iOS 8のダウロード数は膨大だが、率でみると、昨年のiOS 7を下回っている。少なくとも、Chitika、Tapjoy、Mixpanel、AppseeなどのOSモニター統計によればそうなる。これらの統計は一致して、ダウンロード数は大きいが、昨年のiOS 7への当初のアップデート率には及ばないとしている。iOS 7はiPhone 5sの出荷直前に公開され、iOSのビジュアル・デザインを根本的に変えたことで大きな注目を集めた。
MixpanelとAppseeのiOS 8のアップデート状況のライブ・モニターによれば、現在のアップデート率は16%から17%だという。この数字は両社のモバイル・アナリティクス・アプリを搭載している全ユーザー中のiOS 8ユーザーの割合だ。
MixpanelのCEO、Suhail Doshiは「現在のiOS 8のアップデート率は昨年のiOS 7のアップデート率のほぼ半分程度だ。iOS 7の場合、最初の24時間でアップデート率は38%に達した」と述べた。
Doshiは私のインタビューに答えて、iOS 8のアップデート率が低い理由について「まずiOS 8はWiFiでインストールする場合、サイズが大きすぎる。多くのユーザーは写真や動画にスペースを取られて、iOS 8が必要とする空き容量がない。第2に、多くの会社が、前回のセキュリティー問題を教訓にして、iOS 8に大きな脆弱性がないことが確認されるまで、数日間アップデートを待つように社員に求めている」と原因を推測した。
たしかに多くのユーザーがTwitter上で「iOS 8をインストールするためのスペースがない」と悲鳴を上げている。デスクトップ・コンピュータに接続してiTunes経由でアップデートする場合には、写真などを移動してスペースを作り出せるが、それでもiOS 7の場合に比べて一手間余計にかかることに変わりない。
しかしDoshiは「Androidの場合、KitKatが40%になるのに9ヶ月かかったことに比べればiOSのアップデートのスピードは依然として非常に速い」と指摘する。またiOS 8のシェアはiPhone 6が出荷された後、拡大を続けるはずだ。iPhone 6の人気からすると、多くのユーザーが手持ちの古いiPhoneをアップデートしないでiPhone 6の出荷を待っているということも考えられる。
TapjoyとChitikaの数字も同じ傾向を示している。両社のブログは「iOS 7はビジュアル要素を一新するメジャー・アップデートだったために、初期のアップデート率が高まったのだろう」と推測している。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)