Google流、再生可能エネルギー活用法

Google(グーグル)のデータセンターは24時間年中無休で稼働しており、大量のエネルギーを消費している。それを考えると、そのデータセンターを可能な限り効率的に稼働させることは、同社と地球の両方の利益につながるといえる。そのための新たな方法として、同社は常に天候を監視し、それに応じて太陽エネルギーや風力エネルギーといった再生可能エネルギーを利用するのに最適な時期を予測する。

再生可能エネルギーの問題は、発電所で作られる電力量に確実性がないという点だ。もちろん、風がなくなった途端、風力エネルギーは10倍ほど高価なものとなるか利用不可になる。そうでなくても、グリッド上にいつどこで作られた電力が運ばれるのかによって電力の価格は常に変化する。

データセンターをより環境に優しく効率的にするためのグーグルの最新の取り組みは、そういったエネルギー経済を予測し、それに基づいて膨大な量のデータ処理タスクのスケジュールを組むというものだ。

とは言え、グーグルの従業員が実際に翌日の天気を調べて、太陽エネルギーが特定の地域でいつどれだけ電力を供給するかを計算するわけではない。幸いにもそれをやってくれる企業が他にいる。デンマークのグリーンテック企業、Tomorrowだ。

「適切な時間と場所で電力を使用することにより、コストと二酸化炭素排出量の両方を削減できると多くの組織は気付き始めています」とTomorrowのCEOはプレスリリース中で述べている。

気象パターンはこういったエネルギー経済に大きな影響を及ぼす。だから、このシステムでは気象状況によって主に石炭などの炭素源から電力が供給される場合もあるし、また再生可能エネルギーが最大限に利用されるときもある。

上記の便利なビジュアルチャートでこのシステムの仕組みが分かるだろう。グリーンエネルギーが最も豊富な時間に合わせ、データセンターの計算タスクのピーク時間をシフトしている。

グーグルは、グリッドに炭素エネルギーが多く運ばれている時間帯と再生可能エネルギーが多い時間帯を把握し、多大な計算タスクを再生可能エネルギーが得られやすい時間帯に割り振ることで、炭素エネルギーへの依存を減らすことが可能になる。

グリッドにある電力が高価で、炭素エネルギーを多く含むとき、ほんの少しのEメールの送信やYouTube動画の視聴だけでもデータセンターのキャパシティを圧迫するのには十分になる。しかし逆に電力が安価でかつクリーンなときには、機械学習や動画のトランスコードなど重い計算タスクが大量に処理されていくのだ。

情報に基づいて計算タスクを処理する時間帯をシフトするというアイデアは、スマートで、直感的にうまくいくだろうと感じる。しかし、今回のグーグルの発表にはそれが実際にどれほど効果的であるかのデータは提供されていない。通常、企業がこのような取り組みを発表する際には、今後節約されるエネルギー量や効率向上の見積もりの発表が伴うものだ。しかし今回のタイムシフト実験に関して同社はいつになく保守的である。

「試験運用によって得られた結果は、計算量をシフトすることで消費されるグリーンエネルギーの量を増やすことができることを示唆しています」とグーグルはいう。

ホームランを打ったのように扱ってもおかしくないニュースにしては謙虚すぎる姿勢である。完全な研究論文はまもなく発表されるが、筆者はグーグルにもっと多くの情報を提示するよう求めてみた。その直後に、同プロジェクトのテクニカルリーダーであるAna Radovanovic(アナ・ラドバノビッチ)氏から次のような返信を受けとった。

新システムの初期段階の結果は有望ですが、ご指摘のとおり現時点では特定の指標を公表していません。弊社チームは、この方法論の詳細や導入結果のデータなどをまとめた科学論文を年内に発行する予定です。

単一のデータセンター施設やフリート全体が再生可能エネルギーの使用をどれだけ増加させることができるかには、複数の変数が関わってきます。そのため、特定の数値を公表する前にさらなる分析を行っているところです。

原文

エネルギー効率30-37%のソーラーパネルがもうすぐ市販される

クリーンエネルギーの研究者たちは、太陽光から得られるエネルギーの理論的な上限を上げることに励んでいるが、実際に太陽電池を利用するわれわれ一般庶民は、その理論値の半分にも満たない技術で長年我慢している。ここでご紹介するInsolightの製品は、ついにそれを変えるかもしれない。

Insolightは、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)における長年の研究からスピンオフした企業で、屋根に敷く実用製品が誕生するのももうすぐ、と言われている。

通常太陽電池はその全表面で太陽光を集め、それをおよそ15-19%の効率で電気に変換する。つまりその過程で、エネルギーの約85%は失われる。もっと効率の良い太陽電池はあるが、どれも高価で目的が特殊で、特殊な素材が必要なこともある。

お金のかからない場所といえば、それは宇宙だ。人工衛星に載っている太陽電池はずっと効率が良いが、当然ながら安くない。でも、ごく少量を使い、その上に太陽光を凝集するなら高くはない。そのことに、Insolightは目をつけた

小さいがきわめて効率の高いセルを格子状に並べ、その上に蜂の巣状のレンズの配列を並べる。レンズが光を細いビームに曲げて、小さなセル上に凝集する。太陽が動くとセルの層も動いてビームの真下へ移動する。テスト段階では、この方法で37%の効率を達成し、消費者製品になった時点でも30%は可能だ。これは、従来のパネル製品の倍である。

ただしレンズの層などを作るのだから、今使われている“まあまあの性能”の太陽電池よりも構造は複雑だ。ただしパネルのサイズや形状は今のソーラーパネルとあまり変らず、据え付けにコンセントレータなどの特殊な装備は要らない。最近EPFLで行ったパイロットテストは、大成功だった。

EPFLのニューズリリースで、CTOのMathiu Ackermannがこう述べている: “われわれのパネルはグリッド〔通常電力網〕につないで継続的にモニタした。猛暑や台風や冬の気候でヒッチすることもなく、動き続けた。このようなハイブリッド方式は、曇天で日が射さないような日にとくに効果的だ。そんな日差しの弱い日でも、電気を生成し続けるからだ”。

今同社はソーラーパネルのメーカーとの商談に入っている。既存の製造ラインに容易に乗せられることを、説得しなければならない。“組み立てのステージで工程がやや増えるけどね”、とAckermannは言う。発売は、2022年の予定だ。まだ遠い先だが、でもそのころには電動車が普及してるだろうから、良いタイミングだろう。

画像クレジット: Insolight

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

大きさが1ミリ弱でエネルギーを光から得る撮像素子はカメラをどこにでも隠せるやばい発明

今の世界に、これだけ大量のカメラがあっても、まだ足りないと主張する研究者たちが、今度は顕微鏡的サイズで電力を自給できるカメラを作った。それは、どこにでも埋め込むことができて、しかも寿命は永久的だ。確かにクールな技術だが、これによりアルミ箔の売上が急増するかもしれない(後述)。

技術者たちはこれまで、カメラセンサーが自分に当たる光を動力源にする方法を研究してきた。必要なのは、光電池が持つ二つの機能、自分に光として降り注ぐエネルギーを保存する機能と、どれだけのエネルギーが得られたか記録する機能だ。

問題は、電池が一つのことをしているときは、他のことができないことだ。だから、一定サイズのセンサーが必要なら、面積の一部を電力収集用にするか、または高速に役割を交替するかだ。

ミシガン大学のEuisik YoonとポスドクのSung-Yun Parkは、そのどちらもしなくてすむ方法を思いついた。よく見ると、感光性ダイオードは完全に不透明ではない。むしろ、かなりの量の光が透過している。だから画像センサーの下にソーラーセルを置いても、光は十分得られる。

この天啓によって彼らの、“撮像とエネルギー収穫を同時に行う”センサーが生まれた。それは、アルミ箔の上で動作するのだ。

彼らが作ったプロトタイプのセンサーは、大きさが1平方ミリメートルより小さくて、太陽光の中では完全に自己発電できた。そして、15fpsで十分良質な画像を撮れた:

左のベンジャミン・フランクリンは7fps、右は15。

彼らが書いたペーパーには、センサーを改良すればもっと良い画質が得られる、とある。そしてParkがIEEE Spectrumに書いているところによると、消費電力もまだ最適化されていないから、今後はもっと暗いところで高いフレームレートで撮影できる、という。

究極的にはこのセンサーは、誰にも見つからないカメラとして利用でき、電池もワイヤレス送電も要らずに、永久に動き続ける。すごいね!。

もちろん隠しカメラを作るなら、ストレージや通信機能も要る。しかし、それらの顕微鏡的バージョンも今どこかで開発中だから、それら周辺装置を組み込むのも時間と努力の問題だ。

チームは彼らの成果を、今週のIEEE Electron Device Lettersに発表している。

画像クレジット: ミシガン大学

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SoftBank Groupとサウジアラビアが世界最大の太陽光発電所に2000億ドルを投資する

金額規模数十億ドルという派手な投資の数々で知名度を上げたSoftBank Group Corp.については、本誌TechCrunchもそのVision Fundや、UberDidiへの投資などを取り上げてきたが、今回は総工費2000億ドルの太陽光発電所を建設するための、サウジアラビアとの基本合意書に署名した。2030年には200ギガワットの最大発電能力に達すると予想されているその太陽光発電所は、この種類の発電所としてはこれまでで世界最大規模となる。

Bloomberg New Energy Financeがまとめたデータによると、このサウジアラビアのプロジェクトは、二番目に大きいとされる開発計画の約100倍の規模だ。その二番目とは、オーストラリアで2023年に完成予定のSolar Choice Bulli Creek PV、その最大発電能力は2ギガワットだ。

火曜日にサウジのMohammed Bin Salman王子も出席したニューヨークのイベントで孫は、このプロジェクトが10万の雇用を作り出し、サウジの発電能力を現在の三倍にし、電力コストを400億ドル節約する、と述べた。サウジアラビアは世界最大の原油輸出国だが、しかしこの王国は現在、石油依存を脱して経済を多様化しようとしている。政府は先月、サウジアラビアで最初の公共事業規模の再生可能エネルギープラントACWA Powerに、3億200万ドルを助成した

2011年の福島の原発炉心融解以降、クリーンエネルギーのプロジェクトは孫の情熱のひとつとなり、SoftBankはモンゴルの風力+太陽光エネルギープロジェクトや、きわめて意欲的な、アジアの複数国をカバーする再生可能エネルギー送電網Asia Super Gridにも投資している。

SoftBankはサウジアラビアでこのほか、2017年5月に発表された930億ドルのテクノロジー産業育成ファンドにも出資している。こちらは、Vision FundとサウジアラビアのPublic Investment Fundが創ったファンドだ。

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電気自動車に自動充電するソーラーハイウェイ、中国でパネルの小片が盗まれた

ソーラーパネルを道路に敷くことは、必ずしも迷案ではないが、しかし問題もあるようだ。たとえば、それを盗む人がいるかもしれない。中国ではまさにそれが起きて、世界で初めてのソーラーパネルで舗装したハイウェイ、と称する道路が、開通からわずか5日後にやられた。

Qilu Evening Newsが報じTechNodeが孫引きしている記事によると、山東省にあるその長さ1キロメートルの実験用道路は、1万枚あまりのソーラーパネルでおおわれ、それらは丈夫な保護層でサンドイッチされている。表側はもちろん透明だ。全体の厚さは3センチになる。パネルには電磁誘導コイルがあり、その上を電気自動車が通ると充電される。表面の雪や氷は熱で溶かす。その実用試験は12月28日に始まった。

しかし1月2日の点検で、小片が切り取られていることが見つかった。幅15センチ長さ2メートル足らずで、勝手に外れたものではない。誰かに盗まれたのだ。でも、誰が何のために?

ソーラーパネルは安いし、大量に盗まれたわけでもない。修理には数千ドルかかると言われるが、でもなぜ、そんな小片を? なぜわざわざ道路開通後に盗んだのか? 妨害行為が目的なら、小片をきれいに切り取るのではなく、大面積を破損したり塗りつぶしたりしただろう。

地元のニュースチャネルが引用している業界筋の話では、それは“プロの集団の”仕業だ、という(Googleの中→英翻訳による)。それなら、説明がつくかもしれない。彼らは技術に関心があったのだ、という説もある。

このソーラーパネルのサンドイッチの模造品を生産して安く売ることに関心のある集団なら、小片を切り取って持ち去ったことも理解できる。模造品は中国ではありふれているが、でもそれは多くの場合、もっと単純な消費者製品に限られているのだが。

道路は修理後再び開通し、その後盗難事件は起きていない。最大の被害は、修理工事の間に通勤者が迷惑したことだろう。警察は、まだ捜査を続けている。

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プエルトリコ知事、イーロン・マスクに支援を求める――ツイート交換から電力網再建の交渉が始まるか?

ハリケーン・マリアによってプウエルトリコの電力網は事実上壊滅してしまった。これを再建するというのはイーロン・マスクにとってさえ稀にみるビッグチャンスだろう。プエルトリコ知事、リカルド・ロッセロはTeslaのバッテリーと太陽光発電システムによってこの作業に当たる可能性についてイーロン・マスクと話し合いを行いたいとしている。

プエルトリコ政府が所有する電力会社によれば、現在この島でで電力が利用できるのはわずか10%の地域にしかすぎない。一部の地域では電力が復活するまでに4か月から半年かかるという。

イーロン・マスクはプエルトリコの電力網再建に太陽光発電とバッテリーのテクノロジーを利用する可能性についてツイートした。

テスラ・チームは世界の数多くの島でこれ〔電力網建設〕を行ってきた。テクノロジーはスケーラブルで規模に上限はない。ただし決定を下すのはプエルトリコ政府、電力事業委員会、ビジネス関係者、そしてもっとも重要な点だが、地域住民だ。

ロッセロ知事はただちに「では話し合おう」とツイートを返し、最高イノベーション責任者も全面的に支持した( #TeslaTechnologies)。

ではこの話し合いは実際のプロジェクトに発展する可能性があるだろうか?

Teslaはすでに数百基のバッテリー・システムを プエルトリコに送っている。現在Teslaの社員が懸命に据え付け作業をしており、また現地の人々に今後のメンテナンスを指導している。

マスクは過去にもツイートから新たなビジネスを始めた経験がある。サウス・オーストラリア州にバッテリープラントを設置する件はAtlassianのファウンダーでオーストラリア人のMike Cannon-Brookesと3月に交わしたツイートがきっかけだった。この契約は先月発効し、100日間で完工できないとマスクは5000ドルをふいにするという。

マスクが述べているようにTeslaはハワイのカウアイ島やアメリカ領サモアで太陽光バッテリーシステムを建設してきた。

もちろん340万人が住むプエルトリコで想定されるプロジェクトに比べれば、これらははるかに小規模だ。しかしマスクはスケールアップに強い自信を持っているようだ。

画像:: ullstein bild / Contributor/Getty Images

〔日本版〕マスクのツイート中のPUCはPuerto Rico Utilities Commissionとみて訳した。ただしプエリトリコの電力事業の正式名称はPuerto Rico Energy Commission

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

これからは後付けのソーラーパネルでなく屋根全体が最初から“ソーラールーフ”になる、Elon MuskがSolarCityの株主総会で主張

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屋根全体が太陽電池でできていたらどうだろう? いやいや、お隣さんの家の屋根にあるようなソーラーパネルではなくて、屋根そのものが太陽光を集める素材でできているんだ。後付けで据え付けるような装置、ではない。Elecktrekの記事によると、昨日(米国時間8/9)行われたSolarCityの株主総会で、会長のElon Muskが、そんなビジョンを語った。

Muskは同社の執行役員ではなく取締役会の会長という立場だが、ゆくゆくは彼のTeslaがSolarCityを買収してTeslaCityを立ち上げるつもりだ。すでにその話は進んでおり、両社が合意している26億ドルの株式提供を、株主たちが承認するのを待っている。

その総会では、Muskのスピーチの前にSolarCityのCEO Lyndon Riveが、年内に二つの新製品を発表する、と語り、その一つは“屋根の上に載せるモジュールではなくソーラールーフ(solar roof, 太陽屋根)だ”、と述べた。Riveはその製品について詳しく語ったが、それを受けてMuskは、“屋根の上に何かが載ってるよりは、美しい屋根そのものの方が顧客にアピールする、とぶちあげた。

今の屋根素材に置き換わる製品を作ることによって、SolarCityの発電装置はアドオンではなく住宅の建築部材そのものになる。新築の家に対しても、また屋根のリフォーム需要(築後20年サイクルと言われる)に対しても、その方が売りやすいだろう。MuskとRiveはともに、新しい屋根作りにおける巨大な市場機会を示唆したのだ。

彼らのソーラールーフは、今のソーラーパネルより相当高いものになることが予想されるが、同社はたぶん、長期にわたる発電コストの比較で、売り込もうとするだろう。最初の建設費用の差は、それで帳消しにされる、と直感される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

中国の太陽光発電会社Hanergy、ソーラー電気自動車を公開

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かつて自動車を作れるのは自動車メーカーだけだった。しかしこの21世紀には、誰でも車の1台や4台を作れるようになった。例えば中国の太陽光発電会社も。薄膜ソーラーパネル製造大手のHanergy Holding Groupはソーラー自動車部門を設立し、ソーラーパワー車のプロトタイプ4台を北京で披露した。

誰でも車のアイデアを思いつくこの時代でも、製造まで持っていける者はごくわずかだ。Hanergyは昨年ソーラー自動車製造の計画を発表したが、日程通りにプロトタイプを作ることができず、業界アナリストから能力を疑問視される結果となった。

しかしこの夏Hanergyは、実際に走行可能なプロトタイプ、Hanergy Solar O、L、A、Rの4車種を披露した(頭文字に注意!)。それぞれ異なる利用場面に向けて作られている。いずれの車も軽量で、柔軟な薄膜ソーラーセルで実用上可能な限り覆われている。プレスリリースによると、ソーラーセルは5~6時間の太陽光で8~10 kWhのエネルギーを生成し、走行距離に直すと80 kmに相当するという。この距離はFiat 500eやVW e-Golf等の主要メーカー製EVとほぼ同等だ。

そのためにはかなり高い変換効率が必要だが、Hanergyの持つ太陽電池の変換効率は31.6%で、現在入手できる中で最高の効率だ。Hanergyは今後10年でこの数値を42%まで引き上げたいと考えており、そうなれば太陽光だけで車を走られるのに十分な電力を供給できる。なお、Hanergy車は他のEVと同じくリチウムイオンバッテリーをプラグイン充電することも可能で、太陽光とプラグインを合わせて320 km以上の走行が可能だ。

排ガスゼロのソーラー電気自動車に取り組んでいるのはHanergyだけではない。TeslaとSolarCityについて聞いたことのある読者もいるだろう。しばらく前から自動車関連ニュースを追っている人なら、2009年にデトロイトの自動車ショウで、屋根にソーラーパネルを載せたプロトタイプ車を展示したFisker Karmを覚えているかもしれない(会社は2013年に倒産しKarma Automotiveとして再出発した)。2014年には、Toyota Priusがムーンルーフにソーラーパネルを設置し、乗車前に車内を冷房するリモートエアコンに利用した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

熱として逃げていた太陽光のエネルギーを完全に捉えるナノ素材により太陽電池の発電効率を倍増

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MITの研究者たちが作った、まだ実験段階の太陽電池は、パネルの一定面積あたりの電力生成量を増加し、太陽熱の利用効率を上げる。しかも、それに関する科学者たちの説明が、すごくクールだ: “まだ完全に最適化されていない配列でも、ショックレー-クワイサーの限界(Shockley-Queisser limit)を超えることができた”。

ショックレー-クワイサーの限界はもちろんフィクションではなく、太陽電池のエネルギー効率の理論的最大値だ。それは、いちばん多く使われているシリコンベースの製品で32%程度、とされている。

この限界は、電池を重ねるなどの工夫で克服できるが、今回の研究チームの一員である博士課程の学生David Bierman(上記の説明をした人)によると、もっと良い方法は熱光起電(thermophotovoltaics)だ。太陽光をいったん熱に換えて、それをさらに、電池が吸収しやすい光として再出力する。

えーと、つまりこういうことだ: 太陽電池は特定の波長の光で効率が最高になる。紫外線は短すぎるし、赤外線は長すぎる。だいたい600nm(オレンジ色の可視光線)ぐらいがパーフェクトだ。太陽から来る光は、さまざまな波長の光で構成されていて、600nmはその一部にすぎない。そこで、太陽電池が太陽光から生成できるエネルギーの量には限界がある。それが、ショックレー-クワイサーの限界の論拠のひとつだ。

Biermanらのチームは、太陽と電池のあいだに一工程を加えた。それは、“細心の工程で作られたカーボンナノチューブの構造体”を利用することだ。“カーボンナノチューブは、太陽光の全スペクトルをほぼ完全に吸収できる”、とBiermanはMITのニュースリリースで述べている。“光子のエネルギーのすべてを熱に変換できる”。

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チームの熱光起電電池が仕事中

従来の太陽電池では、熱はエネルギーの浪費にすぎないし、電池の動作の邪魔にもなるので、嫌われていた。でもこのやり方では、熱は浪費を許されない。むしろ、カーボンナノチューブが熱を光に戻すのだ。しかもその波長は正確に、光起電電池にとって最適の波長だ。

結果は、効率の大幅アップだけではない。熱は、光と違って保存や移動が楽にできる。日中の太陽光をすべて熱に変換して保存すれば、それを必要に応じて光に変換できる。たとえば、夜などに。言い換えるとこの技術は、太陽光を後(のち)の利用のために保存する。

実験の結果が理論を確証し、プロトタイプのTPV(熱光起電)電池の性能は期待どおりだった。しかしこの技術が研究室を出るためには、複雑なカーボンナノ素材の量産という、難題の克服が必要だ。だから、来年や再来年にあなたが熱光起電を利用していることは、ありえないだろう。でも、とても大きな将来性のある技術だから、実用化されないまま終わるとは思えない。

この研究は、Nature Energy誌に発表されている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Appleがソーラーパネルとタッチディスプレイの一体化で特許を取得

Appleが最近取得したパテントは、モバイルデバイスが太陽光発電を利用する未来に向かうための一歩だ。AppleInsiderによると、この特許は、従来のタッチパネル表示装置とソーラーパネルの配列を一体化する技術だ。すなわち、可撓性のあるディスプレイモジュールと太陽光発電装置が一つになるので、スペースを節約でき、デバイスのさらなる小型化という近未来の要請にも対応できる。

同社は、この前にも類似の技術で特許を取得している。しかしその特許では、タッチを感取する面が表示装置でもある、とはなっていない。ただ、タッチ面とソーラー面の同一を記述しているだけなので、用途が限定される。

今回の特許では、ソーラーセルがタッチセンサの部位兼ディスプレイの部位から顔をのぞかせることになるので、そのための(太陽光を通すための)技術が鍵となる。たとえば表示面にピンホールを並べるとか、光ファイバを使って光を導く、といった方法がありえるだろう。

AppleがiPhoneやiPadのソーラー化を真剣に考えているのなら、この特許はそれらのための喫緊の技術になる。しかし今のソーラーセルの性能と、高品質なディスプレイを備えたモバイルデバイスの電源要件を対比させると、完全にソーラー化されたiOSデバイスの登場はまだまだ先の話、とも思える。ただし、電池寿命を延命させるための補助的技術としてなら、もしかして…。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Appleは携帯型iOSデバイスにおける太陽光発電の利用を真剣に考慮中らしい?!

USPTOが公開した特許出願書類(via AppleInsider)によると、Appleはモバイルデバイスで利用する太陽光発電を現実的な手段として考慮しているらしい。「現実的な手段」というのは、大きくてとても持ち運べないような外部装置などを用いずに、という話だ。太陽光発電というのは、ガジェット用として日常的に用いるにはまだまだ実用とは言えない段階だろう。しかしAppleは2012年に出願書類を提出している。この書類を見ると近いうちに太陽からパワーを受け取ることができそうにも思える。

Appleの申請書類を見ると、Appleの考案したデバイスは、太陽光発電による直流電流と、通常の電源プラグからくる交流電源をともに利用できるようにしているようだ。つまり、MagSafeやiPadないしiPodのアダプターなどをを繋ぐこともできるし、一定の電圧を必要とするまたMacBookなどの各種ハードウェアも、直接に繋いで利用することもできるようになるらしい。また、申請書類によれば2つの電力源を同時に利用することもできるようで、太陽光を存分に利用しながらも、安定的な電源からも同時に、デバイスを充電することが可能になっているわけだ。

この特許の肝となる部分は、既存ハードウェアにて、利用できるエネルギー源を多様化することができるという点と、また、そうした仕組みを非常にコンパクトに実現できるということもある。効率的に電源を活用する仕組みは、理論的には既存のデバイスの中に、大した変更もなしに埋め込むことができるようにもなる。Appleは技術的なハードルを超えることができれば、直ちに実用化に向けて動き出すことができるようになるというわけだ。

個人的には、もしこの特許申請技術が実用化するにしても、いましばらくの時間がかかるものだと感じる。しかしもしこの技術を実用化することができれば、これまでには敢えて考えないようにされていた大自然の中など、電源の確保ができない場所でもAppleデバイスが利用可能となることになる。バッテリーないしデバイスのサイズを変えることなく実現できるかどうかが重要なポイントとなるだろう。AppleのR&D部門もその点について大いなる努力を重ねている最中であるということなのだろう。

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(翻訳:Maeda, H