映画やゲームの動きに合わせてカウチを振動させるImmersitがKickstarterでクラウドファンディング中

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Immersitは、今日(米国時間2/10)Kickstarterでローンチした、あなたのリビングのカウチのための、新種のコネクテッドデバイス(connected device)*だ。Immersitは振動を作り出して、あなたを、今見ているムービーやビデオゲームに没入させる。今部屋にあるカウチで、使える。〔*: connected device, インターネットに接続されたデバイス。〕

テーマパークで振動シートに座ったことが、おありかな? Immersitは、それのご家庭用だ。とはいえ、簡単に作れるものではない。同社は新しいカウチを作ってそれを売る方式を最初から拒否し、ちっちゃな台座を既存のカウチの下(脚部の下)に置くやり方にこだわった。その台座は二つの部分に分かれていて、上部が、上下や前後左右に短い周期で動く==振動を発生する。

カウチの中央部に置かれたブリッジが台座内のモーターを制御し、各モーターの同期を図る。キットは565ドルのタイプと904ドルのタイプがある。ムービーやビデオゲーム以外に、VRヘッドセットでも利用できる。いや、用途はもっともっと広い。

ただし、Immersitの各モーターは互いに同期しても、ゲームやムービーの動きとは(視覚的には)同期しない。そこで同社は、いろんな映画の中の振動をエンコードして、あなたが今見ている映画の動きにあった動き(振動)を作り出す。何を見ているかは、自動的に検出する。音声を、その映画の指紋として利用しているのだろう。

Immersitはベッドでもソファーでも、四つ足のものなら何でも使える。振動の強さは変えられるから、眠くなったとき自分を起こせる。

そして、仮想現実だ。仮想現実(VR)のヘッドセットは、それ自身がテレビなどよりも没入的だが、同社はコントローラーやカメラやトレッドミルを利用してVRの没入性を強めようとしている。VRヘッドセットでImmersitを使うのは、良い相性だ。

発売は、今年の12月を予定。ただしクラウドファンディングはどんなものでも、眉にやや唾を付けて見るべきだ。ImmersitはCESで実動プロトタイプを見せたが、最終製品はまだない。でもぼく自身は、ぜひこれを使って、カーチェイスの場面を見てみたいな。

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SEOのためにWebサイトを分析するBotifyが$7.2Mを調達、今後の成長の鍵は新機能の開発

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フランスのBotifyがこのほど、IdinvestVentechより、シリーズAで720万ドルを調達した。同社は、ユーザのWebサイトをクロールしてSEOのためのインサイトを提供するサービスをSaaSとして提供している。

SEOをやってくれるのではなくて、ユーザにそれができるためのデータを提供する。言い換えるとBotifyは一種の分析ツールで、SEOの正しい方針を数字でガイドする。現在顧客数は300を超え、その中にはExpedia, BlaBlaCar, Farfetch, eBayなどもいる。

Botifyには、三つの主要部位がある。まず、クローリングを行うサーバ上のクローラソフトウェア。ユーザは自分のマシンの上で何も動かさなくてよい。Botifyのサーバーがすべてをやってくれる。そして、ユーザのWebサイトに関する総合的な所見を提供する。

次にBotifyは、GoogleやBingのインデクサが使っているクローラーの特徴をユーザに教える。たとえば、ユーザのWebサイトのどのページが、検索エンジンのクローリングの対象になっているのか。

そして三つ目は、ユーザにSEOの詳しい戦略を教えるダッシュボードだ。

Botifyは、二つの点で際立っている。まず、Botifyは、検索エンジンからのトラフィックに大きく依存している大企業(eコマース、運輸交通、メディア、など)がターゲットだ。これらのWebサイトは、トラフィックが増えれば新しいお客さんも増える。

つまりSEOは、サイトのビジターを増やすだけでなく、売上増にも貢献する。そこがBotifyの強みで、企業の利益底上げに貢献するサービスは大歓迎なのだ。

もうひとつは、毎月料金が入ってくる再帰的な価格モデルだ。Botifyの料金は月額569ドルから999ドルまで。すでに300社が顧客だから、ビジネスモデルは健全だ。ただし、SEOの問題が解決したら数か月でさよなら、にならないためには、今後の新機能の開発がきわめて重要だ。

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ピアツーピア方式でビデオストリームを低コスト化するStreamrootがシード資金$250Mを獲得

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ビデオをストリーミングで提供するWebサイトをやっている技術者にとって、“ピーク時”は恐怖の言葉だ。Streamrootは、ビデオストリーミングの帯域や所要時間、ビットレートなど重要要素を、常時正常に維持するサービスを提供する。具体的には、Streamrootは通常のストリーミングサービスに加えて、ピアツーピアによる他の視聴者からのダウンロードも行う。

同社はこのほど250万ドルのシード資金をPartech Venturesから獲得、そのラウンドにはWalnut Venture Associates, Cherrystone Angel Group, Jean-David BlancそしてBpifranceらが参加した。

ビデオストリーミングの効率化といえば、Joost, Miro, Pandoなどなどすでに耳タコだと思うが、でもこれまでのそれらはもっぱら、デスクトップやモバイルのアプリ、あるいはブラウザのエクステンションだった。

Streamrootが他と違うのは、Webサーバがそれを使うことだ。Webのエンドユーザは、何もダウンロード/インストールする必要がない。WebサイトがStreamrootを使っていれば、それでよい。分かりやすく言うと、YouTubeが明日からStreamrootを使い始めても、エンドユーザは何一つ気づかない。

タイミング的にも、これからのWebはピアツーピアのビデオストリーミングの時代になるだろう。StreamrootはそのためにWebRTCと、独自のピアツーピアモジュール、HTML5によるビデオ埋め込み、適応ビットレート、などの技術を使っている。ライブのストリームも扱える。

ビデオを見ているエンドユーザは何も気づかないが、Streamrootはその楽屋裏で、そのビデオを今見ているほかのユーザから送信する。そしてそれによって、送信を高速化し、コストを下げる。

Streamrootがサーバをリプレースするのではなく、サーバの帯域負荷をやや軽くするのだ。違いは、Streamrootを使っていないサイトで人気のライブストリームを見ようとしたときに、たぶん分かるだろう。

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本などからの引用文を共有するQuotleはInstagramとOneShotのハイブリッドだ

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Quotleは、OneShotとInstagramのハイブリッドみたいな、おもしろいアプリだ。ただし対象は写真ではなくて、本などからの引用だ。今はiOSだけだが、感銘した言葉をノートにメモしておいて、それをソーシャルに共有する(例: 結婚式のスピーチで利用する)、という人類の古くからの慣習を、デジタル化/ネット化している。

Quotleには三つの機能がある。引用文を作ること、それらを共有すること、そしてほかの人をフォローすること。この三つをすべて使う人は少ないかもしれないが、いずれもこの種のアプリには欠かせない機能だ。

まず引用文の作り方は、スマホ上でテキストを手入力してもよいし、本やeリーダーをスキャンしてテキストをコピーしてもよい。後者に関しては、このアプリにOCR機能がある。そうやって引用テキストができたら、出典を記入する。引用テキストのためのフォントを指定できる(Georgia, Folio, Helvetica Neueなど5種)。

次は共有。その画面はInstagramの共有画面によく似ている。Instagramが短期間で成功したのも、この画面のおかげだ。簡単な説明をつけた引用文を、QuotleだけでなくFacebookやTwitter、Evernoteなどでも共有できる。

共有した引用文は、ソーシャルネットワーク上で、きれいなポスターのような画像になる。これまでの数週間で、FacebookやTwitterでQuotleのポストをたくさん見たが、引用の見せ方としてはなかなか効果的だ。

InstagramはポストするAPIを公開していないが、もしもそのAPIを使ってQuotleのようなアプリを作ったら、Instagramがおもしろい画像引用アプリにもなるだろうし、またディープリンクを有効に活用できるだろう。なかなか便利だし、ほかのソーシャルアプリは、前からこのテクニックを使っている。

Quotle自身が小さなソーシャルネットワークでもある。誰かをフォローしたり、ポストをlikeしたり、コメントも書ける。Quotleのソーシャル機能はまだあまり活発ではないが、アプリのユーザが増えればにぎやかになるだろう。

InstagramがFlickrを陳腐化したのは、Flickrのモバイルアプリがなかったからだ。同じ意味で、QuotleはGoodreadsを陳腐化するかもしれない。

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会議の準備・進行・記録・反省をわかりやすい文書構造で支援するSolidが無料の公開ベータ中

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大きめの企業のための会議支援/会議管理アプリケーションWisemblyを作ったチームが、今度は小企業向けに小さな会議をサポートするSolidをローンチした。

Wisemblyの協同ファウンダRomain Davidは語る: “Solidのアイデアは前からあった。Wisemblyは10人から15人ぐらいの会議を想定しているが、もっと小さな企業の小さな会議を助けたい、と思った”。

というわけで、今では、Wisemblyという企業に、大企業向けのWisemblyと、小企業向けのSolidという二つのプロダクトがある、という状態になった。社名とメインの製品名が同じのスタートアップは、よくある。

Davidは述べる、“会議の準備なんかしない会社が多いし、過去の会議の記録がないことも多い”。ではどうやって、会議の準備や記録を容易に定型化したらよいだろうか? まず、GoogleやOffice 365のアカウントでSolidにサインアップする。Solidはカレンダーからすべての会議を取り出す。会議以外のイベントは無視される。

そうすると、今後の会議の予定が分かるから、事前に準備ができる。それぞれの会議について、準備がどこまでできてるかも分かる。具体的には、こんなインタフェイスだ:

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事前に、目標と議題を記入する。各議題項目には注記をつける。注記の中には、行動や実施の項目を、できるかぎり記入する。並び順を変えるのはドラッグ&ドロップで簡単にできるし、全体の構成は上図のように自動的にできる。会議に合った構成なので、空のWord文書を前にして途方に暮れることはない。

会議が始まったら、ノートを取り、ほかの文書を加え、要所々々で時間/時刻を記入する。会議が終わったらレポートをSlackやEvernote、メールなどで配布できる。もちろん、レポートはすべて、Solid上で見ることができる。

Solidは会議に要した時間も記録するので、どれだけ効率的に会議ができたかを反省することもできる。今は、無料の公開ベータだ。今、iOSアプリも作っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

「お昼の相手を探す」サービスを大企業に売り込んだNever Eat Alone

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Never Eat Aloneの背景にあるのは、非常にシンプルなアイデアだ。しかしどうやら面白いビジネスチャネルを発掘したようだ。大企業に勤めていると、自分の部署の人とばかりランチにいくことが多くなる。もしいつもの仲間がいなければ、社内にいくらでも一緒にランチすると楽しそうな人がいるのに、結局ひとりで食事をすることになるケースが多い。Never Eat Aloneが着目したのは、まさにここだ。

「一緒にランチをする人を探す」というと、コンシューマー系のサービスだと思うかもしれないが、開発したフランスのスタートアップは別のアプローチを考えた。すなわち、フランスの上場企業に対し、従業員に使わせるためのライセンスを販売することにしたのだ。この方針がぴったりあたった。従業員のためにと導入する企業への売り上げが、数万ドル単位に達しているのだ。

共同ファウンダー兼CEOのMarie Schneegansが、アイデアの背景を教えてくれた。すなわち彼女がUBSで夏季インターンシップを行なっていたとき、彼女は部署を問わずにできるだけ多くの人に会いたいと考えたそうだ。しかし待っているだけではなかなかそういう機会も生まれなかった。それであちこちにメールを送ってランチの約束をしていたのだそうだ。ついにはUBSのCEOとランチすることもできたのだそうだ。

そうした経験から生み出されたNever Eat Aloneは、まさに当時の彼女がもっていた目的を実現するためのものだと言ってよいだろう。大企業には確かにこうしたサービスに対するニーズがあるのかもしれない。社内の人間関係を良くするのに役立ちそうだ。社内の風通しがよくなり、新しいアイデアが出てくるようになる可能性もある。企業文化の醸成といった面でも役立つことがあるだろう。

従業員側からすれば、Never Eat Aloneを使うか使わないかは全くの自由だ。使う場合には登録して自分のプロフィールを作成する。趣味などを記載しておいて、気が合いそうなランチ仲間を探すことができるようになるわけだ。普段は交流のない法務部にも、テニス好きの仲間がいるのを見つけられるかもしれない。

Never Eat Aloneとしては、ランチアプリケーション以外にも、企業文化の醸成に役立つサービスを展開していきたい考えであるらしい。アメリカの企業とも手を組んでいく予定になっているそうだ。大企業の規模(そしてもちろん大きな予算)に注目したサービスというのに、もっと注目しても良いのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H

フランス発、個人間の「学び」(ウクレレや数学など)を仲介する「ココロエ」

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フランスのスタートアップである「ココロエ」(kokoroe)は、学習(レッスン)のマーケットプレイスを提供している。サイトにてギターやカメラの先生をみつけ、そして指導を申し込むことができるのだ。教える側も、生徒を発見するツールとして利用できるのはもちろん、指導予定などの管理も行えるようになっている。

現在のところ、人気のあるジャンルベスト10は英語、コンピューターおよびIT、ギター、料理、メーキャップ、ダンス、クチュール、数学、ピアノ、そして写真となっている。これをみてもおわかりの通り、「ココロエ」で提供しているのは「勉強」ばかりではない。

「ココロエ」がスタートしたのは5ヶ月前のことだが、既に2500人の「講師」が登録し、300以上のレッスンを提供している。講師側にとっては、サインアップして指導できる内容を登録すると、きちんとまとまったプロフィールページが作成されるのも魅力のひとつだろう。フリーで著述業をしている人のためのReedsy同様に、ネット上で有効に自分をアピールすることができる。

「ココロエ」はこれまでにKima Ventures、DeezerのDaniel Marhely、Cyril Aouizerate、Julien Codorniou、Olivier Gonzalez、およびRenaud Guillermから28万ドル(€250,000)のシード資金を獲得している。来年にはドイツや他のヨーロッパ諸国に対応し、モバイルアプリケーションも提供したい考えだ。

共同ファウンダーのBéatrice Gheraraは「DIY、創作、コンピューターなどを始めてみたいと考える大人を対象としています。学習者として登録する人は25歳から35歳が多いようです」と言っている。「ウクレレコースはもちろん、他にはなかなか見つけられない火食い術コースなどもあります」。

「ココロエ」側はコースの成約毎に€2.50ないしコース料金の10%を徴収する。Airbnbのように、支払いや予約管理、予定表などの機能も提供している。将来的には何らかのリワードを提供するゲーミフィケーションも行いたいと考えているそうだ。

個人間レッスンのニーズはかなり大きいと見られているが、今のところは標準的なサービスはまだ生まれていない。「ココロエ」も、もちろんその地位の獲得を狙っているわけだ。「オリガミ講座」なんてのがあれば、ちょっと学んでみたい気もする。

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(翻訳:Maeda, H

ひとつの物理サーバのパワーを仮想化で切り分けて提供するのでなく、最初から超安価な専用サーバをユーザに提供するScaleway

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フランスのホスティングの老舗Online.netがこのほどリリースした最新プロダクトScalewayは、クラウドホスティング全盛の今日にあって、異色の野獣だ。つまりこれは、Amazon Web ServicesやDigitalOceanなどなどのVPSプロバイダと直接競合する仮想クラウドホスティングのインフラストラクチャではなくて、ARMのチップセットを搭載した超小型の物理サーバなのだ(上図)。

そのため同社は、ホスティングの料金を劇的に下げることができる。SSD付きのベアメタルサーバで、RAM 2GB、ストレージ50GBの基本仕様が、月額わずか3ドル40セント(€2.99)だ。これは同社のこれまでの通常のホスティングサービスならは11ドル21セント(€9.99)のサービスに相当する。

既存ユーザもScalewayに切り替えるので、同じ低料金が適用される、と同社はツイートしている。このベアメタルサーバに使用しているARM v7チップセットは元々スマートフォン用なので、電力消費もきわめて少なく、またスペースも冷却用電力もあまり要しない。今同社では、912基のScalewayコンピュータを一つのラックに収めている。

この専用サーバがさらに仮想化を行う、というサービスのアーキテクチャなので、きわめて効率的でもある。ユーザから見た形は、4コアCPU、専用IP、200Mbit/sの定額制の帯域、となる。AWSなど通常のVPSのように、ひとつの物理CPUのパワーを複数のユーザが分有し、それぞれ自分の仮想マシンとして利用する、という形ではない。物理CPUがそれぞれのユーザの専用機だ。

使い方、使い勝手は、従来のホスティングサービスと何ら変わらない。インスタンスを始動してその上にディストリビューションやアプリケーションをインストールする作業は、わずか数クリックで完了する。すでにARMバイナリのアプリケーションはかなり多いが、そのほかの有力アプリケーションはScalewayのチームがポート作業を行った。ディストリビューションは、DebianもUbuntuもFedoraもARM版がすでにある。〔RHELはプレビュー段階?〕

ストレージの増設やAmazon S3の統合は、数クリックで行える。サーバモデルは一つなので、RAMやCPUパワーを拡張したければ既存のイメージで新しいサーバをブートアップし、それをそのほかのサーバと協働させる。目下サーバはすべて、フランスにある同社の親会社Iliadのデータセンターでホストされている。

最初、Scalewayは研究プロジェクトだった。しかしその後、クラウドホスティング(VPS)に代わる技術として、その将来性が着目されるようになった。今回は劇的な料金値下げが実現し、既存勢力との本格的な勝負が可能になった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

自転車版スマートウォッチともいえる「Haiku」。スマートフォンと連携して自転車ライドを充実サポート

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自転車で走りながら、どちらに進むべきかを悩んだことのある人は多いことだろう。そうした経験を持つ人に、Haikuを提案してみたい。小さな自転車用コンピューターで、自転車用スマートウォッチ的な機能を持つ。開発したのはフランスのスタートアップで、現在Kickstarterキャンペーンを展開中。今なら70ドルでHaikuを入手できる。

Haikuは自転車のハンドル部に取り付けて用いるが、簡単につけはずしをすることができる。Bluetooth経由でスマートフォンと繋がり、進行方向など必要な情報を伝えてくれる。

Haikuを利用するのは自転車に乗っているときだけとなるので、デバイスには複雑なインタフェースなど全く備わっていない。目的地の設定などはスマートフォン側で行うようになっている。曲がるべき道にやってくれば、Haikuの画面上にシンプルな矢印が表示されるという仕組みだ。

スマートフォン側にメッセージを受け取ったり、電話着信があった場合には、Haikuに備わったカラーLEDが明滅して知らせてくれるようになっている。送られたメッセージをみたいときには、Haikuの前で手を振ればOKだ。走っている間は運転に集中し、そして停まった時に簡単にメッセージの確認などを行うことができるわけだ。

また、通常のサイクルコンピューターが行うようなこともできるようになっている。たとえばスマートフォン側のGPSを使って自転車の速度を計測することもできる。また走行データはStravaにアップロードされるようになっている。AppleのHealthKitやGoogle Fitと連携することも可能だ。

実は6月にプロトタイプを見せてもらったことがある。そのときに予定されていた機能はどうやらすべて盛り込まれたようだ。細部を見れば、Haikuのメンバーがみな自転車大好きな連中ばかりであることがよくわかる。ハンドルへの着脱の容易性をみても、自転車乗りのニーズに応えようとしていることがみてとれるだろう。自転車から離れるとき、高価なパーツは取り外して持ち運びたいと考えるのが普通なのだ。

Haikuにはボタンもなければ、またディスプレイもタッチ式になっていない。自転車乗りは往々にして手袋をつけているわけで、その点から考えても当然のことと思える。バッテリーは充電式(マイクロUSBケーブル)で、1回の充電で12時間動作するそうだ。

これを「タイヤの再発見」的デバイスであると考えてしまう人もいるかもしれない。確かに機能的にはスマートフォンないしスマートウォッチでできることばかりだからだ。しかし自転車に乗っているときに便利になるように、とする配慮が隅々まで行き届いている。スマートフォンがあればできることばかりではあるが、しかし自転車ライド時に「よりよく」行うことができるのだ。

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(翻訳:Maeda, H

お気に入りの「場所」をブックマークしておくためのMapstr、80万ドルを調達して新たな未来を画策中

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フランスのスタートアップであるMapstrが、提供する地図アプリケーションをご存知だろうか。しばらく前にバージョン1.0をリリースしたのだが、すでに次版を見据えた企画が進行中であるらしい。エンジェル投資家たちから80万ドルの資金を獲得し、数ヶ月のうちに新しい機能をリリースするとしている。

ご存じない方のために記しておくと、Mapstrは「場所」を対象としたブックマークサービスだ。地図とメモ機能をミックスして、お気に入りの場所を記録しておいたり、行きたい場所をチェックしておくことができる。

登録した場所にはいくつでも好きなだけタグ(restaurant、sushi、cocktail、など)を付けることができ、過去の記録情報を簡単に探すことができるようにもなっている。営業時間や電話番号なども、簡単に記録しておけるようになっている。

MapstrのファウンダーであるSébastien Caronとは先週話をする機会があった。このアプリケーションで実現したいことなどをいろいろと教えてくれた。先月にバージョン1.0をリリースして以来、5万人が利用して、40万ヶ所が登録されているのだそうだ。

最初に試したベータ版の頃は、情報をローカルに保存しておく自分のためだけのツールという体裁だった。バージョン1.0からは、自分の登録した場所を一覧できるプロフィール画面の機能が実装され、またそれらの場所情報を友人とシェアできるようになった。他の人を友だち登録すれば、その人が公開しているマップ情報を見て、そして面白そうな場所を発見することができるようになっているのだ。

このプロフィール機能は、Mapstrの今後にとってもとても重要なものだ。多くの人に「場所発見ツール」として使ってもらうため、たくさんの人に場所情報をブックマークして共有してもらいたいと考えているのだ。そしてそうした情報をより積極的に活用していきたいと考えている。これから実装する機能の一部を紹介すれば、まずブックマークした場所の近くにきたときに通知を送る機能を考えているそうだ。これにより、近くまで来ていたのにうっかり立ち寄り損ねてしまうようなことを防ぐことができる。また、場所をブックマークするだけでなく、自分で撮影した写真も加えられるようにしようとしている。ブックマークしたレストランのメニュー情報などもあわせて記録しておくことができるわけだ。さらに「オフィシャルマップ」の機能も考えているそうだ。たとえば雑誌社などが地図を作成し、一般の利用者たちがその情報をフォローするような使い道を考えている様子。

なお、現在はiOS版のみが提供されている。Mapstrとしては、近々Android版およびApple Watch版もリリースしたいと考えているのだそうだ。などなど。ともかく多くのプランが現在進行形で動いているところであるらしい。新たに獲得した資金で、試してみたいことがいろいろとあるようだ。

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(翻訳:Maeda, H

企業がAndroidの開発〜デプロイに取り組むときに必要なツールセットを提供するGenymobileが$7.7Mを調達…いわばAndroidのRed Hat

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フランスのGenymobileは、企業のために統一的なAndroidプラットホームを提供する、という意欲的なミッションを掲げている。同社はこのほど、Alven CapitalBpifranceから770万ドルを調達した。現在同社は、AndroidデベロッパやITマネージャやOEMにとってAndroidをもっと使いやすいものにするための、3つのプロダクトを作っている。GenymobileはすべてのAndroidデバイスで使えるソフトウェアを作ることによって、よく言われるAndroidの分裂(fragmentation)問題を、過去のものにしようとしている。

協同ファウンダでCEOのArnaud Dupuisは語る、“Genymobileを始めたときは、Androidを選ぶのが当然、という世の中だった。多くのモバイルショップがあり、どこもかしこも、Androidアプリを作ろうとしていた。でも、そういう新興企業にはITの担当者がいない。だからちょうどRed Hatが企業世界でLinuxベンダを代表しているように、うちがAndroidのRed Hatになるべきだ、と考えた。最初のしばらくはコンサルティングで稼いでいたが、その後、うち独自のAndroidエミュレータGenymotionを作った。当時はまだ、Googleのエミュレータはプロフェッショナルな出来栄えではなかった”。

これまでGenymobileは、まさにそのAndroidエミュレータGenymotionで名前を知られていた。フリーミアムとして利用でき、330万のアクティブユーザがAndroidアプリを開発するために使っている。そして一つのエミュレータで、Androidのいろんな構成をシミュレートできる。

Genymotionでは、ほんの数クリックで仮想デバイスを始動でき、パフォーマンスを調べたり、電話の起呼や、ネットワークが落ちたり、デバイスのパフォーマンスが劣化する様子をシミュレートすることもできる。基本的にはこのエミュレータは、Androidのバージョン2.3から5.1までの、3500種のAndroidデバイスをシミュレートできる。

今ではSamsung、Facebook、Twitter、Microsoft、それにGoogleなど、大手テクノロジ企業のQA部門がGenymotionを使っている。これらの企業が払うライセンス料は、年間300ユーロだ。有料顧客数はほぼ1万だから、Genymobileの最初の製品の年商は順調である。

Genymobileがその後リリースしたGenydeployは、IT部門のためのデプロイツールだ。企業はAndroid機を社員たちに渡す前に、アプリケーションをインストールし、またAPNやVPNをセットアップしなければならない。Genydeployは、この面倒な作業を肩代わりする。

協同ファウンダで副CEOのAngélique Zettorによると、これまでのIT部門は電話機の構成を手作業でやっていたが、このツールのおかげで大幅なスピードアップが可能になっている。

今作っている同社3つ目のツールGenymasterは、いわば多機能構成ツールだ。たとえばユーザの社内事情によってはEthernetのサポートも加えるし、USB→Ethernet変換ドングルを社員たちに配ってそれをテストする。あるいはOSをユーザ企業独自のブランドへとカスタマイズする。オンラインアップデートを管理し、Androidのアップデートがユーザのアプリを干渉/破壊等しないようにする。などなど。

きわめて低レベルのカスタマイゼーションだから、Androidの裏も表も知り尽くした技術者でないと扱えない。したがって、Genymobileでプロダクト以上に価値があるのが技術者たちだ。そもそも、高度なAndroidエミュレータや企業向けのデプロイツールをAndroidの総元締めであるはずのGoogleが提供しないのがおかしい、とも言える。でもGoogleがやらないからこそ、今日のGenymobileの存在価値がある、とも言えるのだ。

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SamsungがIoTのための専用ネットワークSigfoxの巨額資金調達に参加…自らのARTIKプラットホームのベースに

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Sigfoxの1億1500万ドル(1億ユーロ)という巨額なラウンドは、まだ終わっていない。今日(米国時間6/15)はSamsungも記者会見で、このフランスのスタートアップへの投資を発表した。同社による追加投資の額は公表されていないが、情報筋によると、さらに二社が、Sigfoxの現在のラウンドで投資をしている。うち一社は、Samusungクラスの大手テク企業だそうだ。そこからの発表も、いずれあるだろう。

今日の記者会見は、Samsungが同社の新しいプラットホームARTIKを紹介するビッグツアーの一環だ。ARTIKは、インターネットに接続されるオブジェクトのためのハードウェア+ソフトウェアのソリューションで、そんなオブジェクトの専門企業を顧客としてねらっている。汎用ボード製品やセンサ、関連チップなどでSamsungは、IntelやQualcommと競合することになる。

Samsungの社長でCSO(Chief Strategy Officer)のYoung Sohnはこう述べる: “Sigfoxに投資をしたが、より重要なのは同社が弊社のパートナーであることだ。すなわち、ARTIKのデベロッパキットにはSigfox互換のハードウェアチップが含まれていて、そのまますぐに、Sigfoxのネットワークを使って仕事ができる”。

フランスのスタートアップであるSigfoxは、インターネットに接続されるオブジェクトのため専用の、ローコストなセルラネットワークを作っている。このネットワークを介して小さなオブジェクトがSigfoxのサーバと会話する…その電池はとても小さく、そしてハードウェアは安い。たとえばSigfoxのネットワークのユーザであるWeenatは、ライブのデータファーミングのためのセンサを作っている。それらの、電池効率が良くて長時間稼働するデバイスを、今の(主に携帯電話用の)セルネットワークで実効的に使用することはできない。

10年間Arevaを統率してきたAnne Lauvergeonが、2014年に同社の取締役会に加わった。今回の資金調達は彼女の手腕、という噂もある。たしかにそれは、Sigfoxの従来の資金調達のやり方と違う。同社はVCに頼るというよりも、キャリアや大手上場企業に直接働きかけて、彼らに投資機会を提供してきた。現在のラウンドの投資家にも、スペインや韓国、日本などのキャリアの名が見える(Telefonica、SK Telecom、NTT DOCOMO)し、またフランスの大企業GDF Suez(今はEngie)、Air Liquide、Eutelsatなども加わっている。

Samsungは今日、クラウドサービスやそのほかのソフトウェアサービスの拠点として、パリにイノベーションセンターを開く、と発表した。“実はわが社は、フランスにおけるテクノロジ産業への取り組みがとても活発だと考えている。Samsungとしても、そのお仲間に加わらないという選択肢はありえない。今後も、フランスにおける投資を継続していきたい”、とSohnは語った。
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Webサイト用検索ボックスの最高傑作Algoliaが$18.3を獲得、CrunchBaseも使ってるぞ

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リアルタイム検索をSaaSで提供しているAlgoliaがこのほど、Accel Partnersが指揮するラウンドにより1830万ドルを調達し、AccelのパートナーPhilippe Botteriを取締役会に迎えた。同社としては、120万ドルのシード資金の次の、本格的な資金導入である。Algoliaは、Webサイトが備える使いやすい検索ボックスを提供し、その快適な使い心地は、OS XのSpotlightをWebで使ってるような感じだ。

また、AlgoliaはSaaSなので、ユーザが自分のWebサイトに実装するのがとても簡単だ。たとえば自分のデータベースのための検索ボックスを同社の検索エンジンで実装するためには、同社のAPIをJSON形式のデータで呼び出すコードを、ほんの数行書くだけだ。その際、ニーズに合わせたカスタマイズもできる。それだけで、ユーザはそのWebサイトで検索ができるようになる。検索ボックスはページの上辺にあるから、ユーザは今のページにいながらにして検索ができる。Algoliaはデータセンターを地球上の12箇所に置き、グローバルな応答性を確保しようとしている。

Webサイトで検索をしようとすると、苦痛な経験に終ることが多い。どんなクェリを入力すればよいのかも、分からない。[Enter]を押すと、急に、結果表示用の別のページへ連れて行かれる。しかもそのページに、かんじんの、自分が探しているものがないことが多い。そこでしぶしぶ、Googleの検索を立ち上げ、クェリの後ろに’site:’オプションをつけて検索する始末だ。

AlgoliaとほかのWebサイトを比べると、月とスッポンだ。Algoliaでは、結果が今見てるページの上にドロップダウンリストで出るから、その中のどれかをクリックするのはGoogleの場合よりもはやい。機能もたくさあり、人気や地理的な位置、タグ、日付などで結果を絞り込むこともできる。

Webサイトの検索機能にイライラしたときは、いつも、Algoliaを使えばよいのに!と思う。今では600社がAlgoliaを使っており、毎月40億件あまりのクェリを処理している。CrunchBase、Genius.com、Vevo、Medium、WeWork、Teespring、Arc’teryx、Product HuntなどもAlgoliaのユーザ企業だ。

フランス生まれの企業だが、今はサンフランシスコに本社がある。これまでの投資家Alven Capital、Point Nine Capital、それにStorm Venturesも今日のラウンドに参加した。そのほか、Edge CapitalやParseのIlya Sukhar、DockerのSolomon Hykes、Kevin Rose、SplunkのErik Swanなどなども。新たな資金で同社は開発のサイクルを早め、また新たな顧客獲得のための営業活動も活発化するだろう。

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楽器の練習と進歩がゲーム感覚になるJellynote、ビデオとの同期があるなど、けっこう高機能

フランス生まれのJellynoteは、新しいけどみんながよく分かる方法で、楽器の練習を提供する。Jellynoteでは、スコア(楽譜)とYouTube上の(その曲の)カバービデオを同時に見たり、ソングブックを作ったり、曲の別のバージョンを提案したりする。でも最大の機能は、Guitar Hero的なモードでマイクを利用できることだ。ビデオゲームをプレイするような感覚だが、ギターは本物だし、正しい音を出したかどうかがリアルタイムで分かり、演奏の進行がスコアに表示されていく。

協同ファウンダでCEOのBaptiste Poirierは、こう言う: “新しい楽器の練習を始めたときには、重要な課題が三つある。コンテンツを見つけること、その読み方を学ぶこと、そしてモチベーションを維持することだ”。

JellynoteのWebサイトへ行ってみると、インターネットの上でよく見る、画像を散りばめたスコアのデータベースではないことが、すぐに分かる。また、良質なユーザ体験のための工夫が、いくつも隠されている。

たとえば.midiファイルからスコアを起こすツールがある。また、Spotifyなどでアーチストや曲を見つけると、スコアが出て、ギター、ベース、ピアノなど好きなパートを演奏でき、テンポなども変えられる。

カバービデオに対しては、Jellynoteがオーディオトラックを分析し、それにシンクする形で、スコアがリアルタイムで表示される。スコアのどこかへジャンプして、ビデオ上でそこの部分の弾き方を見る、なんてこともできる。そして新しい曲を練習することは、Guitar Heroでハイスコアを叩き出すことに似ている。

Jellynoteが音楽練習ツールとして優れているのは、主に二つの点だ。くそまじめな、ステップバイステップのコースではないこと(それだとあきる人が多い)。それに、Jellynoteに何度でも戻ってきたくなる細かい仕掛けがたくさんあって、練習に意欲が出ることだ。

Jellynoteは、WebとAndroidiOSで使える。スコアデータベースの利用は無料だがビデオとのシンクやマイクを使うGuitar Heroモードには月額5ドルを払う。

著作権のある曲の場合は、Jellynoteと権利者が売上を折半する。でも今のところJellynoteは、コンテンツのオーナーにとって、雲の下を低空飛行しているようなもので、彼らのレーダーには映らないだろう。


〔ここにスライドが表示されない場合は、原文を見てください。画像が10枚もあります。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa


起業家だけを対象にプロダクト指向でプログラミングを短期特訓するLe Wagon

プログラミングのブートキャンプ(bootcamp, 短期特訓集会)は珍しくないが、でもヨーロッパよりは圧倒的に合衆国に多い。だから昨年フランスでLe Wagonがスタートしたときは、閉塞感が破られたように爽快だった。それはブートキャンプをヨーロッパで広めることだけが目的ではなく、独自の趣向も持っていた。つまりLe Wagonは、起業家を対象とするプログラミングスクールなのだ。同社独自の高品質な教材により、生徒は2か月でプログラミングを学ぶ。

協同ファウンダでCOOのRomain Paillardは次のように言う: “仲間たちはみんな、こういうタイプの学習/教育の必要性を痛感していた。生徒が、というより、それは今の産業や経済が求めているものだ。Le Wagonを卒業した生徒は、自分のやりたいことができるようになるからね。来年からはうちから毎月、20名のCTOやCEOが生まれるだろう”。

単なるプログラマではなくて有能なCTOやCEOが生まれる、というところにLe Wagonの独自性がある。生徒の中にはビジネススクールや大学の工学部の卒業生もいる。しかしそのような経歴を、実際のコードに生かす方法を知らない。

Le Wagonは、プロダクトのアクセラレータを自称している。ふつうのスタートアップアクセラレータのように経営のことを教えるのではなく、プロダクト、すなわち製品開発のAからZまでを学ぶ。この学校へ入るときは、自分のアイデアを持って入る。それをスクラッチからプログラミングして、MVP(Minimum Viable Product, 最小限の機能だけを持った実用製品)〔日本語記事〕を作る。2か月経って卒業したら、そのプロジェクトをさらに磨いてもよい。

たとえばBouquetは、花束を頼んd配達してもらうアプリだ。Roadstrは、いわばヴィンテージカーのDrivyだ。Kudozは、求人市場のためのTinderだ。これらはどれも、Le Wagonの生徒たちのプロジェクトで、ほかにもいろいろなプロダクトの例がある。

Le Wagonでの2か月の集中学習を経て、StripeやFinexkapのエンジニアになった人たちもいる。学費は5000ドルとお高いが、それを投資と考えるべきだ。事実、次の2校期(4か月)はすでに満席で、申し込みを締めきっている。

でも、Le Wagonみたいな方式の学習/教育サービスは、スケールするのだろうか? Le Wagonは、一年かけて自分たちの教育過程を標準化している。そして独自に開発した 学習プラットホームは、練習問題、教師との面談、グループ学習(互いに他人がやってることを見てそれらから学ぶ)などから成る。このように、すでに教程の形式化・標準化・規格化が為されているので、新しい場所で校期を展開することも、比較的容易だ。実際、来年以降はブラッセルやナンシー、スーストンなどでの開校を予定している(今はパリのみ)。

またLe Wagonは、新しい形の教程をトライしようとしている。Pillardによると、“来年は対象を絞り込んだ短期のセッション…たとえばiOS開発…もやりたい。そういう複数の小さなコースを束ねて、大きなオンラインコースを作ることもできる”、ということだ。

つまりLe Wagonは、TreehouseCode Schoolなどとも競合する立場になる。すべての教材が、すでに英語化されている。今後はそれを、ブートキャンプで実際に使って、さらに磨いていく予定だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


「読書」を「ソーシャル化」する新たな電子書籍リーダーのGlose

スマートフォンやタブレット、あるいはノートPCなどでも利用できる電子書籍リーダーのGloseをご存知だろうか。これまでの電子書籍リーダー(Kindleなど)にソーシャル要素を加えたものだ。書籍の内容を友だちや、他のGlose利用者と話し合ったり、あるいは簡単にメモを共有したりすることもできる。友だちの書いた注釈メモなどを眺めて、その本を読む前からいったいどのような内容なのかを理解することもできる。ある本に興味を持った人たちを、ソーシャルに繋ぐサービスを展開しようとしているわけだ。

それに加えて、電子書籍ストアとしてのサービスも展開している。サービス開始時点で、Penguin Random House、HarperCollins、HachetteおよびMacmillanなど、5大出版社中の4社などの、30万冊を扱っている。価格はKindleストアやiBookストアと同程度だ。他の電子書籍販売サービスと同様に、一度購入すれば対応しているさまざまなデバイスで本を読むことができる。

最初に登録すると、Gloseはいくつかの本をレコメンドしてくるようになっている。レコメンドされた本には、より多くの注釈などが登録されていて、サービスの機能をよりわかりやすく楽しめるようになっている。

当方ではBen HorowitzのThe Hard Things About Hard Thingsを試してみた。ベータサービス段階で多くの人がこの本を読み、そしてたくさんのメモを残している。興味深いメモも多く、ぜひとも続きを読んでみたいという気持ちになった。どうやらGloseはノンフィクションとの親和性が高いようにも感じる。このTha Hard Things About Hard Thingsの場合、テック業界で働いていて、本書の内容を実際に体験した人の話なども掲載されていた。

「本を読むときはメモを手元において、後で暗唱したい言葉などを抜き書きしていたものでした」と共同ファウンダー兼CEOのNicolas Princenが電話インタビューに応えて言っていた。「そして、そのノートはなくしてしまったのです」だそうだ。

そんなことがあってPrincenは、デジタルツールを探し始めた。もちろんEvernoteなども試してみたそうだが、どうにもしっくりくるものが見つけられなかったそうだ。そのような中、共同ファウンダー兼CTOであるJulien Chaumondと共に、複数の人で同じ本を読みながら意見をやりとりするようなプラットフォームを作ろうと考えたのだそうだ。

もちろん、全く新しいサービスであるというわけでもない。たとえば本を読む人に向けたソーシャルサービスとしてはGoodreadsが有名だ。しかし、たとえばこのGoodreadはモバイルでは使いにくいし、またインタラクティブなサービスとは言えない。言うならばIMDbの書籍版といった感じで、本を読む前ないし読んだ後に参考にするようなページだと言えよう。本を読みながら利用するといったサービスではないわけだ。

現在のところ、電子書籍の楽しみ方は、従来の印刷された本を読むのとさほど変わらない状況にある。インタラクティブなコンテンツやサウンドトラックなどを求めているわけではないので、従来と変わらないというのが悪いわけでもないだろう。しかしGloseはそこに「違い」をもたらすサービスであると言えるかもしれない。紙の本を読むのと同じようなスタイルで読書しつつ、同時に他の読者からの情報などを同時に咀嚼していくことができるわけだ。

アプリケーションは現在iOS用がリリースされていて、Android版も間もなく登場予定なのだそうだ。アプリケーションを起動するとプロフィールページが開かれ、そこには最近ハイライトした部分や、メモなどが表示される。また、他の人がコメントしていたり、お気に入り登録していれば、やはりこのページに表示されるようになっている。画面下にタブが用意されていて、タブを切り替えることで本棚を確認したり、電子書籍ストアを見て回ったり、さらには友だちのハイライト内容などを見ることができる(訳注:ハイライトのフィードは友だちからのものと、全員からのものを見ることができ、同じアプリケーションを使う友だちが少ない状態でも十分楽しむことができそうです)。

本を読んでいくための機能は、とくに充実しているというわけでもないようだ。フォントの変更もできないし、フォントサイズも2種類しか選べない。他の機能といえば、背景を白くするか黒くするか程度のものだ。テキストの横に、ハイライト数やコメント数を示す数字が表示されるようになっている。

数字をつけているのは、大量のメモなどを電子書籍の中に表示して、本文を読みにくくすることを防ぐためだろう。それでも邪魔に感じるようであれば、表示される数字を友だちからだけのものに制限したり、あるいは自分自身のものだけにすることもできる。このようなフィルタリングができる点で、Kindleなどとは違っているわけだ。

「他の電子書籍リーダーでは、ハイライト動作が難しく感じることも気になりました」とPrincenは言っている。「私たちが最初に実現したのは、ワンタップでのハイライト機能です。テキストをセンテンスないし短いパラグラフ毎に区切って、ハイライトする範囲を確認しているのです」。

最初はあまり良い方式に思えないかもしれない。するつもりがないところをハイライトしてしまうことも多い。画面を触るたびにハイライトされてしまうのもうるさく感じてしまう。しかし、操作になれてくると、このワンタップ式のハイライトがとても便利に思えてくる。ハイライトするのが簡単なあまり、少しでも気になったところを簡単にハイライトしておくようにもなる。Instagramの写真をお気に入りに登録するのと同じくらいの意識でハイライトしておくようになるのだ。

「ワンタップでのハイライト機能を搭載してから、利用率が3倍ないし4倍となったのです」とChaumondは言っている。「よりインタラクティブに使ってもらえるようになったおかげで、アプリケーション内で過ごす時間が大いに伸びたのです」とのこと。

ハイライトした部分は、すべてプロフィールページに表示される。すなわち、自分のためのノートとしても活用できるわけだ。自分用とソーシャルでの活用という、双方のいいとこ取りを狙ったアプリケーションだと言えよう。

本文にメモをつけようと思った場合、メモはテキスト、写真、およびビデオでも付けることができる。投稿したメモについては、他の利用者がプラス評価したり、あるいはマイナス評価したりすることもできるようになっている。メモを閲覧する立場からすると、人気の高いメモを簡単に見つけることができるわけだ。

ちなみに、最近はOysterやScribdのように「読み放題」オプションを提供するところも多いが、Gloseはそうしたメニューを提供していない。書籍の販売に関してはトラディショナルなモデルを採用しているわけだ。すなわち、GloseはOysterやScribdとは違うところを目指しているということなのだろう。販売スタイルについてはAmazonと直接競合するようなところで勝負しようとしているとも言える。

Gloseの提供するコミュニティ機能のために、他の電子書籍リーダーの利用者が移ってくるような事態になるのかどうかは今後を見守りたい。とりあえず、大手出版社ときちんと繋がっているところが、新たな機能を試みていることを評価しておきたい。新たな読書体験を見出そうと努力しているアプリケーションが、新たなコミュニティを築くことを期待していたいと思う。

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(翻訳:Maeda, H


Android Wearスマートウォッチにはとても便利なアプリがある、という個人的体験

ぼくはPebbleを持っているけど、自分の手首に通知が来るのが気に入っている。ブザーが鳴るたびにいちいちスマートフォンを取り出すなんて、ほんまに面倒だ(重要でない通知も多いし)。だから、Pebbleで十分、LG Gのような重くて電池寿命の短いスマートウォッチは要らない、とずっと思っていた。でもCapitaine Trainの今度のスマートウォッチアプリを見ると、Android Wearのウォッチが欲しくなってきた。

Capitaine Trainは、列車の切符の予約が便利にできるアプリを提供しているフランスのスタートアップだ。同社はヨーロッパでいちばん便利な切符予約サービスを目指している。UI/UXのデザインが良くて、使いやすいアプリだ。

地味と言えば地味なサービスだけど、これを何回か利用したあとは、Web上の切符予約サービスを二度と使いたくなくなる。そいつらは、使いづらいし、遅いし、しかも必ずレンタカーを押し売りするのだ。

Capitaine Train Androidを作ったCyril Mottierが、同社のスマートウォッチ用Androidアプリのエクステンションに取り組んできた。そのアプリは単に通知を表示するだけでなく、それ以上のこともする。ただしスマートウォッチ用のアプリには、Androidアプリのすべての機能があるわけではない。それは、主な機能を三つに絞り込んでいる。

まず、思いバッグを抱えて駅に着くと、ウォッチのブザーが鳴って列車の情報を表示する。列車番号、手荷物や座席の情報などが、自分の手首を見るだけで分かる。車掌がデジタル切符の検札に来たら、画面をスワイプしてバーコードを出し、車掌に見せればよい。もっと詳しい情報が必要なら、スマートフォンを取り出してAndroidアプリをタップすればよい。下のビデオで、その一部始終が分かる。

革命的なアプリでもなんでもないし、誰もが使うアプリでもない。でも、とっても使いやすいアプリだ。残念ながら、Pebbleにはできない。それは、Android Wearが優れている部分の一つだ。スマートフォン用のAndroidアプリを、ウォッチの小さな画面にうまく適応させている。完全なアプリが必要なら、スマートフォンを取り出せばよい。列車に乗る時の基本的な機能だけ必要なら、Android Wearアプリだけで十分だろう。Androidのデベロッパなら、ウォッチのためのコードを書くのも簡単だ。

なお、Google MapsもAndroid Wearウォッチ上でなかなか便利に使える。交差点などで、曲がるべき方向を教えてくれるのだ。自転車に乗ってるときなんか、便利だろうなぁ。Google MapsのAndroid Wearアプリはまだ出たばかりだが、今後ウォッチが高性能になりサードパーティのアプリが増えれば、Androidスマートウォッチは本当の大衆製品に育つかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


フランスサッカー連盟、チームの応援ツールに「Yo」を導入

果たして「Yo」がコミュニケーションの「未来の形」であるのか、それとも「一時的な流行」にすぎないのか、まだ結論は出ていない。しかし流行であれば乗ってみるというのが一般的な動きであり、さまざまな分野から「Yo」参入の動きが見られる。

新たに「Yo」を使い始めたのは、サッカーのフランス代表チームだ。エクアドル戦を前に応援「Yo」を送ろう(ちなみに「Yo」の複数形は「Yos」だ)キャンペーンをはじめたのだ。フランスチームが得点すれば、お返しの「Yo」も戻ってくるという仕組みだ。母国であるはずのイングランドが敗退してしまったのは、こうした応援スタイルの進化に対応できなかったからかもしれない…。

ワールドカップで「Yo」が活用されるのは、今回が初めてというわけではない。「Yo」自身が、ゴールが決まれば「Yo」がくる仕組みを実装している。しかし国の代表チームまでもが「Yo」を活用するというのは、確かに「Yoミーム」が非常な広がりを見せていることの証拠とはなる。フランス語版などない状態でのことなのだから、たいした話だ。

サッカーのスコアよりも「Yo」の数が気になるという人にはフランスサッカー連盟の作ったページで確認できる。記事執筆時、試合開始前2時間の時点で2000件の「Yo」が送られていた。

日本語版追記:ちなみに試合は0-0だった様子。「Yo」の数は12000以上にのぼったようだ。

(訳注:「Yo」については「不思議なソーシャルアプリYoのユーザーが100万人突破、Googleが保険に進出?―US記事ピックアップ」でも解説しています)

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(翻訳:Maeda, H


Popcorn Timeのコンテンツをストリーミングしながら英語を学ぶFleex

オープンソースのすばらしさを、またまた痛感。Fleexは、映画やテレビ番組やTEDの講演ビデオなどを見ながら英語を学ぶフランスのスタートアップだが、教材としてなるべくおもしろいコンテンツを使うために、無料でコンテンツをストリーミングするオープンソースのPopcorn Timeを利用する。

ぼくも英語は母国語でないから、この問題は体験的によく知っている。最初のころは、映画やテレビ番組をもっぱら利用した。最初はフランス語の字幕入り、次は英語の字幕入り、そして最後は字幕なしで。でも自分の好きなように設定することはできなかったし、英語字幕ありから字幕なしへの移行は、かなりの努力を要した。

Fleexはそんな過程をもっと段階的(==レベルあり)かつシームレスにする。ユーザは、レベル1からスタートする。たとえばあなたがドイツ人なら、ドイツ語と英語の字幕が出る。だんだん、英語の字幕だけになっていく。でも難しい部分では母国語の字幕がまた出る。

上達すると、字幕はまったく出なくなる。いつでも、ビデオをポーズして翻訳を見たり、単語の意味を調べたりできる。イディオムや表現(変わった言い回し)は高輝度表示される。単語を保存して、あとで見ることもできる。

Fleexは月額4.90ユーロの有料サービスだが、29の言語で利用できる。

これまではYouTubeのビデオ(TEDの講演など)をFleexのプレイヤーやデスクトップアプリケーションから利用でき、デスクトップアプリケーションではムービーのファイルから自動的に字幕トラックを見つけることもできた。

しかしPopcorn Timeをフォークしたこれからは、Popcorn Timeのアプリケーションとして映画やTV番組を検索し、即座にストリーミングできる。そのときFleexは字幕トラックを見つけ、ユーザの今のレベルに合わせた学習展開をする。Popcorn Timeは完全に合法的とは言えないけど、NetflixやHuluなどは、Fleexで利用したくても利用できない国がほとんどなのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


普通の紙に描いたものをリアルタイムでデジタイズするiSketchnote

iSketchnoteというデバイスを提供するフランスのISKNが、プレオーダーの受け付けを開始した。Livescribeのように、ペン側をスマート化するわけではなく、どちらかと言えば、従来のグラフィックタブレットのような仕組みに近い。価格は安く、ふつうの紙の上に、一般的なペンを用いて記述するようになっている。ペンに磁気リングがついているのが大事なところだ。

実はこのプロダクト、新しいものではない。Kickstarterで大成功をおさめたプロダクトだ。3万5000ドルを目標とするキャンペーンだったが、十倍近い金額を集めることとなった。しかしKickstarterキャンペーンを見逃して悔しく思った人も多いことだろう。そこでサイトでのプレオーダーが開始されたのを機に、再度紹介しようと考えたわけだ。

見かけは表面を薄くゴム状のものでコーティングした板のようなもので、ここに紙(どんな紙でも良い)を乗せて使う。さほど大きなものではなく、たいていのバッグにおさめることができるだろう。また、iPadと一緒に持ち運ぶためのケースも用意されている。実際に手にとって見てみたが、シンプルにまとまっているように感じた。

デバイスはBluetooth LE経由でiPadに繋がり、USBを利用すればPCなどと繋ぐこともできる。単体で利用して、後にデータの同期を行うということもできる。使い方はといえば、デバイスの上に紙をのせて、普通に描くだけだ。iPadと繋いで使っていれば、紙の上に何かを書くと同時に、iPadのスクリーンにも同じ内容が現れる。

ペンの側にこれといった仕組みがないのも面白い。付属のペンを分解してみても、バッテリーやカメラなどといったものは搭載されていない。デバイス側がセンサーをマトリックスセンサーとして動作し、ペン側に装着された磁石の動きをリアルタイムで検知するという仕組みだ。

いろいろな分野で利用することが出来るだろう。応用範囲の広さに、プロダクトの魅力があるように感じる。ドローイングアプリケーションと連携するときにも、手に馴染んだペンを使いながら行うこともできそうだ。ペンの色や太さを変えて、同一画面上にいくつかバリエーションを描くようなこともできる。エントリーレベルのWacomタブレットよりも、かなり正確にトレースしてくれるようだ。

またAPIも公開する予定にしているとのこと。PCやタブレット上のアプリケーションで、ISKNを入力デバイスとしてサポートできるようになる。書いた文字や絵などを保存して、それをシェアするようなアプリケーションなどはISKNから提供される。出荷時期は8月が予定されている。

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(翻訳:Maeda, H