Spotifyが有料会員数1.08億人、MAU2.32億人を達成、ユーザー当り売上は減少

Soptifyが4~6月期に獲得した会員数は800万人で、予測値の850万人をわずかに下回った、とストリーミングの巨人が本日(米国時間7/31)発表した。

音楽スクリーミング最大手は6月末時点で月間アクティブユーザー数2.32億人、有料会員数数1.08億人を記録し、3月末の月間アクティブユーザー数2.17億人、有料会員数1億人をそれぞれ上回った。月間アクティブユーザーには有料ユーザー/無料ユーザーのいずれも含まれている。

「有料会員数が目標に届かなかった…これはわれわれの責任だ」と同社は語った。

有償購読者には30日間の無料トライアルを利用中のユーザーも含まれる。またSpotifyは、プレミアムサービスを1ドルで利用できる年2回のキャンペーンも最近スタートした。

これがユーザー平均売上が前四半期より1%ダウンの4.86ユーロ(5.42ドル)になった原因の一つだと同社は言い、この減少傾向は年内も続くと予想していることを付け加えた。

spotify users

Image and data: Spotify

一方、Apple Musicの有料会員数は今年6月に6000万人を超えたところだ(こちらも3ヶ月無料トライアルのユーザーを含む)。

収支を見ると、Spotifyの四半期売上は前年同期から31%増の18.6億ドル、営業経費は4%増だった。営業損失は334万ドルへと改善し、アナリストが予測した売上18.3億ドル、営業損失6200万ドルを上回った。

さらにSpotifyは、主要レコードレーベル2社とライセンス契約で合意に達し、他の2社とも鋭意交渉中であることを明らかにした。レーベル名は公表していない。

Sptofiyの将来の利益(あるいは損失)は、音楽レーベルとの交渉で現在の利幅をどう変えられるかにかかっている。Spotifyが生み出す売上の大部分は音楽レーベルに渡る。数年毎に全レーベルとSpotifyが交渉して契約を更新する。

Gimlet MediaAnchorParcastらの買収によってポッドキャストサービスを強化した同社は、ポッドキャスト利用者が前四半期に比べて50%増えたと言っている。Spotify CFOのBarry McCarthy氏は、同社がさらにポッドキャスト会社を買収することを検討していると語った。

Spotifyは今年3月に ヨーロッパでいわゆる「Apple税」について苦情を申し立てたが、今日はAppleについて語らなかった(Appleは申立てに異議を唱えている)。Spotifyは、同社が2月に音楽ストリーミングサービスを開始したインドについても多くを語らなかった。今年4月にSpotifyは、インドのユーザー数が200万人を突破したと語った。「最も新しい市場であるインドの業績は好調で、当社の予測とも一致している」と今日同社は語った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Spotifyが新興市場の36カ国でAndroid向けのLite版アプリを正式リリース

昨年ベータ版が公開されたSpotify Liteアプリが、アジア、ラテンアメリカ、中東、アフリカの36カ国で正式版としてリリースされた。日本は対象となっていない。

Liteアプリはインターネット接続が不安定、あるいは遅くても動作するように作られている。アプリ自体はわずか10MBで、古いデバイスやストレージ容量が少ないローエンドのデバイスでも使える。Spotify LiteはAndroid 4.3以降のデバイスで動作し、有料ユーザーも無料ユーザーも利用できる。契約プランの容量の上限が気になるユーザー向けに、月内の上限をあらかじめ設定し、その通信量に近づくと通知するオプションもある。

Lite版でも通常のアプリの90%の機能は使えるという。ビデオなどいくつかの機能は楽しみ方の基本的な部分には大きな影響を与えないとして省略されている。

広報担当者はTechCrunchに対し、現時点ではiOSのLite版をリリースする計画はないと述べた。制限のあるLite版から恩恵を受けるのはAndroidユーザーが多いとみられるため、これは合理的な方針だろう。

インドは重要な市場のようだ。Spotifyはインドで2月にすべてのサービスが提供開始となり、その後、6月にLite版を公開した

Lite版の大きな目的は、新興市場や古い機種を使っているユーザーを狙い、現在のユーザーベースを広げていくことだ。Spotifyは、現在2億1700万人のユーザーがいて、そのうち1億人が有料ユーザーだとしている。これに対しApple Musicのユーザー数は6月に6千万人を超えた

Spotifyのマーケット担当グローバルヘッド、Cecilia Qvist氏(左)は香港で開催中のイベント、RISEのステージでSpotify Liteのリリースを発表した(写真:David Fitzgerald/Sportsfile、Getty Images)

Google Play Storeのデータを見ると、Spotify Liteは100万回以上ダウンロードされている。Lite版がSpotifyのサービスの新たなエントリーポイントであることが知れ渡れば、この数は急上昇することが予想される。

Lite版のアプリは、Facebook、Facebook Messenger、YouTubeなどのサービスでも人気だ。特に新興市場では通信速度が不安定でローエンドのデバイスが多く使われているので、需要が高い。

画像:BRYAN R. SMITH/AFP / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

Spotify傘下のSoundtrapが無料ユーザーのストレージを無制限に

Spotifyが2017年に買収した音楽とポッドキャストのソフトを作っているSoundtrapが、その無料利用のストレージの容量を無制限にした。

それまでSoundtrapの無料ユーザーのユーザーのストレージの利用は、一度に5プロジェクトまでと制限されていた。また無制限ストレージのほかに、無料ユーザーが利用できる音楽の量を倍増し、アクセスできるループは2210種類、ソフトウェアによる楽器は210種類になった。

Soundtrapには今でも、ミュージシャンは7ドル99セント、ポッドキャスターは11ドル99セントから始まる有料制がある。それらはもっと多くのループや楽器を使えるだけでなく、対話的に書き起こし(トランスクリプト)の編集ができる。

無料利用の機能が増えればユーザー数が増えて、Audacityのような無料サービスのユーザーも引き寄せ、そして最終的には彼らの一部が有料のユーザーになるかもしれない。でも共同創業者でゼネラルマネージャーのPer Emanuelsson(ペール・エマニュエルソン)氏によると、変更の理由はもっと単純だ。

彼によると「一般的に、音楽の制作を民主化したかったんだ。もちろん、その気持ちはみんなにも分かってもらえるだろう。クリエイティブなことをしたくてもできなかった人たちが、できるようになるんだ」とのこと。

Soundtrapの発表は、昨年のSpotifyの無料利用の改良についても触れている。親会社に倣ったのか、と聞くとEmanuelsson氏は、「Spotifyが2018年に無料ユーザーに対してやったことの意味は大きい。われわれも、あのようなやり方を強く信奉している」と言った。

関連記事: Spotify-owned Soundtrap launches a podcast studio in the cloud(Spotify傘下のSoundtrapがクラウドにポッドキャストスタジオを開設、未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Spotifyが音楽とポッドキャストをミックスしたプレイリストの提供を開始

ここのところ、Spotifyは音楽とポッドキャストの両方を含む「Your Daily Drive(毎日のドライブ)」という新しいプレイリストを一部でテストしていた

米国時間6月12日、同社はこのプレイリストを米国で正式にスタートさせた。同社によれば、米国全体で年間700億時間が車での通勤に費やされているという。

このプレイリストには、自分が「いいね!」した曲、同社のフラッグシップのプレイリスト「Discover Weekly」と同様のおすすめの曲に加え、The Wall Street Journal、NPR、PRI(Public Radio International)の最新のポッドキャストニュースも含まれる。特にNPR News Now、WSJ Minute Briefing、The Dailyを聞けるのが特徴だ。このミックスには時代を越えた定番の曲もちりばめられるという。

Spotifyが音楽とポッドキャストを組み合わせたプレイリストを提供するのは初めてだ。これは同社がポッドキャストのリスナ一を増やそうとする取り組みのひとつである。

ここ数カ月、Spotifyはポッドキャスト市場に投資してきた。GimletParcastAnchorなどを買収し、1週間ほど前に発表されたようにバラク・オバマ氏とミシェル・オバマ氏のプロダクションであるHigher Groundとも提携する。さらに『VOGUE』や『GQ』を出版しているCondé Nastの元エンターテインメント担当プレジデント、Dawn Ostroff氏をコンテンツ担当のトップとして迎えた

Spotifyは自社のパーソナライズの技術をポッドキャストに導入するという計画をかねがね語っていたが、「Your Daily Drive」はまだその例とは言えない。Spotifyはパーソナライズされた音楽と「信頼できるソースからの最新情報」をミックスすることに取り組んでいる。ニュースのコンテンツは、ユーザーが新しいプログラムと出あうためのツールというよりは、Alexaがニュースのヘッドラインや短いコンテンツを提供する「フラッシュブリーフィング」のようなものだ。

とはいえ、繰り返し聞くうちにポッドキャストの順番はパーソナライズされる。例えばWSJ Minute Briefingをいつも聞いていれば、これが最初に再生されるようになる。

さらにAlexaのフラッシュブリーフィングなどの最新ニュース配信サービスと同じように「Your Daily Drive」は常に新しいコンテンツに更新される。帰宅時には、朝の出勤時とは違う曲とニュースが再生されるということだ。

このプレイリストは安全な運転にも役立つかもしれない。音楽やニュースを聞こうとしてラジオ局やプレイリスト、ポッドキャストをしょっちゅう切り替える必要がなくなる。Spotifyは車内で利用してもらうことにも投資している。最近では、車のシガーソケットか充電ポートに接続し、音声でコントロールできるデバイスのテストを開始したと報じられた。

ポッドキャスト市場の競争が激化したこのタイミングで「Your Daily Drive」は登場した。特にPandoraはSiriusXMを買収してオーディオプログラムに力を入れている。最近、同社はゲノム分類技術をポッドキャストに応用し、音楽とポッドキャストの製品であるPandora Storiesを発展させ、約20種類のSiriusXMトークショーをPandoraのポッドキャストにした

今月開催されたアップルのWWDCでは、MacのiTunesが複数のアプリに分かれることが発表された。そのひとつがポッドキャストの専用アプリだ。同社は、機械学習を利用してポッドキャスト中の話し言葉をインデックス化する新しいポッドキャスト検索機能も紹介した。

米国のSpotifyユーザーは「Made for You」セクションから「Your Daily Drive」を利用できる。車内向けの機能である新しい「ドライビングハブ」も展開中であることをSpotifyは明らかにしている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

オバマ夫妻がSpotifyと契約しポッドキャスト番組制作へ

Spotifyはバラク&ミシェル・オバマ夫妻のプロダクション会社Higher Groundとの提携を発表した。この提携でオバマ夫妻は「ポッドキャストを制作し、幅広い話題について世界中のリスナーに語りかける」とSpotifyは説明している。

Higher Groundは、オバマ夫妻がコンテンツ制作でNetflixと契約した2018年に設立された。同社が手がけるNetflix向けの最初のコンテンツは1カ月ほど前に発表されたばかりで、オハイオ州の産業開発についてのサンダンス・ドキュメンタリーから、ニューヨークタイムズの死亡記事欄に載らなかったけれど注目すべき人々を取り上げたニューヨークタイムズのシリーズ記事から選んだアンソロジーまで、全てをカバーする。

一方のSpotifyはスタートアップのGimletとAnchorを買収し、そして長らくメディア業界で役員を務めてきたDawn Ostroff氏をコンテンツ責任者に起用するなど、ポッドキャストにかなり力を入れている。

Netflixの最初の発表と同じように、Spotifyの発表には番組の放送日や詳細な情報は含まれていない。今回の提携に伴い、Higher Groundはポッドキャスト専門の部門Higher Ground Audioを立ち上げる。

「ポッドキャストは生産的な会話を育み、人々を笑顔にし、そして人々を考えさせ、また私たちを結びつける稀な機会を提供するものであり、Higher Ground Audioの展開を楽しみにしている」と前大統領のオバマ氏は発表文で述べている。

イメージクレジット: Mark Wilson / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

Spotifyが軽量視聴アプリ「Stations」を米国でリリース

Spotifyは米国にて、キュレートされたプレイリストに簡単にアクセスできる視聴アプリのStationsをリリースした。このアプリはSpotifyによる実験だと考えられており、また起動時のインスタント楽曲再生をサポートしていることから、Pandoraのコピーだと考える人もいる。

Stationsアプリは、時間と労力をかけて音楽を探したり、自分のプレイリストをカスタムするよりも、ラジオのような体験をしたい人へと向けてデザインされている。また、Spotifyのアプリの外観は万人向けとはいえないので、シンプルなユーザーインターフェイスを求める人にも魅力的だろう。

そのかわり、Stationsではスクロールできるリスト上のプレイリストや、簡易的なカスタムツールなど、機能が最低限に留められている。

Stataionsでは無料ユーザーには広告が再生され、また楽曲の評価ができるが、スキップはできない。Spotifyのプレミアム会員は無限のスキップと広告なしでの再生が可能だ。

アプリではジャンルや年代、アクティビティなどに応じたプレイリストが用意され、使い続けるうちにユーザー向けによりカスタマイズされていく。またYouTube Musicのように、ユーザーが好きなアーティストを選び、自分のステーションをカスタムすることも可能だ。さらに、ユーザーの好みに応じたお気に入りプレイリストも用意される。

Stationsアプリはまず、オーストラリアにてAndroidユーザー向けに2018年にローンチされた。そして同国では、1カ月前にiOS版もローンチされている。

当初、Spotifyはこのアプリを他の市場へと投入する計画についてコメントしなかったが、今回の拡大はSpofityがStationsのユーザーから良好なフィードバックが得られたという前向きな兆候のようだ。

なお、現在米国ではiOS向けにStationsがローンチされている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Spotifyが一部のアカウントに対し「不審な活動」を理由にパスワードをリセット

音楽配信大手のSpotifyが一部のユーザーに対し、アカウトのパスワードをリセットしたと通知した。対象となったユーザーの数は不明だが、自分が対象となった理由がわからないユーザーがたくさんいるようだ。

ユーザーは「不審な活動が検出されたため」パスワードをリセットしたというメールをSpotifyから受け取ったが、詳しい説明はなかった。

Spotify広報のPeter Collins氏は次のように述べている。「我々のサービスに対する不正な行動を阻止するために日頃からメンテナンスをしている。その一環で最近、予防措置としてパスワードをリセットしたことを一部のユーザーに伝えた。我々はベストプラクティスとして、自分を保護するために複数のサービスで同じ認証情報を使わないことをユーザーに対して強く推奨している」。

つまりSpotifyは、どこかのサイトから漏洩したユーザー名とパスワードを使ったリスト型攻撃があると言っていることになる。

TechCrunchはパスワードリセットのメールを受信した人々に問い合わせをした。複数のウェブサイトで同じパスワードを使っていたという人もいれば、Spotifyだけのパスワードを使っていたという人もいた。Hacker Newsのスレッドには、自分のパスワードはSpotifyだけに使っているものでありリスト型攻撃には疑問があると書き込んだ人が2人いる。

パスワードに脆弱性がある、または容易に推測できると考えられる場合に企業がユーザーのパスワードをリセットすることはめずらしくない。通常、企業はパスワードを平文では保存せず、ハッシュ化している。脆弱なパスワードや流出したパスワードのリストを同じアルゴリズムでスクランブルすれば、企業は自社が保有するデータベース中の脆弱なパスワードを見つけ、予防策としてパスワードリセットのメールを送信する。

NetflixもFacebookSpotifyも、他社のデータ漏洩があった場合にそのデータを入手し、流出したパスワードを自社のデータベースと照合して、事前の対策としてアカウントのパスワードをリセットしたことがある。TechCrunchはSpotifyに対してさらに問い合わせをしたが、返答はなかった。

ChipotleDoorDashOkCupidの顧客はいずれもここ数カ月でアカウントのハッキングがあったと報告している。3社ともデータ漏洩を否定している。

画像: Spencer Platt / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

Spotifyが車載ハードウェア「Car Thing」をテストへ

Spotifyは独自プレーヤー「Mighty」と緩やかに連携するなど、さらなる多様化の道を進もうとしている。そして今度は、独自のハードウェアを作ろうとしている。

上のデバイス「Car Thing」は、一般消費者向けのデバイスではない。Spofityはこれにより、サービス購読者の車内での音楽の聞き方を調査するのだ。音声コントロールが可能なCar Thingは、米国の招待されたSpotify Premiumユーザーの一部に提供される。

シガーソケットに差し込んで使うこのCar Thingは、ユーザーによるパブリックベータテストの始まりに過ぎないようだ。Spotifyは「我々は将来、似たような音声特化のテストを行うかもしれない」と説明している。「だから、Voice ThingやHome Thingのことを聞いても驚かないでほしい」

The Vergeによれば、テストは数週間中には開始される予定だ。Spotifyはこれらのテストについての議論を公開することで、独自ハードウェアに関する噂に応えようとしているのかもしれない。今後このようなプロダクトが車載向け、あるいは家庭向けに登場するのかどうか、見守ってみよう。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

ポッドキャストのリスナーがボイスメッセージを残せる機能をAnchorが公開

Spotifyは2月にAnchorを買収した。これはSpotifyにとっては有効な手だった。気が利いていて急速に成長しているAnchorは、Spotifyがポッドキャスト事業を構築するのに大きな役割を果たすだろう。とはいえ、大規模な買収の後でもAnchorは自己満足に陥ることなく、自社のサービスの強化を続けている。

Anchorは、ポッドキャストを始めるハードルを下げる優れたツールを提供している。同社は最近、興味深い機能を追加した。リスナーが番組提供者に対して、ボイスメッセージで音声フィードバックを送れるというものだ。

この機能を使うには、以前はAnchorアプリが必要だった。現在はアップデートされて、番組のプロフィールにあるリンクをクリックすると最長1分間のフィードバックを録音することができるようになっている。フィードバックがあると番組提供者に通知が送られ、Anchorアプリかダッシュボードからオーディオファイルにアクセスできる。Episode Builderを使うとオーディオファイルを番組に直接追加できる。

リスナーはサインアップしてログインしないとメッセージを残すことはできない。Anchorは、これは匿名性を減らす試みであり、実際の人物とメッセージを紐づけることで多少なりとも責任を持たせるものであるとしている。

この機能はすでにCasey Neistat & Candace Poole’s Couples TherapyやPopular Science’s The Weirdest Thing I Learned This Weekなどの一部のポッドキャストで利用されていたが、現在はリスナーのエンゲージメントを推進する方法を求めているすべてのユーザーに公開された。親密でありながら一方通行になりがちなメディアには、好ましい機能追加だ。

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(翻訳:Kaori Koyama)

EUがアップルを調査へ、Spotifyからの競争阻害訴え受け

英ファイナンシャル・タイムズ紙の報道によると、Spotify(スポティファイ)とApple(アップル)のいさかいはEUが調査に乗り出す事態となった。

同紙は今日、Appleが、故意的に他のアプリデベロッパーに不利になるよう、App Store管理者としての立場を利用しているとのSpotifyの主張をめぐり、EUの規制機関である欧州委員会(EC)が競争阻害の調査を行うと報道した。

Spotifyは3月にECに提出した申し立ての中で、SpotifyのライバルであるApple Musicならびに配信のためのiOSやプラットフォーム、App Storeの運営によりAppleは“競争を歪めた”と主張した。

とりわけSpotifyのCEOであるDaniel Ek氏は、Appleがアプリ内課金で30%の手数料を取るなどして他のデベロッパーに制限を課している、と指摘している。Ek氏はまた、Appleがユーザーとアプリ開発元のコミュニケーションをコントロールしていることに懸念を示した一方で「消費者にとって有益なマーケティングや販促に不平等な制限を課すことを含め」、Apple MusicがSpotifyのようなライバルに対して不公平なアドバンテージを有しているとも指摘した。

Spotifyの発表はこれまでなかった種のものだ。Ek氏が言うところによると、他の多くのデベロッパーが同じように感じているが、公に主張することでAppleを怒らせたくないと考えている。ファイナンシャル・タイムズ紙が報道したように、もし調査が始まればEUは当然そうした黙っているデベロッパーにも踏み込むだろう。

Spotifyの主張にAppleは反論したが、そうした主張についてのAppleの対応は反証的、または新しいアングルだった。AppleはSpotifyが前面に出している要求に直接応えていない。そうした要求には(Google Play storeで提供されているような)別の支払いオプションや、AppleアプリとSpotifyのようなサードパーティのアプリの平等な扱いなどが含まれる。

EUは米国のテック大企業を抑制する厳しい機関として知られつつある。GDPRイニシアティブはさておき、EUはこれまでテックにおける明らかな独占に対して行動をとってきた。

例えば、Googleは検索広告ブロックでの独占禁止違反で今年3月に14億9000万ユーロの罰金が科された。そして昨年、Androidの乱用でも前代未聞の罰金50億ユーロが科され、Googleの解体を求める意見もあった。必然的にFacebookも特に選挙をめぐっての一連のプライバシー問題でEUに目をつけられてきた。

EUからのプレッシャーにより、ソーシャルネットワークには広告のためのデータ使用をめぐる透明性のある利用規約が導入された。その一方でEUは、EUの選挙をめぐり海外の広告支出を制限するルールを変更するかもしれない。

テック大企業の解体を考えている人が米国にいるにもかかわらず、EUの競争政策を担当するコミッショナーのMargrethe Vestager氏はおおっぴらにテック大企業の解体には反対している。その代わりVestager氏はデータアクセスを規制することを公約している。

今年初めのSXSWでのインタビューでVestager氏は次のように述べている。「企業や私有財産を解体することはかなり遠大な計画となる。そして、主流なツールを使ってできることよりも消費者にとってもっといい結果をもたらすことになるだろう、という十分な論証が必要となる。我々は私有財産に対処している。事業は、イノベーションによりつくられ、投資され、そして成功する」。

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(翻訳:Mizoguchi)

Spotifyが数カ国で2人用プランを試験導入

The Vergeが指摘したように、Spotifyはアイルランドで「Premium Duo」という新たなサブスクリプションを導入した。その後の調べで、チリ、コロンビア、デンマーク、ポーランドでもPremium Duoの試験導入が始まっていることがわかった。「Duo」と付いていることから想像できる通り、同居している2人用のサブスクリプションだ。Premiumアカウントよりは少し高く、ファミリープランよりは少し安い。

3人か4人の家族ならファミリープランが順当だ。1カ月14.99ドル(日本では1,480円)で、最大6アカウントまでPremiumとして利用できる。

では2人だったら? 多くの人が1つのアカウントを共用しているだろう。1アカウントなら1カ月9.99ドル(日本では980円)で済む。

1つのアカウントを共用するのは使いづらいし、サービスの利用規約にも抵触する。たとえば通常のPremiumアカウントを1つ利用している場合、一度に1台のデバイスのみで音楽を再生できるので、あなたが音楽を聴き始めたら友だちのデバイスでは音楽が止まることになる。Duoはこの問題を解決する。

Spotify Duoで新しい価格設定が提供されたことになる。1カ月12.49ユーロ(約1,500円)だ。米国ではおそらく12.49ドル、英国では12.49ポンドになるだろうが、現在は提供されている国が限られている。このアカウントを利用できる条件はただ1つ、2人が同じ住所に住んでいるということだけだ。

SpotifyのWebサイトによれば、動作はファミリープランと同様だという。ユーザーは1人ずつアカウントを作成する。支払いをする人が招待のリンクを送信すると、受け取った人がグループに入れる。アカウントのリンクはいつでも解除できる。

Spotify Duoが1つのアカウントを共用している人々をターゲットにしていることは明らかだ。SpotifyはWebサイトに「これで別々のアカウントを利用できるので、一人ひとりに合った音楽をおすすめします」と記載している。

これに関連して同社は「Duo Mix」という新機能も導入した。これはPremium Duoを利用している2人の共有プレイリストだ。Duo Mixには2人とも気に入った曲がフィーチャーされる。チルミックスかアップビートミックスのどちらかを選ぶことができ、露骨なコンテンツを除外することもできる。

Duo Mixに加え、プレイリストのライブラリすべてをワンクリックでDuoアカウントの相手に共有することもできる。住所の変更や設定の確認をするための「Duo Hub」と呼ばれるアカウント管理機能もある。

Spotifyはこの新しいオプションでサブスクリプションを増やすことができるのだろうか。最新の決算発表の中で同社は、Premiumユーザー1人あたりの平均収益は4.89ユーロ(約600円)であると述べている。ファミリープランはすでに大人気のようだ。

Image Credits: Mohammed Elshamy/Anadolu Agency / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

サムスンのGalaxy S10が米国で販売開始

Galaxy S10の予約注文は、誰に聞いても好評だったようだ。実際、本体に無料でバンドルされるGalaxy Budsは予定数量を終了した。S9の売上が低調と伝えられた後だけに、サムスンにとっては良いニュースだ。

レビューを待っていた人、あるいは店頭で買いたい人のために、米国では現地時間3月8日からGalaxy S10の店頭発売が始まった。サムスンは現在も特典をいくつか提供している。最大の特典は、Spotify Premium6カ月間無料で「正規購入」として利用できることだ。これは同社がGalaxy S10に音楽アプリをバンドルすると発表したことによる。

重いソフトへの回帰?それともアップルと戦うための戦略的パートナーシップ?まあ、どちらでもいいだろう。

特典の対象となるかどうかは地域や通信キャリアによって異なる。自分が特典を受けられるかどうかを知りたければ、こんな細則がどっさりある

このPremiumおよびサムスンの6カ月間トライアルのオファーは期間限定でのみ利用でき、当該の日付が公表される前に引き換える必要がある。 SpotifyはこのPremiumおよびサムスンの6カ月間トライアルのオファーをいつでも理由の如何を問わず変更または早期に終了する権利を有する。その期間の後、Spotifyはこのオファーを受けようとするいかなる試みも引き換える義務を負わないものとする。

S10、S10+、S10eに加え、サムスンの新しいウェアラブルデバイスのGalaxy Watch ActiveとGalaxy Budsも、サムスンのWebサイトと店頭で販売を開始した。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Spotify、月間ユーザー29%増の2.07億人もQ4売上17億ドルは予測に届かず

Spotifyは、依然としてその使い放題の音楽ストリーミング(最近はポッドキャストも)サービスを順調に伸ばしている。しかし売上と利益はアナリスト予測に届かなかった。

本日(米国時間2/7)ポッドキャストにいっそう力を入れるためにGimletとAnchorを買収した、というビッグニュースとともに発表されたQ4決算によると、月間アクティブユーザー2.07億人は前年比約30%増、営業利益は初めての黒字で9400万ユーロ、純利益は4.42億ユーロと、Spotifyにとって営業利益、純利益、フリーキャッシュフローすべてがプラスになった初めての四半期となった。

しかしこうした力強い数字に、上場会社として大きな弱点の一つが影を落とした。収支の数値はアナリスト予測に届かなかった。

同社の収益は14.95億ユーロ(前年比30%増)だった。これは17.02億ドルに相当しアナリスト予測の総意である17.1億ドルを下回る。

しかし1株当たり利益で見ると、強力な純利益に支えられて予測を優に上回った。Spotifyによると、希薄化後EPSは0.36ドルで、アナリスト予測は1株当り0.22ドルの損失だった。

Spotifyはまだ比較的若い会社であり、今後もApple、Amazon、Googleらとの競争が続く中、一部の目標に届かなかったものの非常に順調に成長している。

中東地域で対象地域拡大を進めた結果、現在Spotifyは78カ国で利用されており、今年も増やしていく計画だ。利用時間は無料(広告付き)、有料ユーザーともに伸びており、同四半期中に150億時間分のコンテンツが消費された。

今後も音楽およびポッドキャスト両方でアドテックを利用して無料プランの拡大を図っていく、同社の有料プランも成長を続けており、収益の大部分を担っている。

現在有料ユーザーは36%アップの9600万人で、これはGoogle Homeとの連携プロモーション(初めてのハードウェアバンドル)の好調な実績とホリデーセールによるところが大きいとSpotifyは言っている。同社は有料プランの多様化を進めており、現在個人定期購読のほかに、学生および家族のプランを提供している。

有料定期購読ユーザーによる収益は、Spotifyの収益のほぼすべてを占めている。Q4の収益13.2億ユーロは全体の約88%で、総収益と同じく前年比30%増だった。1ユーザー当たり平均売上は4.89ユーロだった。

一方広告付きサービスの収益は1.75億ユーロに留まった。

同社のB2B事業も本格的に進んでいる。Spotify for Artists(曲の再生回数などSpoftify上のアーティストのビジネス面の情報を測定する)は30万人のクリエーターに利用されていると同社は言った。

GimletとAnchorの買収によってSpotifyが音声コンテンツを強化しようとしていることを踏まえると、Spotify for Podcastersの利用時間も増える可能性がある。現在1万人のポッドキャスターが同社の分析ツールを利用して聴取者数などのデータを取得しているとSpotifyは言っているが、これはまだまだ少ない数字だ。他の分析サービスとあわせて今後に注目したい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Spotifyが正式にApple Watchアプリを公開

そのテストレポートに続いて、Spotifyは本日(米国時間11月13日)待望のApple Watchアプリの提供を開始した。このアプリを使うことで、ユーザーはSpotifyストリーミングサービスの再生をApple Watchの画面から制御することができるだけでなく。コンピューターやWi-FiスピーカーなどへSpotify Connectを通して接続したり、Shuffleをオンオフしたり、プレイリストや最近再生したアイテムへのアクセスをしたり、好きな曲にハートを付けたりすることが可能だ。

このニュースは本日Spotifyのブログで発表された。そこでアプリの詳細機能が説明されているが、音楽に加えてポッドキャストの再生機能も含まれている。

「私たちは音楽を持ち歩くことの重要性を知っています。それこそがApple Watchを使うモバイルユーザーの皆さんに新しいSpotifyアプリを提供できることに興奮している理由です」と同社は語っている。「この新しいアプリによって、ユーザーの皆さんは、より良いコントロールやスピーカーやデバイスへのよりシームレスな接続による、優れた体験をお楽しみいただくことができます」。

App Storeのリリースノートには、これがウォッチアプリの「ファーストバージョン」であることが示されているため、さらなる機能追加が期待される。

Spotifyも、将来的のリリースでは音楽やポッドキャストをオフラインで聞くことができるようになることを認めている。

単に音楽やポッドキャストを再生したり停止したりするだけでなく、新しいアプリは曲をスキップしたり、聞き逃した部分をもう一度聴くためにポッドキャストを15秒巻き戻したりすることができる。これらもすべてApple Watch の画面から行うことが可能だ。

アプリは正式に公開されたが、Spotifyによれば新しい機能はこの先の一週間程でApple Watchユーザーに順次展開されるという。今すぐにWatchアプリを追加することはできないかもしれないが、すぐに可能になる筈だ。

アプリにアクセスするためには、App StoreからSpotifyアプリの最新バージョン(v.8.4.79)を取得する必要がある。

(訳注:訳者のApple Watch(第一世代)では既に利用可能になっていた)

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(翻訳:sako)

Spotify、10億ドルの自社株買い計画を発表――決算発表後の株価下落に対処

四半期決算発表後の株価下落に対処すべくSpotifyは今日(米国時間11/5)、最大10億ドルに上る自社株買い戻しの計画を発表した。1000万株の自社株買いは取締役会および株主総会で承認ずみだ。Spotifyによればこのプログラムは2021年の4月21日に失効するという。

Spotifyの決定は、決算報告で音楽ストリーミング事業が順調に成長を続けていることを発表したものの、市場の反応が思わしくなかったことを受けたものだ。投資家は同社が長期的投資の対象となるまで十分長く成長を維持し続けられるかどうかに疑念を抱いたとみられる。

またこの10月、多くのテクノロジー企業の株価が2008年の経済危機以来となる大幅な下げにみまわれたことも影響している。

前四半期についてSpotifyはIn 収入は対前年比31%アップし赤字幅は半減したなど好調な営業成績を発表した。月間アクティブ・ユーザー数は1億9100万人となり、これは対前年比で28%のアップだった。

しかし音楽ストリーミング事業には有力なライバルが存在する。特にアメリカ市場ではApple Musicや出遅れ気味だったものの3位に迫るAmazon Musicとの激しい競争に直面している。Amazonは膨大なプライム会員をユーザーベースにしている強みがあり成長は著しい。衛星ラジオ放送のSirius XMが音楽ストリーミングの Pandoraを買収したことも見逃せない要素だ。

Spotifyのユーザーベースの大半は無料会員で、1億900万人がこの広告が表示されるフリーミアムモデルを利用している。アルゴリズムによって自動的に広告を出稿できるプラットフォームはまだアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアという英語圏でしか利用できない。このプラットフォームはこの数ヶ月以内に他の地域に拡大が予定されており、広告収入の成長が期待される。

Spotifyは声明で「今回の株式買い戻しは長期的成長を最優先させるわが社の資本配分戦略に従って実施される。またわが社が適当と認めれば期限を待たず随時停止ないし終了することとなる」と述べている。

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滑川海彦@Facebook Google+

Spotifyの第3四半期、好成績ながら株価は下落――収入13.5億ドル、月間ユーザーは28%アップして1.91億

今年上場を果たした音楽ストリーミングの有力企業、Spotifyは今日(米国時間11/1)、 第3四半期の決算を発表した。同社は引き続き拡大を続けているものの、運用成績はアナリストの期待になんとか届く程度だった。このため株価は小幅ながら下落している。市場でのSpotifyの苦闘は続くことになった。

同社の発表によれば、7-9月期の収入は13億5200万ユーロで、アナリストの予測、13億3000万ユーロ(15.1億ドル)をかろうじて上回った。

Spotifyの売上は対前年比で31%アップしており、営業損失は600万ユーロと対前年比でほぼ半減した。利益率は25%となり、同社では「期待以上のパフォーマンス」を達成できたとしている。SpotifyのMAU(月間アクティブ・ユーザー)は1億9100万人(対前年比28%アップ)となった。Spotifyの運営の改善が続く一方、投資家が同社の赤字にいつまで耐えられるか、今後の行方が注目される。 

Spotifyが黒字化を達成し、長期的な投資対象になることについての懐疑的観測が市場に流れたため、同社の株価は9月以降下落に見舞われている。

今日の決算発表はこの全体的状況を大きく変えるものではなかった。今週、株価は152ドルから139ドルまで下落し、その後さらに134ドルまで下がった。 今日の安値は134.54ドルだった。〔その後141ドルまで持ち直している〕。営業成績の改善にもかかわらず、投資家の不満を一掃するまでには至らなかったようだ(昨日の終値の時価総額は269億ドル)。

懐疑的な空気の理由は、アナリストの予測を達成できたとはいえ、次の四半期の利益率が低下する可能性があることをSpotify自身が認めている点にもある。今週、同社はGoogleとの提携を発表した。クリスマス商戦のキャンペーンとして、月額15ドルのファミリー・プランに加入すると
Google Home Miniを無料でプレゼントするというものだ。

Spotifyは「この提携ののコスト負担により、第4四半期の粗利益率は0.5%程度低下するものと予想している」と発表している。

同社のユーザーベースではアメリカが引き続き最大となっている。同社ではラテンアメリカを含むそれ以外の世界の成長率のほうが大きいとしている(新しいコンシューマ向けプロダクを展開する企業の場合、これはよく起きる)。

ユーザー中に占める有料(プレミアム)ユーザー数は8700万で、Apple Musicの5000万を引き続き大きく上回っている。この数字は40%のアップであり、ファミリー・プラン、学生プランの展開が功を奏したとしている。同社は、HuluやShowtimeなど他のストリーミング・サービスにSpotifyをバンドルしたプランを設定するよう働きかけている。

その一方、Spotifyの成長は会費無料で音楽を聞けるフリーミアムモデルに助けられているところが大きい。現在CMが挿入される無料サービスのMAUが1億900万あり、これは
20%のアップだ。 同社ではCMの種類の拡大にも力を入れており、そうでなければ多額の出費となる無料サービスからもマネタイズすることに成功している。アルゴリズムによって自動的にCMを配信するAd
Studioが運用されている地域はアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアだ。これらの地域でのさらなる成長と他の地域への拡大の余地は十分あるだろう。

ただし、Spotifyは家の大掃除をする必要がある。どこであれ登録手続きを簡単にしているサービスでは起こりがちだが、Spotifyにもボットその他のフェイクユーザーがはびこっている。健全な広告運営のためには正確なユーザー数の把握が欠かせない。Spotifyでは具体的な数字は挙げていないが、この面でも努力を続けるとしている。

ただし、広告収入によるフリーミアムモデル部分は可能性を十分に追求されているとはいえない。同社によれば第3四半期の収入でプレミアム・プランからのものが12.1億ユーロを占めたとしている。つまり広告収入は1.4億ユーロにとどまったわけだ。

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滑川海彦@Facebook Google+

Apple Music、歌詞注釈のGeniusと提携

Spotifyが、ポップミュージックのプレイリストに歌詞注釈を持ってこようとGeniusと提携したのは2016年のことだ。しかしながら、その提携はそれ以上発展しないようだ。Geniusは、Spotifyの競合相手とパートナーシップを結んだ。

Geniusは今日、ブログ上でAppleとの提携を発表した。この提携により、GeniusはAppleのデスクトップやiOSアプリにある“数千ものヒット曲”に歌詞を提供する。この提携に加え、Geniusはまた優先ミュージックプレイヤーとしてApple Musicを使う。

これは、GeniusのサイトまたはiOSアプリで閲覧する曲の再生はAppleのソフトウェアがデフォルト設定されていることを意味する。

「Apple Musicで音楽を聴きながらGeniusで歌詞や注釈を読めるというのは夢のような体験だ」とGeniusのCSO、Ben Grossは今回の発表に伴う声明でこう述べている。「Apple Musicを我々のオフィシャルミュージックプレイヤーにすることを誇りに思う。そしてその素晴らしい音楽プラットフォームにGeniusの歌詞を提供することは二重の喜びだ」。

Spotifyにとって、Geniusが競争相手に傾いたことは少なからず逆風となる。Spotifyはこのところ、成長を続けるApple Musicによってシェアの維持に苦しんでいる。本誌記者Sarah Perezが最近書いたように、歌詞や音声サポートの欠如はサービスを展開する上で弱点となりつつある。

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(翻訳:Mizoguchi)

プレイリストを軸とした新音楽サービス「DIGLE」“音楽体験をより豊かに、楽しく”

世界最大の音楽ストリーミングサービス「Spotify」が日本でローンチしてからちょうど2年ほど経ち、ここ日本でも音楽聴取の文化は徐々にだが変わりつつある。形式は物理的な販売からデジタルダウンロード、そして定額配信へと移行し、音楽の聴取・シェアの仕方もこれまで以上に多様になった。

僕がパンク少年だった中学生の頃はお気に入りの曲をCDからMDに録音して「ミックステープ」のようなものを作り、自分で聞いたり友達に貸したりしていた。その頃はSpotifyやApple Musicも、SoundCloudやBandcampもまだ誕生していなかったからだ。だが今は当時の僕が羨ましく思うくらい簡単に、より多くの人に自分がオススメしたい楽曲のリストを共有することができる。

そのように誰でも簡単に音楽のプレイリストをシェアすることができる「ストリーミング時代のミュージックプラットフォーム」がCotoLab.の提供する「DIGLE」だ。音楽ストリーミングサービスと直結しているので、登録し自分で作ったプレイリストを投稿・公開することで他のユーザーから“いいね”やコメントを貰え、人気が出るとランキングに掲載される。

音楽好きが作ったプレイリストが沢山掲載されているので、今までに聴いたことがなかった新しい音楽に出会うにはもってこいの場だ。ジャンルもロックやポップ、アコースティックなど様々なものが作られている。

CotoLab.は現在の日本での音楽聴取の方法について「世界各国で定額制音楽ストリーミングサービスが普及しており、日本国内でも大物アーティストの楽曲配信が続々と解禁されるなど、ストリーミングは着実に影響力を増してきている」と説明している。同社いわく「ストリーミングでは“プレイリスト”での音楽の聴き方が浸透しており、影響力あるプレイリストを作成している”プレイリスター”が登場してきている」そうだ。そういった経緯から、「プレイリストが人々の音楽体験をより豊かに、楽しくできるものだと考え」プレイリストを軸としたサービスを展開することになったという。

CotoLab.の代表取締役 西村謙大氏いわく、ストリーミングサービスとは別にスマートスピーカーなどが普及し始め音楽の「BGMとしての利用」が増え「プレイリストでの音楽の聞き方がより一般的になる」という変化を見越してDIGLEの開発にいたったという。世界のストリーミングユーザーの半数強がアルバム単位でなくプレイリストで音楽を聴いていると指摘した上で「日本でもストリーミングのユーザーはどんどん増えている。今後(日本でも)そういう聴き方になっていくのでは」と話した。「そうなった時に、僕たちはサービスとメディアを通してそういった聴き方に合った情報の出し方をしたいと考えている」(西村氏)

DIGLEに加えてCotoLab.が展開し力を入れているのが「DIGLE MAGAZINE」というメディアだ。他の音楽メディアと違い「DIGLEがプレイリストに特化しているように、DIGLE MAGAZINEもプレイリストに特化している。面白いプレイリストを毎日1つ紹介する、ということをベースでやっている。埋め込みのプレイヤーがあるので、そのまま音楽にアクセスできる」と西村氏は説明した。DIGLE編集部が提供しているプレイリストの他にも、ネクストブレイクを狙う新進気鋭のアーティストたちが紹介されているなど、コンテンツも豊富だ。

そんなCotoLab.は9月20日、シードラウンドにて三菱UFJキャピタルや豊川竜也氏、その他個人投資家3名を引受先とする第三者割当増資、さらに日本政策金融公庫からの融資と合わせて総額4200万円の資金調達を実施したと発表した。

現在はSpotifyの音源に特化しているが、Apple Musicなどへ他のサブスクリプションサービスへの対応などを目指し開発を進めていくという。DIGLE MAGAZINEに関しても、コンテンツ量を増やしていく予定だ。

「今まではサービスに力を入れており、メディアにはそこまで力を入れていなかった。今回の調達をきっかけに、色んなライターさんに関わっていただいて質と量の両方を増やしていく予定だ」(西村氏)

「現状、サービスもメディアもウェブのみでの展開なので、将来的にはアプリ化したい」と西村氏は話していた。

SpotifyもAlex Jonesのヘイトコンテンツを削除、YouTube、Facebookに次ぎ三社め

一週間あまりの間に三つのテクノロジー企業が、Alex Jonesの人騒がせ的で極右的で陰謀説のコンテンツに対する態度を決めた。その三番目の企業は、昨日(米国時間8/1)一部のコンテンツを削除したSpotifyだ。同社が5月に発表したヘイトコンテンツに対するポリシーに、Infowarsのポッドキャスト番組の一部が違反している、とされた。同社のアクションは、Jonesのビデオに対するYouTubeFacebookの罰に続くものだ。それらのビデオには、イスラム教排斥や性的少数者の排撃、児童虐待など、両社のポリシーに違反するコンテンツが含まれているとされた。

水曜日(米国時間8/1)のBloomberg宛ての声明で、Spotifyはこう述べている:

弊社はヘイトコンテンツの報告を真剣に受け止め、コミュニティがマークしたポッドキャスト番組や曲は、すべて調べている。Spotifyは、‘The Alex Jones Show’ポッドキャストの特定の番組を、弊社のヘイトコンテンツに関するポリシーに違反しているため削除したことを、ここに確認する。

Spotifyは削除した番組や違反したとされるポリシー条項を明かしていないが、同社のポリシーアップデートのページに引用されている削除候補には、“人種や宗教、障害、性的同一性、性的指向性などを理由として人びとに対する憎しみや暴力を喚起することが主たる目的であるコンテンツ”、とある。そのポリシーはまた、これらの違反が必ずしも“敵対的で露骨で野卑なコンテンツ”を含んでいなくてもよい、としている。それよりもむしろ、憎しみを生じさせることを意図しているヘイトスピーチ、という包括的な言い方をしている。

Infowarsのポッドキャストのそのほかの番組は、今でもSpotifyで提供されている。Apple PodcastやSticherなどと同様だ。

このほかSpotifyは5月に、R. KellyとラッパーXXXTentacion、およびTay-Kの音楽を取り下げている。

Spotifyは、ヘイトスピーチをモニターするために、以下の人権団体と協力している: The Southern Poverty Law Center, The Anti-Defamation League, Color Of Change, Showing Up for Racial Justice(SURJ), GLAAD, Muslim Advocates, International Network Against Cyber Hate。またモニタリングツールSpotify AudioWatchを内製して、ユーザーがヘイトコンテンツにマークをつけるよう、求めている。

しかしインターネットという道は、安全であると同時に、誰もが自由に通れる道でなければならない。安全と自由の‘安全な両立’は、現状ではまだ、きわめて困難な目標だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Googleの目覚時計アプリがSpotifyをサポート――来週から好みの曲で起こしてくれる

普通のユーザーがAndroid版のGoogleの目覚まし時計アプリに特に注意を払っているようには思えない。簡単な設定をするだけで毎朝きちんと起こしてくれるのはありがたいが、感心な早起き人間は別として、そもそもあまりうれしくないアプリだ。デフォールトのアラーム音だけでなく、わざわざ選んだ他のサウンドも毎朝繰り返し聞いているうちにストレスが溜まってくる。

しかし朗報だ。Googleは今日(米国時間7/31)、時計アプリをアップデートし、Spotifyから好みの楽曲、ないしプレイリストをアラーム音として選べるようにした。

この機能は5.0 Lollipop以降のAndroidを搭載したスマートフォンすべてで利用できる。Spotifyの有料のプレミアム・アカウントは必要なく、無料アカウントでよい。新機能は全世界のユーザーに今週中に順次公開される。まだ手元のAndroidがアップデートされていないとしても、万事順調に運べば、来週の月曜の朝はお気に入りのメタルロックバンドの大音量の曲で目を覚ますことができるはずだ。

しかしGoogleが自社のアプリにSpotifyを使うのを不思議に思った読者もいるだろう。Google自身も音楽サービスを持っていたはずでは?  Google Play Musicも健在だし、YouTube Musicもある。実際、われわれもGoogleがここで商売仇のサービスをサポートしたことにいささか驚いている。もっともGoogleの音楽サービスに対する戦略はメッセージ・サービスに対するのと同程度の一貫性しかないともいえる(誰かAlloを覚えているだろうか?)

画像:stockvisual / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+