インテリジェントなTo-Doリストを提供するAny.DO、個人向けツール拡張を視野に、350万ドルの資金を調達

Q:いったいどういうわけでTo-Doリストアプリケーションに350万ドルもの資金が必要になるのだろう?。A:単なるTo-Doリストを超えたTo-Do関連アプリケーションに発展していくから。と、そんなわけで、ウェブおよびモバイル環境で利用される人気のTo-DoアプリケーションであるAny.DOがシード資金の獲得をアナウンスした。今回のラウンドをリードしたのは、これまでにも出資しているGenesis Partners。他にもInnovation Endeavors(Eric Schmidtのファンド)、Joe LonsdaleBlumberg CapitalJoe Greensteinなど、既存出資者のみならず新たな出資者も加わっている。

尚、Any.DOは2011年末のエンジェルラウンドにて、Innovation Endeavors、Blumberg Capital、Genesis Partners、Palantir(Joe Lonsdale)、Felicis Ventures(Aydin Senkut)、およびBrian Kooなどから100万ドルを調達している。

Any.DOのことを知らないという方のために、少々説明しておこう。開発チームがまずリリースしたのはTaskosというアプリケーションだった。同アプリケーションは2011年11月までに130万の利用者を集め、今やさらにその数字を倍に伸ばしている。チームはこのTakosの成功を見て、コンセプトを発展させたAny.DOをリリースしたのだった。

投入以来Any.DOは大いに人気を集め、現在ではiOS、Android、そしてウェブ上で500万人が利用しているのだとのこと。Onavo Insightsのデータによれば、Any.DOはTo-Doリストアプリケーションの世界で、マーケットリーダー的位置にあるのだという(もっとも近い位置にいるのはWunderlistだ。今月頭のアナウンスによると、利用者が400万人を超えているらしい)。

たいていのケースとは異なり、Any.DOはiOS版よりもAndroid版で多くの利用者を抱えている。Androidの利用者層の広さを意識して、そこで必要とされるアプリケーション機能を十分に吟味して、またTaskosを使っていた潜在ユーザーの希望なども存分に反映しつつAny.DOを生み出したのだ。

Any.DOのデザインは非常に優れたもので、それがゆえにアプリケーションがとてもシンプルに見えもする。但し、裏ではかなり難しい処理も行なっている。

Any.DOのファウンダー兼CEOであるOmer Perchikは次のように言っている。「お使いいただいているアプリケーションはどんどんスマートになっていくと思います。登録されたTo-Doは、もちろんきちんと管理します。また、アプリケーションにはセマンティックエンジンも搭載して、関連To-Doなども効率的に管理していこうと考えています」とのこと。「予測エンジンも搭載して、興味のありそうなことを提案するような機能も実装しているのです」。

たとえば、旅行やジムのワークアウトに出かけたい旨をアプリケーションに登録したとしよう。すると、Kayak、TripAdvisor、MyFitnessPalなど、関連するアプリケーションのレコメンドも行う。あるいは「税金を支払う」と登録して、日時を指定しなかったとしよう。それでもきちんと納税日前にリマインダーを表示するというようなことも行う。

関連アプリケーションの紹介はアフィリエイトに基いて行なってることもあれば、そうでないケースもあるそうだ。いずれにせよ、1~5%という平均的なコンバージョンレートよりも高い率を実現しているとPerchikは述べている。

ところで今回獲得した資金はAny.DOに投入するのか、それとも他にも個人向け生産性向上ツールの開発を行う考えがあるのだろうか。Perchikは「両方の可能性がありますね」と述べている。但し、今のところはメールやカレンダーなどの分野にテリトリーを拡げるつもりはないようだ。

最近は、ホームスクリーン上に配置されて高頻度で利用されるアプリケーションの開発に注力しているスタートアップが多い。たとえばメール(Mailbox、Triageなど)や、カレンダー(Sunrise、Tempoなど)、あるいはメッセージング用のアプリケーションも提供していくような動きがトレンドとなっている。「日々の生産性に関わっているという面では、私たちのプロダクトに似ている面もあります。しかし関連製品をいろいろと出していって、Google DocsやOfficeのようなものを提供しようとする気持ちは全くないのです」とPerchikは述べている。Any.DOに近い、より個人的な世界に目を向けているのだそうだ。

ところでPerchikたちは、現在は新しく開設したサンフランシスコオフィスで仕事をしている。人員は12名だ。ここで働くスタッフの獲得に資金を投入することにしているそうだ。R&Dチームは当初よりイスラエルで仕事をしている。サンフランシスコオフィスで採用する人材はマーケティングおよび企画系を予定しているらしい。

ちなみにAndroid版のAny.DOは最近アップデートされている。Astrid(最近Yahooが立て続けに行った買収攻勢で対象となったひとつ)のサービス終了が予定されており、そのデータをインポートできるようになっている。

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(翻訳:Maeda, H)


注目のプライベート・ソーシャルネットワーク分野にディズニーが参入。写真やビデオを編集共有する「Story」、米国で公開中

大規模ソーシャルネットワークであるFacebookに対抗する形で、プライベートな情報共有を実現しようとするサービスがまた登場してきた。但し今回は「スタートアップ」ではない。メディア界の巨人であるディズニーが参入してきたのだ。ディズニーはそもそも「ストーリー」との親和性が高いと言えるだろう。そうしたイメージも背景に、ゲームやサイト、「Where’s My Water?」、「Temple Run: Brave」、「Club Penguin」などの仮想現実風アプリケーションで注目を集めるディズニーのInteractive部門が、名前もそのままずばりのStoryという思い出管理ツールをリリースした。

このアプリケーションは、まずiPhoneアプリケーションとして登場してきた(訳注:今のところ、日本では扱っていないようです)。iPhoneで撮影した写真やビデオをアルバム化して、友だちと共有できるようにするアプリケーションだ。但し、初期状態ではすべてのデータがプライベートとして扱われる。また、共有する前にキャプション、説明文、一連のデータに適用するテーマやレイアウトを指定することもできる。コンテンツはiCloudにも保存することができるので、所有する他のAppleデバイスで処理することも簡単に行える。

尚、写真や動画をアルバム化するアプリケーションは、これまでにもいろいろなものが登場してきている。実際のところ、Appleの標準アプリケーションでもある種のアルバム化を行うことができる。ただ、ディズニーのアプリケーションを利用すれば、撮影の時間と場所を判断して、自動的に分類してくれるのだ。

デジタルで保存した記録には、日付や時刻、そして位置情報なども付随していることが多い。Colorは少々データの扱いを間違ってしまった感じがあるが、FlockClusterTracksFlayvrMoment.meEverpixなど多数がさまざまな機能を提供して人気を集めている。

また、Storyには付随するデジタル情報を活用するだけでなく、いろいろと情報を付け加えたりするカスタマイズ機能も搭載されている。その点で言えばMosaicSimplePrints、あるいはKeepShotなどと似ているとも言える。現在のところ、Storyでは作成したアルバムの印刷をオーダーすることはできない。しかしDisney InteractiveでEngineering部門のSenior Directorを務めるScott Gerlachは、将来的には何らかのサービスを追加する予定であると述べている。

「Storyのベータテスト段階時点から、綺麗に印刷したアウトプットがあれば、保管用ないしプレゼント用などにぜひ購入したいという声がありました」とGerlachは言っている。「さまざまな目的に利用できるように、いろいろなオプションを考えて行きたいと思っています」とのこと。写真を使ったガジェットのようなものも想定しているようだ。

そうしたオプションを備えれば、さまざまなアイテムがアプリケーション内販売の形で提供さえっることになるのだろう。その他にも様々なテーマを利用できる有料オプションなどの準備も進めている様子。とりあえず現在のところは無料で、広告表示もない形で提供されている。

Storyの使い方は非常に簡単だ。Storyが自動的に作成したアルバムの編集作業は、ボタンタップひとつで行える。写真、ビデオ、テキスト情報を追加したり、またはアルバムのテーマを変更したりすることもできる。登録済みの写真などをクリックすると、そこにキャプションを加えたり、サイズの変更を行ったり、あるいは削除してしまうこともできる。さらにドラッグ&ドロップで画像の位置などを変更することもできる。これはKleiner Perkinsが出資していたErlyがウェブ上で展開していたサービスにおけるインタフェースを思い起こさせるものだ。ちなみにErlyは2012年3月、Airtimeに売却されている。

Storyで「ストーリー」の作成が完了すれば、メールで家族や友人に通知することができる。あるいはFacebookに投稿して共有することもできる。またウェブに埋め込むこともできるようになっている。

不満があるとすれば、いくらでも投入できる資源がありそうなのに、やや中途半端な段階でリリースしたという点についてだろう。たとえばStoryはiPadで使った方が楽しめると思う。しかしiPad版やAndroid版はまだ存在しないのだ。またプリントアウトサービスの提供や、他のアプリケーションには標準で搭載されていることの多い写真加工機能やステッカー機能などがないのも寂しい。

しかしDisneyも不備については重々承知で、Storyを徐々に家族ないし親しい友人間向けの「マイクロソーシャルネットワーク」ツールとして進化させていこうと考えている。「ソーシャル面やコラボレーションの面での進化を考えています」とGerlachも言っている。コメント機能や「いいね!」風の機能、ないし共有アルバムなどを実装して、FamiliarTweekabooなどのような機能も加えていくのだろう。

とりあえず今のところは、このStoryも他の類似アプリケーションに比べて大いに優れているというわけでもない。いずれの面でも突出した機能を実現しているわけでもない。フォトブックを作ろうと考えたり、プライベートな、家族で利用するソーシャルネットワークが欲しいと考えているのなら、他にもいろいろと使い勝手の良い物がありそうだ。今後に期待したい。

Storyはこちらから入手できる。

(訳注:日本語版はまだありませんが、注目分野へのディズニーの参入ということで訳出しておきました)。

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(翻訳:Maeda, H)


Facebook Home、Google Playランキングで見る限りは人気は急「降下」中

他記事にも出てきているようにFacebook Homeの人気がいまひとつ上がらない。FacebookのCEOであるMark Zuckerbergが「次世代のFacebook」として投入したものだ。アプリケーションストア分析サービスの報告を見ても、Google Playでのランキングは登場時に話題を集めたとき以来、着実に低下し続けている。Facebook自体のアクティブユーザーは10億を超えているものの、Facebook Homeのダウンロード数は木曜日のアナウンス時点で100万程度であるとのことだった。またAT&TはFacebook Home搭載のHTC Firstの価格を99ドルから99セントに大幅値下げした。

いろいろなデータからわかるのは、Facebook Homeが苦戦を続けているらしいということだ。ユーザー獲得がなかなか進まない状況なのだ。

アプリケーションは、4月12日にGoogle Playで公開された。サポートデバイスはごく限られたもので、HTC One X、HTC One X+、Samsung Galaxy III、そしてGalaxy Note IIだった。HTC Firstには、予めFacebook Homeが搭載され、アプリケーションのリリースと同時に発売されることとなった。少しして、HTC OneおよびGalaxy S4でも利用できるようになった

予め言っておけば、こうして一部の機種でしか利用できなかったのも普及を妨げる一因とはなったのだろう。

いずれにせよ、Facebook Homeが、ダウンロード可能な国々のストアで最高の成績をおさめたのが4月24日だった。しかしそこから主要マーケットで徐々にランキングを落としてきているのだ。すなわち、まず話題になっているアプリケーションに多くの利用者が注目したものの、癖のあるものであるという情報が広まり、新たに導入しようと考える人が減っていったのだろうと思われる。

App Annieのデータにも、人気上昇と下降の様子が現れている。公開されるとすぐにFacebook Homeはアメリカ国内における全体順位で72位まで上昇した。これが4月の16日だ。4月の23日までには8ヵ国でトップ100入りする成績をおさめた(ノルウェイ、シンガポール、カナダ、デンマーク、オーストラリア、香港、ハンガリー、イギリス)。そしてトップ500には38ヵ国で入り込んでいた。しかしそれから4月末に向けてランクを落とし始め、トップ500に入っているのは29ヵ国で、トップ100を記録している場所はなくなってしまった。

以降、いずれのマーケットでもまだトップ100への返り咲きを果たすことができずにいる。

Distimoの分析でも同様の結果が出ているだ。4月末(4/29)の調査では、Facebook Homeはルクセンブルクにて、最高の83位の位置にいて、ポルトガルでは477位だった。しかしこの段階で既に、ランキングを落としつつあるのだ。

下の表は、Facebook Homeの4月29日段階でのランクと、それが4月24日からどのように変化したかを示すものだ。ランクの変動幅は各国の順位を示すバーの上に小さな数字で記されている。

そしてさらに数日後(5/8)、Distimoは状況がさらに悪くなっているということを発見した。フランス、ドイツ、ブラジル、およびアルゼンチン等の主要国では全体ランキングの500位からも脱落している。

そして上位に位置する国の数はさらに減りつつあるのが現状だ(下の表と上の表では国の数がかなり違ってきていることがお分かりいただけるだろう)。

アメリカ、ドイツ、オーストラリアのみを対象として折れ線グラフにも示してみた。

App Annieの調査でも順位の下落が顕著となっている。5月10日の段階で、Facebook Homeが上位500位に入っている国は19しかない。それらの中における最高位はノルウェイの191位で、トップ100には遠く及ばないような状況となっているのだ。

たいていの国では300位ないし400位あたりにいるようだ。たとえばアメリカでの順位は338位となっている。

復活はあるのか?

このような現状を見る限り、Facebook Homeは「ヒット」とは遠い状況にあるといえるだろう。

少し前にFacebook Homeの状況についてFacebook自体が論じていた中で、「100万程度のダウンロード数」ということをアナウンスしていた。しかしそれはあくまでダウンロード数のことであり、アクティブユーザーの話ではなかった。ここまでに示してきたデータを見る限り、ダウンロード数すらも思い通りに伸びていかない状況となってしまいそうだ。

但し、Homeを使っている人のエンゲージメント率は確かに高まっている。先のFacebookからの発表記事によれば、Homeの利用者の間ではFacebookの利用時間が全体で25%伸びたのだとのこと。細かくみるとコメントや「いいね!」が25%の伸び、チャットの利用率が7%、そしてメッセージの利用率も10%伸びているのだそうだ。

ただ、現段階での目標はダウンロードしてくれる人を増やすことだろう。そしてもちろん、それを使ってもらえるようにしなければならない。Facebookも、もちろんその方向で考えており、アイコンドック(ホーム画面の下部に、よく利用するアイコンを登録しておく機能)を追加したり、Dash Barという機能でチャットの相手を見つけやすくなる機能などを搭載することとした。またこれまでの方針を変更し、ホーム画面の代替物としてではなく、既存システムの上で動作するレイヤー型のアプリケーションとしての方向も目指しているようだ。これにより、利用者がFacebook Homeの導入までに行ったカスタマイズなどが消え去ってしまうこともなくなる。

Facebookの方針転換を含む変更が「間に合う」のかどうかは今後を見てみないとわからない。もしかするとFacebook Homeについてネガティブな評価をしているアーリーアダプターたちが、期待を失い、そして興味をなくしてしまうこともあるかも知れない。

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(翻訳:Maeda, H)


アメリカのモバイル・アプリの利用はデスクトップ、ノートパソコンからのネット利用にほぼ匹敵(Flurry調べ)

モバイル・アプリの使用時間がテレビの視聴時間に近づきつつある昨今だが、調査会社のFlurryが今日(米国時間4/25)、モバイル・アプリの利用状況をオンラインメディアや他の伝統的メディアと比較したレポートを発表した。

それによると、仕事を終えたいわゆるゴールデンアワー時間帯(午後7時から午後10時)のアプリの利用者数(iOSとAndroidのそれぞれトップ250アプリを集計)は5200万人になるという。

夜間にはアプリの利用は減少し、週末は日中(午前9時から午後5時)の利用が多くなる。ウィークデーの日中のアプリ利用は週末の75%のレベルだった。

Flurryの計算によると、アプリのユーザーを全体としてみた場合、ウィークデーのもっとも視聴率の高い番組を3つ合わせたくらいの人数になるという。新聞でいえば、週末紙の発行部数トップ200の合計に等しい。

Flurryの調査部門のトップMary Ellenは「こうした比較から、まず第一に、モバイル・アプリは伝統的メディアに比べてフラグメント化がいちじるしいとはいえ、利用者数はすでに臨界量に達していることが分かってきた」と公式ブログに書いている。

Flurryはまた伝統メディアがメインのターゲットとする18歳から49歳の層にリーチすることが、この層がデジタル・メディアに移行するにつれてますます難しくなっていることを指摘した。Flurryはテレビの視聴率が2002年に比べて50%ダウンしていることを示したMorgan Stanleyのレポートを引用してこの点を強調した。

NetflixのCEO、Reed Hastingsも昨日発表した「わが社の使命」でこうしたトレンドについて「アプリがチャンネルに取って代わりつつある」と述べている。Hastingsによれば「トップクラスのアプリを開発できなかった既存のテレビ局は視聴者と売上を失うことになる」という。

現在アプリの利用はデスクトップとノートパソコンからのインターネット利用とほぼ同サイズだ。Flurry調べによると、今年2月中のアメリカのモバイル・アプリの利用者は2億2400万人だった。この期間中のアメリカのデスクトップとノートパソコンからのインターネット利用者(トップ50のドメインを集計)はcomScore調べでは2億2100万人だった。

一言でいえば、アプリのプラットフォームはフラグメント化が進んでいるとはいえ、アメリカではアプリのユーザーが非モバイルのインターネット・ユーザーと同規模になったわけだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Androidアプリ発見サービスAppreciateはユーザの”好み”も考慮する

【抄訳】

AndroidのマーケットプレースGoogle Playストアは今、Apple App Storeにアプリの数で追いつきつつあるようだが、でも一部の大物を除いては、良いアプリを見つけることがますます難題だ。今日(米国時間4/18)は、この問題を解決すべく、アプリ発見サービスAppreciateがストアにローンチした

同社は2年前に、CEOのAmir MaorとCTOのYaron Segalovが創業した。二人ともモバイルとビッグデータの経験がある。彼らのコンセプトがAppreciateの前身的なアプリへと結実したとき、その初期のプロトタイプは数十万もインストールされ、良質なアプリ発見への需要の大きさが伺われた。

そしてその最初のバージョンは50万以上インストールされたが、その時点でもまだ、完成品というよりプロトタイプに近かった。やっと非公開ベータにこぎ着けたのがほぼ1か月前で、今すでにユーザ数は1万に達している。これまで、アプリのバックエンドは改良を重ねてきているが、ユーザから見ると以前のAppreciateと変わらない、と感じるだろう。

【中略】

Appreciateは、さまざまな情報から単に高品質なアプリを見つけるだけでなく、ユーザの好みも重視する。また“質”についても、ユーザのランク付けやリビューは参考にしない。Maorに言わせると、それらは情報としての信頼性が低い。Appreciateが利用するデータの全貌は企業秘密のようだが、一例としては、“インストールしたけどすぐにアンインストールした”というデータを見る。そのアプリは、何かが足りないのだ。ソーシャルネットワークの上で人気のアプリや、ほかのAppreciateユーザが薦めているアプリも、良いアプリだと言える。

AppreciateはユーザがFacebookからサインインするとそのデータ/情報を利用できるが、そうでなくても、ユーザがすでにインストールしているアプリから“好み”を把握する。そしてAppreciateアプリは、同じタイプのアプリに関心のある“エキスパートユーザ”をフォローするよう、ユーザに勧める。つまり、Appreciate自身が、ソーシャルネットワークみたくなる。

そしてエキスパートからのリコメンデーションのほかに、いろいろな個人化されたフィードも受け取る。アプリのリコメンデーション、好きなカテゴリにおけるアプリのトレンド、友だちからの通知、個人化されていて友だちが使っていることを示すアプリ検索エンジン、など。

たとえば、あなたが野生動物を好きなことをAppreciateが知っていたら、”bird”で検索すると本物の鳥に関するアプリを返す。ゲームのAngry Birdは、返さない。

Appreciateは今、Google Playストアで入手できる。iPhone版も計画中だ。でもMaorによると、今のほかのデベロッパたちと同じく、彼もまた、アプリ発見サービスに対するAppleの新しい規約の趣旨が、よく理解できない。“App Storeの基準をそのまま持ち込むのでなく、アプリ発見サービスを独自に認めて欲しいね”、と彼は言う。

さて、どうなるかな。

イスラエルに社籍のある同社は、今社員が10名、Magma Venturesと多くの匿名エンジェルたちから数百万ドルのシリーズA資金を獲得している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


AppleとGoogleのアプリストアはほぼ並走, ただし売上だけは大差

ほとんどすべての部門で、AppleのApp StoreとGoogleのAndroidマーケットプレースGoogle Playストアは、互角になっている。アプリの総提供本数はAppleの80万強に対し、Googleの公式発表は70万、サードパーティの報告ではもっと多い。Google Playは、ダウンロード数と売上の両方で、成長率がiOSのApp Storeよりも高い。率ではなくダウンロード‘数’では、2013Q1にGoogle PlayはiOS App Storeの90%近くに達した。

しかし、まだGoogleが逆立ちしてもかなわないのが、売上だ。

アプリ分析のApp Annieの最新の報告によると、前四半期におけるiOS App Storeの売上はGoogle Playストアの約2.6倍である。さらにその前の、クリスマス商戦が含まれる四半期では、スマートフォンやタブレット(とくにApple製品)を新たに買う/買ってもらう消費者が多いため、アプリストアの売上格差はiOS App StoreがGoogle Playストアのほぼ4倍にもなっている。

AppleのApp Storeの売上を引っ張っているのは合衆国と日本だが、今後は中国が伸びてきそうだ。App Annieによると、昨年の中国はアプリの売上額で10位だったが、今では4位だ。なかでもゲームの貢献が大きくて、2013Q1のApp Storeにおける中国の売上の90%近くがゲームだ。この率は、すべての国の中で最高で、合衆国よりも高い。

一方、Google Playストアでは、売上の上位は順に、日本、韓国、合衆国、イギリス、ドイツとなる。上位3か国で全売上の70%、とApp Annieは言っている。ここでもゲームが強くて、韓国は全売上の95%、日本では90%がゲームだ。

App Annieの数字は、今月初めにCanalysのアナリストたちが出した所見とほぼ合致している。彼らは、上位4つのアプリストアの全売上において、AppleのApp Storeがその74%を占める、と言っている。そしてダウンロード数ではトップがGoogle Playストア、全ダウンロード数の51%を占める。

4つのアプリストアの合計で、ダウンロード累計総数は134億、売上は22億ドルに達している。

Androidが優位なのは、マーケットシェアと成長率と、そしておそらくもうすぐ、アプリのダウンロード数だ。そしてしかし、売上ではまだまだである。

しかし、今後の動向を左右するのは中国だ。中国市場におけるアプリの売上は、これまで詐欺や海賊行為やアプリストアそっくりさんに悩まされてきたが、徐々に正常化しつつある。2月の中国は、世界最大のスマートデバイス市場になった。この国は今後もインターネットユーザが急増していくから、ますます、無視できない巨大市場になる。Androidがマーケットシェアで優位、iOSが売上で優位という一般傾向は、中国にも引き継がれるだろう。とくに、モバイルのゲームにおいて。

Appleはそのことを忘れていない。それだけは確実だ

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Flipboardの「パーソナライズドマガジン」、2週間で50万本が作られる

モバイルマガジンのFlipboardは今日(米国時間4/11)、2週間前に追加したばかりの新機能を使って、すでに50万以上のパーソナライズド・マガジンが作られたと発表した。この期間に同サービスは300万人の新規ユーザーを獲得し、総ユーザー数は5300万人になった。

3月終りに同スタートアップは、検索、発見、閲覧、SNSへのシェア以外の何かをユーザーに提供する方法を導入した。Flipboardは事実上全ユーザーを雑誌編集者にしたのだ。Flipboardの世界中のパブリッシャーから集められた記事の一つひとつに付けられた「flip it」オプションを使えば、誰にでもパーソナライズされた記事の雑誌を作ることができ、それを他の読者がiOSまたはAndroidアプリから直接購読できる。

Flipboardによると、ユーザーの50%がこうした「パーソナライズド’ジン」を読んでいるという。中にはパブリッシャー自身が作ったものもあり、Esquire、Rolling Stone、Martha Stewart Living、National Geographic などのマガジンが人気だ。ユーザーの作ったマガジンも人気がある。TechCrunchライターのMG Sieglerによる「Reading List」マガジンは、人気ランキング第3位だ。

非常に記事の多いマガジン、”Modern Gentlemen’s Playground” にはすでに2495本もの記事が追加されている。そしてもちろん、BuzzFeedは「最多フリップ記事」の記録を持っている。”28 Incredibly Beautiful Places You Won’t Believe Actually Exist.” は、インターネット上の誰もが見たことがあるに違いないと私は思っている。(私自身は3回読んだと思うが、これは外すことのない釣りリンクだ)。もちろんこの記事の写真コンテストは、高度にビジュアル化されたフォトエッセイを読みたがるFlipboard読者の心を捕えた。

Flipboardを利用する時間帯にも興味深い傾向がみられる。どうやらこの雑誌は新聞の朝刊へと変遷しつつあるようで、殆どの読者が午前9時付近に読んでおり、雑誌の制作は午後(1:00 PM)、シェアのピークは夜(7:00 PM)だ。コンテンツの制作と消費のプロセスが目に見えるようだ。コンテンツを読むことに始まり、雑誌制作者たちがニッチな読者層のための記事を収集し、最後にソーシャルネットワークでさらにコンテンツを広める人たちへと向かう。

そうそう、元のコンテンツを作っている人たちはどうなのかって? エー、われわれは24時間働いている。いつでも歓迎。

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(翻訳:Nob Takahashi)


ストリーム内決済を実現したRibbon、サービス提供開始から1時間でTwitterによりサービス停止へ

Ribbonというスタートアップが、Twitterを使った「ストリーム内課金」サービスを開始したという記事を掲載した。Twitter.comのサイトから離れることなく、ツイートに付加されているボタンをクリックすることで支払いを行えるという仕組みだ。しかし記事掲載から数時間、Twitterはこの機能を使えなくしてしまっている。リリースとほぼ同時にシャットダウンされるという事態となった。

Ribbonの共同ファウンダーであるHany RashwanもTwitterがサービスを停止してしまったことを確認している。同社は現在Twitterとの話し合いの場を設けようとしているところなのだそうだ。TechCrunchもまた、Twitterに対して質問を投げかけているところだ。返信があれば記事をアップデートしたい。

もしかするとRibbonによるTwitter Cards(Player Card)を使った支払いシステムの実装方法に、何らかの規約違反があったということなのかもしれない。詳細はまだわからないが、Twitterのリアクションの速さには少々驚きを感じた。Twitterは、どのようにして違反行為ないし問題点を認知し、そしてそれに基づく行動を発動する仕組みになっているのだろうか。それはそれで興味深いところだ。

少しRibbonの内容を振り返っておこう。簡単に言うと「bit.lyの支払いシステム版」というような感じだ。これまではTwitter上にリンクを掲載して、クリックすると別ページに飛んで、そこで簡単に決済を行うことができるようになっていた。しかしこの度、Twitter Cardの機能を使って、Twitter.com内で決済プロセスが完了するように進化したのだった。

すなわちツイートを「開いた」状態で「Buy Now」をクリックすると、その場に決済画面(カード)が表示されるようになっていたのだ。メールアドレス、クレジットカード情報を入力して「Pay」ボタンをクリックすれば、その場で支払を完了することができた。PayPalでは、別のサイトに飛んで決済を行うことになるが、その手間を省いたエクスペリエンスを提供していたわけだ。売り手側のコンバージョンレートを上げることを狙いに開発されたものだ。

しかしTwitterによるサービス停止を受け、現在は「view on web」というボタンが表示され、Ribbon.coのサイトに飛ばされて、そこで決済を行うようになっている。双方の違いを示すスクリーンショットを以下に貼っておこう。

サービス稼働中:

サービス停止後:

アップデート 1:20 pm PT:Ribbonがブログ記事を投稿している。

11:00 AM PSTにTwitterのストリーム内で支払い処理を行うことのできるサービス提供を開始しました。TechCrunch、Mashable、GigaOM、The Next Web、その他の有名メディアでも取り上げていただきました。さらにニュースを読んだ方からも何百件もツイートを頂くこととなりました。多くの方に、面白そうなサービスであると期待してもらえたようでした。

しかし12:24 PM PSTになって、事前の通知もなく、Twitter Cardsを用いてストリーム内で提供していた機能が停止されてしまいました。RibbonのリンクはRibbon.coにリダイレクトされることとなってしまい、Twitter.com内での支払い完了ができなくなってしまっています。

本機能のリリース前にはTwitter Cardによる機能実装(下にスクリーンショットを掲載しています)が利用規約に違反していないことを何度も確認したつもりです。すべて条件をクリアしていると判断しました。事前にTwitter側とも話をしています。ぜひまた私たちの実装した機能を使えるようにしたいと考えています。利用できるようになれば、Twitterおよび世界中のTwitter利用者の方々にとっても有益なサービスになるはずと確信しています。

サービスを提供できるよう、現在鋭意調整中です。

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(翻訳:Maeda, H)


モバイル開発の”継続的インテグレーション”を自動化するCisimple,アプリのHTML5シミュレーションも

Cisimpleは、モバイルアプリケーションの構築と試験と展開過程を自動化してくれる。同社が今日(米国時間4/9)ベータを脱して、その新しい試験プラットホームを全デベロッパに公開する。同社はKickfolio’sのAPIを統合した初めての企業でもある。こちらの新進スタートアップは、iOSのアプリをHTML5を使ってブラウザに持ち込む。

継続的インテグレーション(continuous integration, CI)(日本語)はこのところ、市場としても活気づいてきた。そのきっかけは、試験のためのHerokuと呼ばれるCircleCIが、今年の初めにHerokuのファウンダたちとEric Riesから150万ドルのシード資金を獲得したことだ。Cisimpleは、混み合ってきた市場…Atlassian BambooCloudBees(Java用)、Travis CIなどなど…で自己を差別化するために、モバイル専門で行くつもりだ。HostedCiもその路線だが、まだベータだ。

デベロッパが登録会員になると、CisimpleはそのデベロッパのGitHub上のリポジトリ(モバイル開発用)をスキャンする。デベロッパがそこにコードをアップロード/アップデートすると、Cisimpleが自動的にビルドを行い、試験をし、そのアプリをTestFlightや新進のHockeyAppなどのサービスから展開する。後者は、数週間前にCisimpleを統合したばかりだ。

AngelPadが支えるこのスタートアップがモバイルデベロッパ向けに初めてその扉を開いたのは、昨年の11月で、約1100名の初期ユーザがこのサービスを使った。“立ち上げ直後からたくさんのフィードバックをもらったので、モバイルデベロッパが抱える問題がよく分かった。うちなら、それらの問題解決のお手伝いができる、と確信した”、CEOのKevin Rohlingはそう語る。“彼らの悩みのタネの一つが試験だ。たしかにそれは(モバイルではとくに)現状では本当に難しい。モバイルデベロッパのためにアプリの試験を自動化するサービスは、これまでなかったから”。

Cisimpleのインフラストラクチャの上でデベロッパ企業は、アプリの複数の機種の上でのシミュレーション、ビルド、試験(#)、そして展開(デプロイ)ができる。iOSとAndroidをサポートしているが、(#)試験は今のところiOSのみだ。AndroidはOSやSDKの不統一という問題を抱えているが、しかし自動化の需要が多いのは今現在ではiOSだそうだ。だから、Android対応はとりあえず後回しとなった。

Cisimpleが試験に関して提供するのは、ログや合格/失敗の結果だけではない。たとえば、シミュレーションをやっているときのビデオなどもデベロッパに提供する。“試験を記録したビデオがあれば、細部検討をしやすい。しかしデベロッパが自分で試験をするときは、ビデオまではなかなか手が回らない”、とRohlingは指摘する。“うちは、アプリケーションに関するフィードバックを入手しやすいようにしたい。どこが変わったのか。どこがだめなのか。等々。また、問題をなるべく容易に見つけられるようにしたい。結局うちがやってるのは、モバイル開発をもっとアジャイルな工程にすることだ。今のモバイル開発は、デベロッパの手元ではちぐはぐになりがちだからね”、と彼は言う。

Kickfolioの統合も、注目に値する。開発〜試験の過程では、デベロッパがビルドの結果をブラウザ上で簡単に見られるからだ。だから試験が失敗すると、失敗したという結果だけでなく、ビルドの結果をブラウザ上でクリックしたりして、そのバグを実際に体験できる。Cismpleの顧客がここに載っているから、彼らのKickfolio版アプリを試してみるとよい。Cisimpleの有料ユーザは全員がKickfolioを利用できる。

Rohlingがベータ時のユーザ数などを明かさないのは、数字を公開するのは時期尚早と思っているからだが、ベータに参加したデベロッパの一部はすでに有料ユーザになっている。とくに多いのは、同社の料金体系の中のインディー向けプランだ。

今日(米国時間4/9)サインアップするデベロッパは2週間の無料試用ができる。あるいは、一(ひと)月に30ビルドまでという無料プランもある。有料プランはインディーの月額19ドル、スタートアップの99ドル、大企業の999ドルなどだ。サインアップはここで。

〔継続的インテグレーションの実践参考書の例。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、 Playストアから低品質アプリ6万件近くを削除―スパム撲滅に本腰

Googleはスパム・アプリその他Googel Playストア利用の約款に違反しているアプリに対し、ここ数週間で大ナタを振るったようだ。たとえば2月のアプリの登録削除数は6万件と、これまでの月間削除数の最高を記録している。近く行われるものと予想されているGooglePlayのv 4.0へのアップデートに先立ってこのニュースが飛び込んできた。

業界の事情に通じたある会社からわれわれは今回のアプリ大量削除に関する情報を得た。

念のため言っておくと、消えたアプリのすべてがGoogleによって削除されたわけではない。Sprintのバンドルのアプリなどいくつかは開発者自身によって取り下げられたのだろう。しかし6万件という総件数をみれば、やはり大多数は直接Googleによって削除されたと見なければならない。

カテゴリー別に見ると、もっとも削除数が多いのはMP3/着メロだ。この分野には、非常に婉曲に言っても、理想的な振る舞いをするとはいえないデベロッパーが多い。

Apple同様、Googleもアプリを事前審査しているものの、これまではマルウェアや露骨な性的内容が含まれているなど明らかにサービス約款に違反したものをそのつど削除するに留まっていた。

Googleはアプリの削除について一切コメントを出していないが、Google検索と同様、アプリの審査のアルゴリズムの改良を続けてきたものとみられる。Appleは人海戦術で人間による事前審査を行っているが、Googleはアプリが公開された後でスキャンをかけるというまったく対照的なアプローチを取っている。GooglePlayストアが拡大するに従い、Googleの収集したデータも増え、スパム判定アルゴリズムも強化されたはずだ。

スパム・アプリはGoogleの約款の多くに違反することになるので削除される可能性がある。事実、Googleはサービス約款に1章を設けてスパムを定義している。

デベロッパーはGoogleにおける優れたユーザー体験を維持する上で重要なパートナーなので、

  • 同一コンテンツを繰り返し投稿してはならない。
  • アプリの説明は誤解を招き、あるいはストアにおける関連性検索順位を操作するためのキーワードを含んでいてはならない
  • デベロッパーはストアにおける表示順位を操作するためにユーザーに複数回の評価を投稿させたり、評価を高め、あるいは低めるための見返りをユーザーに与えたりしてはならない。
  • 自動アプリ作成ツール、ウィザードの提供者が他人に代わってそのようなツールで作成されたアプリを登録してはならない。
  • 主たる目的が以下のようなアプリを登録してはならない: 自分が管理していないウェブサイトへのアフィリエイト・トラフィックないしページビューを誘導するもの(そのサイトの運営者、所有者から明示的に許可を得ている場合はこの限りでない)。
  • ユーザーにおる内容の確認と承認なしでユーザーの名前で他人にSMS、メール、その他のメッセージを送信するアプリ

スパムで悪名高い着メロアプリ分野に大量の削除が行われたことからみみると、Appleとは違ったやり方ではあるが、Googleもアプリストアの品質維持に本腰を入れ始めたようだ。

ちなみに、これだけアプリが増えてくると、各ストアにおけるアプリの絶対数はさして意味を持たなくなってくる。2月にAppleのApp storeには80万件が登録されていた。昨年10月のAndroidの公式数字は70万件だった。最近の推計ではこの数字は80万件とも67万6000件とも言われている。ただしGoogleの今日の発表では依然として70万件という数字が使われている。

一般ユーザーにとっては60万件だろうと80万件だろうと変わりはない。その大部分はどのみちいわゆる「ロングテール」に属する。現在のAndroidユーザーにとっての関心事はそれよりもダウンロードしようとしているアプリの品質だ。Googleのアルゴリズムによる自動的なチェックが品質管理にどのような効果を上げるか注目だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


プログラマでない人でも自分のサイトに簡単に支払システムを埋め込めるMoonClerk

正規の商業者でなくても誰もがオンラインで支払を受け取れるサービスStripeに欠点があるとすればそれは、デベロッパやそのほかの技術力のあるユーザのためのサービスであることだ。今日(米国時間4/5)ローンチした支払システムMoonClerkは、一度かぎりや今後何度もある支払をプログラマでない人が自分のWebサイトで容易に受け取れるようにするサービスだ。

これまでのStripeの使い方では、Stripe ConnectをサポートしているShopLocketShopifyWufooなどのプラットホームの上にユーザがeコマースのストアを作り、その上でStripeの支払サービスを利用する。

しかし小企業などはすでにある自分のサイト上で支払を受け取りたいと思うのが当然だから、MoonClerkはそれを可能にする。オンラインのフォームビルダーで構成オプションやスタイル、色などをユーザが指定すると、MoonClerkがどのWebサイトでも使えるリンクと埋め込みコードをくれる。

Dodd Caldwell(CEO)とRyan Wood(CTO)の二人が地元サウスカロライナのスタートアップアクセラレータThe Iron Yardで修行を積み、11月に非公開ベータでMoonClerkを立ち上げた。今年に入ってから公開ベータに移行し、不具合をつぶして、今日から一般公開となった。

Caldwellによると、それはまず自分自身が欲しかったサービスだ。彼はそれまで、Bellstrikeという自分の会社でNPOたちのためのソフトを作っていたが、そのとき、NPOが寄付などの支払を受け取る簡単な方法が欲しいと思った。

“小企業や非営利団体が日常の支払を受け取るサービスをいろいろ探したが、簡単で使いやすいものはなかった”、とCaldwellは説明する。“商業者アカウント、ゲートウェイ、SSLの証明、などなど面倒なもののいっさいない、ユーザ登録がすぐにすむのが欲しかった。Stripe Connectはそれができるが、デベロッパでないと導入は無理だ”。

チェックアウトの部分がすっきりしていること、そして、まるで自分のサイトの一部のように埋め込めること。それも重要な要件だ。Caldwell自身過去に、自分の作ったサイトでPayPalを利用して低いコンバージョンレート(実買率)に悩んだ経験がある。MoonClerkなら、何もかも超簡単だ。

彼自身は技術者ではないので、以前仕事を頼んだことのあるWoodをスカウトした。そうして完成したMoonClerkのシステムは、ノンプログラマがStripeを使えるだけでなくて、豊富な機能を盛り込んでいる。

MoonClerkは、一度だけの支払と、月、四半期、年などの定期的な支払をサポートする。ユーザはまず同社のオンラインフォームビルダーへ行って、チェックアウトのデザインなどを決める。できる人は、CSSも使える。金額の表示や支払方式など、細かい指定もいろいろできる。

フォームを作ったら、MoonClerkが料金を引き落とすためにクレジットカードの情報を教える。そして、Stripe Connectのために自分の銀行情報を入力する。そうするとサイト用の埋め込みコードと、共有(Facebook、Twitter、…)のためのリンクをもらえる。

入金を知らせるメールの通知機能もある。来週からはクーポンやディスカウントも扱えるようになる。Caldwellによると、そういう細かい機能増強課題は、まだまだたくさんある。たとえば顧客がチェックアウト時に追加注文ができる機能など(あと5ドルでケースもおつけしますが、いかがでしょうか?)。

サウスカロライナ州Greenvilleに居を構えるMoonClerkは、完全に自己資本のみだ。Caldwellが不動産投資から得た利益を使っている。資金調達の意向は、今のところない。口コミだけで数ダースのユーザがついたが、その中には、このサービスを利用して毎月1万ドルを処理している人もいる。

サービスの利用料金は支払の額がベースで、最低は月額1000ドルまでが9ドルだ。ユーザになってみたい人はここで登録を

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


今やネット上の醜い化石のようになっているフォーラムをフレッシュに蘇らせるMoot

新しい形のフォーラムを提供するMootが、3年半の開発期間を経て今日(米国時間4/5)ローンチする。ディスカッションサービスは今でも各種存在するが、Mootはサイトのオーナーのニーズに応じて自由にカスタマイズでき、しかもクリーンでシンプルでリアルタイムで組み込み可能でクロスプラットホームであることを特長とする。スマートフォンやタブレットからも利用できる。

同社のファウンダはポートランドの起業家Courtney Couchと、UIライブラリjQuery Toolsの作者Tero PiirainenJanne Lehtinen、二人は共にヘルシンキに住む。このチームは以前、人気のWebビデオプレーヤーFlowplayer作り、そのときに経験し感じたことからMootのアイデアが生まれた。

Couchは次のように説明する: “Flowplayerの全面改築をやろうとしていた。それまではサポートシステムもフォーラムも別々だった。しかし、全体的にスタティックな(動的に生成される部分のない)サイトにしたかった。でも、そのためのツールがなかった。別のフォーラムソフトを単独でインストールすることも考えたが、既存のフォーラムサービスはどれも90年代の産物で、アプリケーションとフォーラムを一体化することができなかったし、ましてやそのための自由な構成も不可能だった”。

そこで彼らが自作したのが、Mootだ。

このプラットホームは、サイトのオーナーがその機能性を自由に設計できる。

たとえば、コメントの投稿だけ、という使い方ができるし、コメント投稿とフォーラムのディスカッションの両方がある形にもできる。フォーラムとコメントが融合してもよい。フラットなコメントも可、スレッドも可能だ。ユーザが、そのサイトのアプリケーション(サービス)の本体で使っているユーザ名とパスワードを、そのまま使えるようにもできる。

Mootにはこのような柔軟性があるが、そのほかの機能もある。たとえば写真やビデオ付きの投稿機能はデフォルトではないが、サイトのオーナーの構成次第でそれができるようになる。

好き/嫌い、賛成/反対、などのいわゆる人気投票の機能はない。それがあると議論に参加するユーザが混乱する、とCouchは言う。

ブログのプラットホームは、Tumblrのようなシンプルなものから、WordPressのような複雑高度なものまで、いろいろある。それと似てMootは、今市場にあるものに比べてずっとシンプルなコメントおよびディスカッションのためのプラットホームだ。Couchによると、ベーシックなフォーラムを立ち上げるまでに1分もかからない。あとは、いくつかの埋め込みコードをコピペするだけだ。

Mootでいちばん目立つのはそのクリーンでシンプルな外見だが、Mootのホームページにはサイトをおもしろくするための多様な機能が詳しく説明されている。たとえば、新規投稿をリアルタイムでフィードできる。また”My Feed”というページで、ユーザが自分自身の対話履歴を閲読できる。こちらもリアルタイムだ。

検索は高速で、入力時にスペルや文法の間違いを訂正してくれる。また関連語彙を見つけてくれる。たとえば”configuring Pyton”とタイプすると、”configure Python”で検索してくれる。

検索結果として出てくるディスカッションは、最初は折りたたまれているが、そのディスカッションへ行かなくても検索結果のページの上で広げることができる。アップデートは、リアルタイムで反映される。リプライも検索結果ページに居るままでできる(上図)。

コメントは、フラットにもできるし、スレッドにもできる。ただし、複雑化を避けるためにスレッドは一段のみ。コメントの[Like]はできるので、それとWordPressのAkismetを使ってスパムを管理できる。サイトのアドミンは、ダッシュボードの上で簡単に悪質なコメントを削除できる。ダッシュボードからの一括管理は、とても簡単便利だ。

ユーザ名の横のボタンが赤だったら今オンライン、グリーンだったら今オフラインだ。ユーザ名はユーザが決められるが、その後勝手に変えることはできない。投稿してから2.71分(またの名: “e“)経つと、編集や削除はできない。アドミンが削除するまで、その投稿はパーマネントになる。

“あとからの削除や編集を自由放任にすると、読者にとって議論のスレッドが理解不能になるからね”、とCouchは言う。たしかに、何のことだか分からなくなるのは、困るね。

Mootの中核的な機能(コメンティング/ディスカッション)は、DiscourseやLivefyre、Disqus、などなどと競合する。今は無料だが、今後は3つの機能を有料化したいと考えている: シングルサインオンが月額20ドル、独自ブランド化が月額5ドル、非公開フォーラムが月額10ドル。ただしこれらの機能は、今のところまだない。

Mootを使ってみたくなったWebサイトのオーナーは、ここで申し込む

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Twitter、新たに「App Cards」を導入。今後の展開とその狙いは?!

昨日アナウンスがあったが、Twitterがモバイル版アプリケーションのアップデートをリリースした。話題を集めているのはTwitter App Cardsと呼ばれる機能だ。AppleのiTunes App Storeでのバージョン5.5についての説明によれば、「お気に入りのアプリケーションを直接発見、インストール、起動できるようになりました」とのこと(Android版もリリースされている)。

(ところでiTunes英語版のページでは「Twitter for iPhone now helps you discover, install and launch your favorite apps from Tweets」と、Tweetsが大文字になっている。何か大人の事情があるのかもしれないがよくわからない)。

Twitterカードを使うと、ツイート(でもぼくは小文字でtweetとする方が好きだ)の中に写真や動画、記事のスニペットなどを埋め込むことができていた。そして今回のアップデートによって、このTwitterカードの機能が拡張されたのだ。詳細については昨日の記事(英文)に記載しておいた。

拡張部分について簡単に触れておこう。誰かがアプリケーション経由のツイート(Foursquare等)を行ったとしよう。すると投稿の末尾にアプリケーションへのリンクが張られ、リンクを辿ってアプリケーションストアからダウンロード/インストールできるようになったのだ。さっそくDelectable、Etsy、Flickr、Foursquare、Gumroad、Jawbone、Path、RovioのAngry Birds、SoundCloud、Storenvy、Wine Library、それにTwitterのVineなどがこの機能に対応している。

今回のアップデートはすなわち、Twitterがアプリケーション・エコシステム(とくにMコマース)の中で重要な役割を担うことを意図するものだと言えるだろう。この点についてはこちらの記事(英文)の方に詳細がある。

今回のアップデートでは他の面での改善もある。

  • 起動時間の短縮および全体的なパフォーマンス向上
  • ツイート詳細表示画面で「…さんがリツイート」がリンクになった
  • reply-to-self問題のフィックス
  • リツイートのアンドゥができない場合がある問題をフィックス

オリジナル記事執筆時にはAndroid版がリリースされていなかった。Android版には独自のアップデートも行われている。ブログ記事から引いておこう。

Android版Twitterの新バージョンをリリースしました。Androidネイティブなデザインを実現しています。タイムライン表示部分は縦横ともに広がって画面を広く使うようになりました。ナビゲーションバーはフラット表示となり、またツイートを長押しすることでメニューが表示されるようにもなっています。さらにタブ間の移動にもスワイプ動作が利用できるようになりました。さらにハッシュタグ入力時や検索時に候補(サジェッション)が表示されるようにもなりました。これまで以上に多くの人と会話を楽しめるようになったのではないかと思います。

尚、AndroidだけではなくiPhoneおよびmobile.twitter.comもアップデートしています。これらすべてのモバイル版およびTwitter.comにても、フォトギャラリーやアプリケーション、製品リストなど、さまざまなものが拡張表示できるようになっています。

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(翻訳:Maeda, H)


Queueing Theoryは、どんなアプリにもMailboxライクな予約システムを提供するサービス(噂を呼ぶためだけでも可)

Googleが、当時新しいメールサービスだったGmailを招待制にして以来、スタートアップのファウンダーたちは自分たちのサービスにも同じ盛り上がりを期待して策を巡らしてきた。しかし、かつてのGmailに少しでも近づくレベルの需要を再現できたのは、最近のiOSアプリ、Mailboxによる「予約システム」が初めてだった。そして今、サンフランシスコ拠点のQueueing Theoryという会社は、Mailboxと同様の予約システムを、どんなスタートアップでも、特にモバイルユーザーをターゲットにするスタートアップが使えるようにするサービスを提供する。

最近Dropboxに買収されたMailboxは、まず専用URLで登録ユーザーを集めることによって、 アプリへの関心を高めた。ユーザーには予約番号を伝えるSMSが送られ、そこには行列内の位置とアプリがApp Storeで公開された時にロックを解除するための暗証コードも書かれていた。

同社は予約システムがサーバー負荷の軽減に役立ったと言っているが、それ以外の副次効果があった。この噂の新アプリに、最先端のアーリーアダプターだけが入れる会員制クラブのような雰囲気をもたらしたのである。今や、新しい「スマート・カレンダー」Tempoをはじめとする他のアプリも類似のしくみを活用している。Tempoのケースでは、事前に「大がかりなメール処理」が必要であるために、専用の予約システムが必要だったと主張している。

しかし、このしかけをメールやカレンダーアプリだけに使わせる手はない。どこのスタートアップのファウンダーも言うように、大量のユーザーが押し寄せればサーバーがパンクしてユーザー体験を損う。

Queing Theoryの狙いはそこにある。このMailboxライクな予約システムは、モバイルアプリ開発者のニーズを想定して設計されている。ウェブインターフェースを備えてはいるが、システムは〈サーバーの能力が一般ユーザーの登録を受け付けられる水準になる前に〉、AppleのApp Storeで(近々はAndroidでも)アプリを公開したいデベロッパーに特化して作られている。

ユーザーは、アプリあるいは提供するメーカーのホームページからユーザー登録できる。メールアドレスを登録したユーザーには行列内に位置が与えられ、SMSで送られてくると共に、後にアプリが公開されたらそこに順番が表示される。

しかしこのシステムがMailboxのやり方と違うのは、新しいApp Storeアプリにユーザー登録する人たちの中でも「特別な」ユーザーだけのためのソーシャルネットワークを作っていることだ。スタートアップは、カスタム版のバッジやステッカーを作ることができて、Queueing Theoryのユーザープロフィールに掲載される。友達がどのアプリに登録しているのかが一目でわかり、そのステッカーをクリックすると自分も同じアプリの行列に並べる。

さらには、行列で前に飛び越すことのできる少額のプレミアム・ステッカーを買うこともできる。列の先頭近くにいるユーザーは「ゴールデン・チケット」ステッカーももらえる。Queueing Theoryシステムでいちばん多くゴールデン・ステッカーを集めたユーザーは、将来「スーパー・キュー」ステッカーを割引価格で買うことができる。

デベロッパーにとってこのシステムは、自社のモバイルアプリに待ち行列を簡単に組み込めるだけでなく、実際には誰もアプリを使う前に噂を起こしてApp Storeの順位を上げることができる(ただしAppleがこれにどう対処するのかは不明)。デベロッパーはオンラインで、登録ユーザーのフィルター、招待リストのカスタマイズ、自社専用「ステッカー・セット」のデザインなども行える。

面白いことに、Queueing Theoryは正式スタート前にメールアドレスを集めるために、自社製の招待システムを使っていない。今はこのLaunchrockのページでひっそりと受け付けている。同社によると自前のシステムはまだ開発中で数週間のうちにLaunchrockからQueueing Theoryのページへ移転するつもりだという。ユーザーはここで登録すれば、近く完成するページにアクセスが可能になり、そこでQueueing Theoryの登録ページが利用可能になったら通知をもらえるリストに載せられる。詳しくはここをクリック

アップデート:これまでに登録してくれた200名近い人たちには感謝しているが、これはエイプリルフールのいたずらだ。どうかあなたのアプリではこれをやらないで欲しい。お願いする。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)


6秒動画のVine、ウェブへの埋め込みをサポート。FacebookやTwitterへの共有機能も拡充

Vineファンの方は既にご存知だろうが、Twitter社の運営するVineが、小さな、しかしかなり重要なアップデートを行った。作成したビデオをウェブに埋め込むことができるようになったのだ。埋め込みにあたっては二つのスタイルから好きな方を選ぶことができる(SimpleというものとPostcardというスタイルが選べる)。埋め込みリンクの生成はモバイルデバイス上から直接行うこともできるし、Vine.coのページで行うこともできる。

モバイルデバイス上で埋め込み機能を可能にするにはiTunes App Storeから最新版をダウンロードする必要がある。ご存知だろうが、Android版Vineはまだ存在しない。iOSデバイス上で埋め込み用リンクを取得するには、右下にある「more」ボタン(「…」のような表示のボタン)をクリックする。そして「Share Post」を選択して、そこに表示される「Embed」を選べばOKだ。コードが表示されるので、これをコピーするかメールで送って利用することができる。

埋め込み時に「Simple」を選ぶとVineのビデオのみが埋め込まれることになる。「Postcard」を選択すると、ビデオの上に撮影者名と日付が表示されるようになる。あわせてビデオに付した説明が下部に表示される。サイズは320px、480px、あるいは600pxから選ぶようになっている。

また、今回のアップデートによりFacebookおよびTwitterでシェアする機能も拡張された。自分の投稿した動画はもちろん、人の投稿した動画でも「Share」画面からTwitterやFacebookで共有することができる。但し、何度も重ねて共有することはできないようになっている。

「Vineを始めたとき、利用者の方々からの投稿を、人びと、風景、着想、ないし何かしらのモノを移すための『窓』であると位置づけていました」とVineのGMであるDom Hofmannは語る。「今回のアップデートにより、さまざまな場所からこの『窓』を覗きこむことができるようになったのです」とのこと。

何度か記事にも示しているが、Vineは大手ブランドからの引き合いも多くなっているようだ。新しい機能を紹介するブログ記事の中で、Vineを利用しているMLBCBS、およびUSA Todayなどにも言及している。少し前には映画ウルヴァリンが従来型の予告編映画を公開する前に、Vine上で「トゥイーザー」を流すという出来事もあった。最近の記事によれば、他にもGE、Urban Outfitters、Lucky Mag、Neiman Marcus、Walgreenなど、多くの企業がVineを使い始めているようだ。

最新版のVineはこちらからダウンロードすることができる。

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(翻訳:Maeda, H)


アプリ内購入による売上が過去最高に。米国iPhoneアプリ売上の76%、アジアでは90%

今やモバイルアプリの多くがアプリ内購入で収益を上げていることはよく知られているが、今日(米国時間3/28)発表されたレポートは、この収益メカニズムがいかに強力になってきたかを見せつけている。2012年1月時点で、米国iPhone App Storeの売上に占めるアプリ内購入は約半分(53%)だったが、先月にはこれが過去最高の76%まで増えている。

しかしながらこの数字は地域によって異なる。例えばドイツでは、2月のアプリ内購入の割合は61%と低い。一方、アジア市場の数字は爆発的だ。香港、日本、中国、および韓国では、全アプリ売上の90%以上がアプリ内購入によるものだ。

これらの結果はDistimoによるApp Store分析の最新レポートが示しているもので、今月は特に詳細な分析がなされている。同レポートは特に米国におけるトレンドを調べ、iPhoneのアプリ内購入を利用しているアプリ販売社のビジネスモデルに注目した。

当然ながら、Distimoの調査によると、米国では大半(71%)のアプリが「フリーミアム」アプリで、アプリ自体は無料だがiPhoneにインストールされた後、バーチャルグッズ、特別なレベル、サービス、アップグレードなどを有料で提供する。5%はアプリ内購入を利用している有料アプリで、残り24%がアプリ購入を伴わない純粋な有料アプリだった。

現在80万本以上のiOSアプリがひしめくApp Storeで、デベロッパーは自分のアプリを見つけもらうことが益々困難になりつつあり、インストールされるとなるとなおさらだ。アプリ自身に値札を付けることが、今や物見高い気軽なユーザーにとって障壁となっている。AppleのApp Storeには「お試し」のしくみがないことも一因だ。AndroidのマーケットプレイスであるGoogle Playには簡単に返品するしくみやコンテンツのトライアル購読がある。時として(子供向けアプリでは間違いなく)適切な告知をせず、不誠実さらには詐欺的だとまで言われながらも、稀少なホーム画面の場所を争うデベロッパーたちはこのビジネスモデルの採用を余儀なくされている。

かくしてアプリ内購入(IAP)ベースのフリーミアムアプリの増加傾向は依然として続いている。上に書いたように、わずか1年前と比べてもこの方法で収益を上げているアプリが急増している。2013年2月のトップ10売上スアプリは、2012年1月以降にリリースされたものでその〈全部〉がフリーミアムアプリだ。

Distimoは先月、トップセールスアプリのトップ250も調査しており、ARPD(1ダウロード当たり平均売上)として知られているApp Storeでの指標を求めるためにダウンロード数と売上を推定した。こうして得られたARPDを見ると、どのパブリッシャーもこのビジネスモデルに引き寄せられてはいるが、ダウンロード当たりの実績には大きな開きがあることがわかった。トップ10のARPDは、最低が0.37ドル、最高は7.04ドルだった。

どのビジネスモデルが全体としてうまくいっているかを確かめるべく、Distimoはトップセールスアプリのベスト250を調べた。内170本が無料+IAP、53本が有料+IAP、27本が有料のみだった。(ビジネスモデルを変更したアプリは分析から除外した。広告収益も含めていない)。全iPhoneアプリの平均ARPDは0.99ドルだった。

全有料アプリの平均ARPDは2.25ドル、無料アプリでは0.93ドルだった。IAPを利用している有料アプリのARPDは2.45ドルだった。

上記はiPhone App Storeに絞ったものだが、DistimoはiPadアプリも分析しており似た傾向が見られた。ただし平均販売価格は高めだ。2013年2月のストア全体の平均価格は、4.45ドル、一方iPhoneは3.19ドルだった。

IAPなし有料アプリのARPDは4.04ドルで、iPhoneのほぼ2倍。IAP付き有料アプリでは3.72ドルだった。フリーミアムアプリは2.26ドルで、これもiPhoneより高い。

全体では、有料アプリにおける1ダウンロード当たり平均アプリ内購入売上は、iPhoneで0.98ドル、iPadで1.26とDistimoは言っている。

同レポートは米国以外にも目を向け特に日本のARPDが高いことを指摘している。同国のトップ10セールスアプリのARPDは12ドル以上だ。Distimoは、「パズル&ドラゴンズ」をこのゲームにデータが引っぱられることを防ぐために分析から外しているが、もし含めていればARPDはさらに高くなっていた。

レポート全文はこちら

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(翻訳:Nob Takahashi)


Digg曰く、開発中のGoogle Reader代替ツールはRSSリーダー「以上」を目指す

DiggがGoogle Readerの代替プロダクトを開発中であることは既にご存知だろう。この度Diggは寄せられるコメントに応える形で、自社ブログに開発の目的などを掲載していた。その記事によると、まず4つの柱があるのだとのこと。柱とはすなわち、シンプルであること、軽快に動作すること、デバイス間で同期がとれること、そしてもちろんGoogle Readerからのインポートが簡単に行えることだ。但し、Diggとしてはこの要望を実装するReaderクローンの制作で満足するつもりはないようだ。将来的には、ソーシャルメディアやReddit、Hacker Newsなどさまざまな場所から、利用者にとって重要な情報を抜き出して提示するようにもしたいのだとのこと。

Google Readerがサービスを停止するという情報が流れて、RSSフィード関連のサービスを手がけているスタートアップには数多くの新規利用者が流入することとなった。たとえばFeedlyは先週、モバイル系で最も人気のあるRSSリーダーの地位に立った。但しNewsBlur、TheOldReader、Reeder、NetNewsWireなども新しい利用者を集めており、勝負はまだまだこれからといった様相ではある。

そのような中、現在はBetaworksの出資を受けて再編したサービスを提供しているDiggが、RSSリーダーの世界に参入するという話が出て注目を集めている。Diggのメンバーたちは自らのことを「病的な情報中毒」と定義していて、これまではGoogle Readerを使ってきていたそうなのだ。しかし多くの人がDiggの参入に期待しているのはそれだけではない。新しくなったDiggがクリーンで、非常に簡単なインタフェースで動作しているという事実によるものでもあるのだ。多くの人が、新しいReaderにもそうしたシンプルさを求めているようだ。便利さを実現して、「雑誌風」などといった飾り付けについては必要ないと思っている人が多いのだ。

Diggがそうした利用者の声に耳を傾けているらしいのは非常に良いことだと言えよう(Reader開発をアナウンスした投稿には800件以上のコメントが寄せられているのだそうだ)。しかし、より大事なのはやはり将来的にどのようなプロダクトを生み出すのかということだ。

冒頭でもリンクしたブログ記事にてDiggは、将来的なプランについて次のように記している。

GoogleはReaderにて非常に素晴らしい世界を展開してきたと言って良いでしょう。ただ、今回の我々のアナウンスに対して寄せられたコメントを見ると、まだまだ進化の余地もあるようです。私たちはさまざまなユーザーニーズに応えられるような、クリーンでフレキシブルなプロダクトを作りたいと考えています。

多くの人にとって、Twitter、Facebook、Tumblr、Reddit、LinkedIn、ないしHacker Newsなどの情報ソースが非常に重要なものとなってきています。しかしそれらの中の情報をきちんと便利に組織化するということがまだまだできていない現状があると思うのです。我々のプロダクトでは、その辺りにも力を入れたいと考えています。もちろん最初の段階から全てを盛り込むのは無理としたものです。しかし、一層の進化を目指して開発に取り組んでいきたいと考えているのです。

Diggは、利用者には長い目で見て欲しいという考えを持っているようだ。Googleのサービス停止に間に合わせて最初のプロダクトをリリースしなければならないことを考えれば、それも当然のことと言えよう。しかし最初のプロダクトにて、上に掲げた4つの柱は実現する予定でいる。そこにさまざまな機能を付け加えていく予定にしているようだ。

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(翻訳:Maeda, H)


Googleドライブのパワーユーザー向け高機能デスクトップクライアントのInsyncがいよいよ製品版を公開

Insyncは高機能なGoogleドライブのデスクトップ・クライアントだが、今日(米国時間3/26)、ベータを脱してMac版とWindows版の製品版をリリースした。

アップデートされたクライアントには多数の新機能(もちろんオリジナルのGoogleドライブにもない機能)が追加されている。その中には複数のGoogleアカウントのサポート、フォルダやファイルの選択同期、デスクトップへの通知、Googleドライブ以外のネットワーク・ドライブのサポート、柔軟な共有オプションなどが含まれている。

Insyncはシンガポールとフィリピンに本拠を置くスタートアップだが、当初はGoogleユーザー向けのDropboxに似たサービスを目指していた。当時GoogleドライブはGoogleドキュメントと呼ばれており、まだ本格的なクラウド・ストレージ機能を備えていなかった。しかしその後Googleはドライブにデスクトップクライアントを用意してDropbox風のサービスを自ら提供するようになった。そこでInsyncは方向を変えてGoogleのクライアントにまだない機能を開発し始めた。

「開発中にわれわれは非常に多くの人々がこういう機能を望んでいることに気づいた」と共同ファウンダー、CEOのTerence Puaは語る。 2008年にInsyncを創業するまでPuaはフィリピンのFriendsterを運営していた。

ユーザーのターゲットはGoogleドライブのパワーユーザーで、右クリックでフォルダやファイルの共有を開始できる機能も備えられている。その他フォルダやファイルの選択的同期などパワーユーザーが必要とする機能が多数ある。さらにギークな機能としてこの1.0にはシンボリック・リンクやエイリアス機能が含まれている。Puaは「これによってユーザーはInsyncのフォルダにいちいちドラッグアンドドロップでファイルやフォルダを移動することなくフォルダ階層を保ったままで利用できる」と説明する。

今回発表されたv1.0はMac版とWindows版で、Linux版はまだv0.9だという。しかしこれも近くリリースされる予定だ。Insyncは現在各プラットフォーム合計で数十万人のベータ・ユーザーがおり、その40%はGoogleAppsを利用しているビジネス・ユーザーだという。

今回の製品版のリリースにともなって料金も発表された。すべての機能が利用できるプロ・プランは9.99ドルの1回払い、数週間後に発表予定のビジネス・プランには企業のIT部門が利用状況をひと目で把握でき、社員別のアクセス管理ができるダッシュボードや優先サポート、 高度な検索などの機能が付加される。

Puaは「われわれの目的は単にGoogleドライブのクライアントを開発することではない。高度なクラウド・ストレージ・サービスの構築にある。ドライブのクライアントは第一歩にすぎない」と語る。

Insyncは2011年1月に80万ドルのエンジェル資金を得た。2009年にはad Reid Hoffman(LinkedInのファウンダー、CEO)、Tovio Annus (Skypeの共同ファウンダー)、Joi Ito(ネオテニーのファウンダー)、Santosh Jayaram(Twitterの元ビジネス運営担当副社長)らの投資家から30万ドルの.シード投資を受けている。

共同ファウンダーのMarte Solizaを含めてInsyncの社員は現在9人 で人材を募集中だ。

Insync 1.0はこちらからダウンロードできる

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ウェブアプリケーション用インタフェースビルダーを提供するDivshot、シードラウンドで110万ドルを調達

サンタモニカのDivshot発表によると、同社はシード資金として110万ドルを調達した。Divshotはウェブアプリケーションのインタフェースをドラッグ&ドロップで作成するためのサービスを提供している。本ラウンドはRincon Venture Partnersが主導したもので、500 Startups、Daher Capital、Floodlight Ventures、Cooley LLP、Drummond Road Capital、そしてEric Hammondが参加している。

Divshotが運用を開始したのは、カンザスで開催されたStartup Weekendというイベントがきっかけだ。イベントにおいて、他の開発者たちからの絶賛を受け、共同ファウンダーのMichael BleighおよびJake JohnsonがDivshotにフルタイムで専従することを決意したのだった。またCrowdStart LAにも参加して、Right Side Captalから設立資金の25万ドル及び、将来的な資金調達についても相談し得る地位を獲得した。また最近までLaunchpad LAにも属していた。

Divshotはさまざまな経験の中で、サービスの外観をシンプルでかつ実用的なものに変更してきている。そうした方が開発者たちからの評価が高くなることを発見したのだそうだ。

当初、DivshotではTwitterによるUIフレームワークのBootstrapを利用していた。そのフレームワーク上で動作するWYSIWYGエディタを提供してインタフェースやモックアップの開発速度を向上させるというサービスを提供していたのだ。しかし「私たちの目的はひとつのフレームワークでのみ動作するニッチなツールを開発することではないのです」とBleighは述べる。その発言通り、DivshotはZURB Foundationおよびモバイル用CSSフレームワークのRatchetのサポートをアナウンスしている。

「ウェブ開発における標準ツールの地位を獲得し、ビジュアルデザインの世界でAdobeのCreative Suiteが占めているような立場に立つ可能性もあると考えているのです」とのこと。

2000名以上の開発者とのプライベートテスト段階を経て、昨年10月に一般公開となった。その当時で9000人以上の開発者が利用を希望していたのだそうだ。口コミなどによる評判が広がり、今では40000名以上の人が利用している。

最近は「Divshot Docs」というオープンソースのドキュメントサイトも公開して、ここにガイド、チュートリアル、Tips、ちょっとしたトリック系の使い方などの情報を掲載している。オープンソースというやり方に非常に積極的であるようだ。

Divshotの公開ベータには、こちらより、現在のところ無料で参加することができる。

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(翻訳:Maeda, H)


Nielsenの伝統的な視聴率調査が今年から対象を一気に拡大; ゼロTV世帯も調査対象に

old fashioned tv

Nielsenが今日(米国時間3/11)発表したデータは、“ゼロTV世帯”の傾向をいくつかの数字で示している。ゼロTV世帯とは、もはやテレビを見ずに、ビデオコンテンツはコンピュータやスマートフォンやタブレットで見る、という世帯のことだ。今日発表されたデータによると、合衆国のコードカッター(cord cutter, テレビのコードを切った人/世帯==ゼロTV世帯)は500万あまりおり、2007年の300万に比べてかなり増加した。

しかしNielsenも認めているように、500万といえば全視聴者の5%にすぎない。残る95%は、リビングでふつうのテレビを見ているのだ。また、番組をテレビで見ない人も75%はテレビ受像機を持っていて、ゲーム用やDVD鑑賞用などに使っている。

また“ゼロTV世帯”の人たちも、その67%は何らかのビデオコンテンツを見ている。コンピュータで、が37%、インターネットからが16%、スマートフォンが8%、タブレットが6%だ。

zero tv

もちろん、ゼロTVでない、ふつうにテレビを見ている人たちも、コンピュータなどの上でストリーミングビデオもやはり見ている。

NetflixやHuluなどのオンデマンドサービスは、まだコンテンツの揃い具合で従来のテレビにかなわないから、完全なゼロTVの世帯は多くない。しかしNetflixなどは最近、自前オリジナル番組映画などを作り始めている。だから彼らのコンテンツの揃い具合が既存のテレビ局と肩を並べる日が来れば、テレビを見なくても平気、という人たちが増えるだろう。ただし当分、そんな日は来ないだろうけど。テレビは今でも王様だ

でも今のコードカッターたちが関心をそそるのは、それが市場の長期的な未来の姿を表しているように思われるからだ。テレビ離れがまだ大勢ではないとはいえ、テレビの見方は変わっている。テレビを見るためのデバイスが多様化しているだけでなく、コンテンツの消費の仕方も変わってきた。

変化は、アーリーアドプター(earlier adopter, 新しいものに真っ先に飛びつく人びと)だけに限定されない。CBS Newsの大衆番組”Sunday Morning”で今週末、視聴者ゲストのLuke Burbankが、NetflixやHuluやHBO Goのようなサービスがあるおかげで、最近は連続ドラマなどの“一気見(binge-watching)”中毒になってしまった、と告白した。一気飲みならぬ一気見は、本誌TechCrunchの読者なら珍しくないと思うが、このようにふつうの視聴者が中毒だと言う現状は、もはやふつうではない。番組の見方も、変わってきたのだ。〔*: binge-watching, 同一番組の複数の週にわたる録画コンテンツを、ひまな休日の昼間などにえんえん長時間かけて見ること。そういうDVDが商品化されている。〕

なおNielsenの調査報告書では、ゼロTVの家庭のほぼ半数が35歳以下の若い世帯だ(下図)。

zero tv homes

人種構成はテレビを見る世帯とそれほど変わらないが、アジア系(ASIAN)だけやや差がある。またゼロTV世帯は、子どものいない世帯が圧倒的に多い。また、一人暮らしの比率も、ふつうにテレビを見る世帯よりはかなり高い(テレビ世帯26.2%、ゼロTV世帯41.2%)。(下図)

nieslen zero tv 2

しかし、いまふつうにテレビのある家でも、そこの子どもたちの将来は違うだろう。

ゼロTV世帯の増加は、合衆国経済の不調と、テレビ受像機以外の視聴機会の増加という、二つの要素の同時発現と関係があるかもしれない。アメリカ国民の主なテレビ視聴方法は有料のケーブルテレビだからか、ゼロTV世帯の36%がテレビを見なくなった理由として経費を挙げている。しかしその次に多い31%は、“テレビに関心がなくなった”を理由として挙げている。インターネットやモバイルは、テレビと同じ番組が見られるわけではないけど、コンテンツに多様性があっておもしろい、ということではないか。YouTubeもソーシャルネットワークもビデオチャットもTumblrへの投稿もモバイルのゲームも世界中のニュースやエンタテイメントも、テレビにはない。しかも、これらとつきあっていると、リビングのテレビの前でぼーっとしている時間がほとんどなくなる。

この調査では、再びケーブルテレビに契約したいというゼロTV世帯は、わずか18%だ。

今月初めにNielsenは、2013-2014のシーズンからこれらのゼロTV世帯も調査対象に加える、と発表した。その前の2月にはハリウッドの記者からの特ダネとして、ふつうのテレビ以外のものの視聴もNielsenが調査対象にする、という計画がリークされた。つまり、DVRや(ネット上の)オンデマンドの番組も含める、という意味だ。

その記事は、AmazonやNetflixのようなストリーミングサービスも今後の視聴率調査に加え、さらにXboxやPlayStationなどのゲーム専用機も含めるのなら、そのためのハードウェアとソフトウェアの整備が必須だろう、と述べている。最初はiPadなどのタブレットの‘視聴’を見ていくらしいが、今後は機器やソースを限定せずビデオの視聴全般を調べていく計画だ。

しかし、Nielsenが、テレビと、テレビを取り巻く全メディア全デバイスを対象に日報や週報(たとえば“今週のNetflix”)を提供してくれるのは、まだまだ先だ。長期的には、ぜひそれをお願いしたいが。いずれにしても、ふつうの視聴者が一気見をするご時世には、従来のような視聴率調査はほとんど意味を成さない。それはもう、ふつうの意味の番組録画でもない。最近の報道によると、Netflixの自主製作番組“House of Cards”は同サービスの最高視聴率を稼いでいる。しかも6回ぶんまとめて見る、という見られ方が多い(Netflixはワンシーズンぶんを一気にリリースした)。

しかし、既存のテレビ産業にとっていちばん気になる数字は、この調査ではあまり目立たない次の数字ではないだろうか: Netflixの会員の約23%は、ケーブルテレビや衛星テレビの契約をキャンセルした。〔アメリカではふつうにアンテナを立ててタダで民放を見る、という見方は少ない。ケーブル王国である。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))