ソフトバンクが「Vision Fundは1.8兆円の損失」と予測、本体もWeWorkとOneWeb投資が痛手

日本の巨大テクノロジー企業グループ、ソフトバンクは2019年度の損益見通しを発表した。これによれば、Vision Fundの損失は1.8兆円という巨額に上るという。

またソフトバンク本体の投資でも、シェアリングエコノミーのブームを代表したオフィススペース賃貸のWeWork、衛星通信のOneWebに対する投資の失敗が痛手となった。 投資先のテクノロジースタートアップのビジネスの失敗により、グループ全体での損失も7500億円となる予想だ。

この2年間、ソフトバンクとファウンダーの孫正義氏は、Vision Fundの数十億ドルの資金(大半は外部投資家のカネだったが)をスタートアップに投じてきた。機械学習、ロボティクス、次世代テレコムへの投資はやがて数千億ドルの利益を生むという見通しに賭けたものだった。

ともかく孫氏が投資家に売り込んだビジョンはそうだった。しかし実態は、WeWork、OpenDoor、Compassなどへの数十億ドルは要するに不動産投資だった。消費者向けビジネスではBrandlessは事業閉鎖 犬を散歩させるWagでは持ち分売却を余儀なくされた。食品配達のDoorDashへの投資も成功とはいえないだろう。これに加えて大口の投資を行ったホテルチェーンのOyoが苦境に陥っていることでVision Fundの「先見の明」に大きな疑問符がついている。

2019年はこうした投資先がいくつも暗礁に乗り上げた。見事なまでの崩壊をみせたのは、我々も繰り返し報じてきたがWeWorkだ。会社評価額は一時の400億ドル(約4兆3000億円)以上から約80億ドル(約8600億円)に急落した。

Brandlessは2020年初めに廃業した。新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの発生により、ホテルのOyoに加えて不動産投資ではCompassも打撃を受けている。

もっともソフトバンクのVision Fundの投資先に失敗企業が続出しているのは事実だが、失敗の多くは経済全体に逆風が吹いている結果だ。またすべての投資が行き詰まっているわけではない。例えばVision Fundは上場前のSlackに巨額の投資をしている。しかも新型コロナウイルスによる否応ないリモートワーク化はSlackの強い追い風となっている。

ソフトバンクの投資の中で最も遠大なビジョンがあったのは(皮肉にもこれはVision Fundからの投資ではなかったが)衛星ネットワークのOneWebだったに違いない。しかし世界のいたるところに高速のインターネット接続サービスを提供するというビジョンは優れていたが、あまりに多額の資本を必要としたためその重みで自壊した。ピザのロボット配達サービス、Zumeも失敗している。

しかしこうしたギャンブルが軒並み失敗に終わってもソフトバンク自体が倒れない理由は、なんといっても大量のアリババ株という金庫を抱えているからだ。またコアビジネスのテレコム事業や傘下の半導体事業も堅調だ。

ソフトバンクは発表で次のように述べている。

「上記に加え、(2019年度比較して2020年度の)税引前利益の減少は、主として営業外損失の計上が予測されることによる。 2019年度における(Vision Fund外の)投資関連の損失総額は8000億円となる。これはAlibaba株式のPVF(プリペイド・バリアブル・フォワード)契約(による売却)から生じる利益によって部分的に相殺される。2019会計年度第1四半期に計上され、Alibaba株保有分の希薄化によって生じた利益は2019年度第3四半期に計上されている。またAlibaba株式関連の投資については対前年比での利益の増大があると予測される」。

結局のところ、孫氏は大胆かつ優れたビジョンを持つ投資家だという神話に自縄自縛となったのではないだろうか。この神話は外部の株主、投資家に損害を与えるものとなったようだ。

4月13日に、Bloombergはop-edコラムで次のように書いている

「(多額の投資をすることで)スタートアップをファウンダーが考えているより早く成長させ、予想以上の収益を上げさせることができる」という孫氏の主張は今や重荷となっている。これはVision Fundやソフトバンク本体への投資家にとって利益より損失を生むリスクをもたらしている。

多額のキャッシュをばらまいたために多数のスタートアップが財政規律を維持することを忘れ、金を使うことに夢中になってしまった。何年もの間、これは賢明な戦略のように見えた。ソフトバンクの投資を受けたスタートアップはライバルよりも多額のキャッシュをユーザー獲得のインセンティブや広告に支出し、、能力の高い人材を惹きつけることができた。これは市場市場シェアを得るために役立った。

現在、ソフトバンクはUber、WeWork、Grab.、Oyoなどの市場リーダーの大株主だ。 しかしナンバーワンになることと、利益を上げることはまったく別の話だ。

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

買い物代行のInstacartが空前の需要対応でサポートチームを倍増

新型コロナウイルス(COVID-19)による外出禁止を受け、Instacartはグローサリー配達サービスに対するこれまでにない需要に直面し、ショッパーや顧客、提携する小売店のサポートを強化する。

Instacartは4月10日、ケアチームのスタッフを1200人から3000人に倍増すると発表した。ケアチームはInstacartの仕組みや配達、住所間違い、そのほか一般的なトラブルなどについての質問に答えている。

このニュースの前に、Instacartのショッパーが先月、個人保護用品や危険手当、チップのデフォルト額アップ、疾病手当の拡大適用を求めてストライキを行った。

先週だけでも需要が対前年比で300%以上増えていて、Instacartは雇用を大幅に増やしている。先月の活動しているInstacartショッパーは35万人で、その2週間前の20万人から大幅に増加している。

そしてInstacartは、5月までにケアチームに加わる1万5000人を追加で採用し、契約したことも明らかにした。ケアチームのスタッフは総数1万8000人となる。

Instacartが新たに採用した人の一部は、観光・旅行業界で最近解雇された、経験のある人だ。

需要が増えるにつれショッパーにはこれまでになく負担がかかっていて、ケアチームは拡大するショッパーネットワークを正常に機能させるための同社の新たな試みのようだ。同社は先月、賃金ポリシーの拡大や非接触の支払いオプションを明らかにした。また、配達をよりフレキシブルに、そして早くすることを目的としたショッパーのための新機能も導入した。

今週初め、客による「チップ釣り」というひどい手法が発覚した。それは、アプリを通じての請求書に客は大きな額のチップを記載して、グローサリーをピックアップするようショッパーをおびき寄せる。そしてショッパーがグローサリーを届けた後に、客はチップを小額に、あるいはゼロにするというものだ。

グローサリーが届いてから3日後までチップの額を変更できるというのは、Instacartのアプリを通じて提供されているオプションだ。

Instacartによると「チップ釣り」はまれだ。注文の99.5%では、客はチップを上方に調整したり、全く調整しなかったりする。同社はまた、客が少なくとも最低額のチップを払うよう、客によるチップ入力部分から「チップなし」というオプションを削除した。

こうした機能のアップデートは好影響をもたらすだろうが、その一方でグローサリーが届けられた後に客がチップ額を変更することをInstacartはまだ禁止してはいない。チップは所詮、客次第のものであるため、新たなケアチームもまた「チップ釣り」からショッパーを守ることはできないだろう。

加えて、ショッパーはチップのデフォルト額をコロナ禍の間は10%にするよう求めているが、Instacartはチップ最低額を変更していない。

ケアチームの大量採用は「チップ釣り」ではなくサービス需要増に関係している、と同社は話している。

画像クレジット: Instacart

新型コロナウイルス 関連アップデート
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(翻訳:Mizoguchi

神戸市がUber Eatsと連携して市内の営業エリア拡大、新型コロナ対策で中小飲食店が支払う手数料を4割減免へ

神戸市は4月10日、Uber Eatsとの事業連携協定の締結を発表した。同時にUber Eatsを活用した飲食店支援策「Uber Eats + KOBE」を実施する。新型コロナウイルスの影響で、売上が落ちている市内の中小飲食店の売り上げアップと、ライフスタイルに併せて柔軟に働ける配達パートナーという職の提供による個人の収入確保が狙い。4月13日から7月12日までの約3カ月間実施される。なお、状況によっては期間の延長も検討しているという。

対象となるのは、Uber Eatsに加入もしくは今後新規加入する飲食店で、経営している店舗数が20店舗未満の事業者。大手チェーンのフランチャイズの場合も、展開している20店舗未満であれば対象となる。神戸市によると、市内560店舗と新規参加店が対象になる見込みとのこと。

具体的には、新規参入店舗については初期手数料の支払い免除が受けられるほか、対象飲食店が負担する1注文あたり100~500円のキャンペーン手数料が助成される。

キャンペーン手数料とは、注文者(ユーザー)が注文時に受けられる割引サービスにおいて、店舗側が負担する手数料で、詳細は以下のとおり。手数料の4割を神戸市やUber Eatsが負担する。

注文額→割引額
・1000円以上→100円
・1500円以上→200円
・2000円以上→300円
・3000円以上→500円

5月10日まではUber Eatsがこれらの施策を展開するが、5月11日以降は神戸市が同様に手数料を負担することで7月12日までの長期間の支援が可能になったわけだ。

なお現在注文者(ユーザー)は、初回利用限定だがLINE Payでの支払いで最大1000円の割り引きが受けられるほか、初回利用限定で1000円以上の注文で合計金額から1000円割り引き、松屋での1000円以上の注文で配送手数料が無料になる、友達の紹介で1000円割り引きクーポンがもらえるといったキャンペーンも利用できる。なお、いずれもアプリ内に表示されるキャンペーンコードの入力が決済時に必要なので注意したい。

さらに神戸市では、これまで市内6区(東灘区、灘区、中央区、兵庫区、長田区、須磨区)だったサービス提供エリアを拡大。北区、垂水区、西区で店頭での「お持ち帰り」サービスを開始する。お持ち帰りサービスとは、Uber Eatsで注文・決済したメニューを利用者が店舗まで取りに行くサービス。アプリに注文品の進行状況が表示され、正確な受け取り時間も確認できる。Uber Eatsの営業エリアの拡充には当該地域で担当ドライバーを確保する必要があり時間がかかるため、まずはお持ち帰りのサービスの市内のエリア拡充を図ったようだ。

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買い物代行のInstacartもショッパーにマスク、消毒剤、体温計を配布へ

Instacart(インスタカート)はフルタイムで働くショッパー(Instacartで買い物品を顧客に届ける人のこと)への健康・安全キットの配布を開始する。同社は2日、キットにはフェイスマスク、手指消毒剤、体温計が含まれると明らかにした。

このキットは来週から無料でショッパーに提供される。Instacartによると、ショッパーはInstacartショッパー電子メールで登録してキットをリクエストできる。需要に対応するため、同社は毎日在庫をアップデートする。店内での買い物業務を担うショッパー向けには、それぞれの小売店舗のショッパーにフェイスマスクを提供する。

「手指消毒剤やフェイスマスクのような個人用保護品は入荷が遅れ、また世界的に品薄になっているが、それらをヘルスケアワーカーから奪うことなく積極的に確保するために当社のチームは昼夜問わず取り組んでいる」とInstacart会長のNilam Ganenthiran(ニラム・ガネンティラン)氏は声明で述べた。「グローサリーや日用品の入手で頼れる必須のサービスを我々は顧客に提供したい。その一方でInstacartのショッパーに安全でフレキシブルな収入の機会を提供する。新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が拡大するにつれ、今日の健康や安全のためのソリューションは、明日のために必須のものだ。当社のチームは、ショッパーコミュニティがこうした状況でも守られるよう、新しいサービスや機能を導入すべく素早く取り組んでいる」。

今回の発表は、一部のギグワーカーによるストライキが展開されている中でのものだ。3月27日、Instacartショッパーのグループはストライキの計画と同社が要求に応じるまで職場復帰しないと発表した。労働者に個人用保護品を無料で提供すること、オーダー1件あたり5ドル(約540円)の危険手当を上乗せすること、デフォルトのチップを10%にすること、疾病手当を新型コロナの影響を受けやすい持病を抱えている人にも適用すること、そうした福利厚生の資格申し込みの期限を4月8日以降に延ばすことを要求している。

これを受けInstacartは申し込み期限を延ばし、デフォルトのチップを顧客が払うチップ額に設定した。しかしこれでは十分でないとショッパーは話す。Mediumへの投稿の中で、労働者はInstacartの対応を「侮辱的」で「質の悪い冗談」と形容した。

「行動を起こすのにこんなに時間がかかるとは、まったく忌まわしい。しかしストライキがInstacartの行いを変えるのに効果的であることがわかったのは収穫だった」と投稿に書いた。

労働者への危険手当や新型コロナでかなりのリスクを負う人への支払いはまだだ。労働者に不穏な動きが広がる中で安全プロトコルを引き上げる企業はInstacartだけではない。Amazon(アマゾン)は、倉庫で働く従業員やWhole Foods(ホールフーズ)の従業員向けにサージカルマスク配布を開始すると明らかにした。

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(翻訳:Mizoguchi

Uber Eatsのエリアが拡大、東村山や所沢など東京・埼玉西部、大阪・堺、守山区を除く名古屋市各区、福岡市全区で

ここのところ、テレビCMなどで認知度を上げつつ、大都市圏や県庁所在地を中心に営業エリアを広げているUber Eats。直近では、3月18日には愛媛・松山、3月25日に香川・高松と四国上陸を果たし、4月2日には東北初となる宮城・仙台でのサービスを開始した。そして、4月7日には福岡・久留米、4月9日は福岡・北九州でのサービスが始まる。

これに加えて4月1日から、首都圏や大阪、名古屋、福岡での営業エリアが拡大している。詳細は以下のとおり。今回のエリア拡大で、名古屋市や守山区を除く15区、福岡市は市内全7区でデリバリーが可能になる。ただし、いずれも区内全域はカバーしていない。そのほか、東京西部や、埼玉西部の営業エリアも一気に拡大している。

東京:東大和市、立川市・昭島市・羽村市・福生市・東村山市・武蔵村山市

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埼玉:所沢市、八潮市、三郷市、越谷市、川越市、ふじみ野市、富士見市

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大阪府:堺市、松原市、藤井寺市、高石市

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愛知県:名古屋市(名東区、天白区、南区、港区、緑区)、長久手市、日進市

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福岡県:福岡市(南区、東区、西区)、春日市・大野城市・太宰府市・筑紫野市・糟屋郡

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Uber Eatsが福岡で勢力拡大、4月7日から久留米市と北九州市で順次利用可能に

Uber Eatsは3月31日、福岡県下でのサービス拡大を発表した。新たに、久留米駅周辺市街地、北九州市の小倉北、戸畑の各地区でデリバリーが可能になる。福岡では、すでに博多や天神を中心した福岡市エリアでサービスを展開中で、今回のエリア拡大で県下で人口が第1位(福岡市)から第3位(久留米市)までの都市をカバーしたことになる。

サービス概要は以下のとおりで、配送手数料はいずれ1回あたり350円、注文から約30分で届けてくれる。

久留米エリア

  • サービス開始:2020年4月7日9時
  • 通常営業時間: 9時〜 24時(レストランパートナーによって異なる)
  • レストランパートナー数: 30件以上
  • サービスエリア:久留米駅周辺市街地

北九州エリア

  • サービス開始:2020年4月9日9時
  • 通常営業時間: 9時〜 24時(レストランパートナーによって異なる)
  • レストランパートナー数: 40件以上
  • サービスエリア:小倉北、戸畑

芸術をもっと身近に、1万円から共同保有できる「アートシェア」でマーケットに変革を

世界のアート市場は7.5兆円に上るが、一般的にアートは「お金に余裕のある人の嗜好品」というイメージが強く、なじみの薄い人が多いだろう。

「アート展に足を運んだり、ピンとくる作品を見つけたりしても、金銭的な問題や飾る場所がないからと購入は諦めてしまう人が多い。そんな人がもっとアートを気軽に、かつ深く触れられるサービスを作れたら」と考え、2018年に起業したのがANDARTで、松園詩織氏がCEOを務める。

ANDARTは「オーナー権」を1万円から得られるアートの共同保有サービス。オーナー権を持った人には作品オーナーとして名前を残し関係者限定の鑑賞イベント参加やマーケット情報の配信といった優待が与えられる。また、小口化された権利を後に売却することも可能だ。

大学生4年生でアート系プロダクトに携わる

写真に向かって左から、CEOの松園詩織氏、事業開発責任者の市川真理子氏

松園さんがアートと出会ったのは大学4年生のとき。

「もともとアートは好きでしたが、ビジネスの観点からも興味を持ち始めたのは、アートのキュレーションサイト『アトコレ』でインターンをしたときです。経営陣は成田修造さん(現クラウドワークスCOO)、中川綾太郎さん(現newnCEO)、石田健さん(現マイナースタジオCEO)というそうそうたるメンバー。彼らと一緒に働いているうちに、アート業界のようなアナログでブラックボックスも多い領域にこそ、IT人材が交わることで大きなインパクトを残せる可能性のでは、と考えるようになりました」。

「その後、就職や職種を変えながらも、仕事でアートフェアに関わるなど複数の縁があり『どうしたら多くの人がアートにもっと興味を持つだろう』と自然とのめりこんでいきました。また、リアルな実態としてアートを購入してマーケットを支えるのは富裕層や熱心なコレクターですが、もっと多くの人に機会が開かれてもいいはず。その手段としてアートの分散保有というアイデアで起業することにしました」。

起業は想定外の困難の連続。それでも前進できる理由

2018年に会社を退職しANDART(当時ARTGATE)を起業。藤田ファンドやエンジェル投資家から2600万円を調達しサービス開発を始めた。経営者となり最初の課題は強固なメンバー集めだったという。

「アートというドメインは少し特殊で仲間集めも難易度が高いほうだと思います。ビジネス人材の中で最初からアート界を熟知している人間はほぼいないし、イメージ湧きづらいですよね。なので特に創業メンバーはすでに十分な信頼関係がある人と決めていていました」。

「仕事の精度やテンポ、自分にないスキルを持っているかという点はもちろんですが、結局は信頼できてマインドが同じ方向むいているかが大切だなと。そこでまずはサイバーエージェント時代の先輩である高木(現COO)が浮かびました。その後メンバーの入れ替わりも経験し、実際に1年以上会社を続けてきて改めてチームワークの大切さを痛感しています」。

「困難に直面した時にこそ人間性と信頼関係が試されるし、いわゆる過去の知見とか正直意味ない(笑)というくらいに全員が自分の幅を拡げて初めての領域で初めてのチャレンジもしてくれています。逆に言えば『柔軟で一体感のあるチームができればどんな事業だってできる』ともいえるのかなと。まだまだ少数ですが隣にいる市川(事業開発責任者)をはじめ、それぞれ尊敬できるいい仲間が集まってきています」。

取扱高1.2億円、会員数約4000人、リリース9カ月で見えてきた真の価値

現在の会員数は約4000名。「アートは好きだけどわからない」という苦手意識を持った層へのリーチに成功しているという。

事業開発とデジタル広告も担う市川真理子氏は「ユーザーアンケートで約7割はANDARTがきっかけで初めてアートにお金を投じた人たちです。つまりこれまで鑑賞体験だけに留まっていた人たちに対しハードルを下げることで購入という一歩を踏み出すきっかけを提供できている。これはアートマーケット全体に対して大きな価値となっていくと思います」。

「現にANDARTプラットフォームをきっかけに共同保有と並行して『個人所有の購入サポート』のリクエストやお問合せをいただくことも増えていて、新たな経済圏を創る足がかりになっています」と話す。

今後はさらにコミュニケーションを強化し、アートへの理解を深めるオウンドメディアやメールマガジンなどで、アートを生活に取れ入れたら日常がどう変わるか、作品の解釈の仕方などアートビギナーにとって有益な情報を配信しその延長線上でアートと会員の上質なマッチングを創出していくという。

月額4万円からの住み放題サービスADDressが関西初上陸、大阪・枚方と岡山・奉還町に拠点展開へ

月額4万円からの全国住み放題・多拠点コリビング(co-living)サービス「ADDress(」アドレス)を展開するアドレスは3月27日、JR西日本イノベーションズの出資を受けたことを明らかにした。今後はJR西日本グループと連携を図り、西日本エリアに拠点を拡大していく。なお、JR西日本イノベーションズのほか、NECキャピタルソリューション、みずほ成長支援第3号投資事業有限責任組合、MSIVC2018V投資事業有限責任組合、ガイアックスからも資金を調達している。

ADDressは、月額4万円からの定額で全国の拠点に自由に住めるサービス。個室を確保しながら、シェアハウスのようにリビングやキッチンなどを共有。空き家や空き別荘のオーナーと契約することで、遊休不動産の活用とコスト抑制を図っている。

JR西日本グループとの提携第1弾となるのは大阪の枚方と岡山の奉還町の2拠点で、それぞれ大阪府、岡山県では初の拠点となる。

ADDress枚方

ADDress枚方は、長尾家具町に立地する準工業エリアの長年空き家になっていいた物件。昭和に建てられた木造2階建の住宅で「高度経済成長期にタイムスリップ」をコンセプトにリノベーションしたという。オーナーが初期費用を負担し、アドレスがオーナーと転貸借契約を結んで賃貸物件として提供する仕組みとなる。

ADDress奉還町

一方のADDress奉還町は、新幹線の岡山駅西口を下車すぐの岡山市北区奉還町の物件。商店街内の路地を少し入った場所にある土間造りのある古民家風のゲストハウスとなっている。壁一面には、アーティスト「ESOW」による、くつろいでいるおじさんの絵が描かれている。 また、部屋には岡山で有名なデニムブランド「JAPAN BULE」のデニム畳とデニムクロスを施している、さらに近所には、純喫茶を改装したコワーキングスペースカフェもある。

 

SF監督機関が新型コロナ感染拡大に伴いギグワーカーの保護強化へ

米国カリフォルニア州サンフランシスコ市の監理委員会は決議に基づき、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが続く間、ギグワーカーにより厚い保護と給付を提供するよう多くの立法機関に要請した。同委員会はまた、ギグワーカーが現在も外でフードデリバリーやライドシェアに従事していることを受け、サンフランシスコ市の労働基準執行局に対し、州議会法案第5号(AB5)に準拠した執行手続きを確立するよう求めた。AB5は、法律上は独立請負業者となる労働者の分類について定めている。

Gig Workers RisingWe Drive Progressが同委員会にこの決議を採択するよう働きかけた。Gig Workers Risingは以前、カリフォルニア州議会の議員らにAB5の施行を要請しており、それに続く動きとなる。今月初め、Gig Workers Risingはカリフォルニア州知事のGavin Newsom(ギャビン・ニューサム)氏と他州の当局へ書簡を送り、パンデミックの状況下で働く労働者保護のため介入を求めた。

「企業は新型コロナ感染拡大のかなり前からドライバーと乗客を危険にさらしてきた」とライドシェアのドライバーでGig Workers RisingのメンバーでもあるEdan Alva(エダン・アルバ)氏は3月24日、記者会見で語った。「大企業は最も弱い人々を食い物にしている」。

同氏は「ドライバーはいつも次の給料まで綱渡りで働いている。貯金する余裕はない」と述べた。「健康保険と傷病休暇がなければ、病気になったときに無理な選択肢しか残らない。病気のまま働けば自分だけでなく乗客も危険にさらす。自宅にとどまれば家と車を失い、生活が立ち行かない」。

同委員会はまた、サンフランシスコ市の弁護士であるDennis Herrera(デニス・ヘレラ)氏とカリフォルニア州法務長官のXavier Becerra(ザビエル・べセラ)氏に対し、有給の傷病休暇と失業保険を求める労働者に誤った分類が付される場合は、差し止め命令によって救済するよう求めた。

さらに同委員会は、公衆衛生局がライドシェアのドライバーとデリバリーワーカーのために最低限の健康安全ガイドラインを策定するよう要請した。また、カリフォルニア州労働長官のJulie Su(ジュリー・スー)氏には、この状況下でギグワーカーへのさまざまな給付に関するガイダンスを提供するよう求めた。

同委員会はギグワーカーが「多くの不確実性に直面している。住宅や食べ物の不安、ヘルスケアへのアクセス、衛生設備・保護具・安全に関する研修がないまま新型コロナウイルスに対処せざるを得ないことなどだ」と説明している。決議は、ギグワーカーを使う企業が「州や市の法律を無視し続けている結果、誤って分類された従業員を失業保険、有給の病気休暇、医療給付、労働者補償などの重要な福利制度へのアクセスがない状態に置いている」と述べている。

監督官のGordon Mar(ゴードン・マー)氏は3月24日の記者会見で、公衆衛生の危機が起きているのに労働者の権利を否定することは「不道徳」であると述べた。監督官のMatt Haney(マット・ヘイニー)氏は、公衆衛生を守るためにあらゆる手段を講じることが重要だと付け加えた。

「多くの我々のような労働者が人々の食べ物を運び、家庭に届けるよう指示されている」とヘイニー氏は記者会見で述べた。「企業にとってそうした労働者を確保することが、現在業務を遂行する上で不可欠だ。だが一方で、労働者は公平に扱われていない。経済的に疎外され、弱い立場に置かれている」。

ヘイニー氏は「この危機の間もギグワーカーは緊急対応が求められる仕事を続けている。買い物に行けない人に食べ物を届けたり、A地点からB地点まで人を運んだりしている」と語った。

Uber(ウーバー)、DoorDash(ドアダッシュ)、Instacart(インスタカート)などの企業が何もしていないわけではない。例えば、2週間までの傷病休暇を提供している企業もある。ただ、それが十分ではないということだ。

「TNC(UberやLyftのような一般ドライバーと乗客を仲介する会社)はこの国家緊急事態の中、ニューサム知事により生活に不可欠なサービスを提供する輸送システムの重要な一部として指定を受けた」とLyft(リフト)の広報担当者は声明で述べた。「Lyftは、人々を重要なサービスや商品と結びつけることにより、パンデミックの中で不可欠なサービスを提供する重要な役割を果たしている。この危機の最中に、TNCに雇用モデルの採用を強制すれば、数十万人分の仕事が広く失われ、社会的弱者のための基本的なサービスが直ちにストップしてしまう。ドライバーとリスクに直面しているコミュニティーが当社のサービスを最も必要としている今、それは害にしかならない」。

だがドライバーのMekela Edwards(メケラ・エドワーズ)氏は記者会見で、Lyftのヘルスケアの方針について懸念を表明した。同氏は、ドライバーが病院に行く患者を乗せるために必要とされるスキルやトレーニングを適切に受けていないと指摘した。

「乗客の乗降介助に備えたマスクや手袋などの保護手段は絶対ないと言える」とエドワーズ氏は語った。「会社がそれらを提供していると宣伝するようなら、その前にドライバーはそれが本当なのかしっかり確認する必要がある」

一方、有給の傷病休暇の要求が拒否されたというUberドライバーからの報告もある。TechCrunchは詳細を取材するためUberに問い合わせた。返信があり次第更新する。

画像クレジット:Photo by FREDERIC J. BROWN/AFP via Getty Images / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Mizoguchi

Uber Eatsが4月から仙台でスタート、「味の牛たん喜助」のデリバリーも可能に

Uber Eatsは3月26日、東北でのサービス初展開を明らかにした。4月2日から仙台市内の一部地域からサービスを開始する。デリバリー可能店舗は、Uber EatsではおなじみとなったスターバックスコーヒーやCoCo壱番屋などのほか、人気牛タン店「味の牛たん喜助」もレストランパートナーに入っている点。そのほか、北仙台駅の人気カフェ「IMAGINE」(イマジネ)などからもデリバリー可能となる。

サービス概要は以下のとおり。

  • サービス開始:2020年4月2日9時
  • 通常営業時間:9〜24時(レストランパートナーによって異なる)
  • レストランパートナー数:140店舗以上
  • 配送手数料:350円
  • サービスエリア:宮城野区、泉区、青葉区、若林区の一部

Bandcampは1日分の収益を放棄して4.8億円を参加ミュージシャンの収入に

3月20日の金曜日、人気の音楽プラットフォームBandcampは、朝から24時間におけるすべての売り上げから自社の収益を放棄すると発表した。この取り組みは、ライブパフォーマンスがキャンセルされ、将来が見通せなくなった世界中にいる数多くのアーティストの生計を助けるために企画されたものだ。

この企画は成功した。

その金曜日は、11年間のBandcampの歴史で最大の売り上げを記録した日になった。アーティストは楽曲と関連商品の売り上げとして、24時間で430万ドル(約4億8000万円)を手にすることができた。これは、普段の金曜日におけるBandcampの売り上げの15倍以上に相当する額だ。サイトによれば、その日は1秒あたり11のアイテムが売れたという。全体として普段の4万7000程度であるのに対して、1日で合計80万のアイテムが売れた。

Bandcampが手数料を免除しただけでなくAnti-、Fat Possum、Merge、Polyvinyl、Saddle Creek、Sub Popといった数十のレーベルも、その金曜日は収益の100%をアーティストの取り分とした。

これは、クリエーターにとってうれしいニュースだろう。ただでさえ、多くのクリエイターは常に変化し続けるオンラインエコノミーに対応しきれないでいる。とはいえ、いつまで自宅に籠もっていればいいのかさえもわからないため、多くのアーティストは将来への不安は拭うことができない状況にある。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

サンフランシスコの屋内避難指示とそれでも屋外で働くギグワーカーたちの苦悩

サンフランシスコのLondon Breed(ロンドン・ブリード)市長は、米国時間3月16日朝、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡散を遅らせるために、屋内避難指示(shelter-in-place order)を発表した。この指示は、食料品店に行く、ガソリンを買う、あるいは薬局に行くといった必要不可欠の行為でない限り、市民にできる限り家にいることを法的に要求するものだ。つまり、もうレストラン、ジム、あるいはナイトクラブに出かけることはできない。ただし居住者は「真に必要な移動の場合のみ」に限定されているUberやLyftの配車サービス同様に、レストランに出前を注文することは可能だ。

つまりPostmates、Instacart、DoorDashそしてUberEatsの労働者は、人びとに食べ物を届けるという困難な状況に立たされたままであり、乗客を運ぶ配車サービスの運転手たちはウイルス感染の危険に晒されている。

2020年の初めから一部のギグワーカーたちが提唱してきたおかげで、カリフォルニア州はギグワーカー保護法「AB-5」を適用し、すべての労働者が有給の病気休暇、傷病保障、家族休暇そして失業保険を利用できるように迫られている。最近、Gig Workers Risingは、カリフォルニア州知事Gavin Newsom(ギャビン・ニューサム)氏や他の州当局に手紙を送り、このパンデミックの渦中での介入と労働者の保護を求めた。

「私たちは州政府に対して、新型コロナウィルスパンデミックの期間中、AB-5を完全に実施することで保護を行い、ギグワーカーたちが有給の病気休暇、傷病保障、家族休暇そして失業保険などの福利厚生を利用できるようにすることを要求します」と当局宛の手紙に書いたのは、自身も配車ドライバーでありGig Workers RisingのメンバーでもあるSteve Gregg(スティーブ・グレッグ)氏だ。「今後数週間から数カ月にわたるこれらの対策によって、誰が生き延びるのか、誰が住む場所を守れるのか、誰が飢えないのかの違いが生み出されることになります」

ギグエコノミー企業も、ギグワーカーを支援するための措置を講じ始めた。例えばUber は、感染したり公衆衛生当局によって隔離されたりしたドライバーを支援するためのファンドを創設した。Instacartは店舗で買い物を代行する「ショッパー」に対して、病気時の支払いポリシーを導入し、COVID-19の影響を受けた独立請負業者を含むすべての「ショッパー」に対する支払いを拡大した。同様にPostmatesは、ウイルス検査で陽性になったワーカーに、2週間の有給病気休暇を提供し始めた。

こうした企業は経済的不安をある程度和らげることができるが、労働者たちは相変わらず障害保障、家族休暇、失業保険なしで働いている。健康保険に加入していない労働者もいる。もちろん、これらの企業はそのワーカーに運転や食べ物の配達を強制するわけではない、だが多くの人は家賃や住宅ローンを支払い、家族を支えるための収入が必要なのだ。

「仕事をしないことは選択肢にないので、病気も私の選択肢とはならない」と先週の声明で述べたのは、配車ドライバーでGig Workers RisingのメンバーでもあるEdan A(エダン・A)氏だ。「もし病気になってしまったら、働き続けるか生き続けられないかの選択となってしまいます。単なる収入の問題ではありません。新型コロナウイルスが流行する前は、私はなんとか月々の請求書を払っていました。そこには間違える余地もありませんでした。危機に瀕しているのは、家賃の支払い、車の支払い、健康保険、そしてもちろん食料です。セーフティネットなしで仕事を止めなければならない場合は、これらのすべてを失ってしまいます」

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(翻訳:sako)

Uber Eatsが四国上陸、愛媛・松山、香川・高松で9時〜24時までデリバリー可能に

Uber Japanは3月11日、同社が手掛ける飲食のデリバリーサービス「Uber Eats」を四国に展開することを明らかにした。3月18日午前9時より愛媛県松山市の一部地域で、3月25日から高松市の一部地域でサービスが始まる。Uber Eatsはこれまで、首都圏では東京や横浜、川崎、さいたま、千葉、関西では大阪、京都、神戸、東海地方では名古屋、九州では福岡のそれぞれ一部地域でサービスを展開。2月には中国地方に進出し、岡山、広島、福山で利用可能になったが、四国は今回が初進出となる。

同サービスは、専用のスマーフォンアプリを使うことで利用者の現在地を特定し、その周辺の配達可能な飲食店に配達を依頼できるのが特徴。配達を担当するのはUber Eatsの専用ドライバーで、飲食代金のほかに配達料が別途かかる。従来の宅配は、飲食店側が配達要員を確保する必要があり人員確保の難しさやコストの問題があったが、専用のドライバーを擁するUber Eatsなどの普及によって飲食店は配達を新たな収益源として利用できるようになる。利用者にとっては、これまでは出前注文を受け付けていなかった飲食店の料理を自宅などで手軽に食べられるメリットが生まれる。なお、配達に要する時間は最長でも30分程度になるという。
松山市では、市中心部西エリア、中心部東エリアおよび城北、城西、城南各エリアの一部で朝9時から深夜24時までサービスを受け付ける。高松市では市中心部の北部エリアのみとなる。いずれも配送料は350円。宅配を依頼できる飲食店(レストランパートナー)は、松山市、高松市ともそれぞれ40社超。

ソフトバンク出資のインド格安ホテルチェーン「Oyo」が世界で5000人レイオフ

米国時間3月4日、インドで説立された格安ホテル仲介のスタートアップであるOyoは、世界で5000人のレイオフを実施すると発表した。支出を削減し収益性を向上させるためだという。

今回の人員削減により、Oyoの社員数は世界80カ国合計で2万5000人程度となる。Oyoの広報担当者はこの人員削減はOyoが1月に発表したリストラの一部だとして次のように述べた。

「OYOは2020年1月に発表したリストラをグローバルで実施中だ。中国における最近の施策もこれに沿ったものだ。中国はOYOの住宅供給事業の重要な市場だ。我々は界の数百万人の中所得層の人々に質の高い生活を提供するというコアなミッションを果たすために、何千ものOYOパートナーとの協力を続ける。新型コロナウィルスがもたらす困難な状況の中でも、善意にあふれ強靭な回復力がある中国社会をあらゆる方法で支援し続ける。パートナー、社員、顧客のすべてに対し、力強い協力に感謝したい」。

Bloombergの報道によれば、、レイオフは主としてOyoの中国におけるビジネスに関連するものだ。同社は中国で6000人の常勤社員の半数をレイオフする。インドや米国でも4000人の裁量労働契約の社員を「一時的に」解雇する。つまりビジネスが回復すれば一部は再雇用される計画という。

Ritesh Agarwal(リテシュ・アガルワル)氏 が創立し、ソフトバンクが巨額の投資をしているOyoはインド国外にも積極的に進出を続け、最近では世界最大のホテル宿泊仲介サービスとなることを目指していた。

急拡大の過程で同社は15億ドル以上を調達した。 昨年10月に26歳のアガルワル氏はさらに15億ドルの資金を求めており、うち7億ドルは個人として調達したことを発表した

しかし昨年、ソフトバンクが巨額を投じたもう1つのスタートアップ、WeWorkの経営悪化が劇的に明らかになった後、Oyoに対する視線も厳しくなっていた。

今年初めのNew York Timesの記事によれば、Oyoのパートナーとなったホテルの多くがOyoが契約条項を守らず、だまされたと感じており、深刻な財政状態に陥っているという。インドのビジネスメディア、The KenはOyoは非現実的な目標を示し、社員にかける圧力を増大させたことを詳しく報じた

Oyoは2019年3月31日を終期とする会計年度で、世界で9億5100万ドル(約102億3000万円)の収入があったものの3億3500万ドル(約360億3600万円)の損失があったことを明らかにしている。前年の損失は5000万ドル(約53億8000万円)だった。アガルワル氏は1月にブログに次のように書いている

「これらの意思決定の一部、ことに人員配置モデルの変更に関連する決定は困難なものだったが、Oyoのビジネスおよび2万5000人以上のOYO提携者の利益となる正しいものだったと信じる。我々は困難な時期を終わろうとしており、まもなくリストラは完了する。2020年以降は力強く安定した成長を続けることになるだろう」。

画像: Akio Kon/Bloomberg/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

フランスの相乗りサービス「BlaBlaCar」が2019年に71%の急成長

フランスのスタートアップであるBlaBlaCarが業績の一部を明らかにした。2019年の同社の売り上げは、対前年比で71%増加した。2018年と2019年の違いは、バスのライドシェアや一部地域でのバスのチケットサービスを手がけて経営を多角化したことだ。

BlaBlaCarのサービスで今でも最も知名度が高いのは、長距離ライドシェアリングのマーケットプレイスだ。ある都市から別の都市へ移動したいときに、シートが空いている車を見つけ、その車に乗せてもらえるように予約をすることができる。長距離を自分の車で移動しようとする人は、このプラットフォームに登録して乗りたい人を見つければ、ガソリン代や高速道路料金の負担を分けあえる。

2018年11月にBlaBlaCarはOuibusを買収して、バスと自家用車の両方のマーケットプレイスになった。Ouibusの名称は、現在はBlaBlaBusとなっている。BlaBlaCarは自宅と職場の間の通勤相乗りマーケットプレイスも運営しており、このサービスはBlaBlaLinesという名前だ。

BlaBlaBusはヨーロッパの400の都市をカバーし、BlaBlaLinesは150万人のユーザーが利用している。つまり、BlaBlaCarは巨大なコミュニティを築いている。同社のユーザーは8700万人に上り、そのうち1700万人は2019年に登録したユーザーだ。BlaBlaCarは昨年、サービス全体で7000万人を運んだ。

フランスでは、長距離の相乗りサービスの利用者が1日に13万5000人を記録した。鉄道会社のストライキが影響していると思われる。企業としては、最高執行責任者にBéatrice Dumurgier(ベアトリス・デュミュジエ)氏を迎えた。BlaBlaCarは数年前には困難に直面したが、現在はエンジニアリングチームを2020年に2倍にしてチームを再び拡大する計画だ。

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(翻訳:Kaori Koyama)

ラグビーワールドカップ2019でUberのサービスは日本でどう使われたか

Uber Japanは2月4日、2019年に日本で開催されたラグビーワールドカップ2019で、Uberのサービスがどのように使われたのかについて、報道関係者受けのメディアラウンドテーブルを開催した。登壇したのは、UberのAPAC(アジアパシフィック)でディレクターを務めるÉmilie Potvin(エミリー・ポトビン)氏。

UberのAPAC(アジアパシフィック)でディレクターを務めるÉmilie Potvin(エミリー・ポトビン)氏。昨年のTechCrunch Tokyo 2019にも登壇し、Uberの国内展開について語ってくれた人物だ

まずUberの現状について、国内では11都市でサービスを展開しているほか、地方自治体と協力して高齢者向けの移動サービスを実施していると説明した。またデリバリーシェアリングサービスのUber Eatsについては10都市で展開しており、約1万4000件のレストランを利用可能とのこと。アジアでの利用回数は10億回を超えているなど、同社では最速で展開しているビジネスだそうだ。

そして、ラグビーワールドカップ2019の期間中にUberアプリを起動してハイヤーを探そうとした人は、前年比で52%増となったとのこと。利用したのは100カ国、1000都市以上のユーザーだったという。また、実際にUberを利用してハイヤーを呼んだ人は前年比で68%増。ワールドカップ期間中の平均移動距離は11km、最長移動距離は羽田空港から苗場までの513.9km、料金31万円だったという。なお平均移動距離の11kmは、東京駅で乗車して国道20号と青梅街道を経由して中野駅で降車した場合の距離に近い。

11月1日開催されたニュージーランドとウェールズの3位決定戦では、会場となった東京・調布市にある味の素スタジアム近辺での利用率がアップした。15時から23時まではUberを開いた外国人の数は前年比で27%増となり、実際にスタジアム近辺でUberを使ってハイヤーを使ったユーザーは、乗車場所ランキングでは全体4位、降車場所ランキングでは全体の5位にランクインした。

11月2日に開催された南アフリカとイングランドの決勝戦では、やはり会場となった横浜市港北区にある日産スタジアム近辺での利用率がアップ。当日のUberの全体の利用率は国内で前年比8%増となったほか、日産スタジアム近辺でUberを利用してハイヤーに乗車したユーザーは全体の5位、降車したユーザーは全体の3位にランクインした。

また国内でも好調のUber Eatsについては、大会期間中にホテル客室からの依頼が増えたそうだ。通常時は10件のオーダーのうち2件ほどがホテル宿泊客からのオーダーだったが、期間中は5件と半数がホテル宿泊客の利用だったという。ホテル宿泊客の国籍や性別などは明らかにされなかったが、同社は海外からの観光客の利用が増えたと見ている。ちなみに、注文が多かったフードはフライドチキンとハンバーガー、そして麻辣タンメン。飲み物については、ビールのオーダーはワールドカップ開催前より25%増えたという。

同氏によると、2020年は東京五輪などで4000万人以上の観光客が来日すると見込まれており、日本にとってエキサイティングな年になることは間違いと語った。また。4年前のブラジル・リオデジャネイロのオリンピックでは、Uberアプリを利用したユーザーは70カ国におよび、ブラジルのドライバーの収入アップに寄与したことを例に挙げた。

そのほか、Uberアプリの比較的新しい機能としてSpotlightが紹介された。これは利用者別にユニークな色が割り当てるもので、ハイヤーやタクシーが乗車位置に近づくと、スマートフォンの画面がその色に塗りつぶされる機能。利用者はその画面をドライバーに見せることで、複数の利用者がいる乗車場所でも依頼したドライバーを見つけやすくなる。そのほか、複数人で利用する際に複数の降車場所の指定、割り勘、現在位置の共有、Uber Eatsのオーダーといった機能も搭載されている。

質疑応答でポトビン氏は、JUMPというサービス名で知られる電動アシスト自転車や電動キックボードの国内でのサービスの展開については、「JUMPについては地方自治体などと話し合いを進めている最中だが、今後強力に推し進めていきたい」と語った。また都内ではハイヤー中心でタクシー会社とテ形できていない点については「Uberとしてはさまざまなタクシー会社と連携したいと考えている」と述べるに留まった。とはいえ、都内ではJapaxTaxiを筆頭に、ソフトバンク系のDiDiやDeNA系のMOVなどのプラットフォーマーがタクシー会社を取り合いをしており、Uberが入り込む余地はあまりないと考えられる。

またアジア展開については、Grabに事業を丸ごと売却した東南アジアを除くと、日本と韓国、オーストラリア、台湾、香港、そしてインドでサービスを展開中とのこと。特に台湾の事業は順調に推移しているそうだ。ちなみに、ライバルのJapanTaxiは、韓国のカカオT、台湾のLINE TAXI、東南アジアのGrabと連携しており、各アプリからJapanTaxi加盟のタクシーを呼べる仕組みが出来上がっている。東京五輪でも訪日外国人向けに配車サービス会社同士の戦いは熾烈を極めそうだ。

今回発表された数字はほとんどがパーセンテージで実数は明らかにされなかったが、日本国内ではハイヤー・タクシー配車事業よりも、Eats事業が順調だという印象を受けた。国内導入に向けて交渉中の電動キックボード事業は、道路交通法などの参入障壁が高いもののの、免許やヘルメット着用、ナンバープレート装着などが不要な電動アシスト自転車のシェアリングであれば現実的かもしれない。

日本の民泊仲介サービスH2O Japanがサムスンなどから7億円超を調達

日本の旅行業は盛況だ。しかし宿泊先の不足という問題を抱えている。特に東京地域では、この夏のオリンピック開催を控えてホテル不足が深刻化している。

東京拠点のスタートアップであるH2O Japan が宿泊先仲介プラットフォームを立ち上げている。このサービスを利用して一般の不動産オーナーが部屋や家をバケーション向け滞在のために貸し出すことができる。米国時間2月3日、H2OはSamsung Ventures、Stonebridge Ventures、IMM Investment、Shinhan CapitalからシリーズBで700万ドル(約7億6000万円)のベンチャー資金を調達したことを発表した。これにより同社の資金調達総額は1800万ドル(約19億5500万円)となった。ちなみに同社は、エイチツーオー・ジャパンと読むが、同時にホスピタリティ2.0の意味にもかけてある。

H2Oは総合宿泊運営事業を手掛けており、各種の旅行サービスの宿泊先のチェックイン、チェックアウト、清掃、消耗品補給などの現場運営をオンラインプラットフォームで実実施している。同社が最近開始したのバケーション向けレンタル事業だ。これには人気の旅行スポットである大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンの近隣のホテルなどが含まれている。

同社グループは2015年に韓国でWahomeとして出発した。これは宿泊施設の清掃、運営などのサービスだったが、その後何社かのトラベル・ホスピタリティサービスの企業を買収し、事業を日本に拡張した。現在H2Oのプラットフォームは25社のオンライン旅行サービスに対し5000室の運営を行っている。

創業者でCEOのWoong Hee(John)Lee(ウン・ヒ・ジョン・リー)氏によれば「2018年の第3四半期の創立以降、 四半期ごとに収入は倍増する急成長を続けている」ということだ。.

同氏はコーネル大学でホテル運営を学び、Morgan Stanley(モルガンスタンレー)では金融サービスに携わった。TechCrunchの取材に対しeメールで答えたところでは、日本におけるホスピタリティ事業が有望であると考えたのは次の3つのトレンドからだという。

  1. 旅行業自体が好調
  2. インバウンド客の増大
  3. 宿泊先不足が深刻

H20は当初、バケーション宿泊施設の現場管理を提供していたが、2018年に仲介、予約、支払いを含めた全面的なホスピタリティサービスに参入した。

リー氏は「ホスピタリティ産業の中心をなす価値は最終的には対象不動産の価値を高めるところにあると考える。施設後のハウスキーピング、つまりあるホテルが独自に予約、フロント、客室管理などの業務を実行するのは不動産の運用という観点からみて非効率極まりない」と述べる。

H2Oの宿泊施設管理システムは宿泊客、部屋、管理業務という3つの重要な要素を同期させるところに秘密があるという。つまり部屋の予約から部屋の消耗品補充、清掃、料金収納、不動産オーナーへの支払いなど一連の業務がオンラインプラットフォーム上でシンクロして連続的に実行されることで高い効率性が得られる。空室リスト作成から宿泊のスケジューリング、清掃までまでH2Oの高度なソフトウェアが処理するという。

このプラットフォームはまた不動産オーナーが多数の施設を持っていても予約から入退室管理まで同時に管理でき、またチャットベースで宿泊客のサポートも行う。

2019年6月に日本では民泊新法制定され、一般の民間不動産を利用して短期滞在客を宿泊させるAirBnbのようなサービスが公式に認められた。リー氏はすでに宿泊関係のサービスに関わっている不動産投資家多数が(新法により)民泊分野に参入することになるという見通しを述べている。H2Oはホテル、旅館、簡易宿泊所、住宅宿泊事業(民泊)それぞれの認可を得ているが、事業の大部分は民泊に分類され、B2B事業として成長が期待されている。

2019年にH2Oが取り扱った宿泊の料金は1泊あたり平均160ドル(約1万7400円)程度で、稼働率は平均87%だった。H2Oのユーザーの7割は不動産管理業者、2割が日本国内の不動産所有者、1割が海外の不動産ファンドだった。H2Oを利用したゲストの4割が国内の旅行者、6割が海外からのインバウンド旅行者だった。インバウンドの内訳は、4割が中国、4割が韓国、1割が他の東南アジア、1割がその他の国、地域となっている。

Samsung Venturesの上級投資マネージャーであるEric Kim(エリック・キム)氏は投資を発表した声明で「ホスピタリティ・サービスという日本における急成長市場でH2Oを支援できるのは喜ばしい。H2Oは日本においてプロダクトマーケットフィットが達成できたことをすでに証明している。 H2Oが今後日本の大都市圏の外にも拡大し、成長を続けていくものと確信している」と述べた。

画像:Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

スキルシェアのビザスクが3月10日に東証マザーズ上場へ

ビザスクは2月3日、東京証券取引所より東京証券取引所マザーズ市場への新規上場を承認されたことを明らかにした。上場日は2020年3月10日を予定している。

同社は、知識や情報を必要としている企業と適切なアドバイザーとのマッチングサービスを提供する、2012年3月設立のスタートアップだ。共同創業者で代表取締役CEOの端羽英子氏は、大学卒業後にゴールドマンサックスで投資業務、日本ロレアルで予算立案・管理業務、ユニゾンキャピタルでPE(プライベート・エクイティ)投資などに携わっていた人物。

同サービスの登録者数は、2020年1月時点で10万人を超えており500以上の業界・職域を網羅しているという。マッチング実績は30カ国超に及ぶそうだ。具体的な提供サービスは、スポットコンサルの「ビザスク interview」、B to Bウェブアンケート調査の「ビザスク expert survey」、新規事業創出支援・組織開発支援の「ビザスク project」、保有製品・技術のニーズ探索の「ビザスク web展示会」、業務委託サービスの「ビザスク 業務委託」、セルフマッチング方式のスポットコンサルの「ビザスク lite」がある。

関連記事:「知見のデータベース」を目指すスポットコンサルティングサービスのビザスクが2億6000万円を調達

大阪・梅田エリアで月額6578円、1食あたり約330円のサブスクランチ「always LUNCH」始まる

さまざまなサブスクリプション型サービスを開発・運営しているイジゲンは2月3日、大阪・梅田エリアで月額定額制のランチサービス「always LUNCH」を開始することを明らかにした。

月額料金は6578円(税別5980円)で対象店舗で毎日1回ランチを食べられる。1食あたりのコストは平日20日間利用するとして329円程度。なお、3月1日からは新規店舗の参入に合わせて月額料金は8778円(税別7980円)に値上げとなるが、平日20日で割ると1食あたり約439円。昼食はほぼ外というビジネスパーソンにとってはリーズナブルかもしれない。

北区梅田地域での開始は、2019年11月7日から先行開始していた中央区本町、北浜に続き、大阪市内では2エリア目で、市内の対象店舗は62店舗に増える。今後も難波、心斎橋、天王寺、神戸・三宮、高槻をはじめとする関西の主要エリアでalways LUNCHの本格的な展開を進めていくという。

同社によると、2019年10月に福岡と京都にて先行公開し、開始から3カ月で累計送客数が10万人を突破したとのこと。また、1店舗あた りの​1カ月平均の送客数は500人​を超えたそうだ。対象店舗に実施したアンケートでは、導入前後の店舗売 上成長率は​平均40%、最大で180%増加しているという。

WeWorkの新CEO米国最大のモール運営不動産会社の元トップ

予定していた株式上場を撤回するなど波乱を経験中のWeWorkは、シェアリングエコノミーのスタートアップという企業イメージを捨て、むしろオフィス賃貸の世界的巨大企業という方向に転じたいなら不動産業出身のトップを選ぶべきだろう。

実はそれがまさに実現するという。 Wall Street Journal(ウォールストリート・ジャーナル)のスクープ記事によれば、WeWorkはSandeep Mathrani(サンディープ・マトラニ)氏を新しいCEOに指名した。

マトラニ氏はこの1年半、大手不動産会社のBrookfield Properties(ブルックフィールド・プロパティ)のCEOと同グループの副会長を務めてきた。それ以前にはシカゴの大手不動産会社であるGeneral Growth Properties(ジェネラル・グロース・プロパティ)でCEOを8年間務めている。同社はBrookfieldが2018年に92億5000万ドル(約1兆円)で買収するまで米国最大のショッピングモール運営会社だった。それ以前の8年間、上場不動産会社のVornado Realty Trust(ボルネード・リアリティ・トラスト)でエグゼクティブバイスプレジデントだった。同社の時価総額は125億ドル(約1兆3544億円)で、Brookfieldは80億ドル前後(約8668億円)だった。

同氏はマイアミ在住だが、WeWorkのCEO就任に伴ってニューヨークに移るという。公開されている登記書類によれば、同氏は昨年ニューヨークに高層アパートメントを、少なくとも1区画購入している。

マトラニ氏はソフトバンクグループの副社長であるMarcelo Claure(マルセロ・クラウレ)氏の指揮下に入る。クラウレ氏は昨年10月にWeWorkのエグゼクティブチェアマンに就任し、同氏自身「185億ドルのギャンブル」と呼ぶソフトバンクの投資の収拾に当たっている。

同氏氏は就任直後、不安が広がる社員の全員集会で「185億ドルという投資額は1100万人が住む私の母国(ボリビア)のGDPより大きい」と述べてWeWorkに対するソフトバンクのコミットメントを強調した。

クラウレ氏は以前、ソフトバンク傘下のSprintのCEOを務めており、このときT-MobileのCEOであるJohn Legere(ジョン・レジャー)氏をWeWorkのトップにスカウトしようとしたと伝えられる。 レジャー氏はその後メディアに「T-Mobileを離れる予定は一切ない」と述べたものの、数日もたたないうちに 2012年以来CEOを務めていたT-MobileのCEOを辞任した。ただしその後も同社の会長には留まっている(Vergeによるとこの契約は4月30日に満了となるという)。

SprintとT-Mobileは司法省から合併の承認を得ているが、ニューヨーク州、カリフォルニア州の司法長官を始めとする13州の司法長官が合併を阻止しようと裁判闘争を続けている。

いずれにせよ、マトラニ氏はWeWorkの共同創業者でCEOだったAdam Neumann(アダム・ニューマン)氏とは正反対の人物だ。 ニューマン氏のハイテクシェアリングオフィスのビジョンと会社運営は投資家から著しい不信の目を向けられて退陣を余儀なくされている。

ただしソフトバンク自身も、過去の投資ラウンドのたびにWeWorkに途方もない会社評価額を与えてきた。最後には470億ドル(約5兆930億円)に達し、これは一般投資家の眉をひそめさせるのに十分な額だった。にもかかわらず、WeWorkが株式上場の計画を発表するとただちにWeWorkの経営、会社統治の内容、そして何より会社の価値について確実な情報を求める声が市場から出た。

株式上場のためのS-1申請書を検討すると、それまで知られていなかった赤字の累積、ニューマン氏の会社運営の実態が明らかになった。これを機にリーダーシップの欠如を報じるウォールストリート・ジャーナルの記事をはじめ、内情を暴露する批判的報道が相次き、同社は上場計画の撤回に追い込まれた。

WeWorkのリストラ計画には2400人の人員削減も含まれていた。レイオフは米国の感謝祭の直前に実行され、またニューマン氏が買収したもののコア事業に無関係と判断されたいくつかの企業が売却された。マトラニ新CEOの最大の任務はこの上場計画を復活させることなのは間違いない。ウォールストリート・ジャーナルの記事によれば、ソフトバンクはWeWorkの5年計画の再建プランを策定しており、来年にはキャッシュフローを黒字化する予定だという。

WeWorkは、多少ペースは落ちるにしても、新しいオフィススペースの買収を取りやめるつもりはないと報じられている。

画像:Associated Press / GGP Inc.

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(翻訳:滑川海彦@Facebook