大学生向けノート共有ネットワークを提供するStuDocuがユーザー数1500万人突破

オンラインで学ぶにしても、直接授業を受ける場合でも、教えられたことを記憶し、応用するための主要な手段として講義で優れたノートを取ることの重要性をすべての生徒が十分に認識しているだろう。アムステルダムを拠点とするスタートアップのStuDocuは、学生が作成した最良の授業ノートを集めて共有するためのプラットフォームで収益性の高い大型ビジネスを構築してきたが、このほど5000万ドル(約54億6000万円)の資金調達を発表した。

シリーズBはフランスのベンチャーキャピタルPartechによるもので、StuDocuがクリティカルマスを獲得しようとする中で行われた。同スタートアップによると、同社のユーザー数は現在、60カ国2000校の大学で1500万人に達しているという。このスケールで注目すべきなのは、規模の大きさだけでなく、同社はかつてはほとんど自己資金で運営を行っており、その間に達成されたという事実だ。PitchBookCrunchbaseの報告によるこれまでの調達額は150万ドル(約1億6400万円)程度となっているが、CEOのMarnix Broer(マルニックス・ブロアー)氏によると、Piton Capital、Peak Capital、Point Nine Capitalなどの既存投資家から1000万ドル(約10億9200万円)弱の資金を密かに調達してきたという。

2020年の新型コロナウイルス感染症の影響下の生活において、EdTech分野で注目されたのは、従来の物理的環境と比較しても遜色ない(あるいはそれ以上の)学習をリモート環境で可能にする技術だった。ストリーミング体験の改善、スクリーンを介した指導アプローチの向上、体験を管理するツールなどだ。StuDocuの事業はどちらの型にも適合するが、ある意味では、学習に関連するより基本的なアプローチ、すなわち授業中に座ってノートを取るということへの回帰でもある。

それが、4人の学生が協働してStuDocuとして最初に作り上げた環境だった。

StuDocuが拠点を置くオランダでは、学部での評価の多くが期末試験の成績に基づいており、ノートの価値はさらにいっそう大きくなっているかもしれない。

CEOのマルニックス・ブロアー氏は、友人のJacques Huppes(ジャック・ハプス)氏、Lucas van den Houten(ルーカス・ヴァン・デン・ホーテン)氏、Sander Kuijk(サンダー・クイーク)氏とともに、まだ学生だった2013年、インターネットとクラウドソーシングの力を活用する機会を見出した。大学で同じコースを学ぶ学生たちがオンラインでつながり、コースからのメモをアップロードして互いにやり取りすることで、スムーズに協力し合うことを可能にするものだ。

(ハプス氏は同社の積極的な職務からは離れてアドバイザーとして活動しており、他の2人は引き続き同社に在籍しているとブロアー氏は述べている)

初期の製品は「完全に無料」で、デルフトの大学だけでなく他の多くの学校でユーザーを集めるほどの人気があったと同氏は語る。その後、創業者たちは卒業を目前にして「ある程度の収益が必要だと判断」し、そのコンセプトを堅持しつつ、自分たちのツールをビジネスにすることに目を向けた。

数回のイテレーションを経て「フリーミアムモデルでできる限り自由を保とうと最終的に考えました」とブロアー氏。StuDocuの場合、ドキュメントの閲覧数、ダウンロード数、推薦度で集計したデータをもとに全ドキュメントの上位20%を構成し、それらをプレミアムとしてラベルづけする。「そうすることで、自分のドキュメントをアップロードする他に、プレミアムにアクセスするために少額の購読料を支払うという選択肢がユーザーに生まれる」。逆にいうと、サイト上のドキュメントの80%は無料のままだ。

StuDocuはまた、同社のプラットフォームにいくつかの技術を組み込んで、詐欺師や不正を企てる者への対策に役立てている。プレミアムコンテンツを判断するための指標となるユーザーはプレミアムユーザー自身に限られており、彼らはサイト上のプレミアムコンテンツがどのようなもので、何がそうでないかを知ることはなく、さらには、StuDocuのより本格的なユーザー、ヘビーユーザーである可能性が高い。

「最高品質のドキュメントを上位に保持し、残りは別に蓄積しますので、ユーザーはすばらしいノートだけを体験できるようになります」と同氏は説明する。「ただし、多少のアップロードのゴミがあっても損をしないことはわかっています。無料でアクセスできるようにするもので、そうなるべきではありません。結局のところ、これはコミュニティであり、質を高く保つことができると信じています」。さらに、宝くじやその他の特典を利用して、ドキュメントを見直すよう奨励している。

また、ユーザーが投稿しているものが、白紙のドキュメントだったり、関係のないランダムな文章だったりするものではなく、目の前にあるテーマに関する実際のメモであるかどうかを判断するために、資料をスキャンする手段も拡大している。さらにブロアー氏によると、先ごろ締結されたAlgoliaとの検索に関する業務提携により、大学やコース単位で検索して資料を探すのではなく、より詳細な文書検索が可能になるという。

これは多くのユーザー生成コンテンツサイトが抱えている問題、つまり圧倒的多数がクリエイターではなく消費者であるという課題を解決するのに役立つ魅力的なビジネスモデルだ。ブロアー氏は、現在ユーザーの約15%が有料サービスを利用しており、15%がコンテンツのアップロードによってアクセスし、70%が無料サービスを利用してアップロードはしていないと概況を語った。

StuDocuは、自分たちのために作ったツールから段階的にビジネスを構築することを通して「スクワットで働く」ことから、インターンと一緒に小規模で低コストのスペースを利用すること、そしてブロアー氏がいうところの「普通のオフィス」へと発展してきたという。

他にも多くのEdTech企業が、生徒たちが互いに学習を手助けできるプラットフォームを提供する可能性を見出している。Brainlyも欧州(具体的にはポーランド)の大手企業で、ノートではなく、学生が互いに助け合って宿題の質問に答えるという、Cheggと類似したコンセプトを確立した。オーストラリアのNexusNotesも、メモを集めるためのプラットフォームを構築している。Academiaはノートだけでなく研究論文も対象としている。Docsityはクラスノートと論文の両方に焦点を当てている。StudySmarterも欧州を拠点にしており、ノート機能に加えて、学習の進歩をかたち作るためにAIを活用している。

おそらく最も類似性が高く、StuDocuの最大の競合である米国企業Course Heroは、現在の評価額が約11億ドル(約1200億円)とされている(注目すべき数字だが、StuDocuは評価額を公表していない)。

「私たちは世界をリードする企業であると認識しています」とブロアー氏は語り、コースやノートのカタログ全体で30以上のローカル言語をサポートしていることを示した。

「数百万人にのぼる学生を支援し、膨大な数のドキュメントを保有していますが、同時に私たちは自らをハイパーローカル型マーケットプレイスと捉えています」と同氏は付け加えた。「同じ法学コースにいる300人が、お互いにコミュニケーションを取り、知識を共有できるようになりました」。

今回の資金調達は、ハイパーローカルコンセプトをより広範囲に拡大するだけでなく、来るべき支援がより大きな影響を与え得る機会を利用するという、興味深い試みになるだろう。

例えば英国では、他の年齢層に比べて、大学より下の年齢層の高校生(14歳以上)が多くなってきている。彼らの大多数は、2つのセットの試験に備えるために勉強している。GCSEは11年目(通常16、17歳)に、Aレベルは13年目(18、19歳)に受験する。どちらも極めて限定的な科目に基づいており、文字通り国全体が共同で学ぶという非常に特殊なカリキュラムに準拠している。つまり、個々の学校や教師が異なったアプローチをとったり、良い教え方をしたり、悪い教え方をしたりしても、最終的にはすべての生徒が指定科目で同じ試験を受けることになる。

これはStuDocuのような企業にとって興味深い機会である。大きなユーザーネットワークを構築することができ、その結果、貢献度の高い強力なノートの割合は少なくて済む(より多くのユーザーが同じ素材を必要とするため)。このモデルは他の地域でも採用されており、ブロアー氏によると、StuDocuはこの種の市場でテストを進め、徐々に拡大してきているという。

標準化されたテストが方程式の一部ではなかったとしても、学生は、エッセイの執筆などの他の種類のコースワークに使用するために、または単に学習を続けながら知識を保持するのに役立つように、より良いノートを必要とすることが考えられる。現在約2億人が大学教育を受けており、この前提において多様性を見出す機会は多いと言えるだろう。

また将来的には、多くの教授が学生に講義用のノートを提供することを考慮すると、大きな領域となるコース教材を構築するために大学とより緊密に協力する可能性もあるかもしれないが、ブロアー氏は、多くの場合教授はまだそうしたことを実行していないため、当面は学生とそのニーズに焦点を当てるとしている。

StuDocuの資金調達に投資家が参加しているのは、これまでに述べたすべての理由からだろう。

PartechのゼネラルパートナーであるBruno Crémel(ブルーノ・クレメル)氏は声明の中で「StuDocuはすでに世界中の何百万人もの学生を支援しているプラットフォームであり、教育を誰もが利用しやすいものにするというミッションのもと、この才能あるチームとパートナーになることを喜ばしく思います」と述べている。「StuDocuのチームに出会ったとき、私たちはそのデータ駆動型の文化と、学生たちがそのサービスをとても気に入っていることに非常に感銘を受けました。ブロアー氏とそのチームがStuDocuのグローバル展開を加速させ、学生たちが学習目標を達成するのを支援する革新的な方法をさらに開発してくれることを楽しみにしています」。

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カテゴリー:EdTech
タグ:StuDocu資金調達アムステルダムオランダ大学生

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Dragonfly)

食べチョクが給食食材と食育コンテンツを学校向けに期間限定で無償提供、学校からの公募もスタート

産直通販サイト「食べチョク」を運営するビビッドガーデンは5月28日、農林水産省の支援事業を活用し、「学校向けの食のサポート」として学校向けに給食で使う食材と食育コンテンツの無償提供を期間限定で行うと発表した。

また学校からの公募を開始しており、「学校向けの食のサポートお申し込みフォーム【食べチョク】」から応募できる。締め切りは6月9日。

今回の取り組みは、コロナ禍による売上減少・在庫過多で困っている生産者の販路拡大支援に加え、児童・生徒・学生と生産現場との接点を作ることで一次産業や食に興味を持つきっかけを提供するというもの。牛肉やお米、魚、加工品などの中から食材を提供する予定。また全国の生産者との交流機会の提供や食べチョクスタッフの出張授業を無償で行う。

応募条件は、以下に加えて「2021年7月31日までに食べチョク食材を使った給食の配給が可能であること」となっている。

下記いずれかに該当すること(公立・私立は問わない)

  • 小中学校の学校給食の配給を行っている事業者
  • 特別支援学校の幼稚部、小学部、中学部、高等部の学校給食の配給を行なっている事業者
  • 夜間において授業を行う過程をおく高等学校の夜間学校給食の配給を行なっている事業者

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カテゴリー:EdTech
タグ:食品(用語)新型コロナウイルス(用語)食べチョク日本(国・地域)

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東京大学に量子ネイティブ人材を育成する「量子ソフトウェア」寄付講座が開設、2021年6月1日~2024年5月31日の3年間

電通国際情報サービスは5月24日、東京大学大学院に、協賛企業9社による「量子ソフトウェア」寄付講座を開設すると発表した。期間は2021年6月1日から2024年5月31日までの3年間。

この講座は、東京大学大学院理学系研究科に設置され、同研究室科の「知の物理学研究センター」の協力で推進される。寄付講座とは、大学外部の団体から資金や人材などの寄付を受けて開かれる講座のこと。協賛企業は、CSK、NTTデータ、電通国際情報サービス、日鉄ソリューションズ、三井住友フィナンシャルグループ日本総合研究所、日本電気、日本ユニシス、富士通、blueqat。

この講座の目的は次の3つ。

  1. 量子コンピューター、情報圧縮や計算の効率化に役立つテンソルネットワーク、情報抽出を行うサンプリング手法などを組み合わせた新しい量子機会学習手法や量子アプリケーションの開発
  2. 大規模シミュレーションによる量子コンピューターの背後に潜む物理の理解と最先端知見の獲得による社会実装における課題の解決
  3. 量子ネイティブな専門人材育成

2021年度は、試行段階として、学生向けのセミナー形式の講義、社会人向け講義、シンポジウムなどのイベントの実施を予定している。2022年から本格的な講座を開始し、量子ネイティブ人材の育成を行う。協賛企業は、自社社員をここで学ばせることもできる。

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タグ:教育 / EdTech / エドテック(用語)東京大学(組織)blueqat量子コンピュータ(用語)日本(国・地域)

建築学生向けサービス「BEAVER」を運営するArchiTechが3500万円を調達、利用者数3000人突破

建築学生向けサービス「BEAVER」を運営するArchiTechが3500万円を調達、利用者数3000人突破

設計作品共有・建築ソフト学習・就活支援などを包括する建築学生向けサービス「BEAVER」(ビーバー)を提供するArchiTech(アーキテック)は5月24日、第三者割当増資による総額3500万円の資金調達を5月17日に実施したと発表した。引受先はTHE SEED。

調達した資金は、学生ユーザーのさらなる増加と定着を図るためのマーケティングとサービス開発体制、また企業とのマッチングを生み出し続けるためのBtoBサポート体制の構築にあてるとしている。

BEAVERは、「建築学生に必要な全てがここに。」をテーマに、建築を志す学生が学生期間中常に傍らにおいて使えるウェブサービスとして2018年11月にリリース。2021年5月現在で利用ユーザー数は3000人を突破し、日本最大級の建築学生コミュニティとなっているという。

同サービスでは、建築ITソフトのチュートリアル学習サービス、自身の設計作品の投稿や全国の学生の作品を閲覧できる作品共有サービス、自身の実績をまとめたウェブポートフォリオを基に企業とのマッチングを図る就活支援サービスを提供している。

2018年11月設立のArchiTechは、「愛される建築が生み出され続ける世界を実現する」をミッションに掲げる建築系スタートアップ。BEAVER、建築学生と建築系企業のマッチングサービス「BEAVER CAREER」(ビーバーキャリア)、建築CGイメージや3Dモデルの制作を行う「THE PERS」(ザ・パース)などの事業活動、またデザイン評価の可視・定量化に関する京都大学の共同研究事業を行っている。

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タグ:ArchiTech(企業)オンライン学習 / eラーニング / オンラインレッスン(用語)建設 / 建築(用語)資金調達(用語)日本(国・地域)

韓国のRiiidはソフトバンクの支援を受けてAIベースの学習プラットフォームをグローバルに拡大する

「AIが教育の世界を食べている」。ソウルを拠点とするRiiidの共同創業者でCEOのYJ Jang(YJ・チャン)氏は、自分のLinkedInのプロフィールにそう書いている。米国時間5月24日、AIを利用して学生のテスト対策学習などをパーソナライズするRiiidが、AIが教育を食べるプロセスのプレイヤーとして地位を確立するための大型資金調達を発表した。

Riiidは、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2のみから資金を調達する1億7500万ドル(約190億2000万円)のエクイティラウンドを完了した。

EdTechが好調な中での今回の資金調達となった。2020年にコロナ禍で学習がリモートに移行し、より良いツールを開発して教育市場に提供するチャンスが注目されたことを受けて、この分野の多くのスタートアップが多額の資金を調達してチャンスに挑戦している。Riiidは調達した資金で海外へ進出し、製品を拡充する計画だ。

Riiidは評価額を明らかにしていないが、このラウンドはこれまでで最大の規模で、同社のこれまでの調達金額の合計は2億5000万ドル(約271億7500万円)となった。これはEdTechの世界ではかなり大きい金額だ。

Riiidは主にSantaというTOEIC L&R対策アプリで有名になった。このアプリはこれまでに韓国と日本で250万人以上の学生に利用されている。英語のネイティブ話者でない場合、英語が使われている大学を志望する際にTOEICのスコアを求められることがよくある。

Riiidは他社との協力でTOEIC以外の試験対策にも乗り出している。Kaplanとの協力による韓国の学生向けのGMAT対策、教育サービスを各国に合わせて調整し提供するConnecME Educationとの協力によるエジプト、UAE、トルコ、サウジアラビア、ヨルダン向けACT対策、ラテンアメリカの大学受験生向けAIベースツールの開発などだ。ACT対策の開発の前には、ACTのCEOだったMarten Roorda(マーテン・ローダ)氏がRiiidの国際部門であるRiiid Labsに「エグゼクティブ・イン・レジデンス」として加わるとRiiidが発表していたため、ACT対策アプリを他のマーケットにも拡大するかもしれない。

同社は大学入試対策に加え、職業訓練アプリも開発している。不動産業者試験対策のSanta Realtorや保険代理店試験対策ツールを韓国で展開している。

EdTechがビジネスとして成長して全体の信頼性が高まり、対面での学習が一時的に中断したことによって生じたギャップを緊急に埋める必要がある中で、Riiidは成長してきた。AIをプラスアルファの要素として導入するのは、珍しいことではない。多くの企業が、1つで全員に対応する画一的なモデルにコンピュータビジョンや自然言語処理、機械学習の進化を取り入れて、エクスペリエンスをパーソナライズしている。ここで注目されるのは、Riiidが知的財産を考慮した研究開発を多く手がけてきたことだ。同社によれば、国内外で103件の特許を出願し、そのうち27件は取得済みだという。

RiiidのCEOであるチャン氏は発表の中で「Riiidは教育をAIで変革し、教育機会を真に民主化することを目指しています。今回の資金調達は我々が業界の新しいエコシステムをつくるジャーニーの始まりで、我々はグローバルなパートナーシップでこのミッションを実現していきます」と述べた。

ソフトバンクにとってはEdTech企業への大型投資の1つだ。他にはKahootに2億1500万ドル(約233億7000万円)を投資し、インドのUnacademyやブラジルのDescomplicaにも投資している。Riiidによれば、このラウンドはソフトバンクにとって教育アプリ用AI分野に特化した初の投資だったという。

SoftBank Investment AdvisersのマネージングパートナーであるGreg Moon(グレッグ・ムーン)氏は「Riiidは画一的なアプローチからパーソナライズされた指導へという教育におけるパラダイムシフトを牽引しています。AIと機械学習を活用したRiiidのプラットフォームは、教育関連企業、学校、学生にパーソナライズされたプランとツールを提供し、学習機会を最適化します。我々はYJやRiiidのチームと協力し、世界中で質の高い教育を民主化する目標を支援できることを喜んでいます」と述べている。

カテゴリー:EdTech
タグ:Riiid韓国ソフトバンク・ビジョン・ファンド資金調達AI

画像クレジット:Ivan Pantic / Getty Images

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Kaori Koyama)

生徒の習熟度に合わせ難易度を調整するAI学習システム「Monoxer」を中国語教室「waysChinese」が本格導入

5月24日、生徒の習熟度に合わせて学習内容をリアルタイムで調整するAI学習プラットフォームMonoxer(モノグサ)の開発提供を行うモノグサは、同プラットフォームをウェイズリンクスが運営する中国語教室wayChinese(ウェイチャイニーズ)に6月より本格導入すると発表した。

Monoxerでは、先生が教えたい内容を登録するだけで、定着度を高めるための問題が自動作成される。生徒がアプリでその問題に取り組む間、各自の習熟度や忘却度に応じてリアルタイムで問題の出題頻度や難易度が調整されるため、ひとりひとりのレベルに合った学習が行える。同時に、語学学習では見えにくいとされている習熟度が可視化されるので、リモートでもきめ細かい指導が可能。

wayChineseは、使える中国語習得をモットーに、「最適な中国語学習方法をデザインする伴走型中国語教室」として、中国語「を」学ぶのではなく、中国語「で」学ぶ方針を掲げている。同校では、総合トレーニングコースですでにMonoxerを採用しており、「レッスンをただこなすだけの教室と違い、しっかりと定着させるためのサポートとしてプロ講師とAIのハイブリッド教育システムを備えた、全国初の中国語教室」を標榜している。

具体的には、授業後の復習にMonoxerを活用し、「画像と適切な会話表現を一致させる問題や中国語のディクテーション形式の問題」を出して学習内容の定着度を高めると同時に、講師は各生徒の学習度合いや弱点を把握して授業に反映させている。生徒からは「以前よりも中国語が定着しやすくなった」と評判だという。また、Monoxerを導入してから20代を中心に新規の問い合わせが増えたとのこと。

6月からは、総合トレーニング以外のコースへも順次導入を進めてゆく。

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カテゴリー:EdTech
タグ:AI / 人工知能(用語)ウェイズリンクス(企業)wayChinese(サービス)語学学習(用語)モノグサ(企業)Monoxer(製品・サービス)日本(国・地域)

ハーバード大コンピューターサイエンス講座を日本語化・無償公開した、エンジニア養成学校CODEGYMを手がけるLABOTが3.1億円調達

ハーバード大コンピューターサイエンス講座を日本語化・無償公開した、エンジニア養成学校CODEGYMを手がけるLABOTが3.1億円調達

オンライン・プログラミング学習サービスCODEGYM(コードジム)を運営するLABOT(ラボット)は5月19日、3億1000万円の第三者割当増額を発表した。引受先は、サイバーエージェント・キャピタル、Mistletoe Japan、​PERSOL INNOVATION FUND、NOW、F ventures、新生企業投資が運営・関与するファンド、その他の個人投資家。このラウンドには、2021年4月のプレシリーズAラウンドに伴う、第1回J-KISS型新株予約権、第2回J-KISS型新株予約権の転換が含まれる。

CODEGYMは、2020年1月に設立されたコンピューターサイエンスとプログラミングの学校。日本で初めてISA(Income Share Agreement)を採用した。ISAとは、学資ローンに代わるシステムとして登場した所得分配契約のこと。在学中、学生は入学金や授業料の支払いが免除され、就職後に年収に応じた額を支払うという制度で、日本では、CODEGYM以前にこれを導入した教育機関はなかった。「これまでの家庭環境や学歴・年収などによらず、誰もが平等に挑戦できる教育機会の提供、社会の実現を目指し事業を展開しています」とLABOTは述べている。

2021年5月からは、新型コロナ禍で家計や進路に問題が生じた10代の若者に対して、NPO法人CLACKと共同で「CODEGYM Academy 2021年コロナ学生緊急支援」を実施し、503人の高校生、大学生を入学させた。毎週土曜日のプログラミング教育の講義が半年間続くが、40社以上のIT企業を中心とするスポンサー企業からの協賛金とクラウドファンディングによる100人を超える支援者からの寄付によって、学費はかからない。

創設者の鶴田浩之氏は、大学在学中に起業し、大学生向けスケジュール管理サービス「すごい時間割」を開発したという経歴の持ち主。

同氏は、日本は国民皆保険や生活保護など諸外国と比べても社会保障が充実しているものの、介護・育児などで一度でも職歴にブランクが出たり大学を中途退学したりしてしまうと、独力では正社員としてキャリアアップすることが難しいと話す。そこで「リカレント教育と転職支援をセットにし、初期費用がかからず誰もが平等に挑戦できるISA は、今の日本社会にとって必要不可欠な産業になると考えています」とリリースで述べている。

画像クレジット:LABOT

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タグ:教育 / EdTech / エドテック(用語)
所得分配契約 / ISA(用語)新型コロナウイルス(用語)プログラミング(用語)LABOT日本(国・地域)

医療現場の課題を自身で解決できる医者・看護師を育てる日本初の医療者向けプログラミングスクールが開校

医療現場の課題を自身で解決できる医者・看護師を育てる日本初の医療者向けプログラミングスクールが開校

医療法人社団新潮会は5月19日、医師や看護師などの医療従事者を対象としたプログラミングスクール「ものづくり医療センター」を6月よりトライアル開校すると発表した。それにともない「プログラミング教育入院」希望者を募集する。

コロナ禍の影響もあり、今の医療現場では様々な側面で変化に対応せざるを得ず、「目の前の課題について、テクノロジーを用いたらすぐに解決可能な事象だと認識できるスピード感」が求められているという。そこで、ものづくり医療センターは、通常のプログラミングスクールのようにウェブデザインなどの特定のスキルの習得ではなく、医療の現場で遭遇する課題に対して柔軟に対応できる技能を幅広く学ぶことを目指している。

「プログラミングを学ぶことを目的とせず、サービスを形にすることや課題を解決することをいち早く行える人材育成を目的として授業を行なっていきます」という方針を掲げる同院では、医療現場で問題に遭遇する可能性の高いIoTやハードウェアについても学ぶ。

大きな目標は「医療現場の課題を自身で解決できる人を育てること」と「多くの選択肢(技術)を知ることで『もしかしたらこの技術って、あれに使えるんじゃない?』といった気付きを得られる場になること」だという。

期間は、6月から週1回のオンライン授業で3カ月間。定員は5〜10名。受講対象者は医者、看護師などの医療者であること。費用は税別9万9800円(トライアル開校中のみ。トライアル以降は値上げ予定)。現在申し込み受け付け中だ。

画像クレジット:医療法人社団新潮会

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すでに70万人の教師が利用するインドのオンライン教育プラットフォームTeachmintが約18億円

2020年のグローバルなパンデミックの発生後に生まれたインドのスタートアップが3度目の資金調達ラウンドを完了し、世界で2番目に大きなインターネット市場の何十万人もの先生たちが、クラスをオンラインで運営して生徒たちに提供できるようにしている。

ベンガルールのTeachmintによると、同社は現地時間5月4日、シリーズAのラウンドで1650万ドル(約18億円)を調達した。ラウンドをリードしたLearn Capitalはサンフランシスコのベイエリアに本社があるベンチャーキャピタル企業で、特にEdTech企業にフォーカスし、CourseraやUdemy、Nerdy、Minerva、Brainlyなど、世界で最も将来性に富むオンライン学習プラットフォームを支援してきた。

CM Venturesと、まだ登記もしていない時点のTeachmintに最初に投資したBetter Capital、そして同じく前からの投資家であるLightspeed India Partnersも新たなラウンドに参加し、同社の調達総額は2000万ドル(約21億8000万円)に達した。

Teachmintは、AndroidのスマートフォンやiPhone、あるいはウェブのアプリから、先生たちのオンラインによるクラス管理をサポートする。アプリは自由度が高いプロダクトであり、教師はクラスをリアルタイムで開始し、生徒たちの疑問に答えるセッションを行い、出席を取り、ウェビナーを行い、料金を集めたり、新入生を見つけ、電話によるサポートを提供、そしてテストを行うなどの機能がある。

Teachmintの共同創業者でCEOのMihir Gupta(ミヒル・グプタ)氏は、TechCrunchのインタビューに対して、次のように語っている。「パンデミックが発生したとき、教師たちはGoogle MeetやZoomなどの限られたツールだけでなくYouTubeやFacebook Liveのようなツールまでも使い、苦労してオンライン授業を、またテストにはGoogle Form、通信にはWhatsAppを利用していました。しかし、どのツールも教育用に作られてはいなかったため、それは多くの教師にとって困難で統一性のないものでした。そこでTeachmintの創業者たちは、教育に焦点を合わせた、モバイルファーストでビデオファーストなソリューションを作ろうと決意したのです」。

グプタ氏によると、プロダクトはインド国内の10言語で利用でき、インド固有のニーズに合わせて高度にローカライズされているという。

またグプタ氏によると、Teachmintの立ち上げから10カ月ほどで、1500あまりの市や町の教師たち70万名以上が、このプラットフォームの登録会員になったとのことだ。

Learn CapitalのパートナーであるVinit Sukhija(ヴィニット・スキーヤ)氏は声明で次のように述べている。「数カ月前にLearn CapitalのチームはTeachmingの共同創業者らと初めてのミーティングを行いました。そこで彼らのチーム全員が、エンド・ツー・エンドかつマルチモードで、この分野における最良のソリューションで、インドの教師たちが短時間かつシームレスに自分のクラスをデジタル化できるよう、細心の配慮でシステムを設計していることがわかりました」。

また「70万人以上の教師が登録しているTeachmintは、今やインドで最良のオンライン教育プラットフォームです」とスキーヤ氏は述べている。さらにLearn Capitalは、今後Teachmintがインド国外にもサービスを拡張していくと信じている、という。

グプタ氏によるとTeachmintは現在、同社のプロダクトを収益化していないが、近い未来にそれをする気もないという。なぜなら目下の最優先事項はインドでもっと多くの教師たちに同社のサービスを届けることと、プロダクトそのものを拡張することだからだ。

同社はマーケティングにあまり投資をしていないため、教師たちは主に友人からの口コミでTeachmintのことを知っている。小規模なスタートアップの戦略的買収については、今後積極的に検討していくそうだ。

カテゴリー:EdTech
タグ:Teachmintオンライン学習インド資金調達

画像クレジット:Teachmint

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(文:Manish Singh、翻訳:Hiroshi Iwatani)

マイクロソフトの新アプリReading Progressは教師、子どもの読解能力の評価を楽にするアプリ

山ほどの仕事を抱えている小学校教師にとって、児童の読解能力を測ることは骨の折れる仕事であり、通常は時間を要し強いプレッシャーのかかる1対1のテストを通じて行われる。Microsoft(マイクロソフト)の新しいアプリであるReading Progress(リーディング・プログレス)は教員の肩の荷を少しでも軽くしようとするもので、子どもたちは自宅で読書ができて、AIによる自然言語理解を利用した障害と進歩の確認もできる。

2020年はほとんどの教育プランが台なしになり、読解力は子どもたちが学校にいる時のようには向上しなかった。Amira(アミーラ)などの会社が読書の様子をAIで観察することによってギャップを埋めようとしているのに対して、Microsoftは教員のためのツールを増やそうとしている。

Reading ProgressはMicrosoft Teams(ティームズ)のアドオンで、教師がより柔軟に読解テストを実施できるようにすることで、人前で読んで失敗することを心配する児童へのプレッシャーを軽減し、読み飛ばしや言い直しなどの重要な読み上げ事象を発見、追跡することができる。

教師は児童毎に(あるいはクラス全員に)課題読み物を与え、子どもたちは好きな時間に読むことができる。テストを受けるよりも宿題をやるのに近い。アプリ内で直接動画を撮影し、音声はよくあるつまずきを観察するアルゴリズムによって解析される。

4年生のBrielle(ブリーレ)さんによるビデオ証言のように、多くの子どもがこのやり方を好むかもしれない。

ブリーレさんのように聡明で自信に満ちた少女がこのやり方の方がよいと感じているとして(彼女は自分の学年より2年上の課題を読んでいる、よくやったブリーレさん)、失読症や訛りが心配だったり、内気なだけで読むのに苦労している子どもたちにはどうなのか?自分の家で自分ひとりで自分のカメラに向かって話せることで、ずっと上手に読めるようになり、正確な評価も可能になる。

これは教師をそっくり置き換えようとするものではもちろんない。忙しすぎる教育者が優先順位をつけ、ものごとを客観的に見て追跡することに集中しやすくなるためのツールだ。これはAmiraが対面のグループ読書(パンデミック下では不可能)を置き換えようとするものではなく、よくある間違いをすばやく修正して読者を励ますというこれも有用なプロセスを提供すると同じだ。

この日MicrosoftはReading Progressに関連する情報を数多く公開した。誕生の物語と基本的概要や、プロダクトハブ解説ビデオ同社のアプローチを支持する引用などだ。この新しい教育関係プロダクトに関するまとめ投稿にも詳しく書かれている。

カテゴリー:EdTech
タグ:MicrosoftReading Progressオンライン学習Microsoft Teams

画像クレジット:Microsoft

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ゲーム的アプローチでギターやピアノ、歌などの音楽教育をもっと身近にするYousicianが30.6億円調達

自身が認めているように、Chris Thür(クリス・トゥール)氏はいかにも音楽教育の企業を始めそうな人物ではなかった。

レーザーの研究者だったトゥール氏は、ある投資家との初期のミーティングを思い出す。その投資家は、トゥール氏と共同創業者で電気系エンジニアであるMikko Kaipainen(ミッコ・カイパイネン)氏が音楽の指導者か、あるいはミュージシャンなのかと聞き、最後には「2人がその世界に適しているかどうかを判断する項目をすべて」尋ねた。すべての項目に2人はいちいち「ノー」と答えなくてはならなかった。

トゥール氏は「我々はただ、楽器を演奏したいがその機会がなかったと感じていただけでした。もちろん、そう思うのは我々だけではありません」という。

トゥール氏とカイパイネン氏はあの時の投資家を説得することはできなかったが、Yousicianを始めた。今では音楽教育アプリのYousicianとギターチューニングアプリのGuitarTunaの2つで月間ユーザー数が2000万人に達している。米国時間4月28日、ヘルシンキに拠点を置く同社はシリーズBで2800万ドル(約30億6000万円)を調達したと発表した。

YousicianのCEOであるトゥール氏は「ちょっとした旅」を経てここに至ったと語る。以前はOvelinという社名だった同社が創業したのは10年前で、もともとは子どもにターゲットを絞っていたが、その後年齢を特定しない戦略で成功した。

YousicianのCEOクリス・トゥール氏(画像クレジット:Yousician)

トゥール氏は、Yousicianアプリではインタラクティブなゲーム的アプローチでギターやピアノ、ウクレレ、ベース、歌を練習できるが、ゲーム性はそれほど強くないと説明する。ユーザーは1日に15〜20分練習するという標準的なカリキュラムで上達していく。アプリがユーザーの演奏を聞き取り、間違いの回数に応じて1〜3個の星で評価する。1日に1レッスンは無料で受けられるが、それ以上受けたい場合や曲のライブラリをすべて利用したい場合、あるいは複数の楽器を練習したい場合は、月額19.99ドル(約2180円)からのプレミアムまたはプレミアムプラスのサブスクリプションに登録する必要がある。

トゥール氏は、Yousicianを活用すると自分のスケジュールに合わせて対面のレッスンよりもずっと安い費用で音楽を学べるという。同時に、これは音楽指導者との「ゼロサム」の競合ではないとも指摘する。レッスンとレッスンの間に練習や学習を続ける手段としてYousicianを生徒に勧める指導者もいるという。

Yousicianがユーザーに役立っている事例として、トゥール氏はKaren Gadd(カレン・ガッド)氏のストーリーを挙げる(以下の動画)。ガッド氏は楽器をまったく演奏したことがなかったが、1年後にはバンドメンバーとしてステージに立つまでになった。ただし、人前に立って演奏する機会がなくてもこのアプリは有用であるとトゥール氏は補足した。

トゥール氏は「我々は音楽を読み書きの能力と同じぐらい普通のものにしたいのです。誰もが時々演奏して楽しむべきです。(中略)指導者のもとで学ぶことは多くの人にとって有効ですが、残念ながらすべての人にとって有効なわけではないと思います」と語る。

同氏は、この1年は「我々にとって困難な年であり興味深い年」でもあったという。学生がほとんどリモート学習に移行して「音楽のレッスンはほとんど実施されなかった」ため、実施されなかったレッスンの一部に代わるものとして、Yousicianは10万人以上の指導者と学生に対してプレミアムのサブスクリプションを無料で公開した。

同時に、コロナ禍で自己啓発全般に注目が集まったことの一環として多くの人が楽器の習得に関心を示すようになり、利用が「大幅な自律的成長」を遂げた。月間ユーザー数は1450万人から2000万人に増え、サブスクリプションは80%増加して同社の2020年の売上は5000万ドル(約54億6500万円)となった。

Yousicianはこれまでに合計で3500万ドル(約38億2500万円)を調達した。今回のシリーズBはTrue Venturesが主導し、新たな投資家であるAmazonのAlexa FundとMPL Venturesの他、Zynga創業者のMark Pincus(マーク・ピンカス)氏、LAUNCH Fund創業者のJason Calacanis(ジェイソン・カラカニス)氏、Unity Technologies創業者のDavid Helgason(デビッド・ヘルガソン)氏、Trivago共同創業者のRolf Schrömgens(ロルフ・シュレームゲンス)氏、Cooler Future創業者のMoaffak Ahmed(モアファク・アフメド)氏、Blue Bottle Coffee Company会長の Bryan Meehan(ブライアン・ミーハン)氏が参加した。

True Ventures共同創業者のJon Callaghan(ジョン・カラハン)氏は発表の中で「Yousicianは10年近くにわたって音楽指導をリードするプラットフォームであり、人々は新たな活力を得てこれまで以上に創造性と音楽の追求に目を向けています。我々は楽器を演奏する喜びと興奮を多くの家庭と家族にもたらす企業およびチームを支援できることを誇りに思っています」と述べた。

トゥール氏は、今回調達した資金をチームの拡大、ブランドマーケティングの向上、製品のローカライズ、音楽アーティストとの関係構築にあてると語った。

カテゴリー:EdTech
タグ:Yousician音楽資金調達

画像クレジット:Yousician

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(文:Anthony Ha、翻訳:Kaori Koyama)

マリオ風ゲームで女の子にコーディングを教えるErase All Kittensが1.08億円のシード投資を調達

Erase All Kittens創設者ディー・サイガル氏とレオニー・バン・ダー・リンダ氏

Erase All Kittens(EAK、イレース・オール・キトゥンズ)は、8歳から12歳の子ども向けに「マリオ・スタイル」のウェブゲームを開発したEdTech系スタートアップだ。ただし、このゲームには特別な仕かけがある。女の子のコーディング学習の意欲を湧かせるゲームなのだと、同社は強調する(ほとんどのコードは男性が書いているのが現実だからだ)。100を超える国々でプレイヤーが16万人に達した現在、同社はTwinkl Educational Publishing(トウィンクル・エデュケーション・パブリッシング)主導のシードラウンド投資100万ドル(約1億800万円)を調達した。このラウンドには、A Black Square(エイ・ブラック・スクエア)ファミリーオフィスのChristian Reyntjens(クリスチャン・レンジェンス)氏が初めて参加し、その他以前からの支援者であるShazam(シャザム)の創設者の1人も加わっている。

これまでのEAKゲームは無料だったが、2021年7月に公開される新しいゲームは有料化される予定だ。これにより、製品のビジネスモデルを強化する狙いがある。

EAKによれば、プレイヤーの55%は女の子で、95%はゲームをプレイした後に、コーディングのことをもっと学びたいと思うようになったという。現在EAKは、3000の学校で利用されている。そのほとんどは英国と米国だが、パンデミックによるロックダウンの影響で、トラクションは500%まで伸びた。

コーディング教育用のツールは、大半が男性によって作られているため、自然と男の子にアピールするものになっているというのがEAKの主張だ。非常に硬直的で指導的な形で繰り返しコーディングを教え込むやり方は、女の子よりも男の子の心に訴えるものだとEAKは話す。

女性チームによって創設されたこの企業には、子どもたち、特に女の子がコーディングに対する考え方を改めさせるプラットフォームがある。2年間の研究開発の結果、高度にゲーム化された物語形式の遊びを通じて、HTML、CSS、Javascriptなどのスキルを、8歳からの子どもや女の子が学べるゲームが完成した。たとえば子どもたちは、ゲームの旅の間にキャラクターたちとチャットができる。その中には、熟練の起業家でユニコーンの人魚Tarquin Glitterquiff(ターキン・グリッタークイフ)というキャラクターもいる。

「プレイヤーは、夢のインターネット宇宙に暮らす仔猫たちを救うために、ゲームをプレイしながらレベルを作ったり修正したりして、コード編集によりゲーム環境を管理します」と共同創設者でCEOとクリエイティブディレクターを務めるDee Saigal(ディー・サイガル)氏は話す。サイガル氏のチームに加わったのは、共同創設者Leonie Van Der Linde(レオニー・バン・ダー・リンダ)氏、CTOのRex Van Der Spuy(レックス・バン・ダー・スプイ)氏、上級ゲーム開発者Jeremy Keen(ジェレミー・キーン)氏、2DゲームアーティストMikhail Malkin(ミクヘイル・マルキン)氏だ。

画像クレジット:Erase All Kittens game

現行のゲームはHTMLの技術とURLの作り方を教えるものだが、新しいゲーム(2021年7月に公開予定)では、HTML、CSS、Javascriptのスキルが学べる。コーディングの理論を学んでも、すぐに実際の開発者のようにウェブ上でゲームが作れるわけではなく、そこには大きなギャップがある。それを埋めようという狙いだ。

サイガル氏はこう話す。「私たちは、女の子が本当に好きになれるコーディングゲームを開発しています。そこでは、創造性が大きな柱になっています。コードを書けば、すぐにその結果が見られます。ゲームの進め方にはいくつもの道があり、物語の中にコーディング学習が溶け込んでいます」。

さらに同氏は続ける。「私は小さいころ、ゲームデザイナーに憧れていました。ゲームのアイデアを考えるのが大好きだったのですが、コーディングはまったく太刀打ちできない難関に感じていました。学校ではコーディングは教えてくれません。私と同じようにゲームを作りたいと思っている人も周囲にはいませんでした。なので、それは私には不可能なことなのだと思っていたのです」。

「ターゲットとなるオーディエンスの調査をしていたときにわかったのが、女の子の最大の障害は、幼少期から、未だにジェンダーのステレオタイプにはめられていることでした。学校に上がるまでに、それは雪だるま式に大きくなり、STEM(科学、技術、工学、数学)分野の自信はすでに失われています。教師たちも女の子には期待しません。結果としてそれが成績を下げ、年齢を重ねるごとに、ギャップは広がる一方となります」。

EAKと競合するツールに、Code Kingdoms(コード・キングダムズ)、Swift Playgrounds(スウィフト・プレイグラウンズ)、CodeCombat(コードコンバット)などがある。しかし、これらのゲームは女の子向けというより、はるかに男の子向けだとサイアル氏はいう。

新しいゲーム(下の動画)は、世界中の学校や両親に販売される。EAKではまた、ワン・フォー・ワン方式の支援も行っている。つまり、1つの学校がアカウントを購入するごとに、テック企業、教育団体、NGOなどの提携団体を通じて恵まれない学校に寄付が送られるというものだ。

Twinkl(トウィンクル)の共同創設者にしてCEO、またはTwinklHive(トウィンクルハイブ)のディレクターであるJonathan Seaton(ジョナサン・シートン)氏はこう話す。「Erase All Kittensのパートナーになれたことを本当にうれしく思っています。デジタル企業であるTwinklは、子どもたちにデジタル時代で成功する準備をさせることの重要性を認識しています。このパートナーシップによって大きな変化を起こせると、私たちは確信しています」。

「私たちのチームは、女の子たちを励まし、コード学習と独自のデジタル創作物の制作の機会を平等に与えるというErase All Kittensの使命を後押しできることに、特に胸躍らせています。すべての子どもたちが平等に学習機会を得ることは、Twinklのビジョンの中核でもあり、双方の企業の提携関係を深める決定的な動機でもあります」。

画像クレジット:Erase All Kittens

Erase All Kittensは、ジェンダー格差がますます広がる世界のスキルの格差に対処したいと話している。PWCによると、テック業界で働く女性の割合は24%に過ぎず、全エンジニアのうち女性はわずか12%だ。また、英国の女子学生で就職先の第一志望に技術職を選んだ割合はたったの3%だった。

Childwise(チャイルドワイズ)の調査では、女の子のうち90%は、最初の挑戦でコーディングを諦めている。11歳になるまでにSTEM分野への興味を失えば、二度と興味を持つことはないという。これはテック業界にとって、そして投資家にとって、実に深刻な問題なのだが、拡大は続いている。

関連記事:犯罪歴のある人にコーディングを教え社会復帰をサポートする無料プログラム「Justice Through Code」

カテゴリー:EdTech
タグ:Erase All Kittens子どもコーディングジェンダーSTEM教育

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(文:Mike Butcher、翻訳:金井哲夫)

フランスのオンライン学校OpenClassroomsが86.9億円のシリーズCを調達

フランスのOpenClassroomsが、Lumos Capital GroupがリードするシリーズCのラウンドで8000万ドル(約86億9000万円)を調達した。同社はフランスと英国でオンライン教育のプラットフォームを運営している。54のプラグラムがあり、終了した生徒は終了証書をもらうことができる。中には、フランス政府公認の学士号や修士号をもらえるプラグラムもある。

今回のラウンドにはGSV VenturesとChan Zuckerberg Initiative、Salesforce Venturesが参加した。これまでの投資家であるGeneral AtlanticとBpifranceも、再び同社に投資している。

OpenClassroomsには、極めて多様なプログラムがある。ウェブ開発もあれば、デジタルマーケティングやプロダクト管理、人事、営業などもある。いずれも相当ヘビーで、フルタイムでも6カ月から12カ月はかかる。しかしOpenClassroomsには契約メンターがいるため、やる気を失いそうなときは助けてくれる。

プログラム終了後の就職を同社は保証している。仕事がなかなか見つからないときには、同社がキャリアコーチと協力して、本人に合った仕事を見つける。2020年には4300名の生徒が、OpenClassroomsを受講後に、仕事を見つけたり昇進したりした。

フランスには専門教育を受けるための政府補助金制度があるため、OpenClassroomsの授業料をこの公的補助でまかなうこともできる。

同社によると、パンデミックでオンライン教育の人気が増した。現在、多くの人びとが自分のスキルのブラッシュアップや新たなスキルの習得を目指しており、そういう人たちがOpenClassroomsに頼る。同社は個人向けのプログラムの他に、1400社の企業にコースを提供している。

Capgeminiなど一部の企業は、OpenClassroomsと協力して見習い修行による職業教育を提供している。生徒たちはCapgeminiで働き、同時にスキルを学ぶ。この見習い制度は、単純な求人では必要な人材が得られない企業に好評だ。現在は1500名の生徒が見習いプログラムを受けている。

同社は経営も順調で、2021年第1四半期の収益は前年同期比で140%高かった。最近OpenClassroomsはB-Corp認定を申請した。フリークラスにはまだ余裕があるので、来週やることを探している人にはうってつけだ。

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タグ:フランスOpenClassroomsオンライン学習資金調達

画像クレジット:NeONBRAND/Unsplash

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(文:Romain Dillet、翻訳:Hiroshi Iwatani)

関西学院大学と日本IBMが授業と同内容の「AI活用人材育成プログラム VL版」を企業・自治体・大学に提供開始

関西学院大学と日本IBMが実際の授業と同内容の「AI活用人材育成プログラム VL版」を提供開始、2024年度に受講者年間5万人を目指す関西学院大学は4月27日、日本アイ・ビー・エム(日本IBM)と共同開発した「AI活用人材育成プログラム バーチャルラーニング版」(VL版)について、2021年7月より企業・自治体・大学に対し有償提供を開始すると発表した。2024年度に受講者を年間5万人に拡大するとしている。

価格は1科目につき税込2万2000円/年、同じ科目の2年目以降の再受講は税込6600円/年で履修可能となり、継続的な学習による知識の定着を目指す。2021年度は年間5000人の社会人の受講利用を見込んでおり、2021年7月より大同生命保険が本社職員1500人の受講を予定している。関西学院大学と日本IBMが実際の授業と同内容の「AI活用人材育成プログラム VL版」を提供開始、2024年度に受講者年間5万人を目指す

関西学院大学と日本IBMが実際の授業と同内容の「AI活用人材育成プログラム VL版」を提供開始、2024年度に受講者年間5万人を目指す

VL版は、初学者でもAI活用の実践的な知識・スキルを体系的に修得できるよう設計した「AI活用入門」「AI活用アプリケーションデザイン入門」、「AI活用データサイエンス入門」の3科目(1科目20時間程度)で構成しており、すべてオンライン(オンデマンド)での開講となる。

これら内容は学内開講プログラムと同じで、音声や字幕によるガイダンス、講師の解説、デモ動画、オンラインでの演習、時間制限付きの課題研究、ランダムテストなどの多様な機能を有するオンライン・プラットフォームとなっているという。またプロシーズが提供するLMS「Learning Ware」(ラーニングウエア)を利用しているため、企業・自治体・大学側でのシステムの導入は必要ないそうだ。

学習者の質問に対しては、IBM Watson Assistantを搭載したチャットボットで回答する仕組みを構築しており、提携する企業・自治体に所属する社会人は、時間や場所の制限なく、いつでもどこでも何度でも受講が可能。

受講時間は、1科目あたり20時間程度。単元ごとに設定されているオンラインテスト(ランダム出題)すべてを一定の正解率でクリアすれば合格し、修了証と、オープンバッジ・ネットワークがブロックチェーンで管理するデジタル修了証「オープンバッジ」が発行される。オンラインテストの正解率、講義の早送り・スキップ禁止などの条件を解除する設定も可能だが、その場合は修了証は付与されない。またオープンバッジは、IMS Global Learning Consortium(IMS Global)が定める国際技術標準規格に準拠したものとなっている。

2022年度以降、「AI活用実践演習A(JavaによるWebアプリケーションデザイン)」「AI活用実践演習B(Pythonによる機械学習・深層学習)」「AI活用実践演習C(Webデザイン)」の3科目を提供科目として順次追加し、2024年度には合計6科目を提供する。

今後は企業や自治体をはじめ大学にも提案し、2022年度からは社会人、高校生などにも展開。2024年度には受講者を年間5万人に拡大させることで、関西学院大学と日本IBMは、AI人材の創出に貢献する。

関西学院大学と日本IBMが実際の授業と同内容の「AI活用人材育成プログラム VL版」を提供開始、2024年度に受講者年間5万人を目指す

関西学院大学は、「AI・データサイエンス関連の知識を持ち、さらにそれを活用して、現実の諸問題を解決できる能力を有する人材」の育成を目的に、2017年より日本IBMと共同プロジェクトを立ち上げ、「AI活用人材育成プログラム」を開発した。

関西学院大学による学術的な知見と、日本IBMのコンサルタントやデータサイエンティストによる多様なAIの社会実装の先進事例を反映した実践型プログラムとして10科目で構成しており、2019年4月より文系理系問わず全学部生を対象に開講しているという。

2021年度には「AI活用入門」「AI活用アプリケーションデザイン入門」「AI活用データサイエンス入門」の基礎3科目をe-ラーニング化しVL版として開講したところ、AIリテラシーの修得を目的とする「AI活用入門」のVL版初年度春学期の履修者は2071人に上り、学生のAIに関する関心の高さが示されたという。

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カテゴリー:EdTech
タグ:IBM(企業)AI / 人工知能(用語)オンライン学習 / eラーニング / オンラインレッスン(用語)関西学院大学(組織)教育 / EdTech / エドテック(用語)日本(国・地域)

大学の入門コースをオンラインで提供、単位も取得できるOutlier.orgが32億円調達、コロナ禍で需要増大

大学の初心者向けコースを比較的手頃な料金でオンラインで提供しているスタートアップOutlier.orgがシリーズBラウンドで3000万ドル(約32億円)を調達したと発表した。

Outlier.orgは、CEOのAaron Rasmussen(アーロン・ラスムセン)氏が創業した。同氏は以前、MasterClassを共同創業している(MasterClassは約2697億円という評価額で新たに資金調達中だとAxiosが報じている)。MasterClassのように、Outlierも美しく撮影されたオンラインコースを提供している。ただ、学生は実際に大学の単位を取ることができるという点がMasterClassと異なる。

Outlierが2019年秋にサービスを開始したとき、ラスムセン氏は大学の教育をより手頃な授業料に、そしてアクセスしやすいものにすることが目標だと述べた。ただ、Outlierは初心者レベルの授業をオンラインに持ってくることにフォーカスしていて、カリキュラム全体ではないとも話している。

このアプローチは、完全に「ノーマル」な大学教育を学生が受けられていないパンデミックでは特に魅力的なようだ。実際、Outlierとの提携を望む大学からかなりの関心が寄せられた、とラスムセン氏は話した。特に、一部の大学は学生を集めるのに苦労しており、今後難しい経済的選択が待ち構えているため、そうした大学は提供するコースを補完するためにOutlierを活用できる。

「多くの大学が、高品質な入門クラスのアイデアを気に入っていることがわかりました」と同氏は話した。「それは我々にとって大きな疑問でしたが、多くの人が『我々は上級レベルのコースにフォーカスしたい。なのでこれは学生が適切な授業を受けられるようにするすばらしい方法だ』と話しています」。

そのためにOutlierは提携の責任者としてAnjuli Gupta(アンジュリ・グプタ)氏を雇った。グプタ氏は以前、Courseraで大学との提携を統括していた。ラスムセン氏はOutlierが大学だけでなく、高校や雇用者とも協業できるかもしれないと示唆した。

もちろん、パンデミックはOutlierにとっていくつかの困難ももたらした。当初、授業を制作し続けるために、同社はインストラクターに「文字どおり、500ポンド(約226kg)の撮影機材」を送っていたとラスムセン氏は話した。そして現在、同社は少人数の撮影クルーがすべてをセットするという制作方法を開発し、インストラクターはそのセットの中で教えている。

「セットの中にいるのはあなた、そして動きが制御される台車、どのボタンを押すかを案内する細切れのテープがあるだけです。(クルーは)遠隔からカメラを動かし、あなたが録画を始めるとクルーはフィードを通じて届くものを目にします。ですのであなたはリモートで指示を受けます」。

Outlierは現在6つのクラスを提供している。ここには微分積分学Ⅰ、ミクロ経済学、天文学、哲学などが含まれ、2022年末までに14クラスに拡大することを目指している。学生は2週間ごとに新しいグループでコースに参加でき、講義が事前に録画されたものでも受講者は同じクラスを取っている学生と一緒にコースを進む、とラスムセン氏は話した。このシステムでは学生が「遅れを取っている」場合にその事実を把握でき、サポートを提供するために学生に連絡を取ることができる。

同社はまたピッツバーグ大学との提携を5年契約に拡大した。学生は、教育内容を監修しているピッツバーグ大学ジョンズタウン校の学部から単位を取得する(ただ、一部の教職員はこの措置について良くは思っていないようだ)。そしてOutlierとピッツバーグ大学は1000人のフロントラインワーカー向けに380万ドル(約4億1000万円)の奨学金を提供することでも提携した。

Outlierの各コースは400ドル(約4万3000円)で、これは従来の大学の授業料の約6分の1だとしている。ラスムセン氏は「私自身は若い頃、授業料を捻出できませんでした」と話した。だからこそ同氏はプログラムをよりリーズナブルな授業料にする方法を模索している。奨学金、そしてKlarnaを活用した月払いプランだ(Outlierが学生の支払いにかかる利子をカバーしている)。

新たな資金調達はGV(以前のGoogle Ventures)がリードし、Unusual Ventures、GSV、Harrison Metal、Gaingelsなどが参加した。Outlierの累計調達額は4600万ドル(約49億円)となった。

「我々は教育へのアクセスと公平さを増やし、学生の借金を減らすというOutlier.orgのミッションに刺激を受けています」とGVのJohn Lyman(ジョン・ライマン)氏は声明で述べた。「アーロン・ラスムセン氏と創業チームのビジョンが、世界中の何億もの学生に、より手頃な授業料の教育へのアクセスを提供すると我々は強く信じています」。

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タグ:Outlierオンライン学習資金調達

画像クレジット:Outlier

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(文:Anthony Ha、翻訳:Nariko Mizoguchi

試験監督ソフトのProctorioを大学生が提訴「批判を抑えるために著作権法を乱用した」

米国のある大学生が、試験監督ソフトウェアをてがけるProctorio(プロクトリオ)を提訴した。同社が批判に対する「不愉快な活動」を鎮めるために、著作権法を乱用して同社製品に批判的なツイートを削除したと告発している。

電子フロンティア財団(EFF)は、このマイアミ大学の学生でセキュリティ研究も行っているErik Johnson(エリック・ジョンソン)氏の代理人として訴訟を起こし、Proctorioが「DMCAを不当利用してジョンソン氏のコメントを弱体化させた」と非難した。

Proctorioは、ジョンソン氏のツイート3件が同社の著作権を侵害しているとして、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)に基づき削除要請を通知。これを受けてTwitter(ツイッター)はそれらのツイートを非表示にした。

新型コロナウイルス感染流行が拡大する中、学校や大学では学生の試験をリモートで行い、そのバーチャルな監督として試験監督ソフトウェアを用いるケースが増えている。学生は学校が選んだ試験監督ソフトウェアをインストールし、PCのマイクやウェブカメラへのアクセスを許可しなければならない。学校側は、この試験監督ソフトを通じて、学生の不正行為の可能性を発見することが可能になる。しかし、有色人種の学生からは、このソフトウェアが白人以外の顔をきちんと認識できないことについて不満が出ている。また、このソフトウェアには高速インターネットアクセスが必要だが、低所得者層の家庭にはそれがないことも多い。これらのチェックに失敗すると、その学生は試験に落ちてしまうこともある。

このようにソフトウェアが不正を防ぐための監視を行っているにもかかわらず、Viceは2021年3月、Proctorioが監視している試験で簡単に不正行為を行う学生がいると報じた。いくつかの学校では、プライバシーの問題を理由に、Proctorioやその他の試験監督ソフトウェアの使用を禁止または中止している。

Proctorioの試験監視ソフトウェアはChromeの拡張機能であり、一般的なデスクトップ用ソフトウェアとは違って、バグや欠陥がないか、簡単にダウンロードしてソースコードを調べることができる。ジョンソン氏は、このソフトが不正行為の兆候を検出した場合、どのような状況で学生のテストが終了するのか、疑わしい目の動きや異常なマウスクリックをどのように監視しているのかなど、コードを調査して発見した内容をツイートした。

これらのジョンソン氏のツイートには、このChrome拡張機能のソースコードの一部が公開されているPastebin(ペーストビン)へのリンクが含まれていた。

Proctorioは当時、ジョンソン氏が「Proctorioのソフトウェアコードの抜粋をコピーして自身のTwitterアカウントに投稿した」ことで、同社の権利を侵害したと、危機管理会社のEdelman(エデルマン)を通じて主張。しかし、Twitterは、Proctorioの削除要請が「不完全」であると判断し、ジョンソン氏のツイートを復活させた

「ソフトウェア企業は、自社に対する批判者を弱体化させるために著作権法を乱用することはできません」と、EFFのスタッフ弁護士であるCara Gagliano(カーラ・ガグリアーノ)氏は述べている。「自分の研究を説明したり、批判的なコメントを裏づけるためにコードの一部を使用することは、書評で本を引用することと何ら変わりません」。

訴状では、Proctorioの「根拠のないDMCA削除要請のパターン」が「自分の研究結果を報告することでさらなる嫌がらせを受けるのではないか」という不安を抱かせ、ジョンソン氏のセキュリティ研究活動に萎縮効果を与えたと主張している。

「著作権所有者は、批判者が著作権侵害をしていると虚偽の告発をした場合、特にその目的が脅迫や弱体化であることが明らかな場合には、責任を問われるべきです」と、ガグリアーノ氏は述べている。「私たちは、ジョンソン氏が自身のコメントを裏づけるためにコードの抜粋やスクリーンショットを使用したことに対する、さらなる法的脅迫や削除要請を防ぐため、侵害はないという宣言的判決を裁判所に求めています」。

EFFは、これが批判に対応するためにProctorioが広く用いている手法の1つであると主張している。2020年、ProctorioのCEOであるMike Olsen(マイク・オルセン)氏は、学生のプライベートなチャットログを許可なくRedditに掲載した。この事件の後、オルセン氏は自分のTwitterアカウントを非公開にしている。また、Proctorioはブリティッシュ・コロンビア大学の学習技術専門家であるIan Linkletter(イアン・リンクレター)氏が、同社の試験監督ソフトウェアを批判するツイートを投稿したとして提訴している。

今回の訴訟はProctorioの本社があるアリゾナ州で行われている。Proctorioのマイク・オルセンCEOは、コメントの要請に応じていない。

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タグ:Proctoriomデジタルミレニアム著作権法(DMCA)裁判Twitterプライバシー

画像クレジット:Alex Edelman / AFP / Getty Images

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

NFLのスター、トム・ブレイディらも投資するZoom対応のオンライン学習スタートアップ「Class」

Zoomと統合してリモート教育をもっと洗練させるEdTechスタートアップのClassが、新たに1225万ドル(約13億2500万円)を調達した。このラウンドではSalesforce VenturesとSound Ventures、そしてアメフトのスーパースターで2021年のスーパーボウルでMVPを獲得したTom Brady(トム・ブレイディ)氏が投資した。

Classの創業者でCEOのMichael Chasen(マイケル・チェイスン)氏は、SalesforceのCEOであるMarc Benioff(マーク・ベニオフ)氏がClassに投資を持ちかけてきたと語る。Classが起業した1カ月後の2020年10月に、Salesforce VenturesはEdTech企業やクラウドエンタープライズ企業を支援する1億ドル(約108億円)のインパクトファンドを立ち上げた。

トム・ブレイディ氏がEdTechの世界に参入していることについてチェイスン氏は、ブレイディ氏は過去にもテック業界に投資をしており「3児の父として教育を通じて人々を支援することに情熱を持っている」と述べた。

チェイスン氏は「トム・ブレイディも私も子どもが3人いて、どの親もそうだと思いますが、我々も教えたり学んだりするためのツールをZoomに追加する必要があると感じています」と補足した。

Classは1年未満で5800万ドル(約62億7000万円)を調達した。2020年9月のシードラウンドでは1600万ドル(約17億3000万円)、2021年2月のシリーズAでは3000万ドル(約32億4300万円)を調達している。今回の資金調達はシリーズAより小規模だが、これは必要に迫られてというよりは戦略的に投資家を呼び込む意図が大きかったと見られる。

調達した資金はClassを世界中のK-12や高等教育機関に展開するために使われる。ClassのソフトウェアはMac版が数カ月前に公開され、Windows、iPhone、Android、Chromebook版は今後数週間以内にベータ版を提供する予定だとチェイスン氏は述べた。提供される製品が増えれば、Classの採用に興味を示している約7500校をさらに増やすのに有利に働くだろう。

Classにとって、そしてeラーニングのソリューションを教育機関に販売するスタートアップにとっての高いハードルは、コロナ禍収束以降の実用性だ。教育機関の慣習として形式主義によりソフトウェアの採用に時間がかかるが、チェイスン氏によればClassの顧客はK-12も高等教育機関も積極的に同社のツールに予算を取っているという。Classの価格は児童・生徒・学生数に応じて年間1万ドル〜6万5000ドル(約108万円〜700万円)だ。

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チェイスン氏は2021年2月に「予算の問題にぶつかったことは一度もありません。高等教育機関はすでにオンライン学習への第一歩を踏み出して次に歩を進めようとしていますが、K-12は第一歩を踏み出しつつあるところです」と述べていた。Classの顧客は125校 / 社以上となっており、K-12と高等教育機関が半々で、顧客のうち10%は企業だ。

Zoomユニバーシティ、つまりZoomなどを使ったオンライン授業を変えようとしているスタートアップはClassだけではない。多くの企業が、せいぜいギャラリー表示でおしゃべりをしている程度の現在のビデオ会議ソリューションに疲れている学生と教員の市場に寄与しようとしている。トラクションを獲得している企業としては、Engageli、Top Hat、InSpaceの3社がある。

それぞれのスタートアップが独自の戦略と製品を有しているが、スタートアップの創業者たちはみんな、同じ質問に答えなくてはならない。コロナ禍の収束後、デジタル学習を単なる予備の手段ではなく、教育と理解のための望ましいあり方にすることができるだろうか?

この問いかけに対する追求は続いているが、Classはその答えがイエスであると信じる人々を採用するのに苦労していないことを示すニュースが発表されている。わずか9カ月で同社の従業員は2人から150人以上に増加した。

カテゴリー:EdTech
タグ:Class資金調達オンライン学習Zoom投資

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Kaori Koyama)

放課後クラスのマーケットプレイスOutschoolがEdTech界で最も新しいユニコーン企業に

子どもの仮想校外活動を行う小さなグループのためのマーケットプレイスOutschool(アウトスクール)は、CoatueとTiger Global Managementが主導する7500万ドル(約82億円)のシリーズC投資を調達した。TechCrunchでは、この取り引きに詳しい筋から初めてこのラウンドについて聞かされていたが、同社はTechCrunchに対して、米国時間4月14日遅く、その事実を認めた。

この新たな資金により、Outschoolの評価額は13億ドル(約1400億円)に達し、1年も経たない前に確定した評価額およそ3億2000万ドル(約350億円)のほぼ4倍に跳ね上がった。

現在までにOutschoolは、今回のものを含め、ベンチャー投資1億3000万ドル(約140億円)を調達した。

関連記事:新型コロナ禍で急成長、小グループのバーチャル教育クラスを展開するOutschoolが47億円調達

同社の評価額の成長曲線は、パンデミックの間に大きな成長を遂げたEdTech企業であることを加味しても、どのスタートアップよりも急勾配になっている。しかしCEOで共同創設者のAmir Nathoo(アミール・ナテュー)氏は、同社の新しい評価額では、昨今の資金調達熱に影響された部分は小さいと話す。今回の資金調達は、収益の安定性がおもな要因だと彼は考えている。

新たにユニコーン企業となった同社の主力製品は、娯楽や補習のための放課後の校外活動だ。継続的なクラスもあれば、単独のクラスもある。会社が大きくなるにつれて、継続的なクラスが事業全体に占める割合は、10パーセントから50パーセントに伸びた。これは、時とともにより安定した収益が増えていることを示唆している。

単独のクラスから継続的な利用へ移行することは、同社にとっても生徒たちにとっても良いことだ。前者の場合、経常収益は投資家の耳に心地よく響く。後者の場合、その活動やグループとの親密性を高める上で、繰り返しの参加は重要だ。ディベートや毎週末のゾンビダンスといった活動を行う継続的なクラスは、子どもたちにまたやりたいという気持ちを起こさせる。

最も人気の高いクラスはどれかと聞かれることが多いナテュー氏は、常に変化していると答えるようにしている。常連客、つまり子どもたちの興味はどんどん移っていくからだ。ある週は算数であっても、別の週はマインクラフトや建築だったりもする。

収益プロファイルが変わったことで、Outschoolは2020年の予約で1億(約108億円)ドル以上を生み出した。2019年は600万ドル(約6億5000万円)、2017年にはわずか50万ドル(約5400万円)だった。2021年に関してナテュー氏は「積極的な成長を予測している」と答えるに留めた。

Outschoolは2020年、予約の大量増加により一時的に正のキャッシュフローを達成したが、ナテュー氏によれば、その後変化したという。

「私の目標は、収益に手の届く距離を常に保つことです」と彼はいう。「しかし、市場の変化は激しく、長期的に採算が取れると思われる機会に積極的に投資することは、理に適っています」

次は何か

ナテュー氏は、2021年末までにOutschoolのスタッフを110人から200人に増やしたいと考えている。特に国際的な成長を見据えてのことだ。2020年、Outschoolはカナダ、ニュージーランド、オーストラリア、英国でもローンチされた。そのため、それぞれの現地やその他の地域での人材募集は続く。

反対に、Outschoolの教師の数は、パンデミック最盛期と同じように伸びているわけではない。パンデミックが始まったころ、Outschoolのプラットフォームには1000人の教師がいた。数カ月のうちに1万人を抱えるまでになったが、採用審査の過程で大量のリソースを消費した。しかし、それが不可欠だったとナテュー氏は説明する。Outschoolは、フルタイムの教師が増えれば収益も上がる。教師は、クラスごとに自分で設定した料金の70パーセントを報酬として受け取り、残りの30パーセントがOutschoolの収入となる。だがナテュー氏は、同社のプラットフォームを従来型の教育を補完するものと見ている。教師を説得してフルタイムで雇い入れ収益を拡大するよりも、プラットフォームにパートタイムの教師を増やすことで成長したいと考えているのだ。

Airbnb(エアービーアンドビー)がプラットフォーム作りに貢献する人たちと収益を分かち合うホスト救済基金を立ち上げたのと同じように、Outschoolは調達した資金の2パーセントを同様のプログラムに割り当て、流動性リスクに備えることを決めた。

Outschoolの目標の中でも、最も野心的なものに、皮肉に聞こえるが学校に入り込むというものがある。一部のスタートアップは、パンデミックの最中に学校に販売を行って成功しているが、学区内での販売サイクルと限られた予算のため、拡大を目標にするならばかなり厳しい事業となる。それでもOutschoolは、学校とその職員と契約を交わすことで生徒の生活と関わり合う道筋を付けたいと考えている。そうすれば、低収入の家庭でも同社のプラットフォームが利用できるようになる。ナテュー氏によれば、企業向けの販売は事業のほんの一部分であり、新型コロナ対策として2020年に始めたばかりの戦略に過ぎないという。現在同社は、B2Bサービスのパイロット事業を、いくつもの学校を相手に開始している。

Outschoolは、国際市場で消費者向け学習に焦点を当てたアーリーステージのスタートアップを買収することも検討している。まだ1つも実行されていないが、EdTech分野では、今や広範囲にわたって企業統合が熱い。

ナテュー氏は、Outschoolの成長は続くと強調する。たとえ学校が再開しても、パンデミック後の不安に対処する方策がすでに固まっている。

「人と直接対面する活動には、大きなスパイクが起きるはずです。みんなが今すぐやりたいことだからです」と彼はいう。「しかしその後は、今よりも分散した形に落ち着くでしょう。教育の未来はハイブリッドですから」。

さらに彼は、Outschoolのオンライン学習に対する信念は、創設前の構想段階から変わっていないと話す。同社は、単位取得のための、専門分野のデジタル学習にはチャンスを求めたことがない。ずっと、放課後の補完的活動で子どもたちを援助することに集中してきた。

「これは、教育システムのなかでも、あまり手の届かなかった、見落とされがちだった部分です」と彼は話す。「オンライ学習の利点は、利便性、コスト、そして地域によっては機会が得られないような学習内容の豊富さという面で、今後も存続します」。

カテゴリー:EdTech
タグ:Outschool資金調達ユニコーン企業コラム

画像クレジット:Bryce Durbin

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:金井哲夫)

インドのEdTech大手Byju’sが米英・ラテンアメリカ・インドネシアに進出、国際市場へ拡大

評価額130億ドル(約1兆4210億円)以上のインドのEdTech大手Byju’s(バイジュース)が成長を加速させるために、2021年5月後半に国際市場への進出を計画していることがTechCrunchの取材で確認された。

インド時間4月5日に設立33年の個別指導塾Aakashを約10億ドル(約1093億円)で買収したバンガロールを拠点とするこのスタートアップは、来月には米国、英国、ブラジル、インドネシア、そしてメキシコでサービスを開始し、2021年後半には他の地域を開拓する予定であると、従業員にメールで伝えた。

関連記事:インド最大の教育オムニチャネル構築を目指しEdTech大手Byju’sが個別指導塾Aakashを約1102億円で買収

「Byju’s Future School」と名づけられたこのスタートアップの国際事業は、Byju’sが2020年に3億ドル(約328億円)で買収したコーディングプラットフォームWhiteHat Jr.の創業者であるKaran Bajaj(カラン・バジャイ)氏が率いるという。

Byju’sの創業者兼CEOであるByju Raveendran(バイジュー・レヴィーンドラン)氏は、声明の中で次のように述べた。「私たちは、テクノロジーを通じて、世界中の子どもたちが学ぶことを好きになってくれると信じています。当社のグローバル展開は、子供たちが創造性を発揮し、実践により学ぶことを奨励する補助学習を家族が積極的に求めている重要な時期に行われます。今回のローンチは、世界中にアクティブラーナー(能動的学修者)を生み出すという当社のビジョンをさらに後押しするものです」。

WhiteHat Jr.のプラットフォームは、Byju’sの国際的な活動において重要な役割を果たしている。教師と生徒が1対1でセッションを行うコーディングプラットフォームにより、Byju’sは同期型と非同期型の両方の形式でコースを提供できるようになっている。

同社は2020年末にいくつかの国際市場で実験を開始し、ここ数カ月の間に、各地域を管理するために数名のトップクラス幹部を採用した。これらの幹部はすべてバジャイ氏の直属となると関係者は述べている。

「Byju’s Future Schoolは、6歳から18歳までの子供たちを対象に、リアルタイムの指導と創造的な成果を生み出すレッスンを融合させたインタラクティブな学習プラットフォームを提供することで、受動的な学習から能動的な学習への橋渡しをします」とメールには書かれている。

「Byju’s Future Schoolは、英語圏の生徒を担当する1万1千人のインドに拠点を置く有資格女性教師を擁しており、メキシコやブラジルなどの非英語圏市場へのさらなる浸透を目指しています。コーディングのカリキュラムは、スペイン語とポルトガル語でも提供され、これらの2カ国の生徒を担当する資格を持った女性教師を採用する予定です」とも。

Byju’s Future Schoolは、音楽、英語、美術、科学を含むさまざまな科目を提供する予定であると同社は従業員に伝えており、立ち上げ時にはコーディングと数学が利用可能になる予定だという。

【更新】本記事はByju’sからの確認を含めて更新された。

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タグ:Byju’sインド

画像クレジット:Paul Yeung / Bloomberg / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Aya Nakazato)

インド最大の教育オムニチャネル構築を目指しEdTech大手Byju’sが個別指導塾Aakashを約1102億円で買収

なぜByju’s(バイジュース)は2020年に10億ドル(約1102億円)以上の資金を調達し、さらに5億ドル(約551億円)の確保に向けてすでに少しずつ近づいているのか。今日、その答えが見えてきた。

Byju’sはインド時間4月5日、33年の歴史を持つ物理的な個別指導センターのチェーンであるAakash Educational Servicesを買収したと発表した。これは、インドのオンライン学習の最大手が、世界第2位のインターネット市場におけるリーダーとしての地位をさらに固め、オフラインでの成長を加速させるためだという。

関連記事:加速するオンライン学習サービス、インドのEdTech大手Byju’sが評価額1.6兆円で近く654億円調達か

現在評価額が130億ドル(約1兆4300億円)の同スタートアップは、この買収のために「10億ドル(約1102億円)近く」の現金と株式を支払った(現金約6億ドル/約661億3000万円、残りは株式)とのことで、これはEdtech分野では最大級の規模だと、事情に詳しい関係者3名がTechCrunchに語った(EYは、この取引について両社にアドバイスを行った。2021年1月に、両社が交渉中であることをBloombergが初めて報道した)。

Blackstoneが出資しているAakashは、一流の工科大学や医科大学への入学を目指す学生を対象に、全国で200以上の物理的な個別指導センターを所有・運営している。同社は25万人以上の高校生にサービスを提供している。

数十年の歴史を持つこの会社は近年、一部の製品をオンラインで利用できるようにしていたが、パンデミックの影響で学生の好みが変わってきたことから、6~7カ月前にAakashとByjuは買収の可能性を模索するようになったと、同社の幹部がTechCrunchの共同インタビューで語った(両社は、取引の財務的側面についてのコメントは控えた)。

Aakash Educationalのマネージングディレクター兼共同出資者であるAakash Chaudhry(アーカッシュ・チャウドリー)氏は、2社が手を組むことで「非常に充実した付加価値の高いサービスを学生に提供できる」と述べた。「Aakash Educationalの幹部は、買収後も同社に留まります」とも。

今回の買収により、両社はインドで最大の学生向けオムニチャネルを構築することができる、と同氏は続けた。「物理的な教室へのアクセスを希望する学生には、当社が対応しています。オンラインでコンテンツや学習にアクセスしたいと思っている学生には、Byju’sがサービスを提供してきました。我々はこれから一緒に、物理的なロケーションとテクノロジー、オンライン学習を活用して、他にはないものを学生に提供していきたいと思います」。

教育の未来はオフラインとオンラインが融合したものになるだろうと、同名のスタートアップの共同設立者兼CEOであるByju Raveendran(バイジュー・レヴィーンドラン)
氏はインタビューで語った。自身も教師の彼は(写真上)、それを理解しているのだろう。レヴィーンドラン氏はオンラインプラットフォームを立ち上げる前、スタジアムで何百人もの生徒に授業を行っていた人物だ。

Byju’sが提供する試験準備などのいくつかのサービスについては、オンラインのみのモデルはまだ数年先になるだろうと同氏は述べている。今回の契約は、ByjuとAakash Educationalのサービスをより小さな町や都市で展開することも目的としている。

2019年にAakashの株式37.5%を約1億8300万ドル(約201億7000万円)で取得した、Blackstoneのアジア買収共同責任者兼インドプライベートエクイティ責任者のAmit Dixit(アミット・ディクシット)氏はこう述べている。「オムニチャネルは、テスト対策と個別指導の勝利モデルとなっていくでしょう。インド有数の補習教育企業であるAakashとByju’sのパートナーシップに参加できることをうれしく思います」。

近年インドの教育スタートアップが受け取った資金(Blume Venturesがまとめた画像・データ)

大学・大学院への進学を目指す学生のための準備コースを提供するByju’sのユーザーベースは2020年から大幅に増加し、現在では8000万人以上のユーザーが利用しており、そのうち550万人が有料会員となっている。収益性の高いByju’sは、2020年、米国で1億ドル(約110億2000万円)以上の収益を上げたと、インドのベンチャーファンドBlume Venturesが先月開催したセッションで、(インドのスタートアップを支援している)GSV VenturesのマネージングパートナーであるDeborah Quazzo(デボラ・クアッゾ)氏が語った。

Lightspeed VenturesとNaspersが出資しているこのスタートアップは、近年、買収による無機的な成長も試みている。2019年には米国のOsmo(オズモ)を1億2000万ドル(約132億2000万円)で買収し、2020年には子供向けのコーディングプラットフォームWhiteHat Jr.を3億ドル(約330億6000万円)で買収している。レヴィーンドラン氏は、同社はさらに多くの企業を買収することを検討していると述べた。TechCrunchは先週、Byju’sがカリフォルニア州に本社を置くスタートアップEpic(エピック)を「3億ドル(約330億6000万円)を大幅に上回る額」で買収する交渉を行っていると報じた。

コンサルタント会社Convergence CatalystのチーフアナリストであるJayanth Kolla(ジャヤント・コラ)氏は、Aakashの買収によりByju’sはブランド認知度を高め、より多くの学生にリーチできるようになると述べている。「インドのような市場では、ウェブ上での有機的な急成長は、ある時点で停滞してしまいます」と彼は語った。

カテゴリー:EdTech
タグ:Byju’s買収インド

画像クレジット:Paul Yeung / Bloomberg / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Aya Nakazato)