バーチャル渋谷の知見活用、都市連動型メタバースのガイドラインを策定する「バーチャルシティコンソーシアム」発足

渋谷区公認「バーチャル渋谷」の知見活用、都市連動型メタバースのガイドラインを策定する「バーチャルシティコンソーシアム」発足

バーチャルシティコンソーシアム

KDDI、東急、みずほリサーチ&テクノロジー、渋谷未来デザインの4社は11月9日、バーチャルシティコンソーシアムの発足を発表しました。KDDIが2022年春に展開予定のプラットフォーム構想「バーチャルシティ」などでの利活用に向けて、オープンな議論や調査研究を行い、ガイドラインの策定や情報発信に取り組むとしています。

同コンソーシアムでは、都市連動型メタバースをバーチャルシティと定義。「昨今、メタバースと呼ばれるインターネット上に構成される仮想空間での生活やビジネスが注目されており、バーチャルシティにおいては、実在都市と仮想空間が連動し、ともに発展していく新たなまちづくりを目指しています」とバーチャルシティ構想をアピール。一方で「バーチャル空間と実在都市の両方の視点から、ステークホルダー間の諸権利の整理やコンプライアンス指針の策定など、課題解決のための仕組みづくりが必要になります」とコンソーシアムの目的を説明しています。

なお、コンソーシアムの参加メンバーは、すでに渋谷区公認の配信プラットフォーム「バーチャル渋谷」の運営にかかわっており、ここで得られた知見をもとに、今後の他都市や類似モデル展開などに向けて活動していくとのことです。

一定の成功を収めているバーチャル渋谷の事例を他の都市にも展開しやすくなるのであれば、今後メタバースを盛り上げていく一助となる可能性はありそうです。バーチャル渋谷の知見活用、都市連動型メタバースのガイドラインを策定する「バーチャルシティコンソーシアム」発足

策定計画(予定)

  • 2021年11月:「バーチャルシティ」への期待感へ応える取り組みの構想。これまでの「バーチャル渋谷」の取り組みのスタディ。「バーチャル渋谷」におけるステークホルダーや法規制・権利などの整理。実在都市におけるステークホルダーや法規制・権利などの整理
  • 2021年12月:バーチャルシティ」と実在都市が連携するメリット・デメリット。「バーチャルシティ」上のコンプライアンスのあり方
  • 2022年1月:「バーチャルシティ」上のコンプライアンスのあり方(続き)。他都市展開にあたっての留意事項の整理。ガイドラインの骨子
  • 2022年3月:ガイドライン案

(Source:KDDIバーチャルシティコンソーシアムEngadget日本版より転載)

Nianticが「現実世界のメタバース」というビジョン&AR開発者キット「Lightship」を発表、AR体験構築をよりアクセシブルに

「Pokémon GO(ポケモンGO)」の開発で知られるARテクノロジー企業のNiantic(ナイアンティック)は、拡張現実体験の構築をより身近なものにするAR開発キット(ARDK)「Lightship」を発表した。この無料で公開されている技術は、同社のビジョンである「現実世界のメタバース」の基礎を築くのに役立つ。

NianticのJohn Hanke(ジョン・ハンケ)CEOは、プログラム立ち上げのライブストリームで、以前彼がメタバースを「ディストピアの悪夢」と呼んだ自身のブログ記事に言及した。しかし、Facebook(フェイスブック)が社名をMeta(メタ)に変更し、VRヘッドセットが支配する未来を宣伝している間にも、Nianticは代替案を想像している。それは、仮想世界ではなく、人々を直接結びつけるメタバースだ。

Nianticの既存のゲームは、屋外での活動や新しい人との出会いを重視している。リモートでプレイできるようにパンデミック時代の調整を行う前は、伝説レイドバトルなど、Pokémon GOの特定の側面は、十分な数のプレイヤーが同時に協力しないとプレイできなかった。2017年に伝説レイドバトルがリリースされると、ローカルなDiscordコミュニティが立ち上がり、人々は現実世界でのミートアップを調整して、一緒にルギアやフリーザーを捕まえようとした。

ハンケ氏は次のように述べた。「Nianticでは、人間はバーチャルな世界がフィジカルな世界につながるときに最も幸せだと考えています。SFのメタバースとは異なり、現実世界のメタバースは、何千年も前から知られている私たちの世界における経験を向上させるためにテクノロジーを活用します」。

Lightship ARDKの公開により、デベロッパーは「Ingress(イングレス)」「Pokémon GO」「Pikmin Bloom(ピクミンブルーム)」などのゲームの基盤を利用して、新たなプロジェクトを生み出すことができる。また同社は、2000万ドル(約22億6500万円)規模のNiantic Venturesファンドを開設し、Nianticのビジョンに合致する企業に投資する。ローンチ時点で、NianticはすでにCoachella(コーチェラ・フェスティバル)、英国の歴史的王宮を管理する非営利組織Historic Royal Palaces、Universal Pictures(ユニバーサル・ピクチャーズ)、全米プロゴルフ協会などのブランドと提携しており、彼らは同社のARDKを利用しているという。

このソフトウェア開発キットは、3D、2D、VR、ARエクスペリエンスを構築するソフトウェアであるUnityと統合することで、開発者がiOSやAndroid向けの体験を構築するのに役立つ。ARDKは、NianticのAR機能のトップ3である、リアルタイムマッピング、セマンティックセグメンテーション、マルチプレイヤー機能を提供し、Nianticが何年もかけて開発してきたツールを、新進気鋭のクリエイターが利用できるようにする。

NianticのプロダクトマネージャーAmanda Whitt(アマンダ・ホイット)氏は、この度のQ&Aで「Unityの経験が少しあれば、簡単に使いこなせるようになります」と語った。

この新しいLightship ARDKは、興味のある開発者向けにNiantic Lightshipのウェブサイトで公開されている。

画像クレジット:Niantic

原文へ

(文:Amanda Silberling、翻訳:Aya Nakazato)

【コラム】生き残りを賭けたフェイスブックの「メタ」への転換

Facebook(フェイスブック)は生き残りをかけて戦っているが、彼らの敵は規制当局の圧力ではない。Zuckerberg(ザッカーバーグ)氏は、下降しつつあるユーザーベースを守る救命ボートとして「メタバース」に頼り切っている。Facebookの未来が主要ハードウェアプラットフォームを所有することにかかっていることを、彼はずっと前から知っている。

先のFacebookの「Meta」へのブランド転換は、数十億ドル(数千億円)のバランスシートゲームの3イニング目だ。果たして消費者がこれを受け入れ、現実になるのかどうか拝見しよう。Meta / Facebookのすべてが懸かっている。

2016年からVRとARに投資している1人として私は、昨今のビジネストレンドチャンネルをにぎわしている「メタバース」の話題を聞いて、慎重ながら楽観的になっている。果たして今は本当にVRの時代なのか?

世界で最も価値のある会社の多くは、自らのソフトウェアアプリケーションを動かすハードウェアを所有している。Apple(アップル)とMicrosoft(マイクロソフト)は何年も前からハードウェア事業を手がけているし、Google(グーグル)もAndroid(アンドロイド)で堅実なOSビジネスを構築することができた。2014年のFacebookによる数十億ドルのOculus(オキュラス)買収は、ザッカーバーグ氏の真意をあからさまに示すものだったが、実際のピボット(転換)が起きるまでには7年を要した。

Oculus買収直後の数年間、VR(仮想現実)への投資が業界全体で相次いだ。ハードウェアプラットフォームが、Google、Microsoft、Sony(ソニー)、HTC(エイチティーシー)、Steam(スチーム)などから大々的な発表が続いた、こうした投資のほとんどは数年後に捨てられるか打ち切られることとなり、VRハードウェアプラットフォームの選択肢は不足状態になった。

Facebookが攻撃を開始したのはその時だった。Oculus / Reality Labsプラットフォームへの投資を強化して高品質モバイルVRハードウェア機器の開発で革新を起こし、ゲームデベロッパーに資金を投入して、プラットフォーム上の有望なゲームのほとんどを貪欲に買収した。買収を通じてデベロッパーエコシステムを構築するそのアプローチは、あらゆるVRプラットフォームが直面してきた初期コンテンツ不足問題を解決するための長丁場の投資だ。

ザッカーバーグ氏はゲームから手を付けた。それは、消費者の大きな興奮と成長が約束された最古のカテゴリーであり、ヘッドセットの中で消費者の熱狂を心地よく上昇させるからだ。次にザッカーバーグ氏は、VR/AR(拡張現実)をエンタープライブに持ち込み、リモートチームとの実践的3Dコラボレーションを、パンデミック下で分散された社員たちに浸透させようとしている。

幸運なのか実力なのか、彼は予知能力のある戦略家として知られている。ザッカーバーグ氏はこれまで、自分では必ずしも制御できない市場の変化とタイミングに対応して、完璧な戦略を見せつけてきた。

「メタバース」は、すでに「Fortnite」や「Roblox」に存在している。ザッカーバーグ氏は、人々が頭に被るコンピューターを通じた完全没入型体験を望んでいて、年齢層の高いユーザーベースを駆り立てられることに賭けている。

もしFacebookの過去の買収が道しるべになるなら、ザッカーバーグの戦略は成功するだろう。ただしWhatsApp(ワッツアップ)とInstagram(インスタグラム)をはじめとするFacebookの成功した買収先のほとんどは、買収当時すでに成功が約束されていた。「メタバース」に全力を注ぐことは、新しいプラットフォームとパラダイムを作り出すことであるが、そこは30年以上熱狂を促すサイクルを繰り返してきたにもかかわらず、悲しいほど普及が進まない分野である。

バランスシートを見る限り、うまくいく可能性は高い。しかし、今はまだ、隔離された空間に存在する戦略とチャンスのための妙技にすぎない。

編集部注:本稿の著者Jacob Mullins(ジェイコブ・マリンズ)氏はShasta Venturesのマネージングディレクターとして、2016年以来VR/ARに投資している。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

原文へ

(文:Jacob Mullins、翻訳:Nob Takahashi / facebook

マーク・キューバン氏とOculusの元CEOが支援する3D型eコマースを推進するVNTANA

Faceook(フェイスブック)やApple(アップル)が複合現実型ヘッドセットの導入を計画するなど、コンシューマー向けウェブの3D化を推し進めている一方で、世の中のウェブコンテンツのほとんどは、いまだに2Dのままだ。3Dコンテンツが存在する、完全に別世界の「メタバース」を推し進める人もいるが、現在のユーザーがいる場所にリソースを投資したいと考えている既存のウェブプラットフォームにとって、それは難しいことだろう。

VNTANA(ヴィンタナ)は、コンテンツ管理システムを構築しており、eコマースの小売業者がサイト上で商品をきれいな3Dで紹介するのを支援するとともに、ユーザーが拡張現実でモノを見たり、バーチャルで商品を試着したりできるようにしている。2012年に設立されたVNTANAは、長年にわたり3Dコンテンツに注力してきたが、パンデミック前のライブイベントにホログラムを導入することから、今ではウェブ上の店頭に3Dコンテンツを導入することへシフトしてきた。

「消費者が意味のある方法で製品に関わることができるような、インタラクティブな方法を作ることが常に目的でした」とCEOのAshley Crowder(アシュリー・クラウダー)氏は述べている。

同社は、シリーズAで1250万ドル(約14億2200万円)の資金を複数回にわたって調達したとTechCrunchに報告している。このスタートアップの最新の資金調達の支援者には、Mark Cuban(マーク・キューバン)氏、Oculus(オキュラス)の前CEO、Brendan Iribe(ブレンダン・アイラブ)、Flexport(フレックスポート)、Anorak Ventures(アノラック・ベンチャーズ)などが含まれている。同社は、2019年に600万ドル(約6億8200万円)のシードラウンドを発表している。

同スタートアップのソフトウェア式には、大容量の3Dファイルを最適化して読み込み時間を短縮し、消費者が新製品をあらゆる角度から見ることができるようにする製品や、eコマースプラットフォームがすでに所有している3Dファイルを活用して、2Dのデジタルレンダリングによるショールーム画像や動画を作成し、マーケティングにかかる時間と費用を節約できるようにする製品が含まれている。また、同社は最近、卸売り管理プラットフォームのJoor(ジョア)やソフトウェアメーカーのPTCと提携し、事業拡大を図っている。

消費者は、同社のソフトウェアを利用することで、購入前に拡張現実(AR)を使って、実際の空間での商品の大きさや外観を確認することができ、返品の減少にもつながると、クラウダー氏は述べている。

Apple、Google、Facebookなどから大きな発表があったにもかかわらず、拡張現実を開発する機会というのは、数年前に関心が高まったときに多くの投資家が予想したよりも限られていた。しかし、VNTANAのような企業は、3Dコンテンツを利用した体験を提供することで、eコマースの小売業者が抱える既存の問題を解決するとともに、AR/VRの未来に向けた準備を整えている。

原文へ

(文:Lucas Matney、Akihito Mizukoshi)

MetaがVRヘッドセットなどが並ぶ実店舗をカリフォルニアで計画との報道

ニューヨークタイムズ紙によると、かつてFacebookとして知られていた会社は、Metaへとブランド名を変更する前から小売店を開設する可能性について議論していた。どうやら、実店舗の開設についての議論は2020年から始まっていたらしいが、最終的には何も決まっておらず、このプロジェクトはまだ破棄される可能性がある。しかし、もしMetaが実店舗を開くとしたら、それは完全な小売店ではなく、Reality Labs部門が開発したデバイスを紹介する体験型店舗のようなものになるとされている。

それらのデバイスには、仮想現実ヘッドセットOculus Quest(近日中に「Meta Quest」になる予定)や、主にビデオ通話用に設計されたガジェットPortalなどがある。また、FacebookがRay-Ban(レイバン)と共同開発したStoriesと呼ばれる拡張現実のスマートグラスも展示される可能性がある。タイムズ紙が入手した文書によると、Metaの目標は、店舗で「好奇心」と「親近感」を喚起し、顧客がヘッドセットを試しながら「判断に迷わない旅」ができるような居心地の良い雰囲気を提供することだという。

同じ資料によると、Metaはモダンでミニマリスト的な美しさを持ち、ブランドをさりげなく配置した店舗を想定している。同社は、Facebook Hub、Facebook Commons、Facebook Innovations、Facebook Reality Store、From Facebookなど、さまざまな名称を検討した。最終的にはFacebook Storeに落ち着いたが、会社名が変更された今、それも変わる可能性が高い。

Metaがこの計画を進めた場合、最初の小売 / 体験型店舗はReality Labsのオフィスがあるカリフォルニア州バーリンゲームに設置される予定だ。ただ、タイムズ紙によると、このプロジェクトは最終的には世界中に広がり、さまざまな国や地域に拠点を置くことになるかもしれないとのことだ。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者のMariella MoonはEngadgetの寄稿者。

画像クレジット:Facebook

原文へ

(文:Mariella Moon、翻訳:Nariko Mizoguchi

Microsoft Teamsが3Dアニメーション・アバターを採用、メタバースを目指す

Microsoft(マイクロソフト)もメタバースに一枚加わりたいようで、本日(米国時間11月2日)のIgnite(イグナイト)カンファレンスで同社は、Teams(チームズ)で顔を出したくない参加者のための3Dアバターを発表した。このパーソナライズされたアニメーション・アバターは、Microsoftが “Mesh for Teams” (メッシュ・フォー・チームズ)と呼んでいるものの一環だ。Mesh for TeamsはMeshプラットフォームWindows Live Meshとは別物なので間違えないように)を使って外部の仮想現実や拡張現実で共有されている体験を、Teamsやその生産性ツールと組み合わせるしくみだ。それは1通のメールで済んだはずのミーティングと同じものだが、しかし同じではない。

Mesh for Teamsをアクセスするためには、スマートフォンからVRヘッドセットやHoloLens(ホロレンズ)まであらゆるものを利用できる。Microsoftは、これが生産性のためのメタバースである、という事実を隠すそぶりもなく、「オンライン会議をもっとパーソナルで魅力的で楽しいものにするように作られています」とMicrosoftのJohn Roach(ジョン・ローチ)氏がこの日の発表で言った。「そこはメタバースへの入り口でもあり、永続的なデジタルワールドには人、場所、物のデジタルな双子が居住しています。このメタバースを、インターネットの新しいバージョン、あるいは新しいビジョンと考えてください。そこでは人々がパーソナルなバーチャル・プレゼンスを使って、どのデバイスからでも集まり、話し合い、協力し、共有することができます」

そのビジョンでは、人々はやはり会議に参加しているが、前よりも楽しい、なぜならメタバースだから。ということなのだろう。

画像クレジット:Microsoft


「生産性と知識労働者に焦点を当ててきた会社にとって、それは顧客がわれわれに本当に求めていることであり、当社が12年間取り組んできた複合現実のビジョンとも一致しています。すべてが一体となって進んでいます」と、常に熱意に溢れるMicrosoftの技術フェロー、Alex Kipman(アレックス・キップマン)氏は言った。

今のところ、ほとんどのユーザーにとって、Meshは3Dのパーソナライズされたアバターが本人のしゃべりを真似している以上のものではなく、動きも伴わない。Microsoftによると、企業はTeams内に、独自のスペース(今われわれが使っている用語ならメタバース)を作ることもできて、そこでは人々がバーチャルに交わり協力できるということだ。

「そこには存在している感覚があります。たとえそれが、本人の音声をアバターの顔の動きで表しているだけであっても。これが最初のリリースです」とMicrosoftのMesh for Teams担当主席プロジェクト・マネージャー、Katie Kelly(ケイティー・ケリー)氏は書いている。「私たちの野望は、Microsoftの有り余るほどのAIテクノロジーを使ってこれを進化させていくことです。たとえばカメラを使って口の位置を推測し、頭と顔の動きを模倣することができます」

Accenture(アクセンチュア)はMicrsoftと共にこれをテストしている。同社は社員が「コーヒーやプレゼンテーション、パーティー、その他のイベントのために集まれる」バーチャル・キャンパスを作った。新入社員の研修にも利用している。Accentureは毎年10万人採用しているらしい。60万人の社員がいる同社で、メタバースがその離職率を改善できるのかどうかわからないが、高給取りのコンサルタントの会社なので、一番良く知っているのだろう。

カテゴリー:
タグ:

画像クレジット:Microsoft

[原文へ]

(文:Frederic Lardinois、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Meta(元フェイスブック)がVRフィットネスアプリ「Supernatural」を開発したWithinを買収

Facebook(フェイスブック)が「Meta(メタ)」に社名を変更した翌日、同社はWithin(ウィズイン)の買収を発表した。ロサンゼルスに本拠を置くWithinは「Beat Saber(ビートセイバー)」スタイルのワークアウトアプリ「Supernatural(スーパーナチュラル)」を開発した企業だ。このアプリは、身体の動きをベースにした高負荷のカーディオエクササイズで、バーチャルリアリティフィットネスにおける本物のサクセスストーリーの1つとなっている。

Facebook改めMetaが、VRに関する野望をメタバースのようなものにまで広げようとしていることを考えれば、これは賢明な買収といえるだろう。Supernaturalはまた、新型コロナウイルスの影響によるジムの閉鎖やワークアウトの制約が広がった中で、より多くの人々が家庭用のソリューションに目を向けるようになったことから、この1年半の間に特に注目された商品であることも間違いない。

「Metaとのパートナーシップに私たちは興奮しています。なぜならそれは、私たちがより多くのリソースを得て、VRでより多くの音楽、よりクリエイティブなワークアウト方法、より多くの機能、そしてよりソーシャルな体験を、みなさまにお届けできるようになるということを意味するからです。もちろん、これからも引き続き、毎日新しいワークアウトを提供していきます」と、WithinのCEOであるChris Milk(クリス・ミルク)氏とフィットネス部門の責任者であるLeanne Pedante(リアン・ペダンテ)氏はブログで述べている。

Withinによると、同社のコーチ、コレオグラファー、マネージャーなどの既存スタッフは、買収後も引き続き在籍するとのこと。Supernaturalは、MetaのVR/AR部門であるReality Labs(リアリティ・ラボ)の下で運営されることになるという。

「私たちは、VRフィットネスアプリをサポートするために、将来のハードウェアを強化する方法も一緒に検討し、他の開発者たちがVRに新しいフィットネス体験をもたらすことを奨励します」と、MetaのPlay担当VPであるJason Rubin(ジェイソン・ルービン)氏は、Oculus(オキュラス)のブログで書いている(ちなみにOculusというブランドは、間もなく廃止されることになっている)。「VRではフィットネスが大きな成功を収め、複数のサードパーティによるフィットネス・アプリも成功できると、私たちは確信しています」。

2015年に設立されたWithinは、これまでに5000万ドル(約57億円)を超える資金を調達しており、最近では2017年に、4000万ドル(約46億円)を調達したシリーズBラウンドを実施している。このラウンドは、Temasek(テマセク)とEmerson Collective(エマーソン・コレクティブ)が主導し、Andreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)、21st Century Fox(21世紀フォックス)、Raine Ventures(レイン・ベンチャーズ)、WPP、Macro Ventures(マルコ・ベンチャーズ)などが投資した。

今回の買収の財務的な詳細は公表されていない。

関連記事
フェイスブックが「Meta」に社名変更、メタバースを中核事業に
かつてフェイスブックと呼ばれた会社が「Oculus」ブランドをさりげなく抹殺

画像クレジット:Meta/Within

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

FBメタバースのために設計されたハイエンドVRヘッドセット「Project Cambria」、2022年発売予定

Facebook(フェイスブック)は、コードネーム「Project Cambria(プロジェクト・カンブリア)」と呼ばれる新しいハイエンドVRヘッドセットの開発に取り組んでいる。同社は、米国時間10月28日に開催されたConnectカンファレンスで、デバイスを予告した。このヘッドセットは、2022年中に発売される予定だ。FacebookのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)CEOは、この製品は同社の299ドル(日本では税別3万3800円)のヘッドセット、Quest 2とは別の「ハイエンド」製品になると述べた。価格もQuest 2より高く設定されるという。

Cambriaには、他のVRヘッドセットでは実現できない機能が搭載される。このデバイスに搭載された新しいセンサーにより、バーチャルアバターはアイコンタクトを保ち、あなたの顔の表情を反映することができる。同社は、これによりバーチャルでインタラクトしている相手が、あなたの気持ちをよりよく理解できるとしている。このヘッドセットのもう1つの特徴は、複合現実(MR)のエクスペリエンスだ。新しいセンサーと再構築アルゴリズムの助けを借りて、Cambriaは物理的な世界のオブジェクトを、奥行きや遠近感を持って表現できるようになるとFacebookは主張している。

また、Cambriaには新しい光学系が搭載され、視覚的な忠実度が向上するという。Facebookは、2022年にこのヘッドセットのさらなる詳細情報を共有すると約束した。その一方で、サードパーティ開発者がすでにこのデバイス向けのエクスペリエンスに取り組んでいるとも言及した。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Igor Bonifacic(イゴール・ボニファシッチ)氏は、Engadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Facebook

原文へ

(文:Igor Bonifacic、翻訳:Aya Nakazato)

Facebook Messengerの音声通話がOculus Questでも可能に

Facebookは、同社のヘッドセット「Quest」を使ったVR体験の参加プロセスを改善したいと考えている。米国時間10月28日に開催された同社の「Connect」カンファレンスで、QuestのユーザーがMessengerを介して音声通話が行えるようになると発表された。この機能は、2021年後半に利用可能になるという。

Questはこれまで、ソーシャルインターフェースに苦戦してきた。2020年、ユーザーにFacebookのIDでサインインすることを義務づけたことは、同社の広報活動に支障をきたしたが、そのおかげでソーシャルワークフローの冗長性を排除することができた。

ユーザーは「Quest」に搭載されたMessengerから直接、通話したり、メッセージを送ったり、自分の「パーティー」に参加してもらうことができるようになる。

2021年初め、Facebookは、Oculusのエコシステム内でのMessengerチャットのサポートを発表しましたが、音声通話は、ユーザーがVRミーティングをより効率的に開催するのに役立ち、また、VR内での入力作業を回避するのに役立つだろう。

関連記事:Oculus QuestでFacebook Messengerが利用可能に、承認前のコンテンツを提供するApp Labの導入も

画像クレジット:Facebook

原文へ

(文:Lucas Matney、翻訳:Katsuyuki Yasui)

フェイスブック、独自ARフィルター作成アプリ「Polar」発表

開催したAR/VRに焦点を当てたイベント「Connect」で、Facebookはより多くのクリエイターを拡張現実(AR)の世界に呼び込むことを目的とした新アプリを発表した。

画像クレジット:Facebook

「Polar」と名づけられたこのiOSアプリは、Spark ARプラットフォームを利用して、FacebookやInstagram用に独自のARフィルターを作成することができる。ユーザーは、既存のフレームワークよりもはるかに軽い技術的負担で、テンプレートを使いこれらのフィルターを視覚的に簡単に作成することができる。

nstagramが「Reels」プラットフォームを通じて動画をより強力に推進していることから、ユーザーの間でARフィルターへの関心が高まっており、FacebookがクリエイターにARフィルターを売り込むチャンスになっている。

このアプリはまだかなり初期の段階にあるようで、Facebookによると、2021年後半にクローズドベータを開始し、特定のクリエイターを厳選して参加させる予定だという。最終的には、誰もが自分のARフィルターを作成できる無料アプリとして、広く展開していく予定だ。

I
画像クレジット:Facebook

原文へ

(文:Lucas Matney、翻訳:Katsuyuki Yasui)

VR版「グランド・セフト・オート・サンアンドレアス」がOculus Quest 2向けに開発中

Facebook(フェイスブック)の創業者兼CEOであるMark Zuckerber(マーク・ザッカーバーグ)氏は、米国時間10月28日に開催されたVRとARに特化した大規模なイベントの中で、VRプラットフォームに向けたメジャーな新タイトルを発表し、注目を集めた。


「Grand Theft Auto:San Andreas(グランド・セフト・オート・サンアンドレアス、GTASA)」がOculus Quest 2にやってくる。GTASAは、Rockstar(ロックスター・ゲームズ)が2004年に発表した大ヒットゲームGTA(Grand Theft Auto)シリーズの作品で、ロサンゼルスやラスベガスなどの都市を模したオープンワールドでプレイヤーが大暴れするゲームだ。

「史上最高のゲームの1つであるこのタイトルの新バージョンは、このアイコニックな世界をバーチャルリアリティで体験するという、まったく新しい遊び方をプレイヤーに提供します」とザッカーバーグ氏は述べた。

このような象徴的なゲームを導入することは、同社の新たなバーチャルワールドに、より多くのユーザーを引き寄せる1つの方法であることは間違いない。FacebookのVRアカウントへのログイン要件に抵抗があるユーザーでも、ゲームの魅力につられるかもしれない。

ザッカーバーグ氏は、何をいつ期待するべきかについて多くの詳細を提供しなかったが、Facebookは何年も前から、GTAの名作をVRヘッドセットに導入することに取り組んでいたようだ。

画像クレジット:Facebook

原文へ

(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Aya Nakazato)

Oculus QuestにSlackがやってくる

もうすぐ、VRヘッドセットを外さなくても、絶え間なく届くSlackのメッセージを読むことができるようになる。


Facebookの「Connect」カンファレンスで、同社は2DアプリをOculus Storeに導入するための新たなフレームワークを紹介し、ユーザーがスマホの通知を確認するためにVR空間から一時的に離れる必要がなくなるようにした。現在、多くのFacebook製アプリが提供されているが、まもなくSlackもOculus Storeに登場することを同社はあきらかにした。

これまで、Oculus Questには2D体験のサポートが非常に少なく、ほとんどがOculus Webブラウザに限られていました。また、Facebookは、Oculus Quest 2でMessengerのネイティブサポートを開始したが、本日、このプラットフォームに音声通話のサポートを導入することも発表している。

Facebookは8月に、Zoomと統合したミーティングシミュレーター「Horizon Workrooms」を公開し、ユーザーに生産性の高いVR体験を提供することを約束している。しかし、アプリがサポートされていないことが、この目標を達成するための大きな障害となっていた。

VRにおける文字入力の問題は解決されていない。そのためユーザーは、キーボードをヘッドセットとペアリングしたり、長文メッセージを大量に送信するというよりも、通知をチェックするといったものに最適な機能になるだろう。

画像クレジット:Facebook

原文へ

(文:Lucas Matney、翻訳:Katsuyuki Yasui)

Oculus Storeで2Dアプリ導入可能に、VR空間で仕事をする新世代リモートワーカーのために

Facebookは、同社のヘッドセット「Oculus Quest 2」を、新世代のリモートワーカーの生産性を高めるデバイスにしたいと考えているが、そのためにはアプリが必要となる。

米国時間10月28日、Facebookは、2DアプリをOculus Storeに初めて導入することを発表した。PWA(Progressive Web App)という業界標準に基づいたこの新アプリにより、ユーザーはこれまでヘッドセットを外し、スマホで見る必要があったアプリをそのまま確認できるようになる。

現在のところ、Oculus StoreではFacebook、Instagram、Smartsheet、Spikeなど、一部の2Dアプリが提供されている。の他にも、Dropbox、Monday.com、MURAL、My5(UK)、Pluto TV、Slackなどのアプリが用意されているとのことだ。

Oculus Storeでは、ひと握りのアプリメーカーがVRのネイティブサポートを行っているが、専用のバーチャルリアリティアプリの維持はさまざまな面において複雑で、NetflixやHuluといった企業のアプリが更新されることは非常に稀なことだ。今後、PWAに頼ることで、開発者の負担が大幅に軽減され、Oculusがこれまでアプリメーカーに提供してきたよりも広く採用されることが期待される。

2Dアプリの導入は「Quest」を仕事の場で活用するための幅広い取り組みの一環だ。同社は2021年8月に「Horizon Workrooms」というアプリを発表したが、これは従業員が自分のデスクトップをVRに持ち込んで、共有されたソーシャルVR空間でコミュニケーションをとることができるというものだ。

画像クレジット:Facebook

原文へ

(文:Lucas Matney、翻訳:Katsuyuki Yasui)

かつてフェイスブックと呼ばれた会社が「Oculus」ブランドをさりげなく抹殺

Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、米国時間10月28日朝に行われたAR/VRに特化したイベント「Connect」で、名前が変わってもFacebookMeta(メタ)のミッションは変わらず、既存のブランドも変更しないと発表した。

「私たちが何者であるか、そして何を築いていきたいかを反映させるために、今日から私たちの会社がMetaになったことを発表でき誇りに思います。当社の使命は変わらず、人々を結びつけることにあります。私たちのアプリやブランドも変わりません」とザッカーバーグ氏は述べた。

しかし、実際にはそうではないことがわかった。基調講演が終了してから約15分後、CTO(に就任予定)のAndrew Bosworth(アンドリュー・ボスワース)氏は、Facebookへの長い投稿の中で、新しいブランド再構築の一環として、Oculus(オキュラス)ブランドを廃止することを明らかにした。

28日のプレゼンテーションでは、Oculusというフレーズが目立って欠けており、Oculus Storeなどの機能は一貫してQuest Storeと呼ばれていた。ボズワース氏は投稿の中で、2022年初めからOculusアプリをMetaアプリに、Oculus QuestをMeta Questに名称変更するプロセスを開始すると詳細に説明している。

「私たちはみな、Oculusブランドに強い愛着を持っており、今回の決断は非常に難しいものでした。Oculusという名前は引退しますが、当初のOculusのビジョンは、Metaが今日のVRの大規模な普及を推進していく上で、引き続き深く根付いていると断言できます」とボスワース氏は書いている。

Facebookは2014年にOculus VRを買収した。

画像クレジット:David Fitzgerald/Sportsfile / Getty Images

原文へ

(文:Lucas Matney、翻訳:Aya Nakazato)

ゲーム内広告の拡大とメタバースへの準備のためにアドテック企業Admixが資金調達

2020年6月、アドテック系スタートアップ企業のAdmix(アドミックス)が、シリーズAラウンドで700万ドル(約8億円)の資金を調達したことを紹介した。ロンドンに拠点を置く同社は、ゲーム、eスポーツ、仮想現実、拡張現実に広告を提供している。

大規模なゲーム内広告では、広告主が広告代理店のモデルに頼るのではなく、慣習的な広告購入プラットフォームを通じて、プログラムに従って入札を行うことができるが、この分野は広大であり、まだ十分に活用されていない。

Admixは、この広告モデルをさらに強化するために、シリーズBラウンドで2500万ドル(約28億4000万円)の資金調達を実施した。この資金によって同社はその「In-Play(インプレイ)」ソリューションの規模を拡大し、Facebook(フェイスブック)などの企業が明らかに構築を進めているメタバーズのような新しいプラットフォームに対応する準備を進めていく。

今回の資金調達により、Admixの総資金調達額は3700万ドル(約42億円)に達した。

この投資ラウンドは、Elefund(エレファンド)とDIP Capital(DIPキャピタル)が共同で主導し、Force Over Mass(フォース・オーバー・マス)、Notion Capital(ノーション・キャピタル)、Speedinvest(スピードインベスト)、Rocket Capital(ロケット・キャピタル)、Colopl Next(コロプラ・ネクスト)、Sure Valley Ventures(シュア・バレー・ベンチャーズ)、Sidedoor Ventures(サイドドア・ベンチャーズ)の他、成長投資家のKuvi Capital(クヴィ・キャピタル)やゲーム業界のエンジェル投資家たちも参加した。

AdmixのCEO兼共同設立者であるSamuel Huber(サミュエル・ヒューバー)氏は次のようにコメントしている。「私たちはインターネットが新たなステージに入ると考えています。それはWeb 3.0あるいはメタバースと呼ばれるもので、リアルタイムの3Dインタラクションと、ゲーム業界が先導する新しいクリエイター経済を特徴とします。【略】私たちの業界の多くのプレイヤーは基本的に代理店ですが、Admixはクリエイターが可能な限り最善の方法でコンテンツを収益化できるための重要なインフラを構築しています」。

Elefundの創業者兼マネージングパートナーであるSerik Kaldykulov(セリク・カルディクロフ)氏は次のようにコメントしている。「サムとジョーは、まさしく我々がElefundで一緒に仕事をしたいと思っているタイプの創業者です。彼らはデジタルゲームの未来に対するすばらしいビジョンを持って、AdmixとIn-Playを作り上げました。彼らはメタバースと呼ばれるようになる世界において、消費者と企業がどのように存在し、どのように相互作用するかということが形成される上で、引き続き重要な役割を果たすだろうと、私たちは信じています」。

さらに詳しくいうと、同じ分野の企業にはBidstack(ビッドスタック)、Adverty(アドバーティ)、Anzu(アンズ)、Frameplay(フレームプレイ)などがあると、ヒューバー氏は語る。しかし、これらの企業との違いは、Admixが「データを利用して、適切なゲームの、適切なユーザーに、適切なタイミングで、邪魔にならない広告を提供するためのプロセスを自動化するインフラを構築している」ことだと、ヒューバー氏はいう。「この技術は、スケーラビリティ(同社は過去2年間で300以上のゲームと数百の広告主と取引したが、90%はセルフオンボーディングしている)とネットワーク効果が防御可能であることを意味します。それが、このカテゴリーを支配するためにVCが当社に賭けている理由です」。

Admixは最近、Calvin Klein(カルバン・クライン)、Schuh(シュー)、Movember(モーベンバー)、Sky(スカイ)といったブランドと、In-Playを使った広告活動の契約を結んでいる。

画像クレジット:Admix / Samuel Huber, co-founder

原文へ

(文:Mike Butcher、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

FacebookのザッカーバーグCEOいわく「我々の目標は、メタバースが10億人に到達するのを助けること」

FacebookのザッカーバーグCEOいわく「我々の目標は、メタバースが10億人に到達するのを助けること」

GLENN CHAPMAN via Getty Images

Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは、社内に対して「若年層(young adults)へのサービス提供を進むべき道だとする」よう伝えたと述べています。これは、投資家との第3四半期決算説明会で、ここ数年、若い年齢層(18~29歳)のFacebook利用が減少し、今後それがさらに加速すると予想されることに対する懸念を反映しての方針転換と言えそうです。

これままでのFacebookは「若年層に特化したものではなく、幅広い年齢層に最適なものになるよう調整されている」とザッカーバーグ氏は述べています。そして、ターゲットの変更は高い年齢層の人々のFacebook利用率を下げることになるだろうとも述べました。しかし、結果を天秤にかけて考えれば、方針転換は「正しいアプローチだと思う」として、今後FacebookアプリおよびInstagramアプリに「抜本的な変更」を加え「メタバース」のビジョンを構築するために数十億ドルを投じる構えです。ただ、先日伝えられたFacebookの社名変更については、ザッカーバーグ氏はコメントしませんでした。

再構築には数年がかかると予想され、特にInstagramの変化は動画に力を入れ、特に「Reels(リール)」機能を中心に据えたものに変わるとのこと。これはTikTokの爆発的な普及に対応した動きでもあります。またそのほかに検討されている案としては、グループ機能の刷新、就職支援ツール、ムードフィードなどがあがっています。

一方、Faebookはもう1つの主要な優先事項として「メタバース」のビジョン構築を掲げています。「我々の目標は、メタバースが10億人に到達するのを助けること」だとザッカーバーグ氏は述べ、メタバースが「数千億ドルのEC市場」を生み出す可能性があるとしています。そして、Facebookは財務報告をFacebook、Instagram、Messenger、WhatsAppといった”ファミリー向け”と、AR / VR の開発を担当するReality Labs部門に分けて行うと発表しました。Reality Labsへの投資によって、Facebookは2021年の利益がおよそ100億ドル減少したと述べ、今後数年はAR / VR分野での支出が増えると予測しています。

Facebookは現在、フランシス・ハウゲン氏による一連の内部告発への対応にも取り組んでいると述べています。ザッカーバーグ氏は、報道が組織的に「リーク文書の美味しいところだけを切り抜いて、Facebookの誤ったイメージを広めようとしている」としました。そして「これらの問題が主にソーシャルメディアに関するものでないのを明確にする必要がある」「つまり、Facebookが何をしようと、我々だけでは決して解決できない問題だ」と述べています。

(Source:BloombergThe VergeEngadget日本版より転載)

Facebook Messengerグループビデオ通話に新しいAR体験を追加

Facebook Messenger(メッセンジャー)は、ビデオ通話や同プラットフォームのビデオ会議機能であるMessenger Rooms(ルーム)に、新しい拡張現実(AR)体験を展開している。同社は、新機能「Group Effects(グループエフェクト)」が近日中にInstagram(インスタグラム)にも登場するとしている。

Facebookが、ARエフェクトを共有体験にすることを目指していると言っているように、グループエフェクトは、ビデオ通話に参加している全員に効果がある。ユーザーは、最高のハンバーガーを最も早く作ることを競うゲームなどを含む70以上のグループエフェクトのライブラリからエフェクトを選ぶことができる。

新しいグループエフェクトを確認するには、ビデオ通話を開始するかルームを作成し、笑顔をタップしてエフェクトトレイを開き、グループエフェクトを選択する。そこから、通話に参加している全員に適用されるAR体験を選択することができる。

さらにFacebookは、2021年10月末にSpark AR APIへのアクセスを拡大し、より多くのクリエイターや開発者がグループエフェクトを構築できるようにするとしている。

画像クレジット:Facebook

「グループエフェクトは、友達とつながるための、より魅力的でインタラクティブな方法を提供します。また、クリエイターのコミュニティをサポートし、人々が自分自身を表現する方法を増やすことができます」と同社はブログで述べている。

また、Facebook Messengerは、チャット内でアニメーションを起動する新しい「suggested word effects(メッセージエフェクト)」を展開している。例えば「おやすみ」や「おめでとう」などの単独のメッセージを送信する際に、その言葉に合わせてエフェクトを作成するオプションが表示されるようになった。Facebookは8月に、特別な祝日や内輪のジョークのためにエフェクトを発表したが、今回、この機能を日常的なフレーズにも拡大した。メッセージエフェクトは、すべてのiOSユーザーに提供されており、今後数週間のうちにAndroidでも利用できるようになる。

また、映画「007 / ノー・タイム・トゥ・ダイ」の公開を受けて、ジェームズ・ボンドの「soundmojis(サウンド文字)」も新たに提供する。また「ケア」をテーマにしたものや、お化けのようなハロウィンテーマなど、新しいチャットテーマも登場する。Facebook Messengerは、ハロウィーンに合わせて4つのお化けの世界のARエフェクトを展開する。

MessengerのグループARは、Facebookが「メタバース」の取り組みを強化している中で登場したもので、共有された仮想体験を作り出すというテーマに沿ったものとなっている。

画像クレジット:Muhammed Selim Korkutata/Anadolu Agency / Getty Images (Image has been modified)

原文へ

(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

Snapが企業のAR開発を支援するスタジオを公開

米国時間10月19日、SnapはブランドがARの広告やエクスペリエンスを開発する支援をするグローバルなクリエイティブスタジオの公開を発表した。この新しいスタジオはArcadiaという名称で、ウェブプラットフォームとアプリベースのAR環境にわたって使用できるエクスペリエンスを開発する企業を支援することを目的としている。

このスタジオはブランドおよびクリエイターと連携してSnapchatのミレニアルやZ世代の利用者に働きかけていく。ArcadiaはすでにVerizon、WWE、Shake Shack、P&G Beautyなど多くの企業と連携している。

ArcadiaはSnapの1部門として活動し、独立した運営で自由にクリエイティブな活動をして、Snapchatだけでなく他のソーシャルメディアプラットフォームでも使えるARエクスペリエンスを開発するブランドを支援する。Snapは、Arcadiaはブランドとクリエイターのゴールに応じてさまざまなサービスを提供すると説明している。例えばあるブランドのARプロダクションをすべて請け負うこともできるし、ワークショップやトレンドレポートの形でAR戦略に関する専門性をクライアントに提供することもできる。

Snapのクリエイティブ戦略担当グローバル責任者であるJeff Miller(ジェフ・ミラー)氏は「Arcadiaは、巧みな技術、テクノロジー、カスタマーエクスペリエンスに根ざした世界有数のARエクスペリエンスを短時間で開発する価値を理解しているブランドや代理店に、魅力あるソリューションをお届けします。ArcadiaをスタートすることでSnap Inc.はこれまで以上にARのエコシステムに投資し、パートナーやクリエイター、ツールの支えを受けて、世界中の企業にフルファネルの結果をもたらします」と述べた。

Snapは近年、Snapchat全体でAR機能をさまざまな方法で活用している。最初に人気となったのはユーザーの写真やビデオに犬の耳などを重ねるフィルタ機能だった。その後、この機能を拡張して動くBitmojiキャラクターをビデオに追加できるようにした。

最近では、デベロッパー向けツールとAR技術プラットフォームのLens Studioに関するアップデートを発表した。その多くはショッピングをSnapchatのエクスペリエンスに深く取り込むことを主眼にしている。同社は2021年5月にARグラス「Spectacles」の新世代バージョンも発表した。この第4世代のARグラスは1回の充電で30分間動作し、デュアル3D導波路ディスプレイを搭載し、視野角は26.3度だ。

関連記事
SnapchatにARとカメラを活用したコマース重視の新機能追加
SnapがARグラス「Spectacles」の新世代バージョンを発表

画像クレジット:Snap

原文へ

(文:Aisha Malik、翻訳:Kaori Koyama)

インフラ点検など手がけるFOFが橋梁の定期点検や補修設計の現地踏査にVRクラウド「スペースリー」活用

インフラ点検・建設業向けICT技術サービスを手がけるFOFが橋梁の点検や補修設計の現地踏査をVRで報告

インフラ点検や建設業向けICT技術サービスなどを手がけるFOF(エフオーエフ)は10月20日、全天球カメラを使ったVRによる現地踏査報告サービスの開始を発表した。これにはスペースリー(Spacely)が展開するVRクラウド「スペースリー」が使われている。

一般的に橋梁などの現地調査の結果を伝える踏査報告は、文章が主体で、主要な部分の写真を添付するといった内容だが、FOFは現地の状況をVR化して、実際にその場に立って見ているような感覚で現場の確認ができるサービスを開始する。

VR画像には、マップのリンク、橋梁台帳、徒歩で橋の下に行ける箇所の指摘など、さまざまな要素を埋め込むことができる。また、全天球カメラをポールに付けて橋梁の側面を撮影できるので、通常なら点検車を使わなければ見ることのできない箇所も観察できる。AIサイズ推定で、大まかな距離の計測も可能。遠隔操作機能があるので、発注機関と実際に現場に集まっているような感覚で打ち合わせもできるという。

このシステムは、踏査報告だけでなく、橋梁の経年記録、トンネルや災害時の状況確認などにも活用ができるとのことだ。

こちらで、実際の踏査VRのデモを体験できる

HTCが約5.7万円の小型VRヘッドセット「Vive Flow」発表、気になる大きなトレードオフ

米国時間10月14日、HTCはコンシューマー向けの最新ヘッドセット、499ドル(約5万7000円)の「Vive Flow」を発表した。このヘッドセットは、コンパクトなデザインと189gの重さで携帯性を重視して設計されているが、後で触れるいくつかの大きな注意点もある。

私はサンフランシスコでこのヘッドセットを実際に試用する機会を得たのだが、その時の第一印象は、いかにコンパクトでデザイン性の高いハードウェアであるかということだ。HTCは、他のヘッドセットでは見られない、小型化のために設計されたいくつかのハードウェア上の特性を備えている。「パンケーキ」のような光学レンズは、他の市販のヘッドセットよりも薄く、調整可能な視度レンズにより、ユーザーはヘッドセット内で視力を補正することができ、事実上Flowでは眼鏡を使用しなくても済む。ヘッドセット全体としては、他の既存のスタンドアロン型ヘッドセットよりもMagic Leap Oneに近い軽量なデザインとなっている。

その他の主な詳細としては、ヘッドセットの、毎秒75フレームレートで表示される片目あたり1.6Kの解像度(正確な解像度は公表されていない)と、HTCが主張する100度の視野角などが挙げられる。小さいレンズはIPD調整ができないため、それができるなヘッドセットの外側または内側の範囲を使用している人にとっては、おそらく視野が狭くなり、快適な体験ができなくなるかもしれない。本体前面のバグアイレンズには、パススルーカメラが隠されているが、今回はそれをいかしたコンテンツを試すことはできなかった。もう1つの興味深い機能は、ヘッドセット内部のファンが顔や目から熱気を吸い取ってくれることだ。HTCは、これにより長時間のセッションをより快適にしてくれると主張している。快適さという点では、Flowのデュアルヒンジアーム(近接イヤースピーカーを内蔵)と、一般的なヘッドセットのストラップと比較して、ヘッドセットの固定が非常に優れていることに驚いた。

画像クレジット:HTC

今回の試用では、デバイス自体の多くの要素が非常によくデザインされていることに満足した。つまり、HTCがハードウェアのデザインを刷新したことは明らかだ。これは、Oculus Questに比べて劣っているとの評価を受けた、コンシューマー向けの最後の製品である2019年の「Vive Cosmos」には当てはまらない。しかし、Flowのフォームファクターを実現するためには、明らかにかなり物議を醸すような選択が必要だったのであり、率直に言って、大型だがより充実した機能を持つ「Oculus Quest 2」よりも200ドル(約2万2800円)も高いこのヘッドセットの潜在的な購入者は、かなりニッチなものになってしまうだろう。

まず、499ドルのデバイスにはバッテリーが搭載されていない。ヘッドセットを使用するためには、外部バッテリーチャージャーやスマホなどの電源に接続する必要があるのだ。また、ヘッドセットには旧世代のQualcomm XR1プロセッサが搭載されているため、Quest 2のような競合ヘッドセットを最大限に活用するために設計されたほとんどのコンテンツはVive Flowに対応していない。最も不可解なのは、Vive Flowには専用のコントローラーや内蔵型入力端子がなく、ヘッドセット内のコンテンツを操作するための基本的な機能が使えるスマホ上のアプリに頼っているということだ。

これらのトレードオフを正当化するのは簡単ではなく、HTCはユーザビリティよりもフォームファクターを優先したことで、自身を厳しい状況に置いてしまった。今回は完全なレビュー用に設けられた時間ではなかったが、1時間ほどチームと会話をし、デバイスを触ってみて、Vive Flowがどのようなものなのかをかなり理解することができた。しかし、私があまり理解できなかったのは、このデバイスが誰のために作られたのかということだ。

ゲームには対応していないが、HTCはFlowをウェルネスとマインドフルネスのためのデバイスとして販売しており、MyndVRやTrippなどのVR瞑想アプリに対応していると説明している。HTCの広報担当者は、このヘッドセットのサイズが、ちょっとした瞑想の時間に最適であることを詳しく説明してくれたが、これらの瞑想アプリのほとんどはまだ開発の初期段階にあり、有料の顧客を獲得する方法を模索しているということを考えると、VR瞑想の市場が499ドルの専用デバイスを必要とするほど大きいかどうかは疑問が残る。このヘッドセットは、多くの人が主に動画のストリーミングに使用していたFacebook(フェイスブック)の、製造中止になった「Oculus Go」とかなり重なる部分があると思う。ユーザーはFlowでも、アプリ内でAndroidスマホのディスプレイを接続してミラーリングし、Netflixなどの通常のモバイルアプリを使用することで同じことを行うことができる。これは決して最も未来感のある使い方とは言えず、ヘッドセットの位置トラッキングもまったく活用されていないが、重量のある競合ヘッドセットよりも数時間装着していても快適である可能性が高いこの軽量デバイスにとっては、おそらく最も堅実性のある利用例と言えるだろう。

画像クレジット:HTC

多くのVR愛好家は、Facebook製ではない、フル機能を備えたスタンドアロン型ヘッドセットの選択肢を求めているので、このヘッドセットの用途がこのように絞られているのは残念なことだ。一般的にHTCは、Facebookがより多くの消費者を取り込むためにヘッドセットの価格を積極的に引き下げ始めて以来、VR市場でかなり厳しい立場に置かれている。Facebookは、最終的な市場支配のためにハードウェアを赤字で販売する余裕があるが、はるかに小さな企業であるHTCにはそのような余裕はない。また、Facebookが数十億ドル(数千億円)の投資を行ったことで、Facebookのものが、HTCがFlowに搭載しているものよりも数年先を感じさせるソフトウェアを備えた、より充実した製品になっていることも明らかだ。

HTCは長い間VRゲームに携わってきたが、Vive Flowのハードウェアデザインを見れば、彼らがVRの革新をリードする存在として認められる準備ができていることは明らかだ。この499ドルのヘッドセットにはいくつかの大きなトレードオフがあるが、その大胆なデザインと縮小されたサイズにより、ほとんどのVRデバイスについて言えることだが、忘れられてしまうということは決してないだろう。本ヘッドセットは、2021年11月初めには出荷される予定だ。

画像クレジット:HTC

原文へ

(文:Lucas Matney、翻訳:Akihito Mizukoshi)