3Dプリンタはここまで来た―Form Labsのステレオリソグラフィー方式のハイエンドマシンForm 1をテスト

先週、私はForm LabsのForm 1 3Dプリンターをテストする機会に恵まれた。これは3Dプリンターの進む方向をはっきり示す未来的プロダクトだった。一言でいえばForm 1は今まで私が見た中でももっとも使いやすくもっとも高性能のプリンタだ。もちろん改良の余地はあるが、評判どおりの(そして高価格に見合う)性能といってよいだろう。

Form 1はステレオリソグラフィー方式〔Form 1はこの図とは上下が逆のメカニズム〕の3Dプリンタだ。この点は非常に重要だ。われわれに馴染みがある3DプリンタはMakerbotのような細い素材フィラメントをノズルから押し出して対象を整形する方式だ。これに対してForm 1は金属プラットフォームを感光性レジンの液体素材に浸し、表面をレーザー光でスキャンすることによって液体を固化させて整形する。一層が固化すると金属プラットフォームをその分だけ上昇させ次の層を固化させる。こうしてレジンの層を重ねていくわけだ。Makerbotとは逆にForm 1の出力物は上から下に成層されていく。

Form 1の出力物はインジェクション・モールドで作られたように見える。各レイヤーの厚さは25μm(0.025mm)と極めて薄いので表面は滑らかでエッジは鋭い。素材は市販のオモチャなどに使われるぐらいの強さがある。

しかしForm 1はオモチャの製造機ではない。実験室レベルの精度を持つ極めて強力なマシンだ。まだ開発途上なので操作やメンテナンスではときおり不具合に遭遇する可能性がある。使いこなせるのはおそらく16歳以上だろう。

オブジェクトの出力のためにはまずPreFormというアプリを使ってSTLフォーマットのファイルをForm 1に転送する必要がある。このプログラムは現在はWindows版のみだが、OS X版が開発中だという。

高精細度で出力すれば時間はそれだけ長くかかる。下の写真の右側の高さ5センチぐらいの透明なチェスの駒(ルーク)を出力するのに6時間かかった。インドの天女、アプサラの像の場合は4時間20分だった。さいわいこのプリンタはほとんど無音で作動する。精細度を落とせば出力時間は大幅に短縮される。

ここで強調しておきたいのは、この写真の出力オブジェクトは文字通りマシンから取り出したままだという点だ。オブジェククトを位置決めするための小さなサポートが接続されていた跡もそのままに残してある。この突起は簡単に折り取ることができる。

感光性レジンは1壜1リットルあたり149ドルで、現在は透明のみ入手可能だ。Form Labはオブジェクト出力後に加熱して中身を溶かし、プラスチックなどの射出成形に使えるモールドを出力できるようにしようと実験を重ねている。

3299ドルというForm 1の価格は安いとはいえない。しかし個人に手が届かないほど高いわけではない。Makerbot Replicator 2は2200ドルくらいだ。用いられているテクノロジーと成果物の精度を考えると当然予想される程度の価格差といってよいだろう。

いくつかスペックを確認しておくと、出力物の高さは余裕があるが幅は狭い。最大サイズは4.9 x 4.9 x 6.5インチ(12.5 x 12.5 x 16.5 cm)だ。Makerbotは 11.2 x 6.0 x 6.1(28.5 x 15.2 x 15.5 cm)だ。これより大きいサイズのオブジェクトが必要な場合は分割出力して後で組立ないし接着することになる。

第2に、Form 1では出力の際にオブジェクトを正確な位置に固定するための多数の支柱が必要になる点に注意が必要だ。下の写真で分かるように、elow,these prints of 私の胸像の表面には小さな突起が多数見られる。この支柱は簡単に折り取り、切り取ることができる。そのため若干の仕上げ工程が必要になる。

最後に、成果物は出力が終了してからさらに10分程度イソプロピル・アルコールに浸す養生が必要だ。これはさしたる手間ではないが、熱を発する装置の近くに大量のイソプロピル・アルコールを置いておくことには(特に学校などでは)やや不安を感じるかもしれない。

3Dプリント・テクノロジーはまだまったくの発生期にある。Form 1はステレオリソグラフィー・テクノロジーを採用することでこれまでのホビー的なマシンから3Dプリンティングを大きく前進させた。Form1はすぐに産業用3Dプリンタに取って代わるわけではないが、Shapewaysのような出力サービスに迫る品質の出力を得られる。

私は3Dプリンティングにかなり経験を積んでいるが、Form 1は圧倒的に優れたマシンであり、プリンター性能、レジン素材、それらの価格などを総合的に考慮して投資に見合う価値があることは保証できる。大量のイソプロピル・アルコールを必要とする点に監督者の注意が必要だが、教育目的での利用にも理想的だろう。

Product Page

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Amazon、3Dプリンターと消耗品のショップを開設―新テクノロジーのメインストリーム化を後押し

Amazonは先ほど3Dプリンタとそのサプライやアクセサリ、参考書専門のオンラインショップオープンした。これで小規模な3Dプリンタのメーカーもメインストリームに乗り出す足がかかりが得られそうだ。

このウェブストア(というのか何と呼ぶのか知らないが)ではAfiniaやFlashforge(Makerbotのデッド・コピーだ)が売られている。また本家のMakerbotも中古品が1点出品されている。要するにあまり専門的知識のないユーザーに直接に売り込むチャンネルができたということのようだ。それはそれで大いに結構。

オフィスサプライの大手チェーンストアのStaplesがCube 3Dプリンターを売り、Toys “R” Usが香港の巨大アヒルの3Dプリントされたミニチュア・カスタマイズ版を売る世の中だ。3Dプリントはすでにわれわれのポップカルチャーの一部を占めるようになってきた。しかし一般ユーザーにはまだまだバズワードとして効き目があるので、Amazonのような機を見るに敏な大企業がちょっとしたコーナーをオープンしたのも不思議ではない。

いやはや。3Dプリンターもメインストリーム化したものだ。私はプログレ・ロックのファンだったが、父親に「それを何曲か選んでくれ」と頼まれたときに、もはやこの音楽ジャンルがそれほどプログレッシブな存在ではなくなったことを知った。3Dプリンティングにも同様の事態が訪れているようだ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


来年の発売に向けてAppleが4.7インチと5.7インチの大型iPhoneをテスト中か? 廉価版はこの秋にも登場へ

Reutersの報道によれば、Appleは来年のiPhoneのアップデートに向けて大型スクリーン・モデルの実験を行なっているという。4.7インチ、5.7インチの両モデルがテスト中ということだ。またAppleは廉価版のiPhoneも準備しており、Reutersはこちらは来月にも生産が開始されるとしている。廉価版はプラスチックの筐体の色を調整する必要が生じたためリリースがスケジュールより多少遅れるようだ。

廉価版iPhoneは8月にフル生産の態勢に入り、9月に発売開始となる。Appleはこのデバイスについてクリスマスシーズンを含めた四半期に2000万台の販売を見込んでいる。Reutersの記事は最近われわれが聞いた各種情報と符合するところが多い。

かなりの確度で予測してきたMing-Chi Kuoは、廉価版はiPhone 5と同じ4インチ・スクリーンだが筐体がプラスチックになり、ボディーの色のオプションが増えると予測していた。Reutersはこれに加えて「価格は当初99ドルだが、発売時期は丸1年ほど延期になる可能性がある」と指摘している。

廉価版のiPhoneの情報は信頼性の高い情報源が一致して伝えるので確度は高いだろう。しばらく前からAppleがファブレット、すなわちGalaxy Noteのような大型スクリーンを備えたiPhoneを開発中だとする情報も流れていた。 しかしファブレットなどの前に、Appleのフラグシップ機、iPhone 5の画面が4インチのままで、Galaxy S4などのライバルと比較して一周遅れになっていた。

大型画面iPhoneの開発は廉価版の開発ほど進捗していないようだ。Reutersのある情報源は、「われわれが生産開始にこぎつけるまでにはまだ紆余曲折があるだろう」とj語っている。AppleはOEMメーカーと協議をしているが、生産や発売の開始のスケジュールはまだ白紙状態だという。

AppleのCEO、Tim Cookは最近のAllThingsD D11カンファレンスで「(画面の大型化に伴う)バッテリー駆動時間、画質、色彩の再現性などへの副作用が解決されればそういうモデルを発表するかもしれない。一部のユーザーが大型画面モデルを望んでいることは知っている」と認めた。過去にもAppleの厳しい社内テストに不合格だったために発表前に消えていった製品は多数ある。Appleが大型画面モデルをテスト中だというのはおそらく事実だろうが、実際に市場に出るかどうかについては現在なんとも言えない。しかしタイミングとしては製品ラインに今日のReutersの記事にあるような大幅なアップデートが加えられてもいい頃ではある。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


プログラミングにより極性や強度を変えられる磁石

磁石は今やありふれた存在だ。異極同士は引きあい、同極同士は反発する。冷蔵庫にメモを貼るために使う。でも、磁石がプログラマブルになり、プログラムによって反応を変えると、どうなるだろう? アラバマ州ハンツビルのCorrelated Magnetics Researchが作ったそんな磁石は、びっくりするようなことができる。中には、ちょっとこわいのもある。

これらの磁石は、人間が手で触らずに、全部を一箇所にあつめたり、逆にばらばらにしたりできる。磁石を使ったモーターのような動きもする。CMRのVPのStephen Strausがやって見せたクールなデモでは、磁石たちが一定の距離では反発し合い、近づけるとくっつき合う。“永久機関だ!”、と叫んで逃げ出す必要はない。ちゃんと物理学の法則に従ってるのだから。

CMRは磁石を製造時にプログラミングし、世界中のユーザ企業が磁石を使うソリューションにそれらを利用する。トルクや動きをコントロールし、金属と金属のあいだに“空隙”を保ちたい、といったニーズだ。同社にはWeb上のストアもあるので、あなたご自身が磁石を使った不思議で対話的なマシンを作ることもできる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Apple、新SiriのTwitter、Wikipedia、Bingとの統合を発表。新コマンドおよび男女双方の音声も用意

WWDCキーノートにて、音声を使ったパーソナルアシスタントであるSiriに施す種々の機能追加が発表された。外見的には高性能の男性および女性音声が利用できるようになる。また、複数言語にも対応している(英語、ドイツ語、フランス語等々)。しかしそうした外見的変更だけでなく、機能的にも大幅に変更されることになった。すなわちTwitter、Wikipedia、およびBingを使った検索機能を統合することとなったのだ。即ち利用者のリクエストに対して、Wikipediaから引用して回答するというようなことがあり得るようになったわけだ。

またコマンドもいくつか追加されることとなった。たとえば「Play last voicemail」(最新のボイスメールを再生)、「toggle settings」(設定変更)、ないし「increase brightness」(輝度アップ)などだ。しかし最も大きな変更は、BingをSiriの標準検索ツールとしたことだろう。

さらに、ホンダ、メルセデス、日産、シボレー、Kia、およびHyundaiなどとの提携により、車載のタッチスクリーンからも種々の機能が利用できるようになる。

原文へ

(翻訳:Maeda, H)


ArduinoとLinux/Androidの合体マイコンボードUDOO, Kickstarterで資金を募集

初心者のハードウェアハッカーの多くが、Arduinoは難しいがLinuxやAndroidはやさしい、と感じているだろう。Kickstarter上の資金募集が今夜(米国時間6/7)締め切られるUDOOは、両者をミックスすることによって、Arduinoを扱いやすいものにすることをねらっている。そのデバイス(左図)には、ARMのプロセッサ(デュアルまたはクァドコア)と、Arduinoが載っている。そして、ARM側にLinux(+オプションでAndroid)を埋め込みタイプでインストールし、そのコマンドラインからArduinoをプログラミングするのだ。〔ArduinoのプロセッサもARM。〕

UDOOの上には、ARMのcortex-A9プロセッサとArduino Dueマイコンボードがある。Dueの54本のI/Oピンのほか、オプションのSATA接続などそのほかのピンやコネクタがある。したがってArduino側とLinux側の両方にいろんなシールドやアクセサリ、周辺機器などを接続して、高度なシステムを組み立てられる。多彩なアップグレードが可能なRaspberry Pi、と考えるとよいかもしれない。

UDOOにはWi-Fiモジュール、USBポート、それに1GBのRAMがある。Linux/Androidを動かすプロセッサがデュアルコアなら$109ドル、クァドコアなら129ドルだ。目標額にはすでに25時間で到達している。

これは、ギークたちがかねてからよく知っているツール(Linux/Android)を使ってArduinoを利用する、といううまいやり方だ。UDOOの連中が言うには、二つの世界が合体して、豊かな相互運用性を持つより高度な世界を作り、二つのプラットホームのファンたちをどちらも満足させるのだ。



[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Logitech、KickstarterでTidyTiltを大成功させたTT Design Labsを買収

宿題をきちんとするというのは、思う以上に大切なことであるようだ。宿題に出たデザインワークを一所懸命こなした2人がスタートさせた会社を、大企業が買収するという運びになったのだ。買収したのはLogitech。買収されたのはシカゴのTT Design Labsだ。2011年末、TidyTilt iPhoneケースをクラウドファンディングで世に出した2人が運営する会社だ。買収金額などについては明らかにされていない。

LogitechのSenior Vice President兼Logtech for BusinessのGeneral Managerを務めるEric Kintzは、主力をPCアクセサリーからモバイル用に移す中、デザインとテクノロジーを融合したTidyTiltのようなプロダクトを求めているのだと話している。

「モバイルに注目していこうとする中、TidyTiltのような製品が非常に面白いものであると感じたのです」とKintzは述べている。クラウドファンディングによって実現されるアイデアについては、イノベーションのヒントにもなるものとして着目しているのだそうだ。

冒頭の話に戻るが、TidyTiltはそもそも「宿題」として生まれてきたものだ。ファウンダーのZahra TashakoriniaおよびDerek Tarnowはシカゴ美術館附属美術大学(The School of the Art Institute of Chicago)に在籍していた。そこでKickstarterプロジェクトの立ち上げが課題として出されたのだった。目標額を1万ドルに設定してKickstarterプロジェクトを開始したが、結局22万3000ドルを集める大成功となった。

それを機にTT Design Labsはデザイン業務を本格稼働させ、TidyTilt+およびJustMountというホルダーもリリースしている。Logitechはこれら3つのプロダクトを、7月から自社製品として扱い始める。価格は現在のものを引き継ぐのだそうだ。DerekはプロダクトデザイナーとしてLogitechに入社し、Zahraはコンサルタントとなる。

今回のニュースは、クラウドファンディング・コミュニティにとって、なかなかのビッグニュースと言えるだろう。もちろん今回の事案が史上初めてのものであるというわけではない。Best Buyも、以前にクラウドファンディングによりデビューしたPadPivotを買収している。いずれの場合も、既存企業側はプロダクト自体とともに、ある種のファンをも獲得することを狙ったわけだ。少々下品な言い方をするならば、人気プロダクトの誕生をじっと待っていて、絶好のタイミングで札びらを切ってプロダクトとデザイナーを双方ともに自らの手におさめたということになる。

売れっ子デザイナーを目指すのであれば、実効性のあるポートフォリオとしてクラウドファンディングの活用を考えても良いのだろう。優れているものを発表すれば、多くの人がそれを認めてくれるわけだ。もしも大成功ということにならなくても、経験から得るものも大きいはずだ。いずれにせよ、シリコンバレーという場所はMBAよりも、起業経験を大きく評価する場所でもある。

原文へ

(翻訳:Maeda, H)


スマートフォンでコントロールするロボットの”ベース”となるRK-1(これもArduino)

Londonのロボット技術者Evangelos Georgiouは、Arduinoを使うホビイストたちに、彼らが自分のプロジェクトをモバイル化するためのプラットホームをオープンソースで提供したい、と考えている。その取り組みの最初の成果が、リモコンロボットRK-1で、プログラマブルなマイクロコントローラArduinoとiPhoneまたはAndroidのアプリ、キャタピラで動く台車、DCモーター、WiFi接続、などから成る。それはホビイストたちに喜ばれるだけでなく、子どもたち(そして大人たち)に、ロボット工学に関心を持ってもらうための教材としても優れている。

RK-1用のアプリはApp StoreやGoogle Playストアから無料で(もうすぐ)ダウンロードでき、タッチ画面をスワイプして移動の方向をコントロールする。単純で分かりやすい方法だが、この方法は今後いろんな製品にも応用できるだろう。GeorgiouはAdafruitのやり方に倣って、ハードウェアホビイストのためのガジェットをオープンソースで提供するつもりなので、RK-1用の各種センサーアプリやArduinoコミュニティお気に入りのゲームボードなど、多様なアドオンが増えていく可能性がある。

Georgiouはロンドンのキングズカレッジの大学院生で、また同大学の正規の職員としてソフトウェア開発を担当している。彼は自分の専門分野を、“autonomous non-holonomic mobile robots implementing computer vision and advanced machine learning methods”という長い言葉で表現する(自律的でノンホロノミックな*モバイルロボットでコンピュータビジョンと高度な方法による機械学習を実装しているもの)。これは彼にとっては、彼のロボット作りの哲学なのだ。協同ファウンダのReetu Kansalは某社のカスタマサポートマネージャだが、RK-1のプロジェクトではデザインとオペレーション管理を担当している。〔*: 非ホロミック≒自由度がきわめて高いこと。〕

GeorgiouはKickstarterで£5,000 (US$7,800)の資金を募集しているが、すでに£15,000から£50,000の拡張目標を抱いている。彼はこのプロジェクトに関して楽観的なのだ。RK-1キットの予約価格は£150(US$234)である。意欲的なプロジェクトだが、ファウンダがソフトとハードの両方に強いから、ホビー素材としても教材としても、きっと良いものができるだろう。

〔類似記事。〕


[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


プログラマブルロボットmOwayduino(Arduinoを使用)はPython, Java, Scratchでプログラミングできる

80年代に子どもだった人は、Big Trakを思い出すかもしれない。子ども向けのトラック玩具だが、プログラマブルなロボットでもあり、いくつかのアクションを実行できた。指定した方向・距離を走る、偽のレーザー光線を発射する、物を目的地まで運んで下ろす(ダンプカーふうに)(親がそのためのアクセサリを買ってくれていた場合)、などなど。

Big Trakが失敗したのは、当時の技術よりもコンセプトが進みすぎていたからだ。キッチンの食卓からドアまでの距離を正しく測らないと、Big Trakは頻繁に壁に激突した。しかし、子どもたちはロボットに夢中になるはずだ、というメーカーの勘は当たっていた。時間を数十年早回しすると、目の前にはmOwayduinoがある。Arduinoを使ったプログラマブルなロボット玩具で、モバイルアプリと一緒に使う(たとえば携帯電話の加速度計を利用して無線で操縦できる)。アドオンのハードウェアもいくつか用意されているので、ハードウェアとソフトウェア両方の多様な構成要素で遊びながら学べる、リッチな遊び/学習環境だ。

今はまだ、ほとんどアイデア先行で、コンセプトとプロトタイプの段階だ。会社はスペインの企業で、Indiegogoで資金募集することを考えているようだ。それまでユーザ登録は、同社のWebサイトで受け付けている。アップデート: mOwayduinoのメーカー企業は、Indiegogoでの資金募集を2週間以内に開始する、と言っている。“3か月以内に目標額に達したら、市場に出せる。出資者には特別価格で提供する”、と同社は言っている。“製造に必要な額以上に資金が集まったら、タブレット用のグラフィカルな(mOwayduino用の)プログラミングツールを開発したい”。また、APIを公開してユーザが独自のmOwayduino用アプリケーションを作れるようにしたい、とも言っている。

mOwayduinoロボットの基本デザインは、自分の本来の仕事を忘れた卓上鉛筆削り機にやや似ている。三つの車輪が、走行と方向変えを支える。ライトやセンサーも多く(ライン(線)センサー、ライト(光)センサー、障害物センサー、マイク、スピーカなど)、USB端子から充電する電池は約2時間使える。

拡張スロットがあるので、そこにいろんなハードウェアを挿入して機能を拡張できる。たとえばカメラを挿入すると、その“目”が見た画像をリアルタイムでPCに送れる。弟がやってることを、スパイできたりして。またWiFi装置を付けると、モバイルデバイスからコントロールしたり、ロボットにメール(「職務完了!」など)を送らせたりできる。

機能豊富なロボット本体+各種の拡張ハードウェア+プログラミング(Ardunio IDE、Phyton、Java、子ども用のScratch言語)、という三大要素に加えて、複数のmOwayduinosが対話しながら互いにシンクできるから、昔のBig Trakよりはずっと上等だ。

mOwayduinoは、超小型コンピュータRaspberry Piのような、学習用ハードウェアの仲間入りをするのかもしれない。Piの成功要因の一つがその低価格だが、mOwayduinoの場合はどうか? 子ども(の親)が、気軽に買える値段であってほしいね。

〔余計な訳注: 一般消費者の常識としても、カメラ(目)とWiFiは標準装備であるべき。〕


[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google Glass、HDR撮影と音声入力によるキャプション追加に対応

読者の方々の中には、Google Glassを手に入れる機会を得て、そして1500ドルを用意して実際に入手したという人もいらっしゃることだろう。そういう人にとっての朗報が届いた。カメラの性能が大幅にアップしたのだ。

GoogleはGoogle Glass関連ソフトウェアを毎月アップデートしていくことを約束している。今回はその約束の一環として、写真関連で重要な2つのアップデートをリリースしたのだ。ひとつはHDRであり、そしてもうひとつがキャプション追加機能だ。

最近は、スマートフォンでもHDR(High Dynamic Range)写真に対応したものがある。何だかわからずに利用している人もいることだろう。多く実装されているHDRモードとは、露出値を瞬時に複数回撮影を行い、そして明るさのバランスが最適となるような写真を合成するものだ。

これにより撮影の際の状況に応じた写真が撮れるようになる。たとえば暗い部屋の中で写真を撮っているとしよう。するとGlassが自動的にそれを認識して露光量を上げてくれる。またアウトドアで太陽光を強く浴びながら撮影しているとしよう(レンズフレアの発生した写真を撮りたいというケースなのかもしれない)。その場合もGlassが調整を行なって、写真が真っ白になってしまうことを防いでくれる。

また、音声によりキャプションも付けられるようになった。こちらの方はさほど驚くようなものでもないが、しかし非常に重要な機能実装だと言える。これまではGoogle Glassで写真を共有する場合は、ただ単に写真のみを公開する程度のことしかできなかった。しかし今回のアップデートで、公開前に説明を加えることができるようになったのだ。写真をタップして、声によりキャプションを加える。単語が正しく認識されているのを確認して共有するという手順になる。

Google GlassのHDR機能がどの程度のものか、気になる人も多いと思う。適用しないものと、適用したものの比較写真を以下に掲載しておこう。

原文へ

(翻訳:Maeda, H)


アメリカITC、AppleによるSamsungの特許侵害を認定―AT&T版 iPhone 4, 3GS、一部のiPadの輸入差し止め

アメリカ国際貿易委員会(ITC)はAppleがSamsungの特許を侵害していたと認定し、iPhone 4、iPhone 3GS、初代iPad 3G 、iPad 2 3G(すべてAT&T専用版)など一部の製品の輸入を差し止めた。

ITCの決定については今後詳しく論じられることになるだろうが、、輸入差し止め対象はAT&T版の旧モデルにとどまるようだ。ITCはiOSデバイスがマルチバンド化される以前にAT&T向け製品に使われていた部品が特許を侵害していると認定した。

異議申立てが却下された場合、Appleは対象となる製品を海外の製造元から国内に搬入できなくなるので、最終的にはアメリカ国内での販売が不可能になる。VergeのNilay Patelのツイートによれば、今回のITCの決定に対する異議申立てはホワイトハウスか連邦高等裁判所に行うしかないという。

もし差し止めが最終的に維持されたとしても、この秋には新製品の発表を控えており、対象となる製品はいずれもすでに引退が近づいていた。とはいえ、新製品発売は数ヶ月先のことであり差し止めが現実に実施される時期によってはAppleもかなりのダメージを被るかもしれない。中小キャリヤや教育機関はまだまだ古い製品に大きく頼っている。

ITCの決定は全文を下記にエンベッドした。問題の特許についてはここに詳しい情報がある。ごく簡単にいえば、携帯無線の信号伝送に関する特許だ。

View this document on Scribd

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google、当面の間はGlassを使った顔認識アプリケーションの提供を認めず

Google Glassの普及を目指すのであれば、Google Glassが実現してしまうかもしれない不気味さというのを、丁寧に潰していく必要があるのだと思う。この度Googleが行った発言も、「悪を成さない」という方向から、薄気味悪さを減少させようと考えてのことだと言えよう。

Googleの発言とは、Glass G+ページに掲載された、Googleの公式発言のことだ。Glassを使って、周囲の人々の顔認識を行うようなアプリケーションの開発を認めないとするものだ。

Googleは以前より、現時点での顔認証の実現については慎重な姿勢を表明しており、今回の発言もその線に従うものである。Google GlassのディレクターであるSteve LeeもNew York Timesに対して同様の話をしている。今回のアナウンスによりGoogleは、開発者たちに対しても、顔認証を行わないようにという明確な指示を出したわけだ。

もちろん、Googleが顔認識技術の全てを将来に渡って否定したということではない。顔認識技術を実装する前に、きちんとしたプライバシー保護ルールの成立が必要であると考えているのだ。プライバシー保護ルールの実現はまだ先の話になりそうで、Glassが忘れてしまった知人の名前を教えてくれるようになるのにも時間がかかりそうだ。

今回のアナウンスは、プライバシー保護を訴えていた人にとっては勝利ということになるのだろう。ただ、Glassを常備型情報認識デバイスとして活用することを目指して事業を始めた人々もいた。たとえばサンフランシスコのLambda Labsなどは顔認識および事物認識のAPIの提供を行う予定であるとアナウンスしていた。このAPIを使えば、認識関連のコマンドを簡単に自前のアプリケーションで実装できるようになるはずだった。Lambdaの共同ファウンダーであるStephen Balabanは、GlassのAPIを使って実現できるものである以上、顔認識が明確に禁じられているわけではないはずだとして、一般向けAPIの開発に乗り出していた。しかし希望的観測も潰えることとなったわけだ。新しくなったGlassのディベロッパーポリシーを引いておこう。

カメラおよびマイクを利用して、利用者自身以外の人物の情報を取得するような使い方はできません。即ち、顔認識および声紋認識のようなことを行うことはできません。こうした技術を用いるアプリケーションについては、当面の間は非承認といたします

但し、顔認識などを利用しない形での個人認識については問題ないとしているところもあるようだ。たとえば3月にはGoogleも部分的に資金拠出を行なっているデューク大学のプロジェクトについてのニュースが流れた。こちらは顔を使うのではなく、洋服やアクセサリなどの特徴(fashoin fingerprint)を用いて個人を認識するという技術だ。望むときにだけ外部に対してプライバシー情報を公にすることができるという意味で、こちらの個人認識技術は広く受け入れられ得るものであると言えるかもしれない。個人情報の流出を止めたければ、服を着替えるだけで良いのだ。

原文へ

(翻訳:Maeda, H)


ぐにゃぐにゃ3Dプリントができる弾性素材をElasto PlasticをShapewaysが開発

“Elasto Plastic”(弾性プラスチック)という名前は、80年代のパンクバンドみたいだけど、実はそれは、3DプリントのShapewaysが作った新しい素材だ。そのプラスチックはある程度の伸縮性があり、伸ばしても縮めても元の形を保つ。引っ張りすぎると破れるが、現状はまだ開発途上の製品だ。

素材の色はオフホワイトで、表面はざらざらしている。レーザーで加工されるが、層状の構造になるためぎざぎざが生じる。Shapewaysは、“まだ加工用素材として完成していない”と言っているが、個人や実験目的では十分に使えそうだ。

Shapewaysは最近、本誌のMakerシリーズで取りあげたが、同社はこの素材による3Dプリントを、合衆国工場にあるナイロン用の機械で行った。注文すると、プリント結果の納期は約8日だが、各種3Dプリント製品用のヒンジ素材としておもしろそうだ。すでに十分な弾性構造はあるようだから、この素材の今後の進化が楽しみだ。

出典: 3DPrintingIndustry

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ぐにゃぐにゃ3Dプリントができる弾性素材Elasto PlasticをShapewaysが開発

“Elasto Plastic”(弾性プラスチック)という名前は、80年代のパンクバンドみたいだけど、実はそれは、3DプリントのShapewaysが作った新しい素材だ。そのプラスチックはある程度の伸縮性があり、伸ばしても縮めても元の形を保つ。引っ張りすぎると破れるが、現状はまだ開発途上の製品だ。

素材の色はオフホワイトで、表面はざらざらしている。レーザーで加工されるが、層状の構造になるためぎざぎざが生じる。Shapewaysは、“まだ加工用素材として完成していない”と言っているが、個人や実験目的では十分に使えそうだ。

Shapewaysは最近、本誌のMakerシリーズで取りあげたが、同社はこの素材による3Dプリントを、合衆国工場にあるナイロン用の機械で行った。注文すると、プリント結果の納期は約8日だが、各種3Dプリント製品用のヒンジ素材としておもしろそうだ。すでに十分な弾性構造はあるようだから、この素材の今後の進化が楽しみだ。

出典: 3DPrintingIndustry

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


目に見えない電気をAR(拡張現実)で見えるようにするLightUpの電子工作教材

電子工学の習得は難しい。電気は目に見えないし、部品はよく分からないし、概念も難解だ。そこでLightUpが登場する。子どもたちに小さな電子工作のプロジェクトを作らせ、AR(拡張現実, augmented reality)を利用して部品の働きを理解させるのだ。

そのプロジェクトは磁石を使って組み立て、回路に通電するとLEDが点灯しブザーが鳴る。でもその回路を携帯で写真に撮ると、アニメのラインが現れて電気が今何をやっているのかを示す(下図)。電子回路としてはあまりにも簡単すぎるが。しかしダイオードの向きが逆だったり、トランジスタが動作していなかったりすると、そのことを教えてくれるのがいい。

99ドルのキットには、Arduinoマイクロコントローラと各種の抵抗器と光センサーとLEDが含まれている。39ドルのキットでは、モールス信号ブザーやライト、調光器、お弁当箱警報器などを作れる。ぼくなら、お弁当箱警報器を作って、自分のジェリービーンを子どもたちに食われないようにしたいね。

LightUpはすでに資金を調達済みだ。類似サービスとしてLittleBitsなどがあるが、ARの利用はこのキットの魅力だろう。単純素朴に実験をするのではなくて、LightUpでは電子の流れなどを“見る”ことができるから、科学教育の教材として優れている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


目に見えない電気をAR(拡張現実)で見えるようにするLightUpの電子工作教材

電子工学の習得は難しい。電気は目に見えないし、部品はよく分からないし、概念も難解だ。そこでLightUpが登場する。子どもたちに小さな電子工作のプロジェクトを作らせ、AR(拡張現実, augmented reality)を利用して部品の働きを理解させるのだ。

そのプロジェクトは磁石を使って組み立て、回路に通電するとLEDが点灯しブザーが鳴る。でもその回路を携帯で写真に撮ると、アニメのラインが現れて電気が今何をやっているのかを示す(下図)。電子回路としてはあまりにも簡単すぎるが。しかしダイオードの向きが逆だったり、トランジスタが動作していなかったりすると、そのことを教えてくれるのがいい。

99ドルのキットには、Arduinoマイクロコントローラと各種の抵抗器と光センサーとLEDが含まれている。39ドルのキットでは、モールス信号ブザーやライト、調光器、お弁当箱警報器などを作れる。ぼくなら、お弁当箱警報器を作って、自分のジェリービーンを子どもたちに食われないようにしたいね。

LightUpはすでに資金を調達済みだ。類似サービスとしてLittleBitsなどがあるが、ARの利用はこのキットの魅力だろう。単純素朴に実験をするのではなくて、LightUpでは電子の流れなどを“見る”ことができるから、科学教育の教材として優れている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


347ドルの3DプリンタPirate3D BuccaneerがKickstarter支援者には247ドルで

さあ、あなたも急いでKickstarterへ行こう。3DプリンタPirate3D BuccaneerKickstarterに登場し、最初の350名の支援者はこの347ドルの製品を247ドルで買える。

同社のファウンダによると、この3Dプリンタは家庭用および入門用という位置づけで、本誌のJohn Biggsはそのクォリティについて疑念を表明している。できあがった物の表面が、ざらざらしている、と彼は言うのだ。でも、347ドル(急げば247ドル)にしては上出来だと思うけど。

プリントの精細度は100ミクロンで、一番人気のMakerbotと同じだが、後者、Makerbot Replicator 2.0は2199ドルする。最近発売を開始したForm Oneは、Kickstarterの支援者向けの価格が2299ドルだった。

Pirate3Dの協同ファウンダRoger Changによると、お値段はともかくとして、ねらいはCADソフトのことなど何も知らないビギナーの関心をそそることだ。このプリンタにはSmart Objectsと名付けたオブジェクトライブラリがあり、ユーザはオブジェクト(のデータ)をカスタマイズして自分のプリンタに送り込める。そのためのAndroidアプリを、Pirate3Dのサイトからダウンロードできる。

Pirate3Dはシンガポールの会社で、協同ファウンダはChang、Brendan Goh、Tsang You Jun、そしてNeo Kok Bengだ。

〔関連記事: Pirate3D Buccaneerがわずか10分で目標額10万ドルに到達(未訳)。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


背面カメラなしの16GB iPod Touchが登場。日本版Appleストアでの価格は22,800円

Appleストアに、iPod touchのマイナーチェンジ版が登場した。ストレージ容量は16GBで、リアカメラなしで229ドル(国内価格は22800円)という価格になっている。背面カメラを搭載している第五世代iPod touchと、iPod nanoの間を埋めるプロダクトという位置付けなのだろう。

基本的にはこれまでのiPodおよびiPhoneと同じで、4インチのレティナ画面を搭載している。但しカラーバリエーションはブラック&シルバーの1種類のみとなっている。そして第五世代を発表して以来提供してきた16GBのiPod Touchと入れ替えになる。価格は299ドルの32GBモデルより若干安めということになっている。これまで16GBの第四世代が199ドル、32GB版が249ドルという価格で提供されていた。新しい世代のモデルながら記憶容量を抑えめにしたということで、ちょうど中間的な価格設定になっているわけだ。

背面カメラはなくなったが、前面のFaceTimeカメラは搭載されている。これにより720pのHDビデオを撮影できるし、プロセッサも同じA5だ。バッテリーの持続時間についてもかわりはない。ただ、背面カメラがないおかげで多少(0.6オンス)ほど軽くなっている。Bluetooth 4.0とWi-Fiについては従来通りとなっている。

MacRumorsの記事によると、今回の変更は、事前にKGI SecuritiesのアナリストであるMing-Chi Kuoが予測していた線でのものだ。氏はこれまでにもいろいろな予測を的中させている。予想では8GBモデルも出るとしていて、この点ではハズレということになった。しかしカメラを無くすだろうという点と、価格帯についてはほぼ正確に予想していたことになる。

Appleは徐々に本質的なアップグレードを行なっていないプロダクトのリリースも行うようになっている。たとえば今年冒頭にもVESAマウント互換のiMacをリリースしている。Appleとして、従来の部品や製造方法を継続することで、若干多めの利益を上げることが出来るというわけだ。また、新しいモデルのリリースにより、製造し続けていた第四世代の生産を打ち切ることもできるようになる。Appleにおける今後の製品リリースのやり方について参考になるものだと思われる。

原文へ

(翻訳:Maeda, H)


10代の少年が強力レーザーカッターを完成…卓球ボールを数秒で切断

レーザーで物を焼き切ることに勝る満足感(そして危険性)を人に与えるものは、ほかにあまりない。レーザーのDIYを趣味とする若者Drake Anthonyまたの名Styropyroは、古いDLPプロジェクターのダイオードを利用して出力 3000mWのレーザーを完成させた。紙、プラスチック、絶縁テープなどを数秒で切ることができる。

そこらで売ってるハンドヘルドのレーザーは、出力が1,400mWぐらいだから、Anthonyのはかなり強力だ。彼はYouTube上に専用チャネルを持っていて、この破壊的技術の誇示に努めている。でも、今回のライトセーバーふうのレーザーは、これまで彼が作ったものの中でたぶんいちばん見事だろう。

筐体も電子回路も自作で、しかもまだ10代だから、Styropyroの前方には大きな未来が開けている。彼が調教したレーザー砲は、敵の戦闘艦を炎上させて、地球から見るオリオン座の右肩星を前よりもずっと明るく輝かせるかもしれない。

出典: Giz

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ドローン・ヘリはもはやオモチャではない―UVS Aviaはクアドコプターを遭難者捜索や原子炉監視などのために開発

自律飛行クアドコプターに関する商業的関心は世界中で拡大中だ。最近もAirwareがAndreessen Horowitzから1070万ドルのベンチャー資金を調達しているし、AngelPadが投資するDroneDeployも話題のスタートアップだ。この分野にはベンチャー投資家と起業家が殺到しつつある。

このトレンドは世界の反対側でも起きている。ロシアのUVS Aviaは原子力炉や核廃棄物処理場の監視、遭難者の捜索などに利用できるハイエンドのマイクロ・ドローンの開発を行なっている。

このクアドコプターは重量1kgで、高度100m以上を1時間にわたって飛行できる。価格はさすがに4万ドルもするが、これはロシアの税制によって本体価格とほとんど同額の税金がかかるためと、販売ターゲットとして官庁、軍などを想定しているためだ。ホビー向けの市販クアドコプターは数百ドルしかしないが、15分くらいしか飛べない。これまでにUVS Aviaは数十機の販売に成功しているという。

この機体には赤外線カメラ、暗視カメラを装備できる。また原子炉や放射性廃棄物処理場の上空を飛ぶ場合は放射線防護装置を取り付けられる。

「ホビー向け製品の重量はだいたい100gだ。こちらは1kgだから桁が違う。すべての機能が優れているし、はるかに強固だ」とCIOのMaxim Shaposhnikovは言う。

「こうしたハードウェアはやがて値下がりすることになるが、そうなったときにものをいうのは優れたソフトウェアだ。軍用も含めて多くのドローンは人間が操縦する。しかしわれわれは完全な自律飛行を目指している。最終的には自動的に再充電しながら何ヶ月も飛行できるようにしたい」とShaposhnikovは述べた。

さらにもう一つ開発中のソフトウェア機能は、ドローン相互のコミュニケーションだ。「やがて100機以上のドローンがネットワークを作ってひとつの都市全体を完全に自動でモニタできるようになる」とShaposhnikovは言う。「この業界では皆同じ考えだと思うが、5年後にはドローンの機体価格は大幅に値下がりしているだろう。5時間くらい連続飛行できる新しいバッテリーも開発されているだろう。すべてが進歩する中で差別化のカギとなるのはやはりソフトウェアだ」。

UVS Aviraは非公開のエンジェル投資家から300万ユーロを調達している。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+