Teslaのカウアイ島ソーラー設備は、この会社の未来像を垣間見せる

Teslaによるハワイ州カウアイ島へのソーラー設備の設置は、単なる製品のローンチではない。TeslaによるSolarCityの買収が単なる賢い選択ではなく、実際に必要なものだったことを証明する最初のものだ。

必要なものだったという理由は、それがTeslaによる、ソーラーエネルギー(並びに他の再生可能エネルギー)の実用化と、陽射しの強い場所だけではなく、あらゆる場所でコスト効率のよい発電を可能にしたい、という壮大なビジョンを助けることになるからだ。

カウアイ島発電設備の開所式でTeslaのCTOであるJB Straubelは、沢山のハワイの政府関係者たちがアロハとサンダルという服装で居並ぶ中で、色の濃いズボンにたくしこんだ青いシャツという、その場には少々不似合いな出で立ちで話した。しかしStraubelは自信に溢れ、その外見とは裏腹に寛いだ様子で、社交的な地元の電力会社幹部たちよりも、イベントを楽しんでいるかのようだった。

もちろんStraubelにはこの瞬間を味わう十分な資格がある。なにしろ一部の金融オブザーバーたちは、昨年発表されたTeslaによるSolarCityの買収計画から、11月に行われた実際の買収までを不安視していたのである。彼らが批判的だったのは、なぜ電気自動車メーカーがソーラーパネルを製造販売している会社と結びつく必要があるのかという点だった。

カウアイ島のソーラーストレージ設備の除幕式で、式典参加者たちに見てもらうために用意されたModel X。Teslaは2016年11月にSolarCityを買収した。

何かを企んでいたように見えたTeslaが、明確な解答を持っていたのかどうかが知りたい点だ。TeslaのCEOであるElon Muskは、複数のプレスイベントや四半期業績報告では、この協業の裏にあるロジックに対する質問に対して、あからさまに憤激しながら回答していた。SolarCityはTeslaにとって財政的重荷になるのではないかという質問を受けて、Muskは当初、その質問を馬鹿げたものと呼び、なぜ現在の貸借対照表に注目するのかと言いたい欲求を抑えられないようだった。真実はその逆だったのだ。

しかし、実際のデモを行うことほど批判者に上手く反論できるものはない。そしてTeslaは今や、2つの会社が、1つ屋根の下で、何故利益を生み出すようになったのかを示した。最初に示されたのは、契約書のインクも乾かぬ買収直後に発表された、ソーラールーフ製品の発表だった。SolarCityとの共催のイベントで、TeslaはPowerwall 2による、ホームエネルギーストレージソリューションの発表も行った。そして2番目が、カウアイ島設備の設置だ。このプロジェクトでTeslaは、コンシューマ市場におけるその可能性を、より大規模に、商用目的で電気利用者たちに広げて行けることを示した。

ソーラーパネル群は、Teslaの占有するGrove Farmの土地を広く覆い、緩い起伏の上に波のように並んでいる。ここであなたは、奇妙な形状を持ち不自然に青い人工の湖(ソーラーパネル群)を見下ろしながら、山々の頂に囲まれて立っているような感じを受けるだろう。商用バッテリーのTesla Powerpack 2の列が、静かな白い山々のように、傾いた人工の湖の隣に並んでいる。それは近所の射撃場で使われるクレーを作るためにも使われている赤土の上に、はっきりとしたコントラストを見せて立っている。

ソーラーパネルのフィールドの隣に立ち並ぶ、Tesla Powerpack 2の長い列

施設全体で13 MW(メガワット)のエネルギーが出力される、これは通年で、およそ19,438 MWhの電力となり、52 MWhまでの電力を保持することができる。そして20年契約中の固定価格で、カウアイ島に対して1 kWhあたり13.9セントで供給する。それは現在、カウアイ島で(現在は支配的な手法である)ディーゼル油を燃やして得ている電気代の半額である。新しいソーラーストレージ設備はカウアイ島の4500軒の家に電気を夜通し供給することが可能であり、これは最新調査による6万7000人の島の人口に比べても相当の家庭数である。

「このようにして、私たちは1日中ほぼ24時間、非常に堅牢で信頼性の高いソーラー電気を顧客に届けることができるのです」とStraubelはインタビューに応えた。「これは非常に異なったタイプのプロジェクトです。通常は、グリッドまたは家庭に直接繋げられたソーラーパネルを使います。そして太陽が出れば電気が供給され、雲が出たら止まってしまいます」。

ストレージのない直接発電は、良い露光が得られるかどうかに依存するだけでなく、相対的に小さなコミュニティに多数配備されたときや、家庭の占める割合が多いときには、資産というよりも負債になってしまう。カウアイ島全域で、ソーラーパネルが屋根の上に載せられているのを見ることができる。そうした一握りのパネルを目にしないまま、住居エリアや商業エリアを車で走り抜けることはできない。

沢山のリチウムイオンストレージユニットが並んだPowerpack 2ユニットの内側。それぞれのPowerpack 2は200kWhのエネルギーを保持できる。

「(ダイレクトソーラーは)ある程度までの、割合と戸数に対しては上手く働きます」とStraubelは言う。「しかしもし、この島で目にしているもののように、数が多すぎる場合には、どこかの時点でストレージを追加しなければなりません。さもなければ再生可能エネルギーやソーラーの変動性が、電気全体のインフラ全体を管理する際の問題になってしまうのです」。

カウアイ島の設備は、Teslaが高い要求を持つ商用プロジェクトに対して何ができるかを示すためのものである、そして世界中のエネルギー供給者たちの興味をそそる象徴としてデザインされたものだ。Straubelによれば、太陽光の大部分を使うことができる者たちだけを相手にしているわけではない。

「すぐにコスト上のメリトが得られます」とStraubelは語る。「そして、それは世界中の多くの場所でも成り立つのです。このハワイの島だけで成り立つわけではありません。このことは直感的には納得されていません。多くの人びとが、今日でもソーラーが高価なものだと考えているのです。しかしソーラーのコスト、ストレージのコストは急速に低下していて、これらのプロジェクトは多くの場所で費用対効果の良いものになっているのです」。

すぐにコスト上のメリットが得られます

— Tesla CTO JB Straubel

Straubelは、Teslaが多くの場所の多数の顧客と、カウアイ島のようなプロジェクトを配備すべく交渉を行っていると語った。ただ現時点では特定の地域の特定の顧客に言及できる段階ではない。順番待ちあるいは進行中のプロジェクトがあるので、ほどなくこれに似たプロジェクトを沢山目にすることになるだろうと彼は語った。

「再生可能エネルギーをバッファリングして保存する機能は、それが風力であろうとソーラーであろうと、共通して求められる基本的な要件です」と彼は説明した。「再生エネルギーを保存して非常に信頼性の高いものにする技術なしに、世界中の多くの国や都市が願っている高い割合(の再生可能エネルギー利用)は実現できません」。

SolarCityのパネルの列は、ソーラーエネルギーを最大に受け取ることができる角度で設置されている、パネル同士は、1人の人間が余裕を持って歩ける程度に離されている。

実際に、再生可能エネルギーの供給に対する定量可能な目標が、世界の多くの都市や州政府によって設定されている。そして風力とソーラーの供給源に対するストレージコンポーネントなしに、30パーセントを超えることは極めて難しいことが明らかなのだ。特に多くのリソースが既に発電インフラの建築にコミットされている場所では、この点への貢献でハードルを下げることができる。

買収後、初めて大規模プロジェクトによって示されたTeslaによるSolarCityの獲得の成果は、各国の電力供給側ならびに大規模な商用電力消費者向けの、新興ならびに成長市場にアプローチして行く、完璧な組み合わせである様相を見せ始めた。ちょっとしたことだが、低い位置から眺めてみると、Teslaのカウアイ島ソーラーファームは、どこまでも遠く優しくうねる海のように見えた。

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(翻訳:Sako)

パナソニックはTeslaへのバッテリ供給だけではなく、自動運転技術での協業にも意欲

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パナソニックは、バッテリ事業でのTeslaとの協業関係が実りあるものになったことを受けて、Teslaとの更に近い協業関係を望んでいる。この日本企業は、Teslaにセンサの共同開発を提案することで、その自動運転システムの製造に食い込むことを考えている。

パナソニックの津賀一宏社長は、木曜日(米国時間19日)に配信されたロイターによるインタビューの中で、Teslaの自動運転技術への意欲を表明した。

「Teslaの自動運転システムに大変関心を持っています」と、津賀社長はロイターに語った。「私たちは両者の協働関係をデバイス、例えばセンサーの共同開発を通して、拡張していけたらと思っています」。

現在パナソニックは、Model SならびにModel Xを含む、Teslaの車載バッテリーを独占的に供給するパートナーである。同社はもうすぐ発売されるModel 3に対する供給も行う。Teslaはこのモデルを初年度に50万台売ることを目標にしているため、供給量の大幅な増加が要求されることになるだろう。

パナソニックはTeslaのGigafactoryの共同出資者であり、50億ドルの設備のうち16億ドル分を負担している。そしてこの先Teslaのソーラーエネルギー製品で、さらに緊密な協働作業を行う予定である。同社はまた、CMOSイメージセンサーも製造していて、現在は高速で移動する物体を、通常現れる歪を起こすことなく検知する新しいバージョンの開発に向けて、取り組みが進められている。

イメージセンサーは自動運転車の基幹部品の1つである、この精度が上がれば上がるほど、写真イメージ、レーダー、そしてライダー(LiDAR)センサー情報を統合して得られる統合センサー情報の質が向上する。

パナソニックとセンサー技術でチームを組むことで、テスラはその部分の技術を更に社内に取り込むことができるようになる、この動きは、より安いコストで高度な統合システムの構築を狙う、元Googleの自動運転車プロジェクトのWaymoの戦略に倣ったものだ。

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(翻訳:Sako)

EVの高速充電装置/ステーションはどんだけ速いのか?、メーカーの発表数値を比較する

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EVgoが今月、公共直流高速充電ステーションの新記録をカリフォルニアで作る、と発表した。その能力は最大350kw、現在の記録保持者はTesla Superchargerだが、それよりも強力だ。EVgoのステーションの1号機はこの夏、カリフォルニア州ベイカーの世界一背が高い温度計の近くで、供用を開始する。

そこで、疑問が生ずる: そのほかの高速充電ステーションはどれだけ速いのか? そもそも、高速充電ってどれだけ速いのか?

EVの充電に要する時間は、二つのことに依存している: 充電装置が供給する電力と、車の充電システムが対応できる最大電力だ。EVはLevel 3の充電ステーションを使うために、CHAdeMOやSAE CCSの規格に準拠、またはTeslaの車種でなければならない(後者は他の規格のためのアダプタがアクセサリとしてある)。

Level 1の壁際コンセントは、減損したEV用電池の充電に一晩、あるいはそれ以上かかる。Level 2の充電装置は完全充電までに一晩ぐらいかかる。Level 3のステーションでは、80%の再充電が1時間以内に終わる。

以上は一般的なルールだが、メーカーはこんな数字を挙げている:

  • Tesla Model S: 120kw Superchargerステーション、40分で80%充電。
  • Jaguar I-PACE コンセプトEV: 50kw Level 3ステーション、90分で80%充電。
  • Chevy Bolt: 50kw Level 3ステーション、30分充電で90マイル。
  • Nissan Leaf: 50kw Level 3ステーション、30分で80%充電。

EVgoのネットワーク上には800基あまりの高速充電ステーションがあり、そのほかに最新のハイパワーステーションもある。後者は4台の充電装置を内蔵し、将来8台に拡張する予定だ。ひさしにソーラーパネルがあって充電装置に電力を供給、もちろんひさしだから人間と車を直射日光から守る。(充電器への電力供給のない)夜間利用者のための、バックアップ電池も用意している。Tesla SuperchargerのようなWi-Fiホットスポットはないが、でも、忘れちゃいけない、近くに世界でいちばん背の高い温度計がある!

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

MacBook Proの短いバッテリー寿命を指摘したConsumer Reports誌とAppleが問題をめぐって協議中

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Appleは全体的にあまり元気がなく、バッテリー技術には突然の予想外が襲った今年は、Consumer Reports誌がMacBook Proの推薦を断ったことが、そんな年のあまりにも完璧な縮図のように思える。

その最近アップグレードされたラップトップの寿命に関する苦情がネット上登場し、それに続いて、同誌によるそのラップトップの15インチバージョンの評価は100点満点で56点、13インチは標準バージョンとTouch Barバージョンがそれぞれ47点、40点と発表された。

そんなスコアの注記には、“そう、電池寿命がね”とあり、そのラップトップの推薦の拒否にまで至るCR誌の評価結果には、確かに相当なばらつきがある:

たとえば、三回続けて行った試験では、Touch Barのある13インチモデルは、最初は16時間動き、次が12.75時間、三度目がわずか3.75時間だった。Touch Barのない13インチモデルは、最初が19.5時間、その次がわずかに4.5時間だった。そして15インチのラップトップは、18.5時間から8時間という落差がある。

CR誌のサイトは、“Appleは、問題をよく理解するまではコメントを差し控える、と言った”、と述べている。Appleのマーケティング担当SVP Phil Schillerが金曜日(米国時間12/23)の夜ソーシャルメディアに登場して、社内のテスト結果はConsumer Reports誌の結果と合わない、とツイートした。

上のツイートでSchillerは、“彼らが行ったバッテリーのテストを理解するために今同誌と協議している”、と述べている。“彼らの結果は、弊社が行った徹底的な実験的試験や現用データと合わない”、とSchillerは言う。Apple自身のテストでは、そのハイエンドラップトップのバッテリーは“10時間まで”もった。

CR誌はすぐさま、このようなバッテリーの問題はソフトウェアのアップデートで解決することもあるから、Appleがそういう対策を講じたのなら、初期状態でのテストを行っていただきたい、と応じた。

Consumer Reports誌はこれまで毎回、Appleのそのノートブック系列を推薦してきたが、ここに来て初めて、テスト結果がその連続を断ち切った。しかし、同誌がAppleの逆鱗に触れたのは、今回が初めてではない。中でも大きな事件として、iPhone 4のアンテナ問題に関する2010年の調査では緊急の記者会見が開かれ、購入者全員に無料でケースが配布された。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

バクテリアで発電する紙状の電池、使い捨て電子製品に好適

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ニューヨークのビンガムトン大学の研究者たちが、“1枚の紙の上のバクテリア電池”というものを作った。このプロジェクトの目的は、使い捨てのマイクロエレクトロニクス製品のための、数週間程度使える電池を作ることで、そのためにバクテリア密度の濃い液体を使った。

“この方法は低コスト短時間の生産が可能で、しかもバイオ電池を、遠隔地や危険な場所、リソースの乏しい地域などで利用できる”、と研究者たちは書いている。

研究者たちが使ったのは、一片のクロマトグラフィー用ペーパーと、ワックスで覆った硝酸銀のリボンだ。電池の陽極は、ペーパーの残り半分の上の伝導性ポリマーと、バクテリア密度の濃い液体の貯水層で作られる。バクテリアの、細胞呼吸が電源になる。

この電池で電気自動車を動かすのは無理でも、ジュースを搾るぐらいはできるだろう。6つ並列で出力は31.51マイクロワット/125.53マイクロアンペア、6×6の構成では44.85マイクロワット/105.89マイクロアンペアだ。研究者たちは、用途として、グルコースセンサーや病原体の検出、あるいは小さな電子製品を数日稼働すること、などを想定している。

実はこれは、このチームが作った初めてのバクテリア電池ではない。紙を使用する最初のプロトタイプは2015年に開発し、その折りたたみ式電池はマッチブックにとてもよく似ていた。また今年の初めには、“忍者が投げる星〔手裏剣〕からヒントを得たデザイン”を披露した。

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Android上のサードパーティ製の高速充電技術は使うな、とGoogleは‘断固として’推奨

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最近は、誰もが高速充電をやるようになった。各メーカーの主力機にはほとんど必ずUSB-Cがあるから、それはたちまち、標準機能のようになってしまった。この場合“標準”とは、みんながそれを使ってる、という意味だが、それは必ずしも、技術全体の中での整合性がある、という意味ではない。それはどちらかというと、メーカーが最近見つけた、電池の延命策のひとつだ。

Googleも、同社のPixelデバイスでは独自の高速充電を採用しているが、ただし同社は、自社純正品以外の実装を前向きに認めていない。最近リリースされたAndroid NougatのAndroid Compatibility Definition(Android互換性定義)ドキュメントで同社は、QualcommのQuick Chargeのような技術を、禁じるとは明言していないけど、“使わないことを断固おすすめする”、と言っている。

ここで問題にされているのは、Googleの標準USB充電器との非互換性がありうるかもしれない、という点だ。GoogleがUSB-Cの標準化に熱心だったのは、そこに接続される機器の普遍的な標準性も展望していたからだ。みんなが、ひとつの標準を守ってほしい。このドキュメントは、“将来のアップデートではそれを要件とするかもしれない”、とまで言っている。

言い方は、単刀直入だ:

現時点では、使わないことを断固おすすめする、としているが、Androidの将来のバージョンではすべてのtype-Cデバイスが標準のtype-C充電器との完全な相互運用性をサポートすることを要件とするかもしれない。

これは要するに、そんな厳しい措置にならないよう、お願いする、という意味だろう。

出典: Android Police

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

これがTeslaの素敵なソーラールーフだ

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Tesla創業者兼CEOのElon Muskが、新しいTeslaのソーラールーフ製品は普通の屋根よりも見栄えが良い、と言った言葉は冗談ではなかった:太陽エネルギーを収集するこの代替屋根は本当に素晴らしい見栄えを提供する。それは現在屋根に後付で載せられている、明らかにあるいはなにがしか奇妙な流通パネルからは程遠いものだ。

Teslaがイベントで紹介したソーラールーフは、4種類の異なるスタイルのものだ。それぞれ「テクスチャ・ガラス・タイル」、「スレート・ガラス・タイル、「トスカーナ・ガラス・タイル」、そして「スムース・ガラス・タイル」と呼ばれている。それぞれは、異なる美的外観を提供しているが、どれもかなり現在の屋根材のスタイルに似通ったものだ。それぞれは太陽に対しては透明だが、斜めから見たときには不透明なものにみえる。

0cf27641-f7f1-4ead-a8af-030e742088c9Elon Muskによれば、現在のバージョンのタイルは効率上2パーセントのロスがある、このため通常のソーラーパネルから得られるエネルギーの98パーセントを手にすることになる。しかし同社は、現在3Mと協力してコーティングの改良に取り組んでいて、通常以上の効率を目指している、これによって光を屋根の内側にトラップして内部で反射を繰り返させ、完全に拡散するまでのエネルギーロスを減らすことができるようになる筈だ。。

もちろん、価格の問題がある:Teslaの屋根のコストは、通常の屋根の建築コストと電気代よりも安いため、従来の屋根とソーラーパネルの電気代の組み合わせに対抗あるいはそれよりも安く提供できるとElon Muskは語っている。家ごとのインストールの仕様が含む要因の数にコストは依存するので、Teslaは現時点では具体的な価格設定を発表することはしなかった。

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標準的な屋根材は、家庭のランニングコストを改善する以外には、設置後は家主に対して財政的利益を提供しない。テスラの製品は、家庭の必要とされる十分なエネルギーを生成し、余剰がでた時にはこの目的のために設計された新しいPowerwall 2.0バッテリユニットの中に蓄えておくことができる。

ソーラールーフ製品の設置は、来年の夏までに開始する。Teslaは現在の4種のオプションのうち1、2種類のものから始めて、徐々に対応する種類を増やしていく計画だ。それらは石英ガラスで作られているので、アスファルトタイルよりも長期間の使用に耐える筈だ ‐ 少なくとも2から3倍の寿命が期待できる、とはいえ後ほどMuskは「家の寿命よりも長持ちします」と言ったのだが。

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(翻訳:Sako)

「太陽光発電スマホ」を実現する仏ベンチャー、NTTドコモVなどから400万ユーロ調達

太陽光発電スマートフォンが早ければ今年中に商用化されそうだ。いわゆるガラケーでは、本体に搭載した太陽電池パネルで充電するモデルが2009年頃からいくつか登場しているが、スマホとなると商用化には至っていない。2008年に創業した仏のSunpartner Technologiesは、タッチパネルに透明な太陽光発電コンポーネントを組み込んで、太陽光発電スマホを実現しようとしている。

スマホやタブレットで太陽光発電を可能にするのは、Sunpartnerが開発する「Wysips Crystal」。マイクロレンズと太陽電池で構成される、薄さ0.5mm、透明度90%のコンポーネントだ。用途としてはフル充電することよりも、いくつかの重要な機能を使える最低限のエネルギーを発電することが主要機能だと、Sunparterは説明する。「例えば10分間太陽光に直接当てれば、待受けを100分、音楽鑑賞を10分、通話を2分行える」。

Sunparterは今夏までに、Wysips Crystal技術を組み込んで生産する液晶メーカーとの提携し、2015年末から2016年初めに最初のモデルをリリースしたいという。すでに携帯電話メーカー数社とは、Wysips Crystalを組み込むことで合意。日本では2014年10月に京セラと提携し、技術的・商用的な観点から評価する取り組みを進めている。

スマホやタブレットでの太陽光発電を実現するWysips Crystalの競合となる技術には、塗布型の有機薄膜太陽電池(OPV)が挙げられるが、「透明度は50%程度でディスプレイに利用できるほどの透明度ではない」とSunpartnerは指摘する。これに対してWysips Crystalは現状で90%の透明度を確保しているので、画面の視野角度が保たれるとアピールする。

スマホ以外には、スマートウォッチやデジタルサイネージ、窓ガラスなどの分野でも2015年に商用化する予定だ。

Sunpartnerは2014年夏以降、800万ユーロ(約11億円)の増資計画を進めていて、2014年12月末には第一期となる400万ユーロ(約5.4億円)の増資を完了。出資額は非公表だが、日本からはNTTドコモ・ベンチャーズが資本参加している。2015年早々には日本に事務所を開設し、国内メーカーとの協業を進めていくそうだ。


手のひらサイズ燃料電池の「kraftwerk」、1度のガス充填で11台のiPhoneを充電可

外見も機能もこれまでのバッテリーパック同様に見えるが、実はこのkraftwerkは携帯型「燃料電池」なのだ。電池の充電は3秒で行える。そして1週間にわたってモバイルデバイスの充電に利用できるのだ。

この「kraftwerk」という言葉はドイツ語で「発電所」という意味だ。そしてこのプロダクトを作ったのも、ドイツの研究機関であるFraunhofer GesellschaftからスピンアウトしたeZelleronというエンジニアリングチームだ。現在Kickstarterにてキャンペーンを展開中だが、開始から3日で目標額50万ドルのほぼ半分を集めてしまった。さらに1万ドルを支払って販売代理店の権利を申し込んだ人も3名いるようだ。

燃料電池の可能性については1950年代から言及されてきていた(英語版Wikipediaによると最初に開発されたのは1838年だとのこと)。しかし化石燃料の普及にともなって、燃料電池への注目は薄らいでしまっていた。普及を妨げた原因はさまざまであるが(現在でも、原油のだぶつき感が燃料電池への注目度を弱めてしまうことがある)。しかし燃料電池が安価でクリーンなエネルギーを大量に供給できる技術であることは間違いない。kraftwerkは、外部から電気を取り込んで使うのではなく、化学反応により自ら電気を作り出すことができる。すなわち、地球上にまだまだ存在する送電網の備わっていない地域においても、直ちにクリーンな電気エネルギーを長期間にわたって利用することができるようになるのだ。

実はKickstarterに燃料電池が登場するのは初めてのことではない。但し、このkraftwerkほどの完成度を持つものはなかったように思う。たとえばDevotec Micro Fuel Chargerというものがあった。キーホルダータイプの燃料電池で、モバイルデバイスに20分ないし30分の稼働時間を与えるものだった。またキャンペーンに失敗したHALOというプロジェクトもあった。iPadを外で使うアウトドア派のための予備電源という位置づけだった。無骨なスタイルながら、同時に2つのデバイスをチャージできるとしていた。

今回紹介しているkraftwerkは、3種類のカラーバリエーションを用意しているとのこと。それぞれ「Urban」、「Outdoor」、そして「Glam」と名付けられている。エネルギー源には、あちこちの店で売られているキャンプ用ないしライター用のガスを利用する。iPhone、タブレット、あるいはGoProなど、USBで繋がるデバイスなら何でも充電することができる。ガスを一度充填すれば、iPhone換算で11台分を充電できるのだそうだ。エネルギーを使い果たしても、ガスを充填すれば(必要な時間は3秒だ)すぐに利用できるようになる。

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(翻訳:Maeda, H


実用性を増したYotaPhone 2、12月3日に世界デビュー

スマートフォンというのは結局、どれも似たりよったりなのかもしれない。確かにカタログなどで見ても違いはよくわからず、パフォーマンスや、デザイン、ないしマイナーな機能面での差異しかないようにも見える。しかし、そこに「全く違ったもの」を持ち込むのがYotaPhoneだ。ロシア発のスマートフォンで、スマートフォンの背中側にe-ink式のディスプレイを搭載しているのだ。最初に投入されたモデルも面白そうではあったが、やや問題を抱えたものでもあった。そこからの発展を目指し、第二世代モデルがアナウンスされた。

YotaPhone 2は12月3日に、ロンドンで開かれる招待者限定のイベントで登場する予定になっている。実のところ、今年の2月から報道関係者にはプロトタイプが案内されていたのだが、ついに正式なプロダクトデビューが決まったわけだ。第一世代モデルは全面的に刷新され、e-inkディスプレイ側もタッチ操作可能となっている(前のモデルはタッチ操作を行えなかった)。また、e-ink側で電話発信、テキストメッセージ送信、メールの送信など、主要な機能を行えるようにもなっている。

すなわち、YotaPhone 2では、バッテリーを多く消費するLCDディスプレイ側を使わずに、省エネのe-inkディスプレイにて事足りるようになっているわけだ。

イベント告知文書にある写真を見る限り、デザイン的には第一世代のものと同じようにも見える。しかし、内部的には多くの面で異なるものとなっているようだ。細かなスペックや機能面についての詳細はまだ明らかになっていない。第一世代プロダクトについていえば、技術の可能性を示すものであったとも言えるかもしれない。しかし今回のモデルは、いよいよ本格的な実用性を追求したものとなっている様子だ。

スマートフォンのさまざまな技術革新の速度と比較すると、バッテリーの進化速度は遅く感じられもする。モバイルバッテリーの大進化を待つ間、このYotaPhoneは確かに有効なアイデアであるようにも思える。

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(翻訳:Maeda, H


AppleがiPhone 5のバッテリー短寿命機の無償電池交換を開始、合衆国と中国以外は8月29日より

AppleはiPhone 5のバッテリーについて、“きわめて少数の”製品が、“突然バッテリーの寿命が短くなったり、充電をより頻繁に行う必要があったりする”、という声明を発表し、そのあとで実際にバッテリーの交換を開始した。

iPhone 5のバッテリー交換は、昨年iPhone 5sに関してやはりバッテリーの交換をやったから、これで二度目だ。

Appleによると、問題のiPhone 5は、発売月の2012年9月から2013年1月までに売られたものの中にある。

サポートサイトへ行くと、シリアルナンバーを調べて欠陥機かどうかを教えてくれるツールがある。バッテリーの交換は、Appleのストアと公認サービスプロバイダ、およびApple Careで承り、合衆国と中国から開始する。この二国以外のユーザは、8月29日までお待ちいただく。

例によって、バッテリーを交換してもらう前にはデータをバックアップし、Find my iPhoneを切り、Erase all Content and Settings(すべてのコンテンツと設定を消去)をすること。

欠陥機の保有者ですでに有料でバッテリーを交換した人には、返金してくれる。

交換の期限は2015年3月1日まで。ただしiPhone 5の保証期間は延びない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


どのアプリがバッテリーを食っているか?をNormalが教えてくれる

私の場合は、iPhoneの最新バージョンを入手してから1年弱ぐらいのある日、なぜか半日ぐらい、バッテリーが涸渇状態におちいる。

その理由がずっとわからなかったが、今ではわかる。

スタンフォードのコンピュータ科学のPhD Adam OlinerJacob Leverichの二人が、Kuro Labsと名づけた会社を立ち上げ、博士課程終了後の研究を応用した‘Normal’と呼ばれるアプリを作った。

同社の最初のプロジェクトであるそのNormalはバッテリー診断サービスで、ユーザのアプリ使用状況をほかのiOSデバイスユーザたちと比較して、バッテリーの寿命を延ばすためのアドバイスをしてくれる。Normalは99セントの有料アプリで、ユーザと同じようなアプリを使っている人たちの電池利用状況とユーザのそれを、経時的に比較する。

‘Normal’という名前をつけたのは、同じデバイスを使っているほかのユーザたちと比べて、当のユーザのバッテリー寿命がノーマル(正常)かどうかを判定するアプリだからだ。

Olinerは曰く、“バッテリーはモバイル機器の最大の弱点であり、良い対策がない。デバイスは電池について何も教えてくれないから、今何がそんなにエネルギーを消費しているのか、これで正常なのか、ユーザには何も分からない。そこを、解決したかった”。

Normalの画面には、今動いているアプリ、動いてないけどバッテリーを無駄食いしているアプリ、そしてそのほかのアプリが表示される。各アプリにリングチャートが表示され(下図)、そのアプリを閉じたらどれだけ電池寿命が延びるかが表示される。たとえば下の画像のリストのいちばん上では、Googleをkillしたら約1時間36分48秒延びる、と診断されている。

モバイルでFacebookを使うのをやめたら、電池寿命を26分47秒節約できる。またInstagramのようなバックグラウンドで動いているネイティブアプリを閉じたら、1時間と7分の節約ができる。

アプリの構成を変えるとよい場合もある。たとえばPinterestは通常はバッテリー大喰らいではないが、構成によってはエネルギー集約的になる。ユーザの現状が通常の構成かどうかも、Normalが(他のスマートフォンと比較して)教えてくれる。

このアプリはOlinerがUC Berkeley(カ大バークリー校)でやっていて、最終的にCaratというアプリになったプロジェクトが起源だ。その古いアプリは黙ってユーザのデバイスの現況を測定し、そのデータをそのほかの(匿名化した)ユーザの数値と比較し、OSをアップデートしろとか、特定のアプリをリスタートまたはキルしろ、などのアドバイスをユーザに提供した。

Olinerの博士課程終了後の研究がやっと終わったとき、彼はLeverichと一緒にKuro Labsと呼ばれる会社を作り、Caratのコンセプトをもっと発展させたい、と考えた。今後はNormalのラップトップ用やタブレット用を出したいそうだ。

“Bugsenseとは、似ているかもしれない。あれはクラッシュを診断するんだけどね”、と彼は言う。“でもうちのは、エネルギー消費を診断するんだ”。

 

 

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))