Teslaが「フル自動運転」オプションの価格を100万円超に引き上げ

Tesla(テスラ)は、その「Full Self-Driving(FSD、フル自動運転)」ソフトウェアアップグレードオプションを先週から段階的にリリースし始めているが、創業者でCEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏の予告通り(未訳記事)、同時にその価格を1万ドル(約104万円)に引き上げた。これにより、パッケージの価格はこれまでの価格から2000ドル(約20万9000円)も(未訳記事)値上がりした。同価格は2019年5月から着実に上昇を続けてきている。

FSDオプションは、Teslaのドライバー支援技術Autopilotを補完するオプションのアドオンとして既に販売されていた。ただし、2020年10月のベータ版がローンチされるまでは、テスラのオーナーは機能自体を利用できないままだった。これはまだ限定的なベータ版に過ぎないものの、それでもマスク氏とTeslaがFSDという名の下に公開しようとしていたものに近いものである。Teslaは量産型の車両向けのフル自動モードを何年も宣伝し続けていた。

「フル自動運転」という名前にもかかわらず、FSDはSAEインターナショナル(米国自動車技術者協会)によって定義され、ほとんどの自動運転業界に受け入れられている自律性の基準の、レベル 4またはレベル5に相当する「フル自動」ではない。マスク氏はそれを「自律的でありながらも必要に応じて人間の監督と介入を必要とする」能力を持つ車として設計している。一方、SAE規格ではレベル4とレベル5(「真の自動運転」と見なされることが多い)はドライバーの介入を必要としない。

それでも、ユーザーからの初期のフィードバックによれば、この技術は色々な点で印象的なようだ。とはいえ、いかなる種類の自動運転ソフトウェアであろうとも、公共の場で人間の監視なしにテストすることは、信じられないほど危険な行為に思える。マスク氏は、年末までにはベータ版を終えてFSD技術が広く展開されるはずだと述べているので、彼は間違いなくその性能に自信があるようだ。

値上げは、彼と会社が抱く自信の、また別の表れなのかもしれない。マスク氏は常に、後日手に入る技術開発に初期段階からお金を払ってくれるユーザーに対して割引を行うよう振る舞ってきたので、そうした意味でもこの段階で価格が上昇することには意味がある。またこれは明らかに、Teslaの利益率を高めるのために役立つが、同社は既にアナリストが予想する売上と利益の両方を上回る結果を達成している。

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タグ:Tesla自動運転

画像クレジット:Christopher Goodney/Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:sako)

NY-ロンドン間を90分で飛ぶマッハ5の超音速航空機スタートアップHermeusが1.7億円を調達

マッハ5で飛行しニューヨークからロンドンまでわずか90分という超音速航空機の製造を目指すスタートアップHermeus(ハーミュース)が、シリーズA投資1600万ドル(約1億7000万円)を調達した。このラウンドはCanaan Partnersが主導し、以前からの支援者であるKhosla Ventures、Bling Capital、Rise of the Rest Seed Fundが参加している。同社はこの新しい資金で、初のフルスケールのエンジンを開発し、地上燃焼テストを行う予定だ。マッハ5の航空機をデビューさせる上で、このエンジンは中核的な部品となる。

2020年の初め、Hermeusは縮小版エンジンの試作機のデモンストレーションに成功し、同社の核となる技術が計画どおりの性能が発揮できることを実証した。これから同社は、最終的な量産型のサイズと出力に相当するバージョンのエンジン開発に移行し、同時にアトランタの試験施設を拡張して、小規模な社内製造能力を持たせることにしている。さらに最初の航空機のデザインも進め、数カ月以内にその機体に関する詳しい情報を発表すると話している。

Hermeusは、現在すでに市場に出回っている成熟した技術で、彼らが目標とするマッハ5の飛行を実現できるという。また同社には、SpaceX(スペースエックス)、Blue Origin(ブルー・オリジン)、NASA、Boeing(ボーイング)など幅広い航空宇宙の一流企業で豊富な経験を積んだスタッフが揃っていることも、競争上のもうひとつの優位性だと話す。

とはいえ、マッハ5とは野心的な数値だ。コンコルドの速度はマッハ2を少し超える程度だった。またスタートアップのBoom Aerospace(ブーム・エアロスペース)がOverture(オーバーチュア)商用超音速航空機で目指しているのはマッハ2.2だ。Lockheed Martin(ロッキード・マーティン)が製造したNASAのX-59超音速実験ジェット機は、マッハ1.42前後で航行する。マッハ5とは、それらのプロジェクトの中で最も野心的なものよりもずっと大きな目標なわけだが、HermeusのCEOであるAJ Piplica(エイジェイ・ピプリカ)氏は、商用旅客機を生産するまで10年ほどの開発期間がかかるだろうと以前に話していた。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:Hermeus超音速航空機

画像クレジット:Hermeus

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(翻訳:金井哲夫)

SpaceXがStarlinkアプリをローンチ、ベータテスターに月額約1万円の参加費用とサービス内容を公開

SpaceX(スペースエックス)は、Starlink(スターリンク)衛星ブロードバンドインターネットサービスの公式アプリのiOS版とAndroid版を公開した。Starlinkアプリは、ユーザーが接続の管理に使うためのものだが、使用するには公式ベータプログラムに参加する必要がある。SpaceXが今週ベータテスター予定者に送付した電子メールによれば、今回の公開第1弾はほんの始まりに過ぎないとのことだ。

Starlinkアプリでは、Starlink用パラボラアンテナの設置ガイド、接続状況(信号の品質など)、ネットワークに何が接続されているかを確かめるためのデバイス状況、そしてスピードテスト用ツールが提供される。家庭のWi-Fi接続やルーターの管理を行う通常のモバイルアプリとよく似ている。また、CNBCが入手したベータテスト予定者向けのメールでは、料金、スピード、遅延といったユーザーが気になる情報が詳しく伝えている。

最初のStarlink公開ベータテストは、SpaceXのアプリの解説で見受けられるように「Better Than Nothing Beta(ないよりはマシのベータ)」テストと呼ばれている。米国とカナダで、2020年の年末までに開始される予定だ。これは先に発表されていたタイムラインに一致する。この名称が示すとおり、スピードは50〜150メガバイト毎秒、遅延は20〜40ミリ秒、さらに、まったくつながらない瞬間もあるなど、ユーザーが過大な期待を持たないような数値を参加者向けメールで知らせている。控えめに書かれてはいるが、このとおりの性能であったとしても、インターネット接続サービスが高価であったり、不安定であったり、ダイヤルアップ程度の速度しか得られない環境で苦労しているユーザーには大きな改善となる。

画像クレジット:SpaceX

料金は、SpaceXがメールで伝えたところによると、ベータプログラムの参加費用が月99ドル(約1万300円)、それにハードウエアの代金として最初に一度だけ支払う499ドル(約5万2000円)が必要となる。ハードウエアには、パラボラアンテナとその取り付け金具、Wi-Fiネットワーク機能付きのルーターが含まれる。

サービスの目標は、地球の低軌道を回る大きなコンステレーションを構成する小型衛星が、互いに接続を引き継ぎながら、安定した、遅延の小さいブロードバンド接続を提供することにある。すでにSpaceXは1000基近くの衛星を打ち上げているが、どこでも普通にサービスが受けられるよう、さらに数千基を打ち上げて地球全体をカバーしたいと同社は考えている。

SpaceXは、Starlinkの最初の商用パートナーシップと試験計画をすでに発表している。これには、Microsoft(マイクロソフト)と共同で、同社のモバイルAzure(アジュール)データセンターをつなぐ計画や、東テキサス教育委員会と地元コミュニティーとをつなぐプロジェクトが含まれている。

関連記事:SpaceXはStarlinkネット衛星サービスのプライベートベータを検証中、低遅延と100Mbps以上の速度を確保

カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceXStarlinkベータ版

画像クレジット:SpaceX

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(翻訳:金井哲夫)

NASAとSpaceXがCrew Dragonの初運用打ち上げを11月14日に予定、野口聡一宇宙飛行士も搭乗

国際宇宙ステーション(ISS)に宇宙飛行士を正式に輸送し、標準的なクルーローテーションを実施する最初のミッションは、現在、暫定的に米国時間11月14日に設定されている。NASAは当初の10月中の予定を変更した後、今週、ミッションの更新日を発表した。2020年に行われた歴史的なDemo-2ミッションが正式にテスト段階を終了し、NASAでの使用が認められた後、SpaceX(スペースX)の乗員用カプセルであるCrew DragonがISSでの 「シフトチェンジ」 ミッションのために飛行するはこれが初めてである。

今回の打ち上げではNASAのShannon Walker(シャノン・ウォーカー)、Victor Glover(ビクター・グローバー)、Mike Hopkins(マイク・ホプキンス)宇宙飛行士の3人と、JAXAの野口聡一宇宙飛行士がISSに到着し、クルーとともにISSのメンテナンスやアップグレードなどの定常運用を行うほか、地球上の研究者と共同で実験を行う。

彼らはロシアのSergey Ryzhikov(セルゲイ・リジコフ)、 Sergey Kud-Sverchkov(セルゲイ・クドスベルチコフ)宇宙飛行士、NASAのKate Rubins(ケイト・ルービンズ)宇宙飛行士など、現在ISSに滞在している乗組員に加わる予定だ。ISSに到着すると、クルーは通常の6人から7人になるが、これにより宇宙ステーションの円滑な運用を継続しつつ、通常の任務よりも研究や実験に多くの時間を費やすことができる。

Crew-1はケープカナベラルからFalcon 9ロケットで打ち上げられる予定で、東部標準時午後7時49分を予定している。もちろんこれは変更される可能性があるが、現時点ではこのスケジュールで予定されている。

カテゴリー:宇宙
タグ:NASASpaceXCrew DragonFalcon 9

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

NASAが月面の太陽光が当たる部分に水の存在を確認

NASA(米航空宇宙局)が画期的な発見をした。月面の太陽光にさらされる場所に水が存在することを確認した(NASAリリース)。これまで、太陽光が当たらない月面に氷として水が存在することはわかっていた。次の月へのミッションが、月の南極へのものであるのは、部分的にはそのためだ。月の南極にはこれまで直接太陽光にさらされたことがないクレイターの中に氷が隠れているかもしれないと考えられている。

今回の発見はまったくの驚きではない。というのも、NASAの科学者や研究者は以前、月の太陽光があたる部分に水が存在していた可能性がある兆候を発見していた。しかし今回、NASAの成層圏赤外線天文台(SOFIA)で観測したデータで水の存在を確認できた。SOFIAは月の南半球にあるClavius(クラビウス)クレイターに水の分子があると推測している。

水の存在を証明するのにこんなにも長い時間がかかったことから想像できるかもしれないが、月の水はそれほど多くない。NASAは、1立方メートルに100万分の100〜412を検知することができたと話す。これは標準の12オンス(約355mℓ)ボトルの量に相当する。NASAは、SPFIAが検知できる水の量よりサハラ砂漠の方が100倍多いという。

たとえそうであるにしても、太陽光が当たる月面というどちらかというと厳しいコンディションで水が存在できるという事実は興味深いものであり、さらに研究する価値がある。科学者は水がどのようにしてそこに存在するに至ったのか、実際どのようにして蓄積することができたのか明らかにしたいと考えている。それらを研究し、また科学者は他に水の存在がないか別のクレイターや太陽光が当たるエリアを観察する今後のSOFIAのミッションを通じて、月面での恒久的な駐留を確立する探検者たちによる水の使用の可能性を視野に入れている。

これは間違いなく画期的な発見であり、人間によるさらなる宇宙探検の未来に不可欠なものとなるだろう。そうした長期的な目標には、科学者が研究を行い、ゆくゆくは火星など別の目的地を目指すことができる科学基地を設置することが含まれる。水などその場にあるリソースの活用は目標をより早く、複雑な応急措置を要せずに実現できるかもしれない。水というのは、人間が生き延びるための基本的なものであるばかりでなく、ロケットを打ち上げるための燃料など月から送り出すミッションにとって必要不可欠なリソースでもある。

カテゴリー:宇宙
タグ:NASA

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(翻訳:Mizoguchi

スペースXが15回目となるミッションで60基のStarlink衛星を打ち上げ

SpaceX(スペースX)は、来るべきグローバルなブロードバンドインターネットサービスの主要な構成要素である、Starlink(スターリンク)衛星を新たに60機打ち上げた。打ち上げは米国東部標準時午前11時31分に行われ、フロリダ州のケープカナベラル空軍基地から実施された。これは15回目のStarlinkの打ち上げであり、スペースXはこれまでに900機近くの低軌道衛星を打ち上げてきた。

今回の打ち上げは、Falcon 9の第1段ブースターの2回目の使用となった。ブースターは大西洋上のスペースXのドローン船「Just Read the Instructions」に乗って海上に着陸し、無事に回収された。

今週初めにテキサス州のEctor County Independent School Districtは、スペースXのStarlinkネットワークの新しいパイロットパートナーになることを発表した。2021年、この地区はStarlinkのネットワークを介して低レイテンシのブロードバンドに接続できるようになり、最初は最大45世帯が接続できるようになるが、さらに多くのコンステレーションがローンチされ、オンライン化されるにつれて、90世帯の顧客に拡大する計画だ。

スペースXがStarlinkで目指しているのは、これまで到達困難な地域や地方では不可能だった速度と遅延で世界中にブロードバンドサービスを提供することだ。その衛星コンステレーションは、最終的には最大何万機もの規模になることを目的としており、商業利用可能な既存のインターネットを提供する静止衛星と比較して、遅延と信頼性の点で大きな利点を提供する。

カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceXStarlinkFalcon 9

画像クレジット:SpaceX

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

GMCがフルEVの新型「GMC Hummer EV」を公開

GMのSUVブランド、GMCから、巨大SUVハマーの新しい完全EVバージョンが公開された。予測どおりのモンスタースペックで、350マイル(約560km)の航続距離と3秒で時速60マイル(時速約97km)に到達すると宣伝されている。正直なところ馬鹿げたような性能だが、これはハマーがこれまでもいつもやってきたことだ。

ティーザーと一緒に、GMCは1000馬力を発揮するハマーのプレス画像を多数公開している。好みが分かれるかもしれないが、これは間違いなくハマーのように見える。

  1. Hummer EV - Open Air

  2. The 2022 GMC HUMMER EV is a first-of-its kind supertruck develop

  3. The 2022 GMC HUMMER EV is designed to be an off-road beast, with

  4. The 2022 GMC HUMMER EV is designed to be an off-road beast, with

  5. The 2022 GMC HUMMER EV is a first-of-its kind supertruck develop

  6. The GMC HUMMER EV’s design visually communicates extreme capab

  7. The GMC HUMMER EV’s design visually communicates extreme capab

  8. The GMC HUMMER EV’s design visually communicates extreme capab

  9. The GMC HUMMER EV’s design visually communicates extreme capab

  10. The GMC HUMMER EV’s design visually communicates extreme capab

  11. The GMC HUMMER EV’s design visually communicates extreme capab

  12. The GMC HUMMER EV is driven by next-generation EV propulsion tec

  13. The GMC HUMMER EV is driven by next-generation EV propulsion tec

  14. From bold and futuristic design cues, to cleverly executed detai

  15. From bold and futuristic design cues, to cleverly executed detai

  16. The 2022 GMC HUMMER EV’s design visually communicates extreme

  17. The 2022 GMC HUMMER EV’s design visually communicates extreme

  18. The 2022 GMC HUMMER EV’s design visually communicates extreme

  19. From bold and futuristic design cues, to cleverly executed detai

  20. From bold and futuristic design cues, to cleverly executed detai

  21. The 2022 GMC HUMMER EV is designed to be an off-road beast, with

 

カテゴリー:モビリティ
タグ:GMGMCハマー

画像クレジット:GMC

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(翻訳:塚本直樹)

Googleが司法省の反トラスト訴訟には「重大な欠陥」があるとGIFアニメ満載のブログで反論

Google(グーグル)は、米国時間10月20日の司法省による反トラスト法違反の提訴を明らかに予測していた。同社は、訴訟に対する長文の反論を公式ブログのThe Keywordに書いている。グーグルのグローバル問題担当副社長兼最高法務責任者であるKen Walker(ケン・ウォーカー)氏は、司法省の主張には「重大な欠陥」があり「なんら消費者の助けにならない」と語った後、なぜ同社の市場における立場が反トラストに相当する不公正な市場の独占にあたらないかをプラットフォーム毎に説明した。

グーグルのブログ記事には、GIFアニメも散りばめられている。これは検索の巨人が消費者向けプロダクトを発表する時によく行われることだ。GIFの中には、モバイルとデスクトップ両方のChromeで、グーグル以外の検索エンジンをデフォルトに設定している場面のスクリーンレコーディングもある。こうした手順は「実に簡単」だとウォーカー氏は述べているが、作業を完了するまでにかかる手順の数を見るとオウンゴールのようでもある。特にデスクトップのChromeでは「Make Default」(デフォルトに設定)コマンドを選ぶためにクリックする場所を見つけるまでに、一瞬ためらいがあったように見える。

画像クレジット:Google

さらにグーグルは、自社の検索エンジンを各社がデフォルトに選んでいるのは、自分たちのサービスの質が理由であるとして、Apple(アップル)とMozilla(モジラ)を例に挙げている。そしてグーグルは、自社の検索エンジンが独占しているのは、反競争的行為によって有効な選択肢をなくしたからではなく、消費者が数ある選択肢の中から選ぶ質の高い製品を作った結果であると主張している。

10月20日午前、司法省の訴状が公開された。初期の分析では、選挙が近いこの時期の提訴は、実質的な影響を与えるには時機を失していると見ている。しかし、今後超党派による広範囲な調査が行われ、両陣営から州レベルの検事総長が加わるという見方もあるため、選挙結果がどうであれ消えてなくなる話ではなさそうだ。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Google米司法省

画像クレジット:Alex Tai/SOPA Images/LightRocket / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

インテルが人工衛星にローカルAI処理機能を提供、雲を自動的に除去し最大30%の帯域幅を節約

Intel(インテル)は米国時間10月21日、9月2日に太陽同期軌道に打ち上げられた小型衛星PhiSat-1への貢献について詳細を発表した。PhiSat-1には新しい種類のハイパースペクトル熱カメラとMovidius Myriad 2 Vision Processing Unit(VPU)が搭載されている。このVPUは地上にある民生機器の多くに搭載されているが、今回初めて宇宙へと打ち上げられ、大量のローカルデータを扱うことで研究者は貴重な時間と衛星ダウンリンク帯域幅を節約できるようになる。

具体的にはPhiSat-1に搭載されたAIが、科学者たちが実際に見たい地球の画像を隠す雲を自動的に識別する。画像を送信する前にこれらの雲を取り除くことで、衛星は最大30%の帯域幅節約を実現し、地上局と通信できる位置にあるときにより有用なデータを送信できる。

Intel Myriad 2上で動作するPhiSat-1のAIソフトウェアは、ハイパースペクトルカメラを手がけるハードウェアメーカーと協力している新興企業のUboticaによって開発された。過剰な放射線曝露を補正するためにも調整が必要だったが、CERNでのテストではミッションに必要な基準を満たすためのハードウェアの変更は必要はないことがわかった。

エッジコンピューティングが軌道上の人工衛星に適用されるという意味では新しいが、ローカルAIが非常に理に適う利用方法であることは間違いない。企業がセンサーの近くでデータ処理や分析を処理しようとする理由は宇宙でも同じだが、ネットワークへのアクセスのしにくさや接続の質などは異なっている。

PhiSat-1はArianspace(アリアンスペース)の最初のライドシェア実証ミッションの一環として2020年9月に打ち上げられたが、これは小規模なスタートアップ企業に、より低コストかつ小さなペイロードのための打ち上げサービスを提供する能力をアピールすることを目的としている。

関連記事:欧州の打ち上げ会社Arianespaceが衛星ライドシェアに成功、民間企業を含む計53基を宇宙空間に運ぶ

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Intelエッジコンピューティング

画像クレジット:Intel

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(翻訳:塚本直樹)

あらゆるスマホに対応する新しくて完璧な端末固定ソリューション「Mobile by Peak Design」

Kickstarter(キックスターター)のキャンペーンで、続けて成功を収めてきたPeak Design(ピーク・デザイン)が、またまたMobile by Peak Design(モバイル・バイ・ピーク・デザイン)という新製品をひっさげ戻ってきた。カメラ用マウントやパッキングギアの豊かなエコシステムを作り上げてきたこのスタートアップは、まるでApple(アップル)の磁石を使った新しいiPhone用アクセサリー体系MagSafe(マグセーフ)の登場を待っていたかのようなスマートな相互接続システムを打ち出した。しかし、Peak Designの製品はあらゆるスマートフォンとモバイル機器に対応する。

Peak DesignのCapture(キャプチャー)、Anchor(アンカー)およびマウンティングプレートシステムと同様にMobile by Peak Designは、スマートフォンをあらゆる種類のアクセサリーへの接続方法を提供する。このシステムは、SlimLink(スリムリンク)とPeak Designが呼ぶコネクターを中心に構築されている。磁石と物理的なマウントをうまく組み合わせたもので、スマートフォンを特定の用途にも汎用の粘着式アクセサリーにも対応できる。さらにSlimLinkはソフトロックとハードロック、つまり磁石のみ(ソフト)と磁石と物理的な固定具の併用(ハード)のどちらのアクセサリーでも使えるため、一連のマウントに応じた、さまざまなレベルの安定性が得られる。

Peak DesignはKickstarterでクラウドファンディングキャンペーンを行っているが、製品はすでにデザインができており、高いレベルの品質で製造されている。各メディアには、SlimLink汎用スマホマウント、自転車のハンドル用マウント、三脚、磁石式と粘着式の汎用マウント用パッド、自動車のダッシュボード用マウントといった一連のMobileラインアップのサンプルが送られている。

画像クレジット:Peak Design

私はこれらを2週間ほど使っているが、驚くほど用途が広く便利であることがわかった。Peak DesignはiPhone 11 Pro用のケースも提供してくれたが、私はiPhone 11 Pro Maxを使っているので、両面テープで固定する汎用プレートを、付属のサイズと位置の調整ガイドに従ってiPhoneに直接貼り付けた。大変にしっかりと保持してくれる上に、厚みはほどんど気にならない(iPhone 11 Proをテーブルに置いたときに、カメラ部分の出っ張りがぶつからない程度に、わずかな隙間が開くようになっている)。

iPhoneとソフトロックとの磁石によるホールドには十分な強度があり、緩んでしまうのではないかという不安は一切感じない。私はよく汎用の磁石マウントで冷蔵庫にスマホをくっ付けているが、スマホがズレることはない。物理的な固定具が追加されている自転車用のマウントは、自転車を乗り回してもしっかりとスマホを保持してくれる。アームも、スマホをベストな位置に保てるようになっているので(縦横どちら向きにもできる)自転車用のナビとして使える。

画像クレジット:Peak Design

実際、Peak Designのシステムデザインは、他社製品よりも大きく秀でているのだが、それが本当によく現れているのが三脚だ。とてもうまく考えられた非常に小型の三脚で、全体の面積はクレジットカードよりも小さく、やや厚みがある程度だ。ポケットに入れてどこへでも持ち運べる上に、タイムラプス写真の撮影にもとても安定したプラットフォームとなる。付属の六角レンチを使えば、どの角度でもしっかりと固定できる。

自動車用のマウントは、粘着テープでダッシュボードに貼り付けるようになっている。スマホ本体に取り付けたマウントにもケースにも、SlimLinkスロットにはめ込む突起があり、物理的に爪で固定しなくてもスマホを保持できる仕組みになっている。試したところ、保持力は大変に高くし、特に程よい固さのボールジョイントは、いちいちネジを締めるなどの必要がなく、自由な角度にスマホを調整できる。この汎用マウントには、いまのところ1つだけ不満がある。Nomad(ノマド)のワイヤレス充電器Base Station Pro(ベース・ステーション・プロ)との互換性がないことだ。これについてPeak Designは、現在、ワイヤレス充電アクセサリーのテスト中であり、将来、互換性に関するアドバイスを行うと話している。しかしPeakのスマホケースEveryday(エブリデイ)は、すでに数多くのQi(チー)充電器に対応している。

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    画像クレジット:Peak Design
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    画像クレジット:Peak Design
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Peak Designは、デザインは変更される場合があるという。当然のことながら、世界中の誰もがそう感じたように、MagSafeの登場は同社にとっても驚きだった。Peak Designは、今もiPhone 12シリーズ用ケースの開発を計画しているが、同社のすべてのソフトロック型アクセサリーは、アップルのMagSafe対応iPhoneとケースの両方を固定できると話している。レザーウォレットなどのアップル純正のMagSafeアクセサリーも、Peak Designのマウントまたはケースを装着したMagSafe対応iPhoneに、普通に取り付けることができる。

競合製品が市場に投入されるより早く、それを時代遅れにしてしまうものをアップルが発表したとき、Peak Designも同じ憂き目に遭っていたかもしれないのだが、Mobileシステムデザインによって協調的な立場を実現できた。つまり、それがなければMagSafeが提供するものだけが利用できる環境になっていたところへ、スマホとアクセサリーの両方に、ほぼ同等の恩恵をもたらすことができるわけだ。

Kickstarterキャンペーンは米国時間10月19日から始まった。Peak Designでは、Mobileシステムのケースとアクセサリーを2021年の春から出荷できると考えている。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Peak DesignスマートフォンAppleiPhoneMagSafeKickstarter

画像クレジット:Peak Design

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(翻訳:金井哲夫)

スペースXがStarlink衛星60機の打ち上げに成功、合計800機以上が軌道上に

SpaceX(スペースX)は米国時間10月18日、衛星インターネット計画「Starlink」を新たに60基打ち上げた。これによりStarlinkの衛星は835基打ち上げられたことになるが、すべてが稼働しているわけではない(いくつかは意図的に廃止されたテスト衛星だった)。フロリダのケネディ宇宙センターからの打ち上げでは、第1段ブースターの着陸と回収が成功し、ペイロードを保護する2つのフェアリングの回収は「半ば成功」した。

「半ば成功」と表現したのは、大西洋上の2隻のスペースXの回収用船舶がパラシュートで落下するフェアリングの半分を実際にキャッチしたものの、途中で回収用ネットの1つが破損したからだ。スペースXによると回収船のクルーは無事だったが、理想的な結果でないことは明らかだ。それでも2つのフェアリングの片方をキャッチできたことは、Falcon 9ロケットの再利用性という意味で同社の努力の勝利であることは間違いない。

これはスペースXが非常に速いペースで打ち上げを行う能力を維持していることを示す印象的な成果であり、2020年は主に自社のStarllink衛星を軌道に乗せることに重点を置いている。同社は6月以来、すでに300機近くの新しいStarlink衛星を打ち上げており、米国時間10月21日に予定されている暫定的な打ち上げがあり、来月中に少なくとも2回の打ち上げを予定している。

StarlinkはすでにスペースXの従業員や技術者による社内でのテストを行っており、2020年末までに一般向けのパブリックベータ版を開始する準備を進めているという。

関連記事:SpaceXが米国ミサイル追跡衛星ネットワーク開発支援の契約を獲得

カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceXStarlinkFalcon 9

画像クレジット:SpaceX

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(翻訳:塚本直樹)

ShureのAonic 50ワイヤレスノイキャンヘッドフォンはクラス最高のオーディオ品質を提供

ノイズキャンセリング機能を備えるオーバーヘッドフォンカテゴリーの競争は次第に激しくなっていて、消費者にとってこれほど選択に迷う幸せな時代はなかった。今年、Shure(シュアー)は、アクティブノイズキャンセリング、Bluetooth接続 、そしてUSB-C充電を提供すつ実売価格4万6000円前後のプレミアム価格のヘッドフォンAonic(エイオニック)50を市場に投入した。最高品質のサウンドを提供するというShureの評判は当然ながらそのままで、Aonic 50をさらにお勧めできる点がたくさんある。

イヤーパッドは回転して収納可、専用スマホアプリで各種制御が可能

同社はAonic 50を黒または茶色の仕上げで提供していて、右のイヤーカップで音量、ノイズキャンセルのオンとオフ、電源、音声アシストのアクティブ化、トラックのスキップを物理的に制御できる。左のイヤーカップには、充電用のUSB-Cポートと、付属のケーブルを使用して有線接続するための2.5mmステレオコネクタがあり、内蔵バッテリーを使い切ったときやヘッドフォンの電源が切れているときでも使用することができる。当然アクティブノイズキャンセリングは無効になる。

Aonic 50には、丸みをおびて平らなキャリングケースも付属している。イヤーカップは回転してジッパー式収納コンパートメントに収まる。これは、この種のアクティブノイズキャンセリング(ANC)ヘッドフォンで一般的な折り畳みデザインよりも大きな面積を占有するが、かさばりは少ないため、良し悪しはユーザーによるカバンへの詰め込み方によることになる。

Shureは、iOSおよびAndroid向けぬShurePlus Play(シュアプラス・プレイ)という名のモバイルアプリを提供している。このアプリは、イコライザ(EQ)コントロールのほか、アクティブノイズキャンセリングと、外部の音を取り込む環境モードの両方のより詳細な調整手段を提供する。これにより多くのカスタマイズが可能になるが、大きな注意点が1つある。EQ設定はアプリ自体を介して音楽を再生する場合にのみ適用されるのだ、これは普通見られることのない残念な選択だ。

長時間着用も非常に快適、在宅勤務にぴったり

ShureのAonic 50は、同社が確かな実績を持つ、音質と快適性、装着性に優れた製品だ。ヘッドバンドとイヤーカップの両方にたっぷり使われている合成皮革で包まれたパッドは、たとえ長時間でも非常に快適に着用でき、在宅勤務にぴったりだ。私は家の中を歩き回っているときに、しばしば装着していることを忘れていた程だった、これでどれくらい違和感なく装着できるかが想像できるだろう。

サウンドに関して言えば、Shureはどのようなトラックであっても、元の音源プロデューサーが意図したものを正確に再現する比較的ニュートラルでフラットな音を目指しており、その結果は素晴らしいものだ。音楽のディテールは明瞭で、低音は重すぎず、高音も強調されすぎていない。これはオーディオファンなら喜ぶサウンドプロファイルだが、重低音のサウンドステージを求めている人には最適ではないかもしれない。とはいえ、低音を強調したヘッドフォンはこのカテゴリーでは簡単に見つけることができる。その意味でShureの製品は、明瞭な高音とともに、ANCの分野では他の製品とは一線を画している。よりはっきり言うなら、低音の強調は結構だが、全体的に市場は、Aonic 50が提供するような真の音源再生ではなく、ズブズブで泥だらけの人工的に強化された低音に向かっている。

Aonic 50のボタンコントロールは適切に配置されていて、ヘッドフォンから直接制御できるようにしたいものをカバーしている。USB-C充電の採用は、多くのコンピューターだけでなく、生活の中のほとんどのモバイルデバイスの標準に沿うという意味で、高く評価できる。付属のステレオケーブルは、バッテリーがなくなったときには便利だが、Shureが宣伝しているように、20時間ほどのバッテリー寿命の見積もりは正確であるため、ときどき充電することを忘れない限り、このケーブルに頼る場面にはなかなか出会うことはないだろう。

Shureの性能が、少々もの足りないところが1つあるとすれば、それはノイズキャンセリングだ。ANCは、不要な環境音を遮断するという適切な役割を果たすものの、Bose(ボーズ)やソニーのトップエンドANCヘッドフォンの水準に、完全に肩を並べているとは言えない。それでもほとんどの時間はその仕事をちゃんとこなしてくれるし、トレードオフで得られるのはより良いサウンドなのだ。

高音質でリモートワーク向けの遮音ソリューションにお勧め

冒頭で述べたように、ANCヘッドホンを探しているユーザーは最近、選択に迷う幸せを味わっている。しかし、Shure Aonic 50は、耳の肥えたオーディオプロがボーズやソニーなどを含む代替品製品からは見つけることができないものを提供してくれる。それは、他の追随を許さない優れたサウンドステージと音質だ。着用性も最高であり、ホームオフィス向けのワイヤーフリーの遮音ソリューションを求めるオーディオファンにとって、この製品を優れた製品だろう。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Shure、Aonic 50

画像クレジット:Shure

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(翻訳:sako)

Marshallの最新Major IVヘッドフォンは80時間駆動や無線充電などの機能搭載、有線接続も可能

Marshall(マーシャル)の新しいMajor IVは、軽量の快適さとワイヤレス充電、そして最大80時間の再生時間を兼ね備えつつ、149.99ドル(1万5800円)という手ごろな価格なヘッドフォンだ。自宅でも外出先でも、ヘッドフォン市場ではほかに類を見ないユニークな機能を備えた素晴らしい製品かもしれない。

Majorシリーズの第4弾

これはMarshallのMajorシリーズのオーバーイヤー(オンイヤー)型ワイヤレスヘッドフォンの第4弾で、いくつかの新機能が加わっている。具体的には、旅行などで梱包する際によりコンパクトになるように折り畳み式の新フォールドクリップデザインを採用したほか、Qi規格を使ったワイヤレス充電を搭載する。

同社はまた、バッテリー寿命を大幅に改善しており、前世代の公称30時間以上から倍増以上の80時間をうたっている。象徴的なMarshallの外観を持つ四角形のイヤーカップを備えており、従来のペブルフェイクレザーはヘッドバンドに残るのみで、それ以外はフラットな印象だ。曲の再生・停止・曲送り・音量調節などの操作が可能マルチディレクショナル・コントロールノブも過去のMajorのデザインから引き継がれている。有線サウンド用の3.5mmソケットもあり、オーディオ出力をほかのヘッドフォンなどと共有できる。

箱の中には、ビンテージMarshallアンプ風のコイル状の3.5mmケーブルと有線充電用のUSB-Cケーブルが入っており、3時間のフル充電で80時間以上の使用が可能なほか、15分で15時間程度使用できる急速充電機能も備わっている。

クラシックなデザインを踏襲、無線充電中のスタイルもいい

Major IVのデザインは、クラシックなMarshallの美学に基づいている。両方のイヤーカップにMarshallのロゴがある。前述のように、イヤーカップの表面は滑らかでマットになっており見た目もよく、それぞれにシリコンの縁が付いているので、ワイヤレス充電器の上に置いてもイヤーカップの位置を保つことができる。

コンパクトなオーバーイヤー型ヘッドフォンで、軽量な素材を採用したことによって快適な着け心地を実現している。非常に軽く考え抜かれた高品質の素材で作られているように感じられ、耐久性の面でも長持ちするだろう。

Marshallのマルチディレクショナル・コントローラーは、ゴールドの外観で、前述のように音楽再生と音量を直感的に操作できるスマートなコントロール・インターフェースの両方を備えている。

サウンド面では、この価格帯では素晴らしい音質を提供する。低音は豊かで、高音はクリアだ。ノイズキャンセリング機能は備えておらず、周囲からから雑音は混じってしまうが、オーバーイヤー型なのではかなりの遮音効果がある。さらに、MarshallがMajor IVに搭載したクラス最高レベルのバッテリー持続時間によって音質がさらに向上している。実際のところ80時間以上というのは驚異的で、普段はあまり充電器のことを考えなくても少なくとも1~2週間使えるだろう。

普段使いできるお勧めのヘッドフォン

Marshallは新しいMajor IVで驚くべき価値を提供した。スタイル、パフォーマンス、品質を兼ね備えたヘッドフォンに、長時間のバッテリー寿命と汎用ワイヤレス充電機能を搭載したことはかなりの高評価だ。3.5mmステレオミニジャクでの有線オーディオ共有の魅了をさらに高めている。これなしではどこにも行きたくなくなるような、普段使いできるヘッドフォンだ。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Marshall、Major IV、ヘッドフォン、Work From Home Gear

画像クレジット:Marshall

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(翻訳:TechCrunch Japan)

5分以内に終わるオックスフォード大学の機械学習ベースの高精度新型コロナ検出技術

オックスフォード大学の物理学科の科学者たちが、SARS-CoV-2を高精度で検出できる新しいタイプの新型コロナウイルス試験法を開発した。患者から採取した検体から直接検査し、機械学習ベースのアプローチを用いて、試験供給の限界を回避に役立つ可能性がある。またこの検査は、抗体やウイルスの存在の兆候ではなく、実際のウイルス粒子を検出する場合にも利点がある。これらの兆候は必ずしも、活動的な感染性のある症状と相関しない。

オックスフォードの研究者たちが作り出した試験はまた、スピードの点でも大きな利点があり、検体の前処理を必要とせず5分以内に結果を出すことができる。これは、現在の新型コロナウイルスパンデミックに対処するためだけでなく、将来の世界的なウイルス感染の可能性に対処するためにも必要不可欠なものであり、大量検査を可能にする技術のひとつになり得ることを意味している。オックスフォード大学の手法は、多くのウイルスの脅威を検出するために比較的簡単に構成することができるため、実際にはそのためにも十分に設計されている。

これを可能にした技術は、採取したサンプルに含まれるウイルス粒子を、マーカーとなる短い蛍光色のDNA鎖で標識づけすることで実現している。顕微鏡でサンプルとラベル付けされたウイルスを画像化した後、チームが開発したアルゴリズム解析を用いて機械学習ソフトウェアが自動的にウイルスを識別し、物理的な表面構造、大きさ、個々の化学組成の違いにより、それぞれのウイルスが発する蛍光光の違いを利用してウイルスを識別する。

研究者らによると、この技術は検体収集装置、顕微鏡画像、蛍光体挿入ツール、コンピューターシステムを含めて、企業や音楽ホール、空港など、あらゆる場所で使用できるほど小型化できるという。現在の焦点は、すべてのコンポーネントを統合したデバイスの商業化を目的としたスピンアウト会社を設立することだ。

研究者は、起業し来年初めまでの製品開発をスタートを目指している。デバイスの実用認可と流通の整備にその後約半年かかるだろう。新しい診断デバイスの開発としてはタイトなスケジュールだが、パンデミックに直面してすでにスケジュールは変更されており、新型コロナウイルスは近い将来に消え去るとは考えづらいため今後続けられるだろう。

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:オックスフォード大学新型コロナウイルス機械学習

画像クレジット:オックスフォード大学

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

トロント市がLocal Motors製8人乗り自動運転シャトルを試験運行へ

トロント市はLocal Motors(ローカル・モータース)と契約し、2021年春からオール電化の自動運転シャトルフェリー「Olli 2.0」を乗客に開放し、試験的に自動運転シャトルバスの運行を開始する。試験は交通事業会社のPacific Western Transportationとの共同実施となり、トライアル期間中は、2名の常駐スタッフ、Pacific Western Transportationのオペレーター、トロント交通局(TTC)またはMetrolinx(メトロリンクス)のカスタマーサービス担当者が参加する。Metrolinxは、トロントは通勤輸送サービスの大半を担っている鉄道公社だ。

Olli 2.0の車両は、一度に8人まで乗車可能で、車椅子用のスロープや固定ポイントなどのアクセシビリティ機能も備える。また、乗客に情報や最新情報を提供するためのAVシステムも搭載する。さらに、安全上の懸念やその他の理由で必要が生じた場合には、車両に搭載されている安全オペレーターがいつでも手動制御を引き継ぐことができる。

今回策定されたパイロットルートは、West Rouge(ウェスト・ルージュ)とRouge Hill GO(ルージュ・ヒル・ゴー)駅間でサービスを提供する。Rouge Hill GO駅は、トロント市の西に位置するGreater Toronto Area(グレーター・トロント・エリア)のコミュニティである Scarborough(スカーボロー)の近隣地域だ。このサービスは、通勤者を同地域の主要な長距離輸送用ライトレール・ネットワークの1つに接続するように設計されている。市によると、新型コロナウィルスを考慮して、自律型シャトルがその時点でどのような清浄度や消毒基準で維持されているかを確認することも目標の1つだという。

このようなラストマイルのユースケースは、予測可能な繰り返しのルートを比較的低速で移動することを伴うこともあり、都市における自動運転輸送のターゲットとなっている。これにより、現在の大動脈ではカバーされていない部分に、市内のライトレールや地下鉄をつなぐインフラが追加され、Olliのシャトルを使ったサービスルートの展開が進む可能性がある。

カテゴリー:モビリティ
タグ:トロント、Local Motors

画像クレジット:Local Motors and City of Toronto

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(翻訳:TechCrunch Japan)

NVIDIAがイタリアの大学コンソーシアムが主導する欧州発の世界最速AIスパコン「Leonardo」にGPUを供給へ

NVIDIA(エヌビディア)は世界のスーパーコンピューティングを牽引するイタリアの大学コンソーシアム「CINECA」が開発中の世界最速AIコンピューターシステム「Leonardo」(レオナルド) に機材を供給する。LeonardoシステムはFP16(半精度浮動小数点演算)10 exaflops(エクサフロップス)のAI性能をもち、完成時にはNVIDIA AmpereベースのGPUを最大1万4000個搭載する見込みだ。

Leonardoは欧州横断で高性能コンピューターを開発する団体が支援している4つのスーパーコンピューターの1つで、科学、産業両分野のアプリケーションを処理するための最新AI機能を提供することを目的としている。エヌビディアは同社のMellanox HDR InfiBandネットワークもプロジェクトに供給しており、低遅延ブロードバンド接続によってクラスターを横断して高性能を実現する。

クラスターにはほかに、ルクセンブルグのMeluXina、スロベニアのVegaなどのコンピューターのほか、チェコ共和国で近々完成するスーパークーリングユニットも加わる。この欧州横断コンソーシアムは、ブルガリア、フィンランド、ポルトガル、スペインの4カ国でもスーパーコンピューターを計画している。ただし、時期は未定で、性能や正確な場所も決まっていない。

CINECAを始めとするこれらのスーパーコンピューターの利用分野には、ゲノム解析による新たな治療経路の発見、複数の宇宙探査結果のデータ分析、地球外天体研究、および異常気象を含む気象パターンのモデル化などが計画されている。

関連記事:マイクロソフトはOpenAIと協力してAzure上に世界第5位となるスーパーコンピューターを構築

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:NVIDIA、スーパーコンピューター

画像クレジット:CINECA

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Shure SRH1540は自宅環境を高品質のサウンドと快適さで終日アップグレードしてくれるヘッドフォン

今週と来週は「Headphone Week」シリーズの一環として、TechCrunch上でさまざまなヘッドフォンをチェックする予定だ。今回私が取り上げたのはShure SRH 1540(国内実売価格4万7000円前後)である。これは新しいものではなく、 何年もの間その価格帯でオーディオファンの間では人気の品だった。それには大きな理由がある。素晴らしい音質と価値、そして驚くべき快適さと着用感を提供してくれるからだ。

基本情報

ShureのSRH1540は、ただ高品位オーディオが好きな人にも、音響エンジニアやポッドキャストプロデューサーのような日常的に音楽とともに働く必要にある人にも、高級サウンドを提供する密閉型ヘッドフォンである。それはノイズ漏れが少ないにもかかわらず(共有型の在宅勤務オフィスに最適だ)、開放型ヘッドフォンから得られるものに匹敵するサウンドステージ(臨場感)を作り出すことができる。

Shureはそのボックスに、1本ではなく2本のケーブルと、アルカンターラ素材で覆われたスペアのイヤーパッドを同梱している。ハードサイドのプラスチック製キャリングケースと、6.3mmオーディオジャックで使用するためのネジ付きアダプターが付属している。本体のケーブルは3.5mm。

デザインと機能

SRH1450のデザインは、すべてが快適さと品質に向けられている。ヘッドホンは非常に軽量だが、安価な素材でできていると思ってはいけない。フレームは航空機グレードのアルミニウムとカーボンファイバーを使用していて、長時間のリスニングセッションで頭に負担をかけることなく、最大の強度を提供している。

イヤーパッドに使用されているアルカンターラ素材も非常に耐久性があり、心地よいソフトタッチの感触を提供する。カップ内にも十分な空間があり、頭と耳のさまざまな形状に対応するために必要な柔軟性を提供しながら頭に軽く載る。

Shureはここに、デュアルコネクタコードデザインを使用しており、ヘッドフォン側の金メッキされた各端にしっかりとはめ込まれる。それらは正確に接続できるように色分けされており、ケーブル自体は長持ちするようにケブラーで包まれている。万が一に備えて、同じケーブルがバックアップとして付属する。

サウンドに関しては、これらは筋金入りのオーディオファンさえも満足させることができる優れたヘッドフォンだ。特に、私が主にテストに利用したFocusrite Scarlett2i2のようなDACやUSBオーディオインターフェースと組み合わせると良さを発揮できる。それらは、サウンドステージを損なうことなく、驚くべきレベルの明瞭さとディテール、そして素晴らしい低音を提供してくれる。私は長い間、オーディオ編集や終日着用するための標準的な有線オプションとして開放型ヘッドフォンを使用してきたが、SRH1450が私を変えてくれた。

まとめ

これらは、優れた音質を耐久性と終日の快適さとともに提供してくれるヘッドフォンを手に入れるために、多少お金を費やそうとしている人にとっては素晴らしい選択肢だ。そして、プレミアムオーディオ機器の世界の中ではそれほど高いものではない。覚えておくべき1つの注意点は、開放型ヘッドフォンよりは優れているとはいえ、実際には遮音性がないということだ。

関連記事:リモートワークは「自宅監禁」から柔軟性のある「どこでも勤務」に変わっていくべき

Work From Home Gear

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Shure、SRH1540

画像クレジット:Shure

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(翻訳:sako)

グーグルがハミング、口笛、歌による楽曲のマッチングサービスを開始

Google(グーグル)は、鼻歌や口笛、歌などを判別する新機能を追加した。これは、同社やApple(アップル)が買収したShazamのような競合他社が以前提供していた、曲をマッチングするオーディオ機能の洗練されたバージョンといえる。米国時間10月15日から、ユーザーは最新バージョンのモバイルGoogleアプリかGoogle検索ウィジェットを開き、マイクロフォンアイコンをタップして、口頭で曲を検索するか、「Search a song」(曲を検索)ボタンを押して音を出すことができる。

この機能はiOS上でGoogleアプリを英語で使っている人なら誰でも、Android上ではすでに20言語以上で利用できるはずだ。同社によると今後、両プラットフォームでより多くの言語に拡大していく予定だという。驚くことではないが、同社が開発した機械学習アルゴリズムが裏で動いている。

同社によると、このテクノロジーを使えばブロードウェイのスターや合唱団のメンバーになる必要はないという。さまざまなレベルの音楽的感性に適応する能力を内蔵しており、可能な数のマッチとともにパーセンテージとしての信頼スコアを提供する。Googleによると、このテクノロジーを使えばブロードウェイのスターや合唱団のメンバーになる必要もない。いずれかの曲をクリックすると、アーティストとトラックの詳細情報、ミュージックビデオ、選択した音楽アプリで曲全体を聴くためのリンクが表示される。

この機能を発表したブログ記事によると、基本的にユーザーの声の質やそれに付随する楽器、トーンなどの詳細を無視しているという。このアルゴリズムは、曲の本質を煮詰めて、その本質を表す数値パターン、つまり同社「指紋」と呼ぶものを作り出す。

これは、同社の既存の音楽認識技術が進化させたもので、Google Pixelスマートフォンの受動的なNow Playing機能にも見られる。同機能はバックグラウンドで受動的に音楽を聴き、すべてローカルに蓄積されるオフラインのデータベースで音楽を見つけたときに一致するものを提供する。同じ技術がSoundSearchでも使われているが、これはグーグルが後にアプリで導入したものだ。

グーグルはこれを実現する最初の企業ではない。SoundHoundのMidomiは、歌やハミングを介して音楽のマッチングを提供している。しかし、グーグルのほうがはるかに広く利用されているので、ヒット率と全体的な利用率を改善できるかどうかは興味深い。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Google

画像クレジット:Google

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Virgin Orbitが12月に2回目の軌道実証打ち上げを計画中

小型衛星打ち上げサービスを提供予定のVirgin Orbit(ヴァージン・オービット)は、3月に行われた軌道上での重要な実証実験の打ち上げを、今年12月にやり直すことを目指している。同社は、従来の民間ジェット機を改造した中空ロケットを使って、小型衛星を低コストで打ち上げるサービスを提供することを目指している。

今回の打ち上げは、うまくいけば同社にとって初の試みとなるだろう。CNBCが同社の最高経営責任者(CEO)であるDan Hart(ダン・ハート)氏に話を聞いたところ、12月の目標は、テストミッションで飛ばすための新しいLauncherOne(ランチャーワン)ロケットの製造が進行中であることに基づいているスケジュールとのことだ。

LauncherOneは、Virgin Orbitトのキャリアクラフトにドッキングされており、その発射モデルはd747を改造したものだ。ジェット機で約4万5000フィート(約13.7km)まで上昇、その地点でロケットを切り離し、分離後にロケットは自らのエンジンに点火、残りの時間は自らの力で宇宙へと飛行という工程になる。ロケットがこの高度から地球の大気圏を離れるのは、地上打ち上げに比べてはるかに簡単だ。同社は現在利用可能な打ち上げ方法と比較して、コスト面で大きなメリットを提供できるようにしたいと考えている。

3月の打ち上げは、そのミッションに使用されたLauncherOneがエンジンを始動させた直後まで順調に進んだ。しかし、安全確保のためにエンジンが停止する障害が発生。ロケットはその後無事に地球に落下したが、完全に失われてしまった。

最初の軌道上での打ち上げの試みでこのようなミスは珍しいことではなく、実際にはほとんど普通のことだ。同社は、結果にかかわらず多くの素晴らしいデータを得たと説明しているので、うまくいけば次の試みが計画どおりに進むかもしれない。もしそうなれば、同社は来年の商用サービス開始に向けて軌道に乗ることになるだろう。

一方でCNBCの報道によると、同社は1億5000万ドル(約157億円)の新規資金調達も視野に入れているとのことで、今週のウォールストリート・ジャーナル紙の報道に反響している。

カテゴリー:宇宙
タグ:Virgin Orbit

画像クレジット:Mark Greenberg/Virgin Galactic / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Virgin GalacticがSpaceport Americaからの初の宇宙飛行を今秋後半に向けて準備中

Virgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)は、米国ニューメキシコ州にあるSpaceport America(スペースポート・アメリカ)の施設から宇宙へ飛ばす最初のミッションを準備をしている。この施設は、同社がすべての商業便を提供するために使用する場所であり、ここから宇宙に到達することは非常に重要なミッションになる。

今年の初めに、同社はニューメキシコからのSpaceShipTwoロケットの試験飛行に成功したが、宇宙への旅は含まれていなかった。今回の打ち上げは、同社のテストパイロット2人によって、乗客用ハッチのためのいくつかの実験とともに年が明ける前に実施される予定だ。これがうまくいけば、同社は来年には有料乗客への商業サービスの提供を開始するための軌道に乗せられるだろう。

乗船する民間宇宙飛行士には、新たに発表された個人が含まれる。Alan Stern(アラン・スターン)博士は、数々の役職を歴任し、最近ではサウスウエスト研究所の宇宙科学工学部門の副社長を務めている、著名な惑星科学者だ。同博士は、NASAが資金を提供している科学ミッションでVirgin Galacticの民間宇宙船に搭乗する最初の研究者として指名された。

なお今回の打ち上げは、SpaceShipTwoの商業飛行の最初とはならないようだ。スターン博士の旅は、将来的にはSpaceport Americaからの「まだ予定されていない」サブオービタル飛行(弾道軌道を描いて高度100km付近の飛行)で実現することになるだろう。その旅では、同博士がバイタルサインを常時監視する計器を身に着け、低照度カメラを使用してSpaceShipTwoのキャビン内の見晴らしのいい場所から宇宙を観察することがうまくいくか、という2つの需要なミッションが含まれている。

カテゴリー:宇宙
タグ:Virgin Galactic

画像クレジット:Mark Greenberg/Virgin Galactic / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)