新型Nexus 7の発表で初代機の下取り持ち込みが急増, iPadユーザは知らん顔

GoogleのNexus 7のニューバージョンには、LTEやタブレットでは最高の高精細ディスプレイなど、ビッグな改良が盛り込まれている。そこで、ガジェット買い取りサイトGazelleによると、多数の初代オーナーが旧型機の下取りに訪れている。Nexus 7の一日の持ち込み数は、先週に比べて4倍だという。

とくに火曜日と水曜日にかけては持ち込み数が先週比で5倍になった。それはGoogleの新バージョン発表の前日と当日にあたる。同社がiPad以外のタブレットも受け取るようになったのは今年の初めからだが、今ではそれら全体の1/4近くがNexus 7だ。

Googleからの発表日となった水曜日当日は、Nexus 7の持ち込み数が最大を記録し、第二位の日のさらに約5倍になった。第二位の日とはNexus 7の新モデルがリークされた7月17日だ。それは、できるだけ早く持ち込んで高値で買ってもらおう、という根性の表れだ。

このニュースは、Nexus 7のオーナーがそれを気に入っていること、そして新型を欲しがっていることを、物語っている。旧型機を売って、そのための資金の一部にしたいのだ。しかし、それだけではない別の面もある。新型Nexus 7が発表された日に、iPadの下取り持ち込みは増えなかったのだ。つまりGoogleは、iPadのオーナーをiOS教から改宗させることには、成功しなかった。

そもそも最初から、Nexus 7は、その、目で見て分かるメリットにもかかわらず、iPadキラーにはなれなかった。Apple陣営は現状に満足しているようだが、しかしタブレット市場はまだ今後の成長の余地が大きい。その空きスペースに向けてGoogleは伸びていくのか、それとも既存ユーザの買い替えブームで終わるのか、どっちになるかな?

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Lomographyの新Kickstarterプロジェクトは伝説のポートレートレンズ、Petzvalの復刻

LomographyはKickstarterでiPhone向けフィルム・スキャナーへの出資を募って成功したニューヨークの光学機器メーカーだが、今回はPetzvalという19世紀の名レンズのデジタル一眼向け復刻版のKickstarterプロジェクトを立ち上げた。

Petzvalレンズは19世紀を代表する写真レンズで、独特のボケ味と極めて浅い被写界深度が特徴で、慣れればこのレンズで撮影された写真はひと目見てそれと判別できる。現代のデジタル一眼のセンサーと画像処理能力と組み合わせると一段と強い印象を与える写真になる。

Lomography版はオリジナルの特徴的なデザインを継承する。マウントはCanon EFとNikon Fが用意される。オリジナルより1段以上明るいf/2.2で、Lomographyによれば「色ののりもコントラストもすばらしい」という。焦点が合った部分の描写は極めてシャープだ。周辺減光は大きいが、これはオリジナルのPetzvalが芸術的意図からそのように設計されているという。

Petzvalレンズはポートレート写真で人物を浮き上がらせるのに効果的なように焦点深度がきわめて浅くデザインされている点もユニークだ。LomographyのPetzvalはオリジナル同様、ケーシングは真鍮で作られている。このクラシックでユニークな外観もボーナスだ。

Lomographyはこの10年にわたって主として復刻版のレンズや低解像度カメラを作ってきた。Petzvalは野心的な試みだが、今までの路線の延長にある。今回のキャンペーンでは10万ドルの調達が目標だが、すでに半額が集まったという。 レンズを予約できる出資額は300ドルからだが、この枠はもうすぐ売り切れる。350ドル、400、それ以上の枠が用意されている。

Kickstarterには失敗プロジェクトも多いが、財布のヒモのゆるいアーリー・アダプター層を対象に中規模の実績のあるブランドがユニークな新製品を売り込むにはかっこうのプラットフォームだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google、Android 4.3を正式発表。制限付きマルチユーザープロファイルや、Bluetooth Smart、OpenGL ES 3.0を採用

Android 4.3は、4.2から劇的な進化を遂げているとは言えないかもしれない。しかし本日のアナウンスにて、いろいろと面白い進化が報告されているところだ。開発者および利用者の双方にとって注目に値するところがいろいろとありそうだ。カメラインタフェースが改良され、全体的にパフォーマンスは向上し、アニメーションもスムーズになり、そして実装が待たれていたBluetooth Low Energyもいよいよ採用された。

Muti-User Restricted Profiles

これは4.2で実現されたマルチユーザーアカウントを拡充するものだ。新たに導入されたのはRestricted Profile(制限付きアカウント)だ。タブレットで、ペアレンタルコントロールを実施する際に便利な機能だ。どのアカウントで実行されてるかによって、アプリケーションのパフォーマンスやサービス範囲を制限することができるようになっている。アプリケーション内販売機能をオフにしたりすることもできる。もちろん用途はペアレンタルコントロールのみに限るものではなく、企業内で利用する際の各種設定を行なって従業員に提供することもできる。

Bluetooth Improvements

Bluetooth Low Energy(Bluetooth Smart)の採用により、バッテリーの心配をすることなく、対応アクセサリを繋ぐことができるようになった。スマートウォッチや、ヘルスないしフィットネス関連周辺機器を接続するのにも便利だ。

OpenGL | ES 3.0

ゲーム開発者にとっては、これが最も大きな変更点となるだろう。レンダリング能力が格段に向上する。ステージ上のデモでも大変に素晴らしいパフォーマンスを発揮していた。J.J. Abrams風のレンズフレアや、いろいろなビジュアルイフェクトを楽しめるようになるわけだ。デモでは1080p環境でのリアルタイムレンダリングが行われている。

DRM APIs

ハードウェアレベルでのDRMエンクリプション機能を実装することにより、より充実したメディアライブラリを提供できることとなる。

アナウンスされているアップデートは、本日よりNexusタブレットに対する適用が開始される。また、新たなNexus 7でも4.3が搭載されることとなる。

(訳注:本家記事は更新中でありますが、訳者日本時間に縛られているため、ここまでの内容でいったん公開しておきます)

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(翻訳:Maeda, H)


Apple iPhoneの平均販売価格は、プロモーションの効果と旧機種の人気を暗示している

Appleの四半期決算が出た。そこで多くの業界人が注目しているのがiPhoneの平均販売価格だ。現在は580ドル前後で昨期の613ドルと比べると大きな変化だ。考えられる理由はいくつかあるが、それはAppleにとって必ずしも悪いことではない。

AT&Tは同四半期にかなり積極的な価格攻勢をかけ、その中にはiPhone 4Sを下取りしてiPhone 5を無料で提供するものもあった。AT&Tは収支会見で、前年同期よりも多くのiPhoneを販売したと言ったが、正確な数字は明かさなかった。おそらくそれは非常に好調だったという意味であり、大量の無料iPhoneを配った可能性があることを意味している。同四半期にはT-MobileもiPhone 5を発売し、当初はライバル他社よりも安くiPhoneを売っていたことも思い出してほしい(しかし、誰が損を被っているのかは不明だ)。

これは、AppleがiPhone 4やiPhone 4Sなど、現在も入手可能な旧機種を数多く販売していることを強く示す証拠でもある。Appleはこれらの機種をかなり安く卸しており、平均販売価格も低いことが多い。Walmartも6月後半からiPhone 5およびiPhone 4Sの値下げを始めており、これも平均販売価格を下げる要因だ。

では、なぜそれがAppleにとって良いことなのか?3100万台のiPhoneというのが非常に適切な理由の一つだ。Appleは、平均販売価格を下げることによって市場シェアを伸ばし、このプラットフォームにも端末売上全体にも、長期的な恩恵をもたらしている。なぜならiPhoneオーナーが他のApple製品を買うようになる、というハロー効果を生むからである。そして低い平均販売価格は、新興市場への侵入にも有利であり、これも同社にとって長期的恩恵だ。もし、この秋に低価格のiPhoneモデルが発売されれば、途上国市場はさらに開かれるだろう。

それでもAppleは、「今もiPhone 5は圧倒的に最も売れているiPhoneである」と収支会見で言ったが、同時に「iPhone 4とiPhone 4Sの販売状況にも大変満足している」とも言った。だとすれば、プロモーションは、旧機種以上に平均販売価格に大きな影響を与えたのかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi)


‘収束コンピューティングデバイス’を目指すUbuntuスマートフォンが$32Mの資金を一般募集

Canonicalは前から、モバイルOS Ubuntu Mobileでもって、全世界的に急伸するモバイル~スマートフォン市場の分け前をねらっていた。そのCanonicalが今度は、クラウドファンディングサイトIndiegogoで、初の自社ブランドモバイルハードウェアUbuntu Edgeのために資金を募集している。Edgeはスマートフォンを超えるスマートフォンを自称し、デスクトップコンピューティングの領域もカバーしてしまおう、というコンセプトの製品だ。

Edgeの目標額は3200万ドルで、固定額方式なので31日以内にこの額に達しなければ一銭も得られない。初日(イギリス標準時7月23日16時まで)なら600ドルの出資約束で完成品が一台得られる。その後は830ドルだ。いずれにしても一日平均100万ドル以上を集めなければならないわけだから、相当厳しい。

しかしCanonicalは、単純にUbuntuで動くスマートフォンを作りたいわけではない。むしろ今回の開発コンセプトは、“高度な技術を盛り込んだ非大衆的なプラットホーム”で、“高度なマニアやモバイルコンピューティングのプロ”たちが資金的に支えるもの。目的は、“新しいテクノロジの採用を加速し、それらの先端技術の普及の下地を作ること”、とプロジェクトのページは説明している。つまり、一般向けの製品を考えたり作ったりする立場の人たちに、いろいろいじくったもらうための、ガジェットだ。高価格と意欲的なデザインが、そのねらいを反映している。

Edgeは、収束コンピューティング(converged computing, 一点集中型コンピューティング)を実現するための実験だ。スマートフォンが完全なデスクトップPCの中枢システムになり、いわゆる“スーパーフォン”になる。外殻は金属ケースで、4.5インチ1280×720の画面により最大限の画素密度を与える。ダイナミックレンジや色の精度は重視しない。画面をサファイアガラスがおおい、“現時点で最速の”マルチコアプロセッサ、4GBのRAM、128GBのストレージ、そして長寿命の電池を搭載する。内部には、ワイヤレスの広到達圈域を実現するためのデュアルLTEチップがある。

Edgeのソフトウェアは、Ubuntu Mobile OS + Ubuntuデスクトップの全内容だ。ワンストップコンピューティングが目的だから、Androidでもブートする。“モバイルおたく”の人たちが、今頃はよだれをたらしているのではないだろうか。実売されれば、飛びつく人も多いと思われる。

ただし、3200万ドルは相当高いハードルだ。でもCanonical自身は技術には定評のある企業だし、この製品はいかにもアーリーアドプター(early adopter, 新し物好き, 初物食い)たちの血を騒がせそうだ。これがCanonicalのモバイル進出を本格的に助けるかは未知数だが、初日(日本時間7/23 am11:00)…掲出から13時間あまり経過…ですでに270万ドル近く集まっているから、関心が相当高いことは事実だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Apple、大画面iPhoneおよびiPadをテスト中との報道。9.7インチiPadの新製品を生産開始

Appleは大型画面のiPhoneとiPadをテストしている、とWall Street Journalの最新記事が伝えた。Macメーカーはサプライヤーに対して、4インチ以上、および12インチをわずかに下回るサイズのプロタイプ版スクリーンを発注した。いずれも最終製品は現行の4インチ画面iPhoneおよび9.7インチ画面フルサイズiPadより大きくなる。

phablet[phone + tablet]iPhoneあるいは大型iPad向けの大画面を探求する一方で、同社は今月中に新iPadの生産を開始するとWSJの情報源は言っている。この新バージョンのiPadは、これまでより明るく薄いディスプレイを装備するが、基本的に現在の第4世代iPadとサイズや外見は変わらない見込みだ。新iPadの生産に加え、サプライ業者は先月から量産の始まっている新iPhoneの部品調達に忙しいと同紙は報じている。

Appleによる大画面の試行は全く新しいわけではない。去る6月にReutersが、Appleは4.7および5.7インチ画面を検討中と報じた。Appleのライバルの多くが主要機種に大画面を採用してiPhoneに対する優位性を保とうとしていることから、これは理にかなった考えだ。大画面iPadはやや趣を異にするが、ビジネスおよび教育市場向けには理想的だ。既にAppleは、高価な128GBバージョンのiPadという一部のニッチ向け製品を出しているが、また一つ目的を特化した端末が出てくるのかもしれない。

ちなみに、Appleが大画面機向けにサプライヤーからテスト用部品を調達していることは、製品化されるという意味では全くない。Appleが社内でテストしている物と、最終的に出荷する物とは全く異なり、膨大な数のプロトタイプがR&Dセンターで生まれては陽の目を見ることなく消えている。しかし、少なくとも最新のリークから判断すれば、Appleは大型iPhoneへの思いを深めている。ライバルのSamsungは、Galxy製品ラインでこの大画面スマホの戦いを有利に進めており、Appleの注意を引かないわけはいかない。、

次期iPadおよび次期iPhoneはいずれも現行画面サイズを維持するだろうとWSJや他の噂情報源は言っているので、すぐに出てくることは期待できない。しかし、Appleがこの選択肢を検討しているという事実は、少なくとも大きな変化の可能性が近づいていることを示している。

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(翻訳:Nob Takahashi)


スマートウォッチのPebble、Kickstarterと予約注で27.5万台を販売。アプリは100万ダウンロード達成

スマートウォッチのスタートアップ、Pebbleは、同社のウェアラブル・コンピューター・アクセサリーが、昨年著しい成功を収めたKickstarterプロジェクトで19万台の予約注文を受けたことを初めて公表した。これでスマートウォッチの予約総数は27万5000台になる。未開の市場に向けて売られているデバイスとして印象的な結果だ。

Pebbleの共同ファウンダー、Eric Migicovskyは私に、総注文数を発表したかった理由は、同社がBest Buyでの販売を発表したことに合わせ、Kickstarter支援者向けに出荷することの挑戦について少しでも伝えたかったからだと話した。Best Buyでの反応も非常に良好だが、具体的な数字はまだ言えないとMigicovskyは言った。Pebbleは、すでに多くのBest Buy店舗で売り切れている。

Kickstarterキャンペーン完了後の6~10ヵ月間は、出荷だけに集中していた。Migicovskyによると、それは優先事項ではなく「唯一」事項だったと言う。今、スタートアップはその焦点を会社の長期的目標達成に向け始めた。この中には、需要を満たし、予約注文した人全員が間違いなくデバイスを受け取ることも含まれており、来年にかけて実現する計画だ。しかし、もう一つの重要な優先事項は開発者のサポートであり、Pebbleは今それに注意を向け始めている。

「今わが社の焦点は、サードパーティー開発者にシフトしつつある」とMigicovskyは言う。同社によると、これまでに100万本以上の時計アプリがPebbleデバイスにダウンロードされていることが、iOSおよびAndroidアプリ経由のインストール記録からわかっている。すでにPebble SDKに関する活発なコミュニティーも出現しており、Pebbleはそこに費用や開発努力を注いでいる。

「これはデベロッパーの作るアプリが良くなっていくという意味だ。われわれはデベロッパーのアプリをどうユーザーに届けるかに集中する。こうした考えを伝えることは、わが社だけでなくデベロッパーの関心事でもある」

Pebbleは市場への参入に成功した今、このスマートウォッチを長続きする堅牢なプラットフォームにするための2つのゴールに集中することになる。もちろん、27万5000という彼らにとっては魅力的な数字も、準備中と噂されるiWatchをAppleが発売すば、さほど驚くものではなくなる。しかしそれは未知の話であり、Pebbleとしては現市場での位置を確立することが今できる最良の行動だ。

Migicovskyは、今日RedditでAsk Me Anythingを行うので、彼がPebbleの将来について詳しく語る良い機会になるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Amazon、独自のコミック出版、Jet Cityをローンチ―ニール・ステーヴンスンやジョージ・R・R・マーティンが参加

Amazonが今度はMarvelとDCに挑戦するようだ。今日(米国時間7/9)、Amazonはコミック専門の新しいインプリント〔出版事業のブランド〕をローンチするとプレスリリースで発表した

ブランド名はJet City Comicsで、ニール・スティーヴンソン(Neal Stephenson)のSymposiumが最初の出版物となる。今年中にジョージ・R・R・マーティン(George R. R. Martin)原作のコミックも刊行される。また2014年にはディストピアものSFのWoolがグラフィックノベルとしてシリーズ化される。

当面Amazon Jet CityはSFとファンタジーという手堅い分野を専門にするようだ。強力なオリジナル・シリーズを揃えるMarvelコミックスやDCコミックスを直接脅かすような存在ではないが、これはおそらく他の分野へ進出するための地ならしなののだろう。

今回のJet Cityの他に、Amazonの既存のインプリントとしてはMontlake Romance(ロマンス)、Day One(短編、新人作家)、Skyscape(青少年向け)などがある。 Amazonは独自出版事業の拡大に全力を挙げている。今回は著名SF作家の作品でJet Cityを立ち上げたが、急速にオリジナル作品(Amazonのセルフ出版事業からの作品の採用が有望だろう)によってタイトルを拡充していくはずだ。

中長期的に見ると、Amazonの新しい出版ブランドはコミックや小説の出版にとどまらず、オリジナル・ビデオやグッズなどとのタイアップ事業にも役立つだろう。Amazonはメディア関連事業のあらゆる分野に進出して独自の環境を建設する考えだ。そうなれば著作権も一元的に管理できるし、利益を確保するのに非常に好都合だ。

またこれはKindleコミックでもあるので、Kindle Fireの普及にも役立つし、他のプラットフォームでの電子書籍販売も促進できる。デジタル・コミックスはcomiXologyなどがリードする急成長分野だ。Amazonの参入で競争は激化するだろう。ともあれJet Cityから出版される作品がどんなレベルであるかを早く見てみたい。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


GPS大手のGarminがカーナビ用ヘッドアップディスプレイを発表―iPhone、Android等とBluetoothで接続

Garminは各種のGPS利用デバイスのトップメーカーだが、スマートフォンの普及によってそういう高価な専用デバイスに危機が迫っていた。今日(米国時間7/8)、Garminはカーナビ・エコシステムに留まってハードウェアを販売する新しい方策を発表した

Garmin HUDはその名の通り、自動車のダッシュボードに設置する安価なヘッドアップディスプレイのユニットだ。車のフロントガラスに貼ったフィルムに基本的なカーナビ情報が表示される。こういったヘッドアップディスプレイは今まで極めて高価な高級車にのみ用いられていた。これに対してGarminのデバイスは129.99ドルとリーズナブルだ。

ヘッドアップディスプレイに表示される情報は現在の車速、制限速度、次に曲がる方向とそこまでの距離、曲がり角までの予測時間だ。地図や沿道の施設名などの情報は表示されない。これは運転者の注意を不必要に散らさないために非常に適切だ。さらに渋滞と交通監視カメラの情報も表示される。また夜間には照明が自動的に調節される。Garmin HUDはBluetoothでAndroid、iOS、Windows Phone 8と接続できる。この場合、GarminのStreetPilot and Navigonアプリケーションが必要だ。このデバイスは現在、FCCの審査待ちだが、この夏中には発売される予定だ。

Garmin始めサードパーティーのスマートフォン向けナビゲーション・アプリスのメーカーは厳しい競争にさらされている。AppleとGoogleが無料で強力なターン・バイ・ターンのナビ・アプリを提供しているうえに、Waze(最近Googleが買収)のようなクラウド・ソースで交通状況をリアルタイムで刻々とアップデートするナビアプリも人気を集めているからだ。

専用ハードウェア・メーカーがどうやって生き残りを図るかという課題に対して、スマートフォンに接続して利用するユニークなハードウェア・アクセサリを提供するというのは大いに有効な回答だろう。Garmin HUDはさほど高価でなく、はっきりと目に見える有効な機能を追加してくれる。 ヘッドアップディスプレイはやがてカーナビに欠かせない標準的機能になるだろう。

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Google等の企業は、Adblock Plusに料金を払って自社広告を通しているらしい

もしあなたが広告収入に頼る会社で働いているなら、人々がAdblock Plusの使用について話しているのを聞くことは多くかもしれない。しかし、今やこれのないインターネットブラウジングは想像できない、と数百万人の消費者が考えている。Adblockはウェブサイト広告の殆どを阻止し、通常のウェブとは大きく異なる比較的クリーンな体験を提供する。

実は、これを通過できる広告もあり、少なくともGoogleは金を払ってそうしているとの報道が、最近Hacker Newsで大いに議論を呼んでいる。Adblock Plusには「許容広告」フィルターがあり、標準で一部の広告を許しており、同社はこのホワイトリストサービスで大企業から料金をとっていることを隠していない ― FAQにはっきり書かれている。

AdblockPlusによると、この料金は同社のフィルターリストを維持するためのもので、Googleなどの大手参加企業から料金を取っている他に、一部の中小ウェブサイトやブログを無料でホワイトリストに入れている。しかしこれを、Googleらがウェブ閲覧ユーザーに自社広告を見せる権利を買い、Adblock Plusはかなりの数の消費者へのアクセスを割り当てる門番役を演じている、と見ることも容易だ。これによってAdblockは大きな権力を得、Google等の払える企業は、払えない中小企業に対して大きな優位性を持つことになる。

Hacker Newsでは、議論はオンライン広告のメリット全般へと発展しており、Adblock Plusのホワイトリストを誰が買えて誰が買えないかの問題に関心のない人にも、非常に興味深く読める(ちなみにAdblockは「非侵入的広告」さえすべて遮断するオプションも提供している)。好むと好まざるとにかかわらず、バナー広告は今もウェブの通貨であり、これはオンライン広告がユーザー体験に与える影響を減らすために作られた会社であるAdblock Plusにとってさえ真実のようだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


低価格プラスチックiPhoneのビデオと写真がリークか?

Appleは今年中に低価格iPhoneを発売すると言われている。部品代を下げるために通常の金属およびガラスに代えてプラスチック筺体を採用するという。ここへ来て、Androidハイエンド端末の模倣製品を作っているTechdyというサイトが、新iPhoneのプラスチック筺体と画面部分を入手したと言っている。

初期製造プロトタイプのリークとされる写真には、白くて滑らかなプラスチック筺体が写っており、Techdyによると、Samsungなどの他社製スマートフォンに使われているものよりずっと高級な質感だという。前面はわれわれの知るあの愛するiPhoneと似ており、黒のデザインはカラーバリエーションの中でも共通になると思われる。

この低価版iPhoneと目される端末の裏面はわずかに丸みを帯び、現バージョンのiPod touchを思わせる。実際にはやや厚目だが、これは携帯通信アンテナや光センサー等の追加部品を場所を考えれば当然だ。Appleはこの世代のiPod touchにカラーバリエーションを採用しているが、これは類似デザインの低価格iPhoneを作る準備だったのかもしれない。

iPhone 5とリークされたプラスチックiPhoneとの比較写真を見ると、現行iPhoneよりわずかに厚く見える。画面サイズは同じで、他に唯一の外見的な違いは端末下部のスピーカーグリルが2つから1つに減っていることだ。

Techdyは、この端末のAndroid版クローンをすでに販売しているので、十分眉に唾をつけて受け取る必要がある。しかし、これまで低価格iPhoneに関して言われてきた話ともよく一致しており、間違いなく魅力ある端末ではある。もしAppleが、旗艦iPhoneより安く、ライバルの最上位機種より見た目も良いプラスチックiPhoneを発売することができれば、今年のスマートフォン地図は大きく書き変えられるかもしれない。Techdyのフォトギャラリーでは、新iPhoneとおぼしき端末のあらゆる角度から見た写真を見ることができる。要チェックだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


家庭の電力消費をリモートでコントロールするValta, Kickstarterで資金募集中

トロントのValtaは、家庭の電気〜家電製品の利用をリモートで管理するシステムのために、Kickstarterで資金を募集している。それは下図左のようなコンセントに差し込むアタッチメント(とそのためのハブ)と、iPhoneアプリと、Webアプリケーションを併用して電気の無駄な利用を監視し、また、使われていない家電製品の電源をリモートで切ることもできる。

Valtaでは、ソケットに挿入したアタッチメントがその先にある家電製品の電力消費をモニタし、無駄な使われ方を検出したらiPhoneアプリにプッシュ通知する。アタッチメントが介在している電気器具は、iPhoneアプリからリモートでoffにできる。いわゆる待機状態の電力消費も、実際には無駄なことが多いから、それらもアプリからoffにできる。

このシステムには位置対応機能があり、家を出ると電源off、帰宅したらon、という使い方もできる。電源を切り忘れた?!、という心配がなくなる。またコーヒーメーカーやホームシアターなどは、on/offのタイマー設定ができるし、複数の製品のon/off一斉コントロールもできる。また家庭の電力消費状況を、アプリ上やWeb上で時系列で見ることができる(Valtaのクラウドサーバがそのデータを提供)。

ソケットに挿入するアタッチメントたちは、ハブ(通称v-Hub)を介してインターネットに接続され、それによってValtaのクラウドサーバとユーザのiPhoneアプリを結ぶ。v-Hubは家庭のルータに接続され、最大16基のソケットアタッチメントと通信する。アプリは、公式ローンチ時にはAndroidバージョンも提供される予定だ。同社の創立チームはハードウェア開発とiOSとクラウド開発と電気工学の経験が豊富だ。だから、こんな製品を作るのはお手の物だが、創業資金として10万ドルが必要なのだ。

資金提供者はこのシステムを139ドルで予約し、vHubと3つのソケットアタッチメントを受け取る。これは、11月の予定発売時の予価よりも55ドル安い。

〔訳注(心配): Kickstarterを読んでもよく分からないが、電源on/offがいわゆるプッシュボタン方式の器具…パソコン、暖房器具など…は、コントロールできないのではないか(単純にoffすること以外は)?〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Appleが画期的イアホン・テクノロジーの特許を取得―ユーザーの耳道形状に合わせて音質がカスタマイズされる

今朝(米国時間7/4)、アメリカ特許商標局がAppleに対して興味ある特許を認めたAppleInsiderが報じた。

最近のiPhoneとiPod付属のイアホンは多少改良されているものの、全体としてAppleのイアホンはあまり上出来とはいえない。個々のユーザーの耳道の形状に合わせて音質がカスタマイズされるという今回の特許は画期的なイアホン・テクノロジーとなる可能性を秘めている。

いささかSFっぽく聞こえる特許だが、概要としては、ユーザーの耳の電導や音の反響のスペクトルなどの情報をセンサーで収集し、それに基づいてイアホンから出力される音のレベル、バランス、イコライザーの設定、ノイズ・キャンセルなどを最適化するのだという。

これによって小型のイアホンが持つ不完全なシーリングという問題に効果的な対処ができるということだ。またこの特許にはイアホンの装着状態が不適切な場合にユーザーに注意を喚起する機能が含まれている。つまりイアホンを耳に入れなおすよう求めるのだろう。

Appleはこれまでもイアホン・テクノロジーの改良に努力してきたが、ホームランといえるほどのプロダクトは生み出していない。この特許が実際の製品に応用されれば革命的な改良となるかもしれない。

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汎用デバイスコントローラMYOアームバンド, 死活を握るデベロッパコミュニティの育成に乗り出す

Thalmic Labsが今日(米国時間7/3)、MYOアームバンド(腕輪)のデベロッパ対応事業を発表した。デベロッパ専用のポータルができたので、関心のあるデベロッパはそこでフォームに記入して登録する。フォームの内容は、Thalmicが今後のパートナー選びの参考のために利用する。APIのアクセスなどで初期的な制約はあるが、正規のパートナーとなったデベロッパにはこの夏に、MYOの試作品が進呈される。

また、これまで消費者向けの予約ページでMYOを予約していたデベロッパには今後、製品が優先的に配布される。また、優れたMYOアプリケーションのアイデアを提供したデベロッパには、優先的にデベロッパプラットホームを使わせ、ハードウェアの発売日までにそのアプリケーションが完成しているように努力する。それはもちろん、MYOの製品としての評価やイメージを、アプリケーションの充実によって発売初日から高めるためだ。

なにしろMYOの成功の鍵を握るのは、なんといってもデベロッパの関心と参加だ。あのセンサー満載の腕輪だけがあっても、用途が分からなくてアプリケーションもなければ、誰も買わない。多様な用途アイデアを求めるために同社は最近、#ifihadMYOと題するTwitter上のコンテストを開始した。要するにこの腕輪は、腕の筋肉の動きを電気的に感知して、その信号で何かをコントロールするのだが、何をどうコントロールするか、というかんじんのアプリケーション(application, 応用)が問題なのだ。

Thalmicは、この製品には無限に多様な用途があると信じて、いろんな業界に売り込みをかけている。消費者がこの腕輪を理解しただけではだめで、実際に欲しくなるためには、単一のデバイス(等)に結びついた単一の用途ではなく、“これを使っていろんなものをコントロールできる”という多用途性が実現しなければならない。それでなければ、標準価格149ドルに相当する価値は感じられない。しかも、大きな腕輪を腕のやや上の方にはめることを、消費者が不便・面倒と感じたら、そこで商品生命は生まれる前から終わりだ。よっぽど便利な、または重要なアプリケーションがないかぎり、たとえばコンピュータを使うときなどは、腕から外してしまうだろう。

Thalmicは大枚1450万ドルのシリーズAを終えたばかりだが、今重要なのはお金よりもデベロッパの関心と興味と参加だ。もちろん製品をめでたく発売にこぎ着けることも重要。今回ローンチしたデベロッパ対応事業により、MYOの価値を高めるデベロッパたちのエコシステムが育成されることを、祈りたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


iOS、モバイル広告のシェア拡大。AT&TはiPhoneの王座陥落(Velti調べ)

AppleのiOSは、モバイル広告の市場シェアを一段と確固たるものにした。モバイル広告会社のVeltiが報告した。同社によるとAppleのシェアは2012年5月の59%から2013年5月には64%へと増え、新たなインプレッションの大部分をiPhone 5が獲得している。iPhone 5のシェアはこの1年間で7.4ポイント増え、iPadも3.7ポイントを加えたが、iPod touchは大きく後退した。

しかしiPhone全体では15%成長し、これは旧モデルのおかげで結果的にiOS全体の数字を押し上げた。AppleがiPod touchの不調を補う以上にシェアを伸ばしたのは、iPad miniのおかげだ。Samsungもシェアを伸ばしたが、ライバルAppleとは比較にならない。今後数ヵ月間市場は不安定になるとVeltiは予測しているが、これは9月に発売が噂される新しいiPhoneを期待しての買い控えによるものだ。もはやこれ年中行事となっており、モバイル広告におけるAppleの長期的支配には、さほど影響を与えないことを数字が示している。

もう一つ、iPhoneに大量の広告を送り込んでいるキャリアにも大きな変化が起きている。具体的にはかつて支配していたAT&TはVerizonにその地位を明け渡した。これはキャリア業界にとってはビッグニュースだ。Sprintも2012年5月よりシェアを落としているとVeltiは言う。T-Mobileのシェアはほんのわずかだが、データは5月までしかカバーしていないので、同社の新サービス “UnCarrier” の利用者が増えれば変わってくる可能性がある。

昨今多くのモバイルアプリを支えている広告を自分はあまり見たくない、という人たちに残念なニュースがある。広告主はより大きな広告ユニットへと切り換え、小さなものを捨てつつある。Veltiの分析によると、フルスクリーンの侵入型広告、および300 x 250、728 x 90の広告サイズが揃って伸びている一方で、iPhoneの320 x 50広告は利用が減っている。モバイル広告にとって大きいことは良いことのようだ。少なくとも広告主たちはそのように学習している。

モバイル広告レースに勝つことは、デベロッパーにとって極めて重要な指標であるモバイルアプリの利用と売上で優位を続けるAppleにとって、重要な鍵だ。これはiPhoneを消費者にとってふさわしい商品にするためのサイクルの一部でもあるので、Appleはリードを広げたことを喜んでいるに違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Canonの新デジイチ、EOS 70DはライブビューのAFが画期的に改善―インディーの映画製作者に理想的

キヤノンは長らく待たれて中級デジタル一眼レフの新機種EOS 70Dを発表した。これは60Dの後継機種で、スペック、価格の両面で入門デジイチのRebel(Kiss)シリーズの上位に位置する。60Dと比較して今回発表された70Dは動画撮影に大幅な機能向上が図られている。

キヤノンは70DにデュアルピクセルCMOS撮像素子によるオートフォーカスを導入した。このテクノロジーでは1画素に2個のセンサーを搭載することによって焦点合わせの高速化を実現している。AFはスムーズで正確になり、ライブビューで動画撮影を行う際に特に威力を発揮する。モニタは自由に回転させることができるバリアングル方式だ。静止画撮影のAF能力も改善されている。AF測距点は上位機種の7Dと同じ19点(すべてクロスタイプ)に改良された。しかしなんといっても、機能強化の中心は動画だ。

量産前のモデルだが、実機をテストしたEngadgetによれば、新AFは広告どおりの高性能ぶりを示したという。デジタル・ビデオの撮影にはキヤノンのSTMシリーズのレンズとの相性が特に良いらしい。その結果は驚くべきレベルだという。Kickstarterで資金集めをしているインディーの映画製作者にとっては70Dの出現は大きな朗報だ。

ISOレンジも拡大され、3インチの高精細度バリアングル・モニタにはタッチ・パネルが採用された。連射は毎秒7コマにスピードアップした。また上位モデルの6Dに採用されているWi-Fi接続機能も装備され、スマートフォンやタブレットからカメラを操作したり、ファイルを転送したりできる。

価格も度外れに高価ではない。ボディのみが1199ドル、 18-55mm IS STMレンズキットが1349ドル、EF-S 18-135 ISSTMレンズキットが1549ドルだ。キヤノンによれば発売は9月になるという。それ以後に製作が始まる Kickstarter映画の画質は大いに向上すると期待できそうだ。〔日本版:日本では8月29日発売予定で、ボディーのみの実勢価格は13万円前後と予想されている。〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Appleが「消えるベゼル」の特許を取得―iWatchに応用か?

AppleInsiderによれば、Appleはユニークなベゼルの特許を取得した。これは超小型(iWatchなど)のデバイスのベゼルにタッチ機能を与えるだけでなく、タッチスクリーンの周囲に必要に応じてベゼルを出現させたり、消したりできる。

このテクノロジーにはどういう用途が考えられるだろう? たとえばiPad miniの場合、Appleはハードウエア全体の大きさを最小限にしながらスクリーンのサイズは最大限にしようと努力した。ベゼルが大幅に縮小された結果持ち歩きにはたいへん便利になったが、狭いベゼルのおかげで、スクリーンに触れずにiPadminiを持つことがたいへん難しくなっている。そのためユーザーはひんぱんに誤タッチに悩まされている。

今回の新特許を利用すれば、ベゼル部分の反応と見かけを変えることにより、コンテキストとユーザーのタッチ行動に応じて、デバイスにベゼルを出現させたり消失させたりできる。たとえばベゼルの1部分をさまざまな色で光らせたり、完全な透明から完全な不透明まで種々に変えたりできる。つまりベゼル部分に今まではまったく異なった高度な機能を持たせることができるわけだ。

このスマート・ベゼルはガジェットにさまざまな新たな可能性をもたらす。たとえばビデオの再生の場合にはベゼルを完全に消して、すべてをスクリーンとして使うことができる。フルスクリーン・モードはまず最初に考えつくこのテクノロジーの応用だ。

その他、スマートウォッチのような超小型のデバイスに必要に応じてベゼルを付け加えたり、消したりできる。Appleは最近“iWatch”を商標として日本、メキシコ、台湾などの出願している。おそらく近い将来、製品がリリースされるだろうが、そのスクリーンはiPodnanoより大きくははならないだろうから、ベゼル・テクノロジーの応用にうってつけだ。

超小型のスクリーンの面積を最大限に利用したい場合、アプリごとにベゼルのサイズと位置を変えることができる「消えるベゼル」は大きな効果を上げるはずだ。Appleの特許は取得から実際の製品になるまでかなりの時間がかかるのが普通だが、この特許はいち早く実用化される例となるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google Readerの終了がいよいよ間近。しかしこれはチャンスなのかもしれない

いよいよGoogle Readerが終了となる。悲嘆にくれる人も多いようだ。しかし個人的には悲しいことと思わないし、残念だとも思っていない。

かつては大いにGoogle Readerを使ったものだった。日々、仕事のためのニュースを入手するためのツールとして大活躍だった。Interenet上の動きはReaderによって得ていた。散歩に出かけたり、あるいは寝ている間におきたことを知るのにも、Readerを活用していたのだった。テックニュースに関わるものとして、Google Readerは、確かに、欠くことのできないツールだったのだ。

RSSリーダーが大活躍した時代のことを考えてみる。当時(と言ってもすこし前)まで、ニュースの発生速度というのは今よりも多少ゆっくりとしたものであった。ちょうど、1日に2回届けられる新聞の発行ペースに合わせたような感じで、ニュースが発生していた。そのような時代、Google Readerないし、RSSというものを便利に活用することができていた。RSSフィードのアグリゲーションが「リアルタイム」と扱われる時代だった。そうしたフィードを、後でまとめて読むために、一箇所にまとめておくのにReaderは活用されたのだった。この、後の用のためにまとめておくという使い方は、確かに今でも有益な利用法ではあるだろう。

但し、オンラインでニュースを扱うことを仕事にしている人にとって、いつの間にやらRSSのもたらす「リアルタイム性」は十分ではなくなってしまった。RSSを消化することが、時流についていくのに役立つのだと言い難くなってしまったのだ。Readerは確かに革新的なツールだった。しかしその後に生まれてきたTwitterや、真の意味でのリアルタイム性を備えたツールの登場により、Readerはさほど便利なツールではなくなってしまった。

ニュース消化用としてではなく、不定期に投稿されるブログ記事などを対象とするものと考えれば、Readerは依然として便利なツールであると思う。投稿された記事を一箇所に保管しておくこともできるわけだ。しかし、Readerのようなツールを利用する目的に、「面白い記事を読みたい」ということも加えるのであれば、やはりTwitterなどを活用した方が良いのではないかと思う。そしてInstapaperやPocketに保存しておけば、どのサイトの記事であったかなどと探しまわる必要もなく、保存しておいた記事を全てまとめて読めるようにもなる。また、Twitterを活用することは、記事の選別を行うのにも役立つ。長い記事を読んでみたものの、どうにも役に立たないものであったなどという経験を減らすことができる。また趣味的記事のアグリゲーションツールとしてはThe MagazineやMediumなどのようなものも出てきており、こうしたツールの活用も考えてみると良いと思う。

個人的には、まずReaderを仕事では使わなくなった。2年前のことだ。使うのは仕事以外の時間ということになったのだ。仕事ではなく、個人的に興味のある記事(ゲーム関連等)をReader経由で読んでいた。Readerを立ち上げるのは寝る前ということになった。眠りに落ちる際につけておく常夜灯代わりといった雰囲気もあった。

そして、Readerを起動することはますます少なくなっていく。たまに立ち上げても、目にする記事はTwitterの投稿など、どこかで目にしたものばかりという状況になっていった。iOS上でのReaderアイコンの配置場所もドックからホームスクリーンに移り、そして1年前にはiOSホームスクリーンの、ほとんど見ない場所に追いやってしまうこととなった。もう何ヶ月も起動すらしていない。

Readerが優れたツールであったことを否定したいわけではないし、多くの人がまだ利用してもいる。しかし代替アプリケーションも多く出てきた。インターネットの世界におけるRSSの重要性というのも大きく変化しているように思う。情報収集をReaderの存在に頼りきってきた人にとっては、いろいろと世の中の変化をチェックしてみる好機なのかもしれない。そういう意味で、Readerが消え去るのは残念なことではないと思う。Readerが快適さをもたらしてくれた後に、他に便利なツールや手法が誕生しているのではないかと探ってみるのも良いことだと思う。

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(翻訳:Maeda, H)


位置対応(+屋内位置対応)で緊急時の通知を一斉同報するモバイル向けサービスをGuardlyがローンチ

トロントのGuardlyが今日(米国時間6/27)ローンチするmobile mass notification system(MMNS)(モバイル一斉通知システム)を使うと、緊急時などの警報や通知の一斉同報ができる。AT&Tなどは最近、iOS 6のユーザに緊急警報を提供するようになったが、Guardlyのシステムは送信対象の位置を限定でき、また企業ユーザは屋内測位システム(indoor location positioning(IPS))も利用できる点が新しい。

学校、企業、集合住宅、駐車場ビルなどに会費制でセキュリティサービスを提供しているGuardlyにとって、通知はそのサービス内容の大きな拡充となる。GuardlyのMMNSは最大50万の通知を数秒で送ることができる。だから、相当な大企業でもユーザになれる。また位置対応機能があるので、企業はたとえば特定の現場で仕事をしている連中だけに通知を送れる。Guardlyの協同ファウンダJosh Sookmanの説明では、過去には企業が特定の部門(部、課、事業部、在宅者、等々)にだけ通知を送れるシステムはあった、という。

また、社内の特定の被害区域などだけに通知を送りたいときには、IPSを利用できる。MMNSの通信は双方向なので、通知を受け取った者が救援要請などを送ることもできる。その要請メッセージにはIPSのタグが付くので、場所が正確に分かる。被害者が、助けを得るために必要なすべての情報を、迅速かつ容易にブロードキャストすることもできる。

Sookmanによると、“まず第一の特長は、送信先を選んで情報を送れること。しかし第二に重要なのは、IPSによって屋内の場所までも特定できることだ。だから危険な化学物質の遺漏や火災などがあった場合には、その特定の建物や区域にいる人だけが警報をもらい、アプリケーションを一回タップするだけで救援を要請できる”。

セキュリティプロバイダとしてのGuardlyが、競合他社のRave Mobileなどに比べて有利なのは、IPSを組み合わせた通知/応答サービスは今のところGuardlyだけ、Guardlyが初めてだからだ。

このMMNSサービスはまだベータで、Guardlyの既存のサービスへのアドオンとなる。料金は一律でなくユーザ数がベースなのでリーズナブルだ、とSookmanは言う。また通知を使ったことが単独で課金されることはない。課金は従来どおり、総合セキュリティサービスに対する月額会費のみだ。通知だけを単独で課金すると、利用をためらうユーザが出てくる、というのが、Sookmanの説だ。お金がもったいないので緊急通知をしない、なんてことでは困るから、とSookmanは言う。

また、通知とそれに対する応答はすべて録音されるので、緊急事態にどう対応したかをあとで反省できる。そもそもこのサービスはGuardlyの顧客のリクエストから生まれたもので、需要が最初から顧客側にある。このアドオンの普及のペースと、どんな業種業態で広く採用されるか、それを見守りたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google Trekkerが立ち入り禁止の場所もストリートビュー, ボンドの悪役の隠れ家も

Google Trekkerはストリートビューのハイキング地図プロジェクトを外部団体に拡張したばかりだが、今日(米国時間6/28)また、もう一つの拡張計画を発表した: SVを見る仮想ツーリストを、ものすごくユニークな遠くの場所に張られているヴェルヴェットロープの背後に連れて行くこと。今日のGoogle Mapsのブログは、日本の長崎県端島の仮想ツアーを見せている。ここは「007スカイフォール」でボンドの敵役Raoul Silvaの隠れ家となった。

端島は“軍艦島”とも呼ばれ、炭坑と鉱夫たちの居住区があった。1970年代には完全な廃墟になり、2009年に観光地として復活した。しかし観光客が立ち入れない場所も多い。コンクリートや鉄のがれきが多くて、崩落の危険性があるからだ。

Trekkerのチームは特別の許可をもらって制限地域に入り、建物の内部まで撮影している。そのため、この、かつて産業目的で使われた島の、ほぼ完全な仮想ビューができあがっている。その概要が上のビデオにある*。〔*: Google Mapsを「長崎県 端島」で検索して、SVを見ればよい。〕

Trekker事業をこのように拡張したことによって、観光客が増えると思われるが、しかしこれは、Googleの意欲的なデジタルアーカイビングプロジェクトが、ほかの方法では不可能だった場所もデジタル記録できることの、好例を示している。とりわけ、端島のようなケースでは、風雨の激しい絶海の孤島なので、10年後の保存状態が保証されない。だから一般人の好奇心だけでなく、研究者や学生にとっても得難い貴重な史料となる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))