ビジネスチャットツール「Chatwork」(チャットワーク)を開発・提供しているChatworkは9月24日、東京証券取引所マザーズ市場へ新規上場した。公開価格は1600円だったが初値は1480円となり、公開価格より7.5%下回った状態で取引がスタートした。取引開始からすぐの9時11分に1521円の高値となったものの、その後は1400円前半台で株価が推移。終値が最安値の1400円となり初日の取引が終了した。9月24日の終了時点の時価総額は512億4000万円となった。なお、安値引けとなったので明日は売り先行で株価が推移すると予想される。
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ゲームエンジンのUnityが汎用クラウドシミュレーターを発表、クラウドアプリの過酷ななテストが可能に
ここ数年Unityは、ゲームデベロッパー以外の顧客にとっても不可欠な存在になると公言してきた。それ以来、評価額がうなぎのぼりだ。
Unityはリアルタイムのレンダリングが可能な3Dゲームエンジン。このプロダクトのより興味深いユースケースは、企業システムの仮想環境の中で行う訓練を助けることだった。ロボティクスのスタートアップや自動運転を研究している企業など、絶えず変化する状況に対して何度も何度もテストするような技術を作っている企業のワークフローの重要な一部となる。
米国時間9月24日、UnityはUniteカンファレンスで、このようなユースケース専用のプロダクトUnity Simulationを発表した。このプロダクトは現在非公開ベータだが、UnityとGoogle Cloudのパートナーシップにより、顧客が製品をクラウドに接続したハードウェアで動かした場合のシミュレーションを行う。
以前Uberで機械学習を指揮した、UnityのAI担当副社長を務めるDanny Lange(ダニー・ラング)氏は「Unityのリアルタイム3Dレンダリングの開発プラットホームと、クラウドのスケーラビリティおよび高い自由度を組み合わせたUnity Simulationで企業は、これまでより優れた安全で信頼性の高い製品の生産を加速できる」と語る。
例えば自動運転車の企業ならこれらのシミュレーションを使って、技術の限界をテストしたり、めったにない状況を車に体験させたりすることができる。ロボティクスの企業も同様に、まだ存在しない実機に対して仮想的なテストを実行できる。
大手企業はすでに、Unityのこのような使い方を実践しているが、それらは自社のハードウェアに限定されている。Unity SimulationはGoogle Cloudを使って複数のテストを並列的に動かし、中小企業でも仮想環境におけるテストができるようにしている。
関連記事:Waymo has now driven 10 billion autonomous miles in simulation(Waymoの自動運転車はシミュレーションで100億マイル走った、未訳)
このプロダクトはゲーム以外の顧客にも訴求できると思われるが、ゲームスタジオを排除するわけではない。Unityのウェブサイトに載っている用例の中には、このサービスが何千ものゲームプレイの結果をシミュレートして、ゲームの難易度をデベロッパーが調整する例がある。マルチプレーヤーのゲームでは、新しいアイテムやパワーアップが特定のユーザーを強くしすぎないかテストできる。そしてもちろん、ゲームソフトウェアの安定性もテストできる。
Unityの発表は、このゲームテクノロジー企業にとってきわどい時期に行われた。同社は現職CEO John Riccitiello(ジョン・リッチチェロ氏に対する女性役員からのセクハラ提訴で動揺している。コペンハーゲンで行われたUniteカンファレンスでは、リッチチェロ氏は壇上でスピーチしたが、その提訴については語らなかった。
同社は最近、60億ドルの評価額で5億2500万ドルの資金調達を完了したことを公表した。来年IPOするとの噂もある。
関連記事:Former Unity Technology VP files lawsuit alleging CEO sexually harassed her(
Unityの元技術担当副社長がCEOをセクハラで告訴、未訳)
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)
Chatworkが東証マザーズ上場、山本代表が語る今後の事業戦略
ビジネスチャットツール「Chatwork」(チャットワーク)を開発・提供しているChatworkは9月24日、東京証券取引所マザーズ市場へ新規上場した。主幹事証券会社は大和証券で、そのほかみずほ証券、SMBC⽇興証券、SBI証券、マネックス証券、楽天証券、松井証券などが株式を取り扱う。初値は1480円で2019年9月24にち9時11分に1521円の高値となり、その後は1450円台で株価が推移している。公開価格は1600円だったので初値で7.5%下回ったことになる。発行済株式数は3660万株。
ChatWorkは2000年7月の設立。2015年4月にGMO VenturePartnersから3億円、2016年1月にGMO VenturePartners、ジャフコ、新生企業投資、SMBCベンチャーキャピタルから15億円を、第三者割当増資で調達していた。
大手企業への導入、サイボウズやBoxなど他社サービスとの連携など進め、2018年6月にはChatworkの生みの親でもある取締役兼専務執行役員CTOだった山本正喜氏が、代表取締役兼CEO/CTOに就任。今年2月にはマネーフォワードとの資本提携も発表。3月には、取締役1名と執行役員を2名、監査役を1名を選任する新経営体制を発表していた。
今回の上場の目的について山本氏は「社会インフラとして定着させるには事業の継続性や信頼性を担保する必要がある。その手段として上場を選んだ」と語る。山本氏によると「当初は上場や外部資本の導入は考えていなかった」とのこと。
2014年にChatWorkで大規模な障害が発生した際に、顧客のツイートや問い合わせなどでChatworkがビジネスのライフラインとして活用されていることを痛感し、翌年の2015年に腹をくくって資金調達を始め、開発体制の強化を進めたそうだ。具体的には前述したように、2015年4月にGMO VenturePartnersを引受先とした第三者割当増資で3億円、2016年1月にジャフコ、新生企業投資、SMBCベンチャーキャピタル、GMO VenturePartnersを引受先とした第三者割当増資で15億円、総額18億円の資金調達を実施している。
関連記事
・ビジネスチャットシステムを手がけるChatWork、GMO-VPから3億円の資金調達
・ChatWorkが15億円を追加資金調達、打倒Slackで北米市場進出なるか?
ちなみに、先月8月23日に発生したAWSの障害により、コード決済やEC、オンラインゲームなどがさまざまなサービスが一時利用できなくなったが、「ChatWorkのメッセージング機能はAWSの障害の影響を受けませんでした。メッセージ検索機能は一時使えなくなりましたが、すぐに復旧しました」と山本氏。「障害に強いシステムを作るには冗長性を持たせる必要がありますが、そのぶんコストがかかります。ChatWorkでは、2014年の教訓からコアサービスであるメッセージング機能は障害に強い設計に作り変えた」と続ける。
セキュリティ面での取り組みも進めており、社内で検証するホワイトボックステストはもちろん、外部アクセスで検証するブラックボックステスト、脆弱性や不具合などを発見した場合に報奨金を支払うバグバウンティプログラムも実施している。「重要度の高いものは速攻で直し、軽微なものは定期メンテナンスでまとめて直しています」とのこと。
ビジネスチャットといえばSlackの勢いが増している印象だが、山本氏は意外にも「あまり競合していないと」語る。「ビジネスチャットは普及率は23%程度で、まだまだ開拓の余地があります。ChatWorkは、Slackが登場する2013年8月より前の、2011年3月からサービスを開始していたこともあり、国内企業の普及率は高いそうだ。IT業界ではSlackの普及率も高いが、ChatWorkは300名以下の非IT業界で採用が増えているという。具体的には、士業、介護、建設、製造、小売り、医療などの現場で使われているそうだ。
ChatWorkの優位性としては「社内と社外で同じアカウントを利用できるため、シームレスな運用が可能」と話す。例えば、Slackでは企業単位でチャンネルを作成した場合、社外の利用者とやり取りする場合は専用のゲストアカウントを利用するか、企業のチャンネルとは別のチャンネルを作成する必要がある。実際は1画面でチャンネルを切り替えられるのでさほど手間ではないが、取引先ごとにチャンネルを作るとなるとかなり煩雑になる。
今後の海外戦略については「まずは日本企業の現地法人があるベトナムやマレーシアに注力する」と山本氏。新興国は安価で労働力が手に入るため、ITへの投資熱はまだまだ低いですが、日本企業が進出している地域では利用頻度は上がっています。当面は日本9割、海外1割のぐらいで事業を拡大していきます」と話す。当面の主戦場は日本とアジア諸国になるが、中国については「グレートファイアーウォールの問題がありメッセージを暗号化できないため、進出の優先順位は低い」そうだ。
米国進出については「調査のためにシリコンバレーに事務所を作ってスタッフを5人ほど常駐させていたが現在は撤退している」とのこと。その理由として、日本資本で日本の会社が英語圏でのエコシステムに乗るのは難しく、ハードルは高かったと話す。
今後のサービス展開として山本氏は「まだまだ普及率の低いビジネスチャットを当たり前にし、次にチャットを利用した商取引を当たり前にする」と語る。将来的には、請求書や決済などもChatWork上で済ませられるマーケットプレイスの構築を考えている」と語ってくれた。
Facebookが独自仮想通貨LibraのためにAIチャットボット開発のServicefriendを買収
Facebookは独自の仮想通貨であるLibra(リブラ)の2020年発行を目指し、Libraで使えるツールの整備を進めている。TechCrunchが確認したところによると、Facebookがその1つとしてServicefriend(サービスフレンド)を買収した。Servicefriendは顧客サービスチームを支援するボット(人工知能に基づくメッセージアプリのチャットクライアント)を開発するスタートアップだ。
Servicefriendが拠点を置くイスラエルで最初に報じられた。同社の株主の1人であるRoberto Singler(ロバート・シングラー)氏がイスラエルのウェブサイトThe Markerに示した。共同創業者の1人であるIdo Arad(イド・アラド)氏にTechCrunchが接触したところ、同氏がTechCrunchの質問をFacebookに送付した。Facebookは買収を認めたが、Appleがよく使うような詳細を特定できない声明になっている。
「我々は小規模なテクノロジー企業を買収することがある」とFacebookの広報担当者は述べた。
LinkedInを見ると、アラド氏と共同創業者のShahar Ben Ami(シャハール・ベン・アミ)氏、少なくとももう1人を含む数人が、Libra向けのデジタルウォレットを開発するためのFacebookの子会社であるCalibra(カリブラ)デジタルウォレットグループにいるようだ。今月Facebookで働き始めたということは、買収がここ数週間以内にクローズしたということだ。まだ数人がServicefriendに残っているようにみえるが、同様にFacebookに移った可能性がある。
Facebookは買収目的を明らかにしていない。すぐ思いつく領域は、開発中のCalibraデジタルウォレットのカスタマーサービスレイヤー用のボットだが、もっとありそうなのはボットのネットワーク構築だ。
Facebookの狙いは、CalibraでLibraの支払いと受け取りができる一連の金融サービスを構築することだ。連絡先への送金、請求書の支払い、Libraの補充、買い物などが考えられる。
こういったサービスのプロバイダーとしてFacebookは信頼できるのか。「人間」の出番はここにある。顧客がアクセスしやすい環境づくりも欠かせない。
「あなたのために我々はここにいる」とCalibraはウェルカムページで 、WhatsAppとMessengerによるユーザーへの24時間年中無休のサポートを約束している。
ServicefriendはFacebookのプラットフォームに関わってきた。具体的には、Messenger用に「ハイブリッド」ボットを構築した。企業がメッセージングプラットフォームでサービスを提供する際に、ボットが人間のチームを補完し、企業がサービスを拡大しやすくする。ServicefriendがフィリピンのGlobe Telecom向けに開発したMessengerボットでは、人間が使う時間を顧客とのセッション1000回あたり20時間未満に短縮した。
ボットはFacebookにとって比較的問題の多い分野だ。2015年にMというパーソナルアシスタントサービスを開始し、2016年にはMessengerでユーザーがサービスプロバイダーと話せるボットを大々的に発表した。フタを開けてみると何も約束通りに機能せず、今までで一番ひどいサービスもあった。
AlexaなどのAIベースのアシスタントは、コンピューターが会話を通じて人間に情報提供する方法として定着した。一方ボットは完全に人間に取って代わるのではなく、人間を補完するサービスとするほうが機能するというのが最近の見方だ。
Facebookの場合、Calibraのカスタマーサービスをよいものにすれば、信頼を得るだけでなく強固なものにできるはずだ(編集部注:Servicefriendが開発を進めるもう1つの分野は、カスタマーサービスをマーケティングチャネルとするサービス)。よいサービスにできなければ、顧客だけでなくLibraのパートナーや、場合によっては規制当局との間で問題が発生する可能性がある。
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(翻訳:Mizoguchi)
ソーシャルギフトのギフティが東証マザーズに新規上場、プラットフォームの拡大、海外展開の加速を目指す
ソーシャルギフトの「giftee」を運営するスタートアップのギフティは9月20日、東証マザーズに新規上場した。初値は公募・売り出し価格(1500円)を25%上回る1880円、終値は初値を9.6%上回る2060円となった。
ギフティは2010年8月設立。2011年3月にCtoCのソーシャルギフトサービスgifteeをローンチ。その後は2014年1月より法人向けに提供開始したオリジナルギフトの販売システム「eGift System」、2016年4月より粗品や景品の配布に使えるデジタルチケット販売サービス「giftee for Business」を展開。2016年5月にはスマホで使える電子地域通貨システム「Welcome! STAMP」を提供開始している。
gifteeの会員数は125万人(2019年6月末現在)、eGift Systemのeギフト発行企業数は70社(2019年6月末現在)。giftee for Business利用企業数は2018年通期で422社だったが、2019は1月から6月(2Q)の累計で371社となった。
「成長のドライバーになっているのはgiftee for Business。法人の企業は従来、紙のギフト券などを郵送で送っていた。URLに置き換えることで、業務効率を高めることができため、活用いただき、伸びてきている」(ギフティ代表取締役の太田睦氏)。
太田氏は当日に開催された記者会見で「今後の成長戦略には、大きくわけて2つの軸がある」と話した。eギフトのプラットフォームを拡大させていくのが1つ目。そして2つ目は、地理的な横展開、すなわち海外展開だ。同社は2018年10月、マレーシアに現地法人を設立。2019年より導入企業を開拓している。
国内においては「eギフトの認知度は、まだまだこれからだ」と語る太田氏。同氏いわく、国内の金券市場は約9000億円、ギフト市場は約10兆44億円。「どちらもeギフトで取り込んでいけるんじゃないかと考えている」(太田氏)。
オンラインショップサービスのBASEが東証マザーズ上場へ、上場日は10月25日
AWS S3の膨大な公開データを検索できるQuilt Dataが脱ステルス,無料利用も可
Quilt Dataを創ったKevin Moore(ケヴィン・ムーア)氏とAneesh Karve(アニッシュ・カーヴ)氏はこれまでの4年間、AWS S3のストレージ上にある大量のデータを素早く検索するプラットホームの構築に努めてきた。それはデータサイエンティストたちにS3のバケット内にデータを見つける方法を提供し、さらにそのデータを企業が利用できる形にパッケージすることが目的だ。米国時間9月19日、同社は無料のデータ検索ポータルとしてステルスを脱し、その企業向けサービスを提供するだけでなく、S3の23のリポジトリに存在する3.7PB(ペタバイト)の公開データへの貴重なアクセスを提供する。
それらの公開データに含まれるのは、一般的に利用できるAmazonのレビューのデータや衛星画像、およびそのほかの価値ある一般公開情報だ。使い方はそのほかの検索エンジンと同じくクエリを入力するだけだが、それはウェブや企業のデータリポジトリを検索するのではなく、AWSのS3ストレージに結果を見つける。
検索結果には、探していたデータだけでなく、データサイエンティストたちが機械学習のモデルの構築のために使う標準的なワークスペースであるJupyterノートブックなど、そのデータに関する情報も含まれる。データサイエンティストたちはこれを、自分の機械学習モデルを作るためのベースとして利用できる。
公開データには100億あまりのオブジェクトも含まれ、データサイエンティストにとってはありがたいリソースだが、Quilt Dataがこのデータのアクセスを提供するのは純粋な愛他主義からではない。それはQuilt Dataのプラットホームにできることを広くいろんな人に見せたいからであり、それによって企業に同社プロダクトの商用バージョンを使ってもらいたいからだ。
Quilt Dataは無料で利用できるが、Amazon Marketplaceで継続購入してもいい。その場合の料金はS3の1つのバケットにつき月額550ドルだ。優先的なサポートやカスタマイズ、教育・研修などのサービスが付随するエンタープライズバージョンもある。こちらは、S3の1つのバケットにつき月額999ドルだ。
同社は2015年に創業され、Y Combinatorの2017年夏季を受講した。これまでY CombinatorやVertex Ventures、Fuel Capital、Streamlined Ventures、そしてそのほかの匿名の投資家から420万ドルのシード資金を調達している。
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)
インドではGoogleアシスタントをネット接続なしで使えるように
Googleアシスタントは、スマートフォンやラップトップ、そしてスマートスピーカーで利用できる。今年の初めに同社はKaiOSと提携して、フィーチャーフォンでもインターネットアクセスがあればアシスタントを使えるようにした。そして今回Googleはさらに一歩前進して、インターネットアクセスのない携帯電話で仮想的に使えるようにした。まず、インドから。
9月19日にニューデリーで開催されたイベントで、同社は24×7、すなわち年中無休の電話サービスを発表した。利用できるのはVodafone-Ideaの契約ユーザーのみだが、000-800-9191-000へダイヤルすると質問に答えてもらえる。有料サービスになるが。
Googleの副社長であるManuel Bronstein(マニュエル・ブロンステイン)氏によると、この事業によって同社は、まだスマートフォンもインターネットアクセスもない何億人ものインドの人々にサービスを提供したいのだそうだ。
インドでは5億人あまりがインターネットにアクセスでき、約4億5000万人がスマートフォンを持っているが、全人口13億人の半分以上が接続のない状態だ。
しかし全世界に次の10億人のユーザーを求めているシリコンバレーの企業にとって、インドは最後の巨大な成長市場のひとつだ。
関連記事:Google chases businesses to maintain its payments lead in India(インドで決済アプリ首位のGoogleが企業を狙う、未訳)
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)
シリコンバレーで挑戦する日本人が運営、後払いモデルの大学受験コンサル「WeAdmit」が約1.2億円の資金調達
米国で後払いモデルの大学受験コンサルティング事業「WeAdmit」を運営するConnecPathはシードラウンドで約1.1Mドル(約1.2億円)の資金調達を実施したことを明かした。
引受先は、ディープコア、サイバーエージェントキャピタル、X Capital、iSGS、加えて、メルカリ共同創業者の富島寛氏、石塚亮氏、マネーフォワード共同創業者の瀧俊雄氏、ママリ創業者の大湯俊介氏、Konmari Media共同創業者の山内一馬氏、レアジョブ共同創業者の中村岳氏、末包昌司氏、保里啓介氏がエンジェル投資家として参加している。
プレシードラウンドではISGS、関野勝弘氏、渡辺毅氏、葛西徹弥氏、前田一成氏、ポケラボ創業者の佐々木俊介氏から調達した。
2017年の9月にアメリカで設立されたConnecPathのCo-founderでCEOを務めるのは、シリコンバレーで挑戦する日本人起業家、真田諒氏だ。
WeAdmitは後払いモデルの大学受験コンサル。真田氏によると、プロの受験コンサルタントを雇うと「時給250ドルぐらい」、「総額で1万ドル」ほどの費用が必要となってしまうこともあるなど高額だ。加えて、担当するコンサルタントによりクオリティーにばらつきがでてしまう。同氏はそのような状況にチャンスを見出した。
真田氏が競合として挙げたのは、「CollegeVine」や「Empowerly」など。同氏いわく、競合が存在する中でWeAdmitが顧客にウケている要素は、後払いモデルのビジネスモデル、プロのコンサルタントと大学生が混成したチームによる連携によるマンツーマン指導での対応、そして生徒たちを個々に適したキャリアに向かわせるべく設計されるカリキュラム。
東京大学やハーバード大学に入学することが全ての生徒たちに最適なアカデミックキャリアだとは言えない。「『なぜその大学で勉強をするのか』『将来どのような人物になりたいのか』などのイメージを、親にも子供にも描いて欲しい」(真田氏)。
真田氏によれば、米国の大学受験コンサル市場は約1.8Bドル(約1950億円)。年率4%ほどの成長市場だという。産業は古く、混み合っている。コンサルタントは3万人、社数では2万5000ほど存在するそうだ。だが、「ほとんどは個人零細のLLCとか、個人事業主。市場はあるし、やり方が古いので、ディスラプトの余地がある」(真田氏)。SlackやZoomのようなITツールを持ち込むだけで大きな変化になる業界だと真田氏は言う。
WeAdmitは2019年3月にローンチしたばかり。調達した資金はオペレーションの規模拡大に充てる。既に日本参入も視野にあるそうだ。
なぜ外国での起業を選んだのか。真田氏は「『シリコンバレーから(プロダクトを)外に出していく』ということをすれば、世界に通用するサービスを素早く作れると思った」と話す。そして、なぜシリコンバレーを選んだのか。同氏は1例として、ピッチコンテストなどに来場する「オーディエンスの舌がすごく肥えている」ことを挙げた。
「ピッチコンテストなどに行くと、鋭い質問がどんどん飛んでくる。なぜなら、彼らはそのようなイベントに頻繁に参加しているからだ。そういう人たちに囲まれて磨かれ、また他の誰かを磨いていく。お互いに磨き合う環境というのは、同じことを思っている人が多ければ多いほど、積み重なっていく。この集積の強さはシリコンバレーにしかない」(真田氏)。
Snapchatが3Dカメラモード導入でインスタに対抗
SnapのスマートグラスであるSpectaclesの最新バージョンでは、すでに没入感のあるフィルターエフェクトで周りを見ることができる3D機能が搭載されているが、同社は主力の写真共有アプリのSnapchatでもレベルアップを図っている。同社は米国時間9月17日、新しい3Dカメラモードを発表した。このモードではユーザーがスマホを傾けると写真が動くという、ジオラマのような深みのあるエフェクトを写真に持たせてシェアできる。
3Dカメラモードは本日から、iPhone Xよりも上位の端末に限定して最新のSnapchatアプリで利用可能になる。新機能にはアプリ右側のドロップダウンメニューからカメラモードを選べばアクセスできる。エフェクト付きの写真自体は、iPhone Xより下位の機種やAndroidなど他のスマホでも閲覧できる(作成はできない)。
3Dカメラモードの導入に伴い、当然のことながら新たな3Dエフェクト、レンズ、フィルターのライブラリーが用意された。作成が終わった写真はカメラロールに保存してSnapchat以外での使用も可能だ。
3Dの導入はFacebook、特にInstagramとの間で長らく展開されてきた機能争いにおいて、Snapchatの最新の対抗策となる。TechCrunchではこれまで、Snapchatがいかにアプリ上での写真アートにおける新たなコンセプトを主導してきたか、その経緯を取り上げてきた。その新コンセプトとは、時間限定で消える写真、Snapやビデオの物語をつくるレンズやフィルター、ストーリーズといったものだ。これらに似たような機能をInstagramは(そして比較的少ないがFacebook本体でも)後追いしてきた。
機能の模倣という状況は、Snapchatにとって特に厳しいものだ。Snapchatはまだユーザー数という点においてInstagramを追う立場で、InstagramがStoriesを導入した後では成長はかなり落ち込んだ。直近ではSnapchatのデイリーアクティブユーザー(DAU)は2億300万人と発表しているが、一方のInstagramのDAUは5億人超とのことだ。
ただ、レンズや写真のエフェクトはまだ改良の余地はある。少なからず、Snapchatのデーリーユーザーの70%がレンズ機能を使って写真に手を加えている。この機能は使い出すと止まらなくなり、ひいてはSnapchatの利用を促す。なのでSnapchatが目新しい機能を出し続けることは(たとえコピーされても)褒めるべきことなのだ。
消費者の好みに目を向けると、最近開発競争は激しくモデルは様変わりしそうだ。特に音楽をベースとした人気のTikTokアプリの興隆がいかにSnapchatとInstagramの機能に影響を及ぼすことになるのかは注目に値するだろう。
にもかかわらず、皮肉にも3DにおいてはFacebookが2018年10月にAIベースの3Dイメージを立ち上げて先行した。これまでのところ、その機能をInstagramには広げていない。しかし、Snapchatの今回の新機能を受け、Instagramに3Dが登場しても驚きではない。
はっきりとさせておくと、3D機能はiPhone Xまたはそれより上位のモデルに頼っている。というのも、iPhone Xのフロントのレンズで収集される画像と深度データを使って画像が作られるからで、結果としてその他のモデルでは利用できない。
一方で同じ機能がAndroidアプリに登場しないことをいぶかしがる人もいるだろう。iPhoneの上位機種のように、深度データや他の画像データをとらえることができるハイエンドなAndroidデバイスはかなり展開されている。
SnapchatはAndroidとはちょっとした因縁がある。モバイルアプリ全体の中でも人気のあるSnapchatだが、あるときSnapchatはAndroidアプリがあまりにも速度が遅くてバグも多く、ユーザーの足かせになっていたためにAndroidアプリを再設計しなければならなかった。その際に離れてしまったユーザーを最終的にはいくらか取り戻したようだが、ユーザーの大半はSnapchatに新機能を導入するときにSnapが優先するiOSを利用している。Snapが今回の機能をAndroidにも導入するのにどれくらい時間がかかるのか見ものではある(実際、Snapに尋ねている)。
画像クレジット: Snap
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(翻訳:Mizoguchi)
ロスレス音楽ストリーミングAmazon Music HDをローンチ
Amazon(アマゾン)は高品質な新音楽ストリーミングサービスのAmazon Music HDを提供する。Primeメンバーは月額12.99ドル(約1400円)で一般向けは月額14.99ドル(約1600円)、既存のAmazon Musicの会員は個人プランであろうと家族プランであろうと、月額5ドル(約540円)で追加できる。そして追加コストで体験できるのは、AmazonがHD(CD音質とほぼ同じ16ビット、44.1kHz)と呼ぶ5000万以上の楽曲へのアクセスと、Ultra HD(24ビットかつ最大192kHz)の数百万の楽曲で、これはAmazonによればあらゆる音楽ストリーミングの中でも最高の品質だという。
近年の高音質な楽曲を求めるオーディオファンにとって、最も人気の高い音楽ストリーミングサービスははおそらくTidalだろう。Tidalは、AppleやSpotifyのような業界トップの音楽ストリーミングサービスには加入者数では勝てないが、サービスが存続していることは、その需要があることを示している。Amazonはこれを追加コストのあまりかからないニッチなアップセルとして、既存サービスと一緒に提供できるので、収益化という意味で有利な立場にありそうだ。
Amazon Music HDはローンチ時点では90日間無料で試聴でき(高品質楽曲にもストリーミングとダウンロードの両方のオプションが存在する)、その品質を判断するのには十分な期間のはずだ。もしかしたら、通常音質に戻れないほど素晴らしいものかもしれない。
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(翻訳:塚本直樹 Twitter)
コワーキングスペースWeWork運営のThe We CompanyがIPOを保留へ
不動産の短期貸出しと管理を行うWeWorkをはじめとする「We関連」子会社を傘下にもつThe We Companyが、IPOを凍結することが明らかになった。
同社の上場計画は、同社のコーポレートガバナンスや、一時は500億ドル(約5兆4000億円)近いと投資家が考えていた会社価値に対する疑念のために難航していた。
投資家は天井知らずの企業価値と、共同創業者でCEOのAdam Neumann(アダム・ノイマン)氏の不品行な経営慣行に尻込みし始めたと、The We Companyの上場保留を最初に報じたウォールストリートジャーナルは書いている。
過去数週間、The We Companyは投資家の懸念を払拭しようと数々の手を打ってきた。ノイマン氏との酷い契約を白紙に戻し、新たな役員を加えた。さらにノイマン氏の会社での力を制限する動きも見せた。
先週同社は目論見書を修正し、外部から幹部を招いたことを記載した。さらに、クラスBとクラスC株の権利を減らしてノイマン氏が他の株主の20倍の議決権を持つことがないようし、ノイマン氏の妻を同社の後継者計画から除外した。
こうした行動もウォール街の投資家をなだめるには不足だったようだ。会社価値を100億ドル以下に引き下げようとする試みでさえ、投資家の関心をIPOに向けることはできなかった。
そしてThe We Companyが上場を断念することが確実になり、上場後のUberとLyftが不調を続ける今、おそらくベンチャーキャピタルは投資先企業のとんでもなく高い評価額を見直すことになるだろう。そしておそらく、強欲はよくないかもしれないことを学ぶときなのかもしれない。
関連記事:WeWork and Uber are proof valuations are meaningless
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )
NetflixがSeinfeldのストリーミング権を取得、2021年放映開始
ストリーミング業界の競争は激しさを増し、Netflixは加入者減に直面している。その苦境を救うことになるかもしれないコンテンツをNetflixは獲得した。同社は、人気のコメディドラマ「Seinfeld」(邦題は「となりのサインフェルド」)のグローバルストリーミング権を取得した、と発表した。エミー賞を受賞した全180エピソードのこのドラマは2021年からNetflixで提供される。
このSeinfeld投入のタイミングはNetflixにとって重要だ。というのも、Seinfeldは、Netflixで最も視聴されているコンテンツの1つ「The Office」の再放送が終わる年に投入される。その前の2020年には、これまた米国を代表するシチュエーションコメディ「Friends」の放映が終了する。
こうしたコンテンツはいまだに人気があり、放映当時にまだ幼なかった人たちを引きつけることができるため、オリジナルの放映年代にもかかわらず、放映権はいまだにかなり高額だ。
それにも増して、こうしたコンテンツの再放送は多く人が視聴しているという事実がある。Netflixはオリジナルコンテンツに数十億ドルもつぎ込み、プラットフォーム上で大々的に宣伝しているにもかかわらず、Netflixで現在最も視聴されている番組は「The Office」であることがニールセンの調査でわかった。
オリジナルコンテンツは最近人気がなく、Netflixは少なくともいくつかの昔のコンテンツにしがみついていなければならない状況だ。直近の四半期で、Netflixの米国における会員数は2011年以来初めて減少した。同社は減少の要因として、まだスタートしていないがDisney+や Apple TV+、HBO Maxなどとの競争の激化ではなく、値上げと、コンテンツが視聴者をひきつけられるほど魅力がなかったことを挙げた。
その一方でNetflixは「The Office」の放映権を売りに出し、それをNBCUが5億ドル(約540億円)で買い取った。「The Office」は2021年にNetflixでの放映が終わるとNBCUで放映される。Netflixはまた、「Friends」も WarnerMedia(ワーナー・メディア)に売った。ワーナー・メディアはこれを4億2500万ドル(約460億円)で買い、新サービスHBO Maxで2020年から5年間にわたって放映する。
Sony Pictures Televisionからストリーミング権を買ったSeinfeldは、世界に1億5000万人いるとされる会員に配信されることから、購入額は上記のディールと同程度か、それを少し上回るかもしれない(Netflixは詳細を明らかにしていない)。
「Seinfeldは、すべてのテレビコメディが比較の対象とするコメディだ。新鮮さや面白さは色あせることなく、今回初めて4Kで放映される」とNetflixのコンテンツ責任者Ted Sarandos(テッド・サランドス)氏は発表文で語った。「Jerry、Elaine、George、そしてKramerをNetflixから世界に向けて紹介するのが楽しみだ」(4人はSeinfeldの登場人物)。
しかし、Netflixが最近力を入れているのは昔のシチュエーションコメディだけではない。
同社は今年、Disney+のサービス開始を前に、「Iron Fist」(アイアン・フィスト)、「Luke Cage」(ルーク・ケイジ)、「Daredevil」(デアデビル)の放映をキャンセルしたのち、「Jessica Jones」(ジェシカ・ジョーンズ)と「The Punisher」(パニッシャー)もキャンセルし、Marvel(マーベル)ものを卒業した。Netflixはまた、「The OA」、「Tuca & Bertie」(トゥカ&バーティー)、「Designated Survivor」(サバイバー:宿命の大統領)、「She’s Gotta Have It」(シーズ・ガッタ・ハヴ・イット)、そして「One Day at a Time」(ワンデイ -家族のうた-)のリメイクを含む、人気のなかった多くのコンテンツをキャンセルした。
Sony Pictures Televisionとの今回の売買により、Seinfeldを初めてNetflixで流すことになるが、これは「Comedians in Cars」(サインフェルド:ヴィンテージカーでコーヒーを)、「Jerry Before Seinfeld」(ジェリー・ビフォー・サインフェルド)などのコメディ放映に続く動きだ。
「Seinfeldはある意味アイコン的存在でカルチャーを代表する番組。初めて放映されてから30年たったが、まだ人気は健在だ」とSony Pictures Televisionの会長Mike Hopkins(マイク・ホプキンス)氏は声明文で述べた。「この愛されているシリーズを世界中のファン、そして新たな視聴者にNetflixとともに届けるのを楽しみにしている」。
画像クレジット: Andrew Eccles/NBC/NBCU Photo Bank / Getty Images
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(翻訳:Mizoguchi)
YouTubeがユーザーのコメント履歴を見せるプロフィールカードをテスト中
YouTubeでコメントをよく書く人たちが、これからは自分のチャンネルの人気やトロル(ネット荒らし)の傾向を公開できるようになる。YouTubeは今、そのための機能「プロフィールカード」をテストしている。YouTubeはアップデートや変更をCreator Insiderチャンネルでクリエイターのコミュニティと共有しているが、この機能もそこで発表された。プロフィールカードはコメンター(コメントを書いた人)の名前をクリックすると出現し、その人の最近のコメントのリストを見られる。
これまでは、コメンターの名前をクリックするとYouTube上のその人のチャンネルのページへ連れて行かれた。
でもそれでは、そのコメントを書いた人の人物についてあまり知ることができない。また、そんな情報はあまり公開されない。コメンターのチャンネルのページは、内容が何もなかったり、古かったり、今現在の話題と無関係だったりすることが多い。
でもプロフィールカードの上では、そのコメンターの過去12カ月の、そのチャンネル(読者がコメンターの名前をクリックしたチャンネル)上に残したコメントをすべて見ることができる。ただし今のところは、他のチャンネルに残したコメントは表示されない。つまりRedditのようなメッセージボードにある、各ユーザーのコメントの完全な履歴が見られる完全なユーザープロフィールではない。
先週出た発表声明で、YouTubeのプロダクト管理担当Tom Leung(トム・レオン)氏がこう言っている。「このコメントを、どんな人が書いたのかはわかるね。YouTube上で人と人の結びつきを強めることができるし、またクリエイターは優れたコメントを見て、どんな人が書いたのかわかるようになる」。
この発表声明には書いてないけど、優れたコメントだけでなくトロルや駄文や炎上ネタの多い悪質なコメンターについても知ることができる。
各人のコメントの履歴が見られるようになると、クリエイターやモデレーターは、そのユーザーからのコメントを自動的に隠したり、逆に自動的に承認したりできるようになる。個々のコメントに毎回いちいち対応しなくてもいい。
これまでコメンターの名前をクリックするとその人のYouTubeチャンネルに飛んだが、今度のプロフィールカードではチャンネルのリンクはあるけど、そこへ飛ぶことはない。テストが今、どれくらいの規模で行われているのかわからないが、発表への反応を見るかぎり、コミュニティの評判はいいようだ。
YouTubeは今、これ以外にもいろんな実験を行っている。例えば、ビデオのクリエイターが個人化されたメッセージを表示して、サブスクライバーを勧誘するなんてのがある。
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)
ノンデスクワーカーのためのSlack、Beekeeperが48億円を追加調達
スイスと米国に拠点を持つスタートアップBeekeeperは、ブルーカラーやサービス従事者とコミュニケーションを取るためのモバイル向けプラットフォームを提供している。このほど同社はシリーズBラウンドで4500万ドル(約48億円)を新たに調達した。
ラウンドをリードしたのはThayer VenturesとスイスのSwisscanto Invest by Zürcher Kantonalbank。すでに同社に投資していた、Atomico、Alpana Ventures、Edenred Capital Partners、Fyrfly、Hammer Team、investiere、HighSage Ventures、Keen Venture Partners、Samsung NEXT、Swiss Post、Swisscomらも参加した。
病院、工場、小売店舗などで通常デスクの前にいない「ノンデスクワーカー」をターゲットしにしたBeekeeperは、紙と鉛筆や一般向けメッセージングアプリのWhatsAppいった旧態依然の連絡手段を置き換えることを目的に作られた。
潜在市場は膨大だ。世界の労働者の80%以上がデスクについていないと考えられており、「ノンデスクワーカーのためのSlack」の需要は間違いなく高いとBeekeeperはうたっている。同社は世界で17億人のノンデスクワーカーが「繋がっていない」か、消費者向けアプリや大企業向けアプリの「つぎはぎ」によってお粗末な繋がり方をしている推定している。
Beekeeperのクライアントには、ハイアットホテル、Dollar Genral、ドミノ・ピザ、ヒースロー空港、SeaBoard Foodsなどがある。
Beekeeperは今回得た資金を使って、知識労働者とノンデスク労働者のギャップをつなぎ、新たな機能や統合によってサービスをさらに強化するつもりだと語っている。Workdayなどのシステムとの統合も計画されている。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )
J.J.エイブラムスと映像制作会社Bad Robotがワーナーと独占契約
おそらくすべての大手エンターテインメントおよびストリーミング企業から誘われた後、J.J. Abrams(J.J.エイブラムス)氏の映像制作プロダクションであるBad Robot Productions(バット・ロボット・プロダクションズ)はWarnerMedia(ワーナー・メディア)との独占契約を結んだ。
Star Warsのディレクターことエイブラムス氏と、その妻で共同CEOのKatie McGrath(ケイティ・マクグラス)氏は、すでにWarner Bros.(ワーナー・ブラザーズ)と協力して「Castle Rock」や「Westworld」のような番組を作っていたが、この新しい契約はテレビだけでなく、映画やゲームを含んだ、デジタルプラットフォーム向けのコンテンツをカバーする独占契約だ。ちなみに同社は昨年、Tencent(テンセント)とゲーム部門を立ち上げている。
ワーナー・メディアの最高経営責任者であるJohn Stankey(ジョン・スタンキー)氏は、「ワーナー・メディアとAT&Tは、世界クラスのパートナーであり同僚となる.J.エイブラムス氏とケイティ・マクグラス氏との、長期的なコラボレーションを始めることを喜んでいる」と伝えている。「我々は素晴らしく思い出に残る物語やキャラクターを、複数のプラットフォームをつうじて世界中の視聴者に届けられる可能性に非常に興奮している。エイブラムス氏とマクグラス氏、および制作会社のBad Robotの全員が、並外れたビジョンと優れた映画制作、模範的な業界リーダーシップを、この取り組みと当社にもたらしてくれた」
ワーナー・メディアはストリーミングサービスのHBO Maxを来年にローンチする予定であり、この種の独占プロダクション契約は今後のストリーミング戦争における、重要な武器になることだろう。「Friends」の権利を取り戻すのもいいのだが、結局購読者は新たなコンテンツも欲しがるはずだ。
NBC UniversalやApple(アップル)も、Bad Robotとの提携を検討していると報じられている。WarnerMediaが今年の夏に勝者として残ったようだが、契約は昨日まで公式に明かされなかった。
金銭的条件は明らかにされていないが、The Hollywood Reporterによると買収額は2億5000万ドル(約270億円)が見込まれるという。
ワーナー・メディアによると、Bad RobotはWarner Bros. Television(ワーナー・ブラザース・テレビジョン)の傘下でテレビ番組を制作するが、コンテンツの外部販売も可能だという。また、Bad RobotはParamount(パラマウント)との既存の長編映画の契約も続けるとしている。そしてもちろん、Disney(ディズニー)はエイブラムス氏の新作映画「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」の監督も担当する。
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(翻訳:塚本直樹 Twitter)
映画館サブスクリプションのMoviePassが9月14日にサービス停止
MoviePassの映画館見放題メンバーシップは、いつも話がうますぎるように聞こえた。そして何度も価格を上げ、ビジネスモデルを変え事業を一時的に停止し、多額の資金を昨年10月に調達した後、同社は事業の終了を宣言している。
MoviePassは、米国時間9月14日をもってサービスが停止することを顧客へと発表した。「これまでのところ、MoviePassの資本増強は成功していない」のがその理由だ。
この数カ月間、MoviePassは奇妙なゾンビ状態で存続していた。一部の地域では利用できる顧客もいたが、新規加入は受け入れられなかった。8月末にはMoviePassの顧客の数万ものカード番号が保存されたデータベースが、セキュリティーにより保護されていないことが判明した。
同社は、大規模な会社の更生、あるいは会社とその全資産の売却まで含め、「あらゆる戦略的、財政的選択肢」を模索していると述べている。しかしそれまでの間は、このサービスは死に体となるようだ。
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(翻訳:塚本直樹 Twitter)
アップルは子ども向けアプリとサインイン機能に関してApp Storeのルール変更を修正
当初6月に発表された「Sign in with Apple」(Appleでサインイン)のサービスと、子ども向けのアプリのカテゴリに関するルールを含むApp Storeポリシーの変更に、さらに修正の手が加えられた。新しいアプリは、ただちに修正後の条件に準拠する必要があるが、既存のアプリについては、2020年の初頭まで新ルールへの適合が猶予される。
今年6月のApple(アップル)のWWDCでアナウンスされた変更は、重大なものだった。それだけに、デベロッパーの間に懸念を抱かせることになった。子ども向けのアプリの世界では、広告収入に頼らずにビジネスを展開することは厳しいため、その新しいルールがデベロッパーの動きを制限することになる可能性があると考えられたからだ。
Appleのフィル・シラー(Phil Schiller)氏は、TechCrunchとの短いインタビューで、6月に発表したルール変更に関して、デベロッパー、分析会社、広告会社の意見を聞くための時間を設け、それを受けて変更内容に修正を加えたことを明らかにした。
今回の修正について、事前に概要の説明を受けた子ども向けアプリの擁護団体や、広告プロバイダーからは、その内容を強く支持するという声明が寄せられているという。今回の修正は、米国時間9月12日の朝に、Appleのデベロッパー向けガイドラインとして公表された。
「実際の施行が近付く中、私たちはデベロッパー、分析会社、広告会社と、よく話し合いました」と、シラー氏は述べた。「将来を見通した意見を持ち、良いアイデアも温めていて、この分野を引っ張っていくような人たちでした」。
シラー氏によれば、彼らからのフィードバックを受けて、ガイドラインを修正し、彼らがより広範囲のシナリオに対応できるようにしたという。シラー氏が掲げる目標は、デベロッパーが適応しやすいガイドラインを作成すると同時に、保護者も納得できる良識あるポリシーをサポートすること。特に子ども向けアプリのカテゴリに関して追加されたガイドラインは、COPPA(Children’s Online Privacy Protection Act、児童オンラインプライバシー保護法)やGDPR(General Data Protection Regulation=一般データ保護規則)でも、想定していないようなシナリオを提示していると、シラー氏は胸を張る。
次のような2つの大きな修正が加えられた。
子ども向けアプリに関する修正
変更に対する修正が加えられた1つめの領域は、子ども向けアプリについての条項だ。セクション1.3、および5.1.4には、Appleがこの2、3カ月の間、デベロッパーや広告会社、分析サービスなどと、彼らが抱いている懸念について話し合った結果を反映して修正が加えられた。
これらの条項には、いずれも、サードパーティによる広告や分析などのサービスに関する文言に微妙な修正が施された。6月には、Appleは、これらのルール変更に関して、非常に強硬なバージョンを発表していた。基本的に、すべてのサードパーティによる広告、および分析ソフトウェアを違法なものとし、サードパーティに対するデータ送信も禁止するというものだった。修正が加えられたルールでは、アプリにそうした機能を組み込む余地が、デベロッパーには引き続き残されている。ただし、そこには明確な制約が設定された。
大きな修正は、子ども向けカテゴリのデータの安全性に関するセクション1.3にも加えられた。Appleは、サードパーティの広告または分析を組み込むことに関する明確な制限を削除したのだ。この制限は、デベロッパーが自らのビジネスモデルを実現する上で、大きな打撃となるものだった。
その代わりAppleは、アプリのデベロッパーに対して、なかなか微妙な提案を示している。もう少し具体的に言うと、アプリにはサードパーティの分析や広告を含めるべきではないとしつつも、暗黙的には、App Store上でのデータの安全性を確保しながら、そうしたサービスを提供する方法があることを認めている。
Appleは、限られた条件では、子ども向けカテゴリのアプリでも、サードパーティ製の分析機能が許されるとしている。その条件とは、アプリが個人を特定できる情報や、デバイスのフィンガープリント情報をサードパーティに対して送信しないというもの。その情報としては、IDFA(広告主のデバイスID)、名前、生年月日、電子メールアドレス、位置情報など、個人を特定できる情報が含まれる。
コンテキストに応じたサードパーティの広告が許可される場合もある。ただし、広告を提供する企業が広告に関する慣行とポリシーを文書で公開していて、広告の製作者についての人間によるレビューを提供している場合に限られる。 そうすることで、確かに広告の選択肢は減るだろう。特にプログラムによって広告を提供するサービスは制限されることになる。
セクション5.1.4は、子ども向けアプリにおけるデータの取り扱いに主眼を置いたもの。COPPAやGDPR、その他、地域ごとの規制に準拠していることに加え、Appleはいくつかの明確なガードレールを設けている。
まず最初に、サードパーティの広告と分析についての表現が「してはならない」(may not)から「すべきでない」(should not)に変更された。Appleとしては、そうしたものを組み込むことを思いとどまらせたいが、「限られたケース」では、サードパーティの分析と広告が許可されることを認めている。それは、新しいルールのガイドライン1.3を遵守している場合に限られる。
子ども向けカテゴリのアプリから、あらゆるデータをサードパーティに送信することを明確に禁止する条項は削除された。このような条項の存在は、すべての子ども向けアプリメーカーにとって、爆弾を抱えているようなものだった。
追加された条項として、App Storeの子ども向けカテゴリ以外のアプリでは、アプリのメタデータの中で「子ども向け」や「児童用」といった用語を使用しないよう、デベロッパーに念を押すものがある。
SuperAwesomeは、子ども向けアプリに対して、安全な広告を配信するサービスを提供する会社だ。CEOのDylan Collins(ディラン・コリンズ)氏は、当初、Appleが提案した変更に対して批判的だった。すべてのサードパーティ製アプリを締め出してしまうと、子ども向けアプリのカテゴリ自体が死に絶えてしまうというのだ。
「Appleは間違いなく、子ども向けアプリと、デジタルサービスの標準を制定することに、非常に真剣に取り組んでいます」と、コリンズ氏は、Appleが公開した新しいルールを検討した後、TechCrunchに意見を述べた。「Appleは、多くの時間をかけて、デベロッパーや子ども向けアプリの関連会社と話し合い、デジタル世界のプライバシーと安全性を確保したうえで、子ども向けのデジタル体験を創造できるようなポリシーとツールを準備したのです。これは、他のすべてのIT業界のプラットフォームが従うべきモデルです」。
すべての新規のアプリは、ガイドラインに従わなければならない。既存のアプリには、現状のままで、あと6ヶ月の猶予が与えられているが、2020年の3月3日までには新しいガイドラインに準拠しなければならない。
「Appleが、子供たちのプライバシーを保護し、子供たちが、データ駆動型の、パーソナライズされたマーケティングのターゲットにならないようにするために、Appleが真の一歩を踏み出したことを称賛します」とCCFC(Campaign for a Commercial-Free Childhood、子供に広告を見せないキャンペーン)の事務局長、Josh Golin(ジョシュ・ゴーリン)氏は述べている。「子供を個人として特定できる情報を、マーケティング会社や、その他のサードパーティとけっして共有すべきでないことを、Appleは正しく認識しています。また、規制当局に呼びつけられてではなく、Appleが自らこうした変更に踏み切ったことも高く評価しています」。
CCFCは最近、FTC(Federal Trade Commission、米連邦取引委員会)がYouTubeに、COPPAに違反したとして1億7000万ドルの罰金を課したと発表したことにより、大きな勝利を収めた。
Appleでサインインに関する修正
修正の2つ目は、Sign in with Appleのサービスに関するものだ。
Sign in with Appleは、アプリのデベロッパーによって実装可能な一種のソーシャルログインサービス。Appleによって管理されるアカウントをその場で作成し、ユーザーのプライバシーの保護を強化するもの。すでに、その内容はTechCrunchでも詳しく取り上げているが、新しいガイドラインでは、いくつかの点をより明確にし、ポリシーも追加している。
アプリが、Twitter、Google、LinkedIn、Amazon、Facebookなどの、サードパーティ製のソーシャルログイン機能を提供する場合には、Apple製のSign in with Appleも必ず提供しなければならない。アプリ独自のサインイン機能のみを提供し、例えば、電子メールとパスワードなど、ユーザーがそのアカウントでしかログインできない場合はSign in with Appleは必須ではない。
ここまでは変わらないが、いくつかの場合にわけて、条件がより明確に定義された。以下の条件を満たす場合には、Sign in with Appleは必須ではない。
- アプリが、メーカー独自のアカウント設定とサインインシステムのみを使用する場合。
- アプリが、教育機関、エンタープライズ、または企業固有のものであり、ユーザーは既存の教育機関、またはエンタープライズのアカウントでサインインする必要がある場合。
- アプリが、政府または業界が支援する市民識別システム、または電子IDを使用してユーザーを認証する場合。
- アプリが、特定のサードパーティによるサービスのクライアントであり、ユーザーがそのコンテンツにアクセスするには、そのサードパーティのメール、ソーシャルメディア、またはその他のアカウントに直接サインインしなければならない場合。
こうした条件は、いずれも想定される範囲ではあったものの、6月の発表時には明確にされていなかった。特に最後の1つについては、私自身、どうなるものかと注目していた。この条件は、例えばiOS用のGmailアプリや、Tweetbotのようなアプリに当てはまる。後者は、ツイートを表示するだけのものだが、そのためにはTwitterにログインする必要がある。
アップデート
この記事に対するいくつかの反応を見て、もっとはっきりと明らかにしておくべきことを、ここに追記しておいた方がいいと考えた。独自のログイン機能に加えて、ソーシャルログイン機能を備えたアプリは、必ずSign in with Appleもサポートしなければならない。この点は、Appleの元のガイドラインから変更されていない。
米国時間の9月12日以降、App Storeに提出されたアプリで上記の要件のうちのどれにも当てはまらない場合、Sign in with Appleを実装する必要がある。現在のアプリを更新する場合は、2020年4月までに対応すればいい。
これらの修正は、いずれも、デベロッパーやアプリメーカーが懸念を表明した後に発表されたもの。さらに、大手ハイテク企業に対する独占禁止法についての議論が渦巻く中、ルール変更が突然で、あまりにも厳格だという声に応えた形となっている。Appleは、相変わらず綱渡り的なApp Storeの運営を強いられている。ユーザーのデータ保護を強化するためにはルールを引き締め、規制当局による査察を避けるためには可能な限り平等主義を貫いているように見せなければならないのだから。
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(翻訳:Fumihiko Shibata)
YouTube Musicが有料広告によるチャートの操作に対抗措置
米国時間9月13日、YouTubeは有料の再生と広告がYouTube Musicのチャートに影響を与えないようにすると発表した。チャートのランキングはオーガニック再生の回数のみをカウントする方法に変更される。また、公開後24時間の再生回数ランキングも、ビデオへの直リンク、検索結果、「次の動画」、「急上昇」といったオーガニックソースからの視聴のみをカウントし、ビデオ広告はカウントしない。
音楽レーベルが所属アーティストの新曲を宣伝するためにビデオ広告に費用を積極的につぎ込んでいるケースが複数報告されて、今回の変更に至った。
ローリング・ストーンは、YouTubeのTrueView広告について仕組みを詳しくレポートしている。アーティストやレーベルなどの広告主は、ほかのビデオの前に広告としてミュージックビデオのショートバージョンを再生させる。YouTubeユーザーがビデオを操作した、またはある秒数以上再生したといった条件を満たすと、ビデオの視聴回数としてカウントされる。
ブルームバーグもインドのラッパー、Badshah(バードシャー)の気になる事例を報じた。バードシャーのビデオ「Paagal」は1日に7500万回再生され、韓国のボーイズグループであるBTS(防弾少年団)のそれまでの記録を破った。当初は、バードシャーの所属レーベルであるソニーミュージックがサーバファームとbotを使ってこの記録を達成したとの噂が立ち、後にバードシャーがInstagramでこれは有料広告だったと告白した。
しかしこれは特殊な例ではなく、テイラー・スウィフトやブラックピンクなど多くのアーティストが同じことをしてきたと記事には書かれている。バードシャーはそれを一歩進めただけだという。
この記事には、これを受けてYouTubeはシステムの変更を検討しているとも書かれていた。そして今回、同社は正式に変更を発表した。
YouTubeはブログで次のように説明している。「YouTube Musicのチャートは音楽業界に不可欠な情報源であり、世界最大の音楽プラットフォームで聴かれている音楽の人気を最も正確に測定する場所になっている。業界の透明性を高め、ビルボードやニールセンといったオフィシャルなチャート調査企業のポリシーと合わせるために、YouTube Musicのチャートを集計する際にYouTubeの有料広告の再生回数をカウントしないことにした。今後のランキングはオーガニック再生の回数に基づくものになる」。
公開後24時間の再生回数ランキングも、各国とグローバルの「急上昇」や人気ランキングなどのYouTube Musicのチャートも、すべてこの方針になる。
広告や非オーガニック再生はYouTube Musicのチャートにはカウントされなくなるものの、YouTubeはこれまでの公開後24時間記録は変更しないとしている。つまりアーティストやレーベルは、広告をからめて達成したこれまでの「記録」を主張し続けてもいい。
今回の変更で音楽ビデオ広告がなくなるわけではないだろう。広告は依然として、ユーザーに新しい音楽を知ってもらうための有効な手段だ。例えば、リンクをクリックさせたり、共有したり、ウェブのどこかに埋め込んだりして、オーガニック再生を増やすことができる。しかし有料で再生させるビジネスや広告費の規模にはマイナスの影響があるかもしれない。
YouTubeは「我々には、すべての人に発言の場を提供し世界に発信するという大きな使命がある。これを踏まえて我々は、アーティストが世界中のファンによってYouTubeで達成したすべての成果を称える。YouTubeが世界中で聴かれている音楽の傾向を最も正確に測定できる最高の場になったのは、アーティストとファンのおかげだ。我々はこれからもそうあり続ける」と述べている。
画像:GettyImages
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(翻訳:Kaori Koyama)