マイクロソフトがビジネス向けCortana新機能を発表、iOS版Outlookはメール音声読み上げや各種操作が可能に

Cortana(コルタナ)はコンシューマー向けの音声バーチャルzアシスタントとしては失敗したかもしれないが、Microsoft(マイクロソフト)はMicrosoft 365の一部として「パーソナル・プロダクティビティ・アシスタント」として再ブランド化し、ビジネスの現場ではCortana、あるいは少なくともそのブランドが存続することになった。そんな中の米国時間9月22日、マイクロソフトはIgniteカンファレンスで、ビジネスユーザー向けのCortanaの新サービスを発表した。

その中には、同社が複数のハードウェアベンダーと提携して販売する、新しいMicrosoft TeamsのディスプレイMicrosoftTeamsリリース)でCortanaを利用できるようになることも含まれている。これらはTeams専用のスマートディスプレイで、いわばGoogleアシスタントに対応したスマートディスプレイのようなものだが、会議に特化したものだと考えていいだろう。最近では、このようなデバイスは音声アシスタントをサポートしていないと有用性を示すことは難しい。なおこのディスプレイは、米国で9月に発売され、オーストラリア、カナダ、英国、インドでは今後数カ月のうちに展開される予定だ。

同社はこれらの 「Teams」 デバイスに加え、近いうちに 「Teams Rooms」 デバイスにもCortanaが搭載される予定だ。オフィスや会議室に戻って共有ハードウェアに触れたいと思う人はほとんどいないと思われるので、タッチレス体験は必須だ。

さらにマイクロソフトは、しばらく前からメールを中心としたCortanaサービスも発表している。米国ではすでにiOSとAndroidで提供されている、メールを読み上げてくれるサービスであるPlay My Emailsは、オーストラリア、カナダ、英国、インドでも今後数カ月のうちに提供される。それ以上に注目なのは、iOS向けのOutlookユーザーは今月下旬に、音声で受信トレイと対話したり、メール送信者への通話を開始したり、特定の送信者からのメールを再生したりすることができるようになるということだろう。

またCortanaは、Microsoft 365 Enterpriseユーザーであれば、毎日のブリーフィングメールを送信できるようになった。この機能は現在一般に利用できるようになっており、今後数カ月のうちに会議の準備やMicrosoft To Doとの統合、その他の新機能が強化される予定だ。

そして、もしWindows 10でCortanaを使用している場合、このチャットベースのアプリでは、少なくともあなたが英語を話し、米国にいる場合は電子メールを作成することができるようにある。また、必要に応じて、ウェイクワードを使って起動することも可能になった。

Microsoft Ignite

画像クレジット:Justin Sullivan/Getty Images / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Microsoft EdgeのLinux版プレビューが10月登場

Microsoft(マイクロソフト)は、EdgeブラウザをChromiumエンジンに切り替えると発表したとき、あらゆる人気のあるプラットフォームにEdgeブラウザを提供することを公表していた。当時、Linuxはそのリストに含まれていなかったが、昨年末には同社がLinux版に取り組んでいることが明らかになっていた。今年のBuildでは、マイクロソフトのプレゼンターがプレゼンテーションの中でChromiumエンジンを使っていた(Windows Central記事)ことも記憶に新しいだろう。

画像クレジット:Microsoft

10月から、LinuxユーザーはEdge Insiderのウェブサイトから、またはネイティブのパッケージマネージャからブラウザをダウンロードできるようになる。WindowsやmacOSのユーザーと同様のEdge体験を得られるだけでなく、内蔵されているプライバシーやセキュリティ機能にもアクセス可能だ。ほとんどの場合、Linuxでの体験はほかのプラットフォームと同等のものになると思われる。

また同社は本日、開発者がこれまでに3700人以上のChromiumプロジェクトへのコミットを行ったことを発表した。この作業のいくつかはタッチスクリーンのサポートに関するものだが、チームはブラウザの基本的な部分に加えて、アクセシビリティ機能や開発者ツールなどの分野にも貢献している。

現在、Microsoft EdgeはWindows 7、8、10、macOS、iOS、Androidで利用可能だ。

Microsoft Ignite

画像クレジット:Bryce Durbin

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(翻訳:TechCrunch Japan)

強力なウィジェット作成機能をもたらすLauncher、iOS 14でユーザーの画面カスタマイズ熱高まる

Launcher」は、カスタマイズ可能なウィジェットの新機能をiOS 14に提供し、ウィジェットのアイコンを日付、時間、さらには場所ごとに回転させることができるようになった。また、ウィジェットの背景、異なるサイズのアイコンやラベルのないアイコンもサポートしており、よりすっきりとした外観を実現する。

2014年にデビューしたこのアプリは、アップルの古典的な「今日の表示」(Today View)ウィジェットが提供する機能の限界を押し広げる数少ないアプリとして知られていた。以来、お気に入りの連絡先にメッセージを送ったり、家に電話をかけたり、道順を聞いたり、お気に入りの音楽を再生したりなど、一般的なタスクのためのスタートパッドとして人気だ。

現在ではホーム画面からも同じことができるが、今回iOS 14のテーマに合わせてよりカスタマイズできるようになっているので紹介しておこう。

アップルは2014年の時点では、Launcherをどう考えればいいのかよくわかっていなかったはずだ。Launcherは、ウィジェット設定以外の機能を提供せず、「今日の表示」ウィジェットを提供するだけの存在だったため、数カ月間App Storeから削除された経験(未訳記事)がある。アップルは最終的にLauncherには価値があると判断(未訳記事)し、再び配布を許可した。さらにアップルは後に、ワークフロー自動化の市場があることに気づき、最終的にはLauncherの競争相手であるWorkflowを買収(未訳記事)した。

さてiOS 14でアップルは、ホーム画面をカスタマイズするためのにウィジェットのアイデアを導入した。そしてユーザーは、カスタムアイコンを作成するためにショートカットを活用し始めている。いまでは、ウィジェットとの組み合わせを使用して創造的なホーム画面を作り込んでいるクリエーターいるほどだ。

一方のLauncherは、カスタマイズされたUI/UXを作るのに何時間もかけたくない人のために、よりシンプルな選択肢を提供する。代わりに、お気に入りのアプリやタスクでウィジェットを作成したり、ウィジェットの背景色を変更したり、アイコンのサイズを調整したりすることが一度に可能なのだ。

例えば、アイコンをタップすると、お気に入りの連絡先にすぐに電話かける、メッセージを送る、FaceTimeやメールを送る、場所を案内する、Apple Musicでアーティスト、アルバム、プレイリストの再生を開始、お気に入りのウェブサイトにアクセス、ツイートを作成やショートカットを実行などアプリケーション内のアクションを起動、一般的な電話の設定(Wi-Fi、Bluetooth、低電力モード、DND、機内モードなど)のオンまたはオフに、デバイス上のほかのアプリの起動などできるランチャーウィジェットを作ることができる。

Launcherは、アイコンやウィジェットの背景をカスタマイズしたり、ウィジェット内の小さなアイコンやアイコンラベルを削除したりすることもできるので、iOS 14のホーム画面のカスタマイズトレンドを盛り上げてくれることは間違いないだろう。ウィジェットの背景は、既存の壁紙に合わせてスタイリングできるし、もちろん任意の画像も使える。

また、ウィジェットはスペースを有効活用するために重ねて置くことができる。しかも、含められるアイコンは、曜日、時間帯、場所に応じて変更可能だ。例えば、ジムに通っている時だけ表示されるウィジェットや、オフィスにいる時に表示されるウィジェットを作成できる。ホーム画面のウィジェットも、週末と仕事中では異なるものに変えられる。

アプリの機能の多くは従来の「今日の表示」ウィジェットで提供されていたものだが、ホーム画面のウィジェットの動作は異なる。以前は、時間や場所に基づいて表示または非表示にできるウィジェットの数が固定されていた。一方、新しいウィジェットは異なる時間に表示される異なるアイコンセットに切り替え可能だ。ただし、ホーム画面ウィジェットが自動的に消えるように設定すると、ホーム画面自体が再配置される点には注意したい。

Launcherの開発者であるGreg Gardner(グレッグ・ガードナー)氏によると、iOS 14がウィジェットをサポートするアップデートの前からiOS 14には関心を寄せていたという。

ガードナー氏は「iOS 14ユーザーは、ホーム画面ウィジェットにかなり興奮しているようで、App Storeでウィジェットを検索して、我々のアプリを見つけてくれています。残念ながら、その中にはアプリにホーム画面ウィジェットがなかったことに失望した人もいました」と語る。「ホーム画面ウィジェットが加わったことでダウンロード数が増え続け、新しいユーザーがこれ以上がっかりしないことを願っています」と同氏は付け加えた。

ちなみに、iOS 14のサプライズリリースは誰のメリットにもならなかった。アップルは今年、デベロッパーに24時間以内にiOS 14がユーザーに一般公開されることを知らせ、しかもiOS 14の正式版向けの開発・検証に必要なXcodeなどの開発ツールをダウンロード可能になる前に発表した。これにより、一部のデベロッパーのiOS 14対応アプリが、数年前のようにiOSの公開日には準備ができなかったのだ。

さて、今回の機能拡張に加えてLauncherの新しいアプリを評価する理由はもう1つある。それはアプリのビジネスモデルだ。

このアプリはサブスクリプションによる収益化は行わず、ユーザーには1回限りのプレミアムプラン料金のみを請求する。以前のバージョンのアプリでは2つの異なる価格を提供していたが、新バージョンでは価格設定をシンプルにして1つまとめている。

新たにアプリ内で購入した「Premium」は、新しいホーム画面ウィジェットとカスタマイズオプションをすべてアンロックする。既存ユーザーは350円、新規ユーザーは980円でフルアップグレード可能だ。

「新しいウィジェットを実装するのに必要な作業量は十分だったので、新しいアプリ内購入を正当化できると思いました」とガードナー。さらに「App Storeはこのような場合にアップグレード料金を請求する正式な手段を提供していない」と指摘した。

Launcher 5(Launcher – 複数のウィジェットを持つランチャー)は現在App Storeで配信中だ。

画像クレジット:Cromulent Labs

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(翻訳:TechCrunch Japan)

iOS 14のウィジェットとiPhoneのホーム画面のカスタマイズを最大限に活用する方法

iOS 14にアップグレードして、アップルが提供する純正オプションなどから従来とはかなり異なるiOSのホーム画面を見てきたはずだ。あなたがAndroidユーザーであれば、自分たちが長年使ってきたカスタマイズ機能にようやくiPhoneユーザーが追いついたことを笑っているかもしれない。しかし、iPhoneユーザーなら、その使い方をいますぐ知りたいはずだ。時間に余裕があり、少し手の込んだ回避策を気にしないのであれば、実際には比較的簡単だ。もちろん、脱獄する必要なんてない。

ウィジェット

ソーシャルメディア上で話題になっているiOS 14の新機能といえば、初めてサポートされたホーム画面用のウィジェットだろう。これらは、アップルまたはサードパーティ製が提供しており、App Storeからダウンロードしたアプリ自体に含まれている。多くの開発者がiOS 14のリリースになんとか間に合わせたようで、私の同僚のSarah Perez(サラ・ペレス)がどこから始めてよいかわからない場合にチェックアウトするために、いくつかのウィジェットをリストを作成したので、まずはそちらを参照してほしい(その1その2)。日本国内でも「PayPay」や「bitFlyerウォレット」など一部のアプリがウィジェット対応を進めている。

PayPayウィジェットでは残高確認、付与予定ボーナスほか、QRコードやスキャナーの呼び出しが可能だ(画像クレジット:Hiro Yoshida)

個人的に気に入っているウィジェットの1つはWidgetsmithで、Smith(製作人)の名前が示すように、ウィジェットを細かくカスタマイズできるのが特徴だ。さまざまなカスタマイズオプションが用意されており、カレンダー、天気、時計など便利な機能が多数ある。また、フォントもスタイルに合わせて選べる。私はいつも、できる限りクリーンな単一トーンのルックスをiOSで作ることを目指してきたが、Widgetsmithは私がこれまで見つけた中で、ボーダレスに見えるホームスクリーン用ディスプレイとしては最高のものになる。あなたのiOSの壁紙が、アプリがサポートしているいずれかの色と一致する単色であればの話だが。

Widgetsmithのウィジェット追加方法(画像クレジット:Hiro Yoshida)

ウィジェットは、わさわざアプリを起動して確認するまでもない情報を、ホームスクリーン上の必要な場所にひと目で提供するのに優れている。GoogleのiOSアプリに組み込まれている検索ウィジェットのように、便利な機能にショートカットできるものもあるが、ほとんどのウィジェットはアプリの起動時間を減らすことを主な目的として作られている。

カスタムアイコン

ウィジェットは新しいものだが、このカスタマイズにはもう1つの大きな要素がある。数年前にアップルがiOSで「ショートカット」アプリを発表して以来ずっとあった機能なのだが、iOS 14でウィジェットが導入されたことでホームスクリーンのカスタマイズ周りの注目度が高まった結果、多くの人が初めてこの機能を使うようになった。

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iOS上では、厳密にはカスタムアイコンを作成できない。実際にユーザーがやっているのは、アプリの起動をトリガーする新しいショートカットを作成し、そのブックマークのためにカスタム画像を使用し、それはホーム画面上に常駐させているだけだ。これは理想的な解決策ではない。というのも「アプリ」 に通知バッジがない、 システムは最初にアップルのショートカットアプリに誘導し、それが一瞬開いてからショートカットに選んだ実際のアプリが機能するからだ。

アップルは明らかに、こういった使い方のためのこのショートカット機能を設計していない。事実、ターゲットアプリを開くと、自動化されたアクションの文字列の開始であることが意図されているからだ。さらに同社は、ユーザーが独自のカスタムアイコンを選択できるようにすることにも興味を持っていないようだ。ここで紹介する方法は、我々が今のところできる最善のもので、幸いにも作業は比較的簡単だ。一方で多くのステップがあり、ホーム画面全体をカスタマイズするには少し時間がかかるの点は覚悟してほしい。

まずは、できるだけ簡単にカスタマイズ可能にするためのGIFアニメを紹介しておく。なお、GIFアニメで紹介されている、モノクロのスピーカーアイコンなどは、事前にアイコンセットをカメラロールなどに保存・用意しておく必要がある。

クリエイティブなたちが少しの時間と労力を割いてこれを使って成し遂げた素晴らしい例がいくつかある。ウィジェットの選択肢が増え続けているいま、アップルのルールの下で可能な限りのカスタマイズを楽しもう。

画像クレジット:Darrell Etherington

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(翻訳:TechCrunch Japan)

日本語音声合成向けに東京式アクセントを自動推定する自然言語処理ソフト「tdmelodic」がオープンソース化

日本語音声合成向けに東京式アクセントを自動推定する自然言語処理ソフト「tdmelodic」がオープンソース化

PKSHA Technology(パークシャテクノロジー)は9月18日、自然言語処理ソフトウェア「tdmelodic」(Tokyo Dialect MELOdic accent DICtionary generator:東京方言高低アクセント辞書ジェネレーター)をオープンソースソフトウェア(OSS)としてGithub上で公開したと発表した。ライセンスは修正BSDライセンス(三条項BSDライセンス)。また特許出願中という。

tdmelodicを使用すると、様々な単語の東京式アクセントを推定でき、それにより大語彙アクセント辞書の自動生成が可能となる。この辞書は、より自然に感じられる日本語音声合成などの用途に利用できる。「日本語の単語の表層形と読みを入力とし、その単語の東京式アクセントを出力する機能」、「既存の日本語形態素解析用辞書UniDicとNEologdをベースとして、日本語文章の分析機能を有するMeCab用の大語彙アクセント辞書を自動生成する機能」を提供する。

PKSHA Technologyは、日本語音声合成技術の社会実装の加速を目的として、日本語音声合成で実用上必要となるような幅広い語彙を網羅した大規模アクセント辞書を自動生成するためのモジュールとして、単語の東京式アクセントを自動推定するソフトウェアtdmelodicを開発・公開。同ソフトウェアは、単語の表層形(漢字など、単語が文章中で現れる形)と読み(フリガナ)から、その単語のアクセントを深層学習に基づく技術により推定する。

同ソフトウェアを、既存OSSの大規模日本語辞書のひとつ「NEologd」などに適用すると、語彙サイズ数百万単語規模の大規模なMeCab用アクセント辞書を一括で自動生成できる。tdmelodicの活用法の一例として、音声合成システム開発者はまずtdmelodicとNEologdによる自動生成辞書をベースラインとして開発を始め、必要に応じて辞書中の誤りを適宜修正しながら文章読み上げの性能を向上させていくといった開発プロセスへの活用などが考えられるという。

近年、深層学習を活用した音声合成技術の登場により、合成音声の音質は飛躍的が向上し、店舗接客ロボットやスマートスピーカーなどにおいて音声合成システムが活用され始めて普及しつつある。しかし日本語の音声合成においては、いわゆる「イントネーションに若干の違和感がある」傾向にあり、依然として技術的課題となっているという。この問題は、音声合成システムの前処理において、各単語にアクセント情報を付与する際に、必ずしも正しい情報を付与できていないことが原因のひとつと考えられるとされる。

日本語の多くの方言の話し言葉において、単語のアクセント情報は重要な役割を担っており、そのひとつが同音異義語の識別のための役割(弁別機能)となっている。例えば、「富士」と「藤」は平仮名で書くと同じふりがな(ふじ)になる単語だが、アクセントが異なることによって識別でき、同様のケースが多数ある。

また、もうひとつの重要な役割が、文章中のフレーズの意味的まとまりや、文章の構造を理解しやすくするための役割(統語機能)という。例えば東京方言では、複数の単語が連結して複合語になった際に、複合語のアクセントと、個々の単語を単純に連結したアクセントとが、まったく異なったものになることがある。例えば「機械学習」は、「機械」(き\かい)「学習」(が/くしゅう)を単純に連結した「き\かいが/くしゅう」ではなく、「き/かいが\くしゅう」と発音する(\は下降気味に発音。/は上昇気味。東京方言の場合)。このように発音することで、「機械学習」が意味的にひとつの塊であって、単に「機械」と「学習」を並べた以上の特別な意味を持つ複合語であるということが分かりやすくなる。

日本語音声合成においてより自然な結果を得るためには、読み上げ文章中の全単語に対してこれらアクセント情報を適切に付与する必要があり、現在では、アクセント辞書(単語のアクセント情報を列挙した電子的な目録)を活用することが一般的という。

しかし、新語や流行語、商標名のように、標準的な辞書には掲載されない単語や、複雑な複合語などについては、実用上の重要性の高さにもかかわらず、既存の標準的なアクセント辞書では必ずしも十分に対応しきれていなかったという。

なお今回の成果の一部は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業の結果得られたものという。

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アマゾンAlexaの「ルーチン」を家族や友人などと共有可能に、サードパーティーも共有可能ルーチンを提供

Amazon(アマゾン)はAlexa(アレクサ)デバイスのユーザーがもっとルーチンを使いやすくなる機能を提供する。ルーチンは数年前からある機能で(未訳記事)、Alexaユーザーは複数のタスクをまとめて自分で選んだコマンド1つで実行できる。例えば、明かりを消し、リラックスできる曲を流し、ドアに鍵をかける、という動作を「Alexa, goodnight」(アレクサ、おやすみなさい)のひと言で実行できる。朝のルーチンなら、ニュース見出しを読み、天気予報を見て、スマートコーヒーメーカーのスイッチを切るという具合だ。このほど同社は、ほかの人と好きなルーチンをシェアできるようにした(Amazonブログ)。

ルーチンはまだ、パワーユーザーの機能と考えられている。設定には時間ががかり、Alexaのモバイルアプタでも「その他」メニューの目立たないところにあるからで、Alexaデバイスのオーナーでも一度も使ったことのない人がいるはずだ。

米国のAlexaユーザーは、Alexaアプリのルーチンセクションへ行き、シェアしたいルーチンをクリックすると共有可能なURLを取得できるようになる。そのURLはSNSに投稿したり、テキストメッセージやメールなどでどこへでも送ることができる。

シェアされたルーチンを受け取ったユーザーは、AlexaアプリをインストールしてあるモバイルデバイスでURLをクリックする。あとは画面の指示に従って設定を完了するだけだ。黄色い文字の部分は、カスタマイズできるフィールドを表している。どのスマートライトを点灯・消灯したいか、などを指定するだ。

Alexaルーチンのオンライン保管場所のようなものができて、多くの人たちがルーチンを見つけて利用できるようになれば便利だろう。iOSのショートカットに(Mac Stories記事)は共有するためのディレクトリ(Shortcuts Directory記事)が、いくつか作られている(shortcutsgallery記事)。よく使われるルーチンをAlexaアプリの中で見つけられたらもっと便利だろう。ただし、こうしたアイデアは今回発表時点では実現されていない。

その代わりにAmazonは米国時間9月17日、Alexaスキルのパートナーが作った共有可能なルーチンをいくつか紹介した。NPRiHeartRadioHeadspaceFitness DayHistory Channelその他のデベロッパーが提供している。ユーザーはこれをテンプレートにしてカスタマイズすることで、独自のボイスアプリ体験を作り出すことができる。

画像クレジット:Chloe Collyer/Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アップルはiOS 14のサプライズリリースで開発者の怒りをさらに買ってしまう

アップルと開発者の関係はまた別の問題を引き起こしている。米国時間9月15日にApple WatchとiPadの新モデルを発表したハードウェアイベントで開発者たちを驚かせた。同社の主要なソフトウェアプラットフォームのアップデート版である、iOS 14、iPadOS 14、watchOS 7、tvOS 14を9月16日(日本時間9月17日)にリリースしたのだ。結果的に、開発者に新OSに対して1日も準備する時間を与えないことを発表した。

この予想外に早まったスケジュールのために、多くの開発者はApp Store審査のために各アプリを準備するために慌ただしくなっており、スケジュールを複雑にしてしまった。

ジョシュア・ヴァン:Apple Developer Relations以外の皆さん、おはようございます。

人気ポッドキャストプレーヤーを開発するOvercastなど一部の企業は、iOS 14で予定されている機能の準備ができていないことをユーザーに通知した。

一方で、アップルが開発者コミュニティーが予想外の日程でiOS 14をリリースしたことについて、開発者のSteve Troughton-Smith(スティーブ・トロートン-スミス)氏は「そうでなくてもストレスの多い年に、開発者に不必要なストレスを与えることになります」と述べている。

さらに、アップルの決定はiOS 14のサポートを待つことを選んだ開発者に影響を与える。

開発者は例年、iOSの発売日に合わせて、プレスリリース、ブログ記事、ソーシャルメディアを介してアプリの新機能を宣伝する。アプリのレビューサイトからのニュース報道も、お気に入りのアプリへの注目すべきアップデートのまとめ情報が含まれているかもしれない。さらには、iOSの新機能を興味深い方法で搭載したアプリとしてメディアに取り上げられるかもしれない。

代わりに今年は、デベロッパーコミュニティーはプレスとさまざまな称賛を追いかける必要はなく、iOS 14への対応を予定より早く準備しなければならなくなった。

チャーリー・チャップマン:ほかに不満の声も聞こえるが、私がアップルのイベント後に感じた最もネガティブなことだ。

あまり無理はしていないのだが、iOS 14の「1日目」リリースに向けて、リスト作りなどの報酬を期待していろいろな準備をした。

Overcast:申し訳ありません、iOS 14の機能はまだ準備できていません。

私の顧客のほとんどがiOS 14を使うのはまだ先のことなので、この夏はバグ修正と家庭内感染、学内ロジスティクスを優先しました。私たちは大丈夫、忙しいだけです。

皆さんと同様、私も今年できることをしています。近いうちに。

スティーブ・トロートン-スミス:今からApp Storeにアプリを提出します。英国時間9月16日午後10時です。iOS 14は明日リリースされます。アプリの審査は1時間から数日間かかります。これは、他の点でストレスの多い年の開発者にとって不必要なストレスです。

マシュー・カシネリ:サードパーティーが何百万ドルの収益を上げる可能性があるのだろうか。アップルは、発売日やプレスレビューの数を減らそうとしていたのかもしれない。

消費者もまた、iOS 14のサプライズリリースの影響を受ける可能性がある。いくつかのアプリメーカーは、互換性のためにiOS 14上で正しく動作しない可能性があります。有名なところでは、任天堂が「どうぶつの森 ポケットキャンプ」の機能しないとツイートしたことが挙げられる。同社は、アプリが対応するまではiOS 14へのアップデート待つように案内していた。

バグのためにアプリのレビューを酷評することで非難されることの多い開発者たちは、顧客が今も同じことをするのではないかと心配している。アップルがiOS 14を発表した時点では、アップルの統合開発環境であるXcodeの最終バージョンさえ入手できていなかったにもかかわらず。

しかし、iPhoneユーザーはすぐに最新版にアップデートする傾向が高い。アップルはこの夏のWWDC(開発者会議)に先立ち、2019年9月にデビューしたiOS 13が、それ以来4年以内にリリースされた全iPhoneの91%、互換性のある全iPhoneの81%にインストールされたことを示す、iOSのアップデート率の新しい数字を発表した。

つまり、iOSユーザーの大半が新バージョンに移行する前に、iOS開発者がアプリを最新OSに対応するための時間がほとんどないことを意味する。

マルコ・アーメント:私はiOS 13 SDKを使ってビルドされたアップデートを、iOS 14 GMがリリースされて提出が殺到すると思われる前日の8月14日に申請した。これは賢明だと思った。

しかし、これは裏目に出たと思う。iOS 14のSDKを使ったアプリのほうが審査の優先順位が高く、記録的な速さでレビューされている。列の一番下にはiOS 13のSDKを使ったのアプリが並んでいると思う。

ソーヤー・ブラッツ:iOS 14をリリースするなんて信じられません。開発者としては最悪の出来事です。

ジェシー #AbolishPolice:すべてのiOS開発者:

アップル:iOS 14は明日リリースだ!

ダニエル・シンクレア:アップルがiOS 14を明日にリリースするニュースで、みんなのスケジュールを台無しにした。開発者は準備ができていません。このアップデートはしばらく保留にしておいたほうがいいだろう。

このアップルの最新の失態は、App Storeでの厳しい拒絶が何カ月も続いたことに続くものだ。アプリ内購入ルールで拒絶された最新のメールアプリ「Hey」をめぐってBasecampの間で大騒動が起きた。アップルはアプリ内購入の機会損失に注目していたが、ある時点でWordPressアプリを拒絶したことを公の場で非難された後、異例の謝罪を余儀なくされた。

そしていま、アップルはFortnite(フォートナイト)の開発元であるEpic Games(エピック・ゲームズ)と、Epicのビジネスを委ねる権利を巡って法廷で戦っている。Epicのような大企業は、App Storeでの配信やApple Payのようにアップルが提供するサービスに頼る必要はないと主張しているが、アップルの条件によって強制されている。

開発者は、アップルが裁判所に提出したApp Store事業について説明した書類の中で、同社が同事業を「利益を得る」と記載していたことも注目している。これは一部の開発者を誤解させるような言い回しだ。結局のところ、iPhoneを購入する理由はいくつかあるが、その中でもアプリを利用する頻度は高い。

開発者は、アップルがEpicのApple Developerアカウントを、関連するゲーム開発プラットフォームのUnreal Engine用を含めて奪い取ろうとしたこと見てきた。Unityが「Appleでサインイン」をサポートしたこともEpicの影響だ。アップル側のこうした強硬手段は、開発者のアップル製ツールへの依存度を利用して、一線を越えた開発者を罰する準備ができていることを開発者に明らかにした。

さらに、アップルはApp Store事業が独占禁止法調査の焦点になっているいう事実がある。同社はApp Storeは「平等な競争の場」と主張しているにもかかわらず、同社がどのように特別契約を結んだかを明らかにした。

そしてアップルは最近、App Storeのルールを改訂し、手数料に関する条項をより明確にした。また、ゲームストリーミングサービスをApp Storeで配信可能にする道を模索している。しかしその結果、ルールは非常に複雑になり、多くの除外事項や例外があるため、何が許可されているのか混乱しているデベロッパーもいるだろう。

開発者の怒りの高まりの中で、アップルは開発者コミュニティにiOS 14をイベント翌日にリリースした。他の誰もがそう感じているように、新コロナウイルスの大流行中にだ。新コロナウイルスは人々の日常生活を完全に根底から覆してしまった危機で、多くの開発者は現在、リモートで仕事をしていたり、子供をホームスクールに通わせていたりしている。彼らやその家族が新コロナウイルスの影響を直接受けているかもしれない。

マルコ・アーメント:そうは言いません。これには2つの永遠の問題があります。

アップルのハードウェアのリリース日は、ソフトウェアの品質や対応状況ではなく、ソフトウェアのリリース日を示します。

アップル社員の大部分は、外部の開発者が直面している課題や状況について、ほとんど知らないようです。

アップルは、iOS 14のサプライズ配信の決定の理由について、ユーザーにも開発者にも説明していない。

画像クレジット:Bryce Durbin

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(翻訳:TechCrunch Japan)

いますぐ試せるiOS 14用ウィジェット(その1)

iOS 14が予想よりも早くリリースされ、アプリ開発者は準備期間が十分に取れなかったにもかかわらず、野心的な少数の開発者は、リリース当日にiOS 14をサポートするアプリを提供するために、徹夜までして何とかやり遂げた。iOSの新バージョンは、数年ぶりに消費者がホーム画面を整理する新しい方法を提供する。今回のアップデートでは、あまり頻繁に使わないアプリをiPhoneの背面画面のApp Libraryに移動できるようになった。

やがて、ウィジェットのサポートは多くのアプリケーションの標準機能となるだろう。しかし、アップルは今年はややイレギュラーなかたちでiOS 14をリリースすることを選んだので、初日に提供されるウィジェットは少ないかもしれない。

ここでは、本日iOS 14と同時にローンチされた、興味深いアプリとウィジェット23本のうち前半の12本を紹介する。これらは、iOS 14のリリース直後に公開される予定だ。なお、一部のアプリとウィジェットは日本では配布されていないので注意。

Aviary(アビアリー)

Twitterクライアント「Aviary」が、Twitterのタイムラインから最新のツイートをウィジェットのサイズを選択した場合に1、2、4本のいずれかで閲覧できるウィジェットをリリースした。ウィジェットは定期的に更新される。

画像クレジット:Aviary(右上のウィジェット)

Brief(ブリーフ)

偏りのないニュースアプリを標榜する「Brief」は、クリックベイト(煽り見出し)を避けるという約束を守っており、注意力の分散を防ぐためにデザインされたミニマルな単色のウィジェットを使用している。「フロントページ」ウィジェットのコンテンツは、ニュースチームによって注意深くキュレーションされるため、その日の最も重要なニュースのみがホーム画面に表示される。

画像クレジット:Brief

第二の「選挙スナップショット」ウィジェットでは、現在の大統領、下院、上院のレースを一目で確認できる。ユーザーはこのウィジェットをカスタマイズして、例えば自分の州の選挙など、最も注目されている選挙を追跡することも可能だ。

Soor(スール)

iPhoneユーザー向けのプレミアム音楽プレーヤーアプリ「Soor」が、大小3つのウィジェットをリリース。「Now Playing」ウィジェットは、現在の曲と次の曲が表示され、ほぼリアルタイムで更新される。また、自分のミックスを表示する「Magic Mixes」ウィジェットや、8種類のキュレーションされたコンテンツを表示設定できる「Music Collection」ウィジェットも用意されている。

画像クレジット:Soor

Readdle: Spark Mail, Calendar 5, Documents(リードル:スパークメール、カレンダー5、ドキュメンツ)

ReaddleはiOSアプリの「カレンダー」に、予定や月を表示する「Calendar 5」ウィジェットをリリースした。
した。

画像クレジット:Readdle/Calendar 5

Spark Mailアプリは、メールやカレンダー用のウィジェットも用意されている。

画像クレジット:Readdle/Spark Mail

にDocuments by Readdleは、VPN、音楽、プレーヤー、ブラウザなどのファイルアクションに素早くアクセスするためのウィジェットが加わった。

画像クレジット:Readdle

Streaks(ストリーク)

クセになるToDoリストアプリ「Streaks」も本日リリースされた。

Cheep(チープ)

Cheepアプリを使えば、間違った運賃やその他のとんでもなく割引されたフライトのお得な情報を知ることができる。iOS 14ウィジェットは、あなたの空港のお得な情報をだけをカスタマイズ可能で、アプリを開かなくても簡単にお得な情報を入手できる。

画像クレジット:Cheep

Dice(ダイス)

PCalcのDiceは、卓上ロールプレイングゲームで使用するための多面体サイコロの物理学ベースのシミュレーションだ。このアプリの新しいウィジェットでは、サイコロがホーム画面に表示され、タップするだけでアプリを開くことができる。

画像提供:PCalc

Twilight Dice(トワイライトダイス)

もう1つのサイコロアプリも、本日からそのウィジェットが使える。

画像クレジット:Twilight Dice

Weather Line(ウェザーライン)

天気予報アプリ「Weather Line」は、すでに天気や予報に関連した多くのビジュアルデータを提供している。ウィジェットでは、その分析結果とグラフをiOS 14のホーム画面に表示する。このアプリのウィジェットは天気関係の必要な情報を集約しており、現在の気象状況、予報、高低、日の出・日没、降雨、異常気象警報などを配信する。

画像クレジット:Weather Line

Nighthawk(ナイトホーク)

NighthawkのTwitterクライアントは本日、最初のウィジェットをリリースした。「Vanity」を使うとフォロワー数やフォロワー数など、自分のTwitterプロフィールのメトリクスを把握することができる。

Apollo for Reddit(アポロ・フォー・ラディット)

人気のRedditクライアントアプリのApolloは、選択したRedditフィードからの投稿を表示する「Post」、お気に入りのフィードから複数の投稿を表示する「Multiple Posts」、よりビジュアルでグリッドスタイルのレイアウトで投稿を表示する「Post Feed Grid」、画像が多いSubreddits(Redditのサブフォーラム)の写真を順番に表示する「Wallpaper」、ホーム画面にちょっとしたユーモアを添える「Showerthoughts」「Jokes」など、さままなウィジェットのコレクションを提供する。

画像クレジット:Apollo for Reddit

Carrot Weather(キャロット・ウェザー)

ユーモラスな天気予報アプリであるCarrotは、天気予報、毎時・毎日、天気マップ、そして真のCarrotのファッションである「スナーク」の各ウィジェットが搭載されており、アプリの古典的な皮肉っぽいコメントで天気情報をユーザーに届ける。

iOS 14でリリースされたCarrotのユーモラスな天気予報アプリには、天気予報ウィジェット、毎時と毎日のウィジェット、天気マップウィジェット、そして―本当の人参風に―アプリの古典的な皮肉っぽいコメントで天気を伝えるスナックウィジェットがある。

  1. Forecast-Widget

    画像クレジット:Carrot Weather
  2. Weather-Maps-Widget

    画像クレジット:Carrot Weather
  3. Snark-Widget

    画像クレジット:Carrot Weather
  4. Hourly-and-Daily-Widgets

    画像クレジット:Carrot Weather

上記のアプリは、いくつかの不測のApp Storeの拒絶を除いて、iOS 14のリリース後、本日配信される予定だ。

画像クレジット:Apple

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(翻訳:TechCrunch Japan)

iOS 14が正式公開,ダウンロード可能に

Apple(アップル)はiPhone(アイフォーン)の最新バージョンOSであるiOS 14をさきほど公開した。ダウンロードは無料でiPhone 6s以降、両世代のiPhone SE、およびiPod touchの最新モデルで利用できる。iOS 13が動作していルデバイスならiOS 14に対応している。今すぐダウンロードできるかどうかには個人差はあるが、すでにアップデートを受け取っている人たちがいるのでチェックしてみてほしい。

同社はiPad(アイパッド)、Apple Watch(アップルウォッチ)、およびApple TV(アップルティービー)でも主要アップデートを本日公開したのでiPadOS 14、tvOS 14、およびwatchOS 7の新機能にも期待できる。

今回のアップデート公開は多くのデベロッパーを驚かせた(未訳記事)。Appleは昨日(米国時間9月15日)、iOS 14を16日のプライムタイムに公開すると発表した。通常同社は公開の1週間か2週間前にアナウンスを行う。そうすることで、デベロッパーは最後に残っていたバグを修正してアップデートをApp Storeに提出する時間を取れる。

今日iPhoneをアップデートした人は、サードパーティーアプリのあちこちにバグがあっても驚かないでほしい。見えないところに大きな変更があり、これほど急に公開されるとは誰も思っていなかったからだ。

アップデートはすでに配信中で、設定アプリからWi-Fi経由でも、iTunesと有線でつないでもどちらでも可能。ただしまず、バックアップを取ること。iCloudのバックアップが最新かどうかを、iPhoneやiPadの設定アプリのトップにある自分のアカウント情報を開き、デバイス名をタップして確認できる。iOSデバイスをパソコンにつないでiTunesでバックアップすることもできる(両方することも可能)。

iTunesのバックアップを暗号化するのを忘れないように。誰かにコンピューターをハックされたとき、ずっと安全だ。しかも暗号化されたバックアップには、パスワードとヘルスデータも入っているので、オンラインのさまざまなアカウントを再設定する必要がない。

バックアップが終わったら設定アプリを開き、一般 > ソフトウェアアップデートへと進む。「アップデートを要求」が出ているはずだ。ダウンロードが可能になれば、自動的に開始される。

iOS 14でいちばん大きい変更は、ホーム画面のウィジェット、全アプリを一覧できるAppライブラリー、そしてApp Clipの実行だ。App Clipはアプリのごく一部の機能を実行できるもので、一切インストールせずに使える。

ほかにも多くの改善がなされていて、メッセージアプリにはグループ機能や@メンションとリプライ、デバイス上で動作する翻訳アプリ、Appleマップの一部で使える自転車用行き先案内、ノート、リマインダー、天気、ホームなどにもさまざまな改善が加えられている。

画像クレジット:Apple

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iOS 14 gets rid of the app grid to help you find the app you’re looking for

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ZenHubの新しい自動化ツールはGitHub上での開発者間の連携を改善する

GitHubユーザーに人気のプロジェクト管理ソリューションを提供するZenHubが、米国時間9月15日、チーム間の連携を自動化するための新機能の発表を行った。このAutomated Workflowsという名の新機能の背後にある考えは、例えば新しいパッチのテスト準備が整った際に(あるいはそのテストが失敗して開発チームがそれを修正しなければならないときに)、チームにまたがる複数のボードを更新してくれるといったものだ。

ZenHubの創業者でCEOのAaron Upright(アーロン・アップライト)氏が私に語ったところでは、今回のAutomated Workflowsは、同社がGitHubで最も統合されたサービスから、最も自動化されたサービスにたどり着く旅の最初のステップに過ぎない。

画像クレジット:ZenHub

彼が指摘したのは、開発チームたちは今でも、アジャイルプロジェクトの管理に苦労しているということだ。「どんなフレームワークを選ぶべきか、どのようにプロジェクトを構成すべきか。小さな会社やチームと話しても、大きな会社と話しても、スクラムとカンバンのどちらを採用するばいいのか、もしくはスプリント計画会議をどのように組織すれば良いのかがわからない人たちにとって、それは共通した問題なのです」。ZenHubが狙っているのは、こうした摩擦点をできるだけ多く取り除き、チームのためにそれらを自動化することだ。

それは、チーム間の連携を行うことから始まる。なぜなら、それが顧客が常に苦労している問題の1つだからだ。チームはそれぞれ独自のプロジェクトとワークスペースを持つことが多いので、ZenHubチームは、企業のさまざまなボードを横断して機能するソリューションを開発する必要があった。

その結果生まれたのは、ドラッグ&ドロップサービスを中心としたツールだ。例えばこれを使うことで、QAから本番に移行する際に、自動的に通知を作成しワークスペース間でのアイテム移動を行うことができる。

「これは、異なるワークスペース間での作業を自動化する方法の1つです」とアップライト氏は説明する。「そして、これが私たちの自動化へ向かう旅の、最初のステップであることに本当に興奮しています」。

アップライト氏は時間の経過とともに、ユーザーがチーム間に構築している関係を機械学習を使用して理解できるようになることを期待している。そのデータを使用すれば、システムはワークフローを提案することもできるようになるかもしれない。

ZenHubによる自動化へ向かう次の焦点は、スプリント計画プロセスを管理するためのツールになる。

「現在でもすでに、ZenHubは開発速度などを収集しています。そうした測定はチームごとに集計されています。私たちは、ワークフローの中での課題の優先順位を理解しています。私たちができるようにしたいのは、例えば2週間ごとに、チームがスプリントのスケジュールを自動的に設定できるようにすることです。そうすれば、チームについてわかっている開発速度データに基いて、チームは2週間ごとに50ストーリーポイントを達成できるようになるかもしれません。私たちはそのSprintを自動構成したいと考えています」。

カテゴリー:ソフトウェア

タグ:ZenHub GitHub

画像クレジット:U.Ozel.Images / Getty Images

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(翻訳:sako)

アップルの新「ファミリーセットアップ」はApple Watchをキッズトラッカーに、Series 4以降のセルラーモデルに対応

アップルは米国時間9月15日、家族の一部のメンバーがiPhoneを持っていない場合でも、家族同士のよりよいコミュニケーション維持できるようにする新機能を発表した。同社はwatchOS 7に「Family Setup」(ファミリーセットアップ)と呼ばれる機能を追加したのだ。子供のApple Watchと自分のiPhoneをペアリングすることで、親と子が連絡を取り合ったり、iPhone側で位置情報通知を確認したり、ペアレンタルコントロールを使ったりするがことが機能になる。

Family Setupでは、子供がメッセージを介して通信できるが、親が利用できる連絡先を設定するできる。また、親は子供がどこにいるかをGPSで把握できる。例えば、子供が自宅から半径500m以内など設定したジフォフェンスエリアに入ったり出たりした場合、家族は位置情報のアラートを受信することができる。もちろん、学校やスポーツの練習場などのへの移動への通知も可能だ。

Family Setupの機能の一部は、Life360のようなモバイル追跡アプリと競合することになる。ちなみにLife360は、家族のお互いの居場所を追跡できる人気ツールで、iOS版とAndroid版が用意されている。一方で、一部の人が主張するように、過剰な監視と監視のヘリコプター育児(過保護育児)時代のためのアプリでもある。

しかしこの市場でのアップルの利点は、プライバシー保護を重要視する企業として地位を確立していること。 つまり親たちは、アップルが家族の位置情報をサーバーに保存したり、第三者に販売したりしないことを信頼できる環境がある程度整っている。

Family Setupは、位置情報の追跡に加えて親がダウンタイムを設定することができる。子供が勉強に集中している間はペアリングしたApple Watch上でのやり取りや通知を制限できる新しい 「SchoolTime」 モードを備えている。ワークアウトの統合も可能で、子供向けにデザインされたアクティビティリング体験を提供する。

一方で子供は、子供たちはMemojiをApple Watchで作ることができ、ステッカーやメッセージと一緒に送ったり、watchOS 7に搭載されたMemoji Watch Faceを使うこともできる。必要に応じて、内蔵のEmergency SOS機能を使って緊急サービスにアクセスすることも可能だ。

Family Setupが提供する機能は、スマートフォンを持たせるにはまだ早い小さな子供を持つ親のために設計されているが、Apple Watchは安くなないにで親にすんなり受け入れられるかどうかは不明だ。Series 3は動作対象外なので新登場のiPhone SEが最も適したモデルかもしれないが、税別2万9800円。子供が友人と近所を走り回るために出て行く際に身につけるデバイスとして高価で、安いAndroidデバイスを与えるような気軽さはない。

もちろん、すでに古いApple Watchを持っている親にとっては、新モデルの購入時に旧モデルに子供に引き継ぐという意味では理にかなっている。また高齢者へのプレゼントにも最適かもしれないとアップルは考えているようだ。

この機能を利用するには、Apple Watch Series 4以降のセルラーモデルが必要で、AT&T、T-Mobile、Verizon(TechCrunchの親会社)、およびその他の国際通信事業者を含む、一部の通信事業者パートナーとともに発売時に利用可能になる予定だ。日本ではau回線で利用できる。Family Setupはまず、米国、英国、フランス、ドイツ、スペイン、スイス、ポーランド、中国本土、日本、台湾、タイで提供される。

アップルハードウェアイベント

画像クレジット:Apple

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(翻訳:TechCrunch Japan)

iOS 14、iPadOS 14、watchOS 14、tvOS 14は9月16日にリリース

Apple(アップル)は同社の次世代iPhoneのリリースに先駆けて、最新のiOS 14が9月16日にリリースされると述べた。

今年にアップルが開催したWorldwide Developer Conference(WWDC)でiOS 14が初めて披露されたが、そこではホームスクリーンのウィジェットとメッセージのスレッドに返信する機能が含まれていた。また新しいMaps機能も搭載されており、移動手段としてサイクリング機能が追加されたほか、電気自動車のオーナーが途中で充電ステーションを見つけられるように経路を設定できる。

iOS 14では内蔵の翻訳機能、改善され再設計されたSiri、そしてSafariブラウザのセキュリティとプライバシー機能も搭載されている。

しかし、Appleが約束していたプライバシー機能の1つは延期される。アップルはiPhoneユーザーがアプリ内追跡をオプトアウトできるようにすると述べたが、iOS 14がリリースされた時点ですぐに搭載されるわけではないという。これはFacebook(フェイスブック)を含む広告大手が、機能に反対するロビー活動を行った騒動によるものだ。アップルはこれらの変更に対応するため、開発者に来年まで猶予を与えると述べた。

iOS 14はiPhone 6s以降でサポートされ、無料でダウンロードできる。

またiPadOS 14やwatchOS14、tvOS 14も9月16日にリリースされると、アップルは明かした。

画像クレジット:Apple

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

欧州が国境を越えた新型コロナ陽性者接触アラートアプリの相互運用性テストを開始

欧州委員会は、各国の新型コロナウイルス陽性者接触通知アプリを、国境を越えて相互運用させるために必要なバックエンドインフラのテストを開始ことを明らかにした。

具体的には、チェコ、デンマーク、ドイツ、アイルランド、イタリア、ラトビアの公式アプリのバックエンドサーバーと、新たに設立されたゲートウェイサーバーとの間のテストランを開始した。なおゲートウェイサーバーは、T-SystemsとSAPが開発・構築中で、ルクセンブルグにある欧州委員会のデータセンターで運用される予定(欧州委員会プレスリリース)だ。

このサービスは10月に稼働を開始する予定で、互換性のあるアプリを開発して国民に配布してるEU加盟国は、リストアップされた国のそれぞれの国に旅行する際に、アプリの追跡機能を他国でも利用できるようになる。

相互運用性のガイドラインは、5月に各国の新型コロナウイルスの追跡アプリについて合意したもの(未訳記事)だ。欧州委員会によると、ゲートウェイサービスは最低限のデータのみを交換するという。同委員会は「交換される情報は、匿名化・暗号化され、感染を追跡するために必要な期間だけ保存されます。個人を特定することはできません」と付け加えている。

現時点でゲートウェイサービスと互換性があるのは、分散型の新型コロナウイルス追跡アプリのみだ。また、欧州委員会は、異なるアーキテクチャを持つ追跡アプリに相互運用性を拡張する方法を見つけるために、いくつかの加盟国で行われている作業を支援していると述べているが、それがプライバシーへのリスクなしにどの程度実行可能なものになるかはいまのところ明らかではない。

各国の新型コロナウイルス追跡アプリの相互運用の主な利点は、EU圏の居住者が複数の追跡アプリをインストールする必要がないことだ。ただし、互換性のあるアーキテクチャのアプリを配布している別の国に旅行する場合に限られる。

アプリのアーキテクチャが異なることに加え、EU加盟国の中にはまだ国内アプリ開発・配布していない国もある。つまり当面の間、国境を越えた追跡には限界があり、国外旅行に関連する新型コロナウイルスの感染経路を完全には追跡できないという課題は残る。

画像クレジット:Joao Paulo Burini / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

AirtableのCEOは会社の評価額が急上昇してもエグジットに興味がない

パンデミックの真っ只中だが、ローコードのスタートアップであるAirtableにとっては、実に素晴らしい年となった。つい先日、同社は25億8500万ドル(約2730億8000万円)という驚異的な評価額で1億8500万ドル(約195億4000万円)を調達したことを発表した。また、同時に純粋なノーコードの領域からローコード領域へと入り込むための新しい機能を発表した。これによってユーザーは、同社の製品を製品を新しいやり方で拡張できるようになる。

AirtableのCEOで共同創業者であるHowie Liu(ハウ・リュー)氏は、米国時間9月14日開催のTechCrunch Disruptにゲストとして登壇し、インタビューを受けた。

リュー氏は、同社を2013年に立ち上げて以降、ソフトウェア開発を大衆化するというその当初からのビジョンは、しっかりそのままだと語った。「世界中のより多くの人びとが、単なるソフトウェア利用者に止まることなく、ソフトウェア開発者になるべきだと信じています。そして、私たちがこの会社で取り組んできたほとんどすべての時間が、その最終目標に向けての進路を進むために使われてきました」と彼はいう。

しかし、最近何かが変わったようだ。リュー氏は、当初のビジョンが可能にしていたものよりも、より多くのものを必要とする人たちがいることに気がついたのだ。

「つまり、本日資金調達と同時に発表された私たちの最大の変化はノーコード製品、つまりコードを使う必要はないけれど製品をコードを使って拡張することもできない純粋なノーコードソリューションから、ローコードソリューションへと移行するということなのです。それ以外にも多くの拡張機能が提供されます。例えばオートメーションを使えば、技術的な知識がなくても、Airtableの中にロジックを組み込むことができるのです」と彼はいう。

さらに、同社は20万人の顧客を抱え、ユーザー自身が開発したアプリケーションを共有できるマーケットプレイスを開設した。パンデミックが定常化するにつれて、リュー氏は目に入る取引の種類に変化が見られたと語る。これは、かつて彼の会社の主要な収入源だった中小企業たちが、新型コロナウイルス感染症の結果として、より大きな経済的苦痛を被っていることが一因だ。

しかし、彼は大企業顧客がこの空白を埋めるのを見ることとなった。よって新しい拡張機能が、純粋なノーコードソリューションが提供するよりも多少労力を顧客に要求するとしても、こうした利益性の高い顧客たちがそれらを受け入れてくれると考えることは、決して無謀な考えではないだろう。

「私たちのビジネスのエンタープライズサイドでは、例えば今夏は、2019年夏の期間と比べて、企業取引の成約速度が5倍になりました。また恐ろしく熱心な企業との間に、数十万ドル(数千万円)規模の数十件の取引や、数百万ドル(数億円)規模の複数の取引、そして何千件もの新しい有料契約が締結されています」と彼はいう。

この大成功やビジネスの上昇傾向と高い評価額にも関わらず、リュー氏はIPOについて話したいそぶりはみせなかった。彼の見解では、それはまだまだ先のことである。大きく勢いに乗った創業7年目の会社であるにも関わらず、彼は単にそれについては考えていないという。

また彼は、買収されることにもまったく興味がないし、投資家たちもエグジットに向けたいかなる圧力もかけてきていないという。

「私たちが描く長期的な目標とアプローチにコミットし、足並みを揃えてくれる投資家を見つけることこそが、実際の評価額やラウンドのテクニカルな側面よりも、いつでもはるかに大切なことなのです」と彼はいう。

関連記事:Airtableが195億円を調達、新しいローコードおよび自動化機能も発表

カテゴリー:ソフトウェア

タグ:Airtable ノーコード

画像クレジット:Dani Padgett / StrictlyVC

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(翻訳:sako)

Airtableが195億円を調達、新しいローコードおよび自動化機能も発表

スプレッドシートを中心にしたデータベースとノーコードプラットフォームのAirtable(エアテーブル)は、米国時間9月14日、1億8500万ドル(約195億4000万円)のシリーズDの資金調達を行った。この結果、調達後の評価額は25億8500万ドル(約2730億8000万円)となった。

Thrive Capitalがこのラウンドを主導し、既存の投資家であるBenchmark、Coatue、Caffeinated Capital、CRV、さらに新しい投資家D1 Capitalから追加の資金提供を受けた。これにより、現在20万社がそのサービスを利用していると主張するAirtableは、総額約3億5000万ドル(約369億7000万円)を調達したことになる。現在の顧客に含まれる企業としては、Netflix、HBO、CondéNast Entertainment、TIME、ロサンゼルス市、MITメディアラボ、IBMなどが挙げられる。

さらにAirtableは同時に、最大の機能アップデートもローンチする。これは、現在のノーコード機能を超えて、より多くのローコード機能を、新しい自動化機能(AirtableのためのIFTTTを想像して欲しい)やそのサービスのためのデータ管理ツールとともに、同社の全体的なプラットフォームビジョンの上にもたらす。

Airtableの創業者でCEOのHowie Liu (ハウ・リュー)氏が私に語ったように、2018年にシリーズCラウンド(未訳記事)調達を行って以来、多くの投資家たちが同社にアプローチしてきた。その理由の一部はもちろん、市場がローコード/ノーコード市場の将来的な可能性をはっきりと認識したからだ。

「このスペースは実在し、しかもその規模が極めて大きいという市場の認識が高まっているのだと思います」と彼は私に語った。「私たちは今回の資金を本当に必要としていたわけではありませんが、調達によってプラットフォーム、ビジョンを拡大するための積極的な投資を続けることが可能になりました。それこそ『新型コロナ?どうなるんだろうね?』と心配することなく、積極的に推進できるのです。不確実性はたくさんありますよね?そして、現在でも、来年の見通しについては依然として多くの不確実性があると思っています」。

同社は、カリフォルニアで最初の在宅命令が発令されてから数カ月後に、今回のラウンドを開始した。そしてほとんどの投資家にとって、これは純粋にデジタルなプロセスだった。

リュー氏は、この会社を長期に渡って育てていきたいという気持ちを常に表明していた。特に彼の最後の会社をアーリーステージの段階でSalesforce(セールスフォース)に売却した以降は、ずっとそうだった。それはおそらく、Airtableがより多額の資金を調達し続けていたにも関わらず、彼が創業者として会社に対する自分の持分を高く維持しようとしていることを意味しているのだろう。しかし、法的および構造的な管理よりも、投資家との調整が最も重要であると彼は主張する。

「私の見るところ、より重要なことは投資家たちとの間で、哲学の調整と期待の調整を行うことだと思っています」と彼はいう。「なにしろ私は、会社の将来についての法的権利または構造的な議論が押し寄せてくるような立場にはなりたくないのです。私にとってそれは、物事が行き詰まってどうにもならなくなった段階のようなものに感じられるのです。むしろ私は、テーブルを囲むすべての投資家たちに、法的発言の有無に関わらず、このビジネスで私たちが成し遂げようとすることに対して完全に一致してもらえるような、立場にいたいと思っています」。

新しい資金調達と同様に重要なのは、同社が同時にローンチするさまざまな新機能だ。これらのうち最も重要なのはAirtable Apps(エアテーブル・アプリ)だろう。これまでAirtableユーザーは、事前に準備されたブロックを使用して、地図、ガントチャート、その他の機能をテーブルに追加することができていた。もちろんノーコードサービスだったことは、間違いなくAirtableをユーザーたちが最初に使い始める役には立ったが、どうしても事前に構築された機能だけでは不十分な場合に突き当たってしまい、ユーザーがさらなるカスタムツール(リュー氏はこれをエスケープバルブと呼んでいる)を必要とする場面があった。だがAirtable Appsを使用することで、より洗練されたユーザーはJavaScript(ジャバスクリプト)で追加の機能を開発できるようになる。そして、もしそうすることを選んだ場合には、新しいAirtable Marketplace(エアテーブル・マーケットプレイス)の上で、他のユーザーとそれらの新機能を共有することもできる。

画像クレジット:Airtable

「エスケープバルブが必要な場合と不要な場合がありますが、そうしたエスケープバルブなしでも、これまでAirtableを使用する20万の組織を獲得することができました」と彼はいう。「しかし、Airtable自身で99%の用途で足りるものの、最後の1%で採用、不採用が決まるような場合には、さらに多くのユースケースを切り拓くことができると考えているのです。きっと役立ちます。そして、フルスタックアプリケーションをカスタムビルドアプリケーションとして構築するのではなく、そのエスケープバルブを使って必要なユースケースをAirtable上に1%の労力で作ることができるという点が、大きな違いなのです」。

画像クレジット:Airtable

その他の主要な新機能はAirtable Automations(エアテーブル・オートメーション)だ。これを使うことで、カスタム自動ワークフローを構築してレポートを生成したり、その他の反復的なステップを実行したりすることができる。その多くは、サービスのグラフィカルインターフェイスを介して行うことも、JavaScriptを使用して独自のカスタムフローやインテグレーションを行うこともできる。現時点でにおいてこの機能は無料で利用できるが、頻繁に実行されるようになると、これらの自動化フローのコストが問題になる可能性があることを考慮して、チームは将来的にこの機能に対して課金する方法を検討している。

最後の新機能はAirtable Sync(エアテーブル・シンク)だ。この機能を使うことで、チームは組織全体でより簡単にデータを共有できると同時に、誰が何にアクセスできるかを制御することができる。「目標は、Airtableでソフトウェアを構築した人たちが、そのソフトウェアを相互接続できるようにして、テーブルの異なるインスタンス間で、元となるテーブルの情報を共有できるようにすることです」とリュー氏は説明した。

画像クレジット:Airtable

アップルがApp Storeのルールを改定、ゲームストリーミングアプリを条件付き許可、アプリ内課金を明確化

アップルは米国時間9月11日、「App Store Guidelines」のアップデート版をリリースした。ゲームストリーミングサービス、App Clips、ウィジェットなどの新しい機能やテクノロジーにどうアプローチするかを明確にするとともに、特定のカテゴリーのアプリからアプリ内購入をいつ、どのように集めるかについてのスタンスをより詳細に示すことを目的とするものだ。

今回の変更は、アップルがアプリ内購入の使用に関する要件をめぐってEpic Gamesと法廷で争っている最中に行われた。同社はまた、App Store事業が米国、EU、オーストラリアなどにおける独占的慣行について規制当局による調査を受けている。

アップデートの一部は、アップルが今秋リリース予定のiOS 14で導入するテクノロジーにアップルのルールをどのように適用するかを説明するためのものでもある。

改訂されたガイドライン(2.5.16)ではiOSの新機能、特にApp Clips、ウィジェット、エクステンション、通知を対象としている。なお、App Clipsとは。機能が限定されたアプリのスリム化バージョンのようなものだ。ガイドラインでは、これらすべてのフォーマットのコンテンツがメインアプリのコンテンツと機能に関連していることを要求している。また、メインバイナリ(メインの実行可能ファイル)に含まれなければならず、広告を含めることはできない。

新しいガイドラインの重要な変更点の1つ(3.1.2a)については、アップルがMicrosoft xCloudやGoogle Stadiaのようなゲームストリーミングアプリにどうアプローチするかを説明している。ルールによると、アップルはこれらのサービスをApp Storeで配布できるようにするが、サービスが提供する個々のゲームタイトルをアップルに個別に提出しての審査を通過し、App Storeに登録させる必要がある。

これとは別に、ゲームストリーミングサービスは、顧客がサービス自体に加入できる「カタログアプリケーション」を提供できるようになる。このカタログアプリは、サブスクリプションで提供されている個々のゲームタイトルにリンクし、複数のパブリッシャーのゲームを含めることができる。これは、アップルがサードパーティーのアプリカタログであるGameClubに対してすでに承認しているモデルに似ている。ストリーミングゲームサービスではないが、GameClubは、それぞれのゲームが個別のリストを持つクラシックゲーム向けのサブスクリプションベースのサービスだ。

アップルが、ゲームを個別にリストアップしたいと考えている理由は、コンテンツのガイドラインや規約を満たしているかどうかを確認したり、レーティングを行うためだと説明している。さらに、このモデルでは、ユーザーも個々のタイトルを評価し、レビューすることができる。

実際にはこの変更により、ユーザーはストリーミングゲームサービスの「カタログアプリ」でアプリ内購入機能をと通じてサービスに加入し、そのうえでサービス内のゲームタイトルをプレイする必要がある。ただし、ユーザーがすでに別のプラットフォームでサービスに加入していた場合は、アップルはユーザーが二度の支払いをすることなくログインできるようにする。

またアップルのルールでは、ゲームサービスが非加入者に不利益を与えてはならないと規定されている。具体的には、ユーザーはゲームストリーミングサービスに含まれる個々のゲームのいずれかを自分のデバイスにダウンロードでき、購読していなくても即座にプレイを開始できるようにしなければならない。もちろんゲームの完全版である必要はなく、ゲーム内のステージやレベルを2つほどを無料でプレイできるお試し版のようなものを提供し、その後に完全なサブスクリプションを購入するためのパスを用意することになる。

ゲームストリーミング以外にもいくつかのルールがアップデートされている。

1つの変更は、KindleやNetflixのようなアプリに適用される。これらのアプリは、限定的な「リーダー」体験を提供することで、App Storeの手数料を回避してきた。具体的には、ユーザーはウェブサイトなどほかの場所でアカウントを作成して決済したあと、iOSアプリにログインして電子書籍を読んだり、購読に含まれる映画を見ることができた。

新しいガイドラインの下では、これらのリーダーアプリはiOS内でのアカウント作成機能も提供しなければならなくなる。これは、製品の無トライアル期間に対応するためだ。もちろん、これらのアプリは「アカウント管理機能」を搭載することもできる。

アップルはまた、開発者が従業員や学生向けに組織やグループに販売する「エンタープライズアプリケーション」に関するルールも明確にしている。これらのアプリはSlackなどを含む可能性があり、アプリ内購入に加えて別の購入方法を使って支払いは可能になる。

さらにアップルは、Heyメールアプリの開発元であるBasecampとの最近の論争に関連すると思われるルールも導入した。デベロッパーは無料のスタンドアロンアプリ(リーダーアプリとは別のカテゴリー)を提供して、VoIP通話、ストレージ、メールなどのサービスを提供できる。これにより、Heyのようなアプリは、アプリ内でアクションを起こさない限り、他の場所でユーザーに課金することができる。

また先日、アップルとWordPressで起きた問題にも対応している。アップルは、同アプリ内の決済ページに誘導するウェブ画面を問題として、WordPressのアップデートを一時的にブロックしていた。同社はこの問題について謝罪したが、アプリのユーザーがWordPressの価格ページにアクセスできないようにすることもWordPressに求めている。

個人対個人の体験を提供するアプリ、例えば家庭教師や遠隔医療は、アプリ内購入以外の支払い方法も利用できるようになる。改訂で明らかになったのは、これらは1対1のサービスでの許可される支払い方法で、1対多のサービスの場合はアプリ内購入を使う必要がある。

もう1つの変更は、個人向けローンアプリに影響を与える。これらのアプリは、ローン条件を明確に開示するよう求められる。これには、年間の最高利率と支払期日が含まれる。費用や手数料を含む最大APRが36%超で請求したり、60日以内に全額の支払いを要求したりすることはできなくなる。アップルによると、これは消費者を保護するためのものだという。

今回のアップデートでは、アップルの承認を得て、音楽とビデオのサブスクリプションをキャリアのデータプランにバンドルし、携帯キャリアのアプリで提供できるようになった。ガイドラインではまた、アプリがルール違反で却下された場合でも、アップルはバグ修正を遅らせることはないという、以前に発表された新しいポリシーを紹介している。

アプリ開発者には、機能を隠す、アプリの機能を明確にしないといった何をしてはいけないのかについて、さらにいくつかの明確は説明が必要とされる。アップルによると、「App Store Connect」の「Notes for Review」セクションでは一般的な説明が拒否されるため、開発者はアプリのアップデートに含まれる内容を実際に記載しなければならないという。各種アプリのアップデート時によく見られる「バグ修正とパフォーマンスの改善」という文言は消えるわけだ。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:TechCrunch Japan)

クラウドインフラを管理せずにアプリを展開できるQoveryが1.1億円を調達

最初にHerokuがリリースされたとき、それが大きなブレークスルーを起こしたことを覚えているだろうか?Qoveryは、コードとクラウドインフラストラクチャの間に抽象化レイヤーを構築することで、その再現をしようとしている。QoveryのユーザーがコードをGitのリポジトリにプッシュすると、Qoveryがそのサービスをユーザーに代わって管理してくれる。

共同創業者でCEOのRomaric Philogène(ロマリック・フィロジェーネ)氏は「これは開発者のためのCaaS(コンテナ・アズ・ア・サービス)プラットフォームだ。Herokuのように、ユーザーは.qovery.ymlファイルを作成して、必要な依存関係を記述するだけだ」という。

基本的に、QoveryはユーザーのGitリポジトリとクラウドインフラストラクチャのアカウントの間に位置している。同社は、クラウドホスティング自体を管理しているわけではない。QoveryのアカウントをGitHubやGitLab、Bitbucketなどのアカウントに接続すれば、新しいコードをプッシュした際にQoveryが自動的にトリガーされようになる。

その後、Qoveryが自動的に新たなサーバー、管理されたデータベース、KafkaやRabbitMQのようなブローカーを立ち上げる。デプロイの自動化はTerraformやCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)のソフトウェアでもできるが、Qoveryはそれをもっと簡単にできるようにする。

さらに重要なのは、Qoveryが複数のクラウドプロバイダーを統合してくれることだ。すでにAmazon Web Servicesに対応しており、現在、DigitalOceanScalewayのサポートにも取り組んでいる。Google CloudとMicrosoft Azureもロードマップに載っている。

また、ユーザーは各ブランチごとに独自のインフラストラクチャを設計できる点も興味深い。新しい機能を試行するための開発ブランチやステージングブランチがある場合、本番環境を最初から作り直さずに、このブランチ用の新しいサーバーを立ち上げることができる。

そして、これがQoveryの最も重要な機能であることは間違いない。同社によると、クラウドホスティングは今後コモディティ化するという。各プロバイダーは、マネージドデータベースやメッセージブローカーなどを提供することになるとのこと。信頼性た料金、サポートのレベルが、差別化の要因になる。例えば本番用のアプリケーションをAWS上に置き、開発ブランチを別のクラウドプロバイダー上で動かすことを想像して欲しい。

その裏では、QoveryはTerraformとKubernetesに大きく依存し、それらの上にもうレイヤーを追加している。Herokuのモノリシック(一枚岩的)なやり方に比べると、Qoveryのマイクロサービスを軸にゼロから設計されているため、より効率的にスケールすることができる。

Qoveryの料金は、1アプリケーションあたり月額15ドル(約1590円)だ。ただし最近では、1つのサービスのために数十のアプリケーションを動かすことが普通になっているため、すべてをQoveryに切り替えた場合、各アプリケーションに15ドルを支払うことになる。

すでに開発チームと連携するCIツールを使っているところでは、QoveryがビルトインCIサービスの代わりに、そちらを使ってもよい。Qoveryにロックイン効果はないため、独自のDevOpsチームがあるのであれば、使用を止めることもできる。

同社はTechstarsと多数のエンジェル投資家から100万ドル(約1億1000万円)を調達している。

画像クレジット:Qovery

カテゴリー:ソフトウェア

タグ:Qovery 資金調達

画像クレジット:Qovery

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ファーウェイスマホは2021年にHarmonyOSを搭載へ、HarmonyOS 2.0ベータを年内配布

Huawei(ファーウェイ)は2021年に、同社のスマートフォンで独自のHarmonyOSを搭載することを計画している。同社は米国時間9月10日に広東省東莞市で開催された年次開発者会議で発表した。

HarmonyOSの準備は、主にファーウェイは短いウィンドウ内に誘致することができますアプリの数に左右されます。HMSのコア, Google Playサービスと開発者がアプリを構築し、管理するのを助けるツールキットへのHuaweiの相手,

HarmonyOS搭載スマートフォンの準備が整うかどうかは、対応するアプリの数に大きく左右されるだろう。Google Playサービスの代替となるHMS Coreは、開発者がアプリを構築し管理するのを助けるツールキットで、現在9万6000本のアプリがある。同社は「それは7月に8万1000品と3月の6万本から増加している」と説明した。ちなみに、Google PlayやApple App Storeのアプリ数はともに数百万個に達している。

同社は、より多くのアプリをエコシステムに誘い込むために、モバイル開発者向けの第2世代オペレーティングシステムのベータ版「HarmonyOS 2.0」を今年末までにリリースすると発表した。その一方でHarmonyOSのベータ版は、今週からタブレット、スマートウォッチ、車載システム向けにオープンソース化される。

ファーウェイのオペレーティングシステムは、同社のハードウェア製品のファミリーを通じて現在4億9000万人のユーザーにリーチしているという。

世界的な通信大手である同社は、2020年上半期に1億500万台の携帯電話を出荷した。2019年同期の1億1800万台から減少したのは、同社のスマートフォンがAndroidの主要機能を失ったことや世界的な景気後退が原因だ。スマートフォンの販売を中心に構成される同社の消費者事業は、前年の2208億元(約3兆4240億円)から上昇し、上半期には2558億元(約4兆円)となった。

画像クレジット:Huawei

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(翻訳:TechCrunch Japan)

GraphQLサービスを提供するHasuraが約26.5億円を調達、MySQLを新たにサポート

米国時間9月8日、データベースにアクセスするためのGraphQL APIを生成するオープンソースエンジンを提供しているHasuraが、シリーズBで2500万ドル(約26億5500万円)を調達したと発表した。このラウンドを主導したのはLightspeed Venture Partnersで、以前に投資していたVertex Ventures US、Nexus Venture Partners、Strive VC、SAP.iO Fundも参加した。

今回のラウンドは新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が拡大してから開始されたもので、同社がシリーズAで990万ドル(約10億円)を調達したと発表してから半年しか経っていない。Hasuraはこれで合計3560万ドル(約38億7500万円)を調達した。

Hasuraの共同創業者でCEOのTanmai Gopal(タンマイ・ゴパル)氏は筆者に対し「2020年に企業からの引き合いが急速に増えた。企業の顧客の成功のために、Hasuraのコミュニティと最近公開したクラウド製品への投資を加速しようと考えた。VCのインバウンドの関心を考えると、アクセルを踏み余裕をもって成長するための資金調達は理にかなっていた」と述べた。

Hasuraは同日、新たな資金調達に加え、MySQLデータベースに対応したことも発表した。これまで同社のサービスは、PostgreSQLデータベースにのみ対応していた。

左:共同創業者でCOOのRajoshi Ghosh(ラジョシ・ゴーシュ)氏、右:共同創業者でCEOのTanmai Gopal(タンマイ・ゴパル)氏(画像クレジット:Hasura)

ゴパル氏が筆者に対して述べた通り、MySQLのサポートはユーザーからのリクエストが最も多い機能だった。医療分野や金融サービス業など多くのユーザーがレガシーなシステムを使い、モダンなアプリケーションと接続しようとしている。そのためには、長く使われてきたMySQLが重要な役割を果たす。

MySQLに加えSQL Serverも新たにサポートするが、こちらはまだ早期アクセスの段階だ。

ゴパル氏は「MySQLとSQL Serverに関しては、医療や金融サービス、フィンテックのユーザーから多くのリクエストがあった。こうしたユーザーはオンラインのデータ、特にこの2種類のデータベースのデータをすでに大量に持っていて、アプリケーションをモダナイズしつつ新しい機能を構築して有効活用したいと考えている」と述べた。

Hasuraは今回の発表のわずか数カ月前に、企業向けにすでに提供していた有料のProサービスを補完するものとしてフルマネージドのクラウドサービスを公開したばかりだった(未訳記事)。

Lightspeed Venture PartnersのパートナーでHasura取締役のGaurav Gupta(ガウラブ・グプタ)氏は次のように述べている。「開発者がHasuraを採用し、GraphQLのアプローチでアプリケーションを構築していることに、たいへん感銘を受けている。特にReactのようなテクノロジーを使うフロントエンドの開発者にとっては、Hasuraを使えばアプリケーションをすべてのデータが保管されている既存のデータベースに簡単に接続でき、セキュリティやパフォーマンスの問題もない。Hasuraはクラウドネイティブのアプローチでアプリケーションを再プラットフォーム化する素晴らしい橋渡しとなるため、企業の開発者にとってもフロントエンドの開発者にとってもますます魅力的なものになるだろう」。

Hasuraは新たに調達した資金でさらに多くのデータベースをサポートし、さまざまなデータベースが加わることによる難しい技術的な課題やアプリケーションレベルのデータキャッシュシステムに取り組む計画だ。ゴパル氏は「市場獲得戦略とエンジニアリングを両輪として成長できるように企業づくりにもしっかりと投資し、こうした分野の上級職の社員を雇用している」と述べた。

画像クレジット:Fernando Trabanco Fotografía / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

ソフトウェア自動化プラットフォームのChefを開発ツールメーカーのProgressが買収

ボストンを拠点として各種の開発者向けツールを開発しているProgressが、ソフトウェアオートメーションプラットホームのChefを2億2000万ドル(約233億円)で買収することを発表し、そのプロダクトを大幅に拡大することになった。

Chefは昨年完全なオープンソース(未訳記事)になったが、その商用化努力により7000万ドル(約74億円)の年間経常収益を得ていた。しかしProgressはChefのその収益を手にするだけでなく、高度なスキルを持つ社員たちと、強力なデベロッパーコミュニティ、そして素晴らしい顧客リストを獲得する。

ProgressのCEOであるYogesh Gupta(ヨゲシュ・グプタ)氏によると、Chefは彼の企業の買収哲学によく合っている。「この買収は弊社の成長戦略に完璧にフィットし、これまで構想してきた要求にも合っている。それは、強力な経常収益モデルと、弊社の事業を補完する技術、忠実な顧客ベース、そして弊社の経営モデルとインフラストラクチャを利用してビジネスをより効率的に動かす能力だ」と同氏は声明で述べている。

ChefのCEOであるBarry Crist(バリー・クリスト)氏は、買収される企業によくあるタイプの主張を述べている。「Progressは今後の成長のためのより良い道筋を提供し、またオープンソースのコミュニティと顧客にProgressがChefのビジョンの良き支持者であるというメッセージを送る」と。

クリスト氏は声明で「Chefにとっては、この買収は次の章です。Progressは弊社の成長ポテンシャルの強化を助け、弊社のオープンソースのビジョンをサポートし、私たちの顧客とパートナーと従業員とコミュニティに、より幅広い機会を提供するでしょう」と述べている。

Chefの顧客リストは確かに素晴らしく、Facebook、IBM、SAPなどテクノロジーの大物と並んで、Nordstrom、Alaska Airlines、Capital Oneなどの一般企業も名を連ねる。

Crunchbaseのデータによると、同社は2008年の創業で、これまでに1億500万ドル(約111億円)を調達した。2015年にDFJ GrowthがリードするシリーズEで4000万ドル(約42億円)を調達してからは、大きな資金調達がない。同社を支えてきた投資家としてはほかに、Battery Ventures、Ignition Partners、およびScale Venture Partnersなどが挙げられる。

この買収は規制当局の承認を得て完了するのが来月と予想されている。

関連記事:Chef goes 100% open source(未訳記事)

画像クレジット:KrisCole / Getty Images
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa