Disrupt 2020に参加してTC10に会おう

2020年に物足りなさを感じているなら、Disrupt 2020でさらに特別なひとひねりを効かせてみよう。カンファレンスが完全バーチャルで実施されるのは史上初めてだが、見どころはそれだけではない。この催しも、今回でもう10周年。世界を変えようとしていると、時はものすごい速さで流れていくものだ。

Disruptの10周年を記念した新しい試みも用意されている。ここでは、TC10についてご紹介しよう。

TC10は、これまで10年間のDisruptカンファレンスにおいて柱となってきた起業家や投資家によって構成されるグループだ。くつろいだトークにしろパネルディスカッションにしろ、ショーでの発言者となり、Startup Battlefield(スタートアップコンペ)の審査員を最低3回務めてきた人たちである(審査員でなかった年の方が少ない人さえいる)。

今年のショーでも、くつろいだトークやスタートアップコンペの審査から、Pitch Deck Teardown(セールスプレゼンテーションの添削)に至るまで、全体を通じてTC10がフィーチャーされることになっている。個人的にはこの点を一番楽しみにしている。

セールスプレゼンテーションの添削では、ショーの参加者が提出した本物のスタートアッププレゼンテーションの分析が行われる。世界的な投資家や起業家がそれぞれのプレゼンテーションのスライドを1枚ずつチェックし、気に入った点や気に入らない点、自分だったらどう変えるか、そういったフィードバックを返してくれるのだ。起業家にとっては、投資家がプレゼンテーションのどこに注目するのかがはっきりわかるだけでなく、それぞれの投資家や起業家によって優れたプレゼンテーションの意味がどれほど異なっているかも明らかになる。企業創設者として、プレゼンテーションを対象者に応じてどのようにカスタマイズする必要があるのか、貴重な知見が得られるだろう。

セールスプレゼンテーションの添削には、今すぐ申し込むことが可能だ。

前置きはこれぐらいにして、Disrupt 2020のTC10を皆さんにご紹介しよう。

Aileen Lee(アイリーン・リー)

アイリーン・リー氏は、シード期にフォーカスしたファンドであるCowboy Ventures(カウボーイ・ベンチャー)の創設者。同社は、大規模な成長市場において働き方とライフスタイルを考え直し、同社が「Life 2.0」と呼ぶものを実現可能なテクノロジーを構築する、群を抜いて優れたチームを応援したいと考えている。同氏はこれまでにKleiner Perkins Caufield & Byers(クライナー・パーキンス・コーフィールド・アンド・バイヤー)のパートナー、およびRMG Networks(RMGネットワーク)のCEOを務めてきた。

MITの卒業生であるリー氏はハーバードビジネススクールのMBAを持ち、アスペン研究所のHenry Crown Fellow(ヘンリー・クラウン・フェロー)でもある。

Disrupt登壇回数:9回

Image Credits: Cowboy Ventures

Charles Hudson(チャールズ・ハドソン)

チャールズ・ハドソン氏は、Precursor Ventures(プレカーソル・ベンチャーズ)のマネージングパートナー兼創設者である。同社はアーリーステージ向けのベンチャーキャピタル企業として、非常に有望なソフトウェア企業とハードウェア企業の起業当初の投資ラウンドにおける投資を重視している。同社設立以前、同氏はSoftTech VC(ソフテックVC)のパートナーとして、モバイルインフラでの投資チャンスの見極めに努めていた。

Disrupt登壇回数:3回

Image Credits: Kathleen Dylan Studios

Cyan Banister(シアン・バニスター)

シアン・バニスター氏が夢中になっているのはアーリーステージのエンジェル投資だ。未来がどのように変わるかを想像することに多くの時間を使い、自分と同じように未来を想像するだけでなく、実際にそれを形にしていく人たちに投資している。つい最近まで、同氏はサンフランシスコでも最上位層のファンドであるFounders Fund(ファウンダース・ファンド)に在籍していた。これまでに成功させた投資のほとんどは雇用の創出と柔軟性に関する共通のテーマを持つものであったが、その投資実績は宇宙船からサンドイッチの配達まで多岐にわたる。現在は、Long Journey Ventures(ロングジャーニー・ベンチャーズ)のパートナーである。

Disrupt登壇回数:6回

Drew Houston(ドリュー・ヒューストン)

ドリュー・ヒューストン氏はDropbox(ドロップボックス)の共同創設者兼CEOであり、2007年にArash Ferdowsi(アラシュ・フェルドーシ)氏とともに同社を設立してから、シンプルなアイデアを、世界中で6億人以上が利用するサービスへと育ててきた。同氏は2006年にMITで電気工学とコンピューターサイエンスの学士号を取得している。USBドライブを持ち歩いたり、ファイルを自分宛てにメールしたりすることにフラストレーションを感じていた同氏は、卒業するとそうしたフラストレーションを後にドロップボックスとなるデモへと結実させた。現在、ドロップボックスは世界有数のビジネスコラボレーションプラットフォームであり、有料プランの利用者は1500万人以上を数え、世界各地の12のオフィスに3000人近い従業員が在籍している。

Disrupt登壇回数:3回

Kirsten Green(カーステン・グリーン)

ユニークな職業経歴と投資分野で身につけた経験をあわせ持つカーステン・グリーン氏は、2010年にサンフランシスコを拠点とするForerunner Ventures(フォアランナー・ベンチャーズ)を立ち上げ、創設者兼マネージングパートナーを務めている。買い物の新しいプロセスが直線的に成長し、上昇の機が熟していることを見て取った同氏は、先導者のメンタリティと分析的な視点によって、経験が重視される小売業界のトレンドに先行し、魅力的なブランドプラットフォームと先見の明を持つ起業家を見い出している。

Disrupt登壇回数:3回

Image Credits: Forerunner Ventures

Megan Quinn(メーガン・クィン)

メーガン・クィン氏はNiantic(ナイアンティック)の最高執行責任者として、同社全体のビジネスオペレーションと国際的な展開を監督している。同氏は、2015年にはSpark Capital(スパーク・キャピタル)のジェネラルパートナーとして、Glossier(グロシエ)、Handshake(ハンドシェイク)、Pendo(ペンド)、Rover(ローヴァー)、InVison(インヴィジョン)など、グロースステージでの投資にフォーカスしていた。この時期、同氏は投資ラウンドのシリーズBにあったナイアンティックに対するスパーク・キャピタルの投資を主導し、ナイアンティックの経営に参加することとなった。ベンチャー業界入り以前、同氏はGoogle(グーグル)とSquare(スクエア)において製品リーダーの立場にあった。

Disrupt登壇回数:3回

Image Credits: Megan Quinn

Michelle Zatlyn(ミシェル・ザトリン)

ミシェル・ザトリン氏はCloudflare(クラウドフレア)の共同創設者兼COO。同社はインターネットのセキュリティ、パフォーマンス、信頼性といった分野をリードする企業で、CNBCによって「破壊的革新を生み出す企業50社」に選ばれている。また、ウォールストリートジャーナルでは2年連続で最も革新的なインターネットテクノロジー企業に選ばれ、世界経済フォーラムではテクノロジーのパイオニアに選ばれている。クラウドフレア創設以前、同氏はグーグルや東芝に在籍し、スタートアップ2社も立ち上げ、成功させている。マギル大学から優秀学士号を受けており、ハーバードビジネススクールでMBAを取得するとともに、起業家精神に対するDubliner Prize(ダブリナー賞)も受賞している。

Disrupt登壇回数:3回

Niko Bonatsos(ニコ・ボナツォス)

ニコ・ボナツォス氏は、総計約50億ドル(約5000億円)の調達実績を持つベンチャーキャピタル企業、General Catalyst(ジェネラル・カタリスト)のマネージングディレクター。同社のサンフランシスコベイエリアのオフィスで働く同氏が重視する投資戦略は、製品の実現力が高く、しっかりとした学習意欲があり、何百万という人々の役に立つ可能性のあるイノベーションを起こそうという気持ちを持つ、前例のないテクノロジーを創出した企業を見つけること。同社での9年間に、同氏はAtrium(アトリウム)、Audius(オーディウス)、Cover(カヴァー)、Hive(ハイヴ)、HubHaus(ハブハウス)、ClassDojo(クラスドジョ)、Paribus(パリバス、CapitalOneが買収)、Sleeper(スリーパー)、Snap(スナップ、NYSE: SNAP)などへの投資を助けてきた。

Disrupt登壇回数:4回

Image Credits: General Catalyst

Roelof Botha(ロエロフ・ボサ)

ロエロフ・ボサ氏はシリコンバレーでの企業設立に15年以上関わってきた。その経歴は、スタンフォード大学でMBAを修めながら、2000年3月にはまだ黎明期にあったPaypal(ペイパル)に入社したことに始まる。2001年にCFOに着任すると、2002年当初のIPO、およびそれに続くeBay(イーベイ)による買収の両方で同社を率いた。2003年にはSequoia Capital(セコイア・キャピタル)に参加し、企業の創設者たちが耐久性のある事業を展開するよう助けている。米国オフィスのリーダーであるほか、グローバルなSequoia Partnership(セコイア・パートナーシップ)でも3人のスチュワードの1人となっていて、インターネット、サービス、ソフトウェアへの投資に重点を置いている。

Disrupt登壇回数:8回

Susan Lyne(スーザン・レイン)

スーザン・レイン氏は、ニューヨーク市を拠点としたアーリーステージ向けファンドであるBBG Ventures(BBGベンチャーズ)の創設者兼ジェネラルパートナー。同社は、実力がまだ過小評価されているものの、集団的また個人的な経験を変えていく潜在性を持つ人が創設した企業への投資を実施している。2014年以来、同ファンドはZola(ゾラ)、The Wing(ザ・ウイング)、Modsy(モジィ)、Lola(ローラ)、KiwiCo(キウィコ)、Glamsquad(グラムスカッド)、HopSkipDrive(ホップスキップドライブ)、Spring Health(スプリング・ヘルス)、Blueland(ブルーランド)など60社以上に投資してきた。BBGベンチャーズ設立以前、同氏はスタートアップから株式公開企業に至るまで、メディア、テクノロジー、エンターテイメントといった分野のあらゆる規模の企業で経営に関わっていた。

Disrupt登壇回数:6回

今すぐDigital Pro Pass(ディジタル・プロ・パス)を入手し、9月14日から18日にかけて開催されるDisrupt 2020でTC10に会いましょう。登壇者情報など、イベント詳細は以下の特設ページで確認できる。なお、本ページを経由してチケットを購入すると5%割引が適用されるので、ぜひ活用していただきたい。

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(翻訳:Dragonfly)

防災プラットフォームHarborが5.3億を獲得、ハリケーンの通り道の降水量監視や煙感知器の残量なども管理

被害額数千億円規模の自然災害が米国を襲うとCNBCの記事は伝えている。これを書いている時点でさえ、ルイジアナではハリケーンによる地滑りが起こり、北カリフォルニアでは山火事が荒れ狂っている。だがこれらは、ただの大災害に過ぎない。

米国では2018年には130万件の火事が発生(米連邦緊急事態管理局レポート)し、死亡者5人のうち3人近くが、煙感知器が設置されていないか、正しく動作していなかった家で発生した住宅火の犠牲者だ(NEFPAレポート)。

500万ドル(約5億3000万円)のシードラウンドをクローズしたばかりの企業であるHarbor(ハーバー)は、利用者の防災準備を充実させたいと考えている。

10月にローンチ予定の同社の製品は、日常的に災害にゲーム形式で備えられるようにするもの。米国立海洋大気庁(NOAA)、米連邦緊急事態管理局(FEMA)、米国地質調査所(USGS)などの公的機関の公開データや、地形図、建築基準法などを参照し、個々の住宅の状態を正確に把握することで、Harborは家の位置と家の全般的な状態から利用者個人とその財産におよぶリスクを割り出す。

それをもとに同プラットフォームは、防災準備のためのチェックリストを毎週組み立ててくれる。ハリケーンの季節にその通り道になりやすい地域では現在の降水量の監視や、煙感知器の電池の残量は動作状態の確認なども行う。

「私たちは、非常持ち出し袋を買えば済むとは思っていません」とCEOのDan Kessler(ダン・ケスラー)氏。「重要なのは、準備のための行動を起こすことです。防災計画は、非常持ち出し袋よりもずっと重要なのです。たしかに袋も必要ですが、計画がなければ、まったく的外れな内容になってしまいます。問題は、非常に多くの人たちが、特に今まさに山火事が迫っている地域の人たちが、非常持ち出し袋がないと騒ぎ、50ドルのものをAmazonで購入していることです。しかし買っただけで、防災に関しては買う前と何ら変わっていません」

Harborは、最適な防災製品を見繕うなど、災害への備えを手助けしてくれるだけではない。災害を生き抜く方法と、災害後の生活の仕方についても、個別の事情を踏まえたステップ・バイ・ステップの手順で指導してくれる。

Harborはまだ一般には製品を公開していないが、eコマースとアプリのフリーミアム型サブスクリプションとからなる二重のビジネスモデルを準備している。

今回の500万ドルの投資は、企業の設立から投資までをサポートするニューヨークのベンチャースタジオの25madison(トゥエンティーファイブマディソン)の単独支援によるものだ。25madisonは、元Headspace(ヘッドスペース)の幹部であったダン・ケスラー氏を1月にCEOに迎えた。ケスラー氏は、GoogRx(グッドアールエックス)の前CTO、Eduardo Fonseca(エデュアード・フォンセカ)氏を最高技術責任者に迎え入れた。

Harborの従業員は全部で10名。多様性やインクルージョンの状態について、同社は公表を控えているが「ダンと社員たちは、女性や少数派の人たちの数が、諮問委員会も含め、テック業界の平均を超えていることに大変に誇りを持っています」と話していた。

画像クレジット:Harbor

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(翻訳:金井哲夫)

Brian Grazer氏、Ron Howard氏、Tyler Mitchell氏が Disrupt 2020でImagine Impactについて講演

世界は急速に変化している。刻々と複雑になってきているようだ。

何世紀にもわたって、人々はストーリーテリングを通して周囲の世界を理解してきた。今や私たちは、歴史上かつてないほど多くのストーリーにインターネット経由でアクセスできるようになり、この傾向はますます強まっていると言えそうである。一方で、こうした普及に伴い、優れたそして多様なストーリーテラーたちが幅広いオーディエンスにアクセスすることの重要性が高まっている。

Imagine Impactは、Brian Grazer(ブライアン・グレイザー)氏、Ron Howard(ロン・ハワード)氏、Tyler Mitchell(タイラー・ミッチェル)氏らによって設立されたコンテンツアクセラレーターで、ストーリーテラーたちができるだけ多くの人にリーチするために必要なツールとアクセスを提供することを目指している。そのようなミッションを有するグレーザー氏、ハワード氏、ミッチェル氏を9月14日~18日まで開催されるDisrupt 2020にお招きできることになり、非常に嬉しく思う。

グレイザー氏は、アカデミー賞、ゴールデングローブ賞、エミー賞、グラミー賞を受賞したプロデューサーであり、43のオスカー賞候補、198のエミー賞候補となり、「A Beautiful Mind(ビューティフル・マインド)」でアカデミー賞最優秀作品賞を受賞した。彼はまた NYTのベストセラー作家でもあり、タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」の 一人に選ばれた。彼は80年代にハワード氏と共に Imagine Entertainment を設立、次いでハワード氏、ミッチェル氏とImagine Impactを共同設立している。

ロン・ハワード氏は、あらためて紹介するまでもないだろう。アカデミー賞を受賞した映画監督であり、「A Beautiful Mind(ビューティフル・マインド)」「Apollo 13(アポロ13号)」 「Splash(スプラッシュ)」 など、ハリウッドの最も記憶に残る映画で豊かな創造力を発揮してきた。ハワード氏はこれまでの輝かしい映画キャリアに加え、エミー賞受賞のシリーズ「Arrested Development(アレステッド・ディベロップメント)」や HBOのミニシリーズ「From the Earth to the Moon(フロム・ジ・アース/人類、月に立つ)」など、数々の賞を受賞したテレビ番組を精力的に制作してきた。

タイラー・ミッチェル氏は、プロデューサー、ライター、起業家で、かつては Imagine Entertainment(イマジン・エンターテインメント)の副社長を務め、実写映画を監督し、Imagineのアニメーション部門を立ち上げた。彼はまた、「The Incredible Burt Wonderstone(俺たちスーパーマジシャン)」「Lucky Number Slevin(ラッキーナンバー7)」 「Maudie(しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス)」 などの映画の製作にも携わっている。ミッチェル氏はテレビ界でも経験を積んでおり、ゴールデンタイムの番組「Kidnapped(キッドナップ)」「My Own Worst Enemy」でプロデューサーや脚本家として参加している。

彼らが Imagine Impactを立ち上げたのは 2 年前で、Y Combinator(Y コンビネータ-)とさまざまな VC がテクノロジーの世界で培ったモデルであるハリウッド・シリコンバレースタイルのメンターシップを展開している。Netflixがグローバルプラットフォームを通じて才能をもった人物によるストーリーテリングを多くの人々に届ける機能を持つ一方、Imagine Impactは、その才能を精査するところから始まりネットワーク、スタジオ、メディアプラットフォームへ到達させるまでの育成の場を提供している。

Netflix と Imagine Impactは 6 月、グローバルな申請プロセスを通じて4 つのジャンルにおける映画のアイデアを特定および開発し、Netflixがそれらの制作と配給を行うという契約を締結した。

Imagine Impactが、経験豊富な査読者と、アクセラレーターで社内開発した自然言語処理システムの両方を用いて、申請されたものを精査する。

Impactはインキュベーターとして、最初のプログラム以降、65 人のライターを受け入れ、「ビューティフル・マインド」の Akiva Goldsman(アキヴァ・ゴールズマン)氏といった業界の専門家とマッチアップしての作品作りを推進してきた。これまでに 62 件のプロジェクトが完了しており、そのうち22件は大手スタジオ、ネットワーク、ストリーミングサービスに向けて販売または提供が行われている。

グレーザー氏、ハワード氏、ミッチェル氏の3人がTechCrunch Disrupt 2020に登壇して、シリコンバレーのテクノロジーとハリウッドの伝統的な創造プロセスを伴うメンターシップとを融合させる試みについて伝えるとともに、ストーリーテリングの将来について語ってくれることは本当に楽しみだ。他の登壇情報など、イベント詳細は以下の特設ページで確認してほしい。

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(翻訳:Dragonfly)

ハリウッド女優で投資家のケリー・ワシントン、Disrupt 2020に登場

Kerry Washington(ケリー・ワシントン)氏の功績はハリウッドの至る所に見られる。エミー賞、SAGアワード、ゴールデングローブ賞にノミネートされた俳優、監督、プロデューサーの顔を持つ彼女は、「スキャンダル 託された秘密」のオリヴィア・ポープ役(1974年以来、ネットワークドラマではじめてアフリカ系アメリカ人女性として主演を務めた)からHuluの「リトル・ファイアー〜彼女たちの秘密」やNetflixの「アメリカの息子」(両作品でメーンキャストとして出演)の制作など、さまざまなプロジェクトにかかわってきた。さらに、「SMILF」、「スキャンダル 託された秘密」、「インセキュア」など多くの作品で監督を務めていることも忘れてはならない。

しかし、ワシントン氏は単なるハリウッドのスーパースターでは収まらない。

ここ数年間で、テクノロジーの分野にも深く関与している。ただ資金を出すだけではない。

ワシントン氏は、女性専用のコワーキングスペースを提供するThe Wingへの7500万ドル(約80億円)規模の投資プログラムに参加している。また、スターやセレブ達がファンともっと直接つながれる(Twitterの自己紹介に記載した番号に「テキストメッセージ」を送ることができる)プラットフォームのCommunity(コミュニティ)にも投資しているほか、歯列矯正のD2CプラットフォームであるByte(バイト)にも投資している(クリエイティブアンバサダーも務めている)。

ワシントン氏はTechCrunchの5月のインタビューで彼女の投資先はすべて、投資していることに誇りを持てる企業ばかりだと語っている。

「商品の品質や人々の生活の質を高めるという点において素晴らしい企業ばかりです。発言力を持つという考えは本当に重要です」と述べている。

集まれるスペースを作ることでも、素敵な笑顔を生み出すことでも、スターとより直接的につながれるようにすることでも、彼女の投資先は人々に声を上げる力を与える点でほかにはない共通性がある。

ワシントン氏はまた、活動家でもある。

2013年にはNAACPのプレジデント賞、2015年にはGLAADメディア賞のヴァンガード賞を受賞しているほか、2016年にはACLU Bill of Rights賞を受賞している。2018年、#MeToo運動の高まりで世界が大きな変化を遂げたとき、ワシントン氏もハリウッドのTime’s Up運動のリーダーとして、Natalie Portman(ナタリー・ポートマン)氏、America Ferrera(アメリカ・フェレーラ)氏、Reese Witherspoon(リース・ウィザースプーン)氏と共に活動した。

さらには、Michelle Obama(ミシェル・オバマ)前大統領夫人の「When We All Vote」キャンペーンの共同委員長も務めているほか、非営利組織と共同で投票率の上昇を目指すイニシアチブ、Influence Change 2020の発起人でもある。

言うまでもないが、Disrupt 2020ではワシントン氏からさまざまな面白い話が聞けるはずだ。

最近のテクノロジー分野への投資や運営について、また今後数年のうちに最も期待できると彼女が感じている分野について、さらには、Netflix、Hulu、Quibi、Disney+、HBOなどが台頭し急速に変化しているメディア業界や、ユーザーの生活様式の変化に合わせて進化するネットワークについてもぜひ聞きたい。

大統領選挙を控えた今年、「Black Lives Matter」運動が大きな広がりを見せる中、彼女の行動主義者としての活動について話を聞くほか、テクノロジーの世界が多様性、公正、包括性といった点でまだ期待通りではない部分やそれを改善するにはどうすればよいかについても彼女の考えを聞いてみるつもりだ。

ワシントン氏に聞きたいことは山ほどある。どんな話が聞けるか本当に楽しみだ。

Disrupt 2020は米国時間9月14日から18日まで、今年はバーチャル形式で開催する。今すぐDisrupt Digital ProパスまたはDigital Startup Alley Exhibitor Packageを購入し、ケリー・ワシントン氏の話を最前列でチェックしてほしい。それでは会場で。

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(翻訳:Dragonfly)

Airtable CEOのHowie Liu氏がDisrupt 2020に登壇

企業向けのコラボレーション型ソフトウェアは現在非常に勢いを増している。中でもAirtableはまさに飛ぶ鳥を落とす勢いである。

コラボレーション型の柔軟なデータベース製品を提供する同社は、CRV、Benchmark(ベンチマーク)、Coatue Management(コーチューマネージメント)、Thrive Capital(スライブキャピタル)などの投資家から1億7000万ドル(約179億円)以上の資金を調達している。そんなAirtableの共同創設者兼CEOのHowie Liu(ハウイー・リュー)氏がDisrupt 2020に参加してくれることになり、非常に楽しみだ。

リュー氏はデューク大学を出た後、自身の最初の会社を立ち上げた。自動CRMシステムを提供するeTacts(イータクツ)だ。同社は、YouTube(ユーチューブ)、Powerset(パワーセット)、Delicious(デリシャス)の創設者や、Ron Conway(ロン・コンウェイ)氏、Ashton Kutcher(アシュトン・カッチャー)氏などの投資家から投資を受けた。

リュー氏はその後Salesforce(セールスフォース)向けのソーシャルCRM製品を主導し、そしてAirtableで再び自身の道を進み始めることを選択した。

Airtableはソフトウェアを民主化するという広大な使命を基に2012年に設立された。本質的にAirtableはリレーショナルデータベースである。素人はこれをGoogleスプレッドシートやMicrosoftExcelの強化版のようなものだと思うだろうが、実際はそれよりもはるかに奥深いものである。

ソフトウェアはデータ(正確に言えば整理されたデータ)に基づいて構築されている。多くの人はデータをコンパイルし、整理してスプレッドシートにすることはできるが、ソフトウェア製品に飛躍させることはできない。Airtableはそれを開発者ではなくとも、誰にでも可能にすることを目的としているのだ。

とは言うものの、同社はいくつかのハードルに直面している。 Airtableは、販売目標の追跡から製品ロードマップの整理、ワークフローの管理まで、さまざまな方法で使用できる製品だ。このタイプのオープンエンド製品では、それを最大限に活用する方法、または単にそれを使用する方法についてエンドユーザーを教育するのが難しい。

我々は非常に複雑な製品を最もユーザーフレンドリーな方法で構築する方法について、リュー氏と話し合う予定でいる。また、大企業のほとんどが支出をストップまたは減少させている現在における企業向けソフトウェアの販売状況、ノーコードおよびローコードソフトウェアの将来、そして超成長についての同氏の考え方についても尋ねる予定だ。

Disrupt 2020はすべてバーチャルな形で米国時間9月14日から18日まで開催される。アクションへの参加やバーチャル出展が可能な数種類のDigital Passをご用意している。詳しくはこちらから見ていただきたい。

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(翻訳:Dragonfly)

アトラシアン共同創業者CEOのキャノンブルックス氏がDisrupt 2020に登壇決定

グーグルが一般に広く知られた存在であるように、Atlassian(アトラシアン)は、ソフトウェアエンジニアなら誰もが知っている会社だ。2002年に設立し、シドニーに本拠を置く同社は、法人向けコラボレーション用のツールとサービスを開発している。創業以来、順調に業績を伸ばし、2015年、株式を公開した。

そのアトラシアンの共同創業者で共同CEOのMike Cannon-Brookes(マイク・キャノンブルックス)氏をDisrupt 2020にお迎えできることになったのでお知らせしよう。TechCrunchのチーム一同、待ちきれない思いでいることは言うまでもない。

起業家精神という意味では、キャノンブルックス氏は1つの会社を創業から株式公開まで導き、その間あらゆる面で社の成功に尽力した数少ない創業者の一人だ。

アトラシアンは法人向けコラボレーション、とりわけエンジニアリグと開発チーム向けのコラボレーション製品の分野ではパイオニア的な存在であり、長年にわたって、Jira、Confluence、HipChatなどの頑強な製品群をリリースしてきた。

キャノンブルックス氏は、創業時の資金調達、製品開発、Trello(トレロ)など他社の買収、株式公開に至るまで、あらゆる局面で指揮をとってきた。アトラシアンは創業時から現在まで、創業国であるオーストラリアに本社を置き、インボイス業務も本社で行っており、南半球の国で創業したテック系スタートアップで最も成功した会社と言えるだろう。

アトラシアンの際だった特徴の1つは、マイクロソフトやIBMといった大手ソフトウェア企業と違い、正式な営業販売部門なしでここまで成功したという点だ。同社の販売マーケティング費用は、他の法人向け大手ソフトウェア企業と比べれば本当にわずかである

「創業当初から、営業販売員はソフトウェア企業を破綻させるという直感みたいなものがありました」と、キャノンブルックス氏は2015年のAustralian Financial Reviewの記事で語っている。「このやり方でうまくいくことを納得してもらうのが、おそらく一番大変な仕事だったと思います。このやり方に納得できないがために、多くの優秀な人たちが当社への入社をあきらめたり、投資やアドバイスという形で当社をサポートすることを拒んだりしました」。

アトラシアンという会社は、とてつもなく高性能の流通販売の弾み車を作り上げ、そこに「卓越した製品」という1つの必須材料を組み込んだものだ。卓越した製品を低価格で提供すれば誰にでも売ることができる。誰にでも売るには、透明な価格体系と無料お試し期間を用意してオンラインで販売することが必要だ。無料お試し期間を用意するなら、卓越した製品を開発しなければならない。そうすれば弾み車が回転していく。

このモデルはとてもよく機能した。

アトラシアンの製品は、Spotify、NASA、Sotheby’s、Visaなど、小企業から大企業まで、世界中16万社で利用されている。

キャノンブルックス氏は、技術分野の投資家でもあり、ソフトウェア、フィンテック、農業、エネルギーなどの各分野に投資している。また、Zoox(ズークス)の取締役でもある。

キャノンブルックス氏と膝を交えて、この20年間のアトラシアンの軌跡と今後の展望について伺えるのは本当に楽しみだ。

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(翻訳:Dragonfly)

仮想プレゼンツールmmhmmのベータ2が登場、二人同時プレゼン操作が可能に

Evernote創業者のPhil Libin(フィル・リービン)氏がAll Turtles(オール・タートルス)で開発を進めている最新プロジェクトであるmmhmm(ンフー)は米国時間8月7日、ベータ2のリリースを発表した。同時に、アクセスをリクエストしてウェイティングリストに入っていた10万人強の人たちに対して、プラットフォームへの招待が行われた。ベータ2では、ビデオプレゼンにいくつかの新機能が加えられている。

最も注目すべきは、Copilot(コパイロット)機能だ。同機能を使えば、2人のユーザーが同時にプレゼンテーションを「運転」することができる。1人のユーザーが登場して話す一方で、もう1人がスライドを切り替えたり、ビデオを再生したり、外観を変更したりといったプレゼンテーションのコントロールを行うことができる。

しかし、数週間前のmmhmmのニュースを見逃した(まあ当然のことだが)皆さんのために、まず説明をさせてほしい。そもそもmmhmmとは何か?

仮にTwitchが深夜トークショーの制作チームと一緒になってとしよう。そして2つの間に生まれた愛の結晶が、企業向けプレゼンテーションとした育ったものがmmhmmだ。

基本的にユーザーは、画面上の仮想プレゼンテーションを、枠の中に表示された頭(または画面共有のスライドデッキ)から、よりエレガントに作られたものに昇格させることができる。

mmhmmユーザーは、PIP(ピクチャ・イン・ピクチャ)ウィンドウからプレゼンテーションを実行したり、画面上で自分のサイズを変更したり、興味深いフィルターやエフェクトを追加したりという作業を、すべてその場で実行することができる。

それが楽しいものになればなるほど、プレゼンしながら行わなければならないリアルタイムの操作が増えていく。そこで導入されたのがCopilotだ。Copilotを使うことで、ユーザーは専任のエグゼクティブ・プロデューサーを呼び出して協力を頼むことができるようになる。これにより、発表者はmmhmmのコントロールではなく、自分の話す内容に集中できるようになる。

Copilotはマルチプレイヤーシステムなので、ベータ版ユーザーはこれから毎日1人の友達をプラットフォームに招待できる。

Copilotと並んで、mmhmmはDynamic Rooms(ダイナミックルーム)機能の提供も始めた。これによって、ユーザーは独自の背景を作成し、色や形などを選択して独自の「テンプレート」を作成することができる。

このプロダクトはSequoia Capitalの主導によって総額で450万ドル(約4億7700万円)を調達している。ほかに参加した投資家は、Human Capital、Biz Stone、Jana Messerschmidt氏(#ANGELS)、三木谷浩史氏(楽天)、孫 泰蔵氏(Mistletoe)、Brianne Kimmel氏(worklife.vc)、デジタルガレージ、Precursor Ventures、Kevin Systrom氏(IG)、Mike Krieger氏(IG)、Linda Kozlowski氏(Blue Apron)、Julia Hartz氏/Kevin Hartz氏(Eventbrite)、Lachy Groom氏(Stripe)だ。

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(翻訳:sako)

適切なタイヤ選びを教育的コンテンツと金融サービスで支えるTire Agentが約5億円を調達

Entrepreneurs Roundtable Acceleratorが支援するTire Agentは、21世紀のタイヤ産業を目指している。同社は米国時間7月27日、American Family Venturesがリードする500万ドル(約5億3000万円)の資金調達ラウンドが完了したことを発表した。これにはERA、とSidekick Fund、NY Angels、およびHBS Angelsが参加している。

Consumer Reports誌によると、現在、タイヤの平均価格は97ドル(約1万2000円)で、新品のタイヤ4つなら400ドル(約4万2000円)足らずになり、さらに税金や取り付け費用などが加わる。Tire Agentはタイヤの購入を消費者にとってもっと便利にし、安くしたいと考えている。

同社は50あまりの企業と協力して、ユーザーがタイヤをオンラインで閲覧できる場所を提供している。さらにTire Agentはタイヤに関する教育的でわかりやすいコンテンツを提供して、ブランドや型式などによる違いを解説し、消費者が最も賢い買い方ができるようにしている。さらに、近くのタイヤ取り付け業者やその費用も調べられるため、請求書を見てびっくりすることがない。

Plaidの創業者でCEOのZach Perret(ザック・ペレット)氏は最近のExtra Crunch Live(未訳記事)で、すべての企業がフィンテック企業だと語ったが、Tire Agentはその考えに同意するだろう。

同社はタイヤ購入のための金融プラットフォームであるPayPairを立ち上げ、消費者のクレジットスコアが少々低くても、提携している多様な金融企業のいずれかからタイヤを買うための融資を受けられるようにしている。

またTire AgentはAllStateと協力して、取り付け保証といった消費者のための保証を提供しており、彼らのタイヤへの投資を保護している。

「Tire Agentの最大の課題は、多くの人が昔ながらのタイヤ屋さんへ行く習慣を変えることであり、またもっとブランドのアピールに慣れてもらうことだ。Tire Agentには、1つ1つのタイヤに関する私たちが作ったコンテンツがあり、それらを読んでもらえる。タイヤについて何も知らなかった人でも、きちんとした知識に基づいた購入ができるようになる」とTire Agentの創業者でCEOのJared Kugel(ジャレッド・クーゲル)氏は語っている。

Tire Agentにはタイヤの流通業者の500あまりの流通倉庫や、50のタイヤブランド、20のホイールブランドとのネットワークあり、米国で15000もの提携したタイヤ取り付けセンターがある。

具体的な数字は明かしていないが、クーゲル氏によると2019年前半から2020年前半にかけて売上は300%近く成長しているという。

今回のラウンドで、Tire Agentの総調達額は600万ドル(約6億3000万円)になる。

画像クレジット:Tire Agent

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

形などが不細工な規格外の果物や野菜を販売するMisfits Marketが91億円調達

形などが不細工で規格外の農産物を販売する電子商取引プラットフォームのMisfits Market(ミスフィット・マーケット)は米国時間7月22日、8500万ドル(約91億円)のシリーズBラウンドをクローズしたと発表した。この投資はValor Equity Partnersが主導し、Greenoaks Capital、Third Kind Venture Capital、Sound Venturesが参加している。

Misfit Marketは、形の悪い安価な農作物をパッケージにして消費者に届けるサブスクリプションサービスとして事業を開始した。扱うのは、流通業者や食料品店の手に渡る前に農家が廃棄してしまったかもしれない作物だ。なぜなら形の悪い作物は、店に並べたところで結局は捨てられることが多いからだ。

そうした農作物には質が劣るわけではない。ただ、形のそろったものが山積みされた中から、あえてそれを選ぶ消費者がいないという問題があるだけだ。

Misfit Marketは、シリーズA投資を獲得してから取り扱い商品の幅を広げる努力をしてきた。現在は、チョコレート、スナック、チップス類、コーヒー、ハーブ、穀物、レンズ豆、ソース、スパイスも買える。利用者は、週1回配達されるボックスに、これらの商品をお好みでで加えることができる。どれも、通常の小売り価格の20〜25パーセント安い。これらの製品は、週に1日(木曜日)だけ提示され、ボックスに入れることができる。

Misfit Marketの基本理念は、食料品サプライチェーンの数々の構造的な非効率性に着目し、作物を安く手に入れ、節約できた経費を消費者に還元するというものだ。この非効率性には、販売期限の問題も含まれる。一部には販売期限の9カ月も前に陳列しなければならない商品もある。また無駄なミスもある(Misfit Marketと契約しているオリーブオイルのメーカーには、缶のラベルを上下逆さまに貼り付ける悪い癖があった)。

期限が重要になる商品でも、Misfit Marketは消費者に直接届けることができるため、流通業者や食料品店と同じルールに縛られることがない。それにより、物流業務をうんと高速化できる。

今回の資金調達の公表にともないMisfit Marketは、ニュージャージー州デランコに新しい倉庫を開設し、米東海岸、南部、中西部への対応能力が倍になるということも発表した。これにより、アラスカ、ミシシッピ、ルイジアナの各州にも配達の足がかりが広がり、さらにウィスコンシン、ミネソタ、アイオア、ミシガンの各州でのサービスが間もなく開始される予定だという。

画像クレジット:Misfits Market

画像クレジット:Misfits Market

膨大な食品廃棄問題を抱えた食品業界も、非効率のままでいたいと望んでいるはずがない。データ科学の面からこの問題に取り組むCrisp(クリスプ)などのスタートアップもある。私はMisfit Marketの創設者でありCEOのAbhi Ramesh(アビ・ラメッシュ)氏に、今後のサプライチェーンの効率化と、Misfit Marketの継続的な成長を妨げるものは何かと尋ねてみた。

「これだけテクノロジーが発達していながら、廃棄される農作物の量は絶対的にも相対的にも毎年増加しています」とラメッシュ氏。「この5年間と、それ以前の5年間の食品廃棄量を比較しても増えています。これは超長期的なリスクの1つですが、少なくとも私たちが目にしていること、そしてデータが示している食品廃棄物に関する方向性は、食品廃棄物の規模が大きくなっているということです」と語る。

Boston Consulting Group(ボストン・コンサルティング・グループ)の研究によれば、今後10年間の食品廃棄量は210億トン、金額にして1兆5000億ドル(約160兆円)相当となり、これから10年で3割増えることになる。

今回の投資を受け、Misfit Marketは新型コロナウイルスのパンデミックの最中にも急増させた人員の拡充を継続することにしている。同社は3月から400人を雇い入れている。それ以前の3カ月間では150人だった。現在の社員数は総勢750人。男女比も均衡が保たれている(男性51%、女性49%)。幹部チームは30%が女性で、20%は人種が混在している。

Misfit Marketは、総計で1億150万ドル(約109億円)を調達した。
画像クレジット:Misfits Market>

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(翻訳:金井哲夫)

ソフトバンクグループが出資するP2P保険のLemonadeがペット保険を開始

Lemonade(レモネード)は7月15日、ペット保険を開始した。2016年に住宅所有者と賃貸人向けの保険を始めて以来、初めて新保険に参入する。

LemonadeのCEOであるDaniel Schreiber(ダニエル・シュライバー)氏が2月にTechCrunchに語った(未訳記事)ところによると、同社の住宅・賃貸人保険を保有する顧客の約70%はペットの所有者でもある。米国のペット所有者の1〜2%はペット保険に加入している。これは比較的単純なベン図(複数の集合の関係や、集合の範囲を視覚的に図式化したもの)だ。

Lemonadeのペット保険ではユーザーは月額12ドル(約1280円)の費用を負担する。既存の保険契約者が新しいペット保険を住宅・賃貸人保険と一緒に契約すると10%の割引が受けられる。保険は犬と猫の飼い主のみが利用できる。ほかのペットは対象外だ。

Lemonadeのウェブサイトによるとこの保険は、血液検査、尿検査、X線、MRI、検査、CTスキャン、超音波検査、外来、専門医、救急医療、さらに入院と手術も対象とする。注射や処方薬を含む薬物治療もカバーする。ペットの飼い主は、偶発的な交通事故や中毒などさまざまな病気の初期適用範囲を超えたより広い範囲を対象とする「事故・病気パッケージ」に加入することもできる。

Lemonadeのペット保険にはオプションでウェルネスパッケージも付属しており、毎年の健康診断、糸状虫検査、便検査、毎年の寄生虫検査、血液検査、最大3つのワクチンなどの日常的な項目に適用できる。またウェルネスパッケージには医療アドバイスチャットへのアクセスも用意されており、飼い主はペットを健康に保つための留意事項やヒントが得られる。

「ペットの健康保険は100年以上前までさかのぼる」とシュライバー氏は2月にTechCrunchに語った。「それはオランダの馬から始まった。そのペット保険の現代の姿は自動車保険だ。馬は輸送手段だった。保険の目的は輸送手段に何かが起こった場合に持ち主を保護することだった。しかし、ペットは今や家族の一員だ」

Fortune(フォーチューン)によると、米国人は2019年にペットに750億ドル(約8兆円)以上を使った。一般的な保険契約もかなり時代遅れになりつつあるが、法律上、数十年前に書かれた表現や条項を使用する義務がある。Lemonadeは、Policy 2.0(オープンソースであり、誰でも変更や提案ができる保険証券)を米国で始めようとしている。現在、Policy 2.0は欧州でのみ利用可能だが、これは保険の取り扱い方法の大きな変化を象徴している。業界の最大の問題の1つは、何が保険契約の対象で何が対象外か、保険契約者が単に知らないか、場合によってはわからないということだ。

Lemonadeは上場したばかりで、取引初日に株価は大きく上昇した。同社は株式公開に加え、Sequoia(セコイア)やAllianz(アリアンツ)などの機関投資家からも4億8000万ドル(約510億円)を調達し、世界中に382人の従業員を擁している。

米国では、同社のフルタイムの従業員の35%が有色人種、61%は女性だ。世界でも49%が女性だ。R&Dチームの4分の1、経営陣の33%が女性だ。8人で構成される取締役会では有色人種と女性が1人ずつを占める。

画像クレジット:Kimberly White / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

FirstMark Capitalが計690億円の新ファンドを発表、医療技術とゲームに注力

米国ニューヨークを拠点とするVCであるFirstMark Capital(ファーストマークキャピタル)は米国6月16日、2つの投資ビークルのクロージングについて発表した。同社のポートフォリオには、Shopify、Riot Games、Pinterest、Airbnb、InVisionなどが含まれる。

FirstMark VはシードおよびシリーズA投資を対象とする3億8000万ドル(約400億円)のアーリーステージのファンドであり、FirstMark Opportunity IIIはポートフォリオ企業への追加投資とグロースステージの投資に特化した2億7000万ドル(約290億円)のビークルだ。FirstMarkの投資ビークル全体で管理する総資産は22億ドル(約2400億円)に上る。

FirstMarkの投資チームは5人のパートナーで構成する。Rick Heitzmann(リック・ハイツマン)氏、Amish Jani(アミシュ・ジャニ)氏、Matt Turck(マット・ターク)氏、Beth Ferreira(ベス・フェレイラ)氏、Adam Nelson(アダム・ネルソン)氏だ。

FirstMarkはニューヨークのエコシステムのみに絞っているわけではないが、 取引の少なくとも半分は東海岸で行われ、特にニューヨーク、ボストン、トロント、オタワ、フィラデルフィア、ワシントンD.Cなどの東海岸沿いのテクノロジーハブに重点を置いている。

同社は新型コロナウイルスのパンデミックによって追い風を受けた業界に早めの賭けをいくつか行った。ヘルスケア(Kinsa、Parsley Health)、ゲーム(Discord、Riot Games)、エンタープライズワークフロー(InVision、JustWorks、Pendo、Guru)、自動化(Ada、nextmv、Hyperscience)などだ。これらの分野で投資機会を引き続き探しているが、特に医療技術とゲームに力を入れる。

ゲーム業界には大きなチャンスがあるものの、プラットフォーマーと製作会社が大きな力を持っているため、割って入るのは難しそうだ。それでも、パートナーのジャニ氏は、業界内の勢力が分散しつつあると考えている。

「UnrealやUnityが現れる前の世界について考えてほしい。その頃はゲームエンジンを含め、すべてを開発する必要があった」とジャニ氏は語った。「結局その部分は独立した機能になった。ストリーミング用のゲームインフラサーバーもそうだ。コミュニケーションについて考えるとき、Discordはゲームにおけるオーバーレイメッセージングフレームワークの大部分を占めている。それも1つのレイヤーとして独立したようなものだ。市場が膨らんで非常に大きくなるにつれ、ゲームの多くの要素がバラバラになってきた。我々は確かにツルハシとシャベルを信じている(最終製品市場ではなくそれを作り出すのに必要な道具やインフラに投資する戦略)」。

同社はまた、Brooklinen、Airbnb、Roなど、D2Cでいくつか大きな勝利を収めている。「一般的に、D2Cは規模を追うかニッチに行くかのいずれかになる傾向がある」とジャニ氏は述べる。「サプライチェーンがある程度差別化されており、自らの力で成長できる本当にユニークなブランドを見つける必要がある。多くの場合、その条件を満たすのはコマースエクスペリエンスを提供できる非常に大きなコミュニティからなる組織だ。購買という行為は、何かを単に買うことでなく、ブランドが提案するライフスタイルや体験、その周辺にあるコミュニティを共有することだ」。

場合によってはAirbnbのように、規制の変更が絡むこともある。

FirstMarkは単に小切手を切るだけでない。ポートフォリオ企業を育成・成長させる包括的なアプローチを取っている。その基盤となるFirstMarkプラットフォームは「人材ネットワーク」「企業ネットワーク」「専門家ネットワーク」で構成されている。

専門家ネットワークは、GitHub、Grubhub、Looker、Cloudera、Twilio、Zendesk、Cloudflare、Mailchimp、PagerDutyなどの企業のCEO、CTO、CRO、CMOが率いる100以上のイベントで構成されている。人材ネットワークは、専門家ネットワークと有機的に結びついている。スピーカーとして参加してもらったり、CXOや独立の立場としての役員、場合によっては創業者としてFirstMarkのポートフォリオ企業に加入することもある。一方、企業ネットワークは、ポートフォリオ企業が大企業と取引を行う支援をする。

FirstMarkプラットフォームの戦略の一環として、データ、デザイン、エンジニアリングに関する複数の公開イベントのシリーズも実施している。

同社はまた、George Floyd(ジョージ・フロイド)氏事件の抗議行動とより広範なBlack Lives Matter運動を受け、パイプラインとポートフォリオを多様化する使命も持つ。2019年以降、FirstMarkの取引の半分は、女性や有色人種の創業者など、白人男性以外に関わるものだった。ただし、「過小評価されている」創業者はFirstMarkのポートフォリオ85社の約3.5%を占めるにすぎない。3社だけが黒人またはラテンアメリカ系の創業者だ。

ジャニ氏はTechCrunchに、ポートフォリオにおける真の多様化はパイプライン段階での測定から始まると説明した。資金を提供する多様性ある創業者の数や彼らに投資された金額だけではない。これはBLCK VCのSydney Sykes(シドニー・サイクス)氏の思いとも一致する。同氏は最近TechCrunchに対し、ファンドがもっと包摂的になるために取りうる行動が何かについて語った。ネットワーク効果のサイクルを打破し、VCが多様性ある創業者に資金を拠出する流れを作るには、資金調達プロセスの最上流まで含めて測定する必要があると述べている。

同社は、VC業界における人種差別問題全般に対処するため、週1回の常設タスクフォース会議を設置し、多様性ある創業者が「ドアに入り込む」にはどうすればよいのかについて社内でより深く考える機会を設けた。ドアの先にはさまざまなスタートアップが机を用意し、ゆくゆくはその数を1%に伸ばす。

ジャニ氏はまた、熟考の末、FirstMark CapitalがJuneteenth(米国の奴隷解放記念日)を休日とするのではなく、会社の従業員がコミュニティにボランティアやメンターなどの形で恩返しをする奉仕の日にすると決定したとも述べた。

画像クレジット:FirstMark Capital

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(翻訳:Mizoguchi

InVisionがバーチャルホワイトボードツールに新機能追加、パンデミック下での需要急増に応える

新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響を受けない企業はない。Airbnbは特にこのブラックスワンで打撃を受けやすい企業で、短期間のうちに急激な変化を強いられている(未訳記事)。企業向けコラボレーションツールでさえ同様で、Boxは製品ロードマップを再検討してリモートワーカーが使いやすいツールにしようとしている。

InVisionもユーザー行動の変化を知り、これに対応している。同社の共同作業ホワイトボードツール「Freehand」のユーザーが急増し、新機能をいくつか追加した。

同社によれば、Freehandは2020年3月以降、週間アクティブユーザー数が130%増えたという。

新機能には複数の色、サイズ、テキストオプションを備えた付箋や、チームがホワイトボードを使う出発点となるテンプレートがある。新しいテンプレートはブレインストーミング、ワイヤーフレーミング、振り返り、スタンドアップ、ダイアグラム、アイスブレーカーの6種類があり、近々さらに追加される予定だ。

さらにInVisionは、Freehandに「プレゼンテーション」モードも追加した。

Freehandのバーチャルホワイトボードの広さは無制限なので、文字通り無限にズームアウトできる。制限は、これを使うチームの創造力だけだ。「プレゼンテーション」モードでは、チームリーダーがバーチャルホワイトボードの表示権限を持ち、コンテンツを部分ごとに表示しながらチームをガイドできる。

FreehandはMicrosoft TeamsやSlackと統合できる。また、ユーザーが任意のブラウザに「freehand.new」と入力して新規ホワイトボードを使い始めることのできる新しいショートカットもある。

興味深いことに、Freehandがユーザーを増やしているのは本来のユーザー層と考えられるデザインやプロダクト、エンジニアリングのチームだけではない。人事、マーケティング、ITなど組織全般のさまざまな部署が、Freehandを使ってプロジェクトやタスクの共同作業をするようになっている。Freehandユーザーの60%以上は、デザイン以外のチームだ。

これまでにあった機能もさらに洗練されている。新しくなったツールバーでは、描画の他、整列、色、透明度の設定が簡単になった。線を正確な矢印に変えたり、ダイアグラムのエンドポイントを調整したりする操作もしやすくなった。

Freehandの注目すべき点のひとつは、ホワイトボードそのものの利用を民主化できることだ。時間や場所の制限がなく、マーカーを持って部屋の前方に立ちふさがる人もなく、会議前でも会議中でも会議後でも、チームの全員が参加して意見やアイデアをホワイトボードに書き足せる。

InVisionのプレジデントであるDavid Fraga(デビッド・フラガ)氏は「ホワイトボードやFreehandのようなバーチャルホワイトボードの利点として、時間や場所の制限がなくなることが挙げられる。そのためチームは民主的なインプットを生かすミーティングを効率よく運営できる。一度に話したり書き足したりするのは1人だけというコストがあると同期的なコラボレーションがうまくいかないが、そのコストがかからなくなる」と述べた。

InVisionはこれまでにFirstMark、Spark、Battery、Accel、Tiger Global Managementなどの投資家から合計で3億5000万ドル(約375億8000万円)を調達した。現時点で登録ユーザーは合計700万人以上、Fortune 100のすべての企業が同社の製品を使っていることを誇る。InVisionは、ARR(年間経常収益)1億ドルクラブの一員でもある。

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(翻訳:Kaori Koyama)

ゲームのトレーニングプラットフォームを提供するStatespaceが16億円を調達

米国時間5月22日、StatespaceはKhosla Venturesが率いるシリーズAのラウンドで1500万ドル(約16億1000万円)を調達した。これによりKhoslaのパートナーであるSamir Kaul(サミル・カウル)氏が同社の取締役会に加わる。既存の投資家であるFirstMark CapitalやLux and Expaらとともに、June Fundが新たに参加した。

Statespaceは2017年にステルスを脱した。そのプロダクトであるAim Labは、人気のFPSゲームの物理シミュレーションを再現しプレーヤーの上達を助けるというものだ。ニューヨーク大学の神経科学者たちが設立したStatespaceは、ゲームの狙いを定める仕組みを提供するだけでなく、画面上の位置によるプレーヤーの視力や反応時間など、ゲーマーとしての特徴や問題点を理解、測定する。

平均的なゲーマーからプロゲーマーまで、誰でもAim Labを使って腕を磨くことができる。また、同社が2020年の第3四半期にローンチ予定のAcademyは、MasterClassおよび有名ストリーマーたちと協力して高度なチュートリアルを提供する。ちなみに主なストリーマーとそのゲームタイトルは、KingGeorge「Rainbox Six Siege」、SypherPK「Fortnite)」、Valkia「Overwatch」、Drift0r「Call of Duty」、Launders「Counter-Strike: Global Offensive」となる。

またStatespaceは、Pro Football Hall of Fame(プロフットボールの殿堂)と強直して「Cognitive Combine」を開発している。これは本物のNFL Combine(ドラフト候補選別評価大会)が選手の運動能力を測定するのと同じように、ゲームにとらわれない方法でに選手の能力を総合的に評価する。

 

 

同社はさらに、100 ThievesやPhiladelphia Fusionのようなeスポーツのサイトと協力してカスタムデータのダッシュボードやプロダクトを作ることで、チームのデータ分析能力と、弱点克服のための練習を助けている。

現在、StatespaceはAim LabのモバイルバージョンやXbox上のバージョンなどによりユーザー層の拡大に取り組んでおり、近くPlayStationのサポートする予定だ。2020年7月には400本のゲームをサポートする計画だという。

Statespaceを支える技術は一般的な認知科学の応用なので、ゲームの成績評価以外にもいろんなアプリケーションがありえる。現在、同社は脳卒中のリハビリを助けるアプリケーションで、複数の大学に補助金を申請している。

またStatespaceは、2019年8月に250万ドル(約2億7000万円)を調達してチームの人数を倍増したが、今回の資金もチームの増員に充てたいとのことだ。有能な人材の引き抜くことにも熱心で、これまでスカウトしてきたエンジニアリング担当副社長のScott Raymond(スコット・レイモンド)氏は元Gowalla、Facebook、Airbnb、マーケティング担当副社長であるJenna Hannon(ジェナ・ハノン)氏は元Uber、Uber Eats、成長担当副社長のPhil Charm(フィル・チャーム)氏は元Checkr、Gainsightだ。

創業者でCEOのWayne Mackey(ウェイン・マッケイ)氏によると、Statespaceの現在の登録ユーザー数は200万で、月間アクティブユーザーは50万、2020年1月以降400%増加したとのことだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

NYのスタートアップ育成アクセラレーター「ERA」から13社が卒業

世界の動きが止まっているように思われる中でも、新しいスタートアップは変わらずに出現している。米国時間5月22日、13の企業がニューヨークを拠点とするEntrepreneurs Roundtable Accelerator(ERA)を卒業する。卒業にあたって、13社はERAからそれぞれ10万ドル(約1080万円)の資金援助を受ける。

彼らはERAの18期生となる。ERAは設立以来200以上の企業を世に送り出し、総額で5億ドル(約538億円)以上を調達している。

それでは卒業生たちをご紹介しよう。

Artists on Goはフリーランスの美容師とサロンオーナーを繋ぐマーケットプレイスプラットフォームだ。美容師は1時間20ドル(約2150円)でサロンオーナーからスペースを借り、売上はサロンオーナーと分けるのではなく自分のものとなる。サロンオーナーは予約が空いているときにスペースを提供することで利益を得る。

Coinapolyは、家を借りながらその家の所有者になれるよう支援する資産管理プラットフォームだ。借主には長期的にその家を部分的に購入できるようにし、不動産投資家にはより良いリスク調整後収益を提供する。Coinapolyは管理対象の物件に対し手数料を請求する仕組みだ。

FieldClixは遠隔建設プロジェクト向けのSaaSプラットフォームで、無線、ソーラー、ブロードバンド通信の建設プロジェクトに特化している。通信会社が5Gの展開を急ぐ中、作業員はFieldClixを使用して、プロジェクト計画や現場のリソース管理、原価管理などを協力して行えるようになる。現在は30社が同社プラットフォームを利用しており、ライセンスごとに段階的なサブスクリプション料金を毎月請求している。

Hailifyは、配車サービスドライバーの空き時間を利用するB2Bプラットフォームだ。ドライバーが次の客を待つ間を活かして収入が得られるよう、宅配の仕事を提供する。Hailifyはオンデマンド配車サービスを運営する企業に料金を請求し、プラットフォームから発注された宅配ごとに、手数料を差し引いた料金をドライバーに支払う。

Hazelは、女性の尿漏れに対応する、フィット性と機能性が高く見た目にも気を配ったまったく新しいタイプの大人用紙おむつを製造している。新しい素材と新しい技術を使用し、見た目も履き心地も本当の下着と変わらない使い捨て商品を提供するこのD2Cビジネスは、2020年秋のローンチを予定している。

Mouth Offは口臭を防ぐことを目的とした溶けるタイプのガムだ。口臭を別のにおいでごまかすのではなく、口臭の元になる口腔内の分子に作用する。Mouth Offは植物性で、糖分や人工的な原材料は使用していない。2020年秋にローンチが予定される同社は、D2Cサブスクリプションと小売りオプションを提供する。

Nayyaは、雇用主が従業員に最適な健康保険を見つけられるように支援する企業だ。データを使って透明性を高め、費用削減に関する情報や最寄りのプロバイダーネットワークに関する情報を提供する。従業員はNayyaのCompanion(コンパニオン)を通じてプランに登録し、1年を通じて補償内容や医師の検索、追加補償オプションの確認などが行える。またNayyaでは給与管理の統合サービスも行っている。

企業の従業員にとっても雇用主にとっても育児休暇がますます重要視されている中で、Parentoは、従業員向けに、保険に基づいた有給育児休暇のプラットフォームを提供する。従業員が16週間まで休めるように予想価格設定を導入し、新米パパママ向けのコーチングや生活の変化におけるサポートを提供する。同社は、顧客の従業員の給与と既存の有給育児休暇ポリシーに基づいて変動する価格設定のB2Bモデルを採用している。

RillaVoiceは食料品店やファストフードチェーン、病院、実店舗を持つ企業に、顧客との会話を記録し、分析できる機会を提供する。会話は小型マイクと機械学習技術により分析され、匿名かつ安全そしてコンプライアンスに準拠した方法で、カスタマーエクスペリエンスや会話の内容などの理解を深めることができる。サービスは1ライセンスあたり月額50ドル(約5380円)から350ドル(約3万7660円)で提供される。

Salusionは消費者とその雇用主のためにHSA(医療用貯蓄口座)の税優遇を最大限にすることを重視したSaaS企業だ。同社はHSAのプロセスを改善することで、ユーザーには「その都度使えるHSA」を提供し、HSA口座管理費として雇用主に対して従業員あたりの手数料を毎月請求する。

Spotterは長距離トラック業界をターゲットにしたソフトウェア企業だ。歩合やスケジュール、燃料コストなどの入力条件に基づき、トラックと運転手に最適な積荷を割り当てることができるプラットフォームを提供する。また運転手に荷積みと荷降ろしの指示も伝えることができる。同社はトラック1台ごとのサブスクリプション料金を運送業者に請求する。

Topは、ブランド向けのマルチチャネルエンゲージメントプラットフォームだ。ブランドはCookieを使用せずに、プライバシー保護に準拠するデータを収集できるようになる。Topを使用すると、投票やゲーム、コンテストなどのインタラクティブコンテンツを作成し、そのデータを収集して顧客プロファイルを作成できるようになる。顧客プロファイルには買い物の傾向や購入意思などのデータが含まれる。同社ではデータとエンゲージメントプラットフォームの使用料をクライアントに毎月請求する。

Undockは、会議のスケジュールと調整に重点を置いたSaaSビジネスだ。予測機械学習モデルによって、空き時間、優先事項、行動を比較し、参加者に最適な会議時間を見つける。またUndockプラットフォームは、あらゆる会議プラットフォームに対応する共同アジェンダとメモ機能を提供する。Undockはフリーミアムモデルを導入している。

関連記事:ソフトバンクとWeWorkがEmergeアクセラレータの最初のスタートアップ14社を選定

Category:VC / エンジェル

Tag:アクセラレータープログラム ERA

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(翻訳:Dragonfly)

歯列矯正装置のbyteが絶好調、2020年の売上高は108億円を予想

自己資金で創業した企業にみられる特徴の1つが、VCの支援を受けた競合相手より成長スピードが遅いことだ。外部から支援を受けずに行うマーケティングの費用は売上高に頼っていて、売上高は往々にしてマーケティングでの支出に頼っている。この2つの要素の微妙な関係は成長スピードを緩やかにする。それに比べ、VCの支援を受けた企業は売上をあげる前に資金を注入でき、これにより成長スピードを早めることができる。

byte(バイト)は自己資金でもっと早く成長できる方法を見つけ出した。2017年に設立され、2019年初めにプロダクトを立ち上げた同社は、会長のNeeraj Gunsagar(ニーラジ・ガンサガー)氏によると、売上高のランレートが2020年第2四半期に1億ドル(約108億円)に達する勢いだ。

同社は創業は初めてという人が自己資金で興したスタートアップではない。byteはシリアルアントレプレナーのScott Cohen(スコット・コーエン)氏とBlake Johnson(ブレーク・ジョンソン)氏によって設立された。コーエン氏は2011年に初めての会社を設立し(2016年にDeluxe Corporationに買収された)、ジョンソン氏とともに立ち上げたコーエン氏の2つめの会社Currencyは未公開会社に2019年に売却された。

そしてコーエン氏とジョンソン氏は、byteを次のステージへと成長させ、国際展開と次のプロダクトの展開に備えるために、TrueCarの元CMOで同社で8年過ごしたガンサガー氏に助けを求めた。

しかし話を戻そう。byteは目立たない歯列矯正装置を扱っていて、InvisalignやSmileDirectClubといった大手、そしてCandidのような小規模の在宅歯列矯正のスタートアップが競っている業界に参入した。しかしそうした競合相手とbyteの間には大きな違いがある。

まず、テクノロジーだ。治療プランには歯型を取るキット、目立たない矯正装置そしてHyperbyteと呼ばれるデバイスが含まれる。Hyperbyteは、歯列矯正をスピードアップするために、高頻度振動(HFV)で歯の根やその周辺の骨に微小パルスを送る口の中で使用するデバイスだ。

HFV治療はFDA(米食品医薬品局)に承認されており、歯科矯正医のクリニックで提供されている。しかし通常かなり高額になる。

Hyperbyteは、byteのサービスに含まれていて、サービス代金は1895ドル(約20万4000円)だ。bytePayという支払いプランも用意されていて、この場合、月々83ドル(約8900円)を2年ちょっと払う。一括払いの方が349ドル(約3万7600円)安い。同社はまた、歯列矯正と併せて使用できるホワイトニングのソリューションもパッケージに含めている。

byteのすべての治療プランは、医師免許を持っている歯科矯正医がレビューする。そして顧客は治療期間中に臨床面で何か問題があれば歯科矯正医または歯科医に相談できる。また、咬合治療に保険を適用できる場合もある。

別の表現をすると、byteは歯列矯正治療にかかるコストと時間を軽減するものだ。重要なことには、byteは軽度の咬合異常、そして少しの隙間やわずかな歪みといったさほどひどくはない歯並び、過蓋咬合のような複雑ではない問題を専門としている。

最も興味深いのは、byteが2020年第1四半期に爆発的な成長を見せたことだ。2020年1〜3月の売上高は前年同期の10倍だった。そして第2四半期も10倍成長の勢いを持続しているという。byteはまたTechCrunchに対して、新型コロナウイルス(COVID-19)前のEBITDAは良好だった、と述べた(すべての非公開企業にいえることだが、そうした数字はbyteのものでありTechCrunchは確認していない)。

利益がbyteの財政状態を改善している。最初の歯型取りキットにたどり着くまでの顧客獲得コスト(CAC)は、2019年末に平均189ドル(約2万円)だったが、2020年4月末までに88ドル(約9500円)に下がった。

CACの急激な低下にはいくつかの要因が絡んでいる。ガンサガー氏によると、Googleキーワードの価格は新型コロナウイルスパンデミックの最中に大幅に下がり、直接そしてオーガニックのトラフィックが倍に増えた。これはおそらく新型コロナパンデミックで自己磨きへの関心が高まったためだ。

高まる自己磨きの潮流に乗った企業はbyteだけではない。「自己磨きへの関心、この期間を有効活用しようというトレンドがある」とRakuten IntelligenceでマーケティングSVPを務めているJaimee Minney(ジャイミー・ミニー)氏はCNBCに語った。「本の売上が増えている。ゲームやパズル、そして健康・美容部門の売上も同様に伸び始めている。特に2019年と比較するとそうだ。私が今後注意を向けるのは自己磨きのものだ」。

これまでは、こうした状況で会社の成長を加速させるために他の企業はマーケティングにより資金を投じていた、とガンサガー氏は説明した。

「我々は事業拡大に伴って、顧客体験も収益性も犠牲にしない」とガンサガー氏は話した。「我々はシステムを通じてあまりにも多くの歯型取りキットを展開したくない。何故なら、テクノロジーと体験の点でしっかりとサポートできることを確かなものにしたいからだ。我々が投じる資金はすべてかなりの収益を生んでいる。さらに資金を投入しても目標とするCAC150ドル(約1万6000円)は下回っていて、今年の売上高は1億ドルを超える。しかし我々のNPS(ネットプロモータースコア)や顧客満足度がひどいものにならないはず、とすごく自信があるわけではない」

用心深い成長戦略を描く中で、ガンサガー氏とbyteは幅広いテックエコシステムを漠然と眺めているわけではない。成長のためにあらゆる犠牲を払い、結局失敗に終わったテック企業を我々は目の当たりにしてきた。歯列矯正の分野でもそうした例はある。例えばSmileDirectClubは2019年9月のIPO前にすばらしい成長を達成したが、返金と引き換えにNDAを求められたという顧客から批判を浴びた

byteのもう1つの重要な戦略は、今後立ち上げられる歯科医や歯列矯正医とつながることができるbyteProだ。ヘルスケア専門家を切り離すのではなく、ともに成長しようという考えに基づいている。

2020年6月から展開されるbyteProでは、歯科医や歯列矯正医はbyteのプロセスにこれまで以上に関わることになる。これからサービスの利用を始めるクライアントは、byteの歯列矯正プロセスに関わって欲しいとかかりつけの歯科医や歯列矯正医に依頼できる。またオンラインで注文しなくても歯型取りインプレッションキットをかかりつけ医のクリニックで入手することすらできる。一方で、歯科医や歯列矯正医はbyteProネットワークに加入して新規患者とマッチングしてもらえる。さらにbyteを購入した人が年間を通じてこれまでよりもクリーニングや他の治療など歯のことを気に掛けるようになる、とbyteは話す。笑顔をすてきなものにするために投資した人に、いい歯科医や歯列矯正医を引き合わせることをbyteは目的としている。

byteはVCの支援は受けていないが、女優で投資家のKerry Washington(ケリー・ワシントン)氏から小額の資金を受けている。ワシントン氏はThe WingとCommunityにも投資していて、byteではクリエイティブ・ディレクターを務める。

「ポートフォリオを引き続き増やすための方法を探していたとき、自分自身が関わることを誇りに思えるような企業にフォーカスしていた。誇りに思えることとは、プロダクトの質と人々の暮らしの質をいかに向上させるかというものだ」とワシントン氏は述べている。「声を上げられることは本当に重要だ。byteに関しては『もし口を開けられらないのなら、声を出すことはできない』といってきた。そして顧客から話を聞くとき、人々は笑ったり話したりすることを恐れる。私はbyteが多くの点で人々の暮らしをいい方向へと変えられるツールだと認識した」。

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(翻訳:Mizoguchi

IT部門をクラウドから支援するElectricが01 AdvisorsとSlack Fundから7.6億円調達

IT部門をクラウドに置くことを目的とするプラットフォームのElectric(エレクトリック)は、2020年初めのシリーズBの延長に続く資金調達を発表した。

01 AdvisorsのDick Costolo(ディック・コストロ)氏とAdam Bain(アダム・ベイン)氏およびSlack Fund(スラック・ファンド)が、700万ドル(約7億6000万円)の資本注入に応じた。

Electricの創業者兼CEOのRyan Denehy(ライアン・デネヒー)氏によれば、01 Advisorsが大部分の500万ドル(約5億4000万円)を出資し、Slack Fundが100万ドル弱(約1億1000万円弱)、その他の既存投資家が残りをカバーしたという。

Electricの資金調達状況は少し変わっている。同社は2019年1月にGGVがリードするシリーズBラウンドで2500万ドル(約27億円)を調達した。ロックダウン直前の2020年3月には、コストロ氏とベイン氏からの投資のために、より高いバリュエーションでシリーズBを再開し追加で1450万ドル(約15億6000万円)を調達した。

そして新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが世界を揺さぶった。3月9日の月曜日に株式市場が揺れを感じ取り、一時的に取引が停止された。翌週の金融市場は完全にカオスとなった。

ベイン氏が再びデニー氏に声をかけたのはその時だった。彼らは、この激動の時代におけるElectricの可能性について意見を戦わせた。

「リモートワークが劇的に増える」とデニー氏はベイン氏との会話を引き合いに出しながら語った。「大企業は予算に対してもっと工夫するようになる。ITのようなバックオフィス業務の予算をより効率的に使う方法を見つけることが急務だ。Electricを使えば大きなIT部門を構築するより金額的に数段効率が良いため、Electricの魅力は増している」。

4月の最初の週にベイン氏は再びデニー氏に電話をかけ、01 AdvisorsからElectricにもっと投資したいと語った。

Electricは、組織内のIT部門をサポートするために設計されたプラットフォームであり、場合によっては外部委託されたIT部門の機能に置き換わるものだ。IT部門の責任のほとんどは、ソフトウェアプログラムの管理、配布、保守に重点を置く。ElectricはIT部門が社内のすべてのマシンにソフトウェアをインストールすることを可能にし、組織内のITに関する状況を俯瞰できる。IT部門が実際の問題解決とトラブルシューティングのタスクに集中する時間を増やすことも可能だ。

IT部門のスタッフは、自分のマシンから権限の付与や取り消しや役割の割り当てを行い、全従業員のソフトウェアを最新の状態に保つことができる。

ElectricはDropboxやG SuiteなどのトップソフトウェアプログラムのAPIとも統合されているため、IT部門はElectricのダッシュボードを介して日常業務のほとんどを処理できる。さらに、ElectricはSlackとも統合されており、組織内の人々が問題にフラグを立てたり、普段最もよく使うプラ​​ットフォームから質問したりできる。

「Electricの最大の課題は需要に対応することだ」とSlack FundのJason Spinell(ジェイソン・スピネル)氏は述べた。Electricのシードラウンドでの投資を見送ったことにも言及し、「その間違いを修正できることに興奮している」と述べた。

Electricはまた、ドックに設置できる新しいセルフサービス製品を追加した。これにより従業員は組織がリモートオフィスから提供するすべてのソフトウェアアプリケーションを見ることができる。

「多くのIT部門で現在、大量の仕事を少数のメンバーでこなす必要に迫られ、負荷がかかっている」とデネヒー氏は述べる。「また、ITプロバイダーにアウトソーシングしていて、彼らに週に何回かオフィスに来てもらっていた会社もあるが、それは突然機能しなくなった」。

デネヒー氏によると、Electricは現在のエコシステムの中でマーケティングに資金を使い続けているが、受注見込みのある潜在的なクライアントからの関心が180%増加したという。

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(翻訳:Mizoguchi

Zoomアプリコンテストで議題・議事録作成プラットフォームのDocketが優勝

ZoomはアプリのMarketplaceのコンテストDocketを勝者と決定した。Docketはオンライン会議の生産性をアップすることを目的として2019年1月に設立されたスタートアップだ。 同社によればリモートであれ対面であれ会議の70%以上が事前に議題が参加者に周知されないまま開かれてきたという。

Docket はすべての会議で主たる議題が周知される必要があったと考えている。このアプリでは議題を作成してメンバーと共有できるだけでなく、議事録を取り、何が決定されたのか関係者と共有することができる。Docketにはタスクマネージャ機能があるので、会議が終了した後、参加者は何をなすべきかこのツールを使って管理できる。

Docketはアーカイブ機能があり、会議別に議事録、決定事項、To Doリスト、メモなどを保存できる。ユーザーは後から必要に応じて情報を検索、確認し、また個々の会議の有効性を評価できる。

Docketは、Evernote、Slack、それにもちろんZoomと統合できる。例えばDocket Bot for Zoomを使用すると、Zoomの多彩な機能がすべて利用でき、トップ画像のように議題を事前周知できる。また会議中に参加者が追加するるメモはZoomチャットに直接表示される。参加者はZoomチャットから離れることなく共同でメモを取ることができる。

またDocketはZoomの文字起こしと録音を取得し、Docketの会議資料に添付する。参加メンバーは会議後にどういう決定がなされたのか、文字通りの表現を検索できる。

Crunchbaseのデータによれば、Docketはスタートアップ・スタジオのHigh Alpha、Simon Equity Partners、Elevate Ventures、Allos、Venturesから 150万ドル(約1億6000万円)のシード資金を調達している。また Zoomの最大の投資家であるEmergence Capitalは、2015年にHigh Alphaに投資している。

ZoomのMarketplace Appコンテストは2019年10月にZoomtopiaで発表され、勝者はZoom自身とEmergence、Horizons Ventures, Maven Ventures、Sequoia Capitaなどの投資家によって選ばれた。

Docketはこれらのベンチャーキャピタルからの最大200万ドル(約2億1500万円)の資金提供とZoomのプロダクトの責任者からのコンサルティングを受ける。またこのZoomにはDocketの開発を優先的にサポートしていくという。副賞としてDTEN のD7 55インチオールインワンのタッチボード、3年間のZoom Roomsライセンスと10人分のZoom Proライセンス3年ぶんが贈呈される。
docket
Docket以外の最終予選通過者は、AmbitionBloomDiscuss.ioFridayiScribeHealthPledgelingSessionSocial27Tiledの各チームだった。これらファイナリストには、Logitech(日本ではロジクール)の好意により、ビデオ会議キット「Logitech Pro Personal Video Collaboration Kit」(パーソナル・ビデオ・コラボレーション・キット)が贈られた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ライブ向けバーチャルイベント用カレンダーアプリ開発のIRLがウェブ版をリリース

ライブのバーチャルイベントをまとめるカレンダーアプリに最近事業転換したIRLが、米国時間5月6日、このプラットフォームのウェブ版をリリースした。

IRLは、Goodwater Capital、Founders FundFloodgateから1100万ドル(約12億円)を調達し、関心と地域に基づいて現実の世界で仲間を見つけるソーシャルプランニングアプリとしてスタートした。

同社は事業を進めるうちにカレンダーそのもののパワーに気づいた。共同創業者でCEOのAbe Shafi(エイブ・シャフィ)氏は、まだ誰もカレンダーをソーシャルにすることはできていないと説明する。ある人の音楽をSoundCloudでフォローし、その人の最新情報はTwitterでフォローする。ではその人のイベントはどうやってフォローすればいいのか?

新型コロナウイルスが広がる前は、イベントは実際に開催され、人々は会場に集まった。しかしバーチャルイベントに事業転換したIRLにとって、新型コロナウイルスは広い世界を開いたのかもしれない。

YouTube、Twitch、Spotify、そしてユーザーが作成するコンテンツと連携するAPIを通じて、IRLは世界中のバーチャルイベントをすべて好みに応じて整理し、ホームページ上にまとめようとしている。まとめたいバーチャルイベントには、eスポーツのトーナメントやバーチャルコンサート、Zoom飲み、ウェビナーなどがあるだろう(ちなみに「IRL」は、以前は「In Real Life」の頭文字だったが、今は「In Remote Life」だ)。

これを推進するには、今回リリースされたWebのプレゼンスが不可欠だ。ユーザーはコンテンツ制作者をフォローすることもできるし、単に個々のイベントの通知を受けるだけでもいい。さらにIRLは、コンテンツ制作者が自身のウェブサイトに配置するための「カレンダーに追加」ボタンもリリースした。

現在「カレンダーに追加」ボタンは一部のパートナーのみが利用できる。今後このボタンを自身のウェブサイトに配置したい人は、ウェイトリストに登録する。

シャフィ氏はTechCrunchに対し、同社の収益化プランについて「収益化を目指す前に、まず現時点ではクリティカルマスを獲得することに集中している」と前置きした上で次のように語った。

「我々は収益の意識について考えている。FacebookやInstagramを利用しているとき、収益に関する意識は低い。友達が何をしているかに興味があるからだ。一方、Googleを利用しているときは収益に対する意識をはるかに強く持つ。何かを見つけたりどこかへ行こうとしたりしているからだ。人々はIRLを使って誰かが何らかの方法で収益化しようとしているコンテンツにアクセスするという意味で、我々の収益の意識はFacebookやInstagramよりもGoogle検索にずっと近い」(シャフィ氏)。

コンテンツ制作者はアプリを使ってイベントをプラットフォームに追加する必要があるが、シャフィ氏はTechCrunchに対し、ウェブ版にも同じ機能を追加する予定だと述べた。

IRLがコンテンツ制作自体に参入するかという問いに対しシャフィ氏は、その前提は「頭痛の種だ」と答えた。

「我々はコンテンツの集まる場所になりたいと考えている。多くのすぐれた人々がコンテンツを作っている。コンテンツビジネスへの進出は手強い。コンテンツを見つけるのに最適なサービスだと思われれば、我々にとっては大成功だ」と同氏。

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(翻訳:Kaori Koyama)

デザインコラボプラットフォームのFigmaが約53億円調達、新型コロナ禍でも需要増

コラボワークやクラウド作業ができるデザインプラットフォームのFigma(フィグマ)は4月30日、5000万ドル(約53億円)のシリーズDのクローズを発表した。本ラウンドはAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)がリードし、パートナーのPeter Levine(ピーター・レヴィン)氏と共同創業パートナーのMarc Andreessen(マーク・アンドリーセン)氏がディールをまとめた。既存投資家のIndex、Greylock、KPCB、SequoiaそしてFounders Fundとともに、Durable CapitalのHenry Ellenbogen(ヘンリー・エレンボーゲン)氏を含む新たなエンジェル投資家も本ラウンドに参加した。

本ラウンドによりFigmaのバリュエーションは20億ドル(約2140億円)になったとForbesは報じている。Figmaの創業者でCEOのDylan Field(ディラン・フィールド)氏は、Andreessen HorowitzとFigmaの話し合いは実際には2019年2月にクローズした資金調達シリーズCの終わり頃から始まっていた、とTechCrunchに語った。

「できちゃった結婚みたいな感じがした」とフィールド氏は語り、それでも両社は互いをよく知ることにした、と説明した。両社は2019年に関係を構築し、シリーズDのクローズに至った。フィールド氏はまた、本ラウンドに参加した他の投資家には直接顔を合わせておらず、ディールの大半はZoom越しに行われたとも語った。

「シリコンバレーの将来を考えたとき、シリコンバレーの資本インフラ、そしてシリコンバレーにいなければアクセスできな人、という点で興味深い疑問がある。私は今回オンラインでのディールがいかにうまくいくかを目の当たりにした。より多くの投資家がシリコンバレーにいるかどうかを気にしなくなると思う」とフィールド氏は話した。

Figmaはステルスモードで6年近くかけて準備された後、2015年に創業された。デザインのGoogleドキュメントとなるような、コラボができてクラウドベースのデザインツールをつくる、というのが目的だった。

以来、Figmaは個人のデザイナーや中小企業、大企業の使い勝手が良くなるようなプラットフォームを築いてきた。例えば同社は2019年にプラグインを開発した。デザイナーが取り組んでいるレイヤーに新たに名前をつけたり整頓したりといったことが自動的にできるプラグイン(Rename.it)のようなものをデベロッパーが自分のツールで構築できるようにする。また自動的に見つけて後に置き換えるプレイスホルダー・テキストをユーザーが加えることもできる(Content Buddy)。

同社は、Communityという教育用プラットフォームも立ち上げた。このプラットフォームではデザイナーが自分の作品をシェアし、他のユーザーがそのデザインを「リミックス」したり、単にどんなふうに作られたのかをチェックしたりすることができる。

同社の広報担当はTechCrunchに対して、今回のディールは機会に恵まれたものであり、資金調達前でも資金は豊富だった、と述べた。新型コロナウイルスが猛威を振るう現在では、多くの企業が購入を控えたり将来が見込まれる企業の成長が緩やかになったりしており、新たな資金調達はこの不確実な時代にFigmaの取り組みを拡大させるものとなる。

Figmaはチームがクラウドでコラボするように作られているため、同社のデータは企業の購入活動を語るものになるとフィールド氏は説明した。

「販売面に目を向けると、大きな取引がどんどん進んでいる」と同氏は述べた。「Figmaは今すぐ役立つルールだ」。新型コロナウイルス蔓延の中で興味深い変化の1つは、Figmaでのコラボ作業でユーザー利用時間が飛躍的に伸びたことだ。また、企業がデザイナーチーム内だけでなく組織全体でコラボ作業を行うツールとしてFigmaを利用し始め、ホワイトボード作業、ノート取り、スライド作成、図表の作成などが増えた。

今回のラウンドにより、Figmaがこれまでに調達した資金は1億3290万ドル(約140億円)になった。同社はまだ黒字化できていないが、成長するためにアグレッシブに展開し、新規採用を行っても今回の資金調達で今後3、4年の事業費を賄える、とフィールド氏は述べた。

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(翻訳:Mizoguchi

子供向け睡眠・マインドフルネスアプリのMoshiが約13億円を調達

「子供が起きていたら、あなたも起きていることになる」。Moshiの創業者でCEOのIan Chambers(イアン・チェインバーズ)氏はそう語る。

大人の間ではマインドフルアプリの人気が高まっているが、Moshiはマインドフルネスと瞑想のテクニックを子供に利用してもらうためのアプリだ。米国時間4月21日、MoshiはAccelが主導したシリーズBで1200万ドル(約13億円)を調達したと発表した。このラウンドには、LocalGlobeの姉妹ファンドでシリーズB以降を支援するLatitude VenturesTriplepoint Capital、MTVのCEOだったBill Roedy(ビル・ローディ)氏も参加した。

今回の資金調達に伴い、Latitude VentureのJulia Hawkins(ジュリア・ホーキンス)氏がMoshiの取締役になった。

Moshiはもともと、Calmの創業者でCEOのMichael Acton Smith(マイケル・アクトン・スミス)氏が創業したMind Candyから生まれた。同氏はMoshi Monstersという子供向けオンラインエンターテインメントプラットフォームを作った人物だ。2015年に同氏はCalmを創業するためにMind CandyのCEOを辞め、チェインバーズ氏が後任となった。その後、2017年にMoshiを開発、公開し、Mind CandyはMoshiとリブランドした。

Moshiは子供が眠れるようにするアプリだ。このアプリでは150種類近くのオリジナルコンテンツを提供している。このうち80種類は、同社がオリジナルで制作した30分間の寝かしつけ用物語だ。オリジナルコンテンツ制作を指揮しているのは最高制作責任者のSteve Cleverley(スティーブ・クレバリー)氏だ。同氏はMoshi Monstersが英国アカデミー賞を受賞したときの作家で、アプリ内コンテンツの著作、作曲、制作を担当している。

Moshiの寝かしつけ用物語は、すべて同じような構成になっている。ナレーション、歌、そしてBGMだ。物語は細部にまで配慮して丁寧に作られている。例えばこのアプリで最も人気のある物語のひとつ「Mr. Snoodle’s Twilight Train」では、物語全体にわたってバックグラウンドに「シュッシュッポッポ」と汽車の音が流れている。子供を安らかな眠りに導くために、この効果音は子供の安静時の平均心拍数と同じテンポになっている。

またMoshiは、このプロジェクトに有名人の協力を得ている。女優のGoldie Hawn(ゴールディ・ホーン)や俳優のSir Patrick Stewart(パトリック・スチュワート)がナレーションを担当しているほか、声優も参加している。

このアプリでは、保護者がオリジナルのプレイリストを作ったり、「慌ただしい心に」などテーマごとのプレイリストを選んだりすることができる。

Moshiには睡眠だけでなく、休憩のときや不安を感じたときなど、1日中使えるマインドフルネスのコンテンツもある。

Moshiは最初の1週間は無料で試用でき、その後は年額40ドル(アップルの日本のApp Storeでは3700円)のサブスクリプションがある。6種類のコンテンツは誰でも無料で利用できる。

サブスクリプション利用者は10万人を超え、物語は8500万回再生された。チェインバーズ氏はTechCrunchに対し、全ストーリーの70%が完成していると述べた。

Moshiは今回調達した資金で、睡眠関連の専門家や科学者と協力して新しい機能やコンテンツを開発する計画だ。また、マーケティングや広告、提携により、さらなるユーザー獲得も目指す。

「朝、私が目覚める理由は、決まり文句のように聞こえるかもしれないが、フィードバックだ。フィードバックは、家族の生活を向上させ健康と幸福に良い影響を与えるために我々がどのように役立っているかを語るヒューマンストーリーだ。それが我々の心をかきたてる」と同氏。

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(翻訳:Kaori Koyama)