のビジョンは異なる。Googleの計画は、驚くほど早い配達、恐らく2分くらいを目指していると、The Atlanticの長文記事は伝えている。一方Amazonは、30分程度の時間に焦点を合わせている。

私は、Googleがどんな商品であれドローンを使って2分間配達を実現できるとは信じられない。商品の取り出し、荷作り、飛行時間、および配達に必要な時間は、サプライチェーンの効率化によって削減可能ではあるが限界がある。一方Amazonは、様々な商品を揃え配達することに関して多くの経験がありはるかに高い即応性を有している。

違いは他にもある。Googleのドローンは、商品を空中から下に降ろすが、Amazonの機体は着地する、少なくとも現在の方式では。

非軍用ドローンは、未だ初期段階にあるテクノロジーだが、今や企業の投資によって急速に成熟しつつある。

Googleは、一部の地域で従来型の自動車を使った同日配達サービスも運用している。この会社は、自動運転車も開発中であり、ベンチャーキャピタル子会社を通じてUberにも出資しいる。こうした行動から見て、同社のドローンへの取り組みは、物理的製品を移動する方式の一環であり、怪しげな科学実験ではなさそうだ。

The Atlanticは今日(米国時間8/28)、Googleのテクノロジーを未だに発達段階にあることを指摘した。

製造品質はピカ一だ。遠くからは、カスタム製エレクトロニクス満載の輝く完成品のように見えるが、近くで見ると、本体はハンドメイドで作り込まれていることがわかる。指紋の汚れもある。いくつかの部品は専門的に作られているようだが、社内の作業場で工作したと思われるものもある。これは進行中のプロジェクトだ。

というわけで、Googleドローン一般公開は、まだまだ先になりそうだ。

両社共に国の強い規制の壁に直面している ― 米国航空局(FAA)は、ドローンの商業利用を取り締る一方で、公式ドローン試験場をサポートしている。FAAが締切りを守っていないという不満も出ている。

Amazonは、規制の緩和を要望している。

次は何か? Google、Amazon共に、平均的消費者が欲しがるような安全で便利な機体を作るだけでなく、経済的に立ち上げ可能なものにする必要がある。これは並み大抵の挑戦ではない。

トップ画像提供:Google

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Uberがランチ・デリバリーのuberFRESHのテストを開始

Ubeは自動車のオンデマンド活用についてあらゆる可能性を試そうとしているようだ。今度はuberFRESHというランチ宅配サービスのテストを始めた。現在対象となっている地区はサンタモニカで、サービス時間は午前11時30分から午後2時30分まで。何種類かのセットメニューから選べて料金は一律12ドル。メニューは週変わり。サービスが提供されるのは月曜から金曜まで、土日祝祭日はサービスを休む。

uberFRESHの宅配は既存のUberアプリから申し込める。アプリの画面右下隅のスライダーにこのオプションが追加された。ベータテストなので当面利用できるのはサンタモニカの一部地区のみだ。テストの実施期間は今日(米国時間8/26)から9月日までを予定しているが、評判がよければ延長されるかもしれない。

ユーザーは12ドル払えばよく、別途配達料は請求されない。またチップも必要ない。受け渡しは住所地先の道端で行われる。ドライバーは家のドアの前やオフィスまでは運んでくれない。およその配達時間は10分くらいだそうだ。

uberFRESHはUberの数多い実験の一つだ。現在ワシントンDC地区では歯磨きなどの日用品を配達するUber Corner Storeが実施されている。仕組みはuberFRESHとほぼ同様だ。ランチ配達のライバルにはPostmatesなどがある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+