Color of Changeら活動家団体や企業家グループがトランプ大統領の排除をTwitterとFacebookに要請

トランプ支持者の暴徒が米国議会議事堂を襲撃し、議会の封鎖と議員の避難を引き起こした抗議と暴動の混沌とした1日を受け、非営利の公民権擁護団体であるColor of Change(カラー・オブ・チェンジ)は、他の団体とともに、Twitter(ツイッター)やFacebook(フェイスブック)などのソーシャルメディア企業に対して、Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領をプラットフォームから排除するよう呼びかけた。

カラー・オブ・チェンジなどの活動家団体は、大手テック企業や金融サービス企業がワシントンD.C.での暴動に加担しているとし、ソーシャルメディアに行動を起こすよう呼びかけている。ツイッターはトランプ大統領のツイッターアカウントをロックし、3つの違反ツイートを強制的に削除したが、このソーシャルメディアが同氏をプラットフォームから完全に削除したわけではない。ツイッターアカウントのロックは少なくとも12時間は続く

カラー・オブ・チェンジのRashad Robinson(ラシャド・ロビンソン)会長は米国時間1月6日、「もうたくさんだ。フェイスブックとツイッターがトランプ氏をプラットフォームから追い出す時がきた。我々はこの件について@Facebookと@Twitterのリーダーと連絡を取っているが、あなたの助けが必要だ」と、ツイートした。

同団体はまた、人々がツイッターのJack Dorsey(ジャック・ドーシー)CEOに直接訴えるために使用できる嘆願書を立ち上げた。この嘆願書には、次のように書かれている。

親愛なるジャック・ドーシーCEOへ

ドナルド・トランプはこれまで何の咎めもなく、あなた方の利用規約に違反してきました。そして彼の高揚と共起表現は、暴徒達が上院議場を襲撃するという本日の混乱を引き起こす結果となり、議員や報道関係者、職員が生命の危機にさらされました。トランプ氏のツイートは、白人至上主義者を応援する暴言から、今や警察の殺害に抗議する米国人に対して州兵が致命的な力を行使することの提唱まで、何百万人もの米国人の命を危険にさらしてきました。この危険なユーザーがあなたのプラットフォームを悪用することを許すいい訳はできません。今こそ #KickTrumpOffTwitter(ツイッターからトランプを追い出せ)の時です。

他にも数多くの活動家団体やビジネスグループ、テックのリーダーたちがソーシャルメディアを使って米国時間1月6日の出来事を非難している。倫理団体であるAccountable Tech(アカウンタブルテック)は同日、今回の暴動事件は心を痛めるものだったが、まったく予想できなかったわけでもないとツイートした。「悲しいことに、ツイッターとフェイスブックの準備と対応は極めて不十分だった。単に暴力扇動のレッテルを貼るだけでは十分ではない」。

他にも米国旅行産業協会、Jewish Council for Public Affairs(ユダヤ人公共問題評議会)、Business Roundtable(ビジネスラウンドテーブル)などの団体が、今回の出来事について独自に非難の声を上げたが、ソーシャルメディアの関与を直接批判することはなかった。

米国の主要企業の最高経営責任者がメンバーとなっているビジネスラウンドテーブルは、トランプ氏に働きかけ、混乱に終止符を打ち、平和的な政権交代を求めた。他にも全米製造業協会のような団体は、より強い言葉を使い、トランプ氏を支持するデモ隊の行為は「治安妨害」と「暴民支配」に当たると指摘し、Mike Pence(マイク・ペンス)副大統領に修正第25条の発動(すなわち大統領の即時免職および権限と義務の引き継ぎ)を「真剣に検討する」ように促している。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Twitterがトランプ大統領のアカウントを12時間停止

長年のポリシーに反してTwitterは、米国大統領のTwitterアカウントをロックし、3つの物騒なツイートの削除を強制した。

「ワシントンD.C.における前例のない、現在進行中の暴力的状況の結果として、3つの@realDonaldTrumpツイートの削除を余儀なくされた。今朝投稿されたそれらのツイートは、弊社の市民的品位のポリシーに対する深刻な違反を繰り返している」とTwitterのサイトには書かれている。

この措置の一環としてトランプ氏は、少なくとも12時間アカウントを停止される。削除を強制されたツイートが残っているかぎり、アカウント停止は継続する。また現在の措置以降、このポリシーに違反した場合「@realDonaldTrump アカウントは永久停止になる」。

Twitterは以前より、トランプ氏のような社会的に突出した人物のツイートは、同社のToSに違反していても公共的な関心があると主張してきた。Twitterのガイドラインは次のようになっている。

弊社サービスの重要な機能は、人びとがオープンかつ公共的に自分たちのリーダーに応答できる場を提供して、彼らリーダーたちの説明責任を明確に維持することにある。そしてそのためには、弊社の規則に違反しているツイートでも、それらにアクセスすることが公共的関心であるような場合がありえる。

削除されるツイートには、Twitterが当初「暴力の危険性がある」とマークしたものもある。それらはすべて、議事堂の乱入事件を契機に到着したツイートだ。

この3つのツイートに添付されている録画された動画でトランプ氏は、暴徒たちに「家に帰ろう」と嘆願し、続けて「あなたたちを愛している。あなたたちはとても特別な存在だ」と述べている。これに関してTwitterは「ワシントンD.C.で現在進行中の状況を考慮して、TwitterのTrust & Safetyチームは、サービス上で行われている公共の会話を保護するために、Twitterの規則に違反しているいかなるコンテンツに対しても何らかの措置を行うつもりである。明確にしておきたいのは、Twitter上には暴力の脅威と呼びかけのための場所はないことだ。この方針に沿って私たちは、私たちのポリシーを執行していく」と述べている。

今回の事件が時間とともに激しくなるにつれて、大統領のTwitterアカウント削除を求める声が高まった。トランプ氏は少なくとも大統領である間はツイートを続けることができる、と一般的に思われていたが、本日、国会議事堂で起きた事件と、それに対する彼のツイートによる対応は、Twitterが罰の適用を急ぐのに十分なひどさだったようだ。

Twitterが米国時間1月6日にとった措置は、一般市民に戻った後のトランプ氏のアカウントにも暗雲を投げかけている。米国大統領の公式アカウント@POTUSは、米国時間1月20日の政権移譲まで現在のホワイトハウスのものだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

テック界のリーダーたちが米議事堂暴動でSNSの役割に対して声を上げる

トランプ大統領支持の過激派たちが米国議会議事堂を激しく襲撃した後、多くのテック企業幹部や業界リーダーがTwitter(ツイッター)のCEOであるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏とFacebook(フェイスブック)のCEOであるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏に、大統領のメッセージの拡散と暴力支持をより積極的に抑制するよう求めている。

トランプ大統領が過激派たちのことを「とても特別」と呼んで家に帰るよう促すビデオを公開したあと、FacebookTwitterはコンテンツを削除した。Twitterは同社ルールの「将来の違反」はアカウントの永久停止につながると警告し、トランプ大統領のTwitterアカウントを少なくとも12時間凍結する措置を取った。

長い精査を経て、TwitterとFacebookはようやく今回の暴動によってトランプ大統領の扇動的なツイートやメッセージに対応することになった。この件はまだ続いており、テック界の一部の有名な人物は暴動の原因は選挙に関する誤情報を無視して拡散させたプラットフォームにあるとしている。誤情報の拡散はトランプ政権が終わろうとしている現在、暴力的なレトリックの動きを制御不能にした。

Twitterの初期投資家の1人であるChris Sacca(クリス・サッカ)氏は「(ジャック)そしてザック、あなたたちに責任があります。4年間、あなたたちはこの恐怖の種を正当化してきました。暴力的な反逆を扇動することは言論の自由ではありません。もしあなたがそうした企業で働いているのなら、これはあなたの責任でもあります。アカウントを閉鎖しなさい」。

Reddit(レディット)の共同創業者、Alexis Ohanian(アレクシス・オハニアン)氏はサッカ氏の発言にこう付け加えた。「子どもたちのために答えなければならない、難しい疑問がたくさんあります」。オハ二アン氏は2020年のBlack Lives Matter(黒人の命も大切だ)抗議活動をきっかけに役員を退いた。

Facebookの元セキュリティ最高責任者のAlex Stamos(アレックス・スタモス)氏は「ラベリングは意味をなさず」、TwitterとFacebookは「トランプを排除しなければならない」として両社とも行動を起こす必要があると書いている。

テックプラットフォームは、誤情報の発信と陰謀論で結びついているグループの問題を野放しにしているとして、これまでに幾度となく集中砲火を浴びてきた。Twitterの直近の対応は誤情報の可能性があるツイートにフラッグを立てるという措置の導入だった。

テック投資家でRedditの元CEOであるEllen Pao(エレン・パオ)氏は、今日のカオスはドーシー氏が行動を起こさなかったことに直接つながっていると主張している。パオ氏と、テック企業の元創業者でCEOのLaura Gómez(ローラ・ゴメス)氏は2020年11月、トランプ大統領が「クーデター」を扇動するのにTwitterを使用していると明確に非難し、ドーシー氏にトランプ大統領のツイッター上での影響力を制限するよう求めていた。

「我々は正しいことをするよう彼らに伝えました。彼らはしませんでした。そして今こういう事態になっています」とパオ氏は本日Twitterに書いている。

このほどGoogle(グーグル)のAIチームから解雇されたトップの研究者であるTimnit Gebru(ティムニット・ゲブル)氏はFacebookとTwitterを厳しく非難したが、より厳しい非難の矛先をYouTubeに向けた。同氏はYouTubeがヘイトスピーチを促進していることに関して「注目を浴びないよう完全に逃れてきた」としている。

暴動者たちのことを「特別な人々」と呼び、家に帰るよう促しているトランプ大統領の最新の動画はTwitter、Facebook、YouTubeから削除された。

Facebookのインテグリティ担当バイスプレジデントのGuy Rosen(ガイ・ローゼン)氏は、暴動は「緊急事態であり、トランプ大統領の動画削除を含め、適切な緊急措置を取っています。動画は現在も続いている暴力のリスク抑制に貢献しないと判断して削除しました」とツイートした。Facebookは公式な声明文も出している

大統領就任式まで2週間となり、プラットフォームは引き続き平和的な政権交代を守るという点で重要な役割を果たす。本日の事件は転換点のようだ。テロリズムにより、シリコンバレーのテック業界の人たちは業界で最もパワーがあるリーダーたちを非難し、さらなる暴力沙汰が起こる前に行動するよう促すことになった。

「@jack、@vijaya、@kayvz、単刀直入にいわせてもらいます。少なくとも明日はドナルド・トランプのアカウントを停止させなければ、この議事堂暴動はあなたたちの責任にもなります。残念ながらトランプはここ数日、主にあなたたちのツールを使って暴動を扇動してきました。あなたたちはいま行動する必要があります」とテックジャーナリストのKara Swisher(カラ・スウィッシャー)氏はTwitterへの投稿に書いた。

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画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(翻訳:Mizoguchi

グーグルとSnapがインドの都市部以外でも人気のSNS「ShareChat」への投資を協議中

2019年にTwitter(ツイッター)を投資家に加えた(未訳記事)インドのソーシャルネットワークShareChat(シェアチャット)が、間もなくさらに2つの米国企業から支援を受けるようだ。

バンガロールを拠点とするこのスタートアップは、ツイッターを含む複数の既存の投資家だけでなく、Google(グーグル)とSnap(スナップ)から資金を調達するための協議を進めている段階にあると、この件に詳しい3人の情報筋がTechCrunchに語った。

この新たなシリーズEの資金調達ラウンドは、2億ドル(約206億円)を超える規模になる予定で、グーグルだけでも1億ドル(約103億円)以上の資金になると、匿名の情報源はいう。また、そのうち2人によれば、このラウンドでShareChatの価値は10億ドル(約1031億円)以上になるという。

この件についてShareChat、グーグル、Snapはコメントを求めてもすぐに応じなかった。ShareChatはこれまでに約2億6400万ドル(約272億円)を調達しており、2020年は7億ドル(約722億円)近い評価を受けていた

ただし、この取引条件は変更される可能性があり、協議が投資に発展しない可能性があると、情報筋は注意もしている。地元のテレビチャンネルET Nowは2020年、グーグルがShareChatを買収するための協議に入ったと報じている。

ShareChatの社名を冠したアプリは、インドで使われている15の言語に対応しており、同国の小都市や町で多くのフォロワーを得ている。一方、ツイッターとSnapはこの世界第2位のインターネット市場で、都市部を超えてユーザーを獲得するのに苦労している。大手モバイル調査会社によると、ツイッターとSnapchatのインドにおける月間アクティブユーザー数は、両社ともに5000万人程だという。

2020年のTechCrunchによるインタビューで、ShareChatの共同創業者で最高経営責任者であるAnkush Sachdeva(アンクシュ・サクデバ)氏は、同社のアプリが「飛躍的に」成長しており、ユーザーは毎日平均30分以上このアプリを使っていると語った。

今回の資金調達が成立すれば、アプリ「Snapchat(スナップチャット)」の開発元であるSnapは、インドのスタートアップ企業に初めて投資することになる。一方、最近のグーグルはやりたい放題で、2020年12月はDailyHunt(デイリーハント)とInMobi(インモビ)グループに属するGlance(グランス)に投資。どちらもショートビデオアプリを運営している企業だ。

これら両社と同様、ShareChatもショートビデオアプリを運営している。「Moj(モジ)」と呼ばれるそのアプリは、2020年9月の時点で8000万人以上の月間アクティブユーザーを獲得したと、同社は当時語っていた。これらのショートビデオアプリのいくつかと、Times Internet(タイムズインターネット)傘下のMX Playerが運営する「MX TakaTak(MXタカタック)」は、ニューデリーが2020年半ばにByteDance(バイトダンス)のTikTok(ティックトック)や他の数百もの中国製アプリを禁止したこともあり、ここ半年程で加速的な成長を見せている。

グーグルは2020年、インドに5年から7年かけて100億ドル(約1兆310億円)を投資する計画を発表した。その数日後、同社はインドの通信大手Jio Platforms(ジオプラットフォームズ)に45億ドル(約4640億円)を投資。グーグルと、同年Jio Platformsに57億ドル(5878億円)を投資したFacebook(フェイスブック)は、同国で4億人以上のユーザーにリーチしている。

グーグル、フェイスブック、ShareChat、DailyHunt、Glanceは、収益のほとんどを広告で得ている。インドの広告市場の約85%は現在、フェイスブックとグーグルによって支配されている、とBank of America(バンク・オブ・アメリカ)のアナリストは、2020年の顧客向け報告書に記している。「私たちは、この市場が2024年までに100億ドルに上ると見積もっており、フェイスブックの市場シェアはJIOとの提携によって、4年間で4%増加すると見ています。フェイスブックは2024年までに47億ドル(約4847億円)の収益を上げる可能性があると推定されます」と、TechCrunchが入手したその株式調査報告書には書かれている。

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タグ:GoogleSnapShareChatSNSインド資金調達

画像クレジット:ShareChat

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Facebookが一度消えた「Instagram Lite」アプリをリニューアル、インドでテスト開始

Facebookが世界的にInstagram Liteアプリの提供を終了したのは数ヶ月前になるが、同社はこのライト版アプリを復活させる取り組みを続けている。

ソーシャルメディアのコングロマリットである同社は、 後々アプリの 「グローバル展開 」が起こる前に、新サービスについての 「貴重な洞察を得ること」を期待しているインド市場で、刷新されたInstagram Liteアプリをテストしていると水曜日に述べた。

リニューアルされたInstagram Liteアプリは、容量2MB未満ながらソーシャルサービスの「速く、確実で、反応性の良い」体験を提供するという。Androidアプリは、バングラ語,、グジャラート語、ヒンディー語、カンナダ語、マラヤーラム語、マラーティー語、パンジャブ語、タミル語とテルグ語に対応しているが、現在のところ、リール(Reels)やショッピング、IGTVを含むInstagramのコア機能をいくつか欠いている。

Facebookは今年初め、Instagram Liteの前バージョンを静かに終了している。7月に、Instagramのプロダクト担当副社長Vishal Shah(ヴィシャール・シャー)氏がTechCrunchに語ったところによると、同社はアプリ内のいくつかの問題を特定し、それらの解決に取り組んでいるとのことだった。9月には、Facebookはそれを認めなかったが、新しいLiteアプリが野放しになっているのが目撃された

ライト版アプリは、大多数のユーザーが高機能のスマートフォンや高速で安価なモバイルデータにアクセスできない新興市場で特に人気がある。TechCrunchの取材に答えた業界幹部がモバイルデータ分析企業のApp Annieから得たデータによると、例えば、Facebook Liteアプリは先月インドで約4000万人の月間アクティブユーザー、Messengerのライト版アプリは約1300万人の月間アクティブユーザーに達したという。(Instagramアプリのユーザー数は約1億6400万人だった。)

マーク・ザッカーバーグ氏やインド事業を担当する副社長Ajit Mohan(アジト・モーハン)氏を含むFacebookの幹部が揃って、世界第2位のインターネット市場のために同社が取り組んでいる他のプログラムの数々を概説した水曜日のイベント「Facebook Fuel for India」で、シャー氏は刷新されたInstagram Liteアプリについて発表した。

Instagramはまた、コンテンツ制作者が互いに協力し、マネタイズの機会を探り、理解・活用するため1年前に構築されたプログラム「Born on Instagram」の第2弾を発表した。

Instagram Liteのテストと次世代の「Born on Instagram」で、インドのより多くの人々のために表現と創造性を民主化することを目指しています」とシャー氏は述べた。

イベントでは、WhatsAppインド代表のAbhijit Bose(アビジット・ボーズ)氏が、同社は今月中に、インドのユーザーにミニ健康保険の提供を開始するよう取り組んでいると述べた。WhatsAppは7月、同メッセージングアプリの最大市場であるインドにおいて、今後1年半の間にクレジット、保険、年金サービスを試験的に開始する準備を進めていることを明らかにしていた

「WhatsAppは、すべての成人がモバイルデバイスを通じ、最も基本的で重要な金融・生活サービスにアクセスできるようにするため、いくつかのパイロット事業に積極的に取り組んできました。今年末までには、人々がWhatsAppを通じて手頃な小額の健康保険を購入できるようになることを期待しています」とボーズ氏は述べた。保険の補償のため、WhatsAppはSBI General社と提携し、年金分野では、HDFC Pensionと提携するという。

ユーザー数からするとインドを最大の市場と認識するFacebookは、また、数千万に及ぶ中小企業のオンラインプレゼンスを確立し、デジタル販売を支援するために、通信大手のJio Platformsと提携している。Facebookは今年、Jio Platformsに57億ドル(約5900億円)を投資し、Jio Platformsが提供するeコマースサービス「JioMart」をWhatsAppで利用できるようにするため協力している。同イベントでFacebookとRelianceの幹部は、いくつかの新機能がJioMartのWhatsAppチャンネルに「近日中に」登場する予定だとほのめかした。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Facebook Instagram SNS

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(翻訳:Nakazato)

Snapchatでツイートの直接共有可能に、Twitterは他SNSとの連携拡大に期待

Twitter(ツイッター)はSnapと連携し、ネイティブに統合してツイートをSnapchatで共有できるようにする。これにより両社は、ユーザーが単にスクリーンショットを共有するのではなく、もっとインタラクティブに埋め込むことを狙っている。

この機能は、ツイッターユーザーがスマートフォン上でSnapchatにもログインしていれば利用できるようになる。特定のツイートの共有ボタンをタップし、Snapchatのアイコンからコメントをつけるなどして、友人に送ったりストーリーで共有したりすることができる。この機能は公開アカウントのツイートでのみ動作し、非公開アカウントのツイートでは利用できない。

この機能は現在iOSで公開が始まっており、Androidでの統合は「今後まもなく」開始する。

画像クレジット:Snap

SnapchatやInstagram、Facebook(フェイスブック)、Redditのコンテンツの多くはツイッターに端を発していることを考えると、この機能が企業としてのツイッターのあり方に深く統合されるのは驚きだ。ツイートをウェブに埋め込む機能はこれまでもずっとあり、拡散したい人はツイートを自分のストーリーに埋め込むことができたが、ソーシャルメディアでの共有に関するツイッターの戦略は追跡も収益化もできないスクリーンショットに留まっていた。

今回の統合はツイッターにとっては手間のかからないプロダクト展開で、ツイッターユーザーでない人たちにも同社のコンテンツを直接楽しんでもらうことができるようになるだろう。ツイッターはこのようなことをマーケティングキャンペーンで何年も漠然とほのめかしていたが、ここにきて他社のプラットフォームと直接統合するアプローチを取り始めた。

最近ツイッターはストーリー機能であるフリートを公開したことで、これまでツイッターのプラットフォームを使ったことのない人をSnapから新たにユーザーとして迎え入れるために機能を増やすことができると気づいたようだ。

実際のところ、ソーシャルメディアのチャンネル間の統合はそれほど多くない。画面の録画やスクリーンショットは、あるプラットフォームのストーリーを他のプラットフォームに伝えようとすると不完全なものになってしまう。今回の統合は、SnapのSnap Kit APIとCreative Kitと呼ばれる機能のアップデートによって可能となった。SnapによればSpotify、Reddit、SoundCloud、Sendit、YOLO、GOATもそれぞれのアプリからコンテンツをSnapchatに共有できる統合機能をすでに開発したという。

ツイッターは将来的にこの機能を他のプラットフォームにも広げることについて否定しなかった。

ツイッターの広報はTechCrunchに対して「今回のSnapとの合意は、この機能に限定したものです。我々は他のプラットフォームとも連携して、ツイートをもっと幅広く共有できるようにしたいと考えています。我々はこれをきっかけとして多くの統合が実現するよう願っています」と述べた。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:TwitterSnapchatSNS

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Kaori Koyama)

TikTokがユーザープロフィール欄で寄付を募ることができる新機能をテスト中

TikTok(ティックトック)が新しい機能をテストしている。ユーザーが自身のTikTokプロフィールを通じて気にかけているチャリティーへの募金を集めることができるというものだ。テストグループのユーザーは「Edit Profile」をクリックすると新しいオプションを表示させることができる。このオプションでは、アメリカがん協会、アメリカ心臓協会、赤十字、アメリカ動物愛護協会、ブラックガールズコード、CDC財団といった厳選された組織やチャリティーのリストから選ぶことができる。

選択すると、ユーザーのプロフィールの略歴部分の下に赤い文字でチャリティーが掲載される。ビジターがその組織の名称をクリックすると、寄付ができるスクリーンに案内される。

この機能そのものは募金プラットフォームTiltify(ティルティフィー)で動いており、同プラットフォームが寄付の決済を処理する。

新しいオプションはソーシャルメディアコンサルタントのMatt Navarra(マット・ナヴァラ)氏が見つけた。同氏は米国時間11月10日に新機能のスクリーンショットをツイートした。スクリーンショットではユーザーがどのようにチャリティを加え、ビジターがいかに寄付を行うかが示されている。

このオプションは、TikTokのクリエイターが新型コロナウイルス救済基金を集められるようにした4月の募金機能立ち上げに続くものだ。

当時、募金はTikTokのビデオやライブストリームにユーザーが付けることができるインターラクティブな「寄付ステッカー」という方法でのみ利用できた。

寄付ステッカーがタップされると、タップした人はこらもTiltifyで作動する寄付ができるスクリーンに案内される。

健康機関やよく知られた非営利団体に加え、寄付ステッカー用に選べるチャリティのリストには新型コロナウイルスで活動停止を余儀なくされて打撃を受けた人たちも含まれる。例えば俳優やミュージシャン、教育者、レストラン従業員などだ。

新しいプロフィール機能でも寄付ステッカーに参加しているチャリティや非営利団体を選ぶことができる、とTikTokは説明した。

Facebook(フェイスブック)やTwitter(ツイッター)、Snapchat(スナップチャット)そしてTikTokと、多くのソーシャルメディアプラットフォームが2020年に新型コロナ基金にリソースや資金を提供した。

TikTokの場合、医療福祉などのフロントラインワーカー、教育者、新型コロナのパンデミックで影響を受けたコミュニティをサポートしようとさまざまなファンドを通じて2億5000万ドル(約264億円)を拠出した。また、追加で1億2500万ドル(約132億円)分の広告クレジットを公的健康機関や再建を目指す事業者に提供している。

TikTokは、略歴部分に非営利団体を加える新機能はまだテスト段階にあり、「TikTokコミュニティにとって気になる団体を支援するための別の方法」となることをTechCrunchに認めた。

新機能は、寄付ステッカーをすでに使っているかどうかは関係なくTikTokのTestFlightプログラムのテスターに直接提供されている。

同社はいつからこの機能の一般利用が可能になるのかは明らかにしなかった。

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画像クレジット:Lionel Bonaventure / AFP / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

ソーシャルメディアプラットフォームが映画「The Social Dilemma」を踏まえて行うべき3つの改革

著者紹介:Jason Morgese(ジェイソン・モルゲーゼ)氏は、広告のないデータストレージおよびソーシャルメディアを提供する初のハイブリッド企業、Leavemarkの創設者兼CEOである。

ーーー

「The Social Dilemma(監視資本主義:デジタル社会がもたらす光と影」は、世界中のNetflix(ネットフリックス)ファンの目を開き、彼らのデジタルライフを変えつつある。この映画の制作者たちは、ソーシャルメディアとその社会的影響を深く掘り下げ、ソーシャルメディアがメンタルヘルス、政治に与える影響や、企業がユーザーデータを活用する数限りない手法についていくつかの重要な問題点を提起している。映画には、業界幹部や開発者のインタビューが織り交ぜられ、プラットフォーム内で人々がより深いエンゲージメントを感じ、時間を費やすように、ソーシャルサイトが人間の心理をいかに操作し得るかについて彼らが語る様子が収められている。

ソーシャルメディアプラットフォームには歴然とした問題があるにもかかわらず、人々は依然としてデジタルな形で注目を得ることを切望している。対面での人とのつながりが不可能ではないものの限定されているパンデミック時には特にである。

では、どうすれば業界は良い方向へ向かって変革を起こすことができるだろうか。以下に、より幸せで健全な形で人々がつながり、ニュースを視聴することができるよう、ソーシャルメディアが採用すべき3つの方法を紹介する。

検閲の停止

FacebookやInstagramのようなプラットフォームのほとんどは、ユーザーに提示する情報の一部を会社が決定する。このやり方は、悪意のある者がプラットフォームを操作する契機を与え、またどの情報を表示し、どの情報を表示しないかを指示しているのは誰なのかという問題をも提起する。これらの決定の背後にはどういった動機があるのだろうか。いくつかのプラットフォームは、このプロセスにおける自分たちの役割について議論しており、Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は2019年に次のように語っている。「私は、人々がオンライン上で語っていることについて、Facebookがそれが事実かを判定する立場をとるべきではないと強く信じています」。

再構築されたタイプのソーシャルプラットフォームでは、検閲を行わないことが可能だ。例として、広告主に依存しないプラットフォームを考えてみよう。基本ユーザーは無料だがサブスクリプションモデルで収益化されているソーシャルプラットフォームの場合、情報収集アルゴリズムを使用して、どのニュースとコンテンツがユーザーに提供されているかを判断する必要はない。

この種のプラットフォームでは、ユーザーは広告主やランダムな第三者ではなく、既知の信頼できる人物からの情報しか見ないため、操作の標的にはならない。主要なソーシャルチャンネルを操作する手法として頻繁に使われるのが、ゾンビアカウントを作成して偽の 「いいね!」 や 「ビュー」 でコンテンツを溢れさせ、閲覧したコンテンツに影響を与えるやり方だ。これは、工作員がソーシャルメディアを使って虚偽の声明を拡散する選挙介入戦術としてよく知られている。この種の機能は、AIを使っていつ何を検閲し、拡散すべきかを決定するソーシャルアルゴリズムの根本的な欠陥である。

ユーザーを製品のように扱わない

「The Social Dilemma」で提起された問題により、ソーシャルプラットフォームがコンテンツとユーザーダイナミクスを自主規制し、倫理的に運営することの必要性が明確になるはずだ。彼らは、孤立や抑圧などの問題を引き起こす最も操作されやすい技術を見直し、代わりにコミュニティや進歩的な行動、肯定的な属性を促進する方法を模索するべきである。

これを実現するために必要な大きな変革として、プラットフォーム内の広告を排除または削減することが挙げられる。広告のないモデルの場合、プラットフォームが未承諾コンテンツを未承諾ソースから積極的に配信する必要はない。プラットフォーム運営が主に広告によって成り立っている場合、運営者はユーザーをプラットフォーム上に留まらせるためにあらゆる心理的手法およびアルゴリズムベースのトリックを使うことに強い関心を持つ。これはユーザーから利益を吸い上げる数字ゲームである。

より多くの人がサイト上でより多くの時間を費やすことは、すなわち広告を見、広告へ心理的関与が深まることと同義であり、これは収益を意味する。広告のないモデルなら、プラットフォームは、ユーザーの過去の行動に基づきユーザーから感情的な反応を引き出し、サイト内に留まらせ、中毒の度合いを深めようとしなくなるだろう。

クリックベイトを用いずにつながりを促進する

クリックベイトの典型例は、一般的なソーシャル検索ページでよく見られる。ユーザーが特定の種類のコンテンツを示唆する画像やプレビュービデオをクリックすると、関連性に乏しいコンテンツに移動してしまう。これは間違った情報を広めるのに使用可能な手法であり、ニュースを従来の報道機関ではなくソーシャルプラットフォームで視聴している人にとっては特に危険だ。Pew Research Centerによると、55%の成人がソーシャルメディアから 「頻繁に」 または 「時々」 ニュースを得ている。クリックベイト記事が偏向した「偽ニュース」情報を提供しやすくなると、これは重大な問題を引き起こす。

残念なことに、ユーザーがクリックベイトのコンテンツに関与してしまうと、実質上その情報を認め 「投票」 したことになる。この一見無害な行動は、クリックベイトが作成され拡散される金銭的な要因となっている。ソーシャルメディアプラットフォームは積極的にクリックベイトを禁止または制限すべきである。Facebookをはじめとする企業の経営陣は、クリックベイトの禁止に関し「言論の自由」を盾に反論することが多い。しかし、クリックベイトを禁止する目的は、論争の的となる話題を阻止する検閲としてではなく、誤ったコンテンツからユーザーを保護することだと考えるべきだ。それは信頼を培い情報共有を促すことであり、これは投稿内容が事実に裏打ちされているものであれば達成しやすい。

「The Social Dilemma」が、ソーシャルメディアとソーシャルプラットフォームが日常生活の中で果たす役割について活発な対話を促す、意義のある映画であることは間違いない。この業界は、人間の心理を食い物にすることなく、人と人がつながるより魅力的な本物の空間を作るために、変わる必要がある。

難しい注文だが、長期的にはユーザーとプラットフォーム双方に利益をもたらすだろう。ソーシャルメディアは今なお重要なデジタルを介したつながりを生み出し、前向きな変化と議論を促進する役割を果たしている。今こそプラットフォームがこれらの変革の必要性に注目し、責任を持つべき時である。従来とは異なる、操作される可能性の低いアプローチを取る、より規模の小さな新興プラットフォームにはチャンスが生じるだろう。

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(翻訳:Dragonfly)

ビッグテック公聴会で俎上にのるのは通信品位法第230条

またビッグテックCEOたちの重要な公聴会が開かれるようだ。

米国上院通商委員会は、米国時間9月29日、Twitter(ツイッター)のJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏、Facebook(フェイスブック)のMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏、 Alphabet(アルファベット)のCEOであるSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏の召喚計画を進めることを決議した(Reuters記事)。ソーシャルメディアの最高責任者を召喚するというこの異例の決定には、米国の近代史上最も物議をかもしている選挙を目前に控える時期に、また1つ政治的に不安定なイベントを追加した。

この公聴会の目玉は、利用者が制作したコンテンツに責任を負わずに済むようオンライン・プラットフォームを保護する極めて重要な法律Communications Decency Act(通信品位法)第230条(EFF記事)だ。

この問題を知らない人にはつまらない話に聞こえるだろうが、この法律は、政治的にもテック産業の観点からも、爆発的な影響力を有する。法的保護の小さな変更にも見えるこの問題が、今後に大きな動揺を与える恐れ(未訳記事)がある。

同委員会の議長Roger Wicker(ロジャー・ウィッカー)氏は、米国人が「これらの企業のトップからそのコンテンツのモデレーション業務に関して十分な説明を受ける」ためには、この公聴会の開催が「必須」だと訴える。

驚くべきことに、これらのCEOの召喚は全員一致で採択された。当初は反対していた民主党の重鎮Maria Cantwell(マリア・キャントウェル)氏も、ビッグテック企業の召喚に賛成票を投じている。

キャントウェル氏は当初(The Hill記事)、召喚状を発行する考えについて、プラットフォームから偽情報と嫌がらせを排除する各企業の「努力を萎縮させる」ものとして「異常」な措置と断じていた。

上院通称委員会には、共和党からはウィッカー氏の他、Ted Cruz(テッド・クルーズ)氏、John Thune(ジョン・スーン)氏、Rick Scott(リック・スコット)氏が参加している。民主党議員からは、キャントウェル氏をはじめ、Amy Klobuchar(エイミー・クロブシャー)氏、Brian Schatz(ブライアン・シャーツ)氏、Kyrsten Sinema(キルステン・シネマ)氏が加わっている。

第230条はどうなるのか?

第230条は一般に、FacebookのアカウントやコメントからYelp(イェルプ)やAmazon(アマゾン)のレビューに至るまで、ソーシャルなインターネットを可能にする法的基盤だと考えられている。短い条文(EFF記事)だが、2020年になってから、ビッグテック企業の勢力抑制に(少なくとも抑制するとの脅しのために)政治家たちがこれを利用しようと飛びつき、論争の的になってきた。

共和党は、反保守への偏向(フェイスブックなどのプラットフォームに遍在する右傾コンテンツ(Twitter投稿)が日常的に繰り返している右派の決まり文句)を黙認しているソーシャルメディア企業を懲らしめる手段として第230条の廃止を目指している。

注目すべきは、トランプ大統領と司法長官のWilliam Barr(ウィリアム・バー)氏が第230条の攻撃に特に熱心な点だ。2020年の初め、トランプ大統領は自らの偽情報を弁護しようと、この条項を危険にさらす大統領令を発してTwitterに喧嘩を売った(未訳記事)。この大統領令にはほとんど効力はないものの、トランプの第230条への執着には、バー氏の司法省と議会の共和党議員を熱烈な追随を促す意図があった。さらに大統領令は、FCC(米連邦通信委員会)も丸め込んだ

2020年6月、米司法省は同条項の効力を弱めようと「具体的な修正案」の原案を打ち出し、これはプラットフォームから児童虐待などの「違法コンテンツ」を排除する取り組みだと主張した。2020年10月に、バー長官はこの提案を含む法案を議会に提出(CNBC記事)している。

民主党も最近まで第230条追究の考えを温めてきた(未訳記事)が、理由は異なる(Bloomberg記事)。右派の不満はもっぱら政治による検閲にあるが、民主党議員は第230条を、ソーシャルプラットフォームでいまも盛んにはびこる偽情報や有害コンテンツに対する責任をプラットフォームに持たせるための手段として期待している。

第230条に狙いを定めた法案

共和党のLindsey Graham(リンゼイ・グラハム)上院議員が提出したEARN IT法案が、おそらく第230条を標的にした法案の中で最も有名なものだろう。この法案をトーンダウンさせたもの(The Verge記事)が委員会に提出(司法委員会サイト)されたが、上院本会議にはまだかけられていない。

2020年6月、ともに召喚状を発行する通商委員会のメンバー、ジョン・スーン氏とブライアン・シャーツ氏の両上院議員は、PACT法案として知られる(未訳記事)2党合同の第230条修正案を提出した。おもにモデレーションの透明化に重点を置いている。

事態をさらに複雑にしているのが、もうひとつのグラハム氏が提出した第230条に関する法案(上院委員会サイト)だ。これは今月、トランプが共和党に「今すぐ第230条を廃止しろ」と命じた数時間後(Politico記事)に提出された。こちらについては2党合同ではない。

次なる注目のビッグテック公聴会で何が起きようが、またこれら第230条関連の法案がどう動こうが、まだ明確な内容は見えないものの、ビッグテック企業に与えられた決定的な法的保護を、両党ともがなんとかしたいと躍起になっていることは確かだ。

ハッキリしているのは、このような基本法をいじくれば、今私たちが慣れ親しんでいるインターネットに連鎖的な大影響がもたらされるということだ。仮に修正するにしても、軽々に取り扱うべきではない。

関連記事:米連邦通信委員会がSNSのコンテンツ免責をうたう第230条へのトランプ大統領の攻撃について市民にコメントを求める

カテゴリー:ネットサービス
タグ:通信品位法第230条ドナルド・トランプSNS

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

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(翻訳:金井哲夫)

Facebookが陰謀論の隠れみのとして使われるQAnon懸念でハッシュタグ「save our children」の使用を制限

Facebook(フェイスブック)は米国時間10月30日、ハッシュタグ「save our children(セーブ・アワー・チルドレン)」の使用を制限することを認めた。ここ数カ月、このフレーズはそれに近いものも含め、QAnon(Qアノン)につながるものになっていた。こうしたフレーズは人気のオンライン陰謀論の隠みのとして使われていた。

フェイスブックの広報担当は、子供の安全リソースはQAnonとつながりがあるかもしれないものよりも検索で優先されると述べ、ハッシュタグ使用制限の動きを認めた。

「今週初め、当社はページ、イベント、グループ上でQAnonに対しルールを適用することにしました」と広報担当はTechCrunchに語った。「本日(10月30日)から当社はハッシュタグ『save our children』の使用を制限します。このハッシュタグのコンテンツはQAnonとつながっていることを確認しました。このハッシュタグを検索すると、信頼できる子供の安全についてのリソースが表示されるようになっています」

フェイスブックはようやく、フェイスブックとInstagram(インスタグラム)上のQAnonコンテンツを禁止することで危険な陰謀論を削除するための行動を起こした。フェイスブックは以前、「潜在的な暴力について話し合った」QAnonのグループに対する禁止措置を発表したが、陰謀説がいかに普通のユーザーを引き込んで急進化するかを明確に理解し、禁止措置を拡大した。この措置は実際、これまでのところうまくいっていて、QAnon関連の投稿やアカウントが発見されたり広まったりするのをこれまでよりずっと難しくしている。

フェイスブックは今夏、「SaveTheChildren」のようなQAnon関連のハッシュタグの取り締まりを開始した。これまでのところ一時的にハッシュタグを阻止している。SaveTheChildrenという言葉は1世紀近く非営利の青年団体に関連するものだった。「低品質のコンテンツを表示するため、当社は一時的にこのハッシュタグを禁止しました」とフェイスブックは当時、報道機関に述べた。「その後ハッシュタグは復活しましたが、当社は引き続きコミュニティ基準を満たさないコンテンツの監視を続けます」。

ただし、そうした動きの前に、SaveTheChildrenの動きはすでにソーシャルメディアの域を出て実生活に入り込んだ。米国中や世界の一部で多くの参加者を得て集会が行われていた。主催者は、ハリウッドのエリートの人々の小児性愛からNetflixの映画「Cuties」に対する怒りまで、子供の搾取に反対すると偽った。

2020年8月に米国拠点のSave the Children Federationはそうしたトレンドとは関係がないことを明確にする声明を出した。「ハッシュタグにある我々の名称は異常に多く使用されていて、我々の支援者や社会を混乱せています」と同組織は書いている。「米国ではSave the Childrenは登録した商標『Save the Children』の唯一のオーナーです。我々組織の名称を異なる問題で主張するのにハッシュタグとして使用する人がいますが、我々はそうしたキャンペーンとは一切関係がありません」。

フェイスブックのQAnonと「#SaveTheChildren」コンテンツの取り締まりは、危険な陰謀説グループが何年もの間フェイスブックプラットフォームで盛んに活動することを許してきた後でのものだ。トランプ大統領、そしてQAnonと親しい何人かの共和党政治家が陰謀論を盛り立ててきた一方で、主要なソーシャルネットワークは、QAnon支持者が曖昧で往々にして過激なメッセージ、いわゆる「Qドロップ」と呼ばれているものを米国の政治界の中心に持ち込むのを許してきた。

一部のユーザーは陰謀論コンテンツを不意に見つけるが、フェイスブックやYouTube(ユーチューブ)のようなプラットフォームのアルゴリズムによって表示されるレコメンデーションは、QAnonのような陰謀論のようなものからかなり過激な核となる概念へとユーザーを導くことで知られている。熱心なQAnon信者は現実世界での数多くの暴力行為と関係しており、ここには武装した人物によるフーバー・ダム占拠事件も含まれる。橋の占拠がテロ行為だとして有罪となったMatthew Wright(マシュー・ライト)容疑者はビデオの中で、政敵を逮捕できずQAnon信者を落胆させたトランプ大統領の失敗に影響を受けたと説明した。2019年には29歳のQAnon信者が、QAnonフォロワーがしばしば夢中になっている「ディープ・ステート」の一味だと信じ込んだ人物を銃殺した。

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:FacebookSNSQAnon

画像クレジット:Photo by Stephanie Keith/Getty Images) / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

Facebook Groupsに新機能、ディスカッションの管理や公開コンテンツの表示が可能に

Facebook(フェイスブック)はFacebook Groups(フェイスブックグループ、以下Facebookグループ)向けの一連の新機能を導入する。Facebookグループは現在、毎月18億人以上が利用するプライベートソーシャルネットワーキングプロダクトだ。フェイスブックは今日、オンライン開催されたFacebook Communities Summit(フェイスブック・コミュニティ・サミット)で、近日公開される予定のグループ管理者向けツールについて詳しく説明した。

これらのツールは、コミュニティの運営、選別、管理の改善に役立つように設計されている。加えて、チャット、会話を促進するための「Prompts(プロンプト)」、Q&Aなど、活発な議論を促すための新機能についても説明が行われた。特に注目を集めたのは、公開グループのディスカッションをグループメンバー以外のユーザーに向けて、Facebook内だけでなく外部でも(ウェブ検索を通じて)表示する新機能のテストをまもなく開始する、という発表だった。

この発表は、有害コンテンツや誤情報を広めようする人々によるFacebookグループの利用拡大が大きく報道されている中で行われた。例えば、フェイスブックは今週、先月だけで6500を超える極右のグループとページを削除したと発表している。Facebookグループは、健康に関する誤った情報、反科学運動、根拠のない陰謀説など、さまざまな危険コンテンツの温床にもなっている。陰謀説はユーザーを洗脳して、インターネット上には隠された秘密の信号があり、それにより自分たちだけが別の現実を見ることができる、と信じさせる。

ただし、今日発表されたFacebookグループ用の一連の新機能は、必ずしもこのような問題の解決に焦点を合わせているわけではない。それよりも、全般的にグループの管理と利用をさらに容易にすることを主な目的としている。しかし、グループディスカッションを見つけられる場所に関する今後のテストは、広範囲に影響を及ぼす可能性がある。

まず、新しい「管理者サポート」ツールは、特定のキーワードが含まれる投稿を自動的に拒否することにより、Facebookグループの管理者が投稿をより適切に管理するのに役立つ。

Image Credits: Facebook

このツールを使うと、汚い言葉などの特定の不適切なコンテンツを除外できるだけでなく、トピックから外れた投稿、QAnon(キューアノン)などの危険な動きに関連する言葉やハッシュタグを使用した投稿、またはFacebookグループを利用して宣伝を試みる投稿などを却下できる。

例えば、多くのコミュニティには、 Amway(アムウェイ)、Herbalife(ハーバライフ)、Young Living(ヤングリヴィング)、doTERRA(ドテラ)、Avon(エイボン)などのマルチ商法企業(MLM)からの投稿を禁止するポリシーがあるが、これまでは、「メンバーの投稿をすべて承認」をオンにして管理者が投稿の承認・却下を決められるようにする以外に、このような広告の表示を自動的にブロックする方法はなかった。

Image Credits: Facebook

このツールを使うと、汚い言葉などの特定の不適切なコンテンツを除外できるだけでなく、トピックから外れた投稿、QAnon(キューアノン)などの危険な動きに関連する言葉やハッシュタグを使用した投稿、またはFacebookグループを利用して宣伝を試みる投稿などを却下できる。

例えば、多くのコミュニティには、 Amway(アムウェイ)、Herbalife(ハーバライフ)、Young Living(ヤングリヴィング)、doTERRA(ドテラ)、Avon(エイボン)などのマルチ商法企業(MLM)からの投稿を禁止するポリシーがあるが、これまでは、「メンバーの投稿をすべて承認」をオンにして管理者が投稿の承認・却下を決められるようにする以外に、このような広告の表示を自動的にブロックする方法はなかった。

Image Credits: Facebook

Facebookグループの管理者は、Brand Collabs Manager(ブランドコラボマネージャ)を使用して、グループのユーザーに自分たちの商品やサービスを宣伝したいと考えているブランドと直接連携することにより、大規模な公開グループを収益化することもできる。

これまでブランドは、フォロワーを持つ個々のインフルエンサーとコラボレーションする傾向があったが、今では代わりに、インフルエンサーとしての力を持つグループと連携できる。

Image Credits: Facebook

フェイスブックは最後に、Facebookグループのコミュニティを構築、拡大、サポートする方法を理解していることを示す「コミュニティ管理」の認定資格を取得できるカリキュラムと試験を導入することを発表した。

他にも、ユーザーがコミュニティでのやりとりをさらに楽しめるようにする変更がFacebookグループに加えられる予定だ。

その1つに、他のグループのユーザーと会話をするために、グループでリアルタイムのチャットを使えるという新機能がある。

Image Credits: Facebook

新しいタイプのコラボ投稿、「プロンプト」は、写真を使って会話を盛り上げる機能だ。これはさまざまなグループですでに発生しているトレンドを取り入れたもので、管理者は、例えばお気に入りのミーム、ペットの写真、自撮り写真、カメラロールの最後の写真などをユーザーに共有してもらうことで、ディスカッションを促進する。

しかし、この新しいフォーマットでは、上記のようなアクティビティがまとめて生成されるので、みんなが自分の反応を投稿しやすくなり、他の人がシェアした画像をスワイプ操作で見られるようになる。

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同様に、管理者は従来のスレッド化されたコメント形式を利用せず、コミュニティメンバーが気軽に参加できる新しいQ&Aセッションを利用してディスカッションを促進できる。

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さらに、グループメンバーは、参加するグループごとにプロフィール写真をカスタマイズすることが可能になる。これができると、例えば大規模な公開コミュニティへの投稿時などにユーザーの安心感が増すだろう。または、ペットコミュニティでは自分が飼っている犬の写真を使う、オンラインブッククラブではお気に入りの本の写真を使う、というように単純にいろいろなプロフィールを楽しむこともできる。

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フェイスブックは、これらの変更に関連して、公開グループで行われている会話を見つけるための方法についてテストを開始するという発表も行った。

このテストでは、誰かがFacebookにリンクを投稿したときや、投稿を再度シェアしたときに、ニュースフィードに「Related Discussions(関連するディスカッション)」と呼ばれるものが表示されるようになる。これにより、ユーザーは、同じコンテンツに関する他の公開グループのやりとりを見られるようになる。さらに思い切った変更として、フェイスブックは、ユーザーが「ウェブで検索している」ときにこれらの会話を目にする可能性が高まるよう、ディスカッションを検索エンジンの対象にする、と述べている。

Image Credits: Facebook

フェイスブックによれば、この機能によって「さまざまなバックグラウンドや経験」を持つ他のユーザーからの「興味のあるトピックに関する多様な視点」に目を向けられるよう、ユーザーを助けることができるという。今回の変更はまるで、自分たちが作り出したフィルターバブルならぬFacebookバブルからユーザーを解放しようとする試みである、とほのめかしているようだ。

ただし、この機能はまだ提供が開始されていないため、フェイスブックがこの点に関してどこまで進めるかは不明だ。それに、例えば「ビッグチーム」に関する投稿に他チームのファングループからの関連ディスカッションも含まれる、といった場合のように、相反するコンテンツに対して表示されることにユーザーがどのように反応するかも、まだわかっていない。また、政治など、論争を引き起こしやすいディスカッションにこの機能が利用された場合は、さらに懸念すべき状況になる可能性がある。

Image Credits: Facebook

さらに、グループが外部からの参加を許可している場合、Facebookがグループ外のユーザーを現在行われている会話に招待できるようになる。

フェイスブックによると、この機能は「これから数か月」かけて米国でテストされる。その間、管理者は、自分のグループを公開グループに関する新しいエクスペリエンスに参加させるかどうかを選択でき、参加する場合は投稿承認をオンにできる。この機能は来年、米国以外の国々でも展開される予定だ。

サードパーティーのチェッカーによって虚偽と判断されたものはすべて、関連するディスカッションや投稿をユーザーに対して表示するその他の機能において表示される資格を失う、とフェイスブックは付け加えた。さらにフェイスブックは、同社のルールに違反するものがあった場合、完全に削除されるだろうと述べている。もちろん、このようなガイドラインは現在でも存在するが、それでも誤った情報は広がり続けており、Facebookプラットフォーム全体で事実確認が行われないままになっている。その原因は、特に、広告を優先してモデレーションは外部委託するという収益モデルに基づいてビジネス全体が構築されている場合、Facebookのような規模でガイドラインを実施することが極めて難しいことにある。

今日発表されたその他の機能も、数か月後には提供が開始される予定だ。

関連記事:Facebook MessengerでInstagramユーザーにメッセージが送れる、次期アップデートでクロスアプリ通信機能など追加

カテゴリー:ネットサービス

タグ:Facebook SNS

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(翻訳:Dragonfly)

LinkedInが大規模なデザイン更新の一環として、ストーリーズ機能の開始に加え、Zoom、BlueJeans、Teamsビデオの統合を発表

世界中がCOVID-19による影響に苦しむ中、求人市場は依然として低迷が続いているが、求人活動を中心に人気のある事業を築いてきた企業が、求人市場の回復を待ちつつ、デザイン変更を実施し、他の形での利用拡大に取り組んでいる。

Microsoftが所有するLinkedInは、職業人がネットワークを構築し仕事を探すサイトであり、現在7億600万人の登録ユーザーを擁する。同サイトは現在4年ぶりに、デスクトップおよびモバイルアプリのデザイン変更を発表した。

この中で、LinkedInは7つの機能を導入している。まず最も重要なのが、独自のストーリーズ機能の導入である。これはまず、米国とカナダで展開し、その後全世界で展開する予定だ。ストーリーズはビデオや写真からなる人気のコンテンツで、Snapchat、Instagram、Facebookで利用者を動員している主要機能である。またビデオチャットなど複数の新たな機能を通し、ダイレクトメッセージングサービスのアップデートも行われる。また、より広いパラメーターで検索ができるよう検索機能が再構築されている。

LinkedInユーザー層へのメッセージは、「LinkedInは他の方法でもお役に立てるツールです」である。

LinkedInは確かに、それまでの常識では考えられない状況に陥った過去8ヶ月間、人々をつなぐ手助けをする独自の視点から、自らとその作業ツールを人々の役に立つものにする方法について可能性を探ってきた。しかし、求人ネットワークとしての主要機能が十分活用されていない現状では必ずしも迅速に行動できているとは限らず、批判にさらされてきた

本日発表になったニュースはこの試みの終了を示すものではない。実際LinkedInは、求人情報の掲載が鈍化したとしても、状況が回復する中で今後も採用ツールとして頼りになる存在でありたいと強く願っている一方で、 同社の他の目的を示すものでもある。

「この取り組みはCOVIDと共に始まったわけではありません。当社は、過去数年にわたり当社プラットホームのソーシャルネットワークと会話機能を前面に押し出すことで、多様化を図ってきました」とLinkedInの製品事業部長であるKiran Prasad(カイラン・プラサド)氏はインタビューで語った。

ストーリーズ機能は、近年のソーシャルメディア全般における最も注目すべき進歩のひとつであるため、LinkedInが時流に乗ってストーリーズ機能を展開するのも驚きではない。はっきりさせておくと、これは数年前にLinkedInが大学生向けにLinkedInの信頼性と存在感を高めるために取り組んでいたストーリーズ機能とは全く異なるもので、ストーリーズ機能がより広い市場で進化し、若年層のスナップチャットユーザーだけでなく多くの人々に利用されるようになったのと同様、あらゆるユーザーを対象としたものだ。

LinkedInは、この新たなバージョンを、過去3か月にわたり、ブラジル、オランダ、アラブ首長国連邦、オーストラリア、フランスなど数多くの国で検証してきた。そして同社はこの期間に何百万ものストーリーズが何十万ものやり取りを通じて共有されたと述べた。

ご想像の通り、内容は仕事よりのインフルエンサーがLinkedIn利用者に語りかけるタイプ、つまり、LinkedInが今まで扱ってきたコンテンツのビデオ版でだが、より魅力的かつ画像が先行する形式のものが多い。プラサド氏は今の所、広告は関与していないと述べたが、最終的には有料コンテンツを導入する計画だ。LinkedInのビジネスモデルでは、プレミアムサブスクリプションとならび、採用情報が広告とともに掲載される形もとっているため、これは理に適っている。

一方、メッセージング機能は、コネクションと将来のコンタクトとの間でよりプライベートな会話を交わすことを可能にする機能で、LinkedInでは人気のあるサービスの1つである。LinkedInは利用数を公開していないが、送信されたメッセージ数が昨年比で25%増加したとのことである。

これもLinkedInがビデオに転換することで促進したいと考えている機能である。このため、LinkedInはビデオチャットのためにZoom、BlueJeans[免責事項:TechCrunchをも所有するVerizonが所有]、およびMicrosoft Teamsと統合することを発表している。

FacebookのWorkplaceがその統合で行ったように、LinkedInがすでに他所で人気を博しているツールを取り込んでMicrosoftのエコシステムの外へと発展するのは喜ばしいことである。ただ筆者はLinkedInがそのメッセージングサービスにビデオチャット機能を導入するのに、ここまで時間がかかったことにかなり驚いている。しかし、それでも機能が無いよりはましである。

またLinkedInは、メッセージをリコール、削除、編集できる機能も導入した(Twitterさん、聞こえていますか?)。また、絵文字(Slackやその他のコラボレーションツール、およびスマートフォンキーボードに採用されているため、ビジネスコミュニケーションですでに広く使用されている)による応答や、扇情的コンテンツや嫌がらせコンテンツにフラッグを立てるツールも導入している。

最後に検索機能のアップデートであるが、これはLinkedInが、そのプラットホーム全体でのユーザーによる利用法を改善するために行っているもう一つの取り組みである。検索結果には現在、人や企業だけでなく、仕事、講座、イベント、その他のコンテンツが含まれ、「ユーザーが必要とするものを見つけやすくなり、また彼らがまだ存在を知らなかったLinkedInの他の側面を探索しやすくなります」と、新CEOであるRyan Roslansky(ライアン・ロスランスキー)氏は語った

キーワードが依然として最も重要な要素だが、仮に「Java」という単語を検索した場合、検索結果には、そのスキルを持った人だけでなく、仕事、講座、グループ、そしてそう、Javaを扱ったストーリーズが表示されるようになる。

一方、デザイン面の変更で大きな力が注がれているのが、「暖かさ」へのシフトである。これはLinkedInにはそぐわない言葉のように思えるし、また率直に言って職業人向けのソーシャルネットワーキングサイトがどれだけ暖かさを取り入れることができるか定かではないが、同社は冷たい「LinkedInブルー」の使用を控え、アクセシビリティを高めテキストを減らして画像を増やすために、より大きな文字を使うよう取り組んでいる。

私たちは依然として知識経済の中にいるのかもしれない。しかしLinkedInの新たなアプローチは、それを思い起こさせる意図を持つようには見えにくい。実際、私たちの多くにとって仕事と家庭生活が1つのものになるに連れ、LinkedInもその隔たりを乗り越えようとしているのだ。

関連記事:ScribdがLinkedInからプレゼンテーション共有サービスSlideShareを買収

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(翻訳:Dragonfly)

Twitterが支援するインドのソーシャルネットワークShareChatが4000万ドルを調達

英語ではない言語でのサービス提供に特化したインドのソーシャルネットワーク、ShareChat(シェアチャット)は木曜日、複数の投資家から4000万ドル(約42億円)を調達したと発表した。同社はここ数か月間で数千万人の新規ユーザーを獲得している。

バンガロールを拠点とする創業5年の同スタートアップによると、大手二輪車メーカーHero MotoCorp(ヒーローモトコープ)の最高経営責任者兼会長であるPawan Munjal(パワン・ムンジャル)博士、化学製造会社のDCM Shriram(DCMシュリラム)の会長であるAjay Shridhar Shriram(アジャイ・シュリダー・シュリラム)氏、既存の投資家であるTwitter(ツイッター)の他、SAIF Partners(SAIFパートナーズ)、Lightspeed Ventures(ライトスピードベンチャーズ)、India Quotient(インディアクオティエント)が新たなラウンドに資金を提供したとのことだ。

ShareChatの共同創業者であり最高経営責任者であるAnkush Sachdeva(アンクシュ・サクデバ)氏はこの新しい資金調達ラウンドは「プレシリーズE」であるとTechCrunchのインタビューで話している。TechCrunchの理解では、ShareChatは今後数か月で1億ドル(約105億円)以上の資金調達を目指すべく、現在複数の大手VCファンドや巨大企業と交渉している最中である。同社はこれまでに約2億6400万ドル(約278億円)を調達済みだ。

今回得た新しい資本金は、ShareChatがプラットフォーム上のクリエイターをより万全にサポートするために使用される予定だとサクデバ氏は述べている。同社は当時インドに約2億人のユーザーを擁していたTikTok(ティックトック)をインド政府が禁止した数日後の7月初旬、ショートビデオアプリMoj(モジ)をローンチしている。

インドでTikTokが禁止となった数週間後には数多くのスタートアップが国内でショートビデオアプリを立ち上げている。DailyHunt(デイリーハント)はJosh(ジョシュ)を、Times Internet(タイムズインターネット)のMX Player(MXプレーヤー)はTakaTak(タカタック)を発表した。しかしショートビデオアプリの中ではMojが明らかに優位性を確立している。

ShareChatによるとMojは月間8000万人以上のアクティブユーザーを獲得しており、ユーザーはプラットフォーム上で毎日約34分を費やしているとのことだ。

インドに存在する15の言語でサービスを提供するShareChatの看板商品であり、その名を冠したアプリそのものも「飛躍的な」成長を遂げている。月間アクティブユーザー数は現在1億6000万人。昨年同期の6000万人からはるかに増加している。同社によるとユーザーは平均して毎日約31分をアプリに費やしているという。

「ShareChatは今年驚異的な成長を遂げました」とサクデバ氏。ソーシャルメディア分野におけるShareChatの成長はインドのスタートアップエコシステムにとっては珍しいサクセスストーリーだ。

India Quotientのパートナーであり、ShareChatの初期からの支援者の一人であるMadhukar Sinha(マダカー・シンハ)氏は、「2015年にShareChatが不可能に挑戦していなければ、インドで独自のソーシャルメディアプラットフォームを成功させることができるとは誰も夢にも思わなかったでしょう。ShareChatの成功はインドのスタートアップ業界に大きな希望を与え、インドのインターネットエコシステムに大胆な動きをもたらそうとする起業家たちの意欲をかき立てくれました」と述べた。

またShareChatは今週はじめ、従業員株式所有制度(ESOP)に1400万ドル(約15億円)を追加し、合計額が3500万ドル(約36億9000万円)に達したと発表。これはインドのスタートアップではあまり見られない取り組みである。

ShareChatのような規模のスタートアップにとって、従業員が大切にされていると感じられる環境は非常に重要だとサクデバ氏は考えており、「弊社最大の競合相手は米国と北京のグローバルな同業他社です」と述べている。

サクデバ氏によると、今回の新たな資本金はAI機能へのさらなる投資や新製品の構築、音楽レーベルとのより深いパートナーシップの確立のためなどに活用されるとのことだ。TechCrunchが今年初め、ShareChatが人知れず「Jeet11(ジート11)」というファンタジースポーツアプリを立ち上げたと報じたのを覚えているだろうか。

サクデバ氏によるとJeet11は好評を得ており、ファンタジースポーツやショートビデオアプリ分野への進出が同社のスピーディな動きを体現していると述べている。

また、ShareChatはマネタイズの手段を固めるために広告主との連携も進めていると同氏。「各ブランドにとっては、ユーザーと非常に強く関わることができるという事実が大きなメリットとなるでしょう」。

まだ計画は初期段階ではあるものの、同社はインド国外への進出も考えているようだ。今日のShareChatのユーザーの何パーセントかはすでにインド以外の国に住んでおり、同アプリは国外に住むインド人ユーザーも惹きつけていると同氏は述べている。

「驚くことに初代バージョンのShareChatは、当初ビーンバッグチェアの上でレッドブルを飲みながらたった数日の間に制作されたものでした。そして5年後にはMojでも同じことが起きました。Mojの新時代が始まるにあたり、私たちは再びこのチームをしっかりとサポートしていきたいと思っています。Mojがインド全土、そして今後数年でインドを超えて成功すると信じています」とIndia Quotientのシンハ氏は言う。

  1. インスタグラムはインドでの月間アクティブユーザー数が約1億5000万人に達しているが、アプリのユーザーベースの半数以上がReels(リールズ)を使用しているかどうかは不明だ。
  2. 業界のプレイヤーの多くは、自社のアプリやポートフォリオのスタートアップのアプリ、競合他社のアプリのパフォーマンスを追跡するために、モバイルインサイト企業のAppAnnie(アップアニー)やSensor Tower(センサータワー)を使用している。我々もAppAnnieとSensor Towerのデータを頻繁に引用している。

AppAnnieによると、ShareChatは先月インドでの月間アクティブユーザー数が2000万人を切っている。TechCrunchが取材したスタートアップの創業者やテック企業の幹部らは、AppAnnieのデータは通常非常に信頼性が高いと太鼓判を押している。企業が公開している数字のほとんどはAppAnnieのダッシュボードに表示されているものと一致していると言ってほぼ間違いない。

しかし、多くのスタートアップの創業者から聞いたもう一つの点として、AppAnnieのデータからはしばしば小規模な都市や町において、かなりの割合のユーザーベースが抜けているという点がある。これがShareChatのケースに言えることだろう。

著者はサクデバ氏にこれに関して聞いてみたが、ShareChatをはじめとするインドの小さな都市で人気のあるアプリの多くは、AppAnnieのSDKをアプリに統合していないとのことだ。AppAnnieは開発者らがSDKをアプリに統合することにより、そのアプリやモバイル機器にインストールされている他のアプリのパフォーマンスを評価できるようにする仕組みである。

インドの小さな都市や村のユーザーにも人気があり、インドでは4億人以上のユーザーがいると謳うWhatsApp(ワッツアップ)の主張と反し、AppAnnieがWhatsAppのユーザー数を約3億3000万人と推定している理由はまさにこれなのだろう。

ShareChatが公式に公開している数字と、最も信頼性が高く広く利用されているサードパーティ企業が提供している数字との対比があまりにも大きいため、これについて言及すべきと考えたまでだ(ある業界幹部がAppAnnieの数字をTechCrunchにシェアしてくれた)。

関連記事:TikTok似のインスタReelsで最大30秒のビデオを撮れるように、編集ツールも追加

カテゴリー:ネットサービス

タグ:インド SNS

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(翻訳:Dragonfly)

TikTok似のインスタReelsで最大30秒のビデオを撮れるように、編集ツールも追加

Instagram(インスタグラム)は9月23日、TikTok(ティクトック)と競合するReels(リール)にいくつかの変更を加えた。初期レビューでデザインが批判され、またさほど人気を集めていないことが報道で指摘されたことを受けてのものだ。同社は、フロントのいくつかの点でユーザーからのフィードバックに応え、これまでよりも長いビデオを制作したりタイマーを長めに設定したりできるようにし、加えてクリップの編集・削除が簡単にできるツールも追加した、と話している。

TikTokによってショートビデオは人気となった。TikTokでは15秒というのがデフォルト設定だが、最長1分のビデオ撮影も可能でこちらは人気のオプションだ。しかしReelsは15秒のみのサポートでローンチした。驚くことではないが、Reelsを試した初期ユーザーたちはTikTokのようにもっと長いビデオが撮れることを望んだ。

それでもInstagramは1分の撮影には対応しない。その代わり、最長30秒撮影できるようにする。これによりユーザーは長いTikTokビデオをInstagram上で再利用できず、Reels向けにオリジナルコンテンツを制作することを余儀なくされる。

画像クレジット:Instagram

Instagramはまた、タイマー設定を最大10秒にのばし、クリップのトリムや削除もできるようになったと説明する。

「フィードバックに基づいて今後もReelsを改善していく。こうしたアップデートで制作や編集がより簡単に行えるようになる。まだ言うのは早いが、多くのエンターテイメント性に富んだクリエイティブなコンテンツを目にしている」とInstagramのReels担当ディレクターTessa Lyons-Laing(テッサ・リオンズ-レイン)氏は述べた。

ビデオ撮影や編集プロセスの向上はやっかいな点を簡素化するのに役立つかもしれないが、根本的な問題は解決してはいない。

TikTokの使いやすさは、かなり洗練された音楽同期のショートビデオに見えるコンテンツを制作するのに編集に長けている必要がないという点にある。例えば、もしあなたが編集をすべてマニュアルで行いたくない場合、TikTokのサウンドシンク機能を使えばビデオクリップにシンクロナイズする音楽を自動的に探す。

Reelsでは、ぴったりくる音楽をビデオに盛り込んだり、編集に合う音楽をマッチングするプロセスで手作業が多くなる。つまり、テックにお任せするのではなく、ユーザーが自分でしなければならない。

画像クレジット:Instagram

TikTokのクローンになるという図々しい試みであるにもかかわらず、Reelsにはデュエットや「Family Pairingペアレンタルコントロール」といったTikTokにある他の機能が欠如している。また、プライベートでのビデオ共有の仕方などもわかりづらい。ReelsはStoriesにも投稿できるが、かなり迷いやすいデザインだ。

加えて、Reelsの統合によってInstagramアプリは巨大なものになった。TikTokは完全にソーシャルネットワークだが、ReelsはクリエイティブなエクスペリエンスをStories、Shopping、Live Video、IGTV、そして標準的な写真やビデオの公開といった多くの機能とともに小さな箱に押し込もうとしている。

とはいえ、Reelsは数多くの著名ユーザーをなんとか引き込んできた。クリエイティブなコンテンツの例として、Billy Porter(ビリー・ポーター)氏、Blair Imani(ブレア・イマニ)氏、Doug the Pug(パグ)、ウィリム王子・ケイト夫人、Eitan Bernath(アイタン・ベルナス)氏らのトップReelsを挙げている。

TikTokの米国での運命はまだはっきりしないが、それでも禁止された場合、InstagramがTikTokのユーザーを取り込めるかは現時点ではわからない。

Instagramは、30秒のReelsを制作するオプションは9月23日から展開が始まり、トリミングや編集の機能はすでに使える、と話している。タイマーの延長機能は今後数日かけて提供する。

新たに加わった機能はReelsが利用できる50カ国で使えるようになる。Reelsは新マーケットを拡大中で、そうしたところでも展開される。

画像クレジット:Instagram

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(翻訳:Mizoguchi

Twitterが米大統領選挙に関するニュースやお役立ち情報をまとめたハブを導入

Twitter(ツイッター)は米国時間9月15日、米国民が米国近代史上最も不確実な選挙に備えられるようにする一連のツールを導入し、選挙ハブをデビューさせた。

ツイッターはトレンドを紹介するタブやキュレートされた話題のリストがあるExploreメニューに新たに「US Elections(米国選挙)」タブを追加した。US Electionsタブは、厳選された英語とスペイン語の選挙ニュース、各州のリソース、候補者の情報などが集められた中心的なソースとなる。

ツイッターはまた、選挙に関連する重要な話題について有権者を啓発するために「public service announcements(公共サービスの案内、PSA)」というものも導入する。PSAは有権者登録にかかる情報、郵便投票の入手についてのインストラクション、そして新型コロナウイルスパンデミックがまだ米国中で猛威を振るう中で安全に投票するためのアドバイスなどを紹介する。

「ツイッターは、2020年米国大統領選挙の投票権を有するあらゆる人に投票を促したい。人々が有権者登録できるよう、そして期日前投票を含む新型コロナの中での選挙プロセスをより深く理解したり、投票の選択肢について情報をしっかりと得たりできるようにサポートすることに注力している」と同社の公共政策担当ディレクターであるBridget Coyne(ブリジット・コイン)氏とシニアプロダクトマネジャーのSam Toizer(サム・トイザー)氏はブログに記している。

同社は2020年大統領選挙についての誤情報やプラットフォームの不正操作をめぐる懸念を解決するために、早くから多くの取り組みを展開してきた。紆余曲折を経たFacebook(フェイスブック)と異なり、ツイッターは政治広告を受け付けない方針を2019年10月の段階で決定した(Daily Beast記事)。ツイッターはまた、選挙に関連する誤情報についても数カ月前から積極的に注意喚起を始めた。これは、トランプ大統領のようなたびたびプラットフォームの規則を破る有名な利用者を想定しての措置だ。

ツイッターはトランプ大統領との争いを2020年5月に勃発させた。有権者登録と郵送投票のセキュリティについて誤った主張を含んでいた大統領の2つのツイートに同社が「要事実確認」のラベルを付けたときだ。子供は新型コロナに「ほぼ免疫がある」という誤った主張を含むビデオを共有したとして、ツイッターは過去1カ月半トランプ陣営のツイッターアカウントを凍結し、投票を思い止まらせるような大統領によるツイートを閲覧できないようにし、そして国民に違法である2回投票を推奨した大統領の一連のツイートに制限をかけた

11月の選挙で起こるだろうと国民が予想していることに対応しようと、ツイッターは先週、候補者が時期尚早の勝利宣言を行った場合の問題を解決する誤情報に関するルールを拡大した。同じアップデートの中で、ツイッターは「平和的な政権移行や禅譲を妨げる不法な行為を扇動する」いかなるツイートに対しても対応措置を取ると明らかにした。

ツイッターは誤情報問題を多く抱えるが、大統領選に関してはすぐさまポリシーに変更を加えたり、必要に応じて選択に流動性を持たせたりと、実際の懸念に積極的に応える姿勢を見せている。2020年大統領選での最悪のシナリオを想定することで、ツイッターは少なくとも選挙をしっかりと見張るつもりだ。こうした激動の年においては未知のことがあるが、これで十分であることを祈ろう。

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カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ

タグ:Twitter アメリカ 政治・選挙 SNS

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(翻訳:Mizoguchi

恋人・友達探し、キャリア形成特化SNSのBumbleは「女性がいる限り存在する」とCEOが語る

恋人・友達探し、キャリア形成に特化したSNSを運営するBumble(バンブル)のCEOであるWhitney Wolfe Herd(ホイットニー・ウォルフ・ヘルド)氏は、真に時代を超越した企業を作りたいと考えている。

ウォルフ・ヘルド氏はTechCrunch Disrupt 2020のステージ上で「人と人とのつながりの必要性を破壊することはできません。そして、もう1つ邪魔することができないのは、女性が尊敬されていると感じ、平等であると感じ、安全で力を与えられていると感じることです。私たちは地球上に女性がいる限り、ビジネスを続けていけると信じています」と語った。

同氏の発言は、Bumbleの未開拓の市場機会について彼女が述べているより広範な点と、彼女が競合他社に対して会社をどのように位置づけているかを強調した。

「私たちは、この業界のほかの誰とも比較していませんし、率直に言ってただの出会い系サイトを競争相手としては見ていません」と同氏。「私たちは、私たちの生涯価値の機会が指数関数的であり、出会い系を超えて多くの深く根付いた方法で利用者ににサービスを提供できると心から信じています」続ける。

ウォルフ・ヘルド氏は、多忙な1年を過ごした。2019年後半に同氏は、創業パートナーであるAndrey Andreev(アンドレイ・アンドレエフ)氏から、より広範な出会い系アプリのスイートの運営を任された。ウォルフ・ヘルド氏は現在、Bumbleだけでなく、Badoo、Lumen、Chappyの出会い系アプリの責任者でもある。これらの出会い系アプリをもつBumbleは、アンドレエフ氏が投資ファンドのBlackstoneに株式を売却した後、30億ドル(約3170億円)の評価を受けていた。

今月初め、Bloombergは同社が2021年の株式公開を目指しており、60億ドル(約6340億円)以上の評価額を目標にしていると報じた。7月に米国のビジネス誌であるFast Companyは、Bumbleのユーザー数が現在1億人に達していると報じた。

ウォルフ・ヘルド氏は2020年により大きなチームを率いてきたが、新型コロナウイルスの感染蔓延は、デートの方法を大幅に複雑にし、ユーザーの習慣を複雑にし、変化する消費者の需要に応えるために、チームを新たなアップデートへと導いた。

これらの変更にもかかわらず「このアプリには新たな可能性がある」とウォルフ・ヘルド氏は語る。「人と人とのつながりや、新しい人との出会いの場を持つことへの需要の高まりと、孤独というほぼ二次的なパンデミックとの組み合わせにより、私たちは、この時期に非常に耐久性のあるビジネスを展開することができます」と同氏。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:TechCrunch Japan)

米国事業売却期限が迫るなかTikTokが欧州での月間アクティブユーザー1億人達成と発表

TikTok(ティクトック)は米国事業を売却するかもしれないし、しないかもしれない。中国企業の所有という形態が変わらなければ、米政府は国家安全保障の懸念から米国時間9月20日にTikTokを禁止するとしている。しかし米国の思い通りにいかないのは、TikTokは雑草のように他のマーケットでまだ成長を続けているということだ。同社は米国時間9月14日、欧州での月間アクティブユーザー数が1億人に達したと発表した(TikTokリリース)。同社は欧州では英国、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア、スペインでサービスを展開している。

「欧州がTikTokを受け入れてくれたことを光栄に思う」と同社の欧州責任者、Rich Waterworth(リッチ・ウォーターウォース)氏は9月14日のブログ投稿で述べた。同氏はまた、2020年9月初めに立ち上げた「Creator Fund for Europe(欧州のためのクリエイター基金)」に対象となるクリエイターの40%超から申し込みがあったことも明らかにした。同基金は、今後3年間にわたってTikTok向けにビデオコンテンツを制作して収入を得ようとしているプロの「クリエイター」に2億5000万ユーロ(約310億円)を拠出することを約束している。

なかでも注意を引くのは、TikTokの米国におけるユーザーが1億人を達成して1カ月もしないうちに(TikTokリリース)今回のニュースを発表していることだ。

もちろん別の意味でもこのニュースのタイミングは興味深い。

TikTokを所有するByteDance(バイトダンス)にとって欧州での大規模展開はこれまで以上に重要な意味を持つようになっている。最も大きな2つのマーケットにおける将来見通しの平衡を取るという点においては特にそうだ。ByteDanceが厳しい状況に直面しているのは米国でだけではなく、同社にとって2番目に大きなマーケットであるインドでも厳しい逆風にあっている。TikTokはインドで禁止され、苦境から脱するための見込みのある買い手や擁護者は現在のところいないようだ。

米国では目下、3つのオプションがあるようだ。「米政府によって禁止される」か、「TikTokが事業のすべてあるいは一部を他社に売却して今後の収益を放棄する、もしくはこのバイラルビデオマシーンに米国のクリエイターや視聴者を使うのを放棄する」。あるいは「ByteDanceがトランプ政権を相手取って訴訟を起こし、これまで通りまたは多少の修正を加えて事業を継続する」かだ。

この3つの選択肢はそれぞれに痛みをともない、欧州事業の成長やポテンシャルを際立たせることになる。

TikTokはこうした状況にも関わらず「これまで通りの事業」のアプローチを取ってきた。過去数週間、同社は米国や他のマーケットの消費者やマーケッター向けに多くの新機能(未訳記事)を追加した。

ここには、ブランド販促のためにTikTokを利用する広告主の幅や数を広げるためのマーケティングツール拡大も含まれている。ユーザーが他のビデオからコンテンツのサンプルを作り、TikTokのユーザーに「紹介」したりシェアしたりするのに使うStitchのような新機能は、より多くの投稿やバイラルな動画の制作を促す新しい手法だ。

数字もどうなるのか気になるところだ。米国マーケットからのインプットなしにTikTokはどうなるのだろうか。

これまでのところ、米国におけるTikTok人気上昇はTikTokのグローバルでの人気に大きく貢献しているといっていいだろう。TikTokは多数の視聴者を作り出しただけでなく、トップスターたちも生み出した。参考までにFacebook(フェイスブック)や他のソーシャルアプリと比較すると、米国はTikTokにとって広告の数や売上高において最大のマーケットでもある。

それでも、欧州において月間アクティブユーザー数1億人というマイルストーンが達成されたのは注目に値する。この記事執筆前の24時間の間に、さまざまな報道が飛び交った。可能性のある買い手としてOracle(オラクル)が有力という報道があり、中国政府が売却せずに潰すのではないかという別の報道もあった。

米国のユーザー数の発表とかなり近いタイミング(3週間も離れていない)で、欧州のユーザー数も米国と同じ1億人と発表したことは、米国マーケットに結局別れを告げるByteDance流のあいさつなのかもしれない。

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カテゴリー:ネットサービス

タグ:TikTok ByteDance SNS

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(翻訳:Mizoguchi

TikTokの米事業売却の期限延長はない、とトランプ大統領が釘を刺す

Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領は米国時間9月10日、中国企業ByteDance(バイトダンス)がTikTok(ティクトク)を売却する2020年9月20日という期限は延長しない、と述べた。交渉に圧力をかける発言だが、買い手と合意に至らなければTikTokは米国で使用できなくなる。

「どういう結果になるか直にわかる。閉鎖するか、売却するかだ」とトランプ大統領はアンドルーズ空軍基地で大統領専用機に搭乗する前に語った(CNN記事)。売却が複雑であることを受けて、一部のアナリストは売却期限が延長されるのではないか、との見方を示していた(BARRON’S記事)。

トランプ大統領は2020年8月、ByteDanceが「米国の国家安全を脅かす動きをとるかもしれない」という「信頼できる証拠」があると主張して大統領令に署名した。ByteDanceはTikTok売却でMicrosoft(マイクロソフト)と交渉した。他のいくつかの米テック大企業も、人気ビデオ共有アプリを所有するByteDanceと交渉に入ったと報道された。しかし売却を妨げるかもしれない要素も浮上した。

Z世代で最も人気のあるソーシャルメディアアプリの1つとしてTikTokは大きなユーザーベースと価値を有しているにも関わらず、買い手にとってその魅力を損なうようないくつかの問題がある。

例えば、TikTokを含むByteDanceのアプリで使用されているソフトウェアコードは、北京にあるByteDanceの本社でエンジニアやデベロッパーによって開発されている。これにより、ByteDanceからTikTokの切り離しは技術面でかなり複雑なものになっている。もう1つの問題は、中国政府が2週間前に改定し、人工知能技術にも適用されるようになった輸出規制法だ。TikTokでは、AIベースのアルゴリズムによってユーザーの関心や閲覧履歴に基づいて新たなコンテンツを表示する。これがTikTokの価値ある部分であり、成功の秘訣だ。中国商務部が輸出規制法の改定を行った後、ByteDanceは新規制を「厳密に守る」と述べたが、これはTikTokのパーソナライズしたレコメンデーションとAIベースのテクノロジーを事業売却に含めることができなくなる可能性があることを意味し、そうなると買い手にとっては魅力が薄れる。

マイクロソフトに加えて、TikTokの買収にはTwitter(The Wall Street Journal記事)やGoogle(The Wall Street Journal)、Oracle(CNBC記事)といった大手企業が名乗りを上げている。Walmart(ウォルマート)すらもマイクロソフトとの提携という形での買い手候補だ

TikTokのセキュリティも、いくつかの国で調査対象となっている。例えばTikTokは「国家安全・防衛上の懸念」があるとしてインドで禁止された一連の中国企業アプリの1つであり、フランスのデータセキュリティ監視当局CNILによる査察も行われている

TikTokはそうした主張に対抗している。2020年8月に同社はトランプ政権を提訴し、8月24日付の声明で「TikTokが国家安全上の脅威だという政権の姿勢に強く反対する」と述べた。

声明の中でTikTokは、データを米国とシンガポールに保存し、またTikTokの米国ユーザーのデータとDouyinのようなその他のByteDanceのプロダクトのデータを分けることで「TikTokユーザーのデータのプライバシーと安全を守るための並々ならぬ対策をとってきた」と述べた。

ByteDanceのDouyinアプリの海外版であるTikTokは2017年以来、インターネットカルチャー、特にZ世代の間で確固たる地位を築いた。米国だけでユーザー1億人を抱え、1500人を雇用している。

Instagram(インスタグラム)を含むいくつかのアプリは似たようなショートビデオ共有機能でTikTokの代わりになろうとしているが、リードするようなサービスはまだ出てきていない。実際、分析会社Sensor Towerの新たなレポートは、TikTokが2020年8月に非ゲームアプリとして世界で最も多くダウンロードされ、6330万回以上インストールされたと指摘している。TikTokユーザーはかなりこのアプリにはまっており、VPNプロバイダーのExpressVPNでは、米政府が2020年7月にTikTok禁止を検討していることを明らかにしてからトラフィックが急増した。

一部のサイバーセキュリティ専門家は、TikTokのデータ収集プラクティスは広告収入に頼っている他のソーシャルメディアアプリと似ている、と話す。しかし、中国企業が所有しているがゆえに、中国政府のデータ要求に屈することを余儀なくされえるかもしれない、ということが大きな懸念となっている。中国のサイバーセキュリティ法はByteDanceのような中国企業に政府のユーザーデータ要求に従うことを求めている。ByteDanceは中国政府がTikTokユーザーデータにアクセスすることに抵抗する、と述べていた。

TikTokに関するセキュリティの懸念はまた、ウォールストリートジャーナル紙の8月の報道後に高まった。その内容は、MACアドレスと呼ばれる識別番号を含め、アプリがユーザーから収集できるデータの量を制限するためのAndroidオペレーティングシステム機能を回避しているというものだ。同紙によると、TikTokは11月に識別番号の収集をやめたが、調査によりTikTokのユーザープライバシー保護に関する疑念が出てきた。同紙へのコメントで、TikTokは「他の同種のアプリ同様、当社は絶えず出てくるセキュリティの問題に対応するために常にアプリをアップデートしている」と述べた。

反TikTokの姿勢をとっているのは共和党員だけではない。報じられたところによると、Joe Biden(ジョー・バイデン)氏の選挙陣営は2020年7月、スタッフに仕事用とプライベート用のデバイスからTikTokを削除するよう求めた。

米政府がTikTok調査に本腰を入れたのは、Charles Schumer(チャック・シューマー)上院議員(民主党、ニューヨーク州選出)と、Tom Cotton(トム・コットン)上院議員(共和党、アーカンソー州選出)が当時のJoseph Maguire(ジョセフ・マグワイア)米国家情報長官にTikTokが米国のユーザーのデータを中国当局に提出することを強制されるかどうかを調べるよう求めたことに端を発している。

TikTokの広報担当はTechCrunchに電子メールで送られてきた声明の中で、「当社はエンターテインメント、自己表現、コネクションのホームであるがゆえに1億人もの米国の人から愛されている。当社はあらゆる家庭に喜びを、当社のプラットフォームで制作する人に将来にわたって意義あるキャリアを引き続き提供することを約束する」と述べた。

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カテゴリー:セキュリティ

タグ:ドナルド・トランプ ByteDance TikTok SNS 中国

画像クレジット:SOPA Images / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

Facebookの写真・ビデオをDropboxとKoofrに直接転送可能に

Facebook(フェイスブック)の写真とビデオのポータビリティツールがさらに2つのサードパーティサービスで使えるようになった。ユーザーは、クラウドストレージプロバイダーのDropbox(ドロップボックス)と欧州ベースのKoofr(クーファ)にデータを暗号化して送ることができる。

Facebookは昨年12月に写真のデータポータビリティをデビューさせた。当初は同社が欧州の本部を置くアイルランドで、ユーザーがメディアをGoogle Photosに直接遅れるようにし、その後さらに多くのマーケットでも同機能の提供を始めた。6月にグローバル全体で使えるようになった。

全マーケットのFacebookユーザーはいま、写真とビデオの転送で3つのオプションを利用できる。同社の広報担当は「今後数カ月以内にさらなるオプションを発表する」と話し、名前は伏せられたがほかのサービスの導入も準備中であることを認めた。

転送ツールは、Data Transfer Projectへの参加によって開発されたコードに基づいている。このプロジェクトは昨年始まったコラボ的な取り組みで、アップル、グーグル、マイクロソフト、Twitter(ツイッター)など他のテック大企業も参加している。

ツールにアクセスするには、ユーザーは「あなたのFacebook情報」メニューに行き、「写真やビデオのコピーを転送する」を選ぶ。するとFacebookがパスワードの再入力を求める。その後、ユーザーは対応している3つのサービス(Google  Photos、Dropbox、Koofr)からお目当てのものを選択する。選んだサードパーティのサービスのパスワードを入力すると転送が始まる。

転送が完了すると、ユーザーはFacebook上でのノーティフィケーション、そして電子メールを受け取る。暗号化された転送はデスクトップ版とモバイルアプリで利用できる。

Facebookは先月、ポータビリティについて今月下旬に予定されているヒアリングに先立つFTCへのコメントの中で、データポータビリティ提供の対象を広げる考えを示した。イベントやユーザーの「最も意義ある」投稿など、さらに多くの種類のコンテンツの直接転送が含まれることを匂わせた。

ただ、差し当たってはFacebookにアップロードされた写真とビデオの直接転送のみに対応している。

GoogleとDropboxが多くの人にとってなじみのあるサービスである一方で、もう1つのKoofrは小規模で欧州拠点のクラウドストレージプロバイダーと、リストの中で幾分浮いた存在だ。この点について、Facebookの広報担当は、Mashableの記事でKoofrがEUのクラウドストレージソリューションであることを知り、転送ツールにKoofrを加えることを協議するためにコンタクトを取った、と話した。

さらに大きな疑問は、Facebookがいつ、どのように同社の写真共有サービスInstagram(インスタグラム)のユーザーに写真ポータビリティを提供するかだ。ポータビリティの拡張計画について同社は特段言及しなかった。

TechCrunchがInstagramへの写真ポータビリティ導入について尋ねたとき、広報担当は以下のように述べた。「Facebookは今のところFacebook上でのポータビリティツールを優先させている。しかし将来他のアプリへの拡大を検討することを楽しみにしている」

DropboxとKoofrの追加を発表するブログ投稿の中で、Facebookはポータビリティを管理する「より明確なルール」を考えるよう議員への要求を繰り返した。「当社は人々が信頼できるデータポータビリティ機能を引き続き構築したい。このために、どんな種のデータがポータブルであるべきか、異なるサービスに移すときそうしたデータの保護に誰が責任を持つのかについてインターネットは明確なルールを必要としている。これについて議員は重要な役割を担う」

投稿ではまた、「ユーザーの選択肢を広げ、データポータビリティのイノベーションをさらに進めるために、Data Transfer Projectに他の企業が加わることに関心を持っている」とも書いている。

Facebookは近年、ポータビリティについて同社が「正しい規則」と呼ぶもののためにロビー活動を展開してきた。この件については昨年白書を発表し、直接データ転送にかかる要件を検討している当局に影響を及ぼすために、プライバシーとセキュリティの取引とされるものを強調している。

プラットフォーム大企業が席巻する中でデータ絡みの障壁が競争を阻んでいるという懸念を議員が掘り下げているが、ポータビリティは新規参入者や小規模の事業者に味方するマーケットにするためのツールとして考えられている。

画像クレジット: TechCrunch

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(翻訳:Mizoguchi

コロナ禍に有料会員の首を絞めるSNSサイト「InterNations」

倫理的に疑わしいソーシャルネットワークの話になると、引き合いに出されるのが多いのはFacebook(フェイスブック)だ。だが本記事で取り上げるのは、海外在住者向けのソーシャルネットワーキングコミュニティInterNations(インターネーションズ)である。運営会社はミュンヘンにある。今、そのユーザーたちが、コロナ禍の真っただ中に課金された1年分の利用料金を返金してもらえないことに気づいて激怒している。

インターネーションズは2007年から海外在住者向けのネットワーキングサービスを運営している。無料の「Basic(ベーシック)」会員は、サイトのコンテンツの一部を閲覧でき、(入場料を支払えば)コミュニティ主催のイベントへも参加できる。1年分の料金を前払いが必要な有料会員になると、無料または割引料金でネットワーキングイベント参加したり、サイトの追加機能を利用したりできる。

有料会員を「Albatross(アルバトロス)」と名付けているところを見ると、インターネーションズはどうやら主格決定論(名前が人生や能力に影響を及ぼすという考え方)の信奉者のようだ(アルバトロスには、なかなか抜け出せない厄介事というニュアンスがある。英語の「albatross around one’s neck」という表現に由来する)。ベーシック会員から有料のアルバトロス会員にアップグレードすると、退会が難しくなり、永久に自動更新されてしまう現状を連想させるネーミングだ。

数人の元会員がTechCrunchに話してくれた内容によると、今回のパンデミックの真っただ中に、有料会員の契約が何の予告もなく1年分自動更新されたという。また、無断で契約更新された会員が返金を要求すると、インターネーションズは断固拒否し、「前年にアップグレード料金を支払ったときに同意した契約に記載されている条項が適用されている」という回答が返ってきたそうだ。

会員とインターネーションズ従業員との間でやり取りされたメールをTechCrunchが確認したところ、同社は返金要求を繰り返し無視していることがわかった。

英国在住のある女性会員は、定期的な出張先であるロンドンとパリで開催される交流会に出席するためにこのサービスに登録したが、3月に英国でロックダウンが始まると自宅待機になった。彼女は、銀行の取引明細書を確認しているときに初めて、インターネーションズの有料会員契約が自動更新されたことに気づき、

同社に連絡して返金を求めた。彼女の自宅近辺で開催されるイベントは皆無だったし、個人的にも新型コロナウイルス感染症への感染を予防するために、しばらくの間は対面で会う交流会に参加できなくなったからだ。しかし、それでもインターネーションズは返金を断固として拒否し、

その代わりに、その年の有料会員権を2022年まで保留する提案をした。つまり、今回支払った料金で有料サービスを向こう2年間利用可能にするというのだ。

この女性会員はTechCrunchに次のように語った。「苦情を申し立てている会員の多くがインターネーションズによって不当な扱いを受けたと感じている。というのも、交流イベントの開催そのものがコミュニティのメンバーによってボランティアで行われていたからだ。イベント、散策、上映会などに参加するグループの編成作業はコミュニティのメンバーが行っており、その大半は無報酬で動いている」。

「だから、インターネーションズが自社のコミュニティの面倒も見ないなんて、会員を平手打ちにするようなものだと感じた」と彼女は続ける。

「私の地元のジムでは、2020年4月から会員資格が一時停止された。その際、会員の方から資格の一時停止を要求する必要はなかった。ジムからはメールでその旨の連絡があった。その後7月に退会できたが、一切質問されることもなく了承された。地元の小さなジムでもできるのだから、インターネーションズのような大企業がコロナ禍という大変な時期にメンバーの自動更新を停止できないわけがない」と彼女は言う。

「今は、世界中の人たちが、自分の健康、生活、親族のことを心配している。そんなときにソーシャルメディアの退会や一時停止のことなどいちいち覚えていられない」。

米国からシンガポールに移住してからインターネーションズに登録した別の男性会員の場合は、登録してあるクレジットカードが期限切れになり、インターネーションズが支払いを自動回収できなかったたため、支払いを求めるメールがコロナ禍の真っただ中に繰り返し送信されてきたという。

退会を申し出たところ、アカウントを削除するには2年目の料金を全額支払う必要があるという回答だったそうだ。彼は最終的に、やむなく約100ドル(約1万円)を支払って、アルバトロス会員からベーシック会員にダウングレードした後、アカウントを削除してもらった。

彼はこう語る。「私は当時(ちなみに今でも)有料会員だったが、パンデミックの最中に『会費免除月』のオファーを受けたことは一度もない。それどころか、クレジットカード情報を処理できなかった件について脅しまがいのメールが大量に送られてきた。私の健康状態や安否をほんのわずかでも気遣うような内容は一切書かれていなかった。彼らはただ、私のクレジットカード情報が欲しいだけだったんだ」。

ハノイに移住した後でインターネーションズに登録した女性ユーザーは、自らの体験を「ひどいものだった」とTechCrunchに語ってくれた。前述の会員たちと同じような経験をした彼女は、自身のブログで、新型コロナウイルスのパンデミックの最中に事前予告なく契約更新料を課金され、退会手続きを忘れていたことに気づいた、という経験について詳しく説明している。

彼女は次のように語っている。「PayPal(ペイパル)からの通知メールを見るまで、課金されていることに気づいていなかった。一体どうなっているの、という感じだった。リマインダーメールもなく、まともなビジネスの証しである、契約期限切れが近いことを知らせる請求書もない。そうしたものは一切送られていないことがわかった」。

彼女の場合、最終的には返金してもらうことができたのだが、それはペイパル経由で課金について苦情を申し立てたからこそ実現したもので、インターネーションズから直接返金してもらうことはできなかった。

消費者レビューサイトのTrustpilot(トラストパイロット)には、インターネーションズに対する同様の苦情があふれている。本記事の執筆時点でインターネーションズの「Bad(ひどい)」評価は81%にも達している。

ある消費者は「年間有料会員の登録は私のアカウントから削除され、返金は拒否された。1年後の今、新たな請求が未払いであるという脅迫めいたメールがまた送られてくるようになった」と書き込んでいる。

別の消費者によると「過去2年にわたって年間有料会員をキャンセルしているが、毎年確認するたびに、キャンセルされていない状態のままになっており、私がキャンセルした記録も残されていない。そして返金は拒否される」という。

激怒する別の消費者は次のように書き込んでいる。「インターネーションズは自動送信メールでメンバー会員料の支払期限が迫っていることを伝えてくる。数か月ログインしていないし、このコロナ禍の最中に有料会員費を支払う余裕などないので退会を申し出たが、一切受け付けてもらえない。この会社は退会という簡単な手続きを行えないようにしている。会員から金をむしり取ること以外何も考えていない守銭奴だ。情状酌量の余地はない。ただ退会処理をすればよいだけなのに、それをしてくれない」。

絶望した別の元会員はこう語る。「有料会員の期限が終了間近であることを知らせるリマインダーも送られてこない。一切の事前連絡なしに、クレジットカードから会員料を引き落とされた人もいる。登録してあるクレジットカードが期限切れになっていると、インターネーションズは嫌がらせのようにメールを送り続ける。脅迫まがいの行為だ」。

返金を要求している会員たちのメールを見せてもらったが、ドイツの法律を確認するようにと書かれているだけだ。どうやら、これが返金を阻む法的な障害となっているようだ。一部の海外在住者向けブログでも警告されているが、ドイツのサービス契約は入会よりも退会の方がはるかに難しくなる場合がある。

ハノイやシンガポールでグローバルなソーシャルネットワークに登録した人にとって、実は「登録」ボタンを押す前にドイツの契約法を理解しておく必要があった、などと言われてもピンとこなくて当然だ。

欧州の消費者権利グループBEUCによると、サービス契約の自動更新に関する事前通知をユーザーに自主的に送信することは、EU全体で義務付けられているわけではない。インターネーションズの場合も、有料会員契約の更新前にこうした通知がなかったことが、苦情の大半を占めている。

BEUCの広報担当は「EUの法律では、消費者に知らせる必要があるのは、最終価格と契約条件のみである」と説明し、この領域はEUレベルで統一されているわけではないため、消費者の権利は加盟国によって大きく異なると指摘する。

例えば、ベルギーの法律には、「消費者は、自身の承諾なしに契約を更新された場合、料金を支払うことなく契約を終了できる」という条項があるが、ドイツの法律には当然そのような条項はないという。ドイツ国内でも、この一方的な契約ルールの改正を求める声が高まっているようだ

返金と退会(およびダークパターン)に関するさまざまな苦情について、TechCrunchがインターネーションズ問い合わせてみたところ、同社の創業者兼共同CEOのMalte Zeeck(マルテ・ゼーク)氏は、「消費者法には違反していない」と答え、有料会員契約の更新については会員に「明確に通知」していると主張した。

ゼークはこう主張する。「インターネーションズは、他社と同様、標準的なサブスクリプションモデルに基づいて運営しており、いかなる点においても消費者保護法に違反していない。有料会員契約は自動更新されるが、その旨は各契約期間の初めに会員に明確に伝えている。また、各請求書、メンバーシップおよびアカウントの設定ページにも明記されている。この設定画面で、事前の予告なしに、いつでも退会できるようになっている」。

「メンバーシップの状態については、プロファイルの写真にアルバトロスのマークが付いているかどうかで、会員がいつでも目で見て確認できるようになっている。また、いつでもメンバーシップページにアクセスして、現在のメンバーシップの状態を確認することもできる」と同氏は続けた。

また、「パンデミックの最中に」対面式のイベントをキャンセルする必要があった点については認めた上で、この期間のサービスの不履行については、「会費免除月の追加」を提示し、「こうした状況に対応することに尽力し、会員たちがオンラインで会って共に時間を過ごせる方法を見つける」ことで埋め合わせるとしている。

ゼーク氏は次のように語る。「(パンデミックが始まってから)わずか数週間後には、世界中で500を超えるオンラインイベントを開催し、海外在住者やグローバルに活動する人たちがつながって体験を共有できるよう支援していた。その後もオンラインイベントの開催数は日々増加してきた。また、有料会員は引き続き、オンラインネットワーキングや情報に関するプレミアム機能を利用できている。現在、対面式イベントの制限が世界中で解除され始めているため、会員たちが再び直接会うことができる機会を数多く提供し始めたところだ」。

EUの消費者保護ルールには、契約条項は公正であるべきという要件が確かに埋め込まれている。この要件の目的は、正当な理由もなくサービスを一方的に変更するといった行為から消費者を保護することだ。しかし、インターネーションズは間違いなく、「パンデミックは、対面式のイベントをキャンセルし、代わりにオンラインネットワーキングを開催する正当な理由となる」と反論するだろう。怒ったユーザーたちが、その点を根拠に争ってもあまり慰めにはならないということだ。

パンデミックの最中に会員に対してこのように融通が利かない不親切な態度をとり続けることは、インターネーションズとその評判にとってマイナスとなるだろう。コロナウイルスの流行がすっかり落ち着いて海外に旅行できる場所が増えているこのタイミングで新規会員の獲得が以前よりはるかに難しくなるからだ。

パンデミックの最中に、仕事、健康、家族のことが心配で、年に一度しかできない退会手続きを行うのを忘れた人たちから労せずして使用料をかき集める行為は、法的には認められているとしても、長期的な顧客ロイヤルティーを確立するという観点からすればまったくの逆効果だ。

実際、こうした自動更新サブスクリプションで利益を上げる輩が数年前、eコマース業界に数多く出現したことがあるが、そのような怪しい戦術は長く続いた試しがない。

消費者をだまして定期的に料金を支払わせる方法は、長期的には決して優れたビジネス戦略とは言えない。今や悪い評判は数秒で世界中のソーシャルメディアに拡散することを考えるとなおさらだ(実際、激怒したインターネーションズ会員がツイッターでグループを組織し、ウェブサイトを立ち上げて否定的なレビューを拡散させ、同社のサービスをボイコットするよう呼びかけている)。

インターネーションズの自動更新で痛い目にあった会員の中で、来年もキャンセル手続きを忘れて同社の定期収入源になる者は、1人もいないだろう。自分の会社がコミュニティ精神に依存してサービスを提供しているにもかかわらず、会員をぞんざいに扱うのは、とっくの昔に時代遅れになったはずの悪質なビジネスモデルだと思う(インターネーションズによると、「オンラインイベントのおかげで人々とつながりを保つことができ、自主隔離の期間中もポジティブな気持ちを維持できた」という感謝の言葉を寄せる会員も多数いるという。しかし、満足している少数派の会員たちの声はオンラインに掲載されている怒りの声でかき消されてしまっている)。

一方、一部の評判のよろしくない大手ソーシャルネットワークプラットフォームと同じくらいユーザーの声にほとんど耳を傾けることなく運営しても何とも思わないニッチなソーシャルネットワークが存在するという事実は実に興味深い。インターネーションズのウェブサイトでは、なんと、欧州委員会の「オンライン紛争解決」基本方針に関する情報が問い合わせページに小さな文字で表示されていたりする。フェイスブックは注目すべきだろう。

今回怒っているユーザーたちについて、ゼーク氏は次のように述べるにとどまった。「一部の元会員の方との間で行き違いがあり、弊社の会員制サービスが提供している利点にご満足いただけなかった点については残念に思っています。弊社はユーザーからのフィードバックを真摯に受け止め、質の高い体験を提供するよう常に尽力しております。とはいえ、すべての会員様に完全な解決策を用意することは難しいと認識しております。中傷する人はいつでもいるものです」。

おそらく、ゼーク氏は、Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏の終わることのない謝罪行脚を見習ったのだろう

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(翻訳:Dragonfly)