ジャック・ドーシーが去った今、ツイッターがイーサリアムの投げ銭をサポート

Twitter(ツイッター)のファウンダーで前CEOのJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は、敬虔なBitcoin(ビットコイン)信者だったかもしれないが、最高ツイート発信者の彼が地位を退いた今、ETH(イーサリアム)のTips(チップ、投げ銭)に対応しない理由はない。米国時間2月17日、Twitterは海外フィンテックプロバイダーのPaga(パガ)、Paytm(ペイトゥム)、およびFlutterwave(フラッターウェイブ)Barter(バーター)を新たにサポートし、ナイジェリア、インド、およびガーナのユーザーへも投げ銭範囲を拡大した。

Twitterでは、BitcoinによるTipsは、Strike(ストライク)のLightning Network(ライトニング・ネットワーク)経由ですでに低い手数料で利用可能だ。しかし、今回のEthereum(イーサリアム)の追加は、Twitterの非Bitcoin暗号進出の動きと一致している。悪名高いあの六角形のNFTプロフィール写真もその1つだ。

「Twitterと同じく、デジタル通貨は国際的障壁なしに運用されています。Bitcoinに加えてEthereumによるTips決済を導入することで、さらに多くの人たちが容易にデジタル経済に参加できるようになることを期待しています」とTwitter広報担当者がTechCrunchに話した。

TwitterのETH TipsはENS(Ethereum Name Service)に対応しておらず、長くて面倒な英数字形式しか使えない。ETHでTipsを送るといっても、実際にはTwitter経由で投げ銭するわけではない。ETH Tipsオプションをクリックすると、そのユーザーのEthereumアドレスがコピーされるだけなので、その後自分の暗号資産ウォレットへ行き、そのユーザーにETH Tipsを送る。しかし、投げ銭は概して少額なので、誰かのEthereumアドレスに投げ銭するのはあまり現実的ではない、手数料が高いからだ。基本的にこの機能は、自分のウォレット・アドレスをフォロワーたちと共有するための便利な方法にすぎない。

Twitter Tipsは、iOSおよびAndroidの18歳以上の全ユーザーが利用できる。

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画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nob Takahashi / facebook

暗号資産をめぐるツイッターでのVCたちのビンタ合戦でおかしな状況に……

Twitter(ツイッター)でよくつぶやく一部のベンチャーキャピタリスト(VC)は最近やや敵意に満ちており、業界で最もパワフルな人々が前例のない方法で暴言を吐いている。  筆者が思い浮かべるのはChris Dixon(クリス・ディクソン) 氏とMarc Andreessen(マーク・アンドリーセン)氏の2人で、彼らは最近、暗号資産、ブロックチェーンを使ったコレクティブル、あるいは分散化の有望性が誇張されているのではと疑う影響力のある人々に対して我慢できない様子を見せている。

最も有名な争いは、12月下旬に億万長者の起業家でTwitterの共同創設者であるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏が、フォロワー600万人に対して「『Web3』を所有しているのは君じゃない。VCやLPが所有している。彼らのインセンティブから逃れることはできないだろう。結局はラベルの違う中央集権的な存在なんだ」とつぶやいたことから始まった。

確かに、ドーシー氏はVCを嘲笑していたが、この見方には真実がある。Andreessen(アンドリーセン)や、Paradigm(パラダイム)やPantera(パンテラ)のような暗号資産に前向きな企業は、そこらにある最大のプラットフォームのいくつかと財政的な利害関係がある。それは構わない。そうした企業のサポートがなければ、これらのプラットフォームは存在しないかもしれないし、時間が経過するにつれ、プラットフォームはより分散化されていく可能性も大いにある。

とはいえ、ドーシー氏のツイートは戦争を勃発させた。ディクソン氏は、約80万人のフォロワーに向けて「あなたはまず無視され、次に笑われ、そして挑まれ、そうしてあなたが勝つ」とサブツイートし、最初の手榴弾を投げつけた。

ディクソン氏がほくそ笑むのには、それなりの理由があった。Andreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)は何年も前から、暗号資産プロジェクトに資金とリソースを注ぎ込んでいて、嘲られることになると思われていた。今となっては、同じような取り組みにもっと多くの時間とお金を捧げなかったすべての人に嘲が向けられている。ちなみに、Andreessen HorowitzのCoinbase(コインベース)への投資額は、2021年に暗号資産取引所が公開取引を開始した日に110億ドル(約1兆2675億円)と評価された。

しかし、戦争はそこで終わらなかった。ドーシー氏はディクソン氏に返信し、アンドリーセン氏自身も会話に割って入ってドーシー氏を何度も侮辱し、事態は悪化の一途をたどり続けた。

その毒々しい雰囲気は最近、さらに広まった。元Facebook社員でエンジェル投資家に転身し、さらにはベンチャーキャピタリストとなったBobby Goodlatte(ボビー・グッドラット)氏が米国時間2月4日「私は暗号資産の熱烈な支持者で、アートNFTは馬鹿らしいと思う」と特定の人に向けることなくツイートした。グッドラット氏のツイートは表面上は比較的無害に見えたが、突然、グッドラット氏の7万人の10倍のフォロワーを抱えるディクソン氏が、グッドラット氏のコメントをリツイートし、その上に「ボビー・グッドラットをショートカットできる?」と書き込んだ。

愕然とするグッドラット氏が反応する前に、ディクソン氏はグッドラット氏のアカウントをブロックした。

ディクソン氏はその後、そのコメントと、父親が元下院議員であるグッドラット氏に向けられた「私の両親は億万長者で、私は運良く暗号資産を手に入れたが、今度は自分の道を歩んだ勤勉な創業者たちをゴミ扱いしたい」という侮辱を削除したようだ。

この件に純粋に傷ついた様子のグッドラット氏は、その後ディクソン氏をピエロと呼んだ。

多くの業界関係者は、Andreessen Horowitzで何が起こっているのか、静かに問いかけている。あるベンチャーキャピタリストは2月5日に内々にこう言った。パートナーたちは、単に儲かりすぎて「問題ある投稿」をするようになってしまったのでは?

シードステージファンドのHustle FundのゼネラルパートナーEric Bahn(エリック・バーン)氏は別の説を唱えている。「これまで共有されてきたFacebookのコンテンツを見れば、そのアルゴリズムがネガティブなストーリーや攻撃的なストーリーを好んできたことがわかります。そうしたものは非常に共有しやすい材料です。Twitterでも同じことが言えます。意地悪な書き込みをすれば、それが注目されることに気づいている人もいます」。

明らかに、Andreessen Horowitzの投資家は何もいうつもりはない。同社は自社に関わるすべての人のために稼いできた。そうした投資家、そして資本市場にいる一部の創業者の中には、Andreessen Horowitzの強硬な戦術に説得力を感じる人もいるかもしれない。

一方、ライバル企業の中には、その強気な行動(最近、Andreessen Horowitzが持つ欠点の1つ)を利用しているところもあるようだ。

TNT Venturesのベンチャーキャピタリスト、Parker Thompson(パーカー・トンプソン)氏は、ディクソン氏とグッドラット氏の騒動の後、多くの人がささやく言葉を要約してツイートした。「あそこの水の中には、人々の正気を失わせる何かがあるようです。ポートフォリオにとって、強気な兆候ではありません」。

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(文:Connie Loizos、翻訳:Nariko Mizoguchi

Block(旧Square)のCash AppがLightning Networkを統合、手数料無料でビットコイン支払い可能に

2021年11月、Twitter(ツイッター)CEOのJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏が辞任した。同氏が所有する別の会社Square(スクエア、現在はBlock)に全力を注ぐためだ。同社は近年ブロックチェーンと暗号資産に多大な投資を行っており、それはドーシー氏自身も同じだ。そして今、Blockの暗号資産への取り組みの結果が見え始めてきた。米国時間1月17日午前、Blockのモバイル決済サービスCash App(キャッシュ・アップ)はLightning Network(ライトニング・ネットワーク)との統合を発表し、米国ユーザーが世界中の誰にでもBitcoin(ビットコイン)を手数料なしで送れるようにした。

この機能は以前からCash Appユーザーに向けて徐々に公開されていたが、正式な発表はなかった。「今後数週間」のうちに米国の全Cash App利用者に行き渡る予定だと同社はいう。

新機能が有効になると、Cash AppユーザーはBitcoinを全世界の対応するウォレットに送れるようになる。家族や友達への送金の他Chivo Wallet(チボ・ウォレット)やBlueWallet(ブルーウォレット)、Muun Wallet(ムーン・ウォレット)などの自己管理ウォレットも対象だ。さらに、ユーザーはLightning Network決済に対応している商店にも手数料なしでBitcoinを送金できる。まだ主流にはなっていないが、一部の売り手がLightning決済を受け入れ始めているので、ユーザーはLightning Network経由でピザを注文したりギフトカードを買ったりできる。

Lightning NetworkがCash Appに統合されたことは、現在成長中のクリエイター経済にも力を与えるだろう。クリエイターやCause(大義)がLightning 決済に対応していれば、ファンはBitcoinを送って支援の気持ちを表すことができる。

画像クレジット:Lightning Network

Cash Appはこのシステムの優位性について、一般的なBitcoinネットワーク取引はLighning Networkと比べて、時間がかかり手数料も高いことを挙げ、Lightningという名前はその高速性を伝えるためだと説明した。同システム上での取引はブロックチェーンとは独立に(オフ・チェーンで)実行される。これは通常関わってくる手数料、時間、エネルギーを減らす効果がある。それでもLightning Networkがブロックチェーンのテクノロジーと分散化の恩恵を受けることができるのは、そこで行われた取引は、後にメインのBitcoinブロックチェーンに集約、記録されるからだ。

ドーシー氏は以前からLightning Networkに関心を示しており、2019年にツイートで、これは #BitcoinTwitterユーザーの間で行われている実験の「クールな事例」だという。最近では、BlockのBitcoinに特化した子会社、Spiral(スパイラル)がLightning開発キット(LDK)を提供して、どんなアプリにも簡単にBitcoin支払いを統合できるようにした。今回のCash AppへのLightning統合にもSpiralのLDKが使用されている。Cash Appは、LDKを組み込こんだ最初の、現時点で最大の決済アプリケーションだと同社はいう。

LDKの提供は、一部門の作ったツールが他のBlock傘下企業で使われるという点で、Blockの戦略的ビジョンが具現化された新たな事例でもある。

画像クレジット:ThaiMyNguyen / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

2021年の米企業ニューストップ5:ベゾス氏の退任、Salesforceの共同CEO就任など

消費者側と比べると、企業側の取材はなんだか退屈だという間違った印象を持たれがちだが、これまで数十年にわたってこの分野を追いかけてきた筆者からすると、これほど真実から遠く離れたものはないと断言できる。

理由の1つは、金額が大きいということだ。例えば、Oracle(オラクル)はCerner(サーナー)を280億ドル(約3兆2200億円)で買収すると米国時間12月20日に発表してヘルスケア業界を揺るがした。UiPath(ユーアイパス)は無名のスタートアップから、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の絶対的な存在にまで成長した。上場後に少し下落したが、2021年初めには350億ドル(約4兆円)のバリュエーションがついた。

策謀もある。例えば、アクティビスト投資家が、企業が通常なら好まないような動きを強いる試みや、2021年にBox(ボックス)で見られたような取締役会の主導権争いなどだ。

ドラマもある。100億ドル(約1兆1500億円)規模の国防総省のJEDIクラウド契約をめぐる、世界最大の企業向けクラウドインフラ企業同士の3年にわたる戦いがその例だ。この調達プロセスでは、訴訟、度重なる審査、大統領の干渉などあらゆることが起こった。

つまり、企業の話題は多い。が、つまらないだろうか。決してそんなことはないと思う。2021年も例外ではなかった。そこで、2021年の締めくくりに、企業を揺るがした5つのストーリーを紹介する。12カ月にわたるニュースを5大ストーリーに絞り込むのは難しいが、筆者が選んだのは以下の5つだ。

アマゾンのベゾス、ジャシー、セリプスキーのイス取りゲーム

2021年最大のニュースは、Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏がCEOから退き、会長職に就くと決意したことだろう。Amazon(アマゾン)はeコマース企業で、必ずしも筆者の担当範囲ではなく、このこと自体は企業に大きな影響を与えるものではなかったが、その後に起こったことがある。

ベゾス氏が発表した2月のその日に、後任にAmazon Web Services(アマゾンウェブサービス)のCEO、Andy Jassy(アンディ・ジャシー)氏を選んだことも明らかになった。ジャシー氏は、Amazonのクラウドインフラ事業を巨大なビジネスに育て上げ、直近の四半期で年換算売上高640億ドル(約7兆3600億円)を突破させた人物だ。

ジャシー氏の後任探しは簡単ではなかったが、旧知の人間に目をつけ、Tableau(タブロー)のCEO、Adam Selipsky(アダム・セリプスキー)氏を後任として雇った。同氏はAWSの創業時から2016年まで在籍していたが、Tableau移籍時に退職した。今は列車を走らせ続けることが仕事だ。同氏には勢いがあるが、競争はますます激しくなっている。セリプスキー氏のリーダーシップの下、2022年どうなるかは注目されるところだ。

Salesforceブレット・テイラー氏、絶好調の1週間

もう1つの話題は、Salesforce(セールスフォース)幹部のBret Taylor(ブレット・テイラー)氏が、11月末の同じ週に2つの大きなポジションを手に入れ同氏にとってかなり甘い1週間となったことだ。まず、Twitter(ツイッター)の取締役会長に就任した。それだけでは物足りなかったようで、Salesforceの共同CEOにも就任した。2016年に自身の会社であるQuip(クイップ)が7億5000万ドル(約860億円)でSalesforceに買収されて以来、同社で急速に出世した。

Twitterでは長年CEOを務めたJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏が退任し、Parag Agrawal(パラグ・アグラワル)氏が就任するという騒ぎがあった。その一方で、テイラー氏がCRM大手の共同CEOに就任したことは、企業という視点からは明らかにより大きなニュースだった。The Informationは、テイラー氏が引き続きSalesforceの共同創業者で会長兼共同CEOのMarc Benioff(マーク・ベニオフ)氏に報告すると報じた。テイラー氏はこの昇進により、もし2021年初めのベゾス氏と同様にベニオフ氏が会長職に退くと決めれば、ベニオフ氏の後継者になる可能性が出てきた。2022年に考慮すべきもう1つのストーリーは、Salesforceが2016年に検討し、その後立ち消えになったTwitter買収を再検討するかどうかだ。

BoxとStarboard Valueの委任状争奪戦

Boxは、アクティビストファンドであるStarboard Value(スターボードバリュー)による取締役会乗っ取りの試みを退けた。この動きは、共同創業者でCEOのAaron Levie(アーロン・レビー)氏の解任、会社の売却、またはその両方をもたらす可能性が高いものだった。数カ月にわたるドラマは最高潮に達し、2021年の主要な企業ニュースとなった。

アクティビストファンドであるStarboard Valueは、2019年にクラウドコンテンツ管理会社であるBoxの株式を7.5%取得し、その後8.8%にまで増やし、同社に対しかなりの影響力をもつことになった。しばらくは静観していたが、2020年、意を決し、取締役会を引き継ぎたいとBoxに通告し、委任状争奪戦が繰り広げられた。

この間、BoxはKKRから5億ドル(約575億円)の出資を受け、Starboardをさらに怒らせた。また、Starboardの役員候補に対抗する文書をSECに提出し、議決権保有者が最新の業績を見ることができるよう決算報告を早めに発表した。幸運にも、同社はStarboardが動いた後、2四半期連続で好成績を収め、委任状争奪戦にあっさり勝利し、今のところ現状を維持している。2022年に何が起こるか。筆者が書いたように、おそらくBoxが大胆な行動を起こす時が来た。KKRの資金の一部を使って隣接する機能を買収するのではないか。

国防総省がJEDIを廃止し、新たなクラウド構想を発表

100億ドル(約1兆1500億円)の10年にわたるJEDIクラウド契約は、2018年に発表されたその日から、ドラマに満ちていた。その間、筆者は関連する記事を30本以上書いていたので、2021年ついに国防総省がそれを潰すと決めたときは、大きなニュースだった。

当初から、これまでの常識では、Amazonが勝つための契約だと言われてきた。RFP(事業者公募書類)がAmazonを意識して書かれているという不満もあったが、最終的に契約を獲得したのはMicrosoft(マイクロソフト)だった。だがAmazonは、前大統領がWashington Post(ワシントンポスト)紙のオーナーでもあるAmazonのCEOであるジェフ・ベゾス氏を個人的に嫌っていたため、調達プロセスに直接介入してきたとして、裁判に訴えた。また、Amazonは、実力では自社が勝つとも主張した。

Amazonは2020年2月、このプロジェクトを保留にするよう判事を説得することに成功した。プロジェクトが再開されることはなく、国防総省は7月に新しいプロジェクトに移行することを決めた。また、2018年から技術が変わったとし(これは事実)、新しい構想ではJEDIで追求した勝者総取り方式ではなく、マルチベンダー方式で進めることを賢明にも決定した。

DellがVMwareをスピンアウト

2015年にDell(デル)がEMCを670億ドル(約7兆7000億円、後に580億ドル[約6兆6700億円]に修正)で買収したとき、それはテック史上最大の取引であり、長年にわたって追いかけて書くべき、もう1つの凄い話だった。VMware(ヴィエムウェア)はこの取引で最も価値ある資産であったため、筆者のような企業記者たちは、Dellがそれをどうするつもりなのか、目を光らせていた。しかし、2021年の初め、Dellが90億ドル(約1兆350億円)規模のスピンアウトを発表し、大きな話題となった。

EMC買収による多額の影響がまだ帳簿に残っていることを考えると、少し小さい金額のような気もした。来年はどうなるのだろうか。Dellから解放されたVMwareをどこかが買収する可能性はあるのだろうか。Dellは依然として大株主であり、EMC買収にともなう負債残高もまだ多額にのぼるため、2022年には間違いなく注目される存在になるはずだ。

5つだけ選ぶのは難しい。どうしても価値あるストーリーを外してしまう。あなたなら何を選ぶだろうか。コメントで教えて欲しい。

画像クレジット:EschCollection / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

「誰かWeb3を見た人はいるか?」テスラ/SpaceXのイーロン・マスクと元Twitter CEOのジャック・ドーシーがWeb3を語る

「誰かWeb3を見た人はいるか?」イーロン・マスクとジャック・ドーシーがWeb3について語る

Handout . / reuters

元Twitter CEOのジャック・ドーシー氏と、テスラ/SpaceXのイーロン・マスク氏はともにBitcoinの信奉者ですが、月曜日にこの2人は「Web3」というキーワードで互いに意見を述べ合いました。

まず、Web3とは一体何なのかというところからですが、ざっくりいえば、次世代のインターネットの姿を漠然と現すために使われている単語ということです。2000年代中頃にはWeb 2.0という言葉がよく使われていましたが、Web3もそれと同じように、今の時点から見た将来のインターネットを指しています。

もう少し具体的に説明を付け加えると、Web3を考える人は現在のインターネットがGoogle(Alphabet)、Amazon、Facebook(Meta)、Appleによって大半のデータやコンテンツを握られ、支配されすぎていると考えています。実際われわれはインターネット上に共有した膨大な量のデータやコンテンツをこれら企業に蓄積、利用させています。またその弊害として行きすぎたターゲティング広告の氾濫などといった問題も表れています。

そして、未来のインターネットとなるWeb3では、こうした集中、集約型のネットワークとは違う、分散型のネットワークを基本にブロックチェーン技術に基づくインターネットが利用されるようになるとよく言われ、企業や起業家らがWeb3となるような技術やその他仕組みを設計、構築しようとしています。

現在のところ、Web3はまだ漠然としたものであり、流行のNFTや暗号資産を支えるブロックチェーン技術によってそれが実現されれば将来のインターネットはイケてる感じになるだろうと人々は夢想している、と言う段階の話です。

イーロン・マスク氏は、月曜日に1995年に当時マイクロソフトCEOだったビル・ゲイツ氏が人気司会者デイヴィッド・レターマン氏とインターネットに関して話している場面を使ったTikTok動画をツイートし「当時ほとんど想像できなかったような現在の状況を考えると、未来はどうなっているんだろう?」と述べました。

そして「今のところ、Web3が本物、現実のものというよりはマーケティングのためのバズワードのようだが、10年後、20年後または30年後の未来はどうなっているんだろう。 2051年なんてクレイジーなほど未来にじゃないか!」と続けました。さらに翌日、マスク氏は「誰かWeb3を見た人はいるか?私は見つけられないのだが」ツイートしました。

これを見たジャック・ドーシー氏は「それはきっとa~zの間のどこかにあるよ」と返答しました。これはWeb3の理想を追う人たちに向けたちょっとした皮肉で、Web3はすでに早くからFacebookを支援していたベンチャーキャピタル企業のAndreessen Horowitz(a16z。aで始まりzで終わる)が管理下に置いているとの意味を暗に示しました。ドーシー氏の考えは最終的にWeb3がどんな形になるのであれ、それを所有するのはベンチャーキャピタル(VC)とそのリミテッド・パートナーシップ企業(LP)であり「彼らの支配から逃れることはできないだろう」とツイート、結局は呼び方を変えただけの中央集権方式なのだと主張しています。

このドーシー氏のツイートには、大量のいいねやリツイートが付きましたが、一方で「大間違いだ」「まったくもって同意できない」といった否定的なコメントもあります。まあ、まだマスク氏ですら見つけられていないものがどんな風になるのか、いったい誰にわかろうかという話ではありますが、今のインターネットと、皆が思う理想のインターネットの形が違うのは間違いなさそうです。

(Source:Elon Musk(Twitter)Jack Dorsey(Twitter)Engadget日本版より転載)

元Twitter CEOドーシー氏のSquareが「Block」に社名変更

フィンテック大手Squareは、12月10日より社名を「Block」に変更する。1年以上前から計画されていたこの名称変更は、音楽ストリーミングサービス「Tidal」「Cash App」「TBD」、そして「Square」など、同社のさまざまなプロダクトを1つのブランドに収めることを目的としている。

今回の発表は、Squareの創業者兼CEOであるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)が、自身が共同創業者でもあるTwitterのCEOを退任した数日後のものになる。

関連記事:ツイッターのジャック・ドーシーCEOが退任

プレスリリースの中でドーシー氏は「Squareブランドは、セラービジネスのために構築したものであり、それが本来の姿です。Blockは新たな名前ですが、経済的エンパワーメントという我々の目的は変わりません。私たちがどのように成長し、変化しても、経済へのアクセスを増やすためのツールを作り続けます」と述べた。

Blockという名称は、ブロックチェーン技術と暗号資産に対する同社の関心の高まりを表している。既存のSquare Crypto製品も「Spiral」に名称変更される。

「Blockという言葉は、売り手がいる『近所のブロック』『ブロックチェーン』『音楽でいっぱいのブロックパーティ』『克服すべき障害』『コードのセクション』『ビルディングブロック』そしてもちろん『タングステンキューブ』も参照しています」と同社はツイートしている。

2021年に入ってブランド変更を行った大手ハイテク企業は、Squareが初めてではない。Facebookは、報道機関議会での監視が強化されたことを受けて、わずか1カ月前にコーポレートブランドを「Meta」に変更した。しかし、Squareと同様に、MetaのCEOであるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、Instagram、WhatsApp、Horizon、Questなどのプロダクトがある同社の成長を、Facebookブランドでは表現できないと感じていた。

Squareは、今回のブランド変更のタイミングについて「あなたにメタ的なことをいうつもりはありませんが……でも、そうするつもりです」と発表の中で言及している。

2021年の初め、AfterpayはSquareとの合併に合意した。また最近、同社のキャッシュアプリは13歳から17歳までの青少年が保護者の監視下で口座を開設できるようになり、Tidalは、2022年にアーティストへの直接のロイヤリティ支払いに移行する準備を進めている。

Blockのニューヨーク証券取引所のティッカーシンボルSQは変わらない。また、現時点では組織の変更は行わないという。

関連記事:【コラム】次世代グローバル決済を生み出すAfterpayとSquareの融合

画像クレジット:Joe Raedle / Staff / Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Katsuyuki Yasui)

ツイッターのジャック・ドーシーCEOが退任

CNBCは米国時間11月29日朝、Twitter(ツイッター)のCEO、Jack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏が、Twitterでの職務から退く見込みだと報じた。その直後、ドーシー氏自身はこの噂を認め、Twitterは詳細を記したプレスリリースを発表した。ドーシー氏の後任には、2011年にエンジニアとしてTwitterに入社し、2017年からCTOを務めてきたParag Agrawal(パラグ・アグラワル)氏が就任する。

「会社が『創業者主導』であることの重要性についてよく耳にします」とドーシー氏はTwitterのスタッフに宛てたメールの中で書いており、それをツイートした。「結局のところ、それは非常に限定的であり、単一障害点であると考えています。私は、この会社が創業者や創設者から脱却できるように努力してきました」と述べている。

ドーシー氏は、Twitter、そして消費者と企業の両方に決済・現金管理・送金サービスを提供している金融会社Square(スクエア)の両方のCEOを務めている。

Twitterの株価は、ドーシー氏が退任する可能性があるというニュースを受けて上昇し、週明けの取引時間中に序盤の利益を手放した後、本稿執筆時点で6.1%上昇している。

Twitterによると、ドーシー氏は2022年の株主総会で任期が満了するまで同社の取締役にとどまる。ドーシー氏の退任と同時に、取締役会会長Patrick Pichette(パトリック・ピシェット)氏の後任として、Bret Taylor(ブレット・テイラー)氏が指名された。ピシェット氏は取締役会に残り、引き続き監査委員会の委員長を務める予定だ。

参考までに、Twitterの11月29日時点の価値は約400億ドル(約4兆5485億円)となっている。しかし、990億ドル(約11兆2575億円)強の公開市場価値を持つSquareの半分以下だ。

1社だけでも上場企業を運営するのは大変だ。2社を運営するのは並大抵のことではなく、簡単なことではないと思われる。Squareの株価も、11月29日の朝は若干ではあるが上昇している(CEOが時間を分散していることでTwitterは投資家の反感を買っていた)。

Salesforce(セールスフォース)の社長兼COOであるブレット・テイラー氏は、Twitterの取締役会長にも就任する。

ドーシー氏は「これは私が決めたことであり、私の責任であることをみなさんに知っていただきたいと思います」と書いている。「自分のエゴよりも会社を選んだ創業者は多くありません。これが正しい行動であったことを証明できると信じています」、

すばらしいプロダクト展開

Twitterのリーダーシップとプロダクトの方向性は長年にわたり、保守的すぎる、遅すぎる、あるいはその両方であるという批判を受けてきた。しかし、ここ数四半期はTwitterの新プロダクトやサービスの開発・出荷能力が加速していた。

Twitterの機能は、ツイートできる文字数を増やすなどの大きな変更を除いて、何年もほぼ停滞していたが、数多くの新機能を導入し、買収も行なってきた。

TwitterはSpacesでライブオーディオに参入し、Ticketed Spaces、Tip Jar、ライブストリームショッピングなどのマネタイズ機能を導入した(FacebookやInstagramなどのMetaアプリもeコマースに関してはペースを上げてきている)。最近では、よりカスタマイズ可能なユーザーエクスペリエンス(ツイートの取り消し機能など)を提供する月額2.99ドル(約340円)のサブスクサービスTwitter Blueを開始した。

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Twitterはまた、サービスにさらなる機能を追加するために買収も行なった。2021年これまでのところ、Threader(Twitter Blueのスレッド閲覧機能の開発に貢献)、Sphere(グループソーシャルメッセージングアプリ)、Breaker(Spacesの開発に貢献)などの企業を買収しており、中でも注目すべきは、ライターが自分の投稿をプロフィールに直接リンクできる便利なニュースレタープラットフォームであるRevueだ。

最後に、ドーシー氏が暗号資産に興味を持っていることは公になっている。同氏のTwitterの経歴は文字通り「#bitcoin」だけだが、同氏だけが会社の支持者ではない。Twitterは、ユーザーが自分のプロフィールにNFTを表示する方法に取り組んでおり、もっと広く言えば、Twitterは分散型ウェブプロジェクトであるBlueskyを有している。しかし、ドーシー氏の退任は、特に同社が2021年11月初めに暗号資産専門チームを構築すると発表したこともあり、Twitterの暗号資産の勢いを緩めたりはしないかもしれない。当時、同社はTechCrunchに対し、アグラワル氏は新しい暗号資産チームと協力してTwitterにおける暗号資産の将来について検討し、ブロックチェーン技術によるソーシャルメディアの分散化に向けた取り組みを支援する、と述べていた。

なお、今回のニュースに関する詳細なコメントを求めたところ、同社からすぐには回答は得られなかった

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画像クレジット:Amal KS/Hindustan Times / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

ジャック・ドーシー氏が「最初のツイート」をNFTとして売るために使った「Cent」が約3.3億円調達

Centは、ユーザーが良い投稿やコメントに対し報酬を暗号資産で提供し合うことができる広告なしのクリエイターネットワークとして2017年に設立された。これはRedditの表彰に似ているが、イーサリアムを使ったものだ。しかし2020年後半、Centのサンフランシスコを拠点とする小規模なチームは、ツイートのNFT市場であるValuablesを作成し、3月には、この小さなブロックチェーンスタートアップ企業に思いがけずツキが回ってきた。

CEOのCameron Hejazi(キャメロン・ヘジャジ)氏は「ちょうどその日の仕事を終えて、夕食を食べようとしていたら、たくさんの人がメールを送ってきたんです」と振り返る。それから彼は、TwitterのCEOであるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏が、CentのValuablesアプリを使ったTwitter史上初のツイートをしたことに気づいた。「私はその夜、ずっと震えていました。チームのみんなで、『よし、戦いに向かおう、やってやるぞ!』と話していました」。

ドーシー氏は結局、290万ドル(約3億1960万円)でNFTを売却し、その収益をGive Directlyによるアフリカの新型コロナウイルス感染症救援対策基金に寄付した。しかしCentにとっては、小さな会社が無料のマーケティングキャンペーンを受け取ったようなものだった。それから約5カ月経った現在、CentはGalaxy Interactive(ギャラクシー・インタラクティブ)、元ディズニー会長のJeffrey Katzenberg(ジェフリー・カッツェンバーグ)、will.i.am(ウィル・アイ・アム)、Zynga(ジンガ)創業者のMark Pincus(マーク・ピンクス)などの投資家から300万ドル(約3億3000万円)のシード資金を調達することを発表している。

関連記事:TwitterのCEOが約3億円でサービス初ツイートを売ったツイートNFTマーケットプレイス「Valuables」とは

Valuablesでは、インターネット上の誰もがすべてのツイートにオファーを出すことができ、それに対し他の人が対抗オファーを出すことが可能だ。ツイートをした人がオファーを受け入れると(Valuablesにログインするには、Twitterアカウントの認証が必要だ)、Centはそのツイートをブロックチェーン上に鋳造し、1対1のNFTを作成する。

NFT自体には、ツイートの文章、作成者のユーザー名、鋳造された時間、作成者のデジタル署名が含まれている。またNFTには、ツイートへのリンクも含まれているが、リンク先のコンテンツはブロックチェーンの範囲外だ。

画像クレジット:Cent

ツイートをNFTとして鋳造することに独自性はなく、Centと同じことを他社が行うことも可能だ。Twitterでも、最近、NFTアートの無料配布を始めたが、Centのように実際のツイートをNFTとして販売しようとはしていない。ヘジャジ氏は、ドーシー氏がセントを起用したことを賛同ととらえている — ドーシー氏自身がTwitterで290万ドル(約3億1960万円)を稼いでいることから、Twitterがセントを締め出すことは難しいと考えている。何と言っても、ドーシー氏はCentを選んだのだ(最初のツイートのスクリーンショットを撮って、その.JPGをNFTとして鋳造し、OpenSeaのようなより大きなNFTプラットフォームに投稿するのではなく)。

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「Twitterの人々と話をしました。私たちは健全な関係を築いていると確信しています」とヘジャジ氏は述べている(Twitter社は、それが事実かどうかについてのコメントや確認を拒否した)。「このアプローチをInstagramやTikTokなどの他のSNSプラットフォームに適用することも考えましたが、特にTwitterに適しているという仮説を立てました。なぜなら、Twitterは会話のプラットフォームであり、暗号資産を扱う人々が実際に生活している場所だからです」。

ヘジャジ氏はCentのシード資金を使い、プラットフォームの構築を続けていきたいと考えている。同社の目標は、クリエイティブな人なら誰でもNFTを使って収入を得られるようにすることだ。そのためには、ユーザーがNFTを簡単に作成できるツールを開発するだけでなく、クリエイターに特化した既存のSNSを充実させることも必要だ。Centに投稿されるコンテンツは、短い投稿ではなく、アートや文章などのクリエイティブな作品が多く、RedditというよりもDeviantArtに近いものがある。これらは、300万ドルのシードラウンドでは高い目標だが、Centのベータ版プラットフォームには、将来性を感じさせる側面がある。

「私たちがSNSに投稿するものには、すでに価値があります。それが広告費に取って代わっているだけで、単一の団体に多くの富が集中しなければならないというようなことはありません。その富を分散させるシステムを目指すことができるのです」とヘジャジ氏はいう。「これらのネットワークは、その存在によって配信を独占しているのです。TwitterのユーザーをCSV形式でダウンロードして、全員にメールを送信するというようなことはできません」。

CentのSNSプラットフォームのスクリーンショット

ヘジャジ氏は、独立した配信リストに加えて、広告付きのインターネットからの脱却を目指している。彼はSubstackの例に言及している。Substackでは、クリエイターが自分のリストを管理することができ、同時にプラットフォームの運営資金は、ニュースレターを購読するためにお金を払ってくれるユーザーから得ているため、広告なしの状態を維持することができる(また、ベンチャーキャピタルのサポートもある)。

しかしCentは、ユーザーが、原則自分の使っているプラットフォームで飛躍する可能性があると思うクリエイターに投資できるという点で、他とは異なる。

ユーザーは投稿を「シード」することができる。シードとは、Centのプラットフォームでクリエイターとして参加しているクリエイターを購読する方法のことだ。シードする側は、月々1ドル(110円)以上の定額料金を支払う。新進気鋭のクリエイターの支援には報酬があり、シードする人は、クリエイターの将来の利益の一部を得ることができる。これは、クリエイターが将来もすばらしいコンテンツを作り続けることに賭けるようなものだ。利益の5%はCentに寄付されるが、残りの95%はクリエイターと過去のシーダー全員で50対50で分配される。このプラットフォームに参加することで、クリエイター同士のネットワークやサポートが可能になるが、Patreonのような他のクリエイター向けプラットフォームでより直接的な収益を得ることもできる。

ユーザーは、投稿をシードするだけでなく、他の人の投稿を「スポット」することもできる。Cent版「いいね!」ボタンだ。「スポット」1つにつき、ユーザーの暗号資産から1セント(約1.1円)に相当する金額が支払われる。Centによれば、他のプラットフォームでは、投稿が1000の「いいね!」を獲得しても、名声獲得の漠然とした感覚しか得られない。しかし、Centでは、ユーザーが1000の「スポット」を獲得すれば、それだけで10ドル(約1100円)になる。しかし、このようなプロジェクトは、十分な数の人々がこのプラットフォームを利用しなければ機能しない。

「Centを立ち上げたときに暗号資産を選んだのは、創造力と暗号資産のアドレスだけでお金を稼げるというアイデアが気に入ったからです」とヘジャジ氏はいう。「時間が経つにつれ、暗号資産を実際に所有し、すぐに使えるようにしている人はほとんどおらず、決済手段としては限りがあることがわかりました。私たちは、Centを使ったクリエイターへの支払いをより簡単にする方法に取り組んでおり、暗号資産を使ったものとそうでないものの両方を検討しています」。

この考え方は、Yatのような他のNFTスタートアップにも通じるものがある。Yatでは「革新的な分散化」モデルの一環として、クレジットカードによる支払いが可能だ。これらの企業が成功するかどうかは、最終的に分散化されたブロックチェーンベースのインターネットに対する一般の人々の支持にかかっている。しかしそれまでは、Centのような企業が、クリエーターがオンラインで報酬を得る方法を再構築するための実験を続けていくことになるだろう。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:ジャック・ドーシーTwitterNFTCentValuables資金調達暗号資産SNS

画像クレジット:Cent

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Dragonfly)

ビットコインは将来、Twitterの「大きな部分」を占めるとジャック・ドーシー氏

Twitter(ツイッター)のCEOであるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は投資家に対し、ビットコインが同社の将来の「大きな部分」を占めることになるとの認識を示した。ドーシー氏は、商取引、サブスクリプション、Twitter Tip JarSuper Followsなどの新機能を含む、Twitterの既存の製品やサービスに暗号資産を統合する機会があると考えているからだ。

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ドーシー氏は何年も前からビットコインを熱心に支持してきたが、Twitterのプラットフォーム上でビットコインをどう活用するかについては、まだ詳細に説明していなかった。しかし、同氏はこれまでにも公の場でたびたび暗号資産に言及し「インターネットの初期」を思い起こさせ、自分が生涯をかけて取り組むべき「これ以上に重要なこと」はなかったと話してきた

最近では、ドーシー氏はJay Z(ジェイ・Z)と共同で2360万ドル(約26億円)のビットコインファンドを立ち上げ、ドーシー氏の別の会社であるSquare(スクエア)をビットコインによる分散型金融サービス市場に導く計画を発表した。また、Squareは2021年、ブロックチェーン技術や暗号資産が音楽ビジネスを変える可能性を視野に入れ、ジェイ・Zの音楽サービス「TIDAL」の株式の過半数を取得している

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ドーシー氏は本日、ビットコインを、AIと分散化(後者はTwitterが「Bluesky」イニシアチブにより推進している)と並んで、Twitterの将来にとって重要な3つのトレンドの1つと位置づけた。

ドーシー氏は、ツイッターの第2四半期の決算発表の場で、投資家に向けてビットコインをアピールし、同社のプロダクトの拡大を迅速に進めることができると述べ、インターネットの「ネイティブ通貨」になるための「最良の候補」であると説明した。(ちなみに、Squareが2020年に購入した5000万ドル[約55億円]のビットコインは、2021年2月には2億5300万ドル[約278億円]の価値があり、2021年初めにはさらに1億7000万ドル[約187億円]を購入した)。

「インターネットにネイテイブ通貨、グローバル通貨があれば、Super Follows、商取引、サブスクリプション、Tip Jarなどのプロダクトとともに迅速に動くことができ、市場ごとにアプローチするのではなく、地球上のすべての人にリーチすることができます」とドーシー氏は語る。「これは、私たちの未来に大きな影響を与えるものだと思います。特に、ソーシャルメディアの分散化や経済的なインセンティブの提供を考えると、通貨以外にも多くのイノベーションが期待できると思います。ですから、TwitterやTwitterの株主にとって、この分野に目を向け、積極的に投資を続けることは非常に重要なことだと思います」と付け加えた。

Twitterの担当者によると、ドーシー氏がビットコインを同社のプロダクトラインアップに統合する方法について公に語ったのは今回が初めてとのことだ。

ドーシー氏はまた、Twitterだけが暗号資産戦略を追求しているわけではないと指摘し、Facebook(フェイスブック)がデジタル通貨Diemを支援していることに触れた。

「これには明らかにニーズがあり、評価されています。私は、インターネット上に存在するオープンスタンダードこそが正しい道であると考えています。だからこそ、私も、私たちも、最終的にはビットコインに注力するになるでしょう」と述べた。

CNBCによると、Twitterは全体的にパンデミックの反動で好調な業績を上げ、2014年以来の最速の売上高の成長を記録し、同社の株価は時間外取引で9%上昇した。第2四半期の売上高は、ウォール街が予想していた10億7000万ドル(約1177億円)に対して11億9000万ドル(約1309億円)となり、その大部分(10億5000万ドル、約1155億円)が広告事業によるものだった。また、1株当たり利益は、予想の7セント(約8円)に対し、20セント(約22円)となった。

しかし、Twitterが独自に開発した指標である収益化可能な1日当たりのアクティブユーザー数(mDAU)は、アナリストが予想していた2億620万人に対して、前年同期比で11%増の2億600万人にとどまった。これは、ニュースサイクルが遅くなったことと、米国の多くのコミュニティで屋内退避勧告が終了したことが、当四半期のTwitterの利用に影響を与えた可能性があるためだ。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:ジャック・ドーシーTwitterBitcoin

画像クレジット:George / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

Twitterのジャック・ドーシーCEOが公聴会の最中にツイートして議員に咎められる

Twitter(ツイッター)のJack Dorsey(ジャック・ドーシー)CEOは、情報操作と過激主義に関する米国議会の公聴会の最中にツイートしたことで、Kathleen Rice(キャスリーン・ライス)議員(ニューヨーク州選出)に呼び出された。ドーシー氏のツイートは、複雑な質問に対する回答を「はい」か「いいえ」という単純なものにしなければならず、そうしないと回答を打ち切られてしまうという公聴会の形式に不満を示したものと思われる。ドーシー氏は米国時間3月25日の午後「?」というだけの質問に「Yes」または「No」のみで答える投票形式の不可解なツイートを投稿した。

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彼の投稿、あるいは社会批判は、注目されなかったわけではない。

ライス議員は、米国の退役軍人や軍属を過激化させるプラットフォームの能力についての質問に入る前に、TwitterのCEOに彼のツイートについて質問した。

「ドーシーさん、あなたのツイートの投票では、YesとNoのどちらが勝っていますか?」とライス氏は尋ねた。彼女は花や蝶、虫、そして蛇(?)で埋められたカラフルな壁紙の前に座っていて、これはその日のウェブ会議で他よりも素敵な背景の1つだった我々は思う。おそらくドーシー氏が彼の家のキッチンからこのZoom会議に参加し、その背後に巧妙にブロックチェーン時計を配置していたことにも負けていなかった(なにしろ、ブロックチェーン時計なのだからもちろん)。

「はい」とだけ答えたドーシー氏は、この聴聞の間、ずっと一本調子に同じ言葉を繰り返した。これは、退屈な政治的見世物にはまったく身が入らないという印象を与えた。

「うーむ」と、ライス氏は警告するように言い「あなたのマルチタスク能力は大したものですね」と、実際に感心しているわけではないような口調で皮肉を言った。

ちなみに、この記事を書いている時点では、総投票数6万5626票のうち65.7%が「Yes」で「No」の34.3%を大きく上回っている。

結局のところ、ソーシャルメディアには楽天主義が残っているということか。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Twitterジャック・ドーシー

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

TwitterのCEOが約3億円でサービス初ツイートを売ったツイートNFTマーケットプレイス「Valuables」とは

米国時間の2021年3月22日、Twitterの共同創設者でCEOを務めるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は最初のツイートのNFTをおよそ291万ドル(約3億1500万円)で販売した。ドーシー氏のツイートによると、その後、販売で得た資金は非営利団体Give Directlyに寄付したという。

このニュースを見て、ツイートのNFTを売買できるマーケットプレイスに興味を持った人もいるのではないだろうか。NFTとは「非代替性トークン」のことで、ツイートをNFTにすることにより、ツイートに固有の価値を与え、売買できるようになる技術のことだ。

ツイートをNFTにすることで、自分のこれまでのツイートを、3億円とはいわずとも、いくらかで売ったり、好きなツイートを買ってコレクションにしたりできるようになる。なので今回、ドーシー氏がツイートの販売に使った、Cent運営のツイートNFTマーケットプレイス「Valuables」について紹介したい。

Valuablesを使うには、まずMetamaskという暗号資産を扱うためのウォレットを設定し、サービスと連携する必要がある。もう少し詳しく説明すると、Metamaskはブラウザの拡張機能として使えるイーサリアムとERC20準拠のトークンを保管するウォレットのことだ。対応ブラウザはGoogle Chrome、Mozilla Firefox、Brave、 Microsoft Edgeで、スマートフォン向けにはiOSとAndroidアプリを提供している。

Metamaskをブラウザにインストールし、ウォレットの設定ができたら、Valuablesのサイトにアクセスし、サービスと連携する。後はTwitterアカウントを連携することでValuablesが利用できるようになる。

ジャック・ドーシー氏のツイートの入札画面

Valuablesのユーザーは、オークション形式で買いたいツイートに入札することができる。入札の締め切りは特になく、ツイートの保有者が入札を承認した時点でツイートのNFTが発行され、売買が成立する仕組みだ。購入したツイートはプロフィールページの「Collected」の一覧に表示される。購入ツイートは再販することも可能だ。

Valuablesユーザーではない人のツイートにも入札することはでき、入札したことはTwitterでツイートすることで保有者に知らせる。入札する際、入札額がValuablesによりエスクローされるため、少なくとも入札額分のイーサリアムをあらかじめウォレットに入れておく必要がある。ツイートの保有者が入札を承認しない場合は、入札後24時間以降からキャンセルできる。キャンセル時にエスクローされた額がウォレットに戻る。

落札額の5%がValuablesの手数料となる。再販の場合は、販売額の87.5%が販売者、10%がツイートの製作者、2.5%がValuablesに分配される。Valuablesの仕組みや使い方はそう複雑ではないものの、残念ながら、今のところ日本語対応はしていない。

2020年12月9日にローンチしたValuables。ローンチ直後から人気を集め、12月19日のCentのブログでは、24時間内の入札数が100以上、入札額は4500ドル(約48万円)を超えたと伝えている。NBAがバスケットボールの試合の1場面をNFTで販売するサイト「TOPSHOT」を立ち上げたり、NFTアートが約75億円で落札されたり、NFTは今最も注目を集めているトピックだ。今回紹介したツイートの売買のように、今後もっと身近なNFTのユースケースも登場してくるかもしれない。

関連記事:BeepleのNFT作品が75億円で落札、アート界に変革の兆し

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:NFTジャック・ドーシーValuables

TwitterのCEOとラッパーのジェイ・Z氏がアフリカとインドにビットコイン開発基金を設立、500BTC(24.8億円相当)を投資

Twitter(ツイッター)とSquare(スクエア)のCEOであるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は、ラッパーのJay-Z(ジェイ・Z)氏とともに、当初はアフリカとインドでBitcoin(ビットコイン)開発に資金を提供するための基金を設立した、と米国時間2月12日に発表した。

2人は、現在2360万ドル(約24億7700万円)相当の価値がある500BTCを「₿trust」と呼ばれる基金に入れようとしている。この基金は白紙委任で取消不可能な信託として創設される予定で、ドーシー氏は、両氏がチームに指示を与えることはないとつけ加えた。

₿trustは、3人の理事を募集しているという。この基金のミッションは「Bitcoinをインターネットの通貨にすること」だと、応募要項には記載されている。

インド政府はこれまでのところ、Bitcoinやその他の暗号通貨の導入に消極的だった。米国時間2月12日の動きは、ニューデリーが、国内で民間の仮想通貨を禁止する法律の導入に少しずつ近づいている中でのことだ。また同国は、独自のデジタル通貨の創設も視野に入れている。

関連記事:インド政府がビットコインなどの民間発行仮想通貨を禁止する法律を提出へ

TechCrunchの取材に対し、アジア系米国人向けにインド発のデジタルバンキングプラットフォームを構築しているOnJunoの共同創業者Varun Deshpande(バルーン・デシュパンデ)氏はこう説明した。「インドは世界のソフトウェア開発の中心地であるにもかかわらず、Bitcoinのコア開発には大きな貢献をしていません」。

「インドは常に貢献するスキルを持っていましたが、適切なインセンティブがありませんでした。今回のイニシアチブは、世界最大の民主主義国の開発者がBitcoinのプロトコル開発に貢献し、Bitcoinのプロトコル開発に発言権を持ち、通貨の未来をかたち作るために多様な考えをもたらすための適切なインセンティブを提供するため、より重要なものです。皮肉なことに、インドがBitcoinを禁止する法案を準備する中、世界はBitcoinネットワークを安全に保護するために、インドの膨大な技術人材に目を向けようとしています」。

一方、アフリカ、特にナイジェリアでは、近年仮想通貨の取引が急増している。2020年、ナイジェリア人は地元の主要な仮想通貨取引所で4億ドル(約419億9000万円)以上の仮想通貨を取引しており、過去5年間のBitcoin取引量では米国に次ぐ2位となっている。

アフリカの人々は仮想通貨を取引することで、通貨の切り下げや国境を越えた取引での価値交換を防ぐことができるため、仮想通貨に依存している。ナイジェリアでは、2020年、国を揺るがした#EndSARSの抗議活動の間、Bitcoin取引が社会に定着した。抗議のための寄付金が国内各地や在外ナイジェリア人から流入し始めたとき、ナイジェリア政府は抗議活動に使われていた銀行口座を閉鎖した。しかしそのとき、Bitcoinはクラウドファンディング活動を継続させる生命線となった。

それ以来、ナイジェリア政府が国内で仮想通貨を規制する意図があるのではないかとの懸念が高まっていた。そして先週、ナイジェリアの中央銀行が銀行や金融機関に対して、仮想通貨の取引や仮想通貨取引所プラットフォームへの支払いを容易にすることを禁止する指令を出したことで、こうした疑念は現実のものとなった。

ドーシー氏は長い間、仮想通貨の採用を支持してきた。SquareはすでにBitcoinをサポートしており、2020年は約5000万ドル(約52億5000万円)相当のBitcoinを企業財務のために取得しており、Twitterは従業員やベンダーへの支払いにBitcoinを利用する可能性を検討している。

今週初めにCNBCとのインタビューで、TwitterのCFOであるNed Segal(ネッド・シーガル)氏はこう語っていた。「従業員がBitcoinでの支払いを希望した場合にどのように支払うか、ベンダーがBitcoinでの希望した場合はどうするか、また、そのようなことが起こった場合にバランスシートにBitcoinが必要かどうかを検討するために、率直に多くのことを考えてきました。それは当社が研究し続けていることであり、時間をかけて考えていきたい事項ですが、まだ何も変更はしていません」。

多くの著名な業界幹部が、各国にBitcoinの導入を呼びかけている。エンジェル投資家であり、CoinbaseのCTOを務めた起業家でもあるBalaji Srinivasan(バラジ・スリニヴァサン)氏は、2020年2月初めに、インドがBitcoinを受け入れるべき理由をこう述べた。

「インドはそれを成功させる(技術)人材を持っています。このような動きは世界のメディアで大きく取り上げられ、世界中の技術者や金融機関から支持を集め、米国や中国が推し進めるゼロサム経済政策とは一線を画し、インドを1兆ドル(約105兆円)規模の産業の最前線に立たせることになるでしょう」と同氏は書き、Bitcoinのブロック解除がインドにもたらす可能性を想定している。

一方、ケニア中央銀行は今週、対ドルでケニアシリングが乱高下する中、Bitcoinを準備通貨として使用すると述べた。同国は2020年、アフリカでのBitcoin取引ではナイジェリアに次ぐ第2位だった。ドーシー氏の計画は、2019年に同氏がアフリカ大陸を訪問した際に、主要な政治・技術関係者との会合の中で、アフリカ大陸で始まったばかりだった仮想通貨の利用について驚くべき言及をしたことに続くものだ。「アフリカが将来を決定づけるだろう(特にBitcoin分野で!)」と彼はそのときの発言だ

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:ジャック・ドーシーJay-ZBitcoinアフリカインド

画像クレジット:Dan Kitwood / Getty Images

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(文:Manish Singh、Tage Kene-Okafor、翻訳:Aya Nakazato)