Instagramではもっとクリエイティブなやり方で写真やストーリーにお返事できる

Instagramが、またやりました。今度は、誰かがプライベートな会話で写真やビデオを送ってきたら、その写真などにいたずらをして、クリエイティブな返事ができるのだ。しかも会話の筋道は、失われない。

写真やビデオを受け取ったら、その会話のスレッドで返事(reply)ボタンを押す。すると写真が上右隅のステッカーに換わる。それをそこに置いたまま、返事で話の続きをする。

あるいは、そのステッカーをいろいろ動かしたり、傾けたり、その周りに飾りを描いたりできる。ビデオの場合は、最初の場面のスクリーンショットがステッカーになる。

右上のステッカー(上図左)をタップすると、それが画面の上半分を占領する(上図中)。下半分には、自分の自撮り(セルフィー)を入れられる。写真共有アプリにFrontbackってのがあるけど、それは目の前のものを撮って、それに対するリアクションを自撮りで送る。今回のInstagramの機能はそれと同じで、本来の話の筋道(コンテキスト、文脈)とリアクションの両方を送れる。

でももちろんInstagramならフィルターも使えるし、自分の写真の上にお絵かきをしたり、ステッカーを貼ったり、テキストを書いたり、いろいろなクリエイティブなツールをすべて一緒に使える(上図右)。リアクションも、写真以外にビデオ、ブーメラン、フィルターをかけた自撮りなどで送れる。

しかも今度の新しい返事(リプライ)の仕方は、ダイレクトメッセージ以外にも使える。たとえば何かのストーリーを見ているとき、画面下のテキストフィールドにテキストを記入したり、あるいは画面左下のカメラのアイコンをタップすれば写真やビデオを送れる。自分のストーリーを今見ている人から、さまざまなリプライが来るのだから、すごく嬉しいだろうな。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

BitcoinウォレットのBlockchainがEthereumにも対応

Blockchainは世界で一番人気の高いbitcoinウォレットだ。そして今日からBlockchainユーザーは、Ethereumウォレットを作ってetherを保管できるようになった。

Blockchainは、CoinbaseやKrakenのような中央集権型取引所ではない。単なるウォレットでありユーザーは自分の所有する暗号化通貨を安全に保管できる。多くのサービスと比べてBlockchainは堅牢でハックされにくい。

ウェブまたはモバイルアプリを使ってBlockchainのウォレットを作る。ただし運営会社はユーザーの残高や取引内容を見ることができない。ウォレットのバックアップはBlockchainのサーバーに置かれるが、ウォレットの鍵はユーザーが自分で管理する。

この方法はかなり人気が高く、現在1400万件のBlockchainウォレットが作られている。また同スタートアップは、最近4000万ドルの資金調達を完了した。

bitcoinやetherを買いたいときは、Blockchainがいくつかの取引所と提携しているので、スムーズに手続きができる。米ドル、ユーロなどあらゆる通貨を送金して、bitcoinを受け取りBlockchainウォレットの中にいれることができる。

新たに加わったEthereumウォレットは、bitcoinウォレットとまったく同じように使えるようだ。同社は ShapeShiftと提携しており、Blockchainユーザーはbitcoinとetherを相互に両替できる。

これまでbitcoinウォレットに特化してきたBlockchainが、Ethereumを採用したのは興味深い動きだ。世界唯一の暗号化通貨などないことの証しとも言える。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、拡張現実(AR)を使った徒歩ナビを計画か?

ARKitは、iOS 11で最大の変化の1つだ。舞台裏でAppleは、iPhoneを非常に有能な拡張現実(AR)装置に変えようとしている。Felix Lapalme‏は、マップアプリのソースコードを見て、Appleがturn-by-turn[曲がり角ごと]ナビゲーションにARを利用するのではないかと探ってきた。

そして7月22日、iOS 11のベータ版を掘り返していたLapalmeは、マップアプリの中でこの謎めいた3D矢印を発見した。

従来のナビゲーションアプリのように、Appleはこの矢印をマップの経路案内に使うのだろうと思う人もいるかもしれない。しかし、コードの中には、徒歩ナビゲーションを利用中、顔の前で端末を傾けるよう指示する部分がある。

それに加えて、マップアプリはiPhoneのカメラを使うことになるらしい。これはiPhone 8が内蔵する可能性のある機能に関する大きなヒントだ。そして、そこにヒントがあるとき、Appleは隠そうとする。

[うーむ、これに関連するコードは全部消えているようだが、3D矢印だけは残っている]

GoogleのProject Tangoを覚えているだろうか。その中でGoogleは、美術館やショッピングモールなどの室内ナビにARを利用することを約束した。

すでにAppleは、空港やモールの詳細マップをiOS 11に組み込む計画があることを公表している。iOS 11と次期iPhoneは9月に公開される。だからもしAppleが、空港内を歩き回ったり、近くのコーヒー店を見つけるのにARを利用すると発表しても驚くにはあたらない。ARKitフレームワークを試しているAndrew Hartというデベロッパーが作ったアプリを下に貼ってあるが、これと似たようなものになるのだろうか。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ライター御用達の人気アプリUlyssesがサブスクリプションモデルに移行

Ulyssesはライターたちに最も人気のあるアプリの1つだ。統一されたインターフェイスで、書き、編集し、整理し、同期し、すべての原稿をエクスポートすることができる。こうしたことから、サブスクリプションのみのビジネスモデルに切り替えることが興味を引くのだ。

私はこれまでにUlyssesについて何度か書いている(記事1記事2)。これは、iOSとmacOSのために作られた、堅実で良くデザインされた、著作用アプリだ。マークダウン書式を用いて、WordPressやMediumを含む多くの形式への書き出しを可能にしている。

UlyssesはiOSとmacOS上で全く同じアプリを提供していて、これによってiPhoneとiPad向けにもプロフェッショナルアプリが開発可能なことが証明されている。その開発会社は、WWDCでApple Design Awardを受賞したこともある。これまでMac版は45ドルで、iOS版は25ドルで提供されていた。

同社はウェブサイト上で無料のmacOS体験版を配布していたが、iPhoneやiPad上でこのアプリを試してみる簡単な方法はなかった。さらに、内容が同じアプリをすべての端末で使用できるようにするのに、(macOS版とiOS版で)2回購入しなければならないのは少し混乱させるものだった。しかしもし職業作家であり、2つのアプリに60ドルを払うつもりがあるのなら、Ulyssesは著作スタジオとして機能してくれる。

昨日同社は、一括払いの購入オプションを取りやめることを発表した。Ulyssesを使いたい場合には、これからはまずiOSとmacOS用のアプリをダウンロードし、無料で14日間の試用を始めることができる。その後、使用を続ける場合には月額4.99ドルあるいは年額で39.99ドルを支払わなければならない。これまでUlyssesを利用していたユーザーの場合は、年間サブスクリプションに10ドルのディスカウントを受けることができる。また学生の場合は6ヶ月11.99ドルの特別サブスクリプションが用意されている。

そして、これによって、多くの人びとがサブスクリプションのことを気にしていることが明らかになった。数億もの人びとがSpotifyやNetflixなどのコンテンツサービスにアクセスするためにサブスクリプションを支払っている一方で、アプリに対してサブスクリプションを行なうことはまだ一般的とは言えない。

(Ulyssesの共同創業者である)Max Seelemannは、サブスクリプション価格設定についての裏付けの詳細な説明を書いている。1顧客としての私は、サブスクリプションがUlyssesをより持続可能なものにしてくれることをとても喜ばしく思っている。

Ulyssesのウェブサイトによれば、Ulyssesでは十数人が働いている。私は自分自身の購入履歴を振り返ってみた。私は早い時期にUlyssesを購入したので、どちらのアプリも現在の正規料金よりも安く購入できている。4年半前にMacのアプリに20ドルを支払い、18ヵ月前にはiOSアプリに20ドルを支払った。

4年半の間に40ドルを支払う顧客を相手に、成功したビジネスを構築する方法は存在しない。あなたの地元の喫茶店は、雇っている従業員数は少ないものの、顧客が生涯に払う金額はずっと多いものだろう。

AdobeやMicrosoftなどの大手ソフトウェア企業は、サブスクリプションへの切り替えに成功した。大多数の顧客と企業は、Photoshop、Microsoft Wordなどのプロダクティビティアプリにアクセスするために、毎月の料金を支払っている。

しかし、大部分の小規模ソフトウェア企業は、依然として一括購入と定期的な有料アップグレードに依存している。それこそが多くのアプリが、最後は見捨てられたり、OSのメジャーアップグレードのあと動作しなくなったりする理由なのだ。Ulyssesがこの流れを変えることができるかどうかを見てみよう。

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(翻訳:Sako)

間違ってリリースされたHomePodファームウェアから、新しいApple TVに4Kサポートが入ることが明らかに

先週Appleは、HomePod用のファームウェアを誤ってリリースした。このファイルはまだリリースされていないAppleのデバイスへのレファレンスが詰め込まれていた(リンク1リンク2リンク3)。Guilherme Ramboが発見した、ライブラリファイル中の文字列によれば、次のApple TVは4Kビデオをサポートするだけでなく、Dolby Vision、HDR10、Hybrid Log-Gammaといった各HDRフォーマットをサポートする予定のようだ。

4K HDR Apple TVだって?見つけた!

そもそも競争に出遅れているAppleが、高解像度のビデオをサポートするからといったところで、本当の驚きではない。Amazonが4K Fire TVをリリースしたのは2015年だ。Googleは昨年、4KをサポートするChromecastをリリースした。Rokuは2015年に、そのラインナップに4Kデバイスを追加し始めている。

(「でもそれはHDR10やDolby visionなの?」と聞かれて)両方とも。

さらに興味深いことに、新しいApple TVはハイダイナミックレンジ(HDR)ビデオをサポートする予定のようだ。HDRは説明するのが少々難しい。単に画面上にピクセルが増えるといった話ではないからだ。もしHDR対応のテレビを持っているならば、ビデオやゲームを、より良いコントラストや明るさのレベル、そして全体的により広い色の幅で表示することができるようになる。

PlayStation 4、Xbox One S、最新のRokuなどの多くのデバイスがHDRをサポートしているが、HDRをサポートしている映画やテレビ番組を見つけるのはまだ難しい。

現在HDRには、HDR10、Dolby Vision、HLG、HDR10 +、SL-HDR1などの、競合する規格があります。Appleはこのうち、最も代表的な3つの規格へのサポートを行なう予定のようだ。これは市場のほとんどのテレビと互換性があるものだが、次にテレビを購入するときには注意が必要だ。

一部のiTunes Storeユーザーはまた、過去に購入したものをブラウズしている際に、HDRをサポートしている4Kムービーへの参照ができることに気が付いた。この情報をHomePodのリークと組み合わせると、4K Apple TVがそれほど遠くない将来に登場することは明らかだ。AppleがApple TVを最後に更新したのは2年前だった、これはホリディシーズンのための素晴らしい贈り物になるだろう。

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(翻訳:Sako)

FEATURED IMAGE: STEPHEN LAM / STRINGER/GETTY IMAGES

iPhone 8は、テーブルの上からでも顔認識するらしい

Appleのスピーカー、HomePodのファームウェアは永遠に楽しめる玉手箱だ。同社がスピーカーファームウェアの早期ビルドを公開するや、多くのデベロッパーがライブラリーファイルの文字列を探索して、次期iPhoneに関するヒントを探した。そして情報サイトのiHelp BRは、顔認識機能に関する興味深い参照を発見した。

HomePodファームウェアの最近のリークによると、iPhone 8(あるいはどんな名前であれ)はデバイスのアンロックに顔認識を使うらしいことがわかった。コードネーム Pearl IDと呼ばれる新機能は、現在の指紋認識、Touch IDを置き換えることになる。

iHelp BRは、端末がテーブル、デスクなど平らな面に置かれている時でもアンロックできる設定/機能に関する参照(”resting.pearl.unlock”)を見つけた。私もHomePodのファームウェアを調べたところ、同じ参照文字列が見つかった。

さらにはPearlを使用しているサードパーティーアプリへの参照もある。どうやらデベロッパーは、機密データのアンロックに顔認識を利用できるらしい。最近のiPhoneではデベロッパーがTouch IDセンサーを利用できる。

AppleがTouch IDのサポートをやめるかもしれない報道が流れ始めた時、人々は懐疑的だった。顔認識は実用的ではなさそうに思えた ―― 使うたびに顔の前に端末をもってくるのはいやだ。顔の一部が隠されているときや暗いときの問題もある。

しかし、どうやらAppleは、顔認識を指紋認識より便利にしたいと思っているようだ。顔の検知には赤外線を利用するので暗闇でも使える。複数のリークがほのめかすところによると、顔の角度が普通と違っていても機能するという。今日発見された文字列もそれを裏付けている。

噂されている”iPhone 8″ には縦に長い画面が採用され、上部にスピーカーとカメラ、センサーがある以外、端末の前面は完全に覆われている。

当初、AppleはTouch IDセンサーをディスプレーの下に組み込むものと思われていた。しかし、AppleはTouch IDセンサーを埋め込んだディスプレーを何千万台も作れそうにないらしい。顔認識は明快な代替案だ。しかし、現在のiPhoneのTouch IDが驚くほどうまくいっていることを考えると、果たしてAppleが期待に答えられるかどうか注目したい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、iPhoneで撮影した写真をInstagramで紹介――@appleアカウント登場

Appleは先ほどInstagramに公式アカウント、@appleを作った。しかしこれはよくある企業のプロモーション用アカウントではない。AppleはいまさらiPhoneをプロモーションする必要がない。ネット上にAppleの製品の写真は嫌というほどあふれている。@appleはiPhoneで撮影された写真を紹介する場所だ。

いろいろな意味でこのInstagramアカウントはiPhone写真をプロモーションするShot on iPhoneキャンペーンの拡張だ。iPhoneという製品の写真ではなく、iPhoneで撮った写真をプロモーションするにはInstagramは理想的なプラットフォームだろう。

iPhoneで撮影される写真は毎年1兆枚にもなる。世界中でこの瞬間にも多くの人々がiPhoneを使ってユニークな写真やビデオを撮影しているわけだ。そこでAppleではiPhoneカメラの優秀性と同時にiPhoneユーザーの創造性のショーケースにもなるような場所を作ることにした。

@appleに対する最初の投稿から判断すると、このアカウントのAppleのキュレーターはiPhoneで撮影された優れた写真を探し、撮影者にコンタクトして許可を得た上でこのアカウントに再投稿している。つまりApple自身が撮影した写真ではない。

このアカウントにはいくつか興味深い点がある。まずAppleは最近Instagramに追加されたギャラリー機能を最大限に利用し、一度に5人にクリエーターの作品を紹介している。それぞれのクリエーターのInstagramページはキャプションに明示されている。

次に、Appleは一度にいくつもの写真を紹介するためにビデオを用いることがあり、サウンドを追加したりクリエーターにインタビューしたりしている。短いサウンドバイトはHumans of New Yorkを思わせる。 AppleではInstagram Storiesも同様のフォーマットで利用している。

3番目に、Appleはアカウントのプロフィールと各投稿に#ShotoniPhoneというハッシュタグを付加している。AppleはこのハッシュタグをiPhonerユーザーに普及させ、ある種のポップカルチャーに仕立てたいようだ。これまでにも@ihavethisthingwithfloors などInstagramのハッシュタグから多くのミームが生まれている。

@appleはAppleとして初めてのInstagramアカウントではない、@applemusicはすでに220万のフォロワーを持っている。またInstagramにはApple MusicとApple Watchの広告も掲載されている。しかしAppleがInstagramに本来の使い方によるアカウントを作ったのは興味深い。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

iPhone 8のカメラはシーンに応じて自動的に設定を変える

先週、Apple のスピーカー、HomePodのファームウェアの早期ビルドが、Appleのデベロッパー向けウェブサイトで公開された。Guilherme Ramboが次期iPhoneのヒントを見つけようと、ライブラリーファイル内の文字列を調べ上げた。その結果わかったこと。次のiPhoneは撮影しようとしているシーンのタイプを検出し、カメラ設定を自動的に調節する。

私もこのスピーカー・ファームウェアの文字列を探索したところ、RamboがTwitterに書いていたのと同じく、自動カメラ設定への参照が複数個所見つかった。

思えばスマートカメラ設定というのはまったく新しいというわけではない。iPhoneをしばらく使った人なら、明るいシーンの一部に暗い要素がある時HDR(ハイ・ダイナミック・レンジ)が自動的に有効になるのを知っているだろう。ソースコードにあった “BrightStage” という文字列はこのHDR機能と関係がありそうだ。

しかしほかの文字列を見ると、Appleが様々なシーンや対象物を認識できるようになったことがうかがわれる。例えば以下のような文字列を参照している:baby、beach、concert、fireworks、foliage、forest、mountains、ocean、pet、sky、snow、sport、starry、sunset および sunrise。新しいカメラ機能は文書QRコードも検出できる。Appleはこの2つについてWWDCカンファレンスで言及している。しかし、AppleがQRコードと文書以外にも何かを追加しようとしていることは興味深い。

噂によるとAppleは3種類のiPhoneモデルを開発中だという。9月初めにはパワフルになったiPhone 7sと7s Plusに加えて、まったく新しいスーパープレミアム機種が発表されるに違いない。この噂の”iPhone 8″は、縦長の画面が上部のスピーカーとカメラ、センサー以外、端末前面のほぼ全体を占めると言われている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AppleがNokiaに対して、特許紛争の和解金として20億ドルを支払った模様

AppleとNokiaは特許で争っていたが、先の5月に素早く和解した。しかし、両社は和解金額についてはコメントしていなかった。内容の詳細はまだ公表されてはいないが、Nokiamobサイトが、NokiaがAppleから20億ドルのキャッシュ(17億ユーロ)を受け取ったことを発表したことを記事にしている

これは非常に高額のように見えるが、Nokiaはこの金額をこの先四半期ごとに受け取るわけではない。これは1回限りの過去分を含んだ支払いだ。Nokiaはこのキャッシュを用いて何をする計画なのかについては何も述べていない。

訴訟は昨年末に始まった。Nokiaは当初、AppleがNSNとAlcatel-Lucentの特許だけでなくNokiaの特許の一部を侵害していると訴えた。NokiaはNSNとAlcatel-Lucentを所有しており、それぞれの特許も保有している。

Nokiaによれば、AppleはiPhone 3GSのときから、Nokiaの特許の一部に頼り続けており、長年に渡る侵害が続いていたということだ。それらの特許はソフトウェア、ビデオコーディング、チップセット、ディスプレイ、UI、そしてアンテナに関連したものだ。

AppleがWithings(WithingsはNokiaの一部門)の製品をストアから取り除いたので、この戦いは当初、激しいもののように思われた。しかし、両社はすぐに合意に達し、AppleストアではWithings製品を再び見ることができる。

通常の特許ライセンス契約に署名するのではなく、AppleとNokiaはさらに一歩先に進んで、技術と研究開発について協力することを望んでいる。言い換えれば、Appleはデジタルヘルス、光ネットワーク、IPルーティングに関してNokiaの協力を得る対価として支払いを行うのだ。

この契約のためにAppleがどれだけの金額を支払ったのかを知るために、Nokiaの今後の四半期決算発表を見るのが楽しみだ。しかし確かなことが1つある。Nokiaはこの新しい収益源に対してとても満足しているに違いない。

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(翻訳:Sako)

Adobe、写真編集アプリのProject Nimubsを誤ってリーク

Project Nimbusは秘密ではない。AdobeはすでにMAXカンファレンスでこのアプリをプレビューしている。しかし、MacGenerationはこの未公開アプリをダウンロードしてプレイできてしまった。AdobeはMacGenerationに対して、これは一部のCreative Cloud定期購読ユーザーに誤って短期間公開されたものだと説明した。その後アプリは削除された。

Project Nimbusは様々な意味で、iOSおよびmacOSの写真アプリやiCloudフォトライブラリーに似ている ―― ただし強化されている。写真はクラウドに保存され編集結果をデバイス間で同期することが可能だ。

リーク情報によると、Project Nimbusはユーザーにストレージを1TB与え、写真を全部、あるいはプロのフォトグラファーであれば最近の写真を保存できるようにしている。RAWファイルフォーマットや非破壊編集にも対応している。MacGenerationによると、あらゆる変更はどのデバイスからでも元に戻すことができる。

Project Nimbusの編集ツールは、Lightroomのコピーではない。種類は少なくスリム化している。パソコンとタブレット、スマートフォンで同じツールが使えることは、初心者にとって障壁が少なくメーカーにとって提供も容易だ。もっとツールが欲しければ、いつでも別のアプリを使って写真編集できる。Project NimbusはLightroomの代わりではない。

そして最後に付け加えると、Project Nimbusでは写真のタグ付け、フラグ、評価が可能だが、Adobeは検索を中心に考えている。写真がクラウドに保存されていることによって、Adobeは写真の中身を識別することが可能になる。これを利用して、ユーザーは自然言語を使って(“sunrise”, “penguins”, “mountains” など)写真を特定できる。

Project Nimbusはフォトグラファーが作品を編集するやり方に革命を起こすものではない。しかし、あらゆるデバイスのフォトライブラリーを支える柱になる可能性を持っている。今回のリークはさほど驚きでもなかったが、Adobeが今も開発中であることが証明した。ベータあるいはファイナル版が近い将来出てくることは期待してよいだろう。

MacGenerationのスクリーンショットをいくつか紹介する:

  1. macgpic-1500940524-74010017319784-jpt.jpg

  2. macgpic-1500940539-74025678047971-jpt.jpg

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iOS 11のベータ4がリリース、これが最後のベータか?

Appleのモバイルオペレーティングシステムの新バージョンiOS 11は9月リリースとされているが、その前にまた新たなベータがリリースされた。まだ安定バージョンではないから、テスト機以外の実機にインストールすることはお勧めできない。ご自分のiPhoneが壊れてもよい、という人は別だが。

このベータ4は当面、登録デベロッパーしか入手できない。Appleには公開ベータの流れもあるが、ベータがそこに載るのは通常、デベロッパーベータが出てから数日後だ。

iOS 11をこのところ実際にテストしている人は(そのテスト機…iPhoneまたはiPad…の上で)Settingからアップデートできる。macOS High Sierra, watchOS 4, そしてtvOS 11も今日、ベータのアップデートを受け取った。

そもそもiOS 11は何が新しいのか? その、まだ見ぬニューバージョンはiPadの大きな前進だ、と言われる。アプリのレベルでなくオペレーティングシステムのレベルでファイルのドラッグ&ドロップやアプリのアイコンなどがサポートされるので、まったく新しいデバイスになった感すらある。ドックもあり、アプリスイッチャーもあり、そしてFilesアプリもあるので、アプリの立ち上げやドキュメントの管理が容易になる。

iPadを使わない人にとって最大の衝撃的変化は、iPhoneのコントロールセンターの完全な模様替えだろう。これからは、ショートカットをユーザーがカスタマイズできる。そのほか、同機のボンネットの下には大小の変化が山のようにある。

Appleが例年のパターンを踏襲するつもりなら、最終リリースは2か月後だ。それまで待てない人、ベータで壊れてもいいiPhoneやiPadを持っていない人は、ぼくが書いたプレビューで我慢してちょうだい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Apple、機械学習研究サイトを開設

Appleは機械学習に関する研究論文と同社の発見を共有するための専用ブログを開設した。Apple Machine Learning Journalと名付けられたそのサイトはまだガラガラで、ニューラルネットワークの訓練のために合成画像をリアル化することに関する記事が1件あるだけだ。

この動きは興味深い。なぜならAppleは自社の研究プロジェクトについて何も語らないのが普通だからだ。これまでにAppleはいくつか重要なオープンソースプロジェクトに貢献し、Safariを動かしているブラウザーエンジンであるWebKitや、Appleの最新プログラム言語でiOS、macOS、watchOSおよびtvOSに使われているSwiftなども開発している。しかし、人工知能プロジェクトに関する研究論文を掲載するブログは、Appleとしては新しい試みだ。

これはいくつかの理由で興味深い。第1に、この研究論文はすでにarXivで公開されている内容だ。今日のバージョンは同じものを少しやさしい言葉で書き直している。結果を図示するためのGIFも追加されている。

この論文によると、Appleは写真に写った顔などの物体を認識するためにニューラルネットワークを訓練する必要があった。しかし、そのために何億枚もの写真ライブラリーを作る代わりに、Appleはコンピューター生成画像を合成し、本物らしく見せるフィルターをかけた。こうしてニューラルネットワークの訓練を速く安価に行うことができた。

第2に、Appleはサイト開設の挨拶文で、フィードバックをメールするよう読者に呼びかけている。さらにページの下にはAppleの求職情報へのリンクが大きく表示されている。Appleがこの場を利用してこの分野の有望なエンジニアを探そうとしていることは明らかだ。

第3に、機械学習に関しては多くの人がAppleを批判し、GoogleやAmazonの方が進んでいると言っている。そしてAppleに動きがなかったのは事実だ。GoogleのアシスタントやAmazonのAlexaなどの消費者向け製品はAppleのSiriよりずっと優れている。

その一方でAppleは、端末上のフォトライブラリーの解析や、iPhone 7 Plusの深度効果、ARkitによる拡張現実への取組みなどでは大きな成果を見せている。Appleはこれまでの評価を一新しようとしている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

フランスの給与サービスPayFitが1590万ドルを調達

フランスのスタートアップ、PayFitがシリーズBラウンドで1590万ドル(1400万ユーロ)を調達した。Accelのリードで、Xavier NielおよびOtium Venutreも参加した。PayFitは、企業にとって最も厄介な仕事をシンプルなウェブインターフェースで提供する。

この会社はまず基本的な給与支払い機能をフランスの企業に提供した。PayFitは、企業が旧態依然としたプロセスや外部業者に頼ることなく、社員に関するあらゆる情報を簡単に入力できるようにした。それを元に、法に準拠した給与小切手の作成や給与振り込みを行い、医療保険や年金に関する情報を指定機関に通知することができる。

利点は実に明快だ。PayFitは、本格的な人事部門や外部業者よりも安い。あらゆる業務がブラウザーで動いているので情報は常に最新で、労働法の改訂にも即座に対応できる。そして社員は過去の給与明細や労働契約を簡単に確認できる。

「ヨーロッパで社員を雇ったことのある人なら誰でも、給与管理の苦痛を知っている」と、Accelのパートナー、Philippe Bottriが私に言った。「この問題は特に中小規模の企業にとって頭痛のたねであり、頻繁に改定される労働法への対応に苦労している」

PayFitはそれに留まらず、多くの基本的な管理機能を統合している。経費の管理、休日の確認、休暇申請などだ。ほかにも組織図、子会社経営、スケジュール管理、安全な保管庫なども開発中だ。

PayFitは今日のラウンドで調達した資金を利用して、フランス以外への拡大を計画している。スペイン、イタリア、ドイツ、英国など他の欧州諸国でPayFitが使えるようになる日も近い。ただしそれはスイッチを切り替えるだけの簡単な話ではない。市場ごとに法律や規制が異なるため、給与サービスは特定市場にあわせてカスタマイズする必要があるからだ。

しかし潜在市場は巨大であり、一度満足してもらえれば企業が給与サービスを乗り換えることは少ない。現在600社がPayFitを使っているので、月々の売り上げはかなりのものと思われる。

現在同社には社員が40人いて、近くさらに40人雇う予定だ。PayFitは車内でもPayFitを使っているに違いない。このことがサービスの改善に役立っていくはずだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

チャレンジャーバンクの波が法人にも――仏Qontoが1130万ドルを調達

フランス発のスタートアップQontoが、既存株主のValar VenturesAlven Capitalから新たに1130万ドル(1000万ユーロ)を調達した。現在彼らは法人向けサービスも提供しており、ウェブサイトからフランスの法人口座を簡単に開設することができるようになっている。

Qontoの目標はN26の法人版のような存在になることだ。リテールバンキングはここ数年間そこまで大きな変化を見せていないが、ビジネスバンキングの状況はさらに悪く、昔からほとんど何も変わっていない。手数料は高く、何をするにも時間がかかってしまう。

同社のサービスはデスクトップ版とモバイル版の両方が準備されており、ユーザーは口座への送金・入金を含め全てを管理することができる。利用料はフランス銀行口座(IBANも付与される)にMasterCardが1枚付いて月額9ユーロだ。

もしも新しいカードが必要であれば、1枚あたり月額5ユーロ、さらにバーチャルカードであれば月額2ユーロで発行できる。ユーザーの管理も一括で行えるため、新しい営業担当者を雇った際には、新しいカードの発行を依頼するだけでよく、モバイル端末やパソコンからその明細を確認できる。

さらにモバイルアプリには、カードのブロックや解除、暗証番号の変更、カードが使われたときにリアルタイムで通知を送る機能が搭載されているほか、限度額の変更や会計会社との明細共有も簡単に行える。

レシートをアップロードして対応する経費に紐付ける機能などもこれから導入される予定のため、会計会社や経理担当者は大助かりだろう。他通貨での送金プロセスも今後簡素化されるようだ。

今後Qontoの口座はStripe、PayPal、GoCardlesといったサードパーティーのフィンテックサービスとも接続される予定で、ユーザーはさまざまなプラットフォームの支払情報を一括管理できるようになる。

Qontoはバックエンドの処理をパートナー企業のTreezorにアウトソースしており、彼らがユーザーのお金を実際に動かしている。また、当座預金口座の開設やデビットカードの発行もTreezorが行っており、Qontoはユーザーエクスペリエンスや顧客との関係維持など、フロントサイドの業務を担当している。

細かな違いはありながらも、フランスのiBanFirst やアメリカのSeed、イギリスのTideなども似たようなサービスを提供しており、Tideは昨日1400万ドルを調達したと発表したばかりだ。市場の細分化が進んでいるように見える一方で、このような大型資金調達のニュースを聞くということは、法人向け金融サービスに大きなチャンスが眠っているということなのだろう。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

パリの超巨大インキュベーション施設Station Fに行ってきた――約3000社のスタートアップやVCが入居予定

先週木曜日の夜、世界最大のインキュベーション施設が正式にオープンした。これから約3000社のスタートアップがこの巨大な建物の中にオフィスを構えることになる。エマニュエル・マクロン仏大統領や政府関係者が参加した同施設の開所式にTechCrunchも参加した。

「この建物はStation Fと呼ばれ、Station FranceやStation Femmes(フランス語で女性の意)、Station Founder、Station Fressinetといった意味が込められている。Freyssinetは素晴らしい建築家であり、優秀な起業家でもあった」と億万長者で仏通信大手Iliadのファウンダーでもあるグザヴィエ・ニールはマクロン大統領に説明した。

Station Fはもともと1920年代にウジェーヌ・フレシネによって建設され、2011年には取り壊される予定だった。しかし、2013年にニールは奇想天外なアイディアを思いつく。彼らはこの建物を購入し、3万4000平方メートルもの広さをもつ巨大なスタートアップキャンパスへとリノベーションしようと考えたのだ。

その結果、数年が経った今も建物はそのまま残り、内部には何千個もの机や巨大なガラスの壁、明るい照明や地中海の木々が並んでいる。「リノベーション前とは見違えるほどだ。もともとは薄暗い、ただの廃駅だった」とニールは話す。

今週の月曜日から1100社のスタートアップがこの施設に入居しており、そのうちの多くはStation Fのパートナーたちが選んだ企業だ。VCも20社ほどが入居を予定しており、そのほかにも郵便局や大きなレストランが数か月のうちにできるとのこと。

海外人材や多様性へのフォーカス

簡単な施設の紹介が終わると、ニールとマクロン大統領はすぐに見学に訪れていたZenlyの共同ファウンダーをはじめとする起業家に話しかけ始めた。なお、開所式にはパリ市長のアンヌ・イダルゴやフランスのデジタル担当大臣ムニール・マジュビ、Station Fディレクターのロクサンヌ・ヴァルザブリジット・マクロン大統領夫人も参加していた。

施設の見学中に、大統領はある起業家に英語で話しかけた。彼はFrench Tech Ticketを利用し、起業のためにフランスに移り住んだのだという。それに関連し、大統領は起業家やエンジニア、投資家向けに最近ローンチされた特別なビザ、French Tech Visaについても言及した。

「ひとつひとつの執務スペースはヴィレッジ(村)と呼ばれ、各ヴィレッジには60個程の机が置いてあり、コラボレーションを促すようにデザインされている」とヴァルザがオフィススペースについて説明する。

その後、別の起業家がマクロン大統領に英語で挨拶し、続けて完璧なフランス語で話し始めた。フランス人なのか外国人なのかを尋ねられた彼は「フランスには(ニールが運営するコーディングスクールの)42のために来た。もともと生物学を勉強していたが、大統領のビデオを見てフランスへの移住を決めた」のだと語った。

それを聞いて、42の卒業生の一部は現在大統領官邸で働いていると聞いたことがあるとジョークを言うニール。

その後、ヴァルザは新しくローンチされたFighters Programについても説明した。このプログラムは、マイノリティのファウンダーに対して無料のデスクスペースを提供するというものだ。「彼らはFounders Programの人たちと肩を並べることになる。私たちは両者の交流を図りたいと考えているのだ」と彼女は話す。

既に2億3000万ドル(2億ユーロ)をStation Fの建設に投じたニールだが、さらに5700万ドル(5000万ユーロ)を使ってイヴリー=シュル=セーヌに最大600人が住める居住施設を建設予定だという。「42のモデルと似たモデルを考えている。Station Fに入居したスタートアップのファウンダーたちは親からの援助を期待できず、住むところが問題になるというのもわかっている」と彼は話す。

引き続き施設を見学していると、あるStation Fのスタッフがマクロン大統領に近づき、10秒前後の動画を撮影してよいかと尋ねた。「私たちは今日パリのStation Fに来ています。自分のスタートアップを立ち上げ、投資し、成長させたいと思っている人にはピッタリの施設です」と携帯電話に向かって話し始めた大統領は、撮影を終えると動画が32秒になってしまったと謝りながら、スタッフに携帯電話を返した。

それから見学者グループはステージに戻り、ヴァルザやイダルゴ、マクロン大統領のスピーチを聞くことに。大統領は集まった2000人の聴衆の一部と握手したり、一緒にセルフィーを撮ったりしながらステージへと向かった。

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ファウンダーの代わりにStation Fについて語った参加者たち

個々のスピーチ内容は、全体の構成に比べるとそこまで興味をひくようなものではなかった。ヴァルザがまずStation Fのパートナー企業(Facebook、Zendesk、Vente-Privée、HEC、Microsoftなど)や協力者(アンヌ・イダルゴ、Jean-Louis Missika、Jean-Michel Wilmotte、Station Fのチームなど)を紹介し、起業とは白人男性だけのものではなく、Station Fは業界の多様化に向けて努力していくと語った。

彼女が話し終わってニールに謝辞を述べると、聴衆は大いに湧き上がり数分間拍手が続く。その様子はライブ会場でアンコールを待つ観客のようだった。

ニールが若い世代の起業家にとってのロールモデルになったということに疑いの余地はない。彼は通信企業を立ち上げて大金持ちになってから、コーディングスクールを設立し、さらにはKima Venturesと共にシードファンドを立ち上げ、これまで世界的にも有名なシリコンバレーのスタートアップ(Square、Nest、Snap、Airbnb、Uberなど)に投資してきた。その他にも、彼は新聞社を買収し、Station F設立のために何百億ドルという資金を投じている。

しかし、そのニールがステージ上で話すことはなかった。

ヴァルザに続いて市長のアンヌ・イダルゴは、パリにとってのStation Fの意義について「パリは芸術都市としての側面以外の何かを求めていた」と語った。

最後にステージを飾ったマクロン大統領は、彼の政治家としてのキャリアと起業家の人生を比較しながら、他の人は自分のやろうとしていることに共感しないかもしれないが、だからといってそれを諦める必要はないう旨のスピーチを行った。

「今日の私たちをつなぎ合わせているのは起業家精神だ。周りの人は、私がどんな人生を歩むべきかについて口を挟もうとしていたが、私は彼らとは違う道を選んだ。自分の人生を他人に決めさせてはならない」

その後大統領は、VivaTechでのスピーチに沿った形で格差問題に言及し、起業家は積極的に多様性を受け入れ、社会全体に貢献していかなければならず、もしもテック業界が国を分断してしまうようなことがあれば、それは業界全体の失敗ということになると語った。

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Station Fの本当のスタート

これから数日間のうちに何千人という人がStation Fにオフィスを構える予定だ。ここまでくるのには何年間もかかったが、これはStation Fにとってのスタート地点でしかない。

同施設がパリのテックエコシステムを根本から変えるられるかどうかはまだわからないが、フランスが国内外から人材や企業、投資を誘致する上で、Station Fが素晴らしいマーケティングツールとして機能するのは間違いない。

ニールは他の人もStation Fに投資できるよう、将来的には財団を設立しようとしており、彼はこの施設から利益を得ようとは思っていないと話していた。スタートアップコミュニティの人々は、きっとニールは彼らの味方なのだと感じることだろう。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

iOS 11でiPadは完全に生まれ変わった――ベータ版レビュー

AppleのiOSが2007年に登場してから10年以上たつ。これほど長いあいだバージョンアップを重ねてきたOSをさらに改良するのは至難のわざだ。しかしiOS 11によってiPadはまったく新しいマシンに生まれ変わる。iOS 11はAppleにとってここ何年かで最大のOSアップデートだと思う。Appleはリスクを取ってもOSにイノベーションを持ち込むことにした。

私はここ数週間、iOS 11ベータ版を10.5インチのiPad Proに登載してテストしてきた。一般向け安定版が公開されるのはこの秋だが、今日(米国時間6/26)、AppleはiOS 11のベータ版を公開した。この記事でiOS 11版のiPadの作動の様子をプレビューしてもらえると思う。

iPadに慣れたユーザーはiOS 11にアップデートすると驚くことになる。iPadの作動が従来とまったく違ってしまうからだ。Appleはマルチタスクの導入によりユーザー体験を根本から変えた。すべての要素が関連し協調して動作する。たとえば、ファイル・アイコンを複数のアプリにドラグ&ドロップすることができる。またフルスクリーンでアプリを作動させている状態でホーム画面下部に新しく導入されたMac風のドックからアプリのアイコンを引き出し、窓状態で開くことができる、などだ。

何年か前にiPadを使ってみたものの不満を感じてスマートフォンとノートパソコンに逆戻りしたユーザーはiPadをiOS 11にアップデートしてフレッシュな気持ちで再スタートして欲しい。

iOS 11のすべての機能はとても挙げきれない。それについてはAppleのサイトで詳しく解説されている。ここでは私が特に重要だと思ったいくつかの機能にしぼって解説する。

iOS 11ではユーザーは右手の指でファイルのアイコンを押さえたままドラグし、同時に左手の指でドックを画面に呼び出すことができる。これはもう『マイノリティ・リポート』の世界だ

iOS 11をインストールして最初に気づくのは画面の下端にmacOS風のドックが表示されることだ。ドックには10数種類のアプリを設定できる。画面の下端から上にスワイプすればいつでもドックを引き出される。これは他のアプリを使っている場合でも同様だ。

アプリのアイコンをタップすればオープンすることができる。アイコンをスクリーンの横端にドラグすると狭いバージョンを開ける。たとえばフルスクリーンで何かの作業をしている場合でもMessagesアイコンをドラグしてメッセージを読み、すぐに閉じることができる。
iOS 9やiOS 10のスライドオーバーと似た機能だがユーザー体験はまったく異なる。

【略】

Mac風のドックや新しいアプリのスイッチャーの採用はOSそのものが根本的な変化を遂げたことの現れでしかない。Appleはドラグ&ドロップを全システムで可能とした。つまりファイルや実行可能アプリのアイコンをドラグ&ドロップで移動できるようになった。今後はファイル、アプリ、メニューを自由に操作できる。

こうした新機能にどのように対応するのか、サードパーティーのアプリの場合は秋を待たねばならない。しかし現在実現されている範囲でも変化は大きい。たとえばPhotosアプリ内の写真をドラグしてNotesアプリのアイコンに乗せるとNotesが開く。写真を指で押さえたまま望みのノートのところまでドラグし、そこでドロップするという使い方ができる。

iOS 11ではユーザーは右手の指でファイル・アイコンを押さえたままドラグし、同時に左手の指でドックを画面に呼び出すことができる。これはもう『マイノリティ・リポート』の世界だ。

またAppleはiPadに本格的なファイル・システムを導入した。iPadはDropbox、Box、それにもちろんiCloud Driveをサポートする。

小さなところではメインのキーボードでキーを下にスワイプすることで句読点や数字にアクセスできる。NotesアプリはEvernote的になり、ドキュメントをスキャンできるようになった。手書き文字も解読され、後で検索できる。

ただし正直に言って新しいシステムに慣れるには時間がかかりそうだ。残念ながら私はまだそこまで行っていない。何かをしようとして「これをするにはどうするのだっけ?」と迷うこともたびたびある。

AppleはiOS 9で画面分割などの機能を取り入れたが、iOS 11ではこれを大きく進め、iPadを「大きいiPhone」から仕事に使えるデバイスにしたといえる。

ARKitは驚くような能力

iOS 11は根本的なアップデートだ。上で紹介したようにユーザーがすぐにそれと気づく新機能も大きいが、真価を発揮するのはデベロッパーが新OSの新しいフレームワークを活用したアプリをリリースするのを待たねばならない。これにはある程度時間がかかる。【略】

その中でも重要だと思うのはARKitだ。これはiPhoneとiPadののカメラに拡張現実の能力を与えるもので、このフレームワークはたとえばテーブルを認識し、その上に3Dオブジェクトを表示することができる。ユーザーがiPadを持ってテーブルの周囲を回ればオブジェクトの裏側を見ることができる。カメラを近づけるとオブジェクトは自然に拡大される。まるでテーブルの上に本物の物体が載っているように見える。このフレームワークを利用すればiOSアプリのデベロッパーは一夜にしてARのエキスパートに変身する。ゲームを始めAR活用のオプションは非常に大きい。

じゃん! ARKitの測定アプリ#2 〔日本版:現実の物体をカメラで撮影し、きわめて高精度で寸法を測定している〕

Core MLも大きなアップデートだ。AppleはPhotosアプリ向けに以前から開発を続けていた機能だが、これが他のアプリからも利用できる汎用のフレームワークとなった。デベロッパーは機械学習による物体認識をあらゆるアプリで利用できる。

その他新機能多数

これはあくまでiOS 11のプレビューなのですべての新機能を紹介することはできない。目についた部分をざっと見ただけだが、それでもあまり知られていないアップデートが多数あった。

  • 通知が表示される画面はデザインが変わり、ロックスクリーンそっくりになった。ちょっと混乱するかもしれない。
  • Siriの音声が自然になった。
  • PhotosアプリがとうとうGIF的動画をサポートした!
  • App Storeがリニューアルされる。デザインは素晴らしいと思うが、アプリの発見に大きな変化が起きるのか、デベロッパーにどのような影響を与えるのかは今後の問題。
  • iCloudを有効にしている場合、iMessageデータベースは自動的にiCloudにアップロード、同期される。暗号化はそのまま維持される。ただし iOSのバックアップ全般はiCloudでは暗号化されない。
  • デバイスのメモリーに余裕がない場合、 iOS 11は使われていないアプリを自動的に削除する。データや設定は維持されるが、次回にそのアプリを利用するときには再ダウンロードする必要がある。
  • 【略】

その他マイナーなアップデートも無数にある。しかし上で述べたように大きな変化が実感されるのはサードパーティーのデベロッパーが新OSの機能をアプリに実装してからだろう。

当初iOSのアプリはそれぞれ孤立してサンドボックスの中で作動していたが、Appleは次第にオープン化を進めてきた。iPhone、iPadいずれのユーザーもiOS 11ではAppleのオープン化戦略の恩恵を十分に受けることになりそうだ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ARMアーキテクチャのプロセッサーにこだわるホスティングサービスのScalewayがサーバーの仕様をアップ

Iliadのクラウドホスティング部門Scalewayはここ数年、ARMのチップセットを強く推している。ホスティングの未来はARMのプロセッサーアーキテクチャがベースになる、と信じているからだ。今日(米国時間6/22)同社は、より強力なARMv8オプションをローンチし、そしていちばん安いオプションのコア数を増やした。

プロセッサーのアーキテクチャといっても、Appleを除いて一般的なものといえば、ラップトップやPCならIntelのx86 CPUと、それとほぼ互換のAMDのプロセッサー、そしてスマートフォンは主に、ARMのアーキテクチャに基づくSoC(system-on-a-chip)を使っている。

今年の4月にScalewayは、64ビットのARM機(CaviumのSoC ThunderX)を使った仮想サーバーを立ち上げた。そしてそのいちばん安いオプションは、、めちゃめちゃ安い。USドル換算で1か月3ドル30セント(2.99ユーロ)、ARMv8の2コア、RAM 2GB、SSD 50GB、200Mbit/sの帯域は使用量制限なしだ。

今日のアップデートではこのオプションが2コアから4コアにアップ、DigitalOceanやLinodeなどのエントリーレベルの仮想プライベートサーバーと十分に競合できる性能だ。同社によると、処理能力単価は市場でいちばん安いそうだ。5.99ユーロ払うと、6コア、RAM 4GBになる。

Scalewayは負荷の大きい重要なタスクにもARMアーキテクチャのプロセッサーを載せたサーバーを使うべきだ、と考えている。そのための最大の構成は、64コア、RAM 128GBだ。厚切りステーキのようなこのオプションはもちろん高価(月額279.99ユーロ)だが、16, 32, 48コアという中間的オプションもある。

でもScalewayは今だに、パリとアムステルダムの2箇所にしかデータセンターがない。競争の激しいクラウドホスティング市場でメインの選択肢の一つになるためには、アジアとアメリカにも展開しなければならないことを、自覚していただきたい。

〔関連過去記事(日本語訳):(1)(2)(3)。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Blockchainという「会社」がシリーズBで4000万ドルを調達

つい先ほどBlockchain(社名)は、4000万ドルのシリーズB調達ラウンドをLakestarのリードで完了した。Blockchainは、世界でいちばん人気のあるbitcoinウォレットを運用している会社だ。ウォレットは同社のウェブサイトまたはモバイルアプリで利用できる。

今日の調達ラウンドには、GV、Nokota Management、Digital Currency Group、およびすでに投資しているLightspeed Venture Partners、Mosaic Venture Partners、Prudence Holdings、Virgin、およびSir Richard Bransonも参加した。

これは、暗号通貨スタートアップとしてはかなり大きい調達ラウンドだ。Blockchainは、bitcoin、ether、litecoin、initial coinなどを巡るブームの波に乗っている。ほかの暗号通貨スタートアップも現在さらに資金を調達しているに違いない。

現在Blockchainは1400万個以上のウォレットを管理していると発表している。前回3000万ドルの調達ラウンドを発表したときは、bitcoinウォレット230万個を管理しているだけだった。

Coinbaseを始めとする多くの人気bitcoinサービスは、ウォレットの管理とともに取引の運用も行っている。つまり、アカウントを開いた同じプラットフォームでbitcoinの購入もできる。

Blockchainのアプローチはそれとは異なり、同社が利用者の残高や取引を見ることはできない。利用者はウォレットをBlockchainのサーバーにバックアップできるが、ウォレットの鍵は自分で管理する。

Blockchainは複数の交換取引所と提携しているので、プラットフォーム上で直接bitcoinを購入できる。もちろん、なじみの取引所でbitcoinを買ってからBlockchainのウォレットに送金しても構わない。

BlockchainはBlockchain.infoという人気のbitcoinブロック・エクスプローラーも運用している。Blockchain.infoには、月間1000万ページビューを生む数多くの視聴者がいるため、同サイトに掲載されているバナー広告はかなりの収入を生み出している。

Blockchainは今日のラウンドで得た資金を利用して、人員を増やし、サービスをローカライズし、デジタル通貨商品を増やす計画だ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、写真アプリの「メモリー」機能に焦点を当てた新しいiPhone CMを公開

AppleはiOS 10で写真アプリに初めて”Memories”[メモリー]タブを 導入した。iPhoneの写真ライブラリーを自動的に解析して、日付、場所、内容に応じてスマートアルバムを作る機能だ。例えば、休暇にモスクワへ行った旅や、子供の成長記録をアルバムにまとめてくれる。

さらに、集めた写真やビデオに合ったサウンドトラックを載せた感動的ビデオを作ることもできる。この機能はかなりよくできているが、多くのユーザーはまだ存在を知らない。そこでAppleは、このメモリータブに焦点を当てた新しいCMを作った。

これまでのAppleのCMと変わらず、映画的アプローチを取り入れ、静かなシーンが多く使われている。CMでは注意深そうな記録官が引き出しを開け、古い映画フィルムのほこりを払い、レタリングを書き加えているところが見られる。

これは、iPhoneがバックグラウンドで行っている作業を再現したものだ。自分では何の努力をすることなく、昔の思い出を綴った60秒のビデオを見られるのは驚くべきことだ。数十年前には同じことをするのに何日も何週間もかかっただろう。

さまざまな意味で、「メモリー」はGoogleフォトの同等機能に対するAppleの回答だ。大きな違いはAppleがこのスマートアルバムを作るためにサーバーシステムに頼っていないことだ。すべては端末上で行われる。

iPhoneは、持ち主が寝ている間にも充電中の端末の中で写真を分類する。Appleは、寝ている間もiPhoneが常時動作していることを活用している。

今回もAppleは、あなたが気づいていないかもしれない機能を伝えるために広告キャンペーンを利用した。これがiPhoneを前面に押し出すCMより効果があるのかどうか定かではないが、興味深いアプローチだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

元Appleエンジニアたちとスコット・フォーストールが、iPhoneの創造について語る

昨夜(米国時間6/20)Computer History Museum[コンピューター歴史博物館(カリフォルニア州マウンテンビュー)]でNew York TimesのJohn Markoff記者が、2007年1月に発表された初代iPhoneの開発に関わったエンジニアたちをインタビューした。Hugo Fiennes、Nitin Ganatra、Scott Herzの3人がこの驚くべきプロジェクトで働いたそれぞれの経験について語った。その後Scott Forstallが、ソフトウェア開発部門を率いていたころの思い出を話した。

Scott Forstallは2012年にiOS 6をリリースした後会社を去った。その1年足らず後、AppleはiOSにとって最大のデザイン変更となるiOS 7を公開した。このバージョンで、Appleはよく知られたスキューモーフィックデザインを捨て、「白っぽいデザイン」とわかりやすいユーザーインターフェース要素を強調したフラットデザインに切り替えた。

Forstallは自らの退社やiOS 7についてほとんど語らなかったが、iPhoneの創成期について彼の話が聞けることは実に感慨深い(そうそう、彼が昨日のインタビューで来ていたシャツは、上の写真にある2012年WWDCのプレゼンで着ていたのと同じものと思われる)。

エンジニア3人による最初のインタビューでは、当時彼らが知っていたのはiPhoneのごく一部についてだけで、iPhoneを特別なものにした数多くのものごとを発見したのは、ステージでスティーブ・ジョブズが初めて使うのを見たときだった、という話に驚かされた。

数時間余裕のある人は下のビデオでイベントの様子を見ることができる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook