世界初のBitcoinだけの銀行NextBankが、規制と偏見の少ないバヌアツで登記、将来はbitcoin投資銀行も目指す

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Dimitry Voloshinskiyと彼のチームは、従来型の銀行に恐ろしい災いをもたらすかもしれない。彼が創業したNextBankは、初めての、bitcoinによる、bitcoinのための、銀行だ。

これまで自己資金とエンジェルたちから計95万ドルを獲得した同社は、さらなる資金を求めている。

でも、そもそも、ビットコイン銀行って何だ? そう、まず何よりも、bitcoin人種が利用する銀行だ。

Voloshinskiyは説明する: “完全にオンラインだけの銀行だ。多くの場合、ネットを使ってリモートアカウントを開く。利用者はbitcoinのコミュニティだ。bitcoinを扱う企業やトレーダーやbitcoinに関して前向きな起業家も、大歓迎だ。NextBankは、世界で初めてのbitcoinフレンドリーな銀行だ”。

といってもその中身は、これまでの銀行とまったく違うらしい。

同行のもう一人の経営者Celine Nevesは、Vanuatu(バヌアツ)に登記した銀行のCEOだ。Voloshinskiyによると、Vanuatuは、南太平洋の海洋島嶼国で、国の金融行政が合理的であるなど、銀行経営にとって利点があり、また世界から肯定的に受け入れられている。ということは、伝統的銀行業が巨大に栄える国々のように、bitcoinに対する向かい風がきつくない、ということでもある。既存の先進諸国等では、暗号通貨をベースとするフィンテックスタートアップが育ちにくいのだ。

“Vanuatuは、ブラックリストに載ってるオフショアセンターではない。40ほどの司法圈を調べてみたが、その中ではVanuatuがいちばん、、未来の銀行にとって理想的だ”、と彼は語る。

同行は、リモートでアカウントを作りやすくし、国際的なデビットカードが使えるようにする。また、現在のそのほかの司法圈にあるような、bitcoinに対する規制の壁がないようにする。

“今の銀行は嫌いだよ。彼らはもうすぐ死ぬと思うね”、とVoloshinskiyは語る。彼は今後、bitcoinベースのフィンテックビジネスを育成し、bitcoinに対して前向きなファンを支援し、多くのbitcoin保有者たちを幸福にしたい、と考えている。2016年には最初のプロダクトを立ち上げるそうだから、期待しよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

3Dプリンタからプリント物を簡単に取り出せるための奇跡の製品Fleks3Dはわずかに25ドル

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3Dプリンタからプリントされた物を取り出すのはいつも厄介だ。こんなことをやりたい人は、地球上に一人もいないだろう。大金を出して、誰かを雇うべきか? 神は、われわれ地球人を見捨てたのか? われわれはこの、冷たい無感覚な宇宙に無力なまま放置されたのか? そうではない、と思いたいが、でもこの苦痛はひどい。

通常の3Dプリンタは平滑なプレートの上にオブジェクトを押し出し、それは化学物質やテープでおおわれている。その平滑な面からオブジェクトを取り外すためには、スクレーパーと馬鹿力を要す。しかしこれからは、この難局をFleks3Dが救ってくれる。

タネを明かせばそれは、上図のように撓(たわ)むプレートだ。プリントが終わったら、それをちょいと曲げれば、オブジェクトは外れる。バカバカしいほどに当たり前だ、と思えるのは、まさしくそうだからだ。Fleks3DのプレートはUltimaker用やMakerbot用があり、お値段は25ドル。発売は来年2月だ。

この前のKickstarterキャンペーンで成功したときは、数百枚を世の中に提供できたが、その後改良を重ね、対応プリンタの機種も増やした。3Dプリンタからオブジェクトを簡単に取り出すか、それとも、苦しみと悲しみで泣きながら仕事をするか。あなたなら、どっちを選ぶかな。

出典: 3DPrint

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Wi-Fiのセットアップが楽しいという、ありえないことをやってのける家庭内ルータLuma

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Wi-fiのセットアップなんて、とても簡単だ〔皮肉〕。まず、家の中にルータを置くスペースを見つける。無線技術の専門家チームに頼んでデッドスポットがないことを確認する(あったら場所を変える)。次にプロのITチームに来てもらってセキュリティやISPのQoSを管理する。終わったら裏庭のパティオで接続を試み、ピクニックテーブルでYouTubeを見れないことを発見する。〔以上はすべて皮肉〕

こういった問題を解決するためにDr. Paul JudgeとMike Van BruinisseはLumaを作った。この小さなWi-Fiホットスポットは“サラウンドサウンド”のような方法で機器を接続するから、家の中にデッドスポットが生じない。一台99ドル、3つで249ドル、今、予約を受け付けている。この前のGoogleの製品と同じく、特別仕様でお利口なWi-Fiルータは、今の時代にうってつけだ。

このデバイスには子を思う親のための機能もついていて、特定のデバイスをいつでもシャットダウンできる。ほかのLumaたちとプライベートなメッシュネットワークで接続できるから、家全体を巨大なホットスポットにしてしまえる。

Lumaは、Felicis Venturesがリードし、Base Ventures、BIP Capital、Relay Ventures、Hans Robertson(Merakiの協同ファウンダ)、Jed York(49ersのCEO)らが参加したラウンドで350万ドルを調達した。

“Wi-Fiのカバレッジという問題への答は、大企業がやっているようなメッシュネットワークだ”、とJudgeは語る。“Lumaでは親が子のインターネットアクセスをコントロールできるし、今何を見ているかが分かる。サイバーセキュリティもある。スピードと安全性とセキュリティ、この三つが揃ったWi-Fiルータは世界初だ”。

Judgeはこの小さな箱にたくさんの脳力を詰め込んだ。

“メッシュネットワーキングがあり、コンテンツ・フィルタがあり、モバイルデバイスの管理機能があり、かわいいルックスのわりには強力なサイバーセキュリティ機能がある。Bluetoothでアプリと通信できるから、家の中のベストの場所を見つけることもできる。メッシュネットワークはワイヤレスだから、家全体をカバーできる。トラフィックのパターンやネットワークの妨害要素を教えてくれるし、自動的な自己調整や再構成機能でパフォーマンスをつねに最適に保てる”。

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発売は来年だが、今の予約価格は50%引きだ。Best BuyのTCP/IP and Wireless Expert Lab(というものはないと思うが)まで足を運ばなくても、この製品が大きな家に住ん Wi-Fiのトラブルの多い人のBest Buyであることは、誰でも分かる。

 
 

関連記事(同じくメッシュネットワークによるWi-Fiルータ)。〕

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Webサーバを攻撃するLinux上のランサムウェアが出没、身代金は1ビットコイン

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新種のランサムウェアがLinuxマシンを攻撃している。とくに、サーバがサーブするWebページ関連のフォルダが被害者だ。そのLinux.Encoder.1と呼ばれるランサムウェアは、MySQL、Apache、およびhomeやrootのフォルダを暗号化する。そしてファイルを解読するために1bitcoinを要求する。

以下、Dr.Web Antivirusより:

管理者権限で侵入したこのLinux.Encoder.1と呼ばれるトロイの木馬は、犯人が求めるファイルと、RSAの公開鍵のパッチのあるファイルをダウンロードする。そのあと、その悪質なプログラムはデーモンを始動し、元のファイルを削除する。その後RSAキーを使ってAESキーを保存し、トロイの木馬はそれを利用して、感染したコンピュータの上のファイルを暗号化する。

最初にLinux.Encoder.1はhomeディレクトリと、Webサイトの管理に関連したディレクトリ内のすべてのファイルを暗号化する。それからトロイの木馬は、自分が侵入したディレクトリとその下のファイルシステムのすべてを再帰的にトラバースする。さらにその次は、rootディレクトリ(“/”)とその下を襲う。そのときトロイの木馬は、犯人が指示した文字列のどれかで始まる名前のディレクトリのみを訪ね、指定した拡張子のあるファイルだけを暗号化する。

 

被害者がランサム(ransom, 身代金)を払うとシステムは信号を受け取り、再びディレクトリをトラバースしてファイルの暗号を解く。このマルウェアは自分が動くために管理者権限を必要とし、またおそらく、そのようなプログラムにうかつに実行許可を与えるようなシスアドミンを必要とする。Dr.Webのチームは、すべてのデータをバックアップすることと、攻撃された場合には、研究者たちが脱暗号化システムを作るまで被害の現状を保全することを、勧めている。

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巧妙なハック作品Synesthesia Maskは色を匂いとして感じさせてくれる

シネシージア(synesthesia, 共感覚)は超能力として畏れられているが、その多くは、色を数として感じるなど、退屈なものが多い。でもこのDIY的ハッカー的作品では、色を匂いとして感じるから、虹を見ると果物の匂いがするかもしれない。

このシステムは、いろんな物の表面の色を読み、それに対応する香りを出力する。香りはファンでユーザの顔に到達し、さまざまな色を匂いとして感じる。以下、説明書より:

Synesthesia Maskは匂いのピクセルだ。赤、緑、青(光の三原色)のピクセルが混じりあっていろんな色になるように、このマスクはあなたが触っている物の色の赤、緑、青の量にマッチする匂いを発散する。実際には、香気マニホールドの先端にあるファンが、赤、緑、青に相当する匂いが入っている試験管から空気を送り出す。それぞれの試験管についているサーボが管の傾斜角度を調節することによって、管中の香油からの香りの排出量が加減される。そのようにして、あなたが手にしているセンサが読み取った色に含まれている、赤、緑、青の量に応じた匂いが、マスクに吹き出し、あなたの鼻に届く。

 

このシステムはIntelのEdisonボードと小さなサーボを使って、香りをユーザの顔に噴射する。色は、ユーザが手に持っているセンサが判読し、内蔵されているカメラが色の各ピクセルを匂いに換える。たとえば、赤をバラの香り、青をスミレの香りにして地下鉄の地図をスワイプしたら、花の香りの大爆発が起きるだろう。

この楽しくて簡単なプロジェクトで、あなたはミュータントになる。そして、地球という星に住む人間という愚かな生き物を、やっつけるのだ。楽しい休日プロジェクトだね。

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3DPhotoWorksは、偉大な芸術を視覚障害者に届ける

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芸術は人類全員の所有物であり、誰もが啓発される機会をもつ。だから私たちは、ここに3DPhotoWorks、「世界の一級芸術作品」を目の見えない人に届けるプロジェクトを紹介する。John Olson率いるチームは、有名な絵画をデジタル彫刻に変換し、全盲の人が触れて体験できるようにしたいと思っている。

Olsonは21歳で雑誌Lifeの写真家になり、1968年には世界的に知られるテト攻勢の写真を撮影った。学習や生活における視覚の重要性を理解した彼は、「目が見えないとはどういうことかを知りたいと考えた」。

「私は数々の盲人コミュニティーを訪れ、視覚物に対する驚くべき渇望を知りました。故ポール・バキリタ博士の神経可塑性の研究を参考にして、私は絵画をデジタル彫刻画像に変換し、触覚フィードバックを与える方法を開発しました。目の見えない人たちが繰り返し私に、『見える』と言っていたしくみです」と彼は言った。

出来上がった彫像は驚くほど精細な美術館品質で、長年にわたり触れて楽しむことができる。Olsonは、こうした絵画を世界に広めるために、50万ドルという大きな目標で資金を募っている。

これは決して安いものではなく、実質的にOlsonは、作品のスポンサーを探している。まだ3Dプリンティング技術を利用できないため、各作品は特殊な方法で削り出して作らなくてはならない。5000ドル、7500ドル、または1万ドルを寄付すれば、会社はあなたのお気に入りの絵を好きな美術館に送ってくれる。3000ドル出せば、自分の持っている写真から触覚アートを作ることもできる。美術館の絵画全部に触ることは恐らくできないだろうが、3Dのモナリザや3Dのデラウェア川を渡るワシントンは、見えない人にも見える人にとっても、格好の題材だ。

「盲人にとって、自分自身で芸術作品を見られることは、独立、平等、自由の証しです」とOlsonは言う。「3D触覚画像によって、彼らは自身の意見を確立し、自身で決定を下し、自身の結論を導くことができます。もう、作者の言葉に頼ったり、ガイドの見解を受け入れたり、教育者の公式を当たり前だと思ったりする必要はなくなります」。

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研究者が3Dプリント(プラスチック)植毛システムを開発

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カーネギーメロン大学の研究者らは、3Dプリントされた物体にリアルなプラスチック製毛髪を付加するシステムを開発した。これは頭髪の不自由な人々を助けるものではないが、3Dプリントされたキャラクターに可愛いらしい髪形を付加できるほか、生物の成長過程を模倣することもできる。

システムは標準的な3Dプリンターを使用し、特別なプログラムで微量のプラスチックを射出してホットグルーのように引っぱり上げる。毛髪は表面にランダムあるいは整列して植えることができ、ブラシやカットも可能。

研究者らは、高熱のPLA押出機だけを使って、排出されたプラスチックを引き上げるのは難しいことに気付いた。その代わりに、プレート全体を横向きに移動して、プラスチックを表面から引き離す方法をとった。「プリントヘッドをすばやく上に動かすことはできないが、ヘッドも制作中の作品を支えるプリント台も、横向きにはすばやく動かすこができる」と研究者らは言う。「溶けた材料を付着させた後、プリントヘッドと台を横向きに動かすことによって、望み通りの毛髪のような糸を作りだすことができた」。

「材料をほんの少し押し出して引っぱるだけ」とカーネギーメロン大学人間/コンピューターインタラクション研究所のPh.D生、Gierad Lapuは言った。「実は非常に単純なアイデアなんです」。

プロジェクトの詳細はここで読めるが、近々この技術を私の3Dプリンティング技巧に加えて、最終的には毛むくじゃらの実物大バート・レイノレズを青いプラスチックで3Dプリントするので楽しみにしていてほしい。

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SECの新ルールで、株式クラウドファンディングがさらに近づいた

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平均的消費者、即ち非「高純資算者」が小規模な調達ラウンドで投資できるようにするアイデアは、6月以来検討されてきたが、先週発表された新たなルールによって、米国はいよいよ真の株式クラウドファンディングに近づいた。リリース全文はここで読めるが、要するに、新たな形態の投資へのドアは開かれた。

会社は、12ヵ月の期間中に最大100万ドル ― 近代の投資標準から見て大きい額ではない ― を調達できるが、資金は純資産10万ドル以下の個人からもやってくる。その個人は「2000ドルまたは年収の5%」を12ヵ月の間に投資することができ、それ以上金を持っている人は年収の10%を投資できる。「クラウドファンディングを通じて10万ドル以上の証券」を買うことはできない。

新たなルールでは、いわゆる監査要求が削除された。これはスタートアップに支払い能力があることを確認するために設けられていたもので、要求によってさらに約4万ドルの費用が加わり、最も安定したスタートアップ以外に投資家が接触する機会を明らかに阻害していた。

株式クラウドファンディングは、端的に言って、世界で最も新しく最も興味深い資金調達システムだ。すでに海外ではかなりよく知られているが、これまでSECはその拡大に対して非常に用心深かったので、今回の改訂は米国における真の株式クラウドファンディングシステムへの最大の一歩だ。では平均的スタートアップにとって、それはどんな意味を持つのか?まず、多くのスタートアップが現金を得る際に直面する、ネットワーク作りの障壁を取り除くことによって、ベンチャーキャピタルの重要性を減少させられる。しかし、金額を100万ドルで頭打ちにすることによって、SECは実質的に一つの信号システムを作っている ― 最大の調達者は伝統的VCファンドの興味を多く引けるが、小さな調達者は選択肢不足に悩まされる。

新ルールはJOBS法(「スタートアップやスモールビジネスが広い範囲の潜在投資家から資金を調達し、投資家に新たな投資機会を与える」ために作られた法律だ)の一環であり、同法の最初の成果の一つだ。

最終的に株式クラウドファンディングは、おそらく早期段階スタートアップが資金調達する主要な方法になるだろう。ほぼあらゆる人々 ― 友達から、衆愚、家族、オンラインファンに致るまで ― を巻き込むことで、人気のスタートアップは堅実なシード資金の調達が可能になり、それを元手にさらなる成功を目指せる。この裁定は90日以内に発効する ― IndiegogoのCEO Slava Rubinのような人々が、「株式クラウドファンディングがわれわれのビジネスモデルでどんな役割を演じるかを探究する」には十分な期間だ。

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この立方体ロボットは、バネ仕掛けの「舌」を使って坂を登る

自分が弱々しい立方体になったところを想像してほしい。そして坂を登らなくてはならなくなったら。どうするか? もちろん、舌を使う。

MITのCSAIL(コンピュータ科学・人工知能研究所)の研究者たちは、金属製の舌を使って地面を這い回って進むことのできる小さな立方体ロボットを作った。舌は軸に沿って回転して短時間突き出し、瞬間的にロボットを宇宙空間へ飛ばして障害物を乗り越える。彼らはこれを“A Soft Cube Capable of Controllable Continuous Jumping”[制御可能な連続跳躍能力を有する柔軟立方体]と呼んでいるが、私はむしろ“Little Tongue Softy”[ベロ出しやわらか小憎]と呼びたい。

立方体にはカメラやセンサー等の興味深い装備が可能で、部屋に入ってひとっ走りしてからさほど苦労もなく戻ってこられる。楽しい小さなシステムで、円筒形や球体でなく立方体というのが実にユニークだ。

via Spectrum

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“Czur”は1冊当たり5分でデジタル図書館を作れるスキャナー

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西ゴート族がアレクサンドリア図書館を焼き払った時、プトレマイオス1世ソーテールは、その宮殿のような大理石張りの特別室にCzur(「シーザー」と発音する)スキャナーがあればよかったのにと思ったに違いない。

Czur

は強化されたブックスキャナーで、300ページの本 ― あるいは金で買えない古代知識の巻物 ― を5分ほどでスキャンできる。

Czurは、一種のカメラ/スキャナーのハイブリッドで、使用者はスキャン台に本を置いてページをめくっていく。各ページを写真に撮り、画像処理し、写り込んだ指さえ消してくれる。早割価格の189ドルはブックスキャナーとしてはかなりのお買い得だ。高解像度カメラの下に他の物体を置いて、HDMIポートからプロジェクターに画像を送ることもできる。遠隔操作用の足踏みペダルとソフトウェアを使って、平均的な人で1分間に約80ページをスキャンできる。

チームは目標の2万ドルを突破しており、マーケティング資料は少々雑だがシステムの概要は見ることができる。スキャンしながらページの歪みを正しく修正し、美しい画像とOCR出力を得られるのは魅力だ。

Czurは、大規模な海賊本製作機にもなるのって? かもしれない!しかし、長編のノンフィクションや調査に取りかかっている人は大いに助かるだろうし、デジタル未来への移行に関心のある小さな図書館にとっては天の恵だ。チームは来年1月の出荷を目指している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

オペレーションKKK、クー・クラックス・クランメンバーの暴露を開始

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ハッカー集団「アノニマス」率いるクー・クラックス・クラン(KKK)撲滅を目的とする作戦、「オペレーションKKK」が本格的活動を開始した。メインの Twitterアカウントによると、数多くのKKK関連サイトが一斉ハッキング行動によって倒され、11月5日のHoodsOffと呼ばれる行動に向けてさらに準備が進められている。

クー・クラックス・クランは、名誉毀損防止同盟(ADL)および南部貧民救済法施行機関を母体とするヘイトグループ(扇動集団)で、5000〜8000人のメンバーがいると言われている。オペレーションKKKは、その中の著名メンバー1000人の正体を暴露したいと考えている。

「われわれは実に長い間、実に多くの人々を詳しく観察してきた結果、お前たちの下部組織に透明性を与えることが、正しく適切かつ唯一の行動方針である確信を得た」と、アノニマスハッカー集団の代表者らが火曜日に書いた。「われわれはこのミッションを、責任ある、効果的な方法で実行する。この取り組みに対する忍耐と支援に感謝する。」

インターネットの一部では、攻撃はすでに始まっている。自らAmped Attacksと名乗る自称反ヘイトグループハッカーは、ウェストボロ・バプチスト教会(WBC)の公式ウェブサイトを含め、数多くのKKKウェブサイトを破壊した。しかし、最大のダメージは、彼がKKKウェブサイトに侵入し、KKKデータベースに名前が載っている多数の州上院議員および市長の個人情報を収集したと宣言していることだ。

「私はアノニマスにも他のハッカー集団にも属していない。私は私自身として自発的に行動し、WBCを破壊したのは、単に彼らがヘイトメッセージを吐き出すことに嫌気がさし、何か大義を果たしたくなったたけだ」と彼は言った。

Pasetbinで見ることのできるそのリストは未確認だが、Amped Attacksは、KKKデータベースと問題の公人らの公開メールアドレスとを相互参照したと主張している。

「私は情報を公開する前に、9日間かけて全データを検証した。情報は私がハックしてデータベースを取得できた複数のKKKウェブサイトから入手した。これらのサイトに登録されていた多数のメールアドレスを調べた結果私の興味を引いたのは、KKKを支持しているかそこに関与していない限り、ウェブサイトに登録されている理由のない問題の政治家たちのアドレスだった」

原文へ
 
(翻訳:Nob Takahashi / facebook

新生児の微細な血管や臓器を傷めないカスタムメイドの医療器材を3Dプリントで作るNortheastern大学

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医療用ハードウェアの多くが、既製品だ。カテーテルもインプラントも、単純に手近にあるものを使う。でも、未熟児用のとても小さなコネクタや、特殊な形のブレースが必要なときはどうするか? 3Dプリントの出番だ。

Northeastern大学の研究者たちが、個々の患者に合わせたプラスチックやセラミックのインプラントを作り始めている。それがあれば医師は、微細な組織を傷つけたりしないし、またどんなインプラントを挿入するときでもダメージを防げる。

“新生児の場合は、個体によるサイズの違いが大きいし、また抱えている問題もさまざまだ”、とNortheasternの准教授Ran­dall Erbは語る。“でもこれからは、個々の患者に合った形やサイズのカテーテルをプリントして、患部への正確な挿入ができる。静脈に穴をあける心配もなく、薬剤等を迅速正確に移送できる”。

研究者たちの最新の研究論文がここにある

そのシステムはプラスチックとセラミックのファイバを使って、精度の高い剛体オブジェクトを作る。セラミックファイバを使っても、穴やカーブを作れるし、耐久性はプラスチックより高い。研究者たちによるとそれは、木や骨のような丈夫な自然オブジェクトを作るやり方と同じだそうだ。

チームは光造形法と磁力を使ってセラミックファイバの位置と方向をコントロールする。最初にファイバを磁化するやり方はFDAも認可しており、その合成素材の各部に超微弱な磁界を与え、液状プラスチックに浸したセラミックファイバを最終製品の仕様に従って整列させる。それは、強度のある素材を押出成形によらずに成形する、巧妙なやり方だ。

システムはまだ試験中だが、実用化はもうじきだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

靴下タイプのモニター・デバイス、Owletが赤ちゃんの命を救う―249ドルで予約受付中

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われわれのハードウェア・バトルフィールドで大人気だったデバイス、Owletがベータテストを終了そて市販が開始されりことが発表された。誰でも新しく赤ちゃんの両親になれば、赤ちゃんが夜中でも正常に呼吸しているか確かめたいだろう。Owletの市販開始の発表には、このデバイスを利用したおかげ実際に赤ちゃんの命が助かった例の証言も載せられている。

ファウンダーのJordan Monroeは次のように書いている。

Andrew、Pia、Easton―この3人の赤ちゃんbは真夜中に呼吸不全を起こしました。両親は私たちのOwletモニターのおかげで即座にそのことに気づき、対処を始めることができました。赤ちゃんのうち2人は、両親が気づいたときには真っ青で、呼吸を再開させるために両親は人工呼吸をしなければならなかったということです。

これは私たちOwletからの発表えす。もし赤ちゃんが何らかの理由で呼吸困難に陥った場合、Owletは危険を両親に確実に知らせる能力があります。私たちはOwletのプライベート・ベータテストを終了し、市販を開始できる運びとなったこをお知らせします。

Monroeは慎重な表現でOwletが乳幼児突然死症候群(SIDS)を防止できるとはいわず、呼吸困難に陥ったことを両親に知らせることができると表現している。

子育ての経験者として、私は子供たちが寝ている寝室が奇妙に鎮まり返っているのに気づいたときの不安な感じをよく知っている。 Owletソックスを足につけていれば、新米両親は子供が息をしていることには確信がもてるわけだ。子供の様子を確かめたいという欲望は抑えがたく強くなることがしばしばなので、簡単なソックスでそのいくぶんかがに安心がもたらされるなら安いものかもしれない。.

Owletソックスは1個249ドルで受付を開始している。.ともすれば私のような皮肉屋は電子ソックスなんか履かせずにときどき寝ている子供の顔を叩いてみればいいじゃないかなどと思いがちだが、両親の安心して眠りたいという思いは、往々にして、高価なテクノロジーをものともしないことになるようだ。

Owletは最近、700万ドルのシリーズAラウンドを完了している。.

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

オメガ、独自の認定システムを開発。腕時計に科学を

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テク人間のあなたがなぜ、Omegaがマスター・クロノメーター認定なるものを作っていることを気にしなければならないのか?まず、現状から説明しよう。

通常、優れた腕時計はスイス公式クロノメーター検定協会(COSC)の認定を受けている。これは、様々な条件下でその正確性がテストされていることを意味する。検定の詳細は次の通り。

ケースから外されたムーブメントは、個別に15日間、5種類の位置、異なる3つの温度下でテストされる。ムーブメントには特殊な秒針が付けられ、テスト中自動巻機構は取り外される。測定は毎日カメラを用いて行われる。

これは時計ムーブメントの卒業試験のようなものだと思えばよい。COSC認証ウォッチは、腕時計世界のハーバード卒業生であり、それ以外はフェニックス大学のオンラインクラス出身だ。
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過去数十年間、COSCは時計メーカーにとって付加価値要素だった。COSC認定は腕時計の価格に数千ドルを確実に上乗せし、それに意味があろうがなかろうが、意地悪く見れば、スマートフォンと原子時計の時代ではそのすべてがペテンである。しかし、ここでは意地悪く考えるのをやめよう。

というわけで、実力ある時計メーカーだがCOSC認定モデルを多くは持たないOmegaは、別の認証団体であるスイス連邦計量・認定局(METAS)を通じて独自の認定プロセスを開発した。これは、Omegaが自社の時計をCOSC仕洋沿うよう認定できることを意味している。SwatchグループのCEOでOmegaのオーナー、Nick Hayekがこう言っている、「信頼性はMETAS業務の核である。われわれは政府機関であり、スイスのあらゆる計測を代表している。何よりも、われわれは消費者および顧客主導である。この機械式時計の新しい標準が全ブランドに対してオープンであることが重要な理由はそこにある」。

要するにOmegaとSwatchグループは、既成プレーヤーに目を付けて足をすくおうとしている。これは一種ずるいいやり方だが、それはCOSC認定が長年ブランド無依存なプロセスであり、メーカーにも認定組織にとっても極めて実入りのいいものだったためだ。しかし今、Omegaは自らの手で仕切ろうとしている。実際彼らはMETASの方がCOSCより上だと言っている。

業界標準のCOSC認定は今後もOMEGAのプロセスの重要部分だが、新たなMETASテストは各製品の認定を事実上倍加し、OEMGAや他のスイス時計メーカーにこれまでにない水準の品質と計時性能を誇示する機会を与える。10日間にわたる8項目のテストを通じて、各製品は1万5000ガウスの磁界への暴露をはじめ、実生活の着用条件を再現した様々な基準を通過しなければならない。

古い会社が自ら独自の製品を打ち出してくることは素晴らしい行動だ。METASは他のメーカーにも間違いなく手を差し伸べるだろうが、認定プロセスの採用によってOmegaは特別な位置を占めることになる。彼らは容易かつ安価に、認証費用を自社の全製品の価格に上乗せすることかできる。一方METASはCOSCという「メジャーリーグ」に仲間入りできる。これは全くの内輪ネタだが、Omegaの新しいGlobemasterがマスタークロノメーター認定となって結構な金額が価格に加わることは、コレクターやファンにとって、この時計の魅力がちょっと増すことを意味している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

100ミクロンの高精度3DスキャナEora 3D ScannerはKickstarterで199ドルと超安価

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うちの家族のような原始人は、3Dスキャンが人の魂を盗み取ると信じていて、立体画像の持ち込みすらうちでは許されない。でもEora 3Dスキャナなら、もしかして許されるかもしれない。相当複雑なマシンなのに外見がとてもシンプルで、しかもカメラをたった一つしか使わないからだ。

これを作ったオーストラリアのシドニーのRahul KoduriとAsfand Khanは、太陽光を一点に収束する研究をしている人たちだ。そこから生まれた3Dスキャナは今、Kickstarterで資金を募集している。

Koduriはこう説明する: “Eora 3D Scannerは、手ごろな値段の高精度な3Dスキャナがほしい、という自分たちのニーズから生まれた。太陽光発電の効率を上げるために、朝から夕方まで太陽の位置を追うパラボラアンテナみたいな装置を作ろうとしていた。その設計と仕様作成のためには高精度な3Dスキャナが必要だったが、100ミクロン以下の精度のものは、5000ドル以上もする”。

自作を決心した彼らはプロトタイプを作り、理想の仕様に到達した。

そのシステムは物の表面をグリーンのレーザーでスキャンする。レーザーはBluetoothでスマートフォンのカメラに接続し、物の点群(point cloud, ポイントクラウド)を驚異的な精度で作り出す。しかも、小型のスキャナにしては珍しく、フルカラーでスキャンする。

“Eora 3D Scannerにはグリーンのレーザーがあり、またカメラのCMOSセンサはグリーンのスペクトルへの感度がとくに高い(通常の2倍)ので、屋外などいろんな条件で3Dスキャンができる。人間という動物も緑の中で進化してきたから、グリーンのスペクトルに対する感度がとくに高い”、とKoduriは語る。

これで作った3Dモデルは、ゲームや3Dプリント、プロトタイピングなどに使える。彼らがデモとして見せてくれたAssassin’s Creedのキャラクターのスキャンは、わずか一回のスキャンでびっくりするほど詳細だ。スキャンに要する時間は、単純な物なら3分ぐらい、複雑な物ならもっと時間がかかる。自動ターンテーブルがあるので、物のすべての面を100ミクロン以下の精度で捕捉できる。

Cup Face
by eora 3D
on Sketchfab

Kickstarter上で初期の支援者には199ドルで提供される(目標額は50000ドル)。その目標額はとっくに突破しているから、これからは誰もが安価に、見事な3Dスキャンを楽しめる。その楽しさを知ろうとしない、うちの家族が気の毒だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

RPGのダンジョンの各ピースを自分で3DプリントできるキットDragonlockがKickstarterに登場

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パーテイーは暗い部屋へ入っていく。闇の中でろうそくが燃えていて、向こうの壁に何かが光っている。最初に、シーフ(thief, 盗賊)が入る。彼の小人(こびと)ナイフがギラギラし始める。危険はすぐそばだ!

どうしたらいいか? 壁を3Dプリントして、そこの床にはめるのはどうか? それとも3Dプリントしたビホルダーを部屋へ入れるのは? 柱や階段を作るのは? それとも小さな木製のドアをそこに作るのはどうだろう?

Dragonlockでは、それができる。このKickstarterプロジェクトは、ユーザが対話的な3Dダンジョンを自分でプリントできる。小さいからたくさん作れるし、あとで好きな色を塗れる。

10ドルのパッケージにはモデルが10個あって、簡単にプリントできる。60ドルのKingパッケージには、樽、罠、アーチ、毒キノコなど、いろんなピースがある。

これを作ったFat Dragon Gamesは、3Dモデルやペーパークラフトのメーカーだ。キットの多くはPDFとSTLモデルで、ダウンロードはここでできる。バーバヤーガの小屋もある。

ローブを着て魔法使いの帽子をかぶったら、ぜひ3Dプリントしたダンジョンのピースで遊ぶべきだ。きみのバグベアが感謝するだろう。

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via 3DPrintingIndustry

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

この球状の四足ロボットが地球を支配するとしたら、ぼくなら大歓迎だ

 

ロボットが地球を支配したとき、では、その体腔の中には一体何があったんだろう?と、あなたは悔しげに思うかもしれない。その答のヒントになるのが、日本のChiba Institute of Technology(千葉工業大学)のTakeshi AokiとSatoshi ItoとYosuke Seiが作ったQRoSSだ。このロボットは球形の転がるケージと、その中に隠された4本の足から成る。ボールを部屋に投げ込むと、ころころ転がっていくが、自分の意思で動く必要があるときには4つの足を出して立ったり歩いたりする。

ひっくり返ると足で態勢を直すし、転がって障害を避(よ)けることもできる。一言で言うなら、銃と力の場のないDroidekaの、単純化バージョンだ。

チームはこのロボットを、ドイツで行われたIROS 2015で展示し、論文、“Development of Quadruped Walking Robot with Spherical Shell – Mechanical Design for Rotational Locomotion”(球状外殻を持つ四足歩行ロボットの開発–回転移動のための機構の設計)も公開されている。相当面倒な問題への巧妙なソリューションであり、しかも、とってもクールだ。

〔原文の筆者Biggsは、一年あまり前から、“ロボットが地球と人類を支配する”というジョークテーマで数々のロボット記事を書き続けている。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

電波を使ってSiriに音声コマンドを送り込む方法が発見された

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巧妙なハックによってSiriコマンドに望まれないコマンドを送ることができる。方法は、iPhoneのシールドされていないイヤホンに向けて電波を送るだけ。このハックは不必要に複雑だが ― イヤホンのところへ行ってボタンを手で押せばいい ― 興味深い侵入方法だ。

フランスのセキュリティー団体ANSSIの研究者らは、iOSまたはAndroid端末につながれたマイクロホンに電波を送信する方法を発見した。電波は音ボタンを起動して、例えばSiriを立ち上げてボイスコマンドを発行できる。端末が起動すれば、ハッカーはコマンドを送り込んでメッセージを送ったりアプリをアクセスしたりウォレットを開くことができる。

彼らの発見は、電磁両立性に関する論文に掲載されている。

「われわれは電磁妨害を意識的に賢く利用することによって、長年否定されてきた効果ではなく、情報システムに対して好影響を与えることができた。その結果に基づき、最新スマートフォンにおける新しい無声リモート音声コマンド送信方法を紹介する」と研究員のJosé Lopes EstevesとChaouki Kasmiは書いた。

繰り返すが、これは複雑な攻撃方法であり殆どの人にとって心配無用だ。それでも侵入を妨ぎたければ、iOSの設定→Touch IDとパスコード→ロック中にアクセスを許可、でSiriをオフにすればよい。IMG_0096

研究員らは、メーカーがイヤホンをもっと積極的にシールドして電波妨害を防ぐことを推奨している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

オフィスで自分のデスク周辺だけ温湿度をコントロールするEvapolar、Indiegogoで資金募集中

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オフィスワーカーはアメニティに恵まれている。清潔なトイレがあり、水があり、電子レンジもある。でもまだ、温湿度など室内の環境はコントロールできない。オフィスは、やみくもに冷えているか、または汗ばむほど暖房が効きすぎている。それを、ほどよくできない。だからオフィスワーカーは、人ではなく物に対して使うだけでも、Evapolarをありがたいと思うだろう。

Evapolarは、ある特殊な素材に風を送るファンだ。だから、すごくシンプルなシステムである。バソールト繊維でできたアコーディオン状の構造が、毛細血管のように水を吸い上げる。それに小さな低電圧のファンが風を送ると、水の濃密な蒸散が起こり、あたりを冷やす。ポンプもないし、フレオンガスも使わない。水と、PC用のファンだけだ。

ただしこれは、全室用のエアコンではない。あなたが使っているデスクの周辺だけを冷やす。ぼくも実際に見たが、確かにそこらの物が冷える。エアコンが要らなくなるわけではない。初期支援者は180ドルで買えるから、自分のデスク周辺が快適になるだけでも出資の価値はある。

目標は、エアコンの効きすぎ冷やし過ぎをなくして省エネ省電力を図ることだ。外部に可動部品がなく、素材がバソールトだから、錆びたり、あたりを汚したりしない。ささやかな涼しさと湿度を与えてくれるだけだ。北極から吹いてくるような冷風は期待できないが、確かに違いは分かる。

発売は、来年の6月を予定している。たぶん来年も、猛暑かもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

昔っぽい未来のためにCAD/CAMと3Dプリントで重厚な木製家具を作るGoebel & Company

Goebel Furnitureの連中は昔流のやり方ですばらしい木製家具を作っているが、デザインのバラエティはCAD/CAMと3Dプリントによるモデルで作り、それから各部材を顧客の注文にぴったり合わせて正確に彫ったり削ったりしていく。Martin Goebelが経営するこの企業は、商用家具と一般家庭用の家具を作っている。商用と言っても、すごくずっしりしていて、心温まるデザインだ。家庭用家具には、遊び心がある。

セントルイスにあるGoebelのワークショップを訪ねたら、彼はそこでハードウッドを寝かせ、それを見事に成形していた。トレンディなウィスキーバーのある通りをずっと行くと古い自動車販売店があり、その中の一角に、隠れるようにして彼の作業場がある。その建物の背後から近づくと、濃密なおがくずの香りに迎えられ酔いそうになる。裏口が入り口であり、正面入口はない。路地から入ろうとすると、会社で飼ってる犬たちが軽快に駆け寄って歓迎してくれる。主人のGoebelは熟練の木工職人で、人間的魅力とびしっとした規律感の両方がある。この楽しい場所から、すばらしい作品が生まれているのだ。

上のビデオを楽しくご覧いただけたら、同社のWebサイトにも行ってみよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。