イーロン・マスク氏の2回目となる約2200億円ストックオプション獲得、取締役会の承認待ち

米国時間7月21日、Teslaは4カ月続いた高値の後、直近6カ月の平均時価総額が1500億ドル(約16兆円)を超え、理論的にCEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏の数十億ドル(数千億円)価値の権利確定オプションは解除された。

Reutersが最初に報じたように、Teslaが直近6カ月間時価総額1500億ドルを達成すると、マスク氏は2018年の株主総会で承認された前代未聞の報酬パッケージ12分割の2回目を手にする権利を得る。

その節目はTeslaが第2四半期決算を報告する予定日の前日に達成された。

この報酬制度(Teslaリリース)では、2030万株のストックオプションが169万株ずつ12回に分けて授与される。購入オプションはTeslaが定められた時価総額と調整後売上(株式報酬などの一時経費を除く)を達成したときに権利が有効になる。取締役会が節目を承認すれば、マスク氏は169万株を大幅に割引された1株あたり350.02ドルで購入できる。

米国時間7月22日の株価である1568.36ドルに基づくと、マスク氏は169万株を約21億ドル(約2200億円)で売却できる。ちなみに最初の分割分をロック解除した最初の節目は、Teslaの取締役会が5月に承認している。つまり理論的にマスク氏は、本日の株価に基づくと42億ドル(約4500億円)の利益を得られる。しかし、そこには重要な落とし穴がある。マスク氏はこの2018年CEO実績報酬の権利行使で獲得したいかなる株式も、行使後5年以上保持しなければならない。

SEC(証券取引委員会)の登録情報によると、マスク氏は上記したいずれのオプションも行使していない。

ストックオプションの最初の分割分を獲得するためには、Teslaの時価総額が直近6カ月平均1002億ドル(約11兆円)を超えることに加えて、年間売上200億ドル(約2兆1000億円)あるいは調整後EBITDA売上15億ドル(約1600億円)のいずれかを達成する必要がある。その次の節目に達するためにはTeslaの時価総額がさらに500億ドル(約5兆3000億円)増加し、売上350億ドル(約3兆7000億円)または調整後EBITDA売上30億ドル(約3200億円)を超えなくてはならない。

第3分割分の資格を得るには、Teslaの6カ月平均時価総額2000億ドル(約21億円)および売上550億ドル(約5兆9000億円)または調整後EBITDA売上45億ドル(約4800億円)のいずれかが満たされる必要がある。

画像クレジット:Saul Martinez / Getty Images

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マスク氏の「Semiトラック大量生産」メモでテスラ株価が1000ドル超え

Tesla(テスラ)のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏がメモの中で、3年近く前に発表した電動大型トラック(クラス8)のTesla Semiについて「『全力を尽くし』て大量生産を開始するときだ」と述べた。

従業員向けのメモについてはCNBCが最初に報じた。TechCrunchもこの短いメモを確認したが、大量生産がいつ始まるかなどの詳細は書かれていなかった。マスク氏はメモが事実であることをTwitter(ツイッター)で認めた。

漠然とした内容のメモと、メモを認める「イエス」という言葉はウォール街にとっては十分なものだった。テスラの株価は米国時間6月10日朝に6%超上昇し、1000ドル(約10万6960円)を超えた。米国東部時間午前10時50分時点で1009.84ドル(約10万8000円)だった。同社の時価総額は今や1870億ドル(約20兆円)超となった。

「Tesla Semiは限定的に生産されてきた。これにより、デザイン面で多くの点を改善できた」とマスク氏はメモで述べた。バッテリーとパワートレインはネバダ州スパークスにある同社のギガファクトリーで生産される。マスク氏はトラックそのものがどこで生産されるのか言及しなかったが、他の作業はおそらくネバダ州以外で行われる、とメモに記した。

メモ全文は以下のとおりだ。

Tesla Semiを大量生産すべく、全力投球するときだ。これまで限定生産されてきたが、これによりデザイン面で多くの点を改善できた。バッテリーとパワートレインの生産はネバダ州のギガで行われ、その他のほとんどはおそらく他州でとなる。ジェロームと私はこの素晴らしいプロダクトをマーケットに投入するためにあなたたちと共に働くことを楽しみにしている!

最終組立てがどこで行われるかTwitterで聞かれたマスク氏は「いずれわかる」と答えた。

Tesla Semiは2017年11月にデビューしたとき、大評判となった。発表の際、マスク氏はSemiがModel X、Model S、Model 3のような走りになると約束した。またこのトラックには驚くべきスペックが備わっていた。そのうちの1つが、フル積載状態で時速65マイル(105km)で走行したときの航続距離が500マイル(約805km)というものだ。

SemiはすぐさまModel 3の影に隠れた。Model 3は数カ月も生産が追いつかなかった。そしてModel Yがデビューし、生産が始まった。そのうちSemiはTeslaの決算報告から姿を消した。

今年初めの第4四半期決算で、同社はそれまでの数カ月で初めてSemiについてアップデートし、「今年台数限定で生産する計画だ」と述べた。

その後同社は直近の四半期決算発表の中で、Semiの生産・販売時期を2021年に後ろ倒しにすると明らかにした。当初の目標から2年遅れとなる。

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テスラ取締役会がイーロン・マスク氏の832億円以上の報酬を承認

Tesla(テスラ)の取締役会は、CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏に数十億ドルが支払われる空前の報酬パッケージの第1回ぶん(7億ドル以上の価値)を支払う重要財務事項を承認した。同社が5月28日に米国証券取引委員会(SEC)に提出した書類による。

この決定によって同氏は第1回ぶんとして約169万株を大幅な割引価格で購入する権利を得た。同社株の5月28日の終値805.81ドルに基づくと、価値は7.75億ドルになる。同氏はこのストックオプションを1株当り350.02ドルで購入できる。

「この説明書の日付をもって、この報酬の12回分割の1つが授与・行使可能となり、マスク氏の行使価格は1株当り350.02ドルで、同氏が権利を行使して購入した株式には最低5年間の猶予期間が適用される」とSEC提出書類に書かれている。

この報酬計画は2018年に株主総会で承認され、2030万株の購入権が169万株ずつ12回に分割された。購入権はテスラの時価総額、売上および調整後利益(株式による報酬などの一時的費用を除く)が決められたマイルストーンに達した場合、12回に分けられて有効になる。

取締役会と株主がこの計画を承認した時点で、同氏は新株が発行されなければ理論的に560億ドル近くを手にすることができた。しかし、昨年テスラは27億ドルの株式と転換社債を売却したことを当時ロイターが報じた

ストックオプションの1回目を手にするには、テスラが時価総額6カ月平均1002億ドルに達し、年間売上200億ドルまたは調整後EBITDA 15億ドルを達成しなくてはならない。次回を受け取るためには、テスラが時価総額 500億ドルを上積みし、売上350億ドルまたは調整後EBTDA 30億ドルを達成しなければならない。

取締役会は時価総額と売上のマイルストーン達成を承認した。もう1つのマイルストーンである調整後EBITDA 15億ドルも達成されたが、取締役会による正式な承認が必要になるとSEC提出書類に書かれている。

Tesla SEC May 2020

画像クレジット: Screenshot/SEC filing

マスク氏がストックオプションを行使するためには、取締役会がそれぞれのマイルストーンの達成を承認する必要がある。12回すべてを行使するためには、テスラの時価総額が6500億ドルに達しなければならない。

同氏はこれまでに給与を受け取ったことがない。代わりに、株主の承認を得て、株式ベースの報酬制度を選んだ。前の株式報酬制度で同氏は、2012年に約7800万ドル相当のストックオプションを受け取ったが、テスラが生産台数と時価総額のマイルストーンを達成したあとに与えられたものだった。

2018年のCEO報酬制度は、マスク氏が次の10年間テスラに所属することを保証しただけでなく、重点が置かれているのは時価総額と売上であり、必ずしも利益ではない。

提出書類によると、テスラの定時株主総会は7月7日に予定されている。

画像クレジット:Yichuan Cao/NurPhoto / Getty Images

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テスラがアラメダ郡の命令に反して工場を再開

5月11日、Tesla(テスラ)CEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、アラメダ郡の外出禁止令を無視して、カリフォルニア州フリーモントの工場で生産を再開したと語った。

マスク氏は同日午後のツイートで、自分は「ラインにいる」と言い、テスラがModel X、Model S、Model 3、およびModel Yを作っている工場の組立ラインを指した。そして、「もし誰かが逮捕されるなら、私だけにしてほしい」と付け加えた。

マスク氏の行動は、数日前のTwitterでの爆弾発言や訴訟に続くもので、すべてはアラメダ郡当局に同社の工場再開を認めさせるための圧力が目的だ。

アラメダ郡、フリーモント市、および本件を管轄するフリーモント警察署はいまもテスラと交渉を続けている、とアラメダ郡保安官事務所広報官のRay Kelly(レイ・ケリー)軍曹がTechCrunchに語った。

テスラとマスク氏はコメント要求に応じなかった。

5月9日にテスラはアラメダ郡に差止請求の訴訟を起こした。同社の操業再開を阻止する命令を無効化すたるためだ。その日の夜、同社は37ページの文書からなる作業再開計画を発行し、従業員の安全を守り、新型コロナによる感染拡大を防ぎながら生産を再開する同社の意向を説明した。

同社は、カリフォルニア州Gavin Newsom(ギャビン・ニューサム)知事が工場の操業再開を認める指導を行ったことを受け、再開計画の一環として8日に工場労働者の約30%を戻す計画だった。しかし、知事の指導には、地方自治会がより厳格なルールを制定する可能性があることが警告されていた。アラメダ郡は、ベイエリアの各郡と同様に外出禁止令を5月末まで延長している。命令は改訂され一部の制約が緩和された。しかし、製造業に対する命令は解除されていない。

11日、ニューサム知事は恒例の新型コロナウイルス(COVID-19)説明会の席上、テスラとマスク氏への支援を表明し、アラメダ郡と同社の問題は数日以内に解決することを信じていると語った。

「私は長年アーリーアダプターやテクノロジーの強い支持者であり、テスラだけでなく創業者のことも何年も何年も前から知っている」とニューサム氏は語った。「彼らのテクノロジー、彼らのイノベーション精神、そして彼らのリーダーシップには強い尊敬の念を持っている。そしてこの郡レベルの問題にアラメダ郡とテスラとともに取り組むことで、数日のうちに解決できることを大いに期待している」。

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テスラ工場の再稼働阻止を受け「本社と将来の事業基盤をカリフォルニアからテキサスかネバダに移す」とマスク氏

Tesla(テスラ)のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は米国時間5月9日、米国カリフォルニア州アラメダ郡に対して訴訟を起こすと語り、同社の本社および将来の事業拠点をテキサス州またはネバダ州に直ちに移転すると息巻いて、フリーモント工場の再稼働を巡る衛生当局との闘いを激化させた。

テスラは再稼働計画の一環として、アラメダ郡の外出禁止命令に反し、5月8日に工場労働者の約30%を呼び戻す計画だった(アップデート:テスラはその後アラメダ郡を訴訟し、郡の命令を無効とし同社の操業再開を認めるよう主張した)。

アラメダ郡公衆衛生機関と保健所はこの訴えに対して声明を発表し、同機関は「現地フリーモントのテスラチームと直接密な連絡を取り合っている」と語った。彼らはこれを「テスラの工場で働く何千人もの社員の健康と安全を守るための協力的で誠実な取組みである」としている。

同機関は、当局の指導や助言をテスラは迅速に受け入れており、合意に達することを期待している、と語った。カリフォル州のギャビン・ニューサム知事は5月7日に、メーカーの稼働再開を認める新たな指針を発表した。マスク氏はこの決定を歓迎し、後に社員宛てのメールで、州当局の変更された指針に従って再稼働する計画を伝えた。しかし州知事の指針には、各地方自治体がより強い規則を施行できるという警告が盛り込まれていた。先月末アラメダ郡を始めとする湾岸のいくつかの郡や市は、外出禁止命令を5月末まで延長した。その後命令は改訂され一部の制限が緩和された。しかし、製造業に関する命令は取り下げられなかった。

5月7日アラメダ郡保健所は、テスラの再稼働に「ゴーサイン」は出していない、強行すれば命令違反になると語った。マスク氏はツイートで、テスラは直ちにアラメダ郡を訴えると語り、その後のツイートで株主に対して郡を訴えるよう呼びかけた。

「選挙で選ばれていない無知なアラメダ郡「暫定保健衛生官」の行動は、州知事にも、大統領にも、憲法で守られた我々の自由にも、そして当たり前の常識にも反している!」と彼はツイートした。さらに同氏は別のツイートで、テスラは本社と将来の事業基盤をテキサスまたはネバダに直ちに移転すと語った。

「フリーモントでの製造が少しでも残るかどうかは、今後テスラがどう扱われるかによる。同社はカリフォルニア州最後の自動車メーカーだ」とマスク氏は書いた。

フリーモント市のリリー・メイ市長は9日、マスク氏のツイートの後、外出禁止命令の下でテスラのような主要製造会社が操業再開する方策がなかった場合に、地域経済が受ける打撃の可能性を懸念していると語った。

「多くの必要不可欠な事業者が、厳格な安全基準とソーシャルディスタンスを守ることで無事操業できることを証明している」とメイ市長は声明で語った。「私は製造業についても同じことができると信じている、我々の雇用基盤にとってきわめて重要な企業であればなおさらだ」。

メイ市長はアラメダ郡に対し、地元企業と協力して地域経済再開のための適切なガイドラインを制定するよう促した。「過去10年間実施してきたように当市はテスラが自動車製造の操業を再開すれば直ちに支援する準備できており、我々フリーモントのコミュニティーを安全に保つ思慮深く公正な取組みを約束する」と語った。

パロアルト市のエイドリアン・ファイン市長もテスラへの支援をツイートで表明した。「最先端企業が地元に拠点をもち、人々を雇い、税金を払い、気象危機の解決に協力していることことを心から喜んでいる」とファイン市長は個人アカウントからツイートした。

テスラはネバダ州ではすでに操業しているがテキサス州には拠点を持っていない。ただし、マスク氏の所有するSpaceXはテキサスに事業所がある。テスラの巨大バッテリー工場であるGigafactory 1(ギガファクトリー1)はネバダ州スパークスにある。テスラは全電動トラックのCybertruck(サイバートラック)とTesla Model Yクロスオーバー車(都市型のSUV)を生産する新たな米国ギガファクトリーの建設場所を探している。テキサスが第1候補だと憶測する向きもある。

複数の情報筋が、テスラはテネシー州ナッシュビル当局と、CybertruckとModel Yクロスオーバー車を生産する工場建設について協議しているとTechCrunchに伝えた。

「CybertruckとGigafactoryの場所を探している。米国中央部になるだろう」とマスク氏は3月にツイートした。同氏はその工場が東海岸市場向けのModel Yクロスオーバー車の生産に用いられるだろうと付け加えた。Model Yの最初のモデルはフリーモント工場で現在製造されている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

イーロン・マスク氏が天文観測の邪魔をしないStarlink衛星の新機能を解説

今週開かれたバーチャル記者会見で、SpaceXの創設者でCEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は、同社のStarlink衛星のコンステレーションが夜間の天文観測を邪魔しないようにする新計画の詳細を解説した。マスク氏は、以前、衛星の視認性を低減させるための「サンバイザー」を作るつもりだとTwitterで明かしていたが、その仕組みや以前にSpaceXが試した黒く塗る方法と比較してどうなのか、詳しいことをマスク氏もまだわかっていなかった。

Space Newsの記事によると、SpaceXの新しい「VisorSat(バイザーサット)」のアイデアは、基本的にサンバイザーで太陽の直射光をブロックし、衛星に搭載されている反射率の高いアンテナに光が当たらないようにして、反射光が地上に届くのを阻止するというものだ。その反射光が、夜空の明るい光として見える原因になっている。

将来のStarlinkに追加予定のこの新しいハードウェアは、その他の対策を補完するものでもある。その1つが、打ち上げ後に目標の軌道にのるまで、特に地上から見えやすくなる期間に衛星の向きを変えるという対策だ。全体的なゴールは「1週間以内に衛星を肉眼では見えないようにして、天文学への悪影響を最小限にする」ことであり、コンステレーションによるいかなる影響も科学者や研究者による新発見を妨害しないよう重点的に取り組むことだと、マスク氏は言う。

Starlinkコンステレーションを見えにくくするSpaceXの最初のテストでは、反射しやすい表面を暗い色で覆う方法に重点が置かれていた。テスト当初はある程度の効果が示されたものの、VisorSat方式の方が効果的であり、明るさを少し下げるといった程度ではなく、大幅に低減してくれるものだとマスク氏は確信している。

今のところSpaceXは、次のStarlinkの打ち上げでVisorSatシステムをテストしたいと考えている。2020年に入ってからこれまで、月に1度のペースで打ち上げが行われてきた。だが、このシステムには機械工学上の問題が残されている。太陽の直射光を遮る日よけを飛行中に展開する必要があるのだが、それはまったく新しい装置だ。しかもStarlinkの本来の仕事を邪魔しないよう、日よけの素材は電波を通すものでなければならない。そうでなければ、地上の利用者に低遅延の高速ブロードバンドを提供できなくなってしまう。

これがうまくいけば、その後のStarlink衛星にはVisorSatが搭載されることになる。ちなみに、現在軌道上にある衛星は比較的寿命が短く、それらに対策を施さなくても、ほんの3、4年で運用を終えて軌道から落ちることになっているとマスク氏は話す。そのころには、さらに工学的に進歩した衛星に置き換わっているはずだという。

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(翻訳:金井哲夫)

NY市長がイーロン・マスク氏に人工呼吸器の製造を依頼

ニューヨーク市長のBill de Blasio (ビル・デブラシオ)氏はTesla(テスラ)やSpaceX(スペースX)のCEOを務めるElon Musk(イーロン・マスク)氏に、人工呼吸器の製造を直接頼み込んだ。新型コロナウイルス(COVID-19)対応に追われる病院での不足を緩和するためだ。

18日夜から始まったTwitter上でのマスク氏と、著者でFiveThirtyEight主筆のNate Silver(ネイト・シルバー)氏の議論を受けて、デブラシオ氏がツイートした。

これまで従業員へのメールやソーシャルメディア上で新型コロナウイルスを軽視していたマスク氏だが、3月18日夜に「不足しているのならテスラは人工呼吸器を製造する」とツイートした。シルバー氏は「すでに不足が生じている。どれくらい製造できる?」と返した。

その後マスク氏は「人工呼吸器の製造は難しくない。しかしすぐに製造できるものではない。あなたが言う、現状不足しているのはどこの病院なのか」と尋ねた。このツイートにメディアや公衆衛生当局、議員たちが反応した。議員の中には、オレゴン州には688台の人工呼吸器があると明らかにした共和党議員のJulie Fahey(ジュリー・フェイヒー)氏も含まれる。

そして19日朝、デブラシオ氏は「我々の国は深刻な不足に直面している。可能な限り早く人工呼吸器が必要だ。今後数週間でNY市は何千台もの人工呼吸器が必要になる。できる限り早く確保するが、あなたにお願いすることになるかもしれない!」。

市長室はマスク氏のファミリーオフィス担当者や広報ディレクター、ロビイストに連絡を取った、と秘書のFreddi Goldstein(フレッディ・ゴールドステイン)氏は電子メールでTechCrunchに述べた。「Twitter上の内容からして、マスク氏が手助けしてくれると期待している」とも語った。

新型コロナウイルスに関するマスク氏のツイートや従業員への電子メールは医療福祉やメディア、ビジネス界の人々から批判された。マスク氏の新型コロナウイルスを軽視する態度は悪影響を及ぼすという主張だ。

マスク氏はまた、現在屋内退避指示が出されているアラメダ郡に立地しているにもかかわらずカリフォルニア州フリーモントの工場を稼働させ続けていることでも非難されている。新型コロナウイルスの世界的な拡大のため、屋内退避指示ではバーやジム、レストラン(店内での飲食)を含む必要不可欠ではない事業は閉鎖しなければならない。

テスラの工場や多くの施設がフリーモント内やその周辺にあるが、フリーモントはアラメダ郡内にある。3月17日にアラメダ郡の保安官は「テスラの工場は必要不可欠ではなく、同社は屋内退避指示に従わなければならない」と宣告した。

18日に従業員宛てに送った内部電子メールの中でテスラは、アラメダ郡の屋内退避指示発令中に工場を稼働させることができるかどうかに関して政府のいくつかのソースが出しているガイダンスと相容れないため、フリーモント工場では生産を続けると述べた。

屋内退避指示にもかかわらず、人事部門は従業員に生産、サービス、納車、車両テストを業務としているなら出社するよう伝えた。

CNBCは、郡の指示への協力を協議するためフリーモント市当局がTeslaの工場マネジャーと19日に会う予定だ、と報道した。

しかし18日夜遅くに別のメールが送信された。工場が「必要不可欠な」従業員のために稼働する間、TeslaはCOVID-19の拡大を抑制すべく追加の措置を取るというものだ。

TechCrunchも確認したこのメールでは、フリーモント工場の従業員に終日つけるマスクをTeslaが提供すること、工場内に衛生ステーションを増設すること、可能な限りソーシャルディスタンス(他人との距離)を取れるようオペレーションの配置を変えること、作業エリアの清掃の回数を増やすことを伝えている。

深刻な不足

GMやFordを含む車メーカーが、工場で重要な医療機器を製造しようとホワイトハウスとすでに協議していると報道されている。病院が急いで確保しようとしている医療機器は人工呼吸器だけではない。N95マスクも不足している。

ホワイトハウスは、ヘルスケア職員にとってかなり重要なセーフガードとなると考えられるN95産業用マスクの製造元と協議していると話した。マイク・ペンス副大統領は、新型コロナウイルスに関して毎日開かれるようになった会見で3Mがマスク生産量を1月から月3500万枚に増やしている、と述べた。「生産は急激に増えている」とペンス副大統領は語った。

Honeywellもまたマスク生産を年間1億2000万枚へと増やしている。この増産されているマスクは不足に直面している何千もの病院のほとんどに届いていない。マスクに加え、その他の防護用品などの減少も報道されている。ペンス副大統領は、N95マスクを病院に寄付するようホワイトハウスの呼びかけに建設会社も応じている、と語った。

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(翻訳:Mizoguchi

SpaceXは2020年の軌道飛行までに大量のロケットを建造し改良を重ねる

SpaceXの創設者Elon Musk(イーロン・マスク)氏は、今週、同社のStarship(スターシップ)の進捗に関する更新情報をいくつか発表した。「SN1」の建造風景の動画をはじめ、新しい宇宙船の開発と年内に宇宙に飛ばす計画を進める中での考え方や、同社が取り組んでいる戦略についてツイートした。

マスク氏によれば、SpaceXは、このところ一貫した性能を示すようになり多少安定してきたFalconに比べて、Starshipの改良はずっと早いサイクルで進んでいるという。

デザインを量産型宇宙船に向けて進歩させる能力は、宇宙船の試作機と関わる回数、つまり各バージョンの間で達成された進歩の数によって決まると彼は書いている。

それはSpaceXが過去に行ってきたことであり、従来のロケット打ち上げ業界を引っ繰り返せた大きな要因でもある。すばやく行動し、何度もやり直して、早く失敗を重ねた経験から前進し変化していく。従来の業界は、寿命の長い宇宙船の世代間における改良に焦点を当ており、ほとんどの物事が短期間に固定されている状況で開発を行い、また休みという繰り返しに大きく偏っている。そこが違うところだ。

一方、Starshipは、巨大であるという点だけでも、今回のモデルがSpaceXにとって最大のチャレンジとなっている。現在のところ、StarshipはSpaceXにおける最大のロケットだが、それを短期間に何基も建造するというのは、工学的な観点からだけでも、実際に驚異的な冒険だ。世代間の改良点の多さや、最終的にSuper Heavyロケットブースターを取り付けることを考慮に入れるとなおさらだ。

サイズの大きさに加えて、この宇宙船にはSpaceXが目指している完全に再利用可能であることを目指しているため、次のフライトまでにすばやく開発を進めなければならないという性質もある。1回だけの使い切りロケットを作るのなら実に簡単(もちろん比較的という意味)だが、数十回あるいは数百回と再利用できるロケットの建造は、まったく別の話となる。

2019年、Starshipの完全な実物大試作機を初めて披露したとき、マスク氏は、わずか6カ月以内で軌道に載せると話していた。これもまた次第に、SpaceXの創設者からのきわめて楽観的なスケジュールに思えてきた。現在のSN1は、まだ軌道よりも低い高高度の飛行を目指している段階で、実際に宇宙に到達するのは次回以降のバージョンとされている。科学ニュースサイトArs Technica(アーズ・テクニカ)のEric Berger(エリック・バーガー)氏によれば、宇宙に行くのはSN3、SN4、またはSN5だとマスク氏は示唆しているという。

バーガー氏はまた、SpaceXは、軌道に乗せるStarshipの試作機の打ち上げには、3つあるオプションのうちの1つを考えていると伝えている。それは、同社のRaptorエンジンを6基使うというものだ。また打ち上げ場所は、Starshipが建造されているテキサス州ボカチカ(これが最も有力)、SpaceXがFalconロケットのための発射施設を所有しているフロリダ、第三の選択肢として、洋上の浮体式発射台のいずれかになる。

2020年内に軌道に乗せるつもりならば、SpaceXは試作機の建造、テスト、飛行のサイクルを早める必要がある。そのため同社は、生産をスピードアップするための増員も行っている。2020年の初め、マスク氏は製造シフトを増やして24時間体制を敷くための人材募集の呼びかけを行った。2月初めには、同社のテキサス州の施設にて就職希望者の面接会を開いている。

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(翻訳:金井哲夫)

公道を走るCybertrucの投稿動画から浮かび上がる疑問

ロサンゼルスを走りまわる「Tesla Cybertruck」(テスラ・サイバートラック)のビデオが投稿された。イーロン・マスク氏が運転しているとも言われるが、実際に彼がこのビデオに映った車のハンドルを握っていたかどうかの確認は取れていない。それでも、このビデオから、いろいろわかることもある。

1つには、まだミラーがないこと。米国の法令では、乗用車には室内と運転席側の側面にミラーが必要とされている。このビデオのCybertruckには運転席側にミラーがない。

Cybertruckを発表したとき、マスク氏は後方の視界を確保するためにビデオカメラを使っていると語っていた。それは、他の自動車メーカーもやろうとしていること。キャデラックは、すでに何年も前からやっているし、実用化されている。

だとしても、運転席側にミラーがないのは大きな問題だ。発表会でお披露目された車にもミラーはなかったが、このビデオに映った車にもない。サイドミラーの代わりにカメラで撮影した映像を使う可能性もあるが、そうした発表はなされていない。Audi(アウディ)など、他の自動車メーカーは、ヨーロッパではカメラを使い始めているが、米国仕様では物理的なミラーが不可欠となっている。

2つ目は、車体のロールが激しいこと。このビデオでは、ドライバーは大きく左折して通りに出ている。その際、Cyber​​truckの車体はかなり大きく右に傾いているように見える。ちょっとやそっとではない。

Cybertruckも、他のすべてのテスラ車と同様、底部にバッテリーを搭載している。そうすることで、大きな重量物を底部に集中させ、重心を低くして、車に安定感を与えることができる。Tesla Model Xの場合、これによって、側面から衝突されても、横転を防ぐ素晴らしい効果が得られている。

Cybertruckは、認可されているより広いトレッド幅なのに、車体のロールは大きい。発表会で公開されたCybertruckのタイヤは、明らかにフェンダーから飛び出していた。米国の法規では、タイヤはフェンダーで覆う必要がある。従ってこれも違反状態だ。テスラは、最終バージョンでは、これを補正してくると考えられる。これまでは、ステージ上での見栄えを良くするためとテスト中の安定性を確保するために、こうなっていると考えられていた。この最新のビデオでは、まだCybertruckのタイヤはフェンダーから突き出している。現状で、どの程度タイヤがはみ出しているかは分からないが、路上のカラーコーンを蹴散らして行ったところを見ると、それなりに飛び出ているようだ。もしCybertruckのトレッド幅が狭められたら、車体のロールはさらに大きくなるのではないだろうか?

そして、ドライバーは赤信号を無視して行ってしまった。Cybertruckは、交通信号などない未来の世界の乗り物なのだから、それも当然だろう。

  1. cybertruck-3

  2. Starship-Cybertruck

  3. Cybertruck

  4. Cybertruck-6

  5. Cybertruck-5

  6. Cybertruck-4-1

  7. Cybertruck-1

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

イーロン・マスクが英国人潜水夫への暴言に法的責任はないと裁定

米国時間12月7日、ロサンゼルス連邦裁判所は3日間の裁判を終え、Elon Musk(イーロン・マスク)氏に名誉毀損の法的責任はないと評決を下した。マスク氏はロサンゼルス近郊に住宅6戸を所有していると言われており、SpaceXとTeslaの両社をここで経営している。

英国の潜水夫であるVernon Unsworth(ヴァーノン・ウンズワース)氏は、2018年にマスク氏が同氏について、小児愛好者を意味する「ペド野郎」とツイートしたことに対して裁判を起こした。何がおきたのか?2018年7月にタイの洞窟で洪水に取り残された少年サッカーチームを救うために、マスク氏と社員がミニ潜水艦/脱出カプセルを作った後、マスク氏と面識のない潜水夫で洞窟に関して特に知識を有するウンズワース氏が、CNNのインタビューでマスク氏の行動について聞かれ「売名行為だ」と発言した。

ウンズワース氏は記者に対して、マスク氏は「その潜水艦を自分の痛い部分に差し込むといい」と話した。その直後にマスク氏は「ツイート」ボタンを押し、今や悪名高いあの侮辱的言動を発信した。
マスク氏が自らの行動に輪をかけるように、2018年にBuzzFeed宛てのメールでウンズワース氏を「小児強姦魔」と評したことで、ウンズワース氏は裁判を起こした。同氏は今週法廷で、マスク氏に「小児愛好者の烙印を押されて」以来、「傷つけられ、英国にいても孤独を感じる」と訴えた。

ウンズワース氏は潜水夫であると共に英国とタイの両国で金融コンサルタントとして活動しており、この裁判で実際の損害に加えて想定および懲罰賠償金としてマスク氏に1.9億ドル(200億円)を要求していた。実際、原告側は今週の裁判中にマスク氏の純資産をTeslaとSpaceXの持ち株から約200億ドル(約2兆1700億円)と推計し、要求している額はマスク氏にとって雀の涙ほどであることを指摘した。

裁判中マスク氏は自身の「ベド野郎」(Pedo Guy)ツイートについて謝罪を繰り返し、本当は「気味の悪いじいさん」と言いたかったのだと語った。マスク氏の弁護人はマスク氏の短気を擁護し、ある時ウンズワース氏に向かって「あなたはマスク氏がこの潜水艦を子供たちの命のことを考えずに送るほど冷徹な人間だと本当に思いますか?これが単なる売名行為だったと言ったことをマスク氏に謝罪する気持ちはありますか?」と話した。ウンズワース氏はこれを拒絶し、彼の侮辱は「潜水艦に対してでありマスク氏個人ではない」と語った。

最終的に法廷は、マスク氏の爆発は事実の表明ではなかったと結論を下した。CNBCは別の記事で、この裁定はツイートに対する一般個人による初めての訴訟であり「オンラインでの誹謗中傷に関する先例」となる可能性があると報じた。これがマスク氏をつけ上がらせるかどうかは別の問題だ。マスク氏は熱烈なTwitterユーザーであり、自身のツイートで窮地に陥ったのはこれが初めてではない。

昨年の証券取引委員会(SEC)とのツイートに関わる戦いで、マスク氏は2000万ドル(約21億7100万円)とTeslaの会長職を最低3年間を失うことになった。

当時の示談の一環としてマスク氏は、Tesla投資家にとって「重要な」情報を含むソーシャルメディア投稿を発信する前に、事前承諾をとることを規定する条件にも同意した。そして今年4月に両者は条件を改定し、マスク氏が外部の承認を得ることなくツイートしてはならない内容の範囲を狭めた。

ウンズワース氏は裁判中には泣かないよう努めたと報じられており、「事実上、執行猶予のない終身刑を言い渡されたようなもの」だと語った。「非常につらい。屈辱的で恥ずかしく汚された思いだ」。同氏は地図を作成し、最終的に英国の潜水夫チームが少年サッカーチームを救出するのに役立った。同氏の栄誉はタイ政府および186名の人々から讃えられた。イーロン・マスク氏もその1人だった。

【訂正】当初の記事でウンズワース氏が救出チームの一員であったと報じたが、これは別の誤報に基づいたものだった。ワシントンポスト紙によると、実際には同氏の作った地図が潜水夫チームを洞窟の奥4 kmの少年たちが取り残された場所に導いた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

イーロン・マスク氏がフル電動トラック「Cybertruckの窓ガラス破壊の原因を説明

Tesla(テスラ)のCEOであるイーロン・マスク氏によれば、 Cybertruckの防弾ガラスにものの見事にヒビが入ったのは、先だって大ハンマーでボディー を叩いたのが原因だったそうだ。

我々が目撃したとおり、Cybertruckの窓ガラスに鉄球をぶつける実験は期待された結果にならなかった。ガラスには派手にヒビが入りステージ上の人間は皆動転した。マスク氏は思わず「オーマイガッ」と漏らした。

リアウィンドウも同じ結果だった。プレゼンが終わるまでトラックは窓ガラスにはヒビが入ったままの姿をさらした。マスク氏は後になって「順序を間違えた。まず鉄球をぶつけてから大ハンマーでドアを叩くべきだった」と述べた。

こちらがそのツイートだ。

そう、大ハンマーで叩いたことで窓ガラスの下部が割れてしまった。鉄球を跳ね返せなかったのはそれが原因だ。まず鉄球、それからハンマーという順序にすべきだった。この次は必す。

しかし順序がどうでも窓ガラスは保たなかったのでは?大ハンマーで叩いたのはフロントドアで、あれでリアウィンドウの窓ガラスが壊れたとは思えない。もっとも本当のところはテスラの社内のエンジアでないとわからないだろう。

マスク氏は発表イベントの後で社内テストの模様を収めたビデオを公開した。これは「イベントの直前」のもので、たしかに窓ガラスは何事もなく鉄球を跳ね返している。

イベント直前にフランツがCybertruckの窓ガラスに鉄球を投げつけているところ。量産までにさらに改良する予定。

また事後のコメントには「この事前のテストがステージ上での失敗の原因だ」と指摘するツイートもあった。つまり(ビデオのトラックがステージ上のトラックと同一個体だとして)鉄球を投げつけたときに窓ガラスに目に見えない微小な欠陥が生じたというのだ。.

理由はともあれ、ガラスは2回ともヒビが入り、トラックは(文字どおり)ダメージを受けてしまった。もちろんトラックの割れた窓はかっこうのインターネットミームの素材を提供したものの、この電動トラックへの高い関心は続いた。Cybertruckは2021年にならなければ生産を開始しないというのに、米国時間11月14日夜現在、20万人が返金可能な100ドルの予約金(総額2000万ドル)を支払ったという。テスラのことだから量産開始前に窓ガラスについてもなにか驚きの改良を加えてくることだろう。

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Teslaの欧州ギガファクトリーはベルリンに建設、とイーロン・マスク氏が明言

Elon Musk(イーロン・マスク)氏は現地時間の11月12日、ドイツで開催された表彰式で「Tesla(テスラ)の欧州ギガファクトリーはベルリンエリアに建設される」と語った。同氏はドイツの日刊紙BILD主催のゴールデン・ステアリングホイール賞の受賞式に出席していた。

フォルクスワーゲングループのCEOであるHerbert Diess(ハーバート・ディエス)氏とのステージ上でのインタビューで、マスク氏は「今夜は詳細を語るには時間がない。しかしベルリンエリアで、新空港に近い」と話した。

Teslaはまた、ベルリンにエンジニアリングとデザインのセンターを設置する。というのも、マスク氏によれば「ベルリンには世界で最も素晴らしいアートがある」からだ。

授賞式の後、マスク氏はTwitterで「ベルリンのファクトリーではバッテリー、パワートレイン、車両を製造し、まずはModel Yからスタートする」と詳細を少し明らかにした。

ディエス氏はステージ上で、電動化に業界を誘導したことでマスク氏に感謝の念を表した。その後、ディエス氏は「マスク氏とテスラが電動化に向けた取り組みを実証している」と語った。

なぜドイツの自動車メーカーが電動車両で遅れをとっているのか尋ねられたマスク氏は「ドイツがそう後塵を拝しているとは思わない」と話した。そして「世界で最も優れた車のいくつかはドイツ製だ」とも付け加えた。

そして「ドイツのエンジニアリングが抜きん出ていることは誰もが知っていて、それは我々が欧州ギガファクトリーをドイツに建設する理由の1つでもある」と語った。

画像クレジット:Tesla

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(翻訳・Mizoguchi)

SpaceXがFalcon 9ブースターの4回目の回収、フェアリングも再飛行と回収に成功

 SpaceXのStarlinkのミニ通信衛星衛星の大量打ち上げは計画どおり、60基を軌道に乗せることに成功した。今朝Falcon 9によって打ち上げられた60基は今年5月に打ち上げられた60基に続くものだ。前回までの打ち上げがテストだったのに対して、今回からは宇宙インターネット網を構成するStarlink衛星群の第一陣だ。

打ち上げは米国フロリダ州ケープカナベラルで実施され、Falcon 9の第1段ブースターは単なる「再」利用どころか、すでに3回打ち上げに用いられており、今回無事に地上回収に成功したことで4回目の宇宙飛行となった。これはSpaceX自身にとっても再利用回数の新記録だ。ブースターロケットについてSpaceXでは「最大10回の宇宙飛行に耐えるよう設計されている」と述べている。

今回SpaceXはペイロードを大気との摩擦から保護するフェアリングの回収にも成功した。これは大西洋を航行する回収専用船「Of Course I Still Love You」の船上に張り渡されたネットによってキャッチされた。SpaceXがファエリングの再飛行、再回収を試みたのはこれが最初だ(もちろん他の宇宙企業も試みていない)。前回のフェアリング回収は大型のFalcon Heavyによって中東上空をカバーする Arabsat-6Aを打ち上げた4月のミッションで実施された。 SaceXのCEOであるイーロン・マスク氏によれば、フェアリングの回収は1回ごと600万ドル(約6億5400億円)の節約となるという。

SpaceXでは当初からフェアリングの回収を図っていたが、最初の打ち上げでは海の状況やその他の理由で成功しなかった。

SpaceXは最終的に1万2000基程度の衛星によってStarlinkを構成する計画だ。この衛星コンステレーションは地球上のあらゆる場所でインターネットへのアクセスを可能にする。衛星群は軌道上を周回しながら次々に中継機能を別の衛星にスイッチしていく。これは地球の自転に同期する少数の大型静止衛星によって通信を行うのとはまったく異なるアプローチだ。赤道上空に静止する衛星によるカバー範囲は衛星の経度によって限定されるほか、高緯度地方では接続が困難になる。

今年、イーロン・マスク氏はStalinkを利用した最初のツイートを行っている。SpaceXでは今後6回の打ち上げによって米国とカナダのユーザーがStarlinkを利用できるにようにする計画だ。その後24回の打ち上げでサービスは全世界に拡大される。

【Japan編集部追記】打ち上げ、回収のライブビデオを含む記事はこちら

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ラスベガス地下の交通網構築を狙うイーロン・マスクのトンネル会社が130億円超を調達

有価証券報告書によると、Elon Musk(イーロン・マスク)氏のトンネル掘削・交通スタートアップThe Boring Companyが1億2000万ドル(約130億円)分の株式売却を通じて初となる社外での資金調達を行った。

株式売却の詳細は、Prime Unicorn Indexが入手した書類をレビューしたBloomberg Newsが最初に報じた。Boring Companyの広報によると売却株式への主要投資家は、8VC、Vy Capital、Craft Ventures、Valor Capital、そしてDFJだった。

マスク氏の長年の友人で、同氏が手がけるSpaceXやTeslaのアドバイザーで支援者でもあるSteve Jurvetson(スティーブ・ジャーベンソン)氏もまた、彼が所有するファンドを通じて投資した。

今回の投資の2カ月前には、The Boring Company(TBC)はラスベガスの地下に「People Mover」を建設して運営するという、4870万ドル(約53億円)の商業契約にこぎ着けた。ラスベガス観光局からの承認を受け、TBCは人々を運搬する地下ループシステムを建設する契約を5月に獲得した。

Campus Wide People Mover(CWPM)との名称がつけられたこのプロジェクトの初期のデザインは、現在拡張中でCES 2021の前に完成が予定されているラスベガス・コンベンション・センターにフォーカスしている。拡張後の新センターは200エーカーの広さとなる。ラスベガス観光局は、新ラスベガス・コンベンション・センターの端から端まで歩くと2マイルになると推定し、これにより交通手段の確保に駆り立てられた。

ラスベガスと契約してから、TBCはマスク氏のペットプロジェクトというステータスからスケールアップするのに雇用を強化している(TBCは何人雇用しているか公にしていないが、諸情報からすると80人超のようだ。ただし、SpaceXとTBCでオーバーラップしているという証拠もある)。

TBCは昨年、1億1300万ドル(123億円)近くを調達している。

イメージクレジット: The Boring Company

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(翻訳:Mizoguchi)

Microsoftがイーロン・マスクらのOpenAIに1000億円超を投資、Azueクラウドの人工知能化を目指す

Microsoft(マイクロソフト)はOpenAIに10億ドル(約1080億円)を賭けた。3年前に創立されたこのAIスタートアップのファウンダーにはイーロン・マスク氏をはじめとしてY Combinatorの前プレジデント、サム・アルトマン氏(写真左)などシリコンバレーの著名人が多数いる。

OpenAIの目的は人工知能をユーザーフレンドリーな方向に導くための研究・開発だ。マスク氏は「現在のAI開発の方向は人類の生存を脅かす問題に発展しかねない」と警告してきた。OpenAIはAIの暴走を防ぎ、責任ある開発を目指すという。

現地時間7月22日にMicrosoftとOpenAIは複数年に渡る「実際のコンピューティングを含むパートナーシップ」契約を締結したことを発表した。つまりこの契約で両社はMicrosoftのAzureクラウド向けに新しいAIスーパーコンピューティングテクノロジーを開発する。加えてOpenAIは 現在稼働しているサービスをAzureにポーティングする。またこの契約でMicrosoftはOpenAIの優先パートナー(Preferred Partner)に加わった。これは今後OpenAIが開発するAIテクノロジーの商用化にあたってMicrosoftらが優先的な取扱を受けることを保証する。

今回の発表にちりばめられた「独占的」や「優先的」という単語は興味深い。実はOpenAが創立されたときの理念の1つは人工知能の研究にあたっての自由な協力体制だったからだ。AI研究者は共同でj研究を行い、成果物も自由にメンバーが利用できることを意味していた。しかしいくつかの留保事項があった。プロジェクトの中OpenAI Inc.はNPOだが、子会社のOpenAI LPは営利企業だ。同社の定款の一部は「セキュリティー上の理由により」 非公開となっている。つまり同社の事業の一部は今後も公開されない。

Microsoftにとって今回の提携の目的はAzureに広範囲にAIプラットフォームを確立することだろう。これにより、AzureのスーパーコンピューティングテクノロジーをAIや総合機械知能の開発に役立てることができるようになる。OpenAIは総合機械知能の発展の中心的グループにMicrosoftを迎え入れることができる。発表によれば提携はAIにおける「安全性やセキュリティー上の懸念」を解消することを念頭に置いているという。もちろん10億ドルという資金も念頭に置いているだろう。

投資資金の使い道など詳細については不明ながら、OpenAIの共同ファウンダーでCTO(最高技術責任者)、Greg Brockman(グレッグ・ブロックマン)氏のアカウントから のHackerNewsへの投稿は「キャッシュによる投資」だとしている。

Update記事公開後にOpenAIから連絡があり、投資の内容が多少明らかになった。OpenAIの共同ファウンダー、CTOのブロックマン氏のコメントは以下のとおり。

今回の投資は全額キャッシュでOpenAI LPに対するもので、リミテッドパートナーシップに対する標準的な出資確約(Capital Commitment)だ。すなわち今後複数年にわたって我々の求めに応じてMicrosoftが必要なを出資することとなる。我々はこれを5年以内と予定しているが、それより短い期間に出資が完了する可能性がある。

OpenAIは創立時に10億ドルをマスク氏、アルトマン氏らから確保している。共同ファウンダーには前述のブロックマン氏に加えて、LinkedInの共同ファウンダーであるリード・ホフマン氏、YCの共同ファウンダーであるジェシカ・リビングストン氏、ベンチャー投資家のピーター・ティール氏、AWSらが名前を揃えている。AWSの存在はAzureとの関係で興味深い。 Infosysと YC Researchは数年といった短い期間では出資金を全額使うのは難しいだろうと予測していた。

画像:Microsoft

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

SpaceXの宇宙船、Starhopperがテスト中に火だるま、損害は不明

イーロン・マスク氏のSpaceXが開発中の宇宙船、Starshipの小型プロトタイプ、Starhopperが地上でのエンジンテスト中に大火球に包まれた。燃料漏れなのかもしれないが今のところ原因は不明だ。それ以外の部分ではテストは成功だったようだ。Starhopper自体にどの程度の損害があったのか、そもそも損害があったのかどうかもまだ発表がない。

StarhopperはStarship宇宙船のミニ版で地上テストだけでなく、地上に係留されたまま軽く飛び上がるするテストも実施されている(ホッパーというニックネームはここから来ている)。組み立てと実験はテキサス州ボカチカのSpaceXの施設で行われていた。

starhopper

ロケットはステンレス製のため巨大なおもちゃのように見えるが、実際に飛行できる。今週には地上係留なしで20mほどホップすることが計画されていた。しかし昨夜の火だるまからすると何か問題があったようだ。

hopper fire

エンジンの噴射が終了した後も基部で炎が見え、そこに液体(水だろう)が噴射されていた。その後ロケットは大火球に包まれるた。この一部始終はEveryday Astronautが4Kスローモーションで撮影していた。

いかにステンレスが耐熱性が高いといってもこんな具合に火の玉に包まれるのは具合が悪い。エンジンテスト終了後、なんらかの理由で燃料を排出、これが空気より軽い引火性の気体となってロケットを包みこんだのだろうという推測がある。水噴射が逆に着火のきっかけとなったのかもしれない。翌日撮影された写真ではロケットにススなどの付着も見られず、外観には特に異常は認められなかった。

しかしこのような事故は大掛かりな見直しにつながる。別のビデオを撮影していたLabPadreのツイートによれば、地元当局は「SpaceXは付近の道路その他を閉鎖した」と語ったという。つまりStarhopperのテストは当面中止されたわけだ。

私はSpaceXに取材を申し込んであるので何か分かり次第アップデートする。

画像:Everyday Astronaut

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

イーロン・マスクが脳直結インターフェイス「Neuralink」をプレゼン

イーロン・マスク氏のステルス・スタートアップの1つがいよいよ表舞台に登場する。米国時間7月16日午後8時(日本時間7月17日正午)に 同社のサイトからビデオストリーミングによるプレゼンが公開される予定だ。2017年に創立されたNeuralink(ニューラリンク)のテクノロジーについて詳しく知ることができるはずだ。

NeuralinkはBCI(脳コントロールインターフェイス)を開発しており、マスク氏の遠大なテクノロジーのビジョンの重要な一環を占める。BCIは人間によるコンピュータのコントロールを改善し、AIがもたらす危険性を大きく減少させルのに役立つという。

そこでこれまでにNeuralinkについて分かっていることを振り返ってみよう。創立当初の目的は(少なくともその後1年程度は)脳に直結するインターフェイスをてんかんなど大脳に起因する慢性疾患の症状の軽減に役立てることだった。この研究の過程で「超広帯域の脳-マシン・インターフェイス」によって人間の脳とコンピュータを直結するテクノロジーが開発されたという。ともあれNewralink自身が公開している情報はこれだけだ。

Wait But Whyにサイトの共同ファウンダーであるTim Urban(ティム・アーバン)氏が発表した記事がNeuralinkが解決を目指す課題に関する最初の詳しい解説だった。私も同じ日にスタートアップの背景と目的を分析する記事を書いた。要約すれば、Neuralinkの使命は宇宙植民計画などマスク氏のほかのベンチャーと同様「人類の存続を脅かす危機」とマスク氏が呼ぶものを避けるための努力といっていいだろう。

Neuralinkの目的は当初の医療テクノロジーという領域をはるかに超えて拡大した。Wait But Whyによれば、医療のような現実の応用からスタートしたのは、コンセプトを実験する上で規制当局を納得させるのに便利だったからだったらしい。マスク氏の最終目的はコミュニケーションにおける「圧縮」過程を取り除くことだというのがTim Urban氏の説明だ。マスク氏によれば、例えば人間がコンピュータと対話するとき、内心の考えをキーボードで打ったり、マウスを操作したりして伝える。このとき、実際の考えは大幅な圧縮を受けている。Neuralinkは情報の圧縮と伸張の過程を取り除く。これにより人間とコンピュータの対話をロスレスで広帯域の直接コミュニケーションに変え、容易化、高速化を実現する。

このテクノロジーが人類の存続を脅かす危機を避けることに関係するというのはこういうわけだ。マスク氏によれば、人類は今後も否応なくAIの発達にさらされ、次第にコンピュータの処理能力が人間を圧倒するようになる。高度なAIを搭載したロボットが世界の支配者になるというドゥームズデー・シナリオを避けるためには、人間が脳を直接コンピュータに接続することでコントロール能力を格段に高めるようにする他ないというのがマスク氏の考えだ。

2年前にはこの最後の目標にはそのまま受け取るのが難しい部分も含まれていた。しかし今日、Neralinkがどこまで達成できたのか、目標設定に変更はあったかのなどについて報告を聞くことできる。Neuralink.comからストリーミングがもうすぐ開始される(日本時間で本日正午)。

画像:DAVID MCNEW / AFP / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

SpaceXがFalcon Heavyのフェアリングを専用船でキャッチ

 SpaceXが衛星打ち上げロケットの再利用をまた一歩前進させた。6月25日のFalcon Heavyの打ち上げで宇宙から落下してきたロケットのフェアリングを専用船、Ms. Treeに装備された巨大な回収ネットで洋上キャッチすることに成功した。

ペイロードを大気との摩擦から守るノーズコーンは非常に高価な部品だが、通常は洋上に落下したまま失われてしまう(まれに海から拾い上げるのに成功することもあった)。

SpaceXはノーズコーンのフェアリングが大気中を落下し、回収船のネットにキャッチされるまでのビデオを公開した。SpaceX がフェアリングや回収船にセットしたオンボードカメラの映像でMs Treeのネットにフェアリングが無事タッチダウンする瞬間を見ることができる。下にエンベッドされたビデオを見れば、フェアリングがくぐってきた試練が実感できる。フェアリングは大気中を落下するときに高熱と激しい衝撃にされている。

STP-2打ち上げミッションの際、フェアリングに取り付けられたカメラからの映像。フェアリングは摩擦で高音となり、大気の分子が明るい空色に輝いて見える。

一方、フェアリングがパラシュートで操縦されながらMs. Treeにキャッチされる瞬間の映像はあまり劇的なものではない。夜間のことでもあり、ネットがわずかに変形するのが分かるだけだ。

SpaceXのCEOであるイーロン・マスク氏によれば回収の目的は、「600万ドルを海に捨てない」ことだ。SpaceXはすでに「飛行済み」のブースターを安全に着地させ、再利用することによってFalcon の打ち上げコストを6200万ドルから5000万ドルに削減することに成功している。Falcon Heavyの場合も、再利用なしなら1億5000万ドルの打ち上げコストが再利用ありの場合は9000万ドルになるという。ここでさらに600万ドルの部品を安定して回収、再利用できれば収益性の改善に貢献するのは明らかだ。

ただしフェアリングの回収が実際に収益性の改善に役立つかどうかは今後の問題だ。今後、SpaceXは回収された部品が再利用できる状態に整備可能だと実証しなければならない。また今回は回収に成功したが、今後も専用船が安定して部品をネットで受け止めることができるのかどうかも注目だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

イーロン・マスク氏のトンネル会社がLA地下交通事業を受注

Elon Musk(イーロン・マスク)氏のトンネル掘削・交通スタートアップThe Boring Company(ボーリング)が、ラスベガスコンベンションセンター周辺で地下Loopシステムを使って人々を輸送するという4870万ドルのプロジェクトを獲得した。同社にとってこれが初の商業契約となる。

Campus Wide People MoverまたはCWPMの名称が付けられたこのプロジェクトの初期デザインは、CES 2021のころまでには完了する見込みの拡張工事の最中にあるラスベガスコンベンションセンターにフォーカスしていた。新たに拡張されるラスベガスコンベンションセンターは工事が完了すれば広さは約200エーカーとなる。LVCVA(ラスベガス観光局)は施設内を歩き回る人は端から端まで2マイルを移動することになると試算し、これにより移動手段を確保する必要があるとの結論に至った。

3月、LVCVAはボーリングを推薦した。そしてLVCVAの取締役会は5月23日に事業契約を承認した。

この承認はかなりの条件が付随し、ボーリングに特定の目標を達成するよう求めている。その目標については、今月初めのThe Guardianに詳細が記されている。契約では、建設が完了するまで支払いの3分の2は保留され、ボーリングは利用者輸送に関する特定のゴールを達成しなければならない。

LVCVAはボーリングへの支払いとして、2019年に初めの120万ドル、そして翌2020年に1500万ドル、そして最終年の2021年には3247万ドルを見積もっている。

プロジェクトは現在のところ限定的だが、いつの日かダウンタウンとコンベンションセンター、ラスベガス・ブールバードのリゾート街道、マッカラン国際空港を結ぶことができるかもしれない、とボーリングは過去に述べている。

契約書類によると、この地下乗客輸送には車両用のトンネルと歩行者用のトンネルの計2本の建設が含まれている。2つのトンネルの長さは1マイル以下になることが想定されている。乗客が乗り降りする3つの駅、そして乗客が各駅へアクセスするためのエレベーターもしくはエスカレーターが設置される。

客を乗せるムーバーが完成すれば、部分的に変更が加えられたTesla(テスラ)の電動車で人々を高速で運ぶようになる。契約書にはこれらは自動運転車両と記されている(現在のところテスラの車両は自動運転ではなく、その代わり高度なドライバーアシスト機能を搭載している)。また、供用が開始される前に、ボーリングがシステムを3カ月間テストする、とも契約書にある。

マスク氏のボーリングが1つの契約を獲得した一方で、ワシントンD.C.とボルティモアを結ぶ、より野心的なLoopシステムのデザインについては安全面で懸念が出ている。

長さ35.3マイルのシステムの詳細は、505ページに及ぶ環境影響評価のドラフトで最近明らかにり、そこではデザインがいくつかの主要安全基準を満たしていないことがわかっている。この地下システムには非常用出口が十分になく、また最新のエンジニアリングプラクティスを無視していて、とある教授が「狂気の沙汰そのもの」と呼ぶ避難はしごを客に使わせようとしているようだ。

イメージクレジット: Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

ベゾス、Blue Originの月植民計画と着陸船を公開

今日(米国時間5/9)、ホワイトハウスからほど近いワシントンの会場で、Amazonのファウンダー、ジェフ・ベゾスが2024年までに有人月旅行を実現する計画の詳細を発表した。聴衆にはプレス、企業と政府の幹部に加えて大勢の中学生も招かれていた。同時にBlue Moonと呼ばれる月着陸船も公開された。

ベゾスによれば月は資源の宝庫だと言う。ベゾスが私費を投じて運営している宇宙企業、Blue Originは、今年中にNew Shepardロケットで有人宇宙旅行を行う予定だ。

イベントのステージは最初に月を歩いた人間、ニール・アームストロング宇宙飛行士の「人類にとって大きな一歩」という有名な言葉をモチーフにしていた。ここでベゾスは「人口が1兆人に達したとき人類はどこに生存のための資源を求めるべきか?」という非常に深刻な問題に答えようとした(こちらはベゾスの過去のビジョン関係の発言)。

宇宙というユートピアに進出する上で最大のハードルは、巨大通販会社のファウンダーとして熟知している問題、すなわちロジスティクスとインフラのコストを実現可能なレベルに削減する方法だ。

ベゾスは「われわれの世代の役目は宇宙旅行のインフラの構築だ。われわれは宇宙への通路を開かねばならない」と述べた。

アメリカ政府機関と特にNASAの研究によれば宇宙への道は月を経由するという。ベゾスが今日のイベントで月着陸船を披露した)理由の一つはそこにある。

アメリカのペンス副大統領はこの3月、国家宇宙委員会(National Space Council)の総会でNASAに対し、「2024年までにアメリカの有人宇宙船を月周回軌道に乗せ、月の南極に着陸させるためにあらゆる手段を活用する」よう指示した。

南極が目的地として選ばれた理由は氷だ。NASAのジム・ブライデンスタイン長官は「われわれの科学者の調査によれば、4.5億トンの氷が月の南極に存在する」と述べている。

月の自転軸の傾きにより南極には太陽の光が射さない極めて低温の場所がある。南極のクレーター中に摂氏マイナス160度という低温により蒸発を免れた大量の氷が埋まっているとNASAの科学者は推定している。氷はロケットの推進剤に利用することができる。

マイク・ペンス副大統領は3月の国家宇宙委員会総会で大統領のコミットメントが裏付けだとしてこう述べた。

今世紀、われわれは新たな野心を抱いて月に戻る。単にそこに行くだけではなく、永久に日照のない南極のクレーターの底の氷から原子力によって水をつくり、酸素や宇宙ロケットの推進剤を得る。そうした補給があればわれわれの宇宙船は数年ではなく数ヶ月で火星に到達できるだろう。

Y Combinatorが支援するスタートアップ、Momentusは水を推進剤とするロケットを建造中だ。このロケットは原子炉から得られた電力で水を加熱し、水プラズマによって推進力を得る。

しかしこれまでNASAの有人宇宙プロジェクトは予算の削減などにより遅延を重ねてきた。月に戻るというのは非常に高価な事業となる。NASAもアメリカ政府も推定金額がどれほどになるか明らかにしていない。(略)

「アメリカは月に戻る」というのは2017年にトランプ大統領が署名した宇宙政策指令1号(Space Policy Directive 1)に基づくものだが、NASA のプランの具体的内容は不明だ。

これがBlue Originが重要な役割を担って登場した背景だ。

今日披露されたBlue Moon月着陸船に加えて、Blue Originは2種類の宇宙ロケットを開発している。New Shepardロケットは低軌道を短時間飛行して宇宙飛行に関するテクノロジーやノウハウの収集を行うことを目的としている。ペイロードを地球周回軌道に打ち上げるのはNew Glennロケットの任務だ。 2021に最初の打ち上げが予定されており、45トンのペイロードを地球周回低軌道に投入できる。ロケットはどちらも垂直着陸によって回収され、複数回利用される。

先週、Blue OriginのNew Shepardは低軌道を弾道飛行して各種の実験を行うことに成功している。これは11回目のミッショだった。New Shepardは成層圏と宇宙の境界である高度100キロメートルまで上昇してカプセルを切り離した後、逆噴射と垂直着陸によって回収された。カプセルは慣性で上昇を続け、こちらはパラシュートによって無事回収された。

ベゾスはこのカプセルを一般人向け宇宙観光旅行にも利用する計画で、昨年のReutersの記事によれば、チケットは20万ドルから30万ドル程度だという。

一方、イーロン・マスクのSpaceXはこれとは異なるアプローチを採用してきた。SpaceXは大型ロケットを開発し、さらに超大型ロケットの開発に進んでいる。同社として「最新、最大のロケット、Falcon Heavyは63.8トンのペイロードを地球周回軌道に投入できるSpaceXではさらに惑星間飛行を視野に入れた次世代宇宙船、Starshipを開発中だ。こちらは100トンのペイロードを低軌道に乗せることができるという。Starshipの最初の打ち上げは2020年に予定されている。.

これ以外にも活動中の民間宇宙企業は数多い。スタートアップとしてはリチャード・ブランソンのVirgin Galacticを始め、Rocket Lab、Vectorなどが打ち上げプラットフォームの開発に取り組んでいる。スタートアップは現在の衛星打ち上げ事業の主流となっているロシアのソユーズ、アメリカのロッキード・マーティンとボーイングの合弁企業ULA、EUのアリアンスペースといった巨大企業のロケットと競争しなければならない。またロケット以外にも衛星、着陸船、制御システムなどの重要部分を開発、製造するスタートアップも多数現れている。

ベゾスはイベントで「月に戻るときが来た。単に旅行するのではなく、われわれはそこに留まるのだ」と宣言した。

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滑川海彦@Facebook