米国がExchangeサーバーのハッキングとランサムウェア攻撃で中国を非難、政府系ハッカー4人を起訴

バイデン政権とその同盟国は、2021年初めに行われたMicrosoft Exchangeサーバーへの大規模不正侵入について、中国を正式に非難した。その際はこのハッキングが広範な破壊につながる可能性があるという懸念が高まったため、FBIが介入することになった。

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この大規模なハッキングキャンペーンは、Microsoft Exchangeメールサーバーのそれまで発見されていなかった4つの脆弱性を狙ったもので、これらの脆弱性を利用したハッカーたち(Microsoftはすでに、中国政府の支援を受けるハッカーグループHafnium[ハフニウム]の仕業としている)は、米国内の何万もの組織からメールボックスやアドレス帳を盗み出した。

Microsoft(マイクロソフト)はこの脆弱性を修正するパッチをリリースしたが、ハッカーたちが残したバックドアコードを削除することはできなかった。このためFBIは、米国内にバックドアが塞がれないまま残っていた数百台のExchangeサーバーを実質的にハッキングしてバックドアコードを除去するという、これまでにない裁判所命令を得た。世界各国のコンピュータセキュリティインシデント対応チームも同様の対応を行い、同じように攻撃を受けた自国の組織に通知しようとした。

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バイデン政権は米国時間7月19日に発表した声明の中で、この攻撃は中国国家安全省の支援を受けたハッカーによって実行されたものであり、その結果「主に民間企業の被害者に多額の回復コスト」が発生したと述べた。

「我々は、今回の事件と中華人民共和国の広範な悪意のあるサイバー活動の両方について、中国政府の高官に懸念を伝え、中華人民共和国の行動がサイバースペースのセキュリティ、信頼性、安定性を脅かすものであることを明確にしました」と声明には記されている。

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英国やNATO加盟国を含む複数の同盟国も、バイデン政権の調査結果を支持した。英国政府は声明の中で、ハッキングの「広範なパターン」の責任は北京にあるとしている。中国政府は、国家によるハッキング行為を繰り返し否定している。

また、バイデン政権は、中国国家安全省が犯罪者であるハッカーと契約し、ランサムウェア攻撃のような無認可の業務を「個人的な利益のために」行っていると非難した。米国政府は、中国政府に支援されたハッカーが、ハッキングされた企業に対して数百万ドル(数億円)の身代金を要求したことを認識していると述べている。2020年、米司法省は世界的なハッキングキャンペーンに関与した2人の中国人スパイを起訴したが、検察当局はハッカーらが個人的な利益のために活動していると非難していた。

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独立記念日を狙うKaseyaのハッキング、ランサムウェアで何百もの企業に被害

米国は、ランサムウェアギャングがロシア国内で活動するためのセーフハーバーを提供することをやめるようクレムリンに公式に働きかけているが、これまで北京がランサムウェア攻撃を仕かけた、またはそれに関与していると非難したことはなかった。

19日の声明では、「ハッカーを雇って犯罪行為を行う中国の姿勢は、知的財産や専有情報の損失、身代金の支払い、被害軽減のための努力などを通じて、政府や企業、重要インフラ事業者に何十億ドル(何千億円)もの損害を与えています」と述べている。

また、この声明では、中国の支援を受けたハッカーたちが、恐喝やクリプトジャッキング(コンピュータのコンピューティングリソースを利用して、金銭的利益を得るために暗号通貨を採掘するコードをコンピュータに実行させる方法)に従事していたとも述べている。

司法省はさらに、中国国家安全省に所属する4人のハッカーを新たに起訴すると発表した。これらのハッカーは米国、ノルウェー、スイス、英国に拠点を置く被害者を標的に、知的財産やエボラ出血熱、HIV / エイズ、MERSなどの感染症に関する研究を、フロント企業を使って隠蔽しながら盗み出す活動に従事していたと米国の検察当局は指摘している。

「中国のハッキングキャンペーンは、医療、バイオメディカル研究、航空、防衛など様々な分野で十数カ国を対象に行われており、その幅広さと期間の長さは、いかなる国や産業も安全ではないことを我々に気づかせます。今日の国際的な非難は、世界が公正なルールを求めており、各国が盗難ではなく技術革新に投資することを望んでいることを示しています」とLisa Monaco(リサ・モナコ)副検事総長は述べた。

カテゴリー:セキュリティ
タグ:Microsoft ExchangeMicrosoftハッキングランサムウェアアメリカ中国米国家安全保障局

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Aya Nakazato)

1兆円超規模の米国防総省JEDIクラウド契約を最終的に破綻させたのは単一ベンダー要件

米国防総省がJEDIのクラウドプログラムを中止したことで、見込みがないように思われていたプロジェクトの長く険しい道のりが終わりを告げた。問題は、結局うまくいかなかったのはなぜかということだ。最終的には、国防総省が単一ベンダー要件に固執していることがその原因として指摘できると思う。その条件は、誰にとっても意味をなさないものであり、表面上は契約を勝ち取ったベンダーでさえもそうである。

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国防総省は2018年3月、次世代のクラウドインフラストラクチャを構築するための100億ドル(約1兆1000億円)規模の10年にわたるクラウド契約発表した。別名「Joint Enterprise Defense Infrastructure」、略称は「JEDI(ジェダイ)」である。スター・ウォーズを思わせる呼称はさておいておこう。

このアイデアは、単一ベンダーとの10年間の契約で、2年間のオプションで開始するものだった。すべてが順調に進めば、5年のオプションが行使され、最終的に3年のオプションで契約はクローズする。年間利益は10億ドル(約1100億円)が見込まれていた。

契約が完了した時点での総額はかなり大きいが、AmazonやOracle、Microsoftのような規模の企業にとって、年間10億ドルは大した金額ではない。その意義は、このような知名度の高い契約を獲得したことの威信と、それが販売を誇示する権利にどのような意味をもたらすかということにあった。つまるところ、国防総省の審査に合格すれば、おそらくほぼあらゆる人の機密データを扱えることになるだろうということだ。

いずれにせよ、単一ベンダー契約のアイデアは、クラウドがクラス最高のベンダーたちと協働するオプションを与えてくれるという一般通念に反するものだった。この不運な契約の最終的な勝者であるMicrosoftは、2018年4月のインタビューで、単一ベンダーのアプローチには欠陥があることを認めている。

Microsoftの防衛事業を統括するLeigh Madden(リー・マデン)氏は、Microsoftがそうした契約を勝ち取ることができると確信しているが、それは必ずしも国防総省にとって最善のアプローチではないとTechCrunchに対して語っていた。「国防総省が単一ベンダーだけを採用する道を行くのなら、私たちは勝つために参加します。しかしそうは言いいながらも、それは私たちが世界で見ているような、80%のお客様がマルチクラウドソリューションを採用している動きとは、対照的なものなのです」。

おそらくそうした要因により、最初から絶望的だったのだろう。その上、要件が完全に明らかになる前から、クラウドインフラストラクチャ市場シェアをリードするAmazonを優遇しているという不満の声が上がっていた。Oracleは特に声高に主張しており、RFPが公表される前から、前大統領に直接訴えていた。同社はその後、米政府説明責任局(Government Accountability Office)に苦情を申し立て、このプロセス全体が不公正で、Amazonに有利になるように設計されていたとして複数の訴訟を起こした。しかし、彼らの苦情はその都度却下された。そしてご存知の通り、結局はAmazonが勝者とはならなかった。

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その過程において多くのドラマが展開される中、2019年4月に国防総省はファイナリストとして2社を指名した。そしておそらく、その2社がクラウドインフラストラクチャ市場のリーダーであるMicrosoftとAmazonであったことはそれほど驚くことではなかっただろう。ゲームが開始された。

前大統領の直接の介入もあった。同年の8月に、前大統領は国防長官に対し、本プロセスがAmazonに有利であるとの懸念を挙げて、事案を再検討するよう命じた。これに対しては、国防総省、会計検査院、裁判所から数度にわたって反論がなされている。また、元国防長官Jim Mattis(ジム・マティス)氏は自身の著書で、同氏が前大統領から「100億ドルの契約からAmazonを締め出せ」と命じられたことを明らかにしており、問題をさらに複雑にしている。前大統領の目的は、ワシントンポスト紙のオーナーでもあるJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏に仕返しすることにあるように思われた。

プロセスにおけるAmazonの優位性についてのこうした主張をよそに、2019年10月の金曜日の午後遅くに勝者が発表され、勝利を得たのは実際にはAmazonではなかった。その代わり、Microsoftが契約を勝ち取った。あるいは少なくともそのように思われた。そしてAmazonが法廷でこの決定に異議を唱えるのもそう遠くないだろうと見られていた。

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AWSの前CEOのAndy Jassy(アンディ・ジャシー)氏は、AWSのre:Inventの発表から数カ月後には、大統領がこのプロセスに不当な影響を与えたという考えを表明していた。

「政治的な干渉を受ける事態に陥ってしまったようです。ある会社に対する軽蔑を公にしている現職の大統領と、その会社のリーダーがいる状況では、国防総省を含む政府機関が報復を恐れずに客観的な決定を下すことが非常に難しくなるでしょう」とジャシー氏は当時語っている。

そして訴訟が起こされた。同社は2019年11月に、技術的なメリットではなく政治的な動機によるものだとして、Microsoftを選択する決定に不服を申し立てる意向を示した。そして2020年1月、Amazonは訴訟が解決するまでプロジェクトを停止するよう裁判所に要請した。翌2月、連邦判事はAmazonの主張に同意し、プロジェクトの停止を命じた。プロジェクトが再始動することはないだろうと思われた。

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国防総省は同年4月に、契約調達プロセスに関する内部調査を完了し、不正行為は確認されなかったと結論付けた。当時筆者は次のように書いている。

100億ドルの長期にわたるJEDI契約は当初から論争の的になっていた。国防総省の監察総監室による本日付の報告書には、若干の落ち着かない状況や潜在的な確執がありながらも、全体的な契約調達プロセスは公正かつ合法的なものであり、パブリックコメントが行われたものの、大統領の言動はプロセスに不当な影響を与えなかったと記されている。

2020年9月、国防総省は選定プロセスのレビューを終え、Microsoftが勝者であると再び結論付けたが、訴訟はまだ進行中であり、プロジェクトは停滞したままであったため、それほど重要な意味を持たなかった。

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法的な論争は2021年に入っても続いていた。そして国防総省は先日、「2018年にJEDIのビジョンを発表して以降、状況は変化しており、先に進む時期に来ている」と述べ、ついにこのプロジェクトを白紙に戻した。

国防総省は最終的に、単一ベンダーアプローチは最善の方法ではないという結論に達した。プロジェクトを軌道に乗せることができなかったからではなく、複数のベンダーと協力し、特定のベンダーに縛られない方が、技術的にもビジネス的にも理にかなっているからだ。

国防総省の最高情報責任者を務めるJohn Sherman(ジョン・シャーマン)氏は声明で次のように述べている。「JEDIが計画されたのは、当省のニーズが今とは異なり、CSP(クラウドサービスプロバイダー)の技術と我々のクラウドとの間の知識交流が成熟していなかった時代です。JADC2(Joint All Domain Command and Control、コネクテッドセンサーのネットワーク構築に関するイニチアチブ)やADA(AI and Data Acceleration)などの我々の新しいイニシアチブ、国防総省内のクラウドエコシステムの発展、複数のクラウド環境を活用してミッションを実行するためのユーザー要件の変化などを考慮すると、我々を取り巻く環境は進化しており、従来型と非従来型の戦闘ドメインで優位に立つための新たな道すじが保証されています」。

言い換えれば、国防総省は、世界の他のほとんどの地域と同様に、マルチクラウド、マルチベンダーアプローチを採用することで、より多くの恩恵を受けられるということだ。とはいえ、国防総省はベンダーの選択をMicrosoftとAmazonに限定することも示唆した。

同省は声明で次のように述べている。「当省は、Microsoft Corporation(Microsoft)やAmazon Web Services(AWS)を含む限定された数の業者からの提案を求める意向です。市場調査によると、これら2つのベンダーが当省の要件を満たすことができる唯一のクラウドサービスプロバイダー(CSP)であることが示されています」。

これはGoogleやOracle、IBMには受け入れ難いことかもしれない。ただし同省は、将来的に他のCSPがそれらの要件を処理する能力を持っているかどうかを確認するために、市場を監視し続けるとしている。

最終的に、単一ベンダー要件に大きく左右されたことで、競争が過熱し、政治的に緊張した雰囲気が生まれ、プロジェクトが実現しない結果となった。国防総省はこの先、技術のキャッチアップに取り組む必要がある。JEDIの調達プロセス全体に関わる芝居じみた所行に3年の歳月が費やされたが、それはこの長きにわたる、不穏当な様相も呈する技術の物語において、最も嘆かわしい側面と言えるかもしれない。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:米国防総省MicrosoftJEDIAmazonOracle

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(文:Ron Miller、翻訳:Dragonfly)

「クラウドPC」はマイクロソフト版Chromebookのような低価格ハードウェア誕生につながる?

米国時間7月14日に、Microsoft(マイクロソフト)がWindows 365(ウィンドウズ365)という名のクラウドPCサービスをリリースすると発表したとき、私は考え込んだ。Windows 365は、仮想のWindowsビジネスデスクトップをクラウド上にパッケージ化したものだが、今回の発表を別の角度から考えてみると、以前からなにかと話題になっていた、軽量なクラウドベースのWindowsバージョンの始まりを告げるものかもしれない。

はっきりさせておくが、今回の「クラウドPC」の発表は、ハードウェアとはまったく関係がない。これは、Windowsデスクトップを完全に仮想化してクラウドに移し、どこからでも実行できるようにしたもので、WindowsデスクトップPCのレプリカをクラウド上に提供するものだ。しかし、その考えを少し拡張して、Office(オフィス)アプリケーションとともにMicrosoft 365を低価格のPCに入れてしまい、Edge(エッジ)ブラウザを第1手段としてコンピュータとやり取りするとしたらどうだろう。こうすれば、Chromebook(クロームブック)スタイルのコンピュータと直接競合することができるようになるわけだ。

これは、Google(グーグル)が10年以上にわたってChrome(クローム)やChromebookで行ってきたことだ。パートナーと協力して低価格のハードウェアを提供し、必要な演算処理はほとんどクラウド上で行う。Chromeブラウザが主要なデスクトップ環境だ。またGoogle Workspace(グーグルワークスペース、通称G Suite)が、ワープロ、表計算、プレゼンテーションソフト、メール、カレンダーなどのサービスを備えたオフィススイートアプリのデフォルトセットを提供する。実際、Microsoftのクラウド・オフィス・ツールを含め、希望するあらゆるソフトウェア・サービスをChromeで実行することができる。いずれにしても、こうすることで最終的には、ほとんどの処理をクラウドでまかなうことのできるローエンドのビジネス用(または個人用)のノートPCとなるのだ。

ほとんどの人は最新のノートパソコンを必要としておらず、かつてGoogleが述べたように、最高に強力なOSを動かすために必要なハードウェアは、基盤となるマシンのコスト高につながる。もしすべてを、ブラウザ、オフィススイート、お気に入りのツールへのウェブアクセスに簡略化してしまえるならば、従来のOSを搭載したPCを所有することにともなう管理の煩わしさを感じることなく、必要なものはほぼすべて手に入れることができるだろう。

たとえばメールとオフィスツールを使い、そしてNetflixを多少観るだけの人のことを考えてみて欲しい。こうした簡略化されたマシンは、予算を大幅にオーバーしたり、複雑になったりすることもなく、こうしたライトユーザーにぴったりなのだ。

2020年、パンデミックの発生によって、子どもたちを含めてみんながPCに向かって作業をしなければならなくなったとき、人びとは低価格の選択肢を探した。そうした人たちが向かったのがChromebookだった。Canalys(カナリス)のデータによれば、Chromebookの販売台数は3000万台を超え、第4四半期だけで1100万台を超えた。

2021年の第1四半期には成長がやや鈍化したものの、Canalys社によると、Chromebookの出荷台数は今でも275%増加している。CanalysのアナリストであるBrian Lynch(ブライアン・リンチ)氏は、レポートの中で「Chromebookは、今や十分にコンピューティング製品の主流となっています」と述べ「出荷台数の大半は依然として教育機関が占めていいますが、一般消費者や従来のビジネス顧客からの人気も、この1年間で新たな高みに到達しました」と付け加えている。

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Windowsも好調だったが、Microsoftのソフトウェアを搭載したマシンも製造しているLenovo(レノボ)やHPを筆頭にして、Chromebookが次々と販売されていることを考えると、WindowsベースのクラウドPCはChromebookへの対抗手段となるだろう。

もちろん、すでに低価格のWindows PCが販売されていることを指摘しておくことには意味があるだろう。ウォルマートではそんなPCが149ドル(約1万6400円)で販売されていて、価格的には世のChromebookコンピューターと競合している。しかし、こうした低価格Windowsマシンは、結局完全なWindows PCであることに変わりはなく、利用者はすべての管理に対応しなければならない。IT部門(または個人使用)の観点から見ると、ChromebookはWindows PCよりもはるかに管理しやすい。

2014年にSatya Nadella(サティア・ナデラ)氏がMicrosoftのCEOに就任して以来、同社はその名声(そして売上)の起点となったPCから、クラウドへと焦点を移すことに強い意欲を示してきた。これまでのところ、レドモンド(Microsoft)はその方向に向かって順調に進んでおり、最近では時価総額が2兆ドル(約220兆円)の大台を突破している。

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さらに、Microsoftのクラウドインフラストラクチャの市場シェアは約20%で、ナデラ氏が就任した2014年の2倍以上となっている。さらには、2014年にはクラウドオフィススイートのシェアは約16%だったが、それが現在では40%にまで拡大している。しかし、Statistaによると、クラウドオフィススイートの中ではGoogleが最も大きなシェアを占め、現在は60%近くとなっている。Chromebookの販売が、ユーザーをスイートに向かわせたことが少なくともその一因となっていることは間違いない。

もしMicrosoftがこのGoogleの数字を減らしたいと思うのなら、Chromebookによく似た、しかしWindowsの要素を取り入れたクラウドベースのノートブックを作るのが良い方法だろう。それは、彼らの伝統的なデスクトップPC OSの優位性を侵食することを意味するが、2014年と同様に、収益性が低下しつつある過去と、より有望な未来とのトレードオフになるのかもしれない。

関連記事:マイクロソフトが新リモートデスクトップサービス「Windows 365」リリース、Azure Virtual Desktopがあるのに

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:MicrosoftWindowsWindows 365Chromebook

画像クレジット:Ron Miller/TechCrunch

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(文:Ron Miller、翻訳:sako)

マイクロソフトが新リモートデスクトップサービス「Windows 365」リリース、Azure Virtual Desktopがあるのに

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間7月14日、Windows 365提供を開始した。これは、企業の従業員がクラウドからWindows 10のデスクトップに簡単にアクセスできるようにするためのサービスだ(Windows 11は一般公開後に利用可能)。本サービスは、ゲームのストリーミングのようなもので、デスクトップ向け。2021年8月2日にビジネスユーザー向けに提供される。

いささか不可解なプレスリリースで発表されたWindows 365は、長い間期待されていたもので、実際のところ既存のリモートデスクトップサービスを進化させたものにすぎない。

Microsoftはすでに従業員がクラウド上のWindows PCにアクセスできるオプションである「Azure Virtual Desktop」を提供しているではないか、と思うかもしれない。しかしながらWindows 365は、はるかに使いやすく、Azureクラウドで完全なAzure仮想デスクトップ環境を構築するような複雑さはないという違いがあるようだ。

Microsoftは、新たな仮想デスクトップサービスを提供するのではなく、Azure Virtual Desktopをより使いやすくすることはできなかったのだろうか?Azure Virtual Desktopはエンタープライズ向けのサービスであり、デフォルトで企業の既存の複雑なインフラにうまく対応しなければならない。パンデミックの影響で、代替手段が少なかった中小企業はAzure Virtual Desktopを利用するようになったが、今回の発表により、Microsoftは多くの点においてAzure Virtual Desktopの管理があまりにも困難だったと認めたことになる。一方、Windows 365は、ある意味でフラッシュな製品であり、ベーシックなサブスクリプションサービスでも利用できる。

「Microsoftは、豊富な仮想化の経験を持ち、より多くのカスタマイズと柔軟性を求める組織のために、Azure Virtual Desktopの革新も続けています」と同社はいう。少なくとも、同社が「Windows Virtual Desktop」を「Azure Virtual Desktop」に改名した理由はわかっている。これは非常に混乱を招くものだった。

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またSatya Nadella(サティア・ナデラ)CEOが「Cloud PC」と呼ぶ「新しいハイブリッド・パーソナル・コンピューティング・カテゴリー」について語っている。これが具体的に何を意味するのかは不明だが、新しいカテゴリーであることは間違いない。

「アプリケーションがSaaSによってクラウド化されたように、私たちは今、OSをクラウド化することで、企業のみなさんにより高い柔軟性と安全な方法を提供し、場所を問わず、従業員の生産性と接続性を向上させます」とナデラCEOは本日のプレスリリースで説明している。

それってただのシンクライアントじゃないのか?そうかもしれない。しかし、ここではハードウェアの話をしているのではない。どこからでもアクセスできるクラウド上の仮想化されたOSの話をしている。これは以前からあるカテゴリーだ。

「Microsoft 365のコーポレートバイスプレジデントであるJared Spataro(ジャレド・スパタロ)氏は「ハイブリッドワークは、今日の組織におけるテクノロジーの役割を根本的に変えました。従業員たちがこれまで以上に分散しているため、企業は多様性、シンプルさ、セキュリティを向上させた優れた生産性体験を提供する新しい方法を必要としています」という。「クラウドPCは、あらゆるデバイスをパーソナライズされた生産性の高い安全なデジタルワークスペースに変えるエキサイティングな新しいカテゴリーのハイブリッドパーソナルコンピューティングです。本日発表されたWindows 365は、デバイスとクラウドの境界線を曖昧にすることで可能になることの始まりに過ぎません」。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:MicrosoftAzure Virtual DesktopリモートワークハイブリッドワークWindows 365

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Katsuyuki Yasui)

iPad上でWindows 3.1が動作、DOS用ゲームが遊べる「iDOS 2」アプリを利用しインストール

iPad上でWindows 3.1が動作、DOS用ゲームが遊べる「iDOS 2」アプリを利用しインストール

Benj Edwards

次期iPadOS 15はマルチタスクの強化に重点が置かれていますが、そこでもmacOSやWindowsのように複数の窓を開くシステムは先送りとなりそうです。そんななか、iPad上にWindows 3.1をインストールして、ゲーム等のサードパーティ製アプリを動かすことができたと報告されています。

テックメディアFast Companyの技術エディターであるHarry McCracken氏は、Windows 3.1をiPadにインストールする方法を見つけたとのことです。

そのやり方の手順を、How-to GeekサイトのBenj Edwards氏が分かりやすくまとめて公開しています。

具体的には、iOSやiPadOS上で昔のDOS用ゲームがプレイできる「iDOS 2」というアプリを使うというもの。本来Windowsを動かすために作られたわけではありませんが、Windows 3.1はMS-DOSからインストールできるため「DOSアプリのひとつ」として可能になっている模様です。

やるべきことは第1に、「iDOS 2」アプリをApp Storeから610円で(今のうちに)購入すること。またWindows 3.1の正規のコピーも必要となりますが、Edwards氏はその入手方法も説明しています。

Windows 3.1のファイルを入手したら、それをiPadの「ファイル」アプリ内に収納用のフォルダを作ってから転送します。次にiDOSにファイルを読み込ませ、指示に従ってすべての設定を適切にしてやれば、Windows 3.1は簡単にインストールできるとのことです。

この仮想Windows 3.1には、iDOS 2を通じてサードパーティ製アプリを追加インストールも可能です。Benj氏はInternet ArchiveからWindows 3.1用のソフトウェアを入手する方法も説明しており、ゲームや生産性向上ツールからユーティリティまで一通りが調達できます。実際に「Civilization II」など、iPad上で動作する古典タイトルのいくつかが紹介されています。

iPad上でMacのようなマルチウィンドウが動くまでには遠い道のりになると思われますが、約30年前のWindows 3.1であれ「複数の窓があれば、iPadでどのように使えるのか」はふんわりと確認できるはず。また、あえてWindows 3.1時代のアプリ縛りで仕事をしてみて、Windows 10がいかに便利になったかを実感してみるのもよさそうです。

(Source:How-to-Geek。Via 9to5MacEngadget日本版より転載)

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タグ:iPad(製品・サービス)Apple / アップル(企業)アプリ / モバイルアプリ(用語)Windows(製品・サービス)OS / オペレーティングシステム(用語)DOSMicrosoft / マイクロソフト(企業)

マイクロソフトが脆弱性を検知するサイバーセキュリティ企業RiskIQを買収

Microsoft(マイクロソフト)は、脅威インテリジェンスとクラウドベースのソフトウェアを組織向けのサービスとして提供しているサンフランシスコ拠点のサイバーセキュリティ会社RiskIQ(リスクアイキュー)を買収することを明らかにした。

RiskIQの脅威インテリジェンスサービスをMicrosoftの旗艦セキュリティサービスに統合することになるこの買収取引の条件は明らかにされなかったが、Bloombergは発表に先立って、MicrosoftがRiskIQに現金で5億ドル(約552億円)超を支払うと報道した。Microsoftは報道にあった数字の確認を却下した。

買収の発表は、組織がリモートとハイブリッドの労働戦略へとシフトするのにともなってセキュリティへの関心が高まっている中でのものだ。

RiskIQはウェブを調べ、ウェブサイト、ネットワーク、ドメインネーム記録、認証、そしてWHOIS登録データなど他の情報についての詳細を把握し、どのアセットやデバイス、サービスが社のファイアウォールの外からアクセスすることができるのか、顧客に視認性を提供する。これにより企業はアセットをロックダウンし、悪意ある行為をする人物からの攻撃対象領域を限定できる。主に、クレジットカード窃盗マルウェアを脆弱なウェブサイトに組み込むグループの集まりであるMagecartを企業が発見して理解するのをサポートしてきた。

Microsoftは、RiskIQのテクノロジーを主力製品に組み込むことで、労働者が従来のオフィス環境の外で働き続ける中で、顧客はこれまで以上にグローバルな脅威に対する総合的な視点を構築することができる、と話す。

買収はまた、組織がサプライチェーンリスクに目を光らせ続けるのにも役立つとも指摘する。これはおそらく多くの組織にとって優先度が高まっている。2020年のソフトウェアプロバイダーSolarWindsへの攻撃では、少なくとも1万8000もの顧客に影響がおよび、そしてちょうど2021年7月にITベンダーのKaseyaがランサムウェアの攻撃を受け、川下企業1000社超に影響が出た。

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Microsoftのクラウドセキュリティ担当副社長Eric Doerr(エリック・ドーア)氏は次のように述べた。「RiskIQは顧客がMicrosoftクラウド、AWS、他のクラウド、オンプレミス、そしてサプライチェーンからのものなど社内の攻撃対象領域全体のセキュリティを見つけて評価するのをサポートしています。インターネットをスキャンして分析するという10年以上にわたる経験でもって、RiskIQは攻撃者がつけ込む前に企業が脆弱なアセットを特定して修復するのを手助けできます」。

RiskIQは2009年の創業で、これまでに4回超のラウンドで計8300万ドル(約92億円)を調達した。同社の共同創業者でCEOを務めるElias Manousos(エリアス・マノソース)氏は買収で「胸躍った」と述べた。

「RiskIQのビジョンとミッションは、当社の顧客とパートナーのセキュリティプログラムをしっかりと保護するために、比類ないインターネットの視認性と洞察を提供することです」とマノソース氏は話した。「互いの能力を合わせることで、今日の脅威に対する最高の保護、調査、対応が可能になります」。

今回の買収は、Microsoftがここ数カ月セキュリティ分野で行ってきた多くの買収の1つだ。同社は2020年、Azure IoT事業を強化するためにイスラエルのセキュリティスタートアップCyberXを、そして6月にはIoTセキュリティ会社のReFirm Labsを買収した。

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カテゴリー:セキュリティ
タグ:MicrosoftRiskIQ買収

画像クレジット:Joe Raedle / Getty Images

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(文:Carly Page、翻訳:Nariko Mizoguchi

Windows 11へのアップグレード後、Windows 10に戻せる猶予期間は10日間までと判明

Windows 11へのアップグレード後にWindows 10に戻せる猶予期間は10日間までと判明

Microsoft

次期Windows 11はこの年末に正式提供される見込みですが、まずお試しで使ってみて、不具合があればWindows 10に戻そうと考えている人も少なくないと思われます。が、Windows 11に更新した後にWindows 10にロールバックできる猶予は10日間しかないことが明らかとなりました。

これはPCメーカーMSIのWebサイトに掲載されたFAQから判明したことです。該当する項目には、以下のように記載されています。

Windows 11が気に入らない場合、アップグレード後にWindows 10に戻ることはできますか?

はい、できます。Windows 11への更新をインストールした後、10日間はWindows 10に戻ることができ、その際に持ち込んだファイルやデータはそのまま残しておくことができます。10日間が過ぎた後にWindows 10に戻すためには、データをバックアップして「クリーンインストール」を行う必要があります。

これはおそらく、復旧用の「windows.old」フォルダが自動的に削除されることを意味していると思われます。現行のWindows 10にも「前のバージョンのWindows 10に戻す」(「設定」>「更新とセキュリティ」>「回復」から)機能があり、バックアップデータが保存されている同フォルダが更新から10日後に自動削除される仕様となっています

つまり10日間の猶予期間はWindows 10から引き継いではいますが、Windows 10のリリース直後はWindows 8へのロールバックは30日間(後に10日に変更)は可能だったことからは、短縮されている格好です。

Windows 10からWindows 11への更新は、Androidアプリが動くことやストアが刷新されることを除けば、ほぼ見かけのユーザーインターフェースが変わる程度であり、ユーザーが極端な違和感を抱くような変更はあまりないとも思われます。

とはいえ、新OS上で慣れ親しんだアプリが安定して動作する保証はどこにもありません。Windows 11にアップグレードする際は、仕事に使うメインマシンは避けてサブPCに入れて様子見をするか、しっかりバックアップを取ってから行う方がよさそうです。

(Source:Google Docs。Via HothardwareMSPoweruserEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Windows(製品・サービス)Windows 11(製品・サービス)OS / オペレーティングシステム(用語)Microsoft / マイクロソフト(企業)

米国防総省がついにMSとの1兆円超規模クラウド契約「JEDI」を白紙に、リセットしてやり直し

世界最大のクラウドインフラ企業が数年にわたって争奪戦を繰り広げてきた結果、米国防総省は米国時間7月6日、論争の的となっていた勝者総取りの100億ドル(約1兆1000億円)規模のJEDI契約をついに白紙に戻した。結局、誰も勝てなかった。

「テクノロジー環境の変化にともない、長い間延期されてきたJEDIクラウド契約は、もはや国防総省の能力ギャップを埋める要件を満たさないことが明らかになりました」と、米国防総省の広報担当者は述べた。

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契約調達のプロセスは、2018年に国防総省のクラウドインフラ戦略を担う100億ドル(約1兆1000億円)、10年にわたる契約のRFP募集から始まった。国防総省の広報担当者であるHeather Babb(ヘザー・バブ)氏はTechCrunchに対し、1人勝ち方式を採用する理由を次のように述べていた。「単一受注が有利なのは、特にセキュリティの向上、データへのアクセス性の向上、当省によるクラウドサービスの採用と利用を簡素化できるからです」と、当時同氏は語った。

しかし企業各社は当初から、マルチベンダー方式の方が国防総省にとって良い結果をもたらすと考え、1人勝ち方式に反対していた。特にOracle(オラクル)などは、入札プロセスがAmazon(アマゾン)に有利になるように設計されていると考えていたようだ。

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AmazonとMicrosoft(マイクロソフト)の2社が最終選考に残り、最終的にはMicrosoftが選ばれた。しかし、Amazonは自分たちの方が優れた技術を持っているととともに、当時CEOだった(ワシントンポスト紙のオーナーでもある)Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏を公然と軽蔑していた前大統領が直接干渉したために、この契約を失ったと信じていた。

Amazonは決定に対して法廷で争うことにしたが、数カ月の遅れの後、国防総省はそろそろ先に進むべきだという判断を下した。Microsoftは7月6日のブログ記事で、この遅延を引き起こした原因として、Amazonを非難した。

「国防総省がMicrosoftをJEDIパートナーとして選定してから20カ月が経過し、政策立案者が注目すべき課題が浮き彫りになりました。1つの企業が、国を守る人々のための重要な技術アップグレードを何年も遅らせることができるのであれば、抗議プロセスには改革が必要です。Amazonは2019年11月に抗議申し立てを行いましたが、訴訟から判決が出るまでに少なくとも1年はかかると予想され、その後控訴される可能性もありました」と、Microsoftは契約終了に関するブログ投稿に記している。

しかしAmazonは独自の声明の中で、プロセスが公正に行われなかったとの考えを改めて示した。「当社は国防総省の決定を理解し、同意します。残念ながら今回の契約先決定は提案のメリットに基づくものではなく、政府調達にあるまじき外部からの影響を受けたものでした。米国の軍隊を支援し、戦闘員や防衛パートナーが最高の技術を最高の価格で利用できるようにするための当社のコミットメントは、これまで以上に強固なものとなっています。今後も国防総省の近代化を支援し、重要な任務を達成するためのソリューションを構築していきたいと考えています」と同社の広報担当者は述べている。

最初から、うまくいくわけがなさそうに見えたプロジェクトにふさわしい終わり方には違いない。国防総省がちょっと洒落っぽく「スター・ウォーズ」の名を冠したこの契約を発表したときから、この調達プロセスは昼ドラのように紆余曲折してきた。

初めの頃は騒々しく激しさが渦巻いたが、結果的には無意味な結果につながっていった。我々は、次に起こるであろうクラウド調達プロセスに注意を移すこととしよう。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:米国防総省MicrosoftJEDIAmazon裁判

画像クレジット:US Dept of Defense / Wikimedia Commons under a Public Domain license.

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(文:Ron Miller、翻訳:Dragonfly)

米政府による顧客データ要求の3分の1が秘密保持命令をともなう、マイクロソフト幹部が乱用に警鐘

Microsoft(マイクロソフト)の顧客セキュリティ責任者によると、同社が受ける顧客データに関する政府の要求のうち3分の1が、令状の対象者に捜査内容を開示できない秘密保持条項付きで発行されているという。

この数字は、トランプ政権下の米司法省がニューヨークタイムズ紙、ワシントンポスト紙、CNNの記者に機密情報が漏洩した事件の調査の一環として、通話記録や電子メール記録を秘密裏に入手しようとしたことを受け議員たちが立法措置を検討している中、米国時間6月30日の下院司法委員会に先立って行われたMicrosoftのTom Burt(トム・バート)氏による証言で明らかにされた。

バート氏は、このような秘密保持命令は「残念ながらありふれたものになっている」と述べ、Microsoftは「法的または事実的に意味のある分析に基づかない形式的な秘密保持命令」を定期的に受け取っていると語った。

バート氏は証言の中で、2016年以降、Microsoftは毎年2400~3500件、1日に7~10件の秘密保持命令を受け取っていたと述べた。同社は透明性レポートの中で、2020年、米国当局から1万1200件近くの法的命令を受けたと述べている。

一方、米国の裁判所が10年前の2010年に承認した秘密保持条項付き令状の数は全体で2395件であり、バート氏によると、これは過去5年間のいずれかの期間においても、Microsoft1社が1年に受けた秘密保持命令の数よりも少ないという。

「これは、クラウドサービスプロバイダーの1社であるMicrosoftが受けた要求にすぎません。この数字を、データを保持または処理するすべてのテクノロジー企業に掛け合わせれば、政府による秘密監視の乱用の範囲がわかるかもしれません」とバート氏は証言している。「私たちは、秘密保持命令を無理な基準でしか得られないように提案しているわけではありません。意味のある基準であることを求めているだけです」。

秘密保持命令をめぐる論争の多くは、ここ数週間でApple(アップル)、Google(グーグル)、Microsoftに出された秘密保持命令が失効し、トランプ政権下の司法省がデータをホストするハイテク企業にデータを要求することで記録を極秘に入手しようとしていたことを、各社が報道機関に開示できるようになったことに端を発している。

バイデン米大統領は、ジャーナリストの電話や電子メールの記録の収集を中止することを約束するとともに、機密保持に関する条項を一部削除した。しかし議員たちは、この政策を法制化するには法改正が必要であると指摘するだろう。

バート氏は、Microsoftは「秘密保持命令の乱用を防ぐために、できる限りのことをする」と述べている。ソフトウェアとクラウドの巨人は、2016年にも秘密保持命令の合憲性を問うために司法省を提訴した。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:アメリカマイクロソフトプライバシー透明性

画像クレジット:Jeenah Moon / Getty Images

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Aya Nakazato)

最も理想に近い「ポータブルXbox」をiPhoneとゲームパッドBackbone Oneの組み合わせで実現

2020年末にこちらの記事で紹介したiPhone用ゲームパッド「Backbone One(バックボーンワン)」が、ゲームアクセサリとしては究極の提携を果たした。米国時間6月28日、Xbox Cloud Gaming(エックスボックス・クラウド・ゲーミング)の提供開始に合わせて、iOS向けXbox Game Pass Ultimate(エックスボックス・ゲーム・パス・アルティメット)にバンドルされることになったのだ。

この提携の一環として、Backbone Oneは「Designed for Xbox」のスタンプが押された新しいリテールパッケージで、Xbox Game Passとバンドルして販売される。Backbone OneとiPhoneの組み合わせは、我々がこれまで見た中で最も「ポータブルXbox」に近いものだ。

前回書いた記事では、Backbone OneがiOSに組み込まれているアクセサリーAPIを巧みに利用して、専用アプリのダッシュボードに非常に洗練された機能が提供されていることを紹介した。今回、そのダッシュボードがアップデートされ、所有するゲームの表示や、新しいゲームの紹介、クリッピング機能で友人とキラープレイを共有するといった機能がさらに使いやすくなった。これは、筆者がこの数年間にiOSで見た最高のゲームアプリの1つであり、世界で最も多いゲームユーザーのために、世界で最も大きな遊び場を作る可能性を大いに秘めている。

画像クレジット:Backbone

Backbone Oneに備わるキャプチャー・ボタンは、Xbox Cloud Gamingと連携し、リンクとして共有することができる。新しいXbox Game Passのフィードを表示したり、同じインターフェイスでXboxとiOSのゲーム間を移動することも可能だ。また、現行機ではまだ十分に活用されていないが、実際には非常に優れた機能であるXbox Remote Play(Xbox リモートプレイ)機能も大きく取り上げられている。

パッケージにはAppClip(アップ・クリップ)が使用されており、店頭でパッケージを見ると、Xbox Cloud Gamingを実行中のBackbone OneがARで表示される。

Backboneチームは、その巧妙で洗練された統合と確かな直感で、引き続き感銘を与えている。チームにゲームコントローラーの血統があることは明らかだが(オリジナルのXbox 360コントローラーを開発したチームメンバーの何人かがBackboneに携わっている)、最も印象的なのはソフトウェアの面だ。Backboneが「Warzone(コール・オブ・デューティ・ウォーゾーン)」や「Minecraft(マインクラフト)」のようなAAA級のiOSゲームと、XboxやPlayStationのリモートプレイ、そして今回対応したネイティブなxCloudゲームという異なるゲーム体験を統一させた方法は、これまでApple(アップル)を含め誰も上手くできなかったことであり、モバイルゲームの未来のあり方を感じさせる。

画像クレジット:Backbone

Xbox Cloud Gamingはウェブベースであるにもかかわらず、Backboneの非常によくできたダッシュボード内ではネイティブアプリとして扱われ、表示される。筆者は個人的にBackboneで、Stadia(ステイディア)を介して「Destiny 2(ディスティニーツー)」を長時間プレイしたが、非常にすばらしかった。現在のXbox Cloud Gamingのタイトルと同じように、このダッシュボードにより直接的に統合され、クリッピングやソーシャル共有できるようになるのが待ち遠しい。

Backboneがインストールされていると、ゲームを発見し、ダウンロードして、プレイするという体験は、チームがキュレーションに力を入れていることもあり、Apple Arcade(アップル・アーケイド)よりも優れている。非常に洗練されたリンクの仕組みも取り入れられているので、アプリのクリップがフィードで共有されているのを見たら、すぐにApp Store(アップ・ストア)からアプリをダウンロードすることができる。インターネットネイティブのプレイヤーは、このような形で新しいゲームを見つけてすぐにプレイしたいと思っているはずだ。ゲームやストリームが継続的にハイパーリンクされた世界では、いちいち手動で検索する手間をかけずとも、ゲームを見たり、フォローしたり、プレイしたりすることが可能になる。

そしてそれはまた、将来的にはゲームを発見して「ダウンロード」するだけなく、友人が共有したゲームプレイの映像を見たら、それをタップするだけで、ゲームを購入する前に最初のレベルや試合を、体験プレイして夢中になれるような世界の到来を感じさせる。それは新たなプレイヤーを引き寄せる大きな入口となるはずだ。

今回のMicrosoft(マイクロソフト)との提携により、Backbone Oneを公式ウェブサイトまたはマイクロソフトストアから99ドル(約1万900円)で購入した人は、Game Pass Ultimateを3カ月間利用できる。Game Pass Ultimate3カ月分の価格だけで45ドル(約5000円)することを考えると、これは新規顧客にとって非常にお得な条件といえるだろう。そしてこの提携は、まだ歴史の浅いスタートアップ企業であるBackboneにとっても、大きな後押しとなるに違いない。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Backbone OneiPhoneXbox Game PassMicrosoftiOSアプリ

画像クレジット:Backbone

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(文:Matthew Panzarino、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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この提携の一環として、Backbone Oneは「Designed for Xbox」のスタンプが押された新しいリテールパッケージで、Xbox Game Passとバンドルして販売される。Backbone OneとiPhoneの組み合わせは、我々がこれまで見た中で最も「ポータブルXbox」に近いものだ。

前回書いた記事では、Backbone OneがiOSに組み込まれているアクセサリーAPIを巧みに利用して、専用アプリのダッシュボードに非常に洗練された機能が提供されていることを紹介した。今回、そのダッシュボードがアップデートされ、所有するゲームの表示や、新しいゲームの紹介、クリッピング機能で友人とキラープレイを共有するといった機能がさらに使いやすくなった。これは、筆者がこの数年間にiOSで見た最高のゲームアプリの1つであり、世界で最も多いゲームユーザーのために、世界で最も大きな遊び場を作る可能性を大いに秘めている。

画像クレジット:Backbone

Backbone Oneに備わるキャプチャー・ボタンは、Xbox Cloud Gamingと連携し、リンクとして共有することができる。新しいXbox Game Passのフィードを表示したり、同じインターフェイスでXboxとiOSのゲーム間を移動することも可能だ。また、現行機ではまだ十分に活用されていないが、実際には非常に優れた機能であるXbox Remote Play(Xbox リモートプレイ)機能も大きく取り上げられている。

パッケージにはAppClip(アップ・クリップ)が使用されており、店頭でパッケージを見ると、Xbox Cloud Gamingを実行中のBackbone OneがARで表示される。

Backboneチームは、その巧妙で洗練された統合と確かな直感で、引き続き感銘を与えている。チームにゲームコントローラーの血統があることは明らかだが(オリジナルのXbox 360コントローラーを開発したチームメンバーの何人かがBackboneに携わっている)、最も印象的なのはソフトウェアの面だ。Backboneが「Warzone(コール・オブ・デューティ・ウォーゾーン)」や「Minecraft(マインクラフト)」のようなAAA級のiOSゲームと、XboxやPlayStationのリモートプレイ、そして今回対応したネイティブなxCloudゲームという異なるゲーム体験を統一させた方法は、これまでApple(アップル)を含め誰も上手くできなかったことであり、モバイルゲームの未来のあり方を感じさせる。

画像クレジット:Backbone

Xbox Cloud Gamingはウェブベースであるにもかかわらず、Backboneの非常によくできたダッシュボード内ではネイティブアプリとして扱われ、表示される。筆者は個人的にBackboneで、Stadia(ステイディア)を介して「Destiny 2(ディスティニーツー)」を長時間プレイしたが、非常にすばらしかった。現在のXbox Cloud Gamingのタイトルと同じように、このダッシュボードにより直接的に統合され、クリッピングやソーシャル共有できるようになるのが待ち遠しい。

Backboneがインストールされていると、ゲームを発見し、ダウンロードして、プレイするという体験は、チームがキュレーションに力を入れていることもあり、Apple Arcade(アップル・アーケイド)よりも優れている。非常に洗練されたリンクの仕組みも取り入れられているので、アプリのクリップがフィードで共有されているのを見たら、すぐにApp Store(アップ・ストア)からアプリをダウンロードすることができる。インターネットネイティブのプレイヤーは、このような形で新しいゲームを見つけてすぐにプレイしたいと思っているはずだ。ゲームやストリームが継続的にハイパーリンクされた世界では、いちいち手動で検索する手間をかけずとも、ゲームを見たり、フォローしたり、プレイしたりすることが可能になる。

そしてそれはまた、将来的にはゲームを発見して「ダウンロード」するだけなく、友人が共有したゲームプレイの映像を見たら、それをタップするだけで、ゲームを購入する前に最初のレベルや試合を、体験プレイして夢中になれるような世界の到来を感じさせる。それは新たなプレイヤーを引き寄せる大きな入口となるはずだ。

今回のMicrosoft(マイクロソフト)との提携により、Backbone Oneを公式ウェブサイトまたはマイクロソフトストアから99ドル(約1万900円)で購入した人は、Game Pass Ultimateを3カ月間利用できる。Game Pass Ultimate3カ月分の価格だけで45ドル(約5000円)することを考えると、これは新規顧客にとって非常にお得な条件といえるだろう。そしてこの提携は、まだ歴史の浅いスタートアップ企業であるBackboneにとっても、大きな後押しとなるに違いない。

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(文:Matthew Panzarino、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

マイクロソフトがWindows 11のファーストプレビュー公開

米国時間6月28日、Microsoft(マイクロソフト)はWindows 11のファーストプレビューを、同社のWindows Insiderプログラム内のDev Channelで公開した。Insiderプログラムに参加している人は、Microsoftの新オペレーティング・システムの新しい(少々複雑な)システム要件を満たしていれば、まもなく入手できるはずだ。

ファーストプレビューには、新しいルック・アンド・フィール、テーマ、ウィジェット、新しいスナップレイアウト、さらには改訂されたファイル・エクスプローラなどMicrosoftがWindows 11で約束している新機能の大部分が入っている。しかし、このファーストリリースに間に合っていない機能もいくつかある。たとえばAndroidアプリへの対応、Teams統合のビルトイン対応などは後のリリースに入る予定だ。新しいWindows Storeのプレビューはすでに公開されている。

それ以外は、新しいスタートメニューから試してみることができる(中央に置かれたスタートボタンが気に入らない人は左下に移動できるのでご心配なく。ただしタスクバー全体を画面の別のに辺に移すことはできない)。ちなみにスタートメニューはWindows体験の象徴的部分の1つではあるが、ほとんどのパワーユーザーはめったに使うことがなく、代わりにアプリの99%をキーボードかタスクバーを使ってスタートするだろう。Microsoftは、新しい「recommended(おすすめ)」セクションに新しくインストールしたアプリや最近使ったファイルを並べて何かか違うことをやろうとしている。

画像クレジット:Microsoft

もう1つ、すぐに目につく新機能が新しいファイルエクスプローラーだ。フラットなルックスに代えてリボンスタイルのメニュー(Microsoftは「command bar」[コマンドバー]と呼んでいる)を採用している他、全体的に新しい見た目のアイコンが使われている。ルックスは良いが、変更にともなって失われた機能がないかは試してみないとわからない。

ファイルエクスプローラーは、Windows 11のその他のアプリと同じく、Microsoftの新しいスナップレイアウトを採用している。「スナップ」ジェスチャーやショートカットキーでウィンドウを画面のどの辺にも固定できる既存の機能を最大化ボタンに集約した。全体としての機能は新しくないが、多くのWindowsユーザーはこの機能自体の存在を知らなかったに違いないので、今回の新機能によってウィンドウのスナップ(固定)機能が多くのユーザーに知られることになるだろう。

画像クレジット:Microsoft

新しいウィジェットも、タスクバーの目立つ位置に表示される。現在あるのはカレンダー、天気、交通情報、Microsoft To Do、および株価のウィジェットで、OneDriveから最近の写真を表示したり、スポーツやeスポーツのニュースも好きに表示させられる。パーソナライズされたニュースフィードもある。

最後に紹介するべきなのが、新しい設定メニューだ。残念だったWindows 8以来、Windowsには事実上2つの設定メニューが存在している(コントロールパネルと設定)。どうやらこの混乱の日々はまだ終わらないようだが、設定メニューは少なくとも現在のWindows 10よりずっとすっきりした見た目になっている。

画像クレジット:Microsoft

もちろんWindows 11には他にも多くの変更がある。これは半年に1度の小さなUI変更をともなうWindows 10アップデートとは明らかに別物だ。今後は、これがリアルワールドでどう使われていくかを見なくてはならないが、今はまだ早期リリースであることを覚えておいて欲しい。プレビューはInsiderプログラムメンバーに公開され始めたので、実際どう動くのかは近々わかるだろう。TechCrunchも今後各機能を試していく予定だ。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:MicrosoftWindows 11WindowsOS

画像クレジット:Microsoft

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Nob Takahashi / facebook

マイクロソフトのナデラCEOがアップルに「Windows版iMessageを歓迎する」と呼びかけ

マイクロソフトのナデラCEOがアップルに「Windows版iMessageを歓迎する」と呼びかけ

ymgerman via Getty Images

マイクロソフトは本日未明に次世代OS「Windows 11」を正式発表し、それとともにAndroidアプリもWindows上で動く上にMicrosoft Storeアプリから入手できる見通しも明らかにしました。

その後MSのサティア・ナデラCEOはThe Wall Street Journalのインタビューにて、アップルのiMessage(日本名は「メッセージ」)をWindowsに迎え入れることを歓迎するなどを語っています。

ナデラCEOいわく、Windows 11の大きな目標の1つは「サードパーティ製アプリ市場への開放」であり、Microsoft Storeの枠を超えて創造性の中心になるということ。その上で「すべてのアプリ」が参加するよう招かれていると述べています。

その上で順調とは言えないのが、iPhoneとWindowsの連携です。WindowsとAndroidデバイスとは「スマホ同期(Your Phone)」から密に連携し、ついにAndroidアプリがWindows上で動くにいたりましたが、iPhoneとはそうではありません。この点につきナデラCEOは「もっと上手くいくようにしたい」と語っています。

さらにナデラCEOは、他の企業と同じくアップルがWindows上でやりたいことを行うのは歓迎されると述べ、その1つとしてWindows版iMessageの可能性にも言及したという流れです。

iMessageは(少なくとも米国では)アップル製品を代表するアプリであり、iPhoneやiPad、Macに共通で搭載されているものです。アップルは今年(2021年)秋にビデオ通話アプリFaceTimeをAndroidやWindowsにも部分的に解放すると発表済みですが、iMessageについてアップル製品の独占であることに変更はありません。

なぜ、アップルはiMessageを他のプラットフォームに解放しようとしないのか。先日のEpic Gamesとの訴訟のなかで、裁判資料として提出された社内メールからは、アップルが一度はAndroid版iMessageを検討しながらも、幹部らが「iPhoneユーザーが子供にAndroidスマホを買い与える際の障害を取り除くことになる」つまりAndroidに顧客を奪われることを懸念して、結局は取りやめにされたことが明らかとなっていました

おそらくナデラCEOもその資料には目を通していて、アップルの意図は織りこみ済みのはず。Windows 11とともに発表されたストアの刷新では、MSの決済システムを使う必要もない、MSに手数料を支払わなくても良いとされていますが、これは正にアップルがApp Storeの30%手数料を一部を除いて守り続け、自社システム以外の独自購入方法を認めないことと真逆と言えます。

MSはアップルに表向きはWindows版iMessageの歓迎を呼びかけることで、実は挑発しているのかもしれません。

Windows 11: Microsoft CEO Satya Nadella on the New ‘Start’ of the PC (Exclusive) | WSJ

(Source:Wall Street JournalEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:iMessage(製品・サービス)App Store(製品・サービス)Apple / アップル(企業)Amazon / アマゾン(企業)Android(製品・サービス)Satya Nadella / サティア・ナデラWindows(製品・サービス)Windows 11(製品・サービス)OS / オペレーティングシステム(用語)FaceTime(製品・サービス)Microsoft / マイクロソフト(企業)Microsoft Store(製品・サービス)Microsoft Teams(製品・サービス)

AndroidアプリがAmazonアプリストア経由でWindows 11に登場、ウィンドウとして動作

エコシステムは奇妙な仲間を生む。米国時間6月24日に行われた「Windows 11」イベントでは、最近記憶する中でもっとも奇妙な、そしてもっとも予想外だったニュースの1つが発表された。Microsoft(マイクロソフト)は、次のメジャーバージョンのOSでAndroidアプリを利用可能にする。

チーフプロダクトオフィサーであるPanos Panay(パノス・パネイ)氏は、この追加を「もう1つだけ小さなサプライズ」と呼び、モバイルアプリはスタートメニューやタスクバーに統合できると述べた。また、OSの新しいアプリ配置UIの一部として、タイル状に整列させたり「ウィンドウ」になったりする。

画像クレジット:Microsoft

これらのAndroidアプリは、Amazonアプリストアを経由してMicrosoft Store上で提供される。同社は、OSのデモで動作するTikTok(ティックトック)を紹介した。同アプリはモバイルファーストのデザインから予想されるように、縦長のポートレートで表示されている。

Androidアプリは185万種類あるので、現在のところ、これはMicrosoftのアプリストアに新しいコンテンツを大量に流し込み、最新の人気モバイルアプリをいきなりプラットフォーム上で利用できるようにする方法だ。しかし(Intel Bridge上に構築された)この体験が最終的にどれほど良いものかは、時が経ってみないとわからない。

Windows 11は2021年の年末ホリデーシーズンにリリースされる。

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

MSはコミュニケーション重視、Teamsのチャット機能が「Windows 11」に直接組み込まれる

ハッピー「Windows 11」デー。Microsoft(マイクロソフト)は2021年末に発売予定の次期OSについて、これまでで最も詳しい情報を提供してくれている。対人コミュニケーションの大半がPCや携帯の画面を介して行われた1年を経て、同社はコミュニケーションソフトウェアを前面に打ち出している。

Windows 11ではMicrosoft Teamsがプリインストールされ、Apple(アップル)のFaceTimeのようなコミュニケーションプラットフォームとより直接的に競合することを目指している。FaceTimeと同様に、ここではクロスデバイスの統合が鍵となり、人々がデスクトップからモバイルへ、そしてまたデスクトップへと動く際に、よりハードウェアにとらわれないサービスを提供する。

画像クレジット:Microsoft

これだけ多くのビデオチャットプラットフォームが溢れている時代に、マイクロソフトが2011年に85億ドル(約9425億円)で買収した、かつての強者「Skype(スカイプ)」の棺に最後の釘が打たれるのではないかという気がしてならない。Skypeでも試みたように、マイクロソフトはこのプラットフォームでコンシューマーとプロフェッショナルの間の境界線を曖昧にしようとしている。

新しいOSではすべてのバージョンにおいて、タスクバーに「Teams Chat」ボタンが直接組み込まれる。

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カテゴリー:ソフトウェア
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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

マイクロソフトがWindows 11を正式発表、アマゾンと驚きの提携でAndroidアプリも利用可能に、年末商戦までに一般発売

数週間にわたるリーク情報と前宣伝を経て、Microsoft(マイクロソフト)は米国時間6月24日、デスクトップOSの次期バージョンである「Windows 11」を正式に発表した。同社はかつて「Windows 10」がWindowsの最後のバージョンであると述べ、年2回の定期的なアップグレードを行い大規模な製品のローンチは見送ってきたが、今回のアップデートでの変更点、特にUIの一新は、新しいバージョン番号に値すると明確に考えたようだ。

マイクロソフトは年末商戦までにWindows 11を一般ユーザーにリリースすることを計画しているため、発売は2021年11月下旬頃になると思われる。その前に、おそらく来週から多くのパブリックベータ版が公開されるだろう。Windows 11は既存のWindows 10ユーザーであれば、無料アップグレードとなる。

Windows 10Xの開発と最終的な廃止を見守ってきた方には、デュアルスクリーンおよび(ひいては)シングルスクリーンのノートPC向けにUIを簡素化したマイクロソフトのOSや、再設計されたスタートメニューに至るまで、ここで挙げるものの多くは見覚えがあるだろう。実際、Windows 11のスクリーンショットとWindows 10Xの初期プレビューを見せられたら、見分けるのは難しいのではないだろうか。

画像クレジット:Microsoft

MicrosoftのチーフプロダクトオフィサーであるPanos Panay(パノス・パネイ)氏が24日の発表で述べたところによると、デザインの全体的なアイデアはユーザーに「驚くほどの静寂感」を感じさせることだそうだが、同時にWindowsチームは高速化にも取り組んできた。例えばWindowsアップデートは40%高速化されることになっているが、パネイ氏はマシンの起動やブラウジングさえもはるかに速く感じられるはずだと述べた。

画像クレジット:Microsoft

ここでの驚きは、Windows上でAndroidアプリを実行できるようになったことだ。Androidアプリは、例えばタスクバーに組み込むことができるネイティブアプリのように動作するという。これらのアプリは、デザインを一新したMicrosoft Store上で、なんと……Amazonアプリストアを経由して提供される。いったい誰がこの展開を予想できただろうか?

画像クレジット:Microsoft

タッチスクリーンユーザーのための新機能や、半透明の質感や影を多用した新しいUI要素の他に、新UIのコア機能の1つに、マイクロソフトが「Snap Layouts(スナップレイアウト)」と呼ぶものがある。これは、ウィンドウを最大化するアイコンにカーソルを合わせると小さなウィジェットがポップアップし、これまではウィンドウを画面の隅にドラッグして移動させていたものを(複数のディスプレイを使用している場合は大変なことが多かった)、テンプレートに合わせて任意のコーナーに簡単に配置できるようにする機能だ。

画像クレジット:Microsoft

もう1つの大きな新機能は、Windows 11には最初からTeamsが統合されていることだ。MicrosoftがTeamsに関して強気であることは周知の事実だ。最近コンシューマー版のTeamsを発表したばかりの同社が、Windows 11にもTeamsを組み込むことは理に適っている。マイクロソフトがWindowsにSkypeを導入したことはなかったので、その点これはかなりの変化だが、基本的にTeamsはマイクロソフトのFacetimeになる。

画像クレジット:Microsoft

Windows 11のリーク情報をご覧になった方は、ウェブウィジェットが目を引く新機能の1つであることをご存知だと思う。「Windowsウィジェットは、AIを搭載した新しくパーソナライズされたフィードで、厳選されたコンテンツを提供します」とパナイ氏は述べている。もちろんウィジェットは新しいものではないが、多くの点で、スタートメニューからライブタイルが削除されたことを補っている。また開発者にとっては、アプリケーションからの情報を表示するための新しいキャンバスとなる。

画像クレジット:Microsoft

もちろん、マイクロソフトがゲームについて語らなければ、新しいWindowsとはいえない。同社は、Windows 11が「最高のPCゲーム体験を提供する」と主張しているが、それ以外に何か言えるわけもない。

画像クレジット:Microsoft

マイクロソフトはXboxで先行導入されているAuto HDRにより、より優れたグラフィックを約束している。同社によると、Windows 11では何千ものゲームのビジュアルが自動的にAuto HDRで向上するとのこと。さらに、Windows 11の新しいストレージAPIのおかげで、CPUに負担をかけずにゲームアセットをすばやくロードできるようになるとしている(ただし、そのためには互換性のあるPCが必要)。また、マイクロソフトのGame PassサービスもXboxアプリとともにWindows 11に組み込まれている。

画像クレジット:Microsoft

予想通り、Microsoft Storeもリニューアルされる。パナイ氏によると、Microsoft Storeはスピードを重視して一から作られたという(ユーザーの不満はスピードだったのだろうか)。同氏は、マイクロソフトは開発者がより多くのアプリをストアに投入できるように支援したいと主張している。マイクロソフトがApple(アップル)との違いを明らかに打ち出そうとしているエリアの1つは、開発者が自分のアプリケーションで独自のコマースエンジンを使用することを認め、マイクロソフトはそこから一切の利益を得ないという部分だ。

画像クレジット:Microsoft

実際、マイクロソフトのSatya Nadella(サティア・ナデラ)CEOは、Windows 11上で開発者が独自プラットフォームを構築する機会を得て欲しいと語っている。「Windowsは、世界の創造の舞台です。この新しいバージョンのWindowsは、私たち1人ひとりに内在するイノベーションと創意工夫を解き放つものです。【略】今日、世界はよりオープンなプラットフォームを必要としています。つまり、アプリがそれ独自のプラットフォームになり得る場所です。Windowsは、Webのように、Windowsよりもさらに大きなものが生まれることができるプラットフォームです。それが、当社がWindows 11で目指すところです」。

画像クレジット:Microsoft

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Aya Nakazato)

E3 2021まとめ「Xbox Game Pass、ゼルダは息を吹き返す、ソニーはまた不参加」

E3 2021はE3 2022のお知らせで幕を開けた。そのちょっとおもしろい開幕の挨拶は、Eric Garcetti(エリック・ガーセッティ)市長による「2022年にはここ天使の街(Los Angeles)で、直接お会いできることを楽しみにしています」という言葉で締めくくられた。また、この市長のゲームショーアナウンスに使われた紙吹雪やミニオンの数が、州の再開を告げるスピーチのものよりも少なかったのはちょっとおもしろかったが、それはまた別のストーリーだ。

もちろん、E3の主催者が2022年の話題を真っ先に出したことは理解できる。2021年のショーは、この1年半の他の多くの物事と同様に、歴史的には異例の出来事だった。2020年のショーを心ならずもスキップした後、彼らは最初の、そしてとりあえずは最後の(つもりの)完全バーチャルイベントを実施した。

バーチャルイベントはいつでも良いアイデアのように思える、理屈の上では。だが実際には、コンテンツをはじめとするさまざまな要素によって、結果は大きく異なってくる。多くのイベントが、完全オンライン化には苦戦している。CESは、ショーの規模による理由もあるものの、内容的にも苦戦したと思う。なにしろ家電製品はどこにでもあるので、インターネット上では、Apple(アップル)やSamsung(サムスン)以外の会社のプレゼンテーションを積極的に見たいという人はほとんどいないだろう。

関連記事:バーチャル開催中E3 2021(ひとまずの)まとめ

E3にはその問題はない。数年前に、それまでの産業界のみを相手にするショーから、よりハイブリッドなショーへと移行していたことで、イベントはすでに有利な位置を手に入れていた。私が定期的に参加している他のイベントとは異なり、E3が開催されるとロサンゼルスのダウンタウンの人たちは、ちょっとした浮かれた雰囲気となる。誰もがゲーマーとなり、ほとんどの人が発表される何かのニュースに期待している。その週にはUber(ウーバー)やLyft(リフト)のドライバーは、喜んでその話をしてくるほどだ。

それは、この番組のオンラインでの存在感が絶大なためだ。予告編を見る人、予告編について議論する人、予告編についてストリーミングする人、自分のストリームで他の人の予告編について議論する人など、イベント前の数日間はE3関連のコンテンツがあちこちでトレンドになっていた。これは、特にパンデミックの中で、最新のXboxやPlayStationが発売される前でさえ、すでに業界が記録を更新していた1年の後では、バーチャルイベントを成功させるためのレシピといえるだろう。

ビッグ3の中では、マイクロソフトの圧勝だった。ソニーの場合、残念ながら勝負しないことには勝ちようがない。任天堂は堅実だったが、華がなかった。しかし、それについては後ほど説明する。

Xboxのプレスカンファレンスについては、前回の記事でかなりお伝えした。しかしひと言でいうなら、マイクロソフトは、膨大な物量とGame Pass(ゲームパス)タイトルという2つの側面で勝利を収めた。この最後のものは、私たちは現行世代のゲーム機の中では、銀の弾丸に近いものと感じている。近いうちにソニーも独自のバーチャルイベントを開催することになるだろうと思うが、同じやり方を真似するのは難しいと思う。

マイクロソフトがそのサブスクリプションサービスにすべてをまとめることに対して疑う向きもあったが、今回発表された全部で30本のゲーム(と冷蔵庫)のうち、27本がGame Passで提供される予定だ。そしてもちろん、このイベントがマイクロソフトとBethesda(ベセスダ)のイベントとして開催されたという事実もあり、この巨大な買収がXboxの将来にとっていかに重要だったかを物語っている。

任天堂に関しては、正直に言おう。長い間噂されていたSwitch Pro(スイッチ・プロ)が発表されなかったことには失望した。4年前に発売された初代Switch(スイッチ)は、Switch Lite(スイッチ・ライト)やバッテリー追加などのマイナーアップグレードを乗り越えて、今や大きなアップグレードの必要な時期を迎えている。そろそろHDスクリーン登場のタイミングだ。もしそれが発売されたら、次のホリデーシーズンには爆発的に売れるだろう。

忘れてはならないが、Switchには2020年に華々しい出来事が起きた。当初はサプライチェーン上での供給が追いついていなかったが(これは現行の3社のゲーム機に共通して言えることだ)、待望の「あつまれ どうぶつの森」の新作が登場したこともあって、パンデミックの最中にSwitchは大成功を収めたのだ。ふわふわした動物たちが登場する、プレッシャーの少ないこのソーシャルなタイトルは、2020年、まさに世界が必要としていたものであり、任天堂は喜んでそれを提供した。

また、任天堂が新しい部品に関して、継続するサプライチェーンの問題に取り組んでいる可能性もある。ということでProが登場する可能性は高いと思われるが(参照:「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の新作)、おそらく2022年まで待たなければならないだろう。

関連記事:任天堂「ゼルダの伝説 BoW」続編は2022年発売、ゼルダのゲーム&ウォッチも登場、新作「メトロイド」も

また、「ブレス オブ ザ ワイルド2」は来年まで待たなければならないが、少なくとも、多くの人に愛されている「ゼルダの伝説」が2021年登場する。もちろん、現行システムのためにも、すばらしいタイトルの数々が用意されている。いくつかのハイライトをご紹介する。

昔ながらの2D横スクロールが魅力の「メトロイド」の新作。

「ゼルダ」シリーズのゲーム&ウオッチ。

2017年から予告されていた待望の「真・女神転生V」。

100種類のミニゲームを収録した「マリオパーティー・スーパースターズ」は10月29日に登場。

「Super Monkey Ball Banana Mania」は10月5日に登場する。「Super Monkey Ball」の最高傑作だ。

前回紹介したスクウェア・エニックスとユービーアイソフトのラインナップに加えて、カプコンは「モンスターハンター・ストーリーズ2 破滅の翼」と「バイオハザード ヴィレッジ」の最新情報を提供した。

こんな感じだろうか。2022年、LAでお会いしよう。でも、ミニオンのコスチュームは家に置いて来た方がいいかもしれない(失礼、市長さん)。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:E3E3 2021バーチャルイベントMicrosoftXbox任天堂Xbox Game Passサブスクリプション

画像クレジット:任天堂

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(文:Brian Heater、翻訳:sako)

バーチャル開催中E3 2021(ひとまずの)まとめ

私のように、E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)開催期間中のロサンゼルスのダウンタウンを懐かしく思い出しながら、この週末を過ごした人もいるに違いない。フィッシュタコス、The Last Bookstore(ザ・ラスト・ブックストア)、派手な照明のホテルのロビーでバスケットボールのプレーオフを観戦。そしてもちろん、次から次へと行われるビデオゲームのプレスカンファレンス。

だが、このゲームショーは2年連続で2021年もバーチャルな開催となった。その理由はご存知のとおり、我々の過去1年半の人生に大きな影響を及ぼしたウイルスのせいだ。2020年のショーは完全にキャンセルされた(が、いくつかの企業はオンラインでスケジュールどおりに発表を行った)。主催者が、1つのデジタルイベントとして開催することは不可能だと考えていたからだが、率直に言って、彼らがその限界を理解していたことは、結果的に最善だったと思われる。

米国時間6月12日に開幕したE3 2021は、初めてのオールバーチャル版イベントとなった。そして今のところ、バーチャルで開催されるのはこれが最後となる予定だ。Eric Garcetti(エリック・ガーセッティ)市長は、2022年にE3がLAコンベンションセンターに戻ってくることを発表してショーの幕を開けた。

ゲーム業界は2020年も好調だった。世界の一部地域ではウイルス感染が収束していないため、成長は鈍化しているものの、成長それ自体は継続している。米国時間6月14日朝に市場調査会社のNPDがタイミングよく発表した数字によると、2021年5月のゲームへの支出は45億ドル(約4950億円)で、前年同月比で3%の成長となった。年初来では17%増となっている。

2020年のショー開催中止は、ハードウェアの観点からは確かに不幸なタイミングだった。E3で次世代ゲーム機の発表は大規模なイベントとなるからだ。2020年にはPlayStation 5(プレイステーション5)とXbox Series X(エックスボックス・シリーズX)が登場したが、発表はSony(ソニー)とMicrosoft(マイクロソフト)の自社イベントにとどまった。だが、それによってメーカーは、大きなイベントですべてを公開する代わりに、少しずつ詳細を明らかにしていくことで、消費者の興味を引っ張ることができた。このような戦略には、大規模なイベントよりも、バーチャルなプレゼンテーションやブログ記事の方が適している。

@XboxP3をはじめとするチームのみなさん、すばらしいショーケースおめでとうございます。ゲーマーにとってすばらしい時代に。

ソニーは今回のE3も参加を見送っている。同社が2021年の夏に、大規模な「State of Play」のバーチャルイベントを開催する可能性は高いものの、それはE3とは無関係だ。しかし、PlayStation Studios(プレイステーション・スタジオ)の責任者であるHermen Hulst(ハーメン​・フルスト)氏のようなソニーの幹部は、この機会にTwitter(ツイッター)で「すばらしいショーケース」とマイクロソフトを祝福した。それはすてきなことだ。

ビッグ3の中で、今回のE3で発表を行った企業は、今のところマイクロソフトだけである。任天堂は米国時間6月15日(日本時間6月16日午前1時)に「Nintendo Direct | E3 2021」の放送を予定しており、このイベントでは有機ELディスプレイと内部をアップグレードした「Switch Pro(スイッチ・プロ)」が登場する可能性がある。そしておそらく、発売から4年が経つゲーム機の新バージョン登場に合わせて、数々のアップグレードされたコンテンツが発表されるだろう。

一方、マイクロソフトはゲームに力を入れてきた。最近Xbox Series Xが発売されたばかりであることを考えれば当然だろう。そしてこのようなバーチャルなイベントは、たくさんのトレーラーを公開する機会として最適だ。同社は今回、全部で30本のゲーム(と冷蔵庫)を発表した。そのうち27本は「Xbox Game Pass(エックスボックス ゲームパス)」に含まれるといえば、Xboxのゲームが将来的にどのような形になるか、想像がつくだろう。マイクロソフトが2021年初めにBethesda(ベセスダ・ソフトワークス)を買収したこともあり、今回のイベントは「Xbox & Bethesda Games Showcase」という名前で行われた。

「成長を続ける私たちのファミリーである23のスタジオは、私たちみんなが愛するメディアを発展させることに専念しています」と、マイクロソフトは述べている。「お伝えできてうれしいお知らせがあります。この週末から年末まで、Xbox Game Passでは、ホリデーシーズンにリリースされる『Halo Infinite(ヘイロー・インフィニット)』を含むXbox Game Studiosの5つのタイトルを筆頭に、毎月連続で新作ゲームを初日からお楽しみいただけます」。

ハイライトを以下にご紹介しよう。

「Halo Infinite」は、トレーラーとマルチプレイヤーのゲーム中の映像が公開された。Xboxの主力人気ゲームの最新作が2021年のホリデーシーズンに発売される。

「Starfield(スターフィールド)」は、2022年(ため息)11月11日に発売予定。この広大な宇宙を舞台にしたタイトルは、発売時にはXbox独占タイトルとなる。

「Forza Horizon 5(フォルツァ ホライゾン5)」は11月に発売される。この人気レースシリーズの最新作は、メキシコが舞台だ。

クロスプレイ対応の「Sea of Thieves(シー・オブ・シーヴス)」は、映画「Pirates of the Caribbean(パイレーツ・オブ・カリビアン)」とコラボレートし、キャプテン・ジャック・スパロウなどが登場するゲームプレイが追加になる。

「Age of Empires IV(エイジ・オブ・エンパイアIV)」は拡張版トレーラーとともに発売日が発表された。10月28日だ。

「Battlefield 2042(バトルフィールド2042)」は初めてゲームプレイ映像が公開された。魅力的な新しいウィングスーツも確認できる。

マイクロソフトの「Flight Simulator(フライトシミュレーター)」は、7月27日に「トップガン」の拡張コンテンツとともに新型Xboxに登場する。これは2021年公開予定の映画「Top Gun:Maverick(トップガン マーヴェリック)」を記念したものだ。

Square Enix(スクウェア・エニックス)も、日曜日に恒例の大規模なショーケースを開催した。このパブリッシャーは、Marvel(マーベル)の新作タイトルを続々とリリースする。ハイライトは以下の通り。

待望のアドベンチャータイトル「Guardians of the Galaxy(ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー)」は、2021年10月に発売予定。

一方「Marvel’s Avenger(アベンジャーズ)」では、ブラックパンサーをテーマにした拡張コンテンツ「War for Wakanda」が8月に配信される。

スクウェア・エニックスのイベントには「Final Fantasy(ファイナルファンタジー)」のスピンオフ作品が欠かせない。この長年愛されてきたRPGから、新作「STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN(ストレンジャー・オブ・パラダイス ファイナル・ファンタジー・オリジン)」が誕生。2022年にさまざまなプラットフォーム向けに発売される予定だ。

Ubisoft(ユービーアイソフト)は6月12日に「Avatar(アバター)」の新作「Avatar:Frontiers of Pandora(アバター:フロンティアズ・オブ・パンドラ)」の映像を初公開して話題を呼んだ。

「Tom Clancy’s Rainbow Six:Extraction(レインボーシックス エクストラクション)」は9月16日に発売予定。元々のタイトルは「Rainbow Six:Quarantine(隔離)」と呼ばれていたが、明らかな理由で名前が変更された。

Capcom(カプコン)とTake-Two(テイクツー)は米国時間6月14日夜、Nintendo Direct(ニンテンドーダイレクト)とBandai Namco(バンダイナムコ)は15日にショーケースを行う。Electronic Arts(エレクトロニック・アーツ)は米国時間7月22日に独自イベント「EA Play Live」を開催する予定だが、6月中に「Battlefield 6(バトルフィールド6)」に関する何らかの発表があることを予告している。さて、最後にご紹介するのは、新型Xboxの冷蔵庫の動画だ。新しいハードの発表がないなんて、誰が言った?

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:E3バーチャルイベントMicrosoftXboxXbox Game PassE3 2021、冷蔵庫

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

米最高裁がLinkedInのスクレイピング禁止訴訟の再審問を指示

最高裁判所は、LinkedIn(リンクトイン)に対し、ライバル会社がユーザーの公開プロフィールから個人情報をスクレイピングするのを止めさせるチャンスを再び与えた。LinkedInが違法であるべきだと主張するスクレイピング行為が禁止されれば、インターネット研究者やアーカイビストには予期しない影響を与える可能性がある。

LinkedInは2019年、CFAA(コンピューター犯罪取締法)は企業がインターネットで公にアクセス可能なデータをスクレイピングすることを禁止しないとする連邦第9巡回区控訴裁判所の裁定によって、Hiq Labsを訴えた裁判に敗訴した。

Microsoft(マイクロソフト)傘下のソーシャルネットワークは、同社のユーザープロフィールの大量スクレイピングは、許可なくコンピューターをアクセスすることを禁止しているコンピューター犯罪取締法に違反していると主張した。

公開データを使って従業員の減少を分析するHiq Labsは、LinkedInに有利な裁決は「インターネットのオープンなアクセスに深刻な影響を与えるものであり、30年前にCFAAを制定した時に議会が意図したはずのない結果だ」と主張した(Hiq LabsはFacebookからも訴えられた。当時同社はFacebookとInstagramだけでなく、Amazon、Twitter、YouTubeもスクレイピングしていた)。

関連記事:Facebookがデータスクレイピングを実行する2社を提訴

最高裁判所はこの件を扱わず、最新の裁定を踏まえて再度審問するよう控訴裁判所に命じた。裁定は、使用を許可されたコンピューター上のデータを不適切にアクセスした場合はCFAAに違反することがないとした。

一時CFAAは、テクノロジーや法律の書籍で「最悪の法律」と批判され、時代遅れで曖昧な文言が現在のインターネットのスピードに追いついていないと長年言われてきた。

ジャーナリストやアーキビストは、古いサイトや閉鎖されるサイトのアーカイブコピーを保存する方法として、公開データのスクレイピングを長年行っている。しかし、それ以外のスクレイピング事例はプライバシーと市民の自由を巡って怒りと懸念の火をつけた。2019年に、あるセキュリティ研究者は数百万件のVenmo取り引きをスクレイピングした。Venmoはデフォルトでデータをプライベートに設定していなかった。賛否の分かれる顔認識スタートアップClearview Alは、許可を得ることなく300億枚以上のプロフィール写真をスクレイピングしたと言っている。

関連記事:Clearview AIの顔認識技術はカナダでもプライバシー侵害で違法

カテゴリー:ネットサービス
タグ:LinkedIn裁判スクレイピングMicrosoftCFAAプライバシー

画像クレジット:Ali Balikci / Getty Images

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Nob Takahashi / facebook

宇宙版スカイリム、ベセスダ新作RPG「Starfield」がXbox / PC独占で2022年11月発売

宇宙版スカイリム、ベセスダ新作RPG「Starfield」がXbox / PC独占で2022年11月発売

Bethesda

マイクロソフトの E3 2021 Xbox & Bethesda 発表会で開幕を飾ったのは、ベセスダが開発中のSF RPG『Starfield』でした。

Starfield は2022年11月11日(現地時間)、Xbox Series X|S および PC のみで発売します。ベセスダがマイクロソフト傘下のファーストパーティスタジオになったため、発売初日から定額サービスの Xbox Game Pass で遊べます。

宇宙版スカイリム、ベセスダ新作RPG「Starfield」がXbox / PC独占で2022年11月発売

Bethesda

『Starfield』は、『Fallout』や『The Elder Scrolls』等で知られるベセスダが開発を続けてきた完全新作のSFオープンワールドRPG。ベセスダの完全新規IPとしては実に25年ぶりとなります。

ゲームの内容はこれまで、宇宙を舞台にしたスカイリムのようなオープンワールドRPGと説明されてきました。固定の主人公キャラクターと一本道の展開があるタイプではなく、プレーヤーが自由にキャラクターを作りさまざまなストーリー展開を選んで進めてゆく作品です。


従来はふんわり「宇宙モノ」と分かる程度のごく短いイメージ動画とタイトルロゴのみが公開されていましたが、E3 2021では初めて、インゲームのティーザートレーラーが公開となりました。

宇宙版スカイリム、ベセスダ新作RPG「Starfield」がXbox / PC独占で2022年11月発売

Bethesda

Starfield の舞台は、いまから数百年後の我々の宇宙。予告編で明かされた宇宙船などのテクノロジーも、未来的でありながら現実の宇宙開発の歴史と地続きであることを感じさせる、むしろクラシックでオールドファッションなSFのビジュアルです。

宇宙版スカイリム、ベセスダ新作RPG「Starfield」がXbox / PC独占で2022年11月発売

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宇宙版スカイリム、ベセスダ新作RPG「Starfield」がXbox / PC独占で2022年11月発売

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宇宙版スカイリム、ベセスダ新作RPG「Starfield」がXbox / PC独占で2022年11月発売

Bethesda

マイクロソフトは多機種展開の人気シリーズを多く抱えるベセスダの買収にあたって、プラットフォームを発表済みのゲームについてはこれまでどおり変更しない、今後の新しいゲームについては、ケース・バイ・ケースで判断する、経営的にはXboxとPC独占にしても充分に買収費用を回収できると説明していました。

完全新規のスターフィールドは、やはりというべきかXbox / PC独占。エンジンも新規となり、Xbox One世代では動きません。

Engadget日本版より転載)

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Windows 10(製品・サービス)
Xbox / エックスボックス(製品・サービス)
ゲーム(用語)Bethesesda Game StudiosMicrosoft / マイクロソフト(企業)