Epic Games、「フォートナイト」有料コンテンツの収益をウクライナ人道支援に寄付へ

Epic Games、「フォートナイト」有料コンテンツの収益をウクライナ人道支援に寄付へ

Epic Games

Epic Gamesが、3月20日から4月3日までの2週間分の『Fortnite』における収益をウクライナの人々に向けた人道支援活動に寄付することを発表しました。プレイヤーはゲームをプレイし、V-Bucksやコスメティックパックといった有料アイテムを購入することが、ロシアによる軍事侵攻で苦しめられているウクライナの人たちの助けにつながります。

EpicはFortniteだけでなくギフトカードの販売による収益金も含めてDirect ReliefやUNICEFといったウクライナ支援を行っている計4つの団体に送るとしています。さらにマイクロソフトも、Microsoft StoreでのすべてのFortniteに関するコンテンツからの純収入を寄付することに同意したとのこと。Epicはさらに多くの組織が参加すると述べています。

ただ、ウクライナでは日々ロシアの攻撃が続いており、決済パートナーなどからの入金を待つのは時間がかかりすぎます。そのため、Epicはトランザクションを監視して有料アイテムの売上げ金額を速やかに送金する予定とのこと。

ゲームプレイにおける収益をウクライナ支援に充てるアイデアとしては、Riot Gamesが3月7~12日の間、『League of Legends』『Valorant』などにおけるバトルパスや『League of Legends』での新しいBeeスキンの販売による収益をプレイヤー募金として寄付するとし、3月9日の時点で200万ドル以上を集めたと発表していました。ほかにもItch.ioHumble Bundleといったゲーム販売プラットフォームが、収益全額をウクライナの被害者たちを支援する団体に寄付するバンドルを販売しています。

(Source:Epic GamesEngadget日本版より転載)

「フォートナイト」がiOSで復活(ただしApp Store経由ではない)

「Fortnite(フォートナイト)」がiOSに帰ってきた……まあ、言ってみればだが。NVIDIAのストリーミングゲームサービスGeForce NOWを通じて、iOSおよびAndroidのモバイルユーザーは、クラウドゲーミングを通じてタッチコントロール版のFortniteをプレイできるようになる。プレイヤーはNVIDIAサイトから、Fortniteの新しいモバイル向け回避策のクローズドベータテストに参加するためのウェイティングリストに登録できる。有料アカウントを持っていなくてもプレイすることは可能で、有料アカウントがあっても優先権は得られない。しかし、モバイルでFortniteを1時間以上プレイしたい場合は、アップグレードする必要に迫られるかもしれない。

Fortniteは2020年8月以降、iOSデバイスではプレイできなくなっている。アプリ内課金に対するApple(アップル)の30%手数料を回避しようとしたため、App Storeから追放されたのだ。その後、Fortniteの開発元であるEpic Games(エピックゲームズ)は、テック巨人が独占禁止法に違反していると主張してAppleを訴えた。9月、カリフォルニア州の裁判所は、Appleは開発者がApp Store以外の代替決済リンクを追加することを禁止できないという判決を下した。しかし、この判決では最終的にAppleが優位に立った。裁判所は、Epicが主張するような独占的な行為はAppleはしていないと判断したのである。

AppleもEpicもこの判決に満足しなかったため、両者は控訴した。また、Appleは、差止命令が発効するまでの時間を延期するよう控訴裁判所に認めさせた。これによりAppleは、当初の判決で裁判所が指示したApp Storeの変更を行う必要がなくなった。

Epic GamesのTim Sweeney(ティム・スウィーニー)CEOは、相変わらずAppleに対し反体制派の旗手として声をあげているため、たとえ両社が合意に達したとしても、すぐにFortniteのiOSアプリが復活するかどうかは不明だ。

画像クレジット:Kyle Grillot/Bloomberg / Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Aya Nakazato)

Epic Games「フォートナイト」がチャプター3開始、スパイダーマンやドウェイン・ジョンソンなどが登場

Epic Games「フォートナイト」がチャプター3開始、スパイダーマンやドウェイン・ジョンソンなどが登場

Epic Games

Epic Gamesは、人気ゲーム『フォートナイト』のチャプター3とその最初のシーズンとなる「Flipped(フリップ)」を簡単に紹介する予告映像を公開しました。チャプター2の最後のイベントで発生したフリップ現象によって島が反転し、まったく新しいマップに切り替わったフォートナイトの世界は、ゲームプレイそのものにも変化を及ぼしている模様です。

たとえば「スライド」と「スイング」という2つのアクションが追加され、以前よりも素早い移動が可能になりました。スライドはスライディングと言う方がわかりやすいでしょう。下り斜面で使えば普通に走るよりも早く移動し、敵にに撃たれにくくもなります。スイングはスパイダーマンのようにロープを射出して、遠心力を利用して飛ぶように立体的に移動します。

ほかにもアイテムのテントを使ってキャンプを張れば、スクワッドの体力回復を助けると共に最大3つのアイテムを保管し、次回以降のマッチでそのアイテムを使用できます。

また、マッチで十分上位(ソロなら4位以上、デュオは2位以上、トリオとスクワッドは勝利が条件)に進出すればビクトリークラウンを獲得、次回マッチではそのクラウンを被ってプレイでき、さらにXPを獲得できます。またクラウンを被ったまま勝利すれば、限定エモートも貰えるとのこと。このエモートではシーズン中に王冠を被って勝利した回数を反映するものになっているとのことです。

前シーズンのv18.40パッチからはバトルロイヤル以外でもXPを獲得することが可能になっており、フォートナイトはトッププレイヤーたちを維持してバトルロイヤルの面白さを維持しつつ、必ずしも戦闘を目的としないプレイヤーたちによるメタバース的な利用も促進していきたいと考えているようです。

そのほか、チャプター3シーズン1のバトルパスでは、コラボによるスパイダーマンのほか6キャラクターがアンロック可能になるのほか、ドウェイン・ジョンソンの演じるファウンデーションもシーズンが進めばアンロックできます。さらにはEpic Gamesの別のゲーム「Gears of War」のキャラクター、マーカス・フェニックスとカイト・ディアスもトレーラー映像に登場しています。

いろんなキャラクターの登場は、フォートナイトに新たなプレイヤーを呼び込むのに役立つかも知れません。またスライドやスイングといったアクションの追加はフォートナイトのプレイスタイルの幅を拡げる要素になりそうです。

なお、さっそく新チャプターをプレイした人たちからは、スライドや追加された新武器などが『Apex Legends』に似ているとの感想も多く出ている模様。フォートナイトはTPS、Apex LegendsはFPSという違いはあるものの、アクションが似てくるとゲーム性も同じように感じるところはあるかもしれません。

(Source:Epic GamesEngadget日本版より転載)

プレイも開発も、Manticoreのゲーム制作プラットフォームCoreは「メタバースの入り口」

自称「終わりなきアーケード」のCoreは、90年代のサイバーパンク熱の夢が現実のものとなったようだ。プレイ可能なゲームライブラリでもあり、ノーコードのゲームクリエイターでもある。すべてがネオンライト。この新しいプラットフォームは、誰もが最近話題にしていそうなこのメタバースのビジョンを驚くほど巧みに具現化している。

「マルチバースへのポータル」と謳うCoreは、長年の命題をテストする準備が整っている。構築すれば実現に向かう。RobloxやFacebookのような巨大企業は大規模なプラットフォームを確立しているかもしれないが、Coreはクリエイターにとってもプレイヤーにとっても非常に魅力的な基盤を築いている。

ログインすると、プレイヤーはコアの中心的なハブに移動する。そこはテーマパーク、ハイテクモール、カジノがちょうどよく交差した場所で、エンターテインメントやショッピングは重力の影響を受けずにあらゆる方向に広がっている。巨大なネオンサインに誘導され、プレイヤーは多種多様なユーザー生成バーチャルワールドに飛び込んでいく。服やゲーム内のギアを交換したり、友人を誘って自分と一緒に参加させたりするのも、ほんの数回クリックするだけで実行できる。

Coreが「Fortnite」(フォートナイト)によく似ているとしても、それは偶然ではない。Manticore Games(マンティコア・ゲームズ)が作ったCoreは、FortniteのメーカーであるEpic(エピック)のUnreal Engine(アンリアル・エンジン)で動く。Epicは2019年に同社への1500万ドル(約17億円)の投資ラウンドを主導しており、同プラットフォームはPC向けのEpic Games Store(エピック・ゲームズ・ストア)を通じてのみ提供されている。Manticoreは2021年3月、大手投資家からさらに1億ドル(約114億円)を調達し、クリエイタープラットフォームを公開した。

画像クレジット:Manticore Games

Coreはまだ誰もが知っている名前ではないかもしれないが、メタバースを熱望する人なら克服しなければならない課題の1つをすでに解決している。Coreでプレイしていたとき、ある場所から別の場所への移動の体験があまりにもシームレスで、間違った場所に迷い込んでしまったことがよくあった。これはユーザーのミスだろうと思うが、Deadmau5(デッドマウス)のショーや、肥大化したディストピアの荒れ地、アイソメトリックな海賊ゲームなど、さまざまなポータルを経由して瞬時に移動することは、こうしたゲームに10年以上携わってきた中で、最もシームレスなオンラインマルチプレイヤー体験といえるものだった。

Coreはすばらしい。メタバースのビジョン構築で最も成功した企業の1つRoblox(ロブロックス)に対して際立つ攻撃力を示している。Fortniteと同様、Coreのグラフィックは非現実的ながら、あまりにも非現実的というものでもない。Robloxの13歳以下の層は年齢を重ねている。この層はRobloxが意欲的に構想を練っているファクターだ。そしてそれほど若くないプレイヤーたちは遠からず、より成熟した雰囲気のある新しいバーチャルハウスを探すようになるかもしれない。

野心的なedgelord(背伸びをした思春期の若者のような意味のスラング)なら、Coreの豊富なカスタム衣装やアバターのセレクションに自分が真剣になるような要素を見出すだろう。あるいは子猫になるかもしれない。

画像クレジット:Manticore Games

Deadmau5、メタバースの住人

Coreのコンテンツのほとんどは、UGC、つまりユーザー生成コンテンツである。これは時代を定義するオンライン現象を象徴している、やや新しい呼称だ(頭字語から総合格闘技を連想しても自分を責めないで欲しい)。しかしManticoreには、ミュージシャンやブランドと提携し、テーマを絞ったゲーム内体験を提供する余地も十分にある。

DJとEDMのフェスティバルの常連であるDeadmau 5は先に「メタバースの恒久的居住地」として描かれた広大でカラフルな一連の体験をローンチした。Coreはその大部分がユーザー作成のゲームで構成されているが、エンターテインメントや教育にも適している。一部のユーザーはゲーム開発の講座をホストし始めたと同社のチームは指摘する。

RobloxのLil Nas X(リル・ナズ・X)やFortniteのAriana Grande(アリアナ・グランデ)のような他のバーチャルワールドの最近のショーとは異なり、Deadmau 5をテーマにしたコンテンツはデビューした後もライブのままで、探索の可用性を広げている。Manticoreのチームはこれを、コメディグループPenn and Teller(ペン&テラー)のようなパフォーマーがラスベガスで進行中のショーのためにキャンプする様子になぞらえている。しかしラスベガスと違って、パフォーマーは同時に2つの場所に滞在できる。Deadmau 5は2021年10月半ば、Ethereum(イーサリアム)ベースのバーチャルプラットフォームDecentraland(ディセントラランド)で開催される音楽フェスティバルに参加することを発表した。

筆者は早めの内覧として、Deadmau 5ことJoel Zimmerman(ジョエル・ジマーマン)氏と一緒にこのショーを鑑賞した。同氏は自身のトレードマークである巨大な動物のヘルメット(ネコだろうか?)とサイボーグの天使の翼を身にまとい、一方筆者はメタバースの小さな黒いドレスともいえる地味な黒のパーカーを選んだ。

ジマーマン氏は、Deadmau 5マウスが飾られたゲーミングチェアに座って現実世界でくつろぎながら、Coreの中をあちこち飛び回り、筆者にこう語った。「私がこれに惹かれたのは、すべてがモジュール化されていて、クリエイターたちにより多くのツールを提供しているからだと考えています」。

画像クレジット:Manticore Games

バーチャルコンサートに期待されるように、このインタラクティブなパフォーマンスには、溶けるようなサイケデリック感のあるビジュアル、ミニゲーム、ターンテーブルの耳がついた威嚇的なChain Chump(ワンワン)風マウスなどがそろっている。ジマーマン氏、そしてCoreの共同創業者であるFrederic Descamps(フレデリック・デスキャンプス)氏とJordan Maynard(ジョーダン・メイナード)氏も、筆者と一緒にこのショーを少なくとも10回は回ったが、全員が本当に楽しんでいるようだった。

ある時、筆者は溶岩に落ちたか、巨大な金属の拳の一撃を受けてコンベヤーベルトにぶつかってしまったようで、近くにはDeadmau 5をテーマにした悪役がそびえ立っていた。「死ぬことを疑似体験できる唯一のインタラクティブコンサートになると思います」とメイナード氏。このショーは、視覚的にも楽しく、創造的にもインタラクティブで、最終的にはFortniteのコンサートのようなものになっていた。

Oberhasli(オーバーハスリ)と呼ばれるこの精巧なバーチャル体験は、薄気味悪いジャングルの廃墟から、浮遊する宇宙ゴミでいっぱいの不気味な世界まで、ゲーム開発の経験のないファンたちによるユニークな世界も見せてくれる。Core Deadmau 5のパフォーマンスは10月中旬に行われ、現在はオンデマンドで、EDMをバックにたくさんの要素が詰め込まれた世界に浸りたい人たちに向けて配信される。

画像クレジット:Manticore Games

クリエイターのためのCore

後にDiscord(ディスコード)で行われた電話会議の場では、Coreツアーはあらゆる人に寄り添う形で展開されており、破壊可能な壁の裏の秘密の門を走り抜けたり、ゲームのジャンルを超えて世界を飛び回るような体験が、コードやゲーム開発経験を必要としない、驚くほど洗練されたものに仕上がっていた。Wi-Fi接続が悪かったとしても、ゲームの世界から別の世界へと移動するのにほんの数秒しかかからない。World of Warcraft(ワールド・オブ・ウォークラフト)の暗いポータルのようなものを通り抜けて、最後にはアイソメトリックな海賊船で航海に出た。

このWoW(World of Warcraft)に向けた賛同は、おそらく偶然ではないのだろう。デスキャンプス氏は、真剣な長年のプレイヤーにしかできないような、キャプチャされたゲームプレイで構築されている物語風のムービー、WoWマシニマの全盛期への郷愁に満ちていた。デスキャンプス氏とメイナード氏は以前、10年以上にわたって忠実に支持されているファンタジーMMOのRift(リフト)にも関わっていた。(メイナード氏は7人目の従業員だった。)最近では誰もがそのメタバースを称賛しているが、驚くべきことに、この分野において、何年も前から人々を結びつけてきたシームレスなバーチャルゲームの世界にルーツを持つ企業はほとんどない。

画像クレジット:Manticore Games

Coreで何かを作ることがいかに簡単かを強調すべく、メイナード氏は、私たちがプレイできる1人称視点のシューティングゲームを手早く作成した。それはドラッグ・アンド・ドロップのプロセスで、Coreのシステムを使って作られたオリジナルのゲーム内アセットの膨大なライブラリに、おそらく2分ほど入り込むだけだった。いくつかの3Dオブジェクトが用意されており、テンプレート(バトルロワイヤル、レース、ダンジョンクローラーなど)からゲームモードを選ぶと、Coreのモジュール式サンドボックスに組み込まれている洗練されたプレイ可能なゲームにほぼたどり着く。冷たい雪景色や不毛な砂漠の中でのゲーム設定も、ドラッグ・アンド・ドロップと同じくらいシンプルな操作で、環境に広がりを与えてくれる。

ゲームプレイはさておき、Robloxで目にするUGCよりCoreゲームの方が何光年も先を行っているように見えるが、プラットフォームのユーザーはそのことを特に気に留めていないようだ。ビジュアルスタイルやゲームのジャンルの広さも、他のプラットフォーム上の同じようなUGCから抜け出してきた人たちにとっては驚きに値するだろう。

コンテンツを作成するコアユーザーには、Manticoreが「perks」と呼ぶ収益化のオプションがかなり充実している。これには、ゲーム内のコスメティックアイテムの提供だけでなく、プレミアムゲームへの課金、Fortniteのようなバトルパスの販売、サブスクリプションモデルの導入などが含まれている。収益の配分は50対50で、Robloxがクリエイターに渡す25%と比べると寛大だ。また、Coreでは他のモジュール式ゲーム制作プラットフォームと同様に、誰もがクリエイターであり、開発経験は必要ではない

現在のところCoreはPC限定だが、Manticoreは2022年からiOSを含む他のプラットフォームにも展開する予定だ。ゲーム制作はPCに限定されるだろうが、同社は誰もがどこでもCoreのゲームをプレイできるようにしたいと考えている。プラットフォームにとらわれないビジョンは、初期のFortniteや最近のRobloxを確実に後押ししたものだ。

「ゲーム開発はお菓子作りに似ています。非常に正確な手順と技術が必要で、何週間もかけて繰り返し行うものです」とデスキャンプス氏はいう。しかしCoreでは、技術的なことを抜きにして、通常は長引いてしまうプロセスを数分で終わらせることが可能。残りの時間を実験やプレイに充てることができる。

「マリオカートにポータルガンを取り入れたらどうだろう?」というメイナード氏の質問にも、間違いなくその場で答えが出ただろう。

画像クレジット:Manticore Games

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Dragonfly)

Epic Gamesが「フォートナイト」の中国進出を断念

米国時間11月1日、Epic Games(エピックゲームズ)はビデオゲームのメガタイトル、Fortnite(フォートナイト)の中国市場参入を中止したことを発表した

同社は、中国における長らく続いていた人気シューティング・ゲームのテストを11月15日に終了することを公式声明で発表した。今日から新規ユーザーは登録できない。

中国のインターネット巨人、Tencent(テンセント)はEpic Gamesの株を保有している他、別の米国ゲーム会社で世界的ヒット作ゲームを作っている, Riot Games(ライオット・ゲームズ)も完全所有している。

中国のゲーム業界では、最近の規制当局による審査の変更や政府による若者のゲーム時間制限の検討が起きている。中国共産党による若年層のゲーム時間を減らす動きの影響はまだ明らかではないが、この決定によって中国におけるFortniteの公開が困難になった可能性がある。

Epciは中国に特化したバージョンのFortniteを開発した。世界中でよく知られているタイトルの変種だ。ゲーマーが作っているwikiに、ゲームプレイや収益化の変更、現地法に沿うためのキャラクター・グラフィクスの変更などの詳細が載っている。同じ項目に、一定時間プレイした後はゲーム内の体験ポイントを獲得できなくなると書かれている。

EpicによるFortnite China中止の決定は、同国のゲーミング市場変更への対応と見ることができる。ゲーム時間制限のさらなる強化と、少額決済の制限による収益の低下によって、単純に計算が立たなくなった。

先月のLinkedIn(リンクトイン)の撤退によって、中国デジタル世界からもう1つ人気プロダクトが消えたことは注目に値する。2つの動きは、非中国企業がこの国で製品を提供することが、たとえ現地に支援者がいても困難であることを浮き彫りにしている。

他の文化的コンテンツの実績も芳しくない。最近のMarvel(マーベル)映画 “Eternals”(エターナルズ)は同国で公開される様子がない。おそらく、監督である北京出身のChloé Zhao(クレオ・ジャオ)氏のコメントが国家批判にあたるという意見が一部にあるからだろう。

規制の強化に加えて国際的な映画やゲームを中国に持ち込む能力、あるいは意欲の減少によって、この国はますます国際文化から隔離されていくだろう。そして、おそらくそれと同時に、中国が自国の文化的創造物を通じて「ソフトパワー」(軍事・経済力以外の政治的価値観)を獲得する機会は制限されるだろう。

いずれにせよ、中国のFortniteファンにとって、中国当局を回避するトリックを使わずにゲームをプレイする手段は失われつつある。

Epic Gamesは、中国のプレイヤーに向けて発信した以下の声明以外、中止についてコメントしていない。

Fortnite Chinaプレイヤーのみなさまへ:

Fortnite Chinaのベータテストはまもなく終了し、サーバーは閉鎖されます。詳細は以下をご参照ください。

11月1日月曜日午前11時をもって、新しいユーザー登録の入口とゲーム・ダウンロード・ポータルを閉鎖します。

11月15日月曜日午前11時、Fortniteのサーバーを停止し、プレイヤーはWeGameクライアント経由でゲームに接続できなくなります。

Fortnite Chinaプレイヤーとしてベータに参加し、私たちとともにBattle Busを苦しめてきたみなさん全員に感謝いたします。

サーバー閉鎖に関する質問あるいは提案のある方は、こちらをクリックしてフィードバックを送ってください。

画像クレジット:Kyle Grillot/Bloomberg / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nob Takahashi / facebook

グーグルがEpic Gamesの裁判で反訴状を提出、損害賠償を要求

Apple(アップル)対Epic Games(エピック・ゲームズ)の裁判控訴される中、Google(グーグル)は米国時間10月11日、同社に対するEpic Gamesの反トラスト訴訟への答弁と反訴を提出した。テック巨人のAndroidメーカーは、反トラスト行動に関するEpicの訴えを否定し、逆にEpic GamesがGoogle Play(グーグル・プレイ)デベロッパー販売 / 配布規約(DDA)に反して、Google Playを通じてアプリをダウンロードしたFortnite(フォートナイト)プレイヤーが自社の決済処理システムを使用することを許していることについて補償される権利があると訴えた。

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この状況は、App Store(アップ・ストア)で起きた状況と似ている。Epic Gamesはアプリを改訂してApp Storeのポリシーを回避し、Appleとの法的契約に違反して自社の決済システムをする支払いを促した。Appleの裁判における法廷の判決は、EpicがAppleに対して600万ドル(約6億8000万円)を支払うことを命じた。

Epic GamesはGoogle Playでもほぼ同じことをしたと反訴状は主張している。2020年、EpicはFortniteのビルドをGoogle Playに申請したが、そのアプリはGoogle Play Billingではなく自社の直接決済システムを使用していた。申請はGoogleのポリシーに違反しているとして直ちに却下された。Epicは2020年4月に適合するバージョンを申請したが、現在Googleはそれを「訴訟を引き起こすために企まれた不当な行為」と呼んでいる。

新バージョンはEpicの決済システムを隠蔽する改訂が施されたもので、AppleとGoogle両方のアプリ・ストアに送られた。このアプリでは、Epicがサーバー側の設定変更を適用することで、Googleに知られることなく自社の決済システムに切り替える「hotfix(ホットフィックス)」が可能になっている。

そのスイッチは2020年8月13日に切り替えられた。その結果FortniteユーザーはGoogle Play BillingとEpic独自の直接決済システムのどちらかを選べるようになった。これはゲームがアプリストアに拒否されるきっかけを作り、Epicが計画した訴訟を進める道を開くことを目的とした行動だった。Googleによると、同社はEpic Gamesに対しホットフィックスが適用されたその日に、それがDDA、Googleの「Malicious Behavior Policy(悪意ある行為ポリシー)」、およびGoogle Play Billingポリシーに違反していることを通知し、FortniteをGoogle Playから削除した。しかしGoogleはEpicのアカウントを無効化せず、ゲームメーカーが適正バージョンを再申請できるようにした。

しかし、Google PlayからこのゲームをダウンロードしたAndroidユーザーは、アプリが削除された後もEpicの独自決済システムを使うことができるため、Epicは契約で義務づけられたGoogleへの手数料支払を回避することが可能である、と反訴状は述べている。Googleは、この収入損失の補償を、その他の損害、弁護士費用、利息、およびその他法廷が必要と認めた賠償に加えて法廷に要求している。

「Epicは世界最大級のビデオゲームデベロッパー2社に支えられている数十億ドル(数千億円)規模企業であり、Google Playが提供する安全・確実なプラットフォームから膨大な利益を上げています。そのプラットフォームに支払う手数料は他の主要プラットフォームプロバイダーと同等あるいはそれ以下です」と反訴状に書かれている。「同社はこうした膨大な利益に満足せず、従う意図のない法的契約をGoogleと結ぶことでGoogleを欺き、今日まで続く法的および広報上の衝突を引き起こすという真の意図を隠蔽しています」。

Epic Gamesは新たな反訴に対してコメントを出していない。

しかし、Epicの主張は、専用アプリ内決済システムの排他的使用というAppleとGoogleの要求が、デベロッパーを不利にする独占的行為であるというものだ。Appleの事例では、デベロッパーが自社アプリ内でその他の決済システムへのリンクを提示したり、顧客と会話したりすることをAppleは阻止すべきではないという主張に法廷は同意した。Appleが独占行為を行っているとは宣言していない。

関連記事:アップルのApp Store外での決済方法への誘導ブロックが禁止に、Epic Gamesとの裁判で

しかしGoogleの状況はやや異なる。それはAndroidがアプリのサイドローディングをすでに認めており、これはAndroidユーザーにGoogle Play以外でも接触する方法が存在することを意味しているため、反トラストの主張はより困難だ。

Googleは、州の司法長官、デベロッパー、および消費者の訴訟に対する回答も提出した。

Epicに対する被告の答弁、防御、および反訴をTechCrunchが編集した文書をScribdで公開したものを以下に引用する。

画像クレジット:Epic Games

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Epic GamesのCEOがアップルはiPhoneの「設定」で自社サービスを宣伝していると非難

Apple(アップル)を相手取った反トラスト訴訟(現在控訴中)で大きな注目を集めているEpic Games(エピック・ゲームズ)CEOのTim Sweeney(ティム・スウィーニー)氏は米国時間10月7日、iPhoneメーカーは他社が利用できない広告枠を自身に与えていると非難した。その場所はiPhoneの設定画面だ。一部のiOS 15ユーザーが、Appleが設定画面のトップ、Apple IDのすぐ下で自社サービスを広告していることを報告している。提示されるサービスは、端末オーナー向けにカスタマイズされていて、すでにサブスクライブしているサービスに基づいていると見られる。

関連記事:Epic Gamesがアップルとの独禁法違反訴訟で先週の判決を不服として控訴

例えばApple Musicをサブスクライブしていないユーザーには、6カ月の無料トライアルをすすめる広告が表示される。一方現在のApple Musicサブスクライバーには、AppleCareなどのまだ利用していないサービスの追加が促される。

スウィーニー氏は、この種のファーストパーティー広告はAppleによる反競争的行為の可能性があることを指摘している。推奨されているサービスの中にはApp Store(アップストア)で提供されているサードパーティー・アプリと直接競合するものがあるためから。しかしそれらのサードパーティー製アプリは、もちろんiPhoneの設定画面に近づくことができない。できるのはApp Store上の広告スロットに入札することだけだ。

「Fortnite(フォートナイト)を締め出した連中の新しいやり口。自社の音楽サービスのための設定画面広告は実際の設定画面より早く現れ、他の広告主、Spotify(スポティファイ)やSound Cloud(サウンド・クラウド)は利用できません」とスウィーニー氏はいう。

スウィーニー氏は、Mobile Dev Memo(モバイル・デブ・メモ)のアナリストであるEric Seufert(エリック・スーファート)氏の別の投稿をリツイートしており、スーファート氏はGlassfy(グラスファイ)の共同ファウンダーFrancesco Zucchetta(フランセスコ・ズチェッタ)氏の作成した画像をシェアしている。

ズチェッタ氏はTechCrunchに、その広告は自身が所有するiOS 15が動くiPhone 8で見つけたと語った。しかしもっと新しいデバイスで広告を見た人もいる。中には、Appleの宣伝をプッシュ通知でも受け取ったと指摘するコメントもあった。

この問題が微妙なのは、こうした広告は、Appleが自身の利益のために他社を不利な立場においているとは必ずしも言えないことだ。

例えば私たちのiOS 15.1が動作しているiPhone 13 Pro Maxでは、その掲示がAppleCare+(アップルケア・プラス)の保証を追加できる期限までまだ一定の日数があることを知らせるために使用されていた(我々はすでにAppleの他のサブスクリプションをほとんど利用している)。この場合、SpotifyがApple Musicと直接競合するのと同じようなAppleCareと直接競合するサードパーティーアプリは存在しない。Asurion(アシュリオン)などの保証会社はAT&T(エー・ティー・アンド・ティー)やVerizon(ベライゾン)などの 携帯キャリアと提携して、iPhoneの保険プランを販売し、App Storeを通じた消費者への直接販売は行っていない。

保証追加の喚起は有益な情報であり、望まない侵入ではないと指摘する向きさえある。

スウィーニー氏のツイートは、設定アプリ内のファーストパーティー広告の認知度を高めたが、実際これは新しいことではない。

AppleはこれまでにもiPhoneの設定画面を使ってユーザーに自社サービスを売り込むことがよくあり、今回と概ね同じやり方だった。

たとえば2020年、AppleはApple ArcadeAppleCare、およびApple TV+のプロモーションを設定アプリ内で展開しているところを見つけられた。設定画面以外にも、Appleは別の変わった方法で自社サービスを宣伝しており、プッシュ通知を使ったものもあった。さらに同社は、何年も前から自社アプリの中で別のアプリのクロスプロモーションを行っている。例えばApple Musicのサブスクリプションのおすすめが、iTunesを使っている時に表示されるといったものだ。

しかし現在規制当局は、プラットフォームが自らのマーケティングパワーを利用あるいは濫用する様子を綿密に監視している。現在Google(グーグル)は、端末製造メーカーが自社のスマートフォンを販売する際に一連のGoogleアプリをプリインストールすることを必須としていることに対するEUの記録的な罰金命令を控訴している。一方Samsung(サムスン)は、Galaxy(ギャラクシー)端末上で自社アプリの広告を掲載することを中止すると発表した(これまで同社は、他の企業が自社製品を宣伝する広告を時々掲載していた)。

Epic Gamesのスウィーニー氏のツイートについて補足コメントを出しておらず、同社がこのちょっとした最新情報を次の控訴審で使用するかどうかも明らかにしていない。Appleにはコメントを要求しているがまだ応答はない。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Windows 11のアプリストアはサードパーティにも開放、Epic Games Storeも登場予定

Microsoft(マイクロソフト)がWindows 11のポータルにサードパーティのアプリストアを増やしたいと言ったのは、単に夢想に耽っていたわけではなかった。The Vergeによると、Microsoft Storeの新しいポリシーは、サードパーティのストアフロントアプリの展開が可能になるという。Amazon(アマゾン)のアプリストアだけでなく、Epic Games Storeも「今後数カ月」内にMicrosoft Storeに登場する見込みだ。約束通り、マイクロソフトはこれらのストアから得られる収益の分配を要求しない。

同社がライバルのブラウザに対する方針を緩めたこと(マイクロソフト以外のエンジンを搭載したブラウザを認めるようになった)も実を結ぶ。Microsoft Storeでは、OperaとYandex Browserが、Edgeの代替品として提供される。最初から衝動的にChromeやFirefoxをダウンロードしてしまう人には、これらの追加はあまり役に立たないだろうが、マイクロソフトが少なくとも、自分のところのストアで競争することには、寛容であることを示している。

SteamやGOGなどの有名なアプリやゲームストアについての言及はない。Epicが早いうちから選ばれていることは驚くに値しない。EpicはApple(アップル)のApp Storeポリシーに声を大にして反対しており、できるだけEpic Games Storeを提供したいと考えている。マイクロソフトがこれを利用しない手はない。Microsoft Storeを、アップルのApp Storeよりもオープンなストアであると宣伝できるからだ。もっとも、Mac(マック)ユーザーがEpic Games Storeや他のストアフロントにアクセスするのに、何か実際に問題があるわけではないのだけれど。

編集部注:本稿の初出はEngadget執筆者のJon FingasはEngadgetの寄稿ライター。

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アップルは控訴決着まで「フォートナイト」のApp Store復帰認めず、Epicが通告メール公開
Windows 11の提供開始は10月5日から、マイクロソフトが発表

画像クレジット:Microsoft

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(文:Jon Fingas、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

アップルは控訴決着まで「フォートナイト」のApp Store復帰認めず、Epicが通告メール公開

Apple(アップル)と「Fortnite(フォートナイト)」の大規模でドラマチックな訴訟は、どちらの当事者にとっても実際に望んでいた結論には至らなかったようだが、その解決策はフォートナイトファンにとって、同タイトルがApp StoreやAppleデバイスに戻ってくるかもしれないという希望を与えた。

しかし、そうは問屋が卸さない。法律用語が再びこのバトルロワイヤルに割り込んでくることになりそうだ。米国時間9月22日に投稿されたEpic Games(エピックゲームズ)のTim Sweeney(ティム・スウィーニー)CEOのツイートスレッドを見ると、同氏とAppleの法務チームとの間で交わされたコミュニケーションは、Epicが裁判所の判決を不服として訴え続けている間は、Appleがフォートナイトを復活させる気がないことを裏付けているようだ。スウィーニー氏は、このプロセスによって、フォートナイトがあと5年以上App Storeから姿を消してしまう可能性があると見積もっている。

Appleは嘘をつきました。Appleは過去1年、世界、裁判所、報道機関に「Epicが他の企業と同じルールでプレイすることに同意するなら、EpicのApp Storeへの復帰を歓迎する」と伝えました。Epicはこれに同意しましたが、Appleは10億人を超えるユーザーに対する独占的な力をまたもや乱用し、これを反故にしました。

スウィーニー氏は、自身がAppleのPhil Schiller(フィル・シラー)氏に送ったメールと、Appleの法務チームから受け取った手短な返信メールを共有した。「Appleは、Epicの開発者プログラムアカウントを現時点で復活させないという裁量権を行使しました」と説明されており「さらにAppleは、連邦地裁の判決が確定して上訴できなくなるまで、再登録を求めるさらなる要請について検討することはない」という内容だった。

以下がそのメールの全文だ。

ゲイリー様

2020年、正当な理由により解約されたEpicの開発者プログラムのアカウントを復活させて欲しいというAppleへの要請についてお答えします。Epicは、Appleからコードを隠し、関連する不実表示と不作為を行うことで、意図的な契約違反と信頼の失墜を犯しました。裁判所は判決の中で「Appleは、同社の行動に関し契約上の権利を持っていた。(Epicの) 内部文書によれば、Epic Gamesが期待していたように、これらの権利を行使したに過ぎない」と認めました(ECF No. 812 178-79頁)。さらに裁判所は「Appleによる、Epic GamesとAppleとの間の [開発者プログラムライセンシング契約] および関連する契約の解除は、有効かつ合法的であり、強制力がある」と判断しました(判決文179頁)。この判決を受けて、スウィーニー氏は、Epicが「フォートナイトをiOSに戻すために(代替決済システムを)引き換えにすることはない」と公言しました。裁判所の判決以降のこのような発言やその他の発言、そしてEpicの過去の二枚舌的な行動を考慮して、Appleは現時点ではEpicの開発者プログラムアカウントを復活させないという裁量権を行使しました。さらにAppleは、連邦地裁の判決が確定し上訴が不可能になるまで、今後の復帰要請を検討しないこととしました。

マーク・ A・ペリー

裁判所は2021年9月初めの判決で、Appleは「反トラスト法に違反していない」と判断し、Epic GamesはAppleに失われたApp Storeの手数料を返済しなければならないとした。だが最も興味深いことに、AppleはApp Store内での代替的な支払い方法をブロックし続けることはできないとした。この判決はAppleのApp Storeの経済状況を非常に複雑にするものだが、Appleはこの判決を全体的に圧倒的な勝利とみなし、控訴しなかった。一方のEpic Gamesは、この判決を不服とし「戦い続ける」ことを誓った。

判決の直後に行われた記者会見で、Appleは、Epic GamesがApp Storeの他の開発者と同じルールに従うことに同意すれば、フォートナイトの復活を歓迎すると述べていたが、この発言は、Epicが判決に対して公式に控訴する前のことだった。

スウィーニー氏は、同氏のスレッドのさらに下の方にあるツイートで、Appleがフォートナイトの開発者アカウントの復活を拒否したことについて「Appleによるもう1つの途方もない反競争的な動きであり、彼らの市場を再構築して勝者と敗者を選ぶ力を示している」と述べている。

TechCrunchはAppleにコメントを求めている。

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画像クレジット:Christian Petersen / Getty Images

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(文:Lucas Matney、翻訳:Aya Nakazato)

アップルがApp Store外での決済方法への誘導ブロック禁止に、Epic Gamesとの裁判で

カリフォルニア州で行われているEpic Games対Appleの訴訟において、米国時間9月10日朝、判事がサードパーティによる支払いに関して「Fortnite」のメーカーに味方する判決を下した。事実上、判事はAppleが開発者に対して、AppleはApp Storeベースの収益化以外の代替決済のリンクを追加することを禁止することはできないという判決を下している。

Epic Gamesは、ゲーム購入が現金収入源であるiOSの料金をAppleが管理していることに長年悩まされてきた。

今回の判決では、以下のように述べられています。

Apple Inc.およびその役員、代理人、使用人、従業員ならびにこれらの者と積極的に協力または参加している者(以下「Apple」)は、開発者が(i)アプリ内での購入に加えて、購入メカニズムに顧客を誘導するボタン、外部リンク、その他の行動喚起をアプリとそのメタデータに含めること、および(ii)アプリ内でのアカウント登録を通じて顧客から自発的に取得した連絡先を通じて顧客と連絡を取ることを禁止するよう、永久的に拘束および差し止められるものとする。

この判決は、Appleと大規模開発者、特にApp Storeにおいてその収益の70%を占めるゲームカテゴリーの開発者との間で何年にもわたって繰り広げられてきた争いの結果だ。

2020年8月、Epic Gamesの「Fortnite」アプリが、Appleのアプリ内課金の枠組みを回避できる新しい決済方法を導入したことを理由にAppleから禁止された。その後、Epic GamesはAppleは決済システムの使用を企業に強制することで市場で力を乱用していると主張してAppleを提訴している。また、Epic GamesはGoogleも提訴し、他のアプリ開発者と共同でCoalification for App Fairnessを結成し、米国の州レベルでの法案作成のための個別の取り組みに関与するなど、アプリストア改革のための積極的な働きかけを行ってきている。

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その中には、日本の規制当局との和解により「リーダーアプリ」(購入したコンテンツへのアクセスを提供するアプリ)のポリシーを変更し、ユーザーがサインアップしたりアカウントを管理したりできる自社のウェブサイトを紹介できるようにしたことも含まれている。また、別の和解案には、アプリ内で収集した顧客の連絡先情報を使い、他の支払い方法を顧客に伝えることを許可するというものもある。韓国では、新しい法律によりAppleとGoogleは開発者が独自のサードパーティ製決済システムを使用することを認めざるを得なくなった。法律成立後、Epic Gamesは同市場のApp Storeに「Fortnite」を復活させることを求めたが、Appleはその要求を拒んでいる。

Appleは、App Storeのルールを環境の変化に適応させることを拒否し続けているのは、消費者保護のためだと歴史的に主張してきた。以前の声明では、アプリ内課金の代替手段を認めることは、ユーザーを詐欺のリスクにさらし、プライバシーを損なう可能性があるとしていた。

今回の判決により、Appleは開発者に対して、支払いができる他の場所へのボタンやリンクを含めるという選択肢を認めることで対応せざるを得なくなった。しかし「独占」とみなされなかったという意味では、Appleの勝利だ。Yvonne Gonzalez Rogers(イボンヌ・ゴンザレス・ロジャース)連邦地裁判事は、AppleとEpic Gamesの両社が関連市場をどのように定義しているかについて同意しておらず、モバイルゲームのデジタル取引において、Appleは独占していないと述べている。

「法廷は、Appleが55%以上というかなりの市場シェアと非常に高い利益率を享受していることを認めているが、これらの要素だけでは反トラスト行為であると示すことはできない。成功は違法ではない」とロジャース氏は述べている。

Appleの広報担当者は「本日、裁判所はApp Storeが独占禁止法に違反していないという、我々がずっと知っていたことを確認した」と述べている。「裁判所が認めたように『成功は違法ではない』のです。Appleは、事業を展開するすべての分野で厳しい競争に直面していますが、お客様や開発者がAppleを選ぶのは、Appleの製品とサービスが世界で最も優れているからだと信じています。私たちは引き続き、App Storeが安全で信頼できる市場であり、繁栄する開発者コミュニティと210万人以上の米国内の雇用を支え、ルールが誰にでも平等に適用されるよう尽力していきます」という。

この度の判決は、開発者コミュニティには長期的な影響を与える可能性がある。というのも、Appleは他の支払い方法を示すアプリに対応するために、規則を調整しなければならないためだ。例えば、アプリにApple独自のアプリ内決済オプションを選択肢として含めることを要求するようになるかもしれない。また「リーダーアプリ」を別のカテゴリーとして認定することは、今回の新しい要件を考慮すると、もはや意味がないと判断することもできる。これらに関する動きや決定は、今後数日のうちに展開されるだろう。

Epic Gamesが勝利できなかったのは、Appleを「独占企業」と呼んでしまったからだ。これは最終的には米国政府の規制につながる可能性のある、はるかに大きな問題だ。また、Appleはサードパーティのアプリストアやサイドロードを許可する必要はないが、App Storeビジネス全体の長期的な見通しに大きな影響を与える可能性がある。消費者にとっては、購入や価格設定のためにアプリを終了しなければならないためApp Storeがより複雑になる可能性がある。消費者が外部の決済システムを利用する場合、すべての購読契約を一括して管理することができなくなり、解約がより困難になる可能性もある。

訴訟の結果、ロジャース氏は、Epic Gamesが「Fortnite」に代替決済システムを導入した際に得た1200万ドル(約13億2000万円)のうち30%をAppleに支払わなければならないという判決を下したが、これは当時、Appleとの法的契約に違反していたためだ。

判決を受けて、Epic GamesのCEOであるTim Sweeney(ティム・スウィーニー)氏は「Fortnite」は「Appleのアプリ内課金との公正な競争」のもと、アプリ内課金を提供できる時と場所でApp Storeに復帰し、その節約分を消費者に還元するとツイートしている。

「また、非常に複雑な訴訟を迅速に対応してくれた裁判所にも感謝しています。私たちは、これからも戦い続けます」。

画像クレジット:Andrew Harrer/Bloomberg via Getty Images / Getty Images

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(文:Brian Heater、Sarah Perez、翻訳:Katsuyuki Yasui)

Epicがアプリ決済の強制禁止法成立後の韓国で「フォートナイト」復活を要請、アップルは拒否

人気ゲーム「Fortnite(フォートナイト)」の開発元Epic Games(エピックゲームズ)は、米国のゲームメーカーである同社が韓国でiOS版Fortniteを再リリースし、EpicとApple(アップル)両方の決済手段を選択肢として提供することを計画しているため、Appleに韓国でのFortnite開発者アカウントの復活を要請したとツイートで発表した。

今回の要請は韓国が8月下旬に、開発者がサードパーティ決済システムを利用できるようにすることをAppleや他のテック大手に義務付ける電気通信事業法改正案を可決したことを受けたものだ。

Fortniteの公式Twitter(ツイッター)アカウントでEpicは「Epicは韓国の新しい法律に準拠して、Epicの決済とAppleの決済の両方を並行して提供し、韓国でiOS版Fortniteを再リリースする予定です」と述べている。

「当社がこれまでも言ってきたように、Epicが他の会社と同じルールでプレイすることに同意するのであれば、EpicのApp Storeへの復帰を歓迎します。Epicは契約違反を認めており、現在のところ、開発者アカウントを復活させる正当な根拠はありません」とAppleは表明して申請を拒否した。

Epicはすべてのアプリに関して適用されるAppleのApp Storeレビューガイドライン順守に同意する必要があるが、一貫してガイドラインを遵守しておらず、今回のAppleへの申請はEpicの立場を変えるものではない、とAppleは声明で付け加えた。

まだ発効していない関連法が仮に韓国国内で法制化されたとしても、Appleに開発者プログラムのアカウント申請を承認する義務は課せられないと同社は指摘している。

2020年8月、EpicがFortniteにAppleのアプリ内課金要件に違反する直接決済システムを導入したため、AppleはFortniteをApp Storeから追放した。以来両社は、App Storeの決済システムを巡って法廷で争ってきた。

Appleは、開発者が外部のウェブサイトにリンクできるようにアプリポリシーを変更しており、今月、2021年9月2日には「リーダー」アプリの開発者が自社サイトへのリンクを設置できるようにしたことで、日本の公正取引委員会と和解している。

Epic Gamesの広報担当者にコメントを求めたが、現時点で回答は得られていない。

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画像クレジット:Andrew Harrer/Bloomberg via Getty Images / Getty Images

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(文:Kate Park、翻訳:Aya Nakazato)

Epic Gamesが10月にHousepartyを閉鎖、ビデオチャット機能「Fortniteモード」も終了へ

Houseparty(ハウスパーティー)は、Fortnite(フォートナイト)のメーカーであるEpic Games(エピックゲームズ)が2019年に推定3500万ドル(約38億4000万円)で買収したチャットアプリだ。しかし、このほど閉鎖が決まった。同社によると、Housepartyは2021年10月に既存ユーザーがアプリを利用できなくなる時点で終了する。ただし、アプリストアからは本日削除される。この動きに合わせて、Housepartyを使ってFortniteのゲーマーにビデオチャットを提供しているEpic Gamesの「Fortnite モード」も終了する。

2015年創業のHousepartyは、ユーザーが友だちとグループ・ビデオ・チャットに参加したり、Uno(ウノ)、トリビア、Heads Up(ヘッズアップ)などのゲームもできる機能を提供した。2020年、Epic GamesはHousepartyをFortniteに統合し、まずゲーマーがプレイしながら友だちのライブフィードを見られるようにし、後にゲームプレイを直接Housepartyにライブストリーミングする機能を追加した。当時、これらの統合はEpic GamesがHousepartyを買収した理由を説明する最終ゴールと思われた。

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そして買収発表からわずか2年後、ライブストリーミングのサポートが追加されてから半年も経たないうちに、Housepartyは閉鎖する。

一見、買収のフル活用に失敗したことを認めたともいえるこの動きについて、会社は明快な見識を示さなかった。しかし現実はといえば、Epic Gamesはビデオチャットよりも大きい何かを用意しているのかもしれない。とはいえ、この日、Epic Gamesがいうことができたのは、Housepartyチームはアプリに必要な注意を払えなくなったということだけだった。チームの焦点を別の何かシフトする経営判断を表す声明だ。

この決定によって解雇されるHousepartyチームのメンバーはいないとTechCrunchは聞いており、彼らは別のチームに移り、Epic Gamesファミリー製品を横断する「ソーシャルインタラクション」を可能にする新しい方法の仕事をすることになる。会社の発表は、そのソーシャル機能が「メタバーススケール」で設計、開発されることを示唆している。

「メタバース」は最近よく使われるようになったバズワードで、共有されたバーチャル環境、たとえばFortniteやRoblox(ロブロックス)などの大型オンラインゲーミングプラットフォームで提供されているものを指す。Facebook(フェイスブック)も、メタバースはソーシャルネットワーキングの次なる大きな一手であると宣言していて、CEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏はこれを「見ているだけではなく、その中にいるような感覚になれるインターネットのようなものです」と説明した。

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ある意味で、Fortniteはメタバースを取り込み始めており、アバターとして参加できるオンラインコンサートやその他のライブイベントなどゲーム以外の体験を提供している。終了に先立ち、Housepartyもライブイベントに手を染めて、ユーザーが友だちと一緒に見たり一緒に参加できるようにした。

Epic Games広報担当者はTechCrunchに、Housepartyチームはソーシャルに焦点を当てたいくつかのプロジェクトに取り組んでいて今後も続けると語った。しかし、Epic Gamesが取りかかっている「複数の大型プロジェクト」のいくつかは、まだ発表できないという。

ソーシャル製品に関していうと、現在HousepartyのテクノロジーはFortniteのボイスチャットすべてを支えており、彼らが作った機能はEpic Games Services(エピック・ゲームズ・サービス)を通じてデベロッパーに無料で開放されている。新しいソーシャル体験の構築も行っており、、Fortniteのグローバルイベント、たとえば最近のアリアナ・グランデのコンサートのソーシャルRSVP(出欠の返事)機能や、クエストなどのゲーム要素のコラボレーションのための「Operation:Sky Fire(オペレーション:スカイ・ファイアー)」イベントなどを開発している。Fortniteのユーザー生成コンテンツプラットフォームであるCreate Mode(クリエイト・モード)にも新たなソーシャル機能や体験を追加されている。

パンデミックのために2020年利用が急増したばかりのアプリを閉鎖するのは奇異に感じるかもしれないが、この新型コロナ需要に持続力はなかったようだ。

ロックダウンのピーク時、Housepartyは月間5000万人の新規登録者を記録した。世界が閉鎖されている中でユーザーが家族や友達とつながるためのビデオチャットアプリを探していたためだ。しかしパンデミックが進むにつれ、他のビデオチャット体験がいっそう勢いづいた。Zoom(ズーム)はリモートワークの必須ツールとしての地位を確立したばかりか、仕事終わりに友だちと過ごすツールにもなった。Facebookも2020年ビデオチャット機能の「Rooms(ルームズ)」を投入して同じようなグループビデオ体験を提供し、Housepartyを苦しめた。そして飽きがきたユーザーはClubhouse(クラブハウス)やTwitter Spaces(ツイッター・スペース)などのオーディオベースのソーシャルネットワーキングに移行した。

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画像クレジット:Apptopia

Apptopia(アップトピア)のデータによると、Housepartyはパンデミック太りの後、下降を続けている。これまでにiOSとAndroid合わせて1億1100万回ダウンロードされていて、大部分(6300万回)がiOSだ。米国はHousepartyの最大市場で、ダウンロードの43.4%を占め、英国(9.8%)とドイツ(5.6%)が続いている。
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ちなみにEpic Gamesは同アプリが全世界で「数千万」ユーザーに利用されたという。閉鎖は簡単な決断ではなく、「Fortniteモード」終了の決定も利用が低調だったからではないと強調した。

Housepartyは10月の完全終了に先立ち、アプリ内通知を経由してユーザーに閉鎖を警告する。同サービスの終了時点でFortnite Modeも利用できなくなる。

画像クレジット:Epic

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

「フォートナイト」に人狼ゲーム的な新モード「インポスターズ」が登場

「Fortnite(フォートナイト)」に、新型コロナウイルス感染拡大時に人気沸騰したゲームの独自バージョンが登場した。

フォートナイト開発元のEpic Gamesは、このゲームに「Impostors(インポスターズ)」という期間限定の新モードを追加した。これは、新型コロナウイルス感染拡大初期に、Twitch(トゥイッチ)のトップページ(や米連邦議会)で話題になった「Among Us(アマング・アス)」というゲームのフォーマットを踏襲して開発されたものだ。

新モードのインポスターズは、最大10人まで同時にプレイすることができる。プレイヤーたちは「エージェント」と「インポスター(偽者)」という2つの役割に分かれて競い合う。8人のエージェントは、マップ上のさまざまなタスク(任務)をこなしていくが、2人のインポスターは、エージェントである他のプレイヤーを投票で排除したり、任務を無効にすることでエージェントの努力を妨害する。また、これはフォートナイトなので、プレイヤーをマップ上でランダムにテレポートさせたり、全員をバナナ(ピーリー)にすることもできる。

ゲームの舞台となるのは、新たに追加された屋内マップで、この人狼系ゲームをプレイする人は熱中し、プレイを見ている人は楽しくなる、閉所恐怖症のような被害妄想を間違いなく呼び起こす。各ラウンドでは、プレイヤーが集まって、誰がエージェントに不利な働きをしているインポスターだと思うかを投票し、それによって概して非常に辛辣な協議が行われる。親しい関係の人達だけで楽しみたい場合は、(プライベート・ゲームモードを選択して)最低4人の友達のみを集めてプレイすることも可能だ。

うれしいことに、友達のグループがいなくてもプレイすることはできるが、この種のゲームは知り合いと一緒にプレイするのがベストだ。この新モードでは公開ボイスチャットは無効化されているが、オープンマッチに参加しているプレイヤーは、クイックチャットボックスやゲームのエモートを使ってコミュニケーションをとり、グループに潜入しているインポスターと思われる人物に投票することができる。

フォートナイトのAmong Usクローンが、その着想の元となったゲームと同じように流行するかどうか、あるいはどれくらい定着するかを判断するのは、まだ時期尚早だ。しかし、フォートナイトがいまだに世界で最も人気のあるゲームの1つであることを考えると、ストリーム配信に適した新しい人狼ゲームモードは、この魅力的なゲームにさらなる楽しさを上乗せすることになるだろう。

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「フォートナイト」でアリアナ・グランデがコンサートを開催
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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:FortniteEpic GamesAmong Us

画像クレジット:Epic Games

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

「フォートナイト」でアリアナ・グランデがコンサートを開催

Ariana Grande(アリアナ・グランデ)は、Fortnite(フォートナイト)のゲーム内で行われた最新の大規模な音楽ライブイベントで、キャンディカラーのセットの周りを闊歩し、空を舞った。数日間にわたるこの「ツアー」は、ゲーマーやグランデのファンに多くの楽しみを提供すると同時に、何百万人もの人々が同時に楽しめるライブイベントに向けた、Epic Games(エピック・ゲームズ) の見事に流暢で目に見えて独創的なビジョンを披露した。

Fortniteのプレイヤーは、アリアナ・グランデのイベントが予定されていることを、しばらく前から知っていた。今回のコンサートは、ラッパーのTravis Scott(トラヴィス・スコット)とMarshmello(マシュメロ)が出演した前回のゲーム内イベントに続くものだ。スコットのゲーム内パフォーマンスにおけるライブ視聴者数は1230万人だったが、アリアナ・グランデのイベントは複数日にわたって行われたため、この数字を上回る可能性がある。

Epicは、このコンサートの映像を収めた動画を公開したが、これは最近のゲームの世界で可能になっていることに驚嘆するためだけでも見る価値がある。ゲーム内で行われたイベントをライブで体験するのがもちろん理想的ではあるが、自分のアバターが巨大なグランデ(grande Grande)と一緒に空間を飛び回る臨場感を除けば、このビデオはイベントの様子をうまく伝えている。

今回のショーでは、いくつかのミニゲームが用意されており、プレイヤーは、巨大なバーチャルポップスターが活躍している間、単に飛んでいるだけではなく、他のクエストも体験できた。まずはプレイヤーが、「マリオカート」と「Splatoon(スプラトゥーン)」を掛け合わせたような虹色のレーストラックをサーフィンしながら、Juice WRLD(ジュース・ワールド)&Marshmelloの「Come & Go」に合わせて、パワーアップアイテムに当たっていくというゲームが展開された。次にキャンディピンクの木々や巨大な目玉が浮かぶDr. Seuss(ドクター・スース)風の風景の中を跳ね回っていると、突然周囲が暗くなり、Wolfmother(ウルフマザー)の「Victorious(ヴィクトリアス)」に合わせてゲームのボスであるStorm King(ストームキング)を撃ち落とすミニゲームの世界へ連れて行かれる。

空を飛ぶ一筋の光が、星の海に浮かぶ惑星に落ちると、光の中からアリアナ・グランデが姿を表し、2019年のヒット曲「7 Rings」を歌いながらFortniteデビューを果たした。続いてグランデは、虹の泡の中に浮遊しているプレイヤーの後を追って、天使のような翼で雲の中を舞う。最もクールな場面は、巨大化したグランデが、大きなダイヤモンドのハンマーを持ってエッシャー風の階段を登って行き、ハンマーを砲丸投げのように放って空を砕くところだろう。

Fortniteの最新イベントに大きなサプライズはなかったが、それはEpicがハードルをあまりにも高く上げているからに他ならない。お気に入りのスキンでドレスアップして、世界中の何百万人もの人々と一緒に巨大なポップスターの周りを飛び回るというのは、すべての人が思い描くメタバースの姿ではないかもしれないが、Fortniteのワイルドでイマジネーション豊かなライブイベントは、今ここにある未来を味わうことができる。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:FortniteEpic Games

画像クレジット:Epic Games

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

「ゲーミング英会話」運営のREEVが「フォートナイト」を海外在住講師とプレイしながら楽しく学ぶ体験会開催

「ゲーミング英会話」運営のREEVが「フォートナイト」を海外在住講師とプレイしながら楽しく学ぶ体験会開催

ゲーミング英会話」を運営するREEV(リーブ)は8月3日、セブン&アイ・ホールディングス傘下のセブンカルチャーネットワークと業務提携し、オンラインゲーム「フォートナイト」をプレイしながら英語を学ぶ「ゲーミング英会話」の体験会を開催すると発表した。開催期日は、2021年8月21日と22日。開催場所は東京都豊島区の池袋コミュニティ・カレッジ。定員が上限に達した時点で締め切られる。参加費は2000円(税込)/日。申し込みは「ゲーミング英会話体験会予約フォーム」から。

「ゲーミング英会話」は、「eスポーツ×英語×プログラミング」教育によるグルーバル人材の育成を目的に開発された英語学習方式。フォートナイトを海外在住の英語講師とプレイしながら、楽しく英会話が学べる。

これからの時代を生きる子どもたちは英語力とITスキルが必須となるが、英語「を」勉強するのでは学習が継続しない。英語「で」好きなことをやることで、子どもたちは楽しみながら英語に「ハマり」、英語力が身につくとREEVは考えた。そうして生まれた「ゲーミング英会話」が、このイベントで体験できるということだ。

ゲーミング英会話体験会 in 池袋コミュニティ・カレッジ概要

  • 開催日:2021年8月21日15:30〜17:30(9階34番教室)、2021年8月22日15:00〜17:30(8階5番教室)
  • 開催時間:1組目15:30〜15:55、2組目16:00〜16:25、3組目:16:30〜16:55、4組目:17:00〜17:25
  • 開催会場:池袋コミュニティ・カレッジ(西武池袋本店別館8階と9階) 東京都豊島区南池袋1丁目28-1 西武池袋本店別館8・9階
  • 参加費:2000円(税込)/日。現金で当日支払い。クレジットカードによる事前決済希望の場合は、予約フォームの備考欄に「カード決済希望」と記入する
  • 定員:計12名(1組あたり2〜3名が定員)
  • 必要なもの
    フォートナイトができるゲーム端末(Nintendo Switchなど)、Zoomが動作する端末(スマートフォン、タブレット、ノートPCなど)、マイク付きイヤフォンまたはヘッドセット(先生との会話に必要)
  • 申し込み:「ゲーミング英会話体験会予約フォーム」より予約

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カテゴリー:EdTech
タグ:語学学習(用語)ゲーム(用語)Fortnite / フォートナイト(製品・サービス)REEV(企業)日本(国・地域)

フォートナイトが「記録破りのスーパースター」が登場するゲーム内イベントを予告、日本時間8月7日〜9日開催

Epic Games(エピックゲームズ)は、「Fortnite(フォートナイト)」のバーチャルな草原をTravis Scott(トラヴィス・スコット)がサイケデリックに闊歩して以来となる最大のゲーム内イベントを予告している。

フォートナイト開発元のEpic Gamesが「Rift Tour(リフト・ツアー)」と呼ぶこの謎めいた新イベントは、米国時間の8月6日(金)から8月8日(日)(日本時間8月7日朝から8月9日)まで開催されるという。今回の予告発表で、Epicはプレイヤーに「フォートナイトと記録破りのスーパースターが交わる魔法のような新しい現実へ、音楽の旅に出よう」と呼びかけている。

このミステリーショーのシリーズを盛り上げるゲーム内イベントは、7月29日から8月8日まで開催されているので、プレイヤーは今すぐフォートナイトに飛び込んで、リフトツアーをテーマにした新しいクエストや報酬をチェックすることができる。この綿菓子色のイベントでは、カスタムローディングスクリーンや、ふわふわ雲の子猫のアイコンなどのデジタル賞品が用意されている。

リフトツアーは1回限りのイベントではない。Travis Scott(トラヴィス・スコット)のイベントと同様に、フォートナイトはプレイヤーが参加しやすいように、3日間で5回の異なるショータイムを開催する。Epicは米国時間8月2日(月)に詳細を発表するとのことなので、誰がパフォーマンスをするのか、間もなく明らかになるはずだ。

さて……今回は誰が登場するのだろう?今のところ、すべての兆候がAriana Grande(アリアナ・グランデ)を示している。リーカーたちは1週間以上前からそう言っているし、EpicがApple(アップル)との裁判で公開した文書には、グランデとLady Gaga(レディー・ガガ)が出演するゲーム内イベントの計画が詳細に記されていた。

画像クレジット:Epic Games

また、Forbes(フォーブズ)のPaul Tassi(ポール・タッシ)氏は、最近のリーク情報がいかにGrandeを示唆しているかということについて、彼女のミュージックビデオから引用されたビジュアルテーマや、彼女のペットであるPiggy Smalls(ピギー・スモールズ)を連想させるアートワークなどの点と点をつなげて説明している

Epicは最新のバーチャルイベントをツアーと呼んでいることから、ゲーム内に登場する謎のスーパースターはグランデ1人ではない可能性もうかがえる。もしそうだとしたら、レディー・ガガの出演も考えられる。同社は2020年12月のコンサートにガガの出演を計画していたようだが、実現することはなかった。Kanye West(カニエ・ウェスト)も8月6日に最新アルバムをリリースするが、最近いくつもの物議を醸しているウェストとEpicが提携する可能性は低いと思われる。また、ウェストの最新アルバム「DONDA(ドンダ)」は、もともと別の日に発売予定だったのが延期されてこの日になったということもある。

誰であろうと、間もなく詳細が明らかになるだろう。たとえ、あなたがグランデのファンでなくても、あるいは熱心なゲーマーでなくても、フォートナイトのゲーム内コンサートは、史上最もクリエイティブで視覚的にエキサイティングなバーチャルイベントの1つだ。

巨大なバーチャルラッパーがネオンの閃光を放っている間に、誰もが一度は友達と一緒にメタバースの世界へ飛び込んでみるべきだろう。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Epic GamesFortnite音楽バーチャルイベントメタバース

画像クレジット:Epic Games

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ティム・クック氏はEpic Games対アップルの反トラスト裁判でしらを切る

Apple(アップル)CEOのTim Cook(ティム・クック)氏は米国時間5月21日、初めて証言台に立った。おそらくEpic Games(エピックゲームス)対Appleの反トラスト訴訟で最も期待されていた証言だ。しかし、クック氏はEpicの偽りや申し立てを激しく非難するのではなく、重要な質問の多くに対して答えなかったり答えられないとして、注意深く準備された穏やかな無知を装った。

この期待はずれの結果は派手な報道にはならないものの、AppleのApp Store(アップ・ストア)が独占に当たるとする少々疑わしいが危険な主張を無力化する効果はあるかもしれない。

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Appleの弁護人に呼ばれクック氏は証言台に立った、と法定に入ることを許されたメディア関係者2名のうちの1名であるLaw360のDorothy Atkins(ドロシー・アトキンス)氏が自身の詳細な証言ライブツイートで言った。クック氏からの引用は報じられたものであり逐語的ではないことに注意されたい。裁判所の速記録は後にまとめられて公開される予定だ。ちなみに、アトキンス氏による舞台装置の描写は魅力的かつ人間味あふれるものだが、EpicのCEOであるTim Sweeney(ティム・スウィーニー)氏は少々風変わりに見える。

スウィーニー氏はEpicの弁護人席に座り手元のペンを見つめている。弁護士のGary Bornsten(ゲリー・ボーンステン)氏が時折耳打ちしている。クック氏はリラックスした様子で脚を組んでいる。たった今隣に座っている人の方を向き、何かを言った後、笑った。

自社の弁護士によるクック氏に対する質問は穏やかで、AppleのApp Storeが優れていてiOSユーザーにとって十分である理由を繰り返す一方で、厳しい競争が存在していることも説明した。クック氏は少数のデベロッパーとの確執が存在していることを認め、優先度のち外や発見の改善が必要であることなどを挙げたが、デベロッパーとユーザーを維持するために会社は努力を続けていると語った。

うわべだけの無邪気な無知は、クック氏がAppleの研究開発費の数字(最近3年の年額が150~200億ドル[約1兆6330億〜2兆1770億円])を尋ねられたときに始まった。具体的には、Appleはその金額のうちどれだけがApp Storeに向けられたかを推定できない、なぜなら「当社はそういう割当て方をしていないから」だと同氏は言った。つまり、個々のプロダクトのための研究予算は、それ以外と区別されていない。

いやいやそれは納得できない、そうだろう?Appleのような会社は自社の製品や研究にいくら使っているかを1セント単位で把握している。仮に完全に分類できないとしても(MacOSコードの進展がApp Storeの一機能に取り入れられるなど)、会社は自社のリソースがどう割り振られ、どんな効果を得ているかをある程度知らないはずがない。App Storeの研究開発費の控えめな見積もりとリベラルな見積もりの違いは少なくない可能性がある。おそらく数億ドル(数百億円)単位で。しかも、そうした見積もりは間違いなく社内では行われている。そうでなければ企業として愚かである。

しかし、その数字は公表されず分類されていないため、そしてその数字はある程度曖昧であるに違いないため、クック氏は「App Storeの2019年の研究開発費は5億ドル(約540億円)である」というような具体的数字はない、と堂々と語ることができる。

確かな数字がないことはEpicの拠り所をなくす。数字はどちら向きにでも使うことができた。もし大きければ、会社は金の卵を生むガチョウを守っている(市場支配力を行使している)。もし小さければ、卵を集めている(市場支配力を通じて家賃を集めている)だけだ。Appleにとって唯一勝つ方法は何も演じないことなので、クック氏は沈黙を演じ、その結果Epicの主張は憶測のように見える(そして、Appleがいうように、作り話のように見える)。

次にクック氏は、利益に関する指摘の先手を打って、競争の激しさを訴える同様の戦略を展開した。彼は約2750億ドル(約29億9380億円)の純売上高と21%の利益率だけを挙げ、AppleはApp Storeの売上を独立事業として評価していないと語った。

たしかに、App Storeが大きなビジネス構造と非常に強固に結合された部門であるというのはわかる。しかし、独立事業として評価できないという考えはばかげている。Appleのあらゆる部門や製品ラインと同じく、App Storeの業績が社内で詳細に分析され報告されていることは間違いない。しかし、法的な目的においては「App Storeの売上と利益はこれこれである」と言えるほど単純でないこともまたたしかであり、結果的にEpicの前提はくずされる。

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しかし、これはEpicが独立した調査が必要だと考えたほど重要なことだった。そしてEpicの弁護士は、証人尋問の最初に、裁判の初期に専門家が証言したAppleのApp Storeの営業利益は約79%であるという供述を持ち出した。

こうした数字を認めることも否定することもAppleの利益にはならいので、クック氏はここでも無知を貫いた。ただし、わずかに本性が覗いたのは、Epicの弁護士がクック氏に対し、MacとiOS App Storeを合わせた機密の売上数値を分割するよう依頼した時だった。Appleがこれに反論し、それは部外秘であり非公開裁判でのみ公開できるとした一方で、クック氏はiOSの数字はMacの数字より「ずっと大きい」と発言した。

ここに見られるのは、もう1つの財務上の巧妙なごまかしだ。iOSとMacの売上を混ぜ合わせることで、Appleはそれぞれいくら金が使われいくら稼いだかを曖昧にしている。それらを分離しようとしたEpicの試みは成功しなかったが、裁判官の目は節穴ではない。彼女はEpicと同じものを見ている、ただしぼんやりと。Appleは曖昧で操作しているように思われるリスクを取ってでも、Epicの法的勝利を否定しようとしている。

これは、クック氏がAppleとGoogle(グーグル)と結んでいる検索エンジンをiOSのデフォルトにする契約について質問されたときにもあらわになった。クック氏は、具体的数字は覚えていないと語った。

世界最大のテック企業のCEOが、もう1つの世界最大級のテック企業との10年に渡る数十億ドルの契約の詳細を覚えていないと言ったら、あなたは信じるだろうか?

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それ以外の証言はほとんど何も明らかにしなかった。クック氏は、中国などの現地法が技術的、政治的な障害になる地域での経営の複雑さを述べ、Appleが30%の手数料をとっているアプリ内購入の範囲を拡大したことについての議論を最小化した。非公開法廷での証言がもう少し行われたが、機密情報に関わるため我々が知ることはないだろう。

裁判は終わりに近づき、そこに驚きはほとんどなかった。双方が最初に主張を展開し、そのほとんどは裁判長による事実の解釈に委ねられる。劇的な驚きも決定的な証拠もなかった。それは何が独占的行為を構成するかに関する新たな主張にすぎなかった。AppleはAndroidとの競争は存在し熾烈であり、ゲームの世界ではWindowsとゲーム専用機とも競争していると頑なに主張した。

判決がどちらに傾いたとしても、控訴されて上級裁判所に行くことはほぼ必然だが、判決は、Epicの主張(とAppleのぼやかし)がどこまで受け入れられたかを示す強力な指標になる。いずれにせよ、EpicやAppleのApp Store手数料(会社がどう隠そうとも莫大な利益を挙げている)を批判するその他の人々にとって、目的はすでに達成されている。Appleが最初の100万ドル(約1億1000万円)に対する手数料を15%に引き下げたことは、デベロッパーの騒動とマスコミの酷評に対する答えであることは明らかであり、今Appleはソーセージがどうやって作られているかを守る立場に立たされている。

Appleの陽極酸化アルミニウムの塔を曇らせることは、少なくとも目的の一部なので、勝っても負けてもEpicは、払った金に見合うものを手に入れた気分かもしれない。ヨーロッパでの再戦はまだこれからだ。

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タグ:AppleEpic Games反トラスト法裁判ティム・クックApp StoreFortnite

画像クレジット:Josh Edelson/AFP

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Nob Takahashi / facebook

「フォートナイト」開発元Epic Gamesが約1090億円を新たに調達、株式評価額は3兆1300億円に

Epic Gamesの価値はいったいどのくらいなのか?まあ、普通の人間がすんなり解釈できる範囲の金額をとうに超えているのは確かだ。今回のラウンドで、Epic Gamesの評価額は287億ドル(約3兆1300億円)に達した。そう「3兆」。読み間違いではない。マイクロトランザクションにすると……とにかく大変な数だ。

メタバース(Metaverse)を語り始める時は今だ!

大成功を収めたバトルロワイヤルゲーム「Fortnite(フォートナイト)」で知られるEpicは、ソニー・グループから2億ドル(約218億円)の出資を受け、新たな10億ドル(約1090億円)の資金調達ラウンドを発表した。この他にも、Appaloosa、Baillie Gifford、Fidelity Management & Research Company LLC、GIC(シンガポール政府投資公社)、T. Rowe Price Associates投資信託、Ontario Teachers’ Pension Plan Board、BlackRock投資信託、Park West、KKR、AllianceBernstein、Altimeter、Franklin Templeton、Luxor Capitalなど、予想どおり長いリストの投資家たちが参加した。

創業者兼CEOのTim Sweeney(ティム・スウィーニー)氏は、このニュースに関した声明の中でこう述べている。「Epicとメタバースに対する当社のビジョンを支持してくださる、新規および既存投資家のみなさまに感謝しています。彼らの投資は「フォートナイト」「Rocket League(ロケットリーグ)」「Fall Guys(フォールガイズ)」における、コネクテッドソーシャルエクスペリエンスの構築に向けた当社の活動を加速させると同時に、Unreal Engine(アンリアル・エンジン)、Epic Online Services、Epic Games Storeを通じ、ゲーム開発者やクリエイターに力を与えることになります」。

支配株主であるスウィーニー氏には、感謝する理由がたっぷりある。

ここ数カ月、Epicにとっては忙しい日々が続いている。同社はゲーム内課金の収益をめぐり、Apple(アップル)およびGoogle(グーグル)との間で継続的な争いを繰り広げている。2021年5月初めには、テック界の大物たちが参加する裁判が開始される予定だ。

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Epicはまた、2021年3月にFall Guysの開発元であるMediatonic(メディアトニック)を買収するなど、すでに非常に潤沢だった資金を使って複数のゲーム開発者やパブリッシングスタジオを買収している。この傾向は、今回の大規模なラウンドでもほぼ確実に続くだろう。

今回の資金調達により、ソニーとの関係もさらに強化されることになりそうだ。プレスリリースでは、ソニーグループの吉田憲一郎会長兼CEOが次のようにコメントしている。

Epicは、ゲームやデジタルエンターテインメント業界のクリエイターをサポートする最先端のテクノロジーを駆使して、革命的な体験を提供し続けています。当社は、世界中の人々に新しいエンターテインメント体験を提供するために、我々のコラボレーションを強化できることをうれしく思います。これは、創造性とテクノロジーの力により、世界を感動で満たすという当社の目的に合致するものだと確信しています。

今回のラウンドに先立ち、同社は2020年8月に実施された17億8000万ドル(約1941億円)のラウンドを含め、総額34億ドル(約3706億円)を調達していた。

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画像クレジット:Kyle Grillot/Bloomberg / Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)