フィジカルインターネットを見据えるモノフルが東大先端科学技術研究センター「先端物流科学寄付研究部門」参画

パートナー企業との協業や様々なソリューションの組み合わせで物流業界を支える「ロジスティクス・エコシステム」を推進するモノフルは6月30日、高度物流人材の育成を支援するため、東京大学先端科学技術研究センターの「先端物流科学寄付研究部門」に参画すると発表した。

モノフルは、物流施設の開発・管理・運用を行うGLPの日本法人「日本GLP」のグループ会社の出資により2017年に創設された。物流施設や工場におけるトラックの長時間待機問題を解消し効率的な運用を行う「トラック簿」、配車や集車を効率化する「配車プラス」、倉庫スタッフの人材確保と管理を行う「適材ナビ」といった物流SaaSを展開し、オープンな業務提携、プロダクト連携、スタートアップ投資などを通じて物流業界の課題解決に取り組んでいる。

東京大学の「先端物流科学寄付研究部門」は、ヤマトホールディングス、SBSホールディングス、鈴与といった大手物流企業と日本政策投資銀行からの寄付で2019年に設立され、西成活裕教授をリーダーに、企業の枠を超えた物流やサプライチェーンの最適化研究を行っている。「従来とは異なる科学的視点で、ビッグデータやAI、IoT、ブロックチェーンなどの新技術を活用し、サイエンスで物流の未来を創ることのできる高度物流人材」の育成を目指している。

モノフルは、インターネットでデータを送るように物を運ぶという、次世代の物流の形として注目されている「フィジカルインターネット」において、「シェアリング、ルーティングなどの高度な技術的視点を持った人材」の育成が不可欠と考えていた。それが「先端物流科学寄付研究部門」の取り組みと一致したことから、参画を決めたという。

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タグ:東京大学(組織)フィジカルインターネット(用語)物流 / ロジスティクス / 運輸(用語)モノフル(企業)日本(国・地域)

TIME誌「2020年のベスト100発明」の1つ、VirtiはVRでスキルを教え知識保持率を230%向上させる

パンデミックが発生したことで、トレーニングスタッフは「バーチャル化」を余儀なくされた。一般的には、それは私たちがよく知っていて「大好きな」既存の企業トレーニングソリューションに頼ることを意味していた。他の方法はないのだろうか?

2018年、外傷外科医のAlex Young(アレックス・ヤング)医学博士は、手術のようなストレスの多い場面で必要とされるトレーニングをVR環境に適用することにより、ラディカルで効果的なトレーニングアプローチを導き出したという。

彼のデジタルトレーニングプラットフォーム「Virti」は今回、IQ CapitalがリードするシリーズAラウンドで1000万ドル(約11億円)を調達した。LAのCedars-Sinai Medical Center(シダーズ・サイナイ医療センター)と、英国を拠点とする新しいEdTech系VCファンドDescenture Capitalも今ラウンドに参加した。さらに、Oracle(オラクル)からKurt Kratchman(カート・クラッチマン)氏がCROとして、Mark Ashworth(マーク・アシュワース)氏がCFO兼COOとしてVirtiに加わった。

英国ブリストルで設立されたVirtiプラットフォームは、モバイルやデスクトップデバイス、またはVR / ARヘッドセットで動作し、3つすべてのデータをキャプチャして、従業員のパフォーマンスを分析、測定、フィードバックし、主観的に評価されがちな多くのスキルを、より客観的で測定可能なデータに変える。Virtiはパンデミック中に最前線で働く人々の役に立ったとして、TIMEマガジンが選ぶ「2020年のベスト100発明」の1つにも選出された。

Virtiは、その深層学習技術によりトレーニングの成果を最大230%向上させ、同社によれば、収益を978%向上させたとしている。また、クラウドベースでノーコードのシミュレーション作成スイートを持っており、組織は独自のオーダーメイドのトレーニングモジュールを構築できるという。

Virtiの創業者兼CEOであるヤング博士は次のようにコメントしている。「Virtiの目標は、体験型学習を誰もが手頃に利用できるようにすることで、人間のパフォーマンスを最大化することです。対面式のトレーニングは常に高価で、eラーニングはユーザーをエンゲージするのに効果的ではない場合が多くあります。そして研究によると、従業員はそうした一時的なトレーニングの80%以上を忘れてしまうそうです」。

IQ CapitalのマネージングパートナーであるMax Bautin(マックス・バウティン)氏は次のように述べた。「eラーニングは過去5年間で大きな成長を遂げており、新型コロナウイルスによるリモートワークへの移行で需要はさらに何倍も膨れ上がりました。Virtiのディープテック体験学習プラットフォームは、世界でも断トツに優れています」。

Virtiは、通常のデスクトップベースのトレーニングソリューションとも競合している。しかしVRサイドでは、5100万ドル(約56億4000万円)を調達したStriVRや、3510万ドル(約38億8000万円)を調達したMursiunとの間で、より一層の競争が繰り広げられている。

筆者との電話でヤング博士はこう語ってくれた。「当社のシステムはアナリティクスに関する特許を取得しており、VRヘッドセットを装着した人が何を見ているか追跡することができます。そのため、マーケティングプラットフォームで見られるヒートマップデータのように、深いエンゲージメント指標を引き出すことができるのです。これらの環境下で人々がどのように交流し、意思決定などを行っているかを組み合わせることで、現実の環境でどのようにパフォーマンスを向上させることができるかを予測し、それをレポートダッシュボードで共有できます。また、練習をしていないと、学習内容の80%を忘れてしまうという側面もあります。当社のシステムはモバイルやVR、ARヘッドセットでアクセスできるので、最新の情報や学習を得ることができ、スキルアップや情報の記憶をより長く保持することが可能なのです」。

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カテゴリー:EdTech
タグ:VirtiVR資金調達eラーニング

画像クレジット:Virti

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(文:Mike Butcher、翻訳:Aya Nakazato)

EdTechユニコーンDuolingoが株式公開を申請

ピッツバーグを拠点とする言語学習ビジネスのDuolingo(デュオリンゴ)が、24億ドル(約2653億円)の評価額とともに、正式に株式公開を申請した

この400人規模の会社は、Severin Hacker(セベリン・ハッカー)氏と、CAPTCHA(キャプチャ)やreCAPTCHA(リキャプチャ)を発明したLuis von Ahn(ルイス・フォン・アン)氏が共同で創業した企業だ。その中でも特に注目すべき点は何だろう?それは、シリコンバレー外の場所に拠点を置く、当時としては珍しいEdTech・コンシューマー・ビジネスが生み出した、収益化への道だ。同社は、完璧なビジネスモデルを見つけるために、試行錯誤を繰り返しながら、遠い道のりを歩んできた。当初は教育を無償で提供するというミッション下に、サブスクリプションには嫌悪感を見せていたものの、最終的はサブスクリプションにたどり着いた。

幸いなことに、S-1申請書を見るとそうした決断が会社の急速な収益増につながったことがわかる

現在Duolingoの収益の大部分は、サブスクリプションによるものだ。たとえば2020年の実績では、同社の総収入の73%がサブスクリプション収入によるものだった。この売上に続いて、2020年の総収入の中では、広告収入とDuolingo English Test(DET)がそれぞれ17%と10%を占めている(特にフォン・アン氏は、2019年までにDETがDuolingoの収益の20%になることを希望していたが、この数字には僅差で届かなかった)。

多岐にわたるビジネスモデルが功を奏しているように見える。同社の売上は、2019年の7080万ドル(約78億4000万円)から2020年の1億6170万ドル(約179億円)と129%の伸びを見せている。もちろん、最近の世界的なパンデミックがなくても、このような成長もある程度は達成されていただろう。しかし新型コロナに関係した加速を数字の中に読み取ることは難しいことではない。また、Duolingoの2021年第1四半期の売上高は5540万ドル(約61億3000万円)で、前年同期に比べて97%の伸びを示した。

同社は先日、調整後ベースでの黒字化を達成したところだ。

しかし、より厳密な会計条件では、Duolingoの純損失は拡大している。例えば、2021年3月31日までの3ヵ月間の純損失は1350万ドル(約14億9000万円)で、220万ドル(約2億4000万円)の純損失を計上した前年同期に比べて急増している。そして、2019年から2020年にかけての同社のGAAPベースの純損失は、1360万ドル(約15億円)から1580万ドル(約17億5000万円)に拡大した。

特筆すべきは、2020年に売上が2倍以上になり、損失の伸びはそれほどでもなかったため、同社の売上純利益率が改善したことだ。今回の上場においては、同社の収益性の高低は問題にならないだろう。

S-1申請では、Duolingoは1億ドル(約110億7000万円)という希望調達金額を提示したが、IPO時にどの程度の資金を調達することができるかは、ロードショー終了にIPOの価格帯を設定した後で知ることができるだろう。

このS1申請が事実上、2021年第3四半期のIPOシーズンのキックオフになるだろう、何人かの投資家がTechCrunchに語ったところによれば、このシーズンはより活発なものになることが期待されるという。

Duolingoは、これまでに1億8330万ドル(約202億9000万円)のベンチャーキャピタル資金を調達している。同社の主要投資家は、NewView Capital、Union Square Ventures、CapitalG、Kleiner Perkins、そして最近セカンダリー取引によって投資家のテーブルに加わったGeneral Atlanticなどである。

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現在の予想売上高が約2億2000万ドル(約243億5000万円)で成長率が100%以上であることを考えると、独自に設定した24億ドル(約2653億円)という価格をクリアすることは難しくないだろう。それは公開市場の投資家が、EdTech市場の成長がほとんど終わったと懸念していなければの話だが、第1四半期にDuolingoが100%近く成長したことは、そのような懸念を和らげることになるだろう。

その他の興味深いトピック

TechCrunchは、DuolingoのIPO申請書をまだ精査中だが、最近の成長と業績に彩りを添える、いくつかの詳細な出来事を発見した。ここでは、その中からいくつかをご紹介しよう:

  • 2020年の離職率は、従業員の2%に当たる4名のみという「過去最低」を記録した。
  • 同社は最終的に、提供している言語全体で「Duolingo Proficiency Score」(Duolingo習熟度スコア)を開始する予定だ。このことで「広く受け入れられる言語習熟度の指標を作り、Duolingoを世界的な習熟度の基準にしたい」と考えている。
  • 2020年にローンチされテキストの文章や音声を複数の言語間で翻訳できるApple(アップル)のiOS版「翻訳」アプリを「リスクファクター」の項目で競合として挙げている。
  • そして最後に、同スタートアップに補完的なサービスを追加するために、買収候補者を探していることを認めている

Duolingoは、ティッカーシンボルDUOLを使用して、NASDAQ証券取引所に上場する予定だ。

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カテゴリー:EdTech
タグ:DuolingoIPO

画像クレジット:Duolingo

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(文: Natasha Mascarenhas、Alex Wilhelm、翻訳:sako)

生徒の習熟度に合わせ難易度をリアルタイム調整するAI学習システム「Monoxer」をクラーク記念国際高等学校が正式採択

モノグサは6月22日、広域通信制高校のクラーク記念国際高等学校オンライン通学型コース「CLARK SMART」において、学習プラットフォーム「Monoxer」が導入されることになったと発表した。

Monoxerは、先生が覚えて欲しい内容を登録するだけで、その内容を定着するために必要な問題を自動作成するという学習プラットフォーム。生徒がスマホやタブレットのアプリを使い学習する中で、習熟度・忘却度に応じリアルタイムで問題の出題頻度・難易度の調整を行うため、生徒それぞれのレベルにあった学習を実現できる。またこれにより生徒の学習状況・定着度が分かるため、通学・通塾が困難な状況でも、きめ細やかな遠隔指導を行えるという。

またMonoxerの学習計画機能では、学習範囲と学習期間を決めると、日時の学習量と内容が自動で設定される。学習計画に従って学習を進めれば、最終日には学習範囲すべてを記憶している状態を実現できるようになっており、定期テストや検定対策に向けてコンスタントに学習を進められるとしている。

モノグサによると、生徒本人に勉強の意思があっても、勉強をスタートする準備や方法の面倒さが原因で勉強に取り組めないという例が一定数あるという。例えばクラーク記念国際高等学校の場合、英単語の暗記について生徒本人も重要という認識はあるものの、「英単語帳を開いてもどこを見たらよいか考えなければならないし、自分が何を憶えているか、憶えられていないかもわからず、どうしても学習がすすまない」と話している例があったそうだ。

そこで、試験導入においてMonoxerで英単語を覚える方法を試したところ、生徒にとって前述のような面倒さがなくなったとしている。50点満点の英単語テストにおいて、学習者全体の平均点が24.9点上昇する結果となり、学習プロセスと成果の再現性から資格試験の取得や進学へのステップにつなげた生徒もいたそうだ。

クラーク記念国際高等学校では、まず英語からMonoxerを導入し、徐々に他科目での活用範囲を広げていく予定。英語学習については、希望進路に応じた学習に加えて、英検対策でも活用する。また、中学までの基礎知識を定着させる「学び直し」も並行して開始することで、多様な学習環境、進路方針を持つ生徒全員の個々の現況の学力にあった個別最適な取り組みも行うとしている。

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カテゴリー:EdTech
タグ:語学学習(用語)モノグサ(企業)Monoxer(製品・サービス)日本(国・地域)

人前で話すことから声帯麻痺まで、Expressableは5億円を投じて遠隔での言語聴覚療法を提供

全米では少なくとも4000万人が言語に障害を抱えているが、このたび新しいスタートアップが大規模な解決策を打ち出す。オースティンを拠点とするExpressable(エクスプレッサブル)は、新たにシードラウンドで450万ドル(約5億円)を資金調達し、患者と言語聴覚士(SLP)を遠隔医療サービスと非同期サポートで結びつけるデジタル言語聴覚療法(スピーチセラピー)を展開する。

Expressableは、米国でコミュニケーション障害を抱える約500万人の子どもたちにサービスを提供することに重点を置いて、早期にセラピーを開始して子どもたちの将来を守ることを目指している。最初は吃音が時々あるだけだったとしても、時間が経てばコミュニケーション障害になってしまう可能性があるからだ。

共同創設者(かつ夫婦)であるNicholas Barbara(ニコラス・バーバラ)Leanne Sherred(リーエン・シェアード)が2019年に立ち上げたExpressableは、これまでに数千もの家庭にサービスを提供してきた。彼らは米国時間5月7日、Lerer Hippeau(レラーヒッポー)とNextView Ventures(ネクストビューベンチャーズ)が共同で主導し、Amplifyher Ventures(アンプリファイハーベンチャーズ)が参加するシードラウンドで資金調達することを発表する。この資金は、プロバイダーネットワークの拡大、ネットワーク化、EdTechサービスへの取り組みに使用されることになる。

事業内容

Expressableが提供するのは、子どもたちが言語聴覚士のセラピーを定期的に受けられるサービスだ。セラピーは、医療向けZoomを介して、Expressssableがフルタイムで雇用している資格を持つ専門家がライブで行う。人前で話すことから声帯麻痺まで、クライアントが必要とする分野の言語聴覚士がマッチングされる。保護者は、安全なSMSを通じて、言語聴覚士と連絡を取り、セラピーの調整や質問、スケジュールの変更などを行うことができる。

Expressableでは、リアルタイムのサポートに加えて、非同期型のサービスも用意されている。言語聴覚士が用意した宿題やレッスンをSMSで提供するeラーニングプラットフォームが構築され、言語訓練プランを強化することができる。

クルマで買い物に行くとき、夕食を作るとき、庭で遊ぶときなどに使える小さく分割されたアクティビティは、子どもとの対話に合わせて作成されている。レッスンは、子どもがジュースを頼む場面を作ったり、まねっこゲームで二語発話を練習したりといった簡単なものから始まる。

Expressableによる安全なSMSのデモ画面(画像クレジット:Expressable)

ExpressableのこのユニークなEdTechは、セラピーのプロセスに保護者が大きく関与することを求めている。保護者の協力がプラスの結果につながることはわかっているが、低所得者や労働者階級の家族が置き去りにされてしまうことがある。サービスの価格は平均して週に59ドル(約6400円)。現在は保険による補助がなく、全額自己負担となっている。

「言語聴覚士による言語聴覚士のためのコンテンツはたくさんありますが、言語聴覚士による保護者のための使いやすいコンテンツはあまりありません。これは大きなチャンスであり、市場のギャップであると感じました」とバーバラ氏は話す。

現状よりも優れている、というのはExpressableの価値の一部だが、現状には驚くほど無意味なものが多い。米国国立聴覚障害研究所によると、米国内の子どもの約8~9%が構音障害を持っているとされているが、実際に治療を受けているのは半数程度。Expressableが、子どもたちの将来を守るために早期にセラピーを受けさせたいと考える理由は、時折の吃音から始まる障害は、時間の経過とともにコミュニケーション障害に変わる可能性があるからだ。

「公立学校は小児言語学の第一の提供者ですが、残念ながら資金不足であることはご存じでしょう」とシェアード氏は話す。学校で言語サービスを受けることができた子どもたちはラッキーだが、グループでのレッスンでは上達するまでに時間がかかってしまう、と同氏は続ける。

シェアード氏は言語療法士として、学校でのセラピーのギャップがもたらす「信じられないほどのフラストレーションの連鎖」を身をもって体験している。同氏はキャリアの大半を在宅医療に費やし、家庭やデイケアで子どもたちと直接関わる仕事をしてきた。

Expressableのユーザーの多くは子どもだが、約35%は大人で、言葉の問題が大人になっても続くことがわかる。

Lerer HippeauとExpressabbleの取引を仲介したMeagan Loyst(ミーガン・ロイスト)はその一例だ。ロイスト氏は、2020年後半に言語と音声に問題があると診断され、リモートの言語療法サービスを見つける必要があったが、その際に質の高い言語療法士を見つけることの難しさを知ることになった。

「Expressable以前には、コミュニケーション障害を持つ個人のためにこれらの課題を解決する消費者向けのサービスは存在しませんでした」とロイスト氏は話す。「Expressableはすでに最高の言語療法士を雇用し、子どもたちがより良い結果を出せるように保護者や教育をプロセスに組み込んでいます。さらにこれらをバーチャルにすることで、コスト効率の高い手軽な方法を提供しています」。

工夫を凝らした遠隔医療

遠隔医療の利用率はパンデミック前の水準を上回っているが、訪問診療は減少傾向にある。Expressableに限らず、デジタル遠隔医療の新興企業にとっての課題は、パンデミック後に、医療や介護を完全にバーチャル化することをいかに説得力を持って提案できるかということだ。

Expressableの共同設立者たちは、競争上の優位性として、社内外での一貫性を挙げている。

まず、言語セラピーは、多くの患者が週に一度、毎月、何年にもわたって利用する継続的なサービスである。バーバラ氏は「他の遠隔医療サービスの多くは、迅速で簡単かつ直接的なプライマリーケアを提供するものです」「私たちは、提供者と患者の密接な関係を必要とする、より長期的な治療計画を提供しています」と話す。

第二に、多くの遠隔医療関連の新興企業とは異なり、Expressableは専門家を正規の従業員としてフルタイムで雇用する。同社には、現在50名の正規雇用の言語療法士が在籍しているが、言語療法士との長期的な関係を顧客に保証するための戦略的な選択である。

「私たちは、言語療法士のキャリアパスを構築し、言語聴覚士に対価として得られる価値を提供しています。彼らは自宅で時間を設定しながら仕事ができ、全国平均を上回る報酬を得られ、業務委託では得られないような福利厚生も受けられます」。

従来の業務委託モデルに依存しないことは差別化につながるかもしれないが、課題にもなり得る。Expressableはさまざまな言語の問題に対応できる言語療法士を迅速に(そして効率的に)採用する必要があり、新しい市場に進出する際は、個々の療法士の免許を取らずに類似企業のスタッフを支援するというホワイトラベルの手法を利用するのではなく、地域ごとの免許要件という面倒な法的プロセスを経る必要がある。

Expressableは、現在は15の州で事業を展開。そのすべての州で免許を持つ言語療法士を雇用し、今後全米規模の事業になることを目指している。

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タグ:言語聴覚療法Expressable遠隔医療コミュニケーション障害資金調達言語

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Dragonfly)

Google協力、QunaSysが量子プログラミングや量子アルゴリズムを学ぶイベント「Cirq Bootcamp」開催

Google協力、QunaSysが量子プログラミングや量子アルゴリズムを学ぶイベント「Cirq Bootcamp」開催

QunaSys(キュナシス)は、Googleの協力のもと、量子プログラミングや量子アルゴリズムを学ぶイベント「Cirq Bootcamp」を開催すると発表した。開催期間は6月26日午前9時から14時(JST)。参加費は無料。対象は、量子コンピューティングに興味がある大学生・大学院生だが、高校生や社会人も参加可能としている。開催形態はオンラインのみ(Zoom)。申し込みの際登録したメールアドレスにZoomの招待リンクを送付する。

同イベントでは、Googleがオープンソースで開発している、量子プログラミングフレームワーク「Cirq」を解説する。NISQ(Noisy Intermidiate Scale Quantum)デバイスに特化したPython用ライブラリーにあたり、基本的な使い方から研究事例まで採り上げ、量子アルゴリズムの理解を深めることを目的としている。

イベント前半ではCirqの使い方を学び、後半では「Google Quantum AI」の研究者がCirqを活用した実際の研究を紹介する。

NISQデバイスとは、中規模の誤り訂正無しの量子コンピューターを指す。2019年にGoogleがNISQデバイスによる量子超越性を示して以来、NISQデバイス上で実行可能なアルゴリズム開発や誤り訂正の実現に向けた研究が加速している。

「Cirq Bootcamp」開催概要

  • 開催期間:6月26日午前9時から14時(JST)。途中抜け・途中参加可
  • 対象:大学生・大学院生。高校生・社会人などの参加も可能
  • 参加費:無料
  • 開催形態:オンラインのみ。申し込みの際登録したメールアドレスにZoomの招待リンクを送付
  • 申し込みCirq Bootcampの「Cirq Bootcamp 応募フォーム」より行う

プログラム概要

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タグ:オープンソース / Open Source(用語)QunaSysGoogle / グーグル(企業)Google Quantum AI(用語)Cirq(用語)Python(製品・サービス)プログラミング(用語)量子コンピュータ(用語)日本(国・地域)

グーグルが子供向けオンライン安全カリキュラムを更新、オンラインでのいじめやハラスメントに関するレッスンも追加

Google(グーグル)は、米国時間6月16日、同社のデジタルの安全性と市民権に関わるカリキュラム「Be Internet Awesome」のアップデートと拡張を発表した。学齢期の児童が責任感を持ってインターネットを行き来できるようになることを狙ったカリキュラムだ。Googleによると、4年前に導入されたこのカリキュラムも、現在では3カ国数百万人の子どもたちに届いている。今回のアップデートで、Googleは、と教育者のためのレッスンを10 個ほど増やし、オンラインゲームや検索エンジン、動画の消費、オンラインの共感、サイバーいじめなどのテーマを加えている。

Googleはニューハンプシャー大学の対児童犯罪研究センターに依頼してこの事業を評価してもらい、2019年には重要なアップデートとして、偽情報やフェイクニュースの判断方法を子どもたちに教えるためのレッスンを追加している。

関連記事:子供たちに誤報やフェイクニュースを見分ける方法を教えるGoogleのプログラム

当時の評価では、この事業がサイバーいじめやオンラインの市民性とウェブサイトの安全性といった部分では、子どもたちの助けになっているが、その他の部分に関して改善が必要だと指摘されていた。

Googleはその後、Committee for ChildrenThe Net Safety Collaborativeといったオンラインでの安全性に関するエキスパートと協力して教材を改訂している。その結果、現在では、レッスンが年齢集団や学年別に調整され、テーマも増え、家族向けのリソースも加わった。

今回の新レッスンには、オンラインゲームと検索エンジン、動画消費に関するガイダンスが含まれ、児童生徒がサイバーいじめやオンラインでのハラスメントに対応できるようになるための社会や感情に関する学習も追加されている。

例えば一部の新レッスンでは検索メディアのリテラシーが議論され、Googleといった検索エンジンの正しい使い方とリンク、それらが返す結果を評価することを学ぶ。これらのレッスンが、メディアリテラシーに関する既存の教材に加わった。

他にも、オンラインでの共感の実践や親切の示し方、いじめなどの不適切で気が動転するようなものを見た / 遭遇したときの対応方法などのレッスンも加わっている。

オンラインゲーム関連のコンセプトが新レッスンに織り込まれたのは、リアルタイムチャットで他のプレイヤーと対話することも増えており、現在の子どもたちがオンラインゲームにおける大量のソーシャルなコミュニケーションを経験しているからだ。

また子どもたちは、「本当に子どもなのか」など、いろいろな視点からオンラインゲーマーの人物を検証できるようになる。教材は、オンライン上の人と共有してはいけない種類のプライベートな情報について説明している。

新たに追加された家族向けリソースでは、今回アップデートされたカリキュラムが親を、テクノロジーの利用を家族で管理するためのコツやツールの情報を提供する最近立ち上げられたオンラインハブ「families.google」に誘導する。

GoogleがアップデートしたFamily Linkアプリは、どのアプリをいつなら使ってよいかを、親が設定することが可能で、実際に子どもたちが画面を見たり、使ったりした時間が親に報告される。また2021年初めにはYouTubeに対するペアレンタルコントロール機能が加わり、YouTube Kidsの層よりも年は上だが、まだ自由に視聴させたくない年齢層、つまりティーンや10〜13歳の子どもたちの利用もコントロールできる。

Googleによると、アップデートされたカリキュラムは米国時間6月16日から、親や家族、教師、教育者らがBe Internet Awesomeのウェブサイトで利用できる。

関連記事:YouTubeが10代と10代の子を持つ親向けペアレンタルコントロール機能を導入へ

カテゴリー:EdTech
タグ:Google子ども10代ペアレンタルコントロールメディアリテラシー

画像クレジット:Google

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

セガがゲーム業界における三角関数や虚数の重要性を伝授する約150ページの社内勉強用数学資料を一般公開

セガがゲーム業界における三角関数や虚数の重要性を伝授する社内勉強用資料を一般公開

セガは6月15日、公式ツイッターアカウントで「サインコサインタンジェント、虚数i……いつ使うんだと思ったあなた。じつは数学は、ゲーム業界を根から支える重要な役割を担っているんです」とツイート。セガ社内勉強会用の数学資料「基礎線形代数講座」約150ページを無料公開したと発表した。

この勉強会は、「高校数学の超駆け足での復習」から始めて「大学初年度で学ぶ線形代数の基礎」を学び直し、「応用としての3次元回転の表現の基礎の理解」をすることを目的としている。

線形代数は3DCGの基礎であり、ゲーム開発には欠かせない。しかし、SEGA TECH BLOGによれば、「ゲーム開発においても分業化・専業化の流れは著しく、ゲームアプリケーション(みなさんに遊んで頂いているゲームそのもの)を開発する際、いわゆるゲームエンジンや各種ライブラリを用いるのが当たり前になっています」という。つまり、今やエンジンやライブラリーを使えば高等数学の知識がなくてもゲームは作れてしまうということ。ところが、数学の知識がないと、エンジンやライブラリーをカスタマイズして使いたいときに行き詰まってしまう。当然、エンジンやライブラリーを開発する人や、もっと高度なプログラムを組みたいと考える人には、どうしても必要となる。

この資料の構成は次のとおり。

第1講 イントロダクション
第2講 初等関数
第3講 ベクトル
第4講 行列 I:連立一次方程式
第5講 行列 II:線形変換
第6講 行列 III:固有値・対角化
第7講 回転の表現 I
第8講 回転の表現 II

この資料の「まえがきに代えて」の最後には、こんなメッセージが添えられている。
「学生の方へ、このような異端の書(笑)で学ぼうという奇特な方がもし居たら、言うまでもないことですが、本書を読んだあと講義で指定されている教科書を改めて読み直してみましょう。きっと今まで以上に理解が深まるのではないかと思います。未来を担う皆さんにとって、本書が少しでもお役に立てれば幸甚です」

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名古屋市がイノベーターのための人材育成プログラム「NAGOYA BOOST 10000 2021」参加者を募集

名古屋市がイノベーターのための人材育成プログラム「NAGOYA BOOST 10000 2021」参加者を募集

愛知県名古屋市は6月14日、イノベーションの担い手となる起業家や新規事業の開発を目指す人材を育成するプログラム「NAGOYA BOOST 10000 2021」(ナゴヤ・ブースト・テンサウザンド 2021)を、2020年に引き続き開催すると発表した。また2021年度からは、起業家(アントレプレナー)向けと新規事業担当者(イントレプレナー)向けの「AI・IoT人材BOOSTプログラム」をそれぞれ1コースずつ実施することを決め、参加者を募集している。募集期間は2021年7月18日まで。

またオンライン事前説明会が、7月1日午後6時から行われる予定。参加方法などの詳細は、Peatixイベントページ「NAGOYA BOOST 10000 2021 オンライン事前説明会」にまとめられている。

「NAGOYA BOOST 10000」は、名古屋発のイノベーション創出を目標とする「名古屋の看板事業」。2017年度開催のNAGOYA HACKATHON(ナゴヤ・ハッカソン)、若手人材育成のための「AI・IoT人材BOOSTプログラム」、それらの成果を発表してビジネスマッチングを行う「NAGOYA BOOST DAY」(ナゴヤ・ブースト・デイ)を追加し成長してきたものという。

2021年度からこのNAGOYA BOOST 10000は、「AI・IoT人材BOOSTプログラム for アントレプレナー」と「AI・IoT人材BOOSTプログラム for イントレプレナー」、そしてNAGOYA BOOST DAYの3本立てとなる。

募集概要(両コース共通)

  • 募集期間:2021年7月18日まで
  • 募集者数:各コース25名程度
  • 実施期間:2021年8月〜2022年2月
  • 参加費用:無料
  • 会場:NAGOYA INNOVATOR’S GARAGE(一部オンラインの場合もあり)

AI・IoT人材BOOSTプログラム for アントレプレナー

AIやIoTの最新プロトタイピング技術、それを使った事業開発に必要なスキルや知識を学ぶ。「インプットとアウトプットを繰り返しながら、アウトプットに対するユーザー評価を通じ短期間でその精度を上げていく『アウトプット型 新規事業創出・学習プログラム』」とのこと。

参加対象

  • 起業、スタートアップにチャレンジしてみたい方
  • AI・IoTなど最新テクノロジーを使ったアイデアで起業にチャレンジしてみたい方
  • 起業に向けて仲間を集めていて、アイデアを形にしたい方
  • 将来的に起業家を目指している方
  • ゼロから自分で作り出したい、ビジネスを生み出したい方

AI・IoT人材BOOSTプログラム for イントレプレナー

AI、IoT、ロボティクス、クラウドなどの最新テクノロジーを、業界をリードするスタートアップの事例などとともに幅広く学ぶ。「豊かな知識をフルに活用し社内事業を牽引できるリーダー人材を育成」するという。

参加対象者

  • 最新の技術トレンドを学びたい新規事業担当者、エンジニアの方
  • 最新の技術トレンドを活用した開発にチャレンジしたいエンジニアの方
  • 最新の技術トレンドで新しいアイデアを創出したい新規事業担当者
  • 社内起業予定、もしくは社内起業にチャレンジしてみたい方
  • 社内新規事業創出・創造にチャレンジしてみたい方
  • AI・IoTなど最新テクノロジーを使った新しい取組みにチャレンジしてみたい方

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カテゴリー:EdTech
タグ:IoT(用語)AI / 人工知能(用語)日本(国・地域)

オンライン学習大手Byju’sがインドで最高評価額のスタートアップに、UBSなどから資金調達

EdTechの巨人Byju’s(バイジュース)がUBS Group、Zoom創業者のEric Yuan(エリック・ユアン)氏、Blackstoneなどから新たに3億5000万ドル(約383億円)を調達し、ポストマネーで評価額が165億ドル(約1兆8094億円)とインドで最も価値の大きなスタートアップになった。

書類の中で、Byju’sはアブダビの政府系ファンドADQやPhoenix Risingを含む多くの投資家から約3億5000万ドルの投資を受けたことを明らかにした。新たな企業価値はPaytmのものを上回った。Paytmの直近の企業価値は160億ドル(約1兆7546億円)で、インドのスタートアップ業界でトップだった(Paytmは現在上場を模索中で、30億ドル[約3289億円]の調達と企業価値300億ドル[約3兆2899億円]を目指している)。

今回の資金調達は、Byju’sが2021年初めに開始した大きなラウンドの一環であり、同社は150億ドル(約1兆6449億円)の調達を目指している。最近の投資家にはB Capital GroupやヘッジファンドXNなどが含まれる。Byju’sは2019年7月に57億5000万ドル(約6305億円)、2020年末に110億ドル(約1兆2063億円)と評価されていた。

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Byju’sは新たに調達した資金をさらに多くのスタートアップ買収に使う計画だ。2021年初めにTechCrunchが報じたように、インドのコーチング機関Aakashを10億ドル(約1096億円)で買収したByju’sはオンライ学習スタートアップTopprの買収のデューデリジェンスを進めていて、米国拠点のEpicの買収も協議している。

Byju’sは学生の大学過程と大学院レベルの教育に向けた準備をサポートしていて、近年はあらゆ学年の生徒を対象にしサービスを拡大してきた。Byju’sアプリの家庭教師はピザやケーキなど実生活にあるものを使って複雑な問題を教えている。

パンデミックのためにインド政府は1カ月にわたって全国ロックダウンを敷き、学校も閉鎖したが、そのパンデミックはByju’s、そしてUnacademyやVedantuなど他のオンライン学習スタートアップの成長を加速させた。

2021年初め、Byju’sはユーザー数が8000万人に達し、うち550万人が有料購読者だと述べた。収益を上げているByju’sは2020年米国で1億ドル(約109億円)を売り上げた、と(Byju’sに出資している)GSV Venturesのマネージングパートナー、Deborah Quazzo(デボラ・クアゾ)氏はインドのベンチャーファンドBlume Venturesが3月に開催したセッションで述べた。

Byju’sの幹部は2021年初めのUBSイベントで、Byju’sの直近の年換算売上高は8億ドル(約877億円)で、12〜15カ月以内に10億ドル(約1096億円)に達する、と話した。同社はここ数カ月、海外展開の計画も加速させている。

関連記事:インドのEdTech大手Byju’sが米英・ラテンアメリカ・インドネシアに進出、国際市場へ拡大

カテゴリー:EdTech
タグ:Byju’sインド資金調達

画像クレジット:Paul Yeung / Bloomberg / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

EdTech大手Course Heroが古典文学の要約サービス「LitCharts」を買収

実は、英語の授業で私を含むクラスの半分が、実際に原文を読まずにSparkNotesを使ってシェイクスピアの「Twelfth Night(十二夜)」を読んでいた、と先生に告げ口したのはこの私だ。そのサイトは本の各章の要約を教えてくれるので、テストの前に長編小説などを復習するのにとても便利だった。あるいは、多くの本が積ん読状態で、その本を開いたことさえないようなときの土壇場の救世主でもある。

そんな歴史を考えると、誰もが愛する読書先延ばしツールSparkNotesの開発者たちが、EdTechのユニコーンの目に留まったのも当然だ。米国時間6月10日、SparkNotesの子孫であるLitChartsが、新進のEdTechユニコーンCourse Heroに買収された。その価額は公表されていない。しかしCourse Heroは2020年8月のシリーズBで8000万ドル(約87億7000万円)を調達しているため、その一部が今回の買収に投じられたことは確かだろう。

SparkNotesを開発したBen Florman(ベン・フローマン)氏とJustin Kestler(ジャスティン・ケストラー)氏が作ったLitChartsは、彼らの成功作の延長線上にある。LitChartsは2000あまりの文学作品の原文の注記や定義、そして翻訳を提供する。SparkNotesと同じくLitChartsも、複雑な章句を簡略化する。Course Heroを創業したAndrew Grauer(アンドリュー・グラウアー)氏の推定によると、LitChartsの会員の約30%は教師や教育者だ。

グラウアー氏はCourse Heroの長期展望について次ぎのように語る。「私たちは特定分野のベストソリューションを正しいTPOで提供したいと考えています。学習者であるユーザーの役に立つ良質なツールの、信頼できる推奨者でもありたいのです」。生徒をあるリソースから別のリソースに結びつける、こういったネットワーキングは、バーチャル教育の利点の1つだ。なぜなら、1つのエラーにも、これまでの生徒たちが犯してきたさまざまなつまづきの履歴があるのだから。

グラウアー氏によると、Course Heroの中核は、生徒1人ひとりの特異性をぎりぎりまで重視する質疑応答のプラットフォームだ。有料会員である生徒は、学習と教授のためのすべてのコンテンツにアクセスでき、その中には教師と発行者が作ったコースの教材もある。当然ながらCourse Heroの戦略の大きな部分は、生徒が苦戦している共通の主題に関する教材を提供することだ。英語も、そんな教材の1つだ。

「私たちのプラットフォーム上のデータをよく見れば、生徒が最も行き詰まっている箇所や助けを必要としている箇所、多くの質問が集中する箇所などがわかります。そんな情報が役に立つのです」とグラウアー氏はいう。

同社はこれまでの5〜6年間、自力で文学ライブラリを構築してきた。LitChartsを手中に収めたことにより同社は、その文学ライブラリと、そこにある膨大な量のビデオやイラストレーション、注記、そしてテキストに大きな投資をしたことになる。

これはCourse Heroにとって、8カ月ぶりの買収だ。同社は2020年10月に、人工知能を利用する計算アプリSymbolabを買収している。これは生徒が複雑な数学の問題を解いたり理解するのに役に立つ。その買収でCourse Heroの数学の部分が強化され、そして今日の買収では文学のリソースが充実した。どちらのブランドも独立した運用を続けるが、それはグラウアー氏の「起業家たちを分散状態で強くしていく」という哲学の表れだ。

関連記事:EdTechのCourse Heroが数学専門の解答エンジンSymbolabを買収、他科目の買収も目指す

「すべてを一元化すれば、同じように見えるので力を発揮するかもしれませんが、実際には、あまりにも多くの小さな特定のユースケースに最適化しているため、動きが遅くなり、迅速な意思決定や目標への前進ができなくなります」とグラウアー氏はいう。Course Heroが最近買収した2つのスタートアップは、10年以上の歴史があり、その規模とブランド力は、無理に包括的なブランドにするのではなく、そのままにしておく価値があると同氏は考えている。

さまざまなプラットフォームを抱えるCourse Heroは、現在の有料会員数が推定200万〜300万人で、1年前の100万から大きく増加している。

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カテゴリー:EdTech
タグ:Course Hero買収

画像クレジット:PM Images/Getty Images

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Hiroshi Iwatani)

東京大学が国内初の「数理・データサイエンス・AIモデルカリキュラム」完全準拠教材を無償公開

東京大学が数理・データサイエンス教育の充実に向け「数理・データサイエンス・AIモデルカリキュラム」完全準拠教材を無償公開

東京大学 数理・情報教育研究センター(MIセンター)は6月8日、数理・データサイエンス・AIモデルカリキュラム(モデルカリキュラム)に準拠したスライド教材・実習用補助教材を開発し、国内すべての大学・高等専門学校などに向けて無償公開したと発表した。この取り組みは、政府の「AI戦略2019」に対応したもので、モデルカリキュラムの内容のすべてに対応した教材の公表は、全国で初めての試み。ライセンスとして、クリエイティブ・コモンズ ライセンスの「CC BY-NC-SA」を採用しており、原作者のクレジット表示、非営利目的での利用、再配布などが可能となっている。

モデルカリキュラムに完全準拠した教材の開発・公開によって、数理・データサイエンス・AI教育の全国的な広がり、教育の質向上が図られるとともに、教育コンテンツなどを直ちに完備することが困難な大学での活用、専門分野の教員の不足の解消などの効果が期待されるとしている。さらに、近年のデータサイエンティストへの期待の高まりを受け、高等教育機関だけでなく、社会人教育の場などに教材の活用が広がることも期待しているという。

同教材の活用により数理・データサイエンス・AIの基礎的素養を持つ人材を幅広く輩出し、デジタル改革やDX推進の一助となることを期待しているとした。

今後、東京大学が幹事校を務める数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアムの活動の一環として、同教材を活用したワークショップなどを行い、具体的な活用方法も含めて広く全国に普及・展開する。これらの取り組みによって、国内の数理・データサイエンス・AI教育の底上げを図るとともに、教えることができる教員の不足を解消しデジタル改革の推進の一助となることを期待しているという。

数理・データサイエンス・AIモデルカリキュラム

数理・データサイエンス・AIモデルカリキュラムとは、国内すべての大学・高等専門学校が参照可能な全国的なモデルとなるカリキュラムとして、数理・データサイエンス・AI 教育強化拠点コンソーシアムが策定したもの。これまでに、「数理・データサイエンス・AI(リテラシーレベル)モデルカリキュラム ~データ思考の涵養~」(2020年4月公表)および「数理・データサイエンス・AI(応用基礎レベル)モデルカリキュラム ~AI×データ活用の実践~」(2021年3月公表)を公開している。

モデルカリキュラムには、獲得する知識・スキルをキーワードとして列記しており、その数はリテラシーレベルで84、応用基礎レベルで108に及ぶ。

ただこれらは、学修項目や知識・スキルが体系的・網羅的に整理されている一方で、実際の授業に際し内容・構成をどうすべきかわからない、モデルとなる教材がほしいなど意見が多くの大学などからあったという。そこで今回公開の教材では、各大学の課題解決にも資するものとして、モデルカリキュラムを教材に落とし込むことでより一層の理解を図り、数理・データサイエンス・AI 教育の全国への普及に貢献するものとしている。

MIセンターが開発・公開した教材は、前述192のキーワードをすべて取り上げているほか、各大学の利便性を考慮し、キーワードと教材の対応なども掲載している。また、各大学などの授業内容に合わせてスライド教材をページ単位で使用できるなど、条件を設けずに自由に利用できるようにしており、学生の自学自習での活用も期待されるという。今後、教材の利用者アンケートを随時行うことで、意見を反映して適宜改善する予定。

またMIセンターは、コンソーシアムの活動の一環として同教材を使用した模擬授業を含むワークショップを行う予定。2021 年 6月24日に第1回目を開催し、順次拡大していく。詳しくはコンソーシアムのサイトを参照。

AI戦略2019は、2019年6月に統合イノベーション戦略推進会議が決定した政府主導の戦略。具体目標として「文理を問わず、すべての大学・高専生(約50万人卒/年)が、課程にて初級レベルの数理・データサイエンス・AIを習得」「文理を問わず、一定規模の大学・高専生(約25万人卒/年)が、自らの専門分野への数理・データサイエンス・AI の応用基礎力を習得」などを掲げている。

数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアムは、2016年12月に数理及びデータサイエンスに係る教育強化を目的として幹事校の東京大学を含めた6校(北海道大学、東京大学、滋賀大学、京都大学、大阪大学、九州大学)が文部科学省より拠点校に選定され、各大学内での数理・データサイエンス教育の充実に努めるだけでなく、全国の大学に取組成果の波及を図るため、地域や分野における拠点として他大学の数理・データサイエンス教育の強化に取り組んでいる。

2019年度には協力校として国立大学20校、2020年度には全国展開の活動をさらに加速するために、協力校3校と特定分野協力校7校、公私立大学校および国立高等専門学校機構も連携校となった。2021年4月現在では120校が参加している。

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カテゴリー:EdTech
タグ:教育 / EdTech / エドテック(用語)東京大学(組織)日本(国・地域)

習得したいけど勉強は嫌……外国語が苦手な日本人でもゲーム感覚で言語が学べる無料アプリDuolingo

現在世界で5億人が使用している言語学習アプリ「Duolingo」をご存知だろうか。5分程度の隙間時間で、ゲーム感覚で継続できるよう設計されており、大学1年生レベルまでの言語が学べるようになっている。グアテマラでは学校教育にも取り入れられ、オバマ前大統領やビル・ゲイツ氏も愛用者だそうだ。40種類の言語、100コースを揃えており、なんと「ゲーム・オブ・スローンズ」や「スタートレック」など、エンターテインメントに出てくる独特の言語も学ぶことができるという。

外国語は習得したいが勉強は避けたい日本

2020年に3500万ドル(約38億3000万円)を調達し、海外で知名度を広げているDuolingoだが、日本へは2020年11月に本格参入している。日本でのカントリー・マネジャーに就任した水谷翔氏は、ミクシィ新卒入社後、マーケティングに携わり、2020年8月より日本の第一号社員として参画し、2021年より韓国市場も担当している。

日本在住者男女15~69歳1200人を対象にした「全国英語学習のホンネ調査」では、日本人の70%が「英語に対して苦手意識がある」と回答。また英語に苦手意識があると回答した方の約半数が「中学校在学時」の時点で、すでに苦手意識を感じてしまっているという。

また、同調査では「英語を学習したい」人は80%近くいるが「実際に学習をしている」人は13%にとどまるという。学習環境が整っていない国とはまた違う視点となるが、「英語を習得したいが、勉強したくない層にリーチする」という意味では、日本はブルーオーシャンだと思っていると水谷氏は語る。

適切なマーケティングでDAU増加

楽しく学びやすいUI/UXのDuolingo

そんな日本では、その特性に合わせたマーケティングにより、DAUの増加に成功しているという。2020年末には「ゴロゴロしながら、無料で英語学習ができる」というキャンペーンを実施。年末に来年の目標を立てる人は多いが、実際に年初から勉強する気はなかなか起こらないことから、ゴロゴロしながら勉強している感を得られるようにPRを行い、DAUが前年度比60%増となった。

日本人が関心があるのは英語だけではない。2021年2月には、対応言語に韓国語も追加された。日本の10代、20代における韓国への関心は強く、新型コロナで渡航自粛が続く中で「卒業旅行に行けない学生のみなさまへ…韓国語を学べるアプリDuolingoから『未来で行く卒業旅行券』プレゼントキャンペーン」を行い、 DAUが前年度比70%増になったという。

グローバルに働ける人を増やしたい

共同創業者CEOのLuis von Ahn(ルイス・フォン・アン)氏は「誰もが使える世界最高の教育を開発する、教育を通して経済格差を是正したい」を理念に掲げており、グローバルに英語教育を提供することを目指している。言語を習得した後には、仕事を得られるところまで支援することをネクストステップとして意識しているという。水谷氏も「言語を簡単に楽しく学べるアプリは、意外と今までなかったと感じており、言語を習得してグローバル活躍してくれる人が増えて欲しいと願っています」と語った。

今後は、言語コースの拡充によるユーザ増加を目指す他、既存の英語力テストの代わりとして米国ではすでに受験生の英語力判定に採用しているという「DET(デュオリンゴ・イングリッシュ・テスト)」の普及(オンラインかつ1時間受験可能)や、学校教材としての採用拡大等を検討しているという。

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カテゴリー:EdTech
タグ:Duolingo語学学習ゲーミフィケーション

住宅建築の技能をビデオで学べるプラットフォーム「Copeland」

職業専門学校は目新しいものではない。しかしCopeland(コープランド)という新しいスタートアップは、配管や塗装、家具製作などについての教育を、業界のプロや専門性を持つ教育者が登場する高品質の事前収録されたオンライン授業で提供することで大きな事業を構築できると考えている。

建設関係のMasterClassと感じたら、それは偶然ではない。CopelandはMasterClass(企業価値はいまや25億ドル[約2740億円]と報じられている)に最初に小切手を切った有名な投資家Michael Dearing(マイケル・ディアリング)氏のアイデアで、技能などが十分に生かされていない米国人を、十分な働き手を確保できない住宅建築業者と結びつけることにチャンスを見出した。一方、Copelandの共同創業者でCEOのGabe Jewell(ゲイブ・ジュウェル)氏は創業前、クリエイティブディレクターとしてMasterClassで約4年間過ごした。

コンテンツに料金を課しているCopelandは、職業専門学校に加えて建築や解体に関する数限りないハウツービデオを無料で閲覧できるYouTubeビデオとも競合している。それでもベイエリアで設立されたばかりの6人の会社であるCopelandはこれまでに9つの異なるコンテンツを制作した。同社の見通しに胸躍らせている投資家もいる。実際、ディアリング氏による初期の投資に加え、同社はシードラウンドでDefy.vcとCollaborative Fundから500万ドル(約5億5000万円)を調達し、累計調達額は700万ドル(約7億7000万円)となった。

米国時間6月3日午後に筆者はCopelandが何をしようとしているのか、住宅所有者や野心的な技能職の人がターゲット顧客なのかどうか、ジュウェル氏に話を聞いた。Copelandはある教育者にちなんだ名称だ。ジュウェル氏との会話は以下の通り。

TC:技能職の人や建築・建設分野で働く意欲がある人を教育しようとしています。この分野は労働力が不足し、ノウハウを持っている人を必要としています。あなたの顧客がトレーニングを受けたことを雇用主が認められるよう、証明書を付与する計画ですか。

GJ:適正証明あるいは、アセスメントをしっかりパスした場合の修了証明書を検討しています。ライセンスの方はというと、(一括請負建設業者の)ライセンスは地域で発行されるため複雑です。誰かの家を燃やしてダメにしてしまわないよう、認可された電気工事業者である必要がありますが、通常そのライセンス取得には4年かかります。ですので当社は現在、一般的な教育とサポートに注力しています。

TC:好奇心からお聞きしたいのですが、1カ所で多くの人に対応するプラットフォームであることを考えたとき、どうやってユーザーをテストするのですか。

GJ:建設の数学をテストすることが考えられます。角度や面積などをどう計算するのかを知っていることを確認するアセスメントを通じて行います。他のテストは一般的な知識についてとなるかもしれません。オンラインテストではあなたがすばらしい家具を作ることを確かめることはできませんが、他にもテストの方法は簡単に考えられます。

TC:MasterClassはセレブやそれぞれの分野のスターに頼っています。話題となるために、DIYタイプの番組からセレブ的な建築業者や技能職の人を先生として引っ張ってきますか。

GJ:それについても協議しています。やっていることをシェアするプロの建築業者による健全なオンラインコミュニティがあり、彼らは当社を温かく迎えてくれました。当社にとって最も重要なことはインストラクションの質を本当に高くすることです。

TC:私は昨日、煉瓦の壁をどのように解体するかについてのビデオを観ました。それで、ふと思ったのですが、Copelandのプラットフォームに住宅所有者向けのコンテンツは登場するのでしょうか。

GJ:DIY初挑戦という人にもコンテンツを提供するつもりです。例えばデッキ作りは雇用につながるスキルで、プロの作り方として学べるものを教えることができます。と同時に、もしあなたが自分のデッキを作ることを真剣に考えているなら、教え方を知っているプロ以外の誰から学ぶのでしょうか。

当社はまた、そうしたオーディエンスが集える方法を考えています。そこで壁を解体する方法を学ぶことができるかもしれませんが、信頼できるリソースとしてチェックできるプロの改造業者を見つけるためにCopelandを利用することもできます。

TC:プログラミングの各ピースをつくるのにどれくらいの時間がかかるのですか。

GJ:コースを合体させるのに数カ月かかります。各コースは大体が1〜2時間ですが、今後はもっと幅が出てくるでしょう。

TC:建築業者や、現在追い詰められている商業不動産デベロッパーとの提携はありますか。

GJ:住宅建築業者との提携を確立しているところです。いくつか進行中で、さらにコンテンツを制作してライブラリーに追加するとともに、そうした面を成長させることについてワクワクしています。

TC:コンテンツを制作するなかでサブスクも視野に入れていますか。

GJ:はい。現在は1コースあたり75ドル(約8200円)で、無期限にアクセスできます。また企業は人数分や回数で購入することもできます。ライブラリーを拡大するにつれ、価格体系はよりフレキシブルになるでしょう。

TC:どのようなタイプのコンテンツが今後登場しますか。

GJ:現在、大工仕事や家具製作、設計図読みのような実践的な技能をともなう住宅建築にフォーカスしていますが、配管や塗装、そして契約やリスク管理など一般的な請負業者のスキルなどを加えることでコンテンツを引き続き拡大していきます。当社はまた、現場とオフィスの中間のスキルを主に扱う、大学の教授による商業建築管理のライブラリーも制作しています。経験のある職人でリーダーシップスキルを学ぶ必要があったり、小売から建設の分野に移ってきた、あるいはオフィスの収容能力に取り組んでいどうやって結論を導き出すかを学ぶ必要がある、という人向けです。

カテゴリー:EdTech
タグ:Copelandオンライン学習住宅建築

画像クレジット:Copeland

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(文:Connie Loizos、翻訳:Nariko Mizoguchi

競プロ「AtCoder」が東京海上日動火災保険主催のプログラミングコンテストを発表、6月12日開催

競プロ「AtCoder」が東京海上日動火災保険主催のプログラミングコンテストを発表、6月12日開催

日本最大級の競技プログラミング(競プロ)コンテストサイト「AtCoder」を運営するAtCoderは6月4日、東京海上日動火災保険主催の個人戦コンテスト「東京海上日動プログラミングコンテスト2021」(AtCoder Regular Contest 122)の開催を発表した。コンテスト時間は6月12日21時~23時(120分間)。

総合順位1位の者には10万円分のAmazon ギフトカードなど、順位ごとの賞品が用意されている。また学生の場合は、大学生・大学院生・短大生・専門学校生・高専生・高校生・中学生を対象としており、別途順位および賞金を用意している(未成年の参加者は、賞品の受け取りについて保護者の同意が必要)。

同コンテストは、6月12日21時~23時(120分間)の開催時間中に出題されるプログラミング問題に対するソースコードを提出し、獲得した得点を競うというもの。誤答を提出するたびにペナルティが加算される(同コンテストの場合は5分間)。また、参加者のレベルを表すレーティング更新対象は0~2799となっている(レートが2799以下の参加者は、コンテスト結果によってレートが変動)。

東京海上日動は、創業以来140年間、データを基とした数理モデルで事故や災害などのリスクを見える化し、社会に求められる新しい保険商品・サービスを提供し続けてきたという。なかでも、東京海上グループのIT戦略を支える中核会社「東京海上日動システムズ」では、新たなビジネスモデルの構築や既存ビジネスのトランスフォーメーションを推進するなど、最先端のデジタル技術を含め、ITを駆使した付加価値の高いシステムを開発しているそうだ。

ただ、昨今の技術革新や社会構造が高度にデジタル化していく中で、これまで以上のスピード感で変化していくことが求められていると指摘。最先端のデジタル技術、IoT機器や人の行動から生まれた複雑なデータを有効に活用することで、より安心・安全な社会を実現するには、従来以上に高度なアルゴリズム構築力やプログラミング力を持った人材がキーになると考えているという。

そこで同社は、コンテスト参加者が先端技術や複雑化したデータを駆使して、安心・安全な社会の実現に向けた新たなビジネスを生み出している、あるいは誰かの挑戦を後押ししているといった未来を思い描くため、コンテストを主催するにいたったと明かしている。

なお活用できる技術・歓迎する言語としては、フロントエンドの場合はVue.js、React、HTML、CSS、またサーバーサイドの場合はNode.js、Java、C#、Kotlin、Objective-C、Python、R言語、Ruby、SQLを挙げている。

AtCoderは、競技プログラミングコンテストサイト「AtCoder」を運営。20万名超(うち日本人は11万名以上)が参加登録し、毎週開催される定期コンテストには約1万名以上が挑戦するという。

また、高度IT人材採用・育成事業として、コンテスト参加者の成績を8段階にランク付けした「AtCoderランク」を利用する転職・求職支援サービス「AtCoderJobs」や、IT人材のプログラミングスキルを可視化できる検定「アルゴリズム実技検定・PAST」といったサービスを展開している。

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タグ:AtCoderオンライン学習 / eラーニング / オンラインレッスン(用語)エンジニア(用語)教育 / EdTech / エドテック(用語)競技プログラミング / 競プロプログラミング(用語)日本(国・地域)

ソニーのIoTブロック「MESH」が教育現場の要望に応えChrome OS・Chromebookに対応

ソニーのIoTブロック「MESH」が教育現場の要望に応えてChrome OS・Chromebookに対応

ソニーマーケティングは6月2日、IoTブロック「MESH」(メッシュ)がChromebookでも使えるようになる「ブラウザ版MESHアプリ」の提供を開始した。同時に、2021年夏には、Android版MESHアプリをChrome OSで使えるように対応プラットフォームの拡張を行うと発表した。MESHはこれまで、iOS、iPadOS、Android、Windows搭載端末に対応していたが、今後はChromebookでも利用可能になる。

MESHは、ボタン、カメラ、人感センサー、温度湿度センサーなど、単独の機能を持つ「MESHブロック」を「MESHアプリ」に無線接続することで、簡単にIoTシステムが作れるというシステム。MESHアプリでは、プログラミング言語の知識がなくても、接続されたMESHブロックやソフトウェア機能を示す「ソフトウェアブロック」を視覚的につなぎ合わせるだけで、「部屋に人が入ってきたら写真を撮影する」とか「気温の変化に応じて植木に水をやる」といったIoTシステムを直感的に構築できる。試行錯誤しながらプログラミングやものづくりを学ぶことができるため、小中学校や子どもを対象としたワークショップなどで広く利用されている。

「ブラウザ版」と「Android版」の追加は、「授業でMESHを扱うために対応端末を拡充してほしい」「コストを抑えながらPC配備を進めたい」といった教育現場からの要望に応えたもの。

「ブラウザ版」では、MESHブロックと端末との接続に専用の中継器「MESHブリッジ」が必要になる。ブロックと端末とはBluetoothで接続されるが、ペアリング設定はMESHブリッジに保存されるので、MESHブリッジとMESHブロックのペアリングを一度行えば、別の端末で使用したいときに、改めてペアリングをせずに済む。ひとつの部屋で大勢が個々のPCを使う学校の授業などでは、毎回ペアリングをする手間や混乱を避けられる。

MESHブリッジ

「Android版」では、Android端末とMESHブロックをBluetoothで直接接続できる。インターネットに接続されていないオフライン環境での利用も可能。ただし、端末を変更した際には、改めてペアリングし直す必要がある。そのため近くの別の端末に誤ってペアリングしてしまうなどの混乱を招く恐れがあるので、端末とブロックの組み合わせをあまり変更しない場合や「小規模な利用シーン」に適しているとのこと。

ブラウザ版MESHアプリは、ChromeブラウザからMESHアプリのページにアクセスするだけで無料で利用できる。Android版MESHアプリは、夏からGoogle Playストアを介し無料でインストールできる予定。MESHブリッジの価格は税込5478円。

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IoTやAIを活用した保育支援サービス「ルクミー」を手がけるユニファが40億円のシリーズD調達

IoTやAIを活用した保育支援サービス「ルクミー」を手がけるユニファが40億円のシリーズD調達

IoTやAIを活用した保育支援デバイスの開発およびサービスを提供するユニファは6月2日、シリーズDラウンドにおいて、第三者割当増資による総額40億円の資金調達を発表した。引受先は、Minerva Growth Partners、海外資産運用会社(非公開)、MPower Partners、第一生命保険、Salesforce Ventures、DIMENSION、創発の莟ファンド、GLIN Impact Capital、博報堂DYベンチャーズ。今回の資金調達は、未上場株式・上場株式の双方を投資対象とするクロスオーバーの海外機関投資家やESG・インパクト投資家などを中心としたラウンドという。

また調達した資金は、IoTやAIを活用した保育支援サービス「ルクミー」シリーズや新規事業に関わるプロダクト開発費用、さらなる顧客施設拡大に向けた営業・マーケティング費用、優秀な人材の獲得費用、M&Aなどに使用する予定。事業基盤・経営基盤を強化することで、中長期的な成長を加速させる。

ユニファは、日本におけるジェンダーギャップや保育士不足といった社会課題に対して、AIやIoTといったテクノロジーを活用することでの業務負担の削減、保育者の時間と心のゆとりの確保し、子ども達との関わりに保育者が集中し、保育の質の向上を確保できる環境作りを支援しているという。

ルクミーの導入数は累計で2021年4月現在で1万件を超えており、またユニファの全サービスを導入した「スマート保育園」のモデル園では、月に60%以上の業務時間を削減した施設もあるそうだ。さらに、埼玉県や福岡市など自治体と連携し、保育業務におけるICT活用がもたらす効果についての実証実験も行っている。

ユニファのテクノロジーを活用したサービス提供により、安心・安全な保育施設の環境作りや質の高い乳幼児の発達支援、そして仕事と子育てを両立できる持続可能な社会の実現や、女性活躍のさらなる推進を支援するとしている。「家族の幸せを生み出すあたらしい社会インフラを世界中で創り出す」というモットーの実現に向けた、同社の今後の動きが注目される。

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Shopifyが世界で共通するeコマース人材の育成プログラムを青山大学で提供

Shopifyが世界で共通するeコマース人材の育成プログラムを青山大学で提供

世界175カ国170万件以上のショップに導入されているeコマース(EC)プラットフォームShopify(ショッピファイ)の日本法人Shopify Japanは5月31日、青山学院大学総合文化政策学部において、2021年度開講の「情報環境論(1)」履修者に対して「新しいeコマース人材の育成強化のためのエデュケーションプログラム」を提供すると発表した。

同学の大島正嗣総合文化政策学部教授、宮田和樹非常勤講師が担当するこの講座で学べるのは、ウェブを中心とした情報環境の基礎となるコーディングやユーザビリティの知識、近年のサイト環境におけるノーコードのトレンド、WebVR/ARといった新たな体験となっている。授業は全15回。3カ月間、受講者にはShopifyの教育用アカウントが与えられ、オンラインサポートが無料で受けられる。そのうち2回は、Shopify認定教育トレーナーの塩澤耕平氏、Shopify Japanの塩田浩平氏、岡村純一氏が講師を務め、「コマース分野の最新動向やストア構築における実践的なノウハウ」について話が聞けることになっている。

Shopifyではこれまでも、EC人材の育成に取り組んできた。2021年4月には、法政大学で同様のプログラムを実施している。2020年からはクラウドソーシングのLancers(ランサーズ)との連携を開始した。これらを通して、Shopifyエコシステムの強化、オフライン事業社のオンライン化支援、世界で活躍できる起業家育成に力を入れるてゆくという。

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中東・アフリカ地域のアラビア語話者向け動画学習プラットフォーム「Almentor」が7.1億円調達

世界には4億人以上のアラビア語話者がいて、その数が減ることはない。アラビア語は、ほとんどの人にとって難しい言語であり、話者にとってさえもそうだ。Duolingo(デュオリンゴ)によると、アラビア語エジプト方言が堪能な人でも、アラビア語イエメン方言話者のいうことを完全には理解できないという。方言の違いが著しいためだ。

個人が複数の方言を操ることは難しくないが、完全カスタマイズされたアラビア語による日常生活に不可欠なコンテンツを見つけるのは容易ではない。

Dr Ihab Fikry (イハブ・フィクリー博士)とIbrahim Kamel(イブラハム・カメル)氏は、アラビア語話者向けオンライン学習コンテンツの不足を補うためのオンラインビデオ学習プラットフォームAlmentor.net(アルメンター・ドット・ネット)を2016年に設立した。数百人の指導者、教育者、専門家らの協力を得て、同プラットフォームは、健康、人文科学、テクノロジー、起業家精神、ビジネスマネージメント、ライフスタイル、ドラマ、スポーツ、コーポレート・コミュニケーション、デジタルメディアなどさまざまな分野のコースと講演を提供している。

Almentorは2016年に350万ドル(約3億8000万円)のシードラウンドを完了し、3年前にはエジプトのSawari VenturesのリードによるシリーズAで450万ドル(約4億9000万円)調達した。このドバイ拠点のEdTech企業は、今回のシリーズBで総調達額を1450万ドル(約15億9000万円)とした。サンフランシスコとパリに拠点を持つベンチャーキャピタル、Partechがラウンドをリードし、他にSawari Ventures、シリーズAでも出資したEgypt Ventures、およびSango capitalが参加した。

Almentorはアラブ圏学習者に、職業経験と個人生活を高めるために不可欠なスキルを提供する。同プラットフォームは、地域で最大の持続学習ライブラリーを持っていて、世界でも最大規模だと言っている。ドバイ、カイロ、およびサウジアラビアで提供している同社の動画コンテンツは、社内で開発されアラビア語と英語が使われている。

「Almentorを立ち上げた構想と理由は、1億人以上がいるこの地域で、90%の人々はアラビア語以外の言語を満足に学習できないことを、私が理解していたからです」とフィクリー氏がTechCrunchに語った。「だから私たちは、人々の思想を変え、彼らが客観的になって集中して学ぶことのできるテーマに焦点を当てられるような最先端技術を駆使したプラットフォームを作りたいと思いました」。

Almentorのような新規製品では、投資家と顧客の両方を集めるのが大変だ。CEOのフィクリー氏によると、最初の課題はMENA(中東・北アフリカ)諸国に対して、Almentorがビデオ学習の新しい産業を作ろうとしていて「地域のサービスを強化する数多くの可能性がある」と説得することだった。

Almentorのビジネスは、教育とメディアとテクノロジーの交点にある。提供するサービスは3つに分けられる。主力のB2Cプロダクト、優良企業向けのホワイトレーベルB2Bモデル、そしてフィクリー氏が政府向け「スペシャルプロジェクト」と呼ぶものだ。

B2CプロダクトとしてAlmentorは、20~30ドル(約2190〜3280円)でコースを販売し、ユーザーは永久に使い続けることができる。フィクリー氏は2021年6月に、同社の1万2000種類の動画コンテンツを、100万人以上の登録ユーザーが定額で無制限に利用できるサブスクリプション型モデルの導入を計画しているという。

B2Bモデルでは、Almentorが同社のライブラリーを企業に開放し、利用する企業は社員向けにコンテンツをカスタマイズできる。動画の内容は主として、職場で成功するために必要なチュートリアルまたは教育で、2016年以来Almentorは提携企業と78件の契約を結んだ。

そして、スペシャルプロジェクトは、Almentorが政府と仕事をするためのモデルだ。かつて同社はエジプト政府と提携して、国の映画産業のスキル向上を実施した。同社は5年前の創業以来同じようなスペシャルプロジェクトをあと11件実行している。

3つのモデルを通じて、Almentorは200万人以上に学習体験を届けることに成功した。今回の投資は、コンテンツの制作と品質を強化し、MENA諸国の人々に何故このプロダクトが必要かを知ってもらうために使うと同社は言っている。

「現在当社はアラブ地域の持続学習業界をリードしていますが、私たちにはAlmentorの野心以上のことを行う責任があります。現在の責務はアラブ地域全体として業界を向上することであり、そのための唯一の方法は、プラットフォームが提供するコンテンツの価値と専門技術と公平性に対するアラブ学習者の信頼を勝ち取り、世界の学習トレンドに沿って事業を進めていくことです」。

PartechのゼネラルパートナーであるCyril Collon(シリル・コロン)氏は投資について次のように語った。「初めて出会った時から、イーハブとイブラハム氏に大いに魅せられています。使命感の強いすばらしい起業家である2人は2016年以来大胆な構想を実行し、中東・アフリカをリードするアラビア語自己学習コンテンツプロバイダーを作りました。私たちはこの会社が4億3000万のアラビア語人口に役立ち、最先端のオンデマンド個人学習・啓発の利用を拡大するための次期成長フェーズを支援できることを楽しみにしています」

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画像クレジット:Almentor

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(文:Tage Kene-Okafor、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Tencentが中国本土から海外の教育サイトローディングをスピードアップするサービスを展開中

新型コロナウイルスパンデミックが引き続き世界中の暮らしと航空網を一変させている中、海外の学校に入学した数十万もの中国人学生が行き詰まっている。中国の自宅で学習しながら、彼らはみな、ある1つの問題に直面している。学校のウェブサイトや他の教育リソースのローディングが耐え難いほどゆっくりなのだ。これは、すべてのウェブトラフィックが通称「グレート・ファイアウォール」という中国の検閲システムを通過しなければならないためだ。

そこに好機を見いだしたAlibaba(アリババ)のクラウド部門は、米国のサイバーセキュリティソリューションプロバイダーFortinetとのバーチャルプライベートネットワーク(VPN)手配を通じて、中国の学生を海外の大学のポータルへと結びつけたとロイターは2020年7月に報じたが、Tencent(テンセント)も似たようなプロダクトを展開しているとも指摘していた。

Tencentのサービスの詳細が明らかになった。「Chang’e Education Acceleration」というアプリはAppleのApp Storeに2021年3月に登場した。選ばれた海外の教育サービスのローディング時間をスピードアップするというものだ。Tencentはアプリについて「在宅でそして海外で学ぶ学生や研究者にインターネットアクセラレーションと教育リソースの検索サービスを提供することを目的とした、Tencentからのオンライン学習無料アクセラレーター」と簡潔に説明している。

教育使用のためのAlibabaのVPNと異なり、Chang’eはVPNではない、とTencentはTechCrunchに語った。VPNをどのように定義づけているか、あるいはChang’eがテクニカル的にどのように機能しているかTencentは説明しなかった。同社は2020年10月にアプリのオフィシャルウェブサイトでChang’eの提供が始まったと述べた。

「VPN」という言葉は中国では隠れた意味を持つ。往々にして「グレート・ファイアウォール」を不法にバイパスすることを意味する。人々は婉曲表現「アクセラレーター」あるいは「サイエンティフィックインターネットサーフィングツール」と言及する。TechCrunchが行ったテストでは、Chang’eがスイッチオンになると、iPhoneのVPNステータスは「オン」と表示される。

TencentのChang’eウェブサイト「アクセラレーター」はリモート学習を余儀なくされている中国人学生が学校のウェブサイトを早く取り込めるようにするのを手伝っている(スクリーンショット:TechCrunch)

ウェルカム画面では、Chang’eはユーザーに「アクセラレーション」のための国を米国やカナダ、英国を含む8カ国から選ぶよう尋ねる。また、各地域のレーテンシータイムとどれくらいスピードアップするかの予想も表示する。

国を選ぶと、Chang’eはユーザーがアプリのビルトインブラウザーで訪ねることができる教育リソースのリストを表示する。そこにはトップの大学79校(大半が米国と英国)のウェブサイト、Microsoft Teams、Trello、Slackのようなチームコラボツール、UDemy、Coursera、Lynda、Khan Academyといったリモート学習プラットフォーム、SSRNやJSTORなどの研究ネットワーク、Stack Overflow、Codeacademy、IEEEなどのプログラミングとエンジニアリングのコミュニティ、世界銀行とOECDが出している経済データベース、PubMed、Lancetといった医学生のためのリソースが含まれる。

これらのサービスの多くは中国でブロックされていないが「グレート・ファイアウォール」下にある中国本土でのローディングはゆっくりとしたものだ。ユーザーはリストに含まれていないサイトをリクエストすることもできる。

Chang’eを通じてスタンフォード大学のウェブサイトにアクセス(スクリーンショット:TechCrunch)

Chang’eはユーザーのスマートフォンの全トラフィックではなく、選んだサイトだけを自由にアクセスできるようにしているようだ。中国で禁止されているGoogle、Facebook、YouTube、その他のサイトはChang’eを通じても利用不可だ。AndroidとiOSの両方で無料で利用できるChang’eは現在のところユーザーに登録は求めていない。オンラインでの行動が厳しく規制されている中国では珍しい方針であり、ほとんどのウェブサイトはユーザーに実名での登録を求めている。

Chang’eを通じて利用できるサービス(スクリーンショット:TechCrunch)

AlibabaとTencentによるサービスは、違法あるいは中国の国益を損なうと思われる情報をブロックするための中国政府の検閲システムによって引き起こされた迂闊な結果だ。大学、研究機関、多国籍企業、輸出業者は往々にして、当局が無害だと考えるもののために検閲回避アプリを探すことを余儀なくされる。

VPNプロバイダーは中国で合法的に運営するために政府の承認を得る必要があり、ライセンスを取得したVPNサービスは中国の国家セキュリティを危険にさらすウェブサイトのブラウジングが禁止されている。2017年にAppleは中国政府の命令を受けて何百もの無認可VPNアプリを中国のApp Storeから削除した。

2020年10月にTechCrunchは、VPNアプリとブラウザーのTuberは中国のユーザーがFacebook、YouTube、Googleといった世界のインターネットエコシステムを垣間見れるようにしていると報じたが、記事の掲載からほどなくしてアプリは削除された。

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タグ:Tencent中国オンライン学習留学グレート・ファイアウォールVPN

画像クレジット:GREG BAKER/AFP / Getty Images

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(文:Rita Liao、翻訳:Nariko Mizoguchi