振動、音、温度から機械の故障を予測する技術を擁するAuguryが約58億円調達

Amazon(アマゾン)に続き、機械の調子を外から感知した音と振動と温度の物理的な変化で判定する新しい業務用サービス(Business Insider記事)提供し、その分野ですでに大きなビジネスを展開しているスタートアップが、大規模な成長ラウンドの獲得を発表した。

Colgate(コルゲート)やHeineken(ハイネケン)といった大手企業と提携し、製造ラインや配送ラインの機械の管理を行うAugury(オーギュリー)は、 5500万ドル(約58億円)の資金を調達した。共同創設者でCEOのSaar Yoskovitz(サー・ヨスコビッツ)氏はインタビューに応えて、この資金は
顧客向けサービスの拡大と、グローバルな顧客ベース、および小企業やスケールアップ企業を含むターゲット顧客層の多様化につながる提携企業のエコシステム構築に向けられると話していた。

今回のシリーズD投資は、イスラエルを拠点とするレイトステージ向け投資を中心とするベンチャーキャピタルのQumra Capitalの主導によるもので、Insight Venture Partners、Eclipse Ventures、Munich Re Venture Capital、Qualcomm Ventures、Lerer Hippeau Venturesが参加している。どれも、以前からこのスタートアップを支援している投資会社だ。なお、Auguryはイスラエルのハイファで設立され、現在はニューヨークに第2の本社を構えている。

2011年に創設され、2014年までステルスモードで活動していたAuguryは、現在までに1億600万ドル(約111億6000万円)を調達している。同社に近い情報筋の話から、評価額は2億〜3億ドル(約210億〜316億円)と推定される。

同社は、拡大により大きな工業用テクノロジーの世界で、そして競争の激しいランドスケープにおいて、注目すべき地点に到達した。

Business Insiderは9月の記事で、アマゾンが規制当局と組んで、AWS Thor(ソー)と同社が呼ぶ新サービスに取り組んでいることを示す資料を公表した。機械のさまざまな物理特性をモニターし、いつ故障するか、または少なくともメンテナンスの必要があるか否かを診断する企業向けサービスにおいて、Amazon Auguryの直接のライバルになるものと思われる。情報筋によれば、Thorは今月中にもローンチされる。そのことがより多様な顧客にサービスを拡大し、初期診断に加えより多くの分析情報を提供できるようAuguryを支援する資本投入の理由になったという。なんとも絶妙なタイミングだ。

より大きな工業市場という面では、今回の投資とAuguryの成長は、重要な局面に差し掛かった。第一に、こうしたサービスは、おそらく、以前から期待されつつも今日まで大きな利益を上げられずにいるIoTを取り巻く世界での、実行可能なビジネスモデルの最初の足掛かりになる。

それ以上に、おそらくより直近の課題として、今の世界の状況がある。具体的に言えば、新型コロナウイルスと世界的に拡大した健康被害による緊急性の高まりと、ビジネス界に及ぼした影響だ。それは、さらなるリモートワークを可能にするための、システムのデジタル化を急ぐよう促している。

それが「ナレッジワーカー」(1日中コンピューターやデスクに向かって仕事をしている人を指す造語)の働き方に与える影響については多く語られてきたが、実は前線で働く人たち、つまり組み立てラインの作業員や製造ラインのメンテナンスをする人たちにも同じことが起きている。

機械が最適な性能を発揮できなくなる時期を判定するツールを提供しているのはAuguryだけではないが、同社は、取り返しが付かなくなる事態に至る前に、いち早く修理ができるようメンテナンス担当者に診断情報を提供している。さらに、パートナーの広範なエコシステムを構築し、機械の修理に必要な部品の注文や配送も行ってきた。

「店の棚は空っぽなので、突然すべての製造業者が、よりよい協力関係とリスク管理のためのツールを求めるようになりました」とヨスコビッツ氏は話す。とくにフル稼働中に機械が故障すれば、深刻な供給停止のドミノ現象が引き起こされるという。

Auguryのパートナーには、ドイツのProPac(プロパック)、フィンランドのCaverion(キャベリオン)、イタリアのluriservice(ルーリサービス)、中南米のFuse IoT(フューズ・アイオーティー)、来た米国の42 North(フォーティートゥー・ノース)などがある。そして、保険の大手企業Munich Re(ミュンヘン再保険)のような投資家も加わっている。その他のOEMやサービスプロバイダーとして、Grundfos(グランドフォス)、Carrier(キャリアー)、Trane(トレーン)、DSVなども参加している。

「コロナ禍によって、グローバルなサプライチェーンの欠陥が露呈しました」とQumra Capital(キュミュラ・キャピタル)の業務執行社員Sivan Shamri Dahan(シバン・シャムリ・ダハン)氏は声明の中で述べている。「需要の増大による基本的な製品の不足は、供給要件に満たす能力のない製造業者と相まって、製造業界のデジタル化が喫緊の課題であることを世に示しました。Auguryは、そうしたデジタル革命において極めて重要な役割を果たし、大幅な成長を遂げています。この記録的な拡大と実務能力によりAuguryは、製造業向けIoT市場の世界的リーダーとなるでしょう。私たちはAuguryを支援し、その心ときめく旅に同行できることを喜びを感じています」。

カテゴリー:IoT
タグ:Augury、資金調達

画像クレジット:ipopba / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

エッジコンピューティングのスタートアップEdgifyが6.9億円のシード資金を調達

エッジコンピューティング用のAIを開発するEdgify(エッジファイ)が、Octopus Ventures、Mangrove Capital Partners、および名前を伏せた半導体の巨人の支援を受けて、650万ドル(約6億9000万円)のシード資金を調達した。その巨人の名前は明かされていないが、TechCrunchはおそらくそれはIntel(インテル)またはQualcommInc(クアルコム)であろうと推定している。

Edgifyのテクノロジーを使うことで「エッジデバイス」(インターネットの端にデバイス)が、膨大な量のデータを解釈し、AIモデルをローカルでトレーニングし、その結果を同様のデバイス同士のネットワーク全体で共有することができるようになる。またコンピュータービジョン、自然言語処理(NLP)、音声認識、その他の形式のAIからすべてのデバイスをトレーニングすることができる。

このテクノロジーはMRI装置、コネクテッドカー、スーパーのレジ、モバイルデバイスなどのCPU、GPU、NPUを備えたあらゆるものに適用することができる。例えばEdgifyのテクノロジーは、すでにスーパーマーケットで使用されている。

EdgifyのCEOで共同創業者であるOfri Ben-Porat(オフリ・ベン=ポラット)氏は、声明の中で「Edgifyはどんな産業分野の企業に対しても、エッジデバイス上で直接ディープラーニングとマシンラーニングモデルのトレーニングを可能にします。これにより、クラウドへのデータ転送の必要性が軽減され、中央での再トレーニングの必要なしに、いつでもほぼ完全な精度を達成することができます」と語る。

同じくEdgifyの取締役会に参加するMangroveのパートナーであるHans-Jürgen Schmitz(ハンス=ユルゲン・シュミッツ)氏は「複数の産業を横断してAIの採用が急増すると考えています、その中でEdgfyは、たとえば医学や製造業などの中で長期的かつ重要な可能性を発揮できると思います」とコメントしている。

また、Octopus Venturesのパートナーでディープテック(破壊的ソリューションとなり得る最先端技術)投資家のSimon King(サイモン・キング)氏は「私たちが生きる相互接続された世界がますます多くのデータを生成するにつれて、大量の情報を処理するためにエッジのAIは、ますます重要になってきています」と付け加えた。

いわゆる「エッジコンピューティング」は、現在、ディープテックの最前線の1つと見なされているのだ。

カテゴリー:IoT
タグ:Edgify資金調達エッジコンピューティングエッジAI

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(翻訳:sako)

Twilioが現場作業員向けの無料の1対1動画ツールキットと新しいIoTプラットフォームを発表

米国時間9月30日、Twilioは毎年恒例のSignalカンファレンスを開催した。いつものように同社はこのイベントを利用して、多数の新製品や新機能を発表した。大部分の内容は、特にウェブやモバイル開発者にとっては画期的な新機能は披露されなかった。Twilioのコアサービスは、何と言ってもウェブサービスAPIを利用して電話の発着信やテキストメッセージの送受信などを実現する機能だ。本日の発表は、Twilioのプロダクトエコシステム全体のエッジ部分を強化する内容だった。

少なくともほとんどの開発者の視点での最も興味深いローンチは、おそらく「TwilioのVideo Web RTC Go」の一般公開だろう。この無料のビデオサービスを利用すれば、ウェブやモバイルアプリケーションに1対1のビデオチャットを追加することができる。

Twilioによると、これは無料トライアルではなく、Twilioのリレーを経由して月25GBの帯域幅、つまり約10万人ぶんの参加者に制限されているという。ロギングや診断機能も利用できる。フリーミアムモデルだが始める際にはさまざまな制限がある。帯域がもっと必要な場合は、もちろん有料プランアップグレードすることも可能だ。

Twilioのプラットフォームおよび開発者エクスペリエンス担当シニアディレクターのQuinton Wall(クイントン・ウォール)氏は「Twilio Video WebRTC Goは無料サービスで、開発者がが遠隔学習などのために1対1のビデオ接続を構築するための無料サービスです。クライアントは、新型コロナウイルスの感染蔓延によって加速した新しいユースケースに必要なものをすべて相談できます」と語り。そして「私たちが本当にやりたかったことは、すべての障壁を取り除き、WebRTCの上に構築するために必要なすべてのツールを提供する無料の層、そして永遠に無料の層を作ることです」と続けた。

オリンパスデジタルカメラ(画像クレジット:オリンパス)

2つ目の大きな発表は、Twilioの最新IoTサービスであるMicrovisor IoTプラットフォームの提供が開始された点だ。Twilioは今年初めにIoTハードウェアとソフトウェアのスペシャリストであるElectric Impを買収(未訳記事)しており、IoTへの取り組みを開始した当初は、Electric ImpのSuper SIM(世界174カ国344のネットワークに接続できるSIM)製品(未訳記事)によるセルラー接続からスタートしていた。Microvisor IoTプラットフォームの背後にある考え方は、組み込み開発者がコネクテッドデバイスを構築するために必要なすべてのツールと、それらをアップデートして安全に保つためのライフサイクル管理ツールを提供することだ。

Twilio IoTのGMであるEvan Cummack(エバン・カマック)氏は「TwilioがIoT市場を深く掘り下げていくと、各社の多くのプロジェクトが失敗に終わっていることがわかりました」と語る。「顧客の状況を個別に調べたところ、多くの失敗の原因が見えてきました。エンドユーザーが何を求めているのか、エンドユーザーの体験、価値やビジネスモデルなど、根本的な判断ミスが原因であることもありますが、多くの場合は技術的な問題であったり、技術的な課題があまりにも急峻であったためにROI(投資利益率)の方程式が崩れてしまったことが原因でした。必要な技術的努力を正当化するために十分な価値を提供できなかったのです」と説明する。

Electric Impの買収によって、Twilioはフルスタックプラットフォームを手に入れた。しかし、カマック氏が指摘するように、ほとんどの企業はこれらのプラットフォームを購入しない。その代わりに、ゼロからソリューションを構築しようとしている。Twilioの仮説では「これらのデバイス用のネイティブコードを書けるようにしたいと考えているため、そうしているのだ」という。これをフルスタックプラットフォームの利便性と組み合わせるのは難しい。

画像クレジット:Twilio

そこでTwilioチームが考え出したソリューションは、この新しいソフトウェアプラットフォームとArmの最近のハードウェア技術革新であるArm TrustZone Technology(Armサイト)を組み合わせたものだ。ArmのTrustZoneハードウェア分離機能をコアに据えることで、Microvisorプラットフォームは最新のCortex Mベースのプロセッサを使用するデバイス上でのみ動作する。その見返りとしてユーザーは、リモートデバッグ機能に加えて、セキュアなブート機能、無線でのファームウェアアップデート、デバイスに接続するためのセキュアなトンネルを得ることができる。

これは開発者が、音声、SMS、Super SIM、TaskRouterなどを介したワイヤレス接続など、Twilioを利用したすべてのエクスペリエンスからデータを集約するのに役立つ新しいAPIとなる。これは、ユーザーがこれらのチャネルがどのように利用されているかをよりよく理解できるようにすることを目的としたもので、請求書を理解するためのものではなく、ビジネスが顧客とどのようにやり取りしているかを分析するツールを構築するためのものだ。

画像クレジット:Twilio

そして最後にTwilio Frontlineだ。これは開発者向けの製品ではないが、顧客とコミュニケーションを取る必要があるかもしれないフロントラインワーカー(エッセンシャルワーカー)のためのReact Nativeベースのアプリとなる。

外で待っている顧客と話をする必要がある店舗の従業員のことを考えてみてほしい。このアプリはチャットに特化しており、SMS、WhatsApp、ウェブベースおよびアプリ内チャットクライアントをサポートしている。Frontlineは、既存の企業認証やCRMシステムと統合することも可能だ。

画像クレジット:Robert Alexander/Getty Images / Getty Images

カテゴリー:IoT
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(翻訳:TechCrunch Japan)

アプリ開発者向けエッジコンピューティングサービスのMacrometaが、DNX主導のシードラウンドで7.4億円を調達

COVID-19のパンデミックによる、人びとの自宅作業や学習が続く中で、エッジコンピューティングへの関心が高まっている(TBR記事)。アプリ開発者にエッジコンピューティング向けインフラストラクチャを提供する、パロアルト拠点のMacrometa(マクロメータ)は、米国時間10月1日、700万ドル(約7億4000万円)のシードラウンドを終了したことを発表した。

このラウンドは、初期ステージのB2Bスタートアップに焦点を当てた投資ファンドの、DNX Venturesが主導した。他に参加したのは、以前にも投資を行ったBenhamou Global Ventures、Partech Partners、Fusion Fund、Sway Ventures、Velar Capital、Shasta Venturesなどである。

クラウドコンピューティングは、Amazon、IBM、Microsoft、Googleなどのプロバイダーが所有するサーバーとデータセンターに依存しているが、エッジコンピューティングは地理的に分散していて、処理がデータソースの近くで行われるため、パフォーマンスが向上する。

最高経営責任者のChetan Venkatesh(チェタン・ベンケタッシュ)氏とチーフアーキテクトのDurga Gokina(ドゥルガー・ゴーキナ)氏によって2018年に設立されたMacrometaの、グローバル分散データサービスGlobal Data Network(グローバル・データ・ネットワーク)は、分散型noSQLデータベースと低遅延ストリームデータ処理エンジンを組み合わせたものだ。これを使うことで、開発者は世界中の175のエッジリージョンで、クラウドアプリとAPIを実行することができる。遅延を減らすために、アプリのリクエストはユーザーに最も近いリージョンに送信される。Macrometaは、グローバルなリクエストを50ミリ秒未満で処理できるため、DyanmoDB(ダイナモDB)、MongoDB(モンゴDB)、Firebase(ファイアベース)などのクラウドプラットフォームよりも50〜100倍高速だと主張している。Macrometaが競合他社と差別化する方法の1つは、開発者が単一のプロバイダーではなく、たとえばGoogle Cloud(グーグル・クラウド)やAmazon Web Services(アマゾン・ウェブ・サービス)などの、クラウドプロバイダーのグローバルネットワーク全体に保存されているデータを操作できるようにすることだ。

より多くの通信会社が5Gネットワークを展開するにつれて、Macrometaのようなグローバルに分散されたサーバーレスデータコンピューティングサービスへの需要は、特にエンタープライズソフトウェアのサポート向けに増加することが予想されている。Latent AI(レイテントAI)、SiMa.ai(未訳記事)(シーマAI)、Pensando(ペンサンド)などの他のエッジコンピューティング関連のスタートアップたちが、最近になって資金を調達している。

Macrometaの広報担当者は、今回のシードラウンドには予定額を上回る応募があったという。なぜならパンデミックによって、最近IPOを行ったSnowflake(スノーフレイク)のようなクラウドおよびエッジ企業への投資家の関心が高まったからだ。

またMacrometaはやはり米国時間10月1日に、DNXのマネージングパートナーであるQ Motiwala(Q・モティワラ)氏、元Auth0(オース0)およびxnor.ai(ゾナーAI)の最高経営責任者のJon Gelsey(ジョン・ゲルシー)、そしてArmorblox(アーマーブロックス)の最高技術責任者であるRob Fry(ロブ・フライ)氏を取締役会に加えたことも発表した。

モティワラ氏は資金調達についての声明で、次のように述べている。「今後5年から10年のクラウドの進化を見たとき、エンタープライズ開発者たちが、現在のクラウドアーキテクチャーが課す、制約、スケーリング制限、高コストの壁を超えるために、Macrometaのようなプラットフォームを必要とすることは明らかです。Macrometaがエッジコンピューティングのために行っていることは、Amazon Web Servicesが10年前にクラウドに対して行ったことと同じです」。

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(翻訳:sako)

WellSaid Labs、合成音声を数秒間のクリップから数時間のクリップへと進化

今や何百万世帯もの家庭で音声対応のデバイスが利用されているが、数秒以上続く長い合成音声を普段耳にすることはまずないだろう。WellSaid Labs(ウェルセッドラブズ)は、音声エンジン分野の開発を押し進め、我々が日々Siri(シリ)やAlexa(アレクサ)で聞いている短文と同等、またはそれ以上のクオリティを持つ、数時間にもわたる音声コンテンツを素早く簡単に生成することに成功した。

昨年世に出て以来、WellSaid Labsは同社が持つ技術をデモ製品から商用製品へと進化させるため着実に取り組んできた。その過程で同社は利益になり得るニッチな分野を発見する。

CTOのMichael Petrochuk(マイケル・ペトロチャック)氏は、初期の段階で同社の技術は、人工音声におけるリアリズムの新しい基準を確立したGoogle(グーグル)のタコトロンプロジェクトという研究をベースにしていたと説明する。

「2年前にリリースされたにもかかわらず、タコトロン2は今でも芸術的と言えます。ただしいくつか問題はあります。1つ目は高速ではないと言う点。1秒のオーディオを生成するのに3分かかります。また、これは15秒のオーディオをモデル化するために作られているため、10分間のコンテンツを生成するワークフローなどとても考えられません。我々が目指すものとはかけ離れています」とペトロチャック氏。

そこでWellSaid Labsは速度、品質、長さに焦点を当てて自社モデルを完全に再構築した。すべて一度に焦点を当てているかのようでもあるが、最適化のために焦点を当てるべき箇所は常に山ほどある。その結果、15種の音声と複数の言語を用いた非常に高品質な音声をほぼリアルタイムで生成することができるモデルを作り上げた。つまり、1分間のクリップは、数時間を費やして作るのではなく、36秒で完成できるということだ。

この一見ベーシックな技術には数多くの利点がある。高速なだけでなく、できあがった音声をよりシンプルで簡単に処理することも可能だ。オーディオコンテンツのプロデューサーの場合、数百文字のスクリプトを入力してその音声を聞き、発音や抑揚を数回のキー操作で微調整すれば完成だ。タコトロンは合成音声の世界を一変したが、実際に製品になったことはない。WellSaid Labsは、タコロトンの技術と独自の技術を組み合わせて、使い勝手の良いソフトウェアと卓越した音声システムを生み出すことに成功した。

WellSaid Labによるテストにて、タコロトンやその他の製品と比較できるよう15秒のクリップを生成したところ、同社のモデルは人間による音声と同等の評価を得ると言うマイルストーンを達成した。この手の技術を客観的に測るための手段は存在しないが、実際に多くの人々にどれだけ人間らしく聞こえるかを聞いてもらい検証するのは正しい方法と言えるだろう。

このような条件下で「人間のような」音声を達成するため、同社は多数のオーディオクリップも公開し、より難しいコンテンツも生成できるという事を証明した。

スペイン語、フランス語、ドイツ語でももっともらしい音声を発し(著者はこれらの言葉を話せないためそれ以上のことは言えないが)、「Stoichiometry(化学量論)」や「Halogenation(ハロゲン化)」のような複雑で言語学的に難しい単語や「Buffet(ビュッフェ)」や「Desert(砂漠)」のように文脈によって異なる単語なども上手く発音しその技術を軽々と披露した。Mary Shelley(メアリー・シェリー)著書の「フランケンシュタイン」を8時間かけて読み通したのは称賛に値する。

しかし、さらなる進歩のためにWellSaid Labsが向き合っているのはオーディオブック業界ではない。それは企業研修というとてつもなく退屈だが必要不可欠な分野である。企業方針を説明したり、社内ツールの使い方、営業や管理、開発ツールなどのベストプラクティスを説明したりするような、あれである。

企業研修の内容は通常、その企業独自のものであり、何時間分ものオーディオになる。何十年も前に作られたようなDVDを研修会場で見せられたり、莫大な資料を渡されたりするような慣習の代替となるだろう。このようなパワフルな技術を実用化する場としては決してエキサイティングな場所とは言えないが、技術がどれだけ変革的であっても、実際にお金を稼げなければ沈没してしまうというスタートアップの現実がここにある。

Image Credits: WellSaid Labs

「我々は企業研修の分野で利点を見つけましたが、製品開発においてはこれによってより大きな分野に向けての基礎となる要素を構築することができました。音声はどこにでも存在します。今は誰のために構築するのかを現実的に考えなければなりませんが、最終的にはどんな音声でも作成して配信できるインフラを提供する予定です」と成長部門長のMartín Ramírez(マルティン・ラミレス)氏は語る。

一見企業向けサービスの拡大速度が遅すぎるようにも感じられるかもしれない。同社のシステムは英語に特化しているわけではなく、多言語での研修にも同様に活用できるだろう。しかし、ポッドキャストやゲーム、ラジオ番組、広告、ガバナンスなど他の業界でも、この向上した音声機能を大いに活用することができるはずだ。

同社のアプローチにおける大きな制限の一つとして、このシステムは人が操作し、仮想声優の録音に使用されることを想定していると言う点がある。つまりこれでは、声帯に障害のある人々や音声インターフェースを一日中使っている目の不自由な人々、また海外旅行中にリアルタイムで翻訳ツールを使用する人々など、実際により優れた合成音声を必要としている人々には役立たない。

「近い将来、弊社がそういったサービスを提供している可能性もあるでしょう」とラミレス氏は言うが、同氏もその他のメンバーも慎重な言葉選びだ。「しかし、現時点で構築された方法では、人間がエンジンと対話した上で自然な人間らしさを作り上げるべきだと考えています。ダイナミックレンダリングのシナリオがかなりのスピードで近づいてきているので、それに備えて準備をしておきたいところですが、今の時点ではまだ準備ができていません」。

同社は「ランウェイも顧客も豊富」とのことで、急成長中でもあるため今すぐに資金を調達する必要はないだろう。ベンチャーキャピタルファームの諸君にそう言っておきたい。

関連記事:WellSaidは人間の代役が務まるほど自然な合成音声を公開

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(翻訳:Dragonfly)

アマゾンが低帯域近隣ネットワークSidewalkの詳細を公開、EchoとTileが対応デバイスに

Amazon(アマゾン)は昨年、家の中や外(おそらくこちらの方が重要)のスマートデバイスの接続に使用される、独自に開発した低帯域幅の新しい長距離無線プロトコルSidewalkネットワークを発表した。そのSidewalkサービスの提供開始が近づいてきた。Sidewalkは、メッシュネットワークに似ているが、十分な数のアクセスポイントがあれば、近隣全体を簡単にカバーできる。

米国時間9月21日のアマゾンの発表によると、年内にはEcho互換デバイスがSidewalkネットワークのBluetoothブリッジとなり、Ringの防犯カメラFloodlightとSpotlightも同ネットワークの一部になるという。アマゾンは、こうした低帯域幅接続によって、帯域幅のごく一部を隣人と共有することになってもユーザーは気にしないだろうと考えている。

また、Tileが近日中にリリース予定のSidewalk互換トラッカーがサードパーティー製の最初のSidewalkネットワーク対応デバイスになることも発表した。

アマゾンが最初にSidewalkを発表した際、Sidewalkネットワークの仕組みについての詳しい説明はなかった。今回の発表では、この共有型ネットワークでプライバシーとセキュリティがどのように確保されるのかに関するホワイトペーパーも公開された。以上すべての点に加え、アマゾンが描いているSidewalkに関するビジョンについて、SidewalkのジェネラルマネージャーであるManolo Arana(マノロ・アラナ)氏に話を聞いた。

Image Credits: Amazon

同氏は、SidewalkをThreadやその他のメッシュネットワークプロトコルの競合サービスととらえるのは間違いであることを強調する。「まずはっきりさせておきたいのは、SidewalkはThreadなどのメッシュネットワークとは競合しないという点だ」と同氏は述べた。「ZigBeeやZ-Waveなどのアプリケーションを思い浮かべて欲しい。Sidewalkにも同じようにして接続できる」同氏によると、開発チームは既存のプロトコルを置き換えるのではなく、別の新たな転送メカニズム、およびデバイスを接続する無線の管理方法を作成したいという。

Sidewalkネットワークを開始し、例えば、各家庭で敷地の端に設置されたスマート照明が接続されるようになるくらいその認知度を上げるには、Echoファミリーのデバイスを利用してもらうことがアマゾンにとって最善の策であることは間違いない。

「Echoデバイスは、ブリッジとして機能するようになる。これは我々にとって大きなことである」とアラナ氏はいう。「この機能のメリットを享受する顧客が多数いることは容易に想像できる。我々には、この種のサービスを実現できるようになることが何よりも重要だ。Tileは最初のSidewalk対応エッジデバイスとなり、貴重品、財布など、大切なものを何でも追跡できるようになる」。

多くの意味で、これこそがSidewalkの将来性を示している。隣人と帯域幅を少し共有するだけで、例えば、本来であれば自宅ネットワークの外側になる庭のスマート照明などに接続できるようになる。また、自宅のWi-Fiがオフになっている場合でもモーションセンサーのアラートを鳴らすことや、スマートペットファインダーを付けている迷子になった犬を探し出すことができる(これはアマゾンがSidewalkを最初に発表したときに紹介した使用例だ)。

Image Credits: Amazon

今回公開されたホワイトペーパーでは、共有帯域幅に制限があることを明確に示したうえで、ユーザーがネットワークへの参加/不参加を選択できるように互換デバイスのシンプルなオン/オフの制御スイッチを用意することが明記されている。デバイスが利用できる帯域幅は最大500MBで、クラウド内のSidewalkサーバーとブリッジの間の帯域幅は80Kbps以下に制限されている。

Sidewalkサービス全体のアーキテクチャは実にシンプルだ。エンドポイント、例えば、接続された庭の照明がブリッジ(アマゾンのドキュメントではゲートウェイと呼ばれている)にパケットを送信する。ゲートウェイは、Bluetooth Low Energy(BLE)、Frequency Shift Keying(FSK)、および900MHz帯域のLoRaを利用して、ネットワークの一方の端にデバイスを接続し、もう一方の端でクラウド上のSidewalkネットワークサーバーにパケットを送信する。

ネットワークサーバー(アマゾンが運用)は着信したパケットが、認証済みのデバイスおよびサービスから送信されたものであることを確認する。サーバーは、アマゾンまたはサードパーティーベンダーが管理するアプリケーションサーバーとやり取りする。

Image Credits: Amazon

この通信はすべて複数回にわたって暗号化されるため、アマゾンでさえ、ネットワークを通過するコマンドやメッセージの内容を知ることはできないという。暗号化は3つのレイヤーで実現される。まず、アプリケーションサーバーとエンドポイントの間の通信を可能にするアプリケーションレイヤー。次に、無線パケットを保護するSidewalkのネットワークレイヤー。そして、ゲートウェイによって追加されるいわゆるFlexレイヤーだ。これは、ネットワークサーバーに「信頼できるメッセージ受信時刻の参照を提供し、パケットの機密性を実現するレイヤーを追加する」ものだという。

さらに、アマゾンが受信するルーティング情報はすべて24時間ごとに削除され、デバイスIDは定期的に更新されてデータが特定の顧客に関連付けられないようになっている。また、一方向のハッシュキーやその他の暗号化技術も使用されている。

アラナ氏によると、開発チームは、広範な侵入テストを終え、強制停止スイッチや高度なセキュリティ機能の追加が完了するまではこのプロジェクトを公開しないことにしたという。またチームは、ネットワーク内にデバイスを安全にプロビジョニングする新しい技術も開発した。

Image Credits: Amazon

同氏はまた、自社製品をSidewalk対応にするチップベンダーも広範なテスト手順にパスする必要があると語った。

「Sidewalkに参加するチップベンダーに求められるセキュリティレベルを見ればわかるが、多くのベンダーは要件を満たしていない。まったく新しいチップにする必要があり、セキュアなブート機能などを組み込む必要があるからだ。このように、IoTが確実に進化しており、きわめて高いレベルに到達しようとしていることを知って、皆驚いている。しかし、まだやるべきことは山積みになっており、これはそのごく一部に過ぎない。我々は最高レベルのセキュリティが必要になることを受け入れ真正面から取り組んでいる。ベンダー側もきわめて積極的に協力してくれている」。

現在アマゾンと協力して開発を進めているチップベンダーは、Silicon Labs(シリコン・ラボラトリーズ)、Texas Instruments(テキサス・インスツルメンツ)、Semtech(セムテック)、Nordic Semiconductor(ノルディック・セミコンダクタ-)の各社だ。

アマゾンは、Sidewalkをテストするため、赤十字社と協力して、配送センターと献血所の間で血液採取と供給を追跡する概念実証を実施した。

「我々が行っているのはきわめて単純な追跡だ」とアラナ氏はいう。「赤十字社が必要としているのは、輸血用の血液が発送されたか、発送先のビルに到着したかといったことだ。Sidewalkを利用すれば、ロジスティクスが大幅に簡素化され、輸血用血液の配送効率が向上する」。

これは明らかに消費者の使用事例ではないが、Sidewalkの潜在性を示すには十分であり、これによって産業界での使用事例が増えていくことになるだろう。アマゾンは、現時点では、使用事例を増やすことに主眼を置いてはいないが、広帯域を必要としないセンサーやその他の小型エッジデバイスをSidewalkネットワークでIoT接続することにより工場などの通信ネットワークを置き換えることができる使用事例は多数存在するとアラナ氏はいう。同氏はまた、通信接続機能を組み込むとデバイスの製造コストが高くなるという点も指摘する。

アマゾンはEchoデバイスやRingのデバイスを取り込んでSidewalkネットワークの普及を一気に進めようとしている。おそらく近い将来、Sidewalkの話題をよく耳にするようになるだろう。

関連記事:自宅のシステムをアップグレードしてくれる、最強のWi-Fi 6ホームネットワーク

カテゴリー:IoT

タグ:アマゾン WiFi

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(翻訳:Dragonfly)

米空軍の入札企業にOculus VR創業者設立の防衛関連企業Andurilが選ばれる

2014年にFacebookが買収したOculus VRの創業者Palmer Luckey(パルマー・ラッキー)氏による防衛関連企業であるAnduril(アンドゥリ)が、米空軍が数十億ドルを投じる、戦争のための最先端の神経システムの入札企業として選ばれた。ラッキー氏は米国時間9月24日のTwitter投稿で、AndurilがそのAdvanced Battle Management System(先進的戦闘管理システム、ABMS)のための、選ばれたベンダーのひとつになったと発表した。

これまでの4カ月間空軍は、そのシステムを開発できると思われる50社あまりのベンダーを指名して、次の5年間でおよそ10億ドル(約1050億円)を受注するチャンスを各社に与えた。そして17社の候補ベンダーが選ばれたが、その中にはAmazon Web Servicesもいた。

一方でそのベンダーリストには、これまでの国防総省の入札であまり見かけることのなかった企業が多く載っており、その意欲的なシステムのタイムラインを加速しようとする「革新的な調達戦略」を反映しているようだ。

かつてOculusを創業して消費者向けVRの黎明期を作り(未訳記事)、トランプの熱心な支持者として議論を巻き起こし(The Daily Beast記事)、最後にはFacebookを解雇された人物(未訳記事)の創業3年のスタートアップであるAndurilは、それにぴったりの企業だ。

空軍のプレスリリースでは 「ABMSの目標は、空軍と宇宙軍が合同チームの一環として共同で活動できるようにすることであり、そのために、各軍のセンサーや意思決定者や武器兵器を安全なデータネットワークで接続して、迅速な意思決定と全軍的な命令系統および制御系統をを可能にする」と説明されている。

空軍の技術調達部次官補Will Roper(ウィル・ローパー)氏は以前「ABMSの入札競争は『新しい血』を導入する。新しい血とは特に、商用にフォーカスしている企業のことで、彼らは「データに関して多くを知り、機械学習と人工知能について多くを知り、そしてアナリティクスについてもよく知っているからだ」と語っていた。

Andurilは、創業3年という短い期間に意外なほど多くの国の仕事を手がけている。6月にトランプ政権はAndurilに、ドローンとセンサーのタワーとAIのソフトウェアから成る国境のバーチャルな壁の構築を発注した。それは同社にとって、特注生産に手を伸ばす機会になるだろう。

ABMSプロジェクトは最終的に、国防総省のJADC2(Joint All-Domain Command & Control、全軍合同命令制御システム)の一環になる。この、戦争のためのメタソフトウェアプラットホームは、すべての人と機器および装備を、陸・海・空・宇宙、そしてサイバーの全軍にわたって接続し、使用する電磁波スペクトルも統一する。

ラッキー氏のツイートによると、Andurilがその契約を取れば「すべてのプラットホームにおける能力の成熟とその開示、および増殖のためであり、そのためにオープンなシステム設計と、現代的なソフトウェアとアルゴリズムの開発を利用して、JADC2を可能にしていく」という。

このプロジェクトに関するDefense Oneの記事によると、「JADC2はすべての艦船と兵士と航空機をリンクして、陸、空、海、宇宙、そしてサイバーの能力が完全に同じデータを共有し、通信が激しく妨害されたり、敵の防空能力が勝(まさ)っている環境であっても、どの部門でも同じ標的に立ち向かうことができる」ということだ。

国防総省の仕事を請け負うことは、Andurilの初日からの最終目標だった。同社は差別なく重要な人材を雇用(The Daily Beast記事)し、税関国境保護局や海兵隊の仕事も引き受け、ハードウェアとソフトウェアが自律稼働し対話するモジュール状ネットワークの小規模な概念実証を作った。

2017年にAndurilがローンチしてから数か月後、TechCrunchでは「Andurilは、戦場における地上兵士と司令部のリアルタイムの心理に関心がある」と書いている(未訳記事)。それはまるで、同社の今回の新しい国防総省の仕事を指しているようだ。

関連記事:Palmer Luckey’s new defense company Anduril looks interested in AR and VR on the battlefield(未訳記事)

画像クレジット:David Paul Morris/Bloomberg via Getty Images/Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

脆弱なIoT機器を保護する斬新なシステムを開発するSternumが約6.8億円を調達

安価なインターネット接続機器の大量生産から何かを学んだとすれば、セキュリティは後回しにされているということだ。デフォルトのパスワードは当たり前すぎで、セキュリティ上の欠陥にはパッチが当てられず、スマートデバイス全体が攻撃を受けやすい状態になっている。

しかし、イスラエルのあるセキュリティスタートアップは、脆弱なIoT(Internet of Things)デバイスを保護するために、これまでとは異なるアプローチを取っている。

テルアビブに本社を置くSternum(スターナム)は、EIVという名称で知られる組み込み完全性検証技術を提供しており、アプリが何らかの方法で悪意を持って改変されていないことを検証する。この技術はコードの脆弱性を検出し、攻撃が悪用される前に攻撃を防ぐ仕組みだ。その高度な検出システムであるADSは、リアルタイムの脅威検出サービスを提供し、企業はリアルタイムで攻撃に対応することができる。

これは、脆弱性のあるデバイスを保護するためのほかの方法がない場合のための斬新なアイデアだ。

今年の初めに同社は、何百万ものIoTデバイスを襲った新しい脆弱性の波に対する修正を最初に提供した。「Ripple20」と名付けられたこの脆弱性は、ハッカーが影響を受けた数億台のデバイスを乗っ取ることを可能にするものだった。

「脆弱性へのパッチ適用は終わりのないゲームです」とSternumの創設者であり最高経営責任者のNatali Tshuva(ナタリ・ツシュバ)氏はTechCrunchに語った。「ほかの多くのソリューションとは異なり、私たちはデバイス上のすべての脆弱性にパッチを当てることに焦点を当てているわけではありません。私たちは、搾取の段階、つまりハッカーが脆弱性を利用して攻撃を実行するポイントにのみ焦点を当てています」と同氏。

ツシュバ氏のルーツはセキュリティ研究者で、LinuxやAndroid、その他の組み込みシステムで、これまで発見されていなかったいくつかの脆弱性を発見した経験を持つ。「これらのデバイスを適切に保護するには、技術的にも市場的にも本当に課題があることに気づきました。私は、サイバーセキュリティ、研究、製品、優秀な研究開発チームの管理などのノウハウを応用して、問題をエンドツーエンドで真に解決する革新的なソリューションを生み出したいと考えていました」と語る。

実際にSternumのこの賭けは実を結んでいる。同社は米国時間9月16日、650万ドル(約6億8100万円)のシリーズAラウンドに資金調達を明らかにした。このラウンドは、オーストラリアやイスラエル、東南アジアへの投資を進めているベンチャーキャピタル(VC)のSquare Pegがリードし、Merle Hinrich(メルル・ヒンリッ)氏の財団と欧州のVCであるBTOVが参加した。

Square PegのパートナーであるPhilippe Schwartz(フィリップ・シュワルツ)氏は「Sternumの革新的な製品と多様なチームに感銘を受け、その技術は妥協のないセキュリティ保護と豊富なデータ駆動型の洞察力で、接続された未来に力を与えてくれるだろう」と述べている。

画像クレジット:MacrovectorShutterstock

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(翻訳:TechCrunch Japan)

AT&Tの電話回線利用者はAlexaで通話が可能に

Amazon(アマゾン)は、米国時間9月9日、AT&Tと提携し、AT&Tの電話回線利用者がAmazon EchoスマートスピーカーなどのAlexa(アレクサ)対応デバイスを通じて電話の発信と受信ができるようにする新機能を発表した。これが可能になると、Alexa対応デバイスを持つ利用者は、音声アシスタントのAlexaに電話をかけるよう、またはかかってきた電話に出るよう声で命じることができるようになる。電話機が手の届かないところにあっても、携帯電話のバッテリーが切れていても電話ができる。

「AT&T calling with Alexa」(AlexaでAT&T通話)と呼ばれるこの機能は、まずAlexaのユーザーアカウントでの設定が必要となる。

利用したい人は、Alexaアプリの「Settings」(設定)から「Communication」(コミュニケーション)を開き、「AT&T」を選択してから、画面に表示される指示に従い携帯番号をリンクさせる。

リンクが完了すれば、AT&Tの利用者は例えば「Alexa、ジェシカに電話して」または「Alexa、XXX-XXX-XXXXにかけて」(Xには実際の番号を入れる)のように言うだけで電話がかけられる。

電話がかかってきたときは、Alexaは「ジェームズから電話です」のように知らせてくれる。電話を取りたいときは「Alexa、出て」と言えば、Alexa対応機器で相手と通話ができる。

かかってきた電話に出る方法はいくつかある。

Alexaで受ける電話は朝の9時から夕方5時までの仕事時間内のみというように、定型アクションで設定できる。また、「Alexa、出かけるね」などのフレーズを言うことで、そのデバイスでのAT&Tからの電話にを受けないようにする定型アクションを作ることも可能だ。さらに、Alexaアプリでアウェイモードをオンにすれば、家を離れるときに手動でこの機能を無効にできる。

この新機能は、AT&Tの「NumberSync」(番号同期)サービスを使うことで、スマートウォッチ、タブレット、コンピューター、そして今後はAlexa対応デバイスでも利用できる。これは対象となるAT&Tモバイルプランに含まれているため、別途料金はかからない。

Amazonによれば、「AT&T calling with Alexa」は、iPhoneやSamsung Galaxyをはじめとする、AT&T対応の数々のHD Voice携帯電話でも、AT&Tの料金後払い契約の利用者なら使えるという。

この機能を享受できるのは米国のAT&T利用者のみだが、発信だけなら、米国内に留まらず、メキシコ、カナダ、英国への通話でも利用できる。

ほかのキャリアに同様の機能を広げる可能性について、アマゾンは何も語らなかったが、利用者の意見を受けて、将来的にこの機能を発展させてゆくとのことだ。

Alexaをコミュニケーションツールとして利用する機能は以前にもあった。

同社はすでに、Alexa対応デバイスを、家庭内のインターホンと電話を掛け合わせたような存在にする試みを行っている。Drop-In(ドロップイン)という機能では、家の中の別の場所にいる家族の様子を確かめることができる。また、Announcements(アナウンスメント)を使えば、「ご飯が用意できたよ!」のようなメッセージを配信できる。これらに対して、Alexa-to-Alexa Calling(Alexa対Alexa通話)やAlexa Outbound Calling(Alexa外部通話)などは、他のAlexaユーザーや、米国、英国、カナダ、メキシコのほとんどの固定電話および携帯電話の番号に、Alexa対応デバイスまたはAlexaアプリを使って無料通話ができるというものだ。

しかし、これらのサービスでは、かかってくる電話を受けることができず、911などの緊急通報用電話はかけられないため、既存の電話と完全に置き換えるのは不可能だった。

Alexa対応デバイスに合わせて、これまでの携帯電話の使用習慣を変えるというのは、ちょっと難しいように思える。大抵の人は、家の中でさえ、携帯電話を肌身離さず持ち歩いているからだ。

だが、Alexaを実際の電話番号と結び付ける手段を提供することで、Alexaから電話をかけてみようと思う人は増えるかも知れない。

またこの機能は、すぐに電話に出られない高齢者や、緊急事態、歩いて電話を取り入って出ることが困難な要支援者や障害者には有用に思える。

残念ながら、このサービスの利用には、まだ大きな問題点が残されている。迷惑電話だ。現代は、不快なロボットコールやスパムが
大変に多い。高度な迷惑電話ブロックサービスなどで自衛していない限り、これらにいちいちAlexaで対応する手間は、その利便性を台無しにしてしまう。

Amazonは、この新機能は本日よりアメリカ国内で利用可能になると話している。

画像クレジットAmazon

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(翻訳:金井哲夫)

不動産管理のRealPageがIoTのStratisを買収して建物管理を強化

全世界に1万2200あまりのクライアントがいるフルサービスのプロパティマネジメントサービス上場企業であるRealPageが米国時間8月31日、Stratis IoTを買収したことを発表した。同社は不動産企業にIoTサービスを提供する企業で、特にアクセスとエネルギーの管理にフォーカスしている。

RealPageのCEOであるSteve Winn(スティーブ・ウィン)氏は次のように述べている。「RealPageは、現在、急速に成長しているレンタルプロパティの自動化市場で最上位のプロバイダーを目指している。それにより事業者が賃貸収入を増やし、持続可能性を改善し、事業の効率を上げて費用を節減し、全米で約1900万に上る管理物件の顧客体験の価値を高めていきたい。スマートビルディング技術はまた、Staratisの既存の国際的プレゼンスにより、事業者たちの国際的な事業展開のベースにもなるだろう」。

Stratisは現在、米国、日本、イギリスおよびラテンアメリカの約38万の家庭に導入されている。StratisとRealPageはともに、複数家族が住む家や学生住宅、別荘、商用の不動産など多様なタイプの不動産をターゲットにしている。

画像クレジット:Stratis

従来から一貫して、不動産市場は新しいテクノロジーを真っ先に採用する業界ではなかった。しかしそれも今は、急速に変わりつつある。その動きを促進しているのがIoTだ。IoTは、アパート管理の自動化を目指している家主たちが歓迎しているだけでなく、業界全体に大きなコスト削減をもたらす可能性がある。RealPageの主張によると、スマートテクノロジーは1物件あたりの収益を55ドル(約5810円)増やすことができる。このような節約効果と売上増強効果があるために、現在ではレガシーなB2Bプラットフォームも関心を持ち始めている。

Stratisが傑出している領域は、多様なサードパーティのソリューションとの統合能力だ。

「建物全体へのアクセスとユーティリティの管理とコントロールは、建物の最適化と居住者体験において欠かせない要素だ。しかもそれらの要素は、近年ますますお互いが複雑に関連し合っている。RealPageとStratisは、2つの業界のトップが一緒になってこのクラスで最良のプラットフォームを作り、単一のアプリケーションで複数家族や学生住宅などなどの居住者体験をコントロールする強力なチームになる」とStratis IoTのCEOであるFelicite Moorman(フェリサイト・ムーアマン)氏は語る。

両社は買収額を公表しないが、RealPageが買収でその技術を向上させようとするのは今回が初めてではない。例えば同社は、1年前に公共施設などの不動産市場にデータサービスとデータ分析を提供するHiperceptを買収した(RealPageリリース)。また12月には、200万件あまりの物件を管理しているSaaSのプロパティマネージメントBuildiumを買収している(RealPageリリース)。2019年に同社は、1億ドル(約106億円)あまりを買収に使うつもりだ(BUSINESS JOURNAL記事)と述べた。

関連記事:The last decade in real estate, and a peek into the next one(未訳記事)

カテゴリー:IoT

タグ:RealPage

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ねこIoTトイレ「toletta」のトレッタキャッツが月額798円の新プラン「ライトプラン」を提供開始

ねこIoTトイレ「toletta」のトレッタキャッツが月額798円の新プランを提供開始

スマートねこトイレ「toletta」(トレッタ)を手がけるトレッタキャッツは9月1日、月額798円の新プラン「ライトプラン」の提供を開始すると発表した。同社サイトにおいてトレッタ本体の購入および到着後、専用アプリを利用し申し込める。

今回提供のライトプランは、自宅においてトイレチェックを始められる最低限の機能を提供するシンプルな内容のもの。月額料金は他プランと比べ低価格となっており、ねこを何頭登録しても追加料金はかからない。

ねこIoTトイレ「toletta」のトレッタキャッツが月額798円の新プランを提供開始

トレッタは、尿量や体重をスマホで管理できるスマートトイレ「toletta」と、獣医師LINE相談などの健康サポートがセットになったサブスクリプションサービス。トイレ本体の初期費用と月額プランからなる「SaaS Plus a Box」モデルを採用しており、2019年3月のサービス開始からの愛用ねこ頭数が5000頭を突破した。

ねこIoTトイレ「toletta」のトレッタキャッツが月額798円の新プランを提供開始

ねこIoTトイレ「toletta」のトレッタキャッツが月額798円の新プランを提供開始

ペット関連市場は年々成長しており、2019年度のペット関連市場は約1兆5700億円、21年度には1兆6000億円強まで伸びる見込み(矢野経済研究所)。さらに、コロナ禍に伴う巣ごもり消費を追い風に、ペット需要は急拡大しているという。

トレッタは、「自宅でできるペットの健康管理」のニーズに応えるべく、ねこのトイレチェックを始めやすいシンプル・低価格な月額プランとして、ライトプランの提供を開始するとした。

またライトプラン誕生を記念し、9月1日〜9月30日の期間中、ねこグッズ(3000円相当)を詰め合わせた「トレッタ素敵便」をプレゼントするキャンペーンを開催している。詳細は「3,000円相当のねこグッズが当たる!トレッタ素敵便キャンペーン」ページを参照。

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独自の茶葉抽出技術と「パーソナライズ抽出機能」搭載のスマートティーポット「teplo」が販売開始

独自の茶葉抽出技術と「パーソナライズ抽出機能」を搭載したスマートティーポット「teplo」が販売開始

お茶とIoTで食のパーソナライゼーションをリードするLOAD&ROADは8月26日、茶葉の魅力を抽出する独自技術と、世界初の「パーソナライズ抽出機能」を実現したスマートティーポット「teploティーポット」の8月29日発売を発表した。

teplo公式サイトにおいて販売開始し、順次国内および米国での販売を行う。専用グラス「teploグラス」(別売)も販売する。teploティーポットの価格は、公式茶葉2パックセット付きで税別2万5000円。teploグラスは税別1500円。

独自の茶葉抽出技術と「パーソナライズ抽出機能」を搭載したスマートティーポット「teplo」が販売開始

teploティーポットは、スマホアプリと連携してお茶を自動抽出するティーポット。サイズは幅約200×奥行約200×高さ約200mm(パワーベース含む)。茶葉量・水量・抽出時間・抽出温度などに関する複雑な数値制御を、teploティーポットが自動で行い、茶葉についての知識のない方でも、気軽に本格的な味のお茶を楽しめるという。

独自の茶葉抽出技術と「パーソナライズ抽出機能」を搭載したスマートティーポット「teplo」が販売開始

ジャンピングや蒸らし、浸しなど、お茶の種類ごとに異なる抽出方法のすべてに対応する独自の抽出テクノロジーと、お茶の生産者や専門家・愛好家にヒアリングやテイスティングを実施し、お茶の種類ごとの一番おいしい抽出条件をインプットしたティーデータベースをアプリ内に搭載。お茶の種類をアプリ内のティーデータベースから選択するだけで、お茶の種類に応じて、最適な抽出温度・抽出時間・抽出方法を自動で制御する。

現在アプリ内ティーデータベースには日本茶、紅茶、中国茶、台湾茶など、20種類のteplo公式茶葉が登録されており、今後随時追加予定。teplo公式茶葉以外を使用の場合は、アプリに抽出条件を登録することで利用できる。

独自の茶葉抽出技術と「パーソナライズ抽出機能」を搭載したスマートティーポット「teplo」が販売開始

また、古来お茶のプロが行ってきた、飲み手の体調や気分にあわせ最適な状態のお茶を淹れるという技術を世界初の「パーソナライズ抽出機能」として実装。6つの内蔵センサーにより脈拍・指の温度・室温・湿度・照度・騒音レベルを計測し、飲み手の気分や体調、周囲環境を解析して独自のアルゴリズムで抽出温度と時間を導き出し、飲み手の状態に最適なお茶をいれるとしている。

teploティーポットは、米家電見本市「CES」において優れた製品に贈られる「CES イノベーションアワード」を2019年に受賞。同年3月に日米で行ったクラウドファンディングでは30日間で6.4万ドルを調達した。

また別売のteploグラスは、1つのグラスに薄い飲み口と厚い飲み口の両方を持たせたデザインを採用。容量約150ml、飲み口直径は約80×幅約75mmとなっている。

LOAD&ROADは、日本・米国・インドを拠点とする、2015年創業のスタートアップ企業。代表取締役を務めるハードウェアエンジニア河野辺和典氏が率いるハードウェアチームと、CTOのソフトウェアエンジニアMayuresh Soni氏がリードするソフトウェアチームによって、構成している。テクノロジーでお茶をデザインするというコンセプトのもと、「teplo」ブランドをグローバルに展開し、プロダクト・サービスの開発および運営、販売を行なっている。

レーダー用いた高齢者見守りデバイスの米Tellusが7.3億円を調達、日本出荷とともに高齢者施設への普及目指す

高齢者見守りデバイスの米Tellusが7.3億円を調達、日本出荷とともに高齢者施設への普及目指す

レーダー技術を用いた高齢者向け見守りデバイス開発の米スタートアップ「Tellus You Care」(Tellus、テラス)は8月20日、シリーズAラウンドとして総額7.3億円の資金調達を実施したと発表した。

引受先は、リード投資家の東京大学エッジキャピタルパートナーズ、NTTドコモ・ベンチャーズ、環境エネルギー投資、DG Daiwa Ventures、All Turtles LLC、個人投資家。今回の調達を経て累計調達額は10.5億円となった。

調達した資金は、研究開発、SaaSプラットフォーム開発、マーケティングなどに投資し、Tellusの事業基盤をさらに強固なものとする。日本国内の高齢者施設へのデバイス導入に注力し、在宅介護、将来的にはコンシューマー向けへの商品開発も計画。サンフランシスコ本社に加え、2020年2月に設立した日本法人でも多くのポジションを強化。パートナー企業とともに日本での事業展開を進めるとしている。

Tellusは、自動運転に使われる最新のレーダー技術をいち早く活用し、プライバシーを守る非接触な方法で人のバイタル(心拍・呼吸)情報を測定する研究を進行。2019年夏にNTTドコモと実施した実証実験など、複数・長期のテストを経て開発した最新デバイス「Tellus」は、室内の壁に設置するだけで対象者のバイタルや活動状況(在室・歩行・睡眠・転倒など)の情報を収集できるという。

これら情報はクラウドで管理・分析を行い、どこからでもアクセスが可能。高齢者などの長期的な健康管理や介護の負担軽減、さらには施設の経営支援に貢献するという。測定したバイタルデータを分析するアルゴリズムなどについては、すでに複数の特許を取得済みで、その他多くの特許も申請中。

高齢者見守りデバイスの米Tellusが7.3億円を調達、日本出荷とともに高齢者施設への普及目指す

Tellusの見守りデバイスは、手のひらサイズの90×90×32mm。使いやすさ・設置の容易さを重視しており、国内外での受賞歴のあるプロダクトデザイナー、鈴木元氏がデザインしている。設置についても、業者などによる工事は不要。ひとつの部屋に1デバイスを壁に掛けてコンセントに挿すだけで、対象者を見守り続ける。

介護施設向けの管理画面では、日本国内の複数施設での試用を繰り返し、使いやすさを追求。介護士の携帯電話に対して、転倒や離床などの事態にアラートが送られる。

高齢者見守りデバイスの米Tellusが7.3億円を調達、日本出荷とともに高齢者施設への普及目指す

Tellusは、スタンフォード大卒でGoogleなどでの事業経験を持つ2名が、遠方に住む祖父母の介護という原体験をきっかけに、最先端の技術でエルダー・ケア(高齢者介護)を革新的に変えることを目指し2017年7月創業。2018年からは All Turtlesの支援を受け、研究開発、日本市場へのフォーカス、事業提携や資金調達を行っている。

2020年7月31日、Tellusの見守りセンサーは、日本の介護保険制度における「要介護者等の日常生活の便宜を図るための用具」として認定された。これによって利用者は介護保険の補助を受けて、費用の1割~3割の自己負担(所得に応じて変動)でTellusをレンタルすることが可能となった。

アドベンチャーワールドがパンダ施設のIoTプロジェクト始動、飼育舎に電子錠システム導入

アドベンチャーワールドがパンダ施設のIoTプロジェクト始動、飼育舎に電子錠システム導入

アドベンチャーワールドは8月19日、パンダ施設のIoTプロジェクト第1弾として飼育業務の安全性強化と効率化を目的に、ジャイアントパンダが暮らす希少動物繁殖センター「PANDA LOVE」(パンダラブ)バックヤードへのガードロックシステム(電子錠システム)導入を発表した。

今回の取り組みは、西日本電信電話株式会社(NTT西日本)と、三菱電機システムサービス、オイヒナーの協力によるもの。

アドベンチャーワールドがパンダ施設のIoTプロジェクト始動、飼育舎に電子錠システム導入

アドベンチャーワールドは、飼育獣舎での電子錠導入にあたり、製造現場などで導入・運用実績があり、高耐久・高信頼性を重視したガードロックスイッチならびに監視システムであることを主眼に製品を選定。電子錠にはオイヒナーのトランスポンダー方式(RFIDを用いた非接触スイッチ方式)ガードロック機能付き安全スイッチを採用した。これまで南京錠で行っていた解錠・施錠作業の電子化とボタン操作化が行われ、作業の効率化も図られた。

また、飼育スタッフと動物の予期せぬ接触を回避するため、一定の条件が整わないと他の動作ができなくなるインターロック制御を組み合わせたシステムを導入。

加えて、飼育獣舎扉の鍵を電子化することで、開錠・施錠の状態の視認性向上ならびに、飼育獣舎全体の開錠・施錠状態の集中監視、ネットワーク経由の遠隔監視を可能とした。開錠作業の手順を誤った場合は、パトライトが点灯するなど、解錠・施錠の状態の視認性も向上させている。これにより、飼育員の作業安全性向上とパーク全体の安全マネジメント強化を実現したという。

製造業の監視・制御とデータ収集に実績のあるSA1-Ⅲ監視システムの導入によりIoT化を実現し、施錠の遠隔監視・ウェブ監視を行い、飼育獣舎の鍵の状態とシステムの状態を「見える化」したという。暗号化通信を用いた外部からのアクセスほか、施錠操作の履歴もログとして保存している。

アドベンチャーワールドは、今後もパンダラブに最先端技術を導入し、未来創造パークとして、人、動物の安全、すべての生き物が輝くSmile溢れるパークを目指すとしている。

スマートシューズ「ORPHE TRACK」の最新版が登場、Androidアプリもリリース

スマートシューズ「ORPHE TRACK」の最新版が登場、Androidアプリもリリース

no new folk studioは8月17日、スマートシューズ「ORPHE TRACK」(オルフェ トラック)の対応シューズ・対応センサー最新版として、「SHIBUYA 2.0」および「ORPHE CORE 1.2」を発売した。「ORPHE TRACK センサーキット(SHIBUYA 2.0 + ORPHE CORE 1.2)」の価格は税込み3万2780円。従来のiOS対応アプリに加え、Android対応のアプリもリリースした。

ORPHE TRACKは、専用シューズに専用センサーをセットし、履いて走るだけでランニングフォームを分析可能。ペースや着地をリアルタイムに音声でコーチングし、フォームの課題や改善点もアドバイスする。怪我のリスクを軽減し、理想の走り方を身に着けるサポートを行う。

専用シューズのSHIBUYA 2.0は、通気の必要な箇所のパターンを改善して通気性を確保。構造の変更により、前バージョンSHIBUYA 1.1の同サイズと比べ、最大30gの軽量化に成功した。耐久性も改善し、SHIBUYA 1.1では60km時点でソール体積の減少が起きていたところ、SHIBUYA 2.0では100km以上走行しても顕著な減りが見られなくなったという。

スマートシューズ「ORPHE TRACK」の最新版が登場、Androidアプリもリリース

ORPHE CORE 1.2は、スマートシューズORPHE TRACKシューズ内にセットして使用する専用センサー。足の動きを精密に解析し、アプリと連携して走り方を分析可能。着脱式のため、専用シューズを交換しても継続して使用できる。充電はUSB対応。対応OSは、iPhone 6 以降およびiOS 12 以降、Android 8.0 以降。

スマートシューズ「ORPHE TRACK」の最新版が登場、Androidアプリもリリース

2014年10月設立のno new folk studioは、スマートシューズを開発するスタートアップ。2020年現在、フットウェアにおけるセンシング技術を応用し、高度な行動解析を簡単に可能にするスマートシューズのプラットフォーム「ORPHE」シリーズを開発中。

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フェデックスが輸送中の貨物の状態をリアルタイムで可視化する「SenseAware」を提供開始

グローバル物流大手の日本法人であるフェデックス エクスプレスは8月5日、輸送中の貨物の状態をリアルタイムにモニタリングできる「SenseAware」(センスアウェア)のサービスを国内で提供することを発表した。事前申込制で、近日中に順次利用可能となる。

複数のセンサーを搭載する専用機器を貨物と一緒に積み込み、輸送中に発信する信号を顧客がオンラインでモニターすることで、貨物の状態を可視化できるというもの。具体的には、貨物の位置、温度、湿度、露光、気圧、衝撃の6つの項目をリアルタイムに確認できる。温度変化などの異常を知らせるアラートを受け取ることもできる。もちろんアラートを受け取った場合は、フェデックスに対して輸送中の荷物の対処を依頼できる(航空機内を除く)。航空機に積載されている時間帯は航空法に準拠するため、SenseAware機器はデータ通信を停止するが、データの蓄積は継続する。同機器には気圧を感知するセンサーが備わっており、飛行機が離陸すると自動的に通信は遮断される。

SenseAwareの主な目的は、ヘルスケア業界の顧客から依頼される検体や、研究・開発段階の薬品など、温度に敏感で代替品がない貴重物品を輸送モニタリングすること。ちなみに薬品などの輸送時の温度は2度~8度ぐらいに設定されることが多いという。そのほか、知的財産を伴う荷物、試作品、貴重品、高価なワインや宝飾品、服飾などでの利用も想定しているとのこと。

対象となる荷物は、アジア域内および米国向け翌営業日配達、ヨーロッパおよびその他の地域向け貨物には通常2営業日以降の配達となる「インターナショナル・プライオリティ」、世界各地へ1〜3営業日で荷物を届けられる「フェデックス・インターナショナル・プライオリティ・フレイト」で、それぞれのサービスのオプションとして用意される。いずれも対象は68kg(約150ポンド)以上の荷物。

価格は、サービス利用料、機器レンタル料、機器返送時の送料、機器への関税などを含む「オール・イン・ワン」が2万3500円、サービス利用料、機器レンタル料のみの「機器レンタル」が1万4500円だ。

SenseAware機器による貨物のモニタリングは、日本を含む世界約50か国で利用可能で、フェデックスを含む120社以上の航空会社を利用する貨物に積み込める。気になる専用機器のバッテリーの駆動時間だが、1分単位レポートだと5日、30分1回だと2週間は継続してモニタリングできるという。

Natureが最新スマートリモコンNature Remo 3を発売開始、現行モデル「Nature Remo」を価格改定

Natureが最新スマートリモコンNature Remo 3を発売開始、現行モデル「Nature Remo」を価格改定

Natureは8月5日、利用中の家電と組み合わせて手軽にスマートホームを実現できるスマートリモコン、「Nature Remo 3rd Generation」(第3世代。Nature Remo 3)」を発売した。直販サイトでの価格は税込み9980円。同社直販サイト、Amazonで購入できる。また現行モデル「Nature Remo」の価格を税込み8980円に改定した。

Nature Remoシリーズは、スマートフォンの専用アプリから利用中の家電を一括操作・管理できるスマート
リモコン。新製品Nature Remo 3は、Bluetooth Low Energy(BLE)を採用したことにより初期設定がシンプルになり、また従来製品に比べ小型・軽量化した。各種センサーの精度が向上しており、「部屋に入ったら自動で照明やテレビをONにする」など、より細やかなオートメーションの設定が可能となっているという。

BLE搭載の第1弾として、ロビットが提供するカーテン自動開閉ロボ「mornin’ plus」(モーニンプラス)」と連携。Nature Remo 3のオートメーション機能を使ったカーテンの自動開閉や、スマートスピーカー
との接続で、声でカーテンの開閉が行えるようになった。

Nature Remo 3は、赤外線対応リモコンの家電商品全般、BLE対応家電と組み合わせ可能。また温度センサー、湿度センサー、照度センサー、人感センサーを搭載。通信機能としてWi-Fi(2.4GHz、b/g/n)、赤外線、BLEを利用できる。サイズは70×70×18mm。重量約40g。

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スマートロックAkerun開発のフォトシンスが35億円調達、アクセス認証基盤とビル管理入館システムも発表

フォトシンスは8月4日、都内で記者発表会を開催した。同社はスマートロックの「Akerun」を軸に主にB to B向けにキーレスセキュリティシステムを展開しているスタートアップ企業。同社によると都内でのAkerunの普及率は特に高いとのこと。

全国では66万件を超えるアカウントが登録されており、サービスインからわずか4年で都内ではオフィスワーカーの7.4%がAkerunを使ってドアの開閉を行っているという。ちなみに1日の開閉回数は98万回を超えるとのこと。

そして同社は本日、第三者割当増資とデットファイナンスにより35億円の資金調達を発表した。調達先は、農林中央金庫、NTTドコモベンチャーズ、31 Ventures(三井不動産)、LINE、凸版印刷、BBSPグループ、Scrum Ventures、常陽グループ、グロービス・キャピタル・パートナーズ、日本政策金融公庫、新生銀行、みずほ銀行、常陽銀行。

詳細は追って記載する。

農業用土壌水分センサー・灌水制御・ビニールハウスソリューションのSenSproutが資金調達を実施

SenSprout

農業用土壌水分センサー、灌水制御装置、ビニールハウスソリューションの開発・販売を手がけるSenSproutは7月29日、第三者割当増資として資金調達を実施したと発表した。今回の資金調達で、自動で灌水予約を行う機能の開発と販売に取り組む。

引受先はJMTCキャピタル合同会社(JMTCキャピタル1号投資事業有限責任組合)、GMO VenturePartners(GMO VenturePartners4 投資事業有限責任組合)、FGN ABBALab(ABBALab スタートアップファンド投資事業有限責任組合)、柴田商事、Yosemite、富島寛氏、REGAIN GROUPの合計7社。

調達した資金は、土壌水分センサーを使って解析した土壌水分の値に基づき、灌水アルゴリズムが自動的に灌水制御装置に予約を登録する機能の開発・販売に利用する。これにより、さらなる生産性の増大と、農業生産コストの低減、事業の拡大が可能としている。

さらに同社は、農業分野における業務のデジタル化にも取り組んでおり、複数のDXプロジェクトの立ち上げを進行させているという。これらプロジェクトにも資金を活用する予定。

SenSprout

2015年設立のSenSproutは、最先端のテクノロジーを利用し「農業を儲かる事業」に変革するべく研究開発を進めるスタートアップ。これまでに、農業用の土壌水分センサー、灌水制御システム、高機能ビニールハウスソリューションなどを提供している。

特に、農業用の土壌水分センサー「SenSprout Pro センサーシステム」と遠隔自動灌水システムを組み合わせた「SenSprout Pro 灌水制御システム」は、大和証券グループ(大和フード&アグリ)や、果実堂、JA福岡大城アスパラガス部会など様々な企業や農家に導入されている。同システムを導入すると、圃場に行くことなく遠隔地からスマホ・PCを使って灌水予約が行え、「いつ」「どこで」「どのくらい」灌水の記録や管理も可能となる。

農業用土壌水分センサー、灌水制御装置、ビニールハウスソリューションの開発・販売を手がける<a href="https://sensprout.com/ja/" target="_blank">SenSprout</a>は7月29日、第三者割当増資として資金調達を実施したと発表した。今回の資金調達で、自動で灌水予約を行う機能の開発と販売に取り組む。 引受先はJMTCキャピタル合同会社(JMTCキャピタル1号投資事業有限責任組合)、GMO VenturePartners(GMO VenturePartners4 投資事業有限責任組合)、FGN ABBALab(ABBALab スタートアップファンド投資事業有限責任組合)、柴田商事、Yosemite、富島寛氏、REGAIN GROUPの合計7社。 調達した資金は、土壌水分センサーを使って解析した土壌水分の値に基づき、灌水アルゴリズムが自動的に灌水制御装置に予約を登録する機能の開発・販売に利用する。これにより、さらなる生産性の増大と、農業生産コストの低減、事業の拡大が可能としている。 さらに同社は、農業分野における業務のデジタル化にも取り組んでおり、複数のDXプロジェクトの立ち上げを進行させているという。これらプロジェクトにも資金を活用する予定。 2015年設立のSenSproutは、最先端のテクノロジーを利用し「農業を儲かる事業」に変革するべく研究開発を進めるスタートアップ。これまでに、農業用の土壌水分センサー、灌水制御システム、高機能ビニールハウスソリューションなどを提供している。 農業用の土壌水分センサー「SenSprout Pro センサーシステム」と遠隔自動灌水システムを組み合わせた「SenSprout Pro 灌水制御システム」は、大和証券グループ(大和フード&アグリ)や、果実堂、JA福岡大城アスパラガス部会など様々な企業や農家に導入されている。同システムを導入すると、圃場に行くことなく遠隔地からスマホ・PCを使って灌水予約が行え、「いつ」「どこで」「どのくらい」灌水の記録や管理も可能となる。 SenSproutは、新規農業参入企業を増やすことで新たな農業事業者を生み出したいという。多くの企業が参入するには農業事業が儲かる必要があり、高機能ビニールハウスソリューションはその一歩となるソリューションとしている。 関連記事 ・<a href="https://jp.techcrunch.com/2017/04/20/sensprout-pro-release/" target="_blank">農業用センサー「SenSprout Pro」が発売 、土壌の状態や栽培ノウハウをデータ化するIoTサービスへ</a> ・<a href="https://jp.techcrunch.com/2015/05/12/jp20150512sensprout/"  width=

SenSproutは、新規農業参入企業を増やすことで新たな農業事業者を生み出したいという。多くの企業が参入するには農業事業が儲かる必要があり、高機能ビニールハウスソリューションはその第一歩としている。

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相鉄ビルマネジメントが横浜・相鉄ジョイナスで予約制トイレ「QREA」の実証実験を開始

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相鉄ビルマネジメントは7月29日、横浜駅西口の商業施設「相鉄ジョイナス」で、予約制トイレ「QREA」(クリア)の実証実験を実施すると発表した。実証期間は7月30日から8月30日まで。

QREAは、2020年1月設立のDuchamp(デュシャン)が開発しているサービスで、「佐賀県やわらかBiz創出事業」として佐賀県が事業化を支援。QREA活用のもと、Duchampと共同で、相鉄ジョイナスの地下2階トイレ(男女各1個室)において、商業施設トイレの混雑に関する課題解決およびコロナ禍において密になる場面の緩和などを目的に実証実験を実施する。

  • 実施期間: 7月30日から8月30日(相鉄ジョイナス休館日8月18日を除く)
  • 実施時間: 14時~19時
  • 実施場所: 相鉄ジョイナス 地下2階 エレベーター前トイレ 男女各1個室
  • 特設サイト: QREA実証実験特設サイト(https://qrea.app/)を7月30日開設予定

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QREAは、「誰も漏らさずに済む世界」をコンセプトとしており、過敏性腸症候群(IBS。Irritable Bowel Syndrome)の方を主な対象としている。過敏性腸症候群の方は、日本人の10人に1人、全国に1200万人いるといわれ、トイレが混雑している場合、利用できず困ることがあるという。

同サービスでは、後付け可能な専用の鍵とLINE公式アカウントを用い、トイレの検索・予約・確保が行える(実証実験期間中は無料)。

トイレを利用したい際は、LINE公式アカウントから予約すると、リモートで施錠される。予約したトイレに着いたら、LINE公式アカウントで鍵を開け、利用可能となる(使用時は内側から手で施錠)。予約がない場合は、トイレは通常通り使用できる。相鉄ビルマネジメント QREA Duchamp 佐賀県やわらかBiz 相鉄×髙島屋 アクセラレーションプログラム

相鉄グループと髙島屋は、横浜駅西口地区を次世代にふさわしい最先端の街とするために、スタートアップ企業の支援と新たなサービスを創造する「アクセラレーションプログラム」を共同で推進。スタートアップ企業と共に横浜駅西口地区の活性化に取り組んでいる。

今回は、SDGs(持続可能な開発目標)における「3 すべての人に健康と福祉を」「6 安全な水とトイレを世界中に」「9 産業と技術革新の基盤を作ろう」「11 住み続けられるまちづくりを」の目標に対し、商業施設として、必要とする方が安心してトイレを使える仕組みをアプリ上の地図に表示することで、トイレへの適切な誘導・案内を実施することに取り組むとしている。

またQREAは、「相鉄×髙島屋 アクセラレーションプログラム第3期」に応募があったものの1つ。相鉄グループでは、誰もが暮らしやすい社会を実現するためSDGsの目標も踏まえて、地域の課題解決や地域に貢献する施設づくりに取り組むとしている。

佐賀県やわらかBiz創出事業は、佐賀県内法人・個人による、IT・クリエイティブ産業を活用した新たなビジネスにつながる事業に対して、1000万円を上限に必要となる費用を補助するというもの。採択後は、起業支援関係者とともに、ビジネス化を支援している。