税理士向けシステム開発などのBesoが3000万円のプレシード調達、税理士業務の効率化を支援するZooUの事前登録受付開始

税理士向けシステム開発などのBesoが3000万円のプレシード調達、税理士業務の効率化を支援するZooUの事前登録受付開始

税理士向けシステム開発などを展開するBesoは12月14日、プレシードラウンドにおいて第三者割当増資による約3000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、オンタムリープベンチャーズ(QXLV)が運営するQXLV投資事業有限責任組合。調達した資金により、税理士業務の効率化と品質を向上させるプロダクト「ZoooU」(ゾー)の開発と採用強化を進める。またZoooUのティザーサイトを公開し、事前登録受け付けを開始している。ローンチは2022年3月予定。税理士向けシステム開発などのBesoが3000万円のプレシード調達、税理士業務の効率化を支援するZooUの事前登録受付開始

現在税理士業務は、レガシーなオペレーションによる属人化により、顧問先担当者ごとのサービス品質のバラつきや、ベストプラクティスの再現性がない点が課題となっているという。またBesoは、税理士法人化の加速により業務をデジタルで仕組化していくことが必須となる可能性を指摘している。同社は、ZoooUによりこうした課題を根本から解決し、税理士業界の変革とDX化を牽引していくため、資金調達を実施した。

ZoooUは、属人化を解消することでサービス品質向上・業務の標準化を行い、業務の可視化およびコミュニケーションも含めたデータをナレッジとして蓄積・活用できるDXソリューションという。Beso groupの税理士事務所Besoにおいて実証実験を実施し、ノウハウを基に設計と開発を行ったことから、実際の税理士業務に即したプロダクトとなっているそうだ。税理士向けシステム開発などのBesoが3000万円のプレシード調達、税理士業務の効率化を支援するZooUの事前登録受付開始

税理士向けシステム開発などのBesoが3000万円のプレシード調達、税理士業務の効率化を支援するZooUの事前登録受付開始

TikTokがDiscordサーバーを設置、ユーザー同士が語り合う場に

多くのブランドが、メッセージアプリDiscordを使って、ファンの間にコミュニティ意識を醸成している。ファーストフードチェーンのWendy’s(ウェンディーズ)が6万人以上のメンバーを抱えるDiscordを持てるなら、TikTokのようなバイラルプラットフォームができないことがあるだろうか。

TikTokはDiscordサーバーを作っていることをTwitterで予告していたが、米国時間12月16日に自社のアプリでその事実を認めた。TikTokの新しいDiscordでは、見知らぬ人たちと、TikTokユーザーと語りたいことなら何でも話すことができる。Emily Mariko(エミリー・マリコ)氏のバイラルなサーモンレシピのベストな作り方とか?

「このサーバーは、あなたのためのフィードのようなものです。それはあなたのために作られ、そのコメントのいくつかは刺激的であり、あなたの両親はそれが何なのかわかりません」とTikTokはDiscordの歓迎チャンネルに書いている。Discordのルールには、NSFWコンテンツ禁止、暗号資産(暗号資産)の購入禁止などがある。チャットをする前に、ルールを読んだことをチェックマークのリアクションで示さなければならない。これはスパムを阻止するために、人気のあるDiscordではよくあることだ。また、サーバーのプロフィールに性別の代名詞を表示するオプションもある。

公開時点でDiscordには400人しかおらず、TikTokは「ソフトローンチ」だとTechCrunchに話した。TikTokからのモデレーターは5人で、サーバーが成長し続けると問題になる可能性がある。あるユーザーが言ったように「30万人が同時にチャットしようとしていないときに、(お互いに話す)利点を利用しよう」ということだ。

スパムを防ぐために(これもルール違反だが)、TikTokは「スローモード」という、30秒に1回しかメッセージを送れないDiscordの機能を利用している。しかし、ユーザーはすぐに、メッセージ間の時間制限が適用されないスレッドを作成することで、スローモードを回避した。ほどなくして、モデレーターがスレッドを作成する機能を削除した。

関連記事:Discordがスレッド機能導入、一定時間経つと自動的にアーカイブ化

現在、TikTok Discordの会話チャンネルは、軽い荒らしを除けば、比較的普通のものだ。自己紹介、TikTokの共有、TikTokサポート、サーバーのフィードバック、TikTokサウンドなどのためのチャットがある。「ゲームルーム」すらあり、TikTokのゲームへの関心が高まっていることがわかる。現在、このプラットフォームはTikTok Live Studioというデスクトップストリーミングソフトウェアをテスト中だ。

画像クレジット:AaronP/Bauer-Griffin/GC Images / Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

荷主と配送パートナーのマッチングプラットフォームPickGoなど運営のCBcloudが約60億円調達

荷主と配送パートナーのマッチングプラットフォームPickGoなど運営のCBcloudが約60億円調達

ITを活用し運送業界における新たな価値の創出を目指すCBcloudは12月17日、第三者割当増資(シリーズCラウンド)および大手金融機関からの追加融資枠設定により、総額約60億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、国内・海外の機関投資家や事業会社。2016年9月からの融資を含む累計調達額は約80億円となった。

CBcloudは、2013年の設立以来「『届けてくれる』にもっと価値を。」のビジョンの下、荷主と配送パートナーを直接つなぐマッチングプラットフォーム「PickGo」、運送会社向け業務支援システム「SmaRyuトラック」、宅配事業者向け業務支援システム「SmaRyuポスト」を提供。配送パートナーの価値が正当に評価される仕組み作りと配送現場の生産性改善に取り組んできた。PickGoの二輪車・軽貨物の個人パートナーは合わせて4万人、一般貨物の協力運行会社は1000社を超えているという。SmaRyuトラックの導入社数は880社以上、SmaRyuポストは2021年度末までに全国750局の郵便局への導入を予定している。

調達した資金は、これらプロダクト強化やマーケティングをはじめ、事業を成長させるための人材採用にあてる予定。また、多様な業界の企業とのアライアンスを通じて、ポストコロナ時代に適したモノの流れを実現することで、顧客企業のビジネス拡大を支援する。

具体的にはまず、CBcloudのプラットフォームの特徴を活かした緊急・即日配送サービスを「PickGoエクスプレス」(Android版iOS版)と再定義し、従来の法人・ウェブ経由に加えて、個人がアプリ経由でも依頼できるようにした。これにより、発注時の利便性がさらに高まることに加え、従来未対応だった買い物代行以外での個人の配送ニーズの取り込みも図る。

また、「PickGoエンタープライズ」を新たに定義。PickGoの配送パートナー、飛行機、鉄道などのアライアンスを含む配送インフラネットワークやテクノロジーをフル活用することで、顧客企業の個別ニーズに応じた物流を構築・提供する。ネットコンビニやネットスーパーなど、従来は難しかった短いリードタイムでの配車や、予測しにくい需要変動への対応が可能となるという。PickGoエンタープライズを通じ、顧客企業の物流費用削減、売上成長や新たな事業の創出なども支援する。荷主と配送パートナーのマッチングプラットフォームPickGoなど運営のCBcloudが約60億円調達

さらに、今後は軽貨物領域に留まらず、ラストワンマイルを含めた物流全般に関して、CBcloudのプラットフォームをインフラとして利用できるよう、これまで以上に多様な業種の企業とのアライアンスを加速させるという。

グーグルのArea 120、デジタルクリエイター向けウェブストアフロントを提供するサービス「Qaya」を開始

米国時間12月15日、GoogleのチームがQayaという名前の新しいサービスを立ち上げた。クリエイターはこのサービスを使ってウェブ上に店舗をオープンし、自分のプロダクトやサービスをオーディエンスに直接販売することができる。Area 120は、初期のプロジェクトの多くがGoogleのCloud、Search、Shopping、Commerceなどの部門に移管されたことを受け、地位を昇格させた会社の大規模な再編成の一環となる。

関連記事:「Google Labs」の名が復活、AR&VR、Starline、Area 120が新設された「Labs」チームに移動

新プロジェクトQayaは、Area 120の社内創業者であるNathaniel Naddaff-Hafrey(ナサニエル・ナダフ-ハフリー)氏らが共同で創業した。ナダフ-ハフリー氏は以前、求人のマーケットプレイスKormoに在籍し、インドやインドネシア、バングラデシュなどのいわゆる「次の10億人の」インターネットユーザーを狙っていた。

彼は何十人ものクリエイターから話を聞き、デジタルビジネスの構築は時間ばかりかかってたいへんであることを理解し、そこから、彼らがファンに直接販売できるサービスとしてQayaを考えた。Qayaのチームにも数名のクリエイターが在籍しており、既存のクリエイターツールを使った体験を貴重なものとしてQayaに持ち込んだ。彼らは自分の体験と他のクリエイターたちの話から、クリエイターが自分の作品でお金を稼ぎ、自分のファンともっと良好な関係を築ける、ワンストップショップのような、柔軟性に富んだノーコードのプロダクトへの需要があることを知った。

Qayaのソリューションでは、クリエイターが自らの店をウェブ上に開き、プロダクトやサービス、その他のダウンロード可能なデジタル作品を並べて販売する。そこには、彼らのYouTube Merch Shelfのリンクがあってもよいし、Google検索やGoogleショッピングを統合することができる。写真やファイル、eブック、デジタルアート、写真のフィルターやプリセット、各種の仕事の生産性を高めるためのテンプレート、編み物のパターン、フィットネスのビデオなど、扱える作品にはほぼ制限はない。Googleによると、1つの店で最大1000のプロダクトを取り扱うことができる。

画像クレジット:Google

また、デジタル作品ではないリアルのグッズや他のプラットフォーム上のサービスを売りたいクリエイターは、それらをQayaのページ上にフィーチャーでき、それらを自分のブランドにすることもできる。

各ストアは「qaya.store/●●●」という形の独自のカスタムURLを持つ。そしてそれを、LinktreeBeaconsなどが提供しているソーシャルメディア上のいわゆる「リンクインバイオ(プロフィール上のリンク)」の代わりに使ってもよい。

そうしたストアのサービスを利用するとクリエイターは、自分のさまざまなオンラインプレゼンスを指すマイクロウェブサイトを作ることができる。そこで、ソーシャルメディアのチャンネルとかショップ、ブログ、音楽やポッドキャストなどを紹介し、リンクを張ればよい。

この種のサービスの慣行に倣って、Qayaのストアでもページ最上部にある名前と自己紹介の下に、クリエイターは他のオンラインプロフィールのリンクも置ける。しかし、ストアの本来の目的は、クリエイターが販売したいと思うコンテンツにファンを直接コネクトすることだ。ファンをクリエイターのプロフィールやその他のサービスにコネクトする、単なるランディングページではない。

QayaにはGoogle Payが組み込まれており、サブスクリプションやチップ、都度払いなど、いろいろなタイプの収益化方法をサポートしている。また、Qayaはクリエイターの商品の売れ行きに関するインサイトや分析も提供する。

現在、このプロダクトは無料で使用でき、マネタイズはトランザクションベースで管理されている。つまり、クリエイターはQayaにアップロードして販売した商品から得られる収益の「大部分」は、クリエイターの手元に残るとGoogleはいう。

画像クレジット:Google

Googleは現在、Qayaのベータに参加した一部のYouTubeクリエイターに、YouTube Merch Shelfの統合を進めている。同社によると、そのうちQaya でも、もっと広い範囲のプロダクトを販売できるようにするという。「その他のタイプのデジタルグッズ」も含まれるとのことで、おそらくそれはNFTのことだろう。Googleは、この話題について無視しているが。

画像クレジット:Google

Googleによると、この新しいサービスは米国では本日からローンチし、他の国のユーザーはこれからとなる。Qayaのベータにアクセスしたいクリエイターは、Qayaのウェブサイトで招待状をリクエストできる。

画像クレジット:Google

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

TikTokは「レコメンド」フィード多様化のため避けたいトピックを選択可能にする予定

TikTok(ティックトック)は米国時間12月6日、アルゴリズムによるオススメを活用した短編動画アプリのメインフィードである「For You」フィードに、新しいアプローチをとることを発表した。同社はすでに、アプリ内でのユーザーのエンゲージメントパターンに基づいて動画を提案するアルゴリズムの仕組みを詳しく説明しているが、特定のコンテンツカテゴリーがたくさん提案されることが「問題」になる可能性を認めている。同社は現在、アプリ上の「繰り返しパターン」を中断させるための新技術の実装に取り組んでおり、また、避けたいトピックを選ばせることで、その問題についてユーザーが発言できるようなツールの開発も進めているという。

関連記事:TikTokが「レコメンド」フィードの仕組みを公開、イメージアップ作戦か

同社は発表の中で「動物であれ、フィットネスのヒントであれ、個人のウェルビーングの旅であれ、何かが多すぎるのは、我々が目指す多様な発見体験にそぐいません」と、説明している。しかし、TikTokがアルゴリズムを多様化するのは、人々があまりにも多くのかわいい子犬の動画を見ることに不満を抱いているからではなく、規制当局がテックを取り締まり、特に10代のメンタルヘルスに関して、チェックされていない推薦アルゴリズムが及ぼす有害な影響に疑問を抱いているからである。

Facebook(フェイスブック)とInstagram(インスタグラム)の幹部は、他のソーシャルプラットフォームの幹部とともに、議会に呼び出され、どのように彼らのアプリが、例えば拒食症よりなものや摂食障害に関するものなどの危険なコンテンツにユーザーを誘導してきたことについて質問された。

TikTokは、発表の中で「極端なダイエットやフィットネス」「悲しみ」「別れ」をテーマにしたものなど、過度に視聴すると有害となりうる動画の種類に触れている。このような動画に興味を示すユーザーは、おもしろいと感じるかもしれないが、同じような動画をユーザーに繰り返し見せることで、害を及ぼす可能性があることを理解するほどアルゴリズムはまだ賢くはない。もちろん、この問題はTikTokに限ったことではない。自動化された手段によってユーザーのエンゲージメントを高めることだけを目的としたシステムが、ユーザーのメンタルヘルスを犠牲にしていることは、あらゆる面で明らかになりつつある。議会は現在、こうしたシステムが若者にどのような影響を与えるかに最も関心を寄せているが、議論の余地はあるものの、いくつかの研究では、チェックされていない推薦アルゴリズムが、過激な意見に引き込まれかねないユーザーの過激化に一役買う可能性も指摘されている。

TikTokは、ユーザーがこうした有害となりうる種類の動画を視聴し、反応した際に、一連の類似コンテンツを推薦しないための新しい方法もテストするとしている。しかし、制限する動画の種類の例を示しただけで、完全なリストではない。

さらに同社は、ユーザーの「レコメンド」ページがあまり多様でない場合に、それを認識できるようにする技術を開発中であると述べている。ユーザーは実際にTikTokのポリシーに違反する動画を見ていないかもしれないが、同社は「孤独や減量に関するコンテンツなど、非常に限られた種類のコンテンツを見ることは、それがそのユーザーの見るものの大半であれば、マイナスの影響を与える可能性がある」と、述べている。

TikTokが展開する予定のもう1つの戦略には、人々が自らアルゴリズムを指示できるようにする新機能が含まれている。この機能を使えば「レコメンド」フィードで見たくないコンテンツに関連する単語やハッシュタグを選ぶことができるようになる。これは、例えば「Not Interested(興味ありません)」をタップして、気に入らないビデオにフラグを立てることができるTikTokの既存のツールへの追加となる。

はっきりいうと、本日のTikTokの発表は、あくまで計画のロードマップを示すものであり、実際にそのような変更や機能を開始するものではない。その代わりに、同社のアプリとその潜在的な有害作用に関する規制当局のさらなる調査を食い止めようとするものだ。この戦略は、同社自身の議会公聴会とライバルの公聴会の両方で問われた質問によって影響されたと思われる。

TikTokは、実際の導入には時間がかかり、物事がうまくいくまでに繰り返しが必要になると指摘している。

「私たちのシステムが多様な推薦を行うことができるよう、今後も検討を続けていきます」と、同社は述べている。

画像クレジット:Lionel Bonaventure / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

Redditが秘密裏にIPOを申請

この8月、Reddit(レディット)はFidelityの主導で4億1000万ドル(約467億9000万円)にものぼる資金を調達し、評価額は100億ドル(約1兆1413億円)となった。そのときは、最大7億ドル(約798億8000万円)でシリーズFラウンドを終わらせる計画だった。

同社のCEOであるSteve Huffman(スティーブ・ハフマン)氏は、ニューヨークタイムズ紙に対して、Fidelityの投資により、いつどのように公開するかを決める時間を稼げると語っていた。

関連記事:RedditがシリーズFで最大770億円調達へ、評価額は1兆円超えに

サイト開設16年の同社は、米国時間12月15日の夕方、証券取引委員会(SEC)に株式公開に向けた登録届出書の草案を秘密裏に提出していたことを公表した。

Redditは、公開する株数やIPOの価格帯をまだ決定してない。

資金力に富む同社が、IPOの準備をしている兆候はあった。3月には、以前SnapのIPOに携わったDrew Vollero(ドリュー・ボレロ)氏を、同社初のCFOとして採用したことを発表していた

公開情報によれば、Redditはこれまでに13億ドル(約1483億6000万円)の資金を調達した。

コンテンツ集約の巨人である同社は、ヘイトスピーチを取り締まろうとする一方で、コミュニティの拠点としての存在感を確立しようとするなどの大きな挑戦に直面している。2021年の初めにはsubreddit(サブレディット、Reddit内のコミュニティ単位)の1つが、GameStopやAMCなどの急激な株価上昇に中心的な役割を果たした

2019年に、Redditの3億ドルのシリーズDをTencent(テンセント)が主導した際には、検閲がコミュニティサイトに入りこむのではないかという憶測が飛び交った。当時の私の同僚のJon Russel(ジョン・ラッセル)記者は、その憶測に異議を唱えている

Redditに関する過剰な期待は、その経済的な成功に貢献している。第2四半期には、Redditは1億ドル(約114億1000万円)の広告収入を達成した。8月の最終実績では、サイトは1日あたり5000万人の訪問者をひきつけ、10万のアクティブなsubredditをホストした。

画像クレジット:TechCrunch

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(文: Rita Liao、翻訳:sako)

オンラインの部屋を作って集まれるサービスcoromを運営するworkeasyが5000万円調達、スマホ版を強化

オンラインの部屋を作って集まれるアプリ「corom」(コロム)を開発・提供するworkeasyは12月15日、5000万円の資金調達を行ったことを発表した。引受先は千葉道場ファンド、Gx partners。調達した資金は、誰もが利用しやすくなり場所を選ばずコミュニティに参加できるようスマートフォン用アプリの開発にあて強化する。

coromは、オンラインの部屋を無料の作れ、会話を楽しめるというコミュニティアプリ。2021年2月にリリースされた「workle」を前身としている。workleはリテラシーの高いIT企業のリモートオフィスを市場参入ターゲットとしていたのだが、「みんなで集まって話す」「近づいてコソコソ話す」「手を振って合図する」といったリアルに近いコミュニケーションが取れるUXにこだわったことから、「お悩み相談」「占い」などビジネスシーン以外でのコミュニティ形成の手段として利用されるようになったという。

これを受け同社はcoromへとリブランディング。これまでのウェブ版に加えてスマートフォンアプリ(Android版iOS版)をリリースした。今後は、「誰でも簡単にオンラインの部屋をつくって集まれるアプリ」として、ユーザーの獲得、ユーザビリティの改善、東南アジアへの進出などを行う。

coromでは、同じ部屋に入るだけで音声通話が始まり、その場に居るように同時に複数ユーザーで会話できる(マイク必須)。また、ユーザーを示すアイコンの距離によって音量が変わるようになっており、他のユーザーに近づくだけでコソコソ話も行え、ちょっとした悩み事やプライベートなことも話しやすい。これら会話にはカメラが必要ないためお互い気軽に話しやすく、拡声器機能で部屋にいるユーザー全員に話しかけることもできる。

LayerX「バクラク電子帳簿保存」正式公開、国税関係書類をAI-OCRで自動読み取りし改正電子帳簿保存法準拠で保管・検索

LayerX「バクラク電子帳簿保存」正式公開、国税関係書類をAI-OCRで自動読み取りし改正電子帳簿保存法準拠で保管・検索

テクノロジーを活用し業務プロセスのデジタル化を推進するLayerXは12月16日、改正電子帳簿保存法の施行を見据えた新サービス「バクラク電子帳簿保存」の正式リリースを発表した。AI-OCR機能の提供により、請求書・領収書・契約書など、法対応が必要なあらゆる国税関係書類を自動入力し、改正電子帳簿保存法に準拠した形で検索・保管(スキャナ保存・電子取引データの電子保存)が可能となった。

また基本利用料は無料で利用できるため、現在対応を検討している企業も電子帳簿保存法の対応開始を行いやすいという。利用機能などに応じた有料オプションも用意しているそうだ。

LayerX「バクラク電子帳簿保存」正式公開、国税関係書類をAI-OCRで自動読み取りし改正電子帳簿保存法準拠で保管・検索

バクラク電子帳簿保存は、2022年1月1日施行の電子帳簿保存法のシステム要件に対応したサービス。請求書や見積書など、あらゆる国税関係書類を電子上で保管可能となる。例えば同サービスでは、認定タイムスタンプを付与するため、事務処理規程の整備が必要ない(業務フローによっては規定整備が必要な場合もある)。

合わせて今回の正式リリースにより、AI-OCRが利用可能になった。国税関係書類のデータをAI-OCRが自動入力し、改正電子帳簿保存法に準拠した形で検索・保管できる。

LayerX「バクラク電子帳簿保存」正式公開、国税関係書類をAI-OCRで自動読み取りし改正電子帳簿保存法準拠で保管・検索

バクラク電子帳簿保存の主な機能

  • 認定タイムスタンプの付与
  • 訂正履歴・削除不可
  • 検索機能(取引年月日・取引金額・取引先)
  • 書類のスキャナ保存・電子取引かを推定した上で、スキャナ保存要件の自動検証

2022年1月1日より、経理の電子化による生産性の向上などを目的に、改正電子帳簿保存法が施行され、請求書・領収書・契約書など国税関係書類の電子化のための法令要件が大幅に緩和される。

改正電子帳簿保存法の概要(国税庁「令和3年度税制改正による電子帳簿等保存制度の見直しについて」)

  • 電子保存する際に従来求められていた税務署への事前承認制度が廃止に
  • 紙で請求書等を受領した際のスキャナ保存にあたり、適正事務処理要件の緩和、原本への自署の不要化など電子化後すぐに原本の廃棄が可能に など

ただしこの改正により電子取引データの厳格な保存が求められており、メールなどで送受信するPDFの請求書などは、2022年1月1日から印刷して保管できなくなり、法的な要件を満たしたシステムなどでの保管が必要となる。電子保存を行う積極的な意図がなくとも法対応が必要になるケースも想定されているという(令和4年度税制改正大綱において、2023年12月31日までは、PDFなど電子データで受け取った書類の電子保存義務が2年間猶予され、紙のままの保存を認める経過措置が盛り込まれることが発表された)。

こうした状況を踏まえ、低労力かつ短期間での改正電子帳簿保存法対応を実現し、様々な企業の経理DXを後押しすべく、同サービスの提供に至ったという。

Snapはこの1年間でTikTok風動画のクリエイターに約284.5億円を支払っている

Snapは米国時間12月14日、TikTok風サービスのSpotlightでこの1年間に1万2000人を超えるクリエイターに合計2億5000万ドル(約284億5000万円)以上を支払ったと発表した。友人との間で交わされてすぐに消えるSnapchatのメッセージとは異なり、Spotlightは広い範囲にリーチできる。Snapによれば、2020年のSpotlight開始以降、クリエイターは3倍の頻度で投稿しているという。

いうまでもなく、ショートビデオの覇権争いは進行中だ。TikTokは月間アクティブユーザー数が最も早く10億人に達したアプリの1つだが、SnapchatのSpotlight、Instagramのリール、YouTubeショートといったライバルはクリエイターが自社プラットフォーム専用のコンテンツを作る動機づけを打ち出した。Instagramのリールでは、TikTokのすかしが入った動画はプロモーションされない。Snapchatは当初1日あたり100万ドル(約1億1300万円)だった支払い金額を、2021年9月にCEOのEvan Spiegel(エヴァン・シュピーゲル)氏が「ものまねコンテンツ」が多すぎるためと述べて減らした。LinkedInSpotifyNetflix、Reddit、TwitterなどのプラットフォームもTikTokのようなフィードを実験している。

関連記事:これで誰でもディズニープリンセス、願いをかなえたARアプリへの捧げ物はあなたの生体情報!?

Snapによれば、Spotlightの投稿の65%でARレンズなどのSnapchatのクリエイティブツールが使われているという。特にCartoon 3D Styleレンズは2021年夏に口コミで話題となり、最初の1週間で28億インプレッションを叩き出した。

画像クレジット:Snapchat Story Studio

SnapはクリエイターにStory Studioも提供している。これは2021年5月にSnap Partner Summitで発表されたスタンドアロンのアプリだ。クリエイターの中には、デスクトップのFinal Cut ProやAdobe Premiereでビデオを編集し、それをスマートフォンに送る人もいる。これに対してSnapはユーザーがもっと柔軟に使えるようにと試みている。クリエイターはStory Studioを使えばスマートフォン上でもっと徹底的に編集ができる。一方、ウェブアプリのSpotlightを使えばコンピュータからコンテンツをアップロードできる。

クリエイターはアプリ内ギフト機能やSnapのクリエイターマーケットプレイスでSpotlightを収益化することもできる。マーケットプレイスはブランドとAR開発者やインフルエンサーがコラボする場だ。クリエイターはギフトから売上の一部を受け取るが、クリエイターマーケットプレイスでは全額を受け取れる。

画像クレジット:Snapchat

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Kaori Koyama)

Slackのワークスペースに閉じ込められるという悪夢。書評「Several People Are Typing」

10月、Calvin Kasulke(カルビン・カスルケ)のデビュー小説「Several People Are Typing(……が入力しています)」で、私たちは新たな恐怖を感じる。もし自分が職場のSlackのワークスペースに閉じ込められ、Slackbotが自分の身体を乗っ取ってしまったら?カスルケ氏は「資本主義は悪であり、身体は牢獄である。しかし、身体を持たないことは身体を持つことよりももっと悪い」という。

「Several People Are Typing」は、すべてがSlackのメッセージのスタイルで記述されている。作者は、PR会社に勤務する登場人物1人ひとりのタイピングの特徴を記したスタイルガイドまで作成して、登場人物を実在する人間のように描いている。彼らはSlackのワークスペースの中で、ドッグフードのプロモーションの問題、社内恋愛、ジェラルドが「在宅勤務」をしている間に彼の窓際のデスクを誰が使うかという争いなどを話し合う。もはや自分の身体をコントロールできない(身体を持っていない)ジェラルドはオフィスに通勤することはできないが、上司は、ジェラルドがかつてないほど生産性を上げているので気に留めていない(文字どおりSlackの中に閉じ込められているのに、仕事以外に何ができるというのだ?)。ジェラルドが仕事から離れられるのは、Slackbotによってジェラルドとsunset.gifが一体化したときだけだ。Slackユーザーがgifファイルをアップロードするたびに、ジェラルドは彼らのワークスペースに移動する。sunset.gifと一体化しているのも大変そうだ。

TechCrunchの取材に対し、Slackはコメントを拒否したが、カスルケ氏はSlackはこの本を気に入っているはずだと考えている。というのも、この本の出版社であるDoubleday Booksは、(出版を受けて)Slackを使ったプレゼント企画を実施したからだ。しかしながら、この小説はSlack自体ではなく、私たちのワークスタイルを表現している。

The Atlanticは最近の記事で、Slackを「史上初めて、ユーザーに『自分はカッコいい』と思わせることに成功した企業向けのソフトウェア」と評した。カスルケ氏は、Slackスタイルの本というのはギミック(しかけ)であることを認めるだろうが、実際よくできたギミックである。Good Morning America’s Book of the Month(グッドモーニング・アメリカの「今月の1冊」)に選ばれたということは「肉体を得たばかりのSlackbotがミートボールサンドを早食いして、身体を持って生きることが期待したほど良いものではない、ということを身をもって知る」という問題作を、想像以上に多くの人が読んでいるということだ。しかし、カスルケ氏曰く「人間は自分が思っている以上に奇妙な存在」であり、この小説が、日によっては文章よりもチャットを見ることが多いという人々の心に響くのも不思議ではない。

Slackのメッセージ形式で綴られるこの本を参考に、TechCrunchはカスルケ氏にテキストでインタビューを行った。是非楽しんで欲しい。

amanda at 3:08 PM

Slackを使った背景や、Slackのメッセージだけで本を書こうと思った経緯を教えてもらえる?

calvin at 3:08 PM

この本を書いていた頃、僕はコンサルティング会社で仕事をしてた。Slackはしょっちゅう使ってたよ

毎日大量のSlackを書いてた。仕事に関することの他にも、Knicks(訳注:ニックス、バスケットボールのチーム)がプレーオフに進出すると思うか?とか同僚にDMしたりしてたよ

僕は脚本を書いていたこともあるけど、業務用のスラックとは長くてエンドレスな芝居のようなものだ

amanda at 3:10 PM

そうね、この本のおもしろいところはSlackで書かれるような会話しか書けないというところかしら。でもSlackではなんでも起こりうるから、私は本の登場人物がSlackでNSFW(訳注:Not Safe For Work、職場では閲覧注意)なことをチャットしていても驚かなかったわ。マーケティング会社のSlackでは当然のことでしょ?

理論上は上司はSlackのDMをチェックできるって知っているけど、みんな上司に見られたくないことをSlackでDMしてるわ

calvin at 3:11 PM

その通り!仕事の話ばかりしてると思うなんて合理的じゃないよ

業務用のSlackなんて、仕事上のコミュニケーションでは仕事内容しか書いちゃいけないっていう考え方に屈しているようなものだ

楽しみながら仕事をしちゃいけないっていうのかな?

みんなが見れるチャットとプライベートなDMには大きな違いがあって

こういった違いを書き分けるのは楽しかった

公の場で仕事をしている自分、グループDMで仕事中の自分、1対1のDMでの本来の自分は全部違うんだ

仕事では猫かぶってるけど

時々素が出るけど

amanda at 3:13 PM

Slackの言語学ってとってもおもしろいわよね。個人個人のタイピングの癖とか、相手によってどんな風に変わるかとか

(このインタビューもチャット形式で行うことで、これを実証している。)

calvin at 3:16 PM

笑。スタイルガイドも作った

誰がどういう風にタイピングするかっていうスタイルガイド

amanda at 3:17 PM

スタイルガイドはとっても良かったと思うの。だって、チャットだけで誰が書いているのかわからなければ、この本は成功しなかったじゃない?

でも、IRL(訳注:in real life、現実世界、現実では)ではチャットだけでどんな人かを判断しなきゃいけないことも多いと思うの

calvin at 3:18 PM

この本は全体がチャットで構成されていてそれぞれ書き分ける必要があったんだ。だから全員分ルールを作ったんだけど、普通人ってそんなに一貫性がないから、ルール通りにチャットしないこともしょっちゅうだし句読点を工夫した方が効果があることもあるんだよ

そうそう今ではオンラインでしかあったことのない仕事仲間がいっぱいいるよ、ヒュー!

amanda at 3:19 PM

この本は「ギミックみたい」って思われがちだと思うけど、びっくりするぐらい実生活に当てはまるわよね

びっくりといえば

この本って……その……ホラーなの?

悪役のSlackボットってどうやって思いついたの?

calvin at 3:20 PM

それがギミックだよ!ギミックって楽しいだろ?それと、本が単なるギミックで終わらないように、プロットや感情、思考、考察などの肉付けのりょほうを頑張ってみた

ごめん、両方だ

ちょっとわかりにくいかな?

Slackボットね

どうやったらジェラルドがSlackに閉じ込められているっていう状況を盛り上げられるかって考えて、現実世界の身体の運命を使えばプロットを強調できると思ったんだ

Slackのチャットのスタイルは保ったままで、読みやすく

amanda at 3:22 PM

Slackボットは食べることが好きなのね?

calvin at 3:23 PM

ボットは生身の身体で物理的な世界を楽しんでいる。ジェラルドが四六時中書いていたのと同じように

amanda at 3:23 PM

個人的にはあまりSlackボットを使ってなかったけど、もう絶対にボットは使えないわ

calvin at 3:23 PM

そうかい?Slackボットの動機ははっきりしてるよ。倫理観は持ってないから、文字どおり非道徳的なんだけど

まあそうだね

amanda at 3:24 PM

ある日突然自分がロボットだと気づいたら……パニックになるわよねえ

脱出してミートボールサンドイッチを食べようとするかも

Slackボットみたいに(ネタバレ注意)

他にもいろいろやってるけど

calvin at 3:24 PM

生身の身体があったらミートボールサンドイッチは絶対食べたい

煩わしいこの世で生きていたい理由トップ5だね

amanda at 3:25 PM

何が問題かっていうと、あなたが以前言ってたように「常時オンラインでなければならないと感じるような仕事では、いずれにしてもスラックから抜け出せなくなる可能性がある」ってことだと思うの

ジェラルドが「ほんとにSlackから出られなくなったんだよ!」と言い始めたのに、誰も彼を助けてくれないっていう話があるわね

みんな「ヘンなの」と思ってるだけで、上司はジェラルドの生産性が上がってるから気にもしていない(ジェラルドはSlackから逃げられないんだから、当然ね)

calvin at 3:27 PM

A.あまりに荒唐無稽。B. 現実だとしても魔法使いでもないただの人間になにができるか、ってことかな

自分だって会議に出たりメールを出したりメモを作ったりしなきゃいけない。自分はゴーストバスターでも魔法使いでもない。現実だとしてもジェラルドを助けることはできないだろうね、本当のことだとは信じてないんだから

もしジェラルドを信じるとしたら……自分にとっていろいろな意味でまずいことになるんじゃない?

amanda at 3:29 PM

Slackの人にどう思うか聞いてみた?

calvin at 3:30 PM

DoubledayとSlackは一緒にプレゼント企画をしてたよ

amanda at 3:30 PM

あら、すてき

calvin at 3:30 PM

オフレコで連絡をもらったことはあるけど

みんな超喜んでるって誰かが言ってた

プレゼント企画ってことは、本が欲しい人もいるんだよね(笑)

本を読んでSlackボットが怖くなったら知らないけど

amanda at 3:31 PM

Slackが悪いって言ってるんじゃなくて「資本主義とワークライフバランスの欠如が悪い」って言いたいんじゃないの?

calvin at 3:31 PM

資本主義は悪だし、身体は牢獄。でも身体を持たないことは身体を持つことよりももっと悪い

amanda at 3:31 PM

悪い労働条件はSlackやGmailが原因なの?

悪い上司がいけないんじゃないの?

よくわかんない!

calvin at 3:32 PM

Slackのことは非難してないよ、おもしろいプラットフォームだし

amanda at 3:32 PM

Slackの方がGmailより良いわよね。Slackだとこんな風にチャットできるけどGmailだったら絵文字も使えないしきっちり書かなきゃいけないし

calvin at 3:33 PM

労働条件は上司の要求と労働者の我慢によって決まるんだ

それから、この2つに影響を及ぼす経済や労働環境みたいなやつ

amanda at 3:35 PM

もう1つ聞きたいんだけど

GMAの今月の1冊ですって???

もう先月だけど

なにがどうなってるのか気になるわ

本当に良くておもしろくて、考えさせられる本だから超クールだと思うんだけど……ヘンじゃない!?

GMAを読んでる人って私が思っているよりヘンなのかしら……

calvin at 3:38 PM

そう、9月だね!

僕が一番驚いたよ!

amanda at 3:39 PM

ヘンだとは思うけど、私たちの現実の生活に一番近いのかも

calvin at 3:40 PM

僕はこの本に自信を持ってるから、お世辞じゃないと良いなって思ってる

GMAのブッククラブに選ばれたり、ニューヨーカーにレビューが掲載されたり、反響が大きくて本当にびっくりだよ

amanda at 3:41 PM

驚くのも当然だわ、いえ、本当に良い本だとは思うけど……一般的な本とはちょっと違うわよね

calvin at 3:41 PM

人って自分が思っているよりもヘンなんだろ?きっと。それにみんなテキストやチャットやグループDMなんかには慣れっこだし

amanda at 3:41 PM

人は自分が思っているよりもヘン、って良いわね

calvin at 3:42 PM

だからちょっとぐらいヘンな本でも読者はOKなのかも

amanda at 3:42 PM

この本が普通の本と同じように書かれていたら、こんなに刺激的でおもしろいものにはならなかったでしょうね

calvin at 3:42 PM

読み方を学習しながら読めるようにしたんだ

ヘンなことをするときにはルールが必要だから

もうみんなオンラインに慣れてるから、Slackを使ってなくても読めるでしょ

amanda at 3:45 PM

この本で気に入っているのは、ワークライフバランスや自分の生活におけるテクノロジーの役割などにとてもまじめに考えさせられることと、もしSlackボットがミートボールサンドイッチを食べていたらどうしよう、という気持ちにさせてくれるところね

この本を書いたことで、Slackやインターネット、仕事との向き合い方は何か変わった?

calvin at 3:46 PM

笑。今はSlackは積極的には使ってない

通知が鳴らない方が仕事がはかどるっていうのと、自分がチャットの内容を収集してるって思われたくないから

amanda at 3:47 PM

とっても特殊な問題ね

私も、元上司だった友だちが妊娠したって教えてくれたんだけど、ツイートしないでって言われたわ。そのときはまだ妊娠を公表してなかったのよ、それに似てるわ

calvin at 3:47 PM

とてもよくある話だね

ツイートしないでとか、私が写ってる写真を投稿しないでとか、チャットの内容をシェアしないでとか

モラルを身につける前にやってしまいがちだけど

おもしろいメールのやり取りを投稿するときは相手の許可を得るとか、最低でも一般的なモラルは必要だね

amanda at 3:50 PM

フェイスブックが仮想空間でアバターをミーティングに参加させようとしていることについて考えたことはある?

calvin at 3:52 PM

もちろん!そんな形のVRを望んでいる人はいないと思うけど

直接会えない時はチャットするっていう方がまだ主流

amanda at 3:53 PM

テクノロジーをここまで生活に取り入れたいっていう境界線はあるのかしら?あるとしたらどこに?

calvin at 3:53 PM

直接会いたくない人には仮想空間でも会わない方が良いと思う。ゼロスーツ(訳注:ゲーム「メトロイドシリーズ」に登場するサムスの専用インナースーツ。パワードスーツを装着していない能力低下状態)のとき会いたくない人には特に

さて、きちんとした文章に戻って、タイムスタンプなしで書いてみよう(念のため、今は10月18日月曜日11時55分だ)。ここまでの会話についてくることのできた人なら「Several People Are Typing」も問題なく読めるはずだ。オーディオブックでも、Slackのチャットを複数のキャストが読み上げているので、自然に楽しむことができるだろう。この本は、現代のワークスタイルを批判しているが、それほど誇張されたものではない。確かに、複数の企業の専門家たちが頭を突き合わせて、ドッグフードブランドが誤って犬に毒を盛ってしまうという悪夢のようなPR(パブリック・リレーションズ、企業と企業を取り巻くパブリックとの有益な関係を築くための戦略的コミュニケーションプロセス)をどのように展開させるかを考える、というアイデアはかなり馬鹿げているが、実際現実で起こっていることだ。だからこそ、私たちは「Steak-umms」のような公式アカウントに、ソーシャルメディアのアテンションエコノミー(関心や注目の度合いが経済的価値を持つという概念)に関する優れたインサイトを見い出している。

ギミックに関していえば、2004年に出版された、テキストスピーク(メール略語)を多用したテキストメッセージ形式のヤングアダルト小説「ttyl(talk to you later、また後で)」は少しやり過ぎだったように思う。しかし、不条理は、それが現実かもしれないと感じられるときに最も効果的であり、それがこの本の成功につながっている。(この本の)摩訶不思議なシナリオは馴染みにくいかもしれないが、Slackのメッセージほど崇高な日常を感じさせてくれるコミュニケーション手段は他にはない。

画像クレジット:NOAA / Unsplash

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Dragonfly)

データ統合自動化サービスtroccoなどを手がけるprimeNumberが約13億円のシリーズB調達、採用・マーケ強化

データ統合自動化サービスtrocco」などを手がけるprimeNumberが約13億円のシリーズB調達、採用・マーケ強化

データ活用を効率化するクラウド型サービス「trocco」(トロッコ)を運営するprimeNumber(プライムナンバー)は12月15日、シリーズBラウンドにおいて第三者割当増資により約13億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、リード投資家のCoral CapitalおよびOne Capital、またSBIインベストメント、大和企業投資、SMBCベンチャーキャピタル。調達した資金は、100名規模への体制強化とマーケティング活動の促進に活用される。

企業がデータ活用を推進する上では、様々な準備作業が必要となる。部署・部門・担当領域ごとに、クラウド・SaaS・各種アプリケーション・データベース・ストレージサービスといった環境ごとに「(1)点在」するデータを、意図に沿って「(2)統合」し、データウェアハウスをはじめとした保管庫に「(3)蓄積」、BIツールなどによって「(4)可視化」、その上で「(5)分析」「(6)活用」ができる。データ統合自動化サービスtrocco」などを手がけるprimeNumberが約13億円のシリーズB調達、採用・マーケ強化

この6プロセスをスムーズに行うためには、「データエンジニアリング」と呼ばれる様々な知識・技術が必要となる。「データ分析基盤」というインフラ構築の知識を基にに、「(2)統合」でのSQL(データベースを操作する言語)などの利用、「(4)可視化」にはBIツールなどを選定・操作する技術が求められる。

しかしこれらスキルを備えるデータエンジニアは数が少なく、2030年にはAIやビッグデータなどを担う先端IT人材が約55万人不足する恐れがあるとも試算されている(経済産業省「IT人材需給に関する調査 調査報告書」)。

そのような背景を受けprimeNumberは、troccoの提供をはじめ、上記6プロセスと周辺領域アプリケーション開発をサポートする「ソリューションサービス」、非IT人材のデータ活用育成を支援する「データエンジニアリングワークショップ」など、データ活用の必要性が増す中でのデータエンジニア不足解決を支援するサービスを提供している。

アップル、iOS 15.2でSiri専用の「Apple Music Voiceプラン」を開始

Apple(アップル)が、秋のハードウェアイベントで発表したApple Musicの低価格プラン「Voiceプラン」へのアクセスを開始する。このサービスは。ほぼHomePodのスピーカーとAirPods専用で、主にSiriのコマンドでApple Musicにアクセスする。音声だけで操作するこのシンプルなバージョンは、標準の個人プランの月額9.99ドル(税込980円)に対して、月額4.99ドル(税込480円)で提供される。

関連記事:アップルがSiriでのみ利用できる安価なApple Music Voiceプランを発表、月額480円

音楽の新サブスクリプションはiOS 15.2のさまざまなアップデートの一環で、他にもアプリのプライバシー報告や、メッセージの子どもの安全警告「メールを非公開」によるプライバシー機能などがある。

音声コマンド専用の音楽サブスクなんて誰が必要とするんだ?と疑問に思った人もいるかもしれないが、実のところ、初めてそれを提供するのはAppleではない。

2019年、Amazon(アマゾン)はAmazon Musicサービスをもっと手頃な価格で提供する方法として無料で広告入りのプランを、Echoスピーカー専用として用意した。つまりそれは、AlexaのコマンドからしかアクセスできないAmazon Musicだった。

今回のSiriだけサービスもそれと似ているが、Appleのスマートスピーカーだけに限定されていない。AppleによるとHomePod、AirPods、iPhone、CarPlayなど、Siri対応のデバイスなら何でもよいとのことだ。

この音声オンリーのプランは、曲数が少ないApple Musicの簡易バージョンではない。これまでのサブスクと同じく、会員はApple Musicのカタログに載っている9000万曲や数万のプレイリスト、数百種類のムード、アクティビティプレイリスト、個人化されているミックス、ジャンル別のステーションなどにアクセスできる。Apple Music Radioも含まれている。

このコンテンツにアクセスするために、ユーザーは曲やアルバムやアーティストをSiriにリクエストし、おそらくは「play something chill(チルな曲をプレイして)」や「play the dinner party playlist(ディナーパーティー用のプレイリスト)」「play more like this(こんな曲をもっと)」といった音声コマンドでジャンルやプレイリストを指定するだろう。

Voiceプランの会員は、Apple Musicアプリをある程度利用できる。しかし通常のようにライブラリ全体を閲覧するのではなく、「今すぐ聴く」に先にプレイされた曲が表示され、タップやSiriのコマンドでそれに似た曲を聴くことができる。「ラジオ」は、ライブやオンデマンドのラジオにアクセスできる。検索機能もあるが、検索結果の曲はSiriに要求しないと再生されない。アプリには、Apple Music向けにSiriを最適化する方法も紹介されている。

Siriへのフィードバックは「I like this song(この曲は好き)」とか「I don’t like this song(この曲は好きではない)」などといえばよい。Siriは、歌手の名前や、曲名、アルバム名、発売年なども教えてくれる。

音声でApple Musicに付き合うことは、Siriを訓練することにもなり、ユーザーの好みをよく理解するようになる。そうなると、Siriに「play some music I like(私が好きな音楽をかけて)」や「play my favorites mix(私の好きなミックスをかけて」」などとお願いすると、そのとおりの曲をかけてもらえるようになるだろう。

AmazonのEchoオンリープランに対抗し、Apple MusicのVoiceプランはユーザーのSiriの利用履歴にAppleがアクセスできるようにしている。そしてそのデータを利用して、AlexaやGoogleアシスタントと比べて後塵を拝しているプロダクトを改良することができる。より大きな意味では、有料の音楽サービスを利用することをためらっていたお金に敏感なユーザーに、初めてそれを試してもらう機会になる。広告のない音楽をオンデマンドで聴けることの良さに目覚めたら、Pandoraの広告入りバージョンから離れるかもしれない。

関連記事:安価なApple Music VoiceプランはSiriの改良を進める作戦である可能性が高い

iOS 15.2のアップデートにより、Apple Music Voiceが提供されるのは、オーストラリア、オーストリア、カナダ、中国、フランス、ドイツ、香港、インド、アイルランド、イタリア、日本、メキシコ、ニュージーランド、スペイン、台湾、英国、米国となる。

画像クレジット:Apple

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Pinterestでもコメントへの返信を動画で行うオプションを展開

Pinterest(ピンタレスト)は、ユーザーが動画でコメントに返信することを可能にするオプションを展開する最新のソーシャルメディアプラットフォームだ。ユーザーは、同社のアイデアピン機能を通じて、この機能を利用できる。Pinterest は2021年初め、クリエイターがボイスオーバー録音、BGM、トランジション、その他のインタラクティブな要素などのツールを使って、最大20ページのコンテンツを持つビデオを録画・編集できるようにするため、アイデアピンを立ち上げた。現在、ユーザーは返信したいコメントを見つけたとき、3つのドットのメニューを選択し「reply with an Idea Pin(アイデアピンで返信)」をクリックすることができる。そこから、新しいビデオを撮影するか、既存のビデオをアップロードするかを選択することができる。

「Pinterestでコミュニティと関わる方法は、これまで以上に増えています。コメント、質問、リクエストのすべてに、カスタマイズされたアイデアピンで返信できるようになりました」。同社は、この新機能についての発表で語った。「私たちは、あなたやあなたの親指を、長くて小説のようなテキストの返信から解放したかったのです。なぜなら、単に見せられたほうが良いものもあるからです」。

Pinterestの新機能の立ち上げは、Instagramが同様のものを展開した数日後に起こった。先週末、Instagramは、ユーザーが投稿のコメントにリールで返信することができる「Reels Visual Replies(リール・ヴィジュアル・リプライ)」機能を導入した。現在、ユーザーがコメントへの返信を選択すると、動画の返信を作成するためのリールボタンを選択できる。

動画返信のアイデアは、TikTok(ティックトック)が最初に普及させたものであることは注目に値する。この短編動画プラットフォームは、2020年、ユーザーに動画についてより多くの文脈を提供したり、質問に答えたりする方法を提供するために、動画返信を開始した。この機能の人気を考えると、InstagramとPinterestがそれぞれのプラットフォームで同様の機能を開始したことは驚くことではない。

Pinterestは、過去数カ月の間にクリエイターを対象としたいくつかの新機能を発表している。同社はさらに、動画作成・編集アプリのVochi(ヴォチ)を非公開の金額で買収し、クリエイターツールと動画に投資した。Pinterest はまた、TikTok のような「Watch」タブでアイデアピン動画を閲覧する新しい方法を展開し、2000万ドル(約22億7200万円)のクリエイターアワードで参加を促した。

これらの機能の立ち上げは、Pinterest が、主にTikTokの機能をコピーし、独自の工夫を加えることで、TikTok時代の自己改革を試みていることを示している。TikTokは、Instagram、YouTube(ユーチューブ)、Snap(スナップ)、Reddit(レディット)などのトップソーシャルメディアプラットフォームでクローンを生み出しており、Pinterestだけがそうしているわけではない。

画像クレジット:Pinterest / TechCrunch

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(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

ツイッターが自動キャプション機能を追加し動画をよりアクセシブルに、日本語含む30以上の言語で

米国時間12月14日より、Twitter(ツイッター)は動画に自動生成キャプション機能を導入する。この機能により、耳がまったく聞こえない、または聴覚障害を持ったユーザーが動画によりアクセスしやすくなる。自動キャプションはウェブ、iOS、Android版で、英語、スペイン語、日本語、アラビア語、タイ語、中国語、ヒンディー語など、30以上の言語で利用できる。

キャプション機能は、Twitterが12月8日からテストを開始した新しいバーティカルフィードで役立つ可能性がある。このフィード方式が一般に展開されれば、同アプリの「Explore(話題を検索)」タブがTikTok(ティックトック)のようになり、動画を含む、アルゴリズムで推奨されるコンテンツが一度に1つずつ表示されることになる。このようなフィードでは、動画にキャプションがついていることが期待される。公共の場でヘッドフォンが手元にない場合でも、フィードを簡単にスクロールできるからだ。

関連記事:他社に続きツイッターもTikTokを模倣、検索タブがビデオフィード化するテスト実施

しかし、TikTokやInstagram Reelsの動画キャプション機能では、投稿前にキャプションのテキストを編集することが可能だが、Twitterではユーザーがキャプションを微調整することはできない。つまり、自動キャプションをより正確にするために、ユーザーがエラーを修正することはできないということだ。

自動キャプションや画像の代替テキストなどのアクセシビリティ機能は、2020年9月についにアクセシビリティ専門チームを創設した後、Twitterがよりフォーカスしている分野だ。この人事配置の変更は、2020年夏に自動キャプションのない音声ツイート機能を試験的に導入した際に、ユーザーから批判を受けたことがきっかけとなった。現在では、音声ツイートと同社のClubhouse(クラブハウス)のライバル機能であるTwitterスペースは、どちらもキャプション機能を備えている

Twitterが動画のキャプションをサポートするのは新しいことだが、同社はすでにTwitterスペースと呼ばれるライブオーディオチャットルームでキャプション技術を使用していた。

Twitterは、キャプションを含むスペースの音声コピーを30日間保存し、同アプリのガイドラインに違反していないかどうかコンテンツを確認するとしている。特定のスペースに違反が見つかった場合、Twitterはそれらの記録をさらに90日間保管し、スピーカーが違反決定に不服を申し立てる機会を提供する。

Twitterとユーザーにとって残念なことに、このプロセスはプラットフォーム上での不正使用の問題に対処するには十分ではない。Twitterスペースのユーザーはこれまで、人種差別的なタイトルのスペースなど、明らかに問題のあるコンテンツを配信され、Twitterがその報告を受けた後も有害なコンテンツはフィードに残っていた。TwitterのコミュニティマネージャーであるSimon Balmain(サイモン・バルマン)氏は最近、この問題に取り組んでいるとツイートしたが、同社のシステムが既存の報告機能や、スペースの音声やキャプションの保管を超えて拡張されるかどうか、あるいはどのように拡張されるかについて、Twitterはまだ詳細を明らかにしていない。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Aya Nakazato)

運送管理SaaS「アセンド・ロジ」のascendがプレシリーズAエクステンションで5000万円調達、累計調達額約2.5億円に

運送管理SaaS「アセンド・ロジ」のascendがプレシリーズAエクステンションで5000万円調達、累計調達額約2.5億円に

運送管理SaaS「アセンド・ロジ」を開発するascend(アセンド)は12月14日、プレシリーズAのエクステンションラウンドにおいて、第三者割当増資による5000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、B Dash Ventures(BDV)が運用するベンチャーキャピタルファンド。調達累計額は約2億5000万円となった。

アセンド・ロジは、現在手作業・アナログでなされている運送事業者の運行管理業務をデジタル化することで一元集約し、運送業者の売り上げに直結する物流データ(荷物、車両、運転手、ルート等)を可視化するサービス。同時に、これらデータを基に運送事業者の経営改善に資するインサイトを提供するという。

また受注側による物流データの可視化には、発注側である荷主のポートフォリオを運送事業者側が把握・分析できるという側面もあり、双方が対等な交渉力を備える、健全な経済のあり方にもつながっていくものと、同社は考えているそうだ。

BDVは、地方中小企業のDX推進を目的とし、2021年10月に、地域金融機関への強いネットワークを持つ株式会社あおぞら銀行との合弁会社であるB Sparkを設立。ベンチャー企業の持つDXのナレッジと地方中小企業のDXニーズを効果的に結びつける挑戦を行っている。今回、BDVの運営ファンドからの出資を契機として、ascendもB Sparkの持つ地域金融機関とのネットワークを効果的に活用し、地方の中小運送業者のDX支援を強化できるよう務めるとしている。

元Snap社員が会話型コマースのスタートアップWhymが4.9億円調達

元Snapの社員たちが作った会話型のコマースサービスWhymは、モバイルデバイスからの買い物をもっと簡単にしようとしている。チェックアウトのフォームに長々と記入したり、決済カードの詳細を手で入力する代わりに、Whymでは1回のタップでApple PayやGoogle Pay、あるいは単なるテキストメッセージでチェックアウトを終えることができる。同社は、一般消費者製品や健康グッズ、美容製品などで成功し、このほど430万ドル(約4億9000万円)のシード資金獲得を発表した。

ラウンドはDeciens Capitalがリードし、DNX VenturesやReciprocal Ventures、Unusual Ventures、Chaos Ventures、Magic Fundらが参加、またSequoiaやLightspeed、Canaan Partnersらも小額を投資した。さらにStripeやPayPal、Venmo、Microsoft、Salesforce、Google、Facebook、Twitter、TikTok、Snapchat、Uber、Airbnb、Red BullそしてSpotifyなどの創業者や役員からのエンジェル投資もある。

同社は2017年にCEOのKelly Nyland(ケリー・ナイランド)氏とCOOのRhenee Bartlett(レニー・バートレット)氏が創業した。2人はともに、Snapに在籍していた。ナイランド氏はSnapの消費者プロダクトとマーケティングのトップとして、SnapのARサングラスSpectaclesの市場開拓戦略をつくった。バートレット氏はSpectaclesのイベントマーケティングとパートナーシップを担当。Whymの創業に加わりエンジニアリングのVPになったRyan Hornberger(ライアン・ホーンバーガー)氏は、彼のスタートアップであるScan, Inc.が買収されたあとSnapで働き、SnapchatのSnapcodeの基本を作った。

画像クレジット:Whym

Snapにいたときナイランド氏は、ユーザーの多くが、毎日、DM(ダイレクトメッセージ)の画面からSnapを利用し始めることに気づいた。そこで彼女は同社に、アプリ機能の一部として、ブランドと消費者がSnapの上で直接コミュニケーションできるようにしたらどうか、と提案した。

「その経験から、未来のソーシャルショッピングではメッセージングがとても重要だと確信しました」とナイランド氏はいう。

Whymのチームは、メッセージングとコマースを一体化して、テキスト(SMS)やDMのスレッドでショッピングができるようにすれば、ソーシャルショッピングの新しいかたちになると確信し、2018年にベータでローンチした。それによりブランドは、テキストメッセージで「買い物行動に対する応答」ができるようになった。

その後、Whymは小さな店を提供し、それをテキストによるキャンペーンと組み合わせて、その場で商品を買えるようにしている。テキストのやり取りで色やサイズなどを指定することができ、チェックアウトもできる。ブランドはソーシャルメディアやメッセージングアプリで、他の場所のリンクを宣伝してもよい。それを、リンクインバイオやスワイプアップ(Instagramのリンクステッカーなど)、メッセージングアプリなどで展開できる。

画像クレジット:Whym

消費者は、これまでのようにモバイルサイトをあちこちクリックしなくても、簡単かつ迅速に精算できる。小さな店に行ってカートをカスタマイズし、それからApple PayやGoogle Payをタップして買い物が終わる。Whymは初期のようにテキストでチェックアウトもできるが、今後は消費者の電話番号を使う方法も導入する。つまり2022年から、消費者は商品を選んで電話番号を入力すると、それだけでその商品に対する関心や近く買う意思を示せる。従来のようにウェブサイトのリンクを送ったり、スクリーンショットを撮ったりしなくてもいい。

今後は、Whymが顧客にユニバーサルカートを提供して、いろいろなブランドから買い物できるようにし、またブランド側はユーザーに、案内メッセージを送れるようにする。

「中心的な業種は、新進気鋭のD2Cブランドや美容、ウェルネスなどとなります。リピートの多いブランドを重視したい。Whymにできることは顧客のカートを個別一対一で再構築して、そうしたブランドのための「買い物によるリプライ」(リプライの一環として購入アクションがある)を作っていくことです。そのためにはバックグラウンドでテキストメッセージングのパワーを利用して、ブランドと消費者に生じるリピート購入体験を自動化していきます」とナイランド氏はいう。

Whymを利用しているブランドは今数百社で、1回のオーダーにつき3%+10セント(約11円)の手数料を払っている。今同社は年間総取引額が5000万ドル(約56億8000万円)から2億5000万ドル(約284億円)という高級で高額なブランドに注力し、段階的な料金制を導入しようとしている。まだ、そのレートは発表されていない。

自分のブランドをWhymに統合したい人は、その処理の一部始終をセルフサービスでできるが、約10分間かかる。同社の営業チームが、Whymのデモをしたり、Whym統合や最初のキャンペーンを手伝ってくれる。

現在、同社は社員が50名ほどで、今回の資金は新しいブランド顧客の開拓とプロダクトの機能強化に充てる。新しい機能の多くは、顧客の要望によるものだ。これまでWhymは、700万ドル(約8億円)を調達している。

画像クレジット:skaman306/Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

SlackやMicrosoft Teamsなどプラットフォームを超えてチャットできる企業向けメッセージサービス「Mio」

Mio(ミオ)は、Zoom Chat(ズーム・チャット)、Microsoft Teams(マイクロソフト・チームズ)、Slack(スラック)、Cisco Webex(シスコ・ウェブエックス)などのメッセージングサービスを横断して、企業チームの協業を支援するスタートアップ企業だ。同社は米国時間12月9日、シリーズA投資ラウンドを実施し、870万ドル(約9億9000万円)の資金を調達したと発表した。このラウンドは、Zoom(ズーム)とCisco Investments(シスコ・インベストメント)が主導した。

2016年にオースティンで設立し、Y Combinator Winter 2016(Yコンビネータ2016年冬)クラスに参加したMioは、これで総額1700万ドル(約19億3000万円)を調達したことになる。その他の投資家には、Goldcrest Capital(ゴールドクレスト・キャピタル)、Eniac Ventures(エニアック・ベンチャーズ)、Two Sigma Ventures(ツー・シグマ・ベンチャーズ)、Khosla Ventures(コースラ・ベンチャーズ)、Y Combinator(Yコンビネータ)、Capital Factory(キャピタル・ファクトリー)などが含まれる。

プラットフォームを超えてチャットができることは、社内では普通、あまり問題にならないが、組織を超えて仕事をしていると問題になる。従来、この種の会話は、対面でもバーチャルでも、事前に計画されたミーティングで行われていた。しかし、新型コロナウイルス感染流行の発生により、このように社外組織と協業するユースケースでも法人メッセージングサービスへの移行が加速した。

画像クレジット:Mio

MioのCEO兼共同設立者であるTom Hadfield(トム・ハドフィールド)氏は「この分野の互いに異なるプレイヤーたちは、自分たちの壁に囲まれた庭を競合他社から遮断しておきたいと考えるのではないかと、あなたは思うかもしれません。しかし、ZoomとCiscoがMioに投資しているという事実は、相互運用性を非常に重視していることを示しています」と、筆者に語った。さらに同氏は、Microsoft(マイクロソフト)とMeta(メタ)が最近、Teams(チームズ)とFacebook Workplace(フェイスブック・ワークスペース)の統合で提携したことや、SlackとTeamsもVoIPの統合で以前から提携していることを指摘した。

「Microsoft Teams はローカルエリアネットワーク(LAN、構内通信網)のようなもので、Microsoftは常に Microsoftユーザー間でメッセージを配信します」と、ハドフィールド氏は語る。「TeamsのユーザーがSlackのユーザーにメッセージを送りたい場合、職場でのコミュニケーションにワイドエリアネットワーク(WAN、広域通信網)を経由することになります。それがMioで構築しているものです」。

CTOのJames Cundle(ジェームズ・キャンドル)氏と共同で会社を設立したハドフィールド氏によると、同社のチームはこの数年、メッセージングクライアント間の基本的な違い(Slackがカスタム絵文字をサポートしていることなど)の管理や、チャンネルの扱い方など、技術的な課題への対応に取り組んできたという。プラットフォームが異なればユーザーに課せられる制限も異なるし、APIも常に変化する。

画像クレジット:Mio

「コラボレーション業界は、2000年代初頭にAIM、ICQ、MSN、Yahoo! Messenger(ヤフー・メッセンジャー)を接続していたTrillian(トリリアン)のような『多頭型クライアント』から長い道のりを歩んできました」と、ハドフィールド氏は説明する。「10年前には、XMPPやSIPなどのオープンスタンダードが大々的に推進されましたが、標準化団体はチームコラボレーションの急速な革新に追いつくことができませんでした。Mioは、一般に公開されているAPIを連合させることでこの問題を解決しているため、各プラットフォームがそれぞれのペースで革新しても問題ありません」。

このようなサービスに対する明白なニーズがあることを考えれば、そこに多少の競争が生じることは当然だろう。Zoom(ネクストプレーン)も同様の機能を提供しており、Matrixは分散型メッセージングのためのオープンソースプロトコルを使って、SlackやDiscord(ディスコード)などの橋渡しを行っている(ただし、Teams、Zoom、Webexは含まれない)。「我々はMatrixやNextplaneと緊密に協力して、統一メッセージング・エコシステムという共通のビジョンを推進していくつもりです」と、ハドフィールド氏は述べている。

Mioは新たに調達した資金を使って、Google Chat(グーグル・チャット)やMetaのWorkplace(ワークスペース)、Symphony(シンフォニー)など、対応するメッセージングサービスを追加し、同社のサービスを強化することを計画している。また、サービス間でプレゼンス情報を同期させることができるプレゼンス統一化機能も導入する予定だ。

「コラボレーション業界の最大手2社による今回の投資は、相互運用性の新しい時代の到来を告げるものです」と、ハドフィールド氏はいう。「これによって、地球上の誰もが、どのチャットアプリを使っているかに関わらず、お互いにコラボレーションできる『コラボレーション・ニルヴァーナ(協業涅槃)』に、私たちは一歩近づきます」。

画像クレジット:Morsa Images / Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Instagram、リールでのコメント返信可能に

Instagram(インスタグラム)は、投稿へのコメントにリールで返信できる新機能「Reels Visual Replies(リール・ビジュアル・リプライ)」を展開した。これにより、ユーザーがコメントへの返信を選択した際に、返信動画を作成するためのリールボタンを選択できる新しいオプションが表示される。返信動画は、ステッカーとして表示される。

「私たちは、クリエイターがInstagramで築いたコミュニティを愛しています」。Instagramは、この新機能を発表するツイートで述べている。「だからこそ、視聴者と対話するための新機能であるReels Visual Repliesを開始することに興奮しています」。

Instagramの新機能は、リールをより広いソーシャルメディアプラットフォームに統合する。この新機能は、ユーザーが自分のコンテンツに対するコメントに動画で返信できるTikTok(ティックトック)のビデオリプライと似ていることは注目に値する。TikTokは、ユーザーが自分の動画についてより詳細な情報を提供したり、質問に答えたりする方法を提供するために、2020年この機能を導入した。この機能の人気を考えると、Instagramが自社のTikTokクローンに同様の機能を開始したのも不思議ではない。

Reels Visual Repliesのリリースは、Instagramがいくつかの新機能を導入している中で行われた。最近では、年末の「Playback(プレイバック)」機能を新たに導入した。この機能はストーリーのアーカイブを活用したもので、ユーザーは最大10個のストーリーを選択、カスタマイズし、フォロワーと共有することができる。この機能を利用するには、ユーザーが2021年3つ以上のストーリーを投稿しているか、ストーリーズアーカイブをオンにしている必要がある。Instagramがプレイバックの投稿を提案してくれるが、シェアしたい内容を選ぶこともできる。この新機能は現在「数週間のあいだ」ユーザーに提供されている。

また、Instagramは、ユーザーがアプリの問題を報告するためにスマホを振ることができる新機能「Rage Shake(シェイク)」を展開している。振って報告すると、アプリで起きたことを説明し、問題を報告することができる。また、同社は、少なくとも3つの画像または動画を含むカルーセル投稿からアイテムを削除する機能を導入した。カルーセルフィードの投稿は、1つの投稿に最大10枚の写真や動画を組み合わせることができる。今回のアップデートにより、既存のカルーセルからアイテムを削除できるようになった。

また、10分、20分、30分のいずれかでInstagramを休むことをユーザーに思い出させることができる「Take a Break(テイク・ア・ブレイク)」という新機能もテストしている。また、ストーリーに公開スレッドを作成する「Add Yours(アド・ユアーズ)」ステッカーも新たに追加された。この新機能は、他のユーザーのストーリーに対して、プロンプトや特定のトピックに沿って自分のストーリーで返信することができる。

画像クレジット:Instagram

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(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

Mozillaの2021年売上は約567億円超の見込み、新たな取り組みや製品がゆっくりだが確実に軌道に乗る

Mozilla Foundation(モジラ・ファウンデーション)は米国時間12月13日、2020年の財務報告書を発表した。いつものように1年前からの同社の財務状況をよく知ることができるが、2021年初めて同社はより最近のデータも提供した。

最近のMozillaが、営利部門であるMozilla Corporation(モジラ・コーポレーション)の再編にともない、2020年に大規模解雇を実施するなど、数々の困難な状況に陥ったことは周知の事実だ。主力ブラウザFirefoxも、かなりの技術的進歩にもかかわらず、Chromiumベースのブラウザが主流となっている市場で苦戦を強いられている。それでも、2020年のMozilla Corporationの売上高は、検索パートナーシップ(主にGoogleとの検索契約が牽引)、サブスクリプション、広告収入で4億6600万ドル(約528億円)となった。これは、Mozilla Corporationがこれらのソースから4億6500万ドル(約527億円)を得た2019年と基本的に同じだ。

2021年については、5億ドル(約567億円)超の売上を見込んでいる。

しかし、おそらく最も重要なことは、Mozilla VPNサービス、Firefox Relay Premium、PocketなどのMozillaの新製品やその他の商業的な取り組みが、ゆっくりと、しかし確実に成果を上げ始めていることだ。MozillaのエグゼクティブVPであるAngela Plohman(アンジェラ・プローマン)氏とCFOのEric Muhlheim(エリック・ミュールハイム)氏が12月13日の発表で述べたように、新製品の提供による売上は2021年150%成長し、2021年には売上の14%を占める見込みだ。Mozilla VPNサービスは、2020年から2021年にかけて450%の売上増となった。

それでも、2020年でのMozilla売上の86%は、Googleとの検索契約によるものだ。2019年の88%からはいくぶん下がっているが、どう考えてもMozillaはここしばらくGoogleに完全に依存していることに変わりはない。

売上源を多様化することはMozillaにとって、圧倒的なシェアを誇るChromeブラウザを展開しているために競争相手でもあり、Mozillaの全体的な哲学とはますます一致しないようになっているGoogleとの検索契約への依存度を下げる唯一の方法だ。

Mozilla FoundationのCEO兼会長のMitchell Baker(ミッチェル・ベイカー)氏は、同日の発表で次のように述べている。「広告が変化し、ウェブのビジネスモデルの将来が危ぶまれる中、私たちの価値観に合致し、当社を際立たせることのできる、新しく責任ある収益化の方法を模索してきました。Cookieの廃止とオンライン広告のエコシステムの見直しが必要だと考えてきました。そして当社は、人々を尊重しながら企業に価値を提供する、責任ある広告の新しいモデルに向けて業界をナビゲートする立場にあります。未来のための製品を作ることで、私たちは将来のためのビジネスを作っているのです」。

しかし結局のところ、Mozillaが必要としているのは、ブラウザであれVPNであれMozillaのサービスをより多くのユーザーに採用してもらう(あるいは戻ってきてもらう)ことだ。Googleの動機にユーザーがますます懐疑的になっていることや、MicrosoftのEdge チームがここ数カ月でいくつかの過失を犯していることから、非Chromeブラウザにはチャンスがある。しかし同時に、MozillaはFirefoxにスポンサー付きの提案や広告を導入するための努力をしてきたが、必ずしもユーザーに好かれているわけでもなかった。

画像クレジット: David Tran / Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Nariko Mizoguchi

Rent the Runwayを進化させた英国のファッションレンタル・シェア「HURR」が約6.1億円調達

「Rent the Runway」スタイルの英国のファッションレンタルマーケットプレイス「HURR」は現地時間12月10日、欧州のVCであるOctopus Venturesが主導するシードラウンドで540万ドル(約6億1000万円)を調達したと発表した。今ラウンドにはAscensionやD4 Venturesなども参加した。

2019年にローンチしたHURRは、ピアツーピアのファッションレンタル、ファッションアウトレットとの直接提携、(英高級百貨店セルフリッジズのレンタルサービス)Selfridges Rentalなどの小売店とのホワイトレーベルサービスを組み合わせたハイブリッドなビジネスモデルを展開している。また、Selfridges London(セルフリッジズ・ロンドン)に実店舗を持ち、世界的なフリマアプリDEPOP(ディポップ)との提携も行っている。

HURRの創業者兼CEOであるVictoria Prew(ヴィクトリア・プリュー)氏は、次のようにコメントしている。「私は、オーナーシップを共有するのが大好きなミレニアル世代の一員です。私たちは皆、AirbnbやUber(ウーバー)のような破壊的な技術を駆使したビジネスの台頭を目の当たりにしてきましたが、家やクルマをそうしてレンタルできるのであれば、ワードローブを貸し借りすることもできるはずです」。

Octopus Venturesのコンシューマー部門投資家であるMatt Chandler(マット・チャンドラー)氏は、次のように述べている。「HURRは、新しいオーナーシップモデルへの移行を利用して、より気候に優しいファッション業界への移行を先導できる絶好の立場にあります」。

画像クレジット:HURR

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(文:Mike Butcher、翻訳:Aya Nakazato)