Google Cardboardから得た啓示は、スマートフォンを目に十分近づけるとVRのヘッドセットになることだった。でも、MicrosoftのHoloLensのような混成現実(mixed reality, MR)の装備では、それほど単純ではない。…じゃないかな? しかしここにご紹介するHoloKitは、最小限の装置で拡張現実の体験を拙速に作り出す、とても巧妙なDIY製品だ。
そのアイデアはとても単純で、一対の鏡がスマートフォンのディスプレイを、角度のついた、半透明のフレネルレンズに反射する。そうすると、画像とその後ろの世界がARのように重なって見える。一方スマートフォンは、カメラとセンサーで目の前の世界を追跡する。
うまいやり方だし、数十年前にあった、ハーフミラー状のガラスを使う光学的トリックを思い出す。ARは二つの視像を重ねなければならないから、構造はCardboardほど単純ではない。でもこれなら、HoloLensを買うほどのお金がない人でも安上がりにARアプリケーションを試せるし、複数買ってグループに配布することもできる。
たとえば博物館が、あの有線方式の大げさで高価なHoloLensを導入して子どもたちに、ティラノザウルスの骨格の上にその体の画像を重ねて見せたりするだろうか? ありえないだろうね。でもこの製品なら、そんな目的にも使える。ユーザーがデバイスの方にばかり気を取られないようにするためには、ストラップを使うなど、装着方法を工夫すべきだね。
今HoloKitは(Microsoftが文句を言いそうな名前だが)、iPhone 7と同Plus, Google Pixel, そしてProject Tangoのハードウェアをサポートしている。
これを作ったAmber Garageは、Botao Huが創業したAR企業だ。彼は昨日(米国時間6/1)これを、Augmented World Expoでプレゼンし、コードとドキュメンテーションを来週GitHub上で公開する。
あなたも、欲しい? 組み立てキットは7月に発売される。Webサイトをチェックし、来週行われるAR in Actionで注文しよう。