イーロン・マスクのThe Boring Co.にメリーランド州からトンネル掘削許可

イーロン・マスクはこのところ好調だ。Rick & Mortyのファウンダーに賞賛されたし、メリーランド州でもトンネル掘削の許可を得るのに成功した。The Boring Companyは本社付近のカリフォルニア州ホーソーン市ではすでに許可を得ている

メリーランド州で建設予定の新しいトンネルは全長16.5kmで、州政府が所有するボルティモア-ワシントン・パークウェイの地下を利用するルートだ。メリーランド州のトンネルはワシトンとニューヨークを結ぶ一大トンネル・ネットワークの出発点として構想されている。 LA Timesの記事によればこのネットワークはボルティモア、フィラデルフィアの都市中心部にも乗降施設を設けるという。

マスクのBoring Companyは2基目のシールド掘削システムを導入してさらに勢いを増している。新システムはいつでもモグラのように地下を進む用意ができているということだ。メリーランド州は「現段階では資金面での援助は行わない」という条件付きで掘削を認めた。もっともこの条件はマスクにとってさして不利益をもたらすものではないだろう。もともと短いトンネルではあるし、この程度の建設資金はアミューズメント施設として観光客を集めることでまかなえるのではないか。

メリーランド州交通局長のPete RahnはLA Timesのインタビューに答えて、「イーロン・マスクの今回の申請は公共インフラを施設するためにトンネル掘削とほぼ同様のものだった。われわれはこうした掘削計画にひんぱんに許可を与えてきたので、〔その審査は〕そう困難なものではなかった。とはいえ、今後州を横断する本格的なHyperloop
Oneトンネルを実現するとなれば各種の手続きをクリアするためにかなりの作業が必要だろう」と述べた。

一方でマスクが火星植民のための大型宇宙ロケット開発の努力を続けていることもよく知られている。〔独立戦争のとき、教会の塔のカンテラが〕「一つなら敵は陸から、二つなら海から来る」と取り決めた話は有名だが、この流儀でいくとわれわれは「二つなら地下トンネルで、三つなら宇宙船で旅する」ことになるのかもしれない。

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イーロン・マスクのトンネル会社、掘削機第2号の準備完了

Elon Muskの3番目だか4番目の会社(数えられる人いる?)であるThe Boring Comapnyのトンネル掘削能力がほぼ倍増する。同ベンチャーの掘削マシン第2弾は「ほぼ完成した」とMuskは言い、名前の “Line-Storm”はロバート・フロストの詩[彼岸嵐の歌]から借りている。

おそらく、スティーブ・ジョブズがテクノロジーとリベラルアーツの交差点と言うとき本当に意味していたのがこれだろう ―― 工業用掘削機械には重要な芸術作品に因んだ名前を付けるべきである。Muskは詩の一行、”And be my love in the rain.”[雨の中で僕の恋人でいておくれ]も具体的に引用しいて、この機械が全天候対応であることを意味しているとも考えられる。しかしおそらくMuskは、偉大な力を称賛するフロストの表現が好きで、トンネルを掘る冒険心とのかすかな類似性を感じているだけなのだろう。

その一方でMuskは、Boring Co.の帽子を同社公式ウェブサイトで販売している。実物を見たところ上質の製品のようだった。Model 3の先行予約ほどには緊急資金調達の役にたたないだろうが、すでに5000個近く売れたようで、これはほとんどのスタートアップの扱い数より多い。

また、The Boring Companyという名前は究極のおやじギャグでまさしくMuskの得意分野だが、実際にはMuskの元恋人Talulah Rileyが思いついたとMusk本人が言っていた。また、ロゴを作ったのは映画監督のJ.J エイブラムスだという話だ。これはいつの日か最高のトリビア問題になるだろう。

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Hyperloop One、Virginグループ入り――高速ポッド輸送システムはVirgin Hyperloop Oneに改名

Virginグループはイーロン・マスクのHyperloop Oneに大規模な投資を行った。投資額は明らかにされていないが、真空トンネル内を高速で移動するポッドのネットワークを世界各地に張り巡らそうとしているスタートアップの名称を変更させる額であったことは間違いない。Virgin Hyperloop Oneが新しい名称jだ。

Virgin Hyperloop Oneが誕生した原動力はVirginグループのファウンダー、リチャード・ブランソンのハイテク高速輸送システム愛好だろう。ブランソンはこれまでもVirgin Galacticを始め宇宙飛行のための会社を創立してきた。 Virginグループに加わったことでHyperloop Oneが目指す次世代輸送システムは実現に向けて一歩前進した。Hyperloopは最新のテクノロジーを用いて準真空チューブ内に高速でポッドを走らせ、これまで数時間かかっていた距離を数十分で走破させようという野心的なプロジェクトだ。

Hyperloop OneとVirginとの関係は単に金だけではない。Hyperloopのエンジニアリング担当プレジデント、Josh Giegelは、以前はVirginグループのエンジニアだった。ブランソンはブログで「私はこの夏、Hyperloop Oneを訪問し、 ネバダ州ラスベガス近郊のDevLoopテストコースでこのテクノロジーを直接見てきた」と書いている〔トップ写真中央がブランソン〕。

Hyperloop One(正しくはVirgin Hyperloop Oneだった。長い名前なので慣れるのに苦労しそうだ)は最適な建設ルートを決定するためのコンペのファイナリストを決定し、またプロジェクトの実現可能性を研究する提携先として企業や政府を選定したことを発表している。

当面、Hyperloop Oneのビジネスは改名も含めて順調に進んでいるようだ。スピード好きのビリオネアが親しい友人であるというのは次世代の高速地上輸送システムの実現を目指しているイーロン・マスクにとって大いに役立つことになったようだ。

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イーロン・マスク、「スタートレック:ディスカバリー」で宇宙のパイオニアに認定される

Elon Muskはライト兄弟や人類に光速ワープをもたらした科学者と肩を並べた。Star Trek: Discoveryによる。昨夜CBSの All-Accessで、ジェイソン・アイザックス扮するキャプテン・ガブリアル・ロアカが、ライト兄弟や架空の動力発明家ゼフラム・コクレーンと共に、宇宙飛行技術革新の立役者としてMuskの名前を挙げた。

SFファンとしてよく知られるMuskは、この比較と名前の言及に興奮したことだろう。SpaceXのファウンダーは人類を惑星間生物種にする野望をもっており、最初のターゲットは火星に植民地を作ることだ。MuskのSpaceXは、再利用可能ロケットの改善にも取り組んでおり、宇宙での作業方法にパラダイムシフトを起こす可能性をもっている。

この言及でもうひとつ興味深いのは、AmazonとBlue OriginのファウンダーであるJeff Bezosの名前がないことだ。このもう一人の宇宙起業家はスタートレックの大ファンで、スタートレックBeyondへのゲスト出演を買って出てエイリアン役で登場することに成功したが、ロアカに宇宙飛行の英雄として取り上げられることはなかった。

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プエルトリコ知事、イーロン・マスクに支援を求める――ツイート交換から電力網再建の交渉が始まるか?

ハリケーン・マリアによってプウエルトリコの電力網は事実上壊滅してしまった。これを再建するというのはイーロン・マスクにとってさえ稀にみるビッグチャンスだろう。プエルトリコ知事、リカルド・ロッセロはTeslaのバッテリーと太陽光発電システムによってこの作業に当たる可能性についてイーロン・マスクと話し合いを行いたいとしている。

プエルトリコ政府が所有する電力会社によれば、現在この島でで電力が利用できるのはわずか10%の地域にしかすぎない。一部の地域では電力が復活するまでに4か月から半年かかるという。

イーロン・マスクはプエルトリコの電力網再建に太陽光発電とバッテリーのテクノロジーを利用する可能性についてツイートした。

テスラ・チームは世界の数多くの島でこれ〔電力網建設〕を行ってきた。テクノロジーはスケーラブルで規模に上限はない。ただし決定を下すのはプエルトリコ政府、電力事業委員会、ビジネス関係者、そしてもっとも重要な点だが、地域住民だ。

ロッセロ知事はただちに「では話し合おう」とツイートを返し、最高イノベーション責任者も全面的に支持した( #TeslaTechnologies)。

ではこの話し合いは実際のプロジェクトに発展する可能性があるだろうか?

Teslaはすでに数百基のバッテリー・システムを プエルトリコに送っている。現在Teslaの社員が懸命に据え付け作業をしており、また現地の人々に今後のメンテナンスを指導している。

マスクは過去にもツイートから新たなビジネスを始めた経験がある。サウス・オーストラリア州にバッテリープラントを設置する件はAtlassianのファウンダーでオーストラリア人のMike Cannon-Brookesと3月に交わしたツイートがきっかけだった。この契約は先月発効し、100日間で完工できないとマスクは5000ドルをふいにするという。

マスクが述べているようにTeslaはハワイのカウアイ島やアメリカ領サモアで太陽光バッテリーシステムを建設してきた。

もちろん340万人が住むプエルトリコで想定されるプロジェクトに比べれば、これらははるかに小規模だ。しかしマスクはスケールアップに強い自信を持っているようだ。

画像:: ullstein bild / Contributor/Getty Images

〔日本版〕マスクのツイート中のPUCはPuerto Rico Utilities Commissionとみて訳した。ただしプエリトリコの電力事業の正式名称はPuerto Rico Energy Commission

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ダイムラーがElon MuskからのEVに関する挑戦ツイートに回答

Elon Muskは、Twitterを使って率直かつ直接的に自分の考えを表現する人物だ。今回彼が取り上げたのは、USA Todayによって報じられた、EVテクノロジーに対して競合自動車メーカーが行なう投資額についてだった。Muskが指摘したのは、Teslaに対抗するために投下されると報じられた10億ドルという金額は、ダイムラーのような大企業としては不十分だというものだ。そしてそれにダイムラーは同意した。

ダイムラーは、USA TodayのTwitterで引用された10億ドルという数字は低すぎる、というMuskのツイートにこう応じたのだ。TeslaのCEOは「極めて正しい」とした上で、実際に行う投資は100億ドル以上だと述べた。バッテリー製造だけでも10億ドルを投資し、その他に次世代EVへの投資が含まれているという内容だった。

@elonmusk、貴方は極めて正しい。隠された数字はこのようなものだ:次世代EVに100億ドル以上、10億ドル以上をバッテリー製造に投資

結構なことだ。

Muskが実際にダイムラーの計画変更を促したわけではない(少なくもこのツイートでは。会社としてのTeslaは、これまで測り知れないほど大きな影響を、EV業界に与えてきた)。今回Muskが犯した罪はTwitterにはありがちなものだ:クリックして記事の全てを読むことなく、見出しあるいは140文字のまとめが全てであると考えたことである。JalopnikのDean Kawamuraはこれを指摘したが、Muskからは不敵な答が返された。それは単なる冗談かもしれないし、あるいはTeslaがEVの世界を塗り替えて来たことを意味しているのかもしれない。私の好みは後者の解釈だ。

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SpaceXのHyperloopポッド324km/h達成――学生チームのコンテストはドイツの勝利

今日(米国時間8/28)、SpaceXは学生チームによるHyperloopのポッドのスピード・コンテストを実施した。 真空チューブ中を走行するHyperloopポッドのデザインは世界から寄せられ、予選をを通過した3チームによる実際の走行が本社近くのテスト施設で実施された。最高速度を争ったのはドイツのWARRHyperloopチーム、スイスのSwissloopとParadigmのチーム、アメリカのNortheastern大学とカナダのMemorial大学による北米チームだった。

優勝者はミュンヘン工科大学の学生による WARRチームで最高速度324km/h(201mph)を記録した。このスピードは2位以下を大きく引き離しただけでなく、テスト走行で最高速度に達することを試みたのもWARRチームだけだった。

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Hyperloop WARRのポッドが準真空の1.3kmのチューブ内走行で324km/h を記録。

SpaceXの共同ファウンダー、イーロン・マスクはWARRの達成を「すばらしい結果だ。学生チームの設計であることを考えればなおさらだ」と賞賛した。しかしマスクは続けて「SpaceXの1マイル(1.6km)のテストコースなら500km/h以上を狙うことが可能だろう」とさらにハードルを上げた。

マスクの今日の発表によれば、コンテストはさらに続けられる。SpaceXは3回目となるコンテストを来年主催すると決定した。このスピード競争はボランティア・ベースで、SpaceX(に加えて今回はThe Boring Company)の社員が自由時間を利用して行ったイベントだ。コンテストの実施以外に学生のポッドの開発についても助言を与えたという。【略】

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SpaceXは来年中に24時間以内のロケット再利用を目指す

国際宇宙ステーションに関する関するカンファレンスでイーロン・マスクはSpaceXのロケット再利用計画について語り、いくつかの詳細が明らかになった。SpaceXでは来年中にFacon 9を回収後、24時間以内に再打上げすることができるようにする計画だ。マスクによればSpaceXは「これを実現するための技術的な筋道を付けている」という。

SpaceXのロケット再利用はまだコスト削減に大きな効果を挙げる段階まで来ていない。マスクは最近の回収して再利用に成功したISS補給船ドラゴンについて、回収後の整備コストは補給船を「新しく建造するのとほぼ同等、やや大きいかもしれない」と明らかにした。

SpaceXは補給船の整備技術を今後改良していくはずなのでコストの点も時間と共に改善されるはずだ。マスクは「次回はコストを数パーセント削れるだろう」と述べた。これは補給船の再利用に関しての話だが、再利用サイクルを早めるためには非常に多くの技術的問題を解決していく必要があるようだ、

一方、ロケットの先端部を覆って衛星などのペイロードを保護しているフェアリングについてマスクは「SpaceXは再利用の実現い非常に近づいている」と述べた。今年、SpaceXはフェアリングを地上に戻すことに成功している。マスクによればフェアリングと部品の再利用は「近い」という。フェアリングには複雑なシステムが取り付けられており、総額は500万ドルから600万ドルの価値がある。

「空から600万ドルが詰まった箱が落ちてくるとしたら捕まえてみたくなるはずだ」とマスクはSpaceXのエンジニアに言ったという。

フェアリングの回収は今年末か来年初頭を目指している。ブースター(1段目)とフェアリングが回収できればFalcon 9の80%が再利用されることになる。マスクは「われわれは2段目も回収できるかもしれない。ともかくそれも実験してみる」と述べた。

ロケット全体を短時間で再利用できるようになることはマスクが目指す火星ロケットの実現に欠かせないステップだ。マスクが再利用を急ぐのはそういう理由のためだという。

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イーロン・マスクのHyperloop One、実物大ポッドの走行テストに成功

Hyperloop Oneは最初のフルスケールモデルの実験に成功した( The Vergeの記事)。実物同様のサイズのポッドを密閉された真空チューブで走行させたものだ。このシステムは最終的には超高速運輸を狙っているが、ネバダ州における今回の実験は速度記録への挑戦が目的ではなかった。実験用ポッドの最高速度は時速112キロ程度にとどまった。

Hyperloop Oneの共同ファウンダー、Shervin Pishevarによれば、このテストは、速度ではなく、チューブ内に真空環境を維持し、ポッドが計画どおり走行できることを実証するのが目的だった。ポッドは高度60キロ程度の成層圏上層に相当する準真空中を走行した。Hyperloop Oneは空気抵抗を除くことによって高速と経済性の達成を狙っている。

ネバダ州に設けられた全長500メートルのテスト・コースにおける実験の次の目標は時速400キロでの走行だ。このシステム最高速度は理論上、時速1200キロに達するはずだが、現在のテスト・コースでは短すぎて実現不可能だという。

実用化までにHyperloop Oneが解決しなければならない課題はまだ数々ある。Hyperloop OneはUAE(アラブ首長国連邦)のドバイとアブダビを結ぶ時速800キロの路線を開設する計画だ。小さい一歩にしても進歩は進歩だ。フルスケールのポッドの走行テストが成功したのは実現に向かっての前進といえるだろう。

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「LAで最初のセクションを完了」イーロン・マスクがついにトンネル掘削機を始動

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イーロン・マスク氏がロサンゼルスの交通渋滞に嫌気を起こし設立したトンネル掘削会社The Boring Companyが、巨大掘削機”Godot”の 最初のひと搔き を完了しました。

 

マスク氏は5月、入手はしたものの長らく出番がない掘削機にサミュエル・ベケットの戯曲「ゴドーを待ちながら」に引っ掛けた名前”Godot”を与えていました。そして6月29日、「もう待つ必要はない。GodotはLAにトンネルの最初のセクションを掘り進めた」とツイート、ようやくその巨大な掘削機を始動させたことを明らかにしました。

ただ、現在のところはGodotがどこからどこへ向けて穴を掘り始めたのかは明かしていません。

イーロン・マスクは2週間ほど前、ロサンゼルス市長と会談を持ち「有望な会話ができた」としつつも技術は問題ないが、許可を得るのが大変だとして、LAの地下に穴を掘り進める正式な許可が出たかどうかは明らかにしませんでした。とはいえ、それからしばらくして「最初のひと掻き」を報告するということは、少なくとも必要な公的手続きが進んでいると考えられます。

マスク氏は4月、LA市街の地下にトンネルを張り巡らせ、自動車やバイク、歩行者などを乗せて高速移動するライド式の地下交通コンセプト動画を公開しています。また5月には最初の路線として、ロサンゼルス国際空港からカルバーシティ、サンタモニカ、ウェストウッド、シャーマンオークスを結ぶルートを計画しているとInstagramに投稿していました。

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Engadget 日本版からの転載。

イーロン・マスク曰く、ロサンゼルス市長はトンネルネットワーク構想に前向き

Elon Muskは、ロサンゼルス市の地下を走り地上の交通に邪魔されない高速輸送ネットワークの構想について、エリック・ガルセッティ市長と「発展的な議論」ができたと語った。これはMuskが最近設立したThe Boring Companyが実現を試みている構想で、今年バンクーバーのTEDカンファレンスでMuskが発表したコンセプトビデオに描かれている。

ガルセッティー氏はロサンゼルスのABC系列局ABC 7のインタビューでMuskの名前を挙げた。市長はMuskが開発中のものを含めトンネル掘削技術が進歩したことによって、LAの地上交通の主要ハブであるユニオン駅とLA空港を結ぶ高速路線の可能性を示唆した。

[車、自転車、歩行者を運ぶトンネルネットワークについて、@MayorOfLAと発展的な議論ができた。テクノロジーより認可が大変。]

Muskはツイートの中で、市や規制当局が要求する認可は、地下をトンネルでつなぐネットワークを実現する上でおそらくもっとも難しい部分だろうと語った。テクノロジーの実現は認可よりやさしいのでこのごく初期段階にあってさえ規制当局との議論は非常に重要だという。

去る5月にMuskは、The Boring Comanyが掘削するトンネルの初期区間を紹介する短い動画をInstagramに投稿した。路線はLA空港からカルバーシティー、サンタモニカ、ウェストウッド、およびシャーマンオークスの各都市をつなぐ計画だ。最終的にMuskはロサンゼルス全体を覆うトンネルネットワークを作りたいと考えている。The Boring Companyが作成したコンセプトビデオ通りの最終形態になるとすれば、トンネルを利用するのは個人の乗用車を始めとする地上車両で、トンネルネットワーク内のレールを走る電動スレッド(そり)に乗って地下を高速で移動する。

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Tesla Model 3、来月出荷へ――生産は順調だがオプションはほとんど選べない

Teslaによれば、Model 3の最初の量産ロットは予定通り来月出荷されるという。オンライン発注のためのコンフィグレーターも同時に公開される。しかし少なくとも当初は、Model3のコンフィグレーターにはほとんど選択肢がない模様だ。TeslaのCEO、イーロン・マスクが火曜日の株主総会で述べたところによれば、「選べるのは色とホイールのサイズ」だけだ。

将来は選択肢が増やされる予定だが、マスクによれば選択肢の限定はModel Xを教訓にしたのだという。Model Xではあまりに選択肢が多かったため、製造過程が著しく複雑化してしまったという。Model3の車種構成が当初限定されたものになっているのは生産台数をアップするための意図的なものだ。生産過程に問題がないことが明らかになれば、ユーザーの選択肢は徐々に増やされる。

Teslaには大量の注文残が存在していることをマスクは認めた。これが構成要素を限定して生産効率を優先する大きな理由だ。マスクによれば「仮に今日Mode 3を予約しても納車されるのは来年の末になる」という。しかしマスクは「生産ラインは拡張を続けているので予約をためらう必要はない」と付け加えた。

〔日本版〕Model 3のホイールサイズは18インチと19インチになるという。オプションリストにグラスルーフがあるが当初は選択できないようだ。

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イーロン・マスク曰く、米国がパリ協定を脱退したら諮問委員会を辞める

Elon Muskは、もし報道の通りトランプ大統領がパリ協定を脱退すると決断した場合、現在Muskが参加している諮問委員会を「辞めるしかない」と言った。Muskはあるフォロワーからの質問に答えて、水曜日にこの最後通告をツイートした。

[そのときは委員会を辞めるしかない]

現在Muskは、トランプ大統領の経済および製造諮問委員会に籍を置いており、シリコンバレーでTeslaを含め多くの企業が反対していたトランプの移民禁止政策の後も、反対を押して委員会に残ることを選択した。当時Muskは、意見の相違は大統領の考えに影響を与え得る立場を離れる理由にならない、と説明した。

パリ協定は2015年に国連の国際的協定として採択され、温室効果ガスの気候への影響を国際協力によって減少させるために具体的目標を設定した。トランプが米国をパリ協定から脱退させる意向であることを最初に報じたのはAxiosで、大統領は今日(米国時間5/31)、数日以内に決定を正式発表することを明らかにした。

この前にMuskは、「3週間前パリ協定について大統領と直接話した」ことを公言しており、トランプ大統領が彼なりに考えて、協定を続けることが最善の決定だと同意することに「慎重ながら楽観的」だとつい先週ツイートした。Muskは、最終的にトランプがどちらに振れるかはわからないと書いているが、米国が脱退した場合に何が起きるかについての彼の意志表明は単純明快だ。

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イーロン・マスク、TEDでトンネル計画を語る――SpaceX、自動運転等の事業も

少なくとも3社のCEO、イーロン・マスクが先週金曜日にバンクーバーで開催されたTED 2017カンファレンスに登場した。上のビデオにその模様が収められている。マスクは注目の新事業、地下トンネルの掘削計画についてビジョンを語った。

マスクは地下トンネルの3Dネットワークによって現在の地上の交通渋滞が大幅に改善されるとしている。マスクはThe Boring Companyの事業計画についてこれまでになく詳しく語った。それによればこの事業を思いついたきっかけはロサンゼルスで交通渋滞に捕まって非常に腹立たしい思いをしたことだったという。

マスクはまたTeslaの将来計画についても語り、貨物運送のために電気トレーラーを開発していることを明かした。また2年のうちに自動運転の電気自動車を実用化すると述べた。マスクはまた火星植民計画についても語り、なぜ人類が地球外に進出することがマスク、またSpaceXにとって重要なのかを語った。

マスクは短いツイートでさえセンセーションを巻き起こす存在だ。マスクのアイディアの実現性に関してはさまざまな評価があり得る。しかしこれまでも新たな思考のきっかけを多数提供してきたTEDの舞台でマスクが将来を語るのを聞くのは実に刺激的な経験だ。

〔日本版〕対談の聞き手はTEDの代表者(オーナー)、キュレーターのクリス・アンダーソン。ビデオにはデフォールトで英語字幕が表示される。

下はマスクのトンネル計画を説明するビデオ。自動車は路上に設けられたエレベーターで地下トンネルに下り、スケートボード式台車に乗って高速移動できる。このトンネル・ネットワークについてはTechCrunch Japanでも詳しく解説している。マスクが最近購入したシールド掘削マシンについてはこちら

マスクの説明によれば、現在の道路トンネルが高価なのは内燃機関を用いて自走することを前提としているため。自動車を電気モーターを用いた台車に載せることで小型化が図ると同時に掘削テクノロジーを改良することでトンネル設置のコストを10分の1以下にすることが可能になるというのがマスクのビジョン。まずロサンゼルスの地下にトンネルを建設したいとしている。

マスクはゲリーというカタツムリをペットにしているが、ゲリーは現在のトンネル掘削機より14倍早く進むという。マスクはさまざまな改良によってトンネル掘削をカタツムリ以上の速度にするのが目標だという。

その後、電気自動車、太陽光発電について説明、最後にSpaceXの宇宙事業について語った。SpaceXは衛星打ち上げロケットのブースター(1段目)を繰り返し洋上の艀や地上基地に垂直着陸させ回収している。また回収したブースターの再利用にも成功している。下のビデオはNROL-76偵察衛星の打ち上げとブースター回収のもよう。

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これがイーロン・マスクのトンネル掘削機だ――会社ロゴもペイントされている

イーロン・マスクのトンネル掘削会社は他の3社―SpaceX、Tesla、Neurolink―ほどミッションが明確になっていない。SpaceXとTeslaはすでに大きな実績を上げているし、新たに設立されたNeurolinkも脳とコンピューターの新たなインターフェイスを開発するという目標ははっきりしている。それにThe Boring Companyという社名は群を抜いてふざけている。

しかしマスクはたいへん目立つ企業ロゴをトンネル掘削用巨大シールドマシンにペイントしていた。SpaceXのエンジニアがInstagramに投稿した写真(Business Insider)にはThe Boring Companyの円筒形のトンネル掘削機がはっきり写っている。これを見ると、交通渋滞を根本的に解消するために地下にトンネルのネットワークを掘ることをマスクは真剣に考えているようだ。またトンネルはマスクがテスト中のHyperloop交通システムを走らせるにも適している。

マスクの計画は、いつもの戦略、つまり既存企業がコストに利益を上乗せする方式に守られて改革を怠っている分野を発見し、そこで画期的イノベーション起こすというものだ。マスクはこの2月、Bloombergに対して、交通渋滞の解消なら「空飛ぶ自動車などよりも地下にトンネルのネットワークを張り巡らす方がはるかに有効で実現性も高い」と述べている。空飛ぶ自動車はUberも開発しているが、実現には技術上の革命と同時に航空運輸に関する規制を根本的に変えていく必要がある。

〔日本版〕boringには「掘削」と「退屈な」の両方の意味がある。

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Elon MuskのNeuralinkはクラウドベースAIを私たちの脳の拡張にするのが狙い


Elon Muskは、TeslaとSpaceXの経営に使っている残りの時間を使って、人間とコンピューターをつなぐ脳インターフェイスの会社Neuralinkに関わってきた。Neuralinkの究極の目標は、彼が関わる3社の中で実は最も野心的なものだろう。 Wait But WhyがNeuralinkの裏にある基本的なアイデアに関する驚くべき記事を掲載しているが、そこでは、より優れた高速のコンピューター=脳接続を実現することで、Muskが達成を狙っているものに関して、深く踏み込みが行われている。

Muskは、彼が実際にNeuralinkでCEOの役割を果たすことを認めた、すなわち彼は3つの異なる会社のCEOの座につくことを意味する。しかしNeuralinkの目標は、間違いなく3つのベンチャー企業の中でも最も空想科学小説(SF)的なものに響く。たとえ人類を銀河間植民種(intergalactic colonial species)にするというMuskのSpaceXの目標を考慮したとしてもだ。

基本的に、Muskが実現したいのは、人間が言語を発明したときと同じくらいのインパクトを持つ、コミュニケーションの飛躍を実現したいということのようだ。言語は考えを社会的に拡散する際に信じられないほど高効率な手段だったことが証明されている、しかしNeuralinkが狙うのはその効率を遥かに高めようとするものだ。人から人へ。Muskのビジョンは、人びとの間に直接的な「非圧縮」の思考のコミュニケーションを可能にすることだ。すなわち通常行われているような、自分の元々の思考を言語へと変換することで効率的に「圧縮」し、そして送られたパッケージを相手が言語的に「展開」するという、常に情報が欠落するプロセスを使うことを無くしたいのだ。

Neuralinkの技術は、人間がAIの急速な進歩と歩調を合わせていくことを助けることもできるだろう、そしてそれは基本的にはAIと人間の意識を統合することで実現される。Neuralinkの技術は、自意識やその他の高度な脳内能力と同じレベルで、AIを人間の追加能力の1つとして使うことを可能にする。そのような高帯域幅を脳に直接接続することが可能になると、私たちの核になる自意識と区別がつかないような方法で、私たちの自意識とクラウドベースAIを統合することが可能になる。それは言語による発言や表現を、それを生み出している脳の部分と分離することが難しいことに似ている、とMuskは語る。

この技術を、いかなる手段にせよ広範に商業的に適用できるまでの道のりはまだとても遠い。おそらくSpaceXが火星に到達するよりも遠いだろう。Muskは、同社が生み出す技術が障害のない人に利用されるまでには、おそらく少なくとも「8年から10年」はかかるだろうと述べている。Neuralinkは、その技術の治療的用途の開発をまず目指している、こうすれば人間を相手にした臨床試験に対する、規制当局からの許可が得やすい可能性がある。

Muskが3つ目のCEOを引き受けたことは、彼の会社への投資家たちの眉をひそめさせるだろうが、Neulalinkのミッションは彼の他の2社の目的とも見合うものだ、3社全てが、現在Muskが生存への脅威と呼ぶ問題を解決することに焦点を当てている。NeuralinkによるAIへの対応はその1つなのだ。

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(翻訳:Sako)

SpaceX、Falcon Heavyの発射と2段目ロケットの回収に挑戦へ―火星植民への第一歩

Falcon 9ブースターの再利用の成功を受けて、イーロン・マスクはSpaceXがさらに大型のFalcon Heavyロケットのテストを実施することを発表した。このフライトでは2段目のロケットを地表に回収することも試みる。Falcon Heavyのブースターだけでなく2段目も再利用できるようにするのが目的だ。地表と宇宙をロケット全体が繰り返し往復できるようにすることは、SpaceXの最終目的である火星植民にとって欠かせないテクノロジーとなるという。

マスクによれば、Falcon Heavyのテストのスケジュールは「この夏の後半」だ。昨年9月、発射台上で点検中のFalcon 9が爆発するという事故により計画に遅れが出ていたが、Falcon Heavyのテスト時期は昨年暮に新たに設定されたスケジュールに沿ったものだ。

SpaceXのFalcon Heavyは商用打ち上げ企業としてまったく新しいビジネスチャンスを開くはずだ。Falcon Heavyのブースター部分は現在のFalcon 9のブースターを3基まとめたもので、Merlinエンジンは27基合計で22,819 kN(2327トン)の推力を発生する。NASAもSLS(Space Launch System)と呼ばれる独自の大型ロケットを開発しており、2018年には最初の打ち上げが行われる予定だ。

ロケットの完全な再利用化を目指す第一歩として、Falcon Heavyの打ち上げテストで2段目の回収実験を考えている。成功確率は低いがやってみる価値があると思う。

Falcon Heavyの低軌道打ち上げの最大ペイロード重量は54トンとされる。これは現在最大級の商用ロケット、ULA〔ロッキード・マーティンとボーイングの宇宙合弁事業〕のDelta IV Heavyの2倍のペイロードだ。ただしペイロードはミッションの内容によって大きく変化する。またロケットを使い捨てにするのではなく、再利用を図るのであればその分の燃料を必要とするためペイロードは減少する。SpaceXでは打ち上げ費用をULAのDeleta Heavyの3分の1にまで減少させることでNASAのSLSを打ち負かす計画だ。

SpaceXはFalcon Heavyに用いられるFalcon 9ブースターの回収に繰り返し成功している。この木曜日には回収したロケットを再利用した打ち上げに最初の成功を収めた。イーロン・マスクにとって次の目標は真空中で運用されるMerlin 1Dエンジンを搭載したFalcon Heavyの2段目を回収することだろう。

先に述べたように、ロケットの完全な再利用はSpaceXの火星プロジェクトの実現に必須となる。地表と軌道上の宇宙船を何度も往復して大量の燃料、資材などを積み込む必要があるからだ。この宇宙船が最終的に火星に向かうことになる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Hyperloop One、湾岸諸国で120億ドルの運輸市場を狙う

今日(米国時間3/28)、アブダビで開催されたGMIS (Global Manufacturing and Industrialisation Summit)でHyperloop Oneは中東における同社のビジネスモデルについて詳しい説明を行った。このプレゼンによれば、同社は湾岸諸国で年間350億ドルの市場がある貨物輸送のうち120億ドル分を代替できると考えている。これには70億ドルの航空貨物ビジネスのすべてが含まれている。

120億ドルというHyperloop Oneのターゲットの内訳は、航空運輸の100%の70億ドル、陸上運輸の22%の30億ドル、海上運輸の13%の20億ドルだ。

このサミット・カンファレンスの一環としてHyperloop Oneは新しいHyperloop Oneパートナー・プログラムを発表した。このプログラムは政策決定、技術革新、市場動向、コンサルティングなど各分野からさまざまな企業や人材をパートナーに加えて運輸事業における専門的な知見や助言を得ることができる仕組だという。

最初の商用Hyperloop路線、アブダビ=ドバイ線は依然として検討中の段階だが、約束どおりに事業が進展するのであれば、湾岸諸国に足場を築いたことは有望な一歩といえるだろう。今日Hyperloop
Oneが描いたビジョンが実現し巨大な新マーケットが現れる可能性にとって追い風となったにちがいない。

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Elon Muskの新会社Neuralinkは人間の脳が人工知能に‘後れない’ようにする

シリアル・アントレプレナー(serial entrepreneur, 連続(的)起業家)Elon Muskがまた新しい会社を作った。今度のは、テクノロジーによって脳の能力を拡張する、という主旨の企業だ。その新会社Neuralinkは、Wall Street Journal紙のおかげで今日(米国時間3/27)表沙汰になったが、元々Muskは、人工知能の進化に人間が歩調を合わせられるための脳-コンピューターインタフェイスに取り組んでいた。

Muskは去年のCode Conferenceで、“ニューラル・レース(neural lace)”というもののアイデアを述べた。それは、人間の脳に直接接続して、これまでの入力方法…キーボード、マウス、トラックパッドなど…のように帯域の制約のない、人間とコンピューターの対話を実現する技術だ。その後彼は自分の研究が進んでいるとツイートし、さらに最近では、彼がそのための会社を作るつもりだ、という噂が出回った。

ただしWSJの記事によると、Neuralinkは当面は人間の脳の能力の拡張を目指さない。むしろ同社が探求するのは、危険な、あるいは慢性的な症状を、脳のインタフェイスによって緩和することだ。

記事によると、それらの症状とは、てんかんや重症のうつ病などだ。今でも電極を脳に挿入するパーキンソン病の治療法などがあるが、Neurallinkはそれら既存の医療技術を出発点とし、それらの改良努力に集中することによって、より容易な開発と、当局からの承認の得やすさを目指す。この、あえて低いハードルをクリアすれば、人間の脳の能力の拡張という長期的な目標に向けて、会社の体制を整えることができるだろう。

まわりくどいやり方に見えるかもしれないが、これはMuskが大きなアイデアに取り組むときの標準的な方法だ。SpaceXとTeslaも同じモデルを用い、後年ほど野心的ではない短期的な製品から始めて、大きな目標…火星着陸船や長距離EVの大衆化など…に向けての持続可能な勢いをつける。

MuskはNeuralinkに関して、これまでのTeslaやSpaceX、The Boring Company(トンネル利用による都市交通の高速化)などと同じく、本気で取り組むだろう。しかし彼は人工知能について、人間にリスクをもたらすかもしれないと見ているだけに、彼が追究するリスク回避のソリューションは、他の惑星への植民や化石燃料からの卒業などと同じく、彼にとっても重要な意味を持つだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Tesla、10億ドル以上の資金調達へ―Model 3量産のため株式、優先転換社債発行を計画

Teslaは総額11億5000万ドル程度の新株と優先転換社債の発行を計画している。昨日(米国時間3/15)、Teslaは発行の目的を「リスク軽減のため」と述べたが、これは同社がビジネスを急拡大しModel 3の生産を急いていることが背景にある。

Teslaが財務状況を改善するため大型の資金調達を行うことは多くのアナリストが予想していた。またCEO、イーロン・マスクの最近の発言からウォールストリート関係者もTeslaは近く、さらなる成長のために資本の充実を図るはずだと考えていた。

Model 3は今年中に量産体制に入る予定だ。先月、少量生産が開始されていたが、フレモントの工場で量産体制を整えるために、この臨時生産ラインは一時停止している。資金調達計画については、2億5000万ドルを普通株で7億5000万ドルを2022年を株式転換期日とする社債でまかなうとしている。Reutersによれば、イーロン・マスク自身が2500万ドルのTesla株を購入するという

前回のTeslaの資金調達は2016年5月に行われ、新株発行よってキャッシュで14億ドル分の増資に成功している。この資金も生産能力を拡大するために用いられた。

マスクは2月に、決算報告の電話会見で「Teslaは独力でModel 3の量産体制を準備することができる」としたが、同時にこれは資金繰りが「限界に近づく」と認めた。つまりTeslaにとって外部資金を導入することが財務状況のリスク軽減のために合理的だということになる。Teslaの資金繰りが綱渡りとなるのは既存の株主にとっても好ましくないだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+