Facebookは米国選挙結果の「非合法性を主張する」広告を受け付けない

米国時間9月8日の第1回大統領討論会で、2020年米国選挙に対する脅迫のひときわ陰湿で鮮明な態度が見られた後、Facebookは選挙関連広告に関する新しいルールをさらに明確化した。

Facebookは同サービスの政治広告規則を拡張し「選挙結果の非合法性を主張する」あらゆる広告を禁止した。「投票方法を不正あるいは誤っていると主張する、あるいは投票者の個別事象を取り上げて選挙結果の非合法性を主張する」行為もこれに含まれる。

Facebookのプロダクト管理責任者で同社の事業整合性チームを率いるRob Leathern氏が、Twitterでこの変更を宣言した。

Facebookは、ユーザーの投票意欲をそぐ広告、郵送による投票その他の合法的方法を攻する広告、不正投票が蔓延していると暗示する広告、偽の医療情報で安全な投票を脅かす広告、および結果が投票日の夜すぐにわからないから選挙は無効だと示唆する広告を禁止することも述べた。

TwitterとFacebookはいずれも、選挙結果前の勝利宣言の扱いについて 新たなガイドラインを最近発表した。しかしFacebookの規則は、そのような主張が広告の中でなされた場合だけに適用されるようだ。TechCrunchはFacebookに、広告以外に候補者の通常アカウントで発言された場合の扱い方について質問している。

Twitterが政治広告を全面禁止した(The Daily Beast記事)に対して、Facebookはどのような政治広告をいつ許すかについてルールを微調整している。Facebookは、選挙、社会問題、および政治に関する広告を10月27日以降受け付けないと以前発表したが、それ以前から掲載されている政治広告は継続が許される(Facebookビジネスヘルプセンター)。

関連記事:Twitterは「選挙結果前の勝利宣言」など権力の平和な移行に反するツイートも取り締まる

すでにFacebookは、トランプ大統領とその支持者に端を発する、11月米国選挙の完全性に対する攻撃の氾濫に取り組んでいる。29日夜の討論会でトランプ大統領は、郵送方式はすでに信頼があり不在者投票に広く用いられている郵送方式はすでに信頼があり不在者投票に広く用いられているが、郵送による投票に再び疑問を投げかけ(CNN記事)、もし負けたときに選挙結果を受け入れるかどうかを約束することを拒んだ。

前例のないパンデミックで移動が困難になる中、郵送による投票は新しい発想ではない。コロラド、オレゴンなど複数の州が郵便を利用した選挙をすでに実施しており、郵便による投票はすでに全国で行われている不在者投票の拡大バージョンにすぎない。


9月30日、トランプ大統領はニューヨーク州で業者の印刷ミスによる不完全な投票用紙が配布されたことに関する陰謀論の種(NPR記事)をまいた。州は投票用紙を再発行することを決めているが、トランプ氏はこの事象を郵便による投票が「ペテン」である証拠だと主張した。その証拠に裏付けはない。(未訳記事)。

トランプ大統領の米国選挙への攻撃は、ソーシャルネットワークにとって前例のない挑戦であるが、それは国全体にとっての挑戦でもあり、近代において行政権の平和的移行が現職大統領によって脅かされる事態は起きたことがない。

画像クレジット:Pavlo Conchar/SOPA Images/LightRocket via Getty Images / Getty Images

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Facebook、Donald Trump、2020 ELECTION

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookの「監査審査会」に対抗し活動家による「真の監査審査会」が発足

米国時間9月30日、学者、研究者、公民権運動の指導者などからなるグループがThe Real Facebook Oversight Board(真のFacebook監査審査会)を発足させた。来たる米国大統領選挙におけるFacebook(フェイスブック)の役割を批判・議論するための会だ。メンバーには、元Facebook選挙セキュリティー責任者、#StopHateForProfit キャンペーンのリーダー、およびFacebookの初期投資家であるRoger McNamee(ロジャー・マクナミー)氏が在籍している。Facebookは昨年11月にコンテンツ管理の厄介な問題に対応するために「監査審査会」を自社で立ち上げたが、選挙期間中にコンテンツや活動を監視するつもりはなく、選挙終了後に問題を審査するだけであることを、正式に認めている。

発足記者会見は以下のチャンネルで中継される。

Facebook創業者のMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は昨年11月、監査審査会は「極めて重要な取り組み」であり「社内の各チームが意思決定に集中しすぎることを防ぐ」とともに「説明責任と監視」を促進すると強調した。

それはFacebook内での意思決定の難しさを認めた行動とも見られた。物議を巻き起こす投稿を削除するかどうかの判断は、個々の幹部の責任となることから、監査審査会はコンテンツ管理の「最高裁判所」のような役割になると言われている。

しかし審査会は、意思決定には最長3カ月を要し、審査の対象はプラットフォームから削除されたコンテンツのみであり、残っているものは審査しないことを認めている。

Facebookはこの審査会に1億3000万ドル(約137億1700万円)を投資し、5月にデンマークの元首相であるHelle Thorning-Schmidt(ヘレ・トーニング・シュミット)氏やGuardian(ガーディアン)紙の元編集長であるAlan Rusbridger(アラン・ラスブリジャー)氏などで構成される初期の委員会メンバーを発表した。

一方、活動家主導の「真のFacebook監査審査会」には、Facebookの辛口批評家として知られるエストニアのToomas Hendrik Ilves(トーマス・ヘンドリク・イルヴェス)元大統領や、サイバー名誉毀損で現在フィリピンで収監中のジャーナリストであるMaria Ressa(マリア・レッサ)氏らが参加している。

真のFacebook監査審査会のメンバーにはほかに、The Age of Surveillance Capitalism(監視資本主義の時代)の著者、Shoshana Zuboff(ショシャナ・ズボフ)氏、NAACP(全米黒人地位向上協会)代表のDerrick Johnson(デリック・ジョンソン)氏、元Facebook選挙整合性責任者のYael Eisenstat(ヤエル・アイゼンスタット)氏、公民権擁護団体のColor of Change代表のRashad Robinson(ラシャド・ロビンソン)氏、Anti-Defamation League(名誉毀損防止同盟)CEOのJonathan Greenblatt(ジョナサン・グリーンブラット)氏らも名を連ねる。

Facebookがいかにコンテンツを管理し、ユーザーをキャンペーンのターゲットにすることを許すかの問題は、米国大当郎選挙が近づくにつれ喫緊の事態となっている。すでに英国のChannel 4 Newsは、2016年大統領選挙でトランプ氏陣営が、米国の黒人350万人の投票を阻止するために、Facebook上でプロファイリングを実施していたことを暴露した。

 

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookが製品成長担当副社長のアレックス・シュルツ氏を新しいCMOに任命

Facebook(フェイスブック)は、空席だったCMO(最高マーケティング責任者)ポジションを埋めるために、これまで長年製品の成長を支えてきた自社の幹部を、最高経営幹部のひとりとして昇進させた。

2007年から同社に勤務していた、製品成長ならびに分析担当副社長のAlex Schultz(アレックス・シュルツ)氏が、米国時間9月29日にフェイスブックの投稿の中でこの異動を発表した。シュルツ氏が埋めるのは、2018年にHPから入社し、先月退社を発表(The ‎Wall Street Journal記事)したAntonio Lucio(アントニオ・ルシオ)氏が抜けたあとのポジションだ。退職時にルシオ氏は、「私のエネルギーの大部分を多様性、包括性、公平性に捧げる」ために会社を去るのだと述べていた。

シュルツ氏は自身のフェイスブックの投稿の中で、「セグメンテーション、ターゲティング、測定の経験」をテーブルに載せ、今でもすでに巨大なフェイスブックの大規模なリーチを、さらに拡大することを計画していると述べている。フェイスブックのLGBTQリソースグループのエグゼクティブスポンサーであるシュルツ氏は、異動のニュースに個人的なメモを追加し、フェイスブックは彼が「同性愛者であることと、それについてオープンであることが本当に安全な最初の職場だ」と述べている。

大統領選挙も大詰めの、会社にとって非常に重要なこの時期に、今回のポジションに就任したシュルツ氏は、公衆の面前でフェイスブックが置かれている不安定な立場を認めた。プラットフォーム運営をめぐるフェイスブックの失策に触れて、シュルツ氏は過去4年間、フェイスブックで安全性のために「私のエネルギーのほとんど」を費やしたと述べている。その仕事には、ヘイトスピーチ、嫌がらせ、その他のルール違反行為をプラットフォームから取り除くための同社の取り組みに関する、新しい四半期報告である、フェイスブックのコミュニティ標準施行レポートなどのプロジェクトが含まれている。

「私はフェイスブックの優れた製品がもたらすものを深く信じています」とシュルツ氏は自身のフェイスブックの投稿で述べている。「何十億もの人達が、物理的に距離を置き続け、ウイルスの拡散を遅らせながらもなお、家族や友人と社会的にオンラインで接続しているところを、私たちはこのパンデミックの中で目にしてきました。同時にどんな新しいテクノロジーでも精査することは大切で、すべての利点を失うことなく改善できる、そして改善すべき点があると思っています」。

カテゴリー:ニュース

タグ:Facebook

画像クレジット:Getty Images

原文へ

(翻訳:sako)

アップルがFacebookのオンラインイベントにおけるApp Store税30%を特例時限免除、ゲーム関連は適用外

先月、Facebook(フェイスブック)は有料オンラインイベントの支援を表明した。イベントを開催する企業の多くが新型コロナウイルスの感染蔓延で苦戦しているため、むこう1年間はFacebookプラットフォームを活用したイベントの手数料を徴収しないという内容だ。同社はこの取り組みに合わせて、アップルがアプリ内購入の際に徴収する30%の手数料を放棄するように要求していたが、アップルが「却下」したことを訴えていた

米国時間9月25日、Facebookはアップル側の方針転換を発表した。オンラインイベントの料金はFacebook Payで処理され、アップルは30%の手数料を徴収しないことになった。この取り決めは12月31日まで続くが、ゲームクリエイター、つまりEpic Gamesなどには適用されない。

このニュースは、Facebookが公式にアップルに姿勢を改めるよう圧力をかけた後に発表された。手数料免除が許可されないことを想定して、同社はイベントの支払いフローに「アップルはこの支払い額の30%を受け取る」と記載されたiOSアプリのアップデートも提出した。Facebookによると、アップルはユーザーにとって 「無関係」 な情報を含むことを理由に、このアップデートを拒否していたそうだ(Reutres記事)。

両社は合意に達したようだが、Facebookが発表した声明には少しトゲがある。

今回の発表は両社が合意に近づいているようにも観るが、Facebookからの声明はまだ少しとげとげしい。Facebookの広報担当者のJoe Osborne(ジョー・オズボーン)氏は、「新型コロナウイルスの感染蔓延は、中小企業やクリエイターにとって困難な時間です。感染蔓延のためにコミュニティが閉鎖されている間は、有料のオンラインイベントから料金を徴収しないのはそれが理由」と説明する。そして「アップルは3カ月間の猶予期間を設けることに同意が、その後は、苦戦する企業であっても30%のApp Store税を支払わなければなりません」と続けた。

同様に、ゲーミングクリエーター向けの例外について議論する中で、Facebookゲーム担当バイスプレジデントのVivek Sharma(ビベック・シャルマ)氏は「残念ながら、ほかの事業の一時的な猶予を得るために、この譲歩をしなければなりませんでした」と述べた。

この変更についてアップルは以下のような声明を出した。

App Storeはすべての開発者に大きなビジネスチャンスを提供しており、175カ国で毎週5億人の訪問者を集めています。すべての開発者がビジネスを成功させ、成長させることができるように、アップルは明確で一貫したガイドラインを維持しており、すべての開発者に等しく適用されます。

より具体的には、「アップルは年末までにFacebookがこれらのイベントのアプリ内支払いを実装すれば、App Storeのルールに準拠させることを許可する」と語った。

これは、大人気バトルロワイヤルゲームであるFortnite(フォートナイト)がApp Storeから削除され、開発元であるEpic Gamesが法的闘争と宣伝キャンペーンを展開していることにも影響する。Epicはまた、最近発表・発足したばかりの、App Storeなどのアプリストアの規制改善を求める非営利団体「Coalition for App Fairness」の一員でもある。Coalition for App Fairnessには、Spotifyや忘れ物防止タグのTileなどの企業が参加している。

画像クレジット:Jakub Porzycki/NurPhoto / Getty Images

原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)

11月に迫る大統領選に向けてソーシャルネットワーク各社が有権者登録の集中キャンペーンを実施中

米国近代史上最も不確実な選挙を間近に控え、ソーシャルネットワークはユーザーの有権者登録の促進に最後のひと押しを行っている。

この取り組みは、Twitter(ツイッター)、Facebook(フェイスブック)、Snapchat(スナップチャット)などの企業による、IRL(現実世界)であれ郵便投票であれ、国民に投票を促す現在進行中の運動を象徴するNational Voter Registration Day(全米有権者登録の日)とも符合する。

Snapchatは75万人の米国ユーザーの有権者登録を手助けしたとしており、Snoop Dogg(スヌープ・ドッグ)、Barack Obama(バラク・オバマ)前大統領、Arnold Schwarzenegger(アーノルド・シュワルツェネッガー)氏などを迎えて新たな著名人による投票促進プログラムを発表した(Variety記事)。同サービスは、米国選挙をテーマにした新しいSnap Originals(Snapchatの短編コンテンツ)として、Peter Hamby(ピーター・ハンビー)氏によるミニシリーズ 「Good Luck Voter!」や、人気シリーズ 「While Black with MK Asante」の選挙特番なども公開している。

スターの力を借りる以外でも、Snapchatではユーザーが友達を誘って投票にいくことを促進したり、アプリ内で郵便投票を申し込むツールを提供している。SnapchatのDiscover(発見)ページに採用されたアカウントは、同サービスの有権者登録ツールを自分のコンテンツに直接埋め込むことができる。

ツイッターも有権者登録を強く前面に押し出している。9月22日、米国の全ツイッターユーザーは、TurboVoteを通じて有権者登録を行うか、登録を確認するよう促す通知を受け取った。この注意喚起と警告は40の言語で送信された。このリマインダー以前にも同社は、独自の投票情報ハブと#YourVoiceYourVoteキャンペーン(Twitter投稿)を通じて、Marshmello(マーシュメロ)氏とChrissy Teigen(クリッシー・テイゲン)氏という人気アカウントを採用して、本人の音声メッセージをつけたVote.orgの登録確認ページへのリンクを発信した。ツイッターは#NationalVoterRegistrationDayおよび #VoteReady にリンクする新たなハッシュタグ絵文字も追加した。

フェイスブックは、独自の選挙情報ハブの開設やニュースフィードトップの注意喚起、Instagram(インスタグラム)のリマインダーなどの既存の取り組みに加えて、Alicia Keys(アリシア・キーズ)氏、Gabrielle Union(ガブリエル・ユニオン)氏、Jada Pinkett Smith(ジェイダ・ピンケット・スミス)氏らセレブの力を借りて、有権者登録に関するライブストリーミングによる啓発公共広告の特別版 「Vote-A-Thon 2020」を配信している。フェイスブック、Instagram、Messengerを合わせて250万人の有権者登録を支援したと同社はいう。

画像クレジット:Facebook

フェイスブックのユーザーにフィードの先頭で有権者登録を促す通知は、Facebookアプリ、Instagram、およびMessengerで米国時間9月25日金曜日まで掲載される。Instagramで全米有権者登録の日の新しいスタンプを使っているユーザーは、自分のストーリーが同サービスの特別有権者投票ストーリーに登場する。

YouTube(ユーチューブ)および、未だ宙ぶらりん状態のTikTok(未訳記事)は、独自の有権者登録運動を実施していないようだが、Google(グーグル)、Reddit(レディット)、Discord(ディスコード)の各サービスは目立つホームページバナーでユーザーに有権者登録を喚起している。

関連記事
Twitterが米大統領選挙に関するニュースやお役立ち情報をまとめたハブを導入
Facebookが大統領選挙に向け米国ユーザーに正確な情報を提供する投票情報ハブを開設

カテゴリー:ネットサービス

タグ:Twitter Facebook Snapchat 米国大統領選挙

画像クレジット:Twitter

原文へ

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookの新VRヘッドセットOculus Quest 2は秀逸、布製ベルトとFbアカウント必須が懸念事項か

Facebook(フェイスブック)のバーチャルリアリティ(VR)の夢は、同社にとって頭痛の種となっていた。CEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏の後押しで、同社はOculusに数十億ドルを費やし、ビジネスに巨大な複雑さを加えてきた。

一方で、設立チームに関する無数の問題、大規模な知的財産訴訟、サプライチェーンの問題、そして満足できないユーザーベースに直面していた。しかし、そういった苦労に涙を流しながらも、ある産業を強制的に成立させようとしたときに何が実現できるのかを、Facebookはテック業界に奇妙なほど痛烈な視線を投げかけている。

Facebookは、VRが我々が必要としている技術であることを誰かに確信させただろうか?そうではない。しかし、FacebookがOculus VRを買収してから6年が経過したいま、同社は意味のある完成度を感じるデバイスをリリースした。要するに新しいQuest 2ヘッドセットは、夢に十分な投資と技術者の才能を投入することで、やりがいのあるエコシステムを構築できることを示す素晴らしいハードウェアになった。発売以来、FacebookがQuestのソフトウェアを改善してきたとはいえ、ゲーム以外のプラットフォームがもっと多様になってほしいところだ。

Quest 2の特徴

  • 価格:3万7180円(64GB)、4万9280円(256GB)
  • デザイン:ツートンカラーの新デザイン
  • プラットフォーム:より強力なSnapdragon XR2プラットフォーム
  • メモリー:6GB(初代Questは4GB)
  • ヘッドセット重量:503g、前世代より10%軽量化
  • 本体サイズ:幅142.5×奥行き191.5×高さ102mm(ストラップ折り込み式)
  • ファストスイッチ液晶:72hz/1832×1920ピクセル(片目)
  • 音声入出力:スピーカーとマイクを内蔵
  • バッテリー駆動時間:2〜3時間
  • IPD(瞳孔間距離):58mm、63mm、68mmの3つの設定で調整可能
  • コントローラー:再設計された新コントローラ

前モデルが発売されてから約18カ月後が経過し、ほとんどのユーザーは今回のアップデートはマイナーなスペックアップだと考えていたかもしれないが、Quest 2は真のメジャーアップグレードであり、あらゆる面で進歩を遂げている。より軽く、より小さく、より強力で、 使いやすく、より安くなっているし。64GBモデルは3万7180円で購入できる。会社がPC専用ヘッドセットのOculus Riftのラインを終了させ、32GBモデルが1万9300円(当初は2万3800円)のOculus Goヘッドセットを終了させた数カ月後には、ある意味でQuest 2はメインストリームの成功に向けての最終製品のように感じられる。

私はオリジナルのQuestを徹底的に楽しんだが、その限界が目の前に迫っていた。ヘッドセットに搭載されているQualcomm(クアルコム)のSnapdragon 835の老朽化が原因でゲームが制限され、デバイスの有機ELディスプレイはピクセル化しすぎているように感じた。

FacebookはありがたいことにCPU、GPUとディスプレイの両方に実質的なアップデートを提供しており、Quest 2について私はあまり不満がない。Quest 2は、最近発売されたQualcomm XR2プラットフォームを採用しており、Snapdragon 835よりも安定した性能を実現している。Oculusの性能がどれだけ優れているかについてはちょっと不安だったので、QualcommのXR責任者であるHugo Swart(ヒューゴ・スワート)氏に電話をして詳細を説明してもらった。

スワート氏は、Quest 2上のXR 2チップセットの個々の実装については言及しなかったが、第1世代のQuestと比較して、同チップセットを支えるチップセットの大まかな比較を示してくれた。ハイレベルなのはやはり、XR 2はSnapdragon 835よりはるかに強力であり、CPUとGPUのパフォーマンスに関しては2倍の向上を果たしている。開発者にとって、これはタイトルの視覚的な複雑さを2倍できることを意味し、PC体験をより簡単にスタンドアロンのヘッドセットに移植することを可能にするだろう。

興奮しすぎる前に言っておくと、Quest 2のタイトルがこの性能をフルに活用する可能性は低いと思われる。2倍のパワーを持つチップセットを持つということは、実際には2つのことを意味するからだ。それは、2倍の複雑な処理が可能であることと、約半分の電力を使用しながら前世代と同じくらいの複雑な処理が可能ということになる。特にXR2がより高解像度のディスプレイを搭載していることを考えると、Facebookは開発者には前者のフル活用よりも、電力消費を抑える後者に焦点を当てるように働きかけるだろう。

その理由の1つは、完全な後継機を18カ月後に発売したこと、そして最新版をプレイしたいアーリーアダプターを怒らせないようにしたことだが、同時にOculusが複雑なソフトウェアよりもフォームファクターを最適化した結果でもある。Oculusはこのデバイスの重さを数グラム減らしたが、その一部はバッテリーのサイズを小さくしたことによるものだ。Oculusによると、Quest 2のバッテリーは設計し直され、18%小型化、29%軽量化されているとのこと。

新しいディスプレイは有機ELから、同社がOculus Rift Sで使用していたファストスイッチLCDタイプに変更された。仕様上のリフレッシュレートは72Hzだが、Oculusによると90 Hzに達する予定だという。ユーザーが最も顕著に違いを感じるのは、変更されたピクセルレイアウトではなく、前モデルよりも多くのピクセルを備える強化された画面な鮮明だろう。実際には50%以上のより多くのピクセルを表示できる。実際の使用でも、新しいディスプレイは顕著に鮮明になり、テキストの小さな段落を読むような苦痛なVR体験がずっと少なくなった。

ディスプレイのもう1つの興味深い変更点は、IPD(瞳孔間距離)がどのようにシフトされているかということだ。Quest 2の初期のリークでは「ユーザーごとに異なる顔の形を考えると、レンズ間の距離をうまく調整できないのではないか」というのが大きな懸念事項だった。Questは複数のIPD調整を可能にしていたが精度は低く、Quest 2では別の方法で調整を実現している。ボタンやダイヤルの代わりに、ユーザーはレンズを物理的に引き離して、58mm、63mm、68mmの3つの設定のうちの1つに設定することになる。

すべての人に完璧な体験を提供できるわけではないが、Oculus GoやOculus Rift Sにならって自動調整可能なIPDを完全に排除してくれたことはユーザーにとっては安心だ。

新しいコントローラは、素晴らしいアップデートが施されている。オリジナルのRiftタッチコントローラーのデザインから多くのヒントを得て、より大きなサムレスト(親指レスト)に改良されたのだ。そのほかの大きなアップグレードは、コントローラーのバッテリー効率が向上したことだ。Oculusによると、単三型電池1本で従来のQuestの4倍長持ちするという。コントローラーに関してはそれ以上の大きなアップデートはないが、コントローラーのツートンカラーに関しては、個人的にはあまり興味ははない。

ヘッドセットは、オリジナルの布で覆われた前モデルのボディーを見直し、新しくライトグレーと黒のツートンカラーのデザインで完全にハードシェル化されている。よりオモチャのような外観になったが、少し親しみやすく見える色が好きだ。初代Questよりもかなり小さく感じるし、実際に10%の軽量化は先代のヘビーユーザーにとってはメリットは大きいだろう。プラスチックシェルへの移行は、初代Riftと比べてRift Sのように安っぽく感じるのではないかと心配していたが、Quest 2では新しいデザインのヘッドセットハウジングが目玉になっている。

ヘッドストラップの腕にフィットするオンボードスピーカーは、またしてもまあまあだ。もちろん音は出るが、正直なところコンテンツに没頭することを真剣に考えるのであれば、高品質なインイヤーバッドの購入をお勧めする。

ヘッドストラップを調節可能な布製のものに再設計したことには満足していない。これは前世代よりも使い勝手が悪く、ヘッドセットの重さの再配分もうまくできない。ヘッドセットのベース重量とその包装サイズを減らすための変更だと確信しているしが、それが正しい選択だったとは思えない。Oculusは頭部を固定するための2種類のストラップを用意しており、6800円の「Quest 2 Eliteストラップ」の、PCヘッドセットの背面に小さな外部バッテリーを追加して再生時間を延ばす1万7600円の「Quest 2 Eliteストラップ バッテリーおよび携帯用ケース付き」がある。これらを使えば、ヘッドセットの重量をより最適に配分できる。

Quest 2のバッテリーの寿命については使用状況に応じて2~3時間とのこと。デバイスの利用頻度を光量するともう少し長く持つと思うが、今回のリリースでバッテリーのサイズが小さくなったことは少し残念に思える。

Quest 2 Eliteストラップ バッテリーおよび携帯用ケース付き(画像クレジット:Oculus)

Oculusのソフトウェアについて少し触れたい。これらのソフトウェアの改良は、既存のQuest所有者には明らかだ。アップグレードによってOculusのブラウザにハンドトラッキングやアップデートなどの項目が追加された。ナビゲーションからメディアコンテンツの視聴まで、ほとんどすべてが使いやすくなっている。

これらの改善はすべて、プラットフォームのいくつかの制限を強調している。ゲーム以外のコンテンツはまだ十分にはそろっていない。VRに興味を持つプラットフォームの多くはすでにVRに飽きてしまっており、別のアプリを維持する価値はないと判断しているのではないかと心配している。

個人的には、OculusがAndroidアプリのスクリーンを統合して、ゲームセッションとメディア視聴の間を受動的に行き来できるようにしてくれればいいのにと思う。Oculusのブラウザーはまずまずの出来だが、自分のスマートフォンでできることのいくつかをOculus上実行するためには、もう少し速いネイティブアクセスを期待したいところだ。なお、プラットフォームはその方向へ進む準備ができているようだ。

過去のハードウェアと比較して、このデバイスのオンボードでの明確な違いは、Facebookアカウントがヘッドセットを有効にするために必要になったことだ。Facebookは徐々にOculusを独立した組織ではなく、社内の一部門として扱うようになってきている。Facebookアカウントについては躊躇する人もいるかもしれないが、それほど驚くべき展開ではないだろう。

実際、かなりの数の人がFacebookを嫌っている。先週Netflixで公開された、まあまあなドキュメンタリー番組 「The Social Dilemma」 を見たあと、大衆文化がテクノロジー業界を取り巻く興奮と希望に回帰してきたとしても、ソーシャルメディア企業が社会に与える影響への注目が、Facebookへの嫌悪感を駆り立て続けるのではないかということがはっきりしてきた。これはOculusにとっては不利な点ではあるが、それがどの程度のものであるかは時が解決してくれるだろう。

Oculus Quest 2を買うべきか

初代Quest の発売からわずか1年余りでこのような刷新が行われるのは驚くべきことだが、新しいハードウェアは、Oculusが新しい方向性に向けて、よりアクセスしやすい単一のデバイスでビジョンを推進することに完全に焦点を当てていることを示している。

これはOculusが創業以来、VRのために行ってきた最も説得力のある議論であり、3万2978円のNintendo Switchとさほど変わらない、Oculus 2の3万7180円という価格設定は、より多くの人々にVRの道を開く可能性が高い。オリジナルのQuest所有者にとっては、このリリースはおそらく少しイライラさせられる。Facebookが初代Questの在庫を確保するのに苦労していたが、性能が大幅に向上したQuest 2ならすぐに手に入るからだ。

Quest 2は素晴らしいVRデバイスだが、私が悩んだのは素晴らしいヘッドセットが素晴らしいガジェットであるかどうかだ。今でも主にゲーマー向けであり、このVRヘッドセットは数週間にわたってメインストリームのユーザーを興奮させ、その後の人生をクローゼットで過ごす危険性もある。

画像クレジット:Lucas Matney

原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)

Facebook Messenger担当副社長が転送回数制限とファクトチェックによる誤情報との闘いを語る

米国時間9月3日にFacebook Messengerは誤情報の拡散を防ぐためにメッセージの転送に関する新しいルールを発表した(Engadget US記事)。米国時間9月15日のTechCrunch Disrupt 2020でFacebook(フェイスブック)のMessenger担当副社長であるStan Chudnovsky(スタン・チュドノフスキー)氏は、Messengerプラットフォーム上での誤情報や有害コンテンツの拡散との闘いにおけるフェイスブックの役割、そしてMessengerはプライベートなプラットフォームであるべきで秘密のメッセージは暗号化されるが、このことと誤情報の拡散防止のバランスをどう考えているかを詳しく語った。

チュドノフスキー氏は、フェイスブックは友達や家族とリビングでプライベーな会話をしているかのように感じることを目指していると説明した。しかし同社は、デジタルツールや新しいメディアの台頭に伴いこうしたツールが悪用されるおそれが出てきていることをフェイスブックが認識する必要があるとも認めている。

「Messengerがプライベートなコミュニケーション手段であることは明らかだ。そして確実にプライベートなものにしたいと思っている。これは我々にとってきわめて優先順位が高いことだ」とチュドノフスキー氏は語り始めた。しかしユーザーが大量にメッセージを転送し始めると、Messengerはもはやプライベートな会話ではなくなる。1対多の情報共有ツールになるのだと同氏は説明する。

「そうなれば、公共放送のようになっていく」と同氏は言う。

フェイスブックは2019年にまずスリランカのMessengerユーザーに対しメッセージの転送に「抵抗感を持たせる」と発表(未訳記事)し、ユーザーはメッセージを一定回数しか共有できなくなった。その時点で、人またはグループを対象に転送は5回までと制限された。今はそのルールをMessengerプラットフォーム全体に拡大(Facebookリリース)し、人またはグループを対象に転送は5回までと制限している。

この新しい制限はスパム行為を止めるためだとチュドノフスキー氏は続ける。「特定の情報を何度も転送することはできない。このことは、特に現在の状況においては、誤情報の拡散を止めるのに本当に役立つと我々は考えている」。

さらに同氏は、Messengerはフェイスブックとつながっているため、フェイスブックに協力しているファクトチェッカーによって誤情報にフラグが立てられると、フェイスブックと同じように情報が不正確であるという警告をMessengerの会話に挿入することができ、ミスリーディング、あるいは有害なコンテンツを送信したユーザーに注意を与えると強調した。

「これはプライバシーの侵害にはまったくあたらない。すべて同じ大きなパイプラインを通るからだ」と同氏は指摘する。

ファクトチェックのプログラムについて詳しく説明しているフェイスブックのウェブサイトにはMessengerについての言及はなく、フェイスブックとInstagramにのみ言及されている。

リンクの共有を完全に止めることは検討しないとチュドノフスキー氏は述べた。

リンクの共有と転送について同氏は「これはインターネットの中核をなすものだと私は思う」と語る。「インターネットで情報交換をする機能(を完全に禁止すること)は、インターネット自体の目的を否定してしまう」。

カテゴリー:ネットサービス

タグ:Disrupt 2020 Facebook Facebook Messenger ファクトチェック

画像クレジット:Getty Images

原文へ

(翻訳:Kaori Koyama)

FacebookがARが日常生活になるスマートグラスを2021年に発売、Ray-BanブランドのLuxotticaともコラボ

Facebook Connectイベントでは、コンシューマー向けウェアラブルARデバイスを開発中であることが発表された。Facebook(フェイスブック)はARとVRに本格的に努力を集中し始めている。昨年までOculus Connectと呼ばれていたイベント名をFacebook Connectに変更したのもその表れだが、OculusデバイスもFacebook Reality Labsという新たなブランドの下に再編していくようだ。

今回のFacebook Connectイベント自体がバーチャル開催されたのはグッドタイミングだった。バーチャル登場したMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、「拡張現実(AR)メガネへの第一歩」として来年、かなりのAR能力を備えたスマートグラスをリリースする計画だと述べた。.

ザッカーバーグ氏はまた、Facebookは高級アイウェアとしてRay-Ban(レイバン)ブランドのLuxottica(ルックスオティカ)を発売すると述べた。ザッカーバーグ氏によればRay-Banとの提携によってコンシューマーが望むようなファッション性や多様な機能を提供することができるようになるという。

「プロダクトはまだここでお見せできるような段階になっていないが、開発と販売においてパートナーと複数年の提携契約を結び、来年スマートグラスを発表できることを報告できるのはうれしい」という。どんな機能を備えるのかなど具体的な内容はほとんど発表されなかったが、TechCrunchの取材に対して「現在開発中のプロダクトにディスプレイ機能は付属しない」と確認した。Google GlassよりもSnapが2016年にリリースしたSpectaclesに近いのだろう。

Facebookは以前から本体ソフトウェアに統合できるウェアラブルARグラスの開発を続けてきた。2018年には独自のARグラスを開発していることを確認し、ARプロダクトの責任者であるFicus Kirkpatrick(ファイカス・カークパトリック)氏は当時、TechCrunchの取材に対して「こうしたプロダクトが現実のものになるよう努力している」と答えている。

今月に入ると、現実の環境下でARグラスがどのように機能するかをテストするため、少数の特別に訓練された社員や契約社員がFacebookのキャンパス内をウェアラブルグラスを着用して歩き回るのが目撃されるようになった。これはFacebook Reality Labsが実行しているプロジェクトAria呼ばれるAR研究イニシアティブの一環だという。

今回のデモの一部ではないが、関連するARプロダクト開発の状況を示すビデオも公開されている。まだ理論的には可能性ではあるが、ビデオではARグラスが現実の光景の上にオーバーレイすることでナビゲーションを容易にしたり、ミュージックストアの店先で好みの音楽を推薦したり、出掛けに何か忘れ物をしたことを注意したりするようすが描写されている。
 
 Reality Labsの研究室内では解決できない問題も多い。外を歩き回るテスターが、こうしたプロダクトが必要とするのはどのようなセンサーなのか、収集すべきデータとすべきでないデータの判別などの問題について解決のヒントを与えるかもしれない。

Facebook自身もこのところプライバシー問題でさまざまな批判にさらされているが、Google Glassが消費者向けプロダクトとして成功しなかった理由がまさにここにあったことを想起しているかもしれない。

Reality Labsの責任者であるAndrew Bosworth(アンドリュー・ボスワース)氏は「我々はどんなARデバイスにせよ一般に販売される前に広範囲かつ入念なテストをテストを繰り返す」と強調した。ボズワース氏はARグラスに現在プロジェクトAriaで開発中のデバイスはまだプロトタイプの段階まで達していない。あくまで将来の製品開発の準備のためのの先行的研究だ」と述べた。このデバイスはHUD(ヘッドアップディスプレイ)も備えていないという。

【編集部追記】2019年9月のアップロードだが、Reality Labsのビデオには記事内で紹介されているシナリオがイメージ動画化されている。

Facebook Connect 2020

画像クレジット:Facebook

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

スタンドアロンVRヘッドセットOculus Quest 2が登場、本日予約受付開始、10月13日月発売で64GBは3.7万円

米国時間9月16日、Facebookは大型のバーチャル・イベント、Facebook Connectを開催した。これは昨年までOculus Connectと呼ばれていたものだ。内容は豊富で、VRヘッドセットのOculus Questには強力な新モデルQuest 2はほぼすべての面で改善されている。新モデル登場は以前からリーク情報が流れていたが、本物はそれ以上だった。

まずOculus Quest 2は現行モデルに比べて100ドル安く、10%軽い。またサイズも少し小さい。カラーは薄いグレーとブラックの2種類が用意される。CPUのパワーは2倍、メモリーも強化され、ディスプレイの解像度もアップしている。予約は今日から受け付ける。出荷は来月10月13日の予定だ。

日本国内でもOculusサイトで先行予約受付中で価格は配送料込みで、64GB版が3万7100円、256GB版が4万9200円。ビックカメラ、ヤマダ電機、ヨドバシカメラ などの大手家電量販店での予約受付を開始しており、税別価格は64GBモデルで3万3800円、256GBモデルで4万4800円。

新しいヘッドセットはゲームそのほかの既存のQuest向けコンテンツと完全に互換性がある。チップセットはSnapdragon XR2を採用しており、現行モデルよりはるかに強力だが、デベロッパーが早急にQuest 2専用アプリを作ることはなさそうだ。新しいCPUとGPUによる性能改善は主としてディスプレイの精細度アップとバッテリー駆動時間の延長、バッテリーの小型化に生かされたたようだ。

  1. Oculus Quest 2

    画像クレジット:Lucas Matney
  2. Oculus Quest 2

    画像クレジット:Lucas Matney
  3. Oculus Quest 2

    画像クレジット:Lucas Matney
  4. Oculus Quest 2

    画像クレジット:Lucas Matney
  5. Oculus Quest 2

    画像クレジット:Lucas Matney
  6. Oculus Quest 2

    画像クレジット:Lucas Matney
  7. Oculus Quest 2

    画像クレジット:Lucas Matney
  8. Oculus Quest 2

    画像クレジット:Lucas Matney
  9. Oculus Quest 2

    画像クレジット:Lucas Matney
  10. Oculus Quest 2

    画像クレジット:Lucas Matney

Quest 2は近くOculusが販売する唯一のヘッドセットとなる。スタンドアローンのOculus Goはすでに販売が中止されており、パソコンに接続するRiftシリーズも今回終了が発表された。

以下に昨年4月に登場した現行のQuestと比較したスペックを上げておこう(日本における価格等はOculusサイト参照)

Quest 2 仕様

価格:299 ドル(64GB)、399ドル(256GB)
カラーバリエーション:2種類
チップセット:Snapdragon XR2(メモリー6GB)
重量:503g(10%軽量化)
寸法:幅142.5×高さ102×奥行き191.5mm(ストラップを含む)
ディスプレイ:リフレッシュレート72Hz、解像度1832×1920ピクセル(単眼)、高速スイッチング液晶
音声入出力:スピーカー、マイク内蔵
バッテリー駆動時間:2〜3時間
調整可能IPD(瞳孔間距離):58、63、68mm
付属品:新型コントローラー

さらに多数のフィーチャーがあるが、詳しくは詳しいレビュー記事(翻訳中)参照していただきたい。

Facebook Connect 2020

画像クレジット:Facebook

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

Facebookライブにアップされた自殺動画の拡散防止に失敗した各SNSの理由

あるFacebook(フェイスブック)ユーザーが自分が自殺するところをライブ動画としてアップロードした。その動画がTikTok、Twitter(ツイッター)、Instagramに拡散した。YouTubeでは何千回も再生され、それにともなう広告収入を集める動画が今現在も多数流れている。ソーシャルネットワークはさまざまな努力はしているものの、拡散防止に失敗したことは明らかだ。多数の暴力的コンテンツ、フェイクニュースの拡散を防止できなかったことが思い出される。

オリジナルの動画がフェイスブックにアップされたのは2020年8月末だったが、その後、主要な動画プラットフォームにコピーされた。多くは無害なイントロを流した後で自殺の場面に移る。この手法は、はるか以前からプラットフォームによる審査をごまかすために多用されてきた。こうした動画は視聴した人々が違法な内容だ気づいて手動で通報するが、その時点ではすでに大勢が問題のシーンを見せられしまった後だ。

これはいろいろな意味で新型コロナウイルスは人工的に作り出されたものだとする陰謀論がSNSで拡散された際の手法に似ている。ソーシャルネットワークは、多大のリソースを投入してこのような陰謀論が猛威を振るうことを防ごうとしたが失敗した。

大型ソーシャルネットワークは、利用約款に違反する動画を即座に削除する高度なアルゴリズムを装備しているにも関わらず、これまでのところ規約違反動画が狙いとする最も重要な点を防ぐことができていない。多くのユーザーが過激な場面を目にしてしまっている。

Ronnie McNutt(ロニー・マクナット)氏の自殺動画が、最初にアップロードされたのは8月31日だった。システムがこの動画を削除したのは公開後3時間近く経ってからだった。その時には視聴回数は膨大なものになっており、多数のコピーが作られていた。多数のユーザーによって通報されていたにも関わらず、なぜこのような過激で暴力的かつ利用約款に明らかに違反する動画にはが長時間公開されたままになっていたのか?

先週発表されたコミュニティ規定施行レポートでフェイスブックは 暴力的あるいは性的な内容のコンテンツを審査するという報われない仕事に1日中携わる人間の担当者(多くは外部の契約者)がパンデミックのために不足していたことを認めた。

審査担当者の人員が不足していれば 、当然ながらフェイスブックとInstagramにおける自殺、自傷、チャイルドポルノなどのコンテンツの審査も遅れ気味になる。

また違法なコンテンツをみ全員が通報するとは限らないため、通報件数だけでは違法性の程度を判断することが難しい。

しかし自殺したマクナット氏の友人でポッドキャストの共同ホストを務めていたJosh Steen(ジョッシュ・スティーン)氏はTechCrunchの取材に対して次のようなメールを返しており、このライブ動画は自殺シーンのはるか以前に規約違反として通報されていたという。「彼をよく知っているし、またこのような動画がどのように処理されるかについても知識があるので、あのストリーミング動画は、何らかのかたちで介入があることを期待していたのだと信じる。これは仮定に過ぎないが、本人の気をそらすことができてさえいれば、彼が自殺をすることはなかったはずだと思う」。

この点についてもフェイスブックに取材したが、回答は「ライブストリームにいち早く介入できる方法がなかったか検討しているところだ」という型通りのものだった。ともあれ、そういう方法の確立を強く期待する。

しかし、こうした動画が一度配信されてしまうと、フェイスブックにはその拡散を防ぐ方法はない。過去にも自殺や暴力的な場面がライブストリームで放映されたことは多数ある。ただし今回、他のソーシャルメディアの対応は明らかに遅すぎだ。TikTokはこの動画を「おすすめ」ページに入れていた。無責任なアルゴリズムによって、何百万という人々がこのシーンを見ることになってしまった。なるほどこの動画をプラットフォームから完全に削除するのは難しかったかもしれないが、少なくとも「おすすめ」に入れて積極的に拡散すること防止するなんらかの手立てが取られて良かったはずだ。

YouTubeもいわば事後従犯だ。スティーン氏のグループの動画はキャプチャーされ、無数の営利目的のサイトがYouTubeにアップして広告料を稼いだ。スティーン氏は自殺動画をコピーし、広告を付加してSquarespaceやMotley Foolで流した例のスクリーンショットを送ってきた。

最大の動画配信プラットフォームがこのように無責任な態度を取り、悪質なコンテンツを排除するための方策を取らなかったように見えることは非常に残念だ。例えばTikTokは、契約違反の動画を繰り返しアップロードしたユーザーのアカウントを凍結するとしている。しかしそうしたユーザーを排除する前に、何度も繰り返される悪質な動画の投稿を許す必要があるのだろうか?

一方、フェイスブックは繰り返し通報を受けていたにも関わらず、この動画をが規約違反であると断定するのを躊躇したようだ。さまざまなかたちでの再アップロードが、禁止されることなくしばらく続いた。もちろんこれは審査のスキを突かれ、いくつかの動画がすり抜けてしまったのだとも考えられる。何千もの動画が大勢のユーザーの目に触れる前に削除されている。しかしフェイスブックのように、何十億ドル(数千億円)もの資金と何万人もの人員を割り当てている巨大企業が、これほど重大な規約違反動画を削除するために躊躇した理由がわからない。

フェイスブックは8月上旬に「通常の審査体制に戻した」と述べたとされている。しかしスティーン氏は「AIテクノロジーはパンデミック期間中に大きく進歩していた。だからライブストリーミングだから防止できなかった、あるいはその後の拡散を防げなかったというのはおかしい」と主張する。

「(乱射犯がモスクを襲った)クライストチャーチ事件で、私たちはライブ動画のバイラルな拡散の危険性についていくつか重要な教訓を得た。これは広く知らせる必要がある。ライブストリーミングが視聴された総数、共有された回数、それらが視聴された回数などだ。私はこれらの数字はライブ映像のインパクトを正しく認識する上で極めて重要だと考えている。特にどの時点でライブストリームのビューが急増したのかというデータが重要だ」とスティーンは述べている。

TwitterとInstagramでは、自殺動画アップロードするためだけに多数のアカウントが作られた。また自殺者のハンドル名を利用した多数のフェイクアカウントが作られている。一部の動画には「自殺」や「死」といったタグさえ付加されている。こうしたアカウントには、利用規約を破った動画をアップロードする以外の目的がないのは明らかだ。フェイクアカウントやボットアカウントを判別できるはずのアルゴリズムは何をしていたのか?

筆者が見つけたYouTubeチャンネルには、マクナット氏の自殺を利用して50万以上のビューを得ているものがあった。オリジナルの動画にはプリロール広告が付けられ、無害であることを装ったコンテンツとして始まるが、やがて興味を抱くユーザー向けに自殺シーンが表示される。私がYouTubeにこの動画を報告すると、プラットフォームはこのアカウントの収益化を停止し、問題の動画を削除した。しかしスティーン氏らは、何日も前に同じこと報告していた。次にこうしたことが起こった場合、あるいは別のプラットフォームで現に起こりつつあるかもしれないが、メディアが記事にしない限り、プラットフォームは責任ある措置を取ろうとしないのではないかと考えざるを得ない。

こうしたプラットフォームが目的としているのは、規約違反に対する措置をなるべく穏やかなものにして目につかないようにし、ユーザー離れを防いでビジネスへの影響を最小限にすることだ。他のソーシャルネットワークでも見られたが、もし厳格な削除措置がビジネスに悪影響を与えるようであれば、そういう措置は取られない。

しかし、今回の事態あるいは以前の事態が示すように、これはソーシャルネットワークサービスが必要とする重要な要素を欠いている。現在の状況をリアルタイムで共有できる動画配信サービスは、ビジネスとして極めて大きな利益を上げることは明らかだ。しかし同時に、恐るべき行為の映像をそのまま流してしまうというリスクをはらんでいる。

スティーン氏は「こうした(ソーシャルメディア)は非協力的であり、また正直ではない。我々の抗議に対して、ソーシャルメディアが責任ある対応をしなかったことを繰り返し見てきたことにより、改革を求めるハッシュタグ「#ReformForRonnie」を作った。何らかの変革がなければ、こうしたことはいつまでも続くだろう」と述べている。

もちろんスティーン氏は親しい友人を失い、その死を悲しんでいる人間であることは考慮に入れ必要がある。しかし友人の自殺が乱用され不当にコピーされて、故人が笑い者にされている状況に対して巨大動画プラットフォームが中途半端な対応しかしないことについて、強い不満と怒りを感じていることにも留意すべきだ。

スティーン氏はメジャーなソーシャルネットワークに対して、人々は何らかの声を上げるべきだとしてこのハッシュタグを広める運動をしている。どうすればこうした事態を防げたのか?すでにアップロードされた動画についての対応は、どのように改善されるべきなのか?どのようにすれば故人を愛した人々の意思をより尊重できたのか?もちろんこれらすべては完全に実現するのが極めて困難な課題だ。しかしそれが、プラットフォームが何も努力をしないことの言い訳になってはならない。

関連記事
TikTokは今ユーザーの「レコメンド」ページから悪質なビデオを排除中
新型コロナ偽情報の動画「Plandemic」にYouTubeやTwitter、Facebookなどが緊急対応

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ

タグ:Facebook YouTube

画像:Florian Gaertner / Getty Images (Image has been modified)

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

解雇された社員がメモでFacebookの世界的な政治操作に対するいい加減な対応を非難

元Facebook(フェイスブック)のデータサイエンティストが、去り際に残した詳細なメモで、世界中の政治に影響に与えている偽アカウントや偽アクティビティへの対応が恣意的で、遅く、一般的に不十分な対応だと非難している。

BuzzFeed Newsがそのメモの全文を入手しその抜粋を公開しているが、全文を読むに価値は十分ある。

記事には、Sophie Zhang(ソフィー・チャン)氏は2020年9月初めに解雇されたとあるが、彼女によるとその理由は、同社の優先事項と広範な不正行為への対応について経営陣との間で意見の相違が続いていたことが理由だという。

6600ワードのメモの中で、チャン氏は通常のスパムに大きく重点を置くシステムについて説明している。しか扱わないシステムを問題視している。もちろんスパムはプラットフォームにとって大きな問題だ。しかし選挙に影響を与えようとする「組織的で根拠のない行い」には、それほど優先度もリソースも与えられていない。

BuzzFeed Newsが報じたメモは次のとおりだ。

フェイスブックの短期的な決定がPRとネガティブな注目を集める可能性に大きく動かされていることは市民道徳的の領域では公然の秘密だ。それが他の人がマスコミに行くと脅し始めたときに、エスカレーションの優先順位が上がるのを目にしてきた理由であり、もし意味がある問題であれば、注目を集め、報道の火種となり、会社がこの領域にもっと注目するように説得できただろうという根拠に基づき、私の市民活動には影響力がないと組織のリーダーから知らされた理由だ。

全体的に、私の組織、そしてフェイスブックは、大きな問題に焦点を当てており、そのアプローチはスパムに固執している。市民的な側面は、量が少ないため軽視され、その不釣り合いな影響は無視されてきた。。

このメモにあるチャン氏の主張とされるメモの項目について、フェイスブックにコメントを求めた。

  • 大規模な政治的操作がホンジュラスで行われたのは、フェイスブックがそれを阻止しようとした数週間後のことだった。
  • アゼルバイジャンの組織的操作キャンペーンはその後1年間調査されなかった。
  • 米国とブラジルで行われた2018年の選挙では、1000万以上のフェイクリアクションとフェイクアカウントが公表されず削除された。
  • 2020年2月のインド・デリーにおける大規模な政治的影響力のあるキャンペーンは報告されなかった。
  • スペインと米国における新型コロナウイルス関連の偽情報キャンペーンで、この春に67万2000のアカウントが削除されたが、公表されなかった。
  • 誤情報キャンペーンを追求するかどうかは、チャン氏のような中堅社員に任されているが、彼女は「何の監督もしていない」と主張している。
  • 市民的道徳の活動組織にチャン氏に対してさらにリソースを割こうとしたため、彼女は解雇された。

フェイスブックの担当副社長であるGuy Rosen(ガイ・ローゼン)氏は、ツイートでそのメモを軽視し、チャン氏は「fake likes(偽のいいね!)」(偽のいいね!)のことについていっていると述べた。ローゼン氏は「業界や政府の他のチームと同じく、私たちは世界的に最も緊急で有害な脅威を阻止することを優先している。「fake likes」は、その中の1つではない」と話している。確かにチャン氏の記述の一部は偽のエンゲージメントだがそれがすべてではなく、また優先順位に関するフェイスブックの判断は、このメモが論じている問題の一部だ。

このメモは、多くの人が疑っていたことが本当だとはっきり書かれている。フェイスブックは「強さと有能なイメージを見せようとしているが、現実にはその行動の多くが行き当たりばったりで偶然の事故」だ。それだけでなく、フェイスブックのこの種の問題への取り組み方は、会社自身よって高度に調整されており、完全で正確なものではないようだ。

カテゴリー:ネットサービス

タグ:Facebook

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Facebookがコンテンツ推奨システムの一部を明文化

YouTube(ユーチューブ)、Facebook(フェイスブック)、Twitter(ツイッター)などのソーシャルメディアサイトで使われているレコメンデーション(推奨)アルゴリズムはしばしば、誤報、プロパガンダ、ヘイトスピーチ、陰謀論、その他の有害なコンテンツの拡散に一役買っているという批判を浴びてきた。とりわけFacebookは、自社のプラットフォーム上でQAnon(キューアノン)の陰謀論に関係するグループが拡大するままにし、民兵組織のメンバー数増加を助けたとして、最近批判を浴びたばかりだ。フェイスブックは現在、不快、不適切、危険なコンテンツや誤解を招くコンテンツ、さらには事実と異なるコンテンツにユーザーがさらされているのは推奨システムに何らかの原因があるという主張に対抗しようとしている。

今回フェイスブックは、同社が定めるコンテンツ推奨ガイドラインの仕組みを初めて公開した。

FacebookのヘルプセンターInstagram(インスタグラム)のヘルプセンターで新しく公開されたドキュメンテーションを確認できるが、その中にFacebookやInstagramのアルゴリズムがコンテンツ、アカウント、ページ、グループ、イベントを推奨から除外する方法が詳しく説明されている。

現在、Facebookの提案機能は「おすすめのページ」、ニュースフィードの「おすすめの投稿」、「知り合いかも」、「おすすめのグループ」といったところに見ることができる。Instagramの場合、発見(Explore)タブ、アカウントの「おすすめ」、IGTVの「おすすめ」でユーザーに関連性の高い情報が表示される。

同社によれば、Facebookの現行のガイドラインは2016年から実施されており、「削除、抑制、情報提供」という戦略の上に成り立っているという。この戦略は、Facebookのコミュニティ規定に違反するコンテンツを削除し、規定には違反していないが問題のあるコンテンツの拡散を抑制し、クリック、閲覧またはシェアするコンテンツを判断するための追加情報をユーザーに提供することに重点を置くものであるというのが、フェイスブック側の説明だ。

今回公開された推奨ガイドラインは、基本的にはこの戦略の中の「削減」面におけるフェイスブックの取り組みであり、ユーザーに新しいアカウント、グループ、ページなどへのフォローを働きかけることによって、Facebookのコミュニティ規定よりも高い水準を維持しようとしている。

フェイスブックが新しく公開したドキュメンテーションでは、推奨機能の対象外となる5つの主要なカテゴリーが挙げられており、内容的にはInstagramのガイドラインも同様である。ところが、特定のユーザーに対して推奨する内容をFacebookが実際どのように選択しているのかという問いについては、納得のいく説明が提供されていない。推奨技術を語るうえで重要なこの部分に関して、フェイスブックはあえて触れていない。

推奨の対象外となるコンテンツを多く含むカテゴリーの1つは、言うまでもなく、Facebookの「安全なコミュニティ構築」を妨げるコンテンツである。これには、自傷行為、自殺、摂食障害、暴力、露骨な性描写を含むコンテンツや、タバコ、薬物、および非推奨のアカウントまたはエンティティによる投稿内容といった規制コンテンツが含まれる。

また、フェイスブックは、機密性の高いコンテンツや低品質コンテンツ、ユーザーに不評のコンテンツや低品質なパブリッシングに関連するコンテンツは推奨しないとしている。これらのカテゴリーに含まれるのは、クリックベイト、不正なビジネスモデル、給料日ローン、「奇跡の治療法」などの大げさな表現で健康関連商品を宣伝するコンテンツ、美容整形・美容処置のプロモーションコンテンツ、コンテスト、サンプル・試供品、エンゲージメントベイト、別のソースからコピーされた盗作コンテンツ外部サイトからのクリック数と比べてFacebookにおけるクリック数が不均衡なウェブサイトのコンテンツ、著者や配信スタッフに関する情報開示の透明性が低いニュースコンテンツだ。

加えて、フェイスブックによれば、偽の、または誤解を招くコンテンツも推奨されることはない。独立したファクトチェッカーによって事実ではないと判断されたものシェアするコンテンツ、ワクチンに関する誤情報、偽造文書の使用を助長するコンテンツなどが、それにあたる。

なお、アカウントやエンティティの中で比較的直近にコミュニティ規定に違反したもの、フェイスブックが推奨しないコンテンツをシェアしたもの、ワクチンに関する誤情報を投稿したもの、「いいね」を購入したもの、広告の掲載禁止の処分を受けているもの、虚偽の情報を投稿したもの、暴力的な運動とつながりがあるものに関しては、Facebookとしても推奨しないように「努める」とのことだ。

最後に言及されている項目については、お察しの通り、先日ウィスコンシン州ケノーシャの民兵組織がFacebook上に設けたイベントページの事件をうけたものだ。この事件では、同イベント作成後に規定違反の通報が455件もあったのにページは削除されず、4人のモデレーターが規定には違反していないとして苦情を却下したという。同ページではユーザーに「武装」を呼び掛け、どのような武器で持参すべきかについてコメント上でやり取りが行われていた模様だ。ウィスコンシン州ケノーシャでのこの抗議行動は、最終的に17歳の少年が当局の夜間外出禁止令を破り民兵として参加。州境を越え、抗議行動者に向かってAR-15式ライフルを発砲。2人を殺害、1人に重傷を負わせるという結末を迎えてしまった。

こうした実績を踏まえると、Facebook自体が自社の定めたガイドラインにどの程度準拠できるのかという問いは考察に値する。実際のところ、多くの人々が、ガイドラインが機能していない状況でクリックして推奨されたコンテンツを開くことで、陰謀論や危険な健康コンテンツ、新型コロナウイルス感染症に関する誤情報などの不適切なコンテンツにアクセスできてしまっている。報道では、キューアノンはFacebookの推奨機能のおかげで成長したと言われている

また、こうしたガイドラインではカバーできないグレーゾーンが数多く存在することも見落とせない。

民兵組織や陰謀論は氷山の一角にすぎない。例えばパンデミックの最中に、事業の閉鎖に関する政府のガイドラインに異論がある米国のユーザーは、数々の「再開した」グループが自分に対して推奨されていることにすぐに気づく。そうしたグループでは、メンバーは政治について討論するだけでなく、公共の場や着用が義務付けられている職場でマスクを着用しないことを得意気に自慢し、マスク非着用を貫くコツを伝授しあい、自撮りでお互いの成功をたたえあう。この場合、その表現自体は厳密にはルール違反になっていないとしても、公衆衛生を脅かす行為が奨励される結果になっていることは間違いない。

一方で、あるグループをFacebookが直接推奨していない場合でも、ユーザーがトピックをクイック検索すれば、本来ならFacebookの推奨システムで不適切とされるコンテンツにアクセスできることがある。

例えば今、「vaccines」という単語をクイック検索すると、ワクチン健康被害や代替医療や反ワクチンに関する基本コンテンツを扱ったグループがいくつもヒットするだろう。ワクチンを支持するコンテンツの数よりも多いのが現状である。世界中の科学者たちが新型コロナウイルス感染症に対処すべくワクチン開発に取り組んでいるときに、Facebookが反ワクチン派に巨大な公開討論の場を提供し、その概念を広められるようにしているというのは、Facebookによる情報拡散がいかに世界中の公衆衛生を脅かすことにつながるかを示す良い例だと言える。

しかし本当に難しい問いは、そうした議論をしているユーザーを規制することと、自由に発言できる場を確保することとのバランスをどう取るかということだ。これは政府による規制がほとんどない部分で、最終的にはフェイスブックが独自に決める必要がある。

推奨機能はFacebookの全体的なエンゲージメントシステムの一部にすぎず、しばしばユーザーを有害なコンテンツに誘導してしまっているのは事実だ。とはいえ、ユーザーが有害なコンテンツにさらされるのは、トピックに関する一般的な情報を得ようとしてユーザーがFacebookで検索したときに、検索結果の上部に表示されるグループやページである場合が多い。Facebookの検索エンジンが重視するのは、グループのメンバー数やユーザーが投稿する頻度といったエンゲージメントやアクティビティであり、コンテンツが既存の知見や医療ガイドラインにどれほど即しているかという点ではないからだ。

結局のところ、Facebookの検索アルゴリズムはさほど詳細に明文化されたわけではないのである

関連記事:Facebookがニュースフィードで米国の投票所スタッフ募集のプッシュ通知を開始

カテゴリー:ネットサービス

タグ:Facebook

[原文へ]

(翻訳:Dragonfly)

Facebookがニュースフィードで米国の投票所スタッフ募集のプッシュ通知を開始

パンデミックが米国全体を襲う中、選挙が迫っている。投票所のスタッフ不足は今年11月の投票に対する多くの脅威の1つにすぎない。だが大きな問題だ。

Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は9月11日のFacebook(フェイスブック)への投稿で、同社がプラットフォーム上で投票所スタッフの募集活動を開始すると発表した。今週末から、米国の18歳以上のフェイスブックユーザーのニュースフィードにメッセージが表示され、州の投票所スタッフ登録ページへのリンクが付く。同社はまた、先月立ち上げた米国の選挙情報のハブである投票情報センター(未訳記事)にもその情報を含める。

Facebookは、Microsoft(マイクロソフト)、Starbucks(スターバックス)、Old Navy(オールドネイビー)、Target(ターゲット)など多くの大企業に加わり(Vox記事)、投票所でボランティアを希望する従業員に有給休暇を付与する。同社はまた、投票所スタッフ募集のプッシュ通知のために州選挙当局に対し広告を無料で提供し、カリフォルニア州に続いて他の州もこのキャンペーンに参加することを期待している。

投票所スタッフの不足は常に問題となってきたが、今年の懸念は非常に大きい。投票所スタッフは高齢者に偏っているため、一般的に新型コロナウイルスの脅威に対して弱い。そのため投票所スタッフの募集は通常の年より重要になる。

ピュー・リサーチ・センターの2018年の州政策報告にあるように、選挙を円滑に進めるには投票所のスタッフが不可欠だ。その不足は「長蛇の列、大混乱、票の集計ミス」につながる可能性がある。しかもこの報告はパンデミックを考慮に入れていない。

「スタッフは、あなたの近所の図書館、教会、消防署に設置されたプラスチック製の折りたたみ式のテーブルの向こうからあなたに挨拶し、あなたの名前、住所、州によっては写真IDを確認してから、投票用紙を渡すか投票機に案内する」。ピューの報告書はこう述べる。

「彼らは単に称賛すべき受付係というわけではない。彼らは十分に支払いを受けていないが、本当は民主主義の門番というべき存在だ」

画像クレジット:Photographer: David Paul Morris/Bloomberg via Getty Images / Getty Images

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

Facebookの写真・ビデオをDropboxとKoofrに直接転送可能に

Facebook(フェイスブック)の写真とビデオのポータビリティツールがさらに2つのサードパーティサービスで使えるようになった。ユーザーは、クラウドストレージプロバイダーのDropbox(ドロップボックス)と欧州ベースのKoofr(クーファ)にデータを暗号化して送ることができる。

Facebookは昨年12月に写真のデータポータビリティをデビューさせた。当初は同社が欧州の本部を置くアイルランドで、ユーザーがメディアをGoogle Photosに直接遅れるようにし、その後さらに多くのマーケットでも同機能の提供を始めた。6月にグローバル全体で使えるようになった。

全マーケットのFacebookユーザーはいま、写真とビデオの転送で3つのオプションを利用できる。同社の広報担当は「今後数カ月以内にさらなるオプションを発表する」と話し、名前は伏せられたがほかのサービスの導入も準備中であることを認めた。

転送ツールは、Data Transfer Projectへの参加によって開発されたコードに基づいている。このプロジェクトは昨年始まったコラボ的な取り組みで、アップル、グーグル、マイクロソフト、Twitter(ツイッター)など他のテック大企業も参加している。

ツールにアクセスするには、ユーザーは「あなたのFacebook情報」メニューに行き、「写真やビデオのコピーを転送する」を選ぶ。するとFacebookがパスワードの再入力を求める。その後、ユーザーは対応している3つのサービス(Google  Photos、Dropbox、Koofr)からお目当てのものを選択する。選んだサードパーティのサービスのパスワードを入力すると転送が始まる。

転送が完了すると、ユーザーはFacebook上でのノーティフィケーション、そして電子メールを受け取る。暗号化された転送はデスクトップ版とモバイルアプリで利用できる。

Facebookは先月、ポータビリティについて今月下旬に予定されているヒアリングに先立つFTCへのコメントの中で、データポータビリティ提供の対象を広げる考えを示した。イベントやユーザーの「最も意義ある」投稿など、さらに多くの種類のコンテンツの直接転送が含まれることを匂わせた。

ただ、差し当たってはFacebookにアップロードされた写真とビデオの直接転送のみに対応している。

GoogleとDropboxが多くの人にとってなじみのあるサービスである一方で、もう1つのKoofrは小規模で欧州拠点のクラウドストレージプロバイダーと、リストの中で幾分浮いた存在だ。この点について、Facebookの広報担当は、Mashableの記事でKoofrがEUのクラウドストレージソリューションであることを知り、転送ツールにKoofrを加えることを協議するためにコンタクトを取った、と話した。

さらに大きな疑問は、Facebookがいつ、どのように同社の写真共有サービスInstagram(インスタグラム)のユーザーに写真ポータビリティを提供するかだ。ポータビリティの拡張計画について同社は特段言及しなかった。

TechCrunchがInstagramへの写真ポータビリティ導入について尋ねたとき、広報担当は以下のように述べた。「Facebookは今のところFacebook上でのポータビリティツールを優先させている。しかし将来他のアプリへの拡大を検討することを楽しみにしている」

DropboxとKoofrの追加を発表するブログ投稿の中で、Facebookはポータビリティを管理する「より明確なルール」を考えるよう議員への要求を繰り返した。「当社は人々が信頼できるデータポータビリティ機能を引き続き構築したい。このために、どんな種のデータがポータブルであるべきか、異なるサービスに移すときそうしたデータの保護に誰が責任を持つのかについてインターネットは明確なルールを必要としている。これについて議員は重要な役割を担う」

投稿ではまた、「ユーザーの選択肢を広げ、データポータビリティのイノベーションをさらに進めるために、Data Transfer Projectに他の企業が加わることに関心を持っている」とも書いている。

Facebookは近年、ポータビリティについて同社が「正しい規則」と呼ぶもののためにロビー活動を展開してきた。この件については昨年白書を発表し、直接データ転送にかかる要件を検討している当局に影響を及ぼすために、プライバシーとセキュリティの取引とされるものを強調している。

プラットフォーム大企業が席巻する中でデータ絡みの障壁が競争を阻んでいるという懸念を議員が掘り下げているが、ポータビリティは新規参入者や小規模の事業者に味方するマーケットにするためのツールとして考えられている。

画像クレジット: TechCrunch

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

Facebookが暴力的歴史を持つ極右グループのPatriot Prayerを追放

Facebook(フェイスブック)は米国時間9月4日、極右グループのPatriot Prayer(パトリオット・プレイヤー)とそのリーダーであるJoey Gibson(ジョーイ・ギブソン)氏のアカウントを削除し、そのプラットフォームから「暴力的な極右武装集団」を根絶するための新たな取り組みを示した。

この取り組みは、8月中旬に行われた「危険な個人および組織」に関する同社規則のポリシー改訂を通じて明らかになった。これらの変更の結果、QAnonという名の親トランプ陰謀論や一部の極右武装組織にリンクされた多数のグループやページ、そして同時にファシズムに反対する分散型左派イデオロギーであるAntifaにリンクされたグループやページが削除された。

フェイスブックは、暴力的な可能性を示すグループ排除を推進するブログ投稿の中で「暴力を直接組織化してはいないものの、暴力行為を称賛し、武器を持ち、それらを使用することを提案したり、暴力的な行動パターンを示す個人のフォロワーがいることが示される動きが増えてきました」と記している。

Patriot Prayerはワシントン州バンクーバーを拠点とする極右グループで、左派寄りの都市中心部で、対立イベントを開催することで知られている。 しばしば暴力沙汰と街頭での乱闘を引き起こす(SPLC記事)Patriot Prayerのイベントは、歴史的にProud Boysやネオナチグループである現在の名称はAmerican Identity MovementであるIdentity Evropaなど(Willamette Week記事)といった過激派グループ(Willamette Week記事)の人びとを引きつけてきた。

KOIN Newsが入手した裁判所文書によれば、ギブソン氏は2019年にポートランドでの路上乱闘の際に「女性を突き飛ばし、多数の人々を罵倒し、肉体的な脅迫を行った」という重い暴動罪容疑(KOIN News記事)に対して無罪を主張した。

そのPatriot Prayerグループ支持者の1人であるAaron “Jay” Danielson(アーロン「ジェイ」ダニエルソン)氏が米国時間9月29日の夜に射殺されたことで、このグループは今週全米の注目を集めることになった。これが起きたのは、武装したトランプ支持者のキャラバンがポートランドのダウンタウンに車で侵入し、3ヶ月以上市の中心部でデモを行ってきた人種差別反対者たちと衝突したときのことだった。

ダニエルソン氏殺害の嫌疑をかけられていたMichael Reinoehl(マイケル・レイノール)容疑者は米国時間9月3日の夜に射殺された(U.S. Department of Justice投稿)。これは連邦捜査官と地元の法執行機関によるタスクフォースが、ワシントン州オリンピアの近くで彼を逮捕しようとしていた矢先のことだった。レイノール容疑者は自称反ファシストであり、ポートランドで進行中の抗議活動に定期的に参加していたようだ。

Facebookのスクリーンショット

TechCrunchはYouTube(ユーチューブ)とTwitter(ツイッター)に連絡し、それぞれのプラットフォームがPatriot Prayerのアカウントに対して何らかの措置を行う計画があるかどうかを確認している最中だ。このグループは1万6000人を超えるフォロワーを抱えるTwitterアカウントを持ち、YouTubeアカウント「Joey Gibson Patriot Prayer USA」には5万人を超えるチャンネル登録者がいる。

米国時間9月3日の時点でギブソン氏は、国民の注目が彼のグループをフェイスブックから追い出すことにつながるかもしれないと予想していたようで、Patriot Prayerのサポーターたちに対して、小さな保守的ソーシャルネットワークのParlerで彼をフォローするように呼びかけていた(The Washington Post記事)。

「フェイスブックは私をすぐにでも追い出すかもしれない」とギブソン氏は書いていた。

関連記事:FacebookはProud Boysを追放し、グループはその主要な勧誘プラットフォームから追われることになった。

カテゴリー:ネットサービス

タグ:Facebook

画像クレジット:Photo by Steve Dykes/Getty Images / Getty Images

原文へ
(翻訳:sako)

サードパーティ開発者の脆弱なコードに関してFacebookが新たな警告

Facebookがポリシーを変更して、サードパーティの開発者のコードにセキュリティの脆弱性を見つけたらその企業に通知することになった。

この変更を発表するブログ記事でFacebookは「サードパーティのコードやシステムに重要なバグや脆弱性を見つけた場合、問題が直ちに修復されることが最も優先される。同時に、被害を受けたユーザーに通知して、パッチやシステムのアップデートにより自らを防御してもらう必要がある」と書いている。

Facebookは前にもサードパーティの開発者に脆弱性を通知していたが、今回のポリシーの変更でセキュリティの脆弱性を開示し公表することが正式に条文化された。

Facebookのこの脆弱性開示プログラム(VDPs)より、企業はセキュリティのバグを見つけて開示するための関与規則を設定できる(未訳記事)。VDPsはまた、バグが修復されたら行う脆弱性の開示と発表の方法をガイドしてくれる。企業の報告と開示の規則に従うハッカーに対しては、バグ褒賞制度で賞金を提供する企業が多い。

このポリシー変更は完全に利他的ではない。Facebookもほかの多くの企業と同様に、大量のサードパーティコードとオープンソースのライブラリに依存している。しかし今回、変更を明文化したことによって、サードパーティが脆弱性をタイムリーに修復しなかったら該当各社に通知が行くことになる。

脆弱性開示プラットホームを運営するBugcrowdの創業者でCTOのCasey Ellis(ケイシー・エリス)氏によると「ポリシーの変更はいま、大きくてユーザー中心型でサードパーティのコードが攻撃されやすい企業で広く採用されるようになっている。Atlassian(アトラシアン)やグーグル、マイクロソフトなどの企業でも同様の取り組みをしている」という。

Facebookによると、同社が脆弱性を見つけた場合にはサードパーティの開発者に21日以内に報告することと、90日以内に問題を修復する義務が課せられる(Facebook’s Vulnerability Disclosure Policy)。この2つの時間枠はセキュリティ問題の報告と修復に関して以前から広く受け入れられている。同社は脆弱性を報告するための正しい連絡方法を最善の努力により見つける。例えば、メールによるセキュリティ報告であったり、バグトラッカーによる機密詳細のないバグの申告であったり、サポートチケットの申請だったりするだろう。しかし同社によると、脆弱性がアクティブでいま現在ハッカーが悪用ている場合や、開示が遅れて修復にはもっと時間がかかると合意された場合には、早めに開示する権利をFacebookは留保するとしている。さら同社が報告するセキュリティ問題に関しては一般的に、秘密保持契約書への署名を必要としないとのこと。

Luta Securityの創業者Katie Moussouris(ケイティ・ムスーリス)氏はTechCrunchに、「悪魔は細部に宿る」と語った。同氏によると、「このテストで初めて彼らは引き金を引かざるをえなくなり、減免ガイドにより、競合他社に対するゼロデイをなくしたことになる」という。以前のパッチされてない脆弱性の場合は、それらをパッチするゼロデイが課された。

この新しいポリシーはもっぱら、サードパーティコードにおける問題の開示をFacebookがどう扱うべきかにフォーカスしている。もしも研究者がFacebookやその系列アプリにセキュリティの脆弱性を見つけたら。従来どおり、Facebookの現行のバグ褒賞制度(Bug Bounty Program)で報告するだろう。。

ポリシー変更の一環としてFacebookは「一度修復された脆弱性も開示する」と説明している。また別のブログ記事では「WhatsAppのオーナーであるFacebookが、メッセージングアプリの6つの脆弱性を開示(未訳記事)し、その後修復した」と書かれている。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

TwitteとFacebookがトランプ大統領の「2回投票せよ」発言に強く抵抗

ノースカロライナ州の有権者は複数回投票すべきだと示唆したトランプ大統領による発言は、Twitterの選挙健全性規則に違反している。米国時間9月3日に発信した一連のツイートで、大統領は郵便投票システムを「チェック」するために2回投票するよう米国市民に推奨した先の発言を詳しく説明した。

トランプ氏は最初のコメントを、9月2日に地元テレビ局のインタビューで発言した。「投票したらそのあと投票所に行って自分の投票結果をチェックすること、なぜなら集計されてからではできないから」と同氏は言った。

「つまりまず郵送して、それから投票に行く。もしシステムが言われているようにちゃんと作られていれば、当然投票できないはずだ」。

Twitterは9月3日、このコメントに関連する大統領の2件のツイートに「公共の利益に関する警告」を付加し、市民および選挙の健全性に関わる規則を説明した。問題のツイートが違反したのは、「個人の投票の健全性を阻害する可能性のある行為を推奨する」ことに関する部分であるとTwitter広報担当者のNick Pacilio(ニック・パチィリオ)氏は語った。Twitterはこれらのツイートの配信先を制限し、いいね!、リプライ、およびコメントのないリツイートを禁止した。

トランプ氏の郵便による投票に対する攻撃は、Facebook(フェイスブック)にとっても一線を超えるものだった。同社は最近のトランプ氏の選挙に関するコメントの動画が説明なくシェアされた場合や大統領の発言を支持している場合は削除すると言っているが、現時点ではまだ見つかっていない。

「このビデオは選挙詐欺を禁止する当社のポリシーに違反しているため、記録を訂正するためにシェアされるもの以外は削除する」とFacebookポリシー・コミュニケーション担当ディレクターのAndy Stone「アンディ・ストーン)氏は語った。

FacebookはTwitterが自社ルールに反するとみなしたのと同じ発言に、独自の事実確認警告を付加した。現在トランプ氏のFacebook投稿の末尾につけられたラベルには、米国人は「郵送システムが正しく機能している」ことを確認するために二度投票するべきであることを示唆する大統領の発言を否定する内容が書かれている。

この事実確認ラベルには「米国における郵便による投票は信頼に値するという長い歴史を持っており、今年も同様であると予測されている」と書かかれており、同社が他の選挙関連投稿に付加している一般選挙情報ラベル(未訳記事)よりも具体的だ。

一連のコメントは、米国が11月の選挙で採用を予定している郵便による投票に疑問を投げかけようとするトランプ氏による最新の行動だ。この数カ月、同氏は郵便投票の安全性を批判する根拠のないあるいはまったく誤った主張を繰り返している。郵便による投票システムは米国ですでに不在者投票に利用されている。11月を間近に控え、そうした発言は投票権利団体の懸念材料となっている。

「これは正しい方向への第一歩ではあるが、ドナルド・トランプ大統領に関してFacebookが自身の利用規約の強制を拒んでいる事実は残る」とVoteAmericaの創業者であるDebra Cleaver(デブラ・クリーバー)氏は語った(未訳記事)。

「昨日トランプ氏はノースカロライナ州の有権者に公然と不正投票を促した。これはソーシャルメディアや他のプラットフォームを使って虚偽情報を広めようとするトランプ氏の大がかりで危険なやり方の1つであり、米国の選挙に対する信頼を覆すことが最終目的と思われる」。

新型コロナウイルス危機は、これまでになく多くの米国人が郵便による投票を利用しようとしていることを意味しており、この投票方法の安全性と信頼性は専門家によって広く認められている。

トランプ氏の発言を受けノースカロライナ州選挙管理委員会は、2回投票することは同州の第1級重罪であるという声明を発表した。

「1回の選挙で2回投票することは違法である」とノースカロライナ州選挙管理委員会のKaren Brinson Bell[カレン・ブリンソン・ベル)委員長は語った。

「選挙で2回投票しようとする、あるいはそのような行動を示唆する行為はノースカロライナ州法に反する」。

画像クレジット:Chip Somodevilla

関連記事:Facebook to block new political ads 1 week before Nov 3, adds more tools and rules for fair elections(未訳記事)

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook Watchに毎月12.5億人の訪問者

Facebookはビデオ共有サービスが成長中だとしていくつかの数字を発表した。中でもFacebook Watchは毎月12億5000万人の訪問者を獲得しているという。

Netflixなどのビデオサービスの場合は驚くほどの成長(未訳記事)だったが、Facebookはこの数字が新型コロナウイルスの感染蔓延以前と比較してどのように変化したか詳しく明らかにしていないが、プロダクト責任者のParesh Rajwat(パレシュ・ラジワト)氏はロックダウンとソーシャルディスタンスの導入時に「非常に大きな増加があった」と述べた。社会活動は徐々に再開されているが、ブームが去る傾向はみられないようだ。

Facebook Watchは2018年にスタートしている。昨年6月に同社は1分以上このサービスを利用するユーザーは月間7億2000万人だと発表(Variety記事)した。

ラジワト氏は「WatchはFacebookのソーシャルネットワークをベースとして構築されている」と述べ、投稿されたビデオがFacebookの数多くのサービスで共有可能であることを指摘した。ただし統計数字はWatchそのものへの訪問者だ。

ラジワト氏は「投稿可能なビデオサービスを持つことはFacebookにとって極めて重要だ」と述べた。一方には人気のビデオクリエイターや製作者があり、他方には友達や家族と情報を共有するFacebookのユーザー体験がある。「これらを統合したことでまったく新しいプロダクをトユーザーに届けることができた」という。

Facebookは単なるユーザー数の拡張を目指しているのではないという。「ビデオに対してユーザーがどう反応しどれだけ共有するかによってサービスの効果が確認できる」とする。一方で広告主はFacebook Watchのユーザー・エンゲージメントの詳細を知りたがっている(CNCB記事)。

昨年テクノロジー企業メディア企業はビデオプラットフォームの構築に特に力を入れた。FacebookはFacebookのあらかじめ脚本を用意していないビデオのサービス(未訳記事)は他の同種のサイトに比べて魅力に乏しいと評価した。しかし同氏によればWatchはNetflixやDisney+を目指したわけではなかった。ラジワト氏は「ソーシャルメディアで共有され会話を活発にするようなコンテンツを重視した」と述べている。

 

例えば、Red Table Talkというシリーズは「マトリックス」シリーズなどで知られる女優のJada Pinkett Smith(ジェイダ・ピンケット・スミス)一家をテーマにしたトークショーで、Will Smith (ウィル・スミス)とジェイダが結婚問題を論じたエピソードがこの夏メディアのトップニュースになった(Jezebel記事)。Facebookでは来たる10月にRed Table Talkの新しいシリーズ「Red Table Talk: The Estefans」を準備している。これは歌手のGloria Estefan(グロリア・エステファン)と姪のLily(リリー)、娘のEmily(エミリー)が登場する。

Facebook Watchで成功を収めたもう1つの例としてラジワト氏が挙げるのはエミー賞を獲得したReturning the Favorというプログラムでトークショー・ホストのMike Rowe(マイク・ロウ)が日常生活で活躍する女性たちを取り上げる。

ラジワト氏はパンデミックによってライブ放送の比重が大きく高まったという。これにはスポーツも含まれ、1370万人がUEFAチャンピオンズリーグの決勝戦を見た。Facebook Watchのサッカー中継で最大の視聴者数となった。最近Facebookはビデオパブリッシャーやメディアは有料でライブイベントを中継できるが、Facebookは今後1年間手数料を課さないと発表している(ただしiOS上では30%課金される)。

またこのサービスにはこの夏からライセンスのある音楽やビデオのアップが始まっている(未訳記事)。Katy Perry(ケイティー・ペリー)の音楽ビデオであるSmileは、Facebook Watchで先行独占配信された。視聴者は数百万人に上ったという。

 

Facebook はまたFacebook Watchで成功を収めたパブリッシャーとして、総合格闘技のUFC、オンラインメディアのBuzzFeedに加えて、Benito Skinner(ベニト・スキナー)やメイクのアーティスト、BraannxoことBrandi Guice(ブランディ・ギス)などの個人を挙げている。Braannxoは収入の98%をFacebook Starsとファンのサブスクリプションから得ている。

このサービスの今後については「ユーザーが本当に関心を持つテーマにまさらに多くの投資が必要だ」という。この方向でFacebook Watchはユーザーがフィードをカスタマイズできるよう表示アルゴリズムとインターフェイスの改良を続けている(未訳記事)。

画像:Facebook

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

Facebook共同創業者サベリン氏が語る「シリコンバレー後のイノベーション戦略」

Eduardo Saverin(エドゥアルド・サベリン)氏が16年前、ハーバード大在学中に同学の学生たち4人と共同でFacebook(フェイスブック)を創業したことを、人々が忘れることはない(そのうちの1人が今でも同社を経営している)。

しかし、サベリン氏は、2009年にフェイスブックの所有株式を持ってシンガポールへ移住する前から、スタートアップへの投資に注目していた。そして、2015年からは、Bain Capital(ベイン・キャピタル)の元コンサルタント兼元副社長で友人でもあるRaj Ganguly(ラジ・ガングリ)氏と共同で創業したB Capital(ビー・キャピタル)での投資活動に集中的に取り組んでいる。

やるべきことはたくさんある。サベリン氏とガングリ氏は現在、3人のジェネラルパートナーと共に、4つのオフィスと2つのファンドで合計10億ドル(約1100億円)以上を扱っている。ちなみにこの2つのファンドはどちらも、経営コンサルタント大手のBoston Consulting Group(ボストン・コンサルティング・グループ、BCG)と提携している。実は、ビー・キャピタルは、BCGとの関係が深いこともあって、創業当時から、興味深いスタートアップやトレンドを世界中から探し出すことを経営理念としている。これは創業5年の企業としては異例のことだ。例えば、東南アジアで配達サービスを提供するNinjaVan(ニンジャ・バン)、ロサンゼルスを拠点とするスクーター会社のBird(バード)、ワシントン州のベルビューを拠点とする契約管理ソフトウェアメーカーのIcertis(アイサーティス)など、そのポートフォリオを少し見てみただけでも、どれほど広い範囲に網を投じているかがよくわかる。

TechCrunchは今年2月、ガングリ氏にビー・キャピタルのアプローチについて詳しく話を聞く機会があった。さらに先週、同社が中南米を拠点とするスタートアップ(Yalochat(ヤロチャット))への最初の投資契約を締結したことがきっかけで、サベリン氏にインタビューする機会があり、ビー・キャピタルの今後の成長について同氏がどう考えているか、詳しく話を聞くことができた。以下がインタビューの内容だ(長さの関係で一部編集してある)。

TechCrunch(以下、「TC」):ご出身はブラジルですね。

サベリン氏:はい、生まれも育ちもブラジルのサンパウロです。その後、欧米(最初はフロリダ州、続いて進学を機にボストン)に移住しました。現在はアジアに移住して10年以上になります。

TC:中南米企業に投資するのは今回のヤロチャットが初めてだということに驚きました。間違っているかもしれませんが、中南米で時間を過ごし、人脈を築いたことがきっかけになったのですか。

サベリン氏:良いことには時間がかかります。私の場合、エコシステムを理解しないと投資準備ができません。ビー・キャピタルは、本当の意味でグローバルな方法で長期的に投資したいと考えています。そして、1つの国や地域で創業して実績を積み、それを足掛かりとして世界へと拡大するという、ボーダーレスな世界での成長ビジョンを持つ起業家を探しています。ヤロチャット(メキシコシティを拠点とする会話型オンラインショッピングアプリ)の場合、中南米発のビジネスですが、すでにアジアに進出しています。そして、確実に世界の別の地域にも拡大していけるビジネスだと思います。米国企業や中国企業が世界展開する話は有名ですね。ならば中南米企業やアフリカ企業にも世界展開は可能だ、というのが当社の考えです。

私自身も中南米出身で、米国に移住したことがあり、現在はアジアに住んでいます。この経験を通して、世界は同じではないと気づかされました。ビー・キャピタルは会社として「グローバル・ファースト」の方針を持ってはいますが、すべての国や地域が同じだと考えているわけではありません。それぞれの地域における物事の動き方とビジネスの進め方を学び、それに順応し、スキルを磨いて熟達していく必要があります。それが当社の経営理念です。そのため、世界のどこでもすぐに投資を始める、ということはしてきませんでした。

TC:先日ガングリ氏にインタビューさせていただいたとき、ビー・キャピタルは米国内では投資先を探していないのに、現在の投資先の1つに、シリコンバレーにビジネス開発マネジャーと少数のスタッフを置いているスタートアップがあるとお聞きしました。ガングリ氏によると「より高い評価を得るため」とのことでしたが、他の共同創業者も同じようにしているのですか。そもそも、そのようなことは必要なのでしょうか。

サベリン氏:シリコンバレー後のイノベーション戦略については、社内でもよく話題になります。しかしそれは、シリコンバレーを無視すべきであるという意味ではありません。ただ、シリコンバレーは長年にわたりイノベーションの聖地として必要以上にあがめられてきたと思います。起業家にとって非常に重要で、今後も大きな役割を担い続けるシリコンバレーを無視することなんてできません。そのため、ビー・キャピタルはシリコンバレーから完全に目を背けることはしません。ただ、いつまでもシリコンバレーが頂点に君臨し続けるわけではないことを認識することが重要だと考えています。これは、シリコンバレーが衰退していくという意味ではなく、世界の他の場所が台頭してくるという意味です。

シリコンバレーにオフィスを置くべきかどうかという点についてですが、特定のビジネスにとって必要なのであれば絶対にそうすべきです。シリコンバレーは巨大なイネーブラーですが、同時に難しい面もあります。例えば、人材を探している場合、シリコンバレーでは潤沢な資金を持つ企業との奪い合いになります。これは当社が投資している欧州企業の実例ですが、自律運転技術を開発するその企業が人材を探す場合に、欧州とシリコンバレーではどちらが目的を達成しやすいか、かかる費用はどれくらいか、ということを比較検討し、ビジネスを動かすのに必要なボトムラインについて考えると、当然のことながらエンジニア系人材の大部分は創業地である欧州に置くべきだという結論に達します。しかし、この企業はシリコンバレーにオフィスを置いています。その理由は、才能やスキルセットを持つ人材に対して影響力を持つ非常にユニークなエンジェル投資家がシリコンバレーにいるからだと思います。

TC:ビー・キャピタルはかなり大きな会社ですが、巨大な企業というわけではありません。世界中にいる創業者とどのようにスムーズにやり取りするのですか。例えば、ビー・キャピタルは欧州にも中南米にもオフィスを置いていません。この状況は今後変わる予定ですか。

サベリン氏:確かにビー・キャピタルは(欧州にも中南米にも)いわゆる専任スタッフを置いていませんが、それは、パートナーシップベースのアプローチを取っているためです。例えば、当社の主要パートナーの1つであるBCGは中南米各地にオフィスがあり、地元に密着しています。そこから投資案件を紹介されたケースも多々あります。

もっと広い意味で言うと、投資先が見つかる方法はさまざまです。当社と付き合いのある創業者が知り合いの創業者や投資家を当社に紹介し、そこから投資案件が生まれる場合もあります。

TC:ヤロチャットに関心を持った理由は何ですか。

サベリン氏:ヤロチャットはメッセージング業界だけでなく、大企業のイネーブラーになることを目指している企業で、それはビー・キャピタルが真剣に注目してきたモデルでもありました。アジアには、メッセージングアプリと会話型オンラインショッピングのおかげで大企業が今までにない方法で消費者と関わることができるようになっている事例がたくさんあります。このパターンを、メッセージングアプリの利用者が多い世界の他の地域や、中南米の経済国でも展開できないかと考えるようになりました。

例えばブラジルの場合、フェイスブックの利用者数がインド、米国に次いで世界第3位という、巨大なソーシャルメディア市場があります。非常に大きなメッセージングアプリ市場があるということです。

TC:中南米以外で会話型オンライショッピングアプリ事業に投資したことはありますか。

サベリン氏:いいえ、ありません。1つのカテゴリーにつき1社に投資して、その企業が世界展開できるように支援するのがビー・キャピタルの方針です。

TC:でも、ビー・キャピタルは、それぞれの市場の特性が大きく異なるという理由で、2社のスクーター企業(米国のバードとインドのBounce(バウンス))に投資していますね。これは例外ですか。ローカル企業に投資する方が合理的な場合もあるのでしょうか。

サベリン氏:この例に限って言うと、新しいモビリティソリューションのイネーブラーについて社内で話し合っていたときに、インドが抱える問題と必要とされるソリューションは、バードが先進国で解決している問題とは大きく異なると考えました。バードはほぼ世界全域に展開できる企業だと思いますし、グローバルに展開できる能力があることをすでに証明しています。しかしインドのバウンスの場合は少し異なる方程式が必要になりました。なぜならバウンスは非常に低コストのサービスを提供することで公共の交通機関になることを目指しており、それを、数十年にわたって使用され、その有用性が証明されてきたなじみ深いVespas(ヴェスパ)や二輪車タイプのスクーターを使って実現しようとしています。バードとバウンスは、提供するサービスの価格が大きく異なるまったく別のタイプの企業であり、これ以上なく補完し合える関係にあると私は考えています。

TC:ビーキャピタルはインドとインドネシアで数多くのフィンテック企業に投資していますが、銀行・金融サービスがまったく、もしくは十分に受けられない人がインドやインドネシアのように大勢いる中南米ではフィンテックへの投資にさらに力を入れる計画のようですね。このような好機を捉えるために、BCGとの関係はどの程度重要だと思われますか。

サベリン氏:ビー・キャピタル社内に大きなチームを置く予定ですが、イネーブラーとなるのは、当社のスタートアップが他社と関係を築けるように助けてくれる、BCGをはじめとするパートナー企業との関係です。考えてみると、ここ数十年間は消費者インターネットを普及させることに注意が向けられてきた時代でした。次の数十年は従来型の巨大な業界をどのようにデジタル改革していくか、という時代になると思います。フェイスブックやGoogle(グーグル)がはじめに取り組んだ業界、つまり広告業界よりもはるかに大きい業界です。医療、金融サービス、物流、技術イノベーションなどの大型業界に比べれば、広告業界がGDPに占める割合はほんのわずかです。

起業家は、自分が起業する分野に属する大企業と提携せず、大企業ならではの流通網、規制ノウハウ、資本力を活用せずに起業することを考えるべきでしょうか。確かに、物事を進めるスピードは、スタートアップと大企業とでは大きく異なります。しかし、ビー・キャピタルは、業界間の翻訳エンジン、パートナーシップエンジンとなって、ウィンウィンの関係を構築することを目指しています。

これは、学生が寮の部屋にこもって「イノベーションのさらに先を目指し」、世界的大企業を追い抜くという話ではなく、多くの場合は「大企業の資産や流通網、規制対策の実績を活用した方が速いスピードで目的を達成できるだろうか」と考える、という話です。ビー・キャピタルはイノベーションを引き起こそうと努めていますが、ディスラプション(創造的破壊)だけではなく、もっとポジティブでニュートラルな改革を引き起こすことを考えています。それが成功へのヒントになるかもしれません。ただし、語り継がれるようなサクセスストーリーがいつも生まれるわけではありません。でも、イノベーションが(消費者インターネットではなく)従来型の大型業界を変革していく様子が見られるようになれば、それが成功への重要な鍵となるでしょう。

関連記事:プログラミング本で有名なオライリー氏「一獲千金を目指すベンチャー投資は有害無益」

カテゴリー:VC / エンジェル

タグ:インタビュー Facebook

[原文へ]

(翻訳:Dragonfly)

インドのIT大臣がFacebookを糾弾、右翼系ページを抑圧したと主張

インドのRavi Shankar Prasad(ラヴィ・シャンカル・プラサード)法務兼IT大臣は、右翼系思想を支持、推進するページへのアクセスを抑制したとしてFacebook Indiaの経営チームを訴えた。これはソーシャルの巨人のユーザー数世界最大の市場で起きた最新の出来事であり、フェイスブックはプラサード氏の所属する与党への偏向についてもユーザーから糾弾されている。

フェイスブックの共同ファウンダーでCEO宛の書簡でプラサード氏は、2019年の国政選挙前にFacebook Indiaの経営チームが、「組織的に」右寄り思想を支持するページの削除あるいはアクセスの抑制を行い、「ページを復元あるいは訴求する手段を提供しなかった」ことを知ったと書いている。

「ここに挙げた偏向と不履行の事例は、Facebook Indiaチーム各個人を支配する政治的信念による直接の結果であると考えられる」と大臣は書簡に記した(Twitter投稿)。事例の詳細については書かれていない。右翼系与党のインド人民党は、フェイスブック経営陣に「何十通ものメール」を送ったが返信を受け取っていない、と同氏は語った。

プラサード氏は他にも、Narendra Modi(ナレンドラ・モディ)首相および人民党の他の上級閣僚に「公の場で」暴言を吐いたとして、匿名のフェイスブック社員数名を糾弾している。

同氏はこれを「問題ある」行為であると指摘した。「個人の偏向がプラットフォーム固有の偏向になれば、問題は倍加する。そして、個人の政治的偏向が無数の人々の言論の自由を奪うことは許されない」と付け加えた。

米国時間9月1日のプラサード氏の書簡は、Facebook Indiaの上級幹部であるAnkhi Das(アンキ・ダス)氏が、2014年にナレンドラ・モディ氏が首相に選出される前に同氏の支持を表明(The Wall Street Journal記事)し、反対政党であるインド国民会議派を貶める発言をしたことで非難されたことに続くものだった。

The Wall Street Jounralによると、ダス氏はヘイトスピーチに関する同社の規則(未訳記事)を、ナレンドラ・モディ首相の政党党員に適用することにも反対し、それは制裁措置がインドにおける同社の将来を損ねることを心配したためだった。

両側の政党の政治家が、フェイスブックのインドでの贔屓を非難している。プラサード氏は書簡で、一連の記事はフェイスブック社員が「存在しない現実を描く」ために「選択的に漏洩した」情報に基づくものであると見ている、と語った。

9月1日、地元紙のIndian Expressは、2019年の投票前にインド人民党は党に反対する44のページについて、「求められた基準に反して」おり「事実に反する」投稿を掲載していると指摘していたと報じた(The Indian Express記事)。当該ページのうち少なくとも14ページはすでにプラットフォーム上に存在しない。Facebook Indiaの経営チームはインド人民党党員に対して責任を持っている、と記事は主張している。

カテゴリー:ネットサービス

タグ:Facebook インド

画像クレジット:ARUN SANKAR/AFP via Getty Images / Getty Images

原文へ
(翻訳:Nob Takahashi / facebook