従業員コンディション分析のラフールが博報堂「ミライの事業室」と提携、生活者のウェルビーイング実現に向け新事業創造

企業向けに心身の健康状態などの調査・対策をサポートするラフールは3月14日、博報堂の広告事業を超えた新規事業を目指す「ミライの事業室」との業務提携締結を発表した。この提携により、生活者のウェルビーイング(心身ともに充足している状態)の実現に寄与するための新規事業創造を推進する。

提携による新サービスの第1弾は、共同開発した「ウェルビーイングタイプ診断」(ソフトクラスタリング)。ラフールの企業向け従業員サーベイツール「ラフールサーベイ」に搭載し、3月28日よりラフールサーベイ導入企業に提供を開始する。

近年、コロナ禍やテレワークの長期化などにより、従業員がメンタルに不調を抱えていても管理者側がそれら不調や変化を把握しにくいという状況がある。しかしそうした状況下でも、従業員が安心して業務をこなせるよう、従業員のメンタル変化に加えて個々の価値観や嗜好を踏まえたウェルビーイングの傾向を把握し、踏み込んだ形で向き合えることが重要という。この課題を解決するものとして、ラフールとミライの事業室は、ウェルビーイングタイプ診断モデルを共同で開発した。

これは、ミライの事業室による独自診断指標「生活者ウェルビーイング21因子」を基にした生活者調査を活用し、ラフールと共同で開発したものという。ラフールサーベイにおいて入力された回答から診断を行い、生活者ウェルビーイング21因子から抽出した5種類のウェルビーイングタイプのうちどれに近いのか結果を表示する。

またこの結果により、従業員が自身のメンタル状態に加えてウェルビーイングタイプ(価値観や嗜好性)を把握でき、従業員同士や組織内のコミュニケーション活性化ツールとして利用されることを目指しているそうだ。また2022年8月以降は、利用者のアンケート結果などを踏まえ、随時アップデートしていく予定とのこと。

2011年11月設立のラフールは、あらゆる業種の企業向けに、従業員のメンタル・フィジカルの状態や、エンゲージメント、衛生要因を可視化する組織診断サーベイとして、ラフールサーベイを開発・運営。ラフールサーベイは、人事施策の効果を定量化し、従業員・管理職・企業と立場の異なる人達が共通認識を餅、共通言語化できるものとしている。

また約3000社の従業員18万⼈以上のメンタルヘルスデータから、⼤学や臨床⼼理⼠の知⾒を取り⼊れた独⾃の調査項⽬を従来のストレスチェックに加えることで、多⾓的な分析が可能。組織エンゲージメント・ハラスメントリスク・離職リスクなども含めた包括的な診断も行える。

「アプリで注文したら20分以内に商品お届け」デリバリー専門スーパーを手がけるMeshが2億円のシード調達

「アプリで注文したら20分以内に商品お届け」デリバリー専門スーパーを手がけるMeshが2億円のシード調達ダークストア型スーパーマーケット「Mesh」を開発するMeshは3月16日、シードラウンドとして約2億円を調達したと発表した。引受先は、Coral Capital、Delight Ventures、W ventures、堀井翔太氏(スマートバンク代表取締役CEO、エンジェル投資家)。調達した資金により、「アプリで注文したら20分以内に商品をお届け」するデリバリー専門スーパーを構築し、世界のコマースを次のステージに押し上げるとしている。

ダークストアとは、英語で「倉庫」を意味し、ユーザーが来店しないデリバリー限定の店舗を指す。同社は、調達した資金を基にMeshの開発を推進する。取り扱い商材は一般のスーパーと同様の食品・飲料・日用品とし、注文はスマートフォンアプリ経由のみ、配達時間は注文後20分以内という業態のスーパーを構築する。また当初は東京23区内でサービス提供を開始し、順次日本全国および海外にエリアを拡大する。

Meshは「頼んだら、いま、届く」体験を作ることで、生鮮食品をはじめ商材のさらなるEC化を押し進め、次のコマースのインフラを作るという。

社会インパクト可視化システム・社会インパクト投資プラットフォームのインパクトサークルが8000万円のシード調達

社会インパクト可視化システム・社会インパクト投資プラットフォームを構築するインパクトサークルが8000万円のシード調達

インパクトサークルは3月16日、シードラウンドとして、第三者割当増資による約8000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、インクルージョン・ジャパン、Relicなど。調達した資金は、国内外事業展開の加速にあてる。

2021年7月設立のインパクトサークルは、社会インパクト可視化システムと、社会インパクト投資プラットフォームを構築するFinTechスタートアップ企業。「インパクト×リターン」を実現するマイクロファイナンス・リースを自ら運用し、また投資によって生み出される社会インパクトを可視化することで、新たな社会インパクト投資の機会を創出するプラットフォームを構築する。

南紀白浜空港でHoloLens 2利用のスマートメンテナンスや複数ロボットの協調制御による来訪者案内などローカル5G活用実証

南紀白浜エアポート日本電気(NEC)、THKオリエンタルコンサルタンツは3月14日、和歌山県南紀白浜空港においてローカル5Gなどのテクノロジーを活用し様々な課題解決を図る実証実験を実施すると発表した。

また、日本マイクロソフト凸版印刷が協力し、MR(複合現実。Mixed Reality)やロボットによる新技術・新サービスを試行する。今回の実証実験により、地方の業務環境創出と来訪者増大を目指す。実証期間は2023年3月31日まで。

実験は3種類あり、南紀白浜空港の空港ターミナル内と航空機の駐機場所(エプロン)、滑走路周りの場周道路を対象に行われる。これらの場所において、4.8~4.9GHzを利用する固定型と可搬型のローカル5G基地局を活用し、高速大容量・低遅延なローカル5Gネットワークを構築する。

HoloLens 2を利用したスマートメンテナンス

Microsoft HoloLens 2、NECの点群データ活用侵入検知技術、ローカル5Gの大容量通信を組み合わせて制限表面を樹木などが超えていないか分析・検知し、点検者のHoloLens 2に表示を行い点検時の見落としを防ぐ。制限表面とは、航空機の安全な航行を目的として飛行場の周辺空間に設定される面のこと。また路面劣化などの点検時は、HoloLens 2上で現実空間に過去の点検記録を重ね合わせて表示し、目視よりも作業時間を短縮し確認の効率化を目指す。熟練労働者の技術力継承の一助とし、生産性が高い業務環境創出を実現する。

制限表面を超えた樹木を検知した際のHoloLens 2の映像

制限表面を超えた樹木を検知した際のHoloLens 2の映像

複数ロボット協調制御による来訪者案内・デジタルサイネージ広告

THKのサイネージロボットとNECの複数ロボット協調制御技術を活用し、空港内を2台のロボットが協調連携しながら分担して来訪者を目的地まで案内する。案内後は移動型デジタルサイネージによる宣伝広告に切り替わる。加えて、ローカル5Gネットワークを利用しロボット搭載カメラから映像を取得することで、オペレーターが遠隔地からロボットを操作し案内することも可能。これにより、案内スタッフのテレワークの実現と、省人化・無人化されたサービスや業務の柔軟かつスピーディーな開発・社会実装に大きな役割を果たすとのこと。

1台目のロボットから2台目のロボットに案内を引き継ぐ様子

1台目のロボットから2台目のロボットに案内を引き継ぐ様子

MR空間でペイントしたオリジナル飛行機の着陸見学

南紀白浜空港では、バックヤードツアーとして、滑走路の間近からの航空機の離発着見学など普段は立ち入ることのできない空港の裏側を巡る体験ツアーを実施している。このツアーのコンテンツ拡充を見据え、ローカル5Gの低遅延・リアルタイム伝送という特徴とMR技術とを活用し、新たな観光体験を提供する新サービスの実証を行う。

6社は、将来的にHoloLens 2などMRデバイスにおける現実空間とデジタル空間の位置を調整する方法の高度化や、複数ロボットの協調制御機能を空港・他業種のソリューションに応用するなど、今後もローカル5Gを活用し南紀白浜空港の魅力を向上させ、生産性が高く働きがいのある業務環境の創出、来訪者の増加という課題解決を目指す。

IT中心にグローバル人材の獲得支援を行うフォースバレーが約3億円調達、SaaS事業を強化

日本企業が世界中の優秀な人材を獲得する支援を行うフォースバレー・コンシェルジュは3月14日、第三者割当増資による総額3億円の資金調達を行ったと発表した。引受先は、ベネッセホールディングス、日本管理センター、Orchestra Investment、ザ・スタンド、アリストテレスパートナーズ、佐々木食品工業、琉球インタラクティブ、古庄秀樹氏、そのほか事業会社多数と個人投資家多数。調達した資金は、同社が運営する「Connect Job WORKERS」と「Connect Study ABROAD」のソフトウェアへの開発投資、マーケティング投資、運営体制の強化へあてる。

これまでフォースバレーは、世界と企業をつなぐ国境を越えたグローバル採用支援事業「Connect Job」を運営してきた。そこで培った豊富なネットワークを基に2021年にリリースされたのが、特定技能外国人と日本企業を結びつけるConnect Job WORKE、外国人留学生と日本の教育機関を結び付けるConnect Study ABROADというふたつの紹介プラットフォームとなる。

さらに同社では、コロナ禍により外国人の受け入れが厳しくなっている中で事業のSaaS化を進めると同時に、オンラインの日本語教育や人材のリモート採用、越境のクラウドソーシングなど、コロナ禍の再拡大を見据えこれら新規事業モデルをリリースする準備をしてきたという。今後は、外国人の採用支援のみならず、留学から進学・就職・転職に加え来日に向けたビザの獲得から生活の開始まで共通DXプラットフォーム上でサポートし、拡大する外国人経済圏向け事業のさらなるスケールを目指すという。

2007年11月設立のフォースバレー・コンシェルジュは、Connect Jobのブランドのもと、世界中の人材と企業をつなぐグローバル採用支援事業を営む企業。同社データベースには186の国と地域、累計約40万人の人材が登録されており、日本の大手グローバル企業、IT企業を中心に地方や中小企業まで約400社と取引実績を持つという。また、経済産業省・沖縄県・富山県・静岡県・長野県など、省庁・地方自治体からの事業を受託している。

小中高生クリエーター支援プログラム「2022年度未踏ジュニア」、独創的なアイデアと卓越した技術を持つ17歳以下を募集

日本のイノベーションを加速させることを目標とする未踏は3月14日、独創的なアイデアと卓越した技術を持つ17歳以下のクリエーターを支援する「2022年度未踏ジュニア」の参加者募集を開始したと発表した。対象は、17歳以下の小中高生。応募締め切りは2022年4月9日23時59分。参加費は無料。

未踏ジュニアは、採択されたクリエーターに対し、メンターや専門家による指導に加え、最大50万円の開発資金・場所・機材を提供し、ソフトウェア・ハードウェアの開発を約5カ月間にわたって支援するプログラム。発表会場への交通費、宿泊費など、採択後のプログラムに関する費用は未踏ジュニアが支給する。

2022年度は4月9日まで参加希望者の応募を受け付け、開発プロジェクトの提案書とオンライン面接による審査を経て採択者を決定する。

「2022年度未踏ジュニア」概要

  • 対象:2022年4月1日時点で17歳以下の個人、または17歳以下で構成されたグループ(最大4人)
  • 参加費用:無料(イベントがオフラインで行われる場合、参加のための交通費・宿泊費も支給される)
  • 応募締め切り:2022年4月9日23時59分
  • プログラム期間:2022年6月から10月までの約5カ月間(予定)
  • 応募方法応募の手引き解説サイトの手順に沿って申し込む

支援内容

  • メンターを中心とした、未踏事業修了生によるメンタリング
  • 各グループ最大50万円の開発費用の支援
  • 開発場所・開発に必要な機材の提供
  • 未踏ジュニアスーパークリエーターの認定

未踏では、25歳以下を対象とした経済産業省所管の独立法人情報処理推進機構(IPA)の人材育成プログラム「未踏IT自在発掘・育成事業」を開催し、起業家・研究者などの突出したIT人材を輩出している。これを対象年齢を17歳以下に引き下げたのが、未踏ジュニアだ。2016年の立ち上げ以来、支援する個人・法人が増えたこともあり2018年からは毎年100件以上の応募が集まっているという。2021年度の応募数は123件、採択数は14件、倍率は8.79倍だった。

2021年の成果は公式YouTubeチャンネルウェブサイトで確認できる。

 

海外旅行予約アプリ「NEWT」を運営する令和トラベル、旅行販売を行う「NEWTメタバース支店」を期間限定オープン

海外旅行予約アプリ「NEWT」(ニュート)を提供する海外旅行代理店の令和トラベルは3月10日、海外旅行をより身近に感じてもらうため同社初となる店舗「NEWTメタバース支店」をメタバース上に期間限定でオープンすることを発表した。会場は、バーチャルSNS「cluster」のクラスターが開催するゲームクリエイターフェス「ClusterGAMEJAM 2022 in SPRING」。

NEWTメタバース支店は、バーチャル空間でリアルの海外旅行を販売する「完全バーチャル旅行代理店」。店舗まで物理的な距離を移動することなく、全国どこからでも気軽に参加できる。

販売商品例としては、20万円から(大人/1名/諸税込)の「ホノルル5泊7日」、12万円から(大人/1名/諸税込)の「バンコク3泊5日」ほか、ユーザーの要望を受け店舗スタッフが最適なプランを作成するなどの対応も行う。

「NEWTメタバース支店」店舗情報

  • 店舗名:NEWT(ニュート)メタバース支店
  • 接客期間:
    3月11日20時~22時(最終受付21時30分)
    3月17日20時~22時(最終受付21時30分)
    店舗自体は、プレイベント期間を含め3月11日から27日まで設置される
  • 会場:ClusterGAMEJAM 2022 in SPRING

アクセスするには、まずclusterのアプリをダウンロード。インストールおよびアカウント作成後、ClusterGAMEJAM 2022 in SPRINGの会場となるワールドに移動する。

2021年4月設立の令和トラベルは、「あたらしい旅行を、デザインする。」をミッションに掲げ、海外旅行における新しい体験・社会価値の提供を目指すデジタルトラベルエージェンシー。旅行業界における予約や管理業務のDXを最大化し、これまでになかった「かんたん・おトク・えらべる・あんしん」な海外旅行ツアーやアプリを提供する。

メタバース・現実世界で企業・個人を問わず収入を得られるプラットフォームを開発するSuper Massive Globalが1.1億円調達

メタバース・現実世界で企業・個人を問わず収入を得られるプラットフォームを開発するSuper Massive Globalが1.1億円調達

メタバース空間・現実世界でNFTを誰もが活用し価値を発揮できるプラットフォーム開発を目指すSuper Massive Global(スーパー マッシブ グローバル)は3月10日、シードラウンドとして、第三者割当増資による1億1000万円の資金調達を2月18日に行ったことを発表した。引受先はCBCなど合計8社。2021年にZero-Tenなどから2回にわたる資金調達を受けており、累計調達額は2億5000万円となった。今回調達した資金は、プラットフォーム開発とパートナー企業との業務環境の整備にあてる。

2020年9月設立のSuper Massive Globalは、「バーチャルと現実の境界線を無くす」ことをビジョンに掲げるスタートアップ企業。同社は、国境や人種・性別・文化、そして空間を超えて企業とユーザーといった誰もが楽しく生活をしながら収入や権利を持つことができる「Play to Earn」という世界観の実現を目指しているという。

そのために、メタバース空間内でNFTを発行し、現実世界また誰でも活用可能とすることで、企業・個人どちらも収入を得られる新たなプラットフォームの開発を進めている。

心臓リハビリ治療用アプリなどを開発するCaTeが1億円のシード調達、プロダクト開発と臨床研究を加速

心臓リハビリ治療用アプリなどを開発するCaTeが1億円のシード調達、プロダクト開発と臨床研究を加速

心臓リハビリ治療用アプリなどの開発を行うCaTeは3月10日は、シードラウンドとして、J-KISS型新株予約権の発行による1億円の資金調達を2021年12月に実施したと発表した。引受先はCoral Capital。調達した資金は、プロダクトの開発と臨床研究にあてる。また2022年3月、東京都より第二種医療機器製造販売業の許可を取得したと明らかにした。

心疾患患者は超高齢化社会において年々増加する中、再入院・死亡率の減少のためには、心臓リハビリテーション(心臓リハビリ)が有効であることが知られている。実際に心臓リハビリを行うことで、例えば心不全患者における再入院率が約30%低下すると報告されているという。

しかし日本では、心臓リハビリを実施可能な医療機関が限られていることや患者の通院負担などから、外来心臓リハビリへの参加率は約7%と低い。結果として心不全患者の多くが再入院を繰り返し、医療費負担が発生しているという。この課題を解決するため、遠隔心臓リハビリシステムの早期社会実装が望まれている。

CaTeは、2020年3月の設立時から教育事業におけるiOS・Andoridアプリを含めたシステムを開発。その知見を活かし、外来心臓リハビリを自宅で行える心臓リハビリ治療用アプリの開発に取り組んでいる。同社アプリには、運動療法に加えて、日々のバイタルデータ共有、生活食事管理、AIによる通知・チャット機能などの行動変容を促す機能も採用しており、包括的心臓リハビリテーションを提供できるという。

JR秋葉原駅を再現した世界初のメタバース・ステーション「Virtual AKIBA World」が3月25日11時頃オープン

世界初のメタバース・ステーションとなる「Virtual AKIBA World」が3月25日にオープン、スマホから体験可能

「Virtual AKIBA World」外観(画像は開発中のもの)

VRイベント「バーチャルマーケット」など、VRサービスの開発ソリューションを提供するHIKKYは3月8日、業務提携を結んでいる東日本旅客鉄道(JR東日本)、ジェイアール東日本企画(jeki)とともにオリジナルのバーチャル空間「Virtual AKIBA World」(VAW。バーチャルアキバワールド)を発表した。開業日時は3月25日11時頃(メンテナンスは隔週木曜10時~15時)。利用料は無料。PC・スマートフォンで体験可能。

VAW(バウ)は、世界的なコンテンツ集積地である秋葉原駅とその周辺をバーチャル上に再現した、オリジナルの空間。改札を通過したり電車に乗ったり秋葉原駅周辺を歩いたりなどを体験できる。来訪者同士のコミュニケーションも楽しめるという。

またVAWは、HIKKYが独自開発した技術「Vket Cloud」により、アプリなどのダウンロードを行うことなく、URLリンクをクリックするだけでスマホから手軽にアクセスできる。JR東日本の強みである駅や車両というリアルの場から、QRコードなどを介してバーチャル空間にシームレスに遷移でき、リアルとバーチャルが融合したかのような感覚が得られるとしている。

JR秋葉原駅を再現した世界初のメタバース・ステーション「Virtual AKIBA World」が3月25日開業

バーチャル空間でのホーム、車両と広告イメージ。「共創」の第一歩として、NTTドコモとVAW内での連携を開始する。さらに、今後のXR領域の発展に向けた取り組みを推進

JR東日本との連携により、リアルの駅空間でXRの世界観を体験できるスペースを造成することも予定している。リアルとバーチャルの融合を加速させ、両方のユーザーの往来を活性化しクライアントにバーチャル上での広告展開と販売機会の提供を行っていく。例えば、リアル空間に出稿した駅広告がバーチャル空間ではよりダイナミックに表現されたり、バーチャル空間で購入した商品がリアル空間でシームレスに受け取れたりと、JR東日本だからこそ実現できる新しい日常の創造を目指す。

VAW開業時には、ほかにも以下のような様々な展開を予定している。

山手線31番目の駅「シン・秋葉原駅」

日本を代表する「ヒーロー」4作品によって構成された企画「シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース」(SJHU)とコラボレーションし、コラボ期間中はバーチャル秋葉原を「シン・秋葉原駅」と呼称。バーチャル空間上にVAWオリジナルデザインのグラフィックと各キャラクターが登場し、来場者を出迎える。

秋葉原駅(リアル)に、バーチャル空間への「ゲートウェイ」設置

秋葉原駅改札内の1F改札内イベントスペースに、「VAWゲートウェイ」を期間限定で設置。中央のLEDパネルにはVAWの期待感を高める動画が流れ、横に設置されたQRコードからVAWへアクセス可能となる。設置期間は3月25~31日。

利用者同士のコミュニケーションスペース 「オフ会ルーム」

VAWの機能として、入場者同士がコミュニケーションを取れる空間「オフ会ルーム」を実装する。仲間とルームを作成したり、オンラインの飲み会の代わりとしてVAWで集合したりと、リアルで集まっているかのような感覚が味わえる。

VAW内の機能拡充とともに、限定入場券をNFTで配布する計画も

VAWは、機能を拡充し、限定入場券をNFTで配布するほか、来訪者同士の交流の深度化やイベントの活性化を図るという。将来的にはバーチャル空間内でのお買い物体験や、購入した商品を駅で受け取れるなど、リアルのサービスとの連動によるこれまでにない体験の実現を目指すとしている。

画像クレジット:
©TTITk「シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース」コラボ VAWオリジナルキービジュアル

栄養価不足などを調べられる即時尿検査サービス開発のユーリアが5500万円調達、6月の製品リリース目指す

栄養価不足などを調べられる即時尿検査サービス開発のユーリアが5500万円調達、6月の製品リリース目指す

尿検査キットと専用アプリで栄養価不足などを調べる「即時尿検査サービス」を開発中のユーリアは3月10日、第三社割当増資により約5500万円の資金調達を実施したことを発表した。引受先は、ミレイズ、秀インターなど。

調達した資金は、2022年6月のサービスリリースを目指し、研究開発およびシステム開発の強化、それに伴う人材の採用を強化にあてる。またまずは今春、スポーツチームやアスリートに向けた検査キットのリリースを予定しているという。

ユーリアは、「すぐわかるを、もっと身近に」をビジョンに掲げ、尿検査で体の状態を即時に解析することを目的に、東京大学との共同研究により起ち上げられたヘルスケア領域スタートアップ。独自バイオマーカーの研究による解析・計測技術、検出したデータをモニタリングするスマートフォンアプリを開発している。

現在開発を進める尿検査サービスでは、尿中の成分に応答するバイオマーカーを編み出し、検査キットとスマートフォンアプリを使い3ステップでアミノ酸やビタミン、ミネラルなどの成分を検出できるという。誰もが「低コスト・簡便・迅速」に尿から体の状態をモニタリングできる世界を実現するとしている。栄養価不足などを調べられる即時尿検査サービス開発のユーリアが5500万円調達、6月の製品リリース目指す

サイトビジットの電子契約サービスが「freeeサイン」に名称変更、個人事業主専用スタータープランも開始

電子契約サービスを提供するサイトビジットは3月8日、これまで提供してきた「NINJA SIGN by freee」のサービス名を「freeeサイン」へと改め、ロゴも刷新することを発表した。同時に、個人事業主専用プラン「スタータープラン」の提供を開始した。

なおロゴは、freeeグループの各サービスと同様に、ツバメがサービスを象徴するアイコンをくわえているデザインに変更している。契約業務では多くのシーンで「署名・サイン」することから、freeeサインでは署名を象徴する万年筆を象徴アイコンとした。

freeeサインは、弁護士監修の電子契約サービス。契約書をはじめ、申込書や入社関連書類など幅広い文書について、作成・稟議・送信・締結・保管が行える。利用者と取引先が抱いた不明点を早急に解決するサポートも用意しているという。

今後は、freeeeの提供する統合型クラウドERPサービスとともに、会計・ワークフロー・人事労務と契約を一体で効率的に管理できる仕組みを構築し、業務フローの負担軽減を実現していく。

個人事業主専用「スタータープラン」を提供開始

名称変更と同時に発表されたのが、個人事業主やフリーランスといったスモールビジネスに携わる人々へ向けた「スタータープラン」の提供開始だ。業務委託契約書、NDA、領収書、建物使用貸借請求書、委任状など、弁護士・専門家が監修したテンプレートを事前にセットしており、細かな設定なども必要なくプラン利用開始とともに使用できる。これらテンプレートの種類は、順次拡充する予定。

また、電子サイン送信や電子署名を月10通まで送信できる。契約書はじめ、請求書や納品書、入社書類といった文書まで送信可能。使用している中でわからないことがあれば、メールとチャットにより短時間で相談が行えるサポートも展開している。

このほか、自身の印鑑を登録・オリジナル印鑑画像を作成できるマイ印鑑機能、押印パターン設定、契約書ステータス管理、検索項目の設定、入力項目検索、フリーワード検索、PDFテンプレートなど基本機能を備えている。

スタータープランの料金は、年額1万2936円(税込)。月々実質1078円(税込)としている。支払方法は、年払いのみで、クレジット課金・PayPal(年額一括払い)のみ。対象は個人事業主で法人は不可。アカウント数は1アカウント。

国際宇宙ステーションに代わる宇宙環境利用プラットフォームを開発するElevationSpaceが3.1億円のシード調達

国際宇宙ステーションに代わる宇宙環境利用プラットフォームを開発するElevationSpaceが3.1億円のシード調達

国際宇宙ステーション(ISS)に代わって宇宙での実験や製造が行える宇宙環境利用プラットフォーム「ELS-R」を開発する宇宙スタートアップElevationSpace(エレベーションスペース)は3月9日、シードラウンドとして、第三者割当増資による約3億1000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、Genesia Venture Fund 3号投資事業有限責任組合(ジェネシア・ベンチャーズ)をはじめとする6社。これにより補助金なども含めた累積調達額は3億5000万円となった。また、新たな社外取締役に、ジェネシア・ベンチャーズのPartnerおよびChief ESG Officerの河合将文氏が就任した。

国際宇宙ステーションに代わる宇宙環境利用プラットフォームを開発するElevationSpaceが3.1億円のシード調達ElevationSpaceは、東北大学吉田・桒原研究室で10基以上の小型人工衛星を開発してきた技術を基に、2021年2月に設立した東北大学発の宇宙領域スタートアップ。宇宙空間での実験・研究・製造などが行える小型宇宙環境利用プラットフォーム「ELS-R」の開発を行っている。2023年後半には技術実証機「ELS-R100」を打ち上げ、2026年にはサービス提供機「ELS-R1000」を打ち上げる予定だ。

ELS-Rでは、宇宙の微小重力環境を活かした研究、試験、製造が行える。実験などを行ったペイロードは地球に帰還させ、回収することができる。何かと利用が難しく、2030年には退役が予定されているISSに代わって、安価に素早く利用できるのが特徴だ。想定される利用例としては、基礎研究フェーズの他、創薬分野の高品質なたんぱく質結晶の生成といった応用研究フェーズから、宇宙旅行を見据えた化粧品・食品・家電品などの開発に関連する実証や試験フェーズ、地上では作れない新素材の宇宙製造といった量産フェーズなどが考えられている。技術実証機では、ユーグレナが、宇宙での食糧やエネルギー源となるミドリムシの培養実験を行うことが決まっている。

今回調達した資金は、ELS-R100の開発促進、さらにELS-R1000の研究開発と事業開発に向けた組織体制の構築に使われるとのこと。また今回、科学技術分野の企画、研究、コンサルティングを行うリバネスグループとの業務提携も発表された。同社が持つビジネスと科学領域の知見と産官学のネットワークを活かして、宇宙での新規材料製造マーケットの創出に取り組むという。

引受先6社は、ジェネシア・ベンチャーズ、みらい創造機構、既存投資家のMAKOTOキャピタル、リバネスキャピタル、東北大学ベンチャーパートナーズ、Plug and Play Japanとなっている。

歯の再生治療薬の研究・開発加速、歯科領域創薬の京大発スタートアップ「トレジェムバイオファーマ」が4.5億円調達

歯の再生治療薬の研究・開発加速、歯科領域創薬の京大発スタートアップ「トレジェムバイオファーマ」が4.5億円調達

歯科領域創薬の京大発スタートアップ企業「トレジェムバイオファーマ」(Toregem Biopharma)は3月8日、第三者割当増資による総額4億5000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、京都大学イノベーションキャピタル、Astellas Venture Management LLC、Gemseki、フューチャーベンチャーキャピタル、京信ソーシャルキャピタル、京都市スタートアップ支援2号ファンド。

調達した資金により、USAG-1中和抗体の非臨床安全性試験と治験用製剤の製造準備を進め、世界初の歯の再生治療薬の研究開発を一層加速させ、2023年度内の治験開始を目指す。

トレジェムバイオファーマは、京都大学大学院医学研究科口腔外科学分野の髙橋克准教授(現、同客員研究員、公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院歯科口腔外科主任部長)による長年の研究成果に基づき、2020年5月に設立。

骨形成たんぱく質であるBMPなどの働きを阻害する分子「USAG-1」が歯の発生過程に関与し、USAG-1を抑制する中和抗体によって無歯症モデル動物で欠損歯が回復することを明らかにした。

一般的な歯の治療法である義歯やインプラントの人工歯に対し、抗体製剤(注射薬)など医薬品による自己歯の再生は根治的な治療法となりえる可能性があり、同社は、同研究で得られた中和抗体を新規医薬品として上市を目指すとしている。

また現在、先天性無歯症を最初の適応疾患として研究開発を進めているという。先天性無歯症では、患者が未成年で顎骨が発達期にあるため義歯やインプラントの適用が困難であり、成人するまで根治的な治療法の無い希少疾患となっている。現状は成人するまでの長期間を温存療法で耐えるしかなく、歯の欠損が栄養確保と成長に悪い影響を及ぼすため、根治的な治療法の開発が強く望まれている。

そこでトレジェムバイオファーマの開発物質により、先天性無歯症患者の自己歯を再生してQOLの改善を提供するという。さらに、USAG-1の中和抗体は永久歯の後の第三生歯を発生させることも期待されており、将来的には高齢者のオーラルフレイル(口腔内の虚弱)改善まで展開し、歯科治療に広く貢献したいと考えているそうだ。

企業の福利厚生で使えるAI恋愛ナビのAillがJR西日本グループと連携、新しい出会いを創出する「食レポイベント」実証実験

企業の福利厚生で使えるAI恋愛ナビアプリ「Aill goen」(エール ゴエン)を提供するAill(エール)は3月8日、JR西日本イノベーションズジェイアール西日本ホテルズ、ルクア大阪などを展開するJR西日本SC開発と連携し、AIによるデート提案「食事レポートイベント」(食レポイベント)の実証実験を3月9日より開始すると発表した。

実験では、Aill goen対象者のうち、恋愛相手を求める二者のデートにふさわしいタイミングで、Aillの独自AIが食レポイベントの提案を行う。ここからデートに行くきっかけや、お互いを知るきっかけを作り、デート成功確率向上を目指す。イベントは、JR西日本グループの「ホテルグランヴィア京都」・「ホテルグランヴィア大阪」およびJR大阪駅直結の駅型商業施設「ルクア大阪」館内の対象レストランにて行う。

具体的にはは、まずAIがチャットで「お互いを知る」会話のアシストを行った後、デートに行きそうな2人にAIが食レポイベントを提案する。ユーザーは提携レストランからお店を決定し予約。食事後、2人で食レポを執筆しAill goenアプリに投稿する。そのお礼として、ユーザーにはお得なクーポン券がプレゼントされる。

「食レポイベント」概要

  • AIがチャットで「お互いを知る」会話のアシストを行う
  • デートに行きそうな2人に、AIが「食レポイベント」を提案
  • 「食レポイベント」提携レストランからお店を決定し、予約
  • レストランに来店
  • 2人で食レポを執筆・Aill goenアプリに投稿
  • 食レポ投稿のお礼として、お得なクーポン券をプレゼント

Aill goenは、企業が福利厚生サービスとして登録する、独身社員専用プラットフォーム。信用できる企業専用のコミュニティとなるため、安心・安全な出会いの機会を提供する。さらにAIナビゲーションアプリを通じて、社外の出会いからお付き合いまでをサポートする。現在の利用対象企業は851社。

Aill goenでは、今回行う実証実験で「相手を知ってから会う」を独自開発のコミュニケーションアシストAIによって増加させたうえ、食レポを一緒に執筆することでリアルでも自然とお互いを知るきっかけを創出するとしている。イベントを通すことでデートによる成功率・リピート率の向上を目指す。

イーサリアム互換ブロックチェーン構築クラウドなどを手がけるG.U.テクノロジーズがプレシリーズAで2.6億円の追加調達

イーサリアム(Ethereum)互換ブロックチェーン構築クラウドサービスなどを手がけるG.U.テクノロジーズは3月8日、プレシリーズAとして第三者割当増資による2億6000万円の追加調達を実施し、総額3億6100万円の資金調達を完了したと発表した。

引受先は、Coral Capitalと自然キャピタル。調達した資金は、NFTなどWeb3種の領域、エンタープライズ・ブロックチェーン領域、ステープルコインなどフィンテック領域におけるソリューション提供へ向けた開発強化にあてる。

G.U.テクノロジーズは、金融やフィンテックのバックグラウンドを持つ稲葉大明氏と、ウェブブラウザーLunascape創始者の近藤秀和氏が、親会社G.U.Labsで進めていたブロックチェーン研究の成果を元に、2020年10月にスピンアウトする形で設立したスタートアップ。

同社は、独自のイーサリアム互換Layer2ブロックチェーンを構築できるソリューション「G.U.Blockchain Cloud」、DApps対応のイーサリアム用ウォレット「Lunascape Wallet Extension」を提供。Lunascape Wallet Extensionは、Google Chrome拡張機能として利用する。また、ブロックチェーン関連の情報サイト「G.U.net」も運営している。

DApps対応のイーサリアム用ウォレット「Lunascape Wallet Extension」

DApps対応のイーサリアム用ウォレット「Lunascape Wallet Extension」

今後は、エンタープライズ向けのイーサリアム互換Layer2コンソーシアム・ブロックチェーンの運営をはじめ、Web3時代を見据えたステーブルコイン、DeFi、NFTを含む様々な実証実験を提携企業と進める。また、顧客のブロックチェーンビジネスを支援するためのインフラやツール提供、コンサルティングや開発支援を強化していく予定。

フェーズドアレイ気象レーダーの複数展開で線状降水帯の予測精度を大きく改善できることを富岳のシミュレーションで確認

理研、フェーズドアレイ気象レーダーを使うことで線状降水帯の予測精度を大きく改善できると富岳によるシミュレーションで確認

仮想的なフェーズドアレイ気象レーダーネットワーク。赤点はフェーズドアレイ気象レーダーが設置された17の地点(九州の地方気象台と特別地域気象観測所)。オレンジ色部分はレーダーの観測範囲を示す

理化学研究所(理研)は、もし九州全土に最新鋭のフェーズドアレイ気象レーダーを配置した場合、2020年7月の線状降水帯による豪雨の予測に役立ったかを調べるため、スーパーコンピューター「富岳」を使ってシミュレーションを実施。その結果、予測精度が大幅に上がることが示されたと3月7日に発表した。

年々脅威を増す線状降水帯による豪雨に備えるには、観測強化や観測データを高度に活用する予測技術を開発し、シミュレーションによる気象予測(数値天気予報)の精度を高めることが重要となる。その候補となる技術の有用性を事前に評価できれば、効果的な観測予測システムの設計に役立つ。理研計算科学研究センターデータ同化研究チーム(三好建正氏、前島康光氏)は、これまでにゲリラ豪雨の予測方法をスーパーコンピューター「京」で開発し、その手法に基づき、埼玉県のマルチパラメータ・フェーズドアレイ気象レーダー(MP-PAWR)による30秒ごとの雨雲の観測データとスーパーコンピューター「Oakforest-PACS」による首都圏の超高速降水予測のリアルタイム実験を行うなど、研究を重ねてきた。

そして今回、三好氏を中心とする理研の研究グループは、これまでに培ってきたフェーズドアレイ気象レーダーの観測ビッグデータを活かして、線状降水帯の予測精度の向上に取り組んだ。まずは、九州の地方気象台と特別地域気象観測所の計17カ所にフェーズドアレイ気象レーダーを設置したと仮定し、観測データのシミュレーションを行った。ここでは2020年7月に熊本県に豪雨被害をもたらした線状降水帯の観測データを使い、九州を中心とする600km四方のシミュレーションを「富岳」で行い、その結果を「正解データ」とした。

次に、線状降水帯をうまく再現しないシミュレーション実験(NO-DA)を行い、さらにフェーズドアレイ気象レーダーを使った30秒ごとのデータを用いた実験(30SEC)と、通常のレーダーで5分ごとデータを用いた実験(5MIN)を行った。その結果、NO-DAと5MINは線状降水帯は大きく南にずれてしまったのに対して、30SECは大きく改善し、正解データに近づいた。

2020年7月4日午前4時(日本時間)を初期時刻とした1時間先の雨粒量の水平分布。(a)線状降水帯をうまく再現しないシミュレーション結果(NO-DA)。(b)通常の気象レーダーによる、5分ごとの観測データを用いた実験(5MIN)。予測は改善されなかった。(c)フェーズドアレイ気象レーダーによる、30秒ごとの観測データを用いた実験(30SEC)。予測が改善された。(d)今回の研究における正解データ。赤・紫になるほど強い雨を表す

2020年7月4日午前4時(日本時間)を初期時刻とした1時間先の雨粒量の水平分布。(a)線状降水帯をうまく再現しないシミュレーション結果(NO-DA)。(b)通常の気象レーダーによる、5分ごとの観測データを用いた実験(5MIN)。予測は改善されなかった。(c)フェーズドアレイ気象レーダーによる、30秒ごとの観測データを用いた実験(30SEC)。予測が改善された。(d)今回の研究における正解データ。赤・紫になるほど強い雨を表す

このことから、そもそも狭い領域で発生するゲリラ豪雨の予測を目的としたフェーズドアレイ気象レーダーだが、複数の積乱雲からなる線状降水帯の大規模な現象にも対応できることが示された。これは「地球規模の温暖化により脅威を増す線状降水帯の予測精度の向上や被害の軽減に向けた新しい予測技術や観測システムの提案」につながると研究グループは話している。

位置情報ビッグデータのクロスロケーションズが主要13業界別の人流変化トレンドを公開、推計来訪数値データ販売も開始

位置情報ビッグデータを扱うクロスロケーションズは3月7日、ビッグデータ解析エンジン「Location Engine」を使用し主要業界の店舗・施設周りの日々の人流変化をグラフ化した「主要13業界別人流トレンド」を公開した。13種類の業界を扱っており、各業界の全国の店舗位置情報データを網羅している。また、公開されているグラフの基となる「業界別推計来訪数値データ」は、ビジネスデータとして活用できるよう3月中に販売を開始する予定。

業界別人流トレンドに登録されている業界は、コンビニエンスストア、スーパー、ホームセンター、ファミリーレストラン、ドラッグストア、家電量販店、テーマパーク、百貨店、ファストフード、ガソリンスタンド、自動車販売店、ホテル・旅館、大型ショッピングモール。データを基としたトレンドのグラフは日々更新し、業界別の人流トレンドの昨日比と昨年比を「見える化」している。同サイトでは全国主要60都市の「主要都市人流トレンド」も公開されている。

各業界別の店舗・施設数

各業界別の店舗・施設数

同社人流データは、スマートフォンアプリのGPSデータ(ユーザーから個人情報を紐づけない形で分析利用することを目的に、第三者利用について許諾を得たデータのみを利用)の位置情報を、Location Engineにより地図・施設情報と連携させて解析した推計データという。これを基に、Location Engineの数値データを利活用するプラットフォーム「Location AI Platform」の推計来訪速報機能によりグラフ化している。

こうした人流データそのものはすでに、マーケティング、店舗開発、投資情報、交通路線開発、屋外広告などに利用される動きが広まっている。都市・地域別の人流データについては取り組んでいる企業もあり、国土交通省などからデータを取得可能である。クロスロケーションズによると、業界別のトレンドデータは他になく、全国の各店舗位置情報データを基にした分析データは国内初という。

業界別の推計来訪数値データは、ユーザーの動向分析や各業界の店舗周りでの人流の違いが把握できるなど、リアルとデジタルを連動させた取り組みが可能になるため、様々な業種業態でのサービス向上につながるとしている。

業界別人流トレンドで表示されているグラフの基となる推計来訪数値は、業界別合計日別データとして提供する。販売価格は1業界につき6カ月で税込1万9800円、月々3300円から。オプションで過去のデータ提供も可能。

クロスロケーションズは2017年11月に設立。「多種多様な位置情報や空間情報を意味のある形で結合・解析・視覚化し、誰でも活用できるようにすること」をミッションとしている。位置情報をビッグデータをAIが解析・視覚化する独自技術Location Engineと、それをビジネスに活かすプラットフォームLocation AI Platformの開発・提供により、ロケーションテックを推進している。

名刺・ウェブサイトから採用時のオンボーディングまで、様々なデザインの事例を集めたCocoda運営のalmaが1.3億円調達

デザインプロセスとデザインチームが集まるプラットフォーム「Cocoda」(ココダ)を運営するalma(アルマ)は3月7日、第三者割当増資により総額1億3000万円の資金調達を実施したことを発表した。引受先は坂田一倫氏(Mentally CEO)、関口裕氏(SmartHR コミュニケーションディレクター)、山下あか理氏(フリーランスデザイナー)といったエンジェル投資家。調達した資金は、プロダクト強化とマーケティング強化に向けた組織拡大にあてる。

Cocodaは、普段は見えにくい「デザインの裏側」をデザインケース(デザインの事例)として明らかにするプラットフォーム。2022年2月時点でのユーザー数は約3万4000人。掲載事例はウェブサイトや名刺のデザインをはじめ、採用時のオンボーディングデザイン、社内で運用するデザインシステムなど、見た目のデザインに限らない事例まで集まっているという。

デザインチームやプロダクトチームが利用者として参加しており、実際の設計過程やデザインの裏側をデザインケースとしてまとめ発信しているため、普段の業務における試行錯誤や制作プロセス、組織体制といった事例も知ることができるとしている。

また、チームのデザイン活動を支える新たなプロダクトも実験しているそうだ。そのうちの1つ「Cocoda Board」は、ユーザー情報をまとめ、ユーザーからの声や要望を集約し整理と可視化が行える管理するツールとなっている。

プロフィールサイト「lit.link」やコミュニティSNS「WeClip」を運営するTieUpsが1億円のシード調達

プロフィールサイト「lit.link」やコミュニティSNS「WeClip」を運営するTieUpsが1億円のシード調達プロフィールサイト「lit.link」(リットリンク)、コミュニティSNS「WeClip」(ウィークリップ)の開発・運営をするTieUpsは3月7日、シードラウンドとして、J-KISS型新株予約権の発行による資金調達を実施したと発表した。引受先は、Headline Asia、ANOBAKA、吉川徹氏(マイベスト代表取締役)。デットファイナンスを合わせ、シードラウンドでの資金調達は総額1億円となった。調達した資金は、lit.linkおよびWeClipの機能拡充、採用と社内体制の強化にあてる予定。

TieUpsは2020年4月に設立のスタートアップ。東日本大震災をきっかけに、SNSが日本のコミュニケーションインフラになるなど、ピンチの時こそ飛躍するサービスが誕生しやすい時だと認識していたので、世論の心理変化によるゲームチェンジが起きると確信し会社を設立したという。

2021年1月リリースのlit.linkは、現在ユーザー数70万人・月間アクセス数4500万PV超に到達。2021年10月リリースのWeClipは現在1000個以上のコミュニティが存在。2022年内にiOSアプリとビジネス機能をリリース予定としている。