タイの通信大手AISで80億件ものネット利用記録のデータベースが流出

タイの通信ネットワーク最大手AISは、何百万人ものインターネットユーザーの何十億というリアルタイムインターネットの利用記録を流出させていたデータベースをオフラインにした。

セキュリティ研究者のJustin Paine(ジャスティン・ペイン)氏は、DNSクエリやNetflowデータを含むデータベースがパスワードなしでインターネット上にあることに気づいた、とブログに書いた。このデータベースにアクセスすると、インターネットユーザー(あるいは世帯)が今、何をしているのか誰でも「すぐに見当をつけられる」とペイン氏は話している。

ペイン氏は米国時間5月13日にAISにデータベースがオープンになっていることを警告した。しかし1週間経ってもAISからの反応がなく、ペイン氏は明らかなセキュリティ上の過失を通称ThaiCERTというタイの国家コンピューター緊急対応チームに報告した。そしてThaiCERTがAISに連絡を取った。

しばらくしてデータベースはアクセスできなくなった。

データベースを誰が所有しているのかは明らかではない。ペイン氏は、データベースで見られた記録の種類は、ネットワーク内を飛び交うインターネットトラフィックを監視できる人からのものだとTechCrunchに語った。ただ、データベースがインターネットプロバイダーに属するものなのか、あるいは子会社の1社のものなのか、はたまたAISネットワークの大企業顧客のものなのか識別するのは難しい。AISの広報担当は、電子メールによるTechCrunchからのコメントの求めに応じなかった。

DNSクエリはインターネット使用に伴う一般的な副作用だ。ウェブサイトを訪れるたびにブラウザはウェブアドレスをIPアドレスに変換する。IPアドレスはブラウザに、ウェブページがインターネット上のどこにあるのかを伝える。DNSクエリはプライベートのメッセージや電子メール、パスワードなど取り扱いに注意を要する情報を運ばないが、ユーザーがどのウェブサイトにアクセスし、どんなアプリを使うのかを特定できる。

これはジャーナリストや活動家のような、インターネット利用の記録が情報ソースの特定に使われ得るという、大きなリスクを背負っている個人にとっては深刻な問題となる。

タイのインターネット監視法では、当局のインターネットユーザーデータへの広範なアクセスを認めている。タイにはまた、アジアで最も厳しい検閲法があり、タイ王室や国家セキュリティ、特定の政治問題に対する批判を禁じている。2015年のクーデターで登場したタイの軍事政権は、ソーシャルネットワーク大企業のFacebook(フェイスブック)が一部のユーザーの投稿への検閲を拒否したためにフェイスブックを国中で禁止していたが、2017年にこれを撤回した。

DNSクエリデータは個人のインターネット活動についての知見を得るのにも使われる。

ペイン氏は、データベースにアクセスできる人がインターネットにつながっている家庭からいかに大くの情報を得ることができるのか、データを使って示した。例えば、所有しているデバイスの種類、使用しているコンピューターウイルス対策ソフト、使うブラウザ、頻繁に利用するソーシャルメディアアプリやウェブサイトなどについてだ。家庭やオフィスでは、多くの人が1つのインターネット接続を共有するため、インターネット活動から特定の人へと追跡していくのはかなり困難だ。

広告主もまたターゲット広告のためにDNSデータを重宝している。

2017年の法律で米国のインターネットプロバイダーはユーザーのDNSクエリや閲覧履歴といったインターネット利用記録の販売が認められ、ブラウザメーカーはインターネットやネットワークのプロバイダーが覗いて回ることがしにくくなるよう、プライバシーを高めるテクノロジーを展開することで抵抗した。

DNS over HTTPSやDoHのようなDNSリクエストを暗号化するテクノロジーは、ユーザーが訪れているウェブサイトや使用しているアプリをインターネットやネットワークのプロバイダーが把握することをかなり難しくする。

画像クレジット: Nicolas Asfouri / AFP / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

蚕を利用した医薬品製造を目指すKAICOが2.6億円調達、新型コロナ抗体検査キットやワクチンを開発へ

KAICO525日、5月22日に2億6000万円を調達したことを明らかにした。シリーズAラウンドの第三者割当増資による調達で、引受先はFFGベンチャービジネスパートナーズ、九州広域復興支援投資事業有限責任組合、東京センチュリーなど。シードラウンドを合わせた累計調達総額は3億円となる。同社は、2019年にTechCrunch Japanに開催したイベント「TechCrunch Tokyo 2019」のピッチコンテスト「スタートアップバトル」で、100社超の企業から勝ち残ったファイナリストの1社。

同社は九州大学が半世紀以上にわたって系統整備と体系的な選抜育種を進めてきた独自のカイコを利用したカイコ・バキュロウイルス発現法により、再生医療用研究試薬やワクチン、診断薬などを大量生産できる生産プラットフォームの構築技術を擁するスタートアップ。

カイコ・バキュロウイルス発現法とは、目的のタンパク質DNAをバキュロウイルスに挿入してカイコ体内に注入することにより、ウイルスの増殖に従って目的タンパク質が発現させる方法。発現された目的タンパク質を体内から回収・精製してワクチン製造などに利用する。

同社の説明によると、カイコは個々がバイオリアクター(生体触媒を用いて生化学反応を行う装置)の機能を果たすため、開発したタンパク質は頭数を増やすだけで、医薬品の量産が可能なるとのこと。少量多品種の生産に対応できるのが特徴で、複数薬を同時並行開発できるほか、大量生産も容易だとしている。

今回の新型コロナウイルスに関しては、技術導出元である九州大学農学研究院日下部研究室が主導し、組み換えウイルス抗原と組み換え抗ウイルス抗体の共同開発。抗原に関しては、新型コロナウイルスのSプロテイン三量体の開発に成功し、 複数の抗体との結合を確認したという。

この結果を受け、新型コロナウイルスの抗原・抗体を合わせて供給できることにより、パートナー企業と抗体検査キットの開発を開始した。また、抗原Sプロテインはワクチン候補として今後量産体制を確立し、製薬企業へ共同開発を呼びかけていくという。

今回調達した資金は、医療品製造に求められるGMPルールに則った生産設備の施工と機器の設置、研究開発・生産を担う人材増員のために使われる。さらに、同社が擁するカイコ・バキュロウイルス発現によるタンパク質開発の世界展開に向けた動きも加速させる計画だ。

新型コロナ禍の悪化し続ける世界に生きて働くこととは?

そう遠くない昔、私たちはよくなっていく世界に生きていた。もちろん悲劇や惨事はあり、深刻な不平等もあったが、それでも世界規模で、長い年月で見れば、ごく最近のベルリンの壁崩壊前と比べて、ほとんどの人々にとってものごとは良くなっていた。

「ごく最近」がいつか、について、道理をわきまえた人は異論があるかもしれない。個人的には、2015年あたりが転換点たと思っている。あれ以来、難民の数は膨れ上がり、「プレカリアート」(生活不安定層)の話題が高まり、ネオファシズムと区別のつかない外国人嫌悪が世界中にはびこり、地球温暖化の脅威が避けられなくなった。

ほかの、もっと楽観的な人たちは世界は今年になるまでよくなっていたと言う。しかし、新型コロナウイルスのパンデミックを前にいま私たちが後戻りしていることに異論を唱える人はほとんどいないと思う。直接的な死亡率だけではない。疾病率も、急増する失業率によって、期待するほど早い復旧は望むことができず、改善しなければ死亡率が何倍にもなることは明らかであり、世界恐慌にもつながる。最悪、世界で極貧が激増することが予測されている。

私たちは悪化する世界に住んでいる、少なくとも今年、おそらく来年、さらにその後も。それは、ものごとはよくなっているという理にかなった信念になじんだ人たちにとって、慣れるのが恐ろしく困難なことだ。長い間、おそらく1970年代中頃から1980年代初めにかけて以来、人類がこのような脅威にさらされたことはない。

悪化する世界で変わるのは何か?例えば、物事の帰結について今以上に慎重になる必要がある。高度経済成長期には、企業の成功(あるいは失敗)の不快な副作用をなかったことにする、という不幸な傾向かあった。それはすぐに解決する一時的な摩擦であり、上げ潮がすべてを押し上げ、影響を受けた人々は(少なくとも理論上)簡単に新しい職を見つけられるとされた。実際、好況時にはそれを論証することもできた。しかし、引き潮で鋭い岩が下にある時の事情はまったく異なり、人々は自分を合わせていかなくてはならない。

もうひとつ、さらに興味深くて直感に反する教訓が、1970代年中期から1980年代初期から学び取れる。それはパンクロックやヒップホップが生まれた時代であり、どちらも当時の美的基準からはかけ離れていた。当時はハリウッドの黄金時代であり、それはまさに「誰も何も知らなかった」からだ。Apple(アップル)とMicrosoft(マイクロソフト)が設立された時でもあり、パーソナルコンピューターが、その存在すら曖昧で奇妙な珍品だった。

おそらくここでの教訓は、今は何か奇妙なことを追い求める時だということだろう。後追いでも、順応型の別バージョンでもない、正真正銘の奇妙さだ。今は奇妙なスタートアップを見つける時かもしれない。いやもしかしたら、スタートアップは変化を後押しする主要な原動力であり、真に奇妙なのは、スタートアップとは全く異なる何かを作り出すことなのかもしれない。あるいは、単にアートを作る、ただし自分だけの形式のアートを発明することかもしれない。これが悪化する世界の中で楽観的な考えであることはわかっているが、パンデミックでさえ、楽観主義者を必要としているのだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

こだわりコーヒーが平日毎朝自宅に届く、「TAILORED CAFE」が月額定額のサブスクデリバリー開始へ

おいしいコーヒーを毎朝自宅まで届けてほしい——。東京都内のごく一部地域という条件付きではあるけれど、そんな“stay home”中のコーヒー好きの要望に応えるサービスが6月1日にスタートする。

同サービスを手がけるのは今年2月に麻布十番にオープンした「TAILORED CAFE(テイラード カフェ)」だ。以前にも紹介した通りこのカフェを運営するカンカクは、コミュニティファクトリー創業者で元メルペイ取締役CPOでもある松本龍祐氏が立ち上げた。

TAILORED CAFEは専用のモバイルアプリから事前注文しておくことで待ち時間なくコーヒーを受け取れる完全キャッシュレスカフェ。月額3800円を支払えば通常1杯400円のスペシャルティコーヒーが飲み放題になる「サブスク型のメンバーシッププラン」を提供しているのも特徴で、こちらについては約1ヶ月で累計600人が加入したという。

このメンバーシップは来店するユーザーを対象としたものだったけれど、6月より始まる「WEEKDAY COFFEEプラン」は自宅でコーヒーを楽しみたいユーザーを対象にしたサブスク型のデリバリーサービスだ。具体的には月額6800円(税別)を払うことで、平日8時〜10時までの時間帯にファストブリュー(通常500円)もしくはコールドブリューのラージサイズ(通常600円)1杯を自宅まで届けてくれる。

6月1日時点ではTAILORED CAFE麻布十番店から2.0km圏内が対象。本日より事前登録の受付を開始し、まずは30名を限定にサービスを提供する。配送は自社の配送スタッフが自転車で行うとのことだ。

またサブスクデリバリーと合わせて通常のデリバリーも始める。対象エリアは同じく麻布十番店から2.0km圏内で時間帯は8時〜14時まで。送料は購入金額が1000円未満の場合には550円、1000円以上の場合には330円でメンバーシップ会員や朝の時間帯向けには特典も提供する。

「もともとカフェを立ち上げたのも自分自身が以前オフィスビルで働いていた際に毎日カフェに通っていて、その体験をもっと良くしたいと思ったことが大きい。その1つのアイデアとしてプロの淹れたコーヒーが毎朝家に届けば最高の体験になるのではないかと考えた」

「(外出自粛や企業のリモートワークが進む今の状況下では)どうしても家でずっと仕事をしていると時間の切り替えが難しかったりもする。朝の決まった時間にコーヒーが届いて、それを受け取って飲んだら仕事を開始するといったような形で、Work From Homeの環境下において良いライフスタイルを実現するためのきっかけになれば嬉しい」(松本氏)

SEOはインハウス?アウトソース?(後編)

「アウトソースSEO」の考察

前編の「SEOはインハウス?アウトソース?(前編)」では、SEOのインハウス or アウトソースの大前提となる「費用対効果(ROI)」について、その上での「インハウスSEO」に関してお伝えしました。後編は「アウトソースSEO」についてお話していきたいと思います。

アウトソースSEOに向いている企業
固有の強みはあるが、デジタルマーケティング人材がいない(足りない)企業
BPOの有効活用に積極的な経営体質の企業

デジマ守備範囲広大化からくる人材不足

アウトソースに適している事業は、基本インハウスSEOと変わりません。(SEOを徹底的にやればやるほど売上・利益にヒットする事業)

「アウトソースに向いている」条件は、「デジタルマーケティング人材がいない(足りない・育てられない)」という状況に起因します。

よくあるケースとしては、SEO推進をWeb構築・運用系のスタッフがやむをえず兼務している組織です。もちろん優秀なWeb人材をインハウスで有する企業様も沢山ありますが、デジタルマーケティングの守備範囲は年々広大化・深化する一方です。

デジタルマーケティングの守備範囲

私のNoteでメモ的な記事がありますので、参考としてご紹介しておきます。

デジタルマーケティング領域の箇条項目|高松 建太郎 │ Kentaro Takamatsu|note

この広大な守備範囲を、数名でカバーせざるをえない…という悲痛な担当者様からの愚痴をよく伺います。正直私も20年Web業界にいますが「デジタルマーケティング人材が充分足りている!」というケースにお目にかかったことは無いかもしれません(苦)。これは業界全体の課題です。

特にSEOは専門性が強く、レンドの移ろいが激しいので、兼務でハイクオリティと成果を維持することが非常に難しいジャンルです。

SEOに限らずインハウス化は事業スピードの観点では理想的ではありますが、それには必ず人材的な限界値があり、適切にアウトソースを活用する方がパフォーマンス・費用対効果・事業成長スピードが向上するケースは非常に多いと感じます。

アウトソースではなく「BPO」

「アウトソースを活用してSEO強化に取り組む」ということは、SEOに強い支援会社をパートナーとして選定し、重要業務を「BPO(Business Process Outsourcing)」で行うことを指します。ただの「アウトソース」ではなく「BPOと定義したのは、SEOは単純な作業委託ではないからです。

BPO
もし「SEOのアウトソース」を「Googleのハック、外部施策、内部施策等の専門的作業の外注でしょ?」と捉えられている方は少し危険です。これらはアウトソースが有効な部分であることは間違いありませんが、目的ではなくあくまで手段です。

BPOは「外部支援会社に自社の部門として業務を行ってもらう」ことです。戦略策定から実行計画、PDCAサイクルを回すプロセスまでを請け負います。

前編でもお伝えしたように、DX時代のマーケティングの本質は「企業のコアコンピタンスをコンテンツ化し、様々な消費者とのタッチポイントで効果的に展開すること」で、事業側担当者の本分はこのコア業務に集中することです。
日々の作業に忙殺され、コア業務がおろそかになっていては、熾烈な競争市場で他社に打ち勝つことは不可能です。

「BPOすることができないコア業務」、「BPOできる専門業務」をしっかり整理・定義するところから始めるのがよいかもしれません。

BPOに対する考え方・文化

企業文化とBPO

ここで重要になるのが、その企業のアウトソース全般に対する考え方・文化です。

我々も様々なお客様の事業と関わらせていただいていますが、中には「自分達(事業側)のスタッフが異動になったとしても、ベンダーに知見が残っていれば事業は止まらない。」という徹底したアウトソース観を「文化レベル」で持たれている企業様もおられます。
※数年でジョブローテーションがルールで決まっている企業、等

これとは対極に「とにかく内制!社員がやれ!」な文化の企業もあります。外注費としてキャッシュアウトし、PLにヒットするよりも、内部人件費効率の最大化を重きに置く文化です。

どちらが良い・悪いという議論ではありません。事業や経営者の数だけ経営方針があり、利益を生む方法があり「企業の永遠の悩み」であると私は考えています。

今までインハウスだったものをアウトソースに切り替える、またその逆が様々な企業試行錯誤されています。私が知る限り、大規模なデジタルマーケティングを運営されている会社様で、ほぼ4年周期(オリンピック周期w)でインハウス・アウトソース方針が往復しているケースもあります。

全面的にBPOに振り切るパターン。戦略策定と効果測定をアウトソースにし、スピーディな日々の運用作業をインハウスにするパターン。これとは逆に上流ディレクションをインハウス化し作業をアウトソースするパターン。
このあたりだけで一冊本が書けてしまいそうですw。今後この部分はもっと深堀りしていきたいと思います。

経営コンセンサスがとれているか?

BPOに対する経営コンセンサス

アウトソース、 BPOを行う場合、キャッシュアウトに対する「費用対効果」を経営説明しなければなりません。企業規模の大小に関わらずデジタルマーケティングを司る部門と経営層がしっかり議論・検討できており、合意形成が成されている事が最重要です。これがズレていると、どんな優秀なベンダーを迎え入れたところで期待するパフォーマンスは生まれません。

大規模なアウトソースを実施し、結果として失敗に終わるケースの根本的原因は、「経営と現場の認識相違」、「経営の期待値と現場実情の大幅な乖離」と感じます。

特に「SEO強化」というテーマはハイコンテクストで、リテラシーや立場の差異による解釈の齟齬が生まれやすいジャンルです。企業としてのコンセンサスが不足していると、各所から懐疑心が生まれやすく「何のための投資?」となる危険性を孕んでいます。

前編でもお伝えしましたが、SEOの推進目標が「ビックキーワードで1位を獲る!」となっているケースは非常に危険です。それが組織トップからのオーダーだったとしても、プロジェクトが経過し、仮に目標達成していたとしても、投下コストが無駄に肥大していれば「それってROI合ってるんだっけ?」となり、後々間違いなく投資見直し対象となります。

前編でお伝えした『大前提は「費用対効果」』に回帰します。SEO強化を「投資」と捉え経営コンセンサスが取れていれば、大きな問題が起こることは回避できるはずです。

アウトソースベンダーの選定

最終的にどうしても重要になるのは「支援会社の選定」です。事業会社が支援会社を選ぶというのは、1つの学問になるぐらい奥深いものです。

ベンダー選定

少なくとも、これまでの考察から言えることは、

・例え安くとも、ただ作業を請け負うタイプのベンダーはNG
・SEO強化の投資対効果を合理的に設計できる、説明できる
・経営コンセンサスを補助してもらえる
・SEO専門プロジェクトの経験実績が豊富
・SEO専門の人材が豊富


あたりが重要になってくると個人的には考えています。
 

このテーマは弊社セールスマネージャーの岸が「Stand.fm」で語っています。

ご興味のある方はぜひこちらもご参照ください!

#8 SEO会社が教える!SEO会社の見極めポイント
ホダカタリ@きし ほだか
https://stand.fm/episodes/5e95aa3d4f8c03d210529569

最後に

今回の「アウトソースSEO」に関する考察をまとめさせていただきます。

デジタルマーケティング領域は慢性的人材不足
-理想はインハウスだが、アウトソースを有効に活用すべき。

アウトソースよりもBPOの考え方を
-事業側の担当者はよりコア業務に集中すべき

企業の数だけBPOパターンが存在する
-自社の文化や状況に適している方式を考える

経営コンセンサスが重要
-SEOへの「投資対効果」が説明できていれば安心

ベンダー選びの極意
-安かろう悪かろうはNG
-SEOの投資対効果を設計できる・実行できる
-SEOの経営コンセンサスを助けてもらえる
-経験・人材豊富に越したことはない

この記事を執筆してから、とても1つの記事では収まらない壮大なテーマだ!ということに書きながら気づきました(汗)。今後もこのあたりを細分化してもっと掘り下げてみたいと思います。

これからCOOの立場から、デジタルマーケティングに取り組む企業担当者様にとって有益な情報を継続発信してまいります。どうぞよろしくお願い致します!

次回は「番外編」として、弊社のお客様を招いて、「SEOはインハウスか?アウトソースか?」、「インハウス・アウトソース、それぞれのチーム作りで悩んだこと」など、赤裸々に語っていただきたいと思います。公開は6月半ばを予定しています。

SEOはインハウス?アウトソース?(後編)ナイル株式会社 - ナイルのSEO相談室で公開された投稿です。

店舗ビジネスのDXを支援する「はたLuck」運営が7.6億円を調達

店舗マネジメントツール「はたLuck」を展開するナレッジ・マーチャントワークスは5月25日、GMO VenturePartnersや三井不動産のCVCファンド(グローバルブレインが運営する「31VENTURES Global Innovation Fund 1 号」)などを引受先とする第三者割当増資により総額7.6億円を調達したことを明らかにした。

本ラウンドはシリーズBに該当し、同社にとっては2018年9月に2.7億円を調達して以来のもの。累計調達額は約10.3億円となった。

はたLuckは小売や飲食、サービス業などリアル店舗・施設を展開する企業の生産性向上をサポートする領域特化型のSaaSだ。現在は複数店舗を構える大手企業を中心に数十社へサービスを提供。店舗で行われる日々のコミュニケーションからマニュアル教育、情報の引き継ぎ、シフト作成などの各種機能を1つのアプリに搭載することで、現場の業務効率化を後押しする。

同サービスの顧客に共通するのは交代勤務制のアルバイト(ナレッジ・マーチャントワークスではシフトワーカーという表現をしている)が活躍する現場であること。曜日や時間帯によって様々なメンバーが入れ替わりで仕事をする状況において、常に高いクオリティを担保することが求められる企業たちだ。

ナレッジ・マーチャントワークス代表取締役の染谷剛史氏によると、そういった現場ではデジタルシフトが十分に進んでおらず、メンバー間の情報共有やコミュニケーションは現在でも「紙の大学ノート」が主流なのだそう。一部のコミュニケーションにはLINEなども使われてはいるものの、非効率な部分も多くアップデートの余地が大きいという。

「シフトワーカーが軸となって運営されている職場では、パズルのように人を組み合わせながら365日に渡ってサービスの品質を守っている。そのためには日々の情報交換や引き継ぎを相当しっかりやる必要があるが、近年は人手不足に加えて『好きな曜日に少しだけ働きたい』という働き手が増えていることもあり、2000年代初頭は30人で回っていたところが70人いないと回らないような状態だ。その現場をマネジメントする負担がかなり大きくなっている」(染谷氏)

はたLuckの特徴は、各スタッフが保有するスマホ上で日々の業務管理や情報共有が完結する点にある。染谷氏の話では「シフト作成ツール」など1つ1つの機能を見れば既存のサービスも存在するが、今まではそれぞれが連携していなかったために大きな効果が見込めなかったり、顧客にとって高コストになっていたりした。

はたLuckではそれらを1つのアプリに集約。利用店舗数とユーザー数(1ID200円)に応じて柔軟に導入できる形で提供する。

「たとえば教育の機能とシフト作成機能が連携することでメンバーのスキルを考慮した最適な人員配置が実現できるといったように、個々の機能が繋がることで本当の意味での業務効率化が実現できると考えた。その結果として必要な仕組みを網羅したオールインワンサービスというアプローチをとっている」(染谷氏)

はたLuckは店長のマネジメント業務の負荷軽減、ワーカーの業務効率化を実現するだけでなく、複数店舗を管理するSV(スーパーバイザー)の業務改善にも貢献する。

従来本社からは見えなかった“各ワーカーのスキルや貢献度”などのデータをアプリを通じて可視化することで、それを集約した各店舗の戦力値をスコアにして比較・分析することも可能に。たとえばA店に比べてB店の業績が悪い場合に「具体的にどこで違いが生じていて、改善するためには何をすればいいのか」がわかる。

今までは何も見えていなかったが故に「店長の責任」とされがちだったが、はたLuckの場合は全体の状況を俯瞰しながら各店舗ごとに適切な打ち手を講じられるのがポイント。今後は「SV pro」のような形で、高度な分析のできる管理者向けダッシュボードの開発も進める。

はたLuckの顧客はショッピングモールに出店している企業も多いため、予定していた全店舗展開の計画が遅れるなど「直近では少なからず新型コロナウイルスの影響も受けている」(染谷氏)そう。一方でスーパーマーケットやドラッグストアなど業界によってはむしろ需要が増えているところもあり、今はそういった業界に絞る形で事業を展開しているという。

中長期的にはアプリから取得できるデータだけでなく、顧客の購買プロセス、売り場づくり、販売方法などに関するさまざまな情報を統合して分析できるデータベースプラットフォームの構築を目指していく計画。並行してSMB向けの機能開発にも取り組んでいく方針だ。

「テスラはCybertruckを小さくしない」とイーロン・マスク氏

Tesla(テスラ)のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏が、世界滅亡後をイメージした冷間圧延鋼製全電動トラック「Cybertruck」(サイバートラック)を発表後、この車が市場に出る時にはもっと小さくなるのではないかという憶測が巷にあふれた。

Cybertruckは今も生産にはほど遠い。この全電動トラックをつくるための工場もまだない。しかし5月23日に同氏は、サイズについてある情報を発信した。同氏はツイートで、「昨夜Franzと設計を確認した。3%小さいだけでも小さくなりすぎる。サイズはほとんど変わらない。将来もっとタイトなトラックを作ることにはなるだろう」と語った。FranzはTeslaのデザイン責任者であるFranz von Holzhausen(フランツ・フォン・ホルツハウゼン)のことで、「タイト」(Tight)は「ライト」(Light)の間違いだと思われる。

この発言が重要なのは、CNBCで5月27日放映予定のJay Leno’s Garageの番組予告の中で、マスク氏がJay Leno(ジェイ・レノ)氏に、実はこの車は5%大きすぎると語っていたからだ。「今のプロポーションを保って5%小さくすればいい」とマスク氏は言い、後に「ふつうのガレージに収まる必要があるから」と付け加えた。

以前に同氏は、Cybertruckの車幅をおそらく1インチ(2.5 cm)縮めるだろう、「長さを6インチ(15 cm)超減らしても機能や美観を損ねることはないだろう」と語っていた。

テスラはCybertruckの大きさを公表していない。そしてTechCrunchは、発表イベントに巻き尺を持っていくのを忘れた(学んだ教訓)。

この2カ月間にマスク氏は、Cybertruckに関する新情報を何度かツイートし、オフロード性能を高めるためにダイナミック・エアサスペンションの振れ幅を広げ、「少し浮き上がるだろう」と語ったが、それ以上は言及しなかった。

関連記事:テスラの完全電動トラック「Tesla Cybertruck」の注目ポイント

テスラはCybertruckに3種類のモデルを用意することを明らかにしている。最低価格モデルは、シングルモーター、後輪駆動、牽引能力7500ポンド(3.4トン)、航続距離250マイル(402km)、価格は3万9900ドル(約430万円)と同社ウェブサイトに書かれている。中位モデルは、デュアルモーター、全輪駆動で、牽引能力1万ポンド(4.5トン)、航続距離300マイル(482 km)で、価格は4万9900ドル(約537万円)だ。

そして最上位モデルはモーター3台の全輪駆動車で、牽引能力1万4000ポンド(6.4トン)、航続距離500マイル(805km)。「tri motor」(トライ・モーター)と呼ばれるこの車の価格は6万9900ドル(約753万円)だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

クーガーがイーサリアム財団の支援でコミュニティ「ETH Terakoya」を展開

AI、IoT、VR/AR、ブロックチェーンなどの技術を組み合わせた人型AIエージェントの開発を行うクーガーは、5月25日、イーサリアム財団(Ethereum Foundation)の援助を受け、日本のエンタープライズブロックチェーン活性化のための活動を開始すると発表した。コミュニティ「ETH Terakoya(イーサテラコヤ)」を展開し、ワーキンググループの開催、アウトプット共有やノウハウ・スキルの提供を、オンライン・オフラインの双方で行っていくという。

エンタープライズユースで注目高まるEthereum

クーガーはホンダへのAI学習シミュレータ提供や、Amazonが主催するロボットコンテストAmazon Robotics Challenge(ARC)上位チームへの技術支援、NEDO次世代AIプロジェクトでのクラウドロボティクス開発統括などで知られ、ゲームAI、画像認識AI、ブロックチェーンの分野に強みがある企業。現在は、これらのテクノロジーを統合する形で、人型AIアシスタント「Connectome(コネクトーム)」の開発を進めている。

ブロックチェーンの領域では、クーガーはこれまでにも大企業との連携による実証実験を行ってきた(関連記事:KDDIとクーガーがブロックチェーン技術Enterprise Ethereumを修理業務に適用する実証実験を開始)。

また2018年には米国のブロックチェーン企業ConsenSysと共催で、日本の大手企業も協賛・後援する形で、インバウンド向けブロックチェーンサービスのハッカソンを実施している。

同社ではほかにも、チーフブロックチェーンアーキテクトの石黒一明氏が2018年、ワールドワイドでブロックチェーンの社会実装を目指す企業連合、Enterprise Ethereum Alliance(EEA)の日本支部代表に就くなど、企業のブロックチェーン活用につながる活動を続けている。

「こうした流れもあり、今回、イーサリアム財団の支援を得て、日本のエンタープライズブロックチェーンの活性化を進めていくことになった」とクーガー代表取締役CEOの石井敦氏は話している。

イーサリアム財団は、Ethereumと関連テクノロジーのサポートに特化した非営利団体だ。非中央集権、分散型のEthereumエコシステムを支える取り組みに対して、助成金などの財政面で支援するほか、エコシステム成立に必要と考えられるアクションへの助言、サポートも行っている。

イーサリアム財団エグゼクティブディレクターの宮口あや氏は、「Ethereumは、企業ではスケーラビリティやプライバシーの面で課題があり、使いやすい状態ではなかった。それが最近では、Etereumプロトコル上で利用できるツールなどの研究・開発が進んだことで、企業でもメインネット、パブリックチェーンを使いやすい環境になり、エンタープライズユースへの注目、ニーズが高まっている」と語る。

「当初は開発に力を入れていた財団メンバーだが、現在はコミュニティのコーディネートや助成金でEthereumをサポートするようになっており、研究・開発支援のほか、教育にはより力を入れるようになっている。日本では特に事業者側が『勉強してからしっかり取り組む』という傾向があるため、教育の仕組みはあった方がいいと考えていた。クーガーのメンバーとは、これまでにもブロックチェーン社会実装への取り組みで面識があった。Ethereumコミュニティとしても、企業のニーズが増える中で、クーガーが日本での教育、勉強する場を展開してくれるというのは、ありがたい」(宮口氏)

技術だけでなくビジネス、法律面でも課題を洗い出し

企業のブロックチェーン活用といえば、暗号通貨取引や証券取引など、フィンテック領域での浸透が最も進んでいるが、GA technologiesが不動産取引にブロックチェーン技術を取り入れるなど、他業種からも注目されるようになっているのが現状だ。日本では、ブロックチェーンを物流やサプライチェーンに織り込む流れも出てきている。

クーガー自身も人型AIエージェントの開発において、エージェントが扱う情報の信頼性を担保し、安全にデータを扱うためにブロックチェーン技術を活用している。また、KDDIとはEnterprise Ethereumを活用したスマートコントラクトの実証実験を実施。携帯電話の修理業務を対象に、ショップでの修理申し込みから修理完了までの情報共有とオペレーション効率化や、他事業とのシステム連携の可能性について、検証を行っている。

石井氏は「企業のブロックチェーン活用においては、技術、ビジネス、法律のそれぞれの面で課題がある。しかも産業によって、その課題は変わる」と述べている。

「ETH Terakoyaでは毎回、テーマを決めてワーキンググループで協議した結果をワークショップで発表していく予定だ。そこで技術的な面だけでなく、ビジネスとして成立するのか、法律的に問題がないのかといったフィードバックが数多く得られるだろうと考えている。場合によってはテーマをさらに深掘りして、続きを協議していくこともあるだろう」(石井氏)

日本の場合は「大企業が集まっており、特に自動車、家電、ゲームやアニメなどのコンテンツ分野では競争力の高い企業も多い」と石井氏。「産業ごとに連携して、業界内で『意味のある課題』を見つけることができるのではないか。また、日本からスタートして世界へ広げていくこともできるのではないかと思う」と期待を寄せている。「イーサリアム財団やコア開発者からのフィードバックや連携も受けながら、ガラパゴス化しないような取り組みも並行していく考えだ」(石井氏)

中国ではBATと呼ばれる3大IT企業、Baidu、Alibaba、Tencentの各社が独自のブロックチェーンサービスを提供し、自らもバックエンド技術として取り入れるという動きがある。

石井氏は「物流やサプライチェーンなど、同じ課題に対して別々の取り組みをするのは効率が悪いと考えている」と話す。「日本では文化的にブロックチェーン技術を取り入れるのは難しいという論もあるが、Linuxの例もある。初めはオープンソース由来のシステムを企業サーバで利用することに躊躇があった日本でも、今やほとんどの大企業でLinuxが使われている。標準化されたものを使った方がよいという流れはあり、今は活用を検討するのには、よいタイミングだと思う」(石井氏)

また、これまで企業ユースではEthereumのようなパブリックチェーンではなく、プライベートチェーンを利用する動きが強かったが、先の宮口氏の発言のとおり、企業でもパブリックチェーンを使いやすい環境が整ってきている。今年3月には大手会計事務所EYと、Consensys、Microsoftが提携し、Ethereumのパブリックメインネットを安全かつプライベートに活用できるプロトコル「Baseline」を発表するなど、メインネット、パブリックチェーンへの大きなトレンドが出てきているところだ。

宮口氏はこの流れを「イントラネットからインターネットへの流れと同じようなことが起きている」として、こう述べている。「(ブロックチェーン活用に際して)長い目で見なければ、ビジネスチャンスとして限界があるのではないかと考える企業が出てきている。Ethereumに限らず、(安全性、スケーラビリティといった)課題さえ解決されれば、パブリックチェーンを使えた方がビジネスチャンスは大きいとして、大企業も早めに取り組もうとしている。現実には(コンソーシアムチェーンなどパブリックとプライベートの)ハイブリッド型が多いし、私もいきなり大きなビジネスコンソーシアムが100%Ethereumでやると言ったら現時点では勧めないと思うが、インターネットの爆発的普及を見てきた事業者なら、誰しも長期的にはパブリックチェーンを取り入れたいと考えるのではないだろうか」(宮口氏)

石井氏は「日本が独自システムでやってこられたのは、企業買収・売却や人が辞めることが少なかったから。開発した人がそのままメンテナンスできてきたので、仕組みとして信頼性が維持されることへの価値にピンと来ていなかったのだろう」と述べ、「今後の人口減少や海外人材の活用、転職者の入れ替わりなどは避けられない。(運用でカバーするだけでなく)仕組みとして安定していることや信頼性は必要になってくる。使う技術やツールも個人に依存しない形にしなければならない」と標準化されたテクノロジーを重視する理由を語る。同時に「ほかの事業者といかに連携するかについても、考えざるを得ないだろう」とも話している。

ワーキンググループ最初のテーマはマイナンバー活用

石井氏は、ETH Terakoya展開に当たって「クーガーとしてのメリットは、あまり考えていない」と話している。

「クーガーでは、もともとAIの信頼性を生み出す手段としてブロックチェーンを使えると考えてきた。このため、ほかの事業者よりは中立的な立場にあると思う。Industry 2.0といわれる流れの中で、今後さまざまなものが自動化していくということが起きていくだろう。コロナ禍でも明確になったが、情報源の信頼性や、その情報を使って自動化したものが信用できるかといった考え方はより加速するだろう。クーガーでは、ブロックチェーンとAIの両方が分かっているチームも抱えており、中立性とあわせて、コミュニティに貢献できるのではないかと考えている」(石井氏)

石黒氏も「クーガーがハブとなってコア開発者による支援やレビューを受け、メインネット、パブリックチェーンを目標に、長期的目線でブロックチェーン活性化につながる活動をETH Terakoyaでは行っていきたい」と述べている。

ワーキンググループが最初にテーマとするのは、ブロックチェーンによるマイナンバー活用だ。「コロナの影響もあり、情報の信頼性や個人が行った行動を証明すること、複製防止などの文脈を考えると、マイナンバーのID特定やブロックチェーンでそれを生かす具体的な課題解決といったテーマも出てきている」と石井氏はいう。

「まず技術的にどう解決するのかを議論した上で、ビジネスにマイナンバーを生かしたときにインパクトがどれくらいあり、何が解決できるのか、今は気づかれていない価値を探る。それらとセットで、技術的に解決できても法律が追いついていないという部分を洗い出し、解決の道筋を考えていく」(石井氏)

ETH Terakoyaのコミュニティ運営を担当する、クーガー プロダクトマーケティングディレクターの田中滋之氏は「新型コロナ感染拡大で話題となっている例では、健康保険証とマイナンバーの関連付けといったものがある」とテーマに関連したトピックを挙げる。

「シンガポールなどの例でも、国は感染者を特定したいはずで、今後日本でも同じ議論が出てくる可能性があるが、一方でプライバシーの問題がある。マイナンバーを活用するときにプライバシーをどうコントロールするのか、これをブロックチェーンを活用することで『いかに個人を特定せず、IDをオープンに活用することができるか』といった、面白い議論ができるのではないかと考えている」(田中氏)

石井氏も「秘匿化と行為の証明を両立することは、これまでは矛盾するものと考えられてきたが、ブロックチェーンを使うことによって両立できる可能性がある。ここを深掘りしたい」と述べている。

また石黒氏は「テーマに関連することでは、ほかにも給付金申請の仕組みなど『どこが問題か分からない』のが問題となっているものがある。ワーキンググループ内の議論でこうした課題も洗い出せるのではないかと考えている。マイナンバーは日本特有のものだが、マイナンバーだけでなく、他の国や似たようなシステムでも使えるよう、議論を続けたい」と話している。

英政府がファーウェイの5Gネットワ​​ーク参入に関する方針を転換

複数の報道によると、英政府の保守的なメンバーはBoris Johnson(ボリス・ジョンソン)首相に、中国メーカーであるHuawei(ファーウェイ)製の通信機器を2023年までに5Gネットワ​​ークから排除する計画を策定するよう促した。

The Guardian(ガーディアン)紙とThe Telegraph(テレグラフ)紙によると、英国の通信インフラにおけるHuaweiの市場シェアを35%に制限するジョンソン氏の決定により、英国は再びHuaweiの国内通信網への参入に関して豪州や米国と同様の立場を取る。

Huaweiの国際通信網での役割に関する議論は、同社と中国政府との密接な関係や、同社の通信機器に依存することで同盟国をサイバーセキュリティの脅威にさらし、国家安全保障を弱める可能性があるという懸念に端を発している。

英国では当初、諜報機関が1月に承認した計画で、国内通信インフラへのHuaweiの参加を引き続き認める予定だった。

「これは非常に良いニュースであり、中国への危険な依存を完全かつ徹底的な見直すきっかけとなることを願い、信じている」と保守党首のIain Duncan Smith(イアン・ダンカン・スミス)氏は、首相の方針転換についてガーディアン紙に語った。

TechCrunchが以前に報じたように、豪政府と米国はいずれも、Huaweiが中国政府の利益と無関係に行動できるのか非常に懸念している。

「根本的な問題はサイバースペースにおける国家間の信頼だ」と最近まで、豪州信号局の信号情報とサイバー攻撃対応の責任者だったSimeon Gilding(シメオン・ギルディング)は書いている。「Huaweiが中国共産党からの指示を拒否すると期待するのは単純に合理的ではない」

ある安全保障政策のアナリストは、「現在の米中間の緊張を考えると、英国や豪州のような同盟国は、通信網に外国の通信会社の技術を持ち込むことによるリスクは避けたほうが良い」と警告している。

「米中が何らかの紛争に陥る事態を想像するのは難しくない」と豪州戦略政策研究所のTom Uren(トム・ウレン)氏はTechCrunchに語った。「交戦する場合、米国が豪州に援助を求めることはほぼ避けられず、重要な通信網に文字通りの敵対国が経営するHuaweiが関与している場合、我々は良好とは言えない状況に陥る」

米国の当局者はこの決定を喜んで受け入れるに違いない。彼らは通信網におけるHuaweiの存在を制限するために何カ月も欧州諸国に圧力をかけてきた。

The New York Times(ニューヨークタイムズ)紙の報道によると、ミュンヘン安全保障会議で米国防長官のMark Esper(マーク・エスパー)氏は記者団に、「各国がHuaweiを選択した場合、これまで共有したあらゆる情報が危険にさらされ、同盟関係、または少なくともその国との関係を損なう可能性がある」と述べた。

米政府はこの数カ月、テクノロジーの巨人である同社に対する攻撃を複数の前線で強化した。5月初め、米国は特定の戦略的半導体プロセスにおける米国製ソフトウェア・ハードウェアの使用に関する新しい制限を発表した。この規則は、海外にあるものも含め、米国の技術を使用するすべてのファウンドリー(受託生産会社)に影響を与える。Huaweiの主要サプライヤーも含まれる。

今週初めの会議で、Huaweiの輪番制議長であるGuo Ping(郭平)氏は、集積回路(IC)などの一部の半導体部品を設計することはできても、「他にできることが多くあるわけではない」と認めた。「今は生存が当社にとってのキーワードだ」

Huaweiは、国際的なテクノロジーエコシステムに損害を与えるとして、この禁止に異議を唱えている。エコシステムによって育まれたハードウェア製造体制が、業界全体を活性化しているという。

「長い目で見れば、米国による禁止は、多くの業界が依存するグローバルな半導体業界内の信頼と協力を損ない、紛争と損失を増大させる」

画像クレジット:David Becker / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

【マイク編】自宅のテレビ会議環境を最大限に活用する方法

サウンドがリモートの世界を動かす

在宅勤務がすぐに無くなってしまうことはない。そして多くの企業が、リモートワークの実践を、延長または永続化するための、長期的な取り組みを発表している。ということは、現在の自宅のビデオ会議環境を、さらに改善する絶好のチャンスだと捉える人もいるということだ。そこで私たちは、様々な基本要素を詳しく眺めて、読者の方々ビデオ会議やライブ放送の改善に役立つものは何かという探求を始めた。今回取り上げるのは、オーディオに関するものだ。

マイクの基本

前回の特集では、MacまたはPCが単体で生み出すものよりも優れた音を得ることができる、素晴らしい入門レベルのアドオンマイクにスポットを当てた。その中の1つに挙げられたのが、USBを介して直接接続することが可能で、カスタマイズを必要とせずに素晴らしいフルボディのサウンドを得ることができる、ロングセラーのSamson Meteor Mic(サムソン・メテオ・マイク)だ。

また、シンプルで安価なワイヤレスマイクキットのRode Wireless GO(ロード・ワイヤレス・ゴー)も挙げられる。これは単体で使用することもできるし、Rode Lavalier GO(ロード・ラベリア・ゴー)などの小型マイクロホンと組み合わせて多少音質を向上させることもできる。Rodeはまた、Meteor Micと同様に、優れたUSBマイクも提供している、素直に動作して100ドル(約1万800円)程度の価格で売られているRode NT-USB Miniだ。Meteor Micと比較すると、特定の環境での利用をより柔軟にするための、マグネット式デスクスタンドのようなデザイン上の特徴を持っている。そして生み出すサウンドもまた素晴らしいものだ。

Rode Wireless GOの環境をより改善するために、もしく有線小型ウェアラブルマイクをコンピュータやオーディオインターフェースに直接接続して使うために、Sennheiser(ゼンハイザー)から優れた選択肢がいくつか提供されている。それは、たとえどのような使い方をしたとしても、わずかながらもはっきりと認識できる音質の向上をもたらす。

Sennheiser MKE Essential Omni(ゼンハイザー・MKE・エッセンシャル・オムニ)は、舞台制作やその他のプロフェッショナルな現場でよく使用される優れたピンマイクで、その小ささによって、付属のクリップを使用して衣服や髪の毛にさえ簡単に隠すことができる。あるいはイヤーセットホルダーに装着して、口に近い頬の位置に置くこともできる。装着方法によって若干異なるサウンド特性が得られることになるが、大抵の場合は素晴らしく温かみのあるサウンドが得られる。またコストも200ドル(約2万1500円)程度であり(サウンド機器の相対的価格としては)それほど高価ではない。

SennheiserのME 2-IIも、優れた結果を得られるまた別の低コストオプション(129.95ドル、約1万4000円)で、Rode Wireless GOなどのワイヤレストランスミッターと一緒に使うことができるが、MKE Essentialに比べると温かみや存在感がやや劣る。

サウンドに真剣に取り組む

ハイエンドの装着型小型マイクは、その時点で既に高額な領域に入り始めるが、ほとんどのオーディオ機器と同様に上をみたらきりがない。これは、ショットガンマイクにも当てはまる。これは、最高のサウンドを求めるためのまた別のオプションであり、画面の中に見苦しいマイクを写したり、(ピンマイクなどの)物理的に非常に小さなマイクを使うことによるある程度の音質トレードオフを受け容れたり、といった妥協を排することができる。

前回の投稿では、Rode VideoMic NTGをオプションの1つとして利用することについて説明した。これは、実際に試してみるのに最適なミドルレベルのショットガンマイクだ。そして内蔵バッテリー、コンパクトなサイズ、そして最新のさまざまなカメラとのインテリジェントな互換性によって、野外でカメラと組み合わせて利用する際の様々な利便性も備えている。

しかし、ホームスタジオで使用する場合に限れば、その用途にはるかに適したショットガンマイクがある。Rode NTG3が個人的なお気に入りだ。そしてそれは正当な評価によって、放送および映画業界でも人気のある標準だ。NTG3は、標準XLR出力を備え、48Vファンタム電源を必要とする筒状のマイクであり、カメラが固定位置に置かれ演者もどちらかといえば固定位置にとどまっているようなケース(すなわち大多数のひとの自宅作業環境)の動画撮影時には完璧だ。

とはいえ、Rode NTG3は多少お値段が張る ―― 699ドル(約7万5000円)だ。これは非常に高品質な標準のポッドキャスティングマイクよりも高価である。だがその価格に見合うだけのことはある、(必要があればだが)屋外での撮影用に向く耐湿性を備えた非常に高品質のハードウェアを手に入る。そしてカメラの視野から離れたところに設置されていてもそのサウンドは非常に優れたものだ。

また、そのピックアップパターンは超単一指向性だ。つまり、直接正面のサウンドを拾うことに関しては優れているが、側方からのサウンドはあまり拾わないということだ。これは、ロケ地での映画撮影と同じように、ほとんどの共有ホームオフィス空間では有利な性質である。

人気が高くより低価格で入手可能な、別のおすすめオプションは、Sennheiser MKE 600だ。価格はNTG3の約半分の価格である約330ドル(3万6000円)で、外に持ち出してカメラに接続したい場合に備えて、バッテリーが内蔵されている。ただしこれもXLRを使用しているため、コンピューターと一緒に動作させるためには、Focusrite 2i2や、最近リリースされたAudient EVO 4など(もしくは私のようにBlackmagic ATEM Miniのような機材を使っているならiRig Preなど)のプリアンプが必要だ。

MKE 600からのサウンドもトップクラスには違いないが、NTG3が持っているような自己ノイズの排除や、より深い声に適した深く豊かなトーンをキャプチャする能力には劣る。下のビデオでは、両方のショットガンマイクとSennheiser MKE Essentialを比較したものを確認できる。

 

また別のオプションは、一般にはポッドキャスターやラジオのパーソナリティが使っているところを見ることができる、ポールまたはブームに取り付けられたマイクを使用することだ。こうしたオプションには、Shure SM7Bなどの人気機種が存在している(その特徴的な形状からすぐに気がつくだろう)。私はオーディオポッドキャストの 自宅録音の一部をShure Beta 87A超単一指向性マイクで行っているが、下のビデオでもわかるように、無調整のままでも非常に優れたサウンドを提供してくれるにもかかわらず、ライブのビデオ会議やミーティング、そしてイベントなどでこのマイクを使うことをためらわせる理由がある。

 

もちろん、他にもさまざまなオプションがある。RodeとSennheiserの両方に価格の異なるオプションがあり、それらのほとんどは、支払った費用に見合う優れた品質を提供してくれる。オーディオの性質は、高音域、低音域、バランスのとれた音など、好みが分かれる非常に個人的なものだ。そのため自分に合うものを見つけるためには、多くの比較を行い、サンプルを聴く必要がある。

まとめ

結局のところ、映画やビデオ業界で定評のある質の高いブランドにこだわることが、自宅環境を最大限に活用するための優れた方法だ。上記で私が使用しているようなマイクには、さらに物理的な防音措置を施すメリットがある。例えばカーペットやタオルを敷くといった極めて簡単なものから、気泡パッドのような防音素材を買って壁に貼り付けるなどの手段だ。

サウンド はおそらく、ビデオ会議や仮想イベントの設定の中でも最も問題が発生しやすい部分だ。これは科学であると同時にアートでもあり、特にライブ環境では、最高の機器を使用しても制御が難しい変数がたくさんある。しかし、そこをさらに先に進んで行くことで、洗練されたプロフェッショナルに見えるのか、準備不足にみえるのかの違いが現れることになる。そのことはこの先増えて行く仮想フェイス・トゥ・フェイスワールドで差をつけることになるだろう。

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(翻訳:sako)

インドのeコマースベンチャーJioMartが国内200市町村でサービス開始

インドで最も裕福なMukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏のReliance Jio Platforms(リライアンス・ジオ・プラットフォームズ)に大金が注ぎ込まれている理由が明らかになりつつある。アンバニ氏のeコマースベンチャーJioMart(ジオマート)が全国展開を開始した。

インドの大手通信事業者Jio Platforms(ジオ・プラットフォームズ)と大手小売チェーンJio Retail(ジオ・リテイル)のeコマースベンチャーとして、JioMartは新たなウェブサイトを立ち上げ、数十の都市で注文の受け付けを始めた。展開都市にはデリー、チェンナイ、コルカタ、バンガロール、プネー、ボカロ、バティンダ、アフマダーバード、グルガーオン、デーラー・ドゥーンが含まれる。Relianceの幹部は、インド国内200の市町村でJioMartが使え、配達を行っている、と話した。

5月23日にサービスエリアを拡大したが、その前はムンバイ郊外の3エリアでのみの提供だった。このサービスでは、グローサリーに加えて果物や野菜といった傷みやすいもの、そして乳製品も家庭に届ける。

先月おおよそ17%の株式を発行して100億ドル(約1兆800億円)超を調達したアンバニ氏のReliance  Jio Platformsは3億8800万人超の利用者を抱えるインド最大の通信事業者だ。

アンバニ氏の多くの企業がAmazon(アマゾン)やWalmart(ウォルマート)のFlipkart(フリップカート)、BigBasket(ビッグバスケット)、 MilkBasket(ミルクバスケット)、Grofers(グロファーズ)といった競合他社が溢れかえっているマーケットに参入する中での資金調達だ。

今週初め、米国のeコマース大企業Amazonは、Prosus Ventureが支援するSwiggy(スウィギー)とAnt Financial(アント・ファイナンシャル)が支援するZomato(ゾマト)が複占するインドのフードデリバリーマーケットに参入した。Amazonはインドでかなりの人材採用を進めていて、プラットフォーム上で増大する需要に対応すべく、5万人近くの季節労働者を雇用しようとしている。

一方、2006年創業のアンバニ氏のReliance Retailは売上高ではインド最大の小売業者という地位を保っている。6500超の市町村に約1万の店舗があり、毎週顧客350万人超が利用する。

JioMartはAmazonとFlipkartを意識しているかもしれないが、現状ではインド上位2社のグローサリーデリバリースタットアップ、GrofersとBigBasketとの競争を展開している。

インドで最も企業価値が高く、Jio PlatformsとReliance Retailの親会社であるReliance Industries(リライアンス・インダストリーズ)は、1年以内にJioMartを1000以上の地区で展開し、さまざまな商品展開の中でも特に電化製品や事務用品を拡充させる計画だ、とこの件に詳しい情報筋がTechCrunchに語った。Reliance Jioの広報担当はコメントを却下した。

この1カ月前には、JioMartはFacebookWhatsAppにビジネスアカウントを開設した。これを使って人々はWhatsAppで注文を追跡したり請求書を確認したりできる。

Facebookは先月、Reliance Jio Platformsに57億ドル(約6100億円)を投資すると発表し、インドの零細企業をサポートすべくReliance Jioと協業することを約束した。JioMartのWhatsAppアカウントはまだサービス提供範囲を広げていない。

インドで最も富裕であり、Reliance Industriesの会長であるアンバニ氏は昨年eコマースプラットフォームを立ち上げる計画を明らかにした。声明の中で、同氏はMahatma Gandhi(マハトマ・ガンジー)氏の功績に触れ、インドは新たな戦いに挑まなければならないと述べた。

インドでは過去数年間に、ひと握りの企業がeコマースウェブサイトを立ち上げようと試み、失敗した。同国では小売の95%超が実在店舗でのものだ。しかしAmazonとWalmartのFlipkartによる複占に対抗するにあたっては、KKR、FacebookSilver LakeVista Equity PartnersGeneral Atlanticから調達した100億ドル(約1兆800億円)超の資金により、アンバニ氏はユニークな位置につけている。調達した資金はJioMartの展開に加え、Reliance Industriesの210億ドル(約2兆3000億円)もの借金返済にも使われる。

「データの植民地化に対し、我々は新たな動きを起こさなければならない。このデータ主導の革命でインドが成功するためには、インド人のデータのコントロールと所有権をインドに移さなければならない。別の言葉で言うと、インドの富をインド人に戻す必要がある」とNarendra Modi(ナレンドラ・モディ)首相が出席したイベントでアンバニ氏は述べた。

画像クレジット: DIBYANGSHU SARKAR/AFP / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

すべてのiPhoneで有効な脱獄ツールが新たに登場

有名なiPhoneハッキングチームは、すべてのiPhoneのロックを解除できる新しい「脱獄=ジェイルブレイク」ツールをリリースした。最新のiOS 13.5が動作している現行モデルも対象だ。

画像クレジット:Terry Wieckert/Getty Images

アップル(Apple)は、iPhoneに対して「ウォールド・ガーデン」と呼ばれるアプローチを採用し、承認されたアプリとカスタマイズのみを許可してきた。ハッカーは、彼らが「牢獄」とみなしている、そうした状況からの脱出に挑戦し続けてきた。それが「脱獄」と呼ばれるゆえんだ。ハッカーは、それ以前には発見されていなかったiOSの脆弱性を見つけ出すことで、これを可能にする。それによって、アップルがソフトウェア内部へのアクセスを制限するために設けた多くの関門の一部をすり抜けるのだ。アップルとして、こうした制限を設けているのは、セキュリティを維持するため。しかし脱獄者に言わせれば、そうした制限を突破するのは、それ以外の方法では十分にiPhoneをカスタマイズすることができないから。それは、Androidのユーザーにとっては、以前から可能になっているレベルのカスタマイズだという。

今回「unc0ver」チームによってリリースされた脱獄ツールは、iOS 11以降を実行するすべてのiPhoneをサポートする。アップルが今週リリースしたばかりのiOS 13.5をもカバーしている。

ハッカーが今回の脱獄ツールを開発するために利用した脆弱性の詳細は不明だが、それがいつまでも、そのままになっているとは考えられない。脱獄者が侵入方法を見つければ、アップルでも迅速に対処して、その欠陥にパッチを当て、脱獄できないようにするはずだ。

セキュリティ専門家は、通常、脱獄はしないようにとiPhoneユーザーに警告している。「ウォールド・ガーデン」から抜け出すと、露出される部分が大幅に増えるため、新たな脆弱性が発生したり、発見されたりしやすくなるからだ。

脱獄ツールの登場は、通常なら屈強なはずのアップルのセキュリティのイメージに陰りが見えていることを示すものかもしれない。先週、悪用手段のブローカー、Zerodiumは、iPhoneに関する脆弱性は買い取らないと宣言した。数が多すぎるからだという。またMotherboardが今週レポートしたところによれば、ハッカーは、iOSの次期バージョン、iOS 14のリリース予定の数ヶ月も前なのに、すでにプレリリースバージョンを入手済だという。

関連記事:iPhoneを狙う強力なスパイウェアが登場

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

IoT投資会社としてのXiaomiの投資先が300社超え

安価なスマートフォンとコスパの良いガジェットで有名な中国のXiaomi(シャオミ)の5月21日の開示書類で、同社の投資先が3月末時点で300社を超え、その簿価が323億元(約4900億円)であること、第1四半期だけで投資売却益(純額)を2億2590万元(約34億円)計上したことが明らかになった。

エレクトロニクスの巨人である同社は、モノのインターネット、つまりIoTのエコシステムを構築するという野心に忠実に動いてきた。同社の投資の大部分は、提供する製品の幅を拡げることであろうと、デバイスを補完するコンテンツとサービスのライブラリを構築することであろうと、戦略的シナジー創出を目的としている。問題は、Xiaomiのハードウェアの品ぞろえが、同社が求めるタイプのサービス収入を生み出しているかどうかだ。

サービスのマネタイズ

Xiaomiの創業者である雷軍(Lei Jun)氏は2013年に、5年間でハードウェア企業100社に投資すると宣言した。狙いは、安価で競争力のあるデバイスによって広大なネットワークを築く過程で獲得した多数のユーザーに、フィンテック製品やビデオゲームなどのインターネットサービスを売り込むことだ。

そのためXiaomiは製品のマージンを非常に薄くしており、投資先やサプライヤーをがっかりさせることもある。売上のほとんどをスマートフォンやその他のハードウェアデバイスからを得ており、そのビジョンはまだ具体化されていない。ただ、第1四半期のサービス収入は売上高合計の12%にすぎないが、前年比では38.6%増加した。

今やXiaomiはあらゆる種類の日用品を販売するデパートに進化し、電子機器にとどまらず、文具、台所用品、衣料品、食品など、Mujiで見るようなものまでカバーするようになった。Xiaomiはスマートフォンなどの特定の製品は自社で製造し、その他の製品は資本提携先や単に販売契約を結ぶ第三者との利益分配モデルを介して調達している。

資本のゲーム

Xiaomiの販売網へ参加すべきか否か、多くの消費者製品メーカーが態度を決めてかねている。同社の巨大なeコマースチャネルや実店舗のネットワークを使えば世界中の何百万もの消費者にアプローチできるものの、利益の圧迫とXiaomiブランドへの過度の依存が心配だ。

そのため、Xiaomiを通じて販売する多くの企業も独自の製品ラインナップを用意している。XiaomiのMi Bandスマートウォッチを供給するナスダック上場のHuamiには、Fitbitに相当する独自のAmazfitウェアラブルがある。中国版ナスダックのSTAR Marketに上場している自動掃除機メーカーのRobotockは、XiaomiのMi Home掃除機を1年間製造した後に自社ブランドを展開し始めた。

新型コロナウイルスによる景気低迷が迫り来る中、キャッシュフローの流動性確保のためXiaomiや他の投資家に向かう製造業者がますます増える可能性がある。

またXiaomiは決算開示書類で、主要サプライヤーであるZimiの株式の27.44%を追加取得し、同社の持ち分を合計で49.91%保有することになったと発表した。この買収により、次世代モバイルブロードバンドテクノロジーとAIを活用したIoTの略語である「5G + AIoT」におけるXiaomiの競争力が高まると同社は述べている。Zimiにとってこの投資は、現在の困難な状況下で感じている財務面での圧力を多少緩和する可能性がある。

中国のIoT業界における競争は5Gネットワ​​ークの展開をめぐって激化している。5Gネットワ​​ークには幅広い種類のデバイスを接続することができる。多くの分野に手を出すAlibaba(アリババ)は今週、100億元(1500億円)を投じてAlexaのようなスマートボイスアシスタント「Genie」を立ち上げると発表した。これは、Alibabaのeコマースエクスペリエンス、オンラインエンターテイメントサービス、パートナーが提供する消費者向けハードウェアと統合される予定だ。

画像クレジット:Xiaomi via Weibo

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(翻訳:Mizoguchi

サーマルイメージングカメラ搭載のキャタピラーのCAT S61、熱を可視化して撮影可能

米キャタピラー社は、建設、鉱山用機械における世界最大の製造会社。今回紹介する「CAT S61」は、同社のCATブランドが手がけたAndroidスマートフォンだ。建設機械などが活躍する過酷な現場で利用されることが想定されており、米国国防省が制定する「MIL-STD-810G」に準拠する堅牢性や、IP68の防水・防塵性能を備えている。

最大の特徴はサーマルイメージングカメラを搭載していること。最近トリプルカメラ、クアッドカメラ搭載スマートフォンなども登場しているが、熱を可視化するサーマルイメージングカメラを装備しているのは同シリーズだけ。今回は本製品をどのような用途に活用できるのか実例を交えながら紹介していこう。

CAT S61の価格は11万9800円(正規代理店の兼松コミュニケーションズの販売価格)

パフォーマンスはミドルレンジクラス

CAT S61は、OSにAndroid 9.0 Pie、プロセッサーにQualcomm Snapdragon 630(8コア、2.2GHz)を採用。メモリーは4GB、ストレージは64GBを搭載している。パフォーマンス的にはミドルレンジクラスの端末と言える。

定番ベンチマーク「Geekbench 5」のマルチコアスコアは1037。iPhone 11 Pro Maxのマルチコアスコアが3500前後なので、CAT S61はその約30%のスコアということになる

本体サイズは幅77.6×高さ155.3~162.7×厚み12.8mm、重さは260g。4500mAhのバッテリーを内蔵しており、QuickCharge3.0による急速充電に対応している。

ディスプレイは5.2インチのIPS液晶で、濡れた指や手袋ごしでも操作できる10点マルチタッチに対応。背面に1600万画素のメインカメラと「FLIRサーマルカメラ」(熱画像解像度80×60)、前面に800万画素のセルフィーカメラを搭載している。

前面の戻る、ホーム、メニューボタンは確実に操作できる物理ボタン式。背面下部にはサーマルカメラ、メインカメラ、そして「レーザーウィンドウ」が配置されている

本体上面にはイヤフォン端子、本体下面にはUSB 3.1 Type-C端子があり、どちらも防水防塵カバーで保護されている

右側面には電源ボタン、ボリュームボタン、空気品質センサーが、左側面にはプログラマブルキーとnanoSIM/microSDカードスロットが装備されている

 

サーマルイメージングカメラはまるで「プレデター」になった感覚

CAT S61のサーマルイメージングカメラはFLIR Systems製。赤外線カメラと通常のカメラで撮影した画像を重ね合わせて、熱を視覚化する。どんな画像を撮影できるかは実例でご覧いただこう。

始動数分後の車のエンジンを撮影

 

沸騰中のヤカンを撮影

 

タコ足配線したACアダプターを撮影(これは今回の記事のためにあえて配線したものなので、絶対に真似しないでほしい)

 

アイドル中のノートPCを撮影

肉眼ではまったく見ることのできない「熱」が可視化されるというのは、非常に面白い体験だ。ちょっと古いが映画「プレデター」の宇宙人の目を持ったような気分である。楽しいだけでなく、意外にも一般ユーザーにも活用範囲は広く、車のエンジン、ガスコンロ、コンセントの配線、ノートパソコンなどを撮影すれば、異常な発熱をチェックできる。

もちろん明らかに異常な症状が出ているときにはプロにまかせるべきだが、正常な状態を普段から撮影しておけば、なにか異常が発生したときに素人なりに予兆を発見できる。定期的にテーブルタップなどをサーマルイメージングカメラで撮影しておけば、安心感は高いはずだ。

CAT S61はサーマルイメージングカメラ以外に、室内空気質モニター、レーザーアシスト距離測定/レーザー支援型距離測定機能も搭載している。これらも一般家庭で重宝する機能だ。

揮発性有機化合物(VOC)を検出可能。部屋の温度や湿度レベルも測定できる

プラスマイナス1%の推定公差で距離を測定可能。レーザー支援型距離測定機能では、1枚の画像から、長さ、高さ、エリアなどをあとから算出できる

カメラ画質も意外に優秀だ。1600万画素の標準カメラ(35mm換算焦点距離:23mm、F値2.0)のみだが、色調には癖はなく、解像感も良好。トリプル、クアッドカメラのように自由に画角を切り替えて撮影することはできないが、画質自体に不満を感じることはないと思う。

「CAT S61」で撮影

「CAT S61」で撮影

特殊装備で一線を画す唯一無二のスマートフォン

「CAT S61」は分厚く、そして重い。CATブランドがタフネス性を追求した本製品は、握るとまるで鈍器のような感触だ。しかしその重厚感は比類なき頼もしさにもつながっている。

ボディーサイズのわりにはディスプレイは5.2インチと小さめなので万人向けの端末ではない。しかし本製品には、通常のスマホには搭載されていないサーマルイメージングカメラ、室内空気質モニター、レーザー距離測定器を内包されている。これら特殊機能を必要としている方にとって、一線を画す唯一無二のスマートフォンであることは間違いない。

テスラの車載ゲームにFallout Shelterが登場、最先端地下シェルターをシミュレーション

1年近く前、Bethesda Games(ベセスダ・ゲームズ)のディレクターであるTodd Howard(トッド・ホワード)氏は同社の「『Fallout Shelter』(フォールアウト・シェルター)がTesla(テスラ)のディスプレイに搭載されるだろう」と話した。そして2020.20ソフトウェアアップデートを通じて到着した。最初にドライバープラットフォームのTeslascopeで案内された。

Teslaのアーケードはドライバーが停車しているときに車内でビデオゲームができる機能で、Fallout Shelterはアーケードのゲームとしては最新作となり、より現代的なゲームの1つだ。他には2048、Atari(アタリ)のSuper Breakout、Cuphead、Stardew Valley、Missile Command、Asteroids、Lunar Lander、Centipedeがある。またアーケードには改善が図られた(より難しくなったことを意味する)バックギャモンやチェスもある。

ゲームの追加といくつかの改良があった2020.20ソフトウェアアップデートは、まだすべてのテスラ車両に行き渡っていない。この中には筆者のドライブウェイに停めてあるModel 3も含まれる(まだ前回の2020.16.2.1アップデートのソフトウェアで、ここにはバックギャモンの改善と新Tesla Toyboxが含まれる)。

しかしYouTubeチャンネルのホスト、JuliansRandomProjectはすでにソフトウェアのアップデートを受けた幸運な人の1人で、Falloutの様子や車両でどう作動するかをうつしたビデオをリリースした。Roadshowもアップデートを報道し、JuliansRandomProjectのビデオを掲載した。そのビデオは以下に埋め込んでいる。

Fallout Shelterはソフトウェアアップデートの中の1つの新機能にすぎない。車のオーナーが(駐車している間)Netflixや他のビデオを鑑賞できるシアターモードでビデオの再生や一時停止、早送りをコントロールできるようハンドルにいくつかの機能が加わった。

Traxという曲を録音できる機能も改良された。Traxではトラックの音を編集したり微調整したりできるピアノロールが表示されるようになった。

画像クレジット: Screenshot of Fallout Shelter

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Boxでも2021年まで従業員の在宅勤務が可能に

リモートの長期化を計画している企業が、また1社増えた。Boxだ。

米国時間5月22日の朝、BoxのCEOであるAaron Levie(アーロン・レヴィ)氏は、今後も同社は「デジタルファーストの企業であり続ける」と発表した。具体的に同社が何をどうするのかはまだよくわからないが、重要なことのひとつは、Boxの社員は少なくとも2021年の1月まで「どこから仕事をしてもよい」ということだ。

オフィスを完全に捨てる、という意味ではない。今回の変化に関するブログ記事でレヴィ氏は、オフィスで仕事をしたい人はたくさんいる、また会社もオフィスというハブがあることの意義を十分に承知している、と書いている。彼によるとその意義とは「人と人が直接会えること、教え合えること、ネットワーキングとクリエイティビティが生まれること」だという。そこでBoxは、オフィスにも人がいるというハイブリッド方式を目指す。一方、今後の全社会議はすべてバーチャル、リモート雇用のための面接や新人研修は適宜調整、そして自分のホームオフィスを構えたい社員にはそのための経費を助成する。

このところ、在宅勤務やリモートワークを有効だと考える企業がますます増えているが、まだその本気の程度には差がある。BoxはGoogle(グーグル)やSpotifyと同じく2021年まで公式に認めるとしている。一方、SquareやTwitterは、それを恒久的な方針にした。

レヴィ氏は米国時間5月28日のExtra Crunch Liveでインタビューに応じる。その詳細はこちらに

画像クレジット:Bloomberg / Getty Images

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家庭での血液検査が重視されるWithコロナの時代を前にThrivaが5億円を調達

Thrivaは2016年に、家庭でコレステロールのレベルといった血液の検査ができるスタートアップとして登場した。パンデミックの時代である現在、家庭における血液検査は、自分の健康は自分で予防医学的にコントロールしたいというトレンドとともに大きな話題になっている。

同社はこのほど、ベルリンのVC Target GlobalからシリーズAの拡張として400万ポンド(約5億2000万円)を調達した。これでThrivaの総調達額は1100万ポンド(約14億4000万円)になる。投資を行なったのはTarget Globalが新設したファンドであるEarly Stage Fund IIで、2019年の600万ポンド(約7億9000万円)のシリーズAを嵩上げする形になる。既存の投資家には、Guinness Asset ManagementやPembroke VCTがいる。

Thrivaは2016年から今日まで、11万5000件あまりの家庭内血液検査を処理した。興味深いのは、顧客がその情報を利用して自分の健康を改善しようとしていることで、Thrivaのユーザーの76%がその後の健康診断までに何らかの健康指標が改善された、と報告している。

同社は、個人の特徴に合ったヘルスプランや高品質なサプリメントも販売し、病院といったヘルスケアプロバイダーとのパートナーシップも広げている。

Hamish Grierson(ハミッシュ・グリアソン)氏とEliot Brooks(エリオット・ブルックス)氏そしてTom Livesey(トム・リヴシー)氏が創業したThrivaは、前年比で100%成長していると主張し、同社のロンドン本社はチームを50名に拡張した。

グリアソン氏は声明で「新型コロナウイルスの危機により、世界は前例のない課題に直面している。その中で我々みんなが、自分たちの健康と死の見方を変えることを強制されている」と述べている。

さらにTechCrunchの取材に対してグリアソン氏は、さらに次のようにも述べている。「検査を家庭で行う企業は他にもあるが、彼らが直接的な競合相手とは思っていない。Thrivaは検査企業ではない。弊社の家庭における血液検査は重要なデータポイントではあるが、それらは顧客との間に長期的な関係を築いていく端緒にすぎない。より良い健康をお客様の手に委ねるという我々のミッション実現のためには、ただ体の中で起きていることを知るだけでなく、長期的に効果を実験できるようなポジティブな変化をもたらすお手伝いが必要なのです」。

Target GlobalのパートナーであるRicardo Schäfer(リカルド・シェーファー)医師氏は「Thrivaのチームに初めて会ったとき、健康を自らの手に入れられるようにする彼らのミッションにたちまち魅了されました」といっている。

画像クレジット:WLADIMIR BULGAR / SCIENCE PHOTO LIBRARY / Getty Images

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バーチャルイベントのスタートアップRun The Worldが約12億円を調達

カリフォルニア州マウンテンビューに拠点を置き、中国と台湾にも小さなチームを抱え、創業1年になるRun The Worldが、既存投資家であるAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ、a16z)と新規投資家であるFounders Fund(ファウンダーズファンド)からシリーズAで1080万ドル(約11億6000万円)を調達した。

両ファンドがRun The Worldに関心を持ったことを理解するのは簡単だ。同社のプラットフォームはパンデミックのこの時期だけでなくその後であっても、会議の主催者が必要とするすべての機能を備えている。多くの会社が、遠方からの参加者を呼ぶイベントをどう開催すべきか長期的な視野で考えている。ビデオ会議、チケット発行、双方向性、ネットワーキングについて検討しなければならない。

TechCrunchは数カ月前に同社について書いた。AndreessenのパートナーであるConnie Chan(コニー・チャン)氏がリードした430万ドル(約4億6000万ドル)のシードラウンドの時だ。Pear Ventures、GSR Ventures、Unanimous Capitalなどの多数のシードステージの投資家が参加した。「現在の状況を考えれば、Run The Worldはその後十分な支持を得たといえる」とFacebook(フェイスブック)とInstagram(インスタグラム)の両方でプロダクトをリードした共同創業者兼CEOのXiaoyin Qu(シャオイン・チュー)氏は述べた。

「2020年2月の立ち上げ以来、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を受けたイベントについてはすべて、セットアップ料金を免除した。その後、毎日数百件のイベントリクエストが来ている」とチュー氏はいう。同社はコアチームの規模を2倍にして現在30人の従業員を抱えており、現時点で2000以上のイベントがさまざまな国で主催されている。

ウェブセミナーの開催にZoom(ズーム)を使っていた多くのイベントプランナーが、エンゲージメントとソーシャル機能を重視するためRun The Worldに乗り換えているとチュー氏は話す。例えばイベントの参加者はプラットフォーム上でInstagram Storyに似たビデオプロフィールを作成して、他の参加者に自分のことを知らせることができる。また「カクテルパーティー」を開催し、1回あたり数分間参加者同士を会わせ、参加者が後でフォローする相手を選べる機能もある。

ソーシャルネットワーキングに重点を置いているのは偶然ではない。チュー氏はフェイスブックで共同創業者のXuan Jiang(シュアン・ジアン)氏に会った。同氏はフェイスブックのイベント、広告、ストーリーのテクニカルリードを務めていた。

Run The Worldはチケット料金の25%を受け取り、イベントで使うテンプレート、支払い処理、ストリーミングなどのすべてを提供する。もちろんRun The Worldは、現在Zoomと非常に激しい競争を繰り広げている。創業9年目を迎えるZoomは2月以来ユーザーの利用者が急増しており、4月末現在、毎日3億人の会議参加者がこのサービスを利用している。

こうしたネットワーク効果に対抗するのはもちろん難しいが、Run The Worldだけがイベント主催者を取り込もうとしているわけではない。例えば今週初めに、起業家イベントを主催するStartup Grindの創業者が共同で創業したイベントソフトウェアビジネスのBevyは、AccelがリードしたシリーズBで1500万ドル(約16億1000万円)を調達したと発表した。同様に最近数カ月間投資家からの支持を集めている新興のオンラインイベントプラットフォームには、ロンドンを本拠とするHopin(最近のラウンドも興味深いことにAccelがリードした)やパリを本拠とするEventmakerがある。

それでも、新たな資金は役に立つはずだ。Run The Worldはこれまで「口コミを通じて完全にオーガニックに」成長してきたが、同社はチームの拡大を計画しており、多少はマーケティングに資金を使い始めると思われる。ソーシャルメディアに詳しい投資家がこの点をサポートする可能性は十分にある。

a16zとFounders Fundに加え、シリーズAの多くの投資家の中にはWill Smith(ウィル・スミス)氏のDreamers VCとKevin Hart(ケビン・ハート)氏のHartbeat Capitalの名前もある。

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ゲームのトレーニングプラットフォームを提供するStatespaceが16億円を調達

米国時間5月22日、StatespaceはKhosla Venturesが率いるシリーズAのラウンドで1500万ドル(約16億1000万円)を調達した。これによりKhoslaのパートナーであるSamir Kaul(サミル・カウル)氏が同社の取締役会に加わる。既存の投資家であるFirstMark CapitalやLux and Expaらとともに、June Fundが新たに参加した。

Statespaceは2017年にステルスを脱した。そのプロダクトであるAim Labは、人気のFPSゲームの物理シミュレーションを再現しプレーヤーの上達を助けるというものだ。ニューヨーク大学の神経科学者たちが設立したStatespaceは、ゲームの狙いを定める仕組みを提供するだけでなく、画面上の位置によるプレーヤーの視力や反応時間など、ゲーマーとしての特徴や問題点を理解、測定する。

平均的なゲーマーからプロゲーマーまで、誰でもAim Labを使って腕を磨くことができる。また、同社が2020年の第3四半期にローンチ予定のAcademyは、MasterClassおよび有名ストリーマーたちと協力して高度なチュートリアルを提供する。ちなみに主なストリーマーとそのゲームタイトルは、KingGeorge「Rainbox Six Siege」、SypherPK「Fortnite)」、Valkia「Overwatch」、Drift0r「Call of Duty」、Launders「Counter-Strike: Global Offensive」となる。

またStatespaceは、Pro Football Hall of Fame(プロフットボールの殿堂)と強直して「Cognitive Combine」を開発している。これは本物のNFL Combine(ドラフト候補選別評価大会)が選手の運動能力を測定するのと同じように、ゲームにとらわれない方法でに選手の能力を総合的に評価する。

 

 

同社はさらに、100 ThievesやPhiladelphia Fusionのようなeスポーツのサイトと協力してカスタムデータのダッシュボードやプロダクトを作ることで、チームのデータ分析能力と、弱点克服のための練習を助けている。

現在、StatespaceはAim LabのモバイルバージョンやXbox上のバージョンなどによりユーザー層の拡大に取り組んでおり、近くPlayStationのサポートする予定だ。2020年7月には400本のゲームをサポートする計画だという。

Statespaceを支える技術は一般的な認知科学の応用なので、ゲームの成績評価以外にもいろんなアプリケーションがありえる。現在、同社は脳卒中のリハビリを助けるアプリケーションで、複数の大学に補助金を申請している。

またStatespaceは、2019年8月に250万ドル(約2億7000万円)を調達してチームの人数を倍増したが、今回の資金もチームの増員に充てたいとのことだ。有能な人材の引き抜くことにも熱心で、これまでスカウトしてきたエンジニアリング担当副社長のScott Raymond(スコット・レイモンド)氏は元Gowalla、Facebook、Airbnb、マーケティング担当副社長であるJenna Hannon(ジェナ・ハノン)氏は元Uber、Uber Eats、成長担当副社長のPhil Charm(フィル・チャーム)氏は元Checkr、Gainsightだ。

創業者でCEOのWayne Mackey(ウェイン・マッケイ)氏によると、Statespaceの現在の登録ユーザー数は200万で、月間アクティブユーザーは50万、2020年1月以降400%増加したとのことだ。

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IBMはレイオフを認めたが、その詳細は明かさず

IBMは同社がレイオフを行なっているという報道をひと晩で認めたが、部門や関係する従業員の人数などに関する詳細は明らかにしていない。しかし同社はこの度のレイオフを、新CEOであるArvind Krishna(アービンド・クリシュナ)氏の采配による必要性の高いスキルの導入と、それにともなう再配置だとしている。

IBMのスポークスパーソンはTechCrunchに対して「競争の激しい市場におけるIBMの業務には、より高い価値スキルにリミックスする柔軟性が必要であり、労働力に関する決定は、弊社のビジネスの長期的な利益のために行われている」と語っている。

Moor Insights & Strategyの主席アナリストであるPatrick Moorhead(パトリック・ムーアヘッド)氏によると、レイオフは全社的に行われるという。「聞くところによると、それは事業部間のバランスをとるためのものだ。IBMは今、できるだけ多くのリソースをクラウドへ移行しようとしている。基本的には必要なスキルを持たず、再教育もできない者が解雇し、特定のスキルのある者を採用する。だからいわゆる人減らしではない」とムーアヘッド氏は語っている。

ちなみにIBMは、2015年にレイオフが報道されたときにも同じ理屈を述べた。公式の数字はないがBloombergによると、今回の数字は数千人単位だという。

Constellation ResearchのアナリストであるHolger Mueller(ホルガー・ミュラー)氏によると、現在、IBMは厳しい立場にいる。「過去の成果が利益を産んでない。IaaSとしてのIBM Cloudはなくなり、Watsonは期待はずれ、ブロックチェーンは遅すぎて、何千人もコンサルタントが仕事にならない」とミュラー氏は話す。

ミュラー氏によると、作業員が現場ではなく家にいることの影響もある。「企業は大規模のソフトウェアプロジェクトをリモートで行う方法を知らず、学んでもいない。現在のところ企業は計画の再開で忙しく、プロジェクトの進行が遅くなっている」という。

このニュースの背景には、大企業も中小企業もパンデミックのために大量の従業員を解雇しているという事情がある。IBMも現在のマクロの状況に関係なく、新CEOが建て直しを図ろうとしているように、人員削減が必要なのかもしれない。

同社はここ数年間、苦戦が続いており、2018年にRed Hatを340億ドル(約3兆6600億円)で買収したときには、もっとオープンなハイブリッドクラウドという選択肢を模索していた。今同社が必要としているのは、それを実現に導くスキルに焦点を当てたいようだ。

同社は2021年6月まで、レイオフした社員の医療費を補助するという。まあ、当然だろう。

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