電子チケット販売のZAIKOが1.8億円調達しシリーズBをクローズ、海外も視野に市場開拓

電子チケット販売のZAIKOが1.8億円調達しシリーズBをクローズ、海外も視野に市場開拓

電子チケット販売プラットフォーム「ZAIKO」を提供するZAIKOは12月23日、第三者割当増資として1.8億円の資金調達を実施し、シリーズBラウンドをクローズしたと発表した。引受先は、Infinity Ventures。

また、今回の出資を受けたことにより、Infinity Venturesの田中章雄氏とNorth Base MediaのSasa Vucinic 氏が新たにZAIKOボードメンバーとなったと明らかにした。

調達した資金により、コロナ禍によって急激に需要が増えたライブ配信事業をはじめ、電子チケットプラットフォームサービスを中心としたアーティスト・イベント主催者の新たなマネタイズ方法を促進するD2F(Direct to Fan)モデルのサービス展開をより多角的に行う。また同時に、海外を視野に入れたマーケットの開拓を目指す。

ZAIKO CEOのMalek Nasser(マレック ナサー)氏は、海外を視野に入れた新たなマーケットの開拓や、現在開発中のサブスクリプションサービス、アーティスト・イベント主催者への支援プロジェクト「ZAIKO Seed」のさらなる発展、リソースの拡充を行うとしている。

ZAIKOは、「電子チケットを通じてアーティストとファンが直接繋がることができるプラットフォーム」(D2Fモデル)をコンセプトととする、リアルイベント/ライブ配信両対応のイベント主催者・デジタルメディア企業向けのホワイトレーベル電子チケット販売プラットフォーム。

2020年3月よりライブ配信付き電子チケットサービスを導入し、今までに5000本を超えるライブ配信イベントの開催に貢献。エンターテイメント業界のニューノーマルを牽引するとしている。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:音楽(用語)ZAIKO資金調達(用語)日本(国・地域)

埼玉大学発の進化分子工学スタートアップEpsilon Molecular Engineeringが資金調達

埼玉大学発の進化分子工学スタートアップEpsilon Molecular Engineeringが資金調達

進化分子工学を基盤技術とする埼玉大学発バイオテック系スタートアップのEpsilon Molecular Engineering(EME)は12月23日、シリーズAラウンドのセカンドクローズとして資金調達を実施したと発表した。

セカンドクローズの引受先は、リード投資家の三菱UFJキャピタル、地域経済活性化支援機構(REVIC)と群馬銀行がその子会社を通して運営するぐんま医工連携活性化投資事業有限責任組合、花王。また商工組合中央金庫より劣後ローンを実行、埼玉りそな銀行より借入、首都圏リースよりリースを実行した。シリーズAラウンドにおいて、エクイティファイナンス、借入、リースにより合計5.7億円を調達したことになる。

調達した資金により同社は、Heavychain single domain抗体(VHH。シングルドメイン抗体)を中心に新世代中分子バイオ創薬の研究開発をさらに推進する。

EMEは、「未来のバイオ分子を創造する」をミッションに掲げ、埼玉大学発スタートアップとして2016年に設立。設立者および現代表取締役は、埼玉大学大学院 理工学研究科物質科学部門 根本直人教授。

進化分子工学の技術によって、VHHやcyclic peptidesなどの巨大な配列多様性を有するライブラリ「cDNA Display Libraries」を独自に構築し、次世代シークエンス NGS、FACS、AIを活用した独自のハイスループットスクリーニング法によるシステムを構築した。

進化分子工学とは、突然変異と淘汰による生物の進化サイクルを試験管内で再現し、タンパク質など分子の生物機能に改良を加えていく研究。分子に変異を導入・増幅することで多様性を創出し、「望む機能を備えるものだけが生存する」プロセスを繰り返すことで、新たな分子機能を開発する。

現在同社は創薬・医療領域にフォーカスしており、新しいモダリティによる新世代のバイオ医薬品や中分子医薬品の開発候補品の取得、細胞・遺伝子治療でのVHHの活用に取り組んでいる。

また、製薬企業などの提案に基づく共同研究開発を展開し、さらに自社研究開発パイプラインについて共同研究開発パートナーとの早期の提携を目指して研究開発に取り組んでいる。最近の成果として、新型コロナウイルスに対し感染抑制能をもつVHHを取得した旨を北里大学、花王と連名で発表した(「大村智記念研究所片山和彦教授ら研究グループが新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対して感染抑制能(中和能)を有するVHH抗体の取得に成功」)。

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カテゴリー:バイオテック
タグ:Epsilon Molecular Engineering医療(用語)埼玉大学進化分子工学資金調達(用語)新型コロナウイルス(用語)日本(国・地域)

児童向けオンライン読書教育の「ヨンデミーオンライン」が資金調達、正式サービス開始も発表

児童向けオンライン読書教育の「ヨンデミーオンライン」が資金調達、正式サービス開始も発表

Yondemyは12月23日、シードラウンドにおいて、第三者割当増資を実施したと発表した。引受先はW ventures、F Ventures。また、子ども向け完全オンライン読書教育の習い事サービス「ヨンデミーオンライン」の正式リリースを明らかにした。

さらに、1ヵ月間無料でサービスを体験できる「冬休み家読応援キャンペーン」の受け付けを開始。同キャンペーンは1月14日までの期間限定で、先着300名に達し次第終了する。

ヨンデミーオンラインは、5~14歳の児童を対象に、完全オンライン読書教育を行う習い事サービス。料金は月額定額制で、税抜2980円。

調達した資金は、プロダクト改善・教材コンテンツ開発・マーケティングなど、積極的な事業投資を予定。具体的には、選書アルゴリズムの精度向上やゲーミフィケーション・コミュニティの設計構築といったプロダクト開発、ミニレッスンの拡充や新規動画コンテンツの作成などの教材開発、事業拡大を見据えてマーケティングなどに注力予定。

今後は、2021年末までに累計生徒数2000人、累計読書感想レポート提出件数15万件突破を目指す。

児童向けオンライン読書教育の「ヨンデミーオンライン」が資金調達、正式サービス開始も発表

ヨンデミーオンラインは、「ひとりひとりの興味・読書力に寄り添った選書指導」「『本の楽しみ方』などが学べるクイズ式レッスン」「ゲーミフィケーションやコミュニティを活かしたモチベーション設計」が特徴。

ヨンデミー講師の選書ノウハウを再現した独自開発の「AI司書」に加えて、全国の司書の方々との協働体制のもとヨンデミーが独自に分析した1000冊以上の児童書データを活用することで、「読書好きへの入り口」である「お気に入りの一冊との出会い」を届けるとしている。

児童向けオンライン読書教育の「ヨンデミーオンライン」が資金調達、正式サービス開始も発表

  • AI司書がひとりひとりに合わせて本をオススメ:ヨンデミー講師の選書ノウハウを再現した「AI司書」が、児童の好みや興味に合わせるだけではなく、自然にステップアップしていけるように本をお薦め。より楽しく成長へとつながる読書体験を届ける
  • 本の楽しみ方から学べるクイズ式ミニレッスン:学校では教わらない本の楽しみ方や感想の書き方などを学べるレッスンを提供。選択式クイズに答えることで自動でレッスンが進行し、文字入力の必要がない。24時間いつでもレッスンを受講可能
  • ゲーミフィケーションとコミュニティで読書をより楽しく:読んだ本の表紙や獲得したバッジを蓄積できるようにすることで、読書へのモチベーションを向上させる。ヨンデミー生同士での感想のシェアにより読書意欲を刺激するとともに、新たな本との出会いを生み出す

2020年4月設立のYondemyは、「日本中の子どもたちへ豊かな読書体験を届ける」というミッションを掲げる、現役東大生によるスタートアップ。これまで自己資本による事業開発に取り組んでおり、ヨンデミーオンライン事業の本格化を目的に資金調達を実施したという。

ヨンデミーオンラインでは、自動化・オンライン化された読書教育を個別最適化して提供。習い事の選択肢としての「読書」が当たり前となることで、日本中の子どもたちにとって「学び」がより楽しく、より身近なものとなる世界を実現するとしている。

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カテゴリー:EdTech
タグ:資金調達(用語)Yondemy日本(国・地域)

非営利団体向けボード管理ソフトのBoardableが8.3億円を調達

インディアナポリスのBoardableは、非営利団体が役員会や理事会などを管理するためのソフトウェアツールを提供している。同社はこのほど、新たに800万ドル(約8億3000万円)の資金を調達した。

メインの投資家はBase10 Partnersで、これに同社のシード段階を支援したインディアナポリスのエンタープライズ投資企業であるHigh Alphaが参加した。

Boardableのソフトウェアは組織化のためのツールで、非営利団体が役員たちの会議などさまざまな行事を管理し、団体としての運営を日々無事に維持できるようにする。

非営利団体をサポートするソフトウェアやサービスの開発者は、最近投資家たちの関心を集めつつある。これまでテクノロジー企業があまり関心を向けなかったという意味では、新しい業種だ。2020年初めにはニューオーリンズのResiliaが、非営利団体やチャリティ組織のための同社独自のサービスに、800万ドルを調達した。

Boardableは声明で、今回の資金でチームを増員し、非営利団体の運営のためのワンストップショップになるために新しいツールを開発したい、と述べている。

「非営利団体の多くが、デジタルのガムテープを使って役員会を管理している。それは主に、エンドレスなメールのスレッドや、ファイル共有サービスであり、役員とスタッフを消耗させるひどい体験だ。Boardableはこの問題を解決することを目的として、非営利団体の創立者たちのために開発したソフトウェアだ。効率とエンゲージメントの両方をアップするだろう」とBoardableのCEOであるJeb Banner(ジェブバナー)氏は、声明でこう述べている。

現在、YMCAや更生保護団体Big Brothers Big Sisters of America(BBBS)、インディアナ州ガールスカウトといった組織が役員会の管理に、現在このペーパーレスのツールを利用している。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Boardable資金調達

画像クレジット:tinbee / Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

東南アジアの金融インフラ構築を進めるシンガポールのFinantierがY Combinatorから支援を獲得

「underbanked」であることは、金融サービスへのアクセスがない人を意味するわけではない。その代わり、従来の銀行口座やクレジットカードを持たないことを往々にして指す。しかしインドネシアのようなマーケットでは、多くの人がデジタルウォレットやeコマースプラットフォームを使っている。これは運転資本や他の財務ツールを確保するのに役立つユーザーデータの別のソースになっている。シンガポール拠点のオープンファイナンススタートアップFinantier(ファイナンティア)は、ユーザーデータへの金融サービスアクセスを提供する1つのAPIでそうしたデータを合理化したいと考えている。ここにはクレジットスコアやKYC(与信審査)の認証を可能にする機械学習ベースの分析も含まれる。

20超のクライアントを抱え、現在ベータ版を展開しているFinantierは正式立ち上げに向けた準備で忙しい。同社は米国時間12月22日、Y Combinatorの2021年冬季スタートアップとして受け入れられたと発表した。同社はまた、額は非公開ながらこのほどプレシードの資金を調達した。本ラウンドはEast Venturesがリードし、AC Ventures、Genesia Ventures、Two Culture Capitalなどが参加した。

Finantierは2020年初めにDiego Rojas(ディエゴ・ロハス)氏、Keng Low(ケン・ロウ)氏、Edwin Kusuma(エドウィン・クスマ)氏によって設立された。3人とも新興マーケットでオープンファイナンスを可能にすることを目的としたフィンテック企業向けのプロダクト構築の経験がある。

オープンファイナンスは、オープンバンキングから生まれた。PlaidとTinkが構築されたのと同じフレームワークだ。これは、ユーザーの金融データを銀行や他の機関の中に格納する代わりにユーザーがよりコントロールできるようにすることを意図している。ユーザーは自身の銀行口座やクレジットカード、デジタルウォレットなどを含むオンライン口座の情報へのアクセス権をアプリやウェブサイトに付与するかどうかを決定できる。オープンバンキングは主に決済アカウントと称されるが、その一方でFinantierが専門とするオープンファイナンスは商業融資、住宅ローン、保険引受などを含むさまざまなサービスをカバーする。

Finantierはまずシンガポールとインドネシアに注力するが、他の国にもサービスを拡大し、Plaidのようなグローバルフィンテック企業になる計画だ。すでにベトナムとフィリピンに目をつけていて、ブリュッセルで提携も結んだ。

Finantierを興す前にロハス氏はP2Pの融資プラットフォームLending ClubやDianrong向けのプロダクトに取り組み、東南アジアのいくつかのフィンテックスタートアップでCTOを務めた。同氏は多くの企業が他のプラットフォームや銀行からのフェッチデータを統合したり、異なるプロバイダーからデータを購入したりするのに苦戦していることに気づいた。

「人々はオープンバンキングや埋め込み型金融などについて話し合っていました」とFinantierのCEOであるロハス氏はTechCrunchに語った。「しかしそれらはもっと大きなもの、すなわちオープンファイナンスの構成要素です。特に大人の60〜70%が銀行口座を持たない東南アジアのような地域では、消費者や事業所が複数のプラットフォームに持っているデータを駆使するのをサポートしていると確信しています。それは絶対に銀行口座である必要はなく、デジタルウォレットやeコマースプラットフォーム、その他のサービスプロバイダーだったりします」。

消費者にとって意味するところは、クレジットカードを持っていなくても、たとえばeコマースプラットフォームでの完了した決済のデータを共有することで信用力を構築できるということだ。ギグエコノミー労働者は、毎日の乗車や他のアプリを通じてしている仕事についてのデータを提供することで、より多くの金融サービスやディールにアクセスできる。

東南アジアの金融インフラを構築する

東南アジアに注力している他のオープンバンキングスタートアップにはBrankasやBrickがある。ロハス氏はFinantierがオープンファイナンスに特化していること、エンドユーザー向けのサービスを構築するために金融機関向けのインフラを作っていることで差異化を図っていると述べた。

金融機関にとってのオープンファイナンスのメリットは、より消費者に適したプロダクトを作ることができ、売上高共有モデルの機会を得られることだ。これは東南アジアでは銀行口座などをもたず、さもなくば金融サービスへのアクセスがない人々にリーチできることを意味する。

Y Combinatorのアクセラレータープログラムに参加する一方で、Finantierはインドネシア金融サービス庁の規制緩和制度にも参加する。このプログラムを終了したら、大手機関を含むインドネシアのさらに多くのフィンテック企業と提携することが可能になる。

インドネシアには、銀行口座を持たないなど金融サービスを十分に利用できていない大人が1億3900万人いる、とEast Venturesの共同創業者でマネジングパートナーのWilson Cuaca(ウィルソン・クアカ)氏は話した。

インドネシアを専門とする同社はEast Ventures Digital Competitiveness Indexという年次調査を行うが、金融排除が現在存在する最大の格差の1つだと指摘した。ジャカルタが立地するジャワのような人口の多い島で利用できる金融サービスの数と、他の島々のものとではかなりの差がある。

金融インクルージョンを促進し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの経済影響を軽減するために、政府は1000万の零細・中小企業が年末までにデジタルに移行するという目標を打ち出した。オンラインで販売する零細・中小企業は現在800万で、インドネシアの零細・中小企業のわずか13%にすぎない。

Finantierに出資するというEast Venturesの決定について、クアカ氏は「金融サービスへの平等なアクセスを提供することは、インドネシア経済に乗数効果を及ぼすことができます」とTechCrunchに語った。「現在、金融サービスを多くの人に提供するために何百という企業が独自のソリューションに取り組んでいます。そうした企業がより多くのプロダクトやサービスを、金融サービスを活用できていない人々に提供するのをFinantierがサポートすると確信しています」。

カテゴリー:フィンテック
タグ:FinantierY Combinator資金調達東南アジアシンガポール

画像クレジット:Finantier

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(翻訳:Mizoguchi

国産食用コオロギの量産化を目指す徳島大学発スタートアップ「グリラス」が2.3億円調達

国産食用コオロギの量産化を目指す徳島大学発スタートアップ「グリラス」が2.3億円調達

コオロギ × テクノロジーに取り組むグリラスは、シリーズAにおいて、第三者割当増資による総額2.3億円の資金調達を発表した。引受先は、Beyond Next Ventures、産学連携キャピタル(AIAC)、HOXINなど。

調達した資金により、徳島県美馬市にある廃校を整備し、ジェイテクトと共同で開発を進めている食用コオロギを量産する自動生産システムの導入を進めることで、食用コオロギの量産体制の構築・強化を行う。生産された食用コオロギはパウダーなどに加工。世界で逼迫が見込まれるタンパク源を人々に届けることで、食料課題の解決に寄与する。

国産食用コオロギの量産化を目指す徳島大学発スタートアップ「グリラス」が2.3億円調達

グリラスは、徳島大学における25年を越える研究を基礎として世界でもトップレベルのコオロギに関する知見やノウハウを活かすべく、晴れて2019年に設立。2020年5月にはジェイテクトと業務提携を行い、IoT技術を駆使して最適化した飼育環境において食用コオロギを量産するシステムを開発。

今回の資金調達をもとに徳島県美馬市の廃校を新たな生産拠点として整備し、そこに自動生産システムを導入することとなった。

手作業で行っていたものを自動化することで、課題であった生産コストを最小化するとともに、日本国内で安全・安心に生産した食用コオロギを販売することにより、輸送含めた食料生産プロセスにおける環境への負荷を最小限に留めていくことが可能としている。

今後は、現在のパウダー製品のみならず、様々な食品へと展開するとともに、徳島大学とともにさらなる研究開発を進め、化粧品やサプリメントに加え、肥料・飼料、医薬品など、ライフスタイルを支える幅広い商品の販売を進めていく。

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カテゴリー:フードテック
タグ:昆虫食グリラス資金調達(用語)食品(用語)食用コオロギ徳島大学日本(国・地域)

社員健康管理システムのReturnSafeが3.4億円調達、新型コロナで需要急増

ReturnSafeは社員の症状調査と接触追跡を行う健康管理ツールキットを企業向けに提供している会社だ。このほど325万ドル(約3億4000万円)の資金をFifty Years、Active Capitalなどの投資家からの借り入れによって調達した。

事業を再開し、社員が職場に安全に戻れる方法を探る企業が増す中、社員の健康を追跡するさまざまな管理ツールキット製品が、安全な職場環境を維持するためのあらゆる戦略を提供して市場に殺到している。

その中には、WorkSafeの製品やMicrosoft(マイクロソフト)とUnitedHealthが提供するProtectWellのほかNSpaceは、同様の機能に加えてオフィスの予約を安全に行うためのスケジュール機能も提供している。

そんな中、ReturnSafeは6カ月前の開業以来、毎月6ケタ(数十万ドル)の収益を上げ、50以上の組織にサービスを提供している。

投資家や顧客に向けての謳い文句は、社員を管理し、職場の健康リスクを確実になくしたいというニーズは、新型コロナウイルスの流行以降高まるばかりだということだ。

もちろん、雇用者が社員の安全と安心を確実に守る最善の方法は、社員が病気のときに適切な休暇を与え、リモートワークが不可能な場合には全員が適切な頻度で検査を受けられるようにすることだ。

競合他社と同じく、ReturenSafeは症状検査システム、検査ダッシュボード、症例管理ダッシュボード、新たなワクチン管理サービスなどを提供している。こうしたソフトウェアツールに加えて、ソーシャルディスタンスアラームを内蔵したウェアラブルデバイスによって社員同士が安全な距離を保てるしくも提供していることをReturnSafeは強調している。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:ReturnSafe新型コロナウイルス資金調達

画像クレジット:Al Seib / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

オンラインチェックアウトの支配をめぐる戦いが続く中、BoltがシリーズCで78億円を追加調達

小売業者にオンラインチェックアウトテクノロジーを提供するスタートアップであるBolt(ボルト)は米国時間12月21日、シリーズCラウンドで更に7500万ドル(約78億円)を調達し、累計では1億2500万ドル(約130億円)を調達したと発表した。

WestCapとGeneral Atlanticが新しいトランシェをリードした。BoltのCEOであるRyan Breslow(ライアン・ブレスロウ)氏がTechCrunchに語ったところによると、バリュエーションはシリーズCの約2倍になった。PitchBookは、同社のシリーズCでのバリュエーションをポストマネーで5億ドル(約520億円)とした。つまりシリーズC1では約10億ドル(約1040億円)の評価だったということだ。

同社は最新の小切手を「シリーズC1」と呼んでいる。なぜシリーズDといわないのか。ブレスロウ氏によるとBoltの将来のシリーズDははるかに大きくなるという。

Boltが創造的に区切ったシリーズC1は興味深いが、今回の資金調達イベントは足元でのチェックアウトの分野全体の成長度合いと整合している。ある特定のeコマースの問題点の解決のために多額の資金が使われている。

競合するオンラインチェックアウトのソフトウェアプロバイダーであるFast2020年3月に2000万ドル(約21億円)を調達した(未訳記事)。そして6月、英国に本拠を置くが世界各国にもオフィスを持つCheckout.comが55億ドル(約5720億円)のバリュエーションで1億5000万ドル(約160億円)を調達している(未訳記事)。

Boltは7月、シリーズCの最初の5000万ドル(約53億円)を発表した。従い、今年のC1イベントは同社への4番目の主要な投資となるだけでなく、今や普通のトレンドになった「2020年に2回資金調達を行った急成長中のスタートアップ」の1つにもなった。Welcome(未訳記事)、Skyflow(未訳記事)、AgentSync(未訳記事)、Bestow(FinLedger記事)などの会社も今年その偉業を成し遂げた。

しかし、この市場について語るのはこれで十分だろう。Boltが何を開発していて、なぜそれが再びトラックいっぱいのキャッシュの受け取りにつながったのか掘り下げてみたい。

シリーズC1

Boltは、チェックアウト、決済、ユーザーアカウント、不正防止の4つのコネクテッドサービスを提供している。

同社のコアサービスはチェックアウトのプロダクトだ。同業の平均よりも速く、コンバージョンレートも高いと同社は主張する。同社の決済および不正防止サービスは、チェックアウトの世界で取引が本物であり支払いが受け入れ可能であることを保証する。最後に、Boltのユーザーアカウント(買い物客は最初に何かを購入する際、同社の技術によりユーザーの認証情報を保存するよう求められる)は、この技術を使用してオンラインでチェックアウトする人が将来再びそうする可能性を高める。こうしてBoltのサービスにより顧客がメリットを得られるようなる。

Boltは買い物客を多く引き付けるほど市場でより多くのアカウントを持つことになり、より多くのデータを不正防止ツールとチェックアウトパーソナライズテクノロジーに供給することができる。

そしてBoltはより多くのオンライン購入者にリーチしている。2020年に同社のサービスでアカウントを作成した人数は約10倍になったと同社は主張する。ブレスロウ氏によると、2019年12月時点でその数は約45万人だった。現在は約450万人であり、来年には3000万人に達すると同社は予想する。

想定する新規アカウントの規模が非常に大きいため、TechCrunchはブレスロウ氏に信頼区間について尋ねた。同氏は、Boltと提携しているAuthentic Brands Group(ABG)のおかげで、90%だと述べた。この提携は同社が先月発表した(PRWeb記事)取引だ。ブレスロウ氏はABGが5000万人の買い物客を抱えると述べた。おそらく3000万という数字は可能だ。

チェックアウトテクノロジーの配布は、酸素のようなものだ。そのため、この分野の競合企業は普及について語るのが大好きだ。たとえばここに、WooCommerceからサポートを受ける(PRWeb記事)Fastの話が先週からある。Fastはこの発表後、TechCrunchに処理件数に関する成長指標を開示することを拒否した。

Boltのこれまでの買い物客数の成長は、総取引数を通じリターンをもたらしている。同社はTechCrunchに対し、2020年は約10億ドル(約1040億円)の取引を処理し、2019年の流通取引総額(GMV)の約3.5倍に増えたと語った。おおむねその成長ペースは、2019年のBoltのGMVが約2億8600万ドル(約300億円)だったことを意味する。同社が2021年にその数字をどこまで拡大できるかが、ABGとの提携がどれだけうまく機能したかを測る主要な指標になる。

ブレスロウ氏はTechCrunchに、Boltは2021年にGMVが3倍になると予想していると語った。これはおよそ30億ドル(約3120億円)という数字を意味するとTechCrunchは解釈する。

ただしその数字を鵜呑みにせず、決済処理の割合を考慮した上でBoltの売上高を見積もってほしい。同社は決済だけでなく、詐欺防止などの他のサービスの料金をSaaSベースで請求することで収益を上げている。したがってBoltは決済とソフトウェアのハイブリッド企業であり、これはますます人気が高まっているモデルだが、特定のカテゴリーではソフトウェアの採用が遅れている。

GMVを3倍にし、買い物客のネットワークを大幅に拡大するというBoltの計画を支えているのは新しい資金だ。同社によれば、7500万ドル(約78億円)の新しいキャッシュが市場の需要に対応し、アップマーケットとエンジニアリングを動かしているという。要するに、より良いチェックアウトテクノロジー、つまりすべてのベンチャー活動に対して市場内の需要が多く、大規模な顧客はより多くのカスタマイズと販売サポートを必要としている。Boltは資金をそれらに使うつもりだ。

Boltが再び資金調達したばかりであることを考えると、FastやCheckout.comが2021年の第1四半期または第2四半期にさらに多くの資金を調達したとしても驚くにあたらない。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Bolt資金調達

画像クレジット:Jure Batagelj / 500px / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

カスタマイズ可能なリワードプログラムを提供するTap Networkが4.1億円を調達

Tap Networkが提供するのは、「サービスとしてのリワード 」と称する、ポイントプログラムへの新しいアプローチだ。

1日1杯ドリンクの定期購買サービスとして始まり、幅広いリワードサービスに移行したHooch から、Tap Networkの名前と、その共同設立者でありCEOであるLin Dai(リン・ダイ)氏を覚えている方も多いかもしれない。ダイ氏は「Hoochの経験から多くのことを学んだ」が、最終的には「Tapはもっと大きなチャンスだと判断し、一般的なリワードに注目しています」と話してくれた。

Tap Networkは新しいスタートアップで、最近では、Revelis Capital、Nima Capital、Forbesファミリーオフィス、ワーナー・ミュージック・グループ、Access Industries、Bill Tai(ビル・タイ)氏、Bob Hurst(ボブ・ハースト)氏、Edward Devlin(エドワード・デヴリン)氏などの投資家から、400万ドル(4.1億円)の資金を調達した。

ダイ氏は、通常のリワードプログラムは、企業の顧客のトップ10%か20%しか利用できないと言う。それゆえに、彼の見解では、企業には 「40年前には重要な顧客と見なされなかったかもしれないが、今日では、忠誠心のある行動パターンを構築しているかもしれない平均的な顧客にスーパーサービスを提供する機会がある 」というのだ。

Image Credits: Tap Network

リワードプログラムをより多くの顧客が利用できるようにすることは、多くの企業にとって付加的なメリットがあると彼は付け加える。「大手銀行であろうが大手旅行会社であろうが、これらの(平均的な顧客の)財布の中には、 何十億ドルに相当する金額が使われずに貯め込まれているのだから。」これらのポイントは決して交換されないかもしれないが、会計上は債務とみなされる。

Tap Networkはこの問題を解決することを目的としており、顧客はより幅広いリワードネットワークを通じて、通常より低いポイントレベルで、ポイントを交換・使用することができる。既存のリワードプログラムにホワイトラベルサービスとして追加提供され、各プログラムは自らの顧客に最適と思われるリワードを選択する仕組みだ。

例えば、Uberは最近、Tap Networkと協力してUber Rewardsプログラムを拡大し、Apple MusicやHBO Maxの無料視聴や、World Central Kitchenのような慈善団体に寄付するオプションなど、Tap Networkを利用した新しい特典を提供し始めた。また、リワードを獲得するのに必要な最低ポイント数は500ポイントから100ポイントに減った。
Tap Networkを利用している他の企業は、ワーナー・ミュージック・グループ(前述の通り投資者でもある)や、プライバシーに特化したブラウザ企業のBraveなどが挙げられる。

ダイ氏は、将来的には、Tapを使って消費者が異なるプログラムのリワード・ポイントを組み合わせることさえ可能になるかもしれないと述べている。「例えば僕が何かとポイントを交換したい場合、Uberのポイントを少しだけ、ワーナーのポイントを少しだけ、また別のプログラムからポイントを少しだけ使って」それらを組み合わせることができるようになるかもしれない、と。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:資金調達

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(翻訳:Nakazato)

AIチームのトレーニングデータワークフロー「自動化」を支援するV7 Labsが3.1億円調達

AIの進歩に伴い、AIチームのトレーニングデータワークフローを「自動化」し、将来性を保証することを支援するコンピュータビジョンプラットフォームのメーカーであるV7 Labsは、300万ドル(約3.1億円)の資金調達を発表した。シードラウンドをリードするのはAmadeus Capital Partnersで、Partech、Nathan Benaich(ネイサン・ベナイチ)氏のAir Street Capital、Miele Ventureなどが参加している。

Singularity University(シンギュラリティ大学)の卒業生であるAlberto Rizzoli(アルベルト・リッツォーリ)氏とRSIの元R&Dリーダー、Simon Edwardsson(サイモン・エドワードソン)氏(「見る」視覚補完アプリAipoly(アイポリ)を開発した同じチーム)によって2018年に設立されたV7 Labsのプラットフォームは、高品質なトレーニングデータの作成を10~100倍に加速することを約束している。これは、自動化された画像・動画データパイプラインの構築、複雑なデータセットの整理とバージョン管理、「最先端 」の視覚AIモデルのトレーニングとデプロイメントを行う機能をユーザーに提供することで実現するという。

「企業がビジネス価値を提供するコンピュータビジョンソリューションを構築するためには、モデルを継続的に収集し、ラベル付けし、再訓練する必要があります。」とV7 Labsのリッツォーリ氏は説明する。「2015年にアイポリを構築した際には、サード・パーティ製のSaaS製品がなかったため、AIの急速な進歩に対応しつつ、独自のツールを構築・維持する必要がありました。」

現在まで話を進めると、リッツォーリ氏によれば、コンピュータビジョンのトップ企業の多くが、この問題を解決するためにV7のようなSaaSプラットフォームに目を向けているという。「AIスタートアップを構築する際には、考えなければならないことがたくさんありますが、『100種類のビデオデータセットを効率的に保存し、クエリーを行うにはどうすればよいか』ということは、サービスを提供しようとしている真っ最中にしか考えられないことです。」

「V7は、データの整理、ラベル付け、実世界の問題に対応したコンピュータビジョンモデルの立ち上げに関する業界のベストプラクティスを体系化しています。」とも。

Image Credits: V7 Labs

このブラウザ・クラウドベースのプラットフォームは、大規模な画像/動画データセットを「ラグなく」迅速にアップロードしてレンダリングし、事前のトレーニングデータを必要とせずに(程度の差はあれ)ラベル付けを自動化できると同社は主張している。V7はまた、画像/動画ごとに非常に多くのラベルを記録できるように設計されており、画像ごとに数千のアノテーションを、データセットごとに数百万の画像をサポートするとのこと。極めて重要な点として、「DevOpsの心配をすることなく、数クリックで」プラットフォーム内でコンピュータビジョンモデルのトレーニング、デプロイ、実行が可能であることをリッツォーリ氏は語った。

「クライアントは近い将来、これらのモデルとそれに対応するトレーニングセットを監査して、デバッグ、データ品質のテスト、失敗例の発見、不要なバイアスの排除を行うことができるようになるでしょう」と彼は付け加え、これらはすべて、AI業界がまだ解決していない大きな問題点であると指摘した。

それに向け、V7 Labsの既存の100社ほどの顧客には、Tractable(トラクタブル)、GEヘルスケア、米国メルクなどが含まれている。V7 Labsは医療用画像処理業界で最も急速に成長しているが、その理由の一つには、DICOMアノテーションとHIPAA(医療保険の携行と責任に関する法律)コンプライアンスをサポートしていることが挙げられる。

しかし、プラットフォーム上で処理されるデータ量で測ると、日常的な 「専門家による点検」が最も多く行われる作業であるとリッツォーリ氏は言う。「これらには、AIを使って自動車、石油リグ、送電線、パイプライン、道路などの損傷や異常を探す何十社もの企業が含まれています。」と彼は語った。

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カテゴリー:人工知能・AI
タグ:データサイエンス 資金調達

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(翻訳:Dragonfly)

建設労働者労災プラットフォームのForesightが15.5億円を調達

Safesiteの創業者たちが、建設業の安全プログラムをデジタル化するプラットフォームを立ち上げようと奮起したのは、建築現場の事故で友人を亡くしたのがきっかけだった。そこから得たデータが、今年、労災補償を対象にするインシュアテックのベンチャー、Foresightを誕生させた。このスタートアップは、今年5月にBlackhorn VenturesとTransverse Insurance Groupの参加により、1500万ドル(約15.5億円)の資金調達を行ったというニュースを初めて発表した。現在までに、Brick and Mortar VenturesとBuilders VCを筆頭に、他の産業技術ベンチャーキャピタルから2050万ドル(約21億円)を調達している。

Foresightが立ち上がったのは今年8月だが、すでに3000万ドル(約31億円)のリスクを付保している。同社によると、2021年には5000万ドル(約52億円)の引受保険料を達成するペースになっているという。保険数理コンサルティング会社であるPerr & Knight社の調査では、姉妹会社であるSafesite社のデータを活用することで、労災事故を最大57%削減できたという。

ForesightのアルゴリズムはSafesite社のデータを活用して、事故を予測、リスクを明らかにし、引受業務を特徴付けるとしている。Safesiteのリスク管理技術とサービスを全ての保険契約に組み込むことで、Foresightは顧客の事故率を下げ、保険料を下げる道を提供するとのこと。

米国全体で570億ドル(約5兆9000億円)規模の労災補償市場のうち、Foresightは年間保険料が15万ドル(約1500万円)から100万ドル(約1億円)以上の保険を対象としている。同社によると、この顧客層は、年間保険料5万ドル(約500万円)以下の小規模企業向け保険を提供するNext InsuranceやPieのような、資金力のあるインシュアテックのスタートアップから大部分が見落とされてきたという。

ForesightとSafesiteは、長年の友人であり、共同設立者であるDavid Fontain(デイヴィッド・フォンテイン)氏とPeter Grant(ピーター・グラント)氏、そしてLeigh Appel(リー・アペル)氏によって開発された。

フォンテイン氏はこう述べる。「Foresightは、インシュアテックの特徴として知られる迅速で簡単なユーザー体験を提供すると共に、安全性と経費節約の相関性を強化しています。目的に合わせたテクノロジーを活用することで行動の変化を促し、従来の労災保険に代わる魅力的な保険を提供させていただきます」。

Brick & Mortar Venturesの創設者兼経営者であるDarren Bechtel(ダレン・ベクテル)氏は、次のようにコメントしている。「私たちが初めて投資を行ったのは2016年ですが、創業者たちとは2015年に彼らが2人だけで、別の投資先企業のオフィス内の空き机を間借りしていた頃からの知り合いです。最初のビジョンは効率的でパワフルなものであり、初期の製品とのやりとりでも、安全に対するソリューションのインパクトが実証されていたため、見過ごすことはできませんでした」。

Foresightは現在、ネバダ州、オクラホマ州、アリゾナ州、アーカンソー州、ルイジアナ州、ニューメキシコ州でサービスを提供している。同社は、2021年初頭に米国東部の労働災害補償と、一般賠償責任保険商品を販売開始する予定だ。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:建築 資金調達

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(翻訳:Nakazato)

NVIDIAの中国のライバルHorizon Roboticsが約725億円の資金調達を目指す

先進的な欧米のチップに代わるものを提供しようと急ぐ中国の半導体メーカーであるHorizon Roboticsは、投資家から多額の資金を調達している。ロボットや自律走行車用のAIチップに特化し5年前に創業されたユニコーン企業である同社は米国時間12月22日、1億5000万ドル(約155億4000万円)の資金を確保したと発表した。

今回のラウンドは、Horizon Roboticsが求めている7億ドル(約725億円)を超えるシリーズCラウンドの最初の締めくくりとなる。資金調達の一部は、著名な投資家である5Yキャピタル(Morningside Venture Capital)、Hillhouse Capital、Capital Todayが共同で実施した。また中国の証券会社であるGuotai Junanの国際部門と、韓国コングロマリットであるKTB傘下の投資事業体であるKTBネットワークも共同で出資している。

今回のラウンドは、Horizonが6億ドル(約621億5000万円)のシリーズBラウンドを完了してから2年も経たないうちに実施された。同社の評価額はポストマネーで30億ドル(約3107億3000万円)となり、財閥SKグループの中国子会社であるSK ChinaやSKの半導体部門であるSK Hynixなど、韓国の著名な金融機関も参加している。

Baidu(バイドゥ)のベテランが設立したこのスタートアップは、Intel Capitalが率いる1億ドル(約103億6000万円)超のシリーズAラウンドを2017年後半に調達した。

Horizonは今回の資金調達により、自動車用チップと自律走行ソリューションの開発と商用化を加速する計画だ。また、業界パートナー向けの「オープンなエコシステム」の構築も目指している。

ここ数年、中国はスマートフォンから自動車に至るまでの分野で、欧米の大手チップメーカーへの依存度を下げようと努力してきた。Horizon RoboticsやBlack Sesame Technologies、通信大手のHuawei(ファーウェイ)などの中国の新興企業は、NVIDIA(エヌビディア)やIntel(インテル)のMobileyeの技術に匹敵する、あるいはそれ以上の自律走行プロセッサにリソースを投入している。

Horizonによると、HorizonのOEMおよびTier 1自動車パートナーにはAudi(アウディ)、Bosch(ボッシュ)、Continental、SAIC Motor、BYDなどが含まれる。

中国のADAS(先進運転支援システム)搭載車とレベル3(特定の状況下での自律運転)車の75%が、2030年までに中国のサプライヤーの部品を利用し、2019年の20%から増加すると投資銀行のCITIC Securitiesは予測している。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Horizon Robotics資金調達

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

AI作成支援プラットフォーム「harBest」運営のAPTOが約6000万円を調達

AI作成支援プラットフォーム「harBest」運営のAPTOが約6000万円を調達

AI作成支援プラットフォーム「harBest」(ハーベスト)運営のAPTO(アプト)は12月22日、約6000万円の資金調達を発表した。引受先は、三井住友海上キャピタル(MSIVC2020V投資事業有限責任組合)、ANOBAKA(旧社名:KVP)、村口和孝氏(日本テクノロジーベンチャーパートナーズ 代表)など。

同社では、企業のデータ、AI活用を推進していくため、データの管理およびデータ作成のプラットフォームとしてharBestを提供。調達した資金は、harBestへの開発投資、認知拡大へ向けたマーケティング投資を行っていく。

harBestは、スマホアプリでAI学習データを簡単に作成(アノテーションデータ)できる上、独自のデータ品質チェックシステムを採用することで高品質なデータ提供が可能としている。初期費用不要で手頃な月額料金で利用できる。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:APTO資金調達(用語)ディープラーニング / 深層学習(用語)harBest日本(国・地域)

米大麻業界回復でラッパーのスヌープ・ドッグの投資ファンドCasa Verde Capitalが103億円調達

米証券取引委員会(SEC)に提出された書類によると、Calvin Broadus(カルビン・ブローダス)としても知られる大麻通のラッパーであるSnoop Dogg(スヌープ・ドッグ)が共同設立した投資ファンドであるCasa Verde Capitalが、第2の投資ファンドのために1億ドル(約103億円)を調達した。

同ファンドのマネージングディレクターであるKaran Wadhera(カラン・ワデラ)氏はこの記事へのコメントを控えたが、大麻関連製品市場が再び拡大期を迎えているように見える中、資金調達に成功した。

「大麻業界に対する一般の認識は、90年後半のドットコム・バブルと似ていないわけではありません。このバブルでは、誇大な宣伝がたくさん行われましたが、その多くは上場企業によって推進されました。また、多くの投機的な取引や評価は、実際には確立されていませんでした。(私たちが話しているのは)将来の予測と、その上での収益がクレイジーにも何倍にもなるということです」と、ワデラ氏は7月にTechCrunchと話した際、最後の破産について語った。「物事がバブルだらけになり、最終的には破裂しました。2019年4月か5月がその頂点でした。状況が悪化し始めたのはそのときです」。

それ以来、再び業界は活気づき始めている。

「新型コロナウイルスが蔓延してから4カ月以上経った現在、大麻は非循環型産業であることが証明されました。大麻は全米で重要なビジネスとみなされています。3月、4月、5月に記録的な売り上げを記録し、その傾向は続いています」とワデラ氏は7月に述べている。「政府が新たな税収源を求めている中、大麻合法化の潜在的な緊急性は業界にとって非常にポジティブなものになるでしょう」。

新しいベンチャーキャピタルファンドの目標は明らかにされていないが、新たな資金調達により、Casa Verdeは当初の投資ビークルの2倍以上の規模になった

ブロードス氏、ワデラ氏そして第3のパートナーであり、Cashmere AgencyとStampede Management Ted Chungの創設者でもあるTed Chung(テッド・チョン)氏が2018年にデビューファンドを立ち上げて以来、大麻ビジネスはブームと不況というジェットコースターのようなビジネスサイクルに耐えてきた。

こうした市場の気まぐれさにもかかわらず、Casa Verdeは現在、少なくとも2億ドル(約207億円)相当のポートフォリオを構築することに成功したと、同社に詳しい関係者は述べている。その資金はフラッグシップファンドとともに調達された、いくつかの特別目的会社や、その他の資金調達メカニズムを通じてもたらされている。

投資銀行のCowenから入手したアナリストレポートによると、大麻とカンナビノイド誘導体の市場規模は2025年までに340億ドル(約3兆5135億円)に達する見込みだ。

アリゾナ州、モンタナ州、ニュージャージー州、サウスダコタ州では、いずれも成人向け大麻の合法化法案が可決されており、Cowenの予測では、市場全体で約30%の成長が見込まれている。

Casa Verdeは、大麻とその化合物が獲得できる潜在的な市場について常に広い視野で見てきた。

同社による最近の睡眠企業Properへの投資以上に注目されているものはない。

「(大麻)はインプットであり、その使用例は、人々が大麻が汚名を着せられている方法を超えています」とワデラ氏は述べた。「Properは睡眠の流行をターゲットにした支援を行っている企業です。CBD(カンナビジオール)や大麻全般は、従来の製品では実現できなかった方法で、この問題に対処する際の大きな役割を果たせると考えています」。

ワデラ氏は過去に、睡眠に関していえることは、他のさまざまなアプリケーションにも当てはまると述べている。

Casa Verdeはすでに、デリバリー、サプライチェーン・ロジスティクス、ブランド、小売に至るまで大麻に特化した事業機会に対し多額の投資を行っている。

しかし、カンナビノイドがあらゆる種類の病気に対して持つ健康上の利点は、はるかに大きな市場を切り開くことになり、議会が米国の有権者の60%以上からの要望に応じて、レクリエーション用大麻の全国的な使用を合法化すれば、幅広い消費者機会を得ることができる。

そして、7月にワデラが語ったように、バイデン政権は、以前のトランプ政権よりもはるかにポジティブな規制環境を業界にもたらす可能性がある。

「バイデンはとても助けになると思います。彼は彼が望む多くのことを述べていて、それを全面的な合法化とまでは考えていないが、確実に全面的な非犯罪化に賛成している。(これは)州が自分たちのビジネスに何が起こるかについて完全な権限を持つようにすることと、現在のスケジュール1レベルから大麻のスケジュール変更をすることを意味する」とワデラ氏は述べている。「そのため、すべてのことは信じられないほど有益であり、より多くのプレーヤーがこの分野に対して潜在的に安心して投資し、いくつかのビジネスを買収してくれるだろう」。

関連記事:ラッパーのスヌープ・ドッグの大麻産業向け投資会社がProperを支援、睡眠産業に参入

カテゴリー:ヘルステック
タグ:Snoop DoggCasa Verde Capital大麻資金調達

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(翻訳:TechCrunch Japan)

電話・FAX・メールの受発注をクラウドに集約するCO-NECTが2.1億円調達、受発注連動も提供予定

電話・FAX・メールの受発注をクラウドに集約するCO-NECTが2.1億円調達、受発注連動も提供予定

BtoB受発注システム「CO-NECT」運営のCO-NECT(旧社名:ハイドアウトクラブ)は12月22日、2億1000万円の資⾦調達を発表した。引受先はGMO VenturePartners、ダブルシャープ・パートナーズ、事業会社2社。

調達した資金により、CO-NECTをさらに業務効率化に貢献できるシステムに進化させる。直近では、年内に受発注連動機能を提供予定。受発注連動機能では、受注商品をそのまま仕入れ先に発注することが可能となり、商社や卸売企業のさらなる業務効率化を実現する。またAPIを提供予定としており、基幹システムや会計系システム、在庫管理システムとスムーズに連携が可能になるとしている。

CO-NECTは、FAXや電話といった従来のアナログな受発注業務をデジタルに置き換えられる受発注システム。発注側はスマホやPCから数クリックで発注可能、受注側もインターネットがつながる環境であればどこでも注⽂を受けられる。

電話・FAX・メールの受発注をクラウドに集約するCO-NECTが2.1億円調達、受発注連動も提供予定

2018年7⽉に発注機能、2019年3⽉に受注機能をローンチ以来、CO-NECTの導⼊企業数は順調に増加。2020年9⽉末時点で累計受注クライアント数は、昨年同月比12倍に増加している。また、CO-NECT内で受発注された累計流通商品数は2020年11⽉に500万商品を突破し、昨年12⽉時点の5倍となった。

電話・FAX・メールの受発注をクラウドに集約するCO-NECTが2.1億円調達、受発注連動も提供予定

2015年6月設立のCO-NECTは、「やさしいテクノロジーで社会をアップデートする」をミッションに、ユーザーのITリテラシーの⾼低に左右されず使えるBtoB受発注システム「CO-NECT」を運営している。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:CO-NECT資金調達(用語)日本(国・地域)

企業投資の獲得争いが激化する中、支出管理のRampが約31億円調達

企業の支出管理スタートアップであるRampが新しいラウンドでさらに3000万ドル(約31億円)を調達したと米国時間12月17日に発表した。TechCrunchは2020年初めにRampのプロダクト立ち上げ(未訳記事)を取り上げ、その時点までに同社が約2300万ドル(約24億円)を調達したことも詳しく述べた。

直近では2020年8月のラウンドで資金を調達した。6月に調達を開始したようだ。新しい資金は、Rampが2019年8月のシードラウンドで800万ドル(約8億3000万円)相当を調達して以来2回目のラウンド、または2020年2月に1500万ドル(約16億円)を調達後最初のラウンドで調達したことになる。D1とCoatueが新規投資家としてこの新しい投資に加わった。既存の投資家も参加した。

RampのCEOを務めるEric Glyman(エリック・グリマン)氏は、新しいエクイティはシリーズ A3といったところだといい、新しい価格が付いたにもかかわらず、前のラウンドの資料を効果的に再利用したと述べた。ベンチャー企業の歴史に関する純粋主義者なら、同社の新しい資金調達はシリーズB(シード以降2番目のバリュエーション更新ラウンド)であったか、同社のシードラウンドが2000年代ではAに相当することを踏まえシリーズCであったというだろう。

とにかく、Rampは資金を必要としていたわけではない。グリマン氏によると、同社が最後に小切手を受け取ったとき、銀行にはまだシードラウンドの資金が残っていた。これは、2020年8月の時点で同社の現金が4500万ドル(約47億円)を超えていたことを意味する。

グリマン氏は必要がないのになぜ資金を調達したのかと聞かれ、新しい投資家は「まったく信じられないほどの」投資実績を持っていた、とTechCrunchに語った。そして同氏は、ラウンドで魅力的な価格がついたため希薄化を抑えることができたと付け加えた。同氏はまた、新しい資金を持つことでRampが自信を持ってより積極的に採用に向かえると述べた。

今回のラウンドはある程度興味深いが、さらに興味をそそるのはRampが競う分野だ。そこで、ソフトウェアの力について、そして同社と競合他社が展開するコードに関して料金を請求できる可能性が出てくる時期について議論したい。

ソフトウェア

Rampは、企業の支出管理という市場のシェアをめぐり競争している。ベンチャーキャピタルの支援を受ける多くのプレーヤーがしのぎを削る領域だ。プレーヤーの密度が競争を生み出した。競争は、クレジットカードとチャージカードが企業によって利用されるために必要な基本ルールを書き直した。テーブルの賭け金は、このニッチな領域でこれまで以上に高くなっている。

なぜか。消費者や企業にクレジットカードやデビットカードを発行すること自体は大部分がコモディティ化してしまったため、決済を介し企業支出の一部を狙うスタートアップは自社の既存プロダクトを中心により強力なソフトウェアを開発しようとしている。派手なカードで新しい顧客を引き付けることができないなら、支出そのものを対象にデジタルツールを多く開発し、企業が現金の流出を管理・制限するのを支援してはどうか、ということだ。

このトレンドの例は無数にある。たとえばBrexは現金管理ソリューションと経費管理ツールを開発した。Ramp自体は2020年、独自の経費管理ソフトウェアを世に出した(未訳記事)。Divvyは他のカード関連ソフトウェアツールとともに同じようなサービスを提供している。

ベンチャーキャピタリストらはRampに5500万ドル(約57億円)を、Brexに我々の計算では負債を除き4億ドル(約420億円)強を、Divvyには2億5000万ドル(約260億円)以上を注ぎ込んだ。法人カードに関してより強力なソフトウェアを開発するゲームは注目に値する。この分野の主要なプレイヤーにベンチャーが賭ける金額の規模が非常に大きいからだ。

Rampは資金調達のニュースの中、新しいコードを書き進め上述の点を裏付けた。同社は最近、ベンダー管理ツールを加えた。また現在、同社のカードで支払わなかった経費に関して従業員が精算できるように、経費精算機能を追加した。

3社のうちどれが最高のソフトウェアを持っているのか。いずれの会社もそれぞれ「自分たちがそうだ」と思っていると我々は考えている。

Rampとその競合他社がカード関連のプロダクトを中心にソフトウェアを開発しようと努力した結果、顧客数は急速に成長した。Divvyは今週、自社の指標に関してTechCrunchに、2020年には顧客数が120%増加し、プラットフォームにおける経費の合計は2020年に100%増加したと語った。Brexは成長に関する指標の開示を断った。

Rampは自社のニュースの1つとして成長率を発表した。創業後最初の18カ月でプラットフォームにおける経費が1億ドル(約103億円)に達したこと(GAAPの時間軸ではないことは認める)、同社が企業のためにサポートした総経費の4分の1は過去30日間に記録されたことなどだ。

スタートアップが調達可能な資金が潤沢にあるのと同じように、スタートアップが成長するための市場も豊富にあるようだ。

最後に質問。企業の支出管理スタートアップがスイッチを切り替え、一連のソフトウェアへの課金を開始するのはいつか。現在、3社は主に決済から収益を稼いでおり、自社のカードがサポートする小さな取引を集めている。これは拡張性が高く、新規顧客による登録のハードルを低く抑える。結局のところ、無料の金融ツールを望まない人などいるだろうか。

だがいつかはソフトウェアの料金を請求することになる。SaaSに基づく収益の評価は高すぎて、もはやついて行けない。だがどこかの時点で。おそらくその日に「企業の支出」というロゴで顧客を引き寄せる時代が終わり、この分野のソフトウェアの成熟が始まる。その時点で新しい競合他社が次々に芽を出し、このサイクルが繰り返されることになると予想する。

カテゴリー:フィンテック
タグ:Ramp資金調達

画像クレジット:William Whitehurst / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

Lydiaはヨーロッパの金融スーパーアプリ構築のためにさらに8600万ドルを調達

フランスのフィンテックスタートアップのLydiaはシリーズBラウンドを延長した。全ての主要な既存株主も参加の元、Accelが延長を主導。Lydiaは2020年1月に最初の4500万ドル(約47億円)を調達したが、この投資はTencentが主導した。今回さらに8600万ドル(約89億円)を調達したことで、LydiaはシリーズBラウンドの一環として合計1億3100万ドル(約140億円)を調達したことになる。

Lydiaはこのラウンドの評価については述べなかったが、共同設立者兼CEOが筆者にヒントをくれた。「当社の企業価値はこの2つのBラウンドの間に著しく増加しました」と彼は語った。

興味深いのは、Amit Jhawar(アミット・ジャワール)氏がこのAccelの投資を進めたことだ。 彼は7月にベンチャーパートナーとしてAccelに入社し、Lydiaの取締役会に加わる予定だ。

ジャワール氏は2011年に決済代行会社のBraintreeにCOO兼CFOとして入社。間もなく、Braintreeはピアツーピア決済アプリのVenmoを買収した。「買収当時のVenmoは僅か15人。2012年にモバイルアプリをリリースしたばかりでした」とジャワール氏は電話インタビューで語った。

後にPayPalがBraintreeとVenmoを買収。ジャワール氏は2020年初頭まで残り、Venmoをアメリカで5200万人が利用する巨大なフィンテックコンシューマー向けアプリへと拡大させた。ジャワール氏はピアツーピア決済は長期的な消費者との関係の始まりだと考えている。

「消費者のアカウントに残高があれば、再度使用してもらえるので、P2Pとしては成功なのはご存知の通りです」と彼は述べた。

2014年頃に初めて本誌でLydiaを取り上げた時、筆者は同社のことをフランスのVenmoと呼んでいた。当時、彼らは60万ユーロ(約7600万円)しか調達していなかった。ジャワール氏はその見解に同意しているようだ。その後、Lydiaは大きく成長し、様々な面でピアツーピア決済を超えて拡大した。

Lydiaを使用すれば数秒で他のユーザーに送金できる。口座番号を銀行アプリに入力する必要はない。送金する側が相手の電話番号を知っていれば、相手は支払いを受け取ることができる。

アカウント内に残高があれば、Visaデビットカードを使用して直接支払うこともできる。Lydiaでバーチャルカードを作り、Apple PayやGoogle Payで利用することも可能であり、プラスチックカードの発行依頼をすることもできる。

LydiaではアプリでIBANを取得することで口座振り込みもサポート。また、マネーポットを作成し、他のユーザーへのリンクの送信、Lydiaで銀行口座の確認、病院や慈善団体への寄付クレジットラインの取得等が可能だ

他の全てを凌駕する目玉機能がある。銀行口座は硬固ではあるが画一的な傾向があり、人々のお金の使い方に対応できていない。「現在、銀行ではメインの口座を当座預金と呼んでいます。それは設計上時代遅れなものになっています」とCEOのCyril Chiche(シリル・チチェ)氏は述べている。

Lydiaは多くの様々な方法で使用できる柔軟なサブアカウントを作成した。第2サブアカウントを作成して、請求書の支払いのためにお金をいくらか取っておくことができる。第3サブアカウントを作成して、一緒に旅行する数人の友人達とシェアすることも可能だ。

アカウントのグリッド上を指でスワイプすることで、口座から口座へと資金を移動することができる。複数のコントリビューターを持つことができ、デビットカードに関連付けられているアカウントを変更できるため、お金の流れがより自然になる。まるで金融アプリではなく、メッセージングアプリを使っているみたいだ。

そして、Lydiaはフランスでは順調に事業を進めている。現在、同社には400万人を超えるユーザーがいる。過去1年間で取引きは倍増し、利用が加速している。

「PayPalを別にすれば、Lydiaにはヨーロッパ最大のP2Pネットワークがあり、モバイルファーストかつ顧客中心のソリューションで、ヨーロッパ全体で成長する可能性があります。これにより消費者金融商品の需要や支払いを受けるための業者の関心が高まるでしょう」とジャワール氏はメールで述べた。

そして、2020年はLydiaにとって忙しい年となった。同社は金融サービス向けのスーパーアプリとして優位に立つために完全に再設計したアプリを発表したばかりだ。全てのインタラクションとメインタブが変更されている。

Lydiaはまた、無料プランよりも上限が高く設定されたプランおよび、最も料金の高いプラン向けの保険パッケージを提供するプランの、2つの新しいプレミアムプランの提供を再開した。これらのプランは現在アプリが提供している内容により合致しており、企業の最終収益に貢献するはずだ。「次のステップはLydiaの収益性を高めることであり、それは当社にとって常に重要な位置を占めてきました」と最近のインタビューでチチェ氏は述べている。

Lydiaは密かに、カードの新しいインフラストラクチャへの移行、アカウントアグリゲーションに対する残高通知機能の追加、単一ユーロ決済圏内での銀行口座への即時振込みなど、多くの主要機能もアップグレードした。

2021年に、同社はさらなる金融商品の新たな基盤を足掛かりにして事業を進めて行く計画だ。「クレジット、貯蓄、投資など、ありとあらゆる商品を試してみるつもりです」とチチェ氏は述べた。

同社はまた、より多くの国々へと緩やかに拡大している。だが、受け入れ率を上げるため、現地のカードとIBANを使用することでその地域に根差していると感じられる商品の提供を望んでいる。Lydiaはそれをポルトガルから始めている。

関連記事:クレジットカード決済のSquareがスペインのP2P決済アプリVerseを買収

カテゴリー:フィンテック
タグ:P2P ヨーロッパ 資金調達

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(翻訳:Dragonfly)

公共交通機関にライドシェアリングサービスを提供するThe Routing Companyが500万ドルを確保

James Cox(ジェームズ・コックス)氏は、Uberでのキャリアの大半をライドシェアリングによる渋滞緩和の問題解決に費やしてきた。

Uber Poolサービスの設計者の一人で、自動車の排気ガス削減の手段としてライドシェアリングを長年提唱してきたコックス氏は、MITで開発された技術を活用するチャンスに飛びついた。公共交通機関のための動的ルーティングと車両管理システムをより洗練されたものにするという技術である。

この技術は現在コックス氏が率いるスタートアップ、The Routing Company(ザ・ルーティング・カンパニー)の中核をなすものだ。これは同社の共同創設者で最高技術責任者を務めるAlex Wallar(アレックス・ウォーラー)氏がMITの博士課程時代に開発したソフトウェアをベースにしており、車両分布の最適化に焦点を当てている。同氏はMITのコンピューターサイエンス・人工知能研究所の所長であるDaniela Rus(ダニエラ・ルス)氏やポスドク研究員のJavier Alonso Mora(ハビエル・アロンソ・モーラ)氏などの共同研究者と協力し、リアルタイムの最適化を公共交通機関に適用できるプラットフォームを開発した。

ウォーラー氏は4月にMenno van der Zee(メノ・ヴァン・デル・ジー)氏のもとへ研究を持ち込み、The Routing Companyの基盤となるプラットフォームを共同開発している。
コックス氏は当初同社のアドバイザーとして参加していたが、ウォーラー氏とヴァン・デル・ジー氏が開発した技術を見て、同氏は全面的に参加することを決意する。

MITのディープテックファンドであるThe Engine(エンジン)がリードする500万ドル(約5億2000万円)の新規資金を始め、合計650万ドル(約6億7000万円)の資金を獲得した同社は、そのテクノロジーを世界中の交通機関に提供しようとしている。

「The Routing Companyをサポートできることを嬉しく思います。彼らは大規模な動的シェアライドのコードを解読しました」とThe EngineのゼネラルパートナーであるReed Sturtevant(リード・スタートバント)氏は語る。「都市のためのスマートなライドシェアリングソリューションは波及効果を生み出します。移動手段の革新により混雑が迅速に低減され、勤務先の都市に居を構える余裕のない人々の通勤時間を短縮し、その環境を改善してくれるでしょう」。

これまで民間企業が消費者に対して提供しようとしてきたサービスを、誰もが享受できるようにするというものだ。

スタートアップによる民間の通勤サービスは数多く失敗に終わっている。The Routing Companyは、公共の都市交通機関と競合するのではなく協働することで、直面する問題を回避したいと考えている。

アメリカだけでも公共交通機関は740億ドル(約7兆6500億円)のビジネスとなっているが、新型コロナウイルスの影響を受けて苦しい状況が続いている。

「過去に当社や他のライドシェアリング会社がシェアライドアルゴリズムを構築していたとき、シェアライドにおける問題を解決する複雑さはリアルタイムで対処できませんでした」とコックス氏はUber在籍時の経験を語った。「リアルタイムでは解決できないものであると認識していましたが、私たちは交通機関を顧客にすることにしたのです。彼らは大容量のルートと需要への対応力はありますが、低密度および中密度のエリアではその要素が弱くなります。そこに支援の機会が存在します」。

コックス氏は新会社について、低所得で低密度の地域社会に特に影響を与える問題を解決するものだと考えている。これらのエリアは概して従来の公共交通機関によるサービスが行きわたっていない。The Routing Companyが提供するツールを使用することで、これらのエリアにサービスを提供するための新しい車両群の編成が可能となる。

The Routing Companyは、乗客のためのアプリ、ドライバーのためのアプリ、交通機関のための車両管理プラットフォームを含むパッケージを販売し、様々な価格オプションを試している。コックス氏は初期の顧客にいくら課金しているかについて明らかにしなかったが、収益モデルは1台の1か月当たりの料金、または1台当たりの収益のパーセンテージに基づいていると述べている。

「各ドライバーはアプリをダウンロードするリンクを受け取ります。乗客はワンプッシュワンボタンのシャトル方式でそのアプリにアクセスすることができます。また電話でオペレーターに予約を入れることができるツールを作りました」と同氏は続ける。

過去にライドシェアリングのために開発されたアルゴリズムは、個人の位置情報と目的地を使ってピックアップのパラメータを設定するというものだ。The Routing Companyのモデルは真逆のアプローチをとっており、まず車両全体の位置と既に確立されたルートに焦点を当て、どの車両が乗客をピックアップするのに最も適しているかを判断する。

待ち時間は都市および配備した車両の数により異なってくるが、コックス氏によると乗客の待ち時間を10分以内に抑えることが目標だという。すでにスコットランドの1都市がこのサービスを利用しており、非公開の米国4都市およびオーストラリア1都市と契約済みである。

「多くのスタートアップがシャトル分野の起業を試みてきましたが、その多くが抱える問題はユニットエコノミクスが機能しないということです。当社のアプローチは確固とした適切な技術を有しており、これにより公共交通機関と競合するのではなく、彼らを強化することができるのです」とコックス氏は述べている。

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カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:ライドシェア 資金調達

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(翻訳:Dragonfly)

ロックダウンを追い風に急成長中のリトアニア発ゲーミングマーケットプレイスEnebaが8億円調達

ゲームや他のプロダクトを販売するゲーマーのためのマーケットプレイスEneba(エネバ)がPractica CapitalとInReach Venturesから800万ドル(約8億3000万円)を調達した。この資金調達はシードラウンドとシリーズAラウンドの「合体」だと形容されている。リトアニア発のEnebaの資金調達にはまたFJ Labsや、VintedのCOO、Mantas Mikuckas(マンタス・ミカッカス)氏のようなエンジェル投資家も参加した。この資金調達は、またもテックエコシステムにおけるバルト地方の存在感を際立たせている。これより前に、リトアニアは同国初のユニコーンであるVinted(ヴィンテッド)を輩出し、エストニアは同国のユニコーンリストにPipedrive(パイプドライブ、未訳記事)を加えた。

パンデミックでデジタルエンターテインメントへの移行が加速する中で、Enebaは米国でトラフィックを増やしてきた。学生時代の友人同士だった2人のリトアニア人であるVytis Uogintas(ヴィティス・ウーギンタス)氏とŽygimantas Mikšta(シギスムンド・ミクスタ)氏が2018年に立ち上げたEnebaは、「購入するのにワンクリック」のゲーマーエクスペリエンスと指紋テクノロジーといったセキュリティ機能でユーザー2600万人を獲得した。Enebaはまた、その地域でトレンドとなっているゲーミングプロダクトを表示するためにローカライズされたゲーミングエクスペリエンスを最適化している。Enebaのプラットフォームはリスクのある取引を減らし、返金プロセスを簡単にし、詐欺の脅威に対処するようデザインされている。

共同創業者でCMOのミクスタ氏は「先行きが不透明な時代にあってEnebaは多くの新規ユーザーを獲得しました。ユーザー数が10倍以上になったことは喜ばしい一方で、需要に応えるのに困難な点もありました。ユーザーの増加に適切に対応するために、チームを急いで130人に拡大しなければなりませんでした」と話した。

ゲームに関連するバーチャル商品やサービスがかなり詐欺や窃盗の影響を受けやすいことから、オンラインゲーミング分野でセキュリティは喫緊の課題となっている。Amazon(アマゾン)やeBay(イーベイ)、そしてGamestop(ゲームストップ)やGame.co.ukのような小売とEnebaは競合するが、同社はゲーム世界で売買する人のためにリスクのある問題を解決しつつ、ゲーマー向けにより良い、あつらえのオンライン購入エクスペリエンス提供してきたと考えている。

Practica CapitalのパートナーであるDonatas Keras(ドナタス・ケラス)氏は「ヴィティスとシギスムンドを支援することを楽しみにしています。事業を急拡大するにあたってそうしたかなりのスピードで実行できるEnebaの能力、そしてユニークな価値プロボジッションで信じられないようなプロダクトを展開する能力に感銘を受けてきたました」と述べた。

InReach Venturesの共同創業者であるRoberto Bonanzinga(ロベルト・ボナンジンガ)氏は「欧州ではゲーム分野で成功を収める企業を輩出する伝統を持っています。Enebaが無名で目立っていなかったときにAIプラットフォームのおかげで同社を発見できたことにかなり興奮しています。創業者2人が短期間の間に構築できたものに非常に感銘を受けました」と述べた。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Eneba資金調達

画像クレジット:Eneba

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(翻訳:Mizoguchi

プライバシープラットフォームのOneTrustが約5280億円のバリュエーションで310億円調達

プライバシープラットフォームのスタートアップOneTrust(ワントラスト)は、AirWatch(2014年にVMWareに約1553億円で買収された)を展開していたチームが4年前に立ち上げた。OneTrustは米国時間12月21日、51億ドル(約5280億円)という巨額のバリュエーションで3億ドル(約310億円)のシリーズCラウンドを発表した。

同社はかなりの短期間で、投資家から相当な関心を集めた。2019年7月に同社は13億ドル(約1346億円)のバリュエーションで2億ドル(約207億円)のシリーズAを実施し、型破り的に登場した。この数字はシリーズAにしては一般的というものではなく、典型的なスタートアップの例でもなかった。シリーズBも同様で、2020年2月に27億ドル(約2795億円)のバリュエーションで2億1000万ドル(約217億円)を調達した。

そうした経緯を踏まえた今回のシリーズCだ。バリュエーションはまたも倍になり、わずか18カ月でしかもパンデミックを含む期間に7億1000万ドル(約735億円)を調達した。シリーズCはTCVがリードし、既存投資家からInsight PartnersとCoatueが参加した。

こうした資金を集めるために、OneTrustは何をしているのか。GDPRやCCPA、その他同様のプライバシー法がすでに米国や世界中で施行されている時代にあって、企業は事業を展開する地の法律を遵守していることを確かなものにする必要がある。そこでOneTrustの登場だ。

「当社は企業が信用されるよう、またプライバシーや信用、リスクに関するあらゆる法律を遵守していることを確かなものにするのをサポートしています」とOneTrustの会長であるAlan Dabbiere(アラン・ダブビア)氏は筆者に語った。

ここには同社がすでに構築したり買収したりした一連のプロダクトが含まれ、プライバシー管理やディスカバリー、サードパーティリスク評価、リスク管理、倫理・コンプライアンス・同意の管理などを含む、顧客のあらゆるプライバシー要件をカバーするプライバシープラットフォームを提供するために同社はすばやく動いてきた。

OneTrustはすでにプラットフォームに7500もの顧客を引きつけた。そして四半期あたり1000の顧客を増やしている。ダブビア氏は、顧客がプロセスの構築や買収に多くの軋轢を加えることなく法律を遵守できるようにサポートしている、と話す。「目標は、プロセスのスピードを緩めるのではなく、スピードアップすることです。プライバシーバイデザインと呼ばれる新たな哲学があります」と同氏は述べた。つまり、プロダクトにプライバシーの透明性を盛り込む一方で、あらゆる法律や当局が求める要件に従っていることを確かなものにすることを意味する。

OneTrustは、プラットフォームを構成するものの、買収に資金を使うことを公言してきた。創業以来、わずか4年の間にすでに5件の買収を行った。従業員数は1500人で、2021年には約900人を加える計画だ。

こうした労働力を構築する際、アトランタのようなかなり人種が多様な都市に拠点を置くことが、従業員の多様性を構築する上で助けとなったとダブビア氏は話した。「アトランタのようなエリアでベストな従業員を見つけて事業を展開することで、当社は自然と多様性のある企業になっていました。私たちは多様性をかなり気にかけています」と同氏は述べた。CEOのKabir Barday(カビール・バーデイ)氏も、アトランタのコミュニティや米国中で起こったBlack Lives Matter運動への対応策として今夏、ダイバーシティ・平等・インクルージョンの評議会を社内に立ち上げた。

パンデミックが襲う前、OneTrustは展示会にかなり頼っていた。実際、同社は年間700もの展示会に参加していた、とダブビア氏は話す。パンデミックになって展示会がなくなり、OneTrustは当初、売上高ガイダンスを下方修正した。しかし顧客とともにデジタルチャンネルに移行するにつれ、売上高は予想に反して落ち込まなかった。

OneTrustにはこれまでの投資ラウンドで得た資金がまだ残っているが、さらに調達する理由がある、と同氏は話す。「資金を調達する最大の理由は、当社の持ち合わせ額でした。従業員、買収、そして成長に向けた次なるステップのために持ち合わせ額を再評価する必要がありました」と同氏は述べた。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:OneTrustプライバシー資金調達

画像クレジット:ANDREI NIKOLAEV / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi