インテルもCESへの対面式参加見送りを決定、バーチャル体験に転換

米国時間12月23日、Lenovo(レノボ)とAlphabet傘下のWaymo(ウェイモ)がCES 2022の対面イベント参加を見送るというニュースに続き、Intel(インテル)は、オミクロン変異株に関する懸念が高まっていることから、同イベントでの存在を「ミニマイズ」する方向で動いていると発表した。

チップの巨人である同社は、TechCrunchに提供した声明の中でこう述べた。「当社の従業員、パートナー、お客様の健康と安全は常に最優先事項です。今回のCESでは、保健当局者との協議の結果、Intelのの安全ポリシーに基づき、現場スタッフを最小限に抑え、デジタルファーストのライブエクスペリエンスに移行します。CESのすべてのコンテンツと体験を、Intelニュースルームを通じてバーチャルにお届けしますので、ぜひご参加ください」。

Lenovo(レノボ)やWaymo(ウェイモ)とともに、Intelは、T-Mobile(T-モバイル)、AT&T、Meta(メタ)、Twitter(ツイッター)、Amazon(アマゾン)、TikTok(ティックトック)、Pinterest(ピンタレスト)など、増え続ける企業のリストに仲間入りした。CESの運営団体であるCTAは、TechCrunchに提供した最新の声明の中で、展示会は計画どおり開催されると述べている(同団体は健康プロトコルと、これまでに脱落者が比較的少なかったことを挙げている)。

「ワクチン接種の義務化、マスク着用、新型コロナ検査提供といったCESの包括的な健康対策に加え、出席者数の抑制と社会的距離対策により、参加者、出展者は社会的距離を置きながらラスベガスでの有意義で生産的なイベントに参加し、我々のデジタルアクセスで実りある体験ができると確信しています」と同団体は述べている。

大企業だけでなく、数多くのスタートアップ企業もオミクロン株への懸念から同様の計画を発表している。

画像クレジット:Bloomberg / Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

グーグルがCES出展を取り止め、オミクロン株への懸念で

Lenovoのビッグニュースから始まり、Waymo、Intelと続いた。GoogleはCESへのリアル出展から完全に撤退するようだ。同社の広報担当者はTechCrunchに対して次のように語っている。

慎重に検討した結果、我々はCES 2022の会場で存在感を示すことを控えることにしました。オミクロン株を注意深く観察してきましたが、私たちのチームの健康と安全を考えると、これが最良の選択であると判断しました。私たちは、CTAとパートナーの両方との密接な協力を継続し、バーチャルな機会を特定しサポートし続け、最新のGoogleのイノベーションをみなさんと共有できることを楽しみにしています。

Alphabetの子会社Waymoの先のニュースから判断すると、Googleがバーチャルに進出したのは驚くことではない。それでも、ソフトウェアの巨人は近年、家庭用製品のNestシリーズやPixelスマホを通じてハードウェアにますます力を入れており、その存在感は増している。ここ数年、Googleの複雑な屋外展示は、ラスベガス・コンベンション・センターの駐車場での目玉となっていた。

関連記事:レノボがCESのリアル参加を見送り、 オミクロン懸念で計画変更するハードウェア大手1号に

昨日の時点で、CESの運営団体であるCTAは、2022年1月初旬のイベント開催の決定に揺るぎはないが、ビッグネームの損失は積み重なり続けている。オミクロン株への懸念からラスベガスから撤退する企業のリストにはT-Mobile、AT&T、Meta、Twitter、Amazon、TikTok、Pinterest、そしてTechCrunchなど多くのメディアも含まれている。

私たちは、この最新のニュース(長い連休に向かう荒れた前兆)を踏まえて、CTAに連絡をとった。CTAの最後のコメントではキャンセルは42件で、展示フロアの約7%を占めている。その後も大手と新興企業の両方が出展を検討しているため、現在、変わってきていることは間違いないだろう。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

レノボがCESのリアル参加を見送り、 オミクロン懸念で計画変更するハードウェア大手1号に

更新:Waymoは正式にリストに名を連ね、注目すべき最初の自動車会社の1つとなった。このAlphabet子会社はブログで、「新型コロナウイルスの感染率が急速に上昇していることに基づき、WaymoはCES 2022に直接参加しないという難しい決断を下しました。バーチャルでいくつかのCES関連イベントへ参加することを目指しています」と述べている。

米国時間12月22日、対面イベントとしてのCESから撤退する出展者のリストは少ないながらも強力なものだった。だが、ハード面でのビッグネームはそこから欠けていた。22日の時点で、Google(グーグル)、HTC、John Deere(ジョン・ディア)、TCL、BMWの各社は、TechCrunchの取材に対し「状況を注視し続けている」としながらも、ラスベガスでのビッグイベントに参加することを確認した。一方、Samsung(サムスン)は、対面のキーノートに合わせてプレスリリースを発表した。

その時点では、Lenovo(レノボ)を含むいくつかの大手企業からの連絡をまだ待っている状況だった。PCの巨人である同社は米国時間12月23日朝、Consumer Electronics Show(CES)での対面活動を「中止」すると発表した。Twitterでの発表に続いて、同社はTechCrunchに声明でこう述べた。

新型コロナウイルスを取り巻く現在の動向をきめ細かくモニターした結果、従業員、お客様、パートナー、そして地域社会の健康と安全のために、ラスベガスでのすべての現場活動を中止することが最善の策であると判断しました。これは計画の変更ではありますが、1月4日と5日に予定されている当社の最新技術の発表を皆様にご覧いただけることを楽しみにしています。

先日の記事ではMobile World Congress(モバイル・ワールド・コングレス、MWC)との類似点を指摘したが、MWCの場合は新型コロナの第一波が2020年にヨーロッパを襲う中、バルセロナでのイベント開催という不運に見舞われた。そこで主要なハードウェアメーカーが撤退し始めたことで、その年のショーの終わりの始まりとなってしまったのだ。今回のCESでは、これまでにいくつかのビッグネームがリアル会場への参加を取りやめている。スポンサーとしてはT-Mobile(T-モバイル)が最も注目されており、その後、同じキャリアのAT&Tが「現地の参加を見送る」ことを選択した。

我々も含め、多くのメディアが同様の発表をしており、Meta(メタ)、Twitter(ツイッター)、Amazon(アマゾン)、TikTok(ティックトック)、Pinterest(ピンタレスト)も現場での参加中止を表明している。しかし、これらはいずれもビッグネームではあるが、従来ハードウェアショーで大きな存在感を示す企業ではなかった。一方、Lenovoは、ハード分野では大きな存在だ。

22日夜の時点では、CESの運営団体であるCTAは、TechCrunchに次のように述べていた。
「ワクチン接種の義務化、マスク着用、新型コロナ検査提供といったCESの包括的な健康対策に加え、出席者数の抑制と社会的距離対策により、参加者、出展者は社会的距離を置きながらラスベガスでの有意義で生産的なイベントに参加し、我々のデジタルアクセスで実りある体験ができると確信しています」。

またCTAは、キャンセルの数もこれまでのところ限られているとしている。MWCと正確に比較することはできないが、確かにパンデミックを取り巻く状況は、2年近く前とは異なっている。新型コロナの感染についてははるかに多くのことがわかっているし、その後、複数のワクチン、そして多くの地域ではブースター接種が導入されている。CTAは特に、ワクチン接種の義務化を含め、健康プロトコルについても透明性を保っている。

一方、オミクロン株は米国の一部で猛威を振るっているが、初期の数字によれば、その相対的な深刻さに関しては希望の兆しが見えている。しかし、ラスベガスでの大イベントを控え、ホリデーシーズンの旅行者数が急増する可能性があるなど、多くの疑問点が残されている。慎重になるのは当然のことで、計画を変更する企業はおそらくLenovoだけではないだろう。

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

動く実物大ガンダムが2022年1月1日から新演出「F00 /AI Awakening!」でショーを披露

動く実物大ガンダムが2022年1月1日から新演出「F00 /AI Awakening!」でショーを披露横浜の山下ふ頭にて開催中の「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」(GFY)の動く実物大ガンダムが2022年1月1日から新演出「 F00 /AI Awakening 」を実施します。

「GFYでは横浜で発掘されたパーツを組み合わせて起動実験を行っている」というコンセプトのもと、新演出では、新規実験を行った際に起きたストーリーという設定で展開します。アニメ『機動戦士ガンダム』とのつながりを感じられるようなストーリーとなっており、これまでとは異なったポーズや、より繊細で滑らかな動きを確認できるとしています。

実施期間:2022年1月1日~3月31日
新演出プログラム実施時間:各日11時台、13時台、15時台、17時台、 19時台(土日祝のみ)

※上記時間帯以外は 通常演出 プログラム 起動実験 スタンバイモードとなります。平日17 時台は、新演出 プログラム に加え、通常演出プログラム(起動実験)をみることができます。

この「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」の施設自体は期間限定で、2022年3月31日までの開催となっています。筆者も一度取材で訪れましたが、肉眼で捉えた実物大の動くガンダムの迫力や実在感は実際に横浜に出向いてこそのアトラクションです。興味はあるけどまだ………というかたは是非ご予約のうえ訪れてみてください。

・関連記事:動く実物大ガンダムは夜も素敵

動く実物大ガンダムが2022年1月1日から新演出「F00 /AI Awakening!」でショーを披露

GUNDAM FACTORY YOKOHAMA

動く実物大ガンダムが2022年1月1日から新演出「F00 /AI Awakening!」でショーを披露

動く実物大ガンダムが2022年1月1日から新演出「F00 /AI Awakening!」でショーを披露

昼夜で趣が全く異なるのも大きなポイント。昼間は横浜という現実に3DCGのガンダムが登場したような神秘的雰囲気

動く実物大ガンダムが2022年1月1日から新演出「F00 /AI Awakening!」でショーを披露

夜間は工場夜景をみてワクワクする興奮がこみ上がります。ライトアップされるガンダムはシブカッコいい。本当にガンダムが現実で稼働していたらなんて思ってしまう実在感があります

GUNDAM FACTORY YOKOHAMA

  • 開催期間:2022年3月31日まで
  • 営業時間:2021年12月31日までは、平日11時〜20時、土日祝10時〜20時。2022年1月1日以降は平日11時〜18時、土日祝10時〜20時
  • 価格:大人(13歳以上)1650円(税込)、小人(7歳以上12歳以下)1100円(税込)、GUNDAM-DOCK TOWER閲覧料金3300円(税込)
  • ホームページGUNDAM FACTORY YOKOHAMA


クレジット:創通・サンライズ

(Source:GUNDAM FACTORY YOKOHAMAEngadget日本版より転載)

オミクロン株でCES出展者が参加を迷う中、主催は断固開催の意向

少々MWCのようになってきた。もちろん、2020年にバルセロナで開催が予定されていたMobile World Congress(モバイル・ワールド・コングレス、MWC)とは、これまでのところ少し異なる展開になっている。その理由は明らかだ。当時、パンデミックは事実上、未知のものだった。2年近く経った現在、我々は少なくとも、パンデミックをより把握しており、より効果的なツールを手に入れている。たとえ、すべての人がそうした方法を選択していないとしてもだ。

CES 2020は、世界的な封鎖という点では、ぎりぎりのところで間に合った。2021年の展示会では、主催者のCTA(全米民生技術協会)は(非常に賢明にも)そのリスクを回避し、完全にバーチャルで開催することを選択した。CES 2022は、多くの関係者にとって一種のハイブリッドイベントとして、控えめながら復活の道を歩んできた。

これまでのところ、バルセロナで見られたような根本的なドミノ倒しにはなっていない。しかし、オミクロン変異株の急速な広がりは、主催者にとって大きな脅威となっている。ホリデーシーズンの旅行関連の感染者急増(その数値的な影響はCESが終わるまでわからない)が非常にあり得ること、そしてラスベガスの一般的な予測不可能性(友人が最近述べたように、カジノを通らないと中心地のストリップのどこにも行けない)と相まって、なぜ最近多くの人が怖じ気づいたかは理解できる。また、イスラエルなどの国々の渡航制限も難しさに拍車をかけている。

CTAは声明の中で、計画どおり進めることを堅持している。CTAはTechCrunchに、これまでのところ、出展者のキャンセルはフロアスペースの7%に達しており、最新の変異株にもかかわらず、展示会に出展する企業は増え続けていると語った。

CES 2022は、強力な安全対策を取りながら米国時間1月5日から8日までラスベガスで開催されます。また、ラスベガスに行きたくない、あるいは行けない人々のために、デジタルでの参加も用意されています。私たちの使命は、業界を結集させ、実際の会場で参加できない方々にもCESの魅力をデジタルで体験していただくことにあります。

このほど42社の出展キャンセル(展示フロアの7%未満)がありましたが、12月17日以降、実際の会場への出展で新たに60社が加わりました。デジタルアクセスとラスベガスでのイベントの両方への登録はここ数日で数千件増え、力強い勢いを見せています。

CES 2022では世界の健康と安全、モビリティ、問題解決のための重要なイノベーションが展示されるため、計画通り進めます。さらに、何千もの中小企業がビジネスのためにCESに依存しています。出展者数は2200社以上に増え、12月21日に発表したように、両政党から選出された多くのトップがCESに参加します。

ワクチン接種の義務化、マスク着用、新型コロナ検査提供といったCESの包括的な健康対策、そして出席者数の抑制、社会的距離対策と合わせて、参加者、出展者は社会的距離を置きながらもラスベガスでの有意義で生産的なイベントに参加し、我々のデジタルアクセスで実りある体験ができると確信しています。

T-Mobile(Tモバイル)は米国時間12月21日、この展示会会場から撤退する最初の主要スポンサーとなった。同社は、資金面でのスポンサーとしての役割を果たし続けるが(おそらく契約無効化のようなことはまだ起きていない)、チームの大半を派遣しないことにし、CEOのMike Sievert(マイク・シーベルト)氏は対面でもバーチャルでも基調講演を行わない予定だ。奇妙なことに、WeezerはどうやらT-Mobileの祝福を受けながら、中心地ストリップで無料コンサートを行う

WeezerのボーカルであるRivers Cuomo(リヴァース・クオモ)氏のプレスリリースには「大好きなラスベガスに戻り、2021年の壮大なドローンレーシングリーグのラスベガス選手権レースにT-Mobileと一緒に参加できることにとても興奮しています」とある。

Meta(メタ)、Twitter(ツイッター)、Amazon(アマゾン)、Pinterest(ピンタレスト)は最初から手を引いている。しかし、いずれもビッグネームではあるものの、伝統的にこの展示会では目立つ存在ではない。

12月20日の週の初めには、The Verge、CNET、Engadget、PCMag、Gizmodo、Tom’s Guide、TechRadarと同様、TechCrunchもこの展示会にチームを派遣しないことを発表した。私たちとしては、簡単な決断ではなかった。この2年間でオンライン会議の世界へ移行するという著しい変化があったことは事実だが、我々にとってCESのような展示会にはまだ価値がある。

特に、Eureka Park(エウレカパーク)を歩き回り、そうでもしなければ騒音に満ちた受信トレイに埋もれてしまうような新しいスタートアップを直接見ることができるのは、大きな価値がある。筆者は、Venetian(旧Sands)エキスポホールのフロアで多くの企業を発見してきたので、前年の休みを経て再び同じことができることを非常に楽しみにしていた。

CES 2021は、世界(より具体的にはCTA)がすべてオンラインで開催されるハードウェア展示会に対応できるかどうか、大きな試金石となった。自身の体験からいうと、時期尚早だったと思う。バーチャルCESの体験はさほど良いものではなかった。特に、これらの展示会で最も難しく、重要な要素である「発見」に関してはそうだった。

2022年の展示会でどれだけのものが実際に展示されるかは別として、効果的なオンライン開催が必要だ。すでに多くのメディアが遠隔からの取材を計画している。また、このパンデミックが終息すると仮定した場合、今後どのように展示会をカバーするのか、多くの人が疑問に思っているはずだ。

CTAはこれまでのところ、こうした事態に揺るぎない態度を示している。CTAは、新しい健康プロトコルを導入しつつ、予定どおり展示会を開催すると繰り返している。ワクチン接種証明とマスク着用に加え、参加者には無料の迅速検査キットを配布し、参加者は会場に入る前の検査で陰性であることを証明する必要がある。

CESのソーシャルメディアアカウントは、ラスベガス・コンベンション・センター内部の画像や新しい講演者の発表に専念している。講演者には現在のところ、運輸長官のPete Buttigieg(ピート・ブティジェグ)氏や「NFT、WTF?!?!」というパネルでブロックチェーンについて話すことになっているParis Hilton(パリス・ヒルトン)氏などがいる。

Google(グーグル)、HTC、John Deere(ジョン・ディア)、TCL、BMWなどは「状況を注視し続けている」と語っている。NVIDIA(エヌビディア)を含む他の企業は、バーチャルの記者会見を行い、出展は行わないという、十分に警戒することを最初から選択した。

画像クレジット:Photo by ROBYN BECK/AFP / Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

2022年1月5日から開催される「CES 2022」の日本パビリオンにスタートアップ52社が出展

2022年1月5日から開催される「CES 2022」の日本パビリオンにスタートアップ52社が出展日本貿易振興機構(JETRO) は12月21日、米国・ラスベガスで2022年1月5日~8日に開催されるテクノロジー見本市CES 2022において、日本のスタートアップ52社の出展をサポートすると発表した。

JETROは、日本のイノベーションやスタートアップを世界に広くPRする場として2019年から毎年CESにJ-Startup/JAPANパビリオンを設置している。前回のリアル開催(CES2020)の出展社数28社と比較し、今回は52社と過去最多、ほぼ2倍の規模となっている。また出展社に対し、メディアカバレッジや商談に繋げていくための支援メニューを提供し、日本を代表するスタートアップが海外市場進出の糸口を見つけられるよう強力に後押しするという。

JETROによると、2年ぶりのリアル開催となるCES 2022において、スタートアップ企業の育成支援プログラムJ-Startupを中心とした日本のスタートアップが革新的なハードウェアを披露するという。また毎年Eureka Parkにパビリオンを設置しているが、今回初の試みとしてVenetian 2Fにもパビリオンを設置。2エリアで展開する。

さらに今回は、J-Startup/JAPANパビリオン出展企業から過去最多の6社が、イノベーションアワードを受賞した。イノベーションアワードとは、CESの会期を前に特に優れたプロダクトを扱っている企業に対し主催者CTAから贈られる賞で、受賞者にはイベント会場で注目されるイノベーションアワード・ショーケースのエリアでプロダクトを展示する機会が与えられる。

イノベーションアワード受賞企業(あいうえお順)

JAXA認定宇宙ベンチャー天地人、EC・欧州宇宙機関主催の衛星データ国際コンテストにおいて農業関連部門で優勝

JAXAが認定する宇宙ベンチャー天地人は、EC(欧州委員会)とESA(欧州宇宙機関)が主催するビジネスアイデアのコンテスト「Copernicus Masters」のうち、ドイツの農業団体BayWa(バイバ)とともに実施した「BayWa Smart Farming Challenge 2021」において、アジアのスタートアップで初めて優勝を飾った。

Copernicus Mastersの主催者であるCopernicus(コペルニクス)は、ESAが中心となって実施されている地球観測プログラム。Copernicus Mastersには9つの部門があり、BayWa Smart Farming Challenge 2021はそのひとつ。それぞれの優勝者の中から総合賞「コペルニクス・マスターズ」が選出される。

BayWaの課題は、牧草管理、農業および園芸における初期の作物病害の推定、園芸における収量予測の3つ。これに対して天地人は、「衛星データとAIを使って土地の利用を最適化するソリューション」を提案した。審査では、革新性、衛星データ活用サービスを実際に使用するエンドユーザーにとっての付加価値の有無、技術的な実現可能性、市場での実行可能性が評価された。

優勝した天地人には、特典としてBayWaとの協働の機会が与えられたほか、Copernicus Masters総合賞のファイナリストとしての権利が与えられた。総合賞の特典は、ESAのビジネス育成センターからの支援や、協賛企業からのビジネスサポート。さらに賞金と衛星データが贈られることになっている。

天地人は、今回の機会を活用してソリューション開発とグローバルでの販売の強化を目指し、気候変動に対応した農業や土地の特徴にあった農業の実践、CO2排出量削減に向けての取り組みなどを後押しするという。

プログラミング言語Rubyを活用したITビジネスアワードRuby biz Grand prix 2021表彰式が開催、大賞はHIKKYとヤマップ

プログラミング言語Rubyを活用したITビジネスアワードRuby biz Grand prix 2021表彰式が開催、大賞はHIKKYとYAMAP

Ruby bizグランプリ実行委員会は12月15日、プログラミング言語Rubyを活用したITビジネスコンテスト「Ruby biz Grand prix 2021」の表彰式を行い、大賞・特別賞・DX賞・Digital Media賞を発表した。表彰式の様子は島根県からライブ配信された。表彰式のアーカイブ映像はYouTube上で視聴できる。

第7回目となる今年のRuby biz Grand prix 2021には25事例の応募があり、その中から9事例が最終選考(ファイナリスト)として発表されていた。そこから、大賞2点、特別賞3点、DX賞2点、Digital Media賞2点が決定した。表彰式では、大賞と特別賞の受賞者がプレゼンテーションを行い、Rubyを活用した理由や優位性などが話された。また、審査員長を務めたRuby開発者のまつもとゆきひろ氏のスピーチでは、グランプリの舞台裏と「日本のウェブを中心としたサービスへの期待」が語られた。

プログラミング言語Rubyを活用したITビジネスアワードRuby biz Grand prix 2021表彰式が開催、大賞はHIKKYとYAMAP

Ruby開発者のまつもとゆきひろ氏

大賞:バーチャルマーケット

HIKKYは、3Dアイテムやリアル商品の売買ができるVRマーケット「バーチャルマーケット」を提供。イベント運営のためのシステムや出展者や企業のEC、各マイクロサービスのバックエンドがRubyで構成されている。1万人以上のアカウントの認証管理基盤においてもRubyを採用しているとのこと。プログラミング言語Rubyを活用したITビジネスアワードRuby biz Grand prix 2021表彰式が開催、大賞はHIKKYとYAMAP

大賞:ヤマップ

ヤマップは、電波が届かない山中でもGPSで現地と登山ルートがわかるサービスおよびアプリ「ヤマップ」(YAMAP)を提供。電波のない状態でも登山ユーザー同士が互いの位置情報を知ることのできるみまもり機能を実装しており、登山ユーザーの命・安全を支援しているという。プログラミング言語Rubyを活用したITビジネスアワードRuby biz Grand prix 2021表彰式が開催、大賞はHIKKYとYAMAP

特別賞:Autify

オーティファイ提供のAutifyは、プログラムコードを書くことなく、ウェブアプリおよびモバイルアプリ(ネイティブアプリ)の検証作業を自動化できるシステム。サービスの根幹を担う部分でRubyを使用とのこと。プログラミング言語Rubyを活用したITビジネスアワードRuby biz Grand prix 2021表彰式が開催、大賞はHIKKYとYAMAP

特別賞:Mitsuri

Mitsuriは、Catallaxyが提供する金属加工統合プラットフォーム。金属加工部品を必要とする会社と受注したい会社をマッチングする商取引プラットフォーム、受発注管理システム、自動CAMなどで構成されている。オープンソースのRubyが顧客への素早い価値提供につながっているという。プログラミング言語Rubyを活用したITビジネスアワードRuby biz Grand prix 2021表彰式が開催、大賞はHIKKYとYAMAP

特別賞:トドクサポーター

207が提供するトドクサポーターは、ラストワンマイルの配送効率化を目的とした、配送員向けのiOSおよびAndroid向けアプリ。各プロダクトにおけるバックエンド部分をほぼすべててRubyで開発している。プログラミング言語Rubyを活用したITビジネスアワードRuby biz Grand prix 2021表彰式が開催、大賞はHIKKYとYAMAP

DX賞:BONX WORK

BONX WORKは、BONXが提供するデスクレスワーカー向けの音声によるグループトークシステム。声をリアルタイムに届けるため、VoIPサーバーとクライアントをつなぐAPIサーバーをRuby on Railsで実装している。プログラミング言語Rubyを活用したITビジネスアワードRuby biz Grand prix 2021表彰式が開催、大賞はHIKKYとYAMAP

DX賞:Throttle

Relicが提供する新規事業開発のためのイノベーションマネージメント・プラットフォーム。事業構想やアイデアの整理、具体化を支援するフレームワークなどの提供や、各種インキュベーションプログラムの企画、事業アイデアなどの収集・管理や評価・審査などを効率化できる。プログラミング言語Rubyを活用したITビジネスアワードRuby biz Grand prix 2021表彰式が開催、大賞はHIKKYとYAMAP

Digital Media賞:ヤンマガWeb

講談社「週刊ヤングマガジン」のウェブサイト。週刊ヤングマガジンのマンガ・グラビアといったコンテンツをインターネット上でも楽しめる。Glossomおよび社講談社が登壇した。プログラミング言語Rubyを活用したITビジネスアワードRuby biz Grand prix 2021表彰式が開催、大賞はHIKKYとYAMAP

Digital Media賞:note

noteが提供するクリエイターのためのメディアプラットフォーム。誰でも文章や画像・音声・動画を投稿可能で、ユーザーはそのコンテンツを楽しみつつ応援できる。プログラミング言語Rubyを活用したITビジネスアワードRuby biz Grand prix 2021表彰式が開催、大賞はHIKKYとYAMAP

競技プログラミングコンテストHACK TO THE FUTURE 2022 for Youth本選が12月18日にオンライン開催

競技プログラミングコンテスト「HACK TO THE FUTURE 2022 for Youth」本選が12月18日にオンライン開催

テクノロジーで多方面に創造的事業を展開するフューチャーは、社会貢献団体フューチャー イノベーション フォーラム主催による18歳以下を対象としたオンライン競技プログラミングコンテスト「HACK TO THE FUTURE 2022 for Youth」の本選を12月18日10時〜20時30分に開催すると発表した。問題が1問出題され、その解を目指したプログラムを製作しスコアを競うという、ヒューリスティック形式の競技となる。

11月3日から13日にかけて行われた240時間の長期予選には96名が参加し、成績上位者10名が選出された。そこに、全国6ブロック(北海道、東北、関東、中部、近畿、中国四国、九州沖縄)から1名ずつ選ばれた6名を加え、合計16名が本選に挑む。大会終了後にはバーチャル空間oViceで表彰式と懇談会が開かれる。上位3名には奨励金が贈られることになっている。

なお同コンテストは、AtCoderのオンラインシステムを利用しており、本選出場権がない方もオープンコンテストでの参加が可能。オープン参加を希望する方のうち、アカウント登録を行っていない場合は、AtCoderでアカウントを作成し、コンテストページから「参加登録」を行う必要がある。詳細は、「」を参照してほしい。

日本最大級のハードウェアコンテスト「GUGEN2021」結果発表、折りたためる電動バイク「ICOMA タタメルバイク」が大賞

日本最大級のハードウェアコンテスト「GUGEN2021」大賞作品を発表、「ICOMA タタメルバイク」が大賞受賞

ピーバンドットコムが主催する日本最大級のハードウェアコンテスト「GUGEN2021」の選考会および授賞式が、12月11日に開催された。「ユーザーの課題を解決する『未来のふつう』となるアイデア・製品を具現(GUGEN)化する」をテーマに行われたこのコンテストでは、一次選考通過作品22点から、大賞ノミネート作品6点が選出され、そこから大賞1作品、優秀賞2作品、学生賞1作品などが選ばれた。

GUGENは、ピーバンドットコム代表取締役の田坂正樹氏の「ハードウェアのものづくりに関わる人たちにもっとスポットライトを浴びてもらいたい」という思いから始まり、2009年の「電子工作コンテスト」から13回目となる。

今回の最終審査を担当した審査員は、TomyK代表鎌田富久氏、JENESIS代表取締役CEO藤岡淳一氏、セイタロウデザイン代表山﨑晴太郎氏の3名。

田坂氏は、「世論を反映してコロナ感染症対策の作品が多く」あり、「社会課題を解決していくという部分において特色があった」と振り返っている。

受賞作品は以下のとおり。

GUGEN2021大賞:ICOMAICOMA タタメルバイク

日本最大級のハードウェアコンテスト「GUGEN2021」大賞作品を発表、「ICOMA タタメルバイク」が大賞受賞
ICOMAICOMA タタメルバイク」は、原付一種規格の小型電動バイク。折りたたんで机の下などに収納できる。

優秀賞:輝翠Tech農業用AIロボット

日本最大級のハードウェアコンテスト「GUGEN2021」大賞作品を発表、「ICOMA タタメルバイク」が大賞受賞

輝翠Tech農業用AIロボット」は、SLAM技術で自己位置の推定ができ、収穫場と収集場を自動で往復運搬できる。りんご園の害虫やりんごの樹勢などの監視も行える。

優秀賞:HA-PPY「微生物蛍光ライト

日本最大級のハードウェアコンテスト「GUGEN2021」大賞作品を発表、「ICOMA タタメルバイク」が大賞受賞

HA-PPY「微生物蛍光ライト」は、内視鏡に使われているガンを見つけやすくする蛍光イメージング技術を懐中電灯型の機器に収めたもの。光を当てるだけで手やドアノブなどの衛星状態が可視化できる。

GOODアイデア賞:Team Loglee「塗り薬情報記録デバイス Loglee

日本最大級のハードウェアコンテスト「GUGEN2021」大賞作品を発表、「ICOMA タタメルバイク」が大賞受賞

Team Loglee「塗り薬情報記録デバイス Loglee」は、塗り薬の容器を置くと、薬の種類、塗った時間、量を記録できるセンシングデバイス。

この他、「ほしいね賞」に「マイコン学習ボード」、学生賞に「Venty-テレワークのための換気促進デバイス」などが選ばれた。一次選考作品と全受賞作品は、「GUGEN 2021 受賞作品」に掲載されている。

【TC Tokyo 2021レポート】ポッドキャストとVCの表裏一体で活躍するハリー・ステビングス氏は世界中の有望企業に目を向ける

先に開催された「TechCrunch Tokyo 2021」。「海外スタートアップトレンド解説」のセッションには、10万人以上のリスナーを持つ世界最大の独立系VCポッドキャスト「The Twenty Minute VC」の創設者でホストのHarry Stebbings(ハリー・ステビングス)氏が登場した。モデレーターは米国を中心にスタートアップやテクノロジー、VCに関する最新トレンドなどを配信する「Off Topic」を運営している宮武徹郎氏が務めた。

冒頭でステビングス氏を「ポッドキャストのホスト」と紹介した。同氏のポッドキャストには多数のVCや起業家がゲストとして出演し、特に起業家に人気がある。しかし同氏にはポッドキャストのホスト以外にもう1つ、「20VC」というマイクロVCを立ち上げた投資家の顔もある。VCポッドキャストのホストとして人脈を広げ情報を集めて発信し、自身も投資をする同氏は「20VCをメディア性のある一流金融機関に育てたい」と言う。このセッションでは、メディアとVCの両面から同氏に話を聞いた。

VCを目指す道のりは50ドルを投じたポッドキャストから始まった

ステビングス氏は、Facebookの創業を描いた映画「ソーシャル・ネットワーク」でファンドのシーンを見て「VCに一目惚れした」という。18歳の時にロンドンでベンチャー投資家を目指してポッドキャストの「The Twenty Minute VC」を開始。つまりポッドキャスト配信者からVCになったのではなく、VCを目指してポッドキャストを始めたのだ。

ポッドキャストを始める際に投じた金額は50ドル(約5600円)。マイクに40ドル(約4500円)、ドメインに10ドル(約1100円)を支払って配信を始めた。その後7年間で、3000回の配信、ダウンロード数は1億8000万回を超え、月間では2500万回のポッドキャストへと成長した。そしてVCとしては、2021年6月にファンド2社で1億4000万ドル(約159億円)の資金を調達した。

ポッドキャストとVCという戦略について、同氏は次のように語った。「投資家が乱立しているため、優れた投資先の獲得にはブランド戦略が欠かせません。VCは上場株取引とは違います。いい株を選ぶだけではなく、取引に勝つ力が必要です。だからブランド力は欠かせないのです。そして取引では人間関係も重要です。ポッドキャストは親密で深い関係性を築けます。だからこそブランド構築と差別化を念頭に置き、番組を立ち上げて熾烈な競走を勝ち抜こうとしたのです」。

ガイ・カワサキ氏出演で弾みがついた

そうは言っても、いきなりブランド力のあるポッドキャストになるはずはない。宮武氏は「あなたは米国IT業界とのつながりは薄かったはずなのに、初回のGuy Kawasaki(ガイ・カワサキ)氏をはじめとする出演許可はどのように取り付けたのですか?」と尋ねた。

これに対しステビングス氏は「コネはありませんでしたね。VCにもIT起業家にも、知人は皆無でした。そこでガイ氏の本を3冊読んでから、依頼のメールを出しました。『287ページにはどんな意味が? 294ページの具体例は?』と。すると、いい着眼点だと返事が来てぜひ話したいと言われたので『では番組でお話を』と。世間に認められるにはそれで充分でした。それ以降の方々にはガイ氏との実績を上げて出演交渉をしました。うまく弾みがつきましたね。こんなふうに初回にガイ氏をお呼びできてとても嬉しかったです」と答えた。その後はガイ氏をはじめとする出演者に次のゲストを推薦してもらい、人脈を築いている。

人気ポッドキャストの秘訣は品質への意識と念入りな準備

宮武氏が番組の人気を高める苦労を質問すると、ステビングス氏は品質への意識を挙げた。出演の売り込み依頼に応じたことは一度しかなく、収録したものの出来が悪くお蔵入りにした回もあるという。「依頼に応じてもそれで質が上がるとは思えない。ポッドキャストは僕の製品です。出演者と僕自身のためにも最高の番組だけを目指しているのです」(ステビングス氏)。

番組の品質のためにはもちろん準備が必要で、「事前に膨大な調査をしています。関係者にも話を聞きますね。この準備が鋭い質問の礎となり、人脈も深まります。だから念入りに調査をするのが大切です。誰よりも入念にね」と同氏は説明する。

「僕は世界の一流起業家と働くためにメディアを使う」

セッションはこの後、ステビングス氏のベンチャー投資家としての意見に話が及んだ。

ラストワンマイルの食品配達市場について同氏は、欧米では顧客獲得費の高騰、運転手の高額な人件費、注文額の低さという重大な課題があるのに対し、新興国市場ではこうした課題はないとした上で、「この分野では現金が企業を守るため、資金力が潤沢なGopuffが米国を、Getirが英国を制するでしょう」と述べた。

新興国市場の話が出たことから「あなたの投資範囲は世界中に及びますが、強く関心を寄せる地域はありますか?」と宮武氏に問われ、同氏は次のように述べた。

「僕は世界中の優れた起業家に投資します。いま注目すべきは、世界中に人材が分散していることです。勢いはコロナ禍で増している。僕は世界の一流起業家と働くためにメディアを使います。メディアは僕の事業の看板なので極力大きくしたい。番組の力で20VCの存在感を高めるのです。だから地理的な好みはありません。Zoomの世界ではそれがいっそう重要です。これまでは地域による優位性がありましたが、今はZoomで誰にでも会える。ラテンアメリカが良い例です。ラテンアメリカでの出資先獲得競争は激しさを増すばかりです。状況は一変しますよ。業界を根底から革新する、世界の一流企業を支援できます。僕は事業の地域性を重視しませんが、他の方はそうではないようです。事業の成長に地域との関連性を見出して『やはり重要だ』と思うとしても、その関連性を証明する明白な証拠はなく、正解の可能性も、思い違いの可能性もあります。だから僕はただ、世界の一流企業を峻別する転換点に立っていたい。必ずパートナーに選ばれるようにね。頼もしい協力者でありたい。それだけが僕には重要です」。

起業家から雑談を持ちかけられると嬉しい

ステビングス氏のポッドキャストでは一問一答で番組を締める。それにならって宮武氏も、このセッションの最後に短い質問をいくつかした。「助言者から得たアドバイスは?」という質問に対し、ステビングス氏は以下の3つを挙げた。

「交渉において公平さに勝る武器はない。公平でいれば後ろめたさと無縁なので、交渉中も強い自分を保てます」

「限界を人に測らせないこと。限界がわかるのは自分だけです。しかも自分自身でさえ実力を侮りがちだ。粘り強く頑張ること」

「最後の大切な教えは、どんな時も状況はさほど悪くないこと。強く前を見て歩きましょう」

そして「投資家になって良かったと思うこと」については「僕はかなり顔の広い人間だと思います。知り合いが多く、人の話に耳を傾ける。だから夜中に起業家から電話があって雑談を頼まれると嬉しいですね。起業家が僕を頼ってくれる。僕は彼らの戦友だ。そうやって彼らを支えます」と、ポッドキャストとVCの両面で活躍する同氏ならではの答えが返ってきた。

TechCrunch Tokyo 2021は、12月31日までアーカイブ視聴が可能だ。現在、15%オフになるプロモーションコードを配布中だが、数量限定なのでお早めに。プロモーションコード、およびチケット購入ページはこちらのイベント特設ページからアクセス可能だ。

TechCrunch Tokyo 2021 スタートアップバトル優勝は、ゲノム編集で食糧危機を救うリージョナルフィッシュ

12月3日、スタートアップとテクノロジーの祭典「TechCrunch Tokyo 2021」はすべてのプログラムを終え、閉幕した。イベントの最後を飾ったのは、2日間にわたって開催された設立3年以内のスタートアップによるピッチバトル「スタートアップバトル」の表彰式だ。スタートアップバトル初日では、書類選考を勝ち抜いた20社がステージ上でピッチを行い、決勝に進む6社が選ばれた。そしてイベント2日目となる12月3日、スタートアップバトル最終審査員の前で決勝進出企業のピッチが行われた。

2日間に渡る激闘を勝ち抜いたのは、リージョナルフィッシュだ。同社は、DNAを狙って壊しその自然の回復力で自然な変異を起こす「欠失型ゲノム編集」により、超高速の品種改良とスマート陸上養殖を組み合わせた次世代水産養殖システムの研究、およびゲノム編集により生み出された「22世紀鯛」の販売を行うスタートアップだ。22世紀鯛は、一般的な品種よりも少ない飼料で育ち、可食部が約1.2〜1.6倍に増え、通常より14%飼料効率が高いという特徴がある。同社はこの技術を用い、より良質で効率的なタンパク質源を確保することで、タンパク質の需要が供給を上回る「タンパク質クライシス」という大きな課題に立ち向かう。

クレジット:https://regional.fish/

TechCrunch Tokyoのスタートアップバトルでは、2018年優勝のムスカに続き、テクノロジーの力で食糧問題という大きな課題を解決しようとするスタートアップが最優秀賞を獲得することとなった。リージョナルフィッシュ代表取締役の梅川忠典氏は表彰を受け、「私たちのような1次産業を扱うスタートアップでも、スタートアップバトルのようなピッチバトルに勝てるということを示せて嬉しい」と述べた。

なお、最優秀賞を除く各特別賞の受賞企業は以下の通り。

最終審査員の千葉功太郎氏は表彰式で、「ここ数年の中ではじめて、5名の審査員全員が1位に指名した。めずらしいことだ。審査の決め手は、世界の食糧問題の解決やESGに真っ向勝負している点、そして、より重要なのは、『美味しさ』という点を損なわずに世界を変えようとしている点だ」と総評した。

写真左より、最終審査員の千葉氏、リージョナルフィッシュ代表の梅川氏

TechCrunch Japanではスタートアップバトルに出場した有望なスタートアップの今後を追っていくつもりなので、ぜひ注目いただきたい。

「CTO of the year」開催、今年1年で最も輝いたCTOはI’mbesideyouの能勢康宏氏

12月2日、TechCrunch Tokyo 2021の関連イベントとして、今年1年で最も輝いたCTO(最高技術責任者)を決めるピッチイベント「TechCrunch Japan CTO of the year 2021 powered by AWS」が開催された。

今年のピッチには新進気鋭のスタートアップ6社のCTOが登場。それぞれが5分ずつピッチを行い、技術によるビジネスの貢献度について、独自性、先進性、業界へのインフルエンス、組織運営などを評価対象として審査が行われた。厳正なる審査の結果、今年のCTO of the yearに選ばれたのはI’mbesideyou共同創業者兼CTOの能勢康宏氏だった。

審査委員長

藤本真樹氏:グリー取締役、執行役員常務、最高技術責任者

審査員

藤倉成太氏:Sansan執行役員、CTO、VPoE

横路隆氏:freee取締役CTO

塚田朗弘氏:アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWS)Head of Startup Solutions Architect

CTO of the year 2021

I’mbesideyou共同創業者兼CTO 能勢康宏氏

大阪大学情報科学研究科修了。NTTデータにて通信業界を中心にミッションクリティカルなシステムの開発運用から、ロボット開発での画像認識や音声認識AIのサービス開発を担当。NTTデータのシニアシステムアーキテクト。フロントエンドからバックエンドまで幅広くこなす力を持つフルスタックエンジニア。武蔵野美術大学在学中。

能勢氏が所属するI’mbesideyouは、表情、音声、顔の向き、視線などを解析する「マルチモーダル技術」を用いて、Zoomなどのオンラインコミュニケーション動画を解析し、一人一人の反応の特徴を割り出す。そうすることで、個人にあったコミュニケーションがなされているかを判定する仕組みを開発するスタートアップだ。

審査委員長の藤本氏は授賞式で、「2014年からやっていて、毎年レベルが上がっているように感じ、嬉しく思う。私は審査員という立場でここにいるが、今日登壇したCTOと僕たち審査員は同じフィールドにいる。早く今日登壇したCTOのみなさんに追いつけるように頑張りたい」と総評した。

TC Tokyo 2021 スタートアップバトル、決勝に進出する6社を発表

12月2日、3日に開催中のスタートアップとテクノロジーの祭典「TechCrunch Tokyo 2021」。なかでも毎年多くの観客に楽しまれているのが、設立3年以下、正式ローンチが1年未満のプロダクト/サービスを持つスタートアップ企業が競うピッチコンテストの「スタートアップバトル」だ。12月2日、書類選考を勝ち抜いた20社がファーストラウンドを戦い、3日の決勝に進出する6社が決定したのでお知らせしよう。

「スタートアップバトル 2021」ファイナリスト6社(50音順)

AironWorks

イスラエル国防軍8200部隊出身エンジニア開発のサイバーセキュリティシミュレーションプラットフォーム。

APTO

AI開発でボトルネックになるデータ作成作業を素早く低コスト・高品質に実施できる「harBest」を提供。

エイターリンク

マイクロ波ワイヤレス給電(WPT)によりデジタル世界を実現。

Kiva

ECの為の延長保証サービス「proteger」を運営。

HAKKI AFRICA

信用スコアリングTechを活用したアフリカの中古車マイクロファイナンス。

リージョナルフィッシュ

ゲノム編集技術を用いて水産物の品種改良を進め、スマート養殖技術を開発。

上記6社は12月3日に行われるスタートアップバトル決勝に進出。そして決勝審査員による審査のもと、最優秀賞を獲得するスタートアップが決定する。決勝は、12月3日16時より生放送する予定だ。すでにイベントは開催中だが、チケットは当日も購入可能だ。以下の特設ページよりアクセスいただきたい。

イベント特設ページ

12月2日、3日開催のTechCrunch Tokyoで参加者が利用できる3つのツールを紹介

TechCrunch Japanは今週の12月2日、3日にスタートアップとテクノロジーの祭典「TechCrunch Tokyo 2021」を開催する。本稿では、オンライン開催となる今年のTechCrunch Tokyoで利用する各種プラットフォームについて紹介しよう。

まず紹介したいのは、キーノート、スタートアップバトル、セッションなど各コンテンツをビデオ配信する「enavle(エネイブル)」だ。当日ではこのプラットフォーム上でタイムテーブルに基づきコンテンツを配信する。バーチャル開催となる今年のTechCrunch Tokyoでは、メインステージという立ち位置になる。

①キーノート、スタートアップバトル、セッションなどのメインコンテンツを配信するメインステージ「enavle(エネイブル)」
②参加者同士で交流ができるネットワーキングツール「Jublia(ジュブリア)」
③メインステージと連動して進行するサブコンテンツや当日その場でコミュニケーションを行えるサブエリア「oVice(オヴィス)」

上記の3エリアにてイベントが開催される。各プラットフォームに参加してイベントを楽しんでいただきたい。

次に紹介するのは、イベント参加者同士が交流できるネットワーキングツールの「Jublia(ジュブリア)」だ。同ツールでは、イベントが開催している間、オンラインで商談してみたい方にアポイントの打診をすることができる。画面から商談を行いたい相手を検索し、商談リクエストを送信。相手が承諾すれば、オンラインミーティングを行うことができるという流れだ。これまでのTechCrunch Tokyoでは、多くの投資家や起業家がイベント会場に集まり、交流が生まれていた。オンライン開催となった今年もJubliaを使うことでそのような出会いが生まれることを期待している。

最後に、バーチャルスペースの「oVice(オヴィス)」を紹介しよう。oViceはブラウザで動作するサービスで、利用者は自身のアイコン(アバター)を自由に動かしながら、バーチャル上に再現したコンテンツなどを楽しんだり、他の参加者とコミュニケーションを取ったりすることができる。oViceの特徴は、リアルな世界では当たり前な、対象物との距離による知覚の変化が再現されているところだ。例えば、ステージに近づけばそのステージで行われているセッションの動画が表示され、距離に応じて音が大きくなったり小さくなったりする。アバター同士の会話も同様で、ある人と会話をしたければ、その人のアバターに物理的に近づかなければならない。そのような特徴を持つoViceを導入することで、「バーチャル世界なんだけど、なんかリアル感」を演出できればと思っている。

イベント当日、oViceのバーチャルスペース内では、スピーカーのアフタートーク(サブセッション)の視聴や、ピッチバトルに出場したスタートアップ、スポンサーなどが出展するブースを訪れることができる。

現在、イベントのチケット代金が15%オフになるプロモーションコードを配布中だが、その数も残りわずか。今の段階で参加するか迷っている人は、ぜひこのチャンスをお見逃しなく。プロモーションコード、およびチケット購入ページは以下のイベント特設ページからアクセス可能だ。

イベント特設ページ

プログラミング言語Rubyを活用したITビジネスコンテスト「Ruby biz Grand prix 2021」のファイナリストが決定

プログラミング言語Rubyを活用したITビジネスコンテスト「Ruby biz Grand prix 2021」のファイナリストが決定

Ruby bizグランプリ実行委員会は11月24日、プログラミング言語Rubyを活用したITビジネスコンテスト「Ruby biz Grand prix 2021」の9つのファイナリスト企業およびサービス事例を決定し発表した。

これらは、2021年6月から9月にかけて応募された企業はサービスから選考されたもの。応募対象は、Rubyを使った自社製品やサービスということで、新規性、独創性、市場性、将来性に富み、継続的に発展が期待できるビジネス事例となっている。この9つの企業またはサービス事例から、大賞2点(副賞100万円)、特別賞3点(副賞30万円)、その他賞4点が選ばれる。表彰式は2021年12月15日13時からオンライン配信される。審査委員長はRubyの開発者でありRubyアソシエーション理事長のまつもとゆきひろ氏。

ファイナリスト企業およびサービス事例は以下のとおり。

  • Autify
    オーティファイが提供するモバイルアプリの検証を自動化するシステム
  • Mitsuri
    Catallaxyが提供する金属加工プラットフォーム
  • ヤンマガWeb
    講談社「週刊ヤングマガジン」のウェブサイト
  • トドクサポーター
    207が提供するラストワンマイルを効率化する配送員向けアプリ
  • note
    noteが提供するクリエイターのためのメディアプラットフォーム
  • HIKKY
    HIKKYが提供する3Dアイテムやリアル商品の売買ができるVRマーケット
  • BONX WORK
    BONXが提供する現場に最高のチームワークをもたらすサービス
  • YAMAP
    ヤマップが提供する電波が届かない山中でもGPSで現地と登山ルートがわかるアプリ
  • THROTTLE
    Relicが提供する新規事業開発のためのイノベーションマネージメント・プラットフォーム

今年1年で最も輝いた技術責任者を決める「CTO of the year」に登壇する6人のCTOを紹介

TechCrunch Japanは、今年1年で最も輝いたCTO(技術責任者)を決める「TechCrunch Japan CTO of the year 2021 powered by AWS」を12月2日に開催する。

CTO of the yearはTechCrunch Japanが主催する年に1度のイベントだ。同イベントでは、スタートアップ企業のCTOによるピッチコンテストを開催して、技術によるビジネスの貢献度を審査する。独自性、先進性、業界へのインフルエンス、組織運営などを評価対象として今年1年で最も輝いたCTOを選出する。本稿では、同イベントに登壇する6人のCTOを紹介しよう。

参加申し込みはこちら

スマートバンク共同創業者兼CTO 堀井雄太氏

新卒で株式会社VOYAGE GROUPに入社し、エンジニアとしてメディアや広告配信基盤の開発に携わった後、2012年に日本初のフリマアプリ「フリル」(現ラクマ)を開発する株式会社Fablicを創業し開発やサービスのグロースに従事。同社の楽天へのM&Aを経て、2019年に2度目の起業で現職。CTOとして開発部門の責任者を務めつつ、決済基盤やカード発行基盤の開発を担当。

DATAFLUCT CTO 原田一樹氏

大手SIerでAWSやAI、IoTなど活用した先進技術の実証実験、技術コミュニティ牽引などを経験。
その後、日本マイクロソフトでクラウドアーキテクトとしてインフラ・データ・AI・セキュリティ系のプロジェクトを推進。2020年11月、DATAFLUCTのCTOに就任し、マルチクラウドAutoMLやノーコード機械学習サービスの技術責任者兼プロダクトオーナーとしてプロダクト開発をリード。技術組織マネジメントやDXプロジェクトの技術アドバイザーも担当。

エンペイ取締役CTO 田野晴彦氏

新卒でワークスアプリケーションズに入社し、会計システムのエンジニアを担当。その後、リクルートに入社し、キッズリー、スタディサプリ、その他新規事業にてエンジニア、プロダクトマネージャーとして従事。2018年に株式会社エンペイを共同創業し、同社CTOに就任。開発組織を統括。東洋経済社の「すごいベンチャー 100」に選出。PayPay Accelerator Programにも採択された。

oVice CTO 長谷川博和氏

1982年生まれ。18歳より学生の傍らプログラマとして従事し、カーネル、デバイスドライバなど組込み分野から、サーバーサイド、ネットワークインフラなど多岐に渡るシステムを構築。NIMARU TECHNOLOGY(現 oVice株式会社)設立時より現職に就任。

I’mbesideyou共同創業者兼CTO 能勢康宏氏

大阪大学情報科学研究科修了。NTTデータにて通信業界を中心にミッションクリティカルなシステムの開発運用から、ロボット開発での画像認識や音声認識AIのサービス開発を担当。NTTデータのシニアシステムアーキテクト。フロントエンドからバックエンドまで幅広くこなす力を持つフルスタックエンジニア。武蔵野美術大学在学中。

estie CTO 岩成達哉氏

島根県出雲市生まれ。松江工業高等専門学校 情報工学科卒業。東京大学工学部電子情報工学科入学後、 在籍中に高専在籍時に開発したプログラミング教育教材をもとに起業。その後、東京大学大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻修士課程修了。卒業後はIndeed Japanにて3年半ソフトウェアエンジニアとして開発に従事。2020年10月にestieへ参画。2021年8月にCTOへ就任し、開発チームを統括する。

イベント概要

【日時】TechCrunch Tokyo 2021 Day1終了後開催、12月2日(木)19:10〜20:50(予定)

【会場】オンライン

【審査基準】技術によるビジネスへの貢献度(独自性、先進性、業界へのインフルエンス、組織運営についても評価対象)

【審査】CTO of the year 実行委員会による

【主催】TechCrunch Japan(Boundless株式会社)

【企画、運営協力】アマゾン ウェブ サービス ジャパン

【視聴方法】

  • CTO、もしくはそれに準じる肩書きをお持ちの方は無料で参加が可能(事前登録)。
  • TechCrunch Tokyo 2021のチケットを購入いただいている方(TechCrunch Tokyo 2021と続けて視聴できるので、新規にチケットを申し込みする必要はない)。

【事務局連絡先】

参加申し込みはこちら

AWSの新CEOアダム・セリプスキー氏は「re:Invent」で何を発表するのだろうか?11月29日開催

1年で最も魅惑的な時期がやってくる。いや、これから始まるホリデーシーズンのことではない。来週から始まる、AWSの年に一度のユーザー向け祭典「re:Invent」のことだ。このカンファレンスは、新機能や新製品が大量に発表される、毎回ニュースの多いイベントだ。AWSにとっては、プレス、顧客、パートナー、その他の関係者を集めてラスベガスでパーティーを行うときでもある。2021年は新たな趣向が凝らされている。

2020年は新型コロナウイルスの影響でバーチャルイベントとして開催されたが、2021年はラスベガスに戻ってきたことに加え、新CEOのAdam Selipsky (アダム・セリプスキー)氏が指揮を執る初めてのre:Inventとる。

セリプスキー氏は、Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏がAmazon(アマゾン)CEOを退任して取締役会長に就くことを発表し、ベゾス氏の後任として元AWS CEOのAndy Jassy(アンディ・ジャシー)氏がAmazon CEOに昇格した後、2021年初めにTableau(タブロー)からやってきてAWSの新CEOに着任した。

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経営陣のイス取りゲームがひと段落し、セリプスキー氏は今回のre:Inventでメインの基調講演を行うことになったが、彼が前任者の後釜を務めるのは大変だろう。ジャシー氏には、自分の会社の膨大な製品カタログを頭の中で整理し、それらすべてがどのようにつながっているのかを、即興のように語れるという不思議な能力があった。同じようなことをするのは容易ではない。

しかし、ジャシー氏は、Tableauの元幹部が自分の後継者になることを従業員に知らせるメールで、セリプスキー氏には彼自身の個人的な強みがあることを指摘している。

「アダムは、強い判断力、顧客中心主義、チームビルディング、需要創出、そしてCEOとしての技能を、すでに非常に強力なAWSの首脳陣にもたらすことになります。また、彼はかつてAWSで11年間、このような上級職に就いていたため、当社の企業文化とビジネスをよく理解しています」。

それは確かにすべて事実であり、彼が現在引き継いで運営している会社は、しっかりと市場を支配しているが、このような成功にもかかわらず、セリプスキー氏はAWSに自身の印を押し、ビジネスのやり方に手を加える準備を整えている可能性を示す徴候も見られる。

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例えば、先週Bloomberg(ブルームバーグ)が報じたところによると、セリプスキー氏はMicrosoft(マイクロソフト)やGoogle(グーグル)のクラウド作戦帳を参考にして、業界に特化したソリューションにもっと集中しようと考えているという。ジャシー氏の支配下では、このような戦略を避け、より総合的なアプローチを好み、具体的な対応はパートナーに任せるというやり方を採っていた。

セリプスキー氏は、TableauがSalesforce(セールスフォース)に買収された後、短期間在籍したSalesforceが業界主導のソリューションアプローチを好んでいたことから、AWSにとってもこれが良い方法であると確信したのかもしれない。しかし、それ以上に、彼が自分の指揮下でAWSを変えるつもりかどうかは明らかにしていない。もしかしたら来週には何かを変えようとするかもしれないし、あるいはまだ壊れていないもの、直す必要のないものを見極めているのかもしれない。

セリプスキー氏へのアドバイスを求めると、業界関係者の中にはすぐに答えてくれる人がいた。

Constellation Research(コンステレーション・リサーチ)のアナリストであるHolger Mueller(ホルガー・ミューラー)氏によれば、セリプスキー氏にまず最初にアドバイスしたいことは、AWSの増え続ける製品群を、よりシンプルで範囲を絞ったカタログに縮小することだという。「CTOたちは、開発者の創意工夫に頼らざるを得ないようなソリューションを避け、バージョン番号やロードマップが点と点を結ぶプラットフォームを提供しようとしています」と、ミューラーは語る。

第2に、ミューラー氏はクラウドの販売に関して、より企業に優しいアプローチをとること、つまりGoogleやマイクロソフト、あるいはIBMやOracle(オラクル)に寄せるやり方を提案している。同氏はさらに、Googleが行ってきたように、経験豊富な企業幹部をできれば採用することを提案し、特に、2018年にOracleから来たThomas Kurian(トーマス・クリアン)CEOや、2019年にSAPからグローバルクラウドオペレーションの社長として着任したRobert Enslin(ロバート・エンズリン)氏などの名前を例として挙げた。

Moor Insights & Strategy(ムーア・インサイツ&ストラテジー)の創業者で主席アナリストのPatrick Moorhead(パトリック・ムーアヘッド)氏は、いくつか異なる提言をしている。同氏は、Googleやマイクロソフト、Adobe(アドビ)などに対抗するために、スタックを上げてより多くのSaaSアプリケーションの開発に着手することを提案。さらに、競合他社が主導権を握ろうとしているハイブリッドにも進出して欲しいと考えている。

とはいえ、現在でもAWSは絶大な成功を収めており、直近の四半期報告書では161億ドル(約1兆8500億円)もの収益を計上している。しかし、セリプスキー氏自身は先週、BloombergのEmily Chang(エミリー・チャン)氏によるインタビューで、このような優れた競合他社が自分の会社を追いかけてきている中で、この成功がいつまでも続くと期待して安穏としているわけにはいかないと語っている。

「自分たちが反乱軍であるかのような行動を続け、現職者のような行動を始めないようにすることが本当に重要です」と、セリプスキー氏はチャン氏に語った。

それはともかく、今回のre:Inventで、セリプスキー氏はAWSの顔として初めての出番を迎え、メインの基調講演を行う。ジャシー氏の直属とはいえ、セリプスキー氏は彼自身で、この収益性の高い部門を成長させ続けるために何が重要だと考えているかを強調するだろう。それが何か大きな変化をともなうかどうかは、来週になればわかるはずだ。

画像クレジット:Ron Miller/TechCrunch

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(文:Ron Miller、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

特許庁、商標審査のための技術を公募する機械学習コンペティションを11月26日から実施

特許庁、商標審査のための技術を公募する機械学習コンペティションを11月26日から実施

特許庁は11月22日、初めての試みとなる機械学習コンペ「AI×商標:イメージサーチコンペティション」を実施すると発表した。図形商標の検索を行うためのAI技術を用いた、イメージサーチツールの開発を目的としている。採用された機械学習モデルは、特許庁の審査に試験導入される。賞金総額は50万円で、1位30万円、2位15万円、3位5万円となっている。

具体的には、類似する図形商標のデータを学習し、大量に存在する図形商標から類似画像を予測するモデルを開発するというもの。審査では、その精度が問われる。

参加資格は特になく、個人でも団体でも参加できる。参加希望者は、コンペの実施事業者であるNishikaでアカウント登録(無料)を行い、案内ページ(下記)から参加する。コンペのルールとしては、同一人物による複数アカウントからの参加は不可、オープンかつ無料で商用利用が可能なソフトウェアのみ利用可(Google Cloud Vision APIなど、有償のツールの利用は禁止)などがある。

https://www.nishika.com/competitions/22/summary

スケジュール

  • コンペティション開会式:2021年11月26日19時から20時
    開会式ライブ配信URLはこちら
  • コンペティション開始:2021年11月26日
  • コンペティション終了:2022年1月31日
  • 入賞者決定:2022年2月中予定

66の国・地域から200チーム以上が参加、小中高生の国際ロボットコンテスト「WRO 2021国際大会」で日本の4チームが入賞

66の国・地域から200チーム以上が参加、小中高生の国際ロボットコンテスト「WRO 2021国際大会」で日本の4チームが入賞小中高校生のための世界最大規模のロボットコンテスト「WRO」(ワールド・ロボット・オリンピアード)に日本から7チームが出場し、4チームが入賞を果たした。シンガポール・サイエンスセンターの提案で2004年から始まったこのロボット競技会には、7万5000人以上の参加者があるという。今回の「WRO 2021国際大会」は、66の国・地域から200チーム以上が参加した。

日本では、2008年にNPO法人となったWRO Japanが、科学技術振興財団と協力して子どもたちの科学技術への興味と意欲の向上や、ものづくり人材育成を目的とした活動を行っている。

WRO 2021国際大会は、11月18日から21日の4日間、コロナ禍の影響でオンラインで開催された。入賞したチームは以下のとおり。

レギュラーカテゴリー

レギュラーカテゴリーは、自律型ロボットをチームで製作し、それを使って競技を行うというもの。SSS(名古屋市立猪高中学校、名古屋市立香流中学校、名古屋市立守山北中学校)がジュニア部門5位、YTHS 60 tomes(愛媛県立八幡浜工業高等学校)はシニア部門5位を獲得した。

ジュニア部門5位入賞:SSS(名古屋市立猪高中学校、名古屋市立香流中学校、名古屋市立守山北中学校)

SSS(名古屋市立猪高中学校、名古屋市立香流中学校、名古屋市立守山北中学校)

シニア部門5位入賞:YTHS 60 tomes(愛媛県立八幡浜工業高等学校)

YTHS 60 tomes(愛媛県立八幡浜工業高等学校)

オープンカテゴリー

オープンカテゴリーは、テーマに従ったロボットを製作し発表するというもの。Y&E(札幌市立西野第二小学校、札幌市立平岡公園小学校)がエレメンタリー部門4位入賞、Deer Japan -Memories-(奈良教育大学附属中学校)エレメンタリー部門4位入賞となっている。
エレメンタリー部門4位入賞:Y&E(札幌市立西野第二小学校、札幌市立平岡公園小学校)

Y&E(札幌市立西野第二小学校、札幌市立平岡公園小学校)

ジュニア部門6位入賞:Deer Japan -Memories-(奈良教育大学附属中学校)

Deer Japan -Memories-(奈良教育大学附属中学校)

またDeer Japan -Memories-は、大会プレミアムスポンサーであるレゴデュケーションから、Creativity Awardも受賞した。