iOSの「自動修正」バグの修正アップデートが来た

ここ数日、多くのiOSユーザーが奇妙なバグに悩まされてきた。設定で「自動修正」をオンにしているとアルファベットの “i”の文字が勝手にランダムな文字に修正されてしまう。あるときは感嘆符“!”になる。そうかと思うと“A”になる。箱の中にクエスチョンンマークになったりする。

Appleではバグの修正を急いでいるという情報が流れたが、やはりそのとおり、iOSのアップデートがさきほどリリースされた。新しいiOS 11.1.1の説明では「自動修正のバグの修正」がトップに来ている。

Appleではバグに気づくとすぐにサポートページにとりあえずの回避方法を掲載した。しかしサポートページなど見ないユーザーが多いため前回のアップデート以後、FacebookやTwitter上には“⍰”といった謎の文字があふれている。iOSのアップデートでこうした困った現象の大部分が消えるといいのだが。同時に今回のバージョンで“Hey, Siri”と呼びかけても反応しない問題も修正された。

アップデートするには「設定」を開き、「一般->ソフトウェアアップデート」と進めばよい。パスコード(4桁数字)を設定している場合は入力を求められる。その後はiOSが自動的にやってくれる。

画像: TechCrunch

〔日本版〕iOS11.1.は日本でも公開ずみ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook <A

iOSデバイスのほとんど(52%)がiOS 11になった…もうすぐ11.2がリリース

AppleがApp Storeのサポートページをアップデートして、いくつかの数字を新しくした。それによると、2017年11月6日現在では、iOS 11は今や、現時点で使われているiPhoneとiPadの52%にインストールされている。38%のデバイスがまだiOS 10で、わずか10%の人たちがもっと初期のバージョンのiOSを使っている。

AppleはiOSのメジャーなアップデートがリリースされると、すぐにこのページをアップデートするのが常だった。しかし今年は先週のiPhone Xのリリースまで待ち、iOS 11のユーザー数を大きくした。

でも、今年は採用のペースがやや遅いようだ。昨年のAppleの報告では、10月11日時点でユーザーの54%がiOS 10を使っていた。

ペースが遅かった理由の一部は、iPhone Xだろう。でも、ぼくの理論によれば、iOSのアップデートに関しては絵文字が大きな動機になる。

昨年のiOS 10.0は、発売時に新しい絵文字が数十個もあった。今年は、新しい絵文字がiOS 11.1に加わり、そのリリースは先週だった。

多くのユーザーが、絵文字だけは人に遅れたくない!という根性だ。それはポップカルチャーの重要な要素になってしまったから、もう、誰も彼もが、すべての絵文字を使いたい、文字の代わりにクェスチョンマークを書くのはださい!、と信じているのだ。

でも、たった2週間で52%に達するのだから、すごいといえばすごい。Androidユーザーは今でも、2年以上前のAndroid 6.0 Marshmallowを使ってる人がほとんどだ

Appleは今iOS 11.2を作っている。これは数週間後にリリースされて、アメリカの顧客には、重要な新しい機能Apple Pay Cashが同時に提供される。そしてそれが、アップデートの大きな動機になるだろうね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Apple、ARヘッドセットを2020年出荷を目標に研究中

Appleは拡張現実(AR)ヘッドセットを2019年までに開発するための技術を研究中で、2020年の商品化を目指しているとBloombergの最新記事が伝えている。記事によるとそのデバイスはAppleのiPhoneや他のモバイルデバイスとは別物で、内蔵ディスプレーを備え、専用OS(’rOS’と内部で呼ばれている)と新しいカスタムプロセッサーを採用するという。

Apple CEO Tim Cookは過去のインタビューでARの将来について強気な発言をしており、iOS 11にはAR体験の開発を支援するARKitと呼ばれる機能が組み込まれている。Bloombergの以前の記事によると、Appleは複数のARエキスパートを雇い、開発チームはDolby Labsの技術担当幹部だったMike Rockwellが率いている。

最近Cookは、満足できる体験を得られるARヘッドセットを消費者に届けるためのテクノロジーはまだ揃っていない」と報道に語り、この分野の製品が「市場に出るまでにはしばらく時間がかかるだろう」と警告した。これは少なくともWindows HoloLensのことを遠回しに言っているものと思われ、Magic Leapをはじめとする他社製品も指しているかもしれない。

Appleはこの未来機器の計画を今も固めているところだとBloombergは言っているが、対話方式についてはタッチ式入力、Siri音声入力、さらにはヘッドジェスチャーなども研究しているようだ。チームはアプリケーションもメッセージング、バーチャル会議、360度ビデオ、ナビゲーションなどを開発中で、このデバイスのためのApp Storeを作る可能性もある。

テストは社内でHTC Vive、およびiPhone画面を使うSamsung Gear VRに似たデバイスで行われているとBloombergは伝えている。Appleは最新のMacでVRコンテンツ開発のために外部GPUとHTC Viveに対応しており、これも動機の一因かもしれない。記事によるとAppleはARKitの新バージョンを2018年に公開する予定で、このデバイスをターゲットにした体験を開発する道を拓くものだ。

Appleは様々な実験プロジェクトを立ち上げているが、全部が製品化されるわけではない。しかしCookがARとその将来の可能性について語る様子からは、Appleが単なるテクノロジーへの興味以上の力を入れていることが見て取れる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple,iOS 11.1で絵文字を追加。便利なジェスチャーの復活と追加も!

新しい絵文字が出た。それ以上何か聞く必要ある?Appleはつい先ほどiOSのアップデートを公開した。iOS 11.1はiOS 11で最初の機能追加を伴うアップデート(feature update)だ。いくつか新しいものが追加されたが、まずは新しい絵文字から。

すでにAppleは新しい絵文字の一部をプレビュー公開していたが誰もが使えるわけではなかった。魔法使い、妖精、人魚、吸血鬼などの神話上の生物が入っている。ロッククライミングやカーリングといった新しい活動の絵文字もある。

冬に間に合わせるかのように、手袋、スカーフ、トレンチコートなど新しい衣類も見つかった。新しい動物たちや新しい表情も増えた。爆発する頭は私のお気に入りになるかもしれない。

Appleは全部で70種類の新しい絵文字を加え、これでiOSはUnicode 10.0準拠になる。蜂のようにデザイン変更された絵文字もある。

例によって、動物や物を除き、それぞれの絵文字には性別や肌の色によって数多くのバリエーションがある。また今回初めて性的に中立のキャラクターが加わった。

このアップデートには適用率を高める大きな効果がある。多くの人は新しい絵文字を使いたくてiOSをアップデートするからだ。こと絵文字に関してみんな遅れを取りたくないようだ。

別のニュース。Appleは殆どの人がおそらく使っていないであろう細かい機能を復活させた。再び、画面の左端を強押しすると現在のアプリが中断してアプリスイッチャーが出てくるようになった。新たなジェスチャーも追加された。左端を強押ししてスワイプすると、直接次のアプリに移動する。この方がホームボタンをダブルタップするよりずっと効率的だ。

そして、iOSにはバグ修正とセキュリティーアップデートもたくさん入っている。中でも重要なのはKRACK脆弱性が修正されたことだ。すでにiOS 11を使っている人は、このバージョンの方が以前よりよいので今すぐアップデートするべきだ。バッテリー寿命も改善するかもしれない。

iPhoneをアップデートする前にはiCloudかiTuneにバックアップするのをお忘れなく。それから、設定アプリを開き、一般、ソフトウェアアップデートをタップすればよい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、需要を満たすためにFace IDの精度を下げたとの報道を完全否定

本日(米国時間10/25)Bloombergは、Appleが需要を満たすために供給元に要求するFace IDの精度を下げたと報じた。Appleはこの記事が「全くの誤り」であるとする声明を発行し、Face IDは顔認識の新たな規範になるだろうと語った。

Appleの声明は以下の通り。

iPhone XとFace IDへのお客様の期待は驚くばかりで、11月3日金曜日に手に取ってもらうことを待ち遠しく思っています。Face IDは簡単で直観的に使える強力かつ信頼性の高い認証システムです。Face IDの品質と精度は変わっていません。今後もiPhoneを他人が偶然Face IDでロック解除する確率は100万分の一です。

AppleがFace IDの精度仕様を下げたというBloombergの主張は全くの誤りで、当社はFace IDが顔認証の新たな規範になると考えています。

Bloombergの記事には、Face IDを実現するTrue Depthカメラアレイに使われている具体的な部品や素材に関する報告が多数書かれている。部品とサプライチェーンのドラマが好きな人にとっては間違いなく興味をそそる話だが、これはある部品サプライヤーが別のサプライヤーについて不満を言っているだけだと感じている人もいる(あるいは別のサプライヤーより歩留まりが高いことを自慢している)。

Appleが声明で特に指摘しているのは記事のこの部分だろう。

使用可能なドットプロジェクターの数を引き上げ生産を加速するために、AppleがFace IDの仕様を一部緩和したことが、経緯を知る別の関係者の話でわかった。その結果主要なボトルネックである完成モジュールのテストに要する時間が短縮された。

新たな仕様がこの技術の能力をどれだけ下げるのかは明らかになっていない。9月の製品発表で幹部らは、侵入者がFace IDを破ってiPhoeをロック解除する確率は百万分の一だと豪語した。たとえ精度を下げたとしてもおそらくTouch IDよりはずっと正確だろう。オーナー以外の人間がTouch IDでロック解除できる確率は5万分の一だ。

おそらく「精度を下げた」という一言がAppleに反論すべきだと感じさせたポイントだろう。Bloombergの記事は、AppleのiPhone Xの生産スケジュールを「非常に強気」と書いていて、私はそのとおりだと理解している。Face IDの精度が「下がる」という具体的指摘については、Appleが明確に否定している。

実際、精度に関して主張しておきながら、製品の発売前に訂正をしなければ、その差異について消費者代弁グループに説明しなければならなくなる。これも反論を促す理由だったに違いない。

Face IDは、Appleが2013年頃以降に買収した様々な技術を元に作られ、iPhone Xで使うために小型化された3Dカメラアレイを使用している。iPhone Xは今週予約受付が始まるが、品薄との報道が数多い中でAppleは、55か国で店頭に在庫する予定であるとあえて発表した。通常Appleは、在庫が手薄になることが予想される場合、10程度の国や地域で発売する。それでもiPhone Xは売り切れるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アメリカのスマートフォン市場6-8月期でiOSとSamsungがシェア同率で並ぶ

アメリカのスマートフォン市場におけるiOSとSamsungのシェアは、6-8月三ヶ月のiOSの成長によって今や横並びになった、とスマートフォン市場のシェアを売上ベースで追跡しているKantar Wordpanelの新しいデータが告げている。同社の分析によると、iOSは前年比で3.7%伸び、35%のマーケットシェアを達成したが、Samsungの成長はわずか0.8%で、シェアは35.2%になった。

Kantarによると、Verizonからの売上が弱かったことがSamsungに災いしたが、Appleはこのアメリカ最大のキャリアで50%近いシェアに達した。Kantarの指摘によると、Appleのこのシェアは、伝統的にiPhoneのホーム球場とも言えるAT&Tにおけるよりも、今や高い。

アメリカにおけるiPhoneの売上増は、iPhone 8と8 Plusの発売の1か月前に始まっている。新製品発売の直前には落ち込むのが通常であるだけに、これは珍しい現象だ。

[視覚化ページより:]

しかしSamsungとiOSがタイになっても、Android全体のアメリカでのシェアは63.2%で、iPhoneの35%を大きく上回っている(上図)。

とはいえ、iOSはアメリカ以外でも伸びている。

iOSは中国とドイツ、フランス、スペインで成長したが、イギリスでは下がり、ここではSamsungのGalaxy S8とJ3(2016)がよく売れた。ヨーロッパの5大市場全体でiOSのマーケットシェアは、1.2%という低い伸び率で、これはSamsungのイギリスでの好調と、新型iPhone発売直前の鈍化が影響したと思われる。

“SamsungはイギリスにおけるiPhone 8とiPhone X発売の数週間前、というタイミングをうまく利用し、宣伝にも力を入れたので、2017/6-8月期のシェアは最近3年間でもっとも高い38.4% を達成した”、とKantar Worldpanel ComTechのディレクターDominic Sunneboが声明文の中で述べている。

“Galaxy S8を買った人の4人に1人以上が、購買動機としてある特定の宣伝を挙げている。そして半数近くが、価格性能比のお買い得感を第一の動機として挙げている。この二つの理由が、最後の2か月(7-8月)の大きな売上増を支えたと思われる”、と彼は語っている。

しかしヨーロッパの主要市場全体のこの時期の微増には、iPhone SEの堅調な売れ行きが貢献している。

中国の都市部でも、iOSは再び増に転じている。そのマーケットシェアは、iPhone 7と7 Plusのおかげで、昨年の13.4%から17.7%に増加した。機種別分類では、iPhone 7と7 Plusは中国都市市場の人気第一位と第二位なのだ。

ただし中国都市部のメーカー/ブランド別シェアでは、Huaweiの31.1%が依然トップで、前年比でシェアは1.5%伸びている。BBK Electronics(OppoとVivo)が第二位で19.7%のシェア、昨年より6.7%も伸びている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Apple、iOS 11.0.2をリリース――iPhone 8の通話時のノイズなどバグを修正

iPhone 8、iPhone 8 Plusを購入したユーザーの一部はやっかいなバグに悩まされていた。 新しいiPhoneでは通話中にノイズが聞こえることがあった。Appleは先ほど、iOS 11.0.2をリリースしたが、このアップデートには問題のバグも修正も含まれている。

iPhone 8/8 Plusの発売直後から多くのユーザーが通話中にノイズが聞こえることを報告している。TechCrunchの同僚も2つの個体でこの現象を確認していた。

すべてのiPhoneに見られる不具合ではないことから、当初はハードウェアの欠陥が疑われた。しかし先週Appleが iOS 11.1ベータの最初のバージョンを発表するとこの不具合は消えていた。そこでAppleはユーザーがiOS 11.1を待たずにすむよう、バグフィックスを目的とする11.0.2を急きょリリースしたわけだ。

OSアップデートの手順は以下のとおりだ。iPhoneで設定アプリを開き、「一般」タブから「ソフトウェア・アップデート」を開く。Appleはマイナー・アップデートでも多数のバグを修正しているのが通例なので、iPhone 8を持っておらず現在のiOS 11.0で問題なくデバイスを利用できているユーザーもアップデートを実施しておくことをお勧めする。

コンピューターからアップデートしたい場合はデバイスを接続してiTunesを開く。アップデートの前に重要なデータはバックアップしておくのをお忘れなく。アップデートでは何が起きるかわからない。iCloudでバックアップしている場合は正常に動作していることを確認する必要がある。あるいはiTunesを使って手持ちのコンピューターにバックアップしてもよい。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ReactantはiOSアプリのための新しいネイティブフレームワーク

Xcodeに戻ってもいいかなと考えている開発者たちのために、Brightifyという名のチェコの小さなチームが、iOSアプリの開発を容易にするReactantという名のフレームワークを開発した。これは、コードのライブリロードを提供するSwiftベースのフレームワークで、プログラムしながらエレメントを素早く追加することができる。

「Reactantアーキテクチャは、iOSプロジェクトをどのように構築するかを隅々まで決定します。テスト可能で再利用可能なコードを書くことを可能にしますし、きわめてスケーラブルなものです。このことは、小さなアプリの開発速度を低下させるような定型部分がない一方、アプリが成長して行くときにもそのまま使い続けることができることを意味します」と語るのはTadeas Krizだ。チームはフレームワークをGithubで公開し、少数の友人たちや家族と一緒にシステムを拡張してきた。

「アーキテクチャは既に利用可能で、私たちの作る全てのアプリケーションで用いられています。これはクライアント向けの私たちの開発と並行して開発されてきたもので、このことで、フレームワークが私たちの全ての要求を満たしていることを、公開する前に確かめることができました。そしてこの部分は現在オープンソースとして、公開されています」。

彼らはまた、アプリのレイアウトをより簡単に行なうためのUIエディタも開発している。こちらの公開は12月の予定だ。

「主要な利点は、iOS開発者なら誰でもReactantを直ちに使い始めることができるということです。なぜなら、すべてネイティブのSwiftで記述されているからです。Swiftの強力な型システムによって、開発者たちはコンパイルの時点で多くの安全性を確保することが可能になります」。

Krizと共同創業者のMichael Chlubnaは、Reactantを彼ら自身の開発に対する解決策として開発した。チームはまた、モバイルアプリ開発会社のBrightifyも運営している。このツールを利用することで、大量のコーディングを行うことなくSwiftでのアプリケーション開発をより簡単に行なうことができるようになる。アプリケーションはネイティブのiOSコードにコンパイルされるので、React Nativeのようなハイブリッドフレームワークを利用するときのような非互換性は存在しない。彼らはまた極めて充実したドキュメントを用意しているので、Reactantを選んでプログラミングを始めるための敷居は低い。

私はサンフランシスコで開催されたDisruptでチームと実際に会った。プラットホームは良く構築されており、私のような初心者には間違いなくエキサイティングな内容だった。次のプログラミングプロジェクトのために検討をする価値はあるだろう。

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(翻訳:Sako)

Apple、Siriのウェブ検索をBingからGoogleに変更――iOS、Mac Spotlight、Safriの結果が一致

AppleはこれまでSpotlight検索と呼ばれていたSearch inside iOSや、MacでのSpotlight検索でのSiriのウェブ検索エンジンのデフォールトをGoogleに切り替えた。

たとえばiOSで何かSiriに質問し、Siriが手元に答えがなくてウェブ検索でバックアップしようとすると、MicrosoftのBingではなくGoogleで検索した結果を得ることになる。アップデート:Microsoftからコメントがあったので「画像検索はBing」という情報を追加した。

今回の変更が行われた理由の中でAppleがもっとも重視したのは一貫性のようだ。Mac、iOSのSafariはすでにデフォールトでGoogle検索を利用している(これによりAppleはGoogleから毎年数十億ドルの収入を得ている)。今後はSiri、iOSの検索窓、Spotlightなどの結果が一致することになる。【略】

今後はiOSのSiriが「その答えは分かりませんがウェブの検索結果は次のとおりです」と答える場合も、国際的に統一されたHey, Siriという呼び掛けでSiriを起動し、ウェブを検索させた場合にもGoolgeが検索エンジンとなる。

ただしGoogleで検索されるのは通常のURLとビデオで、静止画の検索結果はBingから来る。かなり前からBingの画像検索には定評があったのでこの点は納得できる。もしSiriにユーザー自身の写真を探させる場合は、ウェブではなく写真のライブラリが検索される。面白いことに、ビデオの場合はYouTubeが直接検索される。

すべてのウェブ検索はAPIを通じて通常のGoogle検索結果が表示される。つまり関連性によりランク付けされており、広告やKnowledge Graphによるカスタマイズがそのまま表示される。YouTubeビデオをクリックするとやはり広告が再生される。ユーザーが直接Googleサイトを訪問するのでなくともGoogleにとってはやはり収入源となるわけだ。

すべてのApple上でのユーザー行動は暗号化され匿名化されており、個々のユーザーを特定するために用いることはできない。しかしGoogle検索結果をクリックするとGoogleサイトにジャンプすることになり、以降はGoogleのユーザー・トラッキングが適用される。ウェブサイトをクリックして直接そこにジャンプした場合にはGoogleのトラッキングは適用されない。

この切替の実施タイミングも興味深い。iOSのアップデートにつづいて、今日(米国時間9/25)、Mac OS、High Sierraがリリースされる。データのプロバイダを複数使う例はこれまでにもあった。マップはYelp、Foursquare、Garmin、Tripadvisoなど10以上のデータ・ソースを用いており、それぞの得意の分野、地域で利用されている。【略】

いまひとつ分からないのは、今回の変更の原因がAppleが検索結果に一貫性を求めるためだけだったのか、それともAppleが30億ドルを得る契約にGoogleがデフォールトの検索エンジンという立場を維持することが含まれていたのかだ。おそらくは両方の動機がいくぶんずつ混合していたのだろうと思う。

この変更は順次公開されており、今日の午後までに世界に行き渡るはずだ。

アップデート:われわれの取材に対しMicrosoftの広報担当が以下のようにコメントしたので、これに応じて記事を修正した。

われわれはAppleとの提携関係を尊重しており、多くの面で関係を強化していきたいと願っている。現在Bingの画像検索はSiriに用いられ、最高のユーザー体験をもたらしている。【略】

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Googleの検索アプリ、関連記事のおすすめを開始

今日(米国時間9/19)GoogleのiOSアプリは、ウェブを閲覧中のユーザーを、ホーム画面に戻さずブラウザーに留めておく新機能を導入した。アップデートされたアプリには「関連コンテンツ」セクションが追加され、Googleアプリ経由で訪れたウェブページの下端に表示される。

つまり、Googleで何かの話題を検索し、タップして話題の記事を読んでいくと、読み終わったときに関連するほかの記事をアプリが推奨してくれるしくみだ。推奨リストはアプリ画面下端の「G」ボタンの下に表示されるが、スクロールして記事を読んでいる間には見えない。

推奨記事のバーは、読み終わって上に戻ろうとしたとき初めて現れる。そのときも、関連記事は一部が隠されている ―― “People Also View”[他の人はこちらも閲覧]とヘッドラインがいくつか表示され、全体を見るためにはこのGoogleバーを上にスワイプする必要がある。

そこから横にスワイプすると記事のサムネイルを一覧できるので、読みたい記事をタップすればよい。

1つの話題を掘り下げていくと、様々な推奨記事を読み続けることになる場合もある。しかし、多くの場合Google検索はごく限られた答えを見つけるために使うので、その場合関連記事はうまく働かない。

例えば、Mars Rover[火星探査車]を検索しているとき、おそらくあなたが欲しいのは火星探査車そのものの情報であって、宇宙探検一般の話題ではない。しかしGoogleが推奨するのは、火星探査機オポチュニティーや火星探査プログラムディレクターやパノラマ画像などだ。元の検索クエリには必ずしも役に立たない。

もちろん、あなたがGoogle検索の穴にはまり次から次へと薦められる記事を読み続けることがない、という意味ではない。しかし、そもそもGoogle検索はウェブをさまようためのものではない ―― 答えを見つけるためだ。Google自身でさえこれを理解していて、だから知識グラフを使って検索結果のトップに “instant answers” を表示している。

Googleはこの変更について、ウェブ閲覧中の「コンテンツの探索と発見」を容易にするためだと説明しているが、同時にユーザーをアプリに引き留めておく副次効果もある。そしてそれはGoogleの利益に貢献する。検索ユーザーがアプリを離れなければ、もっと多く広告を見せられるからだ。

新機能は、今日からiOS版Googleアプリに追加される。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ご注意:32ビットアプリはiOS11で動かなくなる――アップデートすると多くのゲームが忘却の彼方へ

AppleのiOSが一般公開された。iOS 11はiPadのユーザーには非常に大きなアップデートとなる。お気に入りのアプリを登録したドックがシステム全体で使えるようになり、全体に使い勝手がmacOSに近づく。ただしiPhoneユーザーの場合、改良はARKitによるAR〔拡張現実〕フレームワークのサポートなど主として目に見えない部分が中心になる。

一部のアプリはすでにこのAR機能を利用している。ロンドン生まれの乗換案内アプリ、Citymapperがそうだ。ただしユーザーはこの機能が「フラットな面がない地下鉄の中では表示できない。ギミックだ」と批判的だが…

すでに繰り返し紹介されているように新しい絵文字が追加され、コントロール・センターにはお気に入りのショートカットが追加できるようになった。

しかしiOS 11にアップデートするとデジタル歴史の忘却の彼方に消えてしまうアプリがある。すべての古い32ビット・アプリはiOS 11では動作しない。つまり多くのデータが袋小路に入りこんで出てこられないことになる。

お気に入りのiOSゲームが動かなくなった。Dungeon Raid、Flappy Bird、15 Coins、Puzzle Restorer、ASYNC Corp… 

Flappy Birdといえばあまりの中毒性にゲーム開発者が公開を停止したので知られるゲームだ。しかし本当にデジタル世界から消えるときが来たらしい。

そこで新しいOSにアップデートする前に既存のアプリがiOS 11と互換性があるかどうかをチェックしておこう。Settings > General > About > Applications に互換性のないアプリが表示される〔日本版注〕。開発者が将来改修すれば別だが、そうでなければアウトだ。iOS 11は互換性のないアプリを削除するようなことはないが、起動しない。

iPadユーザーが多くのゲームが動かなくなったと報じている。

しかし、EufloriaのようにiOS 11で作動するようにアップデートされたアプリもある。

「卵を割らずにオムレツは作れない」ということわざもある。新しいものを手に入れるには多少の不便をしのぶ必要があるようだ。

〔日本版〕この部分は日本語版では「設定->一般->about->App」のようになるはずだが、訳者のiPadではabout->appが表示されない。ネットをチェックすると「32ビット・アプリをインストールしていない場合、この階層が表示されない。問題となるアプリをインストールしていないので作動には問題ない」という意味の情報があった。手元にiPhoneがないためiPadとの作動の差異は未確認。iPadのiOS 11へのアップデートは問題なく完了し、1つを除いてすべてのアプリが作動した。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple、次期iPhoneの最上位機種でホームボタンを廃止へ(Bloomberg報道)

ホームボタンがゴミ箱に向かっている ―― Bloombergの記事を信じるなら。同誌によると、Appleは次期iPhoneのうちの1機種で、ホームボタンをやめ大画面のための場所を空けるという。ホームボタンの代わりに、ユーザーは画面上のジェスチャーで操作する。アイコンのドックのようなものも登場する。

これが本当なら、2007年にiPhoneが発売されて以来最大のデザイン変更になる。

ホームボタンは発売以来ずっとiPhoneデザインの中心だった。スリープの解除、ホーム画面への復帰、最近ではTouch IDの指紋認証にも使われている。もしなくなれば、こうした操作の方法が変わることになる。しかし、Bloombergの記事は極めて慎重に、次期iPhoneのハイエンド機種だけでホームボタンがなくなると書いている。これは過去数か月以来の噂と一致している。

ホームボタンを押す代わりに、ユーザーは移動可能な細いソフトウェアバーを使って様々なアクションを指示する。画面中央にドラッグすると端末が起動し、アプリの中ではタスク選択メニューになり、アプリを切り替えたりホーム画面に戻ったりできる、とBloombergは言っている。そこで終わりではないはずだ。もしこの記事が本当なら、Appeはこのソフトウェアバーのために、あらゆる種類の論理的操作を用意しているに違いない。

Appleには以前からホームボタン廃止の前兆があった。iPhone 7では、触覚反応を使ってクリックを模倣した非可動ボタンを採用した。iPadにも最近、OS Xのドックを思わせるアプリメニューが入った。Bloombergは、これを次期iPhoneが変わる前兆と捉えている。

これは次期iPhoneで予想されている大きなデザイン変更の一部にすぎない。ほかの噂によると、 端末を見ている時に通知をミュートするしくみや、テーブルの上に置いてあっても使える顔認識機能や、iPhoneの前面をほぼ覆いつくす大画面などが採用されると言われている。

Appleは次期iPhoneとして3種類のモデルを用意していると噂されている。全部にホームボタンがなくなる可能性は低い。理由はいくつかある。iPhoneはAppleで最も多く売れているデバイスであり、ホームボタンの廃止は議論を呼ぶ可能性が高い。全ユーザーに波風を立てる理由はない。さらに、このハイエンド版新iPhoneは、iPhone 7のアップグレード版よりも利益率がずっと小さいに違いない。これまでAppleは、段階的アップグレードと隔年のデザイン変更を組み合わせて健全な利益率を確保してきた。それが変わることは考えにくい。しかし、この公式にあてはめれば、ホームボタンは2018年または2019年には全廃されることになる。

何が出てくるにせよ、本誌は9月12日、Appleが次期iPhoneを発表する現場に乗り込み、詳しく報告する予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iOS 11のSafariは、シェアしたリンクからGoogle AMPリンクを削除する

iOS 11では、SafariでGoogle AMPリンクの記事をシェアしたとき、リンクを元の形式に戻すことになった。これを聞いてホッとしている人がいることだろう。MacStoriesの編集者、Federico ViticciがiOS 11 beta 7で見つけた。

[大変結構:AMPページをiMessageやリーディングリストにシェアするとき、iOS 11のSafariはAMPのゴミを自動的にURLから除去してくれる。いいぞ、Apple ]

Googleの高速読み込み方式であるAMPを使ったページは、プラットフォームに依存しない高速読み込みを求める消費者にとっては理想的だが、パブリッシャーは概してこれを嫌う(正当な理由がある)。ユーザーを本来のリンク先ではなくGoogleドメインに渡すため、かつてオンラインメディア世界の基礎をなしていた、検索由来のトラフィックを流出させることになるからだ。

今年Googleは、画像圧縮その他の細かい改善によってAMPリンクの読み込みが2倍速くなったと発表した。果てしないスピードよりも純粋性を重んじるわれわれにとって、iOS 11のこの小さな変更は、9月を待ちわびるもう一つの理由になりそうだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

500ドルのパスワード盗み機がiPhoneをこじ開けられるバグはiOS 11でパッチされました

昨日(米国時間8/17)YouTubeにユーザーEverythingAppleProが投稿したビデオは、短いパスコードでロックされているiPhone 7をアンロックする500ドルの小さなボックスを紹介している。それができるのはiPhone 7とiPhone 7+、そしてiPhone 6と6Sの一部だが、それができてしまう特定の状況になるまで、あなたは無限に待たなければならないかもしれない。

ぼくもちょっと調べてみたが、Appleによると、そのボックスに仕事をさせてしまうバグ的状況は、iOS 11の最終バージョンではパッチされており、秋にはリリースされるそうだ。なお、iOS 11のbeta 4でもすでにパッチされてるそうだ。

つまりこのボックスは、iOS 11に対しては何もできない。まず下のビデオを見て、それからこの記事の説明をお読みいただきたい。

このようなボックスは、何年も前から警察や、一部のサプライヤー(部品製造企業)が使っている。こいつはまず、正しいパスコードを見つけるまでさまざまなコードを次から次とトライする。iPhoneは、何度か続けざまに試されると自動的に自分をロックしてしまうが、iOS 10では、“バグ”以外に適切な呼び名のない、ある性質のために、1分以内なら高速の連続的パスコード試行が可能だ。このボックスも、仕事ができるのは1分以内だ。また、パスコードを変えてから10分後以降など、特定の状況では、この高速試行が拒否される。また、ある1分と次の(次に試行が可能な)1分とのあいだの待ち時間がとても長いので、人間が実際にやるには無理な方法だ。

以上をまとめると、このボックスが犯行に成功する条件はこうだ:

  • iPhone 7またはiPhone 7 Plus(そしてiPhone 6/6sの一部)
  • 今から10分以内の近過去にパスコードを変えた
  • パスコードを変えてから本機をまだ10分以上は使っていない
  • パスコードは4桁である

つまり、あなたのiPhone(上記機種)に侵入したい誰かが、このボックスを持っていて、しかもあなたのデバイスになんぼでも長時間アクセスできる、と仮定しよう。後者の条件はすでに非現実的だが、政府職員なら可能かもしれない。

あなたのパスワードが6桁で(それが今のデフォルト)、パスワードを変えてからまだ1分以内ならば、最大173日でそれを見破れる。

それが6桁で最近変えてないなら、9年6か月を要す。

iOS 11では、これらの日数や年数がもっと長くなる。自分の指紋を他人に使われたくないならTouchIDを無効にできる、という話が最近あったが、本誌のライターTaylor Hatmakerがそれについて、“企業がOSの上でやることの中では、今までで最高に知能犯的”、と言った。

警察とAppleのセキュリティの追いかけっこは、テレビ番組にしたらおもしろいだろうね。

iPhone 6/6sの件はあとから追記した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

iOS 11では、指紋認証をすばやく無効化して警察の介入を阻止できる

TouchID(指紋認証)は、警察や国境警備にiPhoneの開示を求められた際の法的グレーゾーンにある。しかし、iOS 11の最新アップデートでその問題がなくなるかもしれない。

新機能は、一部で “cop button”[警官ボタン]とも呼ばれている。なぜならiPhoneオーナーがTouchIDを瞬時に無効化できるからだ。旅行者や警察に尋問を受けることの多い人は、長く複雑なパスワードを設定しておくことで、警官などにiPhoneの中を見られずにすむ。

現在警察は、iPhoneオーナーに指紋を使ってロック解除させることを強要できる。しかしパスワードの入力を強要することはできない ―― パスワードは法律で守れらているためだ。

Twitterユーザーの @alt_kia によると、電源ボタンを素早く5回押すと第2の画面が現れ、長いパスワードを入れないとロック解除できなくなる[TouchIDは使えない]。

本来このしくみは、緊急時にiPhoneをロック解除して911[緊急電話]をダイヤルできるようにするためのものだ。Engadgetによると、電源ボタンを5回押すと助けを呼ぶための画面が表示され、同時にTouchIDではロック解除できなくなる。

ふだんTouchIDを使っているユーザーも、警官にiPhoneの提示を求められそうになったら、この方法を使ってプライバシーを守ることができる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Appleと豪コクレア社が提携して、初のiPhone対応人口内耳を提供

Appleは、オーストラリア拠点の補聴器メーカー、Cochlearと提携して、初のiPhone対応人口内耳(インプラント)を提供する。

6月に米国食品医薬品局(FDA)の認可を得たCochlearのNucleus 7 Sound Processorは、対応するiPhone、iPad、iPod touchの音を補聴器に直接送り込めるようになった。

本システムは、体内に埋め込まれた人口内耳でも、iPhoneの音を制御、カスタマイズして聞くことができる。

iOSアプリで音声やその他の機能を制御できるインプラントや補聴器は他社からも出ていて、Nucleusにも同様の機能を持つ専用アプリがある。しかし、Cochlearの最新機種はiPhoneそのもので制御が可能で、アプリをダウンロードする必要がない。

アメリカ人の5000万人以上が、何らかの原因である種の聴覚損失を経験している。Appleはこの聴覚損失問題にいち早く着目し、数年にわたり社内で補聴器プログラムの開発を続けてきた。

Appleはすぐにプロトコルを開発し、補聴器やインプラントのメーカーが製品に利用できるように無料で提供した。

「世界中どこででも使えるものを提供したかった」とAppleの国際アクセシビリティポリシー&イニシャティブ担当シニアマネージャー、Sarah Herrlingerが本誌に語った。「当社のテクノロジーを使う人全員が『私のiPhoneはこれまで使った中で最高のテクノロジー製品だ』と言ってくれることを願っている。毎回のOSアップデートの目標は、新しいアクセシビリティ機能を追加して、世界中の人たちに届けられるサポートを拡大していくことだ」。

Cochlearインプラントの制御機能を利用する方法は比較的簡単だ。この新しいNucleus 7 Sound Processorを始めとするiPhone対応補聴器の利用者は、iPhoneの設定アプリで「一般」「アクセシビリティ」をタップする。下方にスクロールしていくと「ヒアリングデバイス」があるのでタップすると対応するデバイスがBluetooth設定画面と同じように表示される。これで補聴器はiPhoneとペアリングされる。

ヘッドホンやその他のBluetooth対応機器とまったく同じように、インプラントがペアリングされると、iPhoneの音量コントロールを通じて制御できるようになる。たとえば、電話がかかってくれば、インプラントに設定した音量で声が聞こえる。

新しいNucleus 7は、バッテリー寿命が長くかつ小さく、前機種のNucleus 6 Sound Processorより24%軽くなったので、聴覚損失のある小さな子供にも最適だ。

「Nucleaus 7 Sound Processorが認可されたことは、聴覚損失のある人々にとってのターニングポイントです。電話をかけ、高音質のステレオサウンドで音楽を聞き、ビデオを見てFaceTimeでつながる。そのすべてが直接Cochlearインプラントを通じてできるようになります」とCochlear CEO Chris Smithが声明で言った。「この新しいSound Processorは、聴覚損失のある人たちが世界とつながり充実した生活を送る手助けをするという、当社の長年の公約に基づくものです」。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iOS 11のベータ4がリリース、これが最後のベータか?

Appleのモバイルオペレーティングシステムの新バージョンiOS 11は9月リリースとされているが、その前にまた新たなベータがリリースされた。まだ安定バージョンではないから、テスト機以外の実機にインストールすることはお勧めできない。ご自分のiPhoneが壊れてもよい、という人は別だが。

このベータ4は当面、登録デベロッパーしか入手できない。Appleには公開ベータの流れもあるが、ベータがそこに載るのは通常、デベロッパーベータが出てから数日後だ。

iOS 11をこのところ実際にテストしている人は(そのテスト機…iPhoneまたはiPad…の上で)Settingからアップデートできる。macOS High Sierra, watchOS 4, そしてtvOS 11も今日、ベータのアップデートを受け取った。

そもそもiOS 11は何が新しいのか? その、まだ見ぬニューバージョンはiPadの大きな前進だ、と言われる。アプリのレベルでなくオペレーティングシステムのレベルでファイルのドラッグ&ドロップやアプリのアイコンなどがサポートされるので、まったく新しいデバイスになった感すらある。ドックもあり、アプリスイッチャーもあり、そしてFilesアプリもあるので、アプリの立ち上げやドキュメントの管理が容易になる。

iPadを使わない人にとって最大の衝撃的変化は、iPhoneのコントロールセンターの完全な模様替えだろう。これからは、ショートカットをユーザーがカスタマイズできる。そのほか、同機のボンネットの下には大小の変化が山のようにある。

Appleが例年のパターンを踏襲するつもりなら、最終リリースは2か月後だ。それまで待てない人、ベータで壊れてもいいiPhoneやiPadを持っていない人は、ぼくが書いたプレビューで我慢してちょうだい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

iOS 11でiPadは完全に生まれ変わった――ベータ版レビュー

AppleのiOSが2007年に登場してから10年以上たつ。これほど長いあいだバージョンアップを重ねてきたOSをさらに改良するのは至難のわざだ。しかしiOS 11によってiPadはまったく新しいマシンに生まれ変わる。iOS 11はAppleにとってここ何年かで最大のOSアップデートだと思う。Appleはリスクを取ってもOSにイノベーションを持ち込むことにした。

私はここ数週間、iOS 11ベータ版を10.5インチのiPad Proに登載してテストしてきた。一般向け安定版が公開されるのはこの秋だが、今日(米国時間6/26)、AppleはiOS 11のベータ版を公開した。この記事でiOS 11版のiPadの作動の様子をプレビューしてもらえると思う。

iPadに慣れたユーザーはiOS 11にアップデートすると驚くことになる。iPadの作動が従来とまったく違ってしまうからだ。Appleはマルチタスクの導入によりユーザー体験を根本から変えた。すべての要素が関連し協調して動作する。たとえば、ファイル・アイコンを複数のアプリにドラグ&ドロップすることができる。またフルスクリーンでアプリを作動させている状態でホーム画面下部に新しく導入されたMac風のドックからアプリのアイコンを引き出し、窓状態で開くことができる、などだ。

何年か前にiPadを使ってみたものの不満を感じてスマートフォンとノートパソコンに逆戻りしたユーザーはiPadをiOS 11にアップデートしてフレッシュな気持ちで再スタートして欲しい。

iOS 11のすべての機能はとても挙げきれない。それについてはAppleのサイトで詳しく解説されている。ここでは私が特に重要だと思ったいくつかの機能にしぼって解説する。

iOS 11ではユーザーは右手の指でファイルのアイコンを押さえたままドラグし、同時に左手の指でドックを画面に呼び出すことができる。これはもう『マイノリティ・リポート』の世界だ

iOS 11をインストールして最初に気づくのは画面の下端にmacOS風のドックが表示されることだ。ドックには10数種類のアプリを設定できる。画面の下端から上にスワイプすればいつでもドックを引き出される。これは他のアプリを使っている場合でも同様だ。

アプリのアイコンをタップすればオープンすることができる。アイコンをスクリーンの横端にドラグすると狭いバージョンを開ける。たとえばフルスクリーンで何かの作業をしている場合でもMessagesアイコンをドラグしてメッセージを読み、すぐに閉じることができる。
iOS 9やiOS 10のスライドオーバーと似た機能だがユーザー体験はまったく異なる。

【略】

Mac風のドックや新しいアプリのスイッチャーの採用はOSそのものが根本的な変化を遂げたことの現れでしかない。Appleはドラグ&ドロップを全システムで可能とした。つまりファイルや実行可能アプリのアイコンをドラグ&ドロップで移動できるようになった。今後はファイル、アプリ、メニューを自由に操作できる。

こうした新機能にどのように対応するのか、サードパーティーのアプリの場合は秋を待たねばならない。しかし現在実現されている範囲でも変化は大きい。たとえばPhotosアプリ内の写真をドラグしてNotesアプリのアイコンに乗せるとNotesが開く。写真を指で押さえたまま望みのノートのところまでドラグし、そこでドロップするという使い方ができる。

iOS 11ではユーザーは右手の指でファイル・アイコンを押さえたままドラグし、同時に左手の指でドックを画面に呼び出すことができる。これはもう『マイノリティ・リポート』の世界だ。

またAppleはiPadに本格的なファイル・システムを導入した。iPadはDropbox、Box、それにもちろんiCloud Driveをサポートする。

小さなところではメインのキーボードでキーを下にスワイプすることで句読点や数字にアクセスできる。NotesアプリはEvernote的になり、ドキュメントをスキャンできるようになった。手書き文字も解読され、後で検索できる。

ただし正直に言って新しいシステムに慣れるには時間がかかりそうだ。残念ながら私はまだそこまで行っていない。何かをしようとして「これをするにはどうするのだっけ?」と迷うこともたびたびある。

AppleはiOS 9で画面分割などの機能を取り入れたが、iOS 11ではこれを大きく進め、iPadを「大きいiPhone」から仕事に使えるデバイスにしたといえる。

ARKitは驚くような能力

iOS 11は根本的なアップデートだ。上で紹介したようにユーザーがすぐにそれと気づく新機能も大きいが、真価を発揮するのはデベロッパーが新OSの新しいフレームワークを活用したアプリをリリースするのを待たねばならない。これにはある程度時間がかかる。【略】

その中でも重要だと思うのはARKitだ。これはiPhoneとiPadののカメラに拡張現実の能力を与えるもので、このフレームワークはたとえばテーブルを認識し、その上に3Dオブジェクトを表示することができる。ユーザーがiPadを持ってテーブルの周囲を回ればオブジェクトの裏側を見ることができる。カメラを近づけるとオブジェクトは自然に拡大される。まるでテーブルの上に本物の物体が載っているように見える。このフレームワークを利用すればiOSアプリのデベロッパーは一夜にしてARのエキスパートに変身する。ゲームを始めAR活用のオプションは非常に大きい。

じゃん! ARKitの測定アプリ#2 〔日本版:現実の物体をカメラで撮影し、きわめて高精度で寸法を測定している〕

Core MLも大きなアップデートだ。AppleはPhotosアプリ向けに以前から開発を続けていた機能だが、これが他のアプリからも利用できる汎用のフレームワークとなった。デベロッパーは機械学習による物体認識をあらゆるアプリで利用できる。

その他新機能多数

これはあくまでiOS 11のプレビューなのですべての新機能を紹介することはできない。目についた部分をざっと見ただけだが、それでもあまり知られていないアップデートが多数あった。

  • 通知が表示される画面はデザインが変わり、ロックスクリーンそっくりになった。ちょっと混乱するかもしれない。
  • Siriの音声が自然になった。
  • PhotosアプリがとうとうGIF的動画をサポートした!
  • App Storeがリニューアルされる。デザインは素晴らしいと思うが、アプリの発見に大きな変化が起きるのか、デベロッパーにどのような影響を与えるのかは今後の問題。
  • iCloudを有効にしている場合、iMessageデータベースは自動的にiCloudにアップロード、同期される。暗号化はそのまま維持される。ただし iOSのバックアップ全般はiCloudでは暗号化されない。
  • デバイスのメモリーに余裕がない場合、 iOS 11は使われていないアプリを自動的に削除する。データや設定は維持されるが、次回にそのアプリを利用するときには再ダウンロードする必要がある。
  • 【略】

その他マイナーなアップデートも無数にある。しかし上で述べたように大きな変化が実感されるのはサードパーティーのデベロッパーが新OSの機能をアプリに実装してからだろう。

当初iOSのアプリはそれぞれ孤立してサンドボックスの中で作動していたが、Appleは次第にオープン化を進めてきた。iPhone、iPadいずれのユーザーもiOS 11ではAppleのオープン化戦略の恩恵を十分に受けることになりそうだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple、写真アプリの「メモリー」機能に焦点を当てた新しいiPhone CMを公開

AppleはiOS 10で写真アプリに初めて”Memories”[メモリー]タブを 導入した。iPhoneの写真ライブラリーを自動的に解析して、日付、場所、内容に応じてスマートアルバムを作る機能だ。例えば、休暇にモスクワへ行った旅や、子供の成長記録をアルバムにまとめてくれる。

さらに、集めた写真やビデオに合ったサウンドトラックを載せた感動的ビデオを作ることもできる。この機能はかなりよくできているが、多くのユーザーはまだ存在を知らない。そこでAppleは、このメモリータブに焦点を当てた新しいCMを作った。

これまでのAppleのCMと変わらず、映画的アプローチを取り入れ、静かなシーンが多く使われている。CMでは注意深そうな記録官が引き出しを開け、古い映画フィルムのほこりを払い、レタリングを書き加えているところが見られる。

これは、iPhoneがバックグラウンドで行っている作業を再現したものだ。自分では何の努力をすることなく、昔の思い出を綴った60秒のビデオを見られるのは驚くべきことだ。数十年前には同じことをするのに何日も何週間もかかっただろう。

さまざまな意味で、「メモリー」はGoogleフォトの同等機能に対するAppleの回答だ。大きな違いはAppleがこのスマートアルバムを作るためにサーバーシステムに頼っていないことだ。すべては端末上で行われる。

iPhoneは、持ち主が寝ている間にも充電中の端末の中で写真を分類する。Appleは、寝ている間もiPhoneが常時動作していることを活用している。

今回もAppleは、あなたが気づいていないかもしれない機能を伝えるために広告キャンペーンを利用した。これがiPhoneを前面に押し出すCMより効果があるのかどうか定かではないが、興味深いアプローチだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iOS 11では、UberやWazeのようなアプリが位置情報を常時収集できなくなる

Appleは今週のWWDCで、iOS 11の発表に重点を置き、ファイル管理、iMessage、QRコードのスキャンなど様々な機能を紹介した。しかし明示的に発表されなかった新機能もいくつかある。その一つは多くのユーザーに歓迎されると思われるもので、アプリによる位置情報データの利用をユーザーが制限できるようにセキュリティー設定が改訂される。

UberやWazeなどのアプリは、ユーザーに対してアプリが動作していない時でも端末の位置情報のフルアクセスを強要して批判を浴びている。昨年本誌が報じたように、これはアプリが密かにユーザーの個人情報を収集する可能性があることを意味している。しかしUberなどは問題提起に耳を貸さなかった

iOS 11の新しい設定機能が提供されれば、その心配もなくなるはずだ。「このAppの使用中のみ許可」の設定を全アプリで選択できるようになる ―― デベロッパーのJoe DuvallやTwitterユーザーの@tfoil2@chengyinliuら、鋭い観察力の持ち主が見つけた。従来この設定項目 ―― 名前の通りに機能する ―― はデベロッパーのオプションであり、多くの著名なアプリが提供していなかった。

Uberの例が下にあるが、これはユーザーのプライバシー保護に大きく貢献するに違いない。ユーザーによっては端末のバッテリー寿命を延ばす効果もあるかもしれない。

[iOS 11では、位置情報利用の「このアプリを使用中のみ」が全アプリに付いた! よくやった。]

現在iOS 11はデベロッパーにのみ提供されているので、この変更の与える影響は限られているが、9月にiOS 11が一般公開されれば、位置情報の利用を細かく制御できるこの新しい項目を、多くのiPhoneユーザーが利用できるようになる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook