凸版印刷・NICT・QunaSys・QunaSys・ISARAが量子セキュアクラウド技術の確立で連携

凸版印刷・NICT・QunaSys・QunaSys・ISARAが量子セキュアクラウド技術の確立で連携

凸版印刷情報通信研究機構(NICT)QunaSysISARAは10月19日、高度な情報処理と安全なデータ流通・保管・利活用を可能とする量子セキュアクラウド技術の確立に向け4社連携を開始すると発表した。

量子セキュアクラウド技術の開発を4社連携のもと推進し、2022年度中に社会実装に向けたソフトウェアの実証実験を開始する。また、2025年に限定的な実用化を、2030年にサービス化を目指す。

量子コンピューティング技術とは、量子力学的な現象を持つ量子ビットを用いた計算処理技術であり、高い計算処理能力を有する次世代コンピューティング技術として期待されている。

量子セキュアクラウド技術は、量子暗号技術と秘密分散技術を融合し、データの安全な流通・保管・利活用を可能とするクラウド技術。量子セキュアクラウド技術の確立により、改ざん・解読が不可能な高いセキュリティ性を担保するだけでなく、例えば、医療、新素材、製造、金融分野で蓄積された個人情報や企業情報など秘匿性の高いデータの収集・分析・処理・利用を可能とする。

具体的な連携内容としては、システム設計や仕様検討、最新の量子暗号技術の実装、秘密分散技術を利用したバックアップやデータ保管の実装、耐量子-公開鍵暗号によるデジタル署名の開発などにより、データ保管・交換基盤および耐量子-公開鍵認証基盤となる量子セキュアクラウド技術を確立する。

またNICTは、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)において、量子ICTフォーラム/量子鍵配送技術推進委員会やITU-T(国際電気通信連合/電気通信標準化部門)、ISO/IEC(国際標準化機構/国際電気標準会議)やETSI(欧州電気通信標準化機関)などの国際標準化組織へ、2022年度までにネットワーク要件、ネットワークアーキテクチャ、ネットワークセキュリティ要件、および鍵管理、量子暗号モジュールの評価・検定に関する提案を行い、国際標準化を推進。凸版印刷はICカードに関する知見を活かし、NICTをサポートする。

4社の役割

  • 凸版印刷: ICカードの開発・製造事業を通し培ってきた、暗号技術・認証技術・不正アクセス防止技術など、ICカードのセキュリティ技術に関する知見を活用。ICカードへの耐量子-公開鍵暗号の適用および量子セキュアクラウド技術の利用拡大に向けた導入支援、秘匿性の高い情報の安全なバックアップやデータ流通サービス、ソリューションの提供などに向けて取り組む
  • NICT: 内閣府主導の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「光・量子を活用したSociety5.0 実現化技術」の一環として、東京QKD(量子鍵配送)ネットワークなどを活用し、量子セキュアクラウド技術の研究を実施。これまでに量子暗号、秘密分散および次世代の耐量子-公開鍵認証基盤を搭載した、保健医療用の長期セキュアデータ保管・交換システム「H-LINCOS」(Healthcare long-term integrity and confidentiality protection system)を開発。これら知見と経験を活かし、H-LINCOSやさらに高度な計算エンジンを搭載した量子セキュアクラウド技術の確立とその国際標準化を目指して取り組む
  • QunaSys: 量子コンピューター向けアルゴリズムおよび量子コンピューターを活用した量子化学計算ソフトウェア「QunaSys Qamuy」の開発を通し、量子コンピューティング技術を蓄積。その知見と経験を活かし、量子セキュアクラウド技術を活用した材料開発のサービス提供、またユーザー視点での量子セキュアクラウド技術の構築に貢献する
  • ISARA: 長年にわたるサイバーセキュリティ技術の蓄積をもとに、現在のコンピューティングエコシステムを量子の時代まで守り続ける、アジャイルな暗号技術と耐量子セキュリティソリューション事業の世界的リーダー。また、NICTと構築した「H-LINCOS」では、保健医療分野のための耐量子-公開鍵認証方式を開発。これらの暗号実装技術と公開鍵認証技術をアジャイル方式で開発してきたノウハウを活かし、量子セキュアクラウド技術の国際標準化に準拠する耐量子セキュリティソリューション開発を目指す

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カテゴリー: セキュリティ
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IoT検索エンジン「Karma」がセキュリティリスクを可視化する新機能を追加

IoT検索エンジン「Karma」がセキュリティリスクを可視化する新機能を追加

ゼロゼロワンは10月19日、SaaS型IoT機器検索エンジン「Karma」(カルマ)の新機能として、IoT機器のセキュリティリスクを可視化する機能の提供を開始した。

Karmaは、インターネットに接続された国内のIoT機器情報を網羅的に検索するサービス。「SHODAN」(ショーダン)や「Censys」(センシス)など既存IoT検索エンジンでは困難な国内で流通するIoT機器の機種特定について、独自開発の判別方式(シグネチャ)によりモデル名やファームウェアバージョンなど詳細な機器情報の判別を可能としている。

IoT検索エンジン「Karma」がセキュリティリスクを可視化する新機能を追加

IoT検索エンジン「Karma」がセキュリティリスクを可視化する新機能を追加

2020年6月からKarmaを提供開始したところ、「セキュリティリスクを視覚的に把握したい」というニーズを受け、可視化する機能を追加したという。

今回の新機能では、Karmaが検索したIoT機器について、既存の脆弱性情報やファームウェアバージョンなどからセキュリティリスクを評価・分類。すぐに使用を中止した方が良い機器や対処が必要な機器を「高リスク」、設定や運用方法によってはセキュリティリスクが生じ得る機器を「注意」とする2種類のリスクレベルを用意。さらに、セキュリティリスクレベルの判定の根拠となる情報をタグ情報として可視化した。

セキュリティリスクレベルとタグ一覧(抜粋)

    • end_of_life(サポート終了): サポートが終了している機器。脆弱性が新しく発見されたとしても修正されることはないため、ただちに対処が必要
    • leaked_credential(認証情報が漏洩): 管理者権限で利用できるIDおよびパスワードが流出している機器。アクセスされた時点で設定情報の窃取・改ざんが可能なため、ただちに対処が必要
    • vuln_001(ゼロデイ): ゼロゼロワンが解析した結果、リモートからのShellの乗っ取りや、管理画面への侵入が可能など、重大な重要性があると判明した機器
    • no_updates(1年以上更新なし): ファームウェアが最後に更新されてから1年以上経過している機器。機器メーカーが明言していないものの、サポート期間が終了している可能性があり、注意が必要
    • known_credential(認証情報が既出): デフォルトIDおよびパスワードが既知である機器。設定を変更していない場合、容易に不正にアクセスされるため注意が必要
    • no_auth(認証機構なし): 使用にあたり認証を必要としない機器。機密性が求められる業務に使用するには注意が必要

これらのセキュリティリスクレベルおよびタグ情報については、Karma検索結果の一覧・詳細画面でも確認できるようラベル付けしている。

検索結果一覧画面

検索結果一覧画面

詳細ページ画面

詳細ページ画面

2019年8月設立のゼロゼロワンは、IoT機器開発事業者向けに、設計段階におけるセキュリティ面での不安解消や想定外の脅威を作らないための支援を行うとともに、IoT機器を安全・安心に利用してもらうための啓蒙活動を行うスタートアップ企業。IoT機器の普及にともない、インターネットに繋がることが当たり前になった時代の不安を取り除くとしている。

事業の柱として、公開情報を情報源とするOSINT(オシント。Open Source INTelligence)を含め様々な情報を可視化する検索エンジンであるKarmaと、より安全な製品開発のためのコンサルティングサービスを推進している。

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カテゴリー: セキュリティ
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世界最軽量約634gの13.3型ノートPC「LIFEBOOK UH-X/E3」が発表

世界最軽量約634gの13.3型ノートPC「LIFEBOOK UH-X/E3」が発表

富士通クライアントコンピューティング(FCCL)は10月19日、世界最軽量約634gの13.3型モバイルノート「LIFEBOOK UH-X/E3」を発表した。発売は10月30日予定。同社直販サイト「WEB MART」の直販価格は、税込24万1780円。

なお同社直販サイト「WEB MART」では、同製品のカスタムメイドモデル「LIFEBOOK WU-X/E3」を用意しており、直販価格は税込20万1080円からとなっている。

UH-X/E3は、CPUとしてCore i7-1165G7(最大4.70GHz)を採用。グラフィックス機能はIntel Iris Xe Graphics(CPU内蔵)となっている。メモリーは8GB(オンボード)、ストレージは約1TB SSD(PCIe)。

インターフェイスは、USB 3.2 Gen2 Type-C(USB Power Delivery対応、DisplayPort Alt Mode対応)×2、USB3.2 Gen1 Type-A×2、HDMI、Bluetooth 5.0。ネットワーク機能は有線LAN(1000BASE-T)、Wi-Fi6(11ax、MU-MIMO)。そのほかSDカードスロットを採用。

世界最軽量約634gの13.3型ノートPC「LIFEBOOK UH-X/E3」が発表

サイズは幅307×奥行197×高さ15.5mm。重量は約634g。バッテリー駆動時間は約11時間(JEITA 2.0)。

なお、カスタムメイドモデル「LIFEBOOK WU-X/E3」では、メモリーとして32GB、ストレージとして約2TB SSD(PCIe)などを選択可能。

カテゴリー: ハードウェア
タグ: LIFEBOOK日本

東大発AI企業の日本データサイエンス研究所(JDSC)がシリーズBラウンドで29億円超を調達

東大発AI企業の日本データサイエンス研究所(JDSC)がシリーズBラウンドで29億円超を調達

UPGRADE JAPANをミッションとして掲げる東大発AI企業の日本データサイエンス研究所(近日中に「JDSC」に変更予定)は10月19日、第三者割当増資で約26億円と、当座貸越契約(デットファイナンス)の締結による約3億円の枠を合わせ、総額で約29億円超の資金調達を実施したと発表した。

第三者割当増資の引受先は、未来創生2号ファンド(スパークス・グループ)、東京大学エッジキャピタルパートナーズ、ダイキン工業、中部電力、SMBCベンチャーキャピタル、みずほキャピタル、三菱UFJキャピタル、複数名の個人投資家。借入先は、三井住友銀行、りそな銀行。これにより、創業2年強での累計資金調達額は、約33億円となる。

今回調達した資金は、現在のパートナーシップの大型化にともなうチーム拡充、ソリューションの多様化・安定化への対応、新たなパートナー企業とのDX推進/AI実装の案件獲得に備える。今後は、専門性の高いデータサイエンスやエンジニアリングの技術人材・豊富な経験を有するビジネス人材の登用、DX/AIソリューションの開発、新領域へのR&D投資などを強化する。

JDSCは数多くの産業のリーディングカンパニーと強固なパートナーシップを結び、共同でDX推進/AI実装を実施。これら連携の中で、需要予測ソリューション(demand insight)や電力データを活用したフレイル検知(要介護予兆の特定)、不在配送回避のソリューションなど産業共通の課題を解決する幾つものソリューションを創出している。

JDSCのアプローチの特徴は「再現性の高さ」にあるという。これは、AIアルゴリズム構築やシステム実装といった技術的知見を有するメンバーと、AI活用にyる具体的な解決策の提示や難易度の高いDXプロジェクト執行といったビジネス面の能力を有するメンバーを擁することで担保しているとした。

こうした背景から、技術知見とビジネス知見の双方を兼ね備えたAIベンチャーとして、多くのリーディングカンパニーとプロジェクトを推進するに至り、今回の資金調達にもつながったとしている。

東大発AI企業の日本データサイエンス研究所(JDSC)がシリーズBラウンドで29億円超を調達

カテゴリー: 人工知能・AI
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レシピサービス「クックパッド」がアプリ内に送料無料の買い物機能を追加

レシピサービス「クックパッド」がアプリ内に送料無料の買い物機能を追加

クックパッドは10月15日、料理レシピ投稿・検索サービス「クックパッド」において、買い物機能の提供開始を発表した。同機能は現在、iOS版「クックパッド」アプリでメールアドレスまたは電話番号を登録済みの者のみ利用可能。提供エリアは東京都・神奈川県の一部地域。

買い物機能は、「クックパッド」アプリ画面下部の「かいもの設定」アイコンから、利用したい受け取り場所の選択すると、初期設定が完了。以降は「かいもの」タブ、もしくはレシピページから商品を購入できる。

レシピサービス「クックパッド」がアプリ内に送料無料の買い物機能を追加

料理に必要な買い物とレシピ検索が「クックパッド」アプリ内で完結し、レシピから数タップで料理に必要な食材を注文可能。近隣地域の生産者や市場直送の新鮮な食材を、1品から送料無料で購入できるようになる。

同機能には、農作物の生産者、地域の農畜産物が集まる直売所、精肉店・豆腐店・チーズ店などの専門店、卸売市場の鮮魚・畜産・青果などの仲卸、飲食店・惣菜店などの多様な生産者が400店以上出店済み。

レシピサービス「クックパッド」がアプリ内に送料無料の買い物機能を追加

購入した商品は、出荷当日に新鮮な状態のまま、地域に設置された生鮮宅配ボックス「マートステーション」に送付される。自分の選んだマートステーションに帰宅途中に立ち寄って商品を受け取れるため、仕事帰りにスーパーに寄る時間のない方や、買い物をする時間がない方でも利用できるとしている。

マートステーションは、東京都・神奈川県を中心に約200ヵ所に設置済み。各地域に設置された共同集荷所へ近隣の生産者が商品を出荷、その日の夕方には各地のマートステーションまで配送されるため、地域の食材を高い鮮度を保ったまま届けられるとしている。

レシピサービス「クックパッド」がアプリ内に送料無料の買い物機能を追加

「マートステーション」対象地域(一部が対象となる地域も含む)

  • 東京都: 港区、目黒区、世田谷区、渋谷区、中央区、千代田区、新宿区、文京区、墨田区、台東区、荒川区、豊島区、中野区、杉並区、三鷹市、狛江市、練馬区、板橋区、北区、江東区、品川区、大田区、武蔵野市、調布市 、江戸川区、葛飾区、足立区、西東京市、小金井市、府中市、町田市
  • 神奈川県: 高津区、宮前区、中原区、幸区、港南区、西区、多摩区、青葉区、鶴見区、神奈川区、南区、磯子区、中区、麻生区、緑区、旭区、瀬谷区、中央区、港南区、川崎区、都筑区、大和市、座間市
  • 埼玉県: 和光市、朝霞市、新座市

また、総戸数100戸以上のマンションの居住者からマートステーション設置のリクエストを受け付けているという。管理組合・管理会社向けにも、オンラインでの設置申し込み・問い合わせ・資料請求を随時受け付けている。

マートステーション設置に伴う初期費用・毎月の運用費用・電気代は一切かからない。設置工事も不要で、電源のある屋内であれば、どこでも設置できる。居住者のみ利用可能にするセキュリティコードや、購入者のみがQRコードでの解錠できるシステムにより、セキュリティについても安心して利用できるとしている。またマートステーションは、申し込みから3週間〜1ヵ月程度で導入可能という。

小売事業者との連携も展開中で、導入費用は一切なく、日々の運用に伴うコストに関しては維持協力金制度を利用し補填できる。

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カテゴリー: ネットサービス
タグ: クックパッドクックパッドマート日本

超低消費電力AI推論アクセラレーターIPのLeapMindがパートナープログラム開始

超低消費電力AI推論アクセラレーターIPのLeapMindがパートナープログラム開始

ディープラーニング技術を活用する企業に向けソリューションを提供するLeapMindは10月15日、エッジAIの社会実装に向けた「Efficiera(エフィシエラ) FPGAパートナープログラム」の提供を開始したと発表した。

パートナー企業とともに、顧客課題を解決できるAI搭載製品、ソリューションの開発を共創し、エッジAI領域の市場拡大と機械学習の社会実装の実現を加速する。第1弾の認定パートナーとしては、マクニカ アルティマ カンパニーPALTEKジーニックが参画している。

LeapMind開発の「Efficiera」とは、FPGAデバイス上もしくはASICデバイス上の回路として動作する、CNNの推論演算処理に特化した超低消費電力AI推論アクセラレーターIP(今秋正式リリース予定)。量子化ビット数を1~2bitまで最小化する「極小量子化」技術によって、推論処理の大部分を占めるコンボリューションの電力効率と面積効率を最大化する。このため、最先端の半導体製造プロセスや特別なセルライブラリーを使用する必要がないという。

極小量子化技術では、推論モデルを構成するパラメータを、通常用いられる単精度浮動小数点数(32bit)から1bitまたは2bitに置き換えることで、軽量化を達成。一般には、性能の劣化を起こさない限界は8bitまでとされているが、LeapMindは、8bitを大きく下回る1bitのWeight(重み係数)、2bitのActivation(入力)という組み合せでも性能をほとんど劣化させないことに成功した。

超低消費電力AI推論アクセラレーターIPのLeapMindがパートナープログラム開始

超低消費電力AI推論アクセラレーターIPのLeapMindがパートナープログラム開始

また、モジュールやデバイスではなく回路情報をライセンス提供するため、他の回路と同一デバイス上にEfficieraを集積でき、ディープラーニング機能を搭載した量産製品のBoMコスト削減に貢献できるという。同製品を利用することで、家電製品などの民生機器、建設機械などの産業機器、監視カメラ、放送機器をはじめ、従来は技術的に困難であった電力とコスト、放熱に制約のある小型機械やロボットなど、様々なエッジデバイスへディープラーニング機能を組み込めるとしている。

超低消費電力AI推論アクセラレーターIPのLeapMindがパートナープログラム開始

Efficiera FPGAパートナープログラムは、「顧客課題を解決可能なAI搭載製品・ソリューションの共創」を目的とするプログラムとなっている。

同プログラムに参画することで、自社製品・サービスとEfficieraを組み合わせて顧客の要望に応じたサービスやシステムの開発・提供や、Efficieraに付加価値をつけたパッケージサービスの開発が可能としている。

LeapMindは、「機械学習を使った新たなデバイスを、あまねく世に広める」を企業理念に2012年創業したスタートアップ企業。累計調達額は49.9億円に達しているという。ディープラーニングをコンパクト化する極小量子化技術に強みを持ち、自動車産業など製造業中心に150社を超える実績を保有。ソフトウェアとハードウェア両面の開発ノウハウを元に、半導体IPEfficieraを開発している。

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カテゴリー: 人工知能・AI
タグ: EfficieraFPGAディープラーニング / 深層学習LeapMind日本

分身ロボット「OriHime」開発のオリィ研究所がNTTと川田テクノロジーズから5億円を調達

分身ロボット「OriHime」開発のオリィ研究所がNTTと川田テクノロジーズから5億円を調達

遠隔操作可能な小型分身ロボット「OriHime」(オリヒメ)を開発するオリィ研究所は10月15日、第三者割当増資により総額5億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、日本電信電話(NTT)、川田テクノロジーズ。

調達した資金により、今後計画している新プロダクトの量産体制、ハードウェアおよびサービスの開発体制、営業・マーケティングの人材採用を強化し、外出困難者の就労支援事業の推進、分身ロボットOriHimeの普及、将来に向けた研究開発に注力する。

また、NTTおよび川田テクノロジーズとの強固なパートナーシップを構築することで、よりユーザーに求められるサービス・プロダクトを構築し、それらの社会実装を加速させる。

オリィ研究所は孤独の解消を理念とし「たとえ外出困難や寝たきりになっても、誰もが社会に参加できる未来をつくる」をコンセプトに、遠隔操作で自由自在に動かせるOriHimeを開発。

その他、視線入力システムによる意思伝達装置「OriHime eye+Switch」、遠隔操作での肉体労働を実現する「OriHime-D」の開発とそれを用いた分身ロボットカフェの実施、外出困難者の新しい働き方を開拓することを目的とした「アバターギルド」などの製品・サービスを提供している。

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カテゴリー: ロボティクス
タグ: オリィ研究所資金調達日本

昆虫食通販のバグズファームが食用昆虫食原料を飲食関連事業者向けに無料サンプル提供

昆虫食通販のバグズファームが食用昆虫食原料を飲食関連事業者向けに無料サンプル提供

世界の昆虫食を販売する通販サイト「バグズファーム」運営のアールオーエヌは10月15日、昆虫食に興味・関心がある企業や飲食関連事業者向けに食用昆虫原料(ヨーロッパイエコオロギパウダー)のサンプルを無償提供すると発表した。食品メーカー、飲食店、食品関連企業の昆虫食商品の開発促進をサポートする。

ヨーロッパイエコオロギ(学名: Acheta Domesticus)は、別名ハウスクリケットとも呼ばれ、養殖コオロギでは昆虫食業界で一番養殖量が多く世界の昆虫食メーカーがもっとも使用している原料。欧米では、小麦粉の一部代替や次世代の食糧源として、パンやパスタ、スナック、エナジーバーなどの原料として採用されている。

食用昆虫原料の無料サンプル申込方法は、専用フォームから送り先を入力するだけ。希望の食品メーカー、飲食店、食品関連企業には、開発のサポート、商品企画なども提案するとしている。

昆虫食通販のバグズファームが食用昆虫食原料を飲食関連事業者向けに無料サンプル提供

食用昆虫原料は、環境負荷が低い地球に優しい食材、将来のタンパク源のひとつとして注目され、昆虫食市場が世界規模で広がりつつある。従来の家畜に変わる新食材として、欧米ではスタートアップ企業が立ち上がり、養殖技術・食品開発・機能成分の研究が行われている。

日本は、古来から昆虫食の文化があり、豊富な調理方法や高い食品加工技術、取り扱える食用昆虫の多さも含め欧米の企業に比べノウハウを蓄積しやすい有利なポジションにあるとしている。

食品関連の企業にまずは昆虫食に触れてもらう第1歩として、香りを嗅いだり味見をしたりなど、食用昆虫を食材のひとつとして身近に感じてもらうため、バグズファームは食用昆虫原料を提供することにしたという。
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カテゴリー: フードテック
タグ: 昆虫食日本

BizteXが約500のSaaS対象にAPI連携状況をデータベース化した「SaaS連携マップ」公開

BizteXが約500のSaaS対象にAPI連携状況をデータベース化した「SaaS連携マップ」公開

BizteXは10月15日、国内展開されている約500のSaaS(Software as a Service)を対象にAPI連携状況をデータベース化した「SaaS連携マップ」を公開したと発表した。

SaaS連携マップは、BizteXが国内約500のSaaSについて、サービス提供各社が公表しているプレスリリースやAPI連携情報をもとに独自で調査・情報整理したデータベース。約500のSaaSを「経費精算」「労務管理」「Web会議」「ビジネスチャット/社内SNS」といったカテゴリーごとに分類することで調べやすく、カテゴリ一覧上で各サービスの連携数を一目で確認可能。

企業が新たなSaaS導入時やSaaSベンダーのプロダクト開発時に、既存SaaSとの連携可否などを確認できるとしている。

BizteXでは、今後も継続的にデータベースの拡充を図ると共に、調査データに基づく情報を発信することで、効果的なSaaS活用やDX推進を通じた業務課題の解決に貢献する。

働き方改革やBCP(事業継続計画)対策対策、コロナ禍を背景に、多くの企業が業務の効率化・自動化、リモートワーク、情報共有を推進する中、サービスをスピーディーに導入できシステムの拡張性も高いSaaSの利用ニーズは益々高まっている。

国内企業では、1社あたり平均で20種類のSaaSを使っているとされる一方、複数SaaSを使うことでデータが各サービスに分散し、管理・運用が煩雑になるという課題があるという。

こうした中、BizteXでは、2020年5月よりSaaSなど複数システムを連携し、業務自動化・データ統合を実現するiPaaS(Integration Platform as a Service)「BizteX Connect」(正式版)の提供を開始。幅広い企業の業務課題やSaaSベンダーとの連携に取り組んでいる。

BizteX Connectは、同社提供のクラウドRPA「BizteX cobit」との連携によって、SaaSはじめ様々なシステムと連携し、ワークフローの自動化や一元化を実現できるサービス。プログラミングを行うことなく、画面操作だけでアプリ連携を設定できる。また、営業部門からマーケティング部門、人事・労務等の管理部門まで、幅広い部門の業務効率化を実現可能という。

カテゴリー: ネットサービス
タグ: iPaaSRPA / ロボティック・プロセス・オートメーションBizteX日本

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軌道の持続可能性を保つAstroscaleが約54億円を調達、静止衛星長寿命化や軌道上デブリ除去など業務を多様化

軌道上サービスとロジスティクスを提供するAstroscale(アストロスケール)がシリーズEのラウンドで5100万ドル(約53億7000万円)を調達し、これまでの総調達額が1億9100万ドル(約200億円)になった。日本企業であるAstroscaleは、軌道上機器類の寿命終了に関して新たなソリューションを提供する。すなわちそのソリューションとは、耐用年数を終えた宇宙船や人工衛星などを安全に軌道から取り除く容易な方法を提供し、衛星や衛星群を製造する企業の増加にともなって増えつつある軌道上デブリの一部を掃除して、軌道の運用をより持続可能にすることである。

Astroscaleはその後ミッションを拡張して、静止衛星の寿命延長も手がけている。これもまた、軌道上の活動の爆発的な増加が予想される中で、軌道の運用環境をより持続可能にしていくサービスの重要な一環だ。同社は2020年初めに、Effective Space Solutions(ESS)と呼ばれる企業のスタッフと知財の買収を発表したが、それは「宇宙ドローン」を開発している企業だった。その宇宙ドローンは既存の大型静止衛星のインフラに対して軌道上サービスを提供し、燃料の補給や修理を行う。

ESSは、Astroscale Israelのベースで、静止衛星の寿命延長も業務にしてグローバル企業になりつつあるAstroscaleの、新しい国際オフィスでもある。米国時間10月13日の投資はaSTARTがリードし、資金は今後のグローバルオフィスの設立と、チームを140名以上に増員するために使われる。

人工衛星などが軌道上で寿命を終えて発生したデブリを除去するAstroscaleの技術は、その最初のデモを2020年後半に行う予定だ。装置の打ち上げにはロシアのソユーズロケットが使われる。そのシステムは、軌道から除去するターゲットのデブリを見つけて掴まえる2基のスペースクラフトを用いる。

カテゴリー:宇宙
タグ:Astroscale資金調達日本

画像クレジット: Astroscale

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

エースタートが宇宙特化型「スペーステック2号ファンド」を運用開始、ファンド規模は38億円

エースタートが宇宙特化型「スペーステック2号ファンド」を運用開始、ファンド規模は38億円

独立系VCのエースタートは10月14日、宇宙特化型「スペーステック2号ファンド」(ASエースタート1号投資事業有限責任組合)の設立・運用開始を発表した。ファンド規模は38億円。同社の累計運用総額は115億円規模となった。

スペーステック2号ファンドは、コロナ渦の影響から当初予定を変更し、約2ヵ月という限定的な募集期間設定となったものの、大手証券会社との連携などによる出資者募集は堅調に推移。宇宙ベンチャー業界への期待の高まりを改めて反映する形となったという。

同社は昨年、日本初となる宇宙特化型投資ファンド「スペーステック1号ファンド」を組成しており、今回はそのコンセプトを引き継いだ2号ファンドとなっている。

同ファンド運営のエースタートは、渡邊一正氏が2015年に設立した独立系VC。「事業家系VC」という独自のポジションを取り、実務経験に基づいて、特にIPOに向けた体制やシナリオ作りなど、出資先企業の要望に応じて伴走することを特徴としているという。

これまでにも、テック系ベンチャー投資ファンド「@tech(エーテック)ファンド」1号(2015年)、2号(2018年)、「スペーステックファンド」1号(2019年)を組成、スペーステック2号ファンドと並行して運用している。今回のローンチにより、同社が運用するファンドの累計総額は115億円となる。

またスペーステック2号ファンドは、アストロスケールホールディングスのシリーズEのファイナンスにおいて、リードインベスターとしてすでに出資を行っている。

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カテゴリー: VC / エンジェル
タグ: 宇宙エースタート日本

DRONE FUNDが目標調達額100億円とする3号ファンドからの新規投資活動を順次開始

DRONE FUNDが目標調達額100億円とする3号ファンドによる新規投資活動を順次開始

「ドローン・エアモビリティ前提社会」の実現を目指すベンチャーキャピタル「DRONE FUND」(ドローンファンド)は10月14日、目標調達額を100億円とする「DRONE FUND 3号投資事業有限責任組合」(3号ファンド)を2020年5月に設立し、2020年9月にファーストクローズを迎えたと発表した。SMBC日興証券、NTTドコモ、ソフトバンク、小橋工業、国際航業、リバネスなどが投資家として参加している。

また、ドローンファンドは2021年3月(予定)のファイナルクローズに向けて資金調達を続けるともに、今回の発表をもって3号ファンドからの新規投資活動を順次開始すると明らかにした。

DRONE FUNDが目標調達額100億円とする3号ファンドによる新規投資活動を順次開始

ドローンファンドは、「ドローン・エアモビリティ社会実装ファンド ~社会受容性の強化と5Gの徹底活用~」というコンセプトのもと、3号ファンドの活動を展開予定。具体的には、次世代通信規格の5Gをはじめ通信インフラの徹底活用などを通じて、フィールド業務の自動化やリモート化などの産業活動のDXを可能とし、ドローン・エアモビリティの社会実装に寄与するテクノロジーへの投資を実行する。

また既存ファンドも含めると、ドローンファンドには大手通信事業者3社が投資家として参画しており、スタートアップ支援に限らずドローン・エアモビリティ産業の発展にあたって理想的な座組みが形成できつつある。ドローンファンドは、今後3号ファンドに参画する投資家とも精力的な連携を行いながら、ドローン・エアモビリティ前提社会の実現にむけた投資を加速していくとしている。

ドローンファンドは、「ドローン・エアモビリティ前提社会」の実現を目指し、関連スタートアップへの投資を積極的に実施。15.9億円で組成した1号ファンド、52億円で組成した2号ファンドを通じて、国内外40社以上のポートフォリオを形成している。

1号ファンドの代表的な投資先としては、2018年12月、ドローン銘柄として初の東証マザーズ上場を果たした自律制御システム研究所が挙げられる。2号ファンドでは、SkyDriveなどのエアモビリティ領域、マレーシアのAerodyne Groupに代表される海外の有力スタートアップ、その他必要不可欠なコアテクノロジーを有するスタートアップなどに投資領域を拡大するなど、「空の産業革命/移動革命」を全方位的に牽引してきた。

また、昨年度は「2022年度におけるドローンのレベル4運用の解禁」、「2023年度におけるエアモビリティの事業化開始」という政策目標が閣議決定され、地方自治体の活動も活発化している点を指摘。これらの機運を追い風に、日本のドローン・エアモビリティ関連のスタートアップにはますます飛躍が期待されているとした。
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カテゴリー: VC / エンジェル
タグ: ドローンDrone Fund日本

スペースデブリ問題に取り組むアストロスケールがシリーズEで累計210億円を調達

スペースデブリ問題に取組むアストロスケールがシリーズEで累計210億円を調達

持続可能性な宇宙環境を目指し、スペースデブリ(宇宙ごみ、デブリ)除去サービスに取り組むアストロスケールホールディングスは10月14日、シリーズEの追加調達として、第三者割当増資により総額約55億円の調達を実施し、累計調達額約210億円を達成したと発表した。

引受先は、リードインベスターのエースタートが運用するASエースタート1号投資事業有限責任組合をはじめ、アイネット、清水建設、スパークス・イノベーション・フォー・フューチャーが運営する宇宙フロンティアファンド、ヒューリック。

アストロスケールは、宇宙機の安全航行の確保を目指し、次世代へ持続可能な軌道を継承するため、スペースデブリ(宇宙ごみ)除去サービスの開発に取り組む世界初の民間企業。 2013年の創業以来、軌道上で増加し続けるデブリの低減・除去策として、今後打ち上がる人工衛星が寿命を迎えた際や恒久故障の際に除去を行うEOLサービスや、既存デブリを除去するためのADR(Active Debris Removal)サービス、衛星寿命延命措置(LEX。Life EXtension of geostationary satellites)、宇宙空間上での宇宙状況把握(SSA。Space Situational Awareness)、軌道上サービスの実現を目指し技術開発を進めてきた。

また、長期に渡り安全で持続可能な宇宙環境を目指すため、技術開発に加え、ビジネスモデルの確立、複数の民間企業や団体、行政機関と協働し、規範やベストプラクティスの策定に努めている。

現在アストロスケールは、本社・R&D拠点の日本をはじめ、シンガポール、英国、米国、イスラエルの5ヵ国約140名を擁し、グローバルに事業を展開。

英国では、軌道上でのサービス業務を行うミッション運用基盤として、最先端の国立軌道上サービス管制センターをオックスフォードシャー州ハーウェルに構築。2020年度打ち上げ予定としている大型デブリ除去実証衛星機「ELSA-d」(エルサディー)の運用に向け準備を進めている。ELSA-dでは、回転状態に対するデブリの捕獲や、非協力物体に対する近傍接近、ランデブ・ドッキング、軌道離脱を一連のシステムとして世界で初めて実証実験を行う予定。

また2019年開設の米国拠点では、デブリ問題に事業開発や法規制の面から取り組み、各業界リーダーや政策立案者と密なコミュニケーションを醸成。加えて、2020年6月には子会社のイスラエル拠点を設け、LEX技術の発展を担っている。

カテゴリー: 宇宙
タグ: アストロスケール(Astroscale)資金調達スペースデブリ日本

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細胞治療に向けた細胞量産技術開発に取り組む「セルファイバ」が1.05億円を調達

細胞治療に向けた細胞量産技術開発に取り組む「セルファイバ」が1.05億円を調達

細胞ファイバ技術を用いた細胞大量培養ソリューションの開発を手がけるセルファイバは10月14日、シードラウンドにおいて、第三者割当増資として1.05億円の資金調達を実施したを発表した。引受先は、リアルテックホールディングス運営のリアルテックファンド3号投資事業有限責任組合(グローカルディープテックファンド)。

セルファイバではこれまでに、高生産細胞培養技術を構築。すでに小規模試験における技術評価を完了し、2020年10月より事業会社1社と共同開発を開始した。さらに2020年度内に異なる細胞種類・用途の共同開発の開始も予定しているという。

今回調達した資金は、主として実験環境の拡充に伴う設備投資、開発加速のための専門人材採用、研究開発に充てる予定。2020年10月より実験室面積を2倍に拡張し、間葉系幹細胞およびiPS細胞の培養技術について、実製造へと移行するためスケールアップ、加えて規制への適合に取り組む。

細胞治療に向けた細胞量産技術開発に取り組む「セルファイバ」が1.05億円を調達

2015年4月設立のセルファイバは、ひも状の細胞塊を形成する世界初の技術「細胞ファイバ」をコア技術とする東京大学発スタートアップ。「『細胞をつかったものづくり』で地球規模の課題解決に貢献する」をミッションに掲げ、現在は主として細胞治療用途の細胞量産技術開発に取り組んでいる。

細胞医薬品はがん免疫治療などを中心に注目が集まる一方で、依然手作業に依存した製造工程が主流となっており、製造の合理化が喫緊の課題とされる。セルファイバは、ファイバ培養技術を用いて高額な細胞医薬品の製造コストの削減・大量製造を可能とし、誰もが手の届く細胞治療の実現を目指していく。

細胞ファイバ技術は、髪の毛ほどの細さの中空ハイドロゲルチューブ内に細胞を封入し、培養する技術。周囲のゲルが内部の細胞を保護しつつ過剰な凝集を防ぐため、従来の懸濁培養(フラスコやタンクを用いて細胞を培地に浮遊させた状態で培養する方法)では困難だった、高品質な細胞を高密度で培養する「高生産培養」を実現した。また、細胞の分離回収が容易なことから、自動培養装置と組み合わせることによって1ロットあたりの生産量を飛躍的に高めることが可能となる。

ハイドロゲルで被覆されたひも状細胞塊「細胞ファイバ」の顕微鏡観察像

ハイドロゲルで被覆されたひも状細胞塊「細胞ファイバ」の顕微鏡観察像

カテゴリー: バイオテック
タグ: 細胞ファイバ資金調達セルファイバ日本

日程調整自動化のwaaq LinkがWebhookやSlackとの通知・連携機能を公開、Teams対応予定

日程調整自動化のwaaq LinkがWebhookやSlackとの通知・連携機能を公開、Teamsも対応予定

日程調整自動化ツール「waaq Link」提供のwaaqは10月13日、日程確定時やチャットメッセージが届いた際などに、WebhookやSlackで通知・連携できる機能を正式リリースしたと発表した。また、Microsoft Teamsも近日中に連携しリリース予定(TeamsのWeb会議URLの発行は対応済み)と明かした。

通知・連携機能の正式リリースによって、SalesforceなどのSFA(営業支援システム)連携、CRM(顧客管理システム)連携、ATS(採用管理システム)連携など外部ツールとの連携がより容易になり、waaq Linkユーザーは、受け取った通知を元に顧客ごとに外部サービスと連携したカスタマイズが行えるようになった。

waaq Linkでは、日程調整やフォームをサービス内で完結させているが、日程調整完了の通知・チャットでの問い合わせなどを外部サービスやWebhookで受け取り、顧客に対して細やかなサポート行いたいというニーズに応えたという。

日程確定時にWeb会議の同一のURLを自動発行する機能はすでに備えており、これに加えて日程調整関連通知を受け取ることで、waaq Linkサービス内で確認せず利用中のコミュニケーションツールを用いて確認できるとしている。

SlackやWebhookで通知が可能なタイミングは以下の8種類。

  • 日程確定時
  • スケジュール共有時
  • 日程の再調整時
  • 確定日程のキャンセル時
  • 別日程のリクエスト時
  • 新着メッセージの受信時
  • チャット問い合わせ開始時
  • フォーム送信時

waaq Linkは、社内・社外問わず日程調整を効率化する法人向けサービス。複数人や大人数での投票型の日程調整から予約受付ページまで対応しており、Zoom、Google Meet、Microsoft Teamsといったウェブ会議のURLを確定時に自動発行できる日程調整ツールとして1000社以上の企業が導入済みとしている。

日程調整自動化のwaaq LinkがWebhookやSlackとの通知・連携機能を公開、Teamsも対応予定

以下機能を搭載するほか、すべての日程調整でWeb会議ツールとの連携および自動でURLの発行が可能。

  • 1:1の日程調整
  • 複数人での日程調整
  • オーナーが参加しない日程調整
  • 投票型の日程調整
  • 日程調整付きの問い合わせフォーム
  • 1コマ複数人の予約受付

2017年4月設立のwaaqは、次の時代の「働き方」をサポートすべく、「仕事に自由を。」をミッションに掲げるスタートアップ企業。人と人とをつなぎ、人間がやるべきことにフォーカスできるよう今後もサービスを展開するとしている。

カテゴリー: ネットサービス
タグ: waaqwaaq Link日本

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LIFULL・ゼンリンなどが不動産ID発行システム試用版の公開に向け開発・運営協議会を設立

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LIFULLゼンリン、家賃保証・賃貸保証サービスの全保連、不動産テック特化型VCのデジタルベースキャピタルは10月12日、「一般社団法人不動産情報共有推進協議会」(PROP。Platform of Real Estate Open data Promotion)の設立を発表した。代表理事は松坂維大氏(LIFULL 不動産ファンド推進事業部 ブロックチェーン推進グループ長)。

なお11月5日13:00から設立記念イベントを開催予定としている。

今後は、不動産取引・不動産流通の活性化に向けて不動産情報共有インフラの開発・提供を進めていく。不動産ID発行システムの試用版の公開にあたり、データの登録や活用の実証実験を行うパートナー企業を広く募集。不動産情報の利活用、業務効率化に関心のある事業者であれば参加が可能としている。

不動産取引は、様々な関係者が関与するため、正確で鮮度の高い情報が安心安全かつ効率的な取引の実現のために必要となる。

しかし不動産は、世の中にひとつしか存在していないにも関わらず情報が一元管理されず、様々な企業・場所でデータが重複管理されていたり、記録すべきデータが保管されていなかったりといった問題が生じている。

これら課題解決に取り組むため、LIFULL、ゼンリンらが中心となり、2018年10月よりブロックチェーン技術を活用した不動産情報の共有化を目的としたADRE不動産情報コンソーシアムを設立し、活動を推進。

2019年7月、物件情報の特定・識別を実施するため、不動産IDの開発に着手。2020年4月には丸紅、GA technologiesら新メンバーも加盟。2020年10月に不動産ID発行システムのβ版を公開する運びとなり、今後不動産情報共有システムの開発・運営を組織として行うために、PROP設立に至ったとしている。

PROPは、すべての法人・個人が不動産に関わる情報を自由かつ安全に利用できるプラットフォームの構築を実現し、企業や組織のサービスの効率化や新規創出を促すことで、不動産業界のDXの推進と、エンドユーザーのより良い暮らしや働き方に貢献することを目的に活動するとしている。

カテゴリー: ブロックチェーン
タグ: 全保連ゼンリンデジタルベースキャピタル不動産IDLIFULL日本

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凸版印刷が50%薄型化した空中タッチディスプレイを開発、世界初のパネルと並行の映像表示実現

凸版印刷が50%薄型化した空中タッチディスプレイを開発、世界初のパネルと並行の映像表示実現

凸版印刷は10月12日、非接触で操作可能なタッチパネルのニーズに応えるべく、従来品と比べ筐体の50%薄型化を実現した空中タッチディスプレイを開発したと発表した(掲載写真のディスプレイ表示は、はめ込み画像)。2020年12月よりサンプル品の提供を開始し、2021年の量産試作を経て、2022年の本格量産を目指す。

同製品は、濡れた手や手袋のままでも操作が可能なため、医療現場やクリーンルームなどでの使用が可能。さらに、左右15度に固定された視野角を活用し、暗証番号などの覗き見を防止できる。

主に医療用機器、公共施設の設備操作盤、高いセキュリティが求められる施設の入退室管理設備などへの採用を目指し、2022年度に関連受注も含め20億円の売り上げを目指すとしている。

凸版印刷が50%薄型化した空中タッチディスプレイを開発、世界初のパネルと並行の映像表示実現

  • 液晶パネルタイプ: 7インチ 高輝度高コントラストTFTディスプレイ
  • 表示解像度: 800×RGB×480(WVGA)
  • 外形寸法(サンプル機): 幅285×高さ285×奥行60mm
  • 重量(サンプル機): 約1.9kg

凸版印刷によると、新型コロナウイルス感染症の拡大予防対策として、何もない空間に画像を浮かび上がらせ、センサーで指の動きを検知する非接触型タッチパネルのニーズが高まっているという。しかし従来製品では奥行きを必要とする構造のため、設置場所と使用用途が限定されていた。また、生成される空中画像は暗く不鮮明でゴースト像が発生し、視認性に問題があった。

そのような中で同社は、産業機器向け高精細液晶ディスプレイ分野で培ってきた独自の光学設計技術と構造設計技術を駆使し、視認性が高く、壁に埋め込みも可能な薄型の空中タッチディスプレイを開発。

世界で初めて、液晶パネルに対して平行位置に空中映像を生成することに成功。従来の、パネルに対して画像が約90度に出現するタイプと比べ50%薄型化できるほか、より直感的な操作が可能となった。

凸版印刷が50%薄型化した空中タッチディスプレイを開発、世界初のパネルと並行の映像表示実現

また、同社独自の高透過率TFT液晶技術と光学設計技術により、従来品に対して約5倍の輝度(同社比)を備え、ゴースト像の少ない鮮明な空中映像の生成が可能となっているという(掲載写真右側)。

凸版印刷が50%薄型化した空中タッチディスプレイを開発、世界初のパネルと並行の映像表示実現

さらに、赤外線方式の空間位置センサーや、ToF(Time of Flight)方式の距離画像センサーを搭載し、空中映像上で目標をタッチする動作を認識できる。濡れた手や手袋をした状態に加え、ペンなどでも認識できるため、画面に触れることなくタッチ操作が可能となる。

このほか、独自の光学設計技術により、空中映像の視野角を左右15度に制限。映像正面以外の場所からは視認できないため、パスワードの入力などセキュリティ性が求められるシーンでの使用にも適しているとした。

カテゴリー: ハードウェア
タグ: 凸版印刷空中タッチディスプレイ日本

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個人ECのノーコードによるアプリ化サービス提供のAppify Technologiesが2億円を調達

個人ECのノーコードによるアプリ化サービス提供のAppify Technologiesが2億円を調達

個人ECをノーコードでアプリ化できる「Appify」(アッピファイ)提供のAppify Technologiesは10月12日、シードラウンドにおいて、第三者割当増資として、J-KISS型新株予約権方式により総額約2億円の資金調達を実施したと発表した。引受先はEast Ventures、グリーベンチャーズ、エンジェル投資家。

今回調達した資金をもとに、海外も含めたAppifyのさらなるプラットフォーム連携拡大・開発およびエンジニアを中心とした人材の採用を進めるとしている。

Appify Technologiesは、月額1万円未満のサブスクリプション型でアプリをノーコードで作成できるAppifyを提供しているスタートアップ企業。コロナ禍で需要が拡大するBASEや日本での導入が加速しているShopify、サブスクリプション型モデルで支援を募ることができるCAMPFIRE Communityといったプラットフォームと連携し、様々なネイティブアプリの作成が可能という。

カテゴリー: ソフトウェア
タグ: Appify TechnologiesAppify資金調達ノーコード日本

VR/AR/MR企画・開発のSynamonが2.5億円を調達、人材採用・先端技術活用の価値創出を推進

VR/AR/MR企画・開発のSynamonが2.5億円を調達、人材採用・先端技術活用の価値創出を推進

VR/AR/MR領域に対するプロダクトの企画・開発を手がけるSynamon(シナモン)は10月9日、第三者割当増資として約2.5億円の資金調達を発表した。引受先は、三井住友海上キャピタル、KDDI設立の「KDDI Open Innovation Fund 3号」、ロゼッタ、三井不動産設立のCVCファンド「31VENTURES Global Innovation Fund 1号」。また同ラウンドの資金調達は継続し、年内での最終クローズを予定している。

またSynamonは、グローバル・ユビキタスなオフィス、海外旅行、ビジネスイベントのためのVRシステム開発を目指し、ロゼッタと資本業務提携を実施したと明らかにした。

今回調達した資金は、多様なニーズに対応するための技術開発・要件定義や提案内容のレベル向上・組織体制の強化を目的とした採用推進と、関連技術の多様化・高度化に対応するための研究開発および先端技術を活用しての価値創出の推進という観点に対して充当し、事業推進を加速させる。

Synamonは2016年8月の創業から現在までVRをはじめXR技術の社会実装、当たり前に使われている社会を目指し事業展開を推進。2020年8月から5期目となり、昨今のニューノーマルやDX化を推進する社会情勢も背景に、最新テクノロジーの活用を目指した問い合わせを様々な業種、業態の企業から受けているという。

Synamonは、これら様々な用途や要望に応えるべく、単なるプロダクト提供にとどまらず、今までにない新たな価値創出・提供に向け二人三脚で取り組みを進めていけるパートナーとして、顧客とプロジェクトを推進しているとした。

カテゴリー: VR / AR / MR
タグ: Synamon資金調達日本

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グルーヴノーツとキユーピーが量子コンピューティング技術活用の製造ライン「シフト最適化」開始

グルーヴノーツとキユーピーが量子コンピューティング技術活用の惣菜工場「シフト最適化」開始

量子コンピューター関連ビジネスを手がけるグルーヴノーツは10月9日、キユーピーの惣菜工場において、量子コンピューティング技術を活用した製造サインのシフト最適化プロジェクトを本格開始したと発表した。

同プロジェクトは、経済産業省が推進するロボットフレンドリーな環境を実現するための研究開発事業「令和2年度 革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」に採択されたもの。同事業においてキユーピーとグルーヴノーツが協働し、今回のプロジェクトである「量子コンピュータによる高速シフト計算検討」、ならびに「AIによる需要予測と協調領域データレイク検討」に取り組む。

AIによる需要予測と協調領域データレイク検討では、需要に対する生産量の適正化に向けて、小売と食品メーカーが協調し、協調領域として共通するデータや需要予測に必要なデータの標準化を図るため、データ範囲の定義、 管理・運用方法について検討。これにより、食品ロスや機会損失を削減し、さらなる業務効率化を図ることができると期待されているという。

グルーヴノーツとキユーピーが量子コンピューティング技術活用の惣菜工場「シフト最適化」開始

シフト計画を作成するには、本人の労働条件や休暇希望、製造ラインごとに求められる人数・スキル要件、勤務間隔、人件費、人と人の相性など、様々な条件を考慮する必要がある。こうした多くの条件を満たした上で、様々にある組み合わせパターンの中から最適な答えを解く問題は「組合せ最適化問題」といわれ、組合せ最適化問題を解決するテクノロジーが、量子コンピューティング技術の中で「イジングマシン」(または、量子アニーリング)と呼ばれる。

グルーヴノーツとキユーピーが量子コンピューティング技術活用の惣菜工場「シフト最適化」開始

グルーヴノーツは、先進のテクノロジー発想と高い技術力を基に、イジングマシンを活用して業務上の様々な組合せ最適化問題を解くモデル(イジングモデル)やアプリケーションを独自開発し、「MAGELLAN BLOCKS」(マゼランブロックス)として提供。

同社はこのMAGELLAN BLOCKSの活用により、シフト最適化や製造順序最適化、物流最適化など、企業が抱える組合せ最適化の実問題を解くことに成功してきた。そこでキユーピーは、グルーヴノーツを最適生産体制の実現に向けたテクノロジーパートナーとし、両者共同して惣菜工場における製造ラインのシフト最適化プロジェクトを開始する。

これまでキユーピーとグルーヴノーツが行った実証実験においては、MAGELLAN BLOCKSのイジングモデルでシフトを作成。例えば熟練のシフト作成者が30分かけて作成したシフト表と比べて、遜色なく実運用で使える結果をわずか1秒で示すなど、イジングマシン活用の効果が確認されたという。

これにより、従来は複雑すぎて考慮しきれなかった条件や、従業員が求める新しい働き方の要件、新型コロナウイルス感染症対策として密集を回避した配置基準などを加味して、「働く人にやさしい」快適かつ最適なシフト作成が可能になると期待されるとしている。また、同事業として、人とロボットの共存を考慮したシフトおよび製造順序の最適化に向けた取り組み検討を進める。

製造ラインにおいて人とロボットが共に働いた場合のオペレーションをシミュレーションした結果、ロボットが高性能であるよりも、人間の動きと調和したときに時間あたりの生産量が最大化することがわかっているという。

グルーヴノーツとキユーピーが量子コンピューティング技術活用の惣菜工場「シフト最適化」開始

さらに、MAGELLAN BLOCKSのイジングモデルによる最適化と、AIによる需要予測を組み合わせて活用することで、日々の需要量に応じた製造計画の策定から、製造順序の最適化・シフト最適化・番重(食品用コンテナ)の積み付けの最適化・物流の最適化など、工場全体の最適生産体制の構築に向けた支援が可能になると考えているという。

グルーヴノーツとキユーピーが量子コンピューティング技術活用の惣菜工場「シフト最適化」開始

今後はさらに両社で、量子コンピューティング技術やAIを活用して、工場内の様々な課題に取り組み、さらには取り組んだ成果を食品業界モデルとしてソリューション展開していくことで、業界全体の課題解決に貢献していく。

キユーピーは、調理・調味料事業、サラダ・惣菜事業、タマゴ事業など、食品5事業+物流事業を展開する食品メーカー。惣菜市場は10年連続して拡大を続け、同社サラダ・惣菜事業の売上は、調理・調味料事業、タマゴ事業に次ぐ構成比(2019年度:16.5%)とさらなる事業機会の拡大に取り組んでいるという。一方惣菜を作る工程においては、見た目・重量など厳密な盛り付け基準が設けられていることなどから、最も多い人手を要し、ベルトコンベアを囲んで多くの従業員が24時間交代制で働いている。

今後、ますます人手不足の深刻化が予測される中、人手を増やさずとも従業員の負荷軽減を図りながら生産性を最大化するため、ロボット活用が急務とされているという。一方ロボット導入の上では、人とロボットの役割分担をふまえ、業務オペレーションやシフト体制の再設計が不可欠としている。加えて、短時間勤務など人の多様な働き方を可能にする働き方改革を推進していくにあたり、最新テクノロジーの活用や高度なシフト管理システムの導入が求められているという。

カテゴリー: 人工知能・AI
タグ: グルーヴノーツキユーピーMAGELLAN BLOCKS量子コンピュータ日本

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