超低消費電力AI推論アクセラレーターIPのLeapMindがパートナープログラム開始

超低消費電力AI推論アクセラレーターIPのLeapMindがパートナープログラム開始

ディープラーニング技術を活用する企業に向けソリューションを提供するLeapMindは10月15日、エッジAIの社会実装に向けた「Efficiera(エフィシエラ) FPGAパートナープログラム」の提供を開始したと発表した。

パートナー企業とともに、顧客課題を解決できるAI搭載製品、ソリューションの開発を共創し、エッジAI領域の市場拡大と機械学習の社会実装の実現を加速する。第1弾の認定パートナーとしては、マクニカ アルティマ カンパニーPALTEKジーニックが参画している。

LeapMind開発の「Efficiera」とは、FPGAデバイス上もしくはASICデバイス上の回路として動作する、CNNの推論演算処理に特化した超低消費電力AI推論アクセラレーターIP(今秋正式リリース予定)。量子化ビット数を1~2bitまで最小化する「極小量子化」技術によって、推論処理の大部分を占めるコンボリューションの電力効率と面積効率を最大化する。このため、最先端の半導体製造プロセスや特別なセルライブラリーを使用する必要がないという。

極小量子化技術では、推論モデルを構成するパラメータを、通常用いられる単精度浮動小数点数(32bit)から1bitまたは2bitに置き換えることで、軽量化を達成。一般には、性能の劣化を起こさない限界は8bitまでとされているが、LeapMindは、8bitを大きく下回る1bitのWeight(重み係数)、2bitのActivation(入力)という組み合せでも性能をほとんど劣化させないことに成功した。

超低消費電力AI推論アクセラレーターIPのLeapMindがパートナープログラム開始

超低消費電力AI推論アクセラレーターIPのLeapMindがパートナープログラム開始

また、モジュールやデバイスではなく回路情報をライセンス提供するため、他の回路と同一デバイス上にEfficieraを集積でき、ディープラーニング機能を搭載した量産製品のBoMコスト削減に貢献できるという。同製品を利用することで、家電製品などの民生機器、建設機械などの産業機器、監視カメラ、放送機器をはじめ、従来は技術的に困難であった電力とコスト、放熱に制約のある小型機械やロボットなど、様々なエッジデバイスへディープラーニング機能を組み込めるとしている。

超低消費電力AI推論アクセラレーターIPのLeapMindがパートナープログラム開始

Efficiera FPGAパートナープログラムは、「顧客課題を解決可能なAI搭載製品・ソリューションの共創」を目的とするプログラムとなっている。

同プログラムに参画することで、自社製品・サービスとEfficieraを組み合わせて顧客の要望に応じたサービスやシステムの開発・提供や、Efficieraに付加価値をつけたパッケージサービスの開発が可能としている。

LeapMindは、「機械学習を使った新たなデバイスを、あまねく世に広める」を企業理念に2012年創業したスタートアップ企業。累計調達額は49.9億円に達しているという。ディープラーニングをコンパクト化する極小量子化技術に強みを持ち、自動車産業など製造業中心に150社を超える実績を保有。ソフトウェアとハードウェア両面の開発ノウハウを元に、半導体IPEfficieraを開発している。

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カテゴリー: 人工知能・AI
タグ: EfficieraFPGAディープラーニング / 深層学習LeapMind日本

NVIDIAがイタリアの大学コンソーシアムが主導する欧州発の世界最速AIスパコン「Leonardo」にGPUを供給へ

NVIDIA(エヌビディア)は世界のスーパーコンピューティングを牽引するイタリアの大学コンソーシアム「CINECA」が開発中の世界最速AIコンピューターシステム「Leonardo」(レオナルド) に機材を供給する。LeonardoシステムはFP16(半精度浮動小数点演算)10 exaflops(エクサフロップス)のAI性能をもち、完成時にはNVIDIA AmpereベースのGPUを最大1万4000個搭載する見込みだ。

Leonardoは欧州横断で高性能コンピューターを開発する団体が支援している4つのスーパーコンピューターの1つで、科学、産業両分野のアプリケーションを処理するための最新AI機能を提供することを目的としている。エヌビディアは同社のMellanox HDR InfiBandネットワークもプロジェクトに供給しており、低遅延ブロードバンド接続によってクラスターを横断して高性能を実現する。

クラスターにはほかに、ルクセンブルグのMeluXina、スロベニアのVegaなどのコンピューターのほか、チェコ共和国で近々完成するスーパークーリングユニットも加わる。この欧州横断コンソーシアムは、ブルガリア、フィンランド、ポルトガル、スペインの4カ国でもスーパーコンピューターを計画している。ただし、時期は未定で、性能や正確な場所も決まっていない。

CINECAを始めとするこれらのスーパーコンピューターの利用分野には、ゲノム解析による新たな治療経路の発見、複数の宇宙探査結果のデータ分析、地球外天体研究、および異常気象を含む気象パターンのモデル化などが計画されている。

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カテゴリー:人工知能・AI
タグ:NVIDIA、スーパーコンピューター

画像クレジット:CINECA

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google Analyticsのアップデートは機械学習で重要な顧客データを取り出す

企業が良質な消費者情報をつねに大量に求めていることを疑う人は、今週Twilioが顧客データのスタートアップSegmentを32億ドルで買収したことを思い出すべきだ。データの重要性に関しては他の企業と同じと思われるGoogleも今日(米国時間10/14)、Google Analyticsをアップデートして、企業の顧客理解をより一層改善しようとしている。そしてもちろんそのとき、Googleのそのほかのツールも使ってほしい。

Googleの計測と分析と購入担当の副社長Vidhya Srinivasan氏が同社のブログで、Google Analyticsの新しい機能を紹介している。同社は、顧客と企業間の力学がCOVID-19によって変化しており、そのためマーケターが自分の目標を達成するためには、Analyticsにも新しい機能や能力が必要になった、と考えている。

その新しい能力のひとつが、Analyticsに機械学習を導入して、マーケターにとって重要なデータを自動的に強調することだ。Srinivasan氏はこう書いている: 「Google Analyticsのコアには今や機械学習があるので、有益な知見を自動的に表面化でき、顧客の完全な理解をさまざまなデバイスとプラットホームを横断して提供できる」。

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アップデートの方針はマーケターに、彼らがもっとも気にかける情報、たとえば購入する顧客が属する層や特売効果が大きい品目、顧客を引き止めて購入につなげることのできる情報のタイプなどに、機械学習を利用してもっと多くアクセスできるようにすることだ。

Google_Analytics_predictive_metric predict churn and most likely to convert to sales.

画像クレジット: Google

ブログ記事に書いてあるとおりなら、それはマーケターに、各顧客または顧客グループの全ライフサイクルにわたる成果を測定する方法を提供する。顧客のニーズが絶えず変わっっているCOVID-19の時期には、それがとくに重要だ。

もちろん、これはGoogleのプロダクトだから、Google AdsやYouTube、あるいはGmailやGoogle検索などとの相性が良いはずだ。また、Google以外のチャネルとも相性は良い。Srinivasan氏はこう書いている:

この新しいアプローチによって、広告主の長期的な要望に応えることができる。新しいAnalyticsはアプリとWebの対話をまとめて測定できるので、アプリ内とWeb上で起きるYouTubeの広告からの購入も、測定に含められる。YouTubeのビデオからの購入決意や、GoogleおよびノンGoogleの有料チャネルからの購入、そしてGoogle検索のようなオーガニックなチャネル、さらにソーシャルとメール、それらが全部合わさった自分のマーケティング努力の成果を、マーケターは知ることができる。

Googleはまた、ヨーロッパのGDPRやカリフォルニアのCCPAなどの厳しいプライバシー法を意識して、クッキーなどによる顧客追跡ができなくなっても使えるようなモデルを利用している。つまりそれは、未来に強いアナリティクスだ。

すべてはマーケターを助けるために設計され、規制が激変する今日において彼らが顧客のニーズをより良く理解し、欲しいものを欲しい時に提供できるように配慮している。なんといっても彼らの仕事は、顧客を満足させることだから。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

韓国がAI半導体の生産を推進、2030年までに50タイプを開発へ

韓国政府は世界のAI産業において主要プレイヤーになるという野心を明らかにしてきた。ここにはAIの機能性を支える半導体の製造も含まれている。

10月12日の週に韓国の情報通信テクノロジー当局はAIにフォーカスしたシステム半導体50タイプを2030年までに開発する計画を発表した、と聯合ニュースが報じた。韓国政府はこの新たなイノベーションを率いる専門家を何千人と募集することになる。

同国はこのところ、次世代チップ企業をサポートしようといくつかの約束をしてきた。例えば2020年初めに同国は、2029年までのAIチップ商業化と生産に約1兆ウォン(約920億円)を拠出する計画( BusinessKorea記事)を明らかにした。2019年、文在寅大統領はこの業界への注意を喚起しようと「大統領AIイニシアチブ」を発表している

こうした取り組みはAI関連チップに対する需要の高まりを受けてのものだ。マッキンゼーの予測では、半導体需要の約20%を占め、2025年までに670億ドル(約7兆700億円)の売上を生み出す。

韓国は世界最大のメモリチップメーカーであるSamsung(サムスン)とSK hynix(SKハイニックス)が拠点を置いている国だ。儲かる産業である一方で、独立したIT業界専門家Seewan Toong(シーワン・トング)氏は「コアなテクノロジーよりも製造プロセス」により大きく頼っている産業だとみている。

「これまでのものより小型で密、そして効率的なチップを製造することに主眼を置いていて、1つのチップに多くの資金を投じています」と付け加えた。

聯合ニュースによると、韓国政府は半導体を一層スマートなものにし、2030年までに世界のAIチップ市場で20%のシェアを獲得したいと考えている。

Samsungは2019年末にBaiduのAIチップ大量生産パートナー(Samsungリリース)となり、次世代チップの生産を倍増させた。7月にSamsungはチップとAIに取り組むスタッフを新たに1000人雇用することを発表した(The Korea Herald記事)。SK hynixは中国企業Horizon Roboticsに出資して手を組んだ。Horizon RoboticsはAIチップデザインを手掛けていて、直近のバリュエーションは30億ドル(約3200億円)だ(未訳記事)。

基礎研究よりAI応用に長らく注力してきた中国は、米国による基幹テクノロジー関係での制裁に苦慮する中で、韓国と同じように自国の半導体企業に金を投じている。問題は、国の支援を受けたいくつのスタートアップがNvidia(エヌビディア)やQualcomm(クアルコム)のような世界的大企業との競争で生き残るかだ。

「韓国の動きは本当に賢いものです」とKneron(クネロン)のCEO、Albert Liu(アルバート・リュー)氏は話した。同社はAlibaba(アリババ)やHorizons Ventures(ホライゾン・ベンチャーズ)、Qualcommの支援を受けた資金潤沢な最先端AIスタートアップだ。

「Tesla(テスラ)からトースターに至るまで、あらゆるものが今後数年のうちに最先端AIチップを必要とします。マーケットそのものが巨大な機会であるため、新興プレイヤーはかなり大きなチャンスを手にしています。5G、AI 、IoTの時代が到来し、これらは安全でプライベートな方法で我々の暮らしを向上させるテクノロジーエコシステムを可能にします」と同氏は述べた。

関連記事:Kneronが新たなエッジAIチップでグーグルやインテルに挑戦

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:韓国半導体

画像クレジット:Ufuk ZIVANA / Shutterstock

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(翻訳:Mizoguchi

AIモデルの本番移行を支援するGrid AIが19.7億円調達、PyTorch Lightningの開発者が創業

人気オープンソースソフトウェアPyTorch Lightning(パイトーチ・ライトニング)の開発者William Falcon(ウィリアム・ファルコン)氏が創業したGrid AIは、機械学習エンジニアの仕事の効率化を目指すスタートアップだ。米国時間10月8日、同社はこの初夏に行われたシリーズA資金調達で1860万ドル(約19億7000万円)を調達したことを発表した。今回のラウンドはIndex Venturesが主導し、Bain Capital Venturesとfirstminuteが参加した

ファルコン氏は、以前はGlossier(グロッシェ)で機械学習の責任者を務めていたLuis Capelo(ルイ・カペロ)氏と共同でこの会社を創業した。当然のことながら、ここで対象とするのは約1年前にローンチしたPyTorch LIghtningで、それをGridの提供するサービスへと展開する。Lightningを支えるメインアイデアは、データサイエンスをエンジニアリングから切り離すことだ。

データサイエンティストたちがディープラーニングを始めようとしていた数年前には、彼らは常に適切な専門知識を持っているとは限らず、すべてを適切に行うことは困難だった。

「これが理由で業界はディープラーニングにいわれのない嫌悪感を抱いています」とファルコン氏は語る。「LightningとGridはそうした際に必要となるすべての技巧をワークフローに組み込んでいるため、もはや仕事を行うために、AIのPhDや主要なAI企業のようなリソースを持っている必要はありません。これにより、洗練されたニューラルネットワークに対して単純なモデルを展開するための機会費用が、これまでのような数か月単位ではなく、数時間単位のものになります。LightningとGridを使用することで、間違いを犯しにくくなるのです。たとえば、お客さまが携帯電話で、出来の悪い写真を撮ったとしましょう。私たちは携帯電話の立場からその写真を素晴らしいプロ品質に仕上げると共に、それをお客様ご自身がどのように実現すれば良いかをお教えします」。

ファルコン氏が説明したように、Gridはデータサイエンティストやその他のMLプロフェッショナルが、「エンタープライズユースケースが必要とするワークロードに合わせて拡張」できるようにすることを目的としている。Lightningだけでも、そのことを途中までは実現することが可能だが、Gridを使うことで、ユーザーが実世界の問題を解決するために自身のモデルをスケールアップする際に必要なすべてのサービスが提供される。

とはいえ、それが正確にはどのようなものかはまだはっきりしていない。「目の前にGitHubリポジトリがあると想像してみてください。そこから手元のノートブック上にローカルコピーを取得して、1行の変更も行わずに、AWS上の400個のGPU上での実行を指示することができます。これらすべてをご自身のノートPC上で、ウェブアプリまたはコマンドラインインターフェイスを使って行うことができるのです。これが、大規模なモデルのトレーニングと構築に適用されるLightningの『魔法』です」とファルコン氏。「これはすでに世の中に知られています、そして非常に成功したパラダイムシフトであることが証明されたことで、Keras(ケラス)やTensorFlow(テンソルフロー)などの他のすべてのフレームワークや、気がついた企業さんたちが、私たちのやり方を真似ようと変更作業を始めています」。

現在サービスはプライベートベータ段階だ。

今回の資金調達により、現在25人の従業員を抱えるGridは、チームを拡大し、Grid AIを通じた企業向けサービスとオープンソースプロジェクトを強化することを計画している。ファルコン氏は「多様なチームを構築することを目指している」と語った。これは彼自身がベネズエラで生まれた移民であり、退役米軍軍人であることも影響している。

「私は非倫理的なAIが持ち得る影響について、直接的な知識を持っているのです」と同氏。「そのことから、私たちは多くのバックグラウンドと経験にまたがる、現在の25人の従業員を採用することに取り組んできました。私たちは、シリコンバレーのテック企業にありがちなやり方をとらない、初めてのAI企業かもしれません」。

「オープンソースであるLightningの人気が、私の興味をそそりました。およそ1年前のことです」と語るのはIndex VentureSarah Cannon(サラ・キャノン)氏だ。「本当に興味をそそられたので、ヘルシンキでの会議中だったのにもかかわらずウィルとルイが正確には何を開発したのかを内緒で聞き出すために、クローゼットの中に慌てて駆け込んだことを覚えています。私はすぐに、同僚のBryan Offutt(ブライアン・オフット)に電話をかけて、彼がサンフランシスコでウィルとルイに会って彼らのコードの『優雅さ』に感銘を受けた話を聞きました。数日後には、私たちは彼らのシードラウンドに参加することを決定したのです。Gridの旅に参加できることを非常に光栄に思っています。シードに投資した後、私たちはチームとかなりの時間を過ごしました、そしてチームと過ごす時間が長くなるほど、確信が深まったのです。これから1年以内のローンチ前の段階で、私たちは彼らのシリーズAを主導したいと考えています」とコメントしている。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Grid

画像クレジット:Jure Batagelj / 500px / Getty Images

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(翻訳:sako)

グルーヴノーツとキユーピーが量子コンピューティング技術活用の製造ライン「シフト最適化」開始

グルーヴノーツとキユーピーが量子コンピューティング技術活用の惣菜工場「シフト最適化」開始

量子コンピューター関連ビジネスを手がけるグルーヴノーツは10月9日、キユーピーの惣菜工場において、量子コンピューティング技術を活用した製造サインのシフト最適化プロジェクトを本格開始したと発表した。

同プロジェクトは、経済産業省が推進するロボットフレンドリーな環境を実現するための研究開発事業「令和2年度 革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」に採択されたもの。同事業においてキユーピーとグルーヴノーツが協働し、今回のプロジェクトである「量子コンピュータによる高速シフト計算検討」、ならびに「AIによる需要予測と協調領域データレイク検討」に取り組む。

AIによる需要予測と協調領域データレイク検討では、需要に対する生産量の適正化に向けて、小売と食品メーカーが協調し、協調領域として共通するデータや需要予測に必要なデータの標準化を図るため、データ範囲の定義、 管理・運用方法について検討。これにより、食品ロスや機会損失を削減し、さらなる業務効率化を図ることができると期待されているという。

グルーヴノーツとキユーピーが量子コンピューティング技術活用の惣菜工場「シフト最適化」開始

シフト計画を作成するには、本人の労働条件や休暇希望、製造ラインごとに求められる人数・スキル要件、勤務間隔、人件費、人と人の相性など、様々な条件を考慮する必要がある。こうした多くの条件を満たした上で、様々にある組み合わせパターンの中から最適な答えを解く問題は「組合せ最適化問題」といわれ、組合せ最適化問題を解決するテクノロジーが、量子コンピューティング技術の中で「イジングマシン」(または、量子アニーリング)と呼ばれる。

グルーヴノーツとキユーピーが量子コンピューティング技術活用の惣菜工場「シフト最適化」開始

グルーヴノーツは、先進のテクノロジー発想と高い技術力を基に、イジングマシンを活用して業務上の様々な組合せ最適化問題を解くモデル(イジングモデル)やアプリケーションを独自開発し、「MAGELLAN BLOCKS」(マゼランブロックス)として提供。

同社はこのMAGELLAN BLOCKSの活用により、シフト最適化や製造順序最適化、物流最適化など、企業が抱える組合せ最適化の実問題を解くことに成功してきた。そこでキユーピーは、グルーヴノーツを最適生産体制の実現に向けたテクノロジーパートナーとし、両者共同して惣菜工場における製造ラインのシフト最適化プロジェクトを開始する。

これまでキユーピーとグルーヴノーツが行った実証実験においては、MAGELLAN BLOCKSのイジングモデルでシフトを作成。例えば熟練のシフト作成者が30分かけて作成したシフト表と比べて、遜色なく実運用で使える結果をわずか1秒で示すなど、イジングマシン活用の効果が確認されたという。

これにより、従来は複雑すぎて考慮しきれなかった条件や、従業員が求める新しい働き方の要件、新型コロナウイルス感染症対策として密集を回避した配置基準などを加味して、「働く人にやさしい」快適かつ最適なシフト作成が可能になると期待されるとしている。また、同事業として、人とロボットの共存を考慮したシフトおよび製造順序の最適化に向けた取り組み検討を進める。

製造ラインにおいて人とロボットが共に働いた場合のオペレーションをシミュレーションした結果、ロボットが高性能であるよりも、人間の動きと調和したときに時間あたりの生産量が最大化することがわかっているという。

グルーヴノーツとキユーピーが量子コンピューティング技術活用の惣菜工場「シフト最適化」開始

さらに、MAGELLAN BLOCKSのイジングモデルによる最適化と、AIによる需要予測を組み合わせて活用することで、日々の需要量に応じた製造計画の策定から、製造順序の最適化・シフト最適化・番重(食品用コンテナ)の積み付けの最適化・物流の最適化など、工場全体の最適生産体制の構築に向けた支援が可能になると考えているという。

グルーヴノーツとキユーピーが量子コンピューティング技術活用の惣菜工場「シフト最適化」開始

今後はさらに両社で、量子コンピューティング技術やAIを活用して、工場内の様々な課題に取り組み、さらには取り組んだ成果を食品業界モデルとしてソリューション展開していくことで、業界全体の課題解決に貢献していく。

キユーピーは、調理・調味料事業、サラダ・惣菜事業、タマゴ事業など、食品5事業+物流事業を展開する食品メーカー。惣菜市場は10年連続して拡大を続け、同社サラダ・惣菜事業の売上は、調理・調味料事業、タマゴ事業に次ぐ構成比(2019年度:16.5%)とさらなる事業機会の拡大に取り組んでいるという。一方惣菜を作る工程においては、見た目・重量など厳密な盛り付け基準が設けられていることなどから、最も多い人手を要し、ベルトコンベアを囲んで多くの従業員が24時間交代制で働いている。

今後、ますます人手不足の深刻化が予測される中、人手を増やさずとも従業員の負荷軽減を図りながら生産性を最大化するため、ロボット活用が急務とされているという。一方ロボット導入の上では、人とロボットの役割分担をふまえ、業務オペレーションやシフト体制の再設計が不可欠としている。加えて、短時間勤務など人の多様な働き方を可能にする働き方改革を推進していくにあたり、最新テクノロジーの活用や高度なシフト管理システムの導入が求められているという。

カテゴリー: 人工知能・AI
タグ: グルーヴノーツキユーピーMAGELLAN BLOCKS量子コンピュータ日本

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ウイスキー熟成の加速加速させるデータ駆動型プロセス開発のBespoken Spiritsが約2.8億円調達

ウイスキーの熟成を加速し、特定のフレーバーを生み出す新しいデータ駆動型プロセスを開発した、シリコンバレーのスピリッツメーカーであるBespoken Spirits(ビースポークン・スピリッツ)が、米国時間10月7日、260万ドル(約2億8000万円)のシード資金を調達したことを発表した。投資家には、ワイナリーClos de la TechのオーナーであるT. J. Rodgers(T.J.ロジャーズ)氏や元野球選手のDerek Jeter(デレク・ジーター)氏も名を連ねている。

同社は、かつてBloom Energy(ブルーム・エナジー)、Blue Jeans(ブルー・ジーンズ)、そしてMixpanel(ミックスパネル)の幹部だったStu Aaron (ステュー・アーロン)氏と、また別のBloom Energy卒業生のMartin Janousek(マーティン・ジャノセック)氏によって共同創業された。ジャノセック氏の名前はBloom Energyが所有する多くの特許上で見ることができる(特許参照サイト)(特許参照サイト)。

熟成を加速させる課題に挑戦するスタートアップはBespokenが初めてではない。これは、通常木の樽の中で行われる、蒸留酒の熟成にかかる時間を、最小化しようとする試みだ。同社は、自身がACTivation(アクティベーション)テクノロジーと呼んでいる手法と、機械学習ベースのアプローチを組み合わせたのは、初めてだと主張している。

「蒸留酒を樽に入れ、自然のなりゆきを受動的に待って、偶然に頼って何が起こるかを見守るのではなく、私たちは独自のACTivationテクノロジーを使用します。A、C、Tはそれぞれ、アロマ(香り)、カラー(色)、テイスト(味)を意味しています。この手法は樽の成分を蒸留酒に注入し、優れた品質の特製蒸留酒を生み出すために工程と化学反応を積極的に制御するのです。そして、そのことを数十年単位ではなく数日単位で行えるようにするのです」。

もちろんこのテクノロジーには、特に職人的なアプーロチを誇るビジネスの中では、多くの懐疑の目が向けられている。だが一方で、同社は多くのコンテストで受賞を果たしているのだ。チームは、蒸発によって製品の20%が失われ、再現することが難しい従来の樽熟成は無駄なプロセスだと主張している。また、従来の熟成には時間がかかるため、ビジネスのスタートアップには経済的な課題も発生させ、イノベーションも困難になる。

共同創業者が私に語ったところでは、同社のビジネスには3つの柱がある。独自ブランドの蒸留酒の販売、ブレンド業者や蒸留業者のための「サービスとしての熟成処理」(Maturation-as-a-Service)提供、そして小売店、バー、レストラン向けのカスタムプライベートラベル蒸留酒の製造だ。当面チームが焦点を合わせるのは、主に後の2つ、特にサービスとしての熟成処理ビジネスだ。アーロン氏が述べたように、現在多くのクラフト蒸留所が財政的負担に直面しており、在庫のロックを解除して市場により早く出せることが、しかもおそらくこれまでに比べてより良い品質で、つまりより高い価格で売れることが望まれている。

また少なくとも米国では、既存の製品を使ってブレンドを行うブレンド業者の市場も存在している。こうした業者も、工程を改善し、再現可能性を高める方法を模索している。

興味深いことに、多くの醸造所もまた新型コロナウィルスの感染蔓延のために過剰なビールや期限切れのビールに苦しんでいる。「彼らは、そのビールを回収して処分するために費用をかけるのではなく、それをリサイクル、まあより良い表現としてアップサイクル(付加価値付きリサイクル)して、ビールを蒸留し、ウイスキーにできることに気がついたのです」とアーロン氏は語る。「しかし残念ながら、醸造所がビールをウイスキーへと蒸留しても、普通あまり良いウイスキーにはなりません。そこで私たちの出番となります。多くの人が初期蒸留品と呼ぶ、そうしたビールを蒸留した製品を、私たちは受け入れて高品質のウイスキーに変えることができるのです」。

Bespokenはまた、いくつかの食料品チェーンと協力して、既存のブランドの外観や味に一致する、またはまったく新しいエクスペリエンスを提供する、独自ブランドの特注ウイスキーを製造している。

チームがこれを行う方法は、工程全体で多くのデータを収集し、テイスティング委員会に製品の評価を依頼するというやり方だ。そのデータをシステムにフィードすることで、同社は結果を再現するか、必要に応じて微調整するかを決めていくことができる。しかも樽が成熟するまでに何年も待つ必要はないのだ。

「私たちはこうしたすべてのデータを収集しています。現在収集しているデータの一部には、何に使用するのかさえ、まだわからないものもあります」とジャノセック氏はいう。多くの場合、Bespokenは独自の技術を使用して新規顧客向けに数十種類のサンプルを作成し、そこから絞り込む作業を支援する。

「私はよく、自分たちの会社を23andme(遺伝子検査キット企業)、Nespresso(ネスプレッソ)、Impossible Foods(インポッシブル・フーズ)をかけ合わせたものだと表現しています」とアーロン氏。「まず私たちは23andmeに似ています。繰り返しになりますが、顧客の好みを結果に対するレシピへとマッピングしようとしているからです。ちょうどビッグデータを用いた、ゲノムマッピングのような作業を伴うのです。また私たちの企業はNespressoにも似ています。私たちは蒸留酒を受け入れて供給ユニットを生み出します。もっとも私たちの場合は供給ユニットが小さなカプセルではなく、産業規模ですけれど。そしてまた、私たちはImpossible Foodsのような存在でもあります。なぜなら、私たちは古くさい時代遅れのモデルを、完全に異なるものへと再定義しようとしているからです」。

同社は、新しく得た資金を利用して、市場での勢いを加速し、技術開発をさらに進めることを計画している。そのハウスブランドは現在、カリフォルニア州、ウィスコンシン州、ニューヨーク州で販売されている。

T.J.ロジャーズ氏は「品質と多様性の両方を提供できる会社の能力が、私の注意を強く引き投資したいと思わせた理由です」と語る。そして「彼らは短期間のうちに、ウイスキーからラム酒、ブランデー、テキーラまで、信じられないほどのレンジの一流のスピリッツをすでに生み出しています。これらはすべて、それぞれブラインドテイスティングや一流の品評会で何度も検証されているのです」。

免責事項:Bespokenは私にいくつかのサンプルを送ってくれた。私はそれらをレビューできるほどのウイスキー愛好家ではないものの、それらを楽しめたということだけは責任をもっていうことができる。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Bespoken Spirits、ウイスキー

画像クレジット:Bespoken Spirits

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(翻訳:sako)

Marine Xが2023年の自律航行を目指すAIクルーザー「X40 Concept」を発表

Marine Xが2023年の自律航行を目指すAIクルーザー「X40 Concept」を発表

マリンテックスタートアップのMarine Xは10月8日、独自開発の安全航行アシストシステム「ポラリス」を搭載するAIクルーザー「X40 Concept」を発表した。今後ポラリスは、クルーザーのブレーンとして進化させ、2023年の自律航行実現を目指す。船体デザインはロボットクリエイター 高橋智隆氏が担当。

X40は、都市部クルーズにおける水上モビリティの進化をテーマに、デザイン・機能・メンテナンス性にいたるまでオーナー目線で考え抜かれたデザインを採用した、まったく新しいインテリジェントサルーン。安全性を新たなる次元へと引き上げるべく、独自の安全航行AIアシストシステムを搭載。テクノロジーによる安全性と船を自在に操る楽しみが融合した新世代艇としている。

より安全な航行を実現するために、独自開発の画像認識AIを活用したシステムを搭載。水上の航行可能エリアと障害物を検知し、画面表示とアラート音で方角とおおよその距離を操船者に知らせる。

Marine Xが2023年の自律航行を目指すAIクルーザー「X40 Concept」を発表

ポラリスは小型船舶の安全航行をサポートするAI船舶制御システム。段階的な機能拡充を予定しており、2023年には小型船船舶の自律航行実現を目指す。先に挙げた画像認識AIによる船外監視機能から始め、小型船舶の事故原因で最も多い「見張り不足」を減らし、より安全な航海となるようアシストする。

ポラリスは北極星のこと。大航海時代から航海の道標のような存在であった北極星のように、船の未来を導くものになってほしいという願いを込めて名付けたという。

操船はステアリングの他に、ジョイスティックによるコントロールも可能。停泊中の自船位置を自動で保持するダイナミックポジショニング、船体の揺れを抑えるアンチローリングジャイロなど、優雅な水上体験に欠かせないテクノロジーを厳選して搭載している。

Marine Xが2023年の自律航行を目指すAIクルーザー「X40 Concept」を発表

船体デザインはボートオーナーとしても長い経験を有する高橋智隆氏が担当。都市部の低い橋桁をくぐるため高さを抑えたクーペスタイルとしており、都市部クルーズに必要な機能・要素を厳選。スリット入りのシェルに格納された船外機は、デザイン性とメンテナンス性の両立を実現するなど、新しい発想でデザインしているという。

Marine Xが2023年の自律航行を目指すAIクルーザー「X40 Concept」を発表

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Marine Xはマリンレジャーの体験を革新するために設立されたマリンテックカンパニー。プレジャーボートなどの小型船舶を最新テクノロジーデザインの力でアップデートし続け、その技術力で世界の水上モビリティの安全性と快適性を高めることをミッションとしている。

心からリラックスできる最高の瞬間は、最上級の安全性と快適性の上にこそ成り立つものとして、マリンレジャーを楽しむ全ての人々が優雅なひとときを味わえる世界の実現を目指す。

カテゴリー: モビリティ
タグ: Marine Xクルーザー人工知能・AI

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自然言語処理AIの独自開発など手がけるバズグラフが7600万円を調達

自然言語処理AIの独自開発など手がけるバズグラフが7600万円を調達

自社開発の自然言語処理AIをベースに、文章要約システムやビッグデータ分析ソリューションを展開するバズグラフは10月7日、第三者割当増資により、7600万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、UNITEDベンチャーキャピタルおよび個人投資家。

今回調達した資金は、自社開発の自然言語処理AIを基盤にした、文章要約システム、ビッグデータ分析ソリューション、オンラインミーティング議事録要約システムなど、各ソリューションの精度向上・機能拡張・ユーザビリティ向上に向けた追加開発にあてる。

2014年11月設立のバズグラフは、言語解析技術、ビッグデータ解析技術を応用したサービスを提供。これら技術により、世界中の人々がITリテラシー・情報リテラシーの壁を超え、さらに円滑な国際間の相互コミュニケーションを実現できれば、世界中のあらゆる問題が解決できると考えているとしている。

カテゴリー: 人工知能・AI
タグ: バズグラフ資金調達日本(国・地域)

長崎大発の香りAIスタートアップ「REVORN」が資金調達、事業拡大に向け人材獲得

長崎大学発の香りAIスタートアップ「REVORN」が資金調達、事業拡大に向け人材獲得

長崎大学発の香りAIスタートアップ「REVORN」(レボーン)は10月7日、第三者割当増資による資金調達を発表した。引受先は、九州オープンイノベーション1号投資事業有限責任組合(GxPartners LLPとFFGベンチャービジネスパートナーズ)、FFGベンチャー投資事業有限責任組合第2号(FFGベンチャービジネスパートナーズ)。

今回の資金調達により、事業拡大に伴う人材の獲得、顧客企業からの依頼案件の進捗を図るとしている。

2016年4月設立のREVORNは、「『香り』を定義し、新しい世界へ導くこと」を目指し、独自開発のセンサーによって「香り」を情報化し、AIで解析する研究開発型スタートアップ企業。世界中の「香り」データを使用し、「嗅覚」の領域に新しい定義を築き上げることにより、新しい産業の誕生を目指す。

カテゴリー: 人工知能・AI
タグ: REVORN資金調達日本(国・地域)

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クボタが農業機械のスマート化に向けNVIDIAと協業、適切な農作業の判断と適時実行を行う完全無人農機を目指す

クボタが農業機械のスマート化に向けNVIDIAと協業、完全無人農機を目指す

クボタは10月6日、農業機械の自動運転分野においてNVIDIAと戦略的パートナーシップを結んだと発表した。NVIDIAのエンドツーエンド AIプラットフォームを採用し、農業機械のスマート化の加速に向け協業することを発表した。クボタは現在、日本において従来型農機の自動化・無人化を推進中。今後は、次世代の完全無人農機の実現を目指すとともに、海外展開や作物展開を推進する予定。

クボタは国内農機メーカーに先駆けて、スマート農業の本格的な研究を開始しており、「農機の自動化・無人化による超省力化」や「データ活用による精密農業」の普及を目指している。GPSを活用した有人監視下での無人運転トラクターを発売するなど自動運転農機の開発を進めており、今後さらに、天候・生育状況などのデータから適切な農作業の判断と適時実行までを行える次世代の完全無人農機を実現すべく研究を進めているという。

そのため同社は、同一のコンピューティングアーキテクチャを持つNVIDIAのエンドツーエンド AIプラットフォームを学習から推論(エッジ)まで導入し、開発を効率化することで市場投入の短期化を図る。例えばDGXシステムで農機に搭載された多数のカメラから入力される情報を解析し、AIモデルの学習を重ね、その結果をNVIDIA Jetsonに戻すことでモデルの精度を高められるとしている。

「農機の自動化・無人化による超省力化」の実現にあたっては、これまでクボタはコンピュータービジョンの実装で自動運転・無人化農機の開発を試みており、先に挙げた完全無人農機の実現に向け、今後はNVIDIAのエッジデバイス向けの組み込みAIプラットフォーム、NVIDIA Jetsonを活用し研究開発を進めていく。

NVIDIA Jetsonは高い計算処理能力・精度・電力効率に優れるほか、産業向け版は高耐久設計となっており、農業機械の過酷な環境に求められる要件を満たしているという。さらにエッジ側では、高精細なスクリーンスティッチングやエッジ検出において、リアルタイムでスムーズな処理が求められるため、NVIDIA Jetsonは最適であると評価した。

AIの学習側の環境としては、クボタはNVIDIA DGX AIシステムを導入し、研究開発を進めている。DGXシステムは、GPU向けに最適化されたディープラーニングソフトウェアのハブであるNGCをサポートしている。

開発者はディープラーニングの開発に必要とされる、統合済みのフレームワーク コンテナーを使用することで、AIモデルの設計やトレーニング、実験、展開を容易に実施できるため、研究開発から製品の市場導入までの時間を短縮可能。クボタは推論ライブラリー「NVIDIA TensorRT」を活用し、高性能な推論用のAIモデルの開発に取り組んでいるという。

カテゴリー: ハードウェア
タグ: NVIDIAGTCJetson人工知能・AI

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NVIDIA(エヌビディア)は10月5日、開発者イベント「GPU Technology Conference」(GTC)を開催。AIおよびロボティス学習者向けのシングルボードコンピューター「Jetson Nano 2GB Developer Kit」を発表した。価格は59ドル(約6200円)で、発売は2020年10月末。

CPUの64bit クアッドコアARM A57(1.43GHz)、GPUの128コア NVIDIA Maxwellについては変わっておらず、演算性能については従来通り472GFLOPSとしている。新たに給電用にUSB-C(5V 3A)端子を採用。

またメモリー4GBの従来製品(Jetson Nano Developer Kit)に対してメモリーを2GBに抑えたほか、カメラ用インターフェース(MIPI CSI-2)が1ポートとなった。USB 3.0ポートも減り、USB 3.0 Type-A×1、USB 2.0 Type-A×2、USB 2.0 Micro-B×1という構成になっている。DisplayPortも省略された。ネットワーク機能については、有線LAN(1000BASE-T)、Wi-Fi(11ac。国により非対応の場合あり)を利用可能。

NVIDIAが価格59ドルの2GBメモリー版「Jetson Nano 2GB Developer Kit」を発表

2GB版は、Linuxデスクトップ環境を含むJetPack SDK(JetPack 4.4.1)でサポート予定。画像処理用のOpenCV、VisionWorks、ディープラーニング用ライブラリーCUDA、cuDNN、TensorRTほか、ディープラーニング用フレームワークTensorFlow、PyTorch、MXNetなどを従来通り利用できる。

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カテゴリー: ハードウェア
タグ: NVIDIAGTCJetson人工知能・AI

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営業電話やサポセン、社内会議をAI搭載IP電話で円滑にするMiiTel開発のRevCommが総額15億円調達

音声解析AI技術を搭載するIP電話サービス「Miitel」(ミーテル)を手掛けるRevComm(レブコム)は10月5日、シリーズAラウンドで7億円を追加調達し、累計15億円を獲得したことを発表した。これによりシリーズAはファイナルクローズとなる。

第三者割り当て増資による調達で、シリーズAでは日米で投資活動を進めるWiLがリード投資家となり、今回のセカンドクローズはNTTドコモ・ベンチャーズ、グローバル・ブレインが運営するKDDI(KDDI Open Innovation Fund 3号)、新生企業投資、Sony Innovation Fund by IGV、ALL STAR SAAS FUND、ディープコア、DNX Ventures、博報堂DYベンチャーズ、三菱UFJキャピタル、ミロク情報サービスの計10社が新規投資家として加わる。ちなみにファーストクローズ時に、PERSOL INNOVATION FUND、エン・ジャパン、ブイキューブが計8億円を出資済みだ。

今回調達した資金は、新サービス開発、サービス品質向上ための研究開発、海外進出、組織基盤強化などの事業投資に充当する方針とのこと。

セカンドクローズには、各種ファンドのほかに事業会社としてミロク情報サービスが加わっている。同社は、企業向けコンピュータ管理会社で24時間365日対応のコールセンターを運営しており、今後MiiTelを活用して事業の効率化を図っていきたいとしている。

投資家としては、日米で投資活動を展開しているWiLやDNX Venturesのほか、ALL STAR SAAS FUNDのマネージング パートナーである前田ヒロ氏は、アジア向けに約117億円規模のEmerging Asia Fundもファンドも組成。海外展開を見据えた布陣となっている点にも注目だ。そのほか、ソフトバンク系でAI系スタートアップへの投資を進めるディープコアも投資家に加わっている。

RevCommは、2017年7月設立のスタートアップ。2019年にTechCrunch Japanが主催した「TechCrunch Tokyo 2019」の「スタートアップバトル」で応募120社超の中から最優秀賞に輝いたほか、同年開催されたB-Dash Camp 2019のPitch Arenaもダブル受賞。2020年にはGoogle for Startups Acceleratorに採択されている。Miitelはサービスリリース開始約1年半で1万ユーザーが導入しているという。

代表取締役の會田武史氏によると「昨年のB-Dash Camp2019やTechCrunch Tokyoでの優勝で認知されたことで、インバウンドでの問い合わせが増えた」とのこと。新型コロナウイルスの感染蔓延により、社会全体がリモートワーク導入に向かう中で、Miitelへの問い合わせはさらに増えているそうだ。搭載する音声解析エンジンについても改良が進んでおり、さらに高い精度での音声テキスト変換が可能になっているほか、オープンAPIとすることで音声解析ニーズのある企業との提携も進めていく予定だ。

Miitelは、電話営業やコールセンター業務での会話のラリーの回数や、話す量・聞く量、会話のジャンル、声の高低・遅速などをAIで検出し、高精度のフィードバックを行うことで商談獲得率・成約率向上を実現するIP電話システム。顧客と担当者が「何を」「どのように」話しているかわからない、というブラックボックス化問題を解消して、成約率を上げ、解約率と教育コストの低下につなげることを目指している。CRMツールとしては、Salesforce(セールスフォース)やサイボウズのkintone(キントーン)と連携に対応している。

また、担当者自ら学ぶセルフコーチングツールとして、リモートワーク環境の早期構築ツールとして活用されているほか、リモートワークにおける社内会議向けの議事録作成ツールなどにも活用事例が拡がっているそうだ。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:RevCommMiiTel資金調達(用語)

コンタクトセンターでの一次対応など産業向け対話AIを手がけるコトバデザインが資金調達

コンタクトセンターでの一次対応など産業向け対話AIを手がけるコトバデザインが資金調達

産業分野における音声アシスタント・コンタクトセンターにおける一次対応など対話AI実行環境「COTOBA Agent」を手がけるコトバデザインは10月2日、第三者割当増資による資金調達を実施したと発表した。引受先はSCSK。

今回の資金調達により、経営基盤の強化とともに、COTOBA Agentサービス改良のための自然言語処理技術・クラウドインフラ技術に秀でた人材の獲得、対話データ関連の投資、顧客獲得に向けたマーケティング活動の強化を実施する。

2017年8月設立のコトバデザインは、ヒトに寄りそう、対話インターフェースの創造と解放というミッションのもと、近未来では「対話」が複雑化したコンピューターシステムを使いこなす鍵となると考え、映像・音声・センサーなど多様なメディアを利用した対話プラットフォームの開発を手がけているスタートアップ企業。SCSKとは、スマートシティ分野などでの共創を推進し、快適で豊かな未来社会の創造を目指すとしている。

同社は2020年5月、産業分野向け対話AI実行環境COTOBA Agentの正式サービスを法人向けに提供開始。

同サービスは、自由度と運用の容易さを両立させたクラウドAPIサービスとなっており、自由なシナリオ作成、カスタマイズ可能な意図解釈モデル、充実した開発支援ツールや運用支援ツールといった特徴を備えている。

また目的別にシナリオを作成することで、シナリオに沿ったユーザーとの自然な対話を実現可能。産業分野における音声アシスタント、コンタクトセンターにおける一次対応、企業・自治体の窓口業務の自動化、ロボットやMaaSへの応用など、多様な用途の対話エージェントを開発できる。

コンタクトセンターでの一次対応など産業向け対話AIを手がけるコトバデザインが資金調達

コア部分については、2020年3月公開のオープンソースソフトウェア(OSS)版「COTOBA Agent OSS」と同じエンジンを用いており、高い透明性を確保しつつ、共通のエンジン故にクラウドサービスとOSSベースのローカル環境との間に高いポータビリティを確保。さらに、多言語対応が可能な設計(公開時は日本語・英語対応)となっている。

なおCOTOBA Agent OSSは、IoTからのセンサー/画像情報や外部APIとの連携も可能な、産業用で初のオープンソース対話エンジンとして提供しており、MITライセンスであるため広く商用利用が可能。

  • 外部API-I/FでIoTからのセンサー情報に応じた対話を実現できるため、産業応用が容易
  • シナリオが自由に書けて意図解釈モデルもカスタマイズ可能
  • 開発者用デバッグツールや管理者用ダッシュボードなどの開発者向け支援機能が充実
  • 実用的なサービスの実現に必須のセキュリティやスケーラビリティも備える
  • 複数言語対応に設計されており、サービス開始時は日本語と英語で利用可能
  • 5000項目以上の試験を実施し、大規模テストによって高い信頼性を実現。研究だけでなく大規模商用利用を前提としたソフトウェアを提供
  • OSSと共通のエンジンで、OSSベースの環境との間でAIMLコードや意図解釈コーパスに互換性あり

コンタクトセンターでの一次対応など産業向け対話AIを手がけるコトバデザインが資金調達コトバデザインは、「インターフェースの民主化を実現し、デジタルデバイドを終わらせ、弱者を取り残さない」という世界の実現を目指して、COTOBA AgentとCOTOBA Agent OSSの普及を通じて対話エージェント開発のコミュニティ形成を促進。対話エージェント開発・運用・流通のエコシステム形成に貢献することで、その先の対話AIのコンテンツ化と流通メカニズムの実現へと歩を進めていくとしている。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:コトバデザイン、IoTオープンソース資金調達日本

世界で唯一のユーモアを扱う対話AI技術「大喜利AI」の「わたしは」が8400万円を調達

世界で唯一のユーモアを扱う対話AI技術「大喜利AI」の「わたしは」が8400万円を調達

世界で唯一のユーモアを扱う対話AI技術「大喜利AI」(LINE)を手がける「わたしは」は10月2日、プレシリーズAにおいて、第三者割当増資による8400万円の資金調達を実施したと発表した。引受先はDEEPCORE、DG Daiwa Ventures、個人投資家。今後は、大喜利AIに続く新AIサービス開発、またそれを用いた広告事業の開発に一層注力する。

2016年4月の創業の「わたしは」は、以来、世界で唯一の「ユーモアを扱う対話AI技術」を用いて、「大喜利AI」をコアプロダクトとして開発(LINE登録者数54万4000人。2020年9月現在)。

2020年8月には、大喜利AIの進化版としてキャラクターAI同士のトークを生成する「ペチャクチャ」と、ユーザーの画像・映像からAIが自動でMeme(ミーム)動画を作成する「ドリアン」というふたつの新しいAIサービスをリリース。両サービスとも、「わたしは」のミッション「AIが人の創造性・ユーモアをエンパワーする」を、言語的クリエイティブ・動画的クリエイティブで体現するものとして開発している。

妄想AIトーク「ペチャクチャ」

妄想AIトーク「ペチャクチャ」

 

Meme(ミーム)動画作成AI「ドリアン」

Meme(ミーム)動画作成AI「ドリアン」

また消費財メーカー・C向けサービス・エンタメなどの事業会社向けの広告プロモーションサービスとして、「ユーザーとAIが共創するコンテンツ」がSNSでユーザー主導で拡がる過程において広告・ブランド情報を含めるCGAd(Consumer Generated Ad:ユーザー生成型広告)事業をスタートさせた。

世界で唯一のユーモアを扱う対話AI技術「大喜利AI」の「わたしは」が8400万円を調達

これは、「大喜利AIのおもしろい回答(LINEのスクリーンショット画面)をツイートする」というユーザーが自発的に始めた遊びによって、大喜利AI発の情報がTwitter上で多くのユーザーに共有されたという同社の経験を参考にしたという。そうしたツイートの拡がりは月間9000万インプレッション以上となっているとした。

カテゴリー:人工知能・AI
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元GCHQのデータ科学者が設立したRipjarが金融犯罪を検知するAIに約39億円を調達

幅広い意味でサイバー犯罪に区分される金融犯罪には、詐欺、マネーロンダリング、テロへの資金供与といったさまざまな不正行為が含まれ、オンライン上の脅威の中で今なお最も影響力が大きい犯罪であり続けている。そのような犯罪に対抗すべくデータインテリジェンスのソリューションを構築してきたスタートアップの1つが本日、さらなる成長を遂げるための資金を調達したことを発表した。

英国の政府通信本部(GCHQ、米国のNSAに相当)で諜報業務に従事していた5人のデータ科学者によって設立された英国企業Ripjar(リップジャー)は、シリーズBで3680万ドル(約38億8000万円)を調達した。この資金は、AIプラットフォーム(Labyrinthと呼ばれる)のスコープと事業規模を拡大するのに充てられる予定だ。

リップジャーによると、Labyrinthは自然言語処理とAPIベースのプラットフォームを使用して構造化データと非構造化データの両方を処理するため、組織は分析したいデータソースをプラットフォームに組み込んでアクティビティを監視できる。Labyrinthは、制裁対象リスト、重要な公的地位にある者(PEP)、取引のアラートなどのデータソースを使用して、アクティビティをリアルタイムに自動でチェックする。

リップジャーに近い情報筋によると、今回の資金調達で、同社は1億2700万ドル(約134億円)の価値があると評価されているという。同社も、現在のところ利益を上げていることを認めている。

資金調達は、フィンテック専門の投資会社であるLong Ridge Equity Partners(ロング・リッジ・エクイティ・パートナーズ)が主導しており、以前の投資会社であるWinton Capital Ltd.(ウィントン・キャピタル株式会社)とAccenture plc(アクセンチュア)も参加している。リップジャーの戦略的パートナーであり、コンサルタント/システムインテグレーターであるアクセンチュアは、リップジャーのテクノロジーを使用して、金融サービス部門の多くの顧客と連携している。リップジャーは政府機関の顧客も抱えており、同社のプラットフォームはテロ対策にも使用されている。具体的な名前の公表は拒否されたが、数多いパートナーの中には、 PWC、BAE Systems(BAEシステムズ)、Dow Jones(ダウ・ジョーンズ)のような企業が含まれていることを同社も認めている。

リップジャーのCEO兼CTOであり、Tom Griffin(トム・グリフィン)氏、Leigh Jones(リー・ジョーンズ)氏、Robert Biggs(ロバート・ビッグス)氏、Jeremy Laycock(ジェレミー・レイコック)氏と同社を共同設立したJeremy Annis(ジェレミー・アニス)氏は次のように語る。「急成長中のソフトウェア企業が規模を拡大する際に専門知識とリソースを提供してくれるロング・リッジと提携できることを大変うれしく思っている。この投資は、世界をリードする当社のデータインテリジェンステクノロジーに対する大きな自信と、資産と繁栄を脅かす犯罪行為から企業と政府を守る当社の能力を示すものだ。今回の資金調達により、当社は世界展開を加速させ、顧客に最先端の金融犯罪ソリューションを提供するとともに、Labyrinthプラットフォームを新たなレベルに押し上げることができる」。

同社は、今年は今までで一番変化の大きい年だと言っている。状況から考えれば当然のことである。2020年は新型コロナウイルス感染症の世界的流行にともないオンライン取引への移行が大きく進んだだけでなく、世界経済の引き締めにより金融の混乱や新たな不正行為が増加したほか、この不安定な状況から利益を得ようとする犯罪行為も発生している。

これをうけてリップジャーは、6社の新規企業顧客と契約を締結し、4社の主要な既存顧客との取引を拡大した。現在では世界中に約2万の顧客を抱えているという。

筆者と同じように、読者の皆さんも「Ripjar(リップジャー)」という社名が気になっているかもしれない。この社名に意味があるとすれば、それは、同社の取り組みを暗に示唆するものに違いない。

しかし、広報担当者の説明によると「名前には何の意味もありません。これまでに使われたことのない名前を確実に選択するテクノロジーを使用して名前を付けたのです」とのことだった。

世界有数の金融センターの1つであるロンドンは、興味深いフィンテックスタートアップが生まれ育つ場所として高い評価を得ている。人工知能の分野でも有能な人材を輩出している英国は、フィンテックの保護に役立つサービスを構築するスタートアップにとって非常に豊かな土壌になっているということだ。

リップジャーが資金調達して規模を拡大したのは、詐欺や金融犯罪に対抗するためにAIを構築している他の2社が同じく資金調達し成長を遂げてから数か月以内のことだった。7月には、金融犯罪を食い止めることを目指してデータベースとプラットフォームを構築してきたComplyAdvantage(コンプライアドバンテージ)が5000万ドル(約52億8000万円)の資金調達を発表した。その1週間前には、金融犯罪やその他のサイバー犯罪を検知するためのAIを構築している別の英企業Quantexa(クアンテクサ)が6470万ドル(約68億3000万円)を調達している。

リップジャーは、Palantir(パランティア)のような業界大手だけでなく、この2社のことも競合相手だと考えている。ほとんどの場合、金融犯罪に取り組んでいる大企業は、複数の企業のテクノロジーを同時に使用している。

リップジャーは、より高度なアプローチを取っていると主張している。同社のインテリジェンス部門のディレクターであるDavid Balson(デビッド・バルソン)氏は、競合他社に関する筆者の質問に答えて次のように述べた。「Labyrinthは市場で最も先進的なソリューションであると確信しています。何十年にもわたり国家安全保障局内で犯罪やテロと戦ってきた経験を経て、Labyrinthを開発したからです。犯罪との闘いに特効薬はありません。そのため金融部門や法執行機関で行われている重要な仕事の効率性と有効性を強化するために、何百もの新しい技術を考え出さなければなりませんでした。このような新しい技術には、世界をリードする自然言語処理(NLP)や身元分析機能が含まれています。これらの機能はグローバルな言語とスクリプト上で機能し、構造化データと非構造化テキスト(ドキュメント、ニュースレポート、Webページ、インテリジェンスレポートなど)の間の点を自動的に結びます。これは、この分野でよく見られる情報過多の問題をアナリストが克服するのに不可欠な手段です」。

確かに、単体で特効薬になれないのはリップジャーのテクノロジーだけではない。マネーロンダリングの問題だけでも2兆ドル(約211兆円)の規模があるため(そのうち犯人を特定して、損失を取り戻したものは1~2%のみ)、少なくとも現時点では、銀行や政府などがこの問題に取り組むために複数のリソースを投入するのをいとわないのも当然だ。

ロング・リッジのマネージングパートナーKevin Bhatt(ケビン・バット)氏はある声明の中で次のように述べている。「金融機関、企業、政府機関は、金融犯罪やサイバー脅威にかかわるリスクの増大に直面している。我々は、リップジャーが、自動化によって新たな脅威を発見しつつコンプライアンスにかかるコストを削減できるような人工知能ソリューションを提供できる有利な立場にあると確信している。また、継続的な成長をサポートするために同社とパートナーを組むことができて非常にうれしく思っており、同社のチームと密接に連携し、新しい地域、顧客、垂直市場への拡大を支援することを楽しみにしている」。

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カテゴリー:人工知能・AI

タグ:データサイエンス 資金調達 イギリス

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(翻訳:Dragonfly)

服を着たまま全身の推定採寸を行えるAI採寸技術のBodygramが約18億円を調達

服を着たまま全身の推定採寸を行えるAI採寸技術のBodygramが約18億円を調達

Bodygram Japanは10月1日、国内外複数の投資家から、シリーズBラウンドとして1700万ドル(約18億円)の資金調達を完了したと発表した。

今後、BodygramのAI技術およびサービスの向上のため、研究開発投資、「身体データプラットフォーム」のエコシステムの構築、「Bodygram」アプリ(Android版iOS版)による「Bodygram ID」数の拡大、デジタルアパレル・オンラインフィットネス・遠隔医療への進出、NYオフィスの開設の強化に注力する。

同社は、人工知能(AI)の学習機能を駆使して身体サイズを推定する先進技術を開発。年齢・身長・体重・性別を入力し、服を着たまま、スマートフォンで正面・側面の2枚の写真を撮影するだけで被写体のボディラインを自動検出し、腹囲・肩幅・手足の長さなど全身のサイズを推定できる。

服を着たまま全身の推定採寸を行えるAI採寸技術のBodygramが約18億円を調達

これまで、アパレル業界やライフスタイル・ヘルスケアに技術提供を行うなどの実用化を実施済み。また2020年6月にコンシューマー向けに服を着たまま全身の推定採寸を行えるBodygramアプリの提供を開始。今後も様々な分野への展開を計画している。

Bodygram導入実績としては、ファッション通販サイト「SHOPLIST.com by CROOZ」、ユニクロアプリ内の「MySize CAMERA」機能、花王ヘルシア「モニタリングヘルス」、エアウィーヴ 「エアウィーヴ レコメンド サービス」がある。

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中国検索大手Baiduのスマートボイス部門が3100億円の評価で単独資金調達へ

中国最大の検索サービスを提供し、また人工知能研究のリーダーでもあるBaidu(バイドゥ)はスマートボイス分野へと活動範囲を広げている。同社のスマートリビング部門はポストマネーバリュエーション200億元(約3100億円)で単独資金調達を行う構えだ。

資金調達の動きはスマートリビング部門が今後スピンオフする可能性があることを示している。同部門はAmazon Alexaと同じ音声アシスタントであるDuerOSで最もよく知られている。DuerOSは2019年初め時点で、バイドゥの自前ブランドのスピーカーやさまざまなサードパーティのガジェットを含め、計2億台のデバイスで使用されていた(未訳記事)。

マーケットリサーチ会社のIDCによると、バイドゥは2019年にXiaoduスピーカーを約1500万台出荷した。中国ではAlibaba(アリババ)に次ぐ大手であり、Xiaomi(シャオミ)よりも出荷台数は多い。

国有投資会社Citicの資産運用会社であるCitic Private Equity Funds Management(CPE)、バイドゥのベンチャー部門バイドゥ Capital、IDG Capitalを含む投資家は、金額は非公開ながらスマートリビンググループのシリーズAラウンドに投資する正式契約を結んだ。

中国では近年、インターネット企業、そして不動産やヘルスケア、教育、金融といった部門のデジタルソリューションを欲している企業との間での協力が増えている

バイドゥによると、資金調達は今年第4四半期のクローズが見込まれる。完了すればバイドゥは大株主になり、多議決権を持つ。そして引き続きスマートリビンググループの決算を統合する。

音声知能における競争はハードウェアメーカーとの提携を確保するレースだ。音声知能は消費者の使用やデータに貢献し得る。スピーカーの販売はさておき、車メーカーがオープンソースの自動運転プラットフォームApollo(未訳記事)を使っていることが好影響で、バイドゥはコネクテッドカーへの音声アシスタント導入で優位に立っている。言うまでもなくアリババはスマートボイスシステムとスピーカーを展開するのに小売での支配力を活用できる。一方シャオミは音声能力の取得で恩恵を受けるかもしれないIoT部門を席巻している。

バイドゥのAIにおける取り組みは、近年同社がリクルートしたAndrew Ngアンドリュー・ン)氏やLu Qi(ルー・チー)氏といった一連の有名なサイエンティストによるものだ。同社は早くからAIの将来に賭けてきた。しかしまだ初期段階にあるAI関連事業は大した売り上げをげていない。創業20年のバイドゥは広告売上を伸ばすのに引き続き検索に頼っているが、広告主に最近もてはやされているTikTok(ティクトック)の親会社ByteDance(バイトダンス)との競争激化に直面している

画像クレジット: バイドゥ

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(翻訳:Mizoguchi

知識データベースのGoldenが約15.3億円調達、最新技術に関してWikipediaより強いと主張

知識ベースのGoldenが、シリーズAで1450万ドル(約15億3000万円)を調達したことを明らかにした。このラウンドをリードしたのは既存投資家Andreessen Horowitzで、そのトップであるMarc Andreessen(マーク・アンドリーセン)氏がGoldenの取締役会に加わった。

Goldenが昨年ローンチしたとき、創業者でCEOのJude Gomila(ジュード・ゴミラ)氏は「目標はWikipediaが弱い分野、特に最新技術とスタートアップに関する知識ベースを作ること」だと語った。

今週ゴミラ氏は「企業とテクノロジーと、これらの分野の人々」に関してはGoldenはいまでも強い、と述べた。その意味では、Crunchbaseと競合するかと思われるが、しかし企業や人に関する基本データを集めるだけでなく、量子コンピューティング新型コロナウイルスのような重要な話題は、説明と情報の「クラスタリング」(多様な情報の集積)に力を入れている。ところで、TechCrunchこの記事の筆者の私もGoldenにプロフィールページがあるが、特に後者は空っぽで悲しい。

ゴミラ氏によると、コミュニティのエディターに依存しているWikipediaと違って、Goldenは人工知能と自然言語処理を利用してデータの多くを集めている。そのAIは、ニュースやウェブサイト、公開データベースなどから情報を取り出している。

それを人間のスタッフが補うが、外部から間違いやより新しい情報があることを指摘してもいい。なお、以前TechCrunchの編集部にいたHolden Pageホールデンページ)氏がGoldenの調査チームを率いている。このような、人力にも頼る編集工程の例としてゴミラ氏は、誰かが記事のリンクをペーストしたら、自動的にその記事の要約を作るツールを挙げた。

同氏氏は「今後できるだけ多くを自動化していきたいと考えていますが、現状ではこのハイブリッド方式が最も効果的な方法です」と語る。

Goldenは、有料顧客との共同事業も開始した。提携の対象はプライベートエクイティ企業やヘッジファンド、VC、バイオテクノロジー企業、企業のイノベーション推進部門、政府の省庁などだ。同社によると実際に今年は、米空軍と100万ドル(約1億500万円)の契約を結んだ。有料顧客は同社のQuery Toolなど、Goldenのリサーチエンジンを利用でき、また同社に特定の話題に関する調査をリクエストできる。

同社はこれまでに1950万ドル(20億5600万円)を調達した。今回の投資にはDCVCやHarpoon Ventures、Gigafundなどが参加している。

アンドリーセン氏は声明で「Goldenの知識データベースとリサーチエンジンは、最新技術とその背後の企業や投資家、製作者に関する情報を集積しています。人間と機械知能の協働により、Goldenのプラットホームは人々に意思決定のための最先端の知識を与え、不確定性の海を正しく航行できるようにしています」とコメントしている。

関連記事:ウィキペディアの弱点を補完するGoldenは最新技術やスタートアップに強い

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

脳血管内手術の安全性を向上させる手術支援AI開発のiMed Technologiesが資金調達

脳血管内手術の安全性を向上させる手術支援AI開発のiMed Technologiesが資金調達

脳血管内手術の手術支援AIを開発するiMed Technologiesは10月1日、第三者割当増資として、資金調達を実施したと発表した。引受先は、SBIインベストメントが運営するファンド、グロービス経営大学院(G-GROWTHファンド)、三井住友海上キャピタルが運営するファンド。

今回の資金調達により、研究開発体制を強化し、脳血管内手術の手術支援AIを少しでも早く臨床現場に届けるべく、事業を加速させる。

同社は、「世界に安全な手術を届ける」というビジョンのもと、動画解析を活用し脳血管内手術の安全性を向上させる手術支援AI(特許出願中)の開発を行うスタートアップ企業。2019年4月の創業以来、東大IPC 1stRoundやNVIDIA Inception Programなどの支援を受け、開発を進めている。

脳血管内手術は、脳梗塞やくも膜下出血などを治療する手術方法のひとつ。脳血管内手術は、従来の開頭手術と比較して患者への負担が少ない手法で、手術件数は年率10%以上で増加している。

また、新型コロナウイルスに感染すると脳梗塞に約7倍かかりやすいとの報告が出ており(The New England Journal of Medicine, 2020 ; 382:e60)、ウィズコロナ時代には脳梗塞が増える可能性があるとしている。

ただ、この脳血管内手術を行う際には、複数の部位を同時に見ながら繊細な操作をする必要があり、わずかな操作の遅れやずれが合併症につながる。脳は最も重要な臓器のひとつであり、合併症が起こった際には命に関わるような重篤な状況におちいる。

CEOの河野健一氏は脳神経外科医師として16年間医療現場で手術を行い、医療現場で経験してきたこの課題を解決するために、ディープラーニングを用いた手術支援AIの開発に着手したという。