「職場エクササイズ」は普及するか? デスク下でペダル運動をするCubii登場

椅子に座った状態でデスクワークばかりを行うのは非常に身体に悪いのだそうだ。しかしスタンディングデスクに移行するのもさほど簡単ではない。自分ではスタンディングデスクを利用しているが、確かに座っている方がらくに感じる。しだいに慣れてくるものではあるが、それでも1日中立っているとふくらはぎや足の裏なども疲れてしまう。

そんなあれこれに対処するために登場してきたのがCubiiだ。オフィスで使っているデスクの下において使う、ペダル型のエクササイズマシンだ。仕事中でも単に座っているのではなく、ペダルを踏んでエクササイズを行おうとするものだ。

このCubii、見かけも仕組みも非常にシンプルなものではあるが、確かに機能デザイン的には十分な配慮もなされているようだ。たとえば一般的なペダル型エクササイズマシンと異なり、あまり膝を高くあげる必要がないようになっている。これはもちろん、仕事用デスクを裏から蹴飛ばしてしまったりしないようにと考えてのことだ。

またBluetoothにも対応していて、専用アプリケーションと通信を行うようにもなっている。すなわち、現代のフィットネスデバイスらしく、行ったエクササイズはきちんと計量できるようになっているのだ。

製作したのはシカゴのメーカーで、Kickstarterでのキャンペーンに持ち込んだ。まだ若干のキャンペーン期間を残しているが、無事に目標出会った8万ドルの資金を調達し、市場投入への第一歩を踏み出している。

Kickstarterでの早期割引は279ドルだったが、これはすべて申し込み終了となっており、現在の価格は299ドルとなっている。出荷開始は来年の1月を予定しているとのことだ。新年の誓いを忘れないうちにフィットネスを始めることができるかもしれない。

技術的にはとくに細かくみておく必要がある部分はなかろう。新しい仕組みを採用しているというわけでもない。ウォーキングデスクの導入は考えられないが、しかし職場でもエクササイズをしたいという人を対象としたデバイスだ。もちろん座り続けることの健康被害は意識しつつ、しかし一日中ずっと立ってはいられないという人にむけたソリューションでもある。

ところで以下は余計な話だ。Cubii製作チームが言うように、スタンディングデスクには高価なものが多い。しかしそれはおしゃれなメーカー品を望むからだとも言える。たとえば19ドルでイケアのコーヒーテーブルを買って、足の長さを調整して既存の机の上に乗せて使ったりしても良いわけだ。これであれば予算はかからず、なかなか快適に使うことができる(写真は私のスタンディングデスクだ)。

スタンディングデスク化すれば、机の下を物置に使うこともできるのが便利な点だ。たまりにたまったガジェット類をダンボールに詰めて、それを置いておくのにベストな場所だと思う。

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(翻訳:Maeda, H


トイレ・パニックを防いでくれるトイレットペーパー残量検知メカ

きっと経験があるだろう。友人たちとの集まりを楽しんでいる最中に、こっそりと席を外してトイレに向かう。ほっと一息ついたのもつかの間、あるべき場所に白い紙がなく、無骨なダンボールの円筒しか見当たらない。作り付けの棚を見ても何もない。貯水タンクの下をのぞきこんでもやはり何もない。もはや何も考えられなくなってしまう。そうこうするうちに時間は経過する。誰かがドアをノックしても恥ずかしさもあって状況を伝えることもできない。

トイレットペーパーの残りが少なくなったことを伝えてくれるメカニズムさえあったなら、そのような窮地に陥ることもないのだ。自分と、そして愛する人を守るために、ぜひとも通知メカニズムが必要なのではないだろうか。

現在Kickstarterキャンペーン中のRollScoutが、まさにそうした状況から救ってくれるデバイスだ。トイレットペーパーの残量が危険レベルになると通知してくれるのだ。

電源は電池からとるようになっている。トイレの壁に据え付けて利用する。内蔵の赤外線センサーが残量低下を検知すると、通知用の円形ライトが点灯し、必要な準備が行えるようになるのだ。

場所が場所だけに外見にも心を配り、光沢あるクローム仕立てやアンティック・ブロンズ、つや消しニッケル、セラミック・ホワイト、あるいは14Kゴールドなどのバリエーションを用意する。

光で教えてくれるのも、確かに役に立つ。しかしたとえば、コンビニなどにいるときにアプリケーションで通知してくれれば一層便利なのではないかと思う人も多いことだろう。こちらの機能は目標調達額の次のゴールに到達すれば実装を考えようとしているそうだ。

キャンペーンの目標調達額は3万7500ドルだ。詳細はこちらののキャンペーンページにて確認できる。

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(翻訳:Maeda, H


遠隔地からも訪問者を確認できるリモート・ドアベルのi-Bell

Wi-fiを使ってネットワークと繋がるドアベルを提供しようとするi-Bellがクラウドファンディング・キャンペーンを展開している。家の中のみならず、どこにいてもスマートフォンから訪問者とコミュニケートできるようになるというものだ。

これまでにも似たようなデバイスはあった。たとえば昨年登場してきたDoorBotSkyBellを覚えている人も多いだろう(あるいは古いスマートフォンをビデオ機能付きドアベルに転用しようとするものもあった)。しかしイギリス発のi-Bellは、同様の機能を提供する各種デバイスと比べ、性能面で上回っているのだとのこと。

具体的にはどのような点が異なるのだろうか。i-Bellの共同ファウンダーであるGraham Kershbergによれば、i-BellはLinux Arm 11/Debianプラットフォームに構築されており、接続の安定性が増していることも大きな魅力であるはずだとのこと。ちなみにDoorBotにはビデオのやり取りに不安定な面があるのだそうだ。

さらにSkybellと比較すると、i-Bellではより多くの機能をサポートしているそうだ。既存のドアベルを外してドアベル用電源に接続する必要はなく、普通のコンセントないし充電式リチウムバッテリーで用いることができる。

またi-Bellはモーションセンサーや、リモートでのビデオ撮影開始機能をサポートしている。データをクラウドストレージに保存することができるようになってもいる。家に訪問してきた人のデータをすべて保存しておくこともできるわけで、自宅についてはビッグブラザー的な情報権力を手にすることができるわけだ。

さらにこのシステムには、応答できないときのためにボイスメールを残すための仕組みも備えられている。

訪問者を映し出すカメラはHD対応のもので、また広範囲ナイトビジョンの機能も持っている。すなわち暗くなってからの訪問者を映すこともできるようになっている。

現在は3万ポンドの資金調達を目指してKickstarterキャンペーンを展開中だ。キャンペーンの方は20日間を残して既に2万4000ポンド以上を調達しており、なかなか好調に展開しているようだ。出荷時期は11月を予定しているのだとのこと。

価格についても触れておこう。キャンペーン的な先着割引はすでにすべて売り切れの状態だ。現在用意されている価格は145ポンド/250ドルとなっている。DoorBotの199ドルに比べると高くも感じる。さらに言えばSkyBellもまた199ドルにて提供されている。

さらに言えば、ドアベルの価格としてみれば200ドル程度というのはかなり高価ではある。この程度の価格となるのであれば、スマートロックシステムと統合してしまえば、消費者のウケがよくなるかもしれない。両者の機能をあわせれば、遠隔地からやってきた人を認識するだけではなく、さらにうちの中に入って待っていてもらうということもできるようになる。

現在でもDoorBotはLockitronというスマートロックシステムとあわせて利用することもできる。しかし別々に購入して、それをあわせて利用するということが必要になる。確かに便利にはなるだろうが、非常に高価なものとなってしまうのだ。双方を最初からあわせてしまうことで、価格的にも利用者に訴えかけることができるようになるだろう。

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(翻訳:Maeda, H


Kickstarterで500万ドルを集めたパーティー用クーラーボックスCoolest

あのポテトサラダやこのポテトサラダのことはもう忘れよう。Kickstarterの新しいスーパースターが登場したのだ。その名もThe Coolest Cooler(もっともクールなクーラーボックスCoolest)だ。単なるクーラーボックスだけど、おかずが多い。締め切りまでまだ45日あるが、10日足らずですでに500万ドルを突破し、集まった資金額はKickstarterのトップファイブ(5位まで)に入りそうだ。いやぁ、クールだねー。

この製品の宣伝をここでやる気は毛頭ないけど、なにしろ何でもついてる。ブレンダー、スピーカー、大きな車輪、USB電源(充電器)、LEDライト、などなど。前面には栓抜きもついている。なんたるディスラプションだ!。

このCoolestの定価は299ドルだが、Kickstaterで資金を協力した人は185ドルだ。現在のところ、投資を約束した人は23000名あまりいて、ColemanやIglooなど、クーラーボックスの既成勢力たちの鼻を明かした。

まだ45日残ってて500万ドルだから、CoolestはReading Rainbowの記録を破り、Veronica Marsの映画やNeil YoungのミュージックプレーヤーPonoに迫っている。

でも、300ドルもするクーラーボックスを、世界は必要としているだろうか? もちろん!です。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Bashよりもずっと便利で多機能なコマンドインタフェイスXiki/xshが抜本的大改造を目指して資金募集中

このところ眠っていた(かもしれない)、あなたのおたく魂の出番だ。このたびは、MemorizeのファウンダCraig Muthが作ったXikiの偉業を、たっぷりと共有しよう。Xikiとそれをシェル化したxshが提供するコマンドラインのすばらしい自動補完機能と対話的なコマンドラインを見ると、bashの名人でもよだれを垂らすかもしれない。Xikiの今のバージョンは今でも入手できるが、Muthは機能のより充実した新バージョンのためにKickstarterで資金を募集している

Muthは語る: “Xikiは最初、自分で使うために作った。13年前にオハイオで銀行や保険会社のための退屈なソフトウェア開発のようなことをしていたとき、これを作り始めた。自分のノートパソコンから直接コマンドを動かしたり、ファイルをナビゲートしたいと思ったんだ。実際に作ってみると、もう、これなしには仕事ができなくなった。今では、あらゆることにこれを使ってるね”。

開発資金として8万ドルを募集しているMuthは、次のように言っている:

この資金募集に成功したら、Xikiの徹底的に改良された次期バージョンをみんなに提供できる。要望の多かったSublimeとVim用のプラグインも作る。インストールの過程と、初心者のユーザ体験が大幅に改良される(コンテキストメニュー…そのときの状況に応じたメニュー…があちこちにあるからね)。シェルとの統合(xsh)も改良される。今後いろんなアプリケーション向けのXikiプラグインを作りやすいように、Xikiのコアをリファクタリングする。面倒なことを全部コアがやるから、プラグインの負担が軽くなる。

非常に斬新なシェルだから、慣れるためには時間を要する。従来のシェルでももちろんコマンドラインの編集はできたが、それをもっともっとテキストエディタ的にしたのがXikiだ、と言えるかもしれない。それに、パイプ機能は何でもパイプできる。別の言い方をすると、シェルのインタフェイスをGUI的にした(マウスも使える)、とも言える。ビデオでお分かりと思うが、ぼくが実際に使ってみても、すごいパワフルであることが分かる。

“xshはフレンドリなコマンドインタフェイスとして、GmailやTwitter、Bootstrapなど何百もの現代的なツール、それにデータベースの閲覧やWeb開発などでも、対話的な利用ができる。テキストのアウトラインやスペース2個ぶんのインデントなど、共通的なUIのパラダイムに即しているから、どんなツールやAPIとも対話できる。また、従来のシェルのようにコマンドラインからコマンドを使うだけでなく、テキストエディタやWebブラウザからでもコマンドを取り出せる。それに自分が新たに作ったxyzコマンドも、’xsh +xyz’でxshに登録できる”。

“xshは、怖くないコマンドインタフェイスだ”、とMuthは語る。でもビデオで、彼が複数のディレクトリを操作したり、新たなコマンドを作ったりしている様子を見ると、このプラットホームの奥の深さが、実は怖いかもしれない、と思った。Kickstarterの出資者は、Tシャツなどをもらえるだけだ。だからそれは、単純な寄付行為だ。でも完成した新バージョンこそが、出資者にとっての最大の報酬だろう。オープンソースで無料だから、あなたがさらに改良することもできる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


モバイルと人類の関係を描くドキュメンタリー映画。Kickstarterでキャンペーン展開中

私たちがいったいどのようなソフトウェアを生み出し、そしてソフトウェアによりどのような影響を受けているのかということに興味のある人は、きっとこの話にも興味を持つことだろう。2007年のiPhone誕生以来、世界がどのように変わってきたのかを描くドキュメンタリー映画を作ろうとするKickstarterキャンペーンが展開中なのだ。タイトルを「App: The Human Story」という。

作品の完成は2015年の12月予定とまだ先の話だが、ブロガーでありVesperの共同創業者であるJohn Gruber、Instapaperを産んだMarco Arment、そしてMacWorldのJason Snellなど、ソフトウェア界の名だたる大物たちへの取材も行っている。

上に掲載した予告ビデオを見ると、Appleのことばかりであるように思われるかもしれない。それも当然であるようだ。本プロジェクトの共同クリエイターであるJake Schumacherがメールで教えてくれた話によれば、彼自身も、同じく共同クリエイターのJedidiah Hurtも、iOSおよびMacのヘビーユーザーなのだそうだ。「そういうこともあって、iOS関連の話から始めるのが私たちにとってもとっつきやすかったのです」とのこと。予告ビデオを制作したのちには、もちろんAndroid側への取材もすすめており、ビッグネームへのコンタクトを行っているのだそうだ。

また、AndroidについてはAndroid OSの適用範囲の拡大などについても話をまとめていきたいと考えているそうだ。Android、Chrome、およびGoogle Appsを担当するGoogleのバイスプレジデントであるSundar Pichaiについてはぜひとも取り上げたいのだとのこと。またAndroidのユーザーエクスペリエンスについてのディレクターを務めるMatias Duarteにもコンタクトをとっているとのことだ。

人気を集めたインディーゲームに注目して、その背景をドキュメンタリーで綴るIndie Game: The Movieが、やはりクラウドファンディングで資金を獲得した。また、こうした情報ドキュメントは多くの人が興味をもち、実際に手がけている分野でもある。ただ多くの人はブログやポッドキャスティングでの情報発信を行っており、全体をひとつにまとめたものというのはなかなかないのが現状だ。これに着目したのが「App: The Human Story」で、あちこちの情報をかき集めずとも、大事な情報をすべて一箇所から得られるようなコンテンツを生み出したいと考えているのだ。

プロジェクトのサポーターに対しては特別なお返しも用意しているのだそうだ。映画の作成にあたって用意したインタビューは、多く編集段階で捨てられてしまうことになる。300ドル以上を出資した人に対しては、映画で省かれる部分も含めた完全版を提供することにしているとのこと。300ドルはなかなかの高額だ。しかしDaring FireballのTシャツやプレミアムポッドキャストを購入したりしている人にとっては、こちらの「完全版」もかなり魅力的なものかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H


Kickstarterの支援者数最高記録9万+を達成したReading Rainbowは人気の子ども番組

いろんな賞を山ほど取った人気の子ども番組Reading Rainbowは2006年に放送を終了したが、その直後から番組のホストだったLeVar Burtonは復活のための努力を開始した。2012年にはタブレット用のアプリを立ち上げ、そして最近では、すべてのプラットホームにReading Rainbow提供するために、KickStarterで目標額100万ドルの資金募集活動を始めた。そのクロスプラットホームバージョンは、学校の教室に無料で提供される予定だ。

Kickstarterの募金は今500万ドル近くに達していて、支援者数91000名はKickstarterの新記録だ。

Burtonはそのことを今朝(米国時間6/30)ツイートし、Kickstarterも確認した

集まった金額では、Pebbleの1000万ドルあまりが今でも最高記録だ。しかしそのときの支援者数は約60000名だった。

Reading RainbowのKickstarterキャンペーンは、はなから大成功だ。目標額の100万ドルに達したのはわずか1日で、そのときのLeVar Burtonの感動ぶりを、ビデオで見ることができる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Sherlyboxは、デスクに置くおしゃれなクラウド風ストレージ

パーソナルなクラウド風ストレージがこのところ注目を集めている。NSAがわれわれのラブレターも読んでいると言われる中、デスクトップに置くハードディスクにクラウド機能を持たせたることで、Dropbox並みのパフォーマンスを自分自身のハードウェアで実現するのはうまい方法だ。それが、Sherlyboxだ。

Sherlyboxは、ソフトウェアによるソリューション、Sher.lyを作った会社の製品で、小型ハードディスクをユーザーのネットワークに接続して、プライベートクラウドを構成する。ストレージを共有したり、ファイルをアップロード/ダウンロードしたり、招待者した人だけにデータを公開することもできる。1TB 199ドル(ハードディスク無しは149ドル)の同機は、宇宙船のような形状で、概ね一般的なNAS[ネットワーク接続ストレージ]のように働く。

ただし、NAS機能を使うために面倒な手順は必要なく、本体横のボタンを3回押すだけで完了する。ファイル転送には高速プロトコルと標準Raspberry Piを使用している。

同社のKickstarterでの目標金額は6万9000ドルで、現在までに1万6000ドルが集まっている[翻訳時点では2万7000ドル]。出荷予定は来年1月。Sher.lyは、昨年のTechCrunch Disruptハードウェアバトルの参加者で、ステージでも人気の高いプロジェクトだった。

これは興味深いプロジェクトであり、スモールビジネスやホームオフィスのストレージの良い解決策になるかもしれない。もちろん、これをやる方法は他にもある ― BuffaloのCloudstorでもうまくいく ― が、Sherlyboxの方がコンパクトでデザインも美しい。最終製品を見るのが楽しみだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Kickstarter、プロジェクト承認ルールを簡素化

クラウドファンディングサイトのKickstarterは、ブランド認知度において今やクラウドファンディング界の “Kleenex” 的存在になっている。今日(米国時間6/3)同サイトはビジネスモデルに関する2つの大きな変更を発表し(The Verge)、これは非株式ファンディング全般および主要ライバルのIndiegogoに大きな影響を与えるだろう。基本的にKickstarterは、ルールを簡素化して参加障壁を緩和する。中でも “Launch Now” 機能は、プロジェクト作成者が同ネットワークによる承認プロセスを完全に回避できる。

つまり、今後Kickstarterで見るものは、実現性やコンテンツ内容について審査を受けているとは限らない ― そしてそれは、元々成功率の低いハードウェアプロジェクトが製品化される保証がさらになくなることを意味している。しかしKickstarterは、潮流にさからわず成り行きにまかせる方針を決めたようだ。これで同サイトは、アイデアに投資するコミュニティー主導のしくみを、はばかることなく表明できる。デバイスのための予約店舗のふりをする必要はない。

さらにKickstarterは、プロジェクト作者のドキュメントに関するルールも削減し、1000単語から300単語へと1/3以下に減らした。また、入浴・美容プロジェクト等これまで禁止されていた種類のキャンペーンや、ハードウェアプロジェクトでの複数報酬も認められる。非デベロッパーによるアプリプロジェクトも可能になるが、慈善事業、遺伝子組替え、およびグラフィックを写真と見間違えさせる恐れのある、写真的レンダリングは未だに禁止されている。Vergeが報じている。

プロジェクトの承認は、人間の審査員が介入することなくアルゴリズムで行われ、そのプロセス(最短5分程度で終わる)を通過すれば公開が可能になる。これは当初Kickstarterが信奉していたクラウドファンディングの解釈とは大きく異なっており、様々な点でコミュニティー重視をやめ、成長に焦点を合わせたものだ。Indiegogoの中立ネットワーク事業者としてのスタンスほどではないが、ビジョンはかなり近く、これからは今まで見たことのなかったような新プロジェクトがたくさん登場するに違いない。

クリエーターにとって、これは間違いなく良いニュースだ。私は、これまでKickstarterの承認プロセスに不満を抱き、微妙なルールのために公開できず意欲をそがれた人を多く見てきた。その結果多くの人々がIndiegogoに流れていった。しかし、これはKickstarterにとっても問題になる可能性がある ― もし全体的な質の低下を招くことになれば、あらゆるプロジェクトの成功可能性に影響を及ぼす。プロジェクトの数が膨れあがれば、発見も難しくなる。

しかし、これまでKickstarterは不満やプロジェクトの失敗などによる、支援コミュニティーとの関係悪化のリスクを回避してきた。スタートから5年が過ぎた今も、支援者や成功キャンペーンを増やし続けている。これは新種の生き物であり、5年の月日は、ユーザーたちが店とも違うチャリティーとも違うそのアイデンティティーに慣れるのに十分な時間だった。

これは、クラウドファンディングのトレンドに乗ろうとしている他のスタートアップにも新たなチャンスを生む ― Kickstarterによる監視の目が弱まること自体、ユーザーがプロジェクトの選別、収集など新しいモデルを求める可能性を意味している。KickstarterがクラウドファンディングのAmazonになるとしても、PinterestやShopifysのようなブティックストアの機会はまだ残っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Ethernet AVB規格によるホームオーディオシステムBrick & Bulletは遅延のないリアルタイムを実現

AirPlayなどのワイヤレスホームネットワークでオーディオを聴くと、遅延があることに気づく。[play]をクリックしてから数秒後に、音楽がスタートするのだ。通常の録音された音楽はリアルタイムではないから、それでもかまわない。でも住宅やビルなどの中でライブの音楽をブロードキャストしようとしたり、映画を見てるけどオーディオシステムのせいで音が同期してない、なんてときには、困ってしまう。

今日Kickstarterに登場したBrick & Bulletは、Ethernet AVBという規格を使うことによって、消費者に遅延のないオーディオストリームを届けようとする。そのハードウェアを使うと、遅延のないプレイバックが可能なのだ。このプロジェクトを作ったJohn Gildredと彼の会社AVB.ioは、今週末サンフランシスコで行われるMaker Faireでデビューする。

上のビデオでは、Brick & BulletとAirPlayの従来的なセットアップを比較している。使用しているルータはAirport Express製だ。たしかに、ずっと良いシステムだし、Airfoilなどのソフトを使ってAirPlayの特殊な使い方をしたいときに起きがちなトラブルを解決してくれる。OS XはAVBをデフォルトでサポートしているから、Maverickが動いているMacなら、すぐにBrick & Bulletを使える。

基本的にこれは、オーディオが最高のクォリティでなければならないという、特殊な、というかニッチなニーズのための製品だが、でもAVBはいずれ、音楽やオーディオのプロたちや、マニアたちの、デジタルメディアとのつきあい方を、一変させてしまうだろう。

支援者にはBrickが最初は300ドルで提供される。Brick一つとBullet二つのセットが850ドルだ。ちょっと興味がある、という程度の人には手が出せないだろう。発売予定は9月で、Brickはすでに本番生産が可能だが、Bulletの最終デザインはこれからだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


アニメGIFを撮れるRaspberry Pi内蔵のデジカメOTTOはヒップな機能満載

カメラといえば写真かビデオを撮るものだが、このたびKickstarterに登場したOTTOは、アニメGIFを撮るのだ。下図でお分かりのように、ハンドルを手回しする。カラフルだ。ちょっとレトロなデザイン。ヒップなカメラという形容がふさわしいカメラは、こいつが初めてではないか。発売予定は12月だが、その後遅くとも2か月以内にはUrban Outfittersに登場するだろう。

このカメラは、GIFを作るだけじゃない。スマートフォンのアプリでいろんなモードを選べるのだ。GIF撮影、時間差、証明写真、フィルタ、それにコミュニティのライブラリで入手できるユーザお手製のモード。Raspberry Pi内蔵の商用製品も、これが初めてだろう。だから誰もがハックしたり拡張したりできる。

USBスロットがあるので、ほかのハードウェアの機能を導入できる。たとえばFlashFlashは、Arduinoを使ったフラッシュで、ハイファイブをするなど、特定のアクションでロボットみたいなGIFを作れる。

ぼくはまず、OTTOのヒップなデザインが気に入ったけど、96×96のOLEDディスプレイ、35mm f/2.0のレンズ、そしておもしろいトリックの数々、これらを総合するとハッカブルな写真ハードウェアとしては上出来の部類だ。お値段は199ドルだが初期の支援者には149ドル…デジカメとしても相当お安い。しかも買ってからいろんな設定変更や改造ができるのだ。

このカメラを作ったオークランドのチームはThomas DeckertとDave RauchwerkとGustavo Huber。サンフランシスコのハードウェアアクセラレータHAXLR8R の出身だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


折りたたみ式電動アシスト自転車Gi-Bikeはスタイルも未来的

タイムマシンで未来へ行ったときには、必ずおみやげを持って帰ることにしている。Ramboナイフとか、In The Aeroplane Over The Sea日本語〕のCDとか、それにGi-Bikeも。

作者は養子としてニューヨークに来たAgustin AgustinoyとEric SevilliaとLucas Toledo。Gi-Bikeは折りたたみ式の電動アシスト自転車で、シンプルでポータブルで安価な都市型乗り物をねらっている。Toledoがアルゼンチンのコルドバへ行ったとき公共交通機関がストでひどい目に遭い、それでGi-Bikeを思いついた。

“通勤でも、乗り物は他に頼っちゃだめだ、と痛感したんだ。乗り物に関しても、個人の独立宣言が必要だ。いろいろ研究した結果、全世界的に通用する効率の良い乗り物は自転車だ、という結論に達した”、と彼は言う。

特長(特徴)はとっても多い。まず、折りたたむのも開くのもわずか1秒。チェーンではなくカーボンベルトで駆動。電動アシストは一回充電すると40マイル有効。GPS装置は自転車が一定の範囲外に出たら自転車を自動的にロックする(盗難防止)。携帯の充電ができる。電動自転車(ニューヨークでは違法)ではなく、あくまでも電動アシスト自転車である。

Kickstarterの支援者には2995ドル、定価は3390ドルの予定だ。重量は37ポンド(約17キログラム)で、タイヤとリムはMinority Report的だ。

“未来の自転車と呼びたいけど、身内ではTesla自転車と呼んでる”、とToledoは言う。

CEOのToledoは元エコノミストで、リーンスタートアップと資本トレードの経験がある。CTOのAgustinoyは電子工学専攻の工業デザイナー、Sevilliaは家族やスタートアップを対象とする経済アドバイザーだ。彼らが作った夢の自転車は、ご覧のように曲線が多くて、まるで野獣のようだ。

資金募集目標額は40万ドル、今20万まできている。発売予定は来年の3月だ。

電動アシスト自転車は今やありふれているが、でもこれはなかなか巧妙にできているし、スタイルも良いから、レア感がある。Riideと同じように、知る人ぞ知るというタイプの自転車で、フレームに秘密があり、電池は強力だ。見るからにクールだから、ぜひ乗ってみたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


家庭用真空調理ヒーターのAnovaがバージョンアップへ―Kickstarterですでに50万ドル集まる

昨日のMellowにつづいて、真空(低温)調理器の話題だ。

私が以前にレポートしたAnovaが真空調理用ヒーターのバージョンアップを発表した。鍋にこのヒーターを取り付けると、湯音を指定の温度に精密に温度をコントロールして調理ができる。AnovaのKickstarterプロジェクトは目標額10万ドルをはるかに越して50万ドルに達している。

現行の第一世代のAnovaは、タイマーや温度設定をすべてデバイスの中で行うものだった。 新システムではスマートフォンから専用アプリを通じて詳細なコントロールができるようになる。また外出先からリモートで調理をスタートさせることもできる。昨日紹介したMellowとは異なり、Anovaはユーザーの手持ちの鍋にクリップで取り付ける方式。またMellowと違って食材を入れるプラスチック・バッグは真空にする必要はなく、市販のジップロックでよい。

新しいAnovaは市販予定価格は169ドルと業務用真空調理器はもちろん、400ドルのMellowとくらべても大幅に安い。開発者のJeff Wuはこの種のデバイスを以前から作っており、最初に完成させたのは2013年だった。

家庭用真空(低温)調理器市場は現在立ち上がりかけているところで、まだまだ大きなチャンスがある。本来なら大手家電メーカーから製品が出ていてもいいはずなのに、私は一つも見つけられないでいる。デバイスのスタートアップを狙っている起業家には絶好の時期だ。低温調理の柔らかいステーキのファンとしては、この市場がさらに活気づくことを期待したい。


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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ヘビのように曲がって断線しないUSB充電ケーブル、Snakeble

一度でもUSB充電ケーブルを使ったことのある人なら(TechCrunchの読者はほぼ間違いなく)、Snakableが解決しようとしている問題に遭遇したことがあるだろう。つまり、繰り返し使用するうちにケーブルが壊れて導線が露出し、ついにはケーブル自体の信頼性が低下し、充電するたびにケーブルをゆすってやらなくてはならなくなる。Snakableは新しいタイプのUSBケーブルで、折り曲げられたり引っ張られたりされるという、これまでのケーブルが曝される危険から身を守るしくみを内蔵している。両端につけられた特許出願中の緊張緩和機構の自在ジョイントによって、ケーブルが安全な半径を超えて曲げられることを防ぐ。

そう、その結果ケーブルの動きがちょっとヘビ(snake)に似ていることから、その名がつけられた。

プロジェクトを立ち上げたWes Goulbourneは、航空宇宙産業の経歴を持ち、常にエンジニアに囲まれて仕事をしてきた(現在彼はフィラデルフィアのBoeingに勤めている)。

「Snakebleを思いついたのは、USBケーブルを修理するのが嫌になり、そもそも壊れること自体に疑問を持ったときでした。プラスチック製のおもちゃのヘビがどうして曲げても壊れないのかを考えていて、Snakebleケーブルのデザインが生まれました」。

あのおもちゃのプラスチック製ヘビ — 3センチごとに節があって蛇行する — が、今Snakebleを支える仕組みを生んだインスピレーションだった。

Goulbourneはまず3DプリンターでSnakebleのプロトタイプを作ってから、工業プリンティングで実用版のケーブルを作った。

今日(米国時間5/5)彼がTechCrunch Disrupt NYのスタートアップ・アレイでプロトタイプ版を披露し、Kickstarterプロジェクトについても紹介する予定だ。

ボールジョイント機構によって、ケーブルが限度以上に曲げられる可能性は低くなっているが、もし張力がかかりすぎた時は、関節部分が簡単に分解されて元に戻せる。

Goulbouneが量産を目指すケーブルは、Apple Lightning(認定済み)およびMicro USB規格で、長さは4フィート(1.2m)。色は、赤、白、黒、緑、およひオレンジが用意されている。

価格は30ドルの予定だが、Kickstarter支援者は20ドルで早く入手できる(今年の夏に出荷見込み)。30ドル寄付した人にはお揃いのカラーの電源アダプターも付いてくる。Goulbourneは製造コストをカバーするために2万8000ドルの資金調達を目標にしている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


卵を割らずにスクランブルエッグを作れるキッチンツール(Kickstarter)

Kickstarterで資金募集中のGolden Gooseは、卵の殻のなかでスクランブルエッグを作れる新しいキッチンツールだ。なぜ? それが可能だから。なんというか私は、まったく無意味ではなく、非常に簡単にできること — 例えば卵をスクランブルする — を、一から再発明する人が大好きだ。ちなみに、お湯を沸騰させてマカロニをだめにする私にも、スクランブルエッグは作れる。だから、これは複雑すぎるので考え直す必要がある、というような工程ではない。                       
しかし、この数日間何度かもインターネット を賑わせ最近ではNPR (!!!)にも取り上げられたGolden Gooseは、間違いなく私の琴線に触れた。

これは〈必要〉ではないが、やっばり欲しくなる。黄金のゆで卵を一度作れれば、十分すばらしい。そしていつか、ガレージセールで朝7時に、疑い深いおばさんたちを相手に、楽しくデモンストレーションをして何ドルか手にしているかもしれない。

発明を支えるテクノロジーは、ちょっと気が利いている。このローテク製品は、遠心力を使って殻を割ることなく卵をスクランブルする。

Gooseはいくつかの部品からなる。卵を入れるための蝶番のついた本体、固定用のリング、両側についたナイロンロープ、そしてエルゴノミックハンドルを持って両手で引っ張れば、15秒後に作業が完了する。普通にスクランブルしたのとは少し違う「濃厚で繊細」な味わいの卵が出来上がる。

「舌触りはなめらかで、茹でる時間と温度によって、さまざまな味と特徴を出せる」とKickstarterページは説明する。しかも、ボウルや泡立て器を汚さない。卵は、固ゆで、半熟、デビルドエッグ、スクランブルエッグ、卵サラダなど様々な料理に使える。

まるで普通の卵のように!

アイデアを出したのは、デザイナーのGeraint Krumpeで、専門家として60件のデザインおよび実用特許を取得している。レイオフされた後、製品デザイン会社を立ち上げ、 後にシャツの袖の中で卵を回している男のビデオをYouTubeで見つけた。11ヶ月後、Golden Gooseが公開された。.

発明は、Kickstarterで調達目標の3万4500ドルをはるかに越え、(執筆時点で)8万7700ドルを集めている。だから、たぶん出荷されるだろう。

支持者は、18ドル払えば最初のGolden Gooseが手に入り、レシピガイドとマニュアルも付いてくる。計画ではこの夏に量産を開始して11月に販売さされ価格は24ドル程度になる予定。Kickstarterの支援者はそれより早く手に入れられる。(訳注:18ドルコースはすでに売り切れ)

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


プロのデザイナーのツールになりえる細密な3DプリントペンLix, わずか2時間でKickstarterの目標額を突破

【抄訳】

3Dプリントペン3Doodlerは、本誌の同僚John Biggsが最近教えてくれたのだが、玩具としては楽しくても、道具としてはアホっぽい。大きいし、その出力はいらいらするほど不安定だ。でも作った人たちがベテランの玩具作者だから、目的は楽しいおもちゃなのだろう。

今回はイギリスのスタートアップが、同じねらいで、プロのデザイナーや建築家向けの精密な3Dプリントペンを作った。そのLixと名づけたペンは、昨日登場したばかりのKickstarterで目標額30000ポンドを、わずか2時間で超えてしまった。その翌日である今日は10万ポンドを超えた。締切りまであと29日もある。

3Doodlerとの違いを聞かれた協同ファウンダのAnton Suvorovは、こう言った:

“小さくて軽量な製品、そして電源はふつうのUSBポートから供給できる。われわれのLix Penは可搬性に優れ、使い心地も快適だ。3Doodlerは重くてでかくて使い辛くて電源は通常の商用電源だから実用的でない。Lixは、形状もすっきりしているし、何よりも、プロのためのクリエイティブなツールがねらいだ。スタイリストや建築家やデザイナーなど、3Dプリントに関心を持っていた人たちに、新しい仕事のやり方の可能性を開くだろう”。

Lixペンは確かに細い。いちばん太いところでも直径14ミリだ。空中でもプラスチックを押し出しできるので、立体物も作れる(いちばん下の写真)。押し出しのコントロールは、ペン先の近くにある二つのボタンで行う。

“3Doodlerは既存の3Dプリンタの部品を使っている。それなのに安くはない。うちは、特殊な素材を使って品質の良い部品を独自にまったくゼロから開発した。”。

Lixの三名の協同ファウンダは、まだLondon College of Fashionの学生で靴のデザイナーDelphine Eloise Wood、マーケティングとグラフィックデザインを専攻したIsmail Baran、そして経済学と応用美術を学んだSuvorovだ。

お値段は、Kickstarterの出資者向けには43~73ポンドだったが、すでに完売だ。10月の正式発売以降は85ポンドになりそう。まあ、既存/一般市販の部品をいっさい使わない、プロ向けのツールだから、こんなものか。ABS/PLA素材のリフィルは30個がワンセットで7ポンド(1個が10インチのフィラメント)、30個を約1時間で使い切る。

こんなものを、誰が何のために使うのかというと、スケッチやデザインプロトタイプを平面の上の図や絵でなくて、立体物でやりたいクリエイターたちすべてだ(ファッションデザイナー、ジュエリーデザイナー、などなど)。またもちろん、3Doodlerのように、遊びや美術作品の制作に使ってもよい。

要するにこのペンの価値は、イコール、あなたの想像力にある、というわけ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


「プリンテッド・エレクトロニクス」のオープンモジュール化を目指すPrintoo

世は「メーカーブーム」の時代だとも言えそうだ。そのような中、さらに時代の流れに拍車をかけようとするのがPrintooだ。プリンテッド・エレクトロニクスを活用した、文字通りフレキシブルなモジュール化パーツを利用できるようにしようとしているのだ。固い基板を用いないことで、ディスプレイや発光回路を瓶の中に入れて使うようなこともできるようになる。あるいは3Dプリントで作ったものの中にBluetoothモジュールをねじ込んで、スマートフォンなどからコントロールできるようにすることもできる。

Printooの目標は、プリンテッド・エレクトロニクスのモジュール化にある。さまざまに組み合わせて利用できるようにすることで、応用範囲を拡大していこうと考えているわけだ。回路作成についてもハンダ付けや配線を行わず、導電インクも利用できるように考えている。こうした仕組みを普及させようと展開しているKickstarterプロジェクトでも、余裕を持って目標額の2万ドルの調達に成功している。

Printoo曰く、これまではプリンテッド・エレクトロニクスはごく限定的な利用しかされてこなかったとのこと。プラットフォームをArduino互換とし、モジュール設計をオープンソース化することにより、こうした状況に変化をもたらそうとしているのだ。各モジュールのプラットフォームを共通化することで、リリースされたさまざまなモジュールを組み合わせて利用することができるようになる。現在利用可能なモジュールとしては、Blue SparkおよびEnfucellの激薄の柔軟バッテリー、Isorgによる光検出器、VTTによるLEDストリップ、Mekoprintによるポリマー太陽電池、そしてPrintooが製作しているエレクトロミックディスプレイであるYnvisibleなどがある。

Printooキットは45ドルのコアキット(3つのコンポーネントが同梱される)や95ドルのベーシックパック(7つのコンポーネントが同梱される)などが用意されている。Ultimate Blimp Packというのもあって、これには23種類のコンポーネントが入っている。価格ももちろんそれなりで、550ドルとなっている。入ってくるコンポーネントはディスプレイ、センサー、モーター、バッテリーパックなどといった具合だ。

LEDマトリクスや静電容量式センサなどの各種単体コンポーネントに加えて、Printooのシステムで用いるためのドライバーモジュールやコネクターなどもすべて含まれる。細かな設計についてはまだ手を加えているそうだが、出荷時には柔軟なボード上に実装される本体に加え、きちんとしたコネクターが用意されるそうだ。

Printooシステムを制御するためのアプリケーションも開発中なのだそうだ。利用方法を限定するためののものではなく、モジュール化したPrintooシステムをいっそう簡単に利用できるようにするためのものだとのこと。さらに教育用途での利用も視野に入れているのだそうだ。もちろん腕自慢たちは、自らどんどんハッキングして新しい用途を広げていくこともできる。

訳注:Kickstarterページにあるサンプルプロジェクトもぜひご覧ください。

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(翻訳:Maeda, H


Kickstarterにて無事目標額を調達した冗談のような「便利待ち合わせツール」のLookFor

大勢が集まるイベント会場などで、特定の人を見つけ出すのはとても難しいことだ。「プレッツェル売り場の近くにいるからね」などといった感じで場所を伝えるのが一般的な方法だろう。こうした労を軽減しようとする、Kickstarterプロジェクトが展開中だ(Twitter経由でRoss Rubinに教えてもらった)。大混雑の中でも簡単に、スマートフォンを活用して、目的の人を見つけようとする仕組みだ。スマートフォンの画面で、特定の色のライトを点滅させるのだ。

プロジェクトの名前をLookForという。調達目標はわずか1000ドルだ。ただ、実際のところはプロジェクトの実現には1000ドルもかかるまい。アプリケーションの機能は、利用者に使いたい色を選ばせて、そしてそれをスマートフォン画面全体で点滅させるというものだ。もちろん、このLookForを使う前には、適当なアプリケーションを使って何色を表示させるかを通知しておく(イベント会場では電波が通じないこともあるので、会場入りの前にSMS、メールなどを使うわけだ)。そして会場についたらLookForを起動して、伝えておいた色をフラッシュさせる。

非常に古臭い方法ではある。しかし誰もが持つようになったスマートデバイスを用いるというあたりが新しいとは言えるだろうか。スマートフォンを使いながら、しかし電波の届く範囲外でも利用できるというのが面白いといえるかもしれない。技術的に何ら新しいものはないが、確かに有効な方法ではある(クリエーターのLogan Rileyも、本で仕入れた程度の知識でLookForを構築したのだと言っている)。誰にでもわかりやすい仕組みであり、コンサート、タクシーやUberでの迎車待ちなどにも利用できるだろう。

出資者は1ドルにて完全に機能する「ベータ」版を受け取ることができる。もし5ドルを出資すれば「アナログ版」もついてくる(財布などに入れておいて使うカラープレートだ)。ちなみにRileyは、将来的には「スマート」機能も付け加えたいと考えているのだとのこと。たとえば近くにいるときに通知するiBeaconのサポートや、プッシュ通知、あるいはアプリケーションの中からメッセージを送る機能などが考えられる。さらに、このLookForはメジャーになればなるほど有効性を失うという性質をもつ(パープルを探してくれと言ってるときに、周囲に何人もパープルを点滅させる人がいては何にもならない)。そこで、点滅周期をはかって、どれが自分の待ち合わせ相手なのかを判別する機能なども考えてはいるのだそうだ。

自分のスマートフォンでも使えるのだろうかと考える人もいるかもしれない。幸い、現在のところLookForはウェブアプリケーションとなっている。さまざまなデバイスで利用可能だ。「そんなものなら自分で作ることもできるのではないか」と考える人もいるだろう。もちろんそうだ。あっという間に作ることのできる人も多いはずだ。しかし、価格はわずか1ドルだ。アイデアに経緯を表して支払っても良い価格といえるかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H


世界初、299ドルの3Dプリンター、Kickstarterのゴールを11分で達成

11分の間にはいろいろなことができる。ステーキをおいしく焼けるし、オーブンでクッキーも作れる。あるいは、超コンパクトな、期間限定でわずか199ドルの3Dプリンターを作るために40万ドル以上を集めることも。名前はMicro。そのプリンターはKickstarterで目標の5万ドルを突破し、同サイト史上最も興味深いプロジェクトへとまっしぐらに進んでいる。

メリーランド州ベセスダのチームが作ったMicroは、早割特価199ドルで売られ、以降は100ドル高くなる。本当に小さなプリンターで、制作空間は4.5インチ(11.7 cm)立方、プリンター本体内にはフィラメントを保持するスプールが内蔵されている。作成可能なオブジェクトは高さ4.5インチまでなので、大きいとは言えないがちょっとした楽しみには十分だ。

さて、難しい問題:果たしてMicroは立ち行くのか? プリンターケース自身のコストは20ドル以下と思われ、押出機は単体で100ドルくらいだろう。非常にシンプルな押出機は65ドルで小売さているので、もう少し安くできるかもしれない。送料が数ドル ― 製造場所によって12~20ドル ― とすれば、199ドルは目玉価格に違いない。しかし、299ドルでもミニ3Dプリンターとして十分妥当な値段だ。

ファウンダーのMichael ArmaniとDavid Jonesは、実は賢いことをやっている。彼らは、非常に興味深いソフトウェアを組み込んだ、非常に粗野なプリンターを作っている。もし想像通りなら、オープンソースの作品を探して、アプリから直接プリントすることができるだろう。アプリがオブジェクトをリサイズしてプリントの準備をしたら、あとは小さなプリンターが仕事をしてくれる。プリンドベッドの自動水平調整は、この価格では驚くべき機能だ。

私はこれが最後の199ドルプリンターになるとは思えない ― 価格はたちまちのうちに下がり、HPが参入すればすべてが変わるだろう。しかし、たとえ299ドルでも、これはかなりステキな入門機だ。購入者への注意:このキャンペーンが離陸した後、彼らがいつ、どうやって大量のプリンターをすべて出荷するのか、非常に興味深い。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Kickstarter、第1四半期で4500件ほどのプロジェクトを成功させ、1億1200万ドルを調達

Kickstarterが第1四半期の状況についてのレポートを発表した。やや軽めのノリのブログ記事だが、いろいろと興味深いデータが掲載されている。

CEOのYancey Stricklerによると、目標額を調達したプロジェクトは4,497件で、1日あたりの平均で124万4868ドルの資金提供申し込みがあったとのこと。4ヵ月合計では1億1203万8158ドルということになる。ニール・ヤングのPonoPlayerなども、多いに話題になった。

Stricklerの発表によると、最も多くの支援者を集めたのは「ヴェロニカ・マーズ」だった。支援者数は9万1585人にのぼったそうだ。ちなみにKickstarterからは7本のオスカーノミネート映画および2本のグラミー賞受賞映画が誕生している。

メールでの問い合わせに対しStricklerは「今年になってたった3ヵ月の間に実現できたことについては、満足以上のものを感じます。今年の間に、いったいどれだけのことが成し遂げられるのか、わくわくしています」と述べていた。

先日の記事でもお伝えしたように、Kickstarterのクラウドファンディング総額は10億ドルに達した。CrowdtiltやIndiegogoなどとは激しい競争を繰り広げてもいる。但し、さまざまな数値で見る限りは、Kickstarterが一歩抜けだした状況にあるというところであるようだ。

via CrowdfundInsider

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(翻訳:Maeda, H