北欧発VC企業Northzoneが初の北米・NYパートナーにウェンディ・シャオ・シャデック氏を登用

ロンドンとストックホルムにオフィスを持つNorthzone(ノースゾーン)の新しいパートナーであるWendy Xiao Schadeck(ウェンディ・シャオ・シャデック)氏は、入社したばかりというわけではない。彼女が同社に加わったのは2015年にさかのぼる。

ベンチャーの世界に入る以前、シャデック氏はコワーキングと保育のスタートアップであるCoHatcheryを共同設立している。その後Northzoneのプリンシパルとして、Spring Health(メンタルヘルス)、3box(クラウドインフラ)、Livepeer(ブロックチェーンベースの動画トランスコーディング)、Magic.link(ユーザー認証)への投資に携わってきた。

Northzoneによると、シャデック氏は暗号化、コンシューマーテクノロジー、ヘルス、デベロッパー/ウェブ3.0インフラの分野における同社の投資理論を発展させる手助けをしたという。

「ウェンディは、非常に洞察力に富んだセクター主導の思想的リーダーシップを通じて、すでに能力を証明しており、ニューヨークのエコシステムにおける当社の地位を確固たるものにしてくれました」と、ゼネラルパートナーのPär-Jörgen Pärson(ペール=イェルゲン・ペールソン)氏は声明で述べている。「彼女は、投資家としての彼女自身と、彼女が支援する起業家たちとの間の正直で、本物の、そして刺激となる対話を定義し、再定義してきました」。

シャデック氏は、彼女の関心は「オープンデータ、オープンファイナンス、オープンコミュニティ」という3つの重要な分野を中心に「結晶化」していると筆者に話してくれた。そして、パートナーに昇進したことで、彼女が「夢中になっている」テーマである、創業者たちとさらに密接に仕事をすることが可能になると語った。

「私たちはみな、VCのミームである『どうしたらお役に立てますか?』を見たことがあります」とシャデック氏はいう。「しかし、私たちはそれを本気でいっています。何よりもまず第一に、良い条件で資本を提供する以外に、ますます重要になってきている他の側面は何でしょうか?創業者の方たちが私に求めるものを提供するために、私のアプローチをカスタマイズするにはどうすればいいのでしょうか?」。

シャデック氏は、Northzone初のニューヨークを拠点とするパートナーになるが(同社の他のパートナーはロンドンとストックホルムにいる)、ニューヨークに焦点を当てながらも、地域外でも投資を行う予定だという。

「私たちは、我々がとても興奮しており専門知識や経験を構築したいセクターと、築いていきたい関係を両方含むマトリックス型のアプローチに取り組んでいます」と彼女は語った。「そして、そうした関係は、地元の起業家とのほうが築きやすいものです」。

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タグ:Northzone

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Eight Roads Ventures Europeの「新星」ルシール・コルネ氏が女性初のパートナーに就任

ヨーロッパとイスラエルのスタートアップ企業に焦点を当てたVCのEight Roads Ventures Europeは、Lucile Cornet(ルシール・コルネ)氏をパートナーに任命した。コルネ氏は同社初の女性パートナーとなる。Eight RoadsはFidelityの支援を受けており、世界で60億ドル(約6228億円)以上の資産を運用している。

コルネ氏はソフトウェアとフィンテック分野に注力する予定で、以前から同社の数多くの投資を主導しており、 5年以下でアソシエイトからパートナーになった。パートナーが効果的にファンドに投資しない限り、ベンチャーキャピタルは「後継者を出さない(養成しない)」文化を持っていることで知られるため、普通では考えられないようなキャリアの軌跡といえる。

コルネ氏は次のようにコメントしている。「私は、ヨーロッパのテクノロジー起業家の将来を、非常に楽観的に考えています。欧州地域全体で、世界のチャンピオンになるという野心と能力を持ったすばらしい創業者や革新的なビジネスが増えてきています。彼らのスケールアップを支援するのが楽しみです」。

TechCrunchのインタビューに対し、同氏はこう付け加えた。「私はとても幸運だと感じています、なぜなら、私たちは技術全般とヨーロッパにおいて、一生に一度の変革期に生きているからです。これらの企業をいくつか設立し、エコシステムの一部になることができたのはすばらしい経験でした。これからの数年間で、どれだけもっとエキサイティングなことが起こるか、私は理解しています」。

コルネ氏はこれまで、パリに拠点を置く支出管理プラットフォームSpendesk、フランクフルトに拠点を置くB2B保険会社Thinksurance、2017年にBNP Paribasによる買収に成功したヨーロッパ初のネオバンクの1つであるCompte-Nickelへの投資を主導してきた。また、VIU Eyewear、OTA Insight、Fuse Universalの取締役も務めている。

フランス生まれのコルネ氏は、投資銀行やSummit Partnersを経て2015年にEight Roads Venturesに入社した。彼女はまた、英GP Bullhoundのインベスター・オブ・ザ・イヤー・アワード2020で「ライジングスター」に選ばれている。

Eight Roads Ventures EuropeのマネージングパートナーであるDavor Hebel(ダヴォル・ヘーベル)氏は、次のようにコメントしている。「Eight Roadsにおける、これまでのルシールの成功をとても喜ばしく思っています。彼女は入社以来、ヨーロッパのみならず世界に大きな影響を与えてきました。彼女はすばらしい仕事に対する倫理観と意欲を持っており、ヨーロッパで最も優れた企業を見極め、世界的な勝者への成長を支援してきています。彼女の昇進は、今後も最高の投資人材を育成し、内部からの昇進を目指したいという私たちの思いの表れでもあります」。

ヘーベル氏はインタビューの中でこう語った。「当社は常に少し違ったアプローチを信じていて、人を採用するときには、最初からでもいいから、判断力を持ってほしい、起業家に会うときにはその存在感を持ってほしいといっています。ですから、多くの人間を採用することはないかもしれませんが、彼らが私たちと長く一緒にいて成長すること、そうする道筋と可能性を持ってもらいたいというのは、いつも当社のモデルの一部でした」。

2020年、Eight Roads Ventures EuropeはCazoo、Otrium、Spendesk、Odaseva、そしてごく最近ではTibberに投資し、8つのフォローアップ投資を完了し、Rimiliaを売却した。また、同社の投資先であるAppsFlyerの評価額は20億ドル(約2076億円)に達している。

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:Eight Roads Ventures Europe

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全国ブランドに地域に特化したマーケティングプラットフォームを提供するSOCiが約83億円調達

「ローカライズされたマーケティング」に焦点を当てたスタートアップのSOCiは、シリーズDで8000万ドル(約83億円)の資金を調達したと発表した。

Ace Hardware、Anytime Fitness、The Hertz Corporation(ハーツ)、Nekter Juice Barなどの米国内およびグローバル企業は、検索、ソーシャルメディア、レビュープラットフォーム、広告キャンペーンを通じたプロモーションを行う際に、個々の店舗をコーディネートするためにSOCi(発音は「ソーシー」)を利用している。同社によると、2020年には100以上の新規顧客を獲得し、約3万の新規店舗を代理しているという。

共同創業者兼CEOのAfif Khoury(アフィフ・クーリー)氏は、非常に多くの企業が「地元のオーディエンスとつながるための真のソリューションを見つけようと躍起になっている」中で、パンデミックは同社のプラットフォームにとって正念場だったと語った。

SOCiのアプローチの重要な利点の1つは、ナショナルマーケティングチームがコンテンツやアセットを共有し、各拠点が「全国的な企業の個性」に忠実でありながら、「地域性」を表現できるようにすることだとクーリー氏は述べている。パンデミック時には、企業は「どこが開いていて、開いていないか」といった基本的な情報を共有しながら、「全国的なマーケティングに欠けている要素である人間性を表現し、それに同情する」ことができたという。

「その結果、閉店を余儀なくされた店舗がグランドオープンした時には、人々はその店を応援したいと思うようになりました」と同氏は語った。「それは、うまくいけばずっと続く絆のようなものを生み出しました」とも。

クーリー氏はまた、「特にローカルレベルでは、誰も7つの異なるシステムに7つの異なるログインをしたがる人はいない」ため、企業がローカライズされたマーケティングをすべて管理するための包括的なプラットフォームを構築してきたことを強調した。

今回の新たな資金調達は、買収と統合の両方を通じて、より包括的なプラットフォームを構築することを可能にするだろう、と彼は述べている。「CRM、POS、リワードプログラムに接続し、それらのデータを検索、ソーシャル、レビューのデータと統合して、顧客のプロファイルを構築したいと考えています」。

SOCiはこれまでに、総額1億1000万ドル(約114億2000万円)を調達している。シリーズDはJMI Equityが主導し、Ankona Capital、SeismicのCEOであるDoug Winter(ダグ・ウィンター)氏、そしてクーリー氏自身が参加した。

「すべての兆候が、2021年の最初の数カ月は、レストランや地域社会に依存している他のビジネスにとって、軒並み困難な状況が続くことを示唆しています」とJMIのゼネラルパートナーであるSuken Vakil(スッケン・ヴァキル)氏は声明の中で述べている。「これは、全国的なブランドの価値観に沿いつつも、地域に特化したメッセージを提供するマーケティングキャンペーンが今後も必要とされることを意味しています。SOCiのマルチロケーション機能は現在、マルチロケーションのフランチャイズ/ブランドにとって必須のプラットフォームソリューションとして、競合他社をはるかに卓越するマーケットリーダーとしての地位を確立しています」。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:SOCiマーケティング資金調達

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EUで人気の「スローデート」出会いアプリOnceをDating Groupが約18.7億円で買収

5年前にリリースされた「スローデート」アプリのOnceは、業界最大手のDating Groupに現金と株式1800万ドル(約18億7000万)で買収された。Dating Groupのポートフォリオには、Dating.comなどの様々なアプリが含まれ、合わせて7300万人の登録ユーザーを抱えている。

Onceの共同創業者兼CEOであるClémentine Lalande(クレマンティーヌ・ラランド)氏は、2年間の契約の下で引き続き同社を指揮する。共同創業者であるJean Meyer(ジーン・メイヤー)氏は、2年前に退社した後も同社の株式を保持している。

Onceのプラットフォームには900万人のユーザーがおり、後にPickableと呼ばれるスピンアウトアプリを立ち上げたことでさらに100万人のユーザーを獲得している。

Onceは、マッチングアルゴリズムを使用して、各ユーザーに1日1人だけマッチを提供する出会い系アプリだ。同社は、TinderやBumbleのようなペースの速い出会い系アプリに代わるものとして宣伝している。実際、Bumbleは先週、アンケート対象者の5人に2人がパンデミックロックダウンの結果、誰かと知り合うまでに時間がかかっているという調査結果を明らかにした。そして38%のBumbleユーザーは、ロックダウンにより、より真剣な関係を求めるようになったと認めている。Onceの市場はでき上がっていたわけだ。

Onceアプリ上の各ペアは24時間、お互いに注目して、お互いに「いいね!」すればチャットを続けることができる。AIは可能な限り最高のマッチを見つけるためにアカウントの情報、デートの好みや過去の履歴を検討する。また、ユーザーは、AIに自分の好みをよりよく理解させるために、一人ひとりのプロフィールを評価することもできる。

声明でラランド氏は次のように述べている。「スワイプ時代後、それに代わる出会い系アプリ分野で実績のあるDating Groupに加わり、OnceとDating Groupの大きな相乗効果を活用できることにワクワクしています。このような集中度が高い、競争の激しい市場において、大規模なパートナーを持つことで、リーチを拡大し、地理的拡大を加速させることができます」。

Dating Groupの最高投資責任者であるBill Alena(ビル・アレナ)氏は、次のように述べている。「私たちは、AIと質の高いマッチングを実現するというコンセプトを強く信じています。Onceを当社のポートフォリオに統合することには大きな可能性があると考えています。クレマンティーヌがDating Groupに加わることを喜ばしく思います。彼女と彼女のチームは魅力的な製品を開発しており、今回の買収により、Dating Groupは西ヨーロッパ市場に深く進出することになります」。

Dating Groupは7カ国にオフィスを構え、500人以上の専門家チームを擁し、ポートフォリオ全体で7300万人以上の登録ユーザーを擁している。そのブランドには、Dating.com、DateMyAge、Dil Mil、Cherish、Tubit、AnastasiaDate、ChinaLoveなどがある。

関連記事:マッチングアプリのBumbleが株式公開を申請

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Dating GroupOnceデートアプリ買収

画像クレジット:Once

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自動車ローン借り換えプラットフォームのMotoRefiが10.4億円調達、パンデミックの中で収益6倍

新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックが北米に拡大する1カ月前、自動車フィンテックのスタートアップであるMotoRefiは、新たに約900 万ドル(約9億3000万円)の資金で武装し、借り換えプラットフォームを大衆に提供しようと準備を進めていた。

CEOのKevin Bennett(ケビン・ベネット)氏と同社を支える投資家たちは、自動車ローンの総額が1兆2000億ドル(約124兆5000億円)に上る米国人にサービスを提供するチャンスがあると考えていた。彼らが予想していなかったのは、新型コロナウイルスによる需要の急激な増加と、パンデミックがもたらした不確実性と混乱だった。

2017年にQED Investorsから誕生したMotoRefiは、最適な金利を見つけること、以前の貸し手への返済、車両の所有権の再登録など、すべてのプロセスを処理する自動車借り換えプラットフォームを開発した。同社は、新型コロナに端を発した2つのトレンドの融合により、事業をターボチャージしてきた。経済全体でのフィンテックの採用が加速していることと、パーソナルファイナンスへの注目度が高まっていることである。

今、投資家たちは自動車ローンの借り換え需要の急増を最大限に活用するために、同社にさらに多くの資金を注ぎ込んでいる。

MotoRefiは米国時間1月22日、Moderne Venturesが主導するラウンドで1000万ドル(約10億4000万円)を調達したと発表した。Moderne VentureのパートナーであるLiza Benson(ライザ・ベンソン)氏が取締役会に加わることになる。

ベネット氏は、2020年の出来事についてこう語った。「多くの人が今、どうすればお金を節約できるのかと周りを見回しています。自動車ローンの借り換えは歴史的にパーソナルファイナンスの中では比較的認知度が低いカテゴリーですが、2020年にはそれに対する関心は本当に高まり、加速しました」。

たとえば自動車ローンの借り換えに関するGoogle検索は2020年、前年比で約40%増加したと同氏は付け加えた。

同社の収益は6倍に増加し、従業員は3倍の150人以上になり、プラットフォーム上の融資業者の数はこの1年で2倍になったという。MotoRefiは、2020年に2億5000万ドル(約259億円)以上の自動車ローンを借り換えたと同氏は述べた。

「実際には1年で2回の資金調達は計画していませんでした」とベネット氏は述べている。「しかし、市場の投資家の立場から見ると、成長はかなり目立っていました」。

ベネット氏によると、MotoRefiは現在42州とワシントンD.C.で事業を展開しているという。この新しい資本は、従業員の雇用とサービスの拡大に充てられる。

MotoRefiはこれまでに2400万ドル(約25億円)以上を調達している。同社は2020年2月、シリーズAラウンドで860万ドル(約8億9000万円)の資金を調達した。このラウンドはAccompliceとLink Venturesが共同で主導し、後に940万ドル(約9億8000万円)まで成長した。Motley Fool Ventures、CMFG Ventures(CUNA Mutual Groupの一部)、Gaingelsもこのラウンドに参加した。そのシリーズAラウンドは、MotoRefiが2019年3月に発表した470万ドル(約4億9000万円)のシードファンディングに続くものだ。

カテゴリー:フィンテック
タグ:MotoRefiローン資金調達

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Xbox Live Goldの値上げがユーザーの怒りを買い米マイクロソフトは瞬く間に撤回

【更新(米国時間1月22日)】Microsoft(マイクロソフト)は発表から24時間も経たないうちに、不満が爆発したファンとの関係をなんとか修復しようと、Xbox Live Goldの値上げ計画を撤回した。

「我々は本日、ミスを犯してしまいました。みなさんからいただいた提言はもっともで、おっしゃるとおりです。友達とつながって遊ぶことはゲームの重要な部分であり、毎日それを利用しているプレイヤーのみなさんのご期待に応えることができませんでした。結果、Xbox Live Goldの価格設定を変更しないことを決定しました」と同社はブログ記事に書いている。

マイクロソフトは、Xboxユーザーと和解するために、さらに一歩踏み込むと述べている。同社は、Xbox上の無料ゲームについて、オンラインプレイのためにXbox Live Goldのサブスクリプションを必要としなくなると述べた。「今後数カ月の間に、できるだけ早くこの変更を実施できるよう努力しています」と同社は書いている。

米国時間1月22日金曜日の早い時点での元記事は以下のとおりだ。

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金曜に誰も見ていない時間、悪いニュースをうやむやにしようとするかのように、マイクロソフトは米国時間1月22日朝、Xbox Live Goldの価格を値上げすると発表した。

価格変更の内訳は以下のようになっている。

1カ月プランは月10ドル(約1038円)から11ドル(約1141円)に変更。
3カ月プランは25ドル(約2594円)から30ドル(約3113円)に変更。
6カ月プランは40ドル(約4151円)から60ドル(約6226円)に変更(ただしマイクロソフトによると、適用されるのは新規メンバーのみ)。

「あれ、12カ月プランはどこに?以前、そのオプションがなかったっけ?」

確かにあった!以前それは60ドル(約6226円)だった。つまり、新しい6カ月間のサブスクリプションの価格である。同社は2020年7月に12カ月プランの販売を中止していたが、おそらくこの変更が目前に迫っていたため、(販売を続ければ)12カ月間のLive Goldの料金が120ドル(約1万2452円)になることを値札上で認めなければならなかったのが理由だろう。

良い知らせもある。6カ月プランの値上げは、新規メンバーにのみ適用されるという部分だ。すでに6カ月のサブスクリプションを利用している場合(または自動更新の12カ月サブスクリプションで適用免除される場合)Xboxサポートは、価格が上がらないことをツイートで確認している。

「既存の12カ月または6カ月のオンラインXbox Live Goldメンバーであれば、価格の変更はありません。メンバーシップの更新を選択した場合は、現在の価格で更新されます」。

1カ月プランや3カ月プランの場合は、新しい料金を支払うことになりそうだ。

では、なぜ料金を引き上げるのか?マイクロソフトは公式には理由を説明していない(何年も、一部の地域では10年も、値上げしていないことを指摘する以外は)。少なくともその一部分は、月15ドル(約1556円)の(Xbox Live Goldにオンデマンドタイトル食べ放題をバンドルしている)Xbox Game Passをより魅力的に見せるためだと推測できるだろう。

【Japan編集部】1月24日現在、日本では1カ月プランは税込824円、3カ月プランは税込2138円となっている。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:MicrosoftXbox

画像クレジット:Darrell Etherington

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4大陸18カ国に展開しているAI農業プラットフォームの南アフリカ発Aeroboticsが17.6億円調達

予想される人口増加と食糧需要に応えるために世界中で農業が背伸びをし、地球温暖化によって食糧安全保障がより差し迫った課題となっている中、南アフリカ発のスタートアップが人工知能を使い農場や樹木、果物の管理をすることで農家を支援している。

世界の農業にインテリジェントなツールを提供する南アフリカのスタートアップ、Aeroboticsは応募超過となったシリーズBラウンドで1700万ドル(約17億6000万円)を調達した。

Aerobotics社によると、南アフリカの消費者向けインターネット大手Naspersの投資部門であるNaspers Foundryがこのラウンドを主導し、560万ドル(約5億8000万円)を出資したという。他にはCathay AfricInvest Innovation、オランダのFMO: Entrepreneurial Development BankPlatform Investment Partnersが参加した。

James Paterson(ジェームズ・パターソン)氏とBenji Meltzer(ベンジ・メルツァー)氏によって2014年に設立されたAeroboticsは現在、果樹農家のためのツールの構築に注力している。AI、ドローン、その他のロボットを使用した同社の技術は、樹木の病気の特定、害虫や病気の追跡、より良い収量管理のための分析など、これらの作物の健康状態の追跡と判定を支援している。

同社はその技術を発展させ、シーズンの早い段階で柑橘類の生産者から樹木と果実の両方の画像を収集・処理することで、農家に独立した信頼性の高い収量予測と収穫スケジュールを提供している。これにより農家は在庫を準備し、需要を予測し、顧客が最高の品質の農作物を手に入れることができるようになる。

Aeroboticsはここ数年で記録的な成長を遂げている。1つには、8100万本の樹木と100万個以上の柑橘類の果実を処理した実績から、世界最大の樹木と柑橘類の独自データセットを持っていると主張している。

設立して7年の同社は、南アフリカのケープタウンに拠点を置いている。アフリカ大陸の新興企業の多くが、主に国内での課題の特定と解決に注目している時期に、Aeroboticsは海外でもそのサービスに多くの牽引力を見出している。同社はアフリカと同様に世界の主要な農業経済の中心地である米国、オーストラリア、ポルトガルにオフィスを構えており、アフリカ・南北アメリカ・ヨーロッパ・オーストラリアの4大陸にわたり18カ国で事業を展開している。

画像クレジット: Aerobotics

その中でも米国が同社の主要市場であり、Aeroboticsによると同国では2つの仮特許を申請中であり、1つは樹齢を推定するシステムと方法、もう1つは収量を予測するシステムと方法だという。

同社は今回のシリーズB投資を利用して、米国とその他の市場向けに、より多くの技術と製品を開発し続ける計画だと述べている。

「当社はオートメーションを最適化し、インプットを最小限に抑え、生産を最大化するためのインテリジェントなツールを提供することに尽力しています。農産物業界のリーダーたちとのさらなる共同開発を楽しみにしています」とCEOであるパターソン氏は声明の中で述べている。

何世紀か前にはテクノロジーのフロンティアとして謳われていた農産物業界は、長い間その面で停滞していた。しかし気候に適した農業をサポートし、農家を支援するAeroboticsのようなアグリテック企業は、業界を過去の栄光に戻そうと躍起になっている。投資家は業界に注目しており、過去5年間、息を呑むような勢いで投資が行われてきた。

Aeroboticsの場合、2017年9月にシードラウンドの一環として4Di CapitalとSavannah Fundから60万ドル(約6200万円)を調達した。その後、2019年2月にはNedbank CapitalとPaper Plane Venturesが主導するシリーズAラウンドでさらに400万ドル(約4億2000万円)を調達した。

今回のシリーズBラウンドを主導したNaspers Foundryは、2019年にNaspersが南アフリカのテック系スタートアップのための14億ランド(104億円弱)のファンドとして立ち上げた。

Naspers South AfricaのCEOであるPhuthi Mahanyele-Dabengwa(プーティ・マハニエレ-ダベンガ)氏は、今回の投資についてこう述べている。「南アフリカでは食料安全保障が最も重要であり、Aeroboticsのプラットフォームは、それを維持するための支援に向けて積極的に貢献しています。この種の技術革新は社会的課題を解決するものであり、まさにNaspers Foundryが支援したいと考えているタイプのアーリーステージ企業です」。

Aeroboticsの他にも、Naspers FoundryはオンラインクリーニングサービスSweepSouthやフードサービスプラットフォームFood Supply Networkにも投資している。

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カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Aerobotics農業南アフリカ資金調達

画像クレジット:Aerobotics

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高校・大学eスポーツのPlayVSがGameSetaを買収してカナダ進出を加速、一般リーグも計画

高校や大学にeスポーツの組織的なリーグを提供するPlayVSは米国時間1月21日、初の買収を発表した。これまでに1億ドル(約104億円)以上を調達している同社は、バンクーバーに拠点を置くスタートアップで、同じように高校のeスポーツチームにインフラを提供することを目指しているGameSetaを買収した。買収の条件は明らかにされていない。

今回の買収により、PlayVSは成長期を加速させ、カナダ市場への進出を後押しすることになる。GameSetaは、ブリティッシュコロンビア州の学校スポーツの運営組織であるBC School Sportsと提携しており、これはPlayVSに移管されることになる。

PlayVSは、米国で全米州立高校協会(NFHS、全米大学体育協会の高校版)と同様の(そして独占的な)パートナーシップを結んでいる。また、同社は大学市場にも進出しており、PlayVSとEpic Gamesのパートナーシップの一環として大学向け商品を立ち上げている。大学向けリーグを開始して以来、プレイヤーの総数は460%増加しているという。また、高校や大学向けに90万ドル(約9300万円)の奨学金制度も新たに立ち上げた。

2018年の初めにDelane Parnell(ディレ―ン・パーネル)氏によって設立されたPlayVSは、学校のスポーツ団体やパブリッシャーとのパートナーシップを介し、急速に成長してきた。PlayVSが提供するタイトルには「League of Legends(リーグ・オブ・レジェンド)」「Rocket League(ロケットリーグ)」「SMITE」「Overwatch(オーバーウォッチ)」「Fortnite(フォートナイト)」「FIFA 21」「Madden NFL 21」などが含まれている。PlayVSは、全米50州で1万9000校以上の高校にサービスを提供してきた。また、23万人以上の登録ユーザー数を誇っている。

PlayVSは、学校がeスポーツチームを作り、他の学校と競うためのポータルとして機能している。バスケットボールや野球のような伝統的なスポーツはリーグスケジュール、プレーオフ、審判などを組織するシステム(および統治組織)が確立されている。PlayVSは、eスポーツのための組織システムであり、その統治機関として位置づけられている。

PlayVS はこれらのリーグを実施するだけでなく、大学やeスポーツ組織がゲームを見たり、個々のプレイヤーのメトリクスを追跡することを実現して、切望されていたスカウティングツールを提供している。

今回の買収の一環として、GameSetaのTawanda Masawi(タワンダ・マサウィ)氏とRana Taj(ラナ・タージ)がPlayVSチームに加わり、カナダの事業をリードする。

地理的な拡大と並行して、PlayVS は高校や大学以外にも、消費者向けのDTC商品の発売を計画しているという。

「当社はこれから、直接パブリッシャーと提携して消費者向けの商品をいくつか発売し、PlayVSのエコシステムをオープンにして、高校など学校との関係を問わず、人々が大会を開催したり参加したりできるようにしたいと考えています」とパーネル氏は述べている。「私たちはこれにとても興奮しています。市場では一般的に、エンターテインメントやコンテンツとしてのゲームへの欲求が非常に高くなっています。明らかに、プレイヤーのみなさんはeスポーツをコンテンツの一形態として、またスポーツに参加するための方法としてとらえ本当にワクワクしていますので、PlayVSが人々にとってより広く競い合える場になるようにしたいと思っています」。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:PlayVS買収

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ワイヤレス充電技術のPowermatが太陽光発電設備を自律ロボで掃除するJetsons Roboticsと提携、産業用アプリ進出を目指す

設立して2年になるインドのJetsons Roboticsが、屋上に設置された太陽光発電設備の自律型清掃ロボットのために充電ステーションの設計を手助けしてくれるパートナーを探し始めたとき、イスラエルのPowermatを選んだのは自然なことだった。

Powermatは家電製品のワイヤレス充電技術の設計で名を成したが、2年ほど前から、より多くの産業用アプリケーションに焦点を移していたのだ。そのため、同社の充電技術の新しいフォームファクターとアプリケーションについて、Jetsons Roboticsと協力することは理に適っていた。

実際、当初Powermatが獲得したいと考えていた消費者市場は、その時点で広くコモディティ化していたため、同社は新たな方向性を求めていた。

Jetsons RoboticsのCEOであるJatin Sharma(ジャチン・シャーマ)氏によると、企業が屋上に設置する太陽光発電設備の清掃には高いコストがともない、年間10万ドル(約1035万円)から50万ドル(約5175万円)かかるという。人間の労働力の代わりにロボットを使用することでコストを節約できるが、同社が構築しようとしている自律的なソリューションには、ワイヤレス充電ドックのようなものが必要だとシャーマ氏は述べている。

接触充電システムでは、屋外環境では不確定要素が多すぎたが、インダクティブ充電器ではコストがかかりすぎた。同社がPowermatと協力してソリューションを開発するまでは、このような問題を解決することはできなかったとシャーマ氏は語った。

ムンバイを拠点とする100X.VCの支援を受けたシャーマ氏のロボットは、すでに毎日約1.7メガワットに値する太陽光発電設備の清掃を行っている。

Powermatにとって、このソーラー清掃ロボットは、同社の新しい産業分野への注力を示す良いテストになるとCTOのItay Sherman(イタイ・シャーマン)氏はいう。

「これを市場の成熟化として見ることができます」とシャーマン氏は語る。「Powermatはワイヤレス技術を推進するパイオニアでした。その市場は成熟しつつあり、技術とイノベーションが重要な市場へと移行しています。私たちは、これらの新興市場に努力をシフトすることにしました。ロボティクスはその1つ、そして医療機器、IoT、自動車市場にも注力していきます」。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:PowermatJetsons Roboticsワイヤレス充電太陽光発電

画像クレジット:Powermat

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デジタル証券プラットフォームiSTOXがシリーズAで約52億円調達、日本政策投資銀行やJICが新たに支援

デジタル証券プラットフォームiSTOXのチーフコマーシャルオフィサー、オイ・イー・チュー氏(画像クレジット:iSTOX)

プライベートエクイティ(PE)投資をより身近なものにすることを目指しているデジタル証券プラットフォームのiSTOXは、シリーズAラウンドに日本からの新たな投資家を追加し、総額5000万ドル(約52億円)を調達した。新たな投資家の中には、政府系の日本政策投資銀行と、産業革新投資機構のVC部門であるJICベンチャー・グロース・インベストメンツの2社が含まれている。

このほか既存の投資家であるシンガポール証券取引所(SGX)、東海東京フィナンシャル・ホールディングス、韓国のHanwha Asset Managementに加え、十六銀行、モバイル・インターネット・キャピタルなどがラウンドに参加した。

2017年に設立され、ブロックチェーンインフラ企業のICHXが所有するiSTOXは、スタートアップ、ヘッジファンド、プライベート・デットなど、通常は少数の富裕層に限定されるプライベートキャピタルマーケットの機会を、より多くの機関投資家や適格投資家に開放することを目的としている(シンガポール国外の適格投資家にも、同国の基準に相当する資産と収入を保有していればサービスを提供できる)。iSTOXでは、ユーザーは100シンガポールドル(約7800円)からの少額投資が可能で、デジタル証券の保有とスマートコントラクトにブロックチェーン技術を用いることで手数料を低く抑えることができ、発行プロセスをより効率的かつ低コストにすることができるとしている。

iSTOXのシリーズAラウンドは、当初2019年9月に発表されていた。同社がシンガポール金融管理局(MAS)のフィンテック規制サンドボックスに参加していた際、タイの投資銀行Kiatnakin Phatra Financial Group(KKP)から非開示の金額を調達したと発表した。シンガポール政府は特にブロックチェーン技術を支持しており、フィンテック、データセキュリティ、ロジスティクスなどの分野での利用を商業化するためのイニシアチブを開始している。

iSTOXは2020年2月にサンドボックスプログラムを完了し、デジタル証券の発行・保管・取引を行うことがMASから承認された。今回の新たな資金調達は、すでに重慶市で契約を結んでいる中国をはじめ、現在発行案件に取り組んでいる欧州やオーストラリアなど、地理的な拡大に充てられる予定だ。またiSTOXは、投資家が「ひと口サイズ」で申し込める私募発行など、新たな投資商品の追加も計画しているという。

iSTOXの最高商務責任者であるOi Yee Choo(オイ・イー・チュー)氏は声明で、このように述べている。「キャピタルマーケッツは技術の進歩により急速に変貌を遂げています。規制当局であるMASと当社の機関投資家は先見の明があり進歩的で、この変化を心から支持しています」。

同社は、投資プロセスを民主化したいと考えているアジアのいくつかのフィンテックプラットフォームの1つだ。一般投資家向けにはBibitSyfe、Stashaway、Kristal.ai、Grab Financialの投資商品のようなアプリがある。

iSTOXは認定投資家や機関投資家を対象としているため、直接の競合相手としては、シンガポールに拠点を置くDBS Digital Exchange(DBSデジタル取引所)が挙げられるが、iSTOXの強みは、より多くの種類の資産を提供していることである。現在はファンドや債券の発行を行っているが、今年はプライベートエクイティやストラクチャードプロダクトの発行も開始する予定だ。また、同社の証券は完全にデジタル化されており、発行後にブロックチェーン上に記録されるのではなく、ブロックチェーン上で作成されるため、より迅速な決済時間を提供できるという。

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タグ:プライベートエクイティ投資iSTOX資金調達

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(翻訳:Nakazato)

創業者ジャック・マーが3カ月ぶりに姿を現しアリババ株が急上昇

Alibaba(アリババ)の創業者で億万長者で知られるJack Ma(ジャック・マー)氏が、2020年10月に最後に公の場で姿を見せてから3カ月ぶりに、農村部の教師100人にオンライン会議であいさつをしたことが明らかになり、香港ではeコマース大手の同社の株が8%以上も上昇した。

このビデオ通話の動画は、Alibabaが本社を置く中国東部の浙江省政府が後援するニュースポータルに最初に投稿され、Alibabaの広報担当者によって確認された。

2020年12月に彼は自らが制作したテレビ番組の収録に参加しなかったとメディアが報じた後、マー氏の行方を巡って憶測が渦巻いていた。脚光を浴びるのが好きなことで知られるマー氏だが、自身のeコマース帝国であるAlibabaとフィンテック大手のAnt Group(アントグループ)は、ここ数カ月の間にますます中国当局の攻撃の的となっていた。

マー氏が最後に公の場に姿を現した際、高官の前で中国の金融規制システムを激しく非難した。報道によると、彼の物議を醸す発言により、中国の規制当局は、史上最大の株式公開となるはずだったAnt社のIPOを突然中止することになった

Antはその後、政府の指示の下、企業再編と規制遵守に取り組んでいる。中国最大のeコマースプラットフォームであるAlibabaもまた、市場規制当局がAlibabaの独禁法違反の疑惑について調査を開始したことで注目を集めている。

ジャック・マー氏のインターネット帝国に対する最近の取り締まりは、中国の超富裕層や民間の影の実力者に対する中国政府の不安感の高まりを示しているとの意見もある。

「現在、AlibabaとそのライバルであるTencent(テンセント)は、Google(グーグル)やFacebook(フェイスブック)といった米国のハイテク企業が同国で行っている以上に、より多くの個人情報を管理し、中国での日常生活に密接に関わっている。そして、中国の巨大テック企業は、米国の同じような企業がそうするように、時には小規模な競合他社をいじめ追いやり、イノベーションを阻害することもある」と、ニューヨーク・タイムズ紙コラムニストのLi Yuan(リ・ユアン)氏は書いている

「共産党の一員でなくとも、彼ら(テック企業)を制限する理由はわかる」とも。

50秒のクリップでは、マー氏は浙江省の典型的な水辺の町を描いた装飾画のように見えるものを背景に、カメラに向かって直接話している。花瓶に生けられた花と、ゆったりとくつろいでいる男性を象った陶器の置物とともに、積み上げられた本の山の中には美術史の本が見られる。

マー氏は、ジャック・マー財団によって毎年優れた農村部の教師を表彰するために設立された「Jack Ma Rural Teachers Award(ジャック・マー農村教師賞)」を受賞した100人の教師に向けあいさつを行った。マー氏がどこからスピーチをしていたのかは不明だが、ビデオは彼が2021年1月10日に浙江省農村部の寄宿学校を訪問している様子を短時間見せている。授賞式は今年、パンデミックのためにオンラインで行われることになりましたと、マー氏は受賞者に語った。

マー氏はは引退を発表した際、教育者としての原点に戻り、教育の慈善活動にもっと時間を割くと約束したが、強大な権力を持つAlibaba Partnershipの終身パートナーとして同社にかなりの影響力を持ち続ける。伝説の億万長者は杭州で英語教師としてキャリアをスタートさせ、中国のTwitterに相当するWeibo(新浪微博)では「ambassador for rural teachers(田舎の先生の大使)」という愛称で呼ばれている。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:AlibabaAnt Groupジャック・マー

画像クレジット:Jack Ma / Source: ZJOL

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(翻訳:Nakazato)

EC界の寵児マーク・ローリー氏がJet.comを3115億円で売却し4年余りでWalmart退社

Walmart(ウォルマート)のエグゼクティブバイスプレジデントで、米国内eコマース部門の社長兼CEOを務めていたMarc Lore(マーク・ローリー)氏が、自身のeコマース会社Jet.comを30億ドル(約3115億円)でWalmartに売却してから4年余りで退任することになった

ローリー氏の在職期間については、批判と称賛がある。Walmartは、ローリー氏の在職期間中にいくつかの新しい技術イニシアチブを打ち出したが、Jet.comのサービスは2020年5月に閉鎖され、顧客がテキストで商品を注文できるオプションのようなローリー氏の他のイニシアチブも、アーカンソー州を拠点とするWalmartにとっては赤字となった。

「ローリー氏が2021年1月31日に退任した後は、2021年2月1日から、米国の小売eコマースのすべての側面を含む米国事業は、米国Walmartの社長兼CEO、John Furner(ジョン・ファーナー)氏の管理下におかれる」とWalmartは登記で述べている。

Walmartは、金融サービスの開発に特化した新事業を立ち上げるなど、テック関連の取り組みを次々と進めてきた。

そちらのイニシアチブは、フィンテック投資会社であるRibbit Capitalとの戦略的パートナーシップによって行われており、2018年に立ち上げたインキュベーター「Store N⁰8」も含むスタートアップテックのポートフォリオに加えられている。

「過去数年を、誇りを持って振り返っています。Walmartは私の人生を変えてくれましたし、我々が一緒に行った仕事はこれからも長い間、お客様の生活を変え続けていくでしょう。Walmartファミリーの一員になれたことは光栄に感じており、今後もアドバイスやアイデアを提供できることを楽しみにしています」とローリー氏はLinkedinに投稿された声明の中で述べている。「今後、私は休暇を取り、いくつかのスタートアップ企業と仕事を続ける予定です。今後もみなさんに、最新情報をお届けすることを楽しみにしています」。

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カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:ウォルマートeコマース

画像クレジット:Patrick T. Fallon/Bloomberg via Getty Images / Getty Images

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輸送テックの波に乗るデジタル道路運送のドイツSennderが約166億円調達、欧州事業拡大へ

自らを「デジタルな道路運送会社」とする、ドイツを拠点とするSennder(センダー)が、シリーズDの資金調達で1億6000万ドル(約166億円)を調達した。このラウンドは匿名の投資家が主導したが、ラウンドの参加者にはAccel、Lakestar、HV Capital、Project A、Scaniaなどが含まれている。情報筋によると、Hedosophiaが匿名の成長投資家だという可能性があるが、Sennderはコメントを避けた。現在までに同社は2億6000万ドル(約270億円)以上の資金を調達しており、10億ドル(約1038億円)の潜在的な評価額を主張することができる。

Sennderは、企業の荷主とトラック運送会社を直接結びつけることで、従来の輸送モデルを中抜きしている。Sennderは2021年に、100万台以上のトラック輸送を予定しているという。これまでのところ、同社は収益性の高い欧州市場に集中している。2020年6月にはフランスの競合企業であるEveroadと合併し、同年9月にはUber Freightの欧州事業を買収した。欧州の物流・貨物部門の市場規模は4270億ドル(約44兆3100億円)といわれる。

Sennderは、WincantonやCH Robinsonのような大手の既存業者や、OnTracやInstafreightのような他のスタートアップと競合している。

現在、デジタル貨物輸送市場全体が活況を呈している。2020年11月には、ドイツのデジタル貨物輸送会社Fortoが新たに5000万ドル(約52億円)の資金を調達し、同社の調達総額は1億300万ドル(約107億円)に達した。

Sennder社の新たな投資は、欧州市場での事業拡大を意味している。同社はすでにイタリアのPoste Italiane、スウェーデンのScania(スカニア)、Siemens(シーメンス)と提携しており、現在ではドイツのDAX30に上場している10社以上の組織と、ユーロ・ストックス50を構成する11社の企業に輸送サービスを提供しているという。

2015年にDavid Nothacker(デイビッド・ノーサッカー)氏、Julius Köhler(ユリウス・コーラー)氏、Nicolaus Schefenacker(ニコラウス・シェフェナッカー)氏によって設立されて以来、同社は800人の従業員と7つの国際事務所を持つまでに成長した。

Sennder社の共同創業者兼CEOであるノーサッカー氏は次のように述べている。「当社は現在、この分野の昔からの先駆者と対等な立場で業界をリードする存在となっていますが、創業時の精神は維持しています。データ駆動型企業として、ロジスティクス業界を持続可能な未来に適合させ、物流の透明性、柔軟性、効率性を確保することに貢献しています。新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックは、デジタル化されたロジスティクス業界の重要性を明らかにしました」。

AccelのパートナーであるSonali De Rycker(ソナリ・デ・リッカー)氏は次のようにコメントしている。「投資先企業がこのような重要なマイルストーンを達成するのを見るのはいつも素晴らしいことです。2020年は、Sennderの革新的なデジタルサービスが運送業界にもたらすバリューを浮き彫りにする年でした」。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:ロジスティクス 資金調達Sennder

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金属3DプリントのDesktop Metalが同業で3Dプリントで入れ歯などを作るEnvisionTECを312億円で買収

金属3Dプリンターで知られるDesktop Metal(デスクトップ・メタル)が米国時間1月15日、同業の3Dプリント企業であるEnvisionTEC買収の意向を発表した。2002年にドイツで設立されたEnvisionTEC社は、フォトポリマー付加製造に特化しており、その技術はDesktop Metal社の既存のポートフォリオよりも、3Dプリント界の寵児であるCarbon社などと直接競合するものとなる。

今回の取引は、2020年8月にDesktop Metal社がSPACの合併トレンドの一部として株式公開に踏み切ったことに続く動きだ。これに先立ち、Desktop Metalは4億3000万ドル(約446億5000万円)の投資をきっかけにユニコーンの地位に急浮上しており、自己資金には事欠かなかった。同社は、現金と株式の組み合わせで3億ドル(約311億5000万円)を投じてEnvisionTECを買収する予定だという。

Desktop Metalがこれにより成長する可能性は大きい。EnvisionTECには190種類以上の材料に印刷できる基礎技術があるが、かたやDesktop Metalには、EnvisionTECがこれまでに構築してきたものを超えて、その技術をスケールアップさせるためのリソースがある。

このパズルの中で、デンタル分野がかなり巨大なピースであることは明らかだ。歯科用アプリケーションはこの種の大量3Dプリントの最も明確で即効性のある使用例の1つであり、実際、同社はすでに歯科分野で、Smile Direct Club(スマイルダイレクトクラブ)のような企業を含む約1000社の顧客を抱えている。新型コロナウィルスが大流行した中、同社はEnvision Oneデンタル3Dプリンターの出荷台数を前年の3倍に増やした。

Desktop Metal社のCEOであるRic Fulop(リック・フロップ)氏はTechCrunchに「これは、レストレーションから即日のフルアーチインプラントまで、あらゆるものに使用されます」と語っている。「通常、入れ歯を手に入れようとすると、インプラントデンチャー(インプラント義歯)には3週間待たなければなりません。この製品はそれを即日で行うことができる初めてのソリューションです。しかも手頃な価格で」。

このニュースに続いて発表されたプレスリリースによると、他の既存の顧客にはFord(フォード)やHasbroなどが含まれている。フロップ氏によると、買収は今四半期中に完了される予定だが、買収後もEnvisionTECは独自の部門として運営を続けるという。

「我々は、彼らの販売チャネルにてこ入れしていくことができるます」とフロップ氏は語る。「その既存の能力を拡大し、当社のチャネルを利用して金属からコンポジット、バイオマテリアル、さらにはフォトポリマー印刷に至るまでのフルソリューションを提供するためのツールとなり、(EnvisionTECを)後押しできることを楽しみにしています」。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Desktop MetalEnvisionTEC買収

画像クレジット:EnvisionTEC

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米運輸省が政府GPSを置き換えられるか11社を評価、全ユースケースに対応できたのは1社だけ

米国防総省によって運営されている米国のGPSシステムは、ポジショニング・ナビゲーション・タイミング(PNT)として知られているものに関し、我々一人ひとりに重要なインフラストラクチャを提供している。ポジショニングとナビゲーションは地図アプリを開くたびに明らかだが、タイミングもGPSの重要な機能だ。これにより、スマートフォンやデバイスに精密なタイミングが提供され、計算プロセスが正確に同期されるようになる。

経済のより大部分がこれらのシステムに依存するようになり、GPSスプーフィングを通じてますますハッカーのターゲットとなってきている政府は、このセクターのさらなる冗長性と回復力を目指しており、GPSシステムの一部を増強またはバックアップするために商業的な代替手段を使用することを検討してきた。

米運輸省は、2018年度の国防承認法案に追加された議会の委任に基づき、既存のインフラのバックアップとして機能する可能性のある、政府所有・運営のGPSに代わる商業的な代替案の包括的な評価を行った。

この調査で検討された11社の中には、2019年に2600万ドル(約27億円)のラウンド資金を調達したSatelles、1年前のFortressからの出資1億2000万ドル(約124億6000万円)を含む総額3億ドル(約311億5000万円)近くの資金調達を行ったNextNav、Crunchbaseによると2020年に小規模なシードラウンドを調達したHellen Systemsなど、著名なポジショニングスタートアップが多数含まれていた。

457ページにわたる、異なるPNTプラットフォームを評価するために研究者グループが検討した14の基準をすべて含めた米運輸省の完全なレポートは、こちらで読むことができる。

概要としては、性能やコストに大きな差はあるものの、GPSの妥当なバックアップ機能を提供している会社は複数存在するということだ。研究者らによると、「すべて(の技術準備レベル)を満たしたベンダーは、少なくともいくつかのPNTのパフォーマンスに価値があることを実証したが、ベンダーの中でNextNav1社だけが、すべての適用可能なユースケースシナリオでパフォーマンスを実証した」と述べている。

さらに米運輸省の研究者らは「どのシステムも、GPSとその拡張機能によって提供されるポジショニング・ナビゲーションを万能にバックアップすることはできない」と述べている。GPSが満たす幅広いニーズを考慮して、彼らは「多種多様なポジショニング・ナビゲーション技術」を使用して、このインフラに冗長性と回復力を加えることを推奨している。

最後に、コストの決定は非常に複雑であることに変わりはない。異なるポジショニングシステムの動作方法を考えると、各システムの固定費と変動費は、希望するカバーエリアと必要な送信機密度に大きく依存する。研究者らは、初期の見識を提供する初期データをいくつか提供しているが、異なるシステムの費用対効果について、明確な意見を出すことはできなかった。

GPSの重要性と企業や政府が信頼性の高い代替手段を求めていることから、近年、VCはPNT分野に多額の資金を投じている。今回、機能性と実用性の点で、どのベンダーが潜在的に勢いがあるかについて、いくつかのハードデータが出てきたといえる。

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カテゴリー:セキュリティ
タグ:GPS

画像クレジット:MR.Cole_Photographer / Getty Images

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グーグルがインドで個人ローンアプリの悪用を受け多数削除、悪質な取り立てで自殺も

Google(グーグル)は米国時間1月14日、インドのGoogle Playストアから個人向け融資のアプリをいくつか削除したと発表した。同国で一部の企業が脆弱な借り手をターゲットに行き過ぎた取り立てをしている、といった報告を受け、悪用を防ぐための対策を強化すると同社は述べている。

Googleは、インドのユーザーや政府機関が最近、一部の個人ローンアプリにフラグを立てたのを受け、同社は数百ものアプリを審査したと述べた。その審査の過程で、一部のアプリがPlayストアの安全ポリシーに違反していることが判明し、それらはただちにストアから削除されたという。

インドでは、Android OSがスマートフォンの98%を占めている。Googleは、特定された残りのアプリの開発者に、アプリが適用される現地の法律や規制に順守していることを証明するよう求めているという(TechCrunchが確認したメールでは、Googleは5日以内に証拠書類を提供するよう開発者に求めていた)。

「これを怠ったアプリは、追加の通知なしに削除されます。さらに、この問題の捜査においては、法執行機関と引き続き協力していきます」とGoogleは述べている。

ユーザーはここ数カ月の間に10MinuteLoanやEx-Money in Indiaを含むいくつかの融資アプリを、短期の小口融資(通常は50ドル〜200ドル[約5200〜2万800円]の範囲)をあまり審査を行うことなく人々に付与し、その後、高額の手数料を請求することで特定している。

このような悪用を避けるため、GoogleはPlayストアでは今後、顧客が60日以上の期間で返済を行うことを要求する個人アプリのみを許可すると述べた。

借り手が短い期間で借金を返済するのに苦労すると、他にも悪質な戦術はあるが目立つのは、融資アプリによっては取り立て業者が、友人や同僚、家族の前で恥をかかせるように脅してきたという。2020年11月には、地元紙Indian Expressが、23歳の男性が融資アプリに脅された後に自殺したと報じた。同様の嫌がらせに関連して報告されているここ数カ月間の自殺事件は、これだけではない。

オンラインローンの恐怖。

「Udhaar Loan」というローンアプリの担当者が、タミルナドゥの若い女性に
期日までにローンを支払えないなら、裸でビデオ通話をするように迫っていました。

彼女は今日、自殺しようとしました。

@PMOIndiaに届くまで拡散してください。

地元メディアによると、インド南部ハイデラバード市の警察は最近、30の融資アプリを通じて行われた詐欺の疑いで、5800万ドル(約60億円)を保有する銀行口座を凍結したが、いずれのアプリも中央銀行の承認を得ていなかった。予備調査の結果、これらのアプリは1400万件の取引を通じて約29億ドル(約3011億円)を処理していたことが判明した。

デジタル決済に関する消費者団体CashlessConsumerのSrikanth L(スリカント・L)氏は、Googleがこの問題に目を向けるのに時間がかかりすぎた、とTechCrunchに語った。数四半期にわたってインドのオンライン融資アプリを追跡してきたスリカント氏は、自身の分析を引用しながら、ここ10日間で100以上のアプリが、ここ数カ月で約450のアプリがGoogle Playストアから消えたと述べている。

彼はまた、アプリが顧客のAndroidスマートフォンから広範囲のデータを収集することを止めるための十分な措置をとっていないと、Googleを批判している。「Googleはいまだにアプリ開発元に対して彼らのウェブサイトや物理的なアドレスを開示することすら義務づけていない」と彼は付け加えた。

Androidのセキュリティとプライバシー担当副社長であるSuzanne Frey(スザンヌ・フレイ)氏は、ブログ記事にこう書いている。「ユーザーのプライバシーを保護するために、開発者は現在の機能やサービスを実行するために必要な許可のみをリクエストせねばなりません。与えられたユーザーやデバイスデータへのアクセス許可を未公開、未実施、または許可されていない機能や目的のために使用すべきではありません」。

「開発者はまた、ユーザーが同意した目的のためだけにデータを使用する必要があります。後で他の目的のためにデータを使用したい場合、その追加使用のために再びユーザーの許可を取得する必要があります」と彼女は付け加えた。

14日の動きは、Googleがインドのファンタジースポーツアプリを取り締まる努力を強化した数カ月後のことになる。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:GoogleインドGoogle Play

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Mediumがソーシャル読書アプリの「Glose」を買収、電子書籍販売や教育分野に事業拡大か

Mediumは、パリに拠点を置くスタートアップのGloseを非公開の金額で買収すると発表した。Gloseは、デバイス上で本を購入したり、ダウンロードしたり、読んだりできるiOS、Android、ウェブアプリを構築してきた。

Gloseは本棚を作ったり、フォロワーとメモを共有したり、余白で会話を始めたりすることができる読書アプリで、同社は読書をマルチプレイヤー体験に変えた。確かに、Goodreadsのような本について会話できるソーシャルプラットフォームは存在する。しかし、Gloseの差別化ポイントは、ソーシャル機能が読書機能と本質的にリンクしていることであり、それらは2つの別々のプラットフォームではないところだ。また、例えば連続リワードというような、難しい本を読むときにモチベーションを維持するのに役立つゲーミフィケーション機能もある。

多くの点で、Gloseのワンタップハイライト機能やコメント機能は、Mediumの機能を彷彿とさせる。スマホやタブレットの他の読書アプリでもテキストをハイライトすることはできるが、それをさらにどうにかすることはできない。

最近になって、Gloseは「Glose Education」という別のサービスを開始した。その名が示すように、こちらは大学や高校向けのサービスだ。教師は課題を配ることができ、生徒たちはグループとして本を読むことができる。

100万人以上のユーザーがGloseを使用したことがあり、スタンフォード大学やコロンビア大学を含む25校の大学がGlose Educationと契約している。

しかし、Gloseは単なるソフトウェアだけの事業ではない。同社は、総合的な書店も運営している。2万社の出版社と提携しているので、アプリから直接電子書籍を購入することができる。

また、今学期にVirginia Wolf(ヴァージニア・ウルフ)を勉強している場合、Gloseは何十万冊ものパブリックドメインの本を無料で提供。さらにGloseはオーディオブックにも対応している。

Mediumが記事やブログを超えて拡大することを計画している中、これは最も興味深い部分だろう。Gloseは今のところ存在し続けるが、Mediumの方も、電子書籍とオーディオブックを同サービスに統合することを計画している。

多作なブロガーの多くは本の著者でもあるので、これは賢い動きだ。現在、彼らはMediumでブログ記事を書き、読者がライターの本を購入したい場合は、サードパーティのサイトにリンクしている。著者が書いたものをすべてホストする機能を持つことは、コンテンツ制作者と読者の両方にとってより良い経験になる。

「我々はGloseの読書プロダクツや技術だけでなく、本の著者や出版社と提携した経験にも感銘を受けています」とMediumのCEOであるEv Williams(エブ・ウィリアムズ)氏は声明の中で述べている。「本はアイデアを探求するための手段、深化への道です。世界のアイデアの大部分は本や雑誌に保存されていますが、検索も共有もほとんどできません。Gloseとともに、Mediumの大規模なネットワークを利用する読者やライターの体験を向上させたいと考えています。Gloseチームと協力して、出版社と提携し、著者がより多くの読者にリーチできるよう支援していきたいと考えています」。

Gloseチームはパリに残る予定で、Mediumは米国外に初のオフィスを開設することになる。Gloseは今後も著者、出版社、学校、機関とのパートナーシップを続けていくという。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:MediumGlose買収

画像クレジット:Glose

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(翻訳:Nakazato)

グーグルが約2180億円でFitbit買収を完了と発表、ただし米司法省は審査継続中とコメント

大西洋を挟んだ両側での規制の精査後、Google(グーグル)は米国時間1月14日朝、同社がウェアラブルのパイオニアFitbitの買収を完了したことを発表した。Googleによる膨大な量のユーザー健康データの使用は、長い間、取引の規制上の懸念の重要な問題点となっていた。結局のところ、ターゲット広告は、同社のビジネスの大部分の中核であり続けるからだ。

そんな事情から、GoogleとFitbitの両社が、買収に関してのそれぞれの声明で懸念に対処しようとしているのは当然のことだ。特にGoogleは、この取引はハードウェアがすべてであることをすぐさま指摘している。確かに、同社はこの垂直市場で苦戦してきた。フィットネスやウェアラブルカテゴリーでApple(アップル)と競合するためにGoogleがこれまでしてきた努力は、ひいき目に見ても、ムラがあるものだった。

Googleのデバイス・ハードウェア部門SVPであるRick Osterloh(リック・オスターロー)氏は次のように述べている。

この取引は常にデータではなくデバイスに関するものであり、我々は当初からFitbitユーザーのプライバシーを保護することを明確にしてきました。我々は世界の規制当局と協力して、Fitbitユーザーの健康とウェルネスデータがGoogle広告に使用されないことを確認する一連の拘束力のある誓約を含め、消費者のプライバシーに対する期待を保全するアプローチに取り組んできました。

また、フィットネストラッカーやスマートウォッチなどのデバイスとAndroidスマートフォンとの相互運用を可能にするAndroid APIへのアクセスを維持し、Fitbitユーザーがサードパーティのサービスへの接続を選択できるようにすることで、お気に入りのヘルス・フィットネスアプリをFitbitアカウントに同期することができるようにします。これらの取り組みは、すべての消費者が恩恵を受けることができるよう、世界各地で実施されます。また、世界中の規制当局と協力して、これらの約束を守っていることを保証できるようにしていきます。

Fitbitの共同創業者兼CEOであるJames Park(ジェームズ・パーク氏)は、同調してこう書いている

今後もユーザーの信頼を最優先し、データのプライバシーとセキュリティの保護を強力に維持し、ユーザーにデータのコントロールを提供するとともに、何をどのように収集し、なぜ収集するのかについて透明性を保っていきます。Googleは今後もFitbitユーザーのプライバシーを保護し、Fitbitユーザーの健康・ウェルネスデータがGoogle広告に使用されることはなく、このデータは他のGoogle広告データとは別個に保管されることを確認し、世界の規制当局との間で一連の拘束力のある誓約を結びました。また、Googleは今後もFitbitユーザーがサードパーティのサービスに接続することを選択できるようにすることを断言しています。

こうした種類の消費者デバイスによって収集されるデータのレベルと親密さは、過去10年間で大幅に増加しています。その事態をさらに激化させているのは、Fitbitやアップルのような企業が、自社製品が医療機器として、または少なくとも医療関連機器として、より真剣に受け止められるようにプッシュしていることです。両方の企業が、健康調査を委託し、FDA(米食品医薬品局)の認可を求め、保険会社と協力しています。こうした動きが高まり続けるのは間違いないでしょう。

21億ドル(約2180億6000万円)の取引を完了するのに、多くの譲歩が要求された。特にEUは2021年12月、最終的に買収を許可した際に多くの注意事項を提示した。EUはその際「Googleが収集したデータを広告目的でどのように使用できるか、競合するウェアラブルとAndroidの間の相互運用性をどのように保護するか、そしてユーザーが選択した場合、健康・フィットネスのデータをどのように共有し続けることができるかを誓約が決定する」と指摘している。

取引の一環として、Googleは10年間、Fitbitのデータを広告目的に使用しないことに合意した。欧州委員会は、さらに10年その誓約を延長する権利を保持した。Googleはまた、競争を維持するために、サードパーティ開発者のAndroid APIへのアクセスを維持することに合意した。

2007年に設立されたFitbitは、ウェアラブル・フィットネストラッカー分野の代名詞となった。しかし最終的には、スマートウォッチの登場で優位性を維持するのに苦労し、最終的にはApple Watchに大きなシェアを譲ることになった。同社は最終的にVersaのようなデバイスでこの分野で躍進を遂げたが、その頃には、独自に存続するには遅すぎると思われていた。

Android Wear / Wear OSで突破口を開こうとして同社が苦戦し続けていたことを考えると、この取引は確かにGoogleにとって理に適っている。Fitbitにより、同社は確立されたハードウェアメーカーを取得する。これは同社が、携帯電話のPixelラインを成長させるために行なったHTC資産の購入とまったく異なるわけではない。しかし、Fitbitブランドには残しておくだけの十分なキャッシュがまだある。特筆すべきは、Fitbit自身のスマートウォッチ分野での成長は、スマートウォッチのパイオニアであり、クラウドファンディングの寵児であるPebbleを含む、いくつかの独自の買収によって拍車がかかったことだ。

2019年後半には、GoogleもTimexのスマートウォッチ技術を4000万ドル(約41億5000万円)で買収しており、同社がApple Watchに直接挑戦する可能性は極めて高い。この製品はAppleにとって大ヒットしただけでなく、最近ローンチされた「Fitness+」をはじめとするあらゆる種類のヘルスサービスへの扉を開いたことを考えれば、無理はない。2021年のCESが何かを証明したとすれば、それは、ホームフィットネスは多くのアップサイドを持つ、サムスンも参入してきた巨大なビジネスであるということだ。

【更新】米司法省は調査が進行中であることに言及し、明確化するコメントを発表した。

GoogleによるFitbitの買収に関する(米司法省)反トラスト局の調査は、現在も継続中です。当局が執行措置を求めるかどうかについて最終決定には至っていませんが、当局は、GoogleによるFitbitの買収が米国内の競争と消費者に害をおよぼす可能性があるかどうかの調査を継続しています。引き続き、可能な限り徹底的に、効率的に、迅速にこの調査を行い続けることに尽力する所存です。

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カテゴリー:その他
タグ:GoogleFitbit買収

画像クレジット:Kimberly White / Getty Images

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(翻訳:Nakazato)

トランプ政権が世界3位の中国スマホメーカーXiaomiも防衛ブラックリストに追加

中国のスマートフォンメーカーXiaomi(シャオミ、小米科技)がトランプ政権の防衛ブラックリストに新しく加わった。米国防総省は米国時間1月14日、Xiaomiを含む9社を中国の軍事疑惑のある企業のリストに追加した。

市場調査会社IDCによると、Xiaomiは2020年第3四半期の時点で世界第3位のスマートフォンメーカーで、Apple(アップル)を抜いてSamsung(サムスン)とHuawei(ファーウェイ)に次ぐ第3位となっている。

Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領は2020年11月、中国の軍事・諜報・安全保障機関の活動を支援する企業への投資を禁止する大統領令に署名し、2021年1月に施行する予定だった。ファーウェイ、中国の大手チップメーカーSMIC中国の3大通信事業者などがリストの対象となっている。

国防ブラックリストは、米商務省のエンティティリスト(禁輸リスト)とは異なる。後者のリストは、ファーウェイDJISenseTimeやその他中国のハイテク企業を国家安全保障上の懸念から、米国のサプライヤーから切り離すことで知られる。

Xiaomiの広報担当者は声明で「当社は、中国軍に所有されていることも、支配されていることも、軍と提携しているわけでもなく、国防権限法(National Defense Authorization Act、NDAA)で定義されている『共産主義中国軍企業』ではないことを確認します。会社と株主の利益を守るために、適切な行動をとっていく所存です」と述べている。

エンティティリストと同様に、米政府の国防ブラックリストは、コンプライアンスをめぐり混乱を招いている。China Mobile(中国移動通信)、China Unicom(中国聯合通信)、China Telecom(中国電信)に対する制裁を受けて、ニューヨーク証券取引所(NYSE)は3回動いた。最初は中国の通信事業者3社を上場廃止にすると発表し、その後規制当局との協議の結果、上場廃止の撤回を決定したが、最終的にはこれをまた覆し、さらなる審査の結果、上場廃止にすると決定した

Xiaomiの担当者は次のように述べている。「当社は、この影響が当社グループに与える影響をより深く理解するために、潜在的な影響を検討中です。適切な時期にさらなる発表を行う予定です」。

Xiaomiは香港に上場しており、この行政命令は米国の投資家に、ブラックリストの発表で株式が11%以上下落し、1株あたり29ドル(約3000円)にまで落ち込んだ同社の株式を売却することを強制する可能性がある。

Xiaomi社の業務と技術アクセスは、米国政府による攻撃の最新ラウンドでは影響を受けていないが、サプライチェーンの禁止はダモクレスの剣(一触即発の危険な状態)になる可能性がある。同社はQualcommと緊密に提携しており、ハイエンドのSnapdragon 888チップをいち早く入手している。ファーウェイはエンティティリストによって課せられた制限を回避し、そのサプライチェーンを救うために格安電話ユニットHonorをスピンアウトした。Joe Biden(ジョー・バイデン)氏が就任後、トランプ政権時代の中国テック大手に対する政策にどのように取り組むかは、今後も注目されるところだ。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Xiaomiアメリカ中国

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中国最大級の顔認証ユニコーンMegviiが上海でのIPOを準備中

中国最大級の顔認証スタートアップであるMegviiは、上海での新規株式公開に向けて準備を進めている。中国時間1月12日に中国証券監督管理委員会が発表したところによると、同社はCITIC証券と協力して上場の準備を進めているという。

この動きは、顔認識プラットフォーム「Face++」で知られるMegviiが2019年8月に香港での株式公開を申請してから1年以上が経過してからのことだ。当時、ロイターは同社が5億ドル(約518億4000万円)から10億ドル(約1036億7000万円)を調達できるだろうと報じていた。しかし、香港での同社のIPO申請は非公開の理由で失効しており、現在は上海証券取引所ののSTAR Board(科創板)に焦点が当てられていると、この件に詳しい人物がTechCrunchに語った。

2019年、中国は長年にわたって米国に流出していた高成長で不採算の中国テックスタートアップを誘致するためにSTAR boardを設立した。一方、中国企業、特に政府との契約を頼りにしている企業や米中ハイテク競争に巻き込まれている企業にとっては、国内での新株発行がますます魅力的になってきている。

MegviiとそのライバルであるSenseTime、Yitu、CloudWalkは、その市場支配力と野心旺盛な投資家からの資金調達により、中国の「四大AIドラゴン」と総称されている。Megvii社の技術は、中国全土のスマートシティのインフラや、多くのスマートフォンやモバイルアプリの動力源となっている。創業以来10年の間にAlibaba(アリババ)、Ant Group、中国銀行などの投資家が、同社に約14億ドル(約1451億円)を出資している。

AIドラゴンズは、自国の市場以外ではあまり知られていない。2020年、Megvii、Yitu、SenseTimeは、中国西部のイスラム教徒少数民族に対する政府の大量監視を可能にする役割を果たしたとの疑惑で、米国の制裁対象リスト(エンティティリスト)に追加された。CloudWalkはその後、2020年に同じくブラックリストに追加され、米国のサプライヤーから切り離された。

中国の証券当局が掲示した通知によると、Megviiは米国の預託証券に似た、国内の投資家が海外の株式を保有できる中国預託証券(CDR)の発行を計画しているという。これは、北京に拠点を置くAIユニコーンが中国本土以外への上場を否定していないことを示唆している。

今週には、香港上場企業である世界トップPCメーカーのLenovo(レノボ)も、上海の科創板でCDRによる株式売却を計画していると発表した。

現在は申請前の段階でガイダンスを必要としており、Megviiの上場計画はまだ中国の規制当局の承認を必要としている。

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カテゴリー:人工知能・AI
タグ:MegviiIPO顔認証

画像クレジット:Megvii

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