エー・スター・クォンタムが3億円調達、量子コンピューター活用TV広告枠マーケシステム実装に向け電通と提携

エー・スター・クォンタムが3億円調達、量子コンピューター活用のTV広告枠マーケティングに向け電通と提携

量子コンピューターのソフトウェア開発を手がけるエー・スター・クォンタムは11月2日、第三者割当増資として、シリーズA総額3億円の資金調達を実施したと発表した。

引受先は、Abies Ventures、電通グループ、NECキャピタルソリューションなど運営の価値共創ベンチャー2号有限責任事業組合、三菱UFJキャピタル7号投資事業有限責任組合、NBCエンジェルファンド2号投資事業有限責任組合、Plug and Play Japanおよび米Plug and Play Tech Center。

また、電通と量子コンピューターを活用したテレビ広告枠の組み合わせ最適化と運用の高速化により、新たなマーケティングソリューションの開発・実装を目指すため業務提携を締結したと明らかにした。

調達した資金は、業務提携を行った電通をはじめ共同研究を行うパートナー企業との連携、物流分野、広告分野、保険分野、金融分野、医療分野への挑戦、エンジニア・研究者の採用強化にあて、企業価値を向上させる。さらに、これらを発展させ量子コンピューターのソフトウェア開発領域においてグローバルなリーディングカンパニーに進化するため研鑽を重ねるとしている。

エー・スター・クォンタムは、「私たちは量子計算に基づき、従来の科学では解決困難な社会的課題を最適化することにより人類の進化に貢献する」というビジョンのもと、2018年7月に創業。特に、物流分野、広告分野の組み合わせ問題を解くための研究開発を行ってきた。

エー・スター・クォンタムは、量子コンピューターの基盤技術確立に貢献することと、ゲート方式とアニーリング方式のどちらにもかかわる技術を確立し、付加価値を生み出だすためにビジネス利用が可能なソフトウェア開発と早期事業化を目指す。

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Microsoft Excelでユーザーが独自のデータタイプを作成可能に

ここ数年間、Microsoft(マイクロソフト)は、クラウドから取り出す地理データやリアルタイムの株式データといった「データタイプ(データ型)」という概念をExcelに導入しようとしていた。Wolframとパートナーした現在のExcelには100を超えるデータタイプがあり、それらをスプレッドシートの中で使用することができる。また、このような定義済みのデータタイプだけでなく、ユーザーが自分独自のデータタイプを作って使うことも、そのうちできるようになる。

たとえば「カスタマー(顧客)」というデータタイプなら、サードパーティのサービスから充実したカスタマーデータをExcelに持ち込める。そのための導管は、Excelにそのデータを放り込めるようになったPower BIでもいいし、ExcelのPower Query機能でもよい。それによって多様なデータソースに接続できるようになる。データソースはSQL ServerやMySQL、PostreSQLのような一般的なデータベースでもいいし、あるいはTeradataやFacebookみたいなサードパーティのサービスでもいい。

画像クレジット:Microsoft

 

「柔軟性に富んだグリッド全体に数値やテキスト、数式などを配置できるため、すでに多く人がその機能を使って素晴らしいデータを作っている。データはフラットなものばかりではないし、データを2Dの構造に押し込めることには制限がある。しかしData Typesを使えば、Excelで3Dのデータでも扱えるようになる。どんなセルでも、たった1つのセルに構造化データのリッチな集まりを入れられる」とExcelのプロダクトマネージャーであるBrian Jones(ブライアン・ジョーンズ)氏は米国時間10月28非の発表声明で述べている。

これによりExcelの柔軟性は増すため、利用する企業は多いだろう。そのような企業はAirtableといったExcel的で新しいデータツールにすぐには移行できないが、データ分析のニーズは増える一方で、データの量自体もこれまでの単純なExcel技能では扱えないほど膨大になっている。しかもデータタイプという機能は、Google SheetsのようなExcelの競合製品がどこもまだ採用していない。

画像クレジット:Microsoft

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画像クレジット: Akio Kon/Bloomberg / Getty Images

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CorsairがiPhoneやiPadをウェブカメラに変えるアプリのEpocCamを買収

Corsair Gaming(コルセア・ゲーミング)は米国時間10月29日、社名を冠したiOSソフトウェアを開発したEpocCam(エポックカム)を買収したと発表した(GlobeNewswire記事)。なぜゲーム企業が2020年にそうした企業の買収に関心を示したのかについては想像に難くない。新型コロナウイルスのパンデミックにより世界中でリモートワークが増え、その結果、多くの人がこれまでになくビデオ会議をしている。

EpocCamのアプリはiPadやiPhoneを、macOSとWindows PCのためのウェブカメラに変えるものだ。このソフトウェアはZoom(ズーム)、Skype(スカイプ)、Google Meet(グーグルミート)、Microsoft Teams(マイクロソフト・チームズ)など数多くの人気ビデオ会議アプリで使える。

今回の買収で、EpocCamブランドはCorsairのElgato傘下に入る。Corsairは自社のゲーミングブランドを2018年半ばに買収した。これによりElgatoの残りはEve Systemにブランド名を変えた。Eve Systemはスマートホームとホームオートメーションにフォーカスしていた。

デスクトップパソコンにはビルトインされたウェブカメラを備えていないモデルもあるが、iPhoneは大きな進化を遂げてきた。ゆえに、iPhoneの映像パワーを利用するというのは理に適っている。もちろん、EpocCamがゲーミングブランドの所有となることで、ビデオゲームのライブストリーミングが今後存在感を増すようになるのは明らかだ。

EpocCamは既存プロダクトに統合されるなど、すでにElgatoブランドでリローンチされた。同社は更なる発表についても「すでに準備中」だとしている。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:CorsairEpocCam買収

画像クレジット:EpocCam

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(翻訳:Mizoguchi

個人農家向け栽培管理アプリ「アグリハブ」がJA全農「Z-GIS」向けサービス開始

個人農家向け栽培管理アプリ「アグリハブ」がJA全農「Z-GIS」向けサービス開始

個人農家向け農作業管理アプリ「アグリハブ」(Android版iOS版)の開発を行うAgrihub(アグリハブ)は10月30日、全国農業協同組合連合会(JA全農)提供の営農管理システム「Z-GIS」(ゼット・ジーアイエス)へ向けたサービスを開始した。

同サービスでは、同時リリースの「アグリハブWEB版」起動用URLと圃場情報を含むExcelファイルを、アグリハブから出力しZ-GISに取り込むことで、Z-GISからアグリハブWEB版を起動可能。

これにより、アグリハブに登録している農家の圃場情報がZ-GISの電子地図上で可視化可能となり、これまで分散管理されていた情報を、圃場情報をもとに一元化できる。

また農家は、Excelベースでデータの集約や分析に特化したZ-GISと、農業日誌や農薬使用データをアプリを使って記録できるアグリハブの両サービスを円滑に利用できるようになり、さらなる作業性や生産量の向上、ひいては売上の向上につなげられるとしている。

アグリハブは、農薬検索・農業日誌・売上管理を行う農作業管理アプリ。農業日誌や農薬の検索・散布といった農作業の管理から農作物の売上管理まで、アグリハブのアプリ上で行える。快適な操作性とわかりやすいUIが評価され、現在8000人を超えるユーザーに利用されているという。その中からアグリハブとZ-GISとの連携を望む声があり、さらなる利便性向上のため同サービスを実現した。

JA全農の営農管理システムZ-GISは、圃場情報をインターネットの電子地図と関連付けることで、効率的な営農管理を実現するシステム。圃場の位置情報とExcelデータをひも付けて、圃場毎の作付計画や作業内容など、管理したい項目をExcelで追加・記録できる。記録した情報は地図上にわかりやすく「見える化」して、データをクラウド上に保管することで、複数名で共有可能。

2020年1月設立のアグリハブは、全国の農家へアプリの普及を進め、日本の農業の基幹システムとなることで、農業DX(デジタルトランスフォーメーション)を牽引していくことを目指すスタートアップ。今後も継続してユーザーの利用シーンに合わせた機能追加を行い、農家の作業性向上に貢献していくとしている。

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Appleが簡単動画作成アプリClips 3.0発表、縦位置ビデオサポートでTikTok世代を狙う

Apple(アップル)は米国時間10月28日にビデオ製作アプリClipsの新バージョンを公開した。Clips 3.0では縦型ビデオがサポートされ、TikTokやストーリーなどのサードパーティのSNSアプリへの投稿が容易になった。また横型ビデオやiPhone 12のHDR動画対応など多数の機能が追加された。これ以外にも新しいスタンプやサウンド、ポスターなどが提供されている。

アップルが最初にClipsを発表したのは2017年で、Instagramにビデオを投稿するためのツールを狙ったものだった。そのためアプリは正方形のフォーマットのみサポートしたが、これはその後、時代遅れになっていた。ユーザーは現状、カジュアルなビデオはTikTokをはじめTriller、Dubsmash、Instagram Reelsといった短いビデオ専門のソーシャルネットワークに投稿している。

一方、Instagram、Facebook(フェイスブック)、Snapchat、Pinterest、そして近くTwitterにも登場するはずのストーリーズはもっと長いビデオを中心とし、ユーザーのSNSへの投稿で中心的な位置を占めるようになっている。

アップル自身も縦型ビデオのサポートがClipsに対する要望で最も多かったと認めている

Clips 3.0は正方形フォーマットに加え、16:9と4:3のアスペクト比をサポートする。アプリがiPadで開かれた場合は、デフォルトで横位置が選択される。これは教師が子どもたちを教える際に利用する教育目的の場合、特に便利なはずだ。

iPadのClipsはiPadがMagic Keyboard for iPadのようなケースに入っていても作動し、Bluetoothマウス、トラックパッドもサポートされる。テキスト欄にはApple Pencilで入力できる。

画像クレジット:Apple

新アプリはiPhone 12、iPhone 12 ProのリアカメラのHDRビデオをサポートする。

ClipsのUIもリニューアルされた。横位置、縦位置で録画する場合、新しい録画表示窓は画面の上でフロートする。これは「アプリの反応が遅い」と感じる一部ユーザーの不満に対処したものだろう。

またユーザーは、Clips Projectsなどで各種効果にアクセスするなどが以前より容易になっている。

新しいインターフェースにはTikTokの影響が感じられる。例えば効果を下から上にスワイプすると、カードが全面表示されビデオに追加できるスタンプや見出しテキストを選ぶことができる。この利用できる効果をすべて表示するポップアップ式カードのフォーマットはTikTokとよく似ている。ただしこちらはボタンをタップする方式でジェスチャーではない。

画像クレジット:Apple

今回のアップデートではコンテンツ系のオプションが増えた。例えばSNS向け系スタンプは8種類が追加された(Instagram Stories向けの「音声オン」など)、矢印や図形は6種類、著作権フリーのサントラも24種類追加され利用できるBGMは100種類になった。Clips内に新しいメディアブラウザが設けられ、自分の作った写真やビデオが選択できる。トーグルルでポスターが表示され、カスタマイズ可能なフルスクリーンのタイトルカードが70種類から選べる。

フィルターやセルフィーもアップデートされ、ユーザーが簡単に音声でキャプションをつけられるLive Titles機能も追加された。

プロジェクトの作成が完了した後、ビデオをソーシャルネットワークに投稿するのも簡単になった。共有画面にはiMessageや「デバイスに保存」に加えてInstagram、YouTube、TikTok、Twitter、Snapchatなどの投稿先が並ぶ。

Clipsは着実にユーザーを増やしてきたが、最後のアップデートは半年前で、他のアプリに比べてアップルの注目度が低い印象だった。同社によれば、ユーザーは毎日数百万の単位でClipsのプロジェクトを作っているという。利用が目立つのは米国、英国、中国だ。

またアップルによれば、2020年に入ってClipsの利用は30%も増えたという。これは学校教育がリモート化し、教師がデジタル教材を作成しなければならなくなったことと関係があるだろう。

画像クレジット:Apple

今回、縦位置ビデオをサポートしたことも一例だが、Clipsは非常に大きな潜在的市場を持っていた。

現在、多くのユーザーがストーリーズやTikTokを利用するサードパーティのアプリ(InShot、Prequel、Splice、PicCollage、Canva、VSCO、Funimate、KineMaster、Magisto、CapCutなど)に短いビデオクリップを投稿している。これまでClipsがこの市場利用できなかったのは縦位置ビデオをサポートしていなかったためだ。

新しいClips 3.0は、世界で本日から順次公開される。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:AppleClipsTikTok

画像クレジット:Apple

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Redditでも期限なしでリモートワークが可能に、オフィスはコワーキングスペース的に活用

いつ終わるかわからない新型コロナウイルスのパンデミックと、Twitterといった他社の動きに押されて、Redditは同社のスタッフに今後ずっとリモートで仕事ができるようにしたい、という計画を発表した。発表は米国時間10月27日に同社のブログ上で行われた。例外として設備や機器の担当者、そしてITのサポート担当者は出社する。

「今後のことを考えると、社員が良い仕事をできるためのニーズに応えたい。現在のような、不確定な時期にはなおさらだ。これからも世界中の人びとの役に立つものを作るというミッションを継続し、Redditはコミュニティとユーザーの多様性に合った仕事をしていきたい」とブログには書かれている。

同社によると、ときどきまたは毎日オフィスで仕事をしてもよいが、そのための使用スペースはよく検討すべきだという。この表現に対して、オフィスで仕事をしたい従業員はさまざまな意見がありそうだ。

ブログではまた「気軽なコーヒーショップような席や、頭を下げた姿勢で集中するためのプライベートなスペース、予約して使う大きな場所、どうしてもリアルで顔を合わせたいチームのためのコラボレーションスペースなど、さまざまなスペースに対するニーズがあるだろう。これからは、デスクの位置を固定しない。チームは集まりやすいように1カ所に集まってもいいし、デスクも予約制にして誰でも使えるようにしたい」と述べられている。

ブログを読む限りでは、Redditのオフィスは伝統的なものではなく、コワーキングスペースに近いもののようだ。これによって同社は、ニューヨークやサンフランシスコといった生活費が高い都市に住む社員と同程度の給与を、他の地域で暮らす一部の社員にも支払うことになりそうだ。

関連記事:Twtterが社員の在宅勤務を期限なしに認める措置を発表

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Redditリモートワーク

画像クレジット:REUTERS/Robert Galbraith

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Freshworksが顧客関係管理サービスを「再」スタート、機械学習による的確な予測も可能に

顧客と従業員の関係管理(CRM)を行う企業Freshworks(フレッシュワークス)は、コールセンターとカスタマーサポートのためのソフトウェアから人事ツール、マーケティング自動化サービスなど幅広い製品を提供しているが、米国時間10月26日、最新サービスとなる「Freshworks CRM」をスタートさせた。これは同社が新しく立ち上げたFreshworks Neo(フレッシュワークス・ネオ)プラットフォーム上に構築されるサービスで、企業のセールスおよびマーケティング部門に、顧客ビューの理解に必要なあらゆるツールを提供する。また機械学習も少しだけ投入し、的確な予測を行う。

Freshworks CRMは、基本的には同社のFreshsales(フレッシュセールス)サービスに、Freshmarketer(フレッシュマーケータ)マーケティング自動化ツールの機能を追加してリブランディングしたものだ。

「Freshworks CRMは、FreshsalesとFreshmarketerの能力を1つのソリューションに統合し、あらゆる状況に対応した前例のない360度顧客ビューのための内蔵顧客データプラットフォームを強化します」と、同社の広報担当者は私に話した。

同社が約束するのは、この改良型のCRMソリューションが、同社のNeoプラットフォームが提供する統一されたビュー(および集計データ)により、さらに充実した(潜在)顧客ビューを提供できるということだ。

CRMユーザーの大半は、自ら選んだCRMサービスにたちまち幻滅してしまうと同社は主張する。その原因は貧弱なデータだ。そこで差別化が図れるとFreshworksは考えている。

「Freshworks CRMは、CRMの本来の役割に基づき提供されます。つまりAI駆動データ、見識、情報を統合した1つのソリューションです。そうして、事業の目標の前面と中心に顧客を据えます」と同社の最高製品責任者であるPrakash Ramamurthy(プラカシュ・ラママーシー)氏はいう。「私たちは、データのパワーを操り、直接的な価値を生み出すためにFreshwork CRMを作り上げました。使いづらいインターフェイスと不完全なデータのためにセールス担当者の力になれなかった旧来のCRMソリューションに対抗するものです」。

その理念は、各担当部署に、1つのダッシュボードを通じてセールスとマーケティングのデータとAIの支援による見識を提供することで担当者の意志決定能力が高まり、やがてそれが顧客体験の改善、そして売上げ向上につながるというものだ。このサービスでは、さまざまなシグナルに基づきユーザーが必要に応じてカスタマイズできる予測リードスコアリングと絞り込みが提供される他、SlackとTeamsの統合、潜在顧客にリーチできる録音可能な内蔵電話機能など、数々の機能が備わっている。その多くは、すでにFreshsalesにも備えられていたものだ。

「オンライン学習における課題は達成度です。これを高めるには、学生がそのコースを受講する『なぜ』を理解し、そしてそのための『何を』そして『どのように』組み立てればよいかを知ることで、学生の個別の必要性を満たし、個々のゴールを達成できるようにしなければなりません」と、Shaw Academy(ショー・アカデミー)の最高分析責任者Mamnoon Hadi Khan(マムヌーン・ハディ・カーン)氏は話す。「Freshworks CRMによって、Shaw Academyでは全学生のカスタマージャーニーの追跡が可能となり、当校の学生支援の専門家を通じて彼らとよりよい関係を築き、彼らの学習体験をAIによってパーソナライズできるようになりました。つまり、個々の目標に添えるようになったのです」。

Freshworks CRMの利用料は1ユーザーあたり月29ドル(約3000円)。より高度な機能を備えた完璧な企業向けプランでは、1ユーザーあたり月125ドル(約1万3000円)となる。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:FreshsalesCRMマーケティング

画像クレジット:Freshworks

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(翻訳:金井哲夫)

iPad版Microsoft Officeがマウスとトラックパッドをサポート

予告どおり、Microsoft(マイクロソフト)がMicrosoft 360のiPadOSバージョンでトラックパッドとマウスをサポートしたことを発表した。WordとExcelとPowerPointもその対象に含まれており、タブレットとデスクトップの差を減らそうとするApple(アップル)の長年の努力に、また重要な一歩が加わることになった。これでiPadはさらに充実した生産性マシンになる。

アップルがそのための基盤を作ったのは、2020年3月のiPadOS 13.4のリリースのときだ。iPad Proの最新バージョンと合わせて、トラックパッドとマウスのサポート、そしてそれによる画面上のカーソルのサポートが発表された。TechCrunchではのRomain その詳細をまとめている。新しいタブレットとオペレーティングシステムのアップグレードとともに、トラックパッドを採用した高価なキーボードが紹介された。

画像クレジット:Microsoft

本日発表されたアップグレードはそれの実装であり、最新のiPadやiPad Pro、iPad Airでマイクロソフト製の生産性ツールを使うとき、デスクトップ版に近い使い方ができる。Officeの標準機能であるテキストの高輝度表示やExcelにおける一定範囲のセルのセレクト、グラフィクのサイズ変更などができる。以前からあったものばかりだが、これまでノートやデスクトップパソコンの上でそれらを使い慣れていた人には、ありがたいだろう。

アップデートでは他にも、より明快なインターフェイスや新しいメニュー編成などいくつかの追加がある。マイクロソフトによると、これらのエンドユーザーへの展開は「2週間後」になるとのことだ。

関連記事:アップルが新しいiPad Proを発表、iPadOSでマウスカーソルが利用可能に

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:MicrosoftAppleiPad

画像クレジット: Microsoft

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ソフトウェア最大手のSAPが新型コロナ後の売上・利益予測下方修正で株価急落

米国時間10月25日にSAP2020年第3四半期決算を同社のさまざまな集計結果とともに発表した。当期の売上予測を達成できなかった同社は、2021年の見通しも下方修正した。重なる悪い知らせは投資家の動揺を呼び、株価は時間外取引で20%以上暴落し、市場開始後も改善の様相を見せていない。

その結果、ドイツのソフトウェア巨人は時価総額数百億ドル(数兆円)を失った。

報告全体が悲観的で、売上は4%減の65億4000万ユーロ(約8100億円)、クラウド・ソフトウェア売上が2%減、営業利益は12%減だった。唯一の明るい材料は、同社の純クラウド部門で、11%増の19億8000万ユーロ(約2450億円)を売り上げた。

SAPの売上は、予測を約3億1000万ユーロ(約380億円)下回ったが、1株あたり利益は調整前、調整後いずれも予測を上回った。

SAPの大幅な売上減だけでも投資家を売りに走らせるのに十分だったろうが、 予測の修正(SAPリリース)が懸念に輪をかけた。パンデミック中での顧客のクラウドへの移行は加速していると同社はいうが、パンデミックが売上と大型プロジェクトを減速させていることも明かした。

Constellation ResearchのアナリストであるHolger Mueller(ホルガー・ミューラー)氏は、これが予想外の売上減少につながったという。

「SAPで何が起きたのかといえば、クラウド売上の遅れであり、顧客がSAPはクラウド製品のみに投資しているので、将来クラウドへ移行しなくてはならないと知っているからだ。問題は、SAPユーザーがパンデミック中にクラウドへ移行していないこと」とミューラー氏はTechCrunchに語った。

時代の波に合わせ、SAPは決算報告の中で2025年の見通しについて話したが、パンデミックがSAPの現在と未来のビジネスに劇的な打撃を与えていることに対する投資家の懸念を拭うことはできなかった。

SAPは2020年の予測を以下のように修正した。

  • 非IFRS(国際財務報告基準)クラウド売上(恒常為替レート)80~82億ユーロ(約9910億〜1兆160億円)、従来は83~87億ユーロ(約1兆280億〜1兆780億円)
  • 非IFRSクラウドおよびソフトウェア売上(恒常為替レート)231~236億ユーロ(約2兆8620億〜2兆9240億円)、従来は234~240億ユーロ(約2兆8990億〜2兆9730億円)
  • 非IFRS総売上(恒常為替レート)272~278億ユーロ(約3兆3690億〜3兆4440億円)、従来は278~285億ユーロ(約3兆4440億〜3兆5230億円)
  • 非IFRS営業利益(恒常為替レート)81~85億ユーロ(約1兆30億〜1兆530億円)、従来は81~87億ユーロ(約1兆30億〜1兆770億円)

つまり、3億〜5億ユーロ(約370億〜620億円)のクラウド売上が消滅し、クラウドおよびソフトウェア売上3~4億ユーロ(約370億〜500億円)、総売上60~70億ユーロ(約7430億〜8670億円)もなくなった。その結果利益予測は最大2億ユーロ(約250億円)削られた。

それでも会社は将来予測について強気の姿勢を見せ、新型コロナの影響は解消しつつあり、既存顧客はいずれクラウドに移行し、それが長期的に大きな新規売上になると信じている。その代償は今後1~2年の短期的な痛みだ。

「今後2年間、当社の成長は停滞し営業利益は横ばいかやや減少すると予想しています。しかし、2022年以降には大きく取り戻します。加速するクラウド移行による当初の向かい風が、売上と利益の追い風に変わり始めるからです。【略】それは売上成長の加速と営業利益の2桁成長が2023年から始まることを意味しています」とSAP CFOのLuka Mucic(ルカ・ムシック)氏が10月26日のアナリストとの会見で語った。

次の問題は、果たして会社はこうした目標を達成できるかのどうか、そしてパンデミック中の長期的アプローチが投資家を鎮められるかだ。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:SAP決算発表

画像クレジット:picture alliance / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

お気に入りのボードから写真をiOS 14 のホーム画面へと表示可能にするPinterestの新ウィジェット

iPhoneのオーナーたちが新しいウィジェットとカスタムアイコンでiOS 14のホーム画面をカスタマイズし始めたために、iOS版Pinterest(ピンタレスト)のダウンロードと検索が急増した。米国時間10月26日Pinterestは、独自のiOS 14ウィジェットを発表し、ホーム画面のカスタマイズトレンドへの直接参加を果たした。

2020年9月にPinterestは、1日で60万回以上のダウンロード数を記録し、1日当たりのダウンロード記録を破った。新しい記録が達成された日がいつだったのかに関する、第三者の推定は一致していないものの、複数の企業がPinterestのモバイルアプリをダウンロードした新規ユーザー数が膨大だったことを報告している。この需要は#ios14homescreenリデザイントレンドに直接結びついている。このトレンドでは、iOS 14の新しいウィジェットを使って、ホーム画面に新しい「美的デザイン」を与えるために、アプリショートカット用の壁紙やカスタムアイコンをユーザーがどのように使っているかが、ソーシャルメディアを横断して共有されている。

Pinterestによれば、このトレンドの中で「インディーズ、ios、14 ホームスクリーン」のようなアイデアの検索がiOS 14のローンチの翌週には15倍に急増し、「iPhone、エステティック」の検索は19倍に増加した。

また、このトレンドはWidgetsmith(ウィジェットスミス)、Color Widgets(カラー・ウィジェット)、Photo Widget(フォトウィジェット)などのカスタムウィジェットメーカーをApp Store(アップストア)のトップに押し上げた。それらのツールが写真やカラフルなウィジェットをホームスクリーンに追加させてくれるからだ。

それらのツールと同様に、新しく提供が始まったPinterestのウィジェットは、静的な写真ウィジェットの良い代替手段だ。

他の写真ウィジェットの場合はiOS 14のホーム画面の写真のソースとして指定するためにカメラロールに保存された写真またはアルバムを選択する必要があるのに対して、新しいPinterestウィジェットではPinterestボードを写真ソースとして選択することができる。選択できるボードは、ユーザー自身のものか、もしくはユーザーがフォローしているものになる。

例えばお気に入りのモチベーションを上げる文章や、旅行のインスピレーションやスタイルのアイデアのための写真を提供するボードを追加できる。またハロウィン、秋、クリスマス、冬などの季節のボードを作成することで、ホーム画面の「美的デザイン」を、季節ごとに違うものへと簡単に切り替えることができる。

Pinterestによれば、新しいウィジェットは、ユーザーの好みに応じて1時間ごと、あるいは1日ごとに、フィーチャーされる写真をアップデートする。同社によれば、ウィジェットの写真は、スモールまたはラージとして設定することもできるが、ミドルサイズはピンの長さに適していないため、オプションはないという。

ウィジェットはインタラクティブでもある。このPinterestウィジェットをタップすると、アプリ内のそのピンが直接起動される。

ユーザー自身のホーム画面の美的デザインにふさわしい、新しい写真を見つけたなら、ホーム画面に最新の写真が表示されるように、それをボードに追加することができる。

ウィジェットを搭載するようにアップデートされたアプリは、すぐに世界中のiOSユーザーに配信され始めるとPinterestは述べている。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:PinterestウィジェットiOS 14

画像クレジット:Pinterest

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(翻訳:sako)

Beamはメモを取らないあなたのウェブ検索や閲覧からナレッジを集めるブラウザーを開発している

Netscape NavigatorやInternet Explorerを覚えているだろうか?1990年代に登場したこれらのアプリの名前は、ウェブを「ブラウズする」という単純な作業を強調して例えたものだった。いまでは、Google Chromeがウェブの探検者(explorer)だとは誰もいわない。

ウェブのブラウズは簡単な作業で、頭を使っていないことも多い。スマートフォンかコンピュータに向かい、新しいタブを開いてアドレスバーに何文字か入力するだけだ。

BeamはDom Leca(ドム・レカ)氏とSébastien Métrot(セバスチャン・メトロ)氏が創業した新しいスタートアップで、ウェブブラウザーでもありメモでもあるまったく新しいアプリを開発している。レカ氏は以前にmacOSとiOS向けのメールアプリであるSparrowを作り、2012年にGoogle(グーグル)に買収された。メトロ氏は数年間Apple(アップル)で働いていた。

レカ氏は筆者に「InstagramやFacebook(フェイスブック)に夢中になりすぎて時間を無駄にしてしまうことを誰もが不満に思っています」と話した。それでも、ウェブブラウザーには無限の知識と無限の可能性が示される。

ニッチなトピックに熱心な人なら、何かを読みビデオを視聴しフォーラムで情報交換をするなどして、たくさんのことを学べる。しかしブラウザーのウインドウを閉じると、すべて消えてしまう。

履歴の機能は確かにある。しかしそれはつながりのない長いリストだ。ページをブックマークしたり別のアプリでメモを取ったりすることも確かにできる。しかしそれは面倒だ。

そしてもっと困るのは、何が重要で何が重要でないかがわからない場合があることだ。夢中になれることは、何気ない検索から始まる。

Beamの謎めいたロゴ(画像クレジット:Beam)

Beamは利用者のウェブの履歴に意味を持たせようとしている。何かを検索するたびに、新しいメモのカードが作られる。ユーザーがリンクをクリックし、新しいページを開き、その内容を時間をかけて見ると、Beamは控えめにそれを追跡する。

ユーザーがタブを閉じると新しいカードが作られている。検索語句がカードのタイトルになり、ノートにリンクがすべて記録されている。カードにテキストを追加したり、関係のないリンクを削除したりすることもできる。

タブを閉じたときに自動でメモが作成されて小さな通知が表示されるので、ウェブのアクティビティを振り返ることができる。こうして自分自身や自分の習慣が詳しくわかる。もちろん、膨大な時間を無駄にしていると自覚することになるかもしれない。しかし、料理やロシアのクラシック音楽について自分が思っていた以上に関心を持っていたのだと気づくこともあるだろう。

レカ氏は「ある意味、私はメモを取らない人々のためにこれを設計しています」という。

とはいえ、メモ用アプリを使っている人にとっても複数のアプリの切り替えは作業の中断になる。レカ氏はメモツールのRoam Researchに投資し、このツールをとても気に入っている。しかしウェブをブラウズしていると健忘症になってしまうかのような問題がこのツールで解決するとは思っていない。

Beamは、当初の単純なコンセプトからさらに拡張する方法をすでに考えている。メモから直接、コンテンツを扱えるようになるかもしれない。YouTubeのリンクをクリックしてカード内でビデオを見たり、ポッドキャストのリンクをクリックして自動の字幕を表示したりといったことだ。

最終的にはBeamでカードを他のユーザーと共有できるようになるかもしれない。自分と同じことに関心を持っているユーザーのプロフィールをブラウズできるようになるかもしれない。

現在、BeamはブラウザーのエンジンとしてWebKitを利用してMac版のアプリを開発している。公開は数カ月後になる見込みだが、今後注目すべき企業になるだろう。

BeamはSpark Capital、Alven、C4Ventures、Amaranthine、Andrew Wilkinson(アンドリュー・ウィルキンソン)氏のTiny Capital、Tiny vc、Secret Fund、Antoine Martin(アントワーヌ・マーティン)氏、Simon Dawlat(サイモン・ドーラット)氏、Nicolas Cohen(ニコラス・コーエン)氏、Spetsesから300万ドル(約3億1000万円)を調達した。Tweetie for Mac開発者であるLoren Brichter(ローレン・ブリヒター)氏とiA Writer開発者であるOliver Reichenstein(オリバー・ライヒェンシュタイン)氏がBeamの相談役になっている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Beamウェブブラウザー資金調達

画像クレジット:Luca Bravo / Unsplash

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(翻訳:Kaori Koyama)

Googleが在宅勤務が進む企業向けに役立つChrome OSの機能を多数発表

2020年、企業の在宅勤務への移行が進むと、インターネットでの作業が当たり前になった。そこで、Chrome OSがクラウドベースのアプリケーション用に構築されたオペレーティングシステムであることがはっきりした。ただほとんどの場合、企業における利用方法は若干複雑なものだ。Google(グーグル)は10月20日、IT部門がChrome OSで動くマシンを簡単に配布できるようにするいくつかの新機能を導入した。

クラウドへの移行はここ数年続いていたが、間違いなくパンデミックは企業に従前より速い動きを促すことになった、とChrome OSのエンジニアリングおよびUXのプロジェクトマネージャーであるJohn Maletis(ジョン・マレティス)氏はいう。「新型コロナウイルスの環境下であらゆる企業が求めているのは、労働力が分散している、つまりオフィスに何人かの従業員はいるが、ほとんどは家から働いているという状況で生産的でもあるという状態です。その動きが急速に加速しています」とマレティス氏はTechCrunchに語った。

そのために、グーグルのグループプロダクトマネージャーであるCyrus Mistry(サイラス・ミストリー)氏は、IT部門がChrome OSを簡単に実装できるようにしたいと考えており、それに役立つ機能を多数追加したと述べた。まずグーグルは無料の準備ツールを作成した。これによりIT部門は、Chrome OSで実行可能なアプリケーションと、そうでないアプリケーションを簡単に見分けることができる。ツールからは3色のレポートが発行される。緑は実行可能、黄色は可能性が高く、赤は実行可能でないことがはっきりしている。

黄色や赤のカテゴリーのために、同社はChrome OSでParallels(パラレルズ)が利用可能になると発表した。Chrome OSで実行できないWindowsアプリケーションを使用している企業が仮想マシンのWindows上でネイティブに実行できるようになる。ミストリー氏は、この方法でWindowsを実行したい企業はこのアプローチを可能にするリソースを備えたハイエンドのChromebookが必要となると認めた。だが重要なWindowsアプリケーションを使用している企業にとって、これはChromebookの使用をより多くのユーザーに拡げるための良い方法だ。

「ゼロタッチと呼ばれる方法を実行できます。これは、デバイスがメーカーによってすでに登録されていることを意味します。メーカーがドメインを認識し、直送できるようになります」とミストリー氏は説明した。つまり、これらのマシンには、IT部門がユーザー用にマシンをセットアップしたかのように、適切な設定、ポリシー、アプリケーション、証明書などが装備される。

IT面の生活を快適にするもう1つの方法として、グーグルはChrome OSでの動作が認定されている、Salesforce(セールスフォース)、Zoom(ズーム)、Palo Alto Networks(パロアルトネットワークス)などの認定アプリケーションの新しいセットを提供する。最後に、同社は複数の仮想作業領域の間でのドラッグアンドドロップ機能とともに、Chromeブラウザでタブをグループ化して検索する機能を発表した。今後2カ月程度で準備が整うはずだ。

マレティス氏が指摘するように、同社が約10年前にChrome OSをリリースしたときには市場に先んじていたかもしれない。今年はっきりしたのは、企業は事業を継続するためにクラウドを必要としており、Chrome OSはクラウドのためにゼロから開発されたオペレーティングシステムだということだ。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:GoogleChrome OS

画像クレジット:Boston Globe / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

ノーコードでビジネスインテリジェンスダッシュボードを作れるIndexが2.7億円を調達

Index(インデックス)の創業者であるXavier Pladevall(ザビエル・プラデバル)氏とEduardo Portet(エドゥワルド・ポルテ)氏は、ドミニカ共和国出身の幼馴染同士だ。米国の大学に入学した2人は、2019年に技術者ではないユーザーが、コーディングなしでビジネスインテリジェンス(BI)ダッシュボードを構築できるようにするためのスタートアップを立ち上げることを決めた。

米国時間10月20日、彼らはその開発の夢を続けるために、David Sacks、Slack、Gradient Ventures、 Y Combinator およびその他の個人投資家から260万ドル(約2億7000万円)のシード投資を受けた。

この投資を惹きつけたのは、エンジニアやデータアナリストなどの専門家の助けを借りずに、データダッシュボードを簡単に構築できるようにすることに情熱を注ぐ、2人の若い創業者の力に他ならない。

「基本的に私たちが行っているのは、企業がなるべく少ないコードや技術的な知識だけで、ビジネス指標のダッシュボードを構築できるようにすることです。その副産物は、社内の誰もが自分のチームのために独自のメトリックを構築できるようになることです」とTechCrunchに語るのは共同創業者のザビエル・プラデバル氏だ。

エンドユーザーは増え続けるデータソースのリストにアクセスすることが可能で、Indexはデータサイエンティストやデータアナリストの助けを借りずに、問い合わせの作成とユーザー向けのデータの表示を扱う。いまのところこれには、SalesforceやHubspot for CRMのデータ、Stripeの支払いデータ、そしてPostgresやMongoDBといった特定のデータベースが含まれている。

Indexの共同創業者のザビエル・プラデバル氏(左)とエドゥワルド・ポルテ氏(右) 。(画像クレジット:Index)

創業者たちは製品の開発にあたって、身軽であることを選んだ。2人の創業者とおそらく2人程度の追加エンジニアだけで進めるつもりだ。「実際に2名のフルタイムエンジニアの雇用を検討しています。そのことが私たちをシリーズAへと向かわせることになるでしょう。私たちはそれを投資家のみなさんに明言しています」とプラデバル氏はいう。

ラテン系移民の創業者として、彼らは多様で包括的な会社を作りたいと考えている。彼は、創業者の2人が有色人種を見つけることはそれほど難しくはないだろうと語った。なぜなら彼らはうまく関わることのできる多彩な人びとのネットワークの中で、友情を育んできたからだ。

「私たちがやるべきことは、今行っていることを継続することです。つまり、さまざまな人たちと友人になることです。なぜならそれが誠実なやり方だからです。一般的に単に多様性指向型の会社だというよりも、他の人たちに本当に多様性を実現しようとしていることをわかってもらいやすいからです」とプラデバル氏はいう。

2人の創業者とその家族は、彼らが子供の頃から友人だった。ドミニカ共和国で育った彼らは、コンピュータサイエンスの授業を受けることはできなかったが、インターネットにアクセスすることはできた。そしてこの記事のような米国の技術出版物を読んでスタートアップに夢中になり、YouTubeの動画やStackOverflow(スタックオーバーフロー)からコーディングを学んだ。彼らは2人とも米国の大学に入学し、大企業でインターンを行った。インターン先は、プラデバル氏はFacebook(フェイスブック)、ポルテ氏はニューヨークのMetadata(メタデータ)だった。

彼らのスタートアップのアイデアのきっかけとなったのは、プラデバル氏がフェイスブック社内用の似たようなツールを作っていたチームの一員となったことだった。彼はフェイスブックのようなリソースを持たない企業にとっても、それが商業的に実現可能アイデアだと考えたのだ。彼は幼馴染を誘い、パンデミックが迫る2020年1月に会社の設立を始めた。

彼は今年は苦労してきたことを認めているが、他に何もすることがなかったので、彼らが仕事に集中すること点では最適だったという。銀行に260万ドル(約2億7000万円)を持っていることに驚きを見せつつも、移民創業者の精神の一部だと彼が信じている「渇望」を、2人はまだ持っているのだと彼はいう。

「それは、自分自身を証明したいという渇望なのです。そのためにもしコーディングが必要なら、コーディングの方法を学びます。そしてそれが、数百万ドル(数億円)を調達してYCを卒業することよりもはるかに難しい(それはもちろん個人的な意見だけれど)ビザの申請手続きだとしても(きっとそれをやり遂げるでしょう)」と彼は語った。彼は、つまり必要なことは何でもやるということなんだという。

2人の友人同士が会社としての最初の一歩を踏み出したときには、彼らにはすでに初期の顧客が何人かいて、彼らは引き続き製品を改良し続けている。今回の資金調達とともに、彼らは2021年に向けた高い目標を掲げている。それには製品を成長させること、ARR(年間経常収益)で100万ドル(約1億円)に達すること、ダッシュボード用の配布パッケージを開発することなどが含まれる。

もしそれらの目標を達成することができれば、シリーズAを行うことができるはずだとプラデバル氏はいうが、私もそう思う。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Index資金調達

画像クレジット:Intpro / Getty Images

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(翻訳:sako)

Adobeが偽情報を防ぐコンテンツ帰属ツールをPhotoshopベータに搭載

オンライン画像をその出典にリンクさせることができるAdobe(アドビ)の「Chain of Custody(CoC)」に関する取り組みが、徐々に実現に近づきつつある。Content Authenticity Initiative(CAI、コンテンツ認証イニシアチブ)の一部であるそのプロトタイプが、いまや至るところで使われている同社の画像編集ソフト、Photoshopのベータ版にまもなく登場する予定だ。

アドビによると、新たなツールのプレビューはPhotoshopとBehanceのベータリリース(Adobeブログ記事)で数週間後にユーザーが利用できる。同社によるとCAIの実装はオープンスタンダードの「初期的バージョン」であり、今後も引き続いて細部が磨かれていく。

このプロジェクトには、複数のアプリケーションがある。その狙いはクリエイターが作るコンテンツにその名前を付けておくための、より堅牢な方法を作ることだ。しかしCAIの最も強力なユースケースは、そのツールが改ざんを防ぐための業界のスタンダードとして使われ、偽情報の拡散に利用されている画像を見つけていくことだろう。

アドビはこのプロジェクトのミッションを、「クリエイティブと消費者の両方の立場を法的に強力にする、全業界的な作品の帰属の枠組みにより、オンラインの信頼と透明性を増すこと」としている。それの結果は、ディープフェイクなどのいかがわしいオンラインコンテンツの拡散を(究極的には)制限できる技術的なソリューションだ。

アドビのCAIのディレクターであるAndy Parsons(アンディ・パーソンズ)氏は、2020年の初めに「ソーシャルサイトのフィードやニュースのサイトを見るとき、本物でないと思われるものをフィルターして排除できるようになる。しかしCAI自身が何らかの判定をすることはない。私たちがやろうとするのは、透明性と検証可能データの層を提供することだけだ」と語っていた。

この考え方は、EXIFデータの改良版でもあるようだ。EXIFは画像にレンズのタイプや撮影した場所などのデータを付けるオプトイン(付けないことも可能)の埋め込みメタデータだ。しかしアドビによると、この新たな帰属のスタンダードはより堅牢であり、データの改ざんは困難である。そのためいずれはデジタルのフィンガープリントシステムでよく見受けるようになり、オンラインの児童搾取などがEXIFよりも見つけやすくなるだろう。

「コンテンツの帰属データ良い善循環を生み出す。多くのクリエイターが正しい帰属データを付けたコンテンツを配布するようになれば、多くの消費者がその情報を期待し利用して真偽の判断ができるようになり、悪者や欺瞞的コンテンツに騙されないようになるだろう」とアドビのデジタルメディア担当シニアディレクターであるWilliam Allen(ウィリアム・アレン)氏はいう。

関連記事:Facebookの判別コンペはディープフェイク抑止に有望な第一歩

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Adobe

画像クレジット:David Paul Morris/Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Adobe Photoshopが新しいAI機能を発表、好きな時間の空に変更するスカイリプレースメントなど搭載

Adobe(アドビ)は、Sensei AIプラットフォームに大きく賭けている。そのため、同社が主力製品のPhotoshopに、AIを活用した機能を組み込み続けているのは当然だ。アドビは米国時間10月20日、主催するMAXカンファレンスで、Photoshop用のいくつかの新しいAI機能を発表した。最もわかりやすい例は、スカイリプレースメント(空の置換)だ。既存の機能を改善したりや写真編集ワークフローの簡素化を行う他のツールに加えて、その他の新しいAI利用機能として、次世代のPhotoshopフィルターの基本となる、新しいいわゆる「Neural Filter(ニューラルフィルター)」や、画像の選択部分に適用できる新規または改善されたツールが登場した。

スカイリプレースメントを提供するツールはPhotoshopが初ではない。例えばLuminar(ルミナー)はすでに1年以上前からその機能を提供しているが、アドビはこの機能を正しく動作させるために時間をかけたようだ。アイデア自体は非常に単純だ。Photoshopが画像内の空を自動的に認識して、それを自分が選択した空に置き換えることができるようになったのだ。空の色はシーン全体にも影響を与えるため、もちろん奇妙な画像になることがある、そこでアドビのAIが、それに応じて画像の残りの部分の色も調整するのだ。

画像クレジット:Adobe

これらすべてがどれだけうまく機能するかは、おそらく画像そのものにも少々依存する。私たちは自分たちで試してみることができなかったが、アドビのデモはもちろん完璧に機能していた。

Photoshopには25種類の空の画像が用意されているが、自分で用意した空を使うこともできる。

ニューラルフィルターは、このリリースのもう1つのハイライトだ。例えばポートレートを改善したり、画像の背景色をすばやく置き換えたりするための、新しい芸術的で修復的なフィルターを提供する。このポートレート機能はすぐに使われることになるだろう。人々が見ている方向を変えたり、光源の角度を変更したり、「髪の毛の太さや微笑みの強さを変更したり、驚きや怒りを追加したり、または見かけの年齢を上下させたり」することができる。これらのいくつかは他のものよりも少々ギミックっぽいが、アドビは微妙な変更を加えるのに最適だと述べている。まあいずれにせよ、こうした変更を行うには通常多くの手作業が必要だが、これからはクリックを1、2回すればよくなったのだ。

画像クレジット:Adobe

他の楽しい新しいフィルターの中には、スタイル転送ツールや、白黒画像の色付けに役立つフィルターがある。より便利な新しいフィルターとしては、JPEGの圧縮アーティファクトを削除する機能が含まれている。

アドビ自身も触れているように、同社はこれらのニューラルフィルターに関してNVIDIAと協力した。ニューラルフィルターはPhotoshop 22.0を実行しているすべてのデバイスで動作するが、グラフィックアクセラレーションが組み込まれたマシンで使用することによって、真のパフォーマンス向上のメリットを得ることができる。もっともこれらの多くが、どれほど計算集約的であるかを考えると、驚きはない。

改善されたオブジェクト選択機能は、スカイリプレースメントや新しいフィルターほど派手ではないかもしれないが、アドビがいうところの「インテリジェントなエッジのリファイン」機能が、まさに写真編集者の正気を保ってくれるだろう。Photoshopの現在のツールを使用して、特に複雑な背景に対して、複雑なヘアスタイルの人や動物を選択しようとしたことがある人は、どれだけの手作業が必要かを知っているだろう。これがいまや新しい「Refine Hair(リファインヘア)」と「Object Aware Refine Mode(オブジェクトアウェアリファインモード)」により、そうした手作業の多くは不要になるはずだ。

その他のPhotoshopの新機能には、パターンを作成するための新しいツール、検索機能が改善された新しいDiscover(ディスカバー)パネル、ヘルプとコンテキストアクション、より高速なプラグインなどがある。

また、すべてのCreative Cloudアプリ用のプラグインマーケットプレイスが新しくなり、開発者がプラグインを簡単に販売できるようになる。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AdobeAdobe Photoshop

画像クレジット:Adobe

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(翻訳:sako)

Adobe MaxカンファレンスにLightroom 10登場、カラーグレーディングホィールなど新ツール多数

Adobeは10月20日に開催されたMAXカンファレンスでフォトグラファー必携の写真編集ツール、Lightroomをリニューアルした。新機能のハイライトはカラーグレーディングツールだ。これはAdobe PremiereやBlack MagicのDaVinci Resolveなどのビデオ編集ツールにある色彩調整ツールに近い。また著作権管理のための画像透かしなどの機能も追加された。クラウド版の Lightroomには複数の編集結果の自動保存機能が登場した(デスクトップ版のClassicではサポートされない)。

Adobeではこのカラーグレーディング機能を先月からテストしていた。フォトグラファーの多数が使っている人気アプリに重要な変更を加えるアップグレードだけに慎重を期したのだろう。なんといっても色調調整は写真編集のメインとなる機能の一つだ。

 

新機能は簡単に言えば従来の明暗別色補正(split toning)を強化し3種類のカラーホイールに置き換えるものだ。

AdobeのMax Wendt(マックス・ウェント)氏は今日のバーチャルイベントで「カラーグレーディングは従来の明暗別色補正の大幅な強化です。今までできたことはもちろん全てできます。既存の明暗別色補正のプリセットもすべて保存されるのでユーザーは使い慣れた明暗別色補正からスタートすることができます」と説明した。

従来の明暗別色補正はハイライトとシャドウに色調を導入するツールだ。私の印象ではこれまで明暗別色補正を利用してきたLightroom のユーザーは新しい強力なカラーホイールの使い方を理解するまでに多少の慣れが必要だろうと思う。もっとも新しいカラーホイールの方がはるかに直感的に操作可能だ。現在の明暗別色補正は複雑すぎて無視するユーザーも多かった。

カラーホィールはクラウド版の Lightroomだけでなくデスクトップ版のLightroom Classicと単独のRAW現像アプリ、Camera Rawでも利用できる。

Lightroom 10でAdobe が紹介した新機能には画像による透かしの挿入(Windows、Mac、iOS、iPadOS、Android Chrome OSをサポート)がある。これは従来の文字による透かしを強化するものだ。この機能を設定している場合、ユーザーが画像を共有ないし書き出しすると自動的に適用される。

 

Lightroomユーザーの作業を楽にしてくれる目玉は自動バージョン管理だろう(こちらもWindows、Mac、iOS、iPadOS、Android Chrome OSをサポート)。新機能は複数の編集結果を簡単に複数のプラットフォームに保存し、同期する。ユーザーは多数の編集結果を往復して見比べることができ、必要があれば編集を破棄することもできる。

 

「ベスト写真」機能はAdobe の AI システムを利用している(iOS、iPadOS、Android、Chrome OS、ウェブをサポート)。システムは露光量その他の技術的側面、フレーミングに加えて被写体が人物の場合、顔の向き、赤目やまばたきの有無などをチェックする。ユーザーはスライダーを操作してこれらの条件を厳しくしたり緩めたりすることができる。

キヤノンのカメラのユーザーには朗報があった。Lightroom Classicがライブのテザリング撮影をサポートした。ユーザーは撮影中のテザリング中の映像をライブで見ることができるようになったため複数のメンバーを含む撮影チームの共同作業が容易になる。他のメーカーのカメラも近くサポートされる。

画像:Adobe

【TechCrunch Japan編集部】AdobeサイトにLightroom 10の日本語の紹介が掲載されている。

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滑川海彦@Facebook

AdobeがiPad用IllustratorとiPhone用Frescoをリリース

Adobe(アドビ)は米国時間10月20日、ベクトルグラフィックアプリであるIllustratorのiPad用のパブリックバージョンを公開した。すでに予約受付とプライベートベータが開始されていたことを考えればこれは驚くことではないが、Illustratorユーザーの多くはこの日を楽しみにしていた。

さらにアドビは同日、ドロー&ペイントアプリのFrescoがiPhoneでも利用できるようになったと発表した。これまで同アプリを利用するには、WindowsマシンかiPadのどちらかが必要だった。

iPad用IllustratorはApple Pencilをサポートしていおり、既存ユーザーなら直感的に利用できるはずだ。Photoshopと同様に、アドビのチームはユーザーインターフェースをより小さな画面に適応させ、より洗練されたエクスペリエンスを約束している。

画像クレジット:Adobe

「アプリは一見シンプルに見えるかもしれませんが、作業をしていくうちにより多くの機能があることに気づきます。そしてしばらくすると、アプリが背景に溶け込むような自然なリズムが生まれ、創造性を表現できるようになります」とアドビは述べている。

アドビは今後、iPad用を含むすべてのIllustratorでより多くのエフェクト、ブラシ、AIを活用した機能を搭載していく予定だ。

画像クレジット:Adobe

Frescoについては、小さな画面でユーザー体験がどのようになるかを見るのは興味深い。FrescoはCreative Cloudライブラリを使用しているため、iPhoneでスケッチを開始してから、別のプラットフォームに移動して作業を完了することができる。iPhone用が他のプラットフォームと同じインターフェイス、ブラシ、機能を備えていることは注目に値する。

さらにアドビは同日、新しいSmudge BrushやAdobe Captureのパーソナライズブラシのサポートなどを追加したFrescoのバージョン2.0を発表した。

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画像クレジット:Adobe

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(翻訳:塚本直樹)

Open Stack FoundationがOpen Infrastructure Foundationに改称、AntGroupなど4社がプラチナティアに追加

長い時間がかかったが、OpenStack Foundation(OpenStack財団)は、米国時間10月19日、2021年から名称を「Open Infrastructure Foundation」(Open Infrastructure財団)に変更すると発表した。

今回財団が仮想開発者会議(OpenStack財団サイト)で行った発表は、まったく驚きではなかった。過去数年の間に、組織は中核であるOpenStack(オープンスタック)プロジェクトの先を行く新しいプロジェクトの追加を開始し、開催する会議の名前を「Open Infrastructure Summit」(オープン・インフラストラクチャ・サミット)に変更していた。実際、組織は2020年4月に「Open Infrastructure Foundation」の商標を申請(USPTOサイト)した。

画像クレジット:OpenStack Foundation

何年にもわたる誇大宣伝の後、市場が統合し始めるにつれて、2016年にはオープンソースのOpenStackプロジェクトは多少壁にぶつかることになった。しかし、企業がプライベートクラウドを実現することを支援するこのプロジェクト自体は、テレコム産業にそのニッチを見出して、世界で最もアクティブなオープンソースプロジェクトの1つとして繁栄を続けている。実際、OpenStackベンダーからは、誇大広告が聞こえてこないにもかかわらず、販売数は記録的だとよく聞かされている。プロジェクトは安定しているが、財団はより広いネットへ手を広げ始め、人気のあるKata Containersランタイムや、CI/CDプラットフォームのZuulなどのプロジェクトを追加した。

OpenStack Foundationのエグゼクティブプレジデントを長い期間務めているJonathan Bryce(ジョナサン・ブライス)氏は「私たちは正式に移行を行い、Open Infrastructure Foundationになります」と私に語った。「これは、私たちのコミュニティがOpenStackのようなプロジェクト内だけでなく、ムーブメントとしても生み出した成功に基づいた、素晴らしいステップだと思います。【略】ユーザーがデジタルインフラストラクチャを構築する際に、人びとにどのように選択と制御を与えるのかということなのです。私はそれを、価値のある素晴らしい使命だと考えています。そして、それこそが私たちが認識し、同意しそして次の10年のために私たちの素晴らしいコミュニティと共に準備を進めているものなのです」。

多くの点で、組織が今回の改名を先延ばしにしてきたのは驚きだった。財団のCOOであるMark Collier(マーク・コーリアー)氏が私に語ったのは、チームが待っていたのは、これが確かに正しく行われたという確信を持ちたかったからだったということだ。

「私たちは、OpenStackコミュニティを構築し、コミュニティの中で学んだすべてのことを、はっきりさせたかっただけです─ つまり『オープンソースはクラウドのインフラストラクチャの一部でなければならない』というシンプルなアイデアから始まったということです。そのアイデアは、私たちが想像していたよりも、はるかに多くのオープンソースを生み出しました。もちろんOpenStack自体も、私たちが想像していたよりも大きく、多様化しています」とコーリアー氏はいう。

米国時間10月19日の発表の一環として、グループは最高のメンバーシップレベルであるプラチナティアに4社の新しいメンバーを追加する。Alibaba(アリババ)の関連会社のAlipay(アリペイ)のAntGroup(アントグループ)、組み込みシステムのスペシャリストであるWind River(ウィンド・リバー)、以前はゴールドメンバーだった中国のFiberHome (ファイバーホーム)、そしてFacebook Connectivity(フェイスブックコネクティビティ)の4社だ。プラチナメンバーになるには、企業は財団に対して年間35万ドル(約3700万円)の寄付を行い、少なくとも2人のフルタイムの従業員がプロジェクトに貢献する必要がある。

「プラチナメンバーの顔ぶれを見ればわかりますが、かなり幅広い組織の集まりなのです」とブライス氏はいう。「世界最大の通信事業者であるAT&T、また世界最大の決済処理業者であり、全体としても大規模な金融サービス会社であるAnt社がいます。他には電気通信会社のEricsson、防衛産業と製造業に強いWind Riverもいます。このことは、誰もがインフラストラクチャを必要としていることを物語っていると思います。コミュニティを構築し、そのコミュニティが生み出すすべてのソフトウェアを本番環境に移行できるようにすることを目標にして、コミュニティをうまく運営できたなら、ベンダーのエコシステムや優れたユーザーグループ、オープンソースでの作業を愛するたくさんの開発者たちなど、多くの人びとに対して大きな価値がもたらされると思います。なにしろ私たちは世界中の賢い人たちと協力しているのですから」。

OpenStack Foundationの既存メンバーも参加することになっていて、ブライス氏とコーリアー氏は、間もなく参加する何社かの新しいメンバーもほのめかしたが、本日の発表ではすべてが整ってはいなかった。

おそらく新しい財団は、2021年から新しいプロジェクトを加え始めるだろう。その一方でOpenStackプロジェクトが順調に進んでいることは注目に値する。プロジェクトが年2回行うリリースの最新版が「Victoria」(ビクトリア)という名で先週リリースされたが、Kubernetesの統合が追加され、さまざまなアクセラレータなどに対するサポートが改善された。財団の名前が変更された現段階では、実際のところプロジェクトは何も変わっていない。しかし今後、周辺でプロジェクトを構築する、活気に満ちたより多様なコミュニティの恩恵を受けることになるだろう。

関連記事:OpenStackがエッジコンピューティングスタック「StarlingX」をトップレベルプロジェクトに加える

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:OpenStackOpen Stack FoundationOpen Infrastructure Foundation

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:sako)

シンプルなドラッグ&ドロップで動画の背景を消去できるKaleidoの「Unscreen」

プロ仕様のツールや設備一式がなければ、撮影した動画の背景を消すのはかなり面倒だ。適切なツール等を持ち合わせていても、なかなか簡単には進まない。以前からワンステップで画像の背景を消去できるツール、remove.bg(リムーブドットビージー)を展開していたKaleido(カレイド)が、この度、フルモーションの動画に対応する新製品Unscreen(アンスクリーン)を発表した。

サービス自体はいたってシンプルだ。アンスクリーンのウェブページに動画をドラッグし、数分待つだけ。処理時間はコンテンツのサイズと解像度によって異なるが、手前の人物やオブジェクトだけを残し、背景をすべて消してくれる。

同社が初めて展開した製品、リムーブドットビーシーも、サービス内容は基本的に同じだった。処理対象は画像のみに限られていたが、Product Hunt(プロダクトハント)で大ヒットとなった。仕事でよく動画の処理をする身としては、背景を瞬時かつ正確に消せる効果的なウェブサービスが、非常にシンプルな形で提供されていることが嬉しい。もちろんPhotoshop(フォトショップ)を使っても同じことができるが、もっと手間がかかる。

そういえば、カレイドがオフラインの動画処理サービスに参入することを決めた理由は、ビデオチャット業界ではZoom(ズーム)やMicrosoft(マイクロソフト)をはじめとする各社がすでに定着した競合サービスを展開していて、「ある程度の品質で使えればいい」程度でユーザーが満足していることだったという。一方、オフラインの動画編集サービスは比較的競争が少なく、専門知識のないユーザーが使えるサービスともなると、選択肢はさらに限られる。

ハリウッド(映画製作やハイエンドの動画制作業界を総称して)では、デジタル合成の様相が変わってきている。費用がかかり複雑な作業も必要とされるが、ドラマ『The Mandalorian(マンダロリアン)』で使われていたような視聴者の目を引くLEDスクリーンが、グリーンバックやフレームごとのロトスコープ処理といった標準的な方法に代わって採用されるようになっている。そのため、振り返るだけの一瞬のシーンやラッシュ(下見用フィルム)などの場合に背景をシンプルなワンステップの処理で簡単に消去できる技術は、VFX技術のスタジオや製作スタジオにとって救世主となるだろう。

動画編集の市場が進化しているのは間違いないが、有料会員数が証明しているように、ニーズも確かに存在しているのだ。カレイドはこれまで完全に自己資金で運営しており、投資家を取り込む必要も願望もない。経費やメディア露出に対応できるだけの収益を獲得しているためだ。

現代の大半のメディア製品と同じく、アンスクリーンはフリーミアムのサブスクリプションモデルで提供されている。10秒間までの動画であれば無料でお試し利用できる(とはいえ、透かしが入った低解像度のファイルとなるため、一般公開には不向き)。また、通常のサブスクリプションの場合は、アップロードする映像の量に応じて月額9ドル(約950円)から389ドル(約41000円)までさまざまなプランが選択可能だ。収益の3分の2は中小企業からのものだが、有料会員には大手の企業やメディア会社も含まれる。

もちろん、製品そのものの品質が低ければ話にならない。そこで私自身、長い髪の女性が映った5分間の720pの動画を処理してみたところ、およそ45分で完了した。出来上がりは良い品質で、髪の部分もしっかり残っていた。わずかに狂いはあったが、それも適宜ペイント処理で簡単に修正できる程度のものだった。私が自撮りでカメラに話しかけた1分半の1080pの動画も処理してみたが、こちらは33分で完了し、同僚の23秒間の動画(私のものより線がもう少しはっきりしていた)については約10分で非常に鮮明な動画が仕上がった。

これも最初のFashion Week(ファッションウィーク)のようなおしゃれな動画だと思った読者の方、残念

なぜこんなに処理時間がかかるのか、疑問に思ったことだろう。ズームではリアルタイムで映し出されるが、解像度が低いうえ、品質も良くない。オンラインで無期限に公開したり、製品の広告に使用したりするような素材には、もっと高品質のものが必要だ。私個人の感覚としては、アンスクリーンの背景消去はかなり品質が良いものの、そのまま世に出せるほどではない。公開前に一度確認し、不具合を修正したほうがよいだろう。

ユーザーは動画の背景として静止画や別の動画、単色の背景を選択できるほか、2つのチャンネル(アルファチャンネルとカラーチャンネル)に分けてエディターに流し込むこともできる。その他のオプションは限られているため、グレードアップやリサイズ、別の色での再レンダリングなどには対応していない。結局のところ、これはオンラインの動画編集プラットフォームではなく、ウェブホスティング型のVFXのため、それ相応の機能が搭載されているという印象だ。

一点、カレイドが慎重に動作確認を行ってきた点がある。これが差別化要因になるのは悲しい限りだが、アンスクリーンは、他のソリューションではうまく認識できない特定の肌や髪の色に対応している。事実、こうしたツールでは特定の背景の場合に、肌のトーンが暗い人よりも明るい人の方が、巻き髪の人よりもストレートヘアの人の方が、消去処理が正確である場合があり、これらのツール開発に使用されるトレーニングセットに多様性が欠如していることを示している。

コンピューターの視覚アルゴリズムが原因で、巻き髪は特に処理が難しいことで有名だが、アンスクリーンではそこそこ良い仕上がりとなっている

カレイドのBernhard Holzer(バーナード・ホルツァー)氏によると、カレイドはこの点を初めから意識しており、チームとして世界中からトレーニングデータを収集することで、国や大陸に関係なくすべてのユーザーに平等に対応できるよう徹底してきたという。また、予期しない課題にも目を光らせている。例えば、卒業式用の角帽をかぶった人が飾りの紐を左右に動かしている動画をシステムがうまく認識できないことが分かったため、データを大量に加えて修正を行った。フィードバックを送信するようユーザーを促し、それを生かすことによってシステムを継続的に進化させている。

カレイドの会社規模の成長も止まる気配がなく、今年は従業員数が倍増して30名に達する見込みだ。また、前述の通り資金も引き続き同社の収益のみで運営される。ウェブツールの品質向上は確かに相当なものだ。これまでは、1回のクリックで背景を消去できるツールなど誰も想像していなかった。そんな中で業界初のサービスを創出したアンスクリーンは、業界トップの座を獲得し、その座を維持することを目指している。

関連記事:パンデミック時代に適合し動画制作方法を作り変えるVidMob

カテゴリー:ソフトウェア

タグ:動画撮影・編集 機械学習

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(翻訳:Dragonfly)

MacのデスクトップにAirPodsやiPhoneなどのアップルデバイスを詳細表示するAirBuddy

AirBuddyアプリがバージョン2.0の予約受付を開始し、新iPhoneの登場を祝った。2019年の初めに登場したオリジナル版は、AirPodsが近づいたときにMacにポップアップを表示するもので、Apple(アップル)よりも簡単なエコシステム統合をデスクトップにもたらしていた。

画像クレジット:Bryce Durbin

11月11日に配布が予定されているアップデートでは、さらに深い統合がもたらされる。ポップアップリストの一番上には、接続されているすべてのアップルとBeats(ビーツ)デバイスを表示するクイックステータスメニューがある。対象となるのは、iPhone、iPad、Apple Watchのほか、10ドル(約1050円)のAirBuddyの最新バージョンがインストールされているほかのMacだ。デバイスは互いにどのようにペアリングされているかに基づいてグループ化されているため、iPhoneに接続されたAirPodsのセットがメニューのデバイスの近くに表示される。

このアップデートでは、過去12時間または24時間のデバイスの使用状況も表示される。具体的には、リスニング時間、通話時間、AirPodsのペアの片方のつぼみがもう片方のつぼみよりも早く充電されているかどうかなどの情報だ。また、AirPods Proの通常モード、ノイズキャンセリングモード、透過モードをデスクトップから直接切り替えることができる。

オリジナル版アプリを今年購入したユーザーは無料でアップグレードできる。昨年購入したユーザーは半額の50ドル(約525円)で手に入れることが可能だ。

  1. 1. AirBuddy 2 Menu Bar Light

  2. 5. Status Window Large Split

  3. 6. Status Window Large Split Dark

  4. 3. Small Status Window

  5. 4. Small Status Window Dark

  6. 1. Status Window Large

  7. 2. Status Window Large Dark

  8. 1. Device Stats

  9. 2. Device Stats - Dark

  10. 1. Preferences Window

  11. 2. Preferences Window Dark

  12. 2. Big Sur Widget Dark

  13. 1. Widget Big Sur

  14. AirBuddy2-Large-Light-Dark

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AirBuddy

画像クレジット:AirBuddy

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(翻訳:TechCrunch Japan)