ワイン愛好家の日常を大きくアップグレードするAveineのスマートワインエアレーターが登場

現在この国に住む多数の人々と同じく、読者の多くには今ワインを飲みたくなる理由がたっぷりとあることだろう。そんな人々に知ってもらいたいのがAveine Smart Aeratorだ。このガジェットはフランスのスタートアップが開発したもので、可変式のインスタントエアレーションと、任意に選んだワインに適正なエアレーション量を決定するための対応アプリプラットフォームを提供する。Aveine Smart Aeratorはプレミアムな価格設定だが、この製品が生み出す価値は驚きにあふれている。

製品の概要

Aveine Smart Wine Aeratorは、ほかの多くのスタートアップデバイスと同様、クラウドファンディングプロジェクトとして誕生した。フランスを拠点とするチームは、2018年にキャンペーンを終了して資金目標に到達、その後数年をかけてデザインの完成、製作、出荷を進めた。同製品はオリジナルのフルパフォーマンス版が449ドル(約4万7千円)、今年導入されたエッセンシャル版は最大エアレーション時間が半分(フルパフォーマンス版の24時間に対し12時間)となり299ドル(約3万1千円)で提供されている。このエッセンシャル版をここでレビューする。

どちらも基本は同じである。エアレーションしたいボトルを開けた後、その上に装着し、Bluetooth経由でiOS およびAndroid用のAveineアプリと接続。アプリを通してワインのラベルの写真を撮ることができ、その写真をデータベースと照合し、最適なエアレーション時間にAveineを自動的に設定する。照合するデータベースは確実に増え続けているようだ。

画像クレジット:Aveine

実際には、筆者がテストしたワインのほとんどがデータベースには入っていなかった。しかしそれはAveineの想定範囲内で、ワインのヴィンテージ、使用されているブドウ、地域、オーガニックかバイオダイナミックかなどの情報を簡単な質問形式で提供することにより、最適なエアレーション時間を概算してくれる。また、エアレーションを手動に設定し、少量の味見をしながら好みの加減を見つけることもできる。

Aveineの製品には、Smart Aeratorを持ち運ぶソフトケースと、標準的なUSBウォールプラグまたはマイクロUSB経由で接続する充電スタンドが付属している。内蔵バッテリーの持続時間は約12時間。ワインを注ぐときに内蔵モーターが作動して必要な空気を一気に注入する仕組みで、エアレーションが使用されるのはそのときだけだ。

デザインと性能

Aveineはかなり重く感じられるが、スマートな内部構造が小さなデバイスの中に快適に収まるように多くの工夫が施されていることがわかる。ほとんどのワインボトルの上部に簡単にフィットし、特別な取り付けプロセスを必要とせず、注ぐ際にもぴったりと装着されている。スワイプするとタッチスクリーンが起動し、調整可能なエアレーションスクリーンがシンプルな白黒で表示される。

使い方は簡単で、そもそもアプリを必要としない。好みのエアレーションレベルにスケールを合わせて注ぐだけ。ボトルを傾けると自動的に通気が始まり、ワインが流れる間にモーターが空気を注入しているのが聞こえてくる。アプリを使う場合は、アプリがエアレーターの接続を誘導してくれる。ディスプレイをアクティブにした状態でデバイスを起動すると、デバイスがスマートフォンのBluetooth範囲内にあればすぐにアプリのデバイスリストに表示される。

Aveineアプリのデータベースにワインが登録されている場合、ラベルの写真を撮ると推奨エアレーション時間が表示され、エアレーターに接続している場合は自動的にその値に設定される。前述したとおり、データベースにない場合はワインに関するいくつかの質問に答えることで、推奨されるエアレーション時間を教えてくれるが、これもデバイスに接続されていれば自動的に設定される。

画像クレジット:Aveine

ここからは性能について。Aveineの提示価格を見ると値段の高さに驚くだろう。筆者も同じ思いを抱いた。しかし、実際にスマートエアレーターを使用してみることでその価値が証明された。どんなワインでも、デキャンタに移して何時間も放置することなく味が格段に良くなるのだ。

科学的なテストとは言えないが、ソーシャルディスタンスを保っての会を通じて、Aveineでエアレーションされた複数のボトルを楽しんだ友人や家族の幅広い層に調査を行ったところ、全員がエアレーションテストの前後で大幅な改善が見られたと感想を述べている。調査した中で少なくとも1人の人物が、その経験をもとにすぐにAveineを購入している。

エアレーションを適正化するために、レベルを調整したり、味の比較テストをしたりと、ちょっとした実験をしなければならないこともあるが、それも楽しみのひとつとなる。

総合評価

エアレーターガジェットは豊富にあり、地元のワインショップで100ドル(約1万円)弱で安く手に入ることも多いが、筆者が初めて試したエアレーターであるAveineは初心者にもプロにもその効果を納得させることができる製品で、その違いは明白だ。高額かもしれないが、その見返りとして得られるのはワイン愛好家の日常を確実に向上させるデバイスであり、あまり関心を持たない層からも新たなワイン愛好家を生み出すことだろう。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:ガジェット レビュー

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(翻訳:Dragonfly)

完成度を高め使い勝手が大幅に向上した折り畳みスマホ「Galaxy Z Fold2 5G」、ただし中途半端感も

完成度が増し使い勝手が大幅に向上した「Galaxy Z Fold2 5G」、ただし中途半端感は残る

KDDIからサムスンの「Galaxy Z Fold2 5G(SCG05)」が発売された。折り畳みスマートフォンとして2世代目として、使い勝手が大幅に向上したGalaxy Z Fold2をチェックしてみた。

画面の大型化で使いやすさアップ

Galaxy Z Fold2は、ディスプレイを内側に折り畳むことで、スマホとタブレットを切り替えられる折り畳みスマートフォン。初代の「Galaxy Fold」に対して、Galaxy Z Fold2は新たにZシリーズの一員として位置づけられた形だ。きちんとシリーズ化したことで、今後も継続してくれることが期待できそうだ。

山型に折り畳むGalaxy Z Fold2

山型に折り畳んだGalaxy Z Fold2

2世代目は、さまざまな点で機能が強化されている。

表の通り、本体サイズはやや大きく重くなっているが、何よりディスプレイが大型化した点がポイントだ。開いてタブレットモードにしたときのディスプレイは7.3インチから7.6インチと微増だが、折りたたんでスマホモードにしたときは4.6インチから6.2インチへと大幅に大型化した。

最大の進化点といってもいいのがこのカバーディスプレイの大型化。スマートフォンとして使いやすくなった

最大の進化点といってもいいのがこのカバーディスプレイの大型化。スマートフォンとして使いやすくなった

折り畳んだ際の細身のスタイルは変わらない。カメラのインパクトが大きくなった

折り畳んだ際の細身のスタイルは変わらない。カメラのインパクトが大きくなった

13.8mm(最厚部16.7mm)と、従来通り厚みはそれなりにある

13.8mm(最厚部16.7mm)と、従来通り厚みはそれなりにある

それまで、本体の中央に小窓のようにあったディスプレイが、本体全体に広がるディスプレイになったので、その差は大きい。スマートフォンとしての完成度というか、ようやく当たり前のサイズになったわけで、閉じた状態でも快適に使えるようになった。

開いてタブレットモードにすると薄型のタブレットになる

開いてタブレットモードにすると薄型のタブレットになる

タブレットモードでのディスプレイは、インカメラがシングルになり、パンチホール型になった点が大きく違う。今までは右上に大きめの切り欠きがあってそこにセンサー類やデュアルカメラを内蔵していたが、シングルカメラのパンチホール型になって、ディスプレイが全体に広がった。パンチホールも完璧な対策ではないものの、それでもタブレットがほぼ全画面になった点は使いやすさの向上につながる。

開けばタブレットとして使える

開けばタブレットとして使える。インカメラがパンチホール型になったので、ディスプレイの全画面感が増した

インカメラがパンチホール型になったので、ディスプレイの全画面感が増した

この全画面感が、使いやすさの向上につながっている

前モデルと変わらず、スマートフォンモードでは一般的なスマートフォンに比べ細身のボディとなる。ディスプレイが全画面となったことで解像度は2260×816ピクセルとなり、アスペクト比は2.77:1という独特の比率となった。前モデルは21:9と、それでもまだ理解できる比率だったが、さすがに細長い。

とはいえ、画面の大きさは正義。その細長さのおかげで、ウェブサイトやSNSなどは快適に閲覧できる。また、分割画面でふたつのアプリを起動しても、それなりに使えるレベルだ。

縦長なので2画面を並べても実用的

縦長なので2画面を並べても実用的(画面写真右)

開いたときの画面は従来と大きく変わらないので、パンチホール型で見やすくはなかったが大きな差はない。3つのアプリを並べて起動する機能も変わらない。右上の切り欠きがなくなったので、より見やすくなった印象だ。

開いたときに3画面表示。テキストなどをドラッグ&ドロップで別アプリに貼り付けることもできる

開いたときに3画面表示。テキストなどをドラッグ&ドロップで別アプリに貼り付けることもできる

画面は従来とあまり変わらずやや柔らかめ。折り畳みディスプレイにより、画面保護が最小限になっているためだろう。ちょっと傷が恐いのは確か。デフォルトでも貼り付けられているが、折り畳みにも対応した画面保護フィルムを別途手に入れて、利用するといいだろう。

ディスプレイの折り畳み角度が、ノートPCのように固定でき便利に

Galaxy Z Fold2のもうひとつのトピックは、折り畳み角度が任意に固定できるようになった点。Galaxy Z Flipで実用化された機能がFoldにも搭載された形だ。

自由な角度で固定できるようになったのは大きなポイント

自由な角度で固定できるようになったのは大きなポイント

Galaxy Z Fold2のもうひとつのトピックといえ、かなり使いやすさが向上している

Galaxy Z Fold2のもうひとつのトピックといえ、かなり使いやすさが向上している

前モデルの場合、閉じた状態でディスプレイを少し開くと、バネの力により半ばまで一気に開いていた。Galaxy Z Fold2はそのままでは一気に開くことはない。バネ仕掛けでなくなった分、わずかに手間が増えるものの、タブレットモードへと開ききらない状態で角度を固定できる。

この結果、ノートPCのように平面においてディスプレイを見るといった使い方ができるようになった。これが意外なほど実用的だ。

カメラの場合、三脚代わりに

折り曲げた状態で自立させた場合、ほとんどのアプリはタブレットモードで起動するが、この際カメラとYouTubeアプリなど一部アプリは特別なUIとなる。カメラの場合、上半分にライブビュー、下半分にシャッターボタンなどのカメラコントロールが表示されるので、平面において固定して撮影するといった三脚代わりの使い方ができる。

固定して撮影するといった使い方も便利

固定して撮影するといった使い方も便利

縦置きしての撮影もいい

縦置きしての撮影もいい

ディスプレイの角度を変えれば、上下方向に構図を変えることもできる。山型に固定されるので、縦置きにして固定してもいい。これも角度を変えれば構図の変更が可能と、意外に柔軟性がある。

コメントを確認しながらのYouTube動画視聴でも役立つ

YouTubeの場合、上半分で動画が再生され、下半分にはコメントなどが表示できる。タブレット表示よりもサイズは小さくなるが、コメントを確認しつつ動画を視聴するといった使い方には便利だ。

キャプチャだと分かりにくいが、YouTubeだと上部に動画、下部にコメントや情報表示になる

キャプチャだと分かりにくいが、YouTubeだと上部が動画、下部はコメントや情報表示になる

Galaxy NoteアプリがノートPCのように使える

他にはGalaxy Noteアプリでは下半分がキーボードになるので、文字通りノートPCのように使える。実用性については少し微妙だが、一部スマートフォンでスライド型のハードウェアキーボードを内蔵した機種もあるが、そんな感じの使い方ができるわけだ。

このあたりは、スマートフォンでもない、タブレットでもない折り畳みスマートフォンの新たな使い方と言えそうだ。

Galaxy Noteアプリでは下半分がキーボードになる

Galaxy Noteアプリでは下半分がキーボードになる

ハイエンドらしくカメラも高機能化

Galaxy Z Fold2では、カメラも高機能化している。Galaxy Note20シリーズと同じ世代という扱いで、背面のミスティックブロンズが共通しているほか、大型のカメラユニットを搭載している点も共通している。

高機能化したカメラ。トリプルカメラで性能もハイエンドらしいものとなったが、ちょっと出っ張りすぎだとは思う。カバーを付けた方がいいだろう

高機能化したカメラ。トリプルカメラで性能もハイエンドらしいものとなったが、ちょっと出っ張りすぎだとは思う。カバーを付けた方がいいだろう

カメラスペックとしてはトリプルカメラで、超広角、広角、望遠の3つを搭載する。画素数としては全て1200万画素なので、Galaxy S20/Note20世代としては高画素センサーがない分、機能は少し劣る。

また、前モデルは超広角カメラが1600万画素だったので、Galaxy Z Fold2では画素数が減ったことになる。ただし、センサーサイズが同じであれば画素数が少ない方が画質面では有利なことが多いので、問題はないだろう。

超広角で撮影。カッチリとした描写で見栄えがする

超広角で撮影。カッチリとした描写で見栄えがする

色のりもよく、シャープネスは強めだが明暗のバランスもいい

色のりもよく、シャープネスは強めだが明暗のバランスもいい

望遠側は倍率が物足りないが、あるのとないのとでは大違いで便利

望遠側は倍率が物足りないが、あるのとないのとでは大違いで便利

ポートレートモードでの背景ボケは一般的な性能という印象

ポートレートモードでの背景ボケは一般的な性能という印象

画質は、サムスンらしい色のりの良さとシャープネスの強さ

画質はサムスンらしい色のりの良さとシャープネスの強さで、カチッとした描写をする。ややわざとらしさもあるスマートフォンらしい描写だが、安定してバランスはいいだろう。手ブレ補正も強力で、三脚代わりに本体を置いて撮影すれば、夜景でも安心して撮影できる。

メインカメラでトリプル、スマートフォンモードでのインカメラ、タブレットモードでのインカメラと、全部で5つのカメラを搭載することも特徴だが、タブレットモードにしてメインカメラで自撮りできるのはGalaxy Z Fold2ならでは。これも角度を固定して自立できるようになったため、メインカメラでの自撮りがしやすくなった。

本体を開いて背面のメインカメラを自分に向ければ、カバーディスプレイをモニターにして高機能なメインカメラでの自撮りができる(写真左)。カメラの右上にある「自分撮り」ボタンをタッチすると開いた状態でカバーディスプレイがモニターになる(写真右)

本体を開いて背面のメインカメラを自分に向ければ、カバーディスプレイをモニターにして高機能なメインカメラでの自撮りが可能(写真左)。カメラの右上にある「自分撮り」ボタンをタッチすると、開いた状態でカバーディスプレイがモニターになる(写真右)

ただ、Galaxy Z Fold2は20万円を超える高額デバイスでもあり、最上位クラスのカメラを搭載して欲しかった面はある。現行だと、Note20 Ultraなどは1億画素を超えるセンサーを搭載しているが、そこまでの機能はない。

中途半端感が残るものの、完成度の高まりと新たな使い方の提案に好感

Galaxy Z Fold2は、スマートフォンとしても、タブレットとしても中途半端感が残る。スマートフォンの横幅を広げて、16:10ぐらいのタブレットになると、もう少し使いやすいようにも感じる。

折り畳みの途中で固定できるようになったことで、自立して、カメラや動画視聴などで便利になったのは見逃せない。新たな使い方ができるようになり、折り畳みスマートフォンが日常的に使えるようになったのはいい。

とはいえ、auでの販売価格は税込25万9980円。2年間の分割払いで端末を返却する場合でも実質負担金は税込15万5940円になる。その価値を見いだせるかどうかは難しい判断だ。使い勝手の向上などにより完成度が増した上、新たな使い方の提案は見られるし、個人的には楽しい端末だと思う。

サムスンはペン搭載スマートフォンのNoteシリーズを、継続して定番化した。同様に、折り畳みスマートフォンもラインナップとして定番化してほしい。「ディスプレイが折り曲がる」ことは重要ではないものの、折り畳んでコンパクトになるというのは、今後も継続してもらいたい。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Samsung / サムスンSamsung Galaxyガジェット折り畳みスマートフォン / フォルダブルスマートフォンレビュー

GoPro Hero9 BlackとZeus Miniを使ってマニュアル運転スキルを改善

Hero9(ヒーロー9)のレビューはすでにたくさんあるので、ちょっと違うことをしたいと思っていた。1970年製のシボレー・シェベルを運転しながら、このGoProの最新機種をテストすることにした。

私は最近、シェベルの自動変速機をTremec Magnum(トレメック・マグナム)の6速マニュアル変速機に交換した。これまで人生で一度も行ったことのないことに挑戦するためだ。つまりレブマッチ(ダウンシフト時に予めエンジンの回転数を合わせること)をやろうということだ。いい換えると、滑らかな乗り心地が欲しかったのだ。そして、私の進歩状況を記録するのに、Hero9で録画する以上に良い方法があるだろうか?

Hero9カメラは、前面スクリーン、取り外し可能なレンズキャップ、ウェブカメラ、ストリーミング機能、Hypersmooth 3.0、最大 30 秒の事前録画可能なHindsightを備えてる。うれしいことに、GoProはZeus Mini(ゼウス・ミニ)を投入した。

この充電式LEDライトは、レベル1の明るさで最大6時間の動作が可能だ。最大200ルーメンの4つのレベルが提供されている。水深10mの防水で、磁気式の360度回転クリップも備えている。緊急信号やパーティー用のストロボモード用意されている。私はビデオプロデューサーとして、いつでも異なるタイプの光源を使用することができる。

クリップのおかげでZeus Miniをすばやく簡単に取りつけることができた。それは私のペダルを上手く照らしてくれた。窓から入ってくる光と釣り合うように、明るさをレベル4に設定した。私はこの照明の有用性に、とても感動したといわざるをえない。それはメディアモジュラーのコールドシューにマウントできるだけでなく、キャンプ時に帽子にクリップしたり、影になっているボンネットの下に光を当てたりすることができる。とても便利だ。

道路をキャプチャするだけでなく、シフト操作を同じフレームの中でとらえるために、Hero9をさまざまな場所に取りつけてみた。ヘッドマウントしたり、胸に装着したりといった具合だ。どちらのカメラも本当にうまくキャプチャできたとはいえないが、胸にマウントしたほうが、頭にマウントしたものよりも間違いなく優れていた。また、同時に競合製品である、DJIのOsmo Action(オズモ・アクション)を第2カメラとしてマウントし、比較のための撮影を行った。

どちらも標準設定のままで撮影を行った。2つを比べると、Hero9は一般的に、Osmoに比べて影の部分のノイズが少なく、鮮やかな色と高コントラストの画質を提供できていた。私は通常後で好みの画質に加工できるように、自動修正されていない画像を撮影できる方が好きだが、今回の場合はGoProが標準的に提供する画像でも特に不満はなかった。

5Kで運転の様子を見ることができることは素晴らしい、排気音を轟音で聞けることも同様に素敵だ。音質は特に低い周波数で、OsmoよりもHero9がはるかに優れている。DJIのカメラには、ハイパスフィルタが組み込まれていたり、オプションであるウインドノイズ軽減機能がオフ(ディフォルト)になっていても、追加のウィンドフィルタリングが組み込まれたりしているように思えた。Hero9にもウインドノイズのフィルタリングをある程度感じられたが、それほど邪魔なものとは感じられなかった。

Hero9で気に入らなかった点は、両方のスクリーンが同時にオンになっていることだ。多くの人々がこの機能を愛していることは知っているし、それが有用な場合もあることはわかっている。だが私は、それらを個別にオフにすることができるようになっているべきだと思う。おそらくモードボタンか何かをダブルタップすることでそれを実現すればよい、こういいたいのは、おわかりのように、バッテリー寿命を気にしているからだ。

バッテリーはHero8から改善されてはいるが、連続記録のためにOsmoと並べて録画を行うと、Osmoがまだ50%前後だったときにHero9のバッテリーは枯渇状態に陥った。

もう1つの不満、ハイパースムースは実際にうまく働きすぎる。後ろから横並びで撮影した映像を見ると、Hero9はカーブで画像を滑らかに保つために左右に画像を振っているが、Osmoは多少の振れはあるものの、ダッシュボード全体をなんとかフレームの中に収めることができている。

どちらのアクションカムにも共通している良い機能は、フロントタッチスクリーンだ。しかし、その機能を追加することは、全体的なサイズをさらに大きくすることを意味する。

自分のレブマッチを5Kで見ることは間違いなく役に立っているし、私が上達するのは時間の問題だ。Hero9は、前の世代から大幅に改善されている。もしすでにHero8を所有していて、正面のスクリーン、5K、あるいは取り外し可能なレンズが不要な場合は、おそらくアップグレードする必要はないだろう。私にとって、Hero9はアクションカムの銀の弾丸ではないが、喜んでコレクションに加えたい1台だ。

Hero9 Blackの価格は399ドル(日本での販売価格は税込4万8800円)だ。

関連記事:GoPro Hero9 Blackは前面スクリーンが大型化しバッテリーと撮影機能も強化、米国ではサブスク利用で3.7万円から

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(翻訳:sako)

スーパーマリオ収録の任天堂「ゲーム&ウオッチ」レビュー、ゲームのストックに最適

任天堂は、これまでの歴史からノスタルジーをベースにした新製品を掘り起こすことを決して止めることはないだろうが、少なくともそれは冷静で時には気前が良いという傾向がある。この「ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ」は初代「スーパーマリオブラザーズ」とその続編である「スーパーマリオブラザーズ2」がプレイでき、実用的ではない時計としても機能するスタンドアローンタイプの携帯ゲーム機だ。

この小さなゲームシステムは、世界で最も実用的なものではないが、魅力的なハードウェアとなっている。

サイドのボタンでゲーム&ウオッチをオンにすると、当然のことながら、ゲームモードとウォッチモードを選択できるようになる。ゲームモードではオリジナルの「スーパーマリオブラザーズ」か米国未発売の「スーパーマリオブラザーズ2」もしくはマリオが加速するボールをジャグリングするゲーム&ウオッチの「ボール」を再現したゲームを選べる。

画像クレジット:Devin Coldewey / TechCrunch

画面は確かに小さいが、明るくシャープで、どうやらオリジナルの任天堂ゲームの正確なピクセル寸法を表示しているようだ。オリジナルのファミコンのコントローラー以外でのゲームプレイに違和感はあるが、コントローラーの反応はよい。ゲーム&ウオッチのボタンは少々柔らかい感じがするが、私自身のスキル不足以外には何の不満もなく最初のコースをクリアすることができた。

セーブや巻き戻しには対応していないが(クリアできない99%の人にとって必須の機能だと思うが)、少なくとも一度でクリアする必要はない。電源を切ったり、他のゲームやモードを切り替えたりすると、ゲームの進行状況はそのままフリーズされる。つまり2、3駅、地下鉄に乗ってプレイしていたとしても、先のプレイが失われ最初から挑戦しなければならないといった心配はない。

画像クレジット:Devin Coldewey / TechCrunch

プレイヤー2も同じコントローラーを使うことになるので、友達と交換しながら(もちろん消毒した後で)プレイできる。

ジャグリングゲームは、ちょっとした気晴らしとしては楽しいが、他の電子ゲームと同じように約60秒の間に、本当に退屈なものから、ほぼ無理なものになってしまう。

画像クレジット:Devin Coldewey / TechCrunch

「ウオッチ」モードでは、現在時刻がレンガで作られた魅力的な小さな風景が表示され、マリオが画面下のgoombas(クリボー)を踏みつけたり、Bullet Bill(キラー)を避けたりしながら走っている。さらにしばらくするとムーンウォークをしたり、パイプを取り付けたりと、ちょっとしたお茶目な仕草を披露してくれる。通常の背景から丘の背景、キノコ型の背景に切り替えることもできる。時計としては使うことはないが、プレイ中にスマホを取り出したくない場合は、それでいい。

50ドル(約5230円、日本では税別4980円)だとちょっと高く感じるかもしれないが、おそらくその価値はある。もし初代から「スーパーマリオブラザーズ3」まで入っていたら、お買い得だと思うだろう。私はきっと楽しく壮大な長さの「3」を楽しみながら進めていくだろう。

しかし実際には、この価格を正当化するのは難しい。もちろん任天堂を愛する友人や愛する人へのプレゼントとしては別だが、だからこそ、「ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ」は今年のホリデーシーズンに飛ぶように売れるのではないかと思う。新しいNintendo Switchのハードウェアもなく、NINTENDO64ミニも、任天堂のプラットフォームに必須のゲームタイトルがないことを考えても、少々ドライに感じるかもしれないが、この「ゲーム&ウオッチ」はレトロ志向のゲーマーの空腹を数日間満たすのに十分、そしてデバイスとしても十分まとも製品だ。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:任天堂レビュー

画像クレジット:Devin Coldewey / TechCrunch

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(翻訳:TechCrunch Japan編集部)

Apple HomePod Miniレビュー、もっと早く登場していたら、小さな躯体で驚くサウンドを楽しめる

HomePod Miniが数年前に登場していたらスマートスピーカーマーケットはかなり違うものになっていたかもしれない、という気がしてならない。見たところこのデバイスはさほど革新的ではないが、Apple(アップル)が約3年前のオリジナルモデルの立ち上げ時とかなり異なるアプローチをとっていることを否定するのは不可能だ。

アップルは、ハードウェアのコストに敏感な企業ではない。「アップル税」というような言葉は何もないところから湧き出しはしない。しかしここ数年で同社は、クリエイティブ系のプロという同社が従来得意としてきた顧客以外のユーザーにアピールしようと、そのアプローチを軟化させてきた。iPhoneやApple Watchでは、エントリーレベルのユーザーに積極的にアピールしてきた。そしてスマートスピーカーでもその路線を踏襲したまでのことだ。

Echo DotとGoogle / Nest  Home miniが、それらを展開している各社にとってよく売れているスマートスピーカーであるという事実を踏まえ、HomePod Miniの発売はほとんど不可避のものだった。そしていま、アップルは世界のスマートスピーカーマーケットの一角を取り込もうとしている。現在はAmazon(アマゾン)とGoogle(グーグル)がそれぞれ40%のシェアを持っている。HomePodにとっては苦戦となるが、Miniはこれまでで最も強いプッシュとなる製品だ。

2018年初めに(遅れて)発売されたHomePodは多機能だった。しかし安いという人は皆無だ。349ドル(約3万6500円)という価格はアマゾンとグーグルの最も高いモデルよりも数百ドル高かった(日本では現在、税別3万2800円)。HomePodはプレミアムデバイスで、まさしくそれが売りだった。音楽は常にアップルの哲学の基礎であり、そしてHomePodはそれを表現する、同社の手抜きなしの製品だった。

画像クレジット:Brian Heater

Matthew(マシュー)は David Foster Wallacesqueの「4行」レビューに「アップルのHomePodは明らかにこれまでで最高のサウンドのスマートスピーカーだ。このクラスのどのスピーカーより、セパレーションやベースのレスポンスが改善され、7年間におよぶアップルの努力に報いるニュアンスと繊細さを備えている」と書いた。

マシューは限定的なSiriの機能を嘆く一方で、「驚くほど多機能で、徹底して感動的だ」とした。概して、HomePodはそうあるべきという点で素晴らしいものに仕上がった。しかし世界で最も売れているスマートスピーカーになる、ということは決してなかった。この価格では無理だ。その代わり、単にスマートアシスタントを利用できるようにするデバイスではなく、全体としてスマートスピーカーはどうあるべきかを業界に示すことになった。したがって、アマゾンとグーグルの直近のプロダクトにおける最大の関心事はサウンドだ。

主にアマゾンとグーグルはよりサウンドにフォーカスするようになり、アップルは価格を気にするようになった。しかし企業がどこかで妥協したといっているのではない。単純に「Apple Echo Dot」という話でもない。HomePod Miniはそれでも多くの点でユニークなアップル製品だ。その価格にしては比較的プレミアムな体験を提供するのにフォーカスしている。

99ドル(日本では税別1万800円)という価格もポイントだ。どちらかというと懐に優しいタイプより、スタンダードのAmazon EchoとGoogle Nestと競合する。Amazon EchoとGoogle Nestはおおよそ半分の値段で、いずれも頻繁に、そしてかなり割引される。実際、それらデバイスのカテゴリーはリーダー不在に近い状態となりそうだ。スマートスピーカーは、スマートアシスタントをユーザーの家庭に送り込むすごく安い方法だ。アップルはそうしたアプローチにさほど関心はないようだ。少なくとも当面はそうだ。アップルはいいスピーカーを売りたいのだ。

HomePod Miniは驚くほどいいスピーカーだ。価格においてだけではなく、サイズ的にもそうなのだ。Miniは新しいEcho Dotとほぼ同じ大きさで、おおよそソフトボール大だ。ただし、この2つのスピーカーのデザインにはいくつかの鍵となる違いがある。まず最初に、アマゾンは完全円球デザインを邪魔しないように、Echoのステータスリングをデバイスの底に移した。一方、アップルは単純にトップ部分を切り落とした。このデザインが何を連想させるか考え、浮かんだのがネットを被せられたリンゴだ。

画像クレジット:Brian Heater

このMiniのデザインは、オリジナルHomePodの流れを汲んでいる。Siriが起動しているときは上部のライトがオーロラの光を放つ。また、タッチ操作できる音量ボタンがあり、表面をタップして音楽の再生・一時停止操作もできる。グーグルやアマゾンのここ数世代のプロダクトで主流だったファブリックスタイルの表面ではなく、MiniはフルサイズのHomePodと同様、オーディオ伝導性のあるメッシュ状の素材で覆われている。

他のスマートスピーカーと異なり、Miniのカラーは白とグレーで、目立たせるというより調和する感じだ。もちろんHomePodよりずいぶん小さいことで、用途をかなり広げている。筆者はアップルが送ってきた2つのMiniの1つを自宅の机に置いて使ってきたが、理想的なサイズだ。硬いプラスティックでできている底にはアップルのロゴが入っている。

Miniには取り外し不可の長いファブリックケーブルがついている。ユーザーがコードを取り外すことができ、必要に応じて交換できればよかったのだが。しかしケーブルの端子はUSB-Cで、かなり便利だ。また20W電源アダプターも付いてくる。AUX端子が搭載されていないのは残念だが、驚くことではない。スタンダードのHomePodにもない。

画像クレジット:Brian Heater

アマゾンは新しいEchoを前向きスピーカーに変更した一方で、アップルは360度サウンドを継続している。どちらを好むかはスピーカーをどこに置くかにもよるが、このモデルはより万能型だ。特に1日中、スピーカーの前に座っているわけではない場合はそうだろう。筆者はこれまでさまざまなスマートスピーカーを使ってきたが、アップルが3.3インチのデバイスで可能にしたサウンドに本当に感激している。

このサイズにしては完全でクリア、そして驚くほどパワフルだ。もちろんステレオペアを作れば、その性能は倍になる。箱から出して、ペアリングするのは簡単だ。2台のデバイスを家の中の同じ部屋でセットアップすると、ペアリングしたいか聞いてくる。その後は、どちらが右チャンネル、あるいは左チャンネルを担当するのかを決める。もし音楽を広範に流したいのなら、それぞれのスピーカーを異なる部屋に配置することでマルチルームオーディオになる。そしてあなたは「Hey SIri、キッチンで音楽を流して」「Hey SIri、あらゆるところで音楽を」などというだけでいい。想像できただろうか。

実際、iPhoneを使ってのセットアップ作業はかなりシンプルだ。AirPodsのペアリングとよく似ている。スピーカーの近くにスマホを置くと、セットアップ作業の間、お馴染みの白いポップアップが部屋の選択や音声認識をオンにするなどの操作を案内する。

Miniは結構大きな音を出す。しかしクリアサウンドと本当に大きな音量を求めているなら、オリジナルのHomePodのような大型の(そして値段の高い)ものを検討することを強くすお勧めする。ただ、クイーンズにある筆者のワンベッドルームの家のリビングにはMiniはバッチリで、部屋のどの角度からも素晴らしい音が聴ける。

スマートアシスタントに関しては、Siriはベーシックなタスクをこなす。アップル独自のエコシステムを使えるようにするいくつかの仕掛けもある。例えばSiriに画像をiPhoneに送るよう頼むと、SiriはBingの結果を使って対応する。ただし、実際のところ、スマートホームアシスタントに関してはアマゾンとグーグルがかなり先に進んでいて、アップルはまだ遅れをとっている。

画像クレジット:Brian Heater

しかしながら、最新の重要な進歩もいくつかある。特に Home / HomeKitに関してだ。直近のiOSアップデートではいくつかのスマートホーム更新があった。14.1ではHomePods用のインターコム機が加わり、14.2では同機能が他のデバイスでも使えるようになった。なので、「Hey SIri、みんなにインターコム。夕食の用意ができた」というと、その言葉がさまざまなデバイスに送られる。この機能はアマゾンとグーグルが提供しているものと似ているが、事前録音されたユーザーの声のスニペットをデバイスに送ることで幅広いアップル製品で使えるようになっている。

このシステムはHomeKit対応のデバイスで使える。AlexaとGoogleアシスタント対応のものに比べるとその数は少ないが、増えつつある。対応するスマートホームデバイスのリストはここでチェックできる。

画像クレジット:Brian Heater

音楽が大音量で流れていても音声認識の音声への反応はかなりいい。Siri以外にもデバイスとやりとりする方法はいくつかある。音楽を再生・一時停止するにはトップ部分を1回タップする。トラックを進めるにはダブルタップ、前のトラックに戻るにはトリプルタップだ。しばらくタッチすることでSiriを起動できる。他のスマートスピーカーと異なり、マイクをオフにする物理的ボタンはない。オフにするようSiriに頼むこともできない。デバイスは「Hey SIri」というトリガーだけを聞いていて、オーディオは保存されない。しかし、さらなる安心感を得るのにスピーカーオフの機能があればいい。

またAirPlay 2を使ってiPhoneから音楽を操作することもできる。これは筆者の好きな方法だ。というのも、筆者は音楽のことになるとややうるさい。音楽操作のためにはAirPlayボタンを押す必要がある。それか、U1チップ(iPhone11以降)を使っているハンドオフ機能を最大限活かすために単にHomePod Miniの近くでiOSデバイスを持つこともできる。これはすてきな小技だ。

しかし、Apple MusicよりもSpotifyに慣れている人間として筆者が少しつまずいたのは、HomePodに音楽を流すように命令すると、1つのストリームとしてすべてのApple Musicリスニングセッションを扱うのではなく、最後に声で再生をリクエストしたものを選ぶようになっていることだ。筆者はこの点では、Spotifyの統一されたクロスデバイスアプローチを好む。

画像クレジット:Brian Heater

とはいえ、iOS 14.2の追加でユーザーの集められたリスリング履歴(アップルのポッドキャストと音楽)を、HomeアプリにあるHomePodを長押ししてアクセスできる1つのストリームに持ってこれる。すると、アルバムやポッドキャストを自動的にスマートスピーカーに送るためにタップできるようになる。

結局、筆者はこの小さなスマートスピーカーとの時間をかなり楽しんだ。前述したように、もしアップルが最初のHomePodとともにMiniを立ち上げていたらどうなっていただろうと考えずにはいられない。アップルがマーケットシェアを独占するには至っていなかっただろうが、Miniはアマゾンとグーグルのリード分を取り込んでいたかもしれない。アップルは、おそらく正しい製品にするために、時間をかけた。それはもちろん理解できることだ。同社はこれまで、急いで商品化に走るタイプの企業では決してなかった。だからこそHomePod Miniは素晴らしいものになっている。

関連記事:2021年のスマートスピーカー市場は21%成長の予想、安価なHomePod miniがアップルの市場拡大に貢献か

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タグ:AppleHomePod miniスマートスピーカーレビュー

画像クレジット:Brian Heater

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(翻訳:Mizoguchi

2台のNew Echoをステレオスピーカーとして運用するのがコスパに優れた選択肢

Amazonは10月22日、スマートスピーカーの第4世代モデル「New Echo」(第4世代Echo)を発売した。価格は税込1万1980円。現在Echoシリーズには多くのラインナップが用意されているが、価格的にも、サイズ的にもNew Echoは主力製品といえるだろう。

Amazon「New Echo」(第4世代)。税込1万1980円

Amazon「New Echo」(第4世代)。税込1万1980円

「ラジカセ」世代の筆者だが、最近は基本的にサブスクリプションの音楽配信サービスを利用しており、オーディオコンポではなくスマートスピーカーで音楽を聴いている。Echoシリーズも複数機種を利用中なので、他モデルとも比較しつつレビューしていこう。

球体デザインに変更してDolbyステレオサウンドに対応

New Echoのサイズは144×144×133mm、重量は940g。第3世代までは円筒形だったが、底面を少し切り落としたような球体デザインに変更された。

上部には3.0インチのウーファー、前面やや左右の位置には0.8インチのツイーターがふたつ内蔵されており、Dolbyステレオサウンドに対応している。

本体前面。本体カラーは、グレーシャーホワイト、チャコール、トワイライトブルーの3色が用意されている

本体前面。本体カラーは、グレーシャーホワイト、チャコール、トワイライトブルーの3色が用意されている

上部の本体奥にアクションボタン、手前にマイクオフボタン、左右にボリュームボタンが配置

上部の本体奥にアクションボタン、手前にマイクオフボタン、左右にボリュームボタンが配置

本体背面下部には電源端子と3.5mmオーディオ入出力端子を用意。3.5mmオーディオ入出力端子の入出力は「Alexa」アプリから切り替える

本体背面下部には電源端子と3.5mmオーディオ入出力端子を用意。3.5mmオーディオ入出力端子の入出力は「Alexa」アプリから切り替える

同梱品は本体、電源アダプタ(30W)、クイックスタートガイドのみ

同梱品は本体、電源アダプタ(30W)、クイックスタートガイドのみ

電源アダプター(30W)の仕様は、入力100-240V~1.0A、出力18.0V/1.67A。電源ケーブルの長さは実測150cm。設置の自由度を考えると200cmはほしいところだ

電源アダプター(30W)の仕様は、入力100-240V~1.0A、出力18.0V/1.67A。電源ケーブルの長さは実測150cm。設置の自由度を考えると200cmはほしいところだ

第3世代Echoは、3.0インチのウーファーと0.8インチのツイーターを内蔵した360度全方向スピーカー(※製品公式サイトから引用)

第3世代Echoは、3.0インチのウーファーと0.8インチのツイーターを内蔵した360度全方向スピーカー(※製品公式サイトから引用)

New Echoは「マグネットビューア」で黒く模様が浮かび上がっている部分に、0.8インチのツイーターが2基内蔵されている

New Echoは「マグネットビューア」で黒く模様が浮かび上がっている部分に、0.8インチのツイーターが2基内蔵されている

底面にはネジ穴(M4)、背面には3.5mmオーディオ入出力端子が用意され、温度センサーを内蔵している点は第3世代と同様。天井やポールなどに取り付けたり、CD/レコード/カセットプレーヤーなどを接続してスピーカーとして利用したりできる以外にも、温度に合わせた定型アクションを設定できる。

またスマートフォンなどからBluetooth経由で接続してNew Echoから音楽を流したり、逆にNew EchoからBluetooth対応スピーカーに接続して音楽を鳴らすことも可能だ。

本体底面中央にはネジ穴(M4)が用意

本体底面中央にはネジ穴(M4)が用意

スチールラックに三脚用アクセサリーを使ってNew Echoを取り付けてみた。音が高い位置から聞こえてくると、商業施設にいるような新鮮な感覚だ。「ダクトレール」(ライティングレール)などがあればもっとスマートに取り付けられる

スチールラックに三脚用アクセサリーを使ってNew Echoを取り付けてみた。音が高い位置から聞こえてくると、商業施設にいるような新鮮な感覚だ。「ダクトレール」(ライティングレール)などがあればもっとスマートに取り付けられる

CDプレーヤーなどを直結してNew Echoから再生可能。オーディオケーブルの準備などの手間はかかるが、ノスタルジックな気分を味わえる

CDプレーヤーなどを直結してNew Echoから再生可能。オーディオケーブルの準備などの手間はかかるが、ノスタルジックな気分を味わえる

New Echoの大きな進化点としては、Amazonが開発した、機械学習の高速化に向けた新型シリコンモジュール「第1世代AZ1ニューラル・エッジ・プロセッサ」を採用している点が挙げられる。Amazonの推論エンジンがこのプロセッサー上で動作し音声認識機能の高速化が図られているが、現時点で対応しているのは米国のみ。日本での早期対応を楽しみに待ちたい。

また、第3世代Echoには搭載されていなかったZigbee対応スマートホームハブ機能も内蔵。第1世代/第2世代「Echo Plus」や「Echo Studio」などと同様に、「アレクサ、デバイスを探して」と話しかけるだけで、Zigbee対応デバイスを簡単に接続できる。

音質はハイレベルだがステレオ感は弱い

New Echoの音質は高いレベルだ。Echo Dotより大きいとはいっても、それでも144×144×133mmと15cmにも満たない直径なのに、高音、中音、低音がバランスよく再生される。また音の解像感も高く、ひとつひとつの音がしっかりと分離して聞き取れる。

残念なのがステレオ感の弱さ。Dolbyステレオサウンドに対応しているのが今回の売りだが、結構近くで、真正面に座らないとステレオ感は感じられない。そして、イヤフォン、ヘッドフォンで音楽を聴き慣れていると、New Echoのベストポジションに座ったとしてもステレオ感に満足できないと思う。明確なステレオ感を味わいたいのであれば、2台購入してステレオスピーカーとして運用することを強くお勧めする。

「デバイス→「+」→オーディオシステムをセットアップ→ステレオペア」と進むと、2台のEchoをステレオスピーカーとして利用できる

「デバイス→「+」→オーディオシステムをセットアップ→ステレオペア」と進むと、2台のEchoをステレオスピーカーとして利用できる

1台のEcho Studioよりも2台のNew Echoのほうがトータルバランスはいい

Amazonは多くのEchoデバイスをラインナップしているが、2台のNew Echoをステレオスピーカーとして運用するのがコストパフォーマンスに優れた選択肢だと思う。もちろん最上位のEcho Studioを2台でステレオスピーカー化するという組み合わせも存在するが、1台のEcho Studioの費用で2台のNew Echoを購入できるのだ。

音に対する要求は人によって異なる。しかし、1台のEcho Studioよりも、2台のNew Echoのほうが、オーディオシステムとしてのトータルバランスがいいというのが、両方を試した筆者の率直な感想だ。

音質自体はもちろんEcho Studioのほうが上だが、ステレオ感を重視するなら2台のNew Echoのサウンドを好ましく思う方も多いはずだ

音質自体はもちろんEcho Studioのほうが上だが、ステレオ感を重視するなら2台のNew Echoのサウンドを好ましく思う方も多いはずだ

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iPhone 12 miniレビュー、小型ながら主要機能に省略がない近年最高のコスパモデル

iPhone 12 miniとiPhone 12 Pro Maxを同時にレビューするなんて、超ハードなエクササイズだ。以前行ったiPhone 12とiPhone 12 Pro(未訳記事)のレビューでは、もっと極端な比較対象がないとミドルクラスモデルの評価は難しいと書いた。

そして今回は、そんな極端な比較対象を調べることになった。2020年、上から下まですべてのモデルを揃えてくれたApple(アップル)に、いまさらのように感心している。これらのスマートフォンはサイズも妥当だし、すっきりとしたデザインで機能も豊富だ。いくつかの小さなものを除けば、人を無理やり上位モデルに誘惑するような露骨なしかけは、価格に関しても機能に関しても存在しない。これまではそれが業界の定石だった。

2020年に発売されるすべてのiPhone 12の中で最も印象的なのは、間違いなくiPhone 12 Pro Maxだろう。その大きなディスプレイと美しい筐体はとても魅力的で、私がこれまで見た中で最高のカメラを搭載している。

しかし私の考えでは、ラインナップの中でiPhone 12 miniが最も魅力的な製品だ。それは、ただ小さなスマートフォンが欲しいという人たちの外で自らを強く主張するダークホース的な存在になっている。

サイズ

iPhone 12 miniはiPhone 12より20%小さく、18%軽くてiPhone 11の約半分のサイズとなっている。これは人の手にぴったり収まるで、ホームボタンがないため、同時に表示できるコンテンツの数も多い。

私は手が大きいためiPhone 12の方が快適だが、それでもうれしいのは、iPhone 12 miniのタイピングが、4.0インチの初代iPhone SEよりもずっと良いことだ。2020年初めに登場した4.7インチの二世代目のSEよりも良い。幅は同じだが背が高いため、筐体は小さいがディスプレイは大きくなった、というSFドラマ「ドクター・フー」に登場するTARDISのトリックのようになっている。これにより絵文字キーボードを切り換えられるし、音声入力ボタンをキー配列の外に置くことができた。そしてリターンキーやスペース、数字キー切り換えなどにもゆとりがある。キーサイズが拡大し、特にスペースバーが大きくなったことでタイピングが楽になった。キーボードスペースのサイズはiPhone 12よりやや小さいが、日常的なタイピングには十分だ。画面表示が似ているiPhone 11と比べても、コンテンツの量もほぼ同じだ。

iPhone 12 miniをPro Maxの上に乗せてみた

レンダリングといえば、iPhone 12 miniではスケールされている。つまり、「本来」の解像度2340×1080を0.96倍で表示する。しかし実際に見てみると、そのスケーリングは気にならない。miniは460ppiのiPhone 12より画面が小さいため解像度は476ppiとなり、スケーリングに気づかなくてもそれほど意外なことではない。アップルは長い間、拡大機能で積分スケールしてきたため、多くの実績がある。人工的な効果やスクロールにそれがあったとしても気づかないし、多くのアプリが正しいバランスであるように見える。しかしさまざまなスクリーンサイズをサポートするアップルのネイティブのフレームワークを利用しない開発者が、自分であれこれいじることはあるだろう。

iPhone 12 miniは、軽量コンパクトという点でも優れている。133gの12 miniは140gのiPhone 4Sよりもやや軽い。iPhone 5は112gなので比べると重たくなる。12 miniはこれらの伝統をすべて共有していながら、もっとしっかりしていて一体感がある。iPhone 12の設計は、初期のデバイスのように複数の素材をサンドウィッチしたものではない。そのため作ったというより、育ったと感じる。

この統一された品質は、わずか1mmの差が重要な小さなデバイスにとって奇跡的なものだ。アップルは手を抜くことなく、その高性能な内部に相応しい筐体、デザインを与えているようだ。しかしながら、iPhone 12 miniのスピーカーとマイクロフォングリルは非対称だ。これには少々がっかりしてしまう。

性能に関して、iPhone 12 miniはすべての点において充実している。熱管理とスケーリング、電力管理のためアップルはプロセッサーにやや手を加えざるを得なかったようだが、ベンチマークを見るとそれらは十分帳消しになっているようだ。実際に使ってみても、iPhone 12 miniとその他のiPhone 12シリーズの違いを感じる機会はゼロだろう。

ついでにいえば、iPhone 12 miniはRAMが4GBでiPhone 12と同様だ。iPhone 12 ProとiPhone 12 Pro Maxは6GBとなっている。私の経験によると、iPhoneのRAMが大きいほど良い最大の理由は、バックグラウンドにおけるタブの廃棄が少なくなること(キャッシュを多用できる)だ。仕事でブラウザを酷使する人は、その点を考慮しておこう。

写真を撮る者にとって、iPhone 12 miniは基本的にiPhone 12と変わらない。「miniにはない」というものはない。素晴らしいカメラだ、といえばそれで終わりだ。世界最高のスマートフォンカメラだが、望遠レンズはない。

iPhoneをカメラ中心で使う人がiPhone 12でなくiPhone 12 Proを選ぶ最も明確な理由が望遠レンズの有無だろう。iPhone 12にも望遠レンズはない。望遠レンズがないことで、後悔する人もいるかもしれない。また12 ProにはLiDARセンサーも搭載し、その違いは大きい。

私のiPhone 12 Proのレビューから引用すると、どのモデルを購入するかその選択方法は、Macの「写真」でスマートアルバムを作ったり、メタデータが読めるツールで「望遠レンズで撮影」を指定して写真をソートすることだ。昨年撮った中でそんな写真が多ければ、望遠の撮れない人生が果たして楽しいか、すぐにわかる。

私の場合は、iPhone 11 Proで撮った写真の約19%が、望遠で撮ったものだ。そのほぼ30%がポートレート(縦長)なので、私の写真はおよそ5枚に1枚がそのかっちりとしたフレームで撮ってることになる。望遠を使うのであれば、周囲のトリミングを最初からもっと正確に行いたいし、近いものは長い焦点距離でできる圧縮をもっとかけたい。

4K / 60fpsの動画はできないが、この超小さいデバイスで4K / 30fpsのDolby Visionの動画を撮影できるのはすごい。これは一般的なユーザーがiPhone 12 miniに期待するものを超えている。

アップルによると、iPhone 12 miniのバッテリーは4.7インチの現行iPhone SEよりも長いという。私が試しても確かに長いし、楽に1日はもつ。iPhone 12と比べても、miniは数パーセント上だろう。今回、バッテリーに関してキングであるiPhone 11と比べる時間的余裕はなかったが、ハードウェア的に見ても、王座の奪回は無理かもしれない。なにしろminiは小さい。搭載するバッテリーパックも小さく、プロセッサーを大幅に減速していることもありえない。iPhone 12 miniは20WのMagSafe充電器で12Wで充電する。小さいから15Wは必要ないし、それでも充電のスピードは大きなiPhone 12と変わらず発熱量も少ない。発熱は小さな筐体ではいつも問題になる。

iPhone 12 mini用のレザースリーブを試すこともできた。まぁ良くできたスマートな製品だが、ポジティブな意味で私向きではない。常にiPhoneを使っているため、いちいちケースから出し入れするようなゆとりがない。もしそれをやったら、無駄なエクササイズになるだろう。しかしケースを必ず使う人にとっては、アップルが革製品でも優秀な技術を蓄積していることがわかる機会になると思う。巧妙な留め金も含めて、全体にとてもすっきりしている。手触りも良い。

またレザースリーブには、アップルのMagSafe充電器を使うとOLEDに時刻を表示する窓も開いている。周辺光センサーのためのスペースもある。時刻表示も、なかなか利口だ。明るい背景色はスリーブのレザーの色とマッチしている。そのために使っているNFCのトリックは、シリコン製ケースが、iPhoneを置いた場所と同じ色のリングを表示するときと同じだ。時刻表示は数秒に1度ずつ二段階でフェードインするが、周辺光センサーがポケットの中でないことを知り、A14内のモーションコプロセッサーが動きを感知すると点灯する。

そのため、ちょっと持ち上げただけで時刻がわかる。また、時刻のウィンドウをタップしてカラーがマッチした時刻表示を見ることもできる。

そしてこのスリーブには、クレジットカードやIDカード用と思われるカードスロットがケースの口のところに隠れている。これも私向きではないが、小さなケースに、目に触れないものも含めて大量の仕かけを盛り込んだのはすごいことだ。今後発売されるであろうより高度なMagSafeアクセサリーのお手本かもしれない。

結論

iPhone 12 / 12 Proのレビューには、私が個人的なデバイスを選ぶときのワークフローを述べた。

  • コンパクトで出しゃばらない形状
  • お金が許すかぎり良いカメラ

そして以下が、現時点における私の結論となる。

iPhone 12 Proは、iPhone 12 Pro Maxでカメラに関してはトップの存在になった。アップルがこれまでに開発してきた中で、最大・最良のセンサーを搭載している。本体サイズも最大だ。そんなiPhone 12が、小型バージョンのiPhone 12 miniで精密にクローンされている。上に挙げたシンプルなワークフローに照らし合わせれば、どれか1つが、私がテストしたiPhone 12、12 Proのどちらよりも、12 Pro Maxか12 miniを選んだ方がいい。最良の妥協点を探るならiPhone 12 Proだ。Pro Maxではない。

現在、12 Pro Maxと12 miniの両方が手元にあるので、私の考えは変わっていないといえるが、ラインナップの定義に関しては少し変わっている。

iPhone 12 miniは、iPhone 12の機能面で大きな妥協がないため、私はこれらを「小さいながらも、大きく使える2つの画面サイズを持つ1つのデバイス」と見なしている。こんなことをいうと馬鹿にされることは百も承知だが、私はこれをminiをかなり使い込んだ後にいっているのだ。決め手になったのは、タイピングの感覚だ。

iPhone 12 miniは、アップルの2020年ラインナップにおいて断然コスパが良い。iPhone 12のパワーと最新技術をすべて備えており、ないのはiPhone 12 Proの望遠レンズと60fps / 4Kの動画撮影、そしてiPhone 12 ProとMaxの新しいセンサーだけだ。これらの機能を追加すると300〜400ドル(約3万1500〜4万2000円)のコストがさらにかかることになる。

iPhone 12にするかiPhone 12 miniにするかを選択する決定的な要素は何だろうか。人間工学的に小さなディスプレイが必要な人なら、中心的な機能に妥協のないデバイス(12 mini)がある。では、それほど小柄でもない人にとって決定要因は何だろう?

それは、こんな意思決定フローになるだろう。

  • iPhoneが唯一のカメラで、頻繁に写真を撮る人ならiPhone 12 Pro
  • iPhoneを使っているフォトグラファーで、画像のプリントや編集をいつも大量にする人な、iPhone 12 Pro Max
  • 上のどちらでもないがiPhoneが唯一のモバイルコンピューティングデバイスならiPhone 12
  • コンピューティングにはノートパソコンやiPadを携帯し使っているが、その他にもiPhoneを常に持ってる人ならmini

ワークフローの方がわかりやすい、という人がいるかもしれない。

2020年はiPhoneのラインナップにとって最良の年の1つだ。主要な選択要素はカメラと画面サイズだけであるためシンプルでわかりやすいし、パワーや主要な機能で大きな妥協をしていない。どれも、機能が完全に揃ったデバイスで、大から小まですべて良くできている。

このようなサイズを軸とする系列化は、今後カメラの技術が向上しして、上のワークフローのカメラ部分が当てはまらなくなるまで、ずっと続いて欲しい。それまでiPhone 12 miniはアップルが作り上げた最良の「小型」iPhoneであり、しかも妥協の少ない製品であり続けるだろう。

関連記事:iPhone 12 Pro Maxレビュー、プレミアムモデルには扱い難さを乗り越える価値がある

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タグ:AppleiPhoneレビュー

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

iPhone 12 Pro Maxレビュー、プレミアムモデルには扱い難さを乗り越える価値がある

iPhone 12 Pro Max は、おそらく新しいiPhone 12モデル(未訳記事)の中で最も簡単にレビューできる製品だ。それは巨大で、本当に素晴らしいカメラを備えている。真の最高ではないとしても、おそらくスマートフォンが採用してきたものの中では最高のカメラの1つだ。すでにiPhone「Max」や「Plus」モデルを使ったことのある人にとっては、考えるまでもない。手に入れよう、それは素晴らしい製品だ。今年Apple(アップル)が提供すべきものがすべて備わっていて、しかもiPhone 11 Pro Max よりも少々薄型だったりするのだ。

まだMaxやPlusを使用したことがない、その他大勢の「サイズ拡大候補者」に対して、このレビューがお答えしたいのはたった1つの疑問への答えだ。Pro Maxが提供するカメラとスクリーンサイズとそしておそらくはバッテリー寿命の改善は、スリムとはいえグラマラスなボディがもたらす人間工学上の取り回しの課題に見合うものなのだろうか?

答えは?もちろん見合うものだ。ただし、それは特定の条件でのみ成り立つ。詳しく見ていこう。

仕上がり

ここでは、iPhone 12 Pro Maxのパフォーマンスに多くの時間を費やすつもりはなく、機能ごとに詳しく説明することもしない。iPhone 12とiPhone 12 Proに関するレビューは既にこちらに(未訳記事)掲載してあり、また米国時間11月9日はiPhone 12 mini(未訳記事)についてのレビューも掲載した。ラインナップ全体の概要はそれらでチェックしてもらうことが可能だ。

この記事では、特にiPhone 12 Pro Maxと残りのラインナップとの違いに焦点を当てていく。アップルは今回、iPhone 8以来訪れていない場所に私たちを引き戻したので、この説明のやり方は理に適っていると思う。

残りのラインナップは滑らかに連続した選択肢を提供しているが、iPhone 12 Pro Maxは、iPhone 12 Proから何人かの人々を引き上げることができるようなユニークで抜きん出た特徴を取り込んでいる。

大きいサイズは、アップルがiPhone 12 Proを宝石のように見せるために行ったすべての作業を、一層引き立たせている。エッジはゴールド仕上げのスチール製で、ラミネート加工されたクリアで霜の降りたような背面には、カメラの周りのゴールドのアクセントリングや、光沢のあるロゴがあしらわれている。すべてが高級そうな雰囲気に溢れている。

おそらく読者の中には、通常はSymbian(シンビアン)やAndroid(アンドロイド)スマートフォンなどが安価に仕上げてしまう部分を「昇格」させようと上質な素材を使用した、Vertu(ヴァーチュ)のような超高級電話市場があったことを記憶している人もいるだろう。一般庶民の「上」に自らを位置づけるスーパーリッチ層のためのヴェブレン財(金持ちがみせびらかすために購入する物品)を生み出すためには、レザー、ゴールド、クリスタル、ダイヤモンドさえもが利用される。だが、アップルの材料科学実験と実現のレベルは非常に高く、他の誰からも、たとえ「手作業」によるものだとしても、この種の純粋で豪華な表現のレベルを家電品として得ることはできない。

公平にいって、Vertuや他のメーカーが死んだのは、アップルが金(きん)をうまく扱えたからではない。宝石をちりばめたその製品に、命を吹き込むためのソフトウェアがなかったので死に至ったのだ。しかしアップルは、彼らが早くに成し遂げていたものよりも、より良いものを成し遂げた。

これは素晴らしい作品であり、前述のように同じサイズの画面を持つ以前のMaxモデルよりも薄く、ほぼ同じ幅(0.3mm広い)だ。だが、私の意見では、今年の美しい直角のエッジは、このサイズの携帯電話を手に持つことを難しくしている。基本的にこれは、小さいモデルとは逆の効果だ。まあこのサイズの携帯電話の場合、誰でもケースを使うと思うので、これはおそらく杞憂かもしれない、だが指摘しておく価値はある。

iPhone 8以来日常的には使っていない、大きなiPhoneに対する私の印象は変わっていない。それらは両手で操作するためのデバイスで、タブレットもしくは場合によってはノートPCの代わりに使うようなものなのだ。携帯電話に生活のあれこれを頼ろうとするなら、ブラウザーと愉快なビデオチャットと余裕のあるキーボードのためのエリアを、一度に確保できる巨大な画面を欲しいと思うことは理に適っている。

相違点

この獣に手を出すかどうかという話をしているのだから、異なる点はひと通り挙げておくほうが親切だろう。もうしそうしなければ、iPhone 12 Proとあまり変わらないのではないかと思うかもしれない。

スクリーン:iPhone 12 Pro Maxの6.7インチスクリーンは、458ppiの解像度で2778×1284の大きさだ。それはiPhone 12 Proの460ppiとほぼ同じだが、わずかに低い解像度だ。ということで、これは違いではあるが、とるに足らない違いである。もちろん画面のサイズや、大きくなったエリアを活用するアップルやサードパーティのアプリにとっては有利なところだ。

パフォーマンス:CPUとGPUに関していえば、iPhone 12 Pro Maxは期待通りに動作する。これはiPhone 12 Proとまったく同じといえる。ボード上には12 Proと同じく6GBのRAMが搭載されている。バッテリーのパフォーマンスは私のiPhone 11 Pro Maxテストに匹敵するものだった。典型的な1日の利用には十分だが、長い移動をする日にはおそらく充電の必要があるだろう。

超広角カメラ:12 Proとまったく同じだ。ソフトウェアの修正とナイトモードの追加により、iPhone 11 Proよりも大幅に改善されたが、iPhone 12 Proのラインナップ全体では同じだ。

望遠カメラ:これはちょっと説明が難しい。なぜならこれはiPhone12 Proと同じセンサーを使っているのだが、新しいレンズ部品を使っているために結果として2.5倍(65mm相当)のズームを実現しているのだ。つまり、キャプチャ品質は同じなのだが、被写体から同じ距離、離れた状態で、よりタイトなフレーミングを実現することができる。望遠のヘビーユーザーとしては(私が昨年iPhone 11 Proで撮影した写真の3割以上が望遠を使ったものだ)、こうして手に入った調整幅とより高い倍率はとても気に入っている。

フレーミング調整はポートレートで特に効果を発揮する。

もちろん遠くの被写体でも重宝する。

どちらかといえば密かに望遠カメラに導入された更新もある(ウェブサイト上ではこれを見つけることはできなかったが、それが本当であることは検証した)。この望遠レンズは、iPhone 12の全ラインナップの広角レンズ以外では 、新しい光学手ブレ補正アップグレードを得た唯一のレンズなのだ。これは毎秒5000回のマイクロ調整を行い、低照度または日陰で画像を安定させることができる。それが利用しているのは標準的なレンズスタイルの手ブレ補正で、広角レンズで使用されている新しいセンサーシフトOISではないのだが、それでもiPhone 11 Proが行える補正量の5倍を行うことが可能で、iPhone 12 Proの補正量も上回っている。

その結果は、手持ちの屋内スナップの、上の写真で見ることができる。よりタイトなフレーミングに違いは別として、追加の手ブレ補正によって、ベースとなるセンサーが同一であっても、より細かいディテールをともなう鮮明なショットが得られている。広角に比べれば比較的小さな改善だが、望遠のヘビーユーザーであるならば、言及する価値があり、愛する価値がある。

広角カメラ:iPhone 12 Pro Maxの違いの大部分がここにある。これは、iPhoneがこれまでに撮影できていたものの限界を押し広げる、まったく新しいカメラなのだ。実際には3つの大きな変更が行われている。

  • 新しいF値1.6のカメラ。大きな口径とは、シンプルにより多くの光を入れられるより大きな穴を意味する。
  • 1.7ミクロンのピクセルを持つより大きなセンサー(ピクセルが大きいほど、光の収集力と色の再現力が向上する)。大きなセンサーほどより高品質の画像を意味する。
  • レンズではなくセンサーを安定化させるまったく新しいセンサーシフトOISシステム。これはいくつかの理由で有利だ。センサーはレンズよりも軽量で、より高速かつ高精度に移動、停止、始動が可能なため、調整をより迅速に行うことができる。

センサーシフトOISシステムは新しいものではなく、実際には2003年にミノルタDimage A1(ディマージュA1)で試験的に導入された (Twitter投稿)。しかし、ほとんどの携帯電話のカメラは、レンズシフト技術を採用してきた。なぜなら、それは非常に一般的で、非常に安価で、実装が容易だからだ。


上記3つのすべてが連携して、極めて素晴らしいイメージング結果をもたらす。またそれは、iPhone 12 Pro Maxのカメラの出っ張りを少し高いものにしている。その高さは、アップルがそれ

をカバーするために、実際に追加の出っ張りを付け加えたほどだ。私は、この追加された厚みは、センサーと新しいOISメカニズムを収容するために大きくする必要があった広角レンズ部品に直接由来しているのだと考えている。アップルは1つのカメラだけが他のカメラよりも大きく突き出すことは望まないだろう。

iPhone 12 Pro Maxは、この広角レンズで可能になった広いISOレンジを誇っている。ISO34〜7616のどこでも選ぶことができる。これにより、iPhone 12 Proよりもはるかに確実に、広い絞りと高速シャッタースピードで気軽なショットを撮影することができる。これが気にならない人もいるはずだし、何を撮影するかによって、得られなくてもよい利点だ。しかし、子供がいる人や、理想には満たない条件で動く被写体を撮影する人にとっては、それは大きく気になる点だ。これは、適切な状況下で、ピントがぴしりと合って人に見せられるか、駄目なものになるかの命運を分けるかもしれない。

ここに示したのはナイトモードのサンプルだが、その中でも明るさとシャープネスの改善を見てとることができる。アップルは、このレンズを使うことで集光能力が87%向上すると主張しているが、適切な条件下ではその主張がはっきりと裏付けられる。暗闇に近い環境の中で、一眼レフのような画像を撮影しようとすることはないと思うが(ナイトモードには限界があり、 非常に暗い場所では印象派的なものになる傾向がある)、アップルがこうしたものの改良を続けていったときには、いつかは必ずそのレベルに達するだろうということは予想することができる。

iPhone 12 Pro Maxからの広角ショットは、iPhone 12 Proよりも若干良いシャープネス、低いノイズ、より良い色の再現性を示し、iPhone 11 Proからははるかに改善されている。明るい条件下では、2つのiPhone 12 Proモデルの違い識別するのは難しいが、よく目を凝らせば、兆候を見て取ることができる。明るい日陰で手持ち撮影をしたときの、より良い手ブレ補正や、暗い場所でのノイズレベルの低さ、そして細部のシャープネスのわずかな改善などだ。

IPhone 12 Proでもすでに2019年のモデルに比べて印象的な結果を提供しているが、iPhone 12 Pro Maxはさらに飛び抜けている。これはアップルが画像に関して、一世代のうちに達成した最も素晴らしい改善だ。iPhone 7 Plusとアップルのブレンデッドカメラアレイのビジョンは先を見たものだったが、それでも画質はその年の小さなモデルと大きく異なってはいなかった。

2020年の跳躍はとても大きなものだ。このカメラがラインナップの下位にも展開していくのを待ちきれない。

LiDAR(ライダー):私はまだ本格的にLiDARの利点について言及していないが、iPhone 12 Proのレビューで詳細に行ったので(未訳記事)、ここでそれを引用しよう。

LiDARは、iPhone 12 ProとiPhone 12 Pro Max限定の機能だ。低照度状況下でのオートフォーカスのロックインを高速化し、ナイトモードショットの広角レンズでポートレートモードを可能にする。

まず、低照度下のオートフォーカスがめちゃくちゃ速くなる。上の画像は、それを実現するために、目に見えないところで何が起こっているかを示したものだ。LiDARアレイは、アクティブな赤外線ライトのグリッドを使用してシーンを常にスキャンし、カメラが焦点を合わせるために使うことができる、深度およびシーン情報を生成することができる。

実際に、普通ならフォーカスをロックすることが非常に困難な暗い場所でも、カメラがすばやく焦点を合わせてくれる。LiDARアシストの低照度ポートレートモードは非常に印象的だが、広角レンズのみで動作する。つまり、ポートレートを撮影しようとする際に、暗すぎる場合には、ズームアウトを求める表示が画面に示される。

これらのナイトモードのポートレートは、iPhone 11の標準的なポートレートモードよりも明らかに見栄えが優れている。なぜなら11では望遠で撮影する必要があるため、より小さくて暗い絞りになるからだ。また11は、被写体を背景から切り離すのに役立つ、より明るいセンサーやLiDARの恩恵を受けることもない。そうした切り離しをRGBセンサーだけで低照度下で行うことは極めて難しい。

注意点として、このLiDAR機能は、アップルのニューラルエンジンとともに使うときには、5m未満の距離ならうまく働いて、低照度ポートレートを生み出すことができるということだ。それ以上では、光が減衰するため、あまり使い物にはならない。

iPhone 12 Pro Maxを使った明るい状態でのポートレートモードのショットの場合には、LiDARではなく、主に光学的にレンズを介して入ってくる情報に依存する。もし十分な光があれば、ほとんどの場合Lidarは必要とされないということだ。

購入機種決定ワークフロー

この先、私のiPhone 12 ProとiPhone 12miniのレビューからいくつかの文章をコピーしてくることにする。なぜならそれらのアドバイスはどのデバイスにも適用できるからだ。以上ご注意を。

私のiPhone 12/12 Proレビューでは(未訳記事)、私の個人的なデバイスを選択するための選択条件を書き出している。

  • 最もコンパクトで目立たない形状であること。
  • 手の届く値段で最高のカメラであること。

そして、以下がそのときに下した結論だ。

iPhone 12 Proはカメラの点で、iPhone 12 Pro Maxには負けている。Pro Maxはアップルがこれまで作った最大で最高のセンサーを備えているからだ(まあそのために大きさも最大に近いのだが)。iPhone 12はiPhone 12 miniの中に、正確に再現されている。私の単純な意思決定マトリックスは、私がテストしたモデルのうちで、どれが良い選択肢かを示したものだ。目標が、(iPhone 12とiPhone 12 Proの)2つの間の最良の妥協点を見つけることになった場合には、iPhone 12 Proがオススメだ。

さらにPro Maxとminiを使うことができたので、読者のための改めてささやかな決定フローを作ることが可能になった。

まだ決心を固めていないなら、私は次の2種類の人にiPhone 12 Pro Maxをお勧めしたい。スマートフォン時代絶対最高のカメラ品質を望む人と、他のデバイスではなく、多くの仕事を携帯電話上で行う人だ。Max版iPhoneに移行するには、人間工学的観点で支払わなければならない明確な「手数料」が存在している。いくつかの操作には単純に両手が必要で、片手での操作できいても不安定なものになる。

もちろん、すでにMaxカルトに自己洗脳されている場合には、この新しい製品はiPhone 11 Pro Maxからジャンプして手に入れる価値があるかどうかが疑問だろう。手短にいうならば、おそらくノーだ。それは素晴らしいものだが、写真撮影業をやっていない限り、真にぶっちぎりで優れているというわけでもない。古いものでも楽しめる。それはよくできていて、装備も満載だが、お値段も別格だ。だがストレージのアップグレードはかつてないほど安価で、なによりも本当に美しい。

さらに、iPhone 12 Pro Maxに新しい広角カメラが追加されたことで、これはアップルがこれまでに作った最高のカメラシステムとなり、おそらくこれまでで最高のサブコンパクトカメラが生み出されたのだ。わかってる、わかってる。これはかなり強い断定だ。しかしiPhoneはスマートフォンの世界ではクラス最高であり、アップルがやっているようなブレンデッドシステムやコンピュータビジョンのようなものをやっているカメラ会社は地球上に存在しないので、そうした断定も裏付けられるのではないだろうか。より大きなセンサーを持つコンパクトカメラならば、低照度状況ではまだiPhoneの撮影能力をまだ凌駕(りょうが)しているものの、アップルの機械学習に基づくブレンデッドシステムは時間とともに進化していく。

もし「手数料」を支払えるなら、これは価値あるアップデートだ。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:AppleiPhoneレビュー

画像クレジット:GettyImages

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(翻訳:sako)

確かに便利だ、しかし高価で少々期待外れなアップルの新充電器「MagSafeデュアル充電パッド」

Apple(アップル)の新しいMagSafeデュアル充電パッドを試すことができた。これは折りたたみ式のデュアルトラベルチャージャーで、MagSafeを使ったiPhoneと、従来のマグネットチャージャーを利用するApple Watchの両方を充電することができる。

もちろん、宣伝どおりに充電できる。MagSafeのiPhone側にiPhoneを置けば、内部の磁石が適切に位置を合わせてくれる。Apple Watch側は充電器部分がポップアップされるので、クローズドループのバンドでも簡単に使うことができる。また簡単に折りたためるので持ち運びやすく、一方を使わないときも後ろに折りたたむこともできる。MagSafeデュアル充電パッドは確かに使える。

しかしこの折りたためることが、もやもやを感じる原因でもある。このMagSafeデュアル充電パッドは129ドル(日本では税別1万4800円)で販売されるが、70ドル(約7350円)の商品であるように感じるということをご理解いただきたい。電源アダプターが付属しない充電器だとわかったら、40ドル(約4200円)であっても私は驚かないだろう。この充電器にはLighting to USB-Cケーブルが同梱されている。つまり、本製品はユーザーがUSB-Cケーブル対応充電器を持っていることを前提としているが、この充電器はまだ一般的ではないと私は思う。MagSafeデュアル充電パッドにはLightingポートがあるが、ここにはLightning充電ケーブルを挿して使うことができる。

ヒンジと筐体は、プレス成型されたようなソフトタッチゴムでコーティングされている。​ヒンジは正常に動くが、グラグラしておりすぐにシワになる。ゴムは十分に厚く、すぐに破れてしまう印象はないが、信頼性は低い。ヒンジは安価なものであり、アップル製品ではなく価格重視のサードパーティ製アクセサリーのもののようだ。

全体がプレス成形されているため、本体の外周にはこのようなラインが存在する。シールが貼られているが、よく見るとラミネートの層も見える。傷やほつれ、曲げ、汚れの対策になっているようだが、バッグの中に入れるものとしては決して素晴らしいものではない。

白というカラーも良い選択ではない。私の持っているものはすでに薄汚れてしまい、外に持っていけなくなっている。

​充電は十分速く、デバイスはしっかりとロックされる。​Apple Watchの充電部分は、滑らかな小さなクロームのヒンジで最も高級感がある。​MagSafe充電パッドとApple Watchの充電器は、アップルによくある表面処理加工が施されたアルミニウム製だ。​Apple WatchとiPhoneを同時に20Wの電源アダプタで充電できるかどうかはテストできなかった。その結果は今後、更新する予定だ。

​しかし残念ながら、先にAirPowerが大々的に紹介されたが最終的には消滅してしまったことを考えると、全体的には少々期待外れだ。アップルは​、AirPowerを実現させようとしていたときからずっとこの製品を計画していたのかもしれないが、この充電器にまでたどり着いた物語の最後は、実にフワフワフワフワという悲しいトロンボーンの音色のようだ。

MagSafeデュアル充電パッドは確かに機能するし、エンジニアリングにおいて明るい点もいくつかある。​しかし129ドル(日本では税別1万4800円)の充電器と必要な19ドルの20Wの電源アダプタを購入する時点でそれだけの価値があると感じることはないだろう。ほぼ同様の機能を持つサードパーティー製アクセサリーも販売されている。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:AppleMagSafeレビュー

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(翻訳:TechCrunch Japan)

価格8万円のRyzen 3 4300Uノートの実力は?「ASUS VivoBook Flip 14 TM420IA」レビュー

価格8万円のRyzen 3 4300Uノートの実力は?「ASUS VivoBook Flip 14 TM420IA」レビューASUS JAPANの「VivoBook Flip 14 TM420IA」は14インチのフルHDディスプレイを搭載する2in1ノートPCだ。最大の特徴は、AMDの第3世代Ryzenモバイルプロセッサーを搭載している点。Ryzen 3 4300U搭載の最安モデル「TM420IA-EC163T」は実売8~9万円程度と手頃な値段でありながら、APU性能は1世代前のCore i7 Uシリーズに相当する。上位のRyzen 7 4700Uであれば、さらに高い性能を期待していいだろう。コストパフォーマンスに優れるミドルレンジクラスの2in1だ。

ASUS JAPANの14インチ2in1ノートPC「VivoBook Flip 14 TM420IA」。AMDの第3世代Ryzenモバイルプロセッサーを搭載

ASUS JAPANの14インチ2in1ノートPC「VivoBook Flip 14 TM420IA」。AMDの第3世代Ryzenモバイルプロセッサーを搭載

下位のRyzen 3と上位Ryzen 7のみに対応。Ryzen 5モデルが存在しないのはなぜか?

VivoBook Flip 14 TM420IAのラインナップは、Ryzen 3 4300U搭載の下位モデル(TM420IA-EC163T)、Ryzen 7 4700U搭載+WPS Office Standard Editionのモデル(TM420IA-EC147T)、そしてRyzen 7 4700U搭載でMicrosoft Office Home & Business 2019が付属するオフィス付きモデル(TM420IA-EC147TS)の3種類だ。

Ryzen 3モデルはOSがWindows 10 Home SモードでUWPアプリ(ストアアプリ)しか利用できないが、Sモードを解除すれば一般的なデスクトップアプリも利用できる。Sモードの解除は無料で行なえるので、利用用途に応じて対応していただきたい。

  • Microsoft Office H&B搭載モデル:AMD Ryzen 7 4700U+Radeon Graphics、8GBメモリー、512GB SSD。Microsoft Office Home and Business 2019。型番TM420IA-EC147TS。直販価格税抜11万8000円
  • Ryzen 7+WPS Office 搭載モデル:AMD Ryzen 7 4700U+Radeon Graphics、8GBメモリー、512GB SSD。WPS Office Standard Edition。型番TM420IA-EC147T。直販価格税抜9万9819円
  • Ryzen 3搭載モデル:AMD Ryzen 3 4300U+Radeon Graphics、8GBメモリー、256GB SSD。型番TM420IA-EC163T。直販価格税抜8万728円
今回試用したRyzen 3 4300U搭載の下位モデルは、OSがWindows 10 Home Sモード。そのままではUWPアプリしか利用できないが、Sモードを解除すれば一般的なデスクトップアプリを利用できる

今回試用したRyzen 3 4300U搭載の下位モデルは、OSがWindows 10 Home Sモード。そのままではUWPアプリしか利用できないが、Sモードを解除すれば一般的なデスクトップアプリを利用できる

個人的に興味深いのは、第3世代Ryzenモバイルの中でも特に人気の高いRyzen 5 4500Uが使われていない点だ。単にAPUの供給不足から採用を見送った可能性もあるものの、筆者としては他社製品との兼ね合いによるものではないかと考えている。

あくまでも憶測に過ぎないが、同じRyzen搭載の14インチ2in1で異様に安い某社製品とのバッティングを避けたのではないだろうか。VivoBook Flip 14 TM420IAは、競合しないRyzen 3+8GBメモリーの組み合わせを選び、マイクロソフトへのライセンス料金が安いSモードを採用することで、他社製品にはないコスパの高さを実現している。下位モデルとはいえ、パフォーマンス的には十分高性能なので、まずはこのモデルから検討するといいだろう。

コンパクトかつ落ち着きのあるデザイン

VivoBook Flip 14 TM420IAの外観は、落ち着きのあるスマートな印象だ。ディスプレイの開閉が多く高い強度が必要な2in1タイプであるため多少厚みを設ける一方、野暮ったさをなくしスッキリとまとめている。仕上がり部分ではハイエンドクラスほどの高級感はないものの、この辺りは値段の手頃さとのバランスをどうとらえるかだろう。

ミドルレンジクラスの2in1としては標準的な仕上がりで、ビジネスシーンやプライベートでも違和感なく使えるに違いない。本体のフットプリントは幅324×奥行き220mmで、A4サイズ(幅297×奥行き210mm)よりコンパクトなため、取り回しやすい点もうれしい。

本体カラーはビスポークブラック。「ビスポーク」(bespoke)とは「あつらえた」や「特製の」というニュアンスのファッション用語。実際の色合いは濃いメタリックな紺色という印象だ

本体カラーはビスポークブラック。「ビスポーク」(bespoke)とは「あつらえた」や「特製の」というニュアンスのファッション用語。実際の色合いは濃いメタリックな紺色という印象だ

高い強度が求められる天板は、剛性に優れるアルミ素材製。質感は高いが指紋が目立つ

高い強度が求められる天板は、剛性に優れるアルミ素材製。質感は高いが指紋が目立つ

パームレストと底面カバーは樹脂製。Enterキーのみサイドが蛍光イエローで塗られている

パームレストと底面カバーは樹脂製。Enterキーのみサイドが蛍光イエローで塗られている

ベゼル幅は左右7.5mmで上部12.3mm、下部22.5mm。上下がやや太いのはディスプレイフレームの強度を確保するため

ベゼル幅は左右7.5mmで上部12.3mm、下部22.5mm。上下がやや太いのはディスプレイフレームの強度を確保するため

フットプリントは幅324×奥行き220mm。A4サイズ(幅297×奥行き210mm)よりもひと回り強大きい程度で、14型としてはコンパクトだ

フットプリントは幅324×奥行き220mm。A4サイズ(幅297×奥行き210mm)よりもひと回り強大きい程度で、14型としてはコンパクト

高さは公称値で18.2mm、実測で17.9mm。ゴム足を含めた設置時の高さは19.6mm。フットプリントが小さいぶん、設置時にはそれなりの厚みを感じる

高さは公称値で18.2mm、実測で17.9mm。ゴム足を含めた設置時の高さは19.6mm。フットプリントが小さいぶん、設置時にはそれなりの厚みを感じる

重量は公称値で1.55kg、実測で1.568kg。電源アダプターを含めると実測1.714kg。14型としてはやや重いが2in1なのである程度の重さは仕方がない

重量は公称値で1.55kg、実測で1.568kg。電源アダプターを含めると実測1.714kg。14型としてはやや重いが2in1なのである程度の重さは仕方がない

14インチのフルHDディスプレイはやや暗いながらも自然な色合い

ディスプレイは14インチで、解像度は1920×1080ピクセルのフルHD。タッチ操作と別売りの「ASUSPen」によるペン入力に対応している。安いIPSパネルでは赤みが弱いのだが、VivoBook Flip 14 TM420IAでは色のバランスに違和感がない。ただしコントラストがやや低く、画面が暗い印象を受けた。とはいえ、普通に作業するぶんには問題なく使えるだろう。

画面サイズは14インチで解像度は1920×1080ピクセル。スケーリングは150%で、デスクトップの文字がやや大きく表示される

画面サイズは14インチで解像度は1920×1080ピクセル。スケーリングは150%で、デスクトップの文字がやや大きく表示される

映像は自然な色合い。エントリー~ミドルレンジノートPCで見られる赤みの弱さが感じられない一方、ややコントラストが低い

映像は自然な色合い。エントリー~ミドルレンジノートPCで見られる赤みの弱さが感じられない一方、ややコントラストが低い

画面がやや暗く感じるものの、作業や映像の視聴には支障のないレベルだ

画面がやや暗く感じられるものの、作業や映像の視聴には支障のないレベル

キーボードはストロークが浅く、軽いタッチで入力する人向き

キーボードはバックライトなしの日本語配列で、テンキーは搭載していない。キーピッチは実測18.6~18.8mmで、一般的なキーボードの標準値である19mmよりもわずかに狭いが違和感はなかった。配列はいい意味で標準的。強いていうなら左のCtrlキーがやや小さく感じる程度だ。

キーストロークは平均1.2mmと若干浅い。普段から軽いタッチで入力する人なら違和感なく使える反面、押し込むようにしてタイプする人には物足りなく感じるだろう。打ち下ろすように入力するとタイプ音がパチパチと響くので、軽い力でのタイピングを心がけたい。

キーボードはテンキーなしの日本語配列。バックライトには非対応

キーボードはテンキーなしの日本語配列。バックライトには非対応

蛍光イエローで縁取られたEnterキーがやや大きめ

蛍光イエローで縁取られたEnterキーがやや大きめ

ディスプレイを開くとキーボードが傾くリフトアップ機構を採用。手首を自然な角度にキープしたまま作業できる

ディスプレイを開くとキーボードが傾くリフトアップ機構を採用。手首を自然な角度にキープしたまま作業できる

キーを押した瞬間に固めのクリック感があり、軽いタッチでもタイプ音がカクカクと聞こえる。ストロークも浅いので、軽いタッチで入力する人向きだ

キーを押した瞬間に固めのクリック感があり、軽いタッチでもタイプ音がカクカクと聞こえる。ストロークも浅いので、軽いタッチで入力する人向きだ

据え置き利用でもしっかり使えるインターフェース構成と各種機能

USB端子は合計3ポートで、うち1ポートがType-Cだ。Type-CはUSB PDによる給電や映像出力には非対応で、データ通信のみにしか利用できないのは残念。映像出力はHDMI端子のみで、メモリーカードスロットはmicroSDに対応。あとはヘッドホン端子や盗難防止用のセキュリティースロットなどに対応している。端子類の数と種類は多くないものの、PCとして普通に使える構成だ。

生体認証機能は指紋センサーのみ。スピーカーは比較的高音質で、ビデオ会議には問題なく利用できる。PCとしてしっかり使える機能を備えているといっていいだろう。

左側面は盗難防止用のセキュリティスロットとUSB 2.0

左側面は盗難防止用のセキュリティスロットとUSB 2.0

右側面は電源ボタン、microSDカードスロット、ヘッドホン端子、USB 3.1 Gen2 Type-C、USB 3.1 Gen2、HDMI、電源コネクター

右側面は電源ボタン、microSDカードスロット、ヘッドホン端子、USB 3.1 Gen2 Type-C、USB 3.1 Gen2、HDMI、電源コネクター

タッチパッド右上に指紋センサー

タッチパッド右上に指紋センサー

ディスプレイ上部には92万画素ウェブカメラ

ディスプレイ上部には92万画素ウェブカメラ

スピーカーはサウンドの解像感が高く、シャカシャカとした高音域のノイズが少ない。ノートPCとしては高音質で、ビデオ会議は音声通話はもちろんライトな音楽鑑賞にも向いている

スピーカーはサウンドの解像感が高く、シャカシャカとした高音域のノイズが少ない。ノートPCとしては高音質で、ビデオ会議は音声通話はもちろんライトな音楽鑑賞にも向いている

Ryzen 3 4300U搭載モデルながら、ハイエンドクラスのパフォーマンス

ここからはVivoBook Flip 14 TM420IA Ryzen 3モデルのベンチマーク結果を交えながらパフォーマンスを解説しよう。なおOSがUWPアプリのみ利用可能なWindows 10 Home Sモードであるため、通常のレビューとは一部評価方法が異なる点をあらかじめご了承いただきたい。

CPU性能を計測するCINEBENCH R20では、第10世代Core i5/i7を上回るスコア

CPU性能を計測するCINEBENCH R20では、ノートPC向けCPUとしては優秀な結果となった。試用機で使われているRyzen 3 4300Uは、第3世代Ryzenモバイル4000シリーズにおいてエントリー向けの位置づけながら、第10世代のCore i5やCore i7を上回るスコアが出ている。第11世代のCore i7-1165G7には及ばなかったものの、Ryzen 7 4700U搭載の上位モデルであれば易々と上回るだろう。

CPUの処理性能を計測する「CINEBENCH R20」の結果

CPUの処理性能を計測する「CINEBENCH R20」の結果

スタンダード/モバイルノートPC向けCPUとの性能比較

スタンダード/モバイルノートPC向けCPUとの性能比較

ゲームやプロクリエイター向けソフトは厳しい

グラフィックス機能としては、APU内蔵のRadeon Graphicsが使われる。内蔵タイプのため外付けGPU(ディスクリートGPU)ほどではないものの、インテル系CPU内蔵のUHD / Iris Plusよりも高性能だ。ゲーム内のベンチマーク機能を試したところ、解像度と画質をグッと下げればなんとかプレーできるレベルだった。上位のRyzen 7 4700U搭載モデルであれば多少は改善されるはずだが、それでもゲームやプロクリエイター向けソフトを快適に扱えるほどではないだろう。

レースゲーム「Forza Horizon 4」のベンチマーク結果。1280×720ピクセル最低画質で平均67.2FPSであれば、そこそこ快適にプレーできる

レースゲーム「Forza Horizon 4」のベンチマーク結果。1280×720ピクセル最低画質で平均67.2FPSであれば、そこそこ快適にプレーできる

1920×1080ピクセルの最低画質では平均41.4FPSという結果に。シーンによっては多少のカクつきがあるが、プレーできないレベルではない

1920×1080ピクセルの最低画質では平均41.4FPSという結果に。シーンによっては多少のカクつきがあるが、プレーできないレベルではない

256GB SSDのアクセス速度計測は、公称値に近い結果

VivoBook Flip 14 TM420IA Ryzen 3モデルのストレージは、256GBもしくは512GBのNVMe SSDだ。試用機で使われていた256GB SSDはSK hynixのBC501で、公称スペックではシーケンシャルリードが1600MB/秒、シーケンシャルライトが780MB/秒。アクセス速度計測では公称値に近い結果が出ているので、サーマルスロットリングは発生していないと考えていいはずだ。

256GB SSDのアクセス速度

256GB SSDのアクセス速度

YouTubeの1080p動画を連続再生し、バッテリー駆動時間を計測

バッテリー駆動時間についてはYouTubeの1080p動画を電源オプション「最も高いパフォーマンス」で連続再生し続けたときの駆動時間を計測したところ、6時間ちょうどでバッテリー切れとなった。ネットにアクセスし続ける重めのテストなので駆動時間はやや短めだが、実際の作業では丸1日使うは十分持つと思われる。

コストパフォーマンスの高い2in1ノートPC

2in1ノートPCは利用シーンに合わせてさまざまなスタイルに変形できるという点で便利だ。プライベートでの利用はもちろんのこと、最近は相手に画面を見せながらプレゼンできるPCとしてビジネスシーンでも人気が高い。

性能が高いモデルは価格もそこそこ高めだが、コスパに優れるRyzenを搭載したVivoBook Flip 14 TM420IAならインテル製CPU搭載機種よりも安価な上に高性能だ。2in1ノートPCの導入を検討している方は、ぜひこの機会にVivoBook Flip 14 TM420IAを検討していただきたい。

価格はミドルレンジでも性能はハイエンドクラスのVivoBook Flip 14 TM420IA

価格はミドルレンジでも性能はハイエンドクラスのVivoBook Flip 14 TM420IA

ASUS VivoBook Flip 14 TM420IA

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カテゴリー: ハードウェア
タグ: ASUS(企業)AMD(企業)ガジェット(用語)Ryzen Mobile 4000(製品・サービス)レビュー(用語)

外はサクサク中はふんわり、トーストの味を上げるRevolution Cookingのスマートトースター、ただし約3万円とお高め

この10年間で数々のスマートなホームガジェットが生まれ、私たちがどれだけ家電にスマートさを求めているかが明らかになった。しかし、こと料理に関しては古いやり方のほうがよい場合が多く、スマート機能は物事をかえって複雑にするだけだったりする。そこに見事なバランスを持ち込んだのが、新登場のRevolution Cooking(レボリューション・クッキング)のR180 High-Speed Smart Toaster(ハイスピード・スマートトースター)だ。価格は299.99ドル(約3万1000円)。正真正銘、テクノロジーによって便利になった家電だ。トースターに必要のない、例えばインターネット接続などの機能は一切省かれている。

概要

Revolution Cooking R180で最もわかりやすい機能は、大きなよく目立つタッチスクリーンだろう。ボタンやスイッチなど、通常の機械的操作はこの画面で行うことになる。また、トーストの状況も画像で示される。まさにこれは、R180をスマートトースターたらしめる一面だろう。しかし同社のInstaGo(インスタゴー)加熱テクノロジーこそが、むしろ最大の差別化ポイントとして取り上げるべきものと考える。

基本的な形状は、ベーグルやハンバーガー用のバンズもゆったり入る広口のスロットを2つ備えたトースターだ。ベーグル、食パン、イングリッシュマフィン、ワッフル、トースターペストリー(Pop-Tartsなどのトーストして食べるお菓子)のモード選択が可能。設定できる加熱モードは、Fresh(生)、Frozen(冷凍)、Reheat(温め)の3つ。焦がし具合は7段階に調整できる。

使っていないときは、スクリーンに時計を表示させておくことができ、ときどきパン屑のトレイを掃除して空にするようにとリマインダーも現れる。

デザインと性能

画像クレジット:Darrell Etherington

R180の工業デザインは、奇抜でも過度に未来的でもなく良好だ。基本的にヘアライン仕上げのステンレス製直方体で、傾斜したクローム仕上げの正面パネルにタッチスクリーンが配されている。キッチンカウンターの上でも間違いなく見栄えが良く、タッチスクリーンの傾斜は立ったまま使うときでも表示がよく見えて、タッチ操作がしやすい。カウンターが混み合っている場合でも、比較的コンパクトなのであまり場所をとらない。

タッチスクリーンの表示は大きくて明るい。静電容量式タッチセンサーを採用しているので、入力に対してとても反応がいい。このインターフェイスで優れた点は、デジタルではあるがシンプルにまとめられているところだ。必要なものがすべて画面の中に収められている。標準的な歯車アイコンで設定が開く。ここには普段は必要ない時刻合わせや、スリープ時に表示される時計のアナログとデジタルの切り替えといった項目が格納されているので、画面がすっきり整理される。

使い方は簡単だ。インターネットの接続設定もアプリのインストールも必要ない。コンセントに電源プラグを差し込むだけで起動し、パンの種類、焦がし具合、加熱モードの設定が画面に現れる。焼きたいパンの種類を表示されるイラストで選択して指でタッチするか、左右にスクロールさせて別のパンを選ぶ。3つの加熱モードから1つ選び、色で示される焦がし具合から、自分の好みにいちばん近いものを選ぶ(ここでの選択に合わせて、すでに設定したパンの画像がアップデートされる)。そしてStart(スタート)ボタンをタップすれば、後は放っておいて忙しい朝のレースを開始できる。

画像クレジット:Darrell Etherington

これはまさにレースだ。Revolutionのこのトースターは最速クラス。同社の宣伝文句からはもっと早く焼けそうな期待があったが、それでも普通のトースターより早いことは疑いない。もう1つの目玉が、Revolutionが謳っている焼け具合の品質だ。パサパサにならずに、焼き上がりの味が向上すると約束している。冷凍パンをこんがり焼くという難しい設定においてもだ。

実をいうと、送ってもらったトースターを初めて試したとき、そうしたRevolutionの主張のことはよくわかっていなかった。しかし、私も私のパートナーも、R180で焼けばどんなパンでもパサパサにならないことにすぐに気がついた。普段使っているブレビルのトースターとまったく違う。ふっくらしていながら、トーストされた部分は黄金色でサクサクだ。意外に聞こえるかも知れないが、Revolutionの主張は実証された。スマートトースターは、トーストの味を良くする。

結論

2枚焼きトースターに300ドル(約3万1000円)というのは、いくらなんでも贅沢すぎると感じられるだろう。たしかに、そのとおりだ。しかし、スマートではない高級トースターも、すでに家電製品の予算の上限を押し上げている。Revolutionの優位性を謳う中の最大の主張は外はサクサク、中はふわふわでパサパサにならないという点だ。そこはしっかりやってくれる。タッチスクリーンのせいで価格が吊り上がっているのはほぼ間違いないだろうが、それによって望みどおりの焼き加減を設定できるハッキリとわかりやすいインターフェイスが実現している。しかも使っていないときは、カウンターの上の置き時計としていい感じに見える。

まとめるなら、Revolutionのスマートトースターは、ほどよくスマートだということ。スマート家電として求められる場所でスマートさを発揮する。ただし、自分がどれだけトーストにこだわっているかを、じっくりとよくよく考えるべき価格ではある。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:スマート家電レビュー

画像クレジット:Darrell Etherington

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(翻訳:金井哲夫)

Galaxy Note20 Ultra 5GはApple Pencil&iPadユーザーにこそぜひ1度試してほしい

auはスタイラスペンを内蔵するサムスン製6.9型Androidスマホ「Galaxy Note20 Ultra 5G SCG06」(Note20 Ultra)を10月15日に発売した。さらにサムスンは、折り畳みディスプレイを採用した「Galaxy Z Fold2 5G SCG05」、「Galaxy Z Flip 5G SCG04」の2モデルも11月4日にリリース済みだ。

スタイルの異なる複数のフラッグシップ級端末を市場に投入しており、スマホ世界シェア1位のサムスンならではの布陣といえるだろう。

今回、Galaxy Note20 Ultra 5G SCG06を個人的に購入したので、その実機レビューをお届けしよう。

au「Galaxy Note20 Ultra 5G SCG06」税込15万9830円

au「Galaxy Note20 Ultra 5G SCG06」税込15万9830円

処理性能はトップクラス、カメラは「Galaxy S20 Ultra」のほうが上

Note20 UltraはOSに「Android 10」、SoCに「Qualcomm Snapdragon 865 Plus」を採用。メモリー(RAM)は12GB、ストレージ(ROM)は256GBを搭載し、最大1TBのmicroSDXCメモリーカードを装着可能だ。

ディスプレイは「ダイナミックAMOLED 2X Infinity-O Display」と名づけられており、解像度はQuad HD+(3088×1440ドット)、ピーク輝度は1500cd/m2、色域はDCI-P3カバー率100%、リフレッシュレートは120Hzを実現している。ゲーミングスマホ顔負けだ。

ディスプレイは最大2mの高さからの落下に耐える新ゴリラガラス「Corning Gorilla Glass Victus」でカバーされている

ディスプレイは最大2mの高さからの落下に耐える新ゴリラガラス「Corning Gorilla Glass Victus」でカバーされている

背面(アウト)カメラは超広角(1200万画素、F2.2、1.4μm、120度)、広角(1億800万画素、F1.8、0.8μm、79度、OIS)、望遠(1200万画素、F3.0、1.0μm、20度)。また前面(イン)カメラは「1000万画素、F2.2、1.22μm」という構成。「Galaxy S20 Ultra」とカメラの構成が似ているが、Galaxy S20 Ultraは望遠が4800万画素、インが4000万画素で、アウトに深度測位カメラが装備されている。同じ「Ultra」なのだから、カメラスペックは同等であってほしかった。

通信機能は5G(Sub6/ミリ波)/4G LTE/WiMAX 2+、Wi-Fi 6(11ax)、Bluetooth 5.0をサポート。ちなみに、Galaxy Z Fold2 5G SCG05とGalaxy Z Flip 5G SCG04はミリ波には対応していない。

本体サイズは約165×77×8.1~10.8mm、重量は約208g。4500mAhのバッテリーを内蔵しており、連続通話時間は約1790分、連続待受時間は約430時間。防水IPX5/IPX8および防塵IP6Xで、最大水深1.5mで約30分間端末を保護するとうたわれている。

「Galaxy S20 Ultra 5G SCG03」はおサイフケータイ非対応だが、Note20 Ultraはサポート。またワイヤレス充電に対応し、ほかのデバイスを充電することも可能だ

「Galaxy S20 Ultra 5G SCG03」はおサイフケータイ非対応だが、Note20 Ultraはサポート。またワイヤレス充電に対応し、ほかのデバイスを充電することも可能だ

本体上面にはSIMカード/microSDメモリーカードトレイ、本体下面にはUSB Type-C端子とSペン用のスロットがある

本体上面にはSIMカード/microSDメモリーカードトレイ、本体下面にはUSB Type-C端子とSペン用のスロットがある

本体右側面にはボリュームボタンと電源ボタンが配置されている

本体右側面にはボリュームボタンと電源ボタンが配置されている

  • プロセッサー(SoC):Qualcomm Snapdragon 865 Plus 5G Mobile Platform
  • ディスプレイ:6.9インチ Dynamic AMOLED 2X Infinity-O(有機EL)、DCI-P3カバー率100%、最大1500nit、リフレッシュレート120Hz可変、Corning Gorilla Glass Victus
  • 最大解像度:Quad HD+(3088×1440ドット)
  • 背面カメラ(アウトカメラ):超広角:約1200万画素(F2.2)、広角:約1億800万画素(F1.8、OIS)、望遠:約1200万画素(F3.0)
  • 前面カメラ(インカメラ):1000万画素(F2.2)
  • 通信機能:5G(sub6/mmWave)、4G LTE、WiMAX2+、Wi-Fi 6(11ax)、Bluetooth 5.0
  • サイズ/重量:高さ165×幅77×厚さ8.1(最厚部10.8)mm、重量208g
  • 連続通話時間:約1790分
  • 連続待受時間:約430時間
  • 防水・防塵:防水IPX5/IPX8、防塵IP6X
  • OS:Android 10

SペンはタブレットPCや2in1 PCを含めても最高レベルの書き味

Note20 Ultra最大の売りであるSペンの使い心地は、タブレットPCや2in1 PCなどを含めても最高レベルだ。9ミリ秒のレイテンシー(遅延)、4096段階の筆圧検知などのスペックだけでなく、ペン先の摩擦感が絶妙。繊細な描線も操れるペン先に仕上げられている。

書き味は軟らかいが滑りがいい。不満はペン先を交換できないことぐらいだが、「Sペン SC03P」はau Online Shopや家電量販店で税込み2970円で購入可能だ

書き味は軟らかいが滑りがいい。不満はペン先を交換できないことぐらいだが、「Sペン SC03P」はau Online Shopや家電量販店で税込み2970円で購入可能だ

前モデルと比較したわけではないものの、手書きメモのテキストデータ化の精度は非常に高い。筆者はかなりの悪筆だが、それでも正確に認識してくれた。手書きメモは手軽な反面、あとでデータ化するのが面倒。Note20 Ultraなら、もうちょっと崩して書いても手直しは最小限で済みそうだ。

このようにかなりはしょった文字でも正確に認識してくれる

このようにかなりはしょった文字でも正確に認識してくれる

現時点のAndroidスマホの中でトップクラスの処理性能

Note20 Ultraは、Androidスマホ用としては最新のSoC「Qualcomm Snapdragon 865 Plus」を搭載しており、定番ベンチマーク「AnTuTu Benchmark」の総合スコアは「607562」を記録した。

記事執筆時点のAnTuTu Benchmarkのランキングでは「ROG Phone 3」が「642671」でトップ。Galaxy Note20 Ultra 5G SCG06は4位となった。とはいえ、現時点のAndroidスマホの中でトップクラスの処理性能を備えていることは間違いない。

定番ベンチマーク「AnTuTu Benchmark」の総合スコアは「607562」。CPU/GPUベンチマーク「Geekbench 5」のMulti-Core Scoreは「3284」。3Dベンチマーク「3DMark」のSling Shot Extreme - OpenGL ES 3.1のスコアは「7595」

定番ベンチマーク「AnTuTu Benchmark」の総合スコアは「607562」。CPU/GPUベンチマーク「Geekbench 5」のMulti-Core Scoreは「3284」。3Dベンチマーク「3DMark」のSling Shot Extreme – OpenGL ES 3.1のスコアは「7595」

ただ、これだけの処理性能を備え、120Hz対応ディスプレイを搭載しているのに、「PUBG MOBILE」で「90fps」の選択肢が表示されなかった。どうやらアプリ側がまだ対応していないようだ。メジャーなゲームで端末本来の性能が発揮できるように、サムスン側から各ゲームメーカーに働きかけてほしいところだ。

デフォルトのリフレッシュレートは60Hzだが、「設定→ディスプレイ→動きの滑らかさ」で「最適化(120Hz)」を選択できる

デフォルトのリフレッシュレートは60Hzだが、「設定→ディスプレイ→動きの滑らかさ」で「最適化(120Hz)」を選択できる

PUBG MOBILEでクオリティを「スムーズ」に下げても、フレーム設定に「90fps」の項目が表示されなかった(10月29日時点)

PUBG MOBILEでクオリティを「スムーズ」に下げても、フレーム設定に「90fps」の項目が表示されなかった(10月29日時点)

5Gの通信速度についてはさいたま新都心で計測を実施してみたが、「さいたまスーパーアリーナ」前の広場で下り744.23Mbps、上り94.13Mbpsを記録した。通信速度は大満足だが、現時点ではあまりにもエリアが限定的すぎる。急ピッチでエリアが拡大されることを強く望みたい。

早朝に計測したら下り744.23Mbps、上り94.13Mbpsという通信速度を記録したが、時間帯によってどのように変化するのか、別の端末のレビューの際に試してみたいと思う

早朝に計測したら下り744.23Mbps、上り94.13Mbpsという通信速度を記録したが、時間帯によってどのように変化するのか、別の端末のレビューの際に試してみたいと思う

一部スペックが落とされていてもカメラ画質はハイレベル

Note20 Ultraは、Galaxy S20 Ultraよりカメラスペックは一部低いものの、実際に使ってみるとほとんど気にならなかった。50倍デジタルズームはスペック競争のための倍率で、光学5倍の望遠カメラを搭載しているからこそ、10倍デジタルズームで実用レベルの画質が実現されている。

ほかのハイエンドスマホと比べると色を誇張しすぎているきらいはあるものの、オートで撮って映える画になるのだから歓迎する方のほうが多いはずだ。

超広角カメラで撮影

超広角カメラで撮影

広角カメラで撮影

広角カメラで撮影

望遠カメラ(光学5倍)で撮影

望遠カメラ(光学5倍)で撮影

望遠カメラ(10倍デジタルズーム)で撮影

望遠カメラ(10倍デジタルズーム)で撮影

望遠カメラ(50倍デジタルズーム)で撮影

望遠カメラ(50倍デジタルズーム)で撮影

広角カメラで撮影

広角カメラで撮影

Galaxy Note20 Ultra 5G SCG06というより、Galaxyシリーズのハイエンドモデル共通の長所として特筆しておきたいのが夜景モードの画質。白飛びを強力に抑え、明るく点灯している看板や外灯も綺麗に撮影できる。夜景モードは実際の光景を改変していると嫌う方もいるかもしれないが、忠実さはプロモードで追求できる。各種モードは手軽さにこそ価値があると筆者は考える。

広角カメラ(ナイトモード)で撮影

広角カメラ(ナイトモード)で撮影

Apple PencilとiPadが手放せなくなっている方にこそ、ぜひ試してほしい端末

今回の記事はハードウェア面を中心にレビューしたが、Note20 Ultra最大のアドバンテージはソフトウェア面。サムスンは、日本では2012年4月に発売した初代「GALAXY Note SC-05D」からペン内蔵スマホのノウハウを蓄積しており、ペンを抜けばすぐ一番新しいページにメモできる「画面オフメモ」など、紙のメモ帳を超える使い勝手を実現していると思う。Galaxy Note20 Ultra 5G SCG06は、Apple PencilとiPadの組み合わせが手放せなくなっている方にこそ、ぜひ1度試してほしいAndroidスマホだ。Galaxy Note20 Ultra 5G SCG06

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Samsung / サムスンSamsung Galaxyガジェットスマートフォンレビュー

9万円超のtCentric Hybridはアーロンチェアに代わる確かなワークチェア

まずいわせて欲しい。アーロンチェアはいい。でも完璧じゃない。その理由を話そう。

ergoCentric(エルゴセントリック)のtCentric Hybrid(ティーセントリック・ハイブリッド)の価格は900ドル(約9万3000円)〜。働きづめの人たちに、本物の座り心地とサポートを提供する。自由自在な調整レバー、ノブ、オプションがある。アクセサリーや付属品は山ほど揃っている。私がいま座っているものには、オプションのヘッドレストが付いているが、机に向かったまま家族にバレることなく何時間も居眠りができる心地よさがある。

造りは岩石のように頑丈だ。しっかりしていて重厚で、工業的な美しさがある。ランバーサポートはゆったりとしていて、クッションも、中年の私の背中を支えるには十分に入っている(でも多すぎることがない!)。誤解しないで欲しいのだが、これはくつろぐためのチェアではない。オフィスチェアなのだ。だけどやっぱり心地いい。

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このHybridチェアには、欲しいオプションがすべて揃っている。どの部分も調整可能で、ランバーサポートには空気を出し入れしてちょうどいい形状にできる機構もある。肘かけも自在に調整でき、あり得ない位置に合わせることも可能だ。肘かけは自由を得た。

私はおよそ2カ月前にこの試用品を借りてたのだが、以来、ハーマンミラーのアーロンチェアを脇にどかして、これを使っている。tCentric Hybridのほうが好きかって?そうともいえない。私にすれば、ほとんど同じだ。ただし、アーロンチェアと同じレベルに調整できるようになるまでには1週間ほどかかった。

私が試しているこのチェアには、いくつかの付属品が装着されていて、それがとてもよくできている。メーカーには、このチェアのオプションが何十種類も用意されている。もっと高くしたい?それなら大きめのリフトを注文すればいい。脚が長い?それなら長めのシートに交換できる。クッションの選択肢も幅広い。おわかりいただけるだろうか。

このチェアは、カナダのオンタリオ州ミシサガのergoCentricで作られている。同社は米国市場を目指して販路を南下させている。ergoCentricはサードパーティーの販売業者から購入できるが、同社の販売チャンネルを通じて直接買うことも可能だ。

Hybrid Mesh Backは900ドルからだが、問題はそこだ。みんなが憧れるハーマンミラーのアーロンチェアと同価格帯なのだ。2カ月間、このチェアを使ってきたが、アーロンに戻りたいと切望する気持ちはない。2カ月経って、私はこれを快適な作業用の玉座として認め、当面使い続けたいと思っている。アーロンチェアに対抗するチェアは数多く出回っているが、私が見てきた中では、tCentric Hybridは、その造りの質の高さからも最高だといえる。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:ergoCentricリモートワークレビュー

画像クレジット:Matt Burns

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(翻訳:金井哲夫)

ChromebookでWindows 10が動く「Parallels Desktop for Chromebook Enterprise」レビュー

Chromebook(クロームブック)上でWindowsを利用可能にする「Parallels Desktop for Chromebook Enterprise」を最新のChromebook上で実際に試用できたので、使い勝手を中心にレビューしよう。Chromebook版Parallelsの概要、登場した背景などについては、「Chromebook上でWindowsが動くParallels Desktop for Chromebook Enterpriseが登場」を参照して欲しい。

セットアップからWindowsの起動まで

前述の記事でも述べたように、Chromebook用のParallelsは一般的なChrome OS用のアプリとは様々な面で違いがある。アプリの動作形態がChrome OSの拡張機能ではなく、いわばChromeブラウザと同様のネイティブ動作である点がひとつ。もうひとつ重要なのは、Chrome Enterprise環境でのみ動作するアプリであるということ。

もう少し具体的にいえば、新しいデバイスまたは中身をクリアしたデバイスを用意して、エンタープライズ環境用にエンロールする必要がある(「Chromeデバイスの登録」参照)。

こうしてエンロールしたデバイスは、「マネージド」状態となり、Chrome OS上で利用できるアプリも、エンタープライズのアドミニストレーターによって設定できるようになる。Parallels Desktopのような特別なアプリは、エンロールの過程で自動的にインストールされる。Parallelsは、一般的なChromeアプリのように、ユーザーが「Google Workspace Marketplace」や、Chromeウェブストアなどからダウンロードしてインストールするわけにはいかない。

いったんParallels Desktopを含む環境にエンロールすると、他の通常アプリと同様に「Parallels Desktop」をChromeのランチャーから選択して起動できる。ただし、Parallels Desktop本体には、仮想マシンが含まれていない。最初に起動した際に自動的にダウンロードしてインストールすることで、管理者があらかじめ設定した仮想マシンを利用できるようになる。ChromebookでWindows 10が動く「Parallels Desktop for Chromebook Enterprise」レビュー

仮想マシンの中身やサイズは、もちろん実際にエンタープライズ環境で利用するものに依存するが、現在のテスト用環境の場合、英語版のWindows 10にOfficeなどいくつかのアプリケーションをインストールした状態となっており、16.4GBのサイズがある。

仮想マシンのインストールが終われば、そのまま通常のWindowsを起動できる。Parallelsの場合、仮想環境上のWindowsと、ホストとなるOS(この場合はもちろんChrome OS)との間の連携動作を可能にするため「Parallels Tools」というドライバー / アプリケーションのインストールが必要となる。Mac版のParallelsのユーザーなら目にしたことがあるだろう。このツールのインストールも自動的に完了する。
ChromebookでWindows 10が動く「Parallels Desktop for Chromebook Enterprise」レビュー

Chrome OS固有のツールバーや、常に表示されるウィンドウ操作用ボタンのバーが難点

Windowsは、基本的にChrome OSの1つのウィンドウの中で動作する。Chrome OSの機能としてウィンドウをフルスクリーンにすることも可能だが、現状ではその場合でもChrome OSの仕様に従って、アプリ(Parallels Desktop)固有のツールバーと、ウィンドウ操作のボタンが並ぶバーが上部に表示される。このため、Windowsのデスクトップ領域が上から圧迫されてそれなりの面積を消費してしまう。

画面の底辺にあるChrome OSのシェルフは、自動的に隠すよう設定することで画面から消すことができる。なんとか上辺の2本のバーも非表示にしてWindowsのデスクトップだけで純粋にフルスクリーンで使えるようにして欲しいところだ。

もちろん、Parallels Desktopのウィンドウは、Windowsを動作させたまま自由にリサイズできるので、Chrome OSの他のアプリと同時に表示して、1画面内で切り替えながら操作できる。他のアプリと併用する場合には便利だ。
ChromebookでWindows 10が動く「Parallels Desktop for Chromebook Enterprise」レビュー

Chrome OSに組み込まれている共有機能

Parallels Desktop固有のツールバーをチェックしよう。ここには、右端のメニューボタンも含めて6つのアイコンが並んでいる。このうちの4つについて触れておこう。
ChromebookでWindows 10が動く「Parallels Desktop for Chromebook Enterprise」レビュー

キーボード

6つのアイコンのうち、一番左はキーボードメニューを開くボタンだ。Chromebookの場合、基本的なキーの配列はWindow PCとさほど変わらないものの、ファンクションキーまわりや、本来ならばアルファベットキーとテンキーの間にあるWindows固有の機能キーなどは備えていない。そうしたキーが押せないと、Windowsでは困ることもある。そこでこのキーボードメニューには、そのような機能キーを押したのと同じ機能を発揮するコマンドが並んでいる。使用頻度が低いものがほとんどだけに、これがあれば困ることはないはずだ。
ChromebookでWindows 10が動く「Parallels Desktop for Chromebook Enterprise」レビュー

スピーカーおよびプリンターの設定

スピーカーのアイコン(左から2番目)は、Windowsの音をChromebookのスピーカーから出すかどうかを1クリックで切り替えるもの。Windowsの場合、不意に音を出すアプリもあるので、このボタンが常に見える場所にあるのは安心だ。その右のプリンターのアイコンは、Chromebook側のプリンターの利用を許可するかどうかを決めるボタン。

共有フォルダの設定

フォルダアイコン(右から3番目)は、共有フォルダについてのもので、共有フォルダの設定には、Chrome OSのFilesアプリを使う。ここにあるのは、Filesで設定したフォルダー共有を無効にする機能だけだ。

Chrome OSのFilesから直接見えるChrome OS側の「My files」フォルダには、Parallels Desktopによって「Windows files」というフォルダが自動的に追加されている。これは、Chrome OSから直接Windows仮想マシンの「Desktop(デスクトップ)」、「Docoments(書類)」、「Downloads(ダウンロード)」といったユーザーフォルダにアクセスするためのもの。通常は、これだけでファイル共有機能は十分に機能する。
ChromebookでWindows 10が動く「Parallels Desktop for Chromebook Enterprise」レビュー

その上、ユーザーが独自のフォルダを追加して、それをWindows仮想マシンと共有することも可能だ。新しいフォルダ(ここでは「Parallels共有」)を作ったら、その上で右ボタン(2本指)クリックして、メニューから「Share with Parallels Desktop」を選ぶ。
ChromebookでWindows 10が動く「Parallels Desktop for Chromebook Enterprise」レビュー

必要な操作はこれだけ。この操作の後、Windowsのエクスプローラーで確認すると、「ネットワーク」の中に「Parallels共有」というフォルダが現れる。あとは、この中に入れたファイル / フォルダを、Chrome OSと仮想マシン上のWindowsで自由に共有できる。実に簡単だ。
ChromebookでWindows 10が動く「Parallels Desktop for Chromebook Enterprise」レビュー

使い勝手を向上させるParallels Toolbox

Parallels Desktopには、Mac版同様の「Parallels Toolbox」も付属している。さまざまな単機能のツールを集めたユーティリティ集のようなもので、目的と合致すると非常に便利に使える。Mac版の場合には、macOS上で動くものと、仮想環境上のWindowsで動くものの2種類を利用できるが、Chrome OS版の場合は、とりあえずWindows側で動くものだけが利用可能となっている。
ChromebookでWindows 10が動く「Parallels Desktop for Chromebook Enterprise」レビュー

個々のツールの機能紹介は割愛するが、仮想環境上のWindowsを本物のWindows PC以上の使い勝手にするツールも含まれている。Windowsのタスクバーの右端のツールトレイの中のアイコンをクリックするだけで、いつでも呼び出せるようになっているので便利だ。

テストに使用したChromebook「ASUS Chromebook Flip C436FA」(C436FA-E10162)

今回テストに使用したChromebookは、14インチサイズのディスプレイを搭載する「ASUS Chromebook Flip C436FA 」(C436FA-E10162)というマシンだ。

スペックは、CPUは第10世代のインテルCore i7-10510U、16GBのメモリー、512GBのSSDとなっている。もちろんGoogle(グーグル)のChrome Enterprize認定デバイスの1つだ。
テストに使用したChromebook「ASUS Chromebook Flip C436FA」(C436FA-E10162)

  • 製品名:ASUS Chromebook Flip C436FA(C436FA-E10162)
  • ディスプレイ:14型ワイド(1920×1080ドット)10点マルチタッチ対応
  • CPU:Core i7-10510U(1.8GHz / 4.9GHz)
  • メモリー:16GB
  • ストレージ:512GB SSD(PCI Express 3.0 x2)
  • 通信:Wi-Fi 6(11ax、2.4 / 5GHz)
  • インターフェイス:USB 3.1 Gen1 Type-C×2、Bluetooth 5.0、microSDXCカードスロット
  • バッテリー駆動時間:約11.8時間
  • 重量:約1.15kg
  • そのほか:指紋認証センサー、USI対応スタイラス「ASUS USI Pen(SA300)」

製品名に「Flip」が入っていることからわかるように、ディスプレイを本体の裏側にぴったりとつくまで360度開くことが可能で、タブレットとしても使用可能。このスタイルは、Windows PC同様にChromebookでも見かける。実際、Chrome OS上でAndroidアプリを利用する際などには便利に使える。

また10点マルチタッチを検出可能なタッチスクリーンを装備し、4096段階の感圧式のスタイラス「ASUS USI Pen(SA300)」も付属しているので、この製品だけでかなり広い用途に利用できる。今回、感圧機能までは試せなかったものの、主にChromebook(Chrome OS)での利用が想定されているUSI(Universal Stylus Initiative)規格に対応しており、仮想マシンのWindows上の描画アプリでのドローイングや、手書き文字認識などでも正常に機能することを確認できた。
テストに使用したChromebook「ASUS Chromebook Flip C436FA」(C436FA-E10162)

ParallelsおよびWindowsを動かすのにうってつけのスペック

スペック的には、Parallelsを利用してWindowsを動かすのにも十分だ。むしろ単なるChromebookとして使うだけではもったいないと感じられるほど。この画面サイズとスペックで、重量は1.15kgしかないというのは、ちょっとした驚きだ。

厚さも閉じた状態で約13.8mmに抑えられている。これは本体とディスプレイを合わせたものなので、本体は最も厚い部分でも10mmを切っている。それでもキーボードのストロークは1mm程度は十分にあり、タイピングにもストレスは感じない。ソフトウェアの機能と、本体の重量や厚さは関係ないとはいえ、これだけ軽く薄いマシンで、Chrome OSとWindowsが両方使えるのはありがたい。

Parallels Desktop for Chromebook Enterpriseには、まさにうってつけのマシンだと感じられた。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:ASUSガジェットChromebookGoogle / グーグルParallelsレビュー

最新iPhone 12にも対応するMophieの最新モジュラー式モバイルバッテリーを使ってみた

充電バッテリーのJuice Pack Connectが先週発表された時、ちょっとした混乱があった。私自身も混乱していたことを認める。Apple(アップル)のiPhone 12の発売日と近かったことから、多くの人々が(当然のごとく)Mophieの新製品はiPhone 12の新しいMagSafeテクノロジーに対応していると思い込んだ。

このアクセサリーの将来のバージョンにその機能が搭載される可能性は高いが、モジュラー化が進んだこの新しいバッテリーパックの二大特徴といえば、ワイヤレス充電と昔ながらの粘着剤だ。これは、このシステムがQi規格のワイヤレス充電に対応しているどんな端末でも使えるという意味だ。

実際システムは、かなり必要最小限のものになっている。ケースすらついてこない。欲しければ自分で入手しなければならない。箱に入っているのはバッテリーパックとグリップ兼スタンド、そしてありがたいことにアダプターが2つついてくる。最後の点は、付け直す必要が生じた時や誰かとバッテリーをシェアしたいときなどにうれしい。

画像クレジット:Brian Heater

装着はいたってシンプル。中央に正確につけるためのボール紙製ガイドもついている。画面保護シートを貼る時のフレームのようなものだ。端末の裏に直接装着することもできるが、私はできればそこまではしたくないと思っている。ともあれ、別のアクセサリーを付けていない時、端末の裏に小さなアダプターの突起がある状態は受け入れる必要がある。

アクサセリーはアダプターの横から差し込む。バッテリーパックはシステム全体の中で最も見栄えがよく、オリジナルのJuice Packシリーズのデザイン思想を最もよく引き継いでいる。リング兼スタンドはちょっと安っぽく、充電していない時にはいかにも付け足しのように感じる。妥協点の1つが、バッテリーをコンパクトにするほど容量が小さくなるということだ。5000mAhは悪くないが、もっと大容量のケースをもっと安く買える。

画像クレジット:Brian Heater

もう1つの妥協点は、おそらくお気づきだと思うが、ワイヤレス充電は有線より遅いことだ。このため、システムはデバイスを長時間使い続けるのに向いていて高速充電目的ではない。それでも本当にピンチで適切なケーブルさえあれば、USB-Cポート(バッテリーの充電にも使用する)から高速充電することもできる。

Connect Standは使える。グリップとしてよりスタンドとしての方が役に立ちそうだ。Pop Socketのようにもっと頑丈なグリップなら良かっただろう。ただし、そこはモジュール式の良いところで、常に新しいアクサセリーを追加することができる。80ドル(約8300円)という価格は安くないが、いまだかつてMophie製品が安価だったことはない。

関連記事:Mophieがスマホの背面に付けるモジュールタイプのワイヤレスバッテリーを発売

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Mophieバッテリーレビュー

画像クレジット:Brian Heater

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

サムスンの新しい試み「折り畳みスマホ」は定着するか? 第1世代「Galaxy Fold」を振り返る

サムスンの新しい試み「折り畳みスマホ」は定着するか? 第1世代「Galaxy Fold」を振り返る

まだまだ特殊なデバイスという位置づけではあるものの、折り畳みスマートフォンが拡大している。サムスンはGalaxy Zシリーズとして折り畳みスマートフォンを複数ラインナップしており、その第1弾となった製品が「Galaxy Fold」だ。当初は「Z」が付かなかったので、シリーズ化するかどうか決まっていなかったのかもしれない。日本ではauから発売され、後継機種の「Galaxy Z Fold2」発売も目前に迫っている。

まずは第1世代「Galaxy Fold」を振り返り、どのような解決がなされたのか、後日「Galaxy Z Fold2」のレビューを掲載しよう。

欠点は多いものの、触っていてとにかく楽しい

Galaxy Foldは、メインディスプレイを内側に折り込むブックスタイルの折り畳みスマートフォン。折りたためばスマートフォン、開けばタブレットとして使えるというのが特徴だ。他社にはディスプレイを表にして山型に折り込む端末もあるし、1枚のディスプレイを折りたたむのではなく、ふたつの画面を重ね合わせるタイプもある。Foldのスタイルは、折りたたむとカバーディスプレイを一般的なスマートフォンライクに使えるようになる。このあたりはそれぞれ一長一短あるものの、Foldの場合メイン画面は内側に収めて保護する形になるため安心できるという点はメリットだろう。

閉じた状態。ちょっと画面の小さいスマートフォン

閉じた状態。ちょっと画面の小さいスマートフォン

開くとタブレットに早変わり

開くとタブレットに早変わり

スマートフォンとしては分厚い。折り畳みの宿命ではあるが、約15.7mm(最厚部17.1mm)とどうしてもスマホ2台分ぐらいの厚みになってしまう。厚みを除くと、縦160.9×62.8mmと約細身のボディは普通のスマートフォンより持ちやすく、握りしめるという感触になる。

閉じた状態だと、約15.7mm(最厚部17.1mm)と当然2倍の厚さになる

閉じた状態だと、約15.7mm(最厚部17.1mm)と当然2倍の厚さになる

細身なことも手伝って、握りしめる感じはそれほど持ちにくくない

細身なことも手伝って、握りしめる感じはそれほど持ちにくくない

ただ、スマートフォンとして使われるカバーディスプレイの画面サイズは4.6インチと小さい。本体の中心に小窓のようにあるディスプレイは、スマートフォンというよりもサブディスプレイという印象だ。

このあたりはGalaxy Foldの大きな弱点。一見コンパクトスマートフォンに見えるものの、その実態は分厚いボディとなっており、画面サイズとしては4.6インチしかないのはやはり使い勝手が悪い。

スマートフォン側でアプリを開いた状態で本体を開くと、その時開いていたアプリがタブレット側でも開いた状態になる。画面が小さいと感じた場合は、開いてタブレット状態にしてメイン画面を利用すればいいのだが、やはりそれはそれで一手間かかる。スマートフォンとして完結できるのであればそれに越したことはない。

メインディスプレイで開いていたアプリは設定をすればそのままカバーディスプレイに移行できる

メインディスプレイで開いていたアプリは設定をすればそのままカバーディスプレイに移行できる

タブレットモードになると、画面サイズは7.3インチというサイズ。タブレットというにはやや小さいが、それでもスマートフォンよりはるかに大きい大画面が楽しめる。

タブレットモードで横持ち。一般的なタブレットのように見える

タブレットモードで横持ち。一般的なタブレットのように見える

画面を開いたタブレット状態なら厚みは6.9mmと薄くなる。276gという重さもタブレットと考えれば軽量だ。2152×1536ピクセルのディスプレイの画面比率(アスペクト比)ほぼ4:3なので、動画だと上下の黒帯が大きくなるものの、画像の閲覧にはちょうどいい。電子書籍にも向いているだろう。横持ちして2画面表示していると、ちょうど文庫本やラノベ(A6判。105✕148mm)を読むぐらいの感覚だ。

タブレットにすれば一般的な厚み。側面には音量ボタン、電源ボタン、指紋センサーが並ぶ

タブレットにすれば一般的な厚み。側面には音量ボタン、電源ボタン、指紋センサーが並ぶ

背面から見たところ

背面から見たところ

ただ、インカメラをデュアルカメラにするなど、ノッチが大きめになっているのは気にかかるところ。デュアルカメラにもメリットはあるが、ディスプレイサイズを小さくしてまで搭載するのは本末転倒だろう。

やや内側に反ったデザインとなっており、中央の折り目は角度によっては目立つし、触るとへこみも感じるが、使っていて致命的な問題には感じない

やや内側に反ったデザインとなっており、中央の折り目は角度によっては目立つし、触るとへこみも感じるが、使っていて致命的な問題には感じない

とはいえ、スマートフォンサイズで持ち歩けて、タブレットの画面サイズで動画や画像などのコンテンツを楽しめるというのは得がたい体験だ。やはり持ち運びやすさというのは大きなメリットで、必要に応じて画面サイズを変えられるのもいい。

タブレットとして、複数のアプリを同時起動もできる。3つのアプリまでを並べる機能を備えているが、快適に使うにはやや画面サイズが足りない。それでも、使いようによっては便利で、必要なときにこうした使い方ができるのは折り畳みスマートフォンならでは。

  1. 3つのアプリを並べたところ。この配置は固定。縦に並んだ2つは小さいので見にくいが、通常のスマートフォンで2分割にして使うと考えれば困らない。左側の縦に長く配置できるアプリは、スマートフォンの通常の1画面と同様なので、配置を工夫すれば使いやすくなる
  2. アプリはドラッグ&ドロップで配置を入れ替えられる

「閉じる」「開く」という動作は、スマートフォン以前のフィーチャーフォンの折り畳みケータイっぽくて、なんとなく開け閉めをしてしまう。閉じた状態で爪を差し込むようにするとカパッと開き、開ききる直前に軽く力を入れるとパチッと平らになる。つい、開け閉めを繰り返したくなる感覚だ。

残念なのは、開いている途中で角度が固定できない点。ノートPCのような使い方はできない。

新たなデバイス、新たなチャレンジに踏み出せるサムスンへの期待

こうしてみると、予想通りというか、欠点は少なくない。

Galaxy Foldは、スマートフォンを使っている最中にタブレットに持ち替えるといった、2台持ち状態よりは手軽だ。ただその場合、より使いやすいスマートフォン、より大画面のタブレットを使い分けられるのに比べて、一体型はいろいろとガマンしなければならない面が多くなる。また、20万円を超える高額のデバイスは、おいそれと手が出るものでもない。

ただ、こうしたチャレンジができる点はサムスンの強みだ。曲げられるディスプレイは新たなデバイスにも生かされるだろうし、折り畳みは何より楽しい。これがスマートフォンの主力になるとは考えにくいものの、今後新たなデバイスへのチャレンジという将来性を期待させるた製品がGalaxy Foldだった。

ハードウェア的な進化が少ない昨今のスマートフォンにおいて、2世代目も登場したGalaxy Fold。Galaxy Z Fold2でも、サムスンによる新たな使い方、新たな提案に期待したい。

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「AnTuTu」60万超え、約6万1000円から購入できるゲーミングスマホ「RedMagic 5S」

Nubia Technologyは5G対応ゲーミングスマホ「RedMagic 5S」を9月2日に発売した。RedMagic 5Sは「RedMagic 5」の後継モデル。プロセッサーやディスプレイなどの基本スペックに変更はないが、拡張冷却アタッチメント「Ice Dock」(44.9ドル。約4700円)が用意されたことが大きな進化点だ。今回は残念ながらIce Dockを借用できなかったが、RedMagic 5Sのゲーミングスマホとしての実力をチェックしていこう。

Nubia Technology「RedMagic 5S」は価格579ドル(約6万600円)から。日本でもメーカー直販サイトから購入可能。技適も取得されている

Nubia Technology「RedMagic 5S」は価格579ドル(約6万600円)から。日本でもメーカー直販サイトから購入可能。技適も取得されている

これはIce Dockのイメージ画像。実際には本体はブラックで、ロゴはレッド。給電用USB Type-Cとヘッドフォンを挿すための3.5mmヘッドフォン端子が用意されている。なおNubiaは、「PUBG」をプレイした際に47.8度から40.5度へとマイナス7.3度の冷却効果があったとうたっている

これはIce Dockのイメージ画像。実際には本体はブラックで、ロゴはレッド。給電用USB Type-Cとヘッドフォンを挿すための3.5mmヘッドフォン端子が用意されている。なおNubiaは、「PUBG」をプレイした際に47.8度から40.5度へとマイナス7.3度の冷却効果があったとうたっている

5G対応スマホだが日本国内で利用できるのは4Gまで

まずスペックを解説する前に最初に注意事項をお伝えする。RedMagic 5Sは5G対応スマホだが日本国内で利用できるのは4Gまで。技適は「デバイス情報→Certification Mark」で確認できるが、5Gの周波数帯は未取得のため「電波法により5.3GHz帯は屋内使用に限ります」と記載されている。

RedMagic 5も同様の仕様だったが、日本国内で本格的に普及を目指すのなら、5Gの周波数帯についても技適を取得してほしい

RedMagic 5も同様の仕様だったが、日本国内で本格的に普及を目指すのなら、5Gの周波数帯についても技適を取得してほしい

それではスペック解説に話を戻そう。本製品はOSにAndroid 10をベースにした「Red Magic OS V3.5」、プロセッサーに「Qualcomm Snapdragon 865 5G」を採用。モデルは2機種で、メモリー8GB/ストレージ128GBを搭載した「Sonic Silver」(579ドル。約6万600円)、メモリー12GB/ストレージ256GBを搭載した「Pulse」(649ドル。約6万8000円)が用意されている。

左がSonic Silver、右がPulse

左がSonic Silver、右がPulse

ディスプレイは、6.65インチFHD+ 有機EL(1080×2340ドット、387.5ppi、輝度600cd/平方m、色域DCI-P3カバー率100%、コントラスト比100,000:1、リフレッシュレート144Hz、タッチサンプリングレート240Hz、ディスプレイ内指紋認証センサー)を搭載。コーニングの強化ガラス「2.5D Corning Gorilla Glass」を採用している。

背面カメラは広角(6400万画素、f/1.8、0.8μm、78.3度)、超広角(800万画素、f/2.2、1.12μm、120度)、マクロ(200万画素、f/2.4、1.75μm、78度)を搭載。望遠カメラは搭載されていないが、最大10倍のデジタルズームに対応している。また前面カメラは800万画素、f/2.0、1.12μm。

通信機能は5G/4G/3G/2G、Wi-Fi 6(11ax)、Bluetooth 5.1、NFCに対応。また、USB Type-C端子からのHDMI映像出力をサポートしている。

本体サイズは168.56×78×9.75mm、重量は218g。ボディー材質は、フレームは金属製で、バックカバーがガラス製だ。バッテリーは4500mAhを搭載。同梱されているACアダプターは18W仕様だが、55W仕様のUSB Power Delivery対応充電器を使えば40分でフル充電可能とうたわれている。

  1. ディスプレイ上部、本体下部にステレオスピーカーを内蔵。背面の「REDMAGIC(Ag)」と書かれたパーツは、Ice Dock装着時に本体内を効率的に冷却するためのプレート「ICE Ag silver plate」だ
上部にはノイズ除去マイク、3.5mmヘッドフォンジャック、下部にはステレオスピーカー、USB Type-C端子、マイク、SIMカードトレイを配置

上部にはノイズ除去マイク、3.5mmヘッドフォンジャック、下部にはステレオスピーカー、USB Type-C端子、マイク、SIMカードトレイを配置

右側面にはショルダーボタン(左)、排気口、ボリュームボタン、電源ボタン、ショルダーボタン(右)、左側面にはドックピン、ゲームマイク、吸気口、ゲームブーストモードスイッチが配置

右側面にはショルダーボタン(左)、排気口、ボリュームボタン、電源ボタン、ショルダーボタン(右)、左側面にはドックピン、ゲームマイク、吸気口、ゲームブーストモードスイッチが配置

SIMカードはnanoSIMカードを2枚装着できる

SIMカードはnanoSIMカードを2枚装着できる

パッケージには、本体、ACアダプター、USB Type-Cケーブル、ソフトケース、クイックスタートガイド、ワランティーカードが同梱されている

パッケージには、本体、ACアダプター、USB Type-Cケーブル、ソフトケース、クイックスタートガイド、ワランティーカードが同梱されている

「AnTuTu Benchmark」で「618633」という高スコアを記録

RedMagic 5Sは、ゲーミングスマホとしての性能はトップクラスだ。ゲームブーストモードをオンにした後、「Game Enhancement」を「Super performance」に設定して総合ベンチマーク「AnTuTu Benchmark」を実行してみたところ、軽く大台を超えて「618633」という高スコアを記録した。

ただし記事執筆時点のランキングでは1位となったものの、ASUSの最新ゲーミングスマホ「ROG Phone 3」は冷却ファン「AeroActive Cooler 3」を装着した状態で「657870」を記録している。やはりRedMagic 5SでもIce Dockを装着して、再計測したいところだ。

拡張冷却アタッチメントのIce Dockなしで「618633」という高スコアを記録した

拡張冷却アタッチメントのIce Dockなしで「618633」という高スコアを記録した

ゲームは「PUBG」をプレイしてみたが、クオリティを「スムーズ」に設定すれば、90fpsでプレイできた。144Hzのディスプレイの真価を発揮できないが、90fpsでも十分ヌルヌルとした描画で快適にプレイ可能だ。

なお、「Real Racing 3」「DEAD TRIGGER 2」「Bullet Force」「Vainglory」などは144Hz表示に対応しているが、今回プレイした「PUBG」だけでなく、「FORTNITE」「Call of Duty : Mobile」などのS級タイトルは非対応。ゲームメーカーは発熱や消費電力に配慮しているのかもしれないが、ゲーミングスマホの性能が大きく向上しているので、ぜひそれに合わせてフレームレートの上限を上げてほしいと思う。

PUBGでクオリティを「スムーズ」に設定すると、FPS設定に「90fps」の項目が現われる

PUBGでクオリティを「スムーズ」に設定すると、FPS設定に「90fps」の項目が現われる

左右ショルダーボタンは画面上の任意の位置に割り当てられる。感度設定やバイブレーションフィードバックも選択可能

左右ショルダーボタンは画面上の任意の位置に割り当てられる。感度設定やバイブレーションフィードバックも選択可能

ショルダーボタンは操作できる画面上のボタンが固定されるが、ゲームコントローラー感覚で簡単に4本指操作が可能だ

ショルダーボタンは操作できる画面上のボタンが固定されるが、ゲームコントローラー感覚で簡単に4本指操作が可能だ

日常使いのスマホとして十分活用できるカメラ画質

カメラは超広角、広角、マクロ、フロントという構成。画質は基本的に良好だと思う。特にナイトモードは明るく、ノイズも少なめで、白飛びも抑えられていた。10倍デジタルズームは大画面で見るとアラが目立つが、個人的には11インチ前後の画面で見るなら許容範囲だ。日常使いのスマホとして十分活用できるカメラ画質に達していると思う。

超広角カメラで撮影

超広角カメラで撮影

広角カメラで撮影

広角カメラで撮影

10倍デジタルズームで撮影

10倍デジタルズームで撮影

マクロカメラで撮影

マクロカメラで撮影

ナイトモードで撮影

ナイトモードで撮影

5Gの技適未取得、不十分な日本語化が残念だが、ゲーム性能は申し分なし!

579ドル(6万1000円前後)からAuTuTu Benchmarkで60万超えのマシンが手に入るのだから、コスパは圧倒的だ。日本国内で5Gを屋外で利用できない点、そして日本語化が不十分な点さえ納得できるのなら、比較的安価に購入可能な最新ゲーミングスマホとして魅力的な選択肢と言えよう。

RedMagic 5Sを試用中に、中国語のメッセージが表示されることもあった。せめて英語でメッセージが表示されるようにソフトウェアアップデートを実施してほしい

RedMagic 5Sを試用中に、中国語のメッセージが表示されることもあった。せめて英語でメッセージが表示されるようにソフトウェアアップデートを実施してほしい

 

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Nubia Technologyガジェットスマートフォンレビュー

3万7000円という高コスパが信じられない充実装備の13型ノートPC「GemiBook」

CHUWI(ツーウェイ)は、中国・深センに本社を置き、ノートPC、タブレット、ミニPCなど幅広いラインナップを展開しているPCメーカー。そのCHUWIが、Windows 10搭載13.3型ノートPC「GemiBook」を発売した。価格はなんと349ドル(3万7000円前後)だ。

GemiBookは、CPUに安価なCeleronを採用しているものの、WQHD(2560×1440ドット)の13.3型IPS液晶ディスプレイを採用するなど、それ以外のスペックは低価格モデルとは思えないほど充実している。

今回CHUWIより実機を借用したので、約4万円でどの程度のクオリティーを実現しているのかという視点からレビューしていこう。

CHUWI「GemiBook」は349ドル(3万7000円前後、メーカー公式サイトで日本から送料無料で購入可能)

CHUWI「GemiBook」は349ドル(3万7000円前後、メーカー公式サイトで日本から送料無料で購入可能)

認証情報は本体底面に記載されている

認証情報は本体底面に記載されている

CPUはエントリークラス、SSDは1基増設可能

GemiBookはOSに「Windows 10 Home」、CPUに「インテル Celeron J4115 プロセッサー」(4コア4スレッド、1.50~2.50GHz)を採用。メモリー(RAM)は12GB(LPDDR4X-2133)、ストレージは256GB(M.2 SATA接続)を搭載している。

  • ディスプレイ: 13.3型IPS液晶。解像度WQHD(2560×1440ドット、光沢)、sRGBカバー率99.3%(実測)
  • CPU: Celeron J4115(4コア4スレッド、1.50~2.50GHz)
  • GPU: インテル UHD グラフィックス 600(CPU内蔵)
  • メモリー: 12GB(LPDDR4X-2133)
  • ストレージ: 256GB SSD(M.2 SATA接続)
  • Wi-Fi: 11ac(2×2。2.4/5GHz。Wireless-AC 7265)
  • インターフェイス: USB 3.0 Type-C、USB 3.0 Type-A、Bluetooth 5.1など
  • メモリーカードスロット: microSD
  • サイズ: 289×219×17.75mm
  • 重量: 約1280g
  • バッテリー駆動時間: 8.0時間(公称)
  • OS: Windows 10 Home

安価なノートPCはメモリー、ストレージがオンボード接続されており、換装・交換できないことが多いが、GemiBookはM.2 NVMe接続のSSDを1枚装着するためのスロットが用意されており、ユーザーが後からストレージを増量可能だ。メモリーは12GBと多めに搭載されているので、ストレージを増量すれば長く利用できるノートPCといえる。

本体裏面にM.2 2280スロットが用意されている。M.2 NVMe接続のSSDを装着すれば、ストレージを増量&高速化可能だ。なおフタの裏に貼られているのは放熱用の部材だと思われる

本体裏面にM.2 2280スロットが用意されている。M.2 NVMe接続のSSDを装着すれば、ストレージを増量&高速化可能だ。なおフタの裏に貼られているのは放熱用の部材だと思われる

M.2 2280スロットのフタはねじすべり止め液で固定されている。丁寧に組み立てられている証拠だ

M.2 2280スロットのフタはねじすべり止め液で固定されている。丁寧に組み立てられている証拠だ

ディスプレイは13インチWQHD IPS液晶(2160×1440ドット、光沢)を採用。画面比率が3:2と縦に広いので、ウェブページの閲覧や、ドキュメントの作成にもってこいだ。またディスプレイの色域を計測したところ、sRGBカバー率で99.3%と優秀な値が出た。カラーキャリブレーションを実施すれば、ウェブサイトの色確認にも利用できる色域だ。

カラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で計測したところ、sRGBカバー率99.3%、sRGB比101.3%という広色域を記録した

カラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で計測したところ、sRGBカバー率99.3%、sRGB比101.3%という広色域を記録した

ディスプレイは光沢仕様。液晶パネルの色域の広さも相まって、約4万円のノートPCとは思えないほど鮮やかで階調豊かに画像、映像を表示できる

ディスプレイは光沢仕様。液晶パネルの色域の広さも相まって、約4万円のノートPCとは思えないほど鮮やかで階調豊かに画像、映像を表示できる

ボディーはフルメタル製。ダイヤモンドカット加工こそ施されていないものの、ファーウェイのノートブックに迫る質感を備えている。本体サイズは289×219×17.75mm、重量は約1280g。バッテリーは38Whを搭載しており、バッテリー駆動時間は8.0時間とうたわれている。

フルメタルボディーは他社製低価格ノートPCの質感を大きく凌駕している

フルメタルボディーは他社製低価格ノートPCの質感を大きく凌駕している

放熱口は底面に大きめに確保されている

放熱口は底面に大きめに確保されている

インターフェイスは、USB Type-C×1、USB Type-A×1、3.5mmヘッドフォンジャック×1、microSDメモリーカードスロット×1を用意。通信機能はWi-Fi 5(11ac)、Bluetooth 5.1をサポートしている。USB Type-Cは、USB Power Deliveryと映像出力に対応しており、サードパーティー製USB Power Delivery対応充電器で充電したり、モバイルディスプレーにケーブル1本で映像出力&給電できる。

右側面にmicroSDメモリーカードスロット×1、3.5mmヘッドフォンジャック×1、USB Type-A×1、左側面に電源端子、USB Type-C×1が配置されている

右側面にmicroSDメモリーカードスロット×1、3.5mmヘッドフォンジャック×1、USB Type-A×1、左側面に電源端子、USB Type-C×1が配置されている

同梱のACアダプターはDCプラグ仕様だが、USB Power Delivery対応の充電器でGemiBookを充電できる

同梱のACアダプターはDCプラグ仕様だが、USB Power Delivery対応の充電器でGemiBookを充電できる

キーボードはキーとキーにすき間のあるアイソレーション型(チクレット型)。打鍵感は良好で、バックライトも内蔵されている。ただし、日本語キーボードは用意されておらず、DeleteキーがBackspaceキーの下に、「\」(バックスラッシュ)キーがカーソルキーの下に配置されている。文字キーが等幅に揃えられている点はいいが、キー配置には慣れが必要だ。

キーピッチは実測19mm前後

キーピッチは実測19mm前後

低価格ノートPCとしては珍しくキーボードバックライトが内蔵されている

低価格ノートPCとしては珍しくキーボードバックライトが内蔵されている

一般的な用途であれば必要十分な性能を備えている

パフォーマンスについては、CPU/OpenGLベンチマーク「CINEBENCH R15.0」のOpenGLが「13.55 fps」、CPUが「241 cb」、CPU(Single Core)が「72cb」。

「CINEBENCH R15.0」のOpenGLが「13.55 fps」、CPUが「241 cb」、CPU(Single Core)が「72cb」

「CINEBENCH R15.0」のOpenGLが「13.55 fps」、CPUが「241 cb」、CPU(Single Core)が「72cb」

3Dゲームベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク」では、「1467(設定変更が必要)」(1280×720ドット、標準品質、ノートPC。ウィンドウモード)となった。

「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク」が「1467(設定変更が必要)」(1280×720ドット、標準品質、ノートPC)

「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク」が「1467(設定変更が必要)」(1280×720ドット、標準品質、ノートPC。ウィンドウモード)

ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 7.0.0」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)が「454.04MB/s」、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)が「502.84MB/s」という結果だ。

「CrystalDiskMark 7.0.0」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)が「454.04MB/s」、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)が「502.84MB/s」

「CrystalDiskMark 7.0.0」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)が「454.04MB/s」、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)が「502.84MB/s」

ベンチマークを総括すると処理性能は決して高くない。特に3Dゲームなどは画質設定を低くしても、快適にプレイできるのはカジュアル系のごく一部だ。しかしブラウジング、動画視聴、オフィスアプリの利用などの一般的な用途であれば必要十分な性能を備えていると言える。

高負荷時のキーボード面の最大温度は29度(室温22.1度で測定)

高負荷時のキーボード面の最大温度は29度(室温22.1度で測定)

底面の最大温度は34.1度(室温22.1度で測定)

底面の最大温度は34.1度(室温22.1度で測定)

約4万円とは信じられないトータルバランスが光る高コスパノートPC

GemiBookの処理性能は決して高くはない。しかしフルメタルボディー、2Kディスプレイ、12GBメモリー、256GB SSD、SSD増設用スロット、USB Power Delivery対応USB Type-C端子と、約4万円のノートPCとは信じられないほど装備が充実している。絶対的な処理性能は割り切り、質感を含めたトータルバランスを重視するのなら、GemiBookはもってこいの1台といえる。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:CHUWI(ツーウェイ)ガジェットレビュー

Harley-Davidsonは電動バイクを作り続けるべきだ

Harley-Davidson(ハーレーダビッドソン)は電動バイクを作り続けるべきである。これが同社のLiveWire(ライブワイヤー)を3週間かけて試乗した後の私の結論だ。

著者は2019年にこのバイクを試乗コースで試乗したことがあるが、それではこの105馬力のLiveWireの実力を十分に知ることができなかった。1か月近くかけて1000マイル(約1610km)の距離を走った今回、このバイクはHarley-Davidsonがこれまでに生産してきた中で最も革新的なバイクと言っても過言ではないと感じている。

無論、このバイクが完璧という意味ではない(特に価格面)。しかし、クロームとスチールを愛する同社の主要市場である団塊の世代の高齢化と売上の減少を受け、同社は新たな方向へ向かう必要があったのである。

同社初のEV

同社は当初LiveWireを1つのコンセプトとして誕生させ、その後メーカー初の量産EVへと発展させ、2019年後半にリリースを実現した。電圧駆動の同2輪車は同社が誇る内燃式クルーザーを補完するものであり、置き換えるためのものではない。

1903年にミルウォーキーで創業したHarley-Davidsonは、将来的にオートバイから自転車、スクーターにいたるまで電動車のラインナップを増やしていく計画を立てるべく、2018年にシリコンバレーにオフィスを開設した。2万9799ドル(約314万円)のLiveWireがその第一号だ。しかし、収益の衰退と新型コロナがもたらした不況により、同社の電動化計画は疑問視されている。

主なスペックをご説明しよう。Livewireは3秒で60mph(約90キロメートル毎時)を達成。最高速度110 mph(約177キロメートル毎時)で、DC急速充電器を使用してわずか40分で充電を80%完了させることが可能だ。15.5kWhバッテリーとマグネットモーターが86フィートポンドのトルクを発生させる。

Image Credits: Harley-Davidson

548ポンド(約250kg)のLiveWireは146マイル(約235km)の航続距離をうたっている(市街地とハイウェイを合わせた場合は95マイル(約153km))。この電動ハーレーはまた、IoTとアプリ互換性のある車両であり、パワー、トルク、回生ブレーキの異なるコンボが設定できるプリセットのライディングモードを備えるほか、カスタムモードを作成することも可能だ。
同社はまたLiveWireにキーフォブ操作や盗難防止コントロールシステム、バイクの鼓動のような振動などを含むプレミアム機能を追加した。

これは停止時に無音になるLiveWireがまだランモードであることをライダーに思い出させるのに便利な機能である。このバイクは走行中は基本的に静かだが、内燃機関のごう音で有名なHarley-Davidsonは車両の機械的な動きから発生する特徴的な電気音を加えている。これはかろうじて聞こえる程度のものだが、電動ハーレーとして他とは一線を画すものとなっている。

乗り心地

LiveWireは、バッテリーという1つの場所に非常に多くの質量が集中している電動バイクの二輪車でありながら、非常にバランスが取れたものとなっている。

LiveWireは500ポンド(約227kg)以上と同社のクルーザーの基準としては決して重くはないが、ネイキッドスポーツバイクとしてはずいぶん重く感じられる。ガレージ周辺でEVを押すと確かにその重さを感じるが、幸いなことに巧みなフレームエンジニアリングのおかげで、動きだせばその重さは見事に消えていく。

2019年にLiveWireをコースで試乗した際、私はわずかなノイズ、巨大なトルク力、稲妻のような瞬時の加速力など、電動バイクに期待すべきこと全てが備わっていると言う感想を述べている。

しかし今回、LiveWireとさらに多くの時間を共にしてライディングコンディションを経験したことで、その評価はさらに上がることになる。私はハドソン川渓谷を下ってマンハッタンへと向かうI-95で3桁までスピードを上げ、そしてグリニッジ周辺の曲がりくねった裏道へと向かった。LiveWireは見た目も性能も一流の電動バイクの域に達しているだけでなく、多くの点でピストン式のものよりもさらに刺激的な乗り心地となっている。

Created with OSnap! for iOS – Project: New Project 2

内燃式のモデルと比べてLiveWire最大の魅力はトルク力と加速力である。ガソリン式バイクよりも機械の可動パーツが少なくクラッチやシフトがないため、内燃機関よりも強力で安定したパワーデリバリーを実現している。単純にひねるだけで出発だ。

他の高性能電動バイクと同様、LiveWireの回生ブレーキ(モーターがバッテリーを充電し、スロットルから後輪を減速させるもの)も性能の向上に一役買っている。回生ブレーキの調整は手動または電動ハーレーのライディングモードで行うことが可能だ。

これには多少のスキルが必要だが、慣れれば機械的なブレーキをほとんど使わずにスロットルを操作するだけで、ガソリン式のバイクよりもスムーズにコーナーを駆け抜けることができるようになる。これに加えて横方向のハンドリングが加わり、ターンではTron(トロン)のライトサイクル並みに正確にラインを保持することが可能になる(少なくともそんな感覚に陥る)。

こういった全ての要因により、ガタつきのないスムーズな走りが実現した。また、EVとハーレーの両方にふさわしい美しいラインとスタイリングで、このバイクの見た目も最高峰の出来となっている。

市場

LiveWireのデビューにより、Harley-Davidsonは米国で初めて公道用電動モーターサイクルを製造する大手ガソリン車メーカーとなる。

米国のほとんどのモーターサイクル業界と同様に売上が数年下降しており、若年層の顧客への販売において不調が続いている同社にとって、この動きが必要不可欠なものであったということは間違いない。

同社はホンダやカワサキなどの伝統的なモーターサイクルメーカーに先手を打ったが、電動二輪車業界に競合は山のようにいる。

ガソリン車ユーザーを電動製品へと転向させ、若い世代を引き付けようと試みる電動モーターサイクルのスタートアップが複数存在するEV産業へHarley-Davidsonは参入したというわけだ。

この業界を率いる企業の1社は、世界中に200のディーラーを抱えるカリフォルニアのスタートアップ、Zero Motorcycles(ゼロ・モーターサイクル)だ。イタリアのEnergica(エネルジカ)は、米国で高性能電動モーターサイクルの販売を拡大中だ。

またカナダ発のスタートアップDamon Motors(デーモンモーターズ)は今年、最高速度200mph(約322キロメートル毎時)のHypersport(ハイパースポート)を2万4000ドル(約260万円)でリリースした。独自の安全性とエルゴノミクス技術を用いて調整可能なライディングポジションと死角検出を実現している。

無論、特に新型コロナの影響による世界的な不況を考えるとこれら新モデルに対する需要があるか否かは確かでない。

市場におけるLiveWireの成功(または失敗)については、同社の報告にLiveWire専用の販売データが含まれていないため評価が難しい。私やその他の人々が批判的だったのは、このバイクの価格が2万9000ドル(約305万円)だと言う事実である。Tesla(テスラ)モデル3よりも数千ドル安いだけのこの価格帯は、プレミアムバイクとはいえ高すぎだ。これは非常に重要な欠点ではあるものの、この価格を別にすると、LiveWireは様々な点で成功であると私は考えている。Harley-Davidsonは同社らしさを失うことなく、世間のEVに対する関心を集めながら正真正銘の電動モーターサイクルメーカーとしての地位を確立したのだ。

今後の動き

ローンチの成功の利点を最大限に活かすには、人々がより手に入れやすい次なる製品を開発する必要がある。Harley-Davidsonは7月にJochen Zeitz(ヨッヘン・ツァイツ)氏を新たなCEOとして任命し、売上の減少に対応し会社を未来に導くための、Rewire(リワイヤー)と名付けられた5年計画を発表した。この戦略には大規模なリストラの他、同社のガスエンジン車であるBronx(ブロンクス)モデルなど以前に発表されたプログラムの休止や中止などが含まれている。
LiveWireや新型EVの生産がHarley-Davidsonの将来の選択肢として残っているかどうかについて、ツァイツ氏は最近の声明投資家への発表の中で具体的に語っていない。

Image Credits: Jake Bright

この象徴的なアメリカ企業はEV製品を今後も作り続けるべきだ、というのが同社の電動バイクのデビュー作を事細かく精査し、市場を評価した後の私の意見である。オンデマンド機能と魅力を盛り込み、より多くの人が手にすることのできるLivewireの進化版を提供すべきである。
都会でも活躍するスクーターや、幅広い市場に受け入れられるより手頃な電動モーターサイクルなど、同社の次のEV製品のリリースを著者は心待ちにしている。

著者が考える同社の次の電動モーターサイクルは、549ポンド(約250kg)のLiveWireよりも軽く、初心者ライダーにとっても乗りやすく、クラウドとアプリに接続可能、価格は約1万ドル(約105万円)で航続距離は少なくとも100マイル(約160km)、充電時間は30〜40分といったところだ。いくつかオフロード機能も備えた、Harley-Davidsonのフラットトラックレーサーを思わせるトラッカースタイルのEVも良いかもしれない。

Image Credits: Jake Bright

画像クレジット:Jake Bright

新型コロナの影響を受けた経済環境において、モーターサイクルなどの製品に対する購入意欲は当面の間より保守的になるため、的確なスペック、スタイル、価格設定は一層重要になってくる。

しかし、Harley-Davidsonが若い市場を開拓し、21世紀のモビリティの世界にふさわしい存在であり続けるためには、EV生産へのコミットメントを継続することが最善の策であることに変わりない。同社のRewire計画には間違いなくより多くのLiveWireが含まれているべきである。

関連記事:ZeroのSR/Sはスポーツバイクとツーリングバイクの一台二役をこなせる電動バイク

カテゴリー:モビリティ
タグ:ハーレーダビッドソン 電動バイク レビュー

[原文へ]

(翻訳:Dragonfly)

ZeroのSR/Sはスポーツバイクとツーリングバイクの一台二役をこなせる電動バイク

Zero(ゼロ)が今年初めに発表したSR/Sは、スポーツバイクとツーリングバイク両方の性能属性と特徴を備えたフル電動バイクだ。この記事では、SR/Sならではのメリットとデメリットをガソリンバイクと比較しながら紹介する。

SR/Sは、そのメーカーであるゼロの事業ミッションにも貢献するモデルだ。カリフォルニア州を拠点とするEVバイクメーカーである同社は、電動バイクの量販化を目指して、すでに1億3700万ドル(約144億4000万円、Crunchbase調べ)を調達している。

前身モデルSR/FとSR/Sの違い

TechCrunchは今回、SR/Sの新車を持ち帰って徹底的に試乗する機会を得た。TechCrunchは昨年もかなりの時間を費やして、SR/Sの前身である2019年発売のSR/Fネイキッドバイクを試乗した。SR/Sは一見すると、SR/Fにフルカウルを取り付けただけのように見えるが、SR/Sならではの特徴は他にもある。

SR/SとSR/Fには多くの共通点がある。トレリス構造のフレーム、車輪・タイヤ、ドライブトレイン、バッテリー、モーター、充電システム、オペレーティングシステムは両モデルで同じものが採用されている。しかしSR/Sには、フルカウルに加えて、いくつかの細かな調整が施されており、それが乗り心地を著しく改善している。その点について、これから詳しく説明していく。

まず、一般的な仕様面では、SR/SもSR/Fと同じく、最高速度は時速124マイル(約200キロメートル)、トルクは140ft-lb(約19.4Kgf-m)、充電時間は60分で95%、オプションで6キロワットのプレミアム充電器を選べる(アップグレード費用は2000ドル(約21万2000円))。

ゼロのSR/SとSR/FはどちらもIoTバイクであるため、エンジン出力や操縦性など、全体的なパフォーマンスを、デジタルライディングモードやモバイルアプリを通じて管理できる。また、どちらのモデルにも、コーナリング時のABSやトラクションなどをコントロールするBosch(ボッシュ)製のスタビリティコントローラーが搭載されている。

フルカウル以外でSR/SがSR/Fと大きく違う点は、フットペグが下がり、バーの位置が上がったため、より楽に乗れる(アップライトの)ライディングポジションになっていることと、空力性能の向上により高速走行時(ハイウェイレンジ)の航続距離が13%伸びたことだ(ゼロの発表に基づく)。シリコンバレーから山をひとつ隔てたスコッツバレーに本社を構えるゼロの広報担当者によると、SR/Sではサスペンションのプリセットをフルカウル向けにカスタマイズしたという。SR/Fの車体重量は485ポンド(約220キログラム)だが、SR/Sの車体重量はフルカウルを装着した分、20ポンド(約9キログラム)ほど重くなっている。

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価格は、SR/Sのベースモデルが1万9995ドル(約211万7000円)で、SR/Fの1万9495ドル(約205万5000円)をわずかに上回る。また、SR/Sのプレミアムモデル(大容量バッテリー搭載)は2万1995ドル(約231万8000円)となっている。

SR/Sのある暮らし

筆者はSR/Fの見た目も性能も非常に気に入った。それと同時に、(少なくとも筆者の好みに基づいて判断する限り)SR/Sは他よりも優れた電気バイクだと感じた。SR/Sではライディングポジションが改善されて、より操縦・走行しやすくなったため、長距離のツーリングがさらに快適になり、カーブが多い道路ではさらにスムーズに走行できるようになった。

SR/Fと同様に、そしてこれは高性能の電動バイクの特性でもあるが、ゼロのSR/Sはトルクが大きくてアクセルが軽く、騒音やオイル臭は発しない。ガソリンバイクよりも可動部品の数が少なく、クラッチもシフトもないため、電動バイクのパワーデリバリーは内燃機関バイクより強力で安定している。スロットルを握って回せばすぐに発進できる。

SR/Sではカーブの走行方法に合わせて回生ブレーキを調整、適応させることが可能だ。回生ブレーキは電気エネルギーをバッテリーパックに戻すだけでなく、スロットルを閉じるときにSR/Sのモーターをどの程度減速させるかを調整できる。コツをつかむまで少し時間がかかるが、マスターすれば、機械的なブレーキをほとんど、またはまったく使わずに、スロットルのオン・オフだけで、ガソリンバイクよりもスムーズにカーブを走行できるようになる。

画像クレジット:Jake Bright

航続距離については、パワー出力を最小、回生ブレーキを最大に設定した「エコ」モードを使い、あまりスピードを出せない市街地のみで走れば、ゼロが宣伝している「最大航続距離161マイル(約259キロメートル)」を達成できる可能性は高そうだ。しかし、そんな走行はかなり退屈そうなので、自分では試さなかった。SR/Sと過ごした数か月の間、筆者は、ちょっとした外出には「エコ」モード、田舎道を飛ばすときには「スポーツ」モード、というように異なる走行モードを組み合わせることにより、平均して100マイル(約160キロメートル)程度の距離を充電なしで走ることができた。充電時間は、バッテリー残量にもよるが、6キロワットのレベル2充電器で1時間から1時間20分かかった。

SR/Sならではの長所と短所についてだが、確かにSR/Sにはいくつか弱点もある。SR/Fと同じく、SR/Sのフロントブレーキ(4ピストン、ツインキャリパー)は効きが強いのだが、J.Juan(ホタ・ホアン)製のリアブレーキは効きが弱いように感じた。また、車体のカラーも、現在のグレーとダークブルーだけでなく、SR/Sの滑らかな曲線美をもっと目立たせるようなカラーを展開してもよかったのではないかと思う。ゼロのメインディーラーの1つであるHollywood Electrics(ハリウッド・エレクトリクス)もどうやら筆者と同じ意見のようで、SR/Sの車体カラーを明るいホワイトまたはレッドにカスタマイズするオプションを提供し始めた。

筆者がSR/Sについて非常に気に入った点は、フルカウルの装着、ペグやバーの調整、サスペンションの設定により、性能が向上し、機能が増え、乗り心地が改善されたことだ。ニューヨーク州とコネティカット州の各地で、通勤に使ったり、脇道を高速で飛ばしたり、ハイウェイで遠出したりと、思いつく限りの走行方法をSR/Sで試してみた。SR/Sは電動バイクの良さをさらに進化させたモデルだと思う。フルカウルにより空気抵抗が大幅に低減されたため、ハイウェイを時速80~90マイル(約130~140キロメートル)で走っても余裕があり、エンジンの騒音もない。従来のように風に挑んで走り抜ける感じはせず、むしろ、まるで風に乗って静かに流れていくような感覚で走れる。

SR/Sは、週末にスポーツバイクとして楽しむのに十分なパワーと性能を備えているだけでなく、EVスポーツツーリングも楽しめるように快適なライディングポジションを実現し、リア部分に荷物を積める設計になっている。しかし、電動バイクならではのメリットだけでなく、特に航続距離と充電に関して、いくつか妥協しなければならない点や、利便性の低い点がある。大抵のガソリンバイクやスポーツバイクは、タンクを満タンにしておけば200マイル(約320キロメートル)程度は余裕で走行でき、給油も数分で完了する。SR/Sの航続距離はその約半分しかなく、充電ステーションを探し回らなければならないし、充電が完了されるまで1時間あまり手持ちぶさたの状態になる。確かに、電動バイクならではの優れた性能属性や特徴もあるが、それでも内燃機関バイクと比べると不便な点も依然として存在する。

SR/Sはゼロの競争力を強化するモデル

ゼロの最新エントリーとなるSR/FとSR/Sは、スタートアップ企業がオートバイ業界の電動化を進める時期に投入された。

2020年にはHarley-Davidson(ハーレーダビッドソン)がガソリンバイクの大型メーカーとしては初めて、米国で公道を走れる電動バイクLiveWire(ライブワイヤー)を2万9000ドル(約306万円)で発売した。また、イタリアのEnergica(エネジーカ)は高性能電動バイクの販路を米国で拡大している。カナダのスタートアップDamon Motors(デイモン・モーターズ)も今年、最高速度が時速200マイル(約320キロメートル)、価格2万4000ドル(約253万円)の新型電動バイクHypersport(ハイパースポート)を発表した。Hypersportは独自の安全技術によって死角を検知する機能を備え、人間工学技術による調整可能なライディングポジションを実現している。

画像クレジット:Jake Bright

これらの新型モデルすべてが売れるだけの十分な需要があるかどうか、まだ確証はない。新型コロナウイルス感染症によって世界経済が不景気に見舞われている今の状況ではなおさらそう言える。しかし、数多くの電動バイクメーカーがひしめく中、ゼロはSR/Sによって競合他社より優位なポジションに立つことができている。既存のプラットフォームを改善することにより、ゼロは、2つの新しいクラスを1つのモデルに集約させ、電動スポーツバイクと電動ツーリングバイクを一般市場に届けることに成功した。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:レビュー 電動バイク

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(翻訳:Dragonfly)